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【ZO4S】テロリストという終わり方【OSAKA】
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恐ろしい話をしよう。
失うものが何もない、他人に人生を狂わされた男Aの話だ。
Aは国立大学工学部を卒業し、有名IT企業にSEとして入社したが誣告されて解雇された。
コンビニバイトを経て入社したブラック企業でもAは試用期間だけで解雇された。
それからAの人生は狂ってしまった。
Aはそれ以降定職に就けず、ゆえに結婚も出来なかった。
Aが齢60となった頃には不摂生がたたって健康を害して不自由な体になり生活にも苦労していた。
そして、何よりも金がないゆえに居場所すらなくなっていた。
愛する家族がいないのは言わずもがな。
両親は他界し、きょうだい(いるのか?)ともすっかり疎遠になっていた。
Aには失うものはない、そうではないか?
Aが自爆テロを現実的な人生の終わり方として考えたのは当然だった。
彼はかつての友人Tが起こした中央新幹線火災事件のことを思い出していた。
実は今年中央新幹線はTの火災の甲斐もなくまだ走っており大阪までの延長開業になるのである。
その事件から10数年、その事件はともかくその原因となった社会病理についてはすっかり忘れられていた。
鈴鹿の山を貫くトンネルがコスト重視でセキュリティが甘いことも元SEにはよくわかる…。
ヤるか?T、俺も逝くぜ!
これだけは言っておく。
未だ若くて将来がある白山グリーンハイツ在住のBよりもAを優先しておいた方が身のためだぞ、と。
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書いててAがあまりに可哀想になってしまった。
ちなみに、安西さんのことじゃないっすよ、物語を考える上のモデルではあるけど。
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