■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
愛宕「ねぇ、今日は提督に脱がせて欲しいな…」
-
青年提督「変な言い方やめろ。」
愛宕「いいじゃない。いつもやってもらってるんだし。」
青年提督「いつもやってるからこそやめろ。ほれ、手上げろ。」
愛宕「むすぅ」
愛宕「…一人で脱げるだろ、って言わないのね。」
青年提督「なんでいう必要がある。」
愛宕「ふふっ、ありがと。」
青年提督「どういたしまして」
青年提督「……色気ないな、俺達。」
愛宕「ま、付き合い長いからね。」
青年提督「ところで愛宕さん愛宕さん、一つお聞きしたいのですが。」
愛宕「なぁに?」
-
青年提督「俺のアドレスに、見知らぬ女性方から大量のメールが来てるのは、どういうことなのでしょうか。」
愛宕「あ、やっぱり?」
青年提督「やっぱり?じゃねえよ!案の定お前の仕業か!」
愛宕「私の言った通りでしょ?提督はモテる、って。間違いなく。」
青年提督「それで俺の顔写真と収入と貯金額を出会い系サイドに掲載したと?」
愛宕「何年も使ってないフリーメールアドレスだったから大丈夫でしょ?」
青年提督「そういう問題じゃねぇ」
愛宕「だって提督が『どうせ俺なんか選ぶ物好きな女いねーよ』とか世迷言言うんだもん。」
愛宕「で、どうなの?良さそうな人見つかった?」
青年提督「…捨てたよアカウントごと。」
愛宕「あーもう、この甲斐性なしめ!」
青年提督「甲斐性とかいう問題じゃねーだろ」
-
過剰なまでに弟の面倒を見るお姉ちゃんかなにか?(興奮)
-
青年提督「甲斐性とかいう問題じゃねーだろ」
愛宕「提督という立場にありながら女遊びの一つや二つもしない!」
青年提督「そりゃまぁ…そうだったかもしれないけど」
愛宕「これのどこに甲斐性があるというのか!英雄色を好むという名セリフをしらないのかよ!」
青年提督「…そもそも俺はもう提督じゃないんだが。お前も退役したろ」
愛宕「これはあれよ。どっかのステルスゲームの大佐的なノリよ。呼びなれたニックネームよ。」
青年提督「お前いつも性欲持て余してたもんな。」
愛宕「真面目に話してるのにはぐらかさないで。」
青年提督「えっ、真面目な話?」
愛宕「ふぅー…これでもお姉さんはね、提督には幸せな家庭を築いてもらいたいのよ。」
-
青年提督「そんでやることが今時出会い系?」
愛宕「幸せな家庭には出会いは大事よ。出会いが。」
青年提督「短絡的すぎるんだよ。」
愛宕「じゃあこの前紹介してあげた子はどう?元駆逐艦の。」
青年提督「…悪い子じゃないけど、ダメなもんはダメ。」
愛宕「んー?年下の子はお嫌い?歪んだ趣味ねー。」
青年提督「10年前のお前に言ってやりたいよ。」
愛宕「失礼ね、私は年下の子は好きだったわよ。」
青年提督「いや歪んだ趣味だったろ。」
愛宕「あー聞こえなーい聞こえなーい」
青年提督「真面目な話、俺の趣味が歪んでるとしたら十中八九お前のせいだと思う。主に少年時代の経験的に」
愛宕「あーあー聞こえなーい聞こえなーい聞こえなーい」
-
お前じゃい!
-
青年提督「…それより、お前はどうなんだよ。」
愛宕「んー…無理でしょ。これじゃ。」
青年提督「無理じゃないだろ。そりゃ最初は面食らうだろうけど、お前、美人だし。仕事できるし、胸デカいし。」
愛宕「私自身あまり興味がないです。はい、この話題おしまい!」
青年提督「…服、自分で着れるか?」
愛宕「着れなくはないけど、手伝って。」
青年提督「新しくしたんだってな。義手。」
愛宕「すごい高性能らしいよー。明石が自信満々に言ってたもん。」
愛宕「まぁ義手は義手だから、さっきみたいにたまに外さなきゃいけないけどね。」
青年提督「長いこと会ってないけど、あいつも元気にしてるのか。」
愛宕「相変わらず真面目にやってるみたいよ。」
青年提督「皆変わらないもんだな。」
-
愛宕「提督は変わったけどね。」
青年提督「変わったか?」
愛宕「うん、笑わなくなった。」
青年提督「……」
愛宕「…まだ責任感じてるんでしょ。」
青年提督「感じるも何も、責任者だったのは俺だ。」
愛宕「だから言ってるでしょ?戦いなんだから、いつこうなってもおかしくなかったって。」
青年提督「俺の作戦ミスだった。」
愛宕「作戦ミスでも、腕一本足一本で済んだんだから御の字よ。」
愛宕「昔は提督にいっぱい迷惑かけちゃったけど、ここ数年は私一人でも大丈夫になったでしょ?」
愛宕「義手と義足がなんかハイテクになってくれたから、もう日常生活も大体人並みに送れるし。」
愛宕「…ま、ビジュアルはともかく。」
-
青年提督「…」
愛宕「確かにこんなグリーヴァス将軍みたいな腕じゃみんなビビっちゃうわよね〜。」
愛宕「いっそのこと本当にぱかっと別れて二本の腕になったら便利そうね。明石に頼んでみようかしら。」
愛宕「……でもそういうのってさ、提督とは何の関係もないのよ。」
愛宕「百歩譲ってさ、責任を感じるだけならいいわよ。気にすることじゃないとは思うけど。」
愛宕「それである程度私の面倒を見よう、っていう義務感が生じちゃうのもまぁいいわよ。」
愛宕「でももう10年も経つのよ?あなた私の面倒見るのに青春丸々捧げちゃったじゃない!」
愛宕「こんな双方が無駄に責任を感じるようなあり方は間違ってると思いまーす!」
青年提督「責任、か。」
愛宕「だから!もうそんな責任なんて忘れましょう!そんなもの感じる必要はないの!」
愛宕「提督はこれからでも新しい人を見つけて、幸せな家庭を築くの!」
-
愛宕「提督はまだまだ若いんだし、今すぐにでも華やかな人生へ返り咲きましょうよ!」
青年提督「華やかな人生なぁ。」
愛宕「本来なら、提督はきっとそれを歩んでるはずだったのよ。私さえいなければ。」
愛宕「…その隣で一緒に歩いているのが私なら、って何度も夢見た。」
愛宕「だからこそ、もうあなたを側に縛り付けるのが辛いのよ。」
愛宕「…好きだけど、側にいたくないの。」
愛宕「これ以上、提督から笑顔を奪ったのが、私だってことを自覚したくないの。」
愛宕「これ以上、提督から可能性を奪うのは嫌なの。」
愛宕「だから…」
青年提督「お前やっぱり勘違いしてるだろ。」
愛宕「ん?」
-
ん?
-
青年提督「なんで俺が今までお前に付きまとってるのか、勘違いしてるだろ。」
愛宕「そりゃ私の傷の責任を…責任なんて感じてない、ってこと?」
青年提督「いや、それはある。」
愛宕「?…責任を感じてるから、誰とも付き合わずに、私のそばにいたんじゃないの?」
青年提督「半分あってるけど半分違う。」
愛宕「??」
青年提督「俺は罪悪感で10年間もお前にひっつくほど殊勝じゃない。下心だ下心。」
愛宕「下心〜?あそこまで私のアプローチを徹底的に無下にしておいて下心〜?」
青年提督「そうだぞ」
愛宕「ないわー、この10年間セクハラの一つもしなかった提督が下心とかないわー」
-
青年提督「俺も男なんだぞ。下心くらいある。」
愛宕「まだ子供の頃のほうが下心あったんじゃない?ほら、昔私が寝てる時に…」
青年提督「おいやめろバカ。」
愛宕「クスクス」
青年提督「話を戻すけど、俺はこの10年間、単純にお前と一緒にいたいとか、お前に気に入られたいとか」
青年提督「その他諸々の下心で一緒にいるわけだ。お前を傷つけた責任、義務感はなんてほとんど誤差だ。」
愛宕「…まぁ、信じてあげますか。」
青年提督「俺の責任ってのは、お前を傷つけた俺がお前に言い寄っていいのか、ってこと。」
青年提督「世話なんて言えば聞こえはいいけど、弱ってるお前に言い寄ってるのと何ら変わらない。」
青年提督「ましてや俺のせいでお前はそんな目に会ったんだ。お前が何と言おうと俺はそう感じてる。」
青年提督「その弱みに付け入る形でお前に言い寄っても、マッチポンプというか…」
青年提督「俺にそんな権利はないんだよ。」
-
愛宕「殊勝ねー。十年間以上私を生殺しにしてくれた理由はそれですか。」
青年提督「…悪かったよ。」
愛宕「まぁ…うん、仕方ないわよね。そういう気持ちの問題は。納得できるかどうかだもんね。」
青年提督「…」
愛宕「…やっぱり、納得できない恋は実らないよね。」
愛宕「だからこそ、ここらがいい踏ん切りだと思うの。」
愛宕「今までありがとうね。提督には迷惑ばっかりかけてたけど…私はこの10年間、楽しかったわ。」
愛宕「私、自信あるよ。この10年間の思い出だけで、残りの人生生きていけるって。」
青年提督「俺は生きていけない。」
愛宕「欲張っちゃダメよ。このままお互いを縛り付けあっても、何にもならないから。」
-
青年提督「…そうかもな。」
愛宕「わかってくれた?」
青年提督「吹っ切れたよ…もう、やめにしよう」
愛宕「ええ」
青年提督「こんなの間違いだ。責任なんてクソ喰らえだ。」
愛宕「ええ」
青年提督「だから新しい責任が必要だと思う。」
愛宕「え?」
青年提督「お前さっき言ってたよな。俺を十年を縛り付けてしまったことに責任を感じてる、って。」
愛宕「う、うん」
青年提督「だからもうこんな関係はやめよう。お互いに責任を感じることなんてない、って」
愛宕「ええと…あ、あの提督?」
-
ええやん!
-
流れ変わったな
-
青年提督「お前の気持ちはわかったし、いうことはもっともだ。」
愛宕「あの、な、何で服脱がすの?」
青年提督「お前に倣うよ。昔からお前は俺を導いてくれたもんな。」
愛宕「いや、あの、私そんな大層なことした覚えは…」
青年提督「だから責任を忘れることにするよ。」
愛宕「お、落ち着いてよ。」
青年提督「愛宕に手を出さぬよう見守る、という責任を忘れていいんだよな?」
愛宕「それは自体は、素晴らしいことだけど」
青年提督「10年間我慢してた。お前を苦しめて、俺を苦しめて。」
愛宕「ことを急ぎすぎちゃダメよ?段取りってもんが」
青年提督「お前が好きだ愛宕。愛してる。」
愛宕「や、ちょ、ちょっと待っ…」
-
…
青年提督「もう出ないよぉ」
愛宕「や、やってしまった…」スッキリツヤツヤ
青年提督「…お前、全然老けないなぁ、とは思ってたけど、やっぱり衰えないのな。」
愛宕「久しぶりに自分が高雄型だってことを思い出したわ…」ホクホク
青年提督「…何か言うことはないのか?」
愛宕「へ?」
青年提督「いや、だから…この有様を見て、何か言うことがあるだろ。」
愛宕「……」
愛宕「……あっ!」
愛宕「“責任”とってね♪提督♥」
青年提督「仕方ないなぁ。」
-
完
エロシーンはしんどいのでキンクリでした
愛宕のSS流行れ
-
やったぜ。
-
成長したから昔より出せそう
-
ああ^〜たまらねえぜ。
こういうお話ほんと好き
-
何だこの名作!?
-
感動した
-
ただのショタ狂いじゃなかったんやなって
名作いいゾ〜これ
-
ええぞ!ええぞ!
-
すげェ…すげェよ>>1…
クッソ尊い関係誇らしくないのかよ?
-
この愛宕さんいい女すぎませんかね
-
ええぞ!ええぞ!
良いSSやこれは
-
愛宕もうで無くなったのか…
-
腐れ縁が一歩踏み出して結ばれる展開アーサイコ
-
ああ^〜たまらねえ
ハッピーエンド最高や!
-
ショタ提督は好きだけどショタコンじゃない愛宕好き
-
ナイスでーす
-
おーええやん
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■