陸奥「下手に出なければ安心してコミュニケーションを取れないから……なんて言い回しは彼女に失礼かしら」
陸奥「……きっと過去に、信じていた誰かに極端に酷い目に遭わされたのかもね」
陸奥「だから自分を明確に他者の下に位置付けて、誰にも嫌われない立ち振る舞いをすることで自分を安心させて……」
陸奥「同時に逆説的に他者と心の距離を取って自分を守ろうとしてるのよ」
陸奥「だけどああいう生き方をしているといつか必ず、今度こそ取り返しのつかない傷を負わされるわ。周りがなんとかしてあげなきゃね……」
長門「はえ＾〜」
陸奥「あら、だって男が女に本当に求めるのは女子力じゃなくて家庭力だもの」
鈴谷「ぐはっ！！ む、陸奥さんなかなかクリティカルな一撃かますじゃん……？」
陸奥「ふふ、私も昔通った道……だったりしてね？」
暁「ねえ陸奥さん、男とはどれだけ話したって時間のムダね！ 今日わかったわ！」
陸奥「フフフ、暁は大人なのねえ。だけどね暁、本当は逆よ」
暁「逆？」
陸奥「そう。男と女は分かり合えないからこそお話しなきゃいけないの」
暁「……」
陸奥「言葉がなくても分かり合える関係なんて幻想よ。くまモンが欲しかったならちゃんとはっきりそう言ってあげなきゃ、提督だってただ傷付くだけだわ」
暁「〜〜〜っ！ もう、仕方ないわね！ 本当はくまモンが欲しかったって……」
暁「……ううん、ホントはその……お土産を買ってきてくれただけでもちょっとは嬉しかったって、言いに行こうかな……」
陸奥「……もぉ〜〜〜っ暁は可愛いわねぇ〜〜〜！！ 女にからしれんこんを買ってくる男を許すなんて良い子だぞぉ〜よぉ〜しよしよしよし！！」
暁「ちょ、ちょっと！ ほっぺをすりつけてこないで！ 暁は一人前のレディなんだから！」
優しい世界