榛名「やめてくださいっ、お姉様！ 赤ちゃんに罪はありませんっ！」
提督「そうだっ！ 気を確かに持て！」
金剛「……罪はない？ No！！ 全ての元凶はこのBabyデース！！」
金剛「提督も……榛名も……そしてミーも！！ 私達の運命はこのBabyのために狂わされたッ！」
金剛「……諸悪の根源を今！ この手で殺してやるッ！！」
そう叫ぶと金剛は俺と榛名の赤ん坊に手をかけようとした。
……俺はこの日のことを忘れられない。その光景は今でも脳にこびりついている。
なぜなら……
金剛「……えっ？」
金剛の喉から血が噴出したからだ。
……本当に、本当に信じられないことだが、産まれて数か月の赤ん坊が手にしていた剃刀で金剛の喉笛を掻っ切っていた。
金剛「……カッ……フッ……」
金剛は声にならない声をあげて……赤ん坊をまるで突き刺すような視線で睨みつけながら……血の水溜りの中で死んでいった。
そして榛名は死んだ姉に見向きもせず、返り血を浴びた我が子を抱きしめていた。
榛名「良かったっ……本当に良かったっ……『薄紅』っ……」
赤ん坊は榛名の腕の中で何もなかったように無邪気に笑っていた。
後日、金剛は遠征中に不慮の事故によって轟沈した……そう処理された。真相は闇に葬られたのだ。
あの時、なぜ赤ん坊が剃刀を握りしめていたかわからない。だが赤ん坊が金剛の喉笛を掻っ切ったのは偶然なんかじゃない、そんな気がする。
金剛、お前の言っていた通りこの子は本当に……