ほら、切り分けてやるからそこに座ってくれ。ちゃんと紅茶も入れてある。
今日はあの馬鹿でかい皇帝(ツァーリ)とやらのために、種火やら素材やらを求めて朝方から奔走していたのだろう？
さすがの汝も疲弊しているだろうと思って、ささやかだが茶会でもどうかと、な。
意外そうな顔だな？ まあ私とて戦闘と狩りにばかり明け暮れているわけではない。
せっかく汝と縁を結び召喚に応じたのだから、たまには菓子作りくらい挑戦するさ。
それにまあ、なんだ。私も汝には世話になっているし、日々、人理のために奔走しているわけだし･･･
ええい、まどろっこしいな。マスター、口を開けてくれ！ 汝を労ってやる！
････んっ、ほ、ほら、どうだ？ うまいか？
あ、ははっ、すまんすまん。もう少し小さく切り分けてから口に入れてやるべきだったな。
うん･･･いや、その、なんとか言ってくれ。熱いと言う反応だけでは味気ないというか･･･
え、お返し？ ま、待ってくれマスター、これは汝に･･･！ はむっ！？
あっ、あふっ、熱いっ！ おい汝、悪ふざけが過ぎっ･･････えっ、美味しいからお返し？
････むぅ、卑怯者め。だが、そうか。そう言ってくれるならばなによりだ。慣れぬ作業だったが作ってきた甲斐があったぞ。
う、うるさいなっ、今は顔を見るな！ 赤いのは熱かったせいだ！ そんなことよりも茶会の続きだ！
ご覧の通りアップルパイはまだまだたくさんあるからな。さあマスター、口を開けろ。
ふふっ、当然だろ？ 言ったはずだ、私が労ってやるとな。だから今日は特別だ。内緒だぞ？
ふーっ、ふーっ、ほら、今度はちゃんと冷ましてあるから。
さ、マスター？ あ、あーん
････････････。
美味いか？ ふふっ、よかった。
･･･いつもお疲れ様、マスター。
ありがとうごさいますやでほんま