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怨奈鬼死「屈個呂背!」オーク「え?」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 19:57:12 Nea96C.I
怨奈鬼死「屈個呂背!」

オーク「え?」

怨奈鬼死「夜露死苦!」

オーク「え、え?」

怨奈鬼死「左羅場駄!」スタタッ…

オーク(女騎士の奴、いったいどうしちまったんだ……?)


"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:01:34 Nea96C.I
ゴブリン「ようオーク」

オーク「おう」

ゴブリン「そういやさ、さっき女騎士を見たんだが、なんだかすごいことになってたぞ」

オーク「ああ、俺も見た。妙なしゃべり方してたな」

ゴブリン「妙ななんてもんじゃないだろ。いったいなにがあったんだろうな?」

オーク「さあ……俺にも分からねえよ」


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:03:54 Nea96C.I
<オークの家>



オーク(女騎士の奴、あんな変なしゃべり方して……いったいどうしちまったんだ?)

オーク(さっきは聞けなかったけど、今度会ったらちゃんと聞いてみるか……)


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:07:11 Nea96C.I
コンコン……



オーク「はい」ガチャッ

騎士団長「こんな時間に失礼」

オーク「騎士団長!? なんでアンタがこんなところに……」

騎士団長「実は……君に相談したいことがあってね」

オーク「……まあとりあえず上がってくれよ」


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:10:16 Nea96C.I
オーク「――で、相談したいことってのは?」

騎士団長「うむ……実は女騎士のことなのだが……」

オーク「やっぱり……」

騎士団長「やっぱり、ということは君ももう?」

オーク「ああ、今日の昼すぎにあいつと少しだけ会ってさ」

オーク「妙なしゃべり方してるし、ファッションもおかしいし、心配してたとこだったんだ」


"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:13:47 Nea96C.I
オーク「いつから、ああなっちまったんだ?」

騎士団長「ああいう風になったのは……三日ぐらい前からだな」

騎士団長「“特攻服”と呼ばれるらしい、特殊なコートをまとったり」

騎士団長「城壁にスプレーで『夜露死苦』『怨奈鬼死参上!』だのと落書きをしたり」

騎士団長「愛馬にマフラーを巻いてそれを切って、“マフラーを切った”などと意味不明なことをいったり」

騎士団長「乗馬時にものすごいスピードを出したり、パラリラパラリラと口走ったり……」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:18:01 Nea96C.I
騎士団長「君はプライベートな場面で女騎士と会うことも多いんだろう?」

騎士団長「なにか心当たりはないか?」

オーク「心当たりっていわれてもなぁ……」

オーク「うーん……」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:20:09 Nea96C.I
オーク(昨日を除くと、女騎士と会ったのはちょうど一週間前だったな)

オーク(俺とあいつの二人で、騎士団の領地で剣の稽古をしてたんだ)

オーク(それで、えぇと……御者を呼んで、帰りに一緒に馬車に乗って……)

オーク(そしたら……後ろから……)

オーク「……あっ」



…………

………

……


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:23:44 Nea96C.I
一週間前――

<馬車内>



ガタゴト…… ガタゴト……



オーク「ふぅ〜、やっぱ馬車はラクチンでいいぜ」

女騎士「稽古の後、自分の足で帰るというのはしんどいからな」


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:26:33 Nea96C.I
ドドドドド……! ドドドドド……!



女騎士「――む? 騒がしいな」

オーク「すげえ数の馬が走ってるな。どうしたってんだ?」


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:29:10 Nea96C.I
若者A「ヒャッホーッ! 暴走連合参上!」パカラパカラッ

若者B「イェイイェイイェイ!」ドカラドカラッ

若者C「オラオラオラァ! そこの馬車、どけどけどけぇぇぇい!」パカラッパカラッ



ドドドドド……! ドドドドド……!





オーク「あっという間に俺たちを追い抜いていきやがった……なんだありゃ?」

御者「ああ、あれは暴走族ですよ」

女騎士「暴走族?」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:33:07 Nea96C.I
御者「素行の悪い若者たちが、集団で馬を乱暴に走らせてるんですよ」

御者「ようするに不良集団の一種ですな」

御者「特攻服なるコートを着たり、東方の“漢字”なる文字を使うのが彼らの間ではブームのようです」



女騎士「そういうことか……」

女騎士「自分の馬を持っているということは、それなりに裕福な家で育った者たちなのだろうが」

女騎士「まったく下らない連中だ……」

オーク「そうか?」

女騎士「え?」


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:34:59 Nea96C.I
オーク「俺自身、自分が昔はワルだったからってのもあるんだけどよ」

オーク「ああいうバカな若者連中見てると、青春してんなぁ、って気分になるんだよな」

オーク「ああやって好き勝手できるのも、色んなものに守られてる今のうちだけだしな」

女騎士「それはつまり……お前は……暴走族が好き、だと……?」

オーク「ん〜……好きといえば好きだな」

女騎士「!」ガーン


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:38:08 Nea96C.I
……

………

…………



オーク「…………」

騎士団長「どうした? ずいぶん長く考え込んでいたようだが」

オーク「あっ、いや……。団長、俺もしかして、心当たりがあるかもしれねえ」

騎士団長「本当か!?」

オーク「うん……だからこの一件は俺に任せてくれないか?」

騎士団長「分かった、この件は君に一任することにしよう。よろしく頼む」


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:40:29 Nea96C.I
騎士団長が帰った後――

オーク(さて、どうやってあいつを説得しよう)

オーク(ストレートに『俺はお前に暴走族のようになって欲しかったわけじゃない』といったとしても……)



怨奈鬼死『勘血害酢留奈! 尾魔絵之田目邪奈胃!』



オーク(『勘違いするな! お前のためじゃない!』って怒るに決まってるしな……)

オーク(う〜ん、どうしよう……。とにかく明日会ってみるか……)


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:43:36 Nea96C.I
翌日――

<騎士団領地>



オーク「おはよう、女騎士」

怨奈鬼死「尾歯陽!」

オーク(やっぱり相変わらずこのしゃべり方か……)


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:47:57 Nea96C.I
怨奈鬼死「尾華背!」

怨奈鬼死「霊不゜死露!」

怨奈鬼死「豪勘死露!」

怨奈鬼死「名華駄士死露!」

オーク(いやむしろ、エスカレートしてる……ものすごいことになってる……!)

オーク(これ以上ひどくなる前に、なんとしても止めないと!)


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:50:09 Nea96C.I
オーク「あのさ俺、久しぶりに馬に乗りたくなっちゃったんだけど」

怨奈鬼死「保宇?」

オーク「だからさ、お前の後ろに乗せてくれないか?」

怨奈鬼死「鎌湾!」


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:52:05 Nea96C.I
馬「ヒヒィィィン! ブルルルル……」

オーク「すまねえな、俺みたいな重い奴が乗っちまって」

怨奈鬼死「異毛!」グイッ

馬「ヒヒィンッ!」



パカラッ…… パカラッ……


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:54:09 Nea96C.I
パカラッ…… パカラッ……



オーク「おいおい……ちょっと飛ばしすぎじゃねえか?」

怨奈鬼死「魔駄魔駄!」グイッ



ドカラッ…… ドカラッ……


21 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 20:56:19 Nea96C.I
オーク「…………」

オーク「うわぁっ!」ヨロッ



ドザァッ…… ゴロゴロ……





怨奈鬼死「!!!」


22 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 21:00:21 Nea96C.I
オーク「ぐ……落馬しちまった……俺としたことが……」







女騎士「大丈夫か、オーク!」ダッ


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 21:03:15 Nea96C.I
女騎士「しっかりしろ!」

オーク「なぁに、俺は大丈夫だ。ちゃんと受け身も取ってたしな」

女騎士「よ、よかった……。すまん、私が無茶な走りをしたから……」

オーク「それより……やっと元のお前に戻ってくれたな」

女騎士「!」ハッ


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 21:07:14 Nea96C.I
オーク「すまなかったな……こないだは変なこといっちまって」

オーク「いっとくが俺は暴走族なんかより、今のお前のがずっとずっと好きだぜ」

女騎士「…………!」カァ…

女騎士「ふ、ふん……私のせいで落馬した者にそういわれては……元に戻らざるをえんな」

オーク「……よっしゃ、じゃあ今度はゆっくり乗馬を楽しもうぜ!」

オーク(“わざと落馬作戦”……大成功!)

オーク(どうにか女騎士の暴走を食い止めることができ――)

女騎士「乗馬の後は……分かっているな? 今夜は寝かさんぞ!」ニヤッ

オーク(――るわけないよな、やっぱ)





― 終 ―


25 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 21:24:29 gaqlPN..
雄津華冷!


26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 21:44:08 nkYLjD/o
スレタイの迫力が凄いwww
中身も面白かった


27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/03(木) 23:41:25 1JRF3ucE
悪津死!(おつです)


28 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/04(金) 00:38:15 0q/AAM86
惡喪死露滑蛇酔!


29 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/04(金) 00:44:48 0nr2GUkk
爾裟狗裳夜露死苦!


30 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/04(金) 00:51:01 1.IQsYrg



31 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2016/03/04(金) 07:31:57 xeQHJDK.
尾母子路駆那豫尾津弟簾


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