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悪魔「転生者を知ってるカイ?」一般兵「転生者?」
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悪魔「ソウダヨ、転生者」
一般兵「つかお前なんだよ、その姿からして魔族か?」
悪魔「ボクは悪魔サ、立場的には魔族側だけどネ」
一般兵「お前、人間と魔族が戦争中って知っているのか?」
悪魔「当然サ、何故ならこの戦争を引き起こしたのはボクだからネ」
一般兵「お、お前がこの戦争を引き起こしたってのか!?」
悪魔「でももう終わり、試合終了、ゲームエンドなのサ」
一般兵「はぁ?つまりこの戦争が終わるってのか?」
一般兵「お前って変な魔族だな、この戦争が終わるわけないだろ」
一般兵「もう何十年って戦争してるんだぞ?」
悪魔「それが終わるんだよネ、しかも人間でも魔族でもない」
悪魔「しかも圧倒的に、たった一人の勝利で終わる」
悪魔「その勝者が転生者って奴サ」
"
"
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一般兵「そこで転生者が出てくるのか」
悪魔「そう、ここで転生者が出てくるのサ」
悪魔「異界より呼び出されし勝利を定められた者、それが転生者」
悪魔「世界中誰もが求めて止まないような唯一の埒外の才能」
悪魔「男女問わずに才能か美貌を持つ者を落とす異常な魅力」
悪魔「戦えば苦戦はあっても最後には何が何でも勝つ運命力」
悪魔「それらを持つのが転生者なのサ」
一般兵「そ、そんな奴がいるってのか?」
悪魔「いるヨ、しかももう覚醒して人生を歩み始めてるのサ」
一般兵「でもさ、いくら凄くても魔族に勝利出来るのか?」
一般兵「魔族には四天王って呼ばれる実力者だっているしさ」
一般兵「普段出てこないけどそれを統率する魔王までいるんだろ?」
一般兵「今からお前がそいつらに襲わせればどうにかなるんじゃないのか?」
悪魔「実はネ、既に襲わせたことはあるのサ」
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一般兵「どうにもならなかったのか」
悪魔「第一部隊、まあネ、強いの送ればいいかなって思ったヨ」
悪魔「上級魔物をサ、5匹ぐらい送ったんだヨ?」
一般兵「じょ、上級魔物って言えば1匹もいれば村が壊滅すればする強さだぞ?」
一般兵「それを一気に5匹も?個人に対する戦力じゃないだろ」
悪魔「それがサ、魔法の一発で全滅」
一般兵「え?」
悪魔「第二部隊、今度は上級魔族の部隊、偵察とかもいて結構な大部隊」
一般兵「おい、上級魔族っていったらもう国を落とすのに現れる奴じゃないか」
悪魔「発見かた数日で全滅、偵察から順番にやられていってサ、もうネ」
一般兵「なんだよそれ、なんで今更」
悪魔「第三部隊、今度は色仕掛けしようと女魔族の暗殺部隊」
一般兵「なんか予測できるぞ、そのオチ、いや堕ち」
悪魔「そうだヨ、全員堕ちて帰って来ないんだヨ、あの部隊かなりの綺麗どころだったのに」
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悪魔「それで気付いたネ、これはもう無理、きっと何しても勝ちは無いってネ」
悪魔「だからボクの力のほとんどを魔王あげて、ボクはもう隠居する事にしたのサ」
一般兵「ここまでの事情はわかったけどさ、結局何したいんだよ」
一般兵「俺ってただの一般兵だぜ、実は今も足がビビッて動けないし」
悪魔「うんうん、実はサ、キミを使って少し遊ぼうかなッテ」
一般兵「な、なに言ってるんだ?」
悪魔「このまま言っても魔族は敗北だしサ、ボクも自由にする事にしたのサ」
悪魔「つまりキミを使って世界を回りながら遊ぼうという考えッテわけ」
悪魔「だけどボクだけじゃどうしても人間の世界で遊べないからネ」
一般兵「つまりはだ、俺を使って人間の世界を旅するって事か?」
悪魔「そう、だからサ、協力して貰うヨ?」
悪魔「拒否はしてもいいけどボクと旅する方がいいと思うヨ?」
一般兵「お前と旅をする事にどんなメリットがあるのか?」
悪魔「当然、何故ならこの世界に転生者が存在しているからネ」
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悪魔「そうダネ、例え話だけどキミがダレかを好きになったとする」
悪魔「でもそのダレかが特定以上の存在だった場合その願いは何が何でも叶わナイ」
悪魔「何故ならそのダレかは転生者にゾッコンになる運命が決まってしまったからネ」
悪魔「ちなみに特定以上の因子じゃなくても転生者には魅了の力があるからネ」
悪魔「何も無くともキミに靡かない可能性だってアル、転生者が断らない限り」
一般兵「なんていうか、もうそれ反則じゃないか転生者」
一般兵「って事は転生者は女だったら選びたい放題ってわけか?」
悪魔「そうだヨ、転生者に求めて得られないモノなど殆どナイ」
悪魔「でもアクマで殆ど、そこでボクと旅をするメリットがある」
一般兵「なんとなく察した、つまりお前といる事で転生者に魅了されないのか?」
一般兵「でもそれならなんでさっきの暗殺部隊には使わなかったんだ?」
悪魔「ソレがね、ボクのこの力もそう何人にも使えないからネ」
悪魔「でもボクと旅してくれるならこの力を使ってあげるヨ」
"
"
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悪魔「ちなみに他にも色々とメリットはあるけど今は秘密サ」
悪魔「サア、どうする?ボクと一緒に旅をしてみないカ?」
一般兵「そうだな、俺は所詮は国に使える一般兵だ」
一般兵「ここでお前と一緒に旅して人生逆転ってのもありだな」
一般兵「よし、俺はお前と旅をする事にするぜ」
悪魔「カカカ、それでこそキミを選んだ甲斐があったヨ」
一般兵「なんだ、俺を選んだ理由でもあったのか?」
悪魔「転生者に見初められない能力、容姿、運命を持ってる」
悪魔「まあそんなのゴロゴロいるから偶然だけどネ」
悪魔「それよりも、僕と旅するなら契約の時間だヨ」
一般兵「その契約によって俺に何か能力を与えてくれるのか」
悪魔「察しがいいねえ、そういう事だからボクと契約しよう」
悪魔「さあ手を出したマエ、その手に特別な印を刻むからネ」
一般兵「痛くするなよ、ほら」
悪魔「それじゃあ、こうして契約完了、これでキミは悪魔の祝福を受けた」
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一般兵「悪魔の祝福か、それじゃあどんな能力があるんだ」
悪魔「まずはさっきもいった魅了耐性だね、だけどこれも条件がある」
一般兵「ここに来て魔族にしか効かないってのはやめてくれよ?」
悪魔「そんなケチな内容じゃないさ、キミが選んだダレかにしか効かないだけサ」
一般兵「それの何が問題あるんだ?」
悪魔「キミがもし複数を助けようとしても無駄、どんなに足掻いてもダレかしか救えない」
悪魔「キミも体験してみたらわかるよ、ダレかしか救えない辛さがネ」
一般兵「それでも、その無茶苦茶な転生者からダレかを救えるなら御の字だろ、他には?」
悪魔「まあ今はいいけどネ、他にはボクが人間になれる、容姿のみだけどね」
一般兵「どうでもよさそうで結構必要だな、お前のその見た目で人間の世界は無理だしな」
悪魔「そうダネ、頭から角が生えて背中から羽が生えて上半身裸で青い肌の悪魔にはネ」
悪魔「ちなみにキミが転生者ならボクは絶世の美人に角が生えた姿だったよ」
一般兵「転生者ってそんなところまで優遇されるのかよ、ええい次々」
悪魔「魔族にあった時に名前とボクの付けた能力の名前が分かる」
一般兵「最高にいらない能力をありがとう」
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悪魔「本当にいらない能力かナァ?」
悪魔「いつかこの能力がキミを救うかもしれないヨォ?」
一般兵「そうなのか?まあいいや、次だな」
悪魔「キミが魔族になれる、こっちも容姿だけネ、これで終わり」
一般兵「その能力があれば俺も魔族の世界にいけるのか、必要そうだが」
一般兵「え、終わり?これで終わりなのかよ」
悪魔「そうダヨ、これでキミに与えられた能力は終わりサ」
一般兵「お前魔族の神様なんだろ、もっと凄い魔法が使えるとかないのかよ」
悪魔「キミさ、ボクさっき言ったよね、力のほとんどを魔王あげたって」
悪魔「だから今のボクにはこれが限界って事」
一般兵「そ、そうだった、正直どうでも良くてその辺りあんまり聞いてなかったが」
一般兵「まあいいや、それでも結構な利点はあったしな」
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悪魔「ちなみに能力以外にも変わった事があるヨ」
一般兵「何だよ、ここにきて凄く嫌な予感がするぞ」
悪魔「キミとボクとでパスが繋がった」
一般兵「つまり?」
悪魔「魔力と命は共有品になった」
一般兵「はぁ?」
悪魔「だからサ、ボクとキミは魔法を使う時に互いに互いの魔力を使える」
悪魔「まあキミはただの一般兵だから魔法なんて使えないけどネ」
一般兵「そんな事はどうでもいいんだよ、問題はもう一つだよ」
一般兵「命って事は俺が死んだらお前が死んで、お前が死んだら俺が死ぬのか?」
悪魔「半分当たりだネ、僕は神様的存在だから命という概念が少しチガウ」
悪魔「だからキミが死んで命がなくなっても少し困るがソコマデ、でもキミは違ウ」
悪魔「当然ただの生き物だからボクが死ねばキミはそこで終わり、て事で」
悪魔「ボクを頑張って守ってくれたまえよ?」
一般兵「そんなのってありかよー!!!」
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とりあえずここまで、勢いなので更新頻度はゆっくり
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乙
どんな方向に話が進むのか
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きたい
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悪魔「転生者を知っているカイ?」
一般兵「χ二乗分布?」
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悪魔を転生者から護らないと死ぬ(確信)
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一般兵→元一般兵「おっす!俺、元一般兵、悪魔って奴と契約したせいで今無職」
元一般兵「上司に国の兵やめますって言った時、本当にビビったけど特に無し」
元一般兵「その瞬間に所詮俺はそこら辺の1人なんだなって理解した」
悪魔「ククク、何やってるだい、自暴自棄にでもなったのかい?」
悪魔「ボクとしては旅はここから始まるんだからやめてほしいけどね」
元一般兵「いや、俺が国の兵をやめるって言った時、お前もいただろ」
悪魔「そうだね、ボクは透過の魔法でキミの近くにいたネ」
元一般兵「そういえばあの時も言ったけどその魔法って俺にも使えないの?」
悪魔「そういえばあの時は適当に誤魔化したね、結論から言うとあれは無理」
悪魔「魔族と違って人間は才能の世界だからね、キミの才能じゃとてもとても」
悪魔「まあボクとパスが繋がった今なら簡単な魔法なら使えるかもね」
元一般兵「くそ、それさえあれば色々とうはうはだっていうのに」
元一般兵「話が逸れたな、それでお前さ、あの時の俺の上司の言葉聞いたろ?」
悪魔「そうか、ならもう必要ないので貴様の名前を消しておこう、だったね」
元一般兵「それだけ、見送りも確認もなかったんだよな」
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悪魔「所詮は一般兵、それがどこでなんで消えようが問題ないでし」
悪魔「キミにそこで何かおこるくらいの運命力があるわけないじゃない」
元一般兵「だよな、おかげで俺は家と職を失った元一般兵」
悪魔「ククク、それで元一般兵はどうするんだい?慰めてでもほしいのかい?」
元一般兵「自分で言っておいてなんだが元一般兵はやめてくれ」
悪魔「そうだね、それならキミはこれからは契約者ってのはどうだい?」
悪魔「と、思ったけどキミにそんな名前を名乗るほどの能力はないね、旅人でいいんじゃない?」
元一般兵→旅人「ま、俺にはそれぐらいがぴったりか、それでどうするか」
悪魔「そうだね、ボクとしては転生者がいないところを巡りたいね」
旅人「やっぱり色々と問題があるのか?俺としてもあんまり会いたいとは思わないが」
悪魔「そうだね、もしキミが説明した転生者の力を持っているとしよう」
悪魔「そこに戦争を裏から操っている黒幕が現れたらどうする。倒せば称賛モノだ」
旅人「それなら多分倒すんじゃないか?まあ倒せるならって前提があるけどさ」
悪魔「その黒幕がボクって事、それなら転生者に会いたくないでしょ」
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旅人「そういえばお前が原因の1人だったな、そりゃ会いたくない」
悪魔「まあ転生者がボクに会いたいって思えば終わりだけどね」
旅人「それも転生者って奴の力か?とことん厄介だな」
悪魔「そゆこと、ボクにできる事はせいぜいボクの名前を徹底的に隠す事さ」
悪魔「知らない限りは時間が稼げるからね、という事でボクはここに行きたいかな」
旅人「えっと、山の中にある村か、ここに何かあるのか」
悪魔「景色が良いらしいよ、まあボクも伝聞で聞いただけどね」
旅人「まあいいか、それじゃあそこに向かうための準備でもするか」
旅人「えっと剣は軍時代に買ったのがあるけど研磨材とかは支給だったから」
悪魔「そういえばキミはどれくらいの力なんだい?」
旅人「囲まれなければ下級魔物を倒せるぐらいだな」
悪魔「普通だなぁ、せめて下級魔族と戦えるぐらいないと」
旅人「無茶言うなよ、一般兵のやる事なんて所詮はその辺の掃除」
旅人「魔族なんて知能のある奴がいる場所にそんな奴送らないだろ」
悪魔「それもそうだね、所詮キミは元一般兵だったね」
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旅人「そういう事だよ、それじゃあ買い物を続けますかね」
悪魔「せいぜい死なないように準備しなよ」
旅人「当然だろ、というかお前は今どれくらい強いんだよ」
悪魔「ボクかい?そうだね、上級魔族には劣るかな」
旅人「それって滅茶苦茶強いじゃねーかよ」
悪魔「でも今のボクは人間だからね、頑張って下級魔族だね」
旅人「それでも俺より強いと思うが、てか人間だからってどういう事だ?」
悪魔「今ボクはキミとの契約で人間になる魔法を使えてるけどね」
悪魔「この魔法がまた重くてね、結構魔力を使うのさ」
悪魔「だからいざとなったら実力が出せるけど、それはキミにとって不本意じゃない?」
旅人「確かに、お前の本当の姿なんか見たら一緒に旅する俺の立場がないな」
旅人「その割に俺といえばビビッてただけでそんなに反応しなかったな」
悪魔「それはこっちがそういう魔法を使ってたからね、当然さ」
旅人「そうだったのか、てっきり俺にもそういう才能があるのかと」
悪魔「ないから安心しなよ、キミは所詮一般兵なんだから」
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旅人「そういえばお前って食べなくても生きていけるのか?」
悪魔「まあ不可能じゃないね、こんな姿でもアクマでボクは神様的存在」
悪魔「でもボクの目的はただ旅をする事じゃなく遊ぶ、楽しむ事も目的だからね」
旅人「だよな、仕方ないが2人分の食料がいるな、お前も運べよ」
悪魔「おやおや、元とはいえ国の兵がただの優男に荷物を持たせるのかい?」
旅人「生憎と俺はただの一般兵だからな、そこまで力持ちじゃない」
悪魔「そう言われると仕方ないね、優男だけどボクも頑張ろう」
旅人「てかお前の今の姿って元の姿から角と羽とって肌色を変えただけだろ」
旅人「そりゃ顔は優男っぽいかもしれんが結構力ありそうな見た目してるぞ」
悪魔「見えるだけで実際の力そこまでないけどね」
旅人「そんなものか、それじゃあ残りの物でも買いにいくか」
悪魔「ふむ、その前にこの裏通りに行かないかい?」
旅人「なんだよ、何か面白いものでもあるのかよ」
悪魔「ある、ボクにとってはだけどね」
悪魔「あ、顔は隠しておきなよ、後で面倒になるからね」
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悪魔「ここにあったのか、ククク、この店に入るよ」
旅人「この店って、おい、俺にそんな金無いぞ」
悪魔「すまんが失礼するよ」
裏商人「おやおや、いらっしゃいませ、見ない顔ですが」
悪魔「ここの常連の紹介で来たものでね、こういうものだ」キラッ
裏商人「そうでしたか、これはすみませんね、そちらはお付きの方で?」
悪魔「そういう事だ、それじゃあゆっくり見させてもらうよ」
裏商人「ごゆっくりどうぞ、ご主人様」
旅人「お前、さっき何したんだよ」
悪魔「ああ、少しだけど魔法をね、効果時間は短いけどね」
旅人「そこまでして何か意味があるのかよ、ここに」
悪魔「ある、まあちょっと見ておきたいだけだよ、運命の一人にね」
旅人「運命の一人ってここ、裏商会じゃねーかよ」
悪魔「ああ、だからいるだろう、奴隷がさ」
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旅人「奴隷って、お前もしかして商人騙して買うつもりか?」
悪魔「ククク、出来なくはないけどする理由がないよ」
旅人「そうかい、それにしてもこんな所初めて来たけど」
悪魔「興奮するかい、なんならボクの力で1人くらい買えるよ?」
旅人「それって何か対価がいるのか?」
悪魔「いや、ただの親切心って奴さ、ボクの旅に付き合ってくれるね」
旅人「遠慮しとく、どっちにしろ奴隷なんか買っても養えないしな」
悪魔「そこでその考えに至るのが運命力の無さを示してるねぇ」
旅人「何だよ、それ」
悪魔「知る必要は無いよ、本当に意味の無い事だしね」
悪魔「ああいたいた、こんなところにいたのか」
奴隷「?」
旅人「この奴隷に何か、ってさっき運命の1人って言ってたな」
悪魔「そうだよ、彼女こそが転生者の仲間になるほどの運命力を持つ者さ」
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旅人「な、何だって?この奴隷がそんなに凄い力を持ってるのか」
悪魔「さあね、ボクにはそこまでわからないよ、でもこれは凄いね」
悪魔「この子の運命力はそれこそ魔族でいう四天王にはなれる程だね」
旅人「マジかよ、それってかなり凄いんじゃないのか?」
悪魔「そうだね、キミなんかとは比べものにならないレベルだよ」
旅人「マジか、なあ、さっきお前1人くらいならって言ってたよな」
悪魔「止めておいた方がいいよ、ボクは遠慮したいね」
旅人「だってさ、それぐらい凄いんだろ、ここで買っておけば」
悪魔「キミは絶対的にこの子を手放す羽目になるけどいいんだね?」
旅人「それってどういう事だよ」
悪魔「例えばキミがこの奴隷に酷い事をしたとするだろう」
悪魔「すると何故か噂が広まりキミは転生者に討たれて奴隷は転生者の元に」
悪魔「例えばキミがこの奴隷に優しくしたとするだろう」
悪魔「すると何故か盗賊に襲われてキミは死に、奴隷は奪われる」
悪魔「その盗賊を転生者が討ち、奴隷は転生者の元に、キミは過去の思い出に」
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旅人「何だよそれ、それじゃあこの奴隷は絶対的に」
悪魔「そう、この奴隷は何が何でも転生者の元に行く事になっている」
悪魔「キミがもし盗賊を返り討ちにしてもきっと魔族でも来るだろうね」
悪魔「それでもキミがこの奴隷を欲しがるなら止めはしないよ」
悪魔「その場合、当然ボクは違う契約者を探させてもらうけどね」
旅人「お前、そこまで言っておいて俺が欲しがるとでも?」
悪魔「いや、思わないよ、キミは所詮そういう人間だからね」
悪魔「もしキミがそれなりの運命力を持っていたら、また変わるけどね」
悪魔「例えばキミごと奴隷が転生者の元に、まあキミは途中で死ぬだろうけどね」
旅人「もういい結構だ、それで結局お前は何がしたかったんだよ」
悪魔「ククク、少しこの奴隷に用事があってね」
奴隷「!?」
悪魔「ef@d9t@0t.」
旅人「何か魔法を使っているのか?」
悪魔「秘密、それじゃあ行こうか、用事は済んだしネ」
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旅人「これでここでの買い物は終了だな」
悪魔「案外少ないんだね、てっきりもっと買うものかと」
旅人「そんなに買っても持てないだろ、何言ってるんだよ」
悪魔「ああ、そうだね、普通はそうだよね」
旅人「まあ、何でもいいが、そろそろ向かうか」
悪魔「そうだね、それでどうやって村に行くんだい?」
旅人「ああ、目的の村の近くの村に行くっていう馬車があるらしいからな」
旅人「それに乗せてもらうつもりだ、当然金はとられるがな」
悪魔「馬車か、それはいいね、初めてだ」
旅人「馬車の時間まではまだあるんだが、結局お前は何したんだ?」
悪魔「何がだい、と普通なら言うがあの奴隷の事かい?」
旅人「そうだよ、お前何か魔法をかけていたよね」
悪魔「それは正義感から聞くのかい?」
旅人「お前が死ぬと俺が困るからお前が何やったか知りたいだけだよ」
悪魔「そうだろうね、まあキミには関係の無い、むしろ得な事だけど秘密だよ」
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旅人「結局、馬車の中でも何回か聞いたが答えてはくれなかったか」
旅人「まあここは諦めるしかないか、それで起きてるか?」
悪魔「ああ、初めてで少し酔ってしまったようだね」
旅人「まさか悪魔であるお前がこうなるとは予想外だ」
悪魔「悪魔だからこそだね、悪魔は馬車なんか使わないからね」
旅人「まあいいか、ほら、今日はもう宿屋で休む事にするぞ」
悪魔「すまないね、ボクのせいで無駄な出費を出してしまって」
旅人「いや、どうせ今はもう夕方だから山なんか登るのはごめんなんだが」
悪魔「それなら遠慮なく休ませてもらおうと言いたいが」
旅人「何だよ、宿ならお前がここで休んでる間に取ったぞ」
悪魔「キミ、金は大丈夫なのかい?」
悪魔「ボクはキミの能力を見てキミと契約したがキミの財政関係は知らないからね」
悪魔「もしかしたら浪費癖の酷い奴でここで旅の終わりって可能性もあるしね」
旅人「安心しろ、一般兵時代の給料が残ってる、使うような趣味も無かったしな」
悪魔「それなら安心した、ボクは先に休んでいるよ」
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旅人「悪魔は休んでるし、今のうちに目的の村への道のりでも確認しておくか」
旅人「とはいえそれ以上に知るべきなのは悪魔の目的か、実際なんでこんなところに」
旅人「てきとうに聞いて回るか、すみませんが少しいいですか」
村人「おや、どうかしたのか?」
旅人「それがですね、少し聞きたいことがあってですね...」
村人「...これで行けるはずよ」
旅人「どうも、ありがとうございました」
村人「いえ、それでは良い旅を」
旅人「これで目的の村までは何とかいけそうだな」
旅人「それにしても、景色も特別良くもないらしいが本当に何の目的があるんだ?」
旅人「まあ今はいいか、どっちにしろ俺にはどうにも出来ないだろうし」
旅人「それよりも気になるのは魔物が目的の村の近くに沸いてるって噂か」
旅人「俺だけじゃあどうにも出来ないし、これは悪魔と相談するか」
旅人「ま、とりあえず宿の行くか、悪魔も暇してるかもしれんしな」
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旅人「という事なんだがどうするんだ」
悪魔「となるとそれが原因で転生者と...」
旅人「おい、どうしたんだ?」
悪魔「いやいや、問題ないよ、向かう事にしよう」
旅人「だから、魔物はどうするんだよ」
悪魔「大丈夫だよ、上級魔物でもない限りボクとキミで対処できる」
旅人「もし上級魔物が出たらどうするんだよ」
悪魔「ボクとしては当然見捨てるのが正しい選択だと思ってるけど」
旅人「俺としてはあんまりそんな行動したくないんだけど」
悪魔「だけどね、キミが何をしても上級魔物は倒せないよ」
旅人「そうだな、せめて現れない事を祈るか」
悪魔「それで、出発は早朝でいいの?」
旅人「ああ、それなら何とか野宿は一回で済みそうだ」
悪魔「野宿かぁ、ボク楽しみなんだよね」
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旅人「って、問題無いんじゃないのかよっと」
下級魔物「GYAA!?」
悪魔「おや、やるじゃないですか、正直」
旅人「正直なんだよ、正直に言ってみろよ」
悪魔「いやぁ、これぐらいで死んじゃうかと思ってたよ」
旅人「これぐらいってまだ10匹ぐらいじゃねえか」
旅人「このくらいで死んでたら俺、一般兵時代に死んでるっての」
悪魔「それもそうですね、これは少し安心したよ」
悪魔「いやぁ、キミを選んで今のところ正解だったよ」
旅人「ったくよ、最後まで正解だと思わせたいところだな、それは」
悪魔「それなら頑張ってくれよ、最後までネ」
旅人「当然だ、それよりそろそろ日が暮れるな」
悪魔「おや、って事はこの辺りで野宿かい?」
旅人「もう少し先でな、下の村で聞いた通りなら近くに川があるらしい」
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旅人「何とか完全に落ちる前に見つかって良かったぁ」
悪魔「それでそれで、これからどうするんだい?」
旅人「そりゃ、決まってるだろ、寝る、以上」
悪魔「え、火を焚いたりしないのかい?」
旅人「魔族が寄って来るかもしれないだろ?」
旅人「ちなみにここを選んだのは最悪川に飛び込んで逃げるためだ」
悪魔「なんだ、それならボクは透過の術で隠れて寝るよ」
旅人「そうだな、お前はそうしてくれ」
旅人「ないと思うが一時の眠りがお前のせいで永眠になりましたってのは笑えん」
悪魔「そうだねぇ、ここに魔族を呼び寄せてもいいんだよ?」
旅人「お前、そんな事が出来るのか?」
悪魔「何と言ってもボクはそれなりの存在だからね」
悪魔「まあそんな事はしないから安心して寝なよ」
旅人「お前のせいで寝づらくなったわ、まったく」
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旅人「って言いながらぐっすり寝たな」
悪魔「それならいいんじゃないか」
旅人「そうだな、そしてようやく到着だな」
悪魔「そうだね、ようやく到着だ」
旅人「いやあ、長かった、疲れた」
悪魔「おやおや、これくらいで疲れるなんて元一般兵の名前が泣きますね」
旅人「うるさい、元だからいいんだよ、それより宿屋なんだが、あるのか?」
悪魔「すみませんが探していて貰えませんか、ボクも疲れました」
旅人「人にあんな事言っておいて、いいけどさ」
悪魔「行きましたか、それでは、あぁ、いました」
少女「〜」
悪魔「誰かと会話中ですね、今のうちに」
悪魔「ef@d9t@0toue」
少女「?」
悪魔「何かには気づきましたがそれだけですね、それでは旅人の元に行きますか」
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旅人「それで今回の宿はここだ」
悪魔「これ、馬小屋だよね」
旅人「実はこの村には宿がないらしいのでせめて場所だけ」
悪魔「ボクに馬と一緒に寝ろと?」
旅人「...お前だけでも交渉してくる」
悪魔「っま、これも経験だね、それじゃあ行くよ」
旅人「行くって何処にだよ?」
悪魔「ここには景色を見に来たんだよ?」
旅人「そういやそうだった、それで時間かかるのか?」
悪魔「そこまでかからないさ、こっちさ」
旅人「村から出るのか、ってこんな細い道通るのかよ」
悪魔「まあね、本来ならこんな道は通らないんだけど」
旅人「どう行くんだよ」
悪魔「飛んでいく」
旅人「そりゃ俺には無理だな」
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旅人「まだか、さすがに村に着いた時点で疲労が凄かったんだが」
悪魔「本当に体力ないね、もう少しだよ」
旅人「と言っても本当にただの一般兵だからなぁ、元だけど」
悪魔「ほらそこを曲がった所」
旅人「ようやく到着か、よ、」
悪魔「どうでしょう、これは良い景色でしょ?」
旅人「ああ、すげぇや、これは本物だな」
悪魔「ボクも予想以上で満足ですよ、これは」
旅人「人間側の景色が一望出来るんだな、ここ」
悪魔「そうだね、これはいい景色だ」
旅人「確かにこれは目的に出来る美しさだな」
悪魔「そうだろう、そうだろう」
旅人「これは俺の考えすぎだったかもな」
悪魔「おや、何か言ったかい?」
旅人「いや、何でもない、戻るか」
-
??「〜」
旅人「なんだ、声がするな」
悪魔「これは、少し姿を隠したほうがいいよ」
旅人「そうだな、それで少し近づいてっと」
??「はい、〜〜〜魔獣を〜〜〜に送り〜〜た」
旅人「あれは、魔族か?」
悪魔「ふむ、聞くところによると魔獣を村に送ったようだね」
旅人「それ、本当か?」
悪魔「ボクがキミに嘘をつく理由はないよ」
悪魔「それで、どうするんだい?ボクとしては」
旅人「出来ることだけやって逃げよう、もう少し内容を聞けないか?」
悪魔「仕方ないねぇ、ええっと何々?」
悪魔「そうだね、送られてくるのが上級魔物も含んでるって事ぐらいだね」
旅人「それは、どうしようもないな」
悪魔「そうだね、キミじゃ何をしても勝てない」
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悪魔「さて、キミはどうする?」
旅人「戻って伝えてももどうにもならない」
旅人「普通考えて、ただの旅人の言葉では信頼が無いな」
旅人「となると、なあ、お前の魔物を呼ぶ力ってどんな内容なんだ?」
悪魔「そうだね、ボクの力は周囲の魔物を呼ぶけど上級は呼べないなぁ」
旅人「それを使うしかないな」
悪魔「もしかして、それを使ってボクを囮にするつもりかい」
旅人「それでお前が死んだら意味がないだろ、村で使うんだよ」
悪魔「ああ、上級魔物じゃなきゃ立ち向かえるからね」
旅人「そうでもない、まあとりあえずは村に戻るぞ」
悪魔「了解了解、さてキミはどうするのかな」
旅人「その前にだ、お前に頼みがある」
悪魔「何だい?」
旅人「俺を攻撃してくれ」
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旅人「うまくいったか?」
悪魔「さあね、ボクらにはわからないよ」
旅人「まあどうにかなると信じるか、体張って伝えたしな」
悪魔「まさか傷だらけのキミも説得材料に使うとはね」
旅人「最初に俺の姿を見せて済めば十分、それで済まないなら」
悪魔「ボクの力で呼び出した魔物がいるからね、村人は嫌でも逃げ出す」
旅人「それからは村人次第だな、さすがにそこからは知らん」
悪魔「それでボクらはどうするんだい?」
悪魔「またこの山を降りるのは面倒なんだけどね」
旅人「昨日言っただろ、何で川辺で寝るのかって」
悪魔「キミ、それって冗談だよね」
旅人「ほら、村から浮きそうな木も持って来てある」
悪魔「さっきから持ってるそれ、そんな理由だったんだね」
旅人「仕方ないだろ、普通に逃げても上級魔物に追いつかれるかもしれないんだ」
悪魔「この経験はいらないなぁ、ってうわぁああああ!?」
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??「まさか逃げられるとは予想外だ」
??「しかし本当にいるのか、そんな存在が」
??「お前は知らないかもしれなかったか、あれは機密事項だからな」
??「その存在に対する攻撃は3回、その中には対国レベルの戦力もあった」
??「しかしその全てが失敗それどころか、まったく忌々しい」
??「それで今はこんな事をしてるんですね」
??「ああ、せめて奴の戦力になりそうな奴は討っておきたかったのだが」
??「まさか奴の仲間にも何か能力があるのか?」
??「そもそもその情報が間違っていたって事は?」
??「それ以上はやめておいた方がいいぞ、何故ならこの情報はな」
??「この情報は?」
??「いや、やめておこう、お前も知らない方がいいだろう」
??「わかった、とりあえず引き続き捜索を続ける」
??「忌々しい転生者とその仲間め、待っていろよ」
-
とりあえずここまで、本来なら分割して上げるつもりが上げ忘れた結果このざまに
>>11-12
期待サンクスです、頑張ります
>>13
それはそれで面白そうですが今回は違います
>>14
はい、でも一般兵(現・旅人)では転生者には勝ち目なぞ欠片もありません
-
乙
悪魔の目的が気になるところ
-
旅人「いやぁ、本当に生きてたどり着けるもんだな」
悪魔「それはボクの意見なんだけどね」
旅人「川を流され、下流で拾われ、そこから無一文でようやく到着」
悪魔「ここが教国か、居心地が悪いね」
旅人「てか、やっぱり魔族寄りだしそういうのあるのか?」
悪魔「雰囲気がね、実際に何かあるわけじゃないよ」
旅人「正直わからないでもない、綺麗過ぎるってのもやっぱ問題だよな」
旅人「それでここを選んだのにも理由があるんだよな」
悪魔「まあね、大聖堂が見たくてね」
旅人「確かに魔族じゃ絶対に見られないな」
旅人「魔族殺すべしを掲げるような教えしてるからな、ここの教団」
悪魔「だからこそさ、魔族にはないものをボクは見たいのさ」
悪魔「それに今のボクは人間だから問題ないしね、さあ行こうか」
-
旅人「ふへー、これが大聖堂の中かよ」
悪魔「これは、かなり高位の退魔結界だね」
旅人「そんなもんもわかるのか、流石だな」
旅人「それにしても、思ったよりも人が多いな」
旅人「教団ってこんなに人が集まるものなのか」
悪魔「おや、キミは知らなったのかい、今日は」
聖女「皆さん、おはようございます」
旅人「ああ、今わかったよ、聖女が出てくる日だったんだな」
旅人「でもすげえよな、あんな年齢で教団の柱をやるなんて俺にはとてもとても」
旅人「やっぱり聖女もあれか、転生者に関わるのか?」
悪魔「当然じゃないか、顔良し、腕良し、権力良し、だよ?」
悪魔「問答無用で転生者の仲間になるだろうね、厄介な事に」
旅人「厄介って、やっぱり権力が?」
-
悪魔「当然、権力ってのはそう易々と手に入らないからね」
悪魔「それ以上に時短するなら一番いるのは権力だね」
悪魔「何かを探すなら下に命令すれば簡単に広範囲を探せる」
悪魔「何処に行くにも権力でゴリ押すってのもありだしね」
悪魔「お金だって一言かければ簡単に集まると思うよ」
悪魔「その力を転生者に手に入れられるのは少し面倒だね」
旅人「確かにな、転生者には既に戦力はあるからな」
旅人「後はそれをスムーズに振るえるようにしたらいいだけだしな」
旅人「そう考えると転生者が聖女を手に入れたら魔族終わりじゃないか?」
悪魔「否定はしないよ、そのためにはっと」
旅人「おい、誰を探してるんだ、ってあれは教皇だな」
悪魔「本当なら聖女にかけたかったんだけど」
悪魔「あそこまで才能があるとさすがにバレるからね」
旅人「よくわからないがそういうものか」
悪魔「そういうものだから教皇に、:yl9hms/.」
-
教皇「うむ?」
聖女「教皇さん、何かありましたか?」
教皇「いえ、少し疲れでも溜まっていたのでしょう」
聖女「そうですか、何やら不穏なものを感じましたが、気のせいですね」
教皇「聖女様がおっしゃるなら少し調べるべきですね」
聖女「いえ、信者に恐怖を恐れる必要はありません」
旅人「おい、今の魔法は大丈夫なんだろうな」
旅人「何だか様子がおかしいぞ」
悪魔「おかしいねぇ、聖女にはあえてかけなかったのに」
旅人「どうする、今の状況じゃこっそり逃げ出す事も出来ないぞ」
悪魔「ボクだけなら逃げられるんだけどね」
旅人「やめてくれよ、頼むからさ」
悪魔「キミがそう言うなら仕方ないね、何やら話し合いは終わったみたいだよ」
旅人「そのようだな、この国からはさっさと出るか」
-
悪魔「キミはさっさとこの国から出ていくんじゃなかったかい?」
旅人「そのつもりだったんだがな、仕方ないだろうこの状況」
聖女「すみません、ご迷惑かけましたか?」
旅人「いやぁ、もし迷惑だとしてもこの状況でそれは言えないでしょ」
悪魔「それで、ボクたちに何か用かい?」
聖女「はい、そちらの貴方に少し聞きたいことがありまして」
悪魔「ふむ、ボクにかい?」
聖女「はい、何やら貴方からは不思議な気配がするのです」
聖女「それが貴方にとって気分が悪くなると思いますがどうも」
悪魔「魔族の気配かな?」
聖女「いえ、魔族とは違うのですがどうもそれに近い何かを感じるのです」
悪魔「それは仕方のない事さ、ボクは魔族の研究をしていてね」
悪魔「どうしてもそういうのに触れる機会が多いものだからさ」
悪魔「多分この身体も少しは魔族に染まってきてるのかもね」
-
聖女「それならこの国でどうにか致しましょうか?」
悪魔「そんな事が出来るのかい?」
聖女「はい、国というよりは私の力になります」
悪魔「ほうほう、それは気になるね」
聖女「私には万物を浄化する力があります」
聖女「それは毒だろうが病気だろうが呪いであれ」
悪魔「その力でボクのこの何かを浄化しようと?」
聖女「はい、どうでしょうか」
悪魔「遠慮しておくよ、その何かも研究に役立つだろうしね」
聖女「そうですか、それならお節介でしたね」
悪魔「ああ問題ないよ、いい事も聞けたしね」
聖女「もしお困りならば私の元に来てくださいね」
悪魔「もしその機会があったらね」
-
旅人「俺、あの場にいる意味なかったよな」
悪魔「キミは何を言っているだい?」
旅人「聖女っていうから何かあるかもって期待してたけどさ」
悪魔「キミは所詮その場にいる石みたいに感じていたんじゃないかな」
悪魔「所詮キミみたいな存在が彼女の様な存在に気にかけてもらうなんてありえないさ」
悪魔「それほどまでにキミには価値ってのがないからね」
旅人「それこそ転生者ほどの何かがいるって事か」
悪魔「でも大丈夫、ボクにはキミが必要だからね」
旅人「お前にそう言われてもあんまり嬉しくないんだが」
悪魔「それでもボクがいたお陰でキミも近くで聖女が見られたからね」
悪魔「まさかボクに感づくほどとは、本当に彼女に使わなくて良かったよ」
旅人「やっぱり教皇に何かやっていたんだな」
悪魔「まあね、だから早く次の国にでも行こうか」
旅人「そうだな、もうこの国でみたいものは見たしそうするか」
-
とりあえずここまで、何人くらい転生者の仲間にするか悩み中
>>38
乙ありです、悪魔の目的はいずれって事で
-
乙
確かに勇者の物語ってのはリアルに見るとご都合主義の塊っすな
つまりハーレム爆発しろぉ!!!
-
むしろ転生者の仲間になって懐に潜り込めば色々捗るのでは…
と思ったが既に仕掛けしちゃってるからバレたら死ぬか
-
乙
リングワールド思い出したわ
-
旅人「それで次の国に行くつもりだったんだけどな」
悪魔「いやー、予想外だねこの展開は」
旅人「俺もそう思う、どうして俺がこんな目に遭うのかね」
悪魔「それだけ弱そうに見えたんじゃない?」
旅人「これでも一応は元一般兵なんだけどな」
悪魔「所詮は一般兵だからね、数人で囲めば楽勝だろ?」
旅人「まあ俺はそうなったら余計な抵抗はせずに諦めるけどね」
悪魔「ほう、言うじゃないかキミにしては」
盗賊「テメーらごちゃごちゃうるせぞ」
悪魔「ほら、抵抗せずに諦めなよ」
旅人「いくらなんでもここで抵抗しないと殺されるだろ」
悪魔「そうだね、この盗賊たち、この辺りで有名な奴だし」
旅人「だろ、せめて俺が絶世の美女とかなら生きれるんだろうなあ」
悪魔「まあキミ程度なら殺されるだろうね」
-
盗賊「テメーら逃げるんじゃね、追え、追え!」
旅人「逃げ出してみたんだが、問題はここからどうやって乗り切るかだな」
悪魔「そうだね、このまま逃げされたら一番だね」
旅人「無理だろ、多分そんな気がする」
悪魔「ま、きっと近くにいる他の盗賊に囲まれるだろうね」
旅人「となると抵抗するしかないよな」
悪魔「そうだね、勝てる可能性は限りなく低いだろうね」
悪魔「いくら盗賊が勝てそうな相手ばかり襲ってるとはいえそれなりに経験はあるだろうし」
旅人「お前が手伝ってくれたらいいじゃないか」
悪魔「まあそうなるよね、仕方ないから手伝ってあげるよ」
悪魔「合図したらボクが魔法を使うからね」
旅人「それで魔法ってどんな魔法を使うんだ?」
悪魔「それはね、@fhfz」
-
盗賊「ぐぎゃああ!!!」
旅人「ば、爆発したな、ついでに燃え上がってるな」
悪魔「これなら逃げやすいでしょ?」
旅人「今の魔法のお陰で居場所はバレたし、周りは火に囲まれてるけどな」
悪魔「そうだね、でもこれでいいのさ」
旅人「何がいいんだよ、これじゃあすぐに囲まれるだろ」
悪魔「考えてもみなよ、いくら何でもこの状況でボクたちを襲う理由があるかい?」
悪魔「盗賊の目的はアクマで金品の強奪、何も命を奪いたいだけじゃないからね」
旅人「となると問題はここからどうやって俺たちが助かるかだけか」
悪魔「それも大丈夫さ、狙ってここで火事を起こしているからね」
旅人「狙って?つまり次の目的地は本来はここにあるって事か」
旅人「だからわざわざこんな森ばっかの道を進むように言ったのか」
悪魔「そういう事、ほら、そろそろ火が消えていくよ」
旅人「な、これは」
-
エルフ「貴方たちですか、この森に火を放ったのわ」
悪魔「仕方なくさ、こっちも命がかかっていたからね」
悪魔「キミたちが助けてくれたらボクもこんな真似はしなくて済んだんだけどね」
悪魔「まあ仕方ないか、あの盗賊の目的はボクたちではなくて」
エルフ「そこまでわかっていて貴方の目的は何ですか?」
悪魔「目的かい?ただの観光旅行さ、キミたちの村にも寄ろうかなって」
悪魔「でもボクはキミたちの村の場所を知らないからね」
エルフ「つまり貴方は村を見つけるためにこんな真似をしたとでも?」
悪魔「そこは想像に任せるよ」
エルフ「私がそこまで聞いて貴方を村に連れていくとでも?」
悪魔「そうだね、村に寄れないのは残念だけど目的は果たせそうだよ」
エルフ「何を言って」
悪魔「,];」
エルフ「こ、この魔ほ...」
悪魔「0r;.」
-
旅人「なあ、あのまま放置で大丈夫なのか?」
悪魔「すぐに彼女の仲間が助けるから大丈夫さ」
悪魔「とはいえやっぱりエルフの村に寄れないのは残念だね」
旅人「そりゃお前がやった事を考えれば当然だろ」
悪魔「まあそれもそうだね、でも目的は果たせたしね」
旅人「眠らせた後でかけた魔法か、お前の目的ってやっぱり」
悪魔「あまり追及しない方がいいよ、ボクの企みなんかね」
旅人「わかった、俺もお前を利用するために旅してるしな」
旅人「問題は未だに俺が得したと感じた事が少ないって事か」
悪魔「何を言ってるんだい、キミみたいな存在がエルフを見れる機会なんてないよ」
旅人「そりゃエルフを見れたけどさ、それだけじゃなあ」
悪魔「何だい、奴隷にでもしたかったのかい?」
旅人「そこまでは言わないけどさ、まあ会えただけ良かったと考えるか」
旅人「ともかく、早く誰か見つけてお前の恩恵を最大にあやかりたいものだな」
悪魔「くくく、応援してるよ」
-
とりあえずここまで、次は気持ち長くなる予定
乙ありです
>>47
爆発には同意
>>48
ですね、後は潜り込まない理由は後々
>>49
読んだことがないのですが、何処かかぶってるのですか?
-
リングワールドは世界を救う可能性のある宇宙の建造物を調査する話で
貴族はくじ引き重ねて運特化で子供作ってるから1番運の良いやつを連れて行こうとしたらどうやってもリストの中の1人の候補者としか出会えなくて
特別運が良いに違いないって連れてくエピソードがある
運命力とかその辺がなんとなく似てるなと
-
>>56
そんな話があったのですか、説明どうもです
-
乙
-
旅人「それで次はここか」
悪魔「そう、人間側で最も力を持つと言われている王国だね」
旅人「それで、ここでの目的の人物は誰なんだよ」
悪魔「おや、直接的だね」
旅人「流石に今更はぐらかす必要もないだろ」
旅人「今まで出会ったのは全員が運命力が高い奴、つまり」
悪魔「そう、転生者の元に集う人物だね」
悪魔「だけどこれでもほんの一部だからね、転生者の仲間になるのは」
悪魔「魔族の妨害で時間はかかってるけどかなりの人物を魅了しているはずだよ」
悪魔「怖いねぇ、このままいけばこの世界の誰もが恐怖するモノが誕生してしまうねぇ」
旅人「何が言いたいんだよ」
悪魔「転生者が頂点の世界は順調って事だよ、まあボクにもどうにもできないけどね」
旅人「今更だろそんな話、それで結局目的の人物は誰なんだよ」
悪魔「この王国の騎士団長、簡単に言えば軍事の頂点だね」
-
旅人「やっぱり女なのか?」
悪魔「キミも馬鹿な事を言うね、当然絶世の美女に決まってるじゃないか」
旅人「本当に、つくづく不公平さを感じるな」
悪魔「感じるだけ無駄だよ、それで今回はキミにお願いがあってね」
旅人「お願いってお前が俺にか?」
悪魔「ああ、本当なら適当に観光して騎士団長に魔法かけて終わりなんだけどね」
悪魔「どうもそうはいかない事情があってね、いやこれが面倒なのさ」
旅人「早く本題を言ってくれないか?」
悪魔「どうもね、ここに魔族が捕まっているから探して欲しいのさ」
旅人「正直に言っていいか、何で俺が?」
悪魔「いやね、その魔族が捕まってる場所が面倒な場所でね」
悪魔「魔族のほぼ全てを遮断する場所に捕らわれてるらしいのさ」
悪魔「ボクの魔法は魔族寄りだから見つける事が困難でね」
悪魔「キミにここの騎士団に潜入して探して欲しいってわけ」
悪魔「勿論、これもキミの得になると思っての提案さ」
-
旅人「ここまではわかったが、なんでお前がいちいち魔族を助けるんだ」
旅人「親心か、それともそれも何か得になる事なのか?
悪魔「まあね、今のキミがそれを知る必要はないけど、どうする?」
旅人「あのな、ここで断ったてお前との縁が切れたら俺は丸損になる状況」
旅人「その状況で俺が断るとでも?」
悪魔「いやあ、本当にキミはボクにとって良い奴だよ」
旅人「良い下っ端の言い間違いじゃないのかよ、それでどうするんだ?」
悪魔「そこは簡単、この国は常に人を求めてるからね」
悪魔「そういう行事はよくやってるのさ、この紙を見てごらん」
旅人「何々、騎士団員募集試験、日付は明日か」
悪魔「本来なら数日ここに滞在する予定だったんだけどね」
旅人「とりあえずはこれに参加してここの騎士になればいいんだな?」
悪魔「期待してるよ」
旅人「悪魔に期待されてもな」
-
悪魔「それで体調は大丈夫なのかい?」
旅人「ああ、昨日試験の話を聞いてからすぐに宿で体を癒したしな」
悪魔「それで試験は大丈夫なのかい?」
旅人「特に問題になるような試験はなかったな」
旅人「普通の体力試験とこれまでの経歴を聞かれるぐらいだし」
旅人「経歴もちゃんとしたものじゃなく実力を測る指針の1つくらいだろうな」
悪魔「なら問題ないね、今回ボクは何も手伝えないから1人で頑張ってね」
旅人「それはいいんだが、合格した後の連絡とかはどうするんだ」
旅人「多分合格したらそのまま騎士団の宿舎とかに入るんじゃないか?」
悪魔「ああ、それはボクが直接訪ねるから問題ないよ」
旅人「今回俺が騎士団に潜入する理由、忘れてないか?」
悪魔「ただの騎士団の下っ端の寮に魔族除けなんてないに決まってるじゃないか」
悪魔「キミにはボクが魔法で探れない辺りを探って欲しいのさ」
旅人「大体の場所までは探れるのか、それでもその権限を手に入れるまで時間がかかるだろうな」
悪魔「だといいねぇ、本当に」
-
旅人「悪魔と別れて試験会場に来たが、なんか昔を思い出すな」
旅人「昔は俺も大志を抱いていたんだが、もう少年じゃないんだろな」
旅人「そういえばこの時期に募集だなんて何かあったのか?」
候補「お前、何も知らないのか?」
旅人「そうなんだが、お前もここの騎士団に募集した奴か」
候補「おお、周りで情報を集めていたら世間知らずがいたもんでな」
候補「ちょいと気になって声をかけてみたって訳だ」
旅人「世間知らずで悪かったな、それで何があったんだ?」
候補「それがよ、噂なんだが近くの国で反乱が起きたんだと」
旅人「反乱か、それならわからんでもないが結構デカい国がか?」
候補「それがよ、教国で起きたんだってよ」
旅人「へぇ、あんな神様ばっかり信じてるような国でも起こるんだな」
候補「だからよ、きっとこの国も何かを感じ取ってんだろうよ」
旅人「ふーん、まあ、ありがとうな、試験頑張れよ」
候補「お前も頑張れよ」
-
旅人「そういえば、相手から話しかけられたのって初めてだな」
旅人「これも悪魔との付き合いで俺も運命力ってのが上がってきてるのかね」
試験官「私はこの今回の試験官である、今回の候補者は私の指示に従うように」
試験官「まずはあちらの小屋に順番に行き、名前と経歴を聞かせてもらおう」
旅人「ようやく試験か、そういえば経歴って何かあったっけな?」
旅人「元いた国に愛想尽かして旅人になって、路銀が尽きたので」
旅人「ってこれじゃあ印象悪いか、まあ為せば成るだろ」
??「次の者、どうぞ」
旅人「呼ばれたか、失礼します」
筆記「私は今回の試験において貴方たちの結果を記録する筆記係です」
筆記「それでは名前と簡単な経歴を聞かせてもらいます」
旅人「はい、それでは〜」
筆記「〜はい、わかりました、最後にそこの水晶に触れてください」
旅人「何ですか、この水晶は?」
筆記「これは貴方の魔力を調べるものです」
-
筆記「貴方の話してもらった経歴から魔法使いの才能は無いでしょう」
筆記「しかしもしかしたら貴方も知らない才能があるかもしれませんので」
旅人「そうですか、それではお願いします」
筆記「・・・!、はい、終わりました」
筆記「この番号札を持って次の会場に向かって下さい」
旅人「わかりました、それでは失礼します」
筆記「・・・これは予想以上の人材ですね、この魔力量は異常です」
筆記「これは魔導研究所に連絡する必要がありますね」
筆記「あそこの研究所も喜ぶでしょうが、問題はどう送りますかね」
筆記「騎士団から落ちたならまだしも入った場合は面倒ですね」
筆記「どうにか騎士団長の目を盗んで、また後で考えましょう」
筆記「とはいえただの人間でありながらあの魔力量は魔族に匹敵しますね」
筆記「それなら研究所の魔族に聞きますか」
筆記「まだ話せる魔族もそれなりにいたでしょう」
-
旅人「ようやく終わったか、思ったより疲れた」
旅人「体力試験はまだしも剣技試験は駄目だな、試験官に全然敵わなかった」
旅人「まあ一般兵がそれを率いる隊長に敵う訳もないか」
旅人「とはいえ最低限の言われたことは出来てるし多分大丈夫だろ」
旅人「とりあえず結果の発表は明日らしいから今日はどうするかね」
旅人「悪魔を探してみたものの、何処に行ったのやら」
悪魔「ボクが何だって?」
旅人「って、お前いたのかよ」
悪魔「そりゃね、キミこそ一人でブツブツ呟いてると怪しいよ?」
旅人「いいんだよ、これは現状把握のためにやってるから」
悪魔「まあいいけどね、そういえば試験はどうだったんだい?」
旅人「試験は問題ないが、多分お前の言う場所に向かえるようになるのは先だな」
悪魔「そうかな、ボクは多分すぐだと思うよ」
旅人「そうか?まあいいや、俺は先に宿屋で休ませてもらうよ」
悪魔「行ったね、キミはもしかして忘れているのかな、悪魔の祝福の内容を」
-
旅人「ううむ、まさか騎士団に入れるとは思っていたが」
人事「どうしましたか、もしかして場所がわかりませんでしたか?」
旅人「え、ええ、なんせ予想外の結果でしたので」
人事「そうですね、この魔導隊に入れる者は少ないですから」
人事「ちなみに場所はあの建物、魔導研究所を基準にすればよいでしょう」
旅人「ありがとうございます、それでは」
人事「気をつけなさい、あの魔導隊は他の隊よりも危険ですから」
旅人「ご忠告、ありがとうございます」
旅人「とはいえ、まさかこうも早くあいつの言ってた場所に近づけるとは」
旅人「魔導研究所、ここが魔族の捕らわれてるであろう場所か」
旅人「そして俺がそこの武器を運用する部隊、魔導隊の一員か」
旅人「とりあえず今は言われた場所に急ぐか、今は何も出来ないな」
旅人「ええと、研究所を基準にこの方角の先に、あれか」
旅人「ここが魔導隊の兵舎か、ここの隊長に話を聞くんだったな」
-
隊長「キミが新入りか、私はこの魔導隊隊長だ、よろしくな」
旅人「はい、これからよろしく頼みます」
先輩「ま、君がいつまでここにいるかはわからないけどね」
隊長「はは、彼は君の先輩でね、少しひねているだけだから」
隊長「ともかくだ、まずは君の実力が知りたいからついてきてくれるかい?」
旅人「了解です、それで何処に向かうのですか?」
隊長「それはね、我々の武器を提供してくれる魔導研究所にだよ」
隊長「君もここに来る途中に見かけただろ、あの大きな建物だ」
旅人「ええ、あそこで魔導隊の武器が作られているんですね」
旅人「他にも何か研究していたりしているんですか?」
隊長「らしいけどね、私程度の地位じゃ知らされてないな」
隊長「到着したね、ここが我が王国の技術の結晶、魔導研究所だ」
旅人「ここが魔導研究所、何やらよくわからない物でいっぱいですね」
隊長「ああ、私たちにはわからないがどれも必要な物なんだろう」
-
筆記「おや、ようやく来ましたか」
旅人「あれ、貴女は確か筆記係の人では」
筆記「ええ、私はここでの研究の成果を上に届ける仕事もしていますからね」
筆記「それで隊長、彼は今から魔導武器の実験ですか?」
隊長「ああ、彼がどれくらいの実力か知りたくてね」
隊長「我が魔導隊に配属されるという事はそれなりはあるんだろ?」
筆記「実際に見て確かめてみればいいでしょう?」
筆記「せっかくなので私も見ていきましょう、実際に何処まで出来るかは知らないので」
旅人「それで、俺は何をすればいいのですか?」
隊長「すまないね、それではこの武器を手にしてくれないか」
旅人「これですか、やけに重たいですね」
隊長「それは当然さ、それでここを握りながら力を込めて」
隊長「最後はここをひねってから武器を振るう、的はあれを狙ってくれ」
旅人「了解、ここをひねってから振るう!」
-
隊長「いや、今回はすまなかったな」
旅人「いえ、こちらこそ力になれずすみません」
隊長「まさか魔導武器が故障してしまうとはね」
隊長「しかも本来なら他の武器で続行だと思っていたのだが」
旅人「まさか整備するからという理由で追い出されましたね」
隊長「まああちらにも事情があるのだろう」
隊長「自分たちの武器で味方が死んでは問題になるだろうしね」
旅人「そういうものですか。それでこれからどうしますか?」
隊長「そうだね、他の部隊なら色々あるのだがこの魔導隊は特別でね」
隊長「研究所から与えられた武器によって役割が変わるから現状出来る事が無くてね」
隊長「少し早いが今日の仕事は終わりにしておこう」
隊長「私にはまだ書類仕事などがあるが君に回せる仕事はないからね」
旅人「わかりました、それなら先に休ませてもらいます」
隊長「ああ、明日は今日やるはずだった事もやるから忙しくなる」
隊長「しっかりと休憩してくれたまえ」
-
旅人「それにしてもまさかこうも早く目的の場所に近づけるとはな」
悪魔「それも当然の事さ」
旅人「うわ、お前急に現れるなよ」
悪魔「驚かせて悪かったね」
旅人「まあいいんだけどさ、それより当然って今のこの状況の事か?」
悪魔「そうだよ、ここまでの流れはボクの予想通りってとこかな」
旅人「それは今回の騎士団の募集もお前の、ってそういえば」
旅人「今回の募集の理由は近くの国で反乱が起こったから、そしてその国は」
悪魔「そう、教国、ボクたちが少し前に寄った国だね」
旅人「つまりなんだ、お前は今回俺をここに入れるためだけに?」
悪魔「それだけじゃないさ、ただ理由の1つはこれだよ」
悪魔「この国に武力を求めさせる、そしてこの国の魔導という技術」
悪魔「大体ボクの予想通りに事は進んでる所だね」
-
旅人「なんていうか、やっぱりお前は神様的な存在なんだな」
旅人「こんな事のために1つの国に反乱を起こさせるとか」
悪魔「こんな事じゃあないのさ、重要な事なのさ」
旅人「とはいえこれは俺も引くに引けなくなったな」
旅人「国に反乱を起こさせるような奴と一緒に行動してるなんて」
旅人「それで、これからの事もお前は予想出来るのか?」
悪魔「そうだね、ここからはボクにも予想し辛いね」
悪魔「でもそおうなるようには組んでいるからね」
悪魔「後は起こるのが早いか遅いかって所だね」
悪魔「早ければ今すぐに、遅ければずっと先に」
旅人「おい、俺にももう少し詳しく教えてくれてもいいんじゃあないか?」
悪魔「それはダメだよ、迫真の演技が必要だからね」
悪魔「まあここの人間が良い人ならずっと先になるよ、良い人ならね」
旅人「訳が分からないが、今の俺は受け入れるしかないって事か」
-
悪魔「と言ってたんだけど、ふむ、これは予想外」
旅人「どういう事だ?」
悪魔「いやあ、人間というのはここまで堕落していたんだね」
旅人「おい、まさか」
悪魔「多分キミの思った通りさ、早かったって事さ」
旅人「つまり今から何かが起こるって事かよ」
悪魔「頑張りなよ、もしかしたら違うかもしれないからね」
悪魔「アクマで、ボクの予想通りならって話だからさ」
旅人「おい、って消えやがった、透過の術を使ったのか」
旅人「ん、ノック?ってこれがもしかしたら」
旅人「いや、ビビッてても意味がないな」
旅人「はい、どちら様ですか?って先輩ですか、どうかしましたか?」
先輩「おう、ちょっとな、俺のために気絶してもらうぞ」
旅人「な!?」
-
隊長「おう、仕事は完了したか?」
先輩「ええ、それでどうしてこいつを?」
隊長「知らんが、どうもかなりの魔力を宿してるらしい」
先輩「それで俺の魔導で生け捕りって訳ですか」
隊長「そういう事だ、お前の電撃の魔導武器なら楽勝だったろ」
先輩「そりゃ、もうこれで何人目かわからないですからね」
隊長「お前まだ気にしてるのか?」
先輩「そりゃね、いくら何でも」
隊長「仕方ないだろ、我が魔導隊の魔導武器はそういう実験の果て」
隊長「つまりは犠牲者がいるって事だ、諦めろ」
先輩「そうですね、それよりあの噂って本当ですか?」
隊長「視察の事か、それなら明日来るらしいがこっちが上手くするから気にするな」
先輩「わかりました、あいつを研究所に運んでおきますね」
隊長「よろしく頼むよ」
先輩「ええ、それでは」
-
旅人「うっ、ここは?」
??「あの、大丈夫ですか」
旅人「ああ、大丈夫だと思うんだがここは?」
??「ここは王国の魔導研究所、その地下牢です」
旅人「それで、君は、魔族かい?」
??「え、どうしてってそういえば人間に角はないですよね」
青魔「私は青魔と言います、貴方は?」
旅人「俺は旅人、こんな所に連れて来られる理由は無いはずなんだけどな」
青魔「そうですか、それもそうですよね、人間なのに」
青魔「ってそういえば私の事、怖くないんですか?」
旅人「え、魔族って事に?」
青魔「はい、私は魔族、つまり人間の敵なんですよ?」
旅人「そこには色々な事情があってだな、それは後にしよう」
青魔「え、あ、誰か来ましたね」
旅人「一応隠れておけよ」
-
旅人「悪魔の言ってたのはこの事だったんだな」
旅人「いつ実験体としてここに送られるかって事か」
旅人「というか他の王国の部隊はここの事を知ってるのか?」
青魔「あの、大丈夫ですか?」
旅人「あ、ああ、悪かった、少し混乱してた」
青魔「いえ、私たちと違って貴方は同じ人間に裏切られたのですね」
旅人「私たちって事は他の魔族もここにいるのか?」
青魔「はい、ここには私たち、青の一族が捕らわれています」
旅人「青の一族って魔族の中でも偉かったりするのか?」
青魔「いえ、むしろ人間に近いので階級的には下の方です」
旅人「何か血筋的に偉い部族の親戚とか?」
青魔「それも特にはありませんけど、何故その様な事を?」
旅人「いや、信じられないかもしれんが俺はお前たち魔族を救いに来たんだ」
-
青魔「え、でも貴方は人間なのでは?」
旅人「俺じゃなくて俺の契約相手が救うんだが」
青魔「契約相手というと、もしかして貴方は魔族と何か契約をしたのですか?」
旅人「正確に言えば魔族じゃないんだが魔族みたいな存在だな」
青魔「ですが、この状況でどうやって助けていただけるのですか?」
青魔「貴方の首にもあるその首輪には魔力を封じる力があります」
青魔「それのせいで私たちはここではなす術がないのです」
旅人「それがだな、実は俺の首輪は偽物なんだよ」
青魔「え、それはつまり」
旅人「今はまだ無理なんだが、明日にはどうにか出来る、はず」
青魔「あの、どうして自信が無いのですか?」
旅人「実はだな、出会って間もな人物が手引きしてくれたからさ」
旅人「イマイチ信用がないんだよ」
青魔「あの、それは救われる予定の私が言うのも何ですが」
旅人「ともかくだ、明日まで耐えてくれ、明日合図があるって言ってたからさ」
-
青魔「あの、少しいいですか?」
旅人「何がいいかわからんがいいぞ」
青魔「あの、戦争は今どうなっているのですか?」
旅人「そんな事が知りたいなんて変わってるな」
青魔「いえ、ただ、自分たちの一族がまだ生きてるか知りたくて」
旅人「そういう事か、ただ俺もあまり詳しくは知らないが〜」
青魔「ありがとうございます、それだけで十分です」
旅人「それだけで十分って」
青魔「はい、まだ生きているかもしれないってだけでまだ頑張れます」
青魔「私はもうここで終わってしまうかもしれませんけど」
青魔「仲間が生きているのならもしかしたらがあるかもしれませんので」
旅人「大丈夫だ、俺には何もないけど俺の契約相手は神様みたいな奴だから」
青魔「それなら、少しは信じてみます」
旅人「おう、明日に期待しておけよ?」
-
先輩「後は明日を待つだけか」
??「おやおや、キミは思った以上だね」
先輩「なんだお前は!」
??「ボクかい?ボクは立ち位置的にはキミの味方になるかな」
先輩「それで、何か用か?」
??「1つ言っておくとその魔導武器でボクを攻撃しても無駄だよ」
先輩「気付いていたのか?」
??「まあね、ボクくらいになるとそれぐらいはね」
??「大丈夫、ボクがするのはキミの手助けだよ」
先輩「お前の力なぞなくても問題ない」
??「それはどうかな、まあ一応聞いておいてくれよ」
先輩「言うだけ言ってみろ」
??「明日、この王国を魔族が襲撃するよ」
??「場所は、魔導研究所」
-
旅人「やっぱり牢の寝心地はあまり良くないな」
青魔「私は慣れてしまいました」
旅人「出会って間もない俺が言うのもなんだが、図太いのな」
青魔「というよりは諦めかもしれません」
青魔「ここに連れて来られて実験と称して魔力を奪われ」
青魔「今では私の力は人間にも劣ります」
旅人「そういうものか、まあそれも今日までだ」
青魔「もしそれが本当だと嬉しいです」
旅人「出会って間もない人間を信じれないか」
青魔「すみません、流石に完全には信じる事が出来なくて」
旅人「こうやって話せるだけ御の字か」
青魔「はい、何故だか貴方は他の人間と違って魔族を感じますので」
青魔「それのお陰でしょうか、少し安心できます」
旅人「それはありがたいな」
-
旅人「それにしても何か分りやすい合図があるって聞いたんだがな」
青魔「あの、それはどういう案なのですか?」
旅人「いや、上で騒ぎがあるからそれに乗じてこれを使えって」
青魔「これは、魔力を注ぐ事で爆発する爆弾ですね」
青魔「中に爆発の魔力を込められているのが確認できます」
旅人「そう言ってたわりには上で騒ぎなんか起きないんだが」
青魔「それどころか、静かなくらいですね」
旅人「本当に何が起こってるんだ?」
悪魔「いや、起こったというか、今から起こるというか」
旅人「お前、どうしてここに?」
悪魔「いやね、キミが寝ている間に上で全部終わったのさ」
悪魔「つまりキミの出番なんか無かったって事」
青魔「あの、この方は?」
旅人「これが俺の契約相手の悪魔、魔族の味方になるのか?」
悪魔「そうだね、どちらかと言うなら味方だね」
-
旅人「それでだ、何が終わったんだ?」
悪魔「王国の掃除、キミの部隊の先輩がいただろ?」
旅人「ああ、俺はあの人に合図が来たらこれを使えって」
悪魔「それはもう必要ないのさ、彼が1人で終わらせたから」
旅人「は?」
悪魔「正確に言えばここの騎士団長と協力して魔導研究所の悪を滅ぼしたって訳」
悪魔「あれは見てて凄かったよ、まさか男であそこまでの運命力とは」
悪魔「色々な危険を乗り越え、自身の隊長を討ち、最後は暴走する所長を」
旅人「つまりなんだ、俺は今回もいらなかったって事か?」
悪魔「そこまでは言わないよ、キミのお陰ですぐにここを見つける事が出来た」
旅人「それだけって事かよ、本当に俺を置いて世界は回ってるな」
悪魔「ああ、でも今から起こることはキミとそこの彼女にも関係するよ」
青魔「あの、それはどういう?」
??「見つけたぞ!」
-
悪魔「おや、見つかってしまったね」
旅人「あれが騎士団長か」
悪魔「そうだよ、これまた美人でしょ?」
騎士団長→女騎「何を言っているのだ、貴様らは」
悪魔「いやね、ボクたちを見逃して欲しいなって事さ」
女騎「すまんがそれは出来ん、こちらに非があるとはいえ」
女騎「魔族を逃がす事は出来ん、せめて苦しまず葬ってやろう」
旅人「俺は人間なんだけど、やっぱ無理?」
女騎「王国では魔族と契約した者は魔族として扱う」
旅人「そりゃそうだな、今更1人だけ助かりたい訳じゃないけど」
旅人「ていうか俺が契約しているのは魔族じゃないんだが」
青魔「あの、これはかなり危険だと思います」
旅人「俺もそう思う、どうにか出来ないのか?」
悪魔「今の姿じゃ無理だね、元の姿なら楽勝だけど」
-
旅人「今更だろ、ていうかいつ俺が契約してるってバレたんだ?」
女騎「先ほどの会話を聞かせて貰った、それで何かしてくるのか?」
悪魔「キミは死ねと言われて素直に死ぬかい?」
女騎「それが王の命令ならば」
悪魔「歪んでるね、キミ」
旅人「それでどうするんだよ、この状況」
悪魔「ボクも彼女と戦う気はないからね、魔法をかけて退散さ」
青魔「あの、他の一族は?」
悪魔「ご心配なく、先に助けておいたから」
女騎「話し合いは終わったか?」
悪魔「まあね、それじゃあ来なよ」
女騎「その姿はやはり魔族か、討たせてもらう!」
悪魔「d@:@yes@4」
女騎「な、消えた?」
-
とりあえずここまで、次は魔界編的な
>>58
乙ありです
-
乙
旅人が大活躍する日は来るのかなぁ
-
悪魔「いやあ、久々にやったからボクも疲れたよ」
旅人「お前、一体何をしたんだ?」
青魔「次元移動、ですよね」
悪魔「そう、よく知ってるね、ええっと」
青魔「青魔です、それで貴方の正体は一体?」
旅人「正体って、どういう事?」
青魔「次元魔法はかなり高位の魔法です、使える魔族がそれこそ絞られるくらいにです」
青魔「そして過去に次元魔法を使ったとされるのが魔王様とその側近と言われてます」
青魔「つまりこの方はかなりの立場という事になります」
旅人「そうなのか、それでお前はどうするんだ?」
悪魔「そうだね、ボクの正体はバラシてもいいけど少し協力してくれないかな?」
青魔「協力ですか、すみませんが内容によるとしか言えません」
悪魔「いや、ボクたちが魔界で活動する時に協力して欲しいんだよ」
-
青魔「それくらいなら構いませんが、その方は人間では?」
悪魔「彼はボクの個人的な協力者で他の人間とは関係ないから大丈夫さ」
悪魔「それに姿に関しても問題ないよ、ほら」
旅人「うお、俺の頭に角が生えたぞ!?」
悪魔「悪魔の祝福の1つ、契約相手の姿だけの魔族化さ」
旅人「そういえばそうだったな、あまり役立った事が無いから忘れてたが」
悪魔「ボクの人間化もその1つだからキミは常にその恩恵を受けてたはずなんだけどね」
悪魔「ま、それは置いておくとしてそれで協力してくれるかい」
青魔「はい、それぐらいでよければ大丈夫です」
悪魔「うん、人間に見た目が近いキミが協力してくれるのはありがたいよ」
悪魔「それでボクの正体についてだったね」
青魔「はい、先ほど以上に気になってきました」
青魔「人間と協力する貴方の存在が」
悪魔「目的は明かせないけど正体は明かしてあげるよ、ボクはね」
青魔「え?」
-
悪魔「これで全部だけど、納得したかい?」
青魔「はい、まさか魔王様以上の存在とは失礼しました」
悪魔「あ、かしこまるのは禁止ね、息苦しいし」
青魔「わかりました、それにしても転生者、その様な存在がいたのですね」
青魔「これは魔族の危機ですが、もしかして目的はその転生者を」
悪魔「それはさっきの説明でもしたけどボクじゃ無理だね」
青魔「そうですか、それなら魔族は戦争に負けてしまうのですね」
悪魔「ま、そこは転生者の気分次第って事になるけどほぼそうなるだろうね」
青魔「しかし転生者が頂点の独裁国家が誕生する可能性もあるのは危険すぎます」
悪魔「そこは考えても仕方ないさ、魔王も頑張ってるだろうしね」
青魔「そうですね、魔王様を信じる事にします」
青魔「それで、貴方も変わった人ですね、魔族側と契約するなんて」
旅人「まあそこはあいつとの契約で俺にもメリットがあるし」
青魔「悪魔の祝福ですか、それにはどんな内容があるのですか?」
青魔「悪魔さんもそこは契約者がいるから秘密と言われまして」
-
旅人「なあ、聞いてもいいか?」
悪魔「何だい、彼女がいない間に何が聞きたいんだい?」
旅人「結局俺は話さなかったけどなんで秘密にしたんだ?」
悪魔「契約の内容かい、それには色々あるけどね」
旅人「例えば何だよ」
悪魔「そうだね、もしキミが魔族に敵意を持っていたとしよう」
悪魔「その場合キミは最高の密偵という事になるのさ」
悪魔「魔族として魔族に入り込める、それだけで十分危険だろ?」
悪魔「さらには名前だけとはいえキミは相手の能力が分かるのさ」
旅人「でもさ、青魔を見てもそんなの分からなかったんだが」
悪魔「そこはボクの配慮さ、常に見えていたら邪魔かと思って」
旅人「それはありがたいが、確かに考えて見れば俺って凄いな」
悪魔「まあキミがもし実行しても成功率はそんなに高くないと思うけどね」
悪魔「問題はキミの力を魔族が危険視された場合だね、その場合キミの命はね」
旅人「そう考えたら秘密にしておいて正解だったな」
-
青魔「すみません、周辺を見て回って大体の位置が分かりました」
悪魔「悪いね、ボクたちはあまり他人と接触したくないからね」
青魔「いえ、こちらも協力すると言いましたので」
青魔「それで、これからどうするのですか?」
悪魔「そうだね、まずは一番近くの街で情報を集めようかな」
青魔「それなら丁度、ここから一番近いのが魔都になります」
旅人「話の流れからしてかなりの大きな街なのか?」
青魔「はい説明しますと、魔界は人間と違い魔王様が唯一の頂点です」
青魔「そして配下の魔族が様々な街を運営しています」
青魔「その中でも魔王様直下の街の2つが1つ、それが魔都になります」
青魔「そのため他の街と比べても様々な魔族が出入りしています」
旅人「それなら簡単に情報が集まりそうだな」
悪魔「それなら行こうか、間違っても他の魔族に驚いちゃいけないよ」
旅人「すまん、そういう魔法頼む」
-
旅人「ここが魔都か、確かにこれはデカいな」
青魔「他の街では領主である魔族によっては入れる魔族が制限されます」
青魔「しかしここは魔王様直下という事もあり制限無く様々な魔族が出入りしますので」
旅人「お陰で見た事ないような魔族を大量に見かけるな」
悪魔「それじゃあ適当に今後を説明しながら食事にしよう」
旅人「食事ってそれ俺でも食えるのか?」
悪魔「大丈夫さ、人間に近い青の一族などもあるからね」
青魔「私が食べられる物を教えます」
旅人「それなら大丈夫か、それならまずは今後の事についてだな」
悪魔「そうだね、色々とやりたい事はあるけどまずしないといけないのは1つさ」
悪魔「転生者の動向、これだけは絶対だね」
旅人「やっぱ、そこは大切なのか?」
悪魔「最悪ボクはそこだけに力を注ぎ込みたいくらいだね」
悪魔「人間界にいた頃なら運命力の強さから大体の場所くらいはわかったんだけどね」
悪魔「流石に魔界からじゃあ遠すぎるからね」
-
旅人「運命力って強かったら居場所すらわかるのかよ」
悪魔「アクマでボクぐらいの実力がないとわからないさ」
悪魔「偵察をおくろうにも魅了されちゃあ意味が無いからね」
青魔「ただ場所を知るだけなら遠視の術はどうでしょうか」
悪魔「それダメなんだよね、転生者の魅了はそういうの使っても効くからね」
旅人「それでもお前なら別にかからないから大丈夫じゃないのか?」
悪魔「遠視の術にはもう一つ弱点があってね、逆探知出来るのさ」
青魔「それ程魔法にも通じてるのですか、それなら召喚魔法も難しいですね」
悪魔「そうなんだよね、だからどうやって監視するか悩み中なのさ」
旅人「なんだよそれ、ほとんど手詰まりじゃないかよ」
悪魔「一応手段がないわけじゃないんだけどね、確実じゃないし面倒なのしかなくて」
悪魔「人形の術っていう土で作った人形を操る魔法なと記録水晶を使う方法なんだけどね」
旅人「記録水晶って魔力を込める事によって記録を残すかなり高級な道具だったよな」
悪魔「それを転生者がいると思う街の出入り口に置いて、人形の術で毎日回収って方法」
-
青魔「確かにそれなら転生者に直接接触しませんね」
悪魔「確実性が無いのは言うまでもなくこれ、疲れるんだよ」
青魔「人間界はかなり遠いですからかなりの魔力も使いますね」
悪魔「だからさ、この方法を取る場合はキミたちにやって欲しい事があるのさ」
悪魔「内容はその場その場で変わるから何かはわからないけどね」
旅人「それしか方法がないなら仕方ないだろ、やらない理由はないな」
青魔「私も協力します」
悪魔「いやあ、ありがたいね、それじゃあ食事にしようか」
旅人「そういえば、俺は金ないけど」
青魔「私は言わないでもわかりますよね」
悪魔「ボクかい、ボクがそんなもの持ってる訳ないじゃないか」
旅人「どうすんだよ、おい」
悪魔「仕方ないね、ボクが調達してくるから少し待っててね」
-
旅人「あんな事言ってどっか行ったけど俺たちはどうする?」
青魔「それより悪魔さんと別れて大丈夫なのですか?」
旅人「向こうは俺の居場所が分かるから大丈夫だろ」
旅人「もし何もなかったら魔族に関して教えてくれないか?」
青魔「魔族に関してですか、悪魔さんとはその辺りは話さなかったおですか」
旅人「あいつとの会話は基本どうでもいいよな話ばっかりだったな」
旅人「昨日の食事はどうだったとかそんなのばっかりだったぞ」
旅人「だから今のうちに魔族に関して聞いておきたいんだよ」
旅人「一応、今の俺は魔族だし何も知らないのは怪しいだろ」
青魔「分かりました、それなら基本的な事を教えておきます」
青魔「魔族は魔王様を頂点とした社会で魔王の決定は基本絶対です」
青魔「とはいえ独裁というわけではなく、直属である四天王と側近が意見を出来ます」
青魔「何かをする時にはその5人のうち3人の許可があった場合に実行されます」
青魔「四天王は各々に領域を所持しており、その中の街を四天王の部下が管理してます」
青魔「後は魔王様は実力性なので実力さえあればすぐにでもなれますね」
-
旅人「それなら我こそはって奴が魔王に挑んだりしないのか?」
青魔「いない訳ではないですが四天王と側近がいますので」
旅人「確かにその5人をどうにかしないと魔王を相手に出来ないのか」
青魔「とはいえその5人がやられましても魔王様の実力は圧倒的ですので」
旅人「そう考えるとそう易々と交代する事はないのか」
旅人「でももし魔王がやられたとして次の魔王がヤバい奴なら危険だな」
青魔「その場合は各地の魔族が決起すると思います、実際過去にもあったらしいです」
旅人「そうなのか、それなら人間界よりも平和なのかもしれないな」
旅人「人間界は頂点がいくつもあるから戦争も起こるしな」
青魔「魔界でもない訳ではありませんが少ないですね」
青魔「四天王の1人、赤王様の領域だけは赤王の実力制度でよく争いあってますが」
旅人「そういえば四天王って他にどんなのがいるんだ?」
青魔「実力主義の赤王様、平和主義の青王様、放任主義の緑王様、秘密主義の黄王様の4人です」
青魔「私たち青の一族は名前から分かると思いますが青王様の領域の魔族です」
青魔「と言うよりは青王様に拾われてから青の一族になったと言うのが正しいですね」
-
旅人「そんなバラバラな人物が直属ってことはそれだけ魔王には人望があるのか」
青魔「赤王様はその実力を、緑王様は気まぐれ、黄王様は何か条件で、認めたと噂です」
青魔「青王様は問題がなければ誰でも良かったと言われたらしいです」
旅人「つまり魔界も一枚岩じゃないって事になるのか」
旅人「それでも人間界よりは平和ってのが何とも言えないな」
青魔「これで簡単な魔界の社会は説明しました」
旅人「少ないような多いような、それで悪魔はまだなのか?」
悪魔「ボクの事を呼んだかい?」
旅人「うお、急に驚かすなよ」
青魔「戻っていられたのですね、悪魔さん」
悪魔「まあね、ボクにかかれば簡単簡単、ついでの情報収集してたとこさ」
旅人「情報ってどんな内容だよ」
悪魔「教国の反乱が鎮圧されたって話きっと転生者の活躍だろうね」
悪魔「これで転生者の大体の居場所は分かったから行動開始さ」
-
旅人「本当に俺でも食べられたな、というかかなり美味かった」
青魔「はい、あの店はかなり良かったと思います」
悪魔「それもボクの集めた情報の1つさ、食事は大切だろ」
旅人「それで、これからどうするだ?」
悪魔「そうだね、まずは青王の領域に行く事になるよ」
青魔「青王様の領域ですか?」
悪魔「青王とは約束事があってね、それにキミにとっても良い事だろ?」
青魔「はい、私としても一族の皆の無事を知りたいので」
悪魔「という事でまずは青王だね、他は面倒だし」
旅人「他は面倒ってことはもしかして」
悪魔「そうだよ、四天王全員と話し合う予定さ」
旅人「それは面倒な旅だな」
青魔「私も、一族の無事を確認出来たら手伝います」
悪魔「それじゃあ行こうか、青王の元に」
-
とりあえずここまで、更新ペースを上げたい今日この頃
>>86
乙ありです、活躍はいつかはするかもしれない、そういつかは
-
乙
ようやく味方?が出来てひと安心
四天王は曲者揃いだな
-
おつー
続きがみたいっす
-
旅人「ここが青の一族の町か、なんていうかあれだな」
悪魔「人間界そっくりだろ?ボクとしてもお気に入りだね」
青魔「青王様はいずれ来ると願う人間との共存のために作られたと言われたそうです」
旅人「それはまた理想論だな、正直それは難しいんじゃないか?」
悪魔「ボクはそうとは思わないけどね、当然条件付きだけど」
旅人「どんな条件だよ」
悪魔「現状みたいに人間でも魔族でもない者が支配すればいいのさ」
悪魔「そうしたら敗北者同士、仲良くなれるかもね」
旅人「つまり例外があってようやく成立するかもしれないって事か」
悪魔「そう考えると青王には先見の明があったのかもね」
青魔「それですみませんが、一族の仲間の無事を確認したいのですが」
悪魔「ああいいよ、ボクさえいれば十分だしね」
旅人「つまり俺は青魔と一緒にお留守番って事か」
悪魔「そういう事さ、置いてけぼりよりはマシだろ?」
旅人「何かする事もあるかもしれないしな、きっと」
-
旅人「それで俺たちは何処に向かってるんだ?」
青魔「一族の長の元です、青の一族は町長を中心にした一族ですので」
青魔「おそらく他の仲間の事も知っているはずです」
青魔「それに私の無事を報告する必要がありますので」
旅人「そういうものか、それにしても誰にも会わないな」
青魔「そうですね、普段なら誰かに話しかけられるはずなのですが」
旅人「もしかして何かあったんじゃないか?」
青魔「そんな事はないと言いたいのですが、ここが長の家です」
旅人「家というかは館に近いな、これは」
青魔「長は反対したらしいのですが一族の皆に押し切られた形です」
青魔「やはり一族の長であるのでそれらしい家に住むべきだと」
旅人「それは、かなり慕われてるんだな」
青魔「それはもう、と話してる場合じゃないですね」
青魔「すみません、長、長?」
??「入れ」
-
青魔「長の声ですが、おかしいです」
旅人「何がだ、返事があるならいいじゃないか」
青魔「いえ、本来なら従者の方が対応するのです」
旅人「それもやっぱり一族の皆が」
青魔「ええ、ともかく中に入りましょう」
青魔「失礼します、ただいま戻りました」
青長「私の部屋に来なさい」
旅人「部屋ってあの大きな扉の奥か?」
青魔「ええ、行きましょうか」
青魔「長に現状を聞く必要があります」
旅人「そうだな、あいつもきっと何か聞いてくるだろ」
青魔「悪魔さんの事ですか?」
旅人「ああ、だから俺たちはこっちで話を聞こう」
青魔「ええ、そうしましょう」
-
青長「来たか、我が一族の子、それにその共よ」
青魔「長よ、一族の皆はどうしたのですか?」
青長「うむ、一族で教えるのは最後になるだろう」
青魔「という事は、何かあったんですね?」
青長「我ら青の一族はその身を隠す事になった」
青魔「それは、一体何があったのですか?」
青長「それは言えぬ、だがそれが我らの為なのだ」
青魔「それで、長は私に何か指示があるのですか?」
青長「無い、だがここを去るとしても止めはしない」
青長「もし帰りたくなったらいつでも受け入れる」
青魔「ありがとうございます、長」
青魔「私は恩を返すために旅を続けます」
青長「ならば行くがよい、それが道なのだ」
青魔「それでは長よ、お元気で」
-
青王「これでよろしかったのですか?」
悪魔「うんうん、これでボクとの約束を果たしてくれて嬉しいよ」
青王「家族を救う代わりに一族と共にその身を隠せ、それが条件でしたので」
青王「貴方は何を企んでいるのですか?」
悪魔「ボクかい?ボクの望みはずっと変わらないよ」
悪魔「言える事は誰だって持つ願いって事さ」
青王「そうですか、私としてはそれが争いの種にならない事を近います」
悪魔「ボクもそう願いたいけどね、キミが約束を破らない限りはね」
青王「それほどまでに危険な存在なのですか?」
悪魔「でも無かったら赤王でもぶつけてるさ、それでどうしようもないからね」
青王「私はその様な方法は好みません」
悪魔「だからキミにはその姿を隠してもらってるのさ、最悪は」
青王「最悪は?」
悪魔「全生物が魅了される事さ、それだけは回避しなくちゃいけない」
-
旅人「良かったのかよ、俺たちについて来る事にして」
旅人「正直、一族の奴らとここに残っておいた方がいいんじゃないか?」
青魔「いいのです、私は私の意思で貴方がたについて行くと決めました」
旅人「それならいいけどさ、後はあいつを待つだけか」
悪魔「それってボクの事かい?」
旅人「用事は済んだのか?」
悪魔「驚いてくれなくて残念だけど、用事は済んだよ」
青魔「それでは次の四天王ですね、次は領域の近い赤王様ですか」
悪魔「いや、彼は面倒だし出来たら後に回したいんだよね」
悪魔「何かある度にすぐ勝負で決めようとするからね」
旅人「確かにこの中で戦力になるのはお前だけか」
青魔「私も戦えない事は無いですが四天王を相手には」
悪魔「ま、そこはボクがどうにかするとして次はどっちにしようかな」
青魔「放任主義の緑王様か、秘密主義の黄王様ですね」
旅人「とにかく、次に向かって行きますかね」
-
とりあえずここまで、書き貯めが無くなったのが辛い
>>100
乙ありです、四天王は基本単純で交渉材料があれば簡単に頷きます
>>101
乙ありです、失踪はしないで最後まで頑張ります
-
乙
まるで影の勇者御一行って感じだな
-
旅人「ようやくついた、ここが緑王のいる街か」
悪魔「緑王は面白い事が好きな奴だからね」
悪魔「だから緑王は自分の居場所を教えてるのさ」
青魔「ですがここは他の街よりも賑やかですね」
旅人「そうだな、緑王の領域はどの街も賑やかだったけど」
悪魔「それが緑王の方針さ、面白ければ何でもいいのさ」
旅人「それにしても色々あるな、なんだあれは?」
青魔「魔物小屋ですね、魔物による芸をしてますね」
悪魔「他には賭博場や競り場などもあるのさ」
旅人「何というか人間と変わらないだな、その辺りは」
悪魔「当然さ、人間を真似て作った物だしね」
悪魔「他にも色々あるけど今は関係ないし先に行こうか」
旅人「正直、気になるが仕方ないな」
悪魔「緑王は変わった奴でね、もしかしたらキミも必要でね」
青魔「行きましょう、緑王はあの宮殿にいるようです」
-
緑王「やあやあこんにちわ、僕が緑王さ」
緑王「とはいえ1人は知っているだろうけどね」
悪魔「まあね、ボクとは以前からの付き合いだしね」
旅人「何だかお前ら2人、似ているな」
緑王「それもそうさ、僕の師匠みたいなものだしね」
悪魔「正直に言うとボクが教えたのさ、人間の娯楽を」
青魔「つまり悪魔さんは緑王様がここを作る前からの関係だったのですか」
緑王「まあね、それでこの2人があの計画の?」
旅人「計画?それが悪魔の目的か」
悪魔「まあ、ぞの予定というか、なんというかね」
緑王「そうかい、それなら君がここに来たってもあれかい?」
悪魔「そうだね、転生者の関してさ」
緑王「つまりその時が近づいてきたって事かい」
緑王「でも、タダであのお願いを聞くのは駄目ってのは分かってるよね?」
-
旅人「それで俺たちはここに連れてこられたのか」
青魔「どうして悪魔さんじゃなく私たちを指定したのでしょう」
緑王「それはだね、彼とは十分遊びつくしたからね」
緑王「だから僕と彼の選んだ者同士で遊ぶのさ」
緑王「紹介しよう、僕の飼ってる魔獣さ」
魔獣「GRRRR」
悪魔「魔獣は人間でいうと犬に近い魔物だね」
旅人「犬にしては、少し大きすぎないか?」
青魔「魔獣の中では小さい方ですね」
旅人「マジかよ、でも俺よりもデカいぞあれ」
青魔「はい、大きいモノは馬を越えます」
旅人「マジかよ、それで何をさせたいんだ?」
緑王「キミたちにね、その魔獣と戦ってもらおうかなって」
-
旅人「戦うだって、俺たちとこの魔獣が?」
緑王「うん、彼が選んだ契約者の力が知りたいなって」
旅人「待て、お前は俺をどの様に選んだかって聞いてないのか?」
緑王「聞いてるよ、だから少し小さいのをして上げたよ」
緑王「さらに君1人じゃなくてもう1人もいるでしょ」
旅人「それでも俺は普通の人間だぞ、無茶言うな」
悪魔「ごめんね、最悪でも死なないようにするさ」
旅人「最悪死なないって、最悪じゃなかったらどうなるんだ」
悪魔「そうだね、悪いけど腕の一本ぐらいだよ」
悪魔「代わりにキミに少し助言をしておくよ、こっちでね」
青魔「私にですか、それで少し話してきますが」
緑王「まあ、それぐらいはいいかな」
旅人「俺には何もないのかよ、おい!」
緑王「君は哀れだね、それはそれで面白いけど」
-
悪魔「いや、悪かったね、戻ってきたよ」
緑王「どんなアドバイスをしたんだい?」
青魔「秘密ですよ」
緑王「そうかい、それなら檻の中に入りな」
青魔「すみません、待たしましたね」
旅人「本当にな、それでどんな助言を貰ったんだ?」
青魔「それは秘密ですね」
旅人「ここに来て秘密は無いだろ、秘密は」
緑王「ともかくだ、僕を楽しませてくれよ?」
魔獣「GRRRR」
旅人「それでどうするんだ、一応剣は貰ったが」
青魔「秘策があるからね、時間を稼いでくれないか」
旅人「ああ、それはいいんだがお前は」
旅人「ええい、やってやる」
-
旅人「うわぉおお!?」
緑王「ははは、愉快だね彼は、見てて面白いよ」
緑王「あんな事言っていたのに逃げてばっかりだね」
緑王「魔獣がまだ遊んでるからまだ助かってるけどね」
悪魔「あれが面白いのですか?」
緑王「ああ面白いね、あんな無様に逃げ回って」
悪魔「そうですか」
緑王「そら、そろそろ魔獣が遊びをやめるぞ」
魔獣「GRRRR!」
旅人「ぐはっ!?」
青魔「そろそろ魔獣が本気を出してくるよ」
旅人「それを教えられてもどうしようもないぞ」
旅人「もう魔獣の攻撃を避けるのも限界だぞ、それに」
青魔「さあさあ、魔獣が来たよ」
旅人「ちくしょう、後で覚えておけよ」
-
旅人「あ、危なかった、今のはやばかった」
緑王「くく、ほら逃げろ逃げろ」
旅人「正直あいつもどうかしてやりたいが」
旅人「今はともかくどうやって生きるかだが」
緑王「次で終わりかな、あの魔獣も飽きたらしい」
魔獣「GRRRR!」
旅人「な、早っ!?」
青魔「仕方ないね、向こうも限界だろうしね」
魔獣「GRRRR!?」
旅人「た、助かったのか」
緑王「魔獣は氷漬けか、しかも生きているみたいだな」
青魔「ああ、遊びなんだから殺しちゃ可哀想だろ?」
旅人「それなら俺の事も可哀想だとお前は思わないのか?」
青魔「悪かったね、彼を楽しませるのが条件だったからね」
旅人「ならもういいだろ、元に戻れよ」
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青魔「そうかい、ボクとしてはもう少しこのままでも楽しかったんだけどね」
悪魔「そうですね、そろそろ戻します」
青魔→悪魔「もう戻しちゃったんだね」
悪魔→青魔「すみません、私も限界でした」
旅人「やっぱり入れ替わってたのか」
青魔「悪魔さんに教わり私が使った変化の術の効果です」
悪魔「ボクならいざという時にどうとでも出来るからね」
旅人「つまり俺の安全は保障されていたのか」
悪魔「まあね、ボクの大切な契約者だからね」
悪魔「それでも彼を楽しませるためにそれなりに放置したけどね」
旅人「それは酷くないか、さすがに」
緑王「いやあ、僕も騙されたよ、まさか入れ替わっていたなんてね」
悪魔「途中で気付いていたんだろ?」
緑王「まあね、最初に気づかなかった僕の負けさ」
-
悪魔「それで、面白かったかい?」
緑王「ああ、騙されていたけど面白かったよ」
緑王「だから約束は果たしてあげるよ」
緑王「それに、計画の果てが変わりそうだし」
悪魔「僕としては否定したいんだけどね、それは」
緑王「そうかい、僕はきっと結末通りにはならないと思うよ」
旅人「なあ、俺にもその計画ってのは聞かせてくれないのか」
悪魔「そうだね、成就する時か、破綻する時に教えてあげるよ」
緑王「代わりに僕が少し教えてあげよう、彼は生きたいだけさ」
旅人「生きたい?今だってこいつは生きてるじゃないか」
緑王「でもね、それはまだだからなのさ、時が来たらね」
悪魔「それ以上はボクから止めさせてもらうよ」
緑王「らしいからね、後は自分で聞きだしなよ」
旅人「そうか、なら今はやめておく」
悪魔「それはありがたいね、ボクとしても」
-
青魔「それで、もういいのですか?」
悪魔「まあね、四天王は皆約束には律儀だからね」
青魔「そうですか、それならいいのですが」
悪魔「そうだよ、だからもういいのさ」
旅人「それで次はどっちに行くんだ、残り2人だが」
青魔「予定なら黄王が先でしたね」
悪魔「そうだね、でも少しそれには時間が必要でね」
旅人「という事は先に赤王って事か」
悪魔「そうするか、ここで時間を潰すかだね」
青魔「確かにここなら時間を潰しやすいですが」
悪魔「どっちにするかはここで遊びながら考えようか」
旅人「それなら俺は賭博場が気になるな」
悪魔「魔物小屋じゃないのかい?」
旅人「すまんが魔物は勘弁してくれ、当分見たくない」
-
とりあえずここまで、終わりが近いので悪魔の目的を段々と
>>109
乙ありです、旅人は出会った相手の質だけなら勇者並みだが殆ど影響は与えてない模様
-
乙
この世界の魔物だけアメコミ調で脳内再生されてしまうw
-
旅人「結局、赤王の領域に来たな」
悪魔「まあね、正直ゆっくりしておきたかったんだけどね」
青魔「転生者ですか、先日何やら驚いてましたね」
悪魔「それがね、赤王が部下を差し向けたみたいでね」
旅人「それは転生者がここに来るかもって事か?」
悪魔「それ以上に赤王が転生者の元に行きそうなんだよ」
旅人「それって最悪赤王が魅了されるかもしれないって事か」
悪魔「そういう事、その前に赤王に会う必要が出来たのさ」
青魔「それが原因ですか、領域に入り次第魔族を捕まえて命令したのは」
悪魔「赤王の領域は実力主義、さっさと実力を見せた方が早いからね」
旅人「そうだな、人間の姿と違ってほぼ全力が出せるしな」
旅人「実際、お前の実力ってどれくらいなんだ?」
悪魔「そうだね、まあ四天王に並ぶくらいかな?」
青魔「悪魔さんがこれでも本来の実力以下というのが凄いですね」
旅人「そういえばこれでも魔王に色々上げたんだったな」
-
悪魔「ここが赤王のいる場所らしいよ」
旅人「ここってどう見ても闘技場というかなんというか」
青魔「実力主義の赤王様らしい場所ですね」
旅人「闘技場は住む所じゃないだろ、なんで闘技場に自室を作ったんだよ」
悪魔「赤王らしいね、それじゃあ失礼するよ」
赤王「俺が赤王だ、ってお前には必要ないか」
悪魔「久しぶりだね赤王、元気にしてたかい?」
赤王「そりゃ元気だが俺とお前はそんな事言い合う程仲良くねえだろ」
悪魔「まあね、ボク的に実力主義ってのはあまり心惹かれないしね」
赤王「それで俺にどんな用があるってんだよ」
悪魔「キミにお願いがあってね、装備がいくつか欲しくてね」
赤王「俺に頼むって事は生半可な装備じゃ駄目って事だな」
赤王「確かに俺ならお前の望むどんな装備でも用意してやる」
赤王「当然条件はあるがな、言わずもがな決闘だがどうする?」
悪魔「勿論大丈夫さ、受けるのはボクじゃないけどね」
-
旅人「なんで俺なんだよ、俺の実力わかってるのか?」
悪魔「いや、ついでだからキミのための装備も貰うためさ」
悪魔「可哀想なキミにも少しくらい何かを上げようかと思ってね」
旅人「だからと言ってここで死んだら意味ないだろ」
赤王「おう、俺も確かに実力主義で通ってるが弱い物虐めはなあ」
赤王「そいつ、見るからに強いとは思えないぞ?」
悪魔「だけどね、キミも見たくないかい、その弱そうな奴が上に勝つ姿を」
悪魔「まあ少しくらいは手助けがいるけどね」
赤王「そこまで言うならやってみろよ、どいつを倒すって言うんだ?」
悪魔「そうだね、それは彼に選ばせようじゃないか」
旅人「俺が選ぶのかよ、どうやって」
悪魔「簡単な方法さ、意識してしっかりと見て選べばいいのさ」
旅人「しっかり見て選べって言われてもよ」
旅人「そういえば意識すれば俺には、ちゃんと見てみるか」
-
旅人「一番端から見ていくか、せめて内容が分かればと思うが」
旅人「絶対零下、灼熱演武、堅牢要塞、地獄伯爵、マシな名前は無いのかよ」
悪魔「キミが死ななそうな相手にしなよ、死んだらボクも困るしね」
赤王「あいつが負けたら次はお前が挑んでもいいんだぜ」
青魔「最初からそうした方がいいんのではないのですか?」
悪魔「これも必要な事なのさ、ボクが行ったらすぐ終わるしね」
旅人「俺が死なない能力か、それならあいつに決めたぞ」
赤王「ほう、確かに赤幻なら死にはせんが勝てるのか?」
悪魔「幻想楽園か、まあ最悪でも廃人だね」
旅人「廃人になったらどうにかしてくれよな」
悪魔「ならないように頑張りなよ、ボクも手助けはしてあげるよ」
赤王「それでは決闘の開始だ、行くのだ赤幻よ」
赤幻「了解しました、赤王様」
旅人「本当になんで魔界に来てからこんなに戦わされてるのか」
悪魔「いつかのためさ、きっとね」
-
旅人「ぐはぁ」
赤王「おい、あいつ弱いぞ」
悪魔「さすがボクの契約者だね、能力無しに負けるとは」
赤王「お前は結局あいつに何をさせたかったんだ?」
悪魔「まあ彼の現在の実力が知りたかっただけさ」
悪魔「ボクがキミに要求する装備の内容を考えるためさ」
赤王「てめえそのためだけにあいつをけしかけたのかよ」
悪魔「死んでもらったら困るからね、身の丈にあう装備が必要なのさ」
赤王「俺の部下を使った事は許せねえが、次はお前が相手してくれるんだろな?」
悪魔「仕方ないね、彼を少しの間頼んだよ」
青魔「わかりました、治癒の術をかけておきます」
悪魔「よろしくね、それじゃあボクの相手は誰だい?」
赤王「そうだな、俺だと言いたいんだが俺は今相手したい奴がいるんでね」
赤王「俺の部下全員にしておくか、それならいいぞ」
悪魔「キミも準備しておきなよ、ボクの要求にすぐ答える準備をね」
-
旅人「うぐ、ここは?」
青魔「大丈夫ですか、怪我は治しましたが」
旅人「そうなのか、ありがとうな」
旅人「それで俺が負けてからどうなったんだ?」
青魔「貴方が負けた後に赤王様の要求で悪魔さんが戦うことになりました」
旅人「それであいつはここにはいないけど今も戦ってるのか?」
青魔「いえ、決着は悪魔さんの掌理で数分のうちに着きました」
旅人「あいつ、本当に圧倒的過ぎるだろ」
青魔「私も実際に見て驚きました、四天王に並ぶと言っていましたがあれは」
青魔「この旅に私たちはいるのでしょうか?」
旅人「最初から俺はずっと思ってるけどな、それは」
旅人「俺は何かに必要なんかじゃないかと思ってたがその理由が少し分かった」
旅人「緑王の言っていた計画って奴に俺が必要なんだと思う」
旅人「こんな何も出来ない俺に何が必要なのかはわからないけどさ」
青魔「悪魔さんの計画、それは一体どんな内容なのでしょうか」
-
旅人「緑王は生きたいって言ってたな、でもあいつは今も生きてるよな」
青魔「生きたいって事は近々病気か殺される可能性があるって事ですね」
青魔「もしかしたら病気を旅人さんにうつすとかかもしれません」
青魔「いや、でもそれならすぐにうつせばいいのでもう一つの可能性になりますね」
旅人「殺されるか、それでもあいつの実力なら大概の相手はどうにでもなるよな」
青魔「いえ、1人だけ確実に悪魔さんを殺せる者がいます」
旅人「転生者か、つまりあいつの目的は転生者をどうにかするって事か」
青魔「はい、でも私たちでは転生者相手に何も出来ないと思うのですが」
旅人「そこだよな、あいつには誰にも勝てないって言ってたしな」
青魔「何故転生者はそこまでに強いのでしょうか、何か理由があると思うのですが」
旅人「理由か、何か関わりがありそうと言えばあいつがよく言う運命力って言葉か」
青魔「つまり転生者はその運命力が高いから強いという可能性がありますね」
青魔「悪魔さんの目的は旅人さんの運命力を上げて転生者と戦わせることでは?」
旅人「それなら最初から運命力の高い奴でいいだろ、なんで運命力の低い俺なんだ?」
青魔「結局、私たちが考えても答えは出なさそうですね」
-
旅人「それにしても悪魔の奴遅いな、何やってるんだ?」
青魔「そうですね、赤王様と何処かに行ったきり戻ってきませんね」
旅人「いつもなら突然俺の後ろから現れるんだが」
悪魔「ごめんね、待たせたかい?」
青魔「普通に扉から現れましたね」
悪魔「突然現れてもキミたちが驚かないからね、ここはあえて普通にさ」
赤王「たくよ、まさか俺の部下全員を数分でやっちまうとは」
悪魔「訓練が足りないんじゃない?」
赤王「その様だな、今度また俺が稽古つけるか」
赤王「ともかくだ、お前の要求した装備はちゃんと作ったぞ」
赤王「全くどうしてこんな装備を求めるかがわからんがな」
悪魔「悪いね、どうしても必要になっちゃってね」
赤王「まあ俺には関係ないがな、好きに使え」
悪魔「それじゃあ失礼するよ、転生者との決闘頑張りなよ」
赤王「ハッ、俺が負けるかよ」
-
悪魔「それじゃあ赤王との領域からはオサラバだね」
旅人「結局どんな装備を作って貰ったんだ?」
悪魔「少し変わった装備さ、本当はこんなにいらなかったんだけどね、つい」
旅人「そんなものか、それなら早く次に行こうぜ」
悪魔「ああ、キミたちにもこれらをあげるよ」
旅人「盾かよ、俺としては剣が良かったんだが」
青魔「私にはローブですか、これ何か術がかかってますね」
悪魔「砕けても修復する無限の盾と認識疎外のローブさ、死んだら困るしね」
旅人「そっか、武器じゃないのは残念だがありがとうな」
青魔「はい、私にもこの様な装備ありがとうございます」
悪魔「いやね、ボクも本当はあげる予定は無かったんだけどね」
悪魔「愛着が沸いたのかもね、これは困ったよ」
旅人「なんで愛着が沸くと困るんだよ」
悪魔「色々あるのさ、それじゃあ最後の四天王の元に行こうか」
旅人「秘密主義の黄王か、これで四天王も最後だな」
-
とりあえずここまで、なんとか本編レスだけで100いけたよ
>>121
乙ありです、最初はカタカナにしようと思ってたけど面倒になったんで英語で楽にした
-
wkwk読んでるけどどうなるのかさっぱり分からんな
-
乙
-
旅人「俺の覚えでは次は黄王の領域に行くんじゃなかったのか?」
悪魔「そうさ、だからここに来たのさ」
青魔「しかし悪魔さん、ここは緑王様の領域では?」
緑王「そう、この僕の領域さ、待たせて悪かったね」
悪魔「問題ないさ、その間に赤王に会ってたしね」
緑王「そうかい、それなら良かったよ、本当にね」
旅人「何か緑王に頼んでいたのか?」
悪魔「そうさ、ボクも流石に秘密主義の黄王の居場所が全然わからなくてね」
悪魔「だから同じ四天王である緑王に居場所を探して貰っていたのさ」
緑王「本来なら君たちがこの領域に来た時に教えたかったんだけどね」
緑王「移動されてて思ったより時間がかかったって事さ、はいこれが今の居場所ね」
旅人「でもそれなら俺たちが向かう迄にまた移動するんじゃないのか?」
青魔「いえ、悪魔さんなら一瞬でその場に向かえます」
悪魔「この次元魔法を使うからだね、d@:@yes@4」
-
黄王「貴様らは何だ、この黄王の実験室に何処からか現れて」
黄王「と思ったが貴様は悪魔ではないか、なんだ、実験材料になりに来たのか?」
悪魔「キミはそればっかりだね、ボクがそんな事言うわけないじゃないか」
黄王「なら黄様の連れがそうなのか、それにしては魅力を感じないが」
悪魔「彼らも違うさ、ボクがここに来たのは少しお願いがあってね」
黄王「お願いだと?何故貴様らの願いなど聞く必要があるんだ?」
悪魔「そうかい、聞かないならそれでいいんだけど、知りたくないのかい?」
黄王「何をだ、言ってみろ?」
悪魔「ボクの持つ特別な術、詠唱魔法の事をさ」
黄王「貴様が持つあの力の事か、条件は何だ?」
悪魔「キミの持つ技術、特に隠蔽技術が欲しくてね」
黄王「仕方ない、教えてやるから魔法に関して教えろ」
悪魔「はい交渉成立、あ、キミたちはその辺りで待ってなよ」
旅人「今回はいつもより置いてかれた感が凄いな」
青魔「仕方ありません、黄王様は私たちに全く興味がないようですし」
-
旅人「せっかくだから聞いておくが、詠唱魔法ってどんなのだ?」
青魔「特別な言語による詠唱にて力を発揮する魔法です」
青魔「次元魔法もそうですね、主に種族固有と言われてる力を再現します」
青魔「例えば記憶に関する能力は基本は特殊な一族にしか使えません」
青魔「しかし詠唱魔法なら誰でも記憶を操る事が出来ます」
青魔「問題はその詠唱魔法を誰でも使えないという事ですが」
旅人「結局は選ばれた奴が更なる力を持つようになるって事か」
旅人「そういえば人間界の旅の途中で転生者の仲間になるかもって奴に何か唱えてたな」
旅人「つまりは記憶操作とかをしていたのか、あいつは」
青魔「そうなのですか、しかし隠蔽の技術をどうするつもりなのでしょうか」
旅人「案外その技術を使って転生者を暗殺するのかもしれないな」
青魔「もしそれなら私たちはいらないでしょうね、他に目的があるのでしょう」
旅人「これで最後の四天王なんだしそろそろ目的を聞かせてくれてもいいと思うがな」
旅人「成就か破綻する時にしか教えてくれないって、それ何時なんだよ」
青魔「でもきっとそろそろでしょう、これが最後の四天王なのですから」
-
悪魔「いつも待たせて悪いね、こっちは終わったよ」
旅人「お前1人かよ、黄王はどうしたんだ?」
悪魔「彼ならボクに研究を見せたくないって追い出されたよ」
悪魔「まあボクも必要な技術は貰ったしいいんだけどね」
旅人「それならいいんだけどよ、次はどうするんだ?」
青魔「これで四天王の全員に会いましたし、他に何かする用事が?」
悪魔「勿論あるさ、と言っても後は彼に会うだけだね」
旅人「彼?」
悪魔「魔王さ、と言っても彼に今お願いする事はないんだけどね」
青魔「ま、魔王様ですか!?」
旅人「四天王に続いて魔王かよ、俺も出会った相手だけなら勇者になれるな」
悪魔「キミの場合は会っても何もしてないけどね」
悪魔「まあボクからしたらちょくちょく役に立ってるよ」
旅人「まあいいけどさ、それですぐに向かうのか?」
悪魔「当然さ、それじゃあ魔王の住む城に行こうか」
-
とりあえずここまで、今回は少ないけどもう終わるから許してね
後3回分で終了、書き貯めから残り本編が40スレくらいです
>>132
乙ありです、最後少し駆け足になったけど残り3回お願いします
>>133
乙ありです
-
大長編だなぁ
-
もっと長くなるかと思ってたわ
乙
-
悪魔「それじゃあボクは監視をするからその間のお金稼ぎよろしくね」
旅人「それはいいんだけどさ、この服は何なんだよ」
悪魔「だから一時的に雇ってもらったのさ」
青魔「私のこの服もですか?」
悪魔「可愛いだろ、ボクも本当は働きたかったんだけどさ」
悪魔「ちょうど記録水晶の確認する日なんだよね」
旅人「ならそれをずらせばいいじゃないか」
悪魔「それがね、記録水晶の記録限界がそろそろだから仕方ないのさ」
悪魔「ここで記録し忘れたせいで転生者の居場所がわからなくなったら面倒だし」
青魔「それなら仕方ありませんね、それでは働いてきます」
旅人「仕方ないか、俺にはこれぐらいしかないからな」
悪魔「いやあ、そう言ってくれると助かるよ」
旅人「それじゃあ俺も行ってくる」
悪魔「頑張ってきなよ、キミもね」
悪魔「行ったね、それにしてもこの監視方法は何故か犯罪してる気がするよ」
-
旅人「それで、今回はどんな仕事なんだ?」
青魔「そうですね、普通の飲食店での仕事だといいのですが」
旅人「確かに魔都で食事した店みたいな所ならいいが」
青魔「どうかしましたか?」
旅人「いや、俺は確実に裏での力仕事になるだろうなと考えると」
青魔「そうですね、それでも悪魔さんは私たちの事を知ってますし」
青魔「それ程無茶な仕事は紹介しないと思います」
旅人「それもそうだな、流石にこんな所で見捨てはしないか」
旅人「見捨てるとしてもとっくに見捨ててるだろ」
青魔「それでは向かいましょう、場所は聞きました」
旅人「また俺には何も説明はないのか、あいつは本当に」
青魔「正直、貴方と悪魔さんの関係が気になります」
旅人「俺とあいつの関係?どうしてそんな事を」
青魔「貴方はよく悪魔さんへの文句を言っていると思います」
青魔「それなのにどうして悪魔さんと共に行動するのでしょうか」
-
旅人「そりゃ、あいつとの契約で命が共有されてるって言われてるしな」
青魔「それなら契約の破棄を申し出た事などはないのですか?」
旅人「ないな、とはいえ俺にもあいつとの契約で得してる事はあるしな」
青魔「そうなのですか、貴方を見る限りそうは感じないのですが」
旅人「まだ俺が一番恩恵を受ける時じゃないというか、見つけてないというか」
青魔「何か事情があるのですね、貴方には」
旅人「どうだな、こんな俺にも事情はあるしな」
旅人「俺には一度助けられたからと言って旅についてくる理由の方が気になるな」
青魔「私の事ですか、確かに私も現状には驚いています」
青魔「転生者の事を知ってしまったのが一番の理由でしょうか、それに私も」
旅人「そっちも何か訳ありって事か、そうじゃないとあいつに付き合えないしな」
青魔「そうですか?悪魔さんとの旅は事情を抜きにしても悪くはないと思います」
青魔「私1人では出会えなかった人ばかりと出会ってます、貴方もその1人です」
旅人「そう考えればこの旅も案外悪くないな、いつか誰かに自慢できるし」
-
旅人「問題は、それを語る誰かに出会えないって事か」
青魔「家族や友人といった人はいないのですか?」
旅人「家族はいないし、これといって特別親しい友人もいないな」
青魔「そうですか、私は一族の仲間がいますが」
旅人「何か悩みでもあるのか?」
青魔「私がいない間に転生者と出会っていたらと考えてしまいます」
青魔「もしかしたら一族は私の知らない何かに変わってしまうのかと」
青魔「そう考えると私がこの旅に同行する理由の1つはそれなのかもしれません」
旅人「そういう考えもあるのか、聞くだけで色々な事を考えさせる存在か」
旅人「転生者さえいなければこうも悩む事は無かったんだがな」
旅人「そういえば、誰が転生者をこの世界に呼び寄せたんだろな」
青魔「そうですね、悪魔さんは無いでしょうし人間側の神様では?」
旅人「それも無いと思うんだよな、あいつが言ってたけど転生者が勝っても人間の勝利じゃない」
旅人「それにあいつが討伐されるなら人間側の神様も消されると思うし」
青魔「もしかしたら、悪魔さんと人間側の神様より上位の存在がいるのかもしれませんね」
-
旅人「つ、疲れた、まさかあんなに大変な仕事だったとは」
青魔「そうですね、飲食店の仕事でしたがここまで疲れるとは思いませんでした」
旅人「他にも色々やってきたが予想以上ってのはこれが一番だな」
青魔「そうですね、それでは給金も貰いましたし悪魔さんの元に戻りましょう」
旅人「給金か、まるで人間界みたいだよな」
青魔「悪魔さんがその様にしたのではないでしょうか」
旅人「もしかしたら仕事前に話してた上位の存在って奴の仕業だったりな」
青魔「可能性はあるかもしれません、互いに戦わせてより優秀な方を残す」
青魔「魔族ではよくある事ですし、もしかしたら悪魔さんと人間界側の神様は」
旅人「競わされてるって事か、それなら転生者って奴をここに送り込まれた理由は」
青魔「見限られた、その可能性があります」
旅人「そう考えるとこの世界どころか転生者以外は全員被害者なのかもしれないな」
青魔「もしかしたら転生者にも何か事情があるかもしれませんが私たちにはわかりません」
旅人「まあ、あくまでこれは俺たちの想像だから深く考えるのはやめておくか」
青魔「そうですね、それでは早く悪魔さんの元に戻りましょう」
-
悪魔「本当にこの作業面倒だね、誰かに代わってほしいものだよ」
悪魔「とはいえボクぐらいしか出来ないしね、本当あいつも協力してくれたらいいのに」
悪魔「あいつらを導くなんて、一歩間違えたらすぐに始末されるって分かってるのかな」
悪魔「とはいえボクも、こんな計画は失敗する確率の方が高いんだけどね」
??「それなら何故その計画を進めるのですか?」
悪魔「なんだ、来ていたのなら声をかけてくれたら良かったのに」
??「貴方が私を呼んだのでしょう、全く貴方という存在は」
悪魔「まあいいや、それでよく来てくれたね、人間界の神様さん」
天使「確かにその様に振る舞ってますが私がただの天使と知ってそう言いますか」
悪魔「当然じゃないか、そう神様気取って聖女に指示だして転生者を導くなんて」
悪魔「そんな行動してるキミへの嫌味だよ、どうせ失敗するよ?」
天使「貴方の計画の方が失敗すると思いますがね、私は」
悪魔「そうかな、キミのと違ってボクの計画は成功すれば万々歳だろ?」
天使「確かに成功すれば私と貴方は助かるかもしれませんが」
悪魔「この世界がどうなるか心配だって?」
-
天使「貴方は心配ではないのですか、貴方の計画は」
悪魔「そうだね、最悪転生者以上の存在を作ってしまうね」
悪魔「でも転生者よりマシさ、何故ならこの世界で生まれた存在なんだからね」
天使「確かに転生者はこの世界の者ではありませんが、今はこの世界の者です」
悪魔「キミがそう思うならそう思いな、ボクは嫌だけどね」
天使「そうですか、貴方がそう考えるなら止めはしませんが本当に実行できますか?」
天使「貴方は必要以上に彼らと接して過ぎていると思いますが」
悪魔「そうなんだよね、それがボクの一番の失敗なんだよね」
悪魔「ボクは彼らに必要以上の情を持ち過ぎた、これは大きな失敗なんだよね」
天使「それなら私の方に協力はしてくれませんか、上手くいけば」
悪魔「転生者の奴隷となった彼らをボクは見る事になるだろうね」
天使「私と貴方が協力すれば、いえ無理でしょうね」
悪魔「そうさ、あの転生者はボクらにも止められない、だから彼らを思うならこそ」
天使「転生者をどうにかするしかない、彼らを犠牲にしても」
悪魔「そういう事、それが一番いいのさ」
-
悪魔「あーあ、ボクもこんな立場じゃなかったら楽だったんだけどね」
天使「否定はしません、互いに魔族と人間を争わせてる私たちが言うべきことではないですが」
悪魔「仕方ないじゃないか、世界を存続させるには必要な事だったんだし」
悪魔「それに何だかんだで人間も魔族も現状を十分に生きているじゃないか」
天使「私たちの掌の上で、ですが」
悪魔「それでもボクたちはそこまで干渉してないじゃないか、まあ少しはしてるけど」
天使「そうですね、貴方は魔界で楽しんでいますね」
悪魔「キミだって聖女なんか使って人間界を操作してるじゃないか」
悪魔「お陰で教国なんて国まで出来ちゃうくらい権力持ってるしね」
天使「仕方の無い事です、そうでなければすぐに消え去ってしまいます」
天使「それを回避するには権力を持った存在から私の声を届ける必要があります」
悪魔「確かにキミのお陰で助かった人命は多いけどさ」
悪魔「キミのその多干渉が転生者を呼んだ原因じゃないの?」
天使「私は貴方が魔界で好き勝手に生きてるのが原因と思いますが」
-
悪魔「ここまで言っておいてなんだけど、不毛だよねこれ」
天使「否定はしません」
悪魔「ボクはね、この世界の住民に討たれるなら仕方ないかなって思ってる」
悪魔「だからボクは魔界で行動してる、最悪ボクが元凶となるようにね」
悪魔「でも転生者は駄目だね、突然横から現れた誰かにやられるなんて絶対」
天使「貴方はその様な事を考えていたのですね、」
天使「私はどうなのでしょうか、この世界の住民に悪として討たれて後悔しないのでしょうか」
悪魔「さあね、でも転生者に討たれたらそんな心配も無いんじゃない?」
天使「それで、貴方は何故私を呼んだのですか?」
悪魔「露骨な話題変換だね、まあいいけど、計画の準備がほぼ整ったから伝えようかと思って」
天使「後は転生者を待つだけ、という事ですか」
悪魔「そういう事だね、魔王のところでのんびり待たせて貰うよ」
天使「本当に後悔しないのですか?転生者を越える運命力を持つ存在を生み出すこの計画を」
悪魔「やめたくなくなるから言わないでくれよ、キミとボクが助かるにはこれしかないのに」
天使「勇者創造計画、私は情の深い貴方が失敗する事を願っています」
-
とりあえずここまで、残り3回と前回言ったな、あれは嘘だ
残り1回で一気に完結まで行きます、しかも今夜には完結しそう
>>139
全部で本編150スレだから大長編どころかか短編だと思うんだが
>>140
乙あり、ですがすまぬ、もっと長くは出来たかもしれんが助長になりそうだったので
それこそ3人旅の間の話とか、転生者の仲間ともっと会っても良かったんだが
-
乙
レスとスレは違うぞ
-
乙
あと149スレもある大シリーズなのか
これは楽しみだ
-
旅人「なんというか、ついにここまで来たんだなって思う」
悪魔「どうかしたかい、キミ1人じゃ絶対に辿り着けない場所だけどね」
青魔「そうですね、私も悪魔さんがいなかったらここには来れないです」
旅人「魔王が住む魔王城、そしてその城下町なんて人間じゃ普通来れないよな」
悪魔「何か感想でもあるのかい、それともボクに感謝かな?」
旅人「そうだな、考えて見れば俺、お前に感謝してもいいぐらいだよな」
悪魔「おや、一体急にどうしたんだい?」
旅人「青魔とこの前話してる時にお前と会わなかったらこの出会いも無かったなって」
旅人「俺には家族はいないし親しい友人もいない、そう考えたらこの旅は悪くないもんだ」
旅人「いや、悪くないじゃなくて良い旅だなって思ってさ」
悪魔「それでボクに感謝かい、それは関心するけどボクにも目的があるしね」
青魔「そうですね、私もこうして旅出来る事は感謝すべきですね」
悪魔「おやおや何だい、急にそんな事を言い出してさ」
旅人「魔王って事はこの旅ももう終わるかもしれないからな、今のうちにって事だ」
悪魔「そうかい、それならありがたく受け取っておくよ」
-
青魔「流石魔王城の城下町ですね、魔都と同じくらいの活気がありますね」
悪魔「まあね、魔王城の兵たちのための町だからそれなりのものが必要って事さ」
旅人「ここから離れられないからこそって事か、ちゃんと部下の事を考えてるのな」
悪魔「そりゃ当然さ、部下がいなくちゃ王様は丸裸だろ?」
旅人「それもそうか、それでこれからどうするんだ?」
悪魔「とりあえずこの町で少し時間を潰すよ、ボクの訪問は秘密だしね」
青魔「それでも魔王様と側近様に事情を話したら」
悪魔「そうなんだけどね、出来る限り他の魔族には知られたくないからね」
悪魔「ボクがこの町にいるって事を伝達して、後は返事待ちって事になるのさ」
旅人「そういうものなのか、それならいいけどさ」
青魔「それなら町を見て回るのですか?」
悪魔「そういう事になるね、ここは大体の物が揃ってるし簡単に時間を潰せるよ」
旅人「そうだな、黄王の領域で見た娯楽施設とかもあるしな」
青魔「それなら町を見て回りましょう、せっかく来たのですから」
-
旅人「いや、魔界料理も意外と食えるもんだな」
悪魔「キミも勇気あるね、まさかあれ頼んじゃうなんて」
青魔「はい、とはいえ私も少し頂きましたが意外と食べれました」
旅人「いやさ、せっかくだから後悔しないように行動しようと思ってな」
旅人「いざ挑戦ってしてみたけどこれならこのまま魔族として生きていけるな」
悪魔「まあボクがいないと魔族にはなれないけどね、それでも良かったじゃないか」
青魔「それで、私たちは今宿でこうして休んでいますけど大丈夫なのですか?」
悪魔「当然さ、多分そろそろここに来るはずさ」
旅人「来るってもしかして魔王が来るのか?」
悪魔「違うね、側近直属の隠密部隊がそこにいるじゃないか」
旅人「え?」
隠密「流石魔王様の関係者様、側近様からこれを」
悪魔「ありがとね、じゃあね」
青魔「あれが噂に聞く側近様直属隠密ですか、消えるように去りましたね」
旅人「本当に俺には関われない世界だな、これは」
-
旅人「これが魔王城か、でも本当に俺たちもついて来てよかったのか?」
悪魔「まあね、彼はボクの計画の一部を知っているからね」
青魔「一部という事は、全ては話していないのですか?」
悪魔「親しき仲にも秘密ありってね、そういうものさ」
旅人「まあそれならそれでいいんだが、緊張してきたんだけど」
青魔「私は緊張を超えて悟りに近い状態ですね、魔族ですので」
旅人「青魔は魔族だし俺以上の緊張になるのか、それでここからどうするんだ?」
悪魔「直接彼に会いに行くのさ、ちゃんと説明しただろ?」
旅人「そりゃ道筋は聞いたけど、これをごうやって突破するんだ?」
青魔「魔王城を囲む城壁、普通の方法では突破できませんが次元魔法ですか?」
悪魔「そんな必要ないよ、それに魔王城はその辺りの対策もしてるしね」
旅人「それは分かったけど、俺と青魔を抱えて何するんだ?」
悪魔「決まってるじゃないか、飛ぶのさ、はい沈黙」
旅人「」
悪魔「今叫ばれると困るからね、それじゃあ行くよ」
-
旅人「正直意識が飛ぶかと思った」
悪魔「あれくらいでかい?じゃあ今度他の飛行出来る魔族に頼んであげようか?」
旅人「いや、遠慮しとく、青魔は平気そうだな」
青魔「ええ、魔族の中には飛行できる者がいない訳じゃありませんので」
旅人「そういうものか、まあともかくこれで魔王城の中に入ったな」
悪魔「それじゃあまっすぐ会いに行こうか」
青魔「すみませんが、魔王様はどの様なお方なのでしょうか」
旅人「そういえば聞いておくべきだったな、どうなんだ?」
悪魔「そうだね、まあ少しぐらいキミが何かしても目も向けないから安心しな」
旅人「それ、俺がいる意味があるのか?」
悪魔「キミというよりはボクの契約相手が気になってるって事さ」
青魔「それなら私は部屋の前で待っていた方がいいのですか?」
悪魔「その必要はないさ、彼はそこまで狭量じゃないよ」
悪魔「それじゃあこの扉のむこうだね、開けるよ」
-
魔王「来たか、悪魔よ」
悪魔「やあ、元気にしてかい?」
魔王「問題はない、お前に貰った力も有効活用させてもらってる」
悪魔「それは良かったよ、それは安心できるね」
魔王「私としてはお前には戻って来てほしいのだがな」
悪魔「それは駄目だって言っただろ?特にキミにはさ」
魔王「計画か、それではそこにいるのが」
悪魔「そういう事さ、キミにも合わせておこうと思ってね」
魔王「それが計画に必要な事なら気にするな」
悪魔「ありがとね、それで側近はどうしたんだい?」
魔王「あいつには別行動を取らせている、転生者に接触しないようにな」
魔王「いざとなったら奴がお前を手助けする」
悪魔「それはありがたいけど、キミはいいのかい?」
魔王「当然だ、むしろ俺にとって奴は絶対に転生者には会わせん」
-
悪魔「いいけどさ、勝手に行動するかもしれないから注意しなよ?」
悪魔「キミの事を考え過ぎるのが欠点だからね、もしかしたら」
魔王「そうだな、お前がそう言うなら今度また話し合ってみる」
魔王「それで、お前が来たという事は計画が完遂に近づいてるという事か」
悪魔「そうだよ、それでキミにお願いがあってね」
魔王「言ってみろ、お前の頼みならそう断らん」
悪魔「1つは転生者が来るまでここにいさせてくれないかな」
魔王「問題ない、お前の連れも合わせて部屋を用意しよう」
悪魔「その必要はないけどもう1つ、こっちが本題なんだけどちょっとね」
魔王「言ってみろ、かなり困難だろうとは予想出来る」
悪魔「転生者が来た、覚悟を決めな」
旅人「え」
青魔「な」
魔王「わかった」
転生者「ここか、魔王!」
-
魔王「よく来たな、お前が我が魔界を荒らす転生者か」
魔王「何をしに来た、話し合いなら壁を壊す必要は無いと思うが」
転生者「俺はお前を止めに来たんだ、魔王」
魔王「1人でか、たった1人で私を止めに来たというのか」
転生者「いや、俺は1人なんかじゃない」
魔法「転生者さん、大丈夫ですか?」
聖女「無理をしてはいけません、他の皆もここに向かっているのですから」
悪魔「これは物騒だね、止めに来たというには」
聖女「貴方はあの時の、やはり貴方が私たちに呪いを?」
悪魔「呪い?ああ、ボクに対する認識疎外に記憶消去とかの事かい?」
聖女「はい、お陰で私たちは貴方という存在を完璧に忘れていました」
転生者「つまりこいつが裏で色々と暗躍してたって奴か」
悪魔「暗躍というのは酷いな、ただボクは普通に生きていたいだけなのに」
転生者「それなら何故教国で教祖にあんな呪いをかけたんだ、お陰で教国では」
悪魔「お陰でキミも聖女と出会えたろ、感謝してほしいな」
-
旅人「あの魔法使いの姿の奴、王国にいた奴隷か」
青魔「これが転生者?そんなに悪い人には」
旅人「そうだな、俺もそう思うんだが何でそう思うんだ?」
魔法「後ろにいる貴方、何処かで見た覚えがするんだけど」
聖女「貴方は、今はその様な姿をしていますが元は人間ですね」
聖女「少し記憶が曖昧ですがそこの魔族と一緒にいたのは憶えてます」
旅人「あの時は殆ど気にも留めてなかったのによく覚えてるな」
魔法「うお、魔族から人間になったぞ?」
聖女「あの魔族の力でしょう、何故彼をそばに置いているかはわかりませんが」
悪魔「そこまでにしてくれよ、彼はキミたちと違ってひ弱なんでね」
転生者「それでも俺はお前のした事が許せない、魔王と一緒にここで止めさせてもらう」
悪魔「止めるって何をだい?ボクにはわからないね」
転生者「俺たちはこの世界に来てから色々な事を知った、そしてある事実も知った」
転生者「この世界には人間と魔族の戦争を引き起こした奴が2人いる、それがお前ともう1人」
天使「私の事ですね、よく気付きました」
-
聖女「神様、私は信じたくなかったせう、どうして?」
天使「聖女よ、私は神ではなく天使と言います、それでどうしますか?」
聖女「私は私の信念に従って貴女を倒します」
天使「それでいいのです、自分に従って行動しなさい」
悪魔「結局無理だったんだね、それでボクの手伝いにきたって所?」
天使「否定はしません」
転生者「魔王。お前はどうしてこの2人に協力するんだ?」
転生者「お前の力があるならこいつらの協力がなくてもやっていけるだろ」
転生者「俺はここに来るまでに四天王たちに会ってそう感じた、どうなんだよ魔王」
魔王「転生者よ、それでも私には譲れないものがあり、そのために協力はやめん」
転生者「譲れないものって何だよ、魔界より大切な事なのか」
魔王「私は悪魔の友人である事、それは魔界と比較出来ない程に大切な事だ」
転生者「これで以上は無駄って事か、それなら俺は全力であんたを止める」
天使「貴女たちには私の相手をしてもらいます」
聖女「負けません、必ず貴女を止めてみます」
-
旅人「おい、正直な事を聞いていいか?」
悪魔「何だい?ボクも彼らの手伝いをしたいんだけど?」
旅人「俺もあいつの事を悪い奴だとは思えなくなった、祝福の耐性はどうなってるんだよ」
悪魔「最初に言っただろ?耐性はキミが選んだダレかにのみにかかるって」
悪魔「つまりダレかには当然キミも入ってるって訳さ、キミ自身もね」
悪魔「キミはどうするんだい、青魔はそろそろ限界かもしれないよ?」
悪魔「祝福の力が及ぶのは1人だけ、2人を助けるにはボクの力が足りない」
悪魔「キミか、青魔か、キミが選んだ方をボクが逃がしてあげるよ」
悪魔「もう1人は悪いけど最悪ボクと心中だね、運が良かったら転生者が助けてくれるかも」
悪魔「さあキミはどっちを選ぶんだい、ボクに教えてくれよ」
旅人「1つ聞いていいか、お前は大丈夫なのか?」
悪魔「耐性に関しては大丈夫だけど多分ここで転生者に負けるだろうね」
悪魔「ああ、命の共有ね、最悪ボクの命をキミに渡すから安心しなよ」
旅人「そうか、それなら決めた」
旅人「俺は、お前とここに残る」
-
悪魔「は?それは青魔に耐性をつけるって事かい?」
旅人「ああ、結果としてはそうなるが俺はお前のためにここに残りたい」
悪魔「それはボクが好きって事かい?それはちょっと勘弁なんだけど」
旅人「いや、俺はきっと青魔が好きなんだと思う、だけど」
旅人「その青魔と出会えたのもお前の、悪魔のお陰だ、だから俺はお前を助けたい」
悪魔「キミがここにいても役に立たないのに?」
旅人「盾にぐらいなれるかもしれない、お前に貰った盾もあるし」
悪魔「青魔よりっもボクを選んだって事になるのに?」
旅人「違う、青魔はお前が絶対に助ける、だから俺はお前と助かるんだ」
悪魔「魅了されたらボクはキミを討つかもしれないよ?」
旅人「その時は契約を切ってからにしろよ、俺のせいでお前の命を削りたくない」
悪魔「そんなにボクが心配かい?」
旅人「当然だろ、お前とどれだけ旅してきたと思うんだ?」
悪魔「失敗したなぁ、本当に」
旅人「え、何がだ?」
-
悪魔「キミが青魔を好きになるのは計画通りだった」
悪魔「そうなる様に二人っきりになる様にもしたし、他に相手もいなかったし」
悪魔「キミが耐性の付与を青魔にするのも計画通りだった」
悪魔「自分だけ助かる選択なんてしない、それは旅をしながら予想できた」
悪魔「キミがボクに悪くない感情を持っていたのは計画は関係なく理解できた」
悪魔「そうでもないとここまで旅について来てくれないだろうとは思ってたしね」
悪魔「だから最後にボクを心配してくれるのではと思った」
悪魔「でもさ、キミがボクのために残るとは思わなかった、青魔と同じ程に思われてたなんて」
悪魔「だってボクはちょいちょいキミが困る様な事だってしてたしね、でも考えてみればさ」
悪魔「それぐらいにボクを大切に思ってくれていたから、ボクも情が沸いちゃったんだね」
旅人「おい、どうしたんだよ、もしかして何か問題があったのか?」
悪魔「問題?問題だらけに決まってるじゃないか、キミのせいで計画は破綻だよ破綻」
悪魔「当然ボクも悪かった、もっとキミとは距離を置くべきだったんだね」
旅人「お前、何を言ってるんだ?」
悪魔「キミに全部を教えてあげるよ、ボクの計画の全てをね」
-
悪魔「ここはボクの心理世界、現実の時間は流れてないから安心して話を聞いてね」
旅人「わ、わかった、正直信じれないがここでお前が無駄な事はしないだろうし」
悪魔「それじゃあ早速説明するけどボクの目的はただ1つ、転生者を倒してボクが生き残る事」
悪魔「でも転生者にはボクすら超える運命力があったんだ」
悪魔「生前の世界で、生まれてきたこの世界でも、そして転生者になった時に神から、」
悪魔「つまり他の人と違い3倍の運命力を持っているのさ、これが強さの秘密」
悪魔「しかもどれもが特大の運命力、特に神から貰ったのが厄介でさ」
悪魔「これさえなかったらボクと天使の2人の力があれば勝てたかもしれないけど」
悪魔「話を戻すよ、つまり転生者を倒すにはこの3倍の運命力を超える運命力がいるのさ」
悪魔「でもそんな運命力を持つ人物がいる訳が無い、なら生み出せばいいのさ」
悪魔「それがボクの計画、勇者創造計画という事さ」
旅人「正直俺の予想を遥かに超えるんだが、正直驚き過ぎて冷静になってきた」
悪魔「そうかい、冷静にボクの話を聞いてくれるなんてありがたいね、話を戻すよ」
悪魔「生み出すとしてもボク1人じゃそんな運命力なんて用意出来ない」
悪魔「だからボクはこう考えた、運命力を周りから集めればいいんだとね」
-
悪魔「とはいえ運命力ってのはそう簡単に集められるわけがないんだよね」
悪魔「運命力ってのは特別でね、命の中にしか存在出来ないものなのさ」
悪魔「でも基本的に命あるモノは運命力を自分に十分な程に持っている」
悪魔「まるで空気が十分に入った風船のように、だから無理すると破裂、つまり死だね」
悪魔「そこでボクはある契約を生み出した、それが悪魔の契約さ」
旅人「ここでそれが、悪魔の契約が出てくるのか」
悪魔「キミは考えなかったかい、どうして命が共有されるのかって」
旅人「それはよくある代償なのかとしか考えなかった」
悪魔「実はね、キミの命をボクと共有し、余った命を運命力を集めるための器にしたのさ」
悪魔「そして命で作った器に周りから集めた運命力を入れていったのさ」
悪魔「ボクがキミを様々な人物に会わせたのは運命力を少しずつ貰うためさ」
旅人「それってお前は運命力を集めれるんだよな?」
悪魔「同意無しならボク以下の運命力を持つ相手にだけどね、転生者は無理だよ」
旅人「それなら最悪誰かから一気に貰えたんじゃないのか」
-
悪魔「そうだね、そうすれば数人に出会えば旅は終わりさ、でもね」
悪魔「運命力を無くすって事はね、命を削る程危険な事なのさ」
悪魔「ボクはね、この世界が好きだ、だから問題にならない少量だけを集めていったのさ」
悪魔「お陰で色々な人物をめぐる事になったけどね、それこそ転生者の仲間候補にすら」
悪魔「でもキミの命で作った器だけじゃ運命力は足りない、ここで魅了耐性の付与になる」
旅人「ここでそれが関係するのか?」
悪魔「ああそうさ、しかもこれはとても重要でね、実際は魅了耐性の付与じゃなくてね」
悪魔「今まで集めた運命力を与える事で耐性を付与していたのさ」
悪魔「転生者の魅了は転生者の持つ運命力に惹かれる事で起こる、つまりはね」
悪魔「転生者の運命力に惹かれない程の運命力を持てば魅了はされないのさ」
悪魔「だから運命力を与えられた事で運命力が上昇し耐性は付与されるってわけ」
悪魔「器ごと運命力を与えられたから命の心配もないしその辺りも問題なし」
悪魔「後はその与えられた相手に対して契約を結び、次の相手に与えるを繰り返すだけ」
悪魔「命で作った器に大量の運命力を集めてそれが十分になるまでね」
悪魔「そして転生者を超える運命力を持った者、勇者を作りだすのが目的だったのさ」
-
旅人「それじゃあ俺を含めて大量の人間が犠牲になるじゃないか」
悪魔「最小限の犠牲として諦めるはずだったんだよね、実際キミ1人でもかなり集まった」
悪魔「だから目算で言うならキミと青魔だけでも十分だった、まあ予測でしかないけどね」
悪魔「でもさ、そこでボクは失敗したね」
悪魔「契約を途中で破棄されないようにボクはキミたちと接触を拒む事はなかった」
悪魔「それが原因でボクはキミたちに情を持ってしまった、犠牲に出来ないほどにね」
旅人「悪魔、お前そんな事を考えていたのか」
悪魔「ボクも馬鹿だよね、そんな事最初に織り込むべきだったのさ」
悪魔「だから決めたよ、せめてもの罪滅ぼしにキミたちを救う事に、ボクでね」
旅人「待てよ、そりゃ俺はお前の犠牲になろうとしてたが結果論だけ見るなら助かった」
旅人「だから逃げようぜ、俺たちだけでも助かろうぜ、お前が命を捨てる理由なんて」
悪魔「そこで逃げようなんて考えが出るからキミは運命力が低いのさ」
旅人「低くてもいいじゃないか、自分と大切な人が助かれば十分だろ」
悪魔「ボクもそう思ってたからこその計画だったんだけどね、キミのせいで変わったからね」
悪魔「思考世界はここで終わり、現実に戻った時キミの命は元に戻しておくよ」
-
悪魔「ごめんね、計画は変更になったよ」
天使「そうですか、それでどうしますか?」
悪魔「キミの運命力を貰ってもいいかな?」
天使「構いません、後は?」
悪魔「魔王にも提案するから時間稼ぎお願いね」
天使「急いでください、減った運命力では少ししか無理でしょう」
聖女「何の話をしているのですか!」
天使「知れた事です、貴女がたを倒す方法です」
転生者「な、魔王と分断された?」
天使「少しの間、私1人でお相手しましょう」
魔王「何があった?」
悪魔「転生者を倒すために凄く弱体しても大丈夫カイ?」
魔王「構わないが、お前はどうなる?」
悪魔「何のことダイ?」
魔王「そうか、それなら何も聞かん」
-
悪魔「ありがとネ、それじゃあ行ってくるヨ」
魔王「私はお前の友だ、それを忘れるな」
悪魔「ソレは、光栄だネ」
天使「準備は出来ましたか、それなら問題ないですね」
悪魔「悪かったネ、キミ1人に足止めサセテ」
天使「それで、転生者はどうするのですか?」
悪魔「キミは彼はこの世界の住民ダト思うカイ?」
天使「そのために導きでどうにかするつもりでしたが、傲慢でしたね」
悪魔「ソウカイ、分かったヨ」
転生者「何やらそっちにも事情があるみたいだが、どうにも出来ないのか?」
悪魔「そうダネ、キミという存在が問題なのサ」
転生者「分かった、それなら俺はお前を討つ」
悪魔「ソレはキミには無理な話さ」
悪魔「彼の命を元に戻して返す、そして集めた運命力」
悪魔「それに天使と魔王から貰った運命力をボクの中に注ぎ込む」
-
旅人「は!?」
青魔「起きたんですね、旅人さん」
旅人「あ、悪魔はどうなってるんだ?」
天使「悪魔は今限界を超えた運命力で転生者に挑んでいます、多分勝利出来るでしょう」
旅人「でもそれじゃあ悪魔の奴はこのままじゃ」
天使「ええ、悪魔の命は尽きます、限界を超えた運命力が原因で」
青魔「そ、それは止められないのですか?」
天使「周りを魅了する程の運命力を持つ転生者がその全てを戦いに回しても負ける程です」
旅人「それなら悪魔は命だけが限界を迎えるって事だよな?」
天使「そうなりますね、運命力とは世界に作用する力です」
天使「限界を超えて所持しても身体には問題はありません、戦闘での傷は別として」
青魔「旅人さん、何か思いついたのですか?」
旅人「だから聞きたい事がある、あんたも悪魔と同じ力を持っているのか?」
天使「そうですね、命を運命力の器にする技術は悪魔にしか出来ませんがそれ以外なら」
旅人「それなら頼みがあるんだが聞いてくれないか?」
-
転生者「ぐ、まさかここまでの力を持っていたとは」
悪魔「ソウだネ、ボクもソロソロ限界だから終わりにサセテもらうヨ」
転生者「させるかー!!」
悪魔「ゴメンネ、今のボクはキミ以上の運命力を持つから」
転生者「そんな、剣が!?」
悪魔「本当は消すツモリだったケド、天使に感謝しなヨ?」
転生者「その爪で何をするつもりだ」
悪魔「キミとイウ存在が及ぼす影響を伝えてアゲルヨ」
転生者「な、そ、そんな、俺は!?」
悪魔「ダカラね、コレからが無いようにキミの運命力をナクシテあげルヨ」
悪魔「コレでキミは普通の人間サ、後は自分で頑張りナヨ」
悪魔「気絶してたカ、マア同意も無しに大量の情報を流シ込んダしネ」
悪魔「コレで、モウいいカナ、貰った運命力モ使い果たシタしネ」
悪魔「命はボロボロだし、後は、頼んダ、ヨ、旅人、kん」
-
旅人「疲れたー、マジでこの量はどうなってるんだ?」
青魔「そうですね、まさか魔王様の仕事がここまで多いとは予想外でした」
旅人「これを1人でこなしてた魔王は規格外だったんだな」
旅人「この量は運命力とか関係ないだろうし」
青魔「そうですね、とはいえその魔王様も今は側近様と遠征中です」
青魔「私たちだけでこの大量の書類はどうにかしましょう」
旅人「まさかそういう関係だったとはな、だから側近を転生者に会わせたくないとか」
青魔「それを聞いて側近様も泣きながら責めてましたね」
青魔「互いに想いあうがこそ起こった悲劇がまさかあそこまで広がるとは」
旅人「まさか側近があんなに強いとは、お陰で俺たちの命も危なかったしな」
青魔「ですが今では2人だけで共有してるためか前より関係が深まったと思います」
旅人「そうか、俺と青魔も共有してるけどそんなに関係は深まってるか?」
青魔「そうですか?私は前よりも関係は深まってると思いますよ、何故なら」
天使「すみませんが、私とも共有している事をお忘れなく、残念かもしれませんが」
-
旅人「す、すまん、でもそろそろ大丈夫なんじゃないか?」
青魔「そうですね、今回の魔王様たちの訪問できっと溜まりきると思います」
天使「そうしたら貴方たちとの共有はやめます、その方が嬉しいでしょう」
旅人「それってあんたが嬉しいんじゃないのか?」
天使「すみませんが何か言いましたか?」
旅人「いや、だって俺たちよりも何だか親しい感じがするし」
天使「それは仕方ありません、私は貴方たち以上に同じ時間を過ごしましたので」
青魔「それもそうですね、そう考えれば当然の事ですね」
天使「その私でも今回の行動は予想外です、まさか私の言葉で生かすとは思いませんでした」
天使「あれだけこの世界の住民じゃない転生者を嫌っていたというのに」
旅人「そんなに嫌っていたのか、まあ心変わりなのかそれとも」
天使「それとも、何でしょうか?」
旅人「いや、最後の贈り物?みたいなモノだったのかなと」
天使「それが最後じゃなくなるとは考えてなかったでしょうね」
「それってもしかしてボクの話かい?」
-
旅人「戻ってきたのか、遅かったな」
「いやね、今回は黄王と一緒にだったし色々とね」
天使「危険な事はしてないでしょうね、私たちは命の共有をしているのですから」
「大丈夫さ、そこは黄王がいるし」
青魔「そうですか、それで今回はどれくらいの方にいただいたのですか?」
「そうだね、辺境の民族だったしそれ程多くはないかな」
旅人「まあいいか、おかえり、悪魔」
悪魔「ただいま、旅人くん」
あの決戦の後、俺たちは命の共有をする事で悪魔の命を救う事にした
幸いにも命以外の問題はなかったのでどうにかなると思ったが問題が出てきたのだった
運命力、命は問題無いが命に対する運命力を転生者との戦いで消費したので足りなかったのだ
運命力があれば奇跡を起こせるように、足りないという事は逆に危険が起こるという事
そのため俺たちは様々な人や魔族から運命力を別けて貰っている途中だった
以前はその場にいた全員で共有する事でも足りず、城下町の住民にも協力が必要だったが
今ではこの場の4人だけでも共有出来る程の運命力が溜まったというところだ
-
旅人「でも今考えるとよく転生者たちも俺たちに協力してくれたよな」
青魔「そうですね、彼らから見ると悪魔さんは力を奪った相手でもあるのですが」
悪魔「まあね、自分の存在が他人どころか世界を歪めてるって教えてあげたからかな?」
旅人「命を救われたのも原因かもしれないな、結局は分からないが」
青魔「そういえば今では何をしているのでしょうか」
天使「彼らは独自の国家を作り、人間界の平和を保つ事に従事しているようです」
旅人「そうか、それでそれまでの仲間もそのままだろ、性格が良かったのかそれとも」
悪魔「そこは高い運命力を持てるくらいには人格者だって事さ」
悪魔「いくら神だって滅茶苦茶にしたかった訳じゃないだろうしね」
青魔「そうなのですか、私たちからすれば神という存在は大きすぎるのですが」
天使「そうですね、私たちを従える王という考えでいいと思います」
旅人「それでも十分大きすぎるだろ、世界を裏から操る存在の王って」
悪魔「まあ多分もうこの世界にはちょっかいかけないと思いたいね」
悪魔「さすがにもう1回同じようなのが来ても困るし」
-
旅人「そうだな、とはいえ本当に俺は戦闘では何も役に立たなかったな」
旅人「お前からせっかく盾貰ったのに使った覚えがないんだが」
悪魔「そうだね、青魔に上げたローブは狙われないという活躍したのにね」
悪魔「どうだい、せっかくならボクと一緒にもう一度世界を回るのは?」
旅人「遠慮しておく、今の世界でそうそう力なんて必要ないだろ」
悪魔「どうだろうね、それは分からないさ」
青魔「そうですか、それで天使さんはここにいて大丈夫なのですか?」
天使「私も世界の裏で戦争を操る神扱いですので人間界には戻り辛いのです」
天使「今は聖女がさらに上の存在が私を操っていたという説明をしたのですが」
悪魔「まあそれでも戻り辛いよね、ボクも魔王が友人じゃなかったら危なかったよ」
旅人「そうだな、事情を知ってる魔王のお陰で俺たちもここで過ごせてるしな」
青魔「代わりに仕事を引き受けていますがこれも私たちが退屈しないためでしょう」
旅人「という事で、お前も戻ってきたんだから手伝ってくれよ」
悪魔「わかってるさ、仕方ないけど手伝ってあげるよ」
-
魔王「今戻ったが、調子はどうだ?」
悪魔「お、戻ってきたんだ、それがまだ終わらなくてさ」
魔王「そうか、お前の仕事は増やしておこう」
悪魔「今の話を聞いてどうしてボクの仕事が増えるのか聞いていいかい?」
魔王「友である私を置いて1人でこの世を去ろうとした罰だ」
悪魔「それ言われると仕方ないね、頑張りますか」
青魔「おかえりなさいませ、魔王様」
魔王「ご苦労、天使はいるか、今回の分を受け取って欲しい」
天使「わかりました、それでは私は一度離れますが仕事をお願いします」
旅人「と言われてもな、魔王がいないと出来ない仕事ばかりなんだが」
悪魔「凄いじゃないか、残りは殆ど魔王の確認印待ちばかりだね」
旅人「そうなんだよな、お前の仕事でも手伝おうか?」
悪魔「別に大丈夫さ、どうせ青魔の仕事でも手伝ったらどうだい?」
旅人「いや、実は天使が最初で青魔が次に仕事を終えて俺が最後なんだよ」
悪魔「キミには事務仕事でも一番下だったんだね」
-
天使「戻りました、魔王様は別件があるらしくいませんが」
悪魔「いやあ、遅かったね、仕事全部終わっちゃったよ」
天使「それなら丁度いいですね、運命力が溜まったので私たちと彼らを離します」
旅人「という事は後少しで終わりって事か、長かったな」
天使「いえ、運命力集めはこれで終わりです、私たちが原因なのでこれ以上はいただけません」
青魔「しかし天使さんたちはこの世界をよくしようと活動していたのでは?」
天使「しかし結果として今回の事が起こったのです、なので大丈夫です」
旅人「それなら仕方ないけど、お願いがあるんだがいいか?」
天使「なんでしょうか、私たちに出来ることでしょうか」
悪魔「ねえ、なんで私たちなのか聞いていいかい?」
天使「何か問題がありますか?」
悪魔「あるわけないじゃないか、彼らはボクの最高の仲間だしね」
旅人「それはありがとう、それでお願いだが俺と青魔は繋いだままにしてくれないか?」
天使「青魔さんも問題ありませんか?」
青魔「はい、私も旅人さんと繋がったままでいたいので」
-
悪魔「結局2人はくっついたって事か、まあボクのお陰だね」
旅人「そうだな、お前がいなくちゃ出会う事もなかっただろうし」
悪魔「全部話したキミに素直に感謝されると不思議な気分になるね」
悪魔「まあいいさ、何か困ったらボクらにいいな、元神様的な存在だし」
天使「はい、きっと貴方たちはこの世界でも珍しい人と魔族の関係ですから」
旅人「そういえば俺たちって種族が違うんだな、今まで魔族の姿でいたから忘れてたけど」
青魔「子供とかはどうなるのでしょうか、私としては2人の間に欲しいのですが」
悪魔「早速それなのはどうかと思うけどね、青の一族は限りなく人間だし問題ないよ」
悪魔「まあいいさ、末永くお幸せになるといいよ」
天使「私からも2人の行く末が幸せに満ちていることを願います」
旅人「2人とも、ありがとうな、結婚式する時には呼ぶよ」
青魔「そうですね、それに2人には私たちの子供の世話も任せましょう」
悪魔「あの子ってあんなんだっけ?」
旅人「惚れた弱みでそうだとしか答えれない」
悪魔「ま、いいけどね」
-
悪魔「あれから時間が経ったねぇ」
天使「そうですね、今では人と魔族の交流も始まってますしね」
悪魔「やっぱり彼らのお陰かな」
天使「そうですね、人と魔族の盛大な結婚式でしたので影響はあると思います」
悪魔「あれは盛大だったね、ボクたちも参加したけど」
天使「ええ、魔界の魔王と人間界の転生者が協力しましたしね」
「何の話してるのー」
悪魔「ん、キミ達の両親の話さ」
「私も聞きたいです」
天使「話して上げたらどうでしょうか、興味を持っているようですし」
悪魔「でも自分が活躍しない話を教えても怒らないかな」
天使「大丈夫でしょう、貴方の最高の仲間でしょう」
悪魔「それもそうだね、それじゃあ最初から話そうか」
悪魔「あれはそうだね、ボクのあの質問から始まったのさ」
悪魔「転生者って知ってるカイ?」
-
ここまで、完結する事は大切
>>151-152
乙ありです、レスとスレ間違えただけなんで許してください
-
乙
-
乙
ちょっと盛り上がりに欠ける気はするけど、旅人が最後まで平凡な人間だったのは良かった
-
乙!
"
"
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