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男「うわぁぁぁ! 化け物だぁぁぁ!」
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学者「おおお……これはまさしく世紀の大発見にちがいない!」
助手「やりましたね、教授!」
護衛(こんな卵がそれほどの大発見なのか? ピンとこないな)
卵「……」ピシピシ…
学者「おおっ、割れる!?」
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パキィィィン!
化け物「ギャアァァァァァス!」
学者「な、なんだこの化け物は!?」
助手「ひぃぃぃっ!」
護衛「二人とも、私の後ろへ!」バッ
この三名は卵から生まれた化け物によって、瞬く間に殺害された。
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化け物の勢いは止まらない。
猛スピードで人里に姿を現し、さっそく攻撃を開始する。
化け物「ピギャアァァァァァ!」バシュッ
ドゴォォォォン!!!
化け物「ギィヤァァァァァス!」バシュッ
ズガァァァァン!!!
化け物の放つレーザー光線は、次々に町を焼き払っていく。
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警官「そこまでだ、化け物!」
機動隊員「これ以上の破壊行為は許さんぞ!」
化け物「……」ニヤ…
勇敢なる抵抗も空しく、彼らはあっけなく殉職していった。
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化け物「ギャス、ギャァァァァァス!」モワァァァ…
女A「あら、素敵な人」
女B「あたし、あなたについてくわ」
女C「かっこいい……」
化け物「……」ニヤニヤ
しかも、化け物は女好きらしく、絶対的な効力のあるフェロモンで女性を誘惑し、
大量にかっさらっていくのであった。
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総理大臣「こうなれば……自衛隊を出動させろ! なんとしても化け物を倒せ!」
決着はあっけなくついた。
一時間足らずで、自衛隊が壊滅したという報が首相官邸に届く。
それと同時に――
化け物「ギャァァァァァス!」ニヤッ
総理大臣「うっ、うわぁぁぁぁぁっ!」
ザシュッ!
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世界各国もこの化け物を退治するため、一致団結して兵士や兵器を送り込む。
「一個大隊がものの数分で全滅だとぉ!?」
「ウイルスや細菌兵器も、まるで通じません!」
「核攻撃を直撃させても、ニヤニヤ笑っている……!」
ところが連戦連敗。わずか一週間で世界中の軍隊は無力化した。
地球上全ての女性は化け物の私物となり、人類は完全敗北を喫した。
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ある避難所にて――
男(軍は壊滅、女はさらわれ、地球のあちこちが破壊し尽くされた……)
男(まさか、こんなあっさりと人類滅亡が確定しちゃうとはなぁ……)
男(せめて……俺の好きだった本を読みながら、ここで静かに死のう……)
男(化け物に殺されるよりは、よっぽどマシな死に方だ……)
しかし、こんなささやかな願いでさえ、非情な化け物は容赦なく打ち砕く。
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化け物「ギャァァァァァス!」ズシンッ
化け物「ギャッ、ギャッ、ギャッ、ギャッ、ギャッ!」
男「うわぁぁぁ! 化け物だぁぁぁ!」
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男「ああ……俺の人生もここまでか……」バサッ
化け物「ん、本を読んでるのか。貸してみろ」パラパラ…
男「えっ……!」
化け物「ふむふむ、どうやらお前さん、オレと同じような趣味をしてるようだな」ニヤッ
男「あんた、言葉が分かるのか? 文字が分かるのか!?」
化け物「そりゃ分かるさ。オレは強さだけじゃなく、知能だって超一流だからな」
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化け物「オレもさ、お前さんの読んでるような本が大好きでな」
化け物「オレたちの世界の神様に、オレもこうなりたいって祈ったわけよ」
化け物「そしたらこうして願いが叶ったんだけど……」
化け物「最初のうちは面白かったけど、なんかもう飽きてきちゃった」
化け物「だからもう帰るわ」
男「は、はぁ……」
化け物「あ、もちろん、オレが殺したり壊したりしたものは全部元通りにしてからな」
男「えええ、なんでそんなことできるんだ!?」
化け物「なんたって、オレはチートだからな」スゥゥ…
そういうと、化け物は影も形もなくなってしまった。
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男が避難所を出ると――
男(本当だ……全て元通りになってる……。人も、建物も……)
男(結局あいつ、なにがしたかったんだ……!?)
ちなみに男が読んでいた本は、異世界に転生した主人公が、
チートな能力で無双してハーレムを作るという内容であった。
おわり
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乙
しかし、まさか異世界転生モノだったとは…人間視点じゃないと、こうも雰囲気が変わるのか
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乙!
なかなか面白かった
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この発想すごい天才かよ
確かに現地の人から見たら単なるデストロイヤーだよな
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なるほど面白い発想だな
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おーすげぇ
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このオチは凄い
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「異世界転生」「主人公最強」「チート」「ハーレム」お約束をすべて満たしてやがる……!
いい発想だった乙
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転生チートって周りからしたらすげえ迷惑なんだなあ
乙です!
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