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中野信子氏、「受験勉強に裕福なのは不利」
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裕福ならなおさら、受験勉強に集中するという意味では不利かもしれません。でも集中しなきゃと自分を抑えても逆効果です。意思と「情動」が矛盾する場合、脳では情動が優先されてしまいます。他の快楽がたやすく得られるなら、勉強に集中するのはほぼ不可能です。勉強そのものを楽しむ工夫が必要です。
楽しむことは、成果にもつながります。ある実験では、同じ問題を解くのに、片方のグループには早さに応じた金銭的報酬を与え、もう一方にはただ時間を計ることを伝えたところ、後者のグループの方が問題解決が早くなりました。金銭的報酬と自分が達成して喜びを感じるのは脳の同じ領域が担当しています。お金をもらうことによって、達成する喜びが相殺されてしまう。
教育格差が言われますが、私は調査に疑問を持っています。同程度の遺伝的素因があるならば、裕福でない方がモチベーションも効率も上がるのではないでしょうか。
■緊張も悪くない
試験当日、緊張しやすい人も、心配する必要はありません。心拍や血圧が上がると、落ち着かないかもしれませんが、ひらめきの問題などではかえって実力を発揮しやすくなります。試験本番では、自分の焦りや緊張もうまく活用して合格を勝ち取って欲しいですね。
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なかの・のぶこ 脳科学者。1975年生まれ。東京大学工学部を卒業し、同大大学院医学系研究科で医学博士号取得。フランス国立研究所で研究員。帰国後、横浜市立大学客員准教授、2015年から東日本国際大学特任教授。(聞き手・神崎ちひろ)
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少年犯罪の厳罰化を!
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