■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
怨奈鬼死「屈個呂背!」オーク「え?」
-
怨奈鬼死「屈個呂背!」
オーク「え?」
怨奈鬼死「夜露死苦!」
オーク「え、え?」
怨奈鬼死「左羅場駄!」スタタッ…
オーク(女騎士の奴、いったいどうしちまったんだ……?)
"
"
-
ゴブリン「ようオーク」
オーク「おう」
ゴブリン「そういやさ、さっき女騎士を見たんだが、なんだかすごいことになってたぞ」
オーク「ああ、俺も見た。妙なしゃべり方してたな」
ゴブリン「妙ななんてもんじゃないだろ。いったいなにがあったんだろうな?」
オーク「さあ……俺にも分からねえよ」
-
<オークの家>
オーク(女騎士の奴、あんな変なしゃべり方して……いったいどうしちまったんだ?)
オーク(さっきは聞けなかったけど、今度会ったらちゃんと聞いてみるか……)
-
コンコン……
オーク「はい」ガチャッ
騎士団長「こんな時間に失礼」
オーク「騎士団長!? なんでアンタがこんなところに……」
騎士団長「実は……君に相談したいことがあってね」
オーク「……まあとりあえず上がってくれよ」
-
オーク「――で、相談したいことってのは?」
騎士団長「うむ……実は女騎士のことなのだが……」
オーク「やっぱり……」
騎士団長「やっぱり、ということは君ももう?」
オーク「ああ、今日の昼すぎにあいつと少しだけ会ってさ」
オーク「妙なしゃべり方してるし、ファッションもおかしいし、心配してたとこだったんだ」
"
"
-
オーク「いつから、ああなっちまったんだ?」
騎士団長「ああいう風になったのは……三日ぐらい前からだな」
騎士団長「“特攻服”と呼ばれるらしい、特殊なコートをまとったり」
騎士団長「城壁にスプレーで『夜露死苦』『怨奈鬼死参上!』だのと落書きをしたり」
騎士団長「愛馬にマフラーを巻いてそれを切って、“マフラーを切った”などと意味不明なことをいったり」
騎士団長「乗馬時にものすごいスピードを出したり、パラリラパラリラと口走ったり……」
-
騎士団長「君はプライベートな場面で女騎士と会うことも多いんだろう?」
騎士団長「なにか心当たりはないか?」
オーク「心当たりっていわれてもなぁ……」
オーク「うーん……」
-
オーク(昨日を除くと、女騎士と会ったのはちょうど一週間前だったな)
オーク(俺とあいつの二人で、騎士団の領地で剣の稽古をしてたんだ)
オーク(それで、えぇと……御者を呼んで、帰りに一緒に馬車に乗って……)
オーク(そしたら……後ろから……)
オーク「……あっ」
…………
………
……
-
一週間前――
<馬車内>
ガタゴト…… ガタゴト……
オーク「ふぅ〜、やっぱ馬車はラクチンでいいぜ」
女騎士「稽古の後、自分の足で帰るというのはしんどいからな」
-
ドドドドド……! ドドドドド……!
女騎士「――む? 騒がしいな」
オーク「すげえ数の馬が走ってるな。どうしたってんだ?」
-
若者A「ヒャッホーッ! 暴走連合参上!」パカラパカラッ
若者B「イェイイェイイェイ!」ドカラドカラッ
若者C「オラオラオラァ! そこの馬車、どけどけどけぇぇぇい!」パカラッパカラッ
ドドドドド……! ドドドドド……!
オーク「あっという間に俺たちを追い抜いていきやがった……なんだありゃ?」
御者「ああ、あれは暴走族ですよ」
女騎士「暴走族?」
-
御者「素行の悪い若者たちが、集団で馬を乱暴に走らせてるんですよ」
御者「ようするに不良集団の一種ですな」
御者「特攻服なるコートを着たり、東方の“漢字”なる文字を使うのが彼らの間ではブームのようです」
女騎士「そういうことか……」
女騎士「自分の馬を持っているということは、それなりに裕福な家で育った者たちなのだろうが」
女騎士「まったく下らない連中だ……」
オーク「そうか?」
女騎士「え?」
-
オーク「俺自身、自分が昔はワルだったからってのもあるんだけどよ」
オーク「ああいうバカな若者連中見てると、青春してんなぁ、って気分になるんだよな」
オーク「ああやって好き勝手できるのも、色んなものに守られてる今のうちだけだしな」
女騎士「それはつまり……お前は……暴走族が好き、だと……?」
オーク「ん〜……好きといえば好きだな」
女騎士「!」ガーン
-
……
………
…………
オーク「…………」
騎士団長「どうした? ずいぶん長く考え込んでいたようだが」
オーク「あっ、いや……。団長、俺もしかして、心当たりがあるかもしれねえ」
騎士団長「本当か!?」
オーク「うん……だからこの一件は俺に任せてくれないか?」
騎士団長「分かった、この件は君に一任することにしよう。よろしく頼む」
-
騎士団長が帰った後――
オーク(さて、どうやってあいつを説得しよう)
オーク(ストレートに『俺はお前に暴走族のようになって欲しかったわけじゃない』といったとしても……)
怨奈鬼死『勘血害酢留奈! 尾魔絵之田目邪奈胃!』
オーク(『勘違いするな! お前のためじゃない!』って怒るに決まってるしな……)
オーク(う〜ん、どうしよう……。とにかく明日会ってみるか……)
-
翌日――
<騎士団領地>
オーク「おはよう、女騎士」
怨奈鬼死「尾歯陽!」
オーク(やっぱり相変わらずこのしゃべり方か……)
-
怨奈鬼死「尾華背!」
怨奈鬼死「霊不゜死露!」
怨奈鬼死「豪勘死露!」
怨奈鬼死「名華駄士死露!」
オーク(いやむしろ、エスカレートしてる……ものすごいことになってる……!)
オーク(これ以上ひどくなる前に、なんとしても止めないと!)
-
オーク「あのさ俺、久しぶりに馬に乗りたくなっちゃったんだけど」
怨奈鬼死「保宇?」
オーク「だからさ、お前の後ろに乗せてくれないか?」
怨奈鬼死「鎌湾!」
-
馬「ヒヒィィィン! ブルルルル……」
オーク「すまねえな、俺みたいな重い奴が乗っちまって」
怨奈鬼死「異毛!」グイッ
馬「ヒヒィンッ!」
パカラッ…… パカラッ……
-
パカラッ…… パカラッ……
オーク「おいおい……ちょっと飛ばしすぎじゃねえか?」
怨奈鬼死「魔駄魔駄!」グイッ
ドカラッ…… ドカラッ……
-
オーク「…………」
オーク「うわぁっ!」ヨロッ
ドザァッ…… ゴロゴロ……
怨奈鬼死「!!!」
-
オーク「ぐ……落馬しちまった……俺としたことが……」
女騎士「大丈夫か、オーク!」ダッ
-
女騎士「しっかりしろ!」
オーク「なぁに、俺は大丈夫だ。ちゃんと受け身も取ってたしな」
女騎士「よ、よかった……。すまん、私が無茶な走りをしたから……」
オーク「それより……やっと元のお前に戻ってくれたな」
女騎士「!」ハッ
-
オーク「すまなかったな……こないだは変なこといっちまって」
オーク「いっとくが俺は暴走族なんかより、今のお前のがずっとずっと好きだぜ」
女騎士「…………!」カァ…
女騎士「ふ、ふん……私のせいで落馬した者にそういわれては……元に戻らざるをえんな」
オーク「……よっしゃ、じゃあ今度はゆっくり乗馬を楽しもうぜ!」
オーク(“わざと落馬作戦”……大成功!)
オーク(どうにか女騎士の暴走を食い止めることができ――)
女騎士「乗馬の後は……分かっているな? 今夜は寝かさんぞ!」ニヤッ
オーク(――るわけないよな、やっぱ)
― 終 ―
-
雄津華冷!
-
スレタイの迫力が凄いwww
中身も面白かった
-
悪津死!(おつです)
-
惡喪死露滑蛇酔!
-
爾裟狗裳夜露死苦!
-
乙
-
尾母子路駆那豫尾津弟簾
"
"
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■