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高雄「仮面を被りながら私は泣いた」
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「高雄さん、最近何かいいことあったんですか? 」
先日、 よくお世話になる工作艦の方からこんな言葉を頂いた。
彼女からすれば 他愛のない世間話なのだろうけれど、私の胸にチクリと刺さった。
やっとのことで『 明石さんみたいに素敵に笑えるようになりたいんです』と返すと、 キョトンとされてしまった。
彼女のようにバリバリ活躍しながらも素敵な笑みを絶やさない方にはピンとこないの だろう。
お世辞でもなんでもなく、私は自然に笑えるようになりたい。
いつも優しく微笑んで、どんなことにも動じない、あの人のお姉さんになりたいのだ。
笑顔は私を守ってくれる。
笑顔は余裕の表れであり、人を安心させてくれる素敵な表情。
だから私はいつも微笑んでいたい。
笑っているだけで『何かいいことあったのか』などと言われているうちは駄目なのだ。
いつも自然に、優しく、微笑んで、あの人を安心させたい。
そしてそれ以上に、私を安心させたい。
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私はあまり自分に自信が持てていない。
というか、持てるような要素があまりない
改の時点での火力の高さを称えられることはある。
しかしそんなもの「改にしては」というだけであって、結局改二のない私は十分な戦力とは言い難い。
そこへ行くと妹の摩耶と鳥海は非常に優秀で、私の自慢の妹だ。
体つきを称えられることはある。
しかしそんなもの妹の愛宕とほとんど変わらない。
私と同じく改二がなく、十二分な戦力とは言い難いけれど、
それを補って余りあるほど、彼女は人気の艦娘だ。
眩しい笑顔で回りを明るく照らし、傍にいるだけで元気になってしまう、私の自慢の妹。
自慢の妹たちだけじゃない。
この鎮守府にはより優秀な艦、より人気の艦がいくらでもいる。
昔、私くらいしかまともな戦力がいなかったあの頃と違って、
今の提督は頼れる部下と信頼できる仲間達に囲まれているのだ。
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そんなこんなで私はもう過度な期待はしないようにしている。
『付き合いの長い重巡』なんていうくだらない矜持は捨てて(というかもっと付き合いの長い艦なら他にいるわけで)
ワンオブゼムとして、気軽に話せる重巡洋艦であればそれでいい。
気楽に話せる艦娘として、どんなことがあっても笑っていたい。
あの人が自慢の妹たちと語らっている時でも。
あの人が立派な戦艦や空母の方々を称えている時でも。
あの人が愛らしい駆逐艦や海防艦を可愛がっている時でも。
いつも笑って傍にいてあげたい。
……いいじゃないの。都合のいい女で。
いつ、何があっても、どんな時でも、微笑んで見守っている、都合のいい女でいいじゃないの。
だから今日も微笑みながらあの人の元に向かう。
期待も落胆もせず、凛として胸を張る。
いつもと同じ日に、いつもと同じように微笑みながら仕事をする。
別に今日は特別でも何でもない、いつもの日なのだから。
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――
覚悟は決めたはずだった。
「あの…提督?こちらは一体?」
「あー…その、進水日プレゼント」
……それなのに
「覚えてらっしゃったんですか?」
「そりゃ忘れないよ」
……それなのになんで
「これ、二枚ありますが…」
「片方は僕のチケット。一緒に水族館行ってくれると嬉し…じゃなくて喜んでくれるかなぁ…なんて思って…」
「……」
「だ、ダメ?」
私は、覚悟を決めたつもりだったのに
「ダメだったら愛宕あたりと遊びに行けばいいんじゃない?うん、そ、そう考えると…別に僕が行く必要もないかな?」
「いえ…ありがとうございます、私も嬉しいです」
「そ、それって…!」
ダメだった
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「ぜひご一緒させてください」
「やった!」
お姉さんとして振る舞いたかったのになぁ
「あれ?高雄?」
「あっ…やだ…涙が…」
結局泣いちゃった。
デートに誘われただけで泣いちゃった。
しかも提督に見られちゃった。
「えっ、あっ、ちょ、ご、ごめん高雄」
「いえ、ごめんなさいこちらこそ驚かせてしまって」
重い女って思われちゃっただろうなぁ
まだまだ精進が足りないなぁ
「…あの、提督?」
「は、はい!?」
微笑むどころか、泣いてる所を見られてしまったけれど
「――期待してもいいですか?」
…今の私は自然に笑えている気がします
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本日5/12は高雄さんの誕生日です
おめでとうございます
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これマジ?
オメシャス!
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おめでとうございます
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おめしゃす
高雄型の魅力はショレだけじゃないってはっきりわかんだね
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優しい世界
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いいスレタイ詐欺だぁ…
進水日オメシャス!
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高雄大好き
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このスレはまとめられる(確信)
おめでとうございます
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やったぜ。
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オメシャス!
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