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【ノンエロSS】岩館揺杏さんをおんぶして
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息も白くなる季節に揺杏がジャンケンで負けたとか言って
部活の買い出し手伝ってくれとかぶっきらぼうな口調で頼まれて・・・
揺杏「こういう時には猫の手も借りたいって言ったら失礼だな。ホンっトありがと」
機嫌悪そうと言うワケじゃなく、なんとも言えない表情をしながら同じ道を歩く。
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こちらが戸惑った感じで表情を見てると彼女も今の心境を察するものがあるのか
揺杏「ほら!チカセンってこの時期にアイス食いたいとか、爽はポテチ食いたいとか言うしさぁ・・・」
いつも通りの世話好きな揺杏だったので別の意味で安心する。
揺杏「・・・まぁ、お前と二人きりで歩くの・・・悪くないなって・・・何言ってんだろうなぁ?」
友達ぐらいの関係で、あんまり好かれてるとは思ってなかったけど
どれだけ勇気を振り絞った言葉だったかって言うのはひしひしと伝わってきた。
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俯いてあーでもないこーでもないとか模索してる様に
何故か先ほどまでの肌が痛い寒さも気にならない程に
長いようで短い時間が不規則にこの空間を過っている。
揺杏「あ・・・の・・・んがッ!!」
こちらが多めに荷物を持ってるとは言え
揺杏も両手に重い買い物袋をぶらさげてる中でフラフラしていたせいか
見ているこちらにも痛みが伝わるぐらいに足を挫いてしまった。
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揺杏「あぁぁ・・・マジかっこわる・・・ゥッ・・・!!」
躓いた彼女の痛みとも違う赤らめた顔の瞳はうっすら涙を浮かべていて・・・放っとけなかった。
揺杏「マジで痛いけど・・・おい、買い物袋は持てるから・・・めっちゃ痛ェけど」
寒い時に怪我をすると割り増しで痛みが刺す様になるとは言え
あまりにも痛々しかったので全部持ってあげた。揺杏も背中に担いで・・・
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揺杏「田舎道で誰も居ないからいいけどさ、スゲエ恥ずかしい・・・でも楽だわ。」
無駄に長くて人気のない道とは言え、無意識の内に選んだ行動に今更自分で困惑してしまう
揺杏「力持ちだよなぁお前・・・アタシも結構重たくない?」
精神的な意味なのか物理的な意味なのかどちらか
冗談交えて聞きたい心境だったけど
先ほどの少し情緒が揺らいだ揺杏の温かい香りに包まれてるせいか
買い物袋も揺杏も重たくない。
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揺杏「アタシは弱いトコ見せないってのが強さだと思ってたけどさ・・・」
何か胸が痛くなる。誰でもそうやってなければ耐えられない事があるのかもしれないと・・・
揺杏「キミになら・・・少しずつ甘えてってもいいかなって・・・うん。何言ってんだろなぁ・・・」
背負ってるからその表情は窺い知れないけれども、泣いてる事だけは伝わった。
勇気みたいなモノを出して必死に何かを伝えようとしてるのかしがみついてる手が震えてたから。
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おんぶしてる揺杏が温かいを通り越して暑いぐらいになった所で有珠山高校に着く。
揺杏「あー、別に足挫いてマジ泣きしたとかそういう風にしとくからさ・・・今日の事は・・・ありがとね」
寒い日も自分を想ってくれる人が傍に居れば温かいんだな。そう思えた時間だった。
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あくあく
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ノンケエロSSに見えた
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>>9
揺杏がいるのに非ノンケ路線があったらどうなっちゃうんだよ
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これは恋愛強者
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