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ジャック・ハンマー「豆の木……ッッ!?」
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バッファロー「ブモオオオオオッ!」ドドドドドッ
ジャック「フンッ!」ブンッ
ガキィッ!
ジャックのアッパーカットが火を噴く。
数メートル空中に打ち上げられたバッファローは、そのまま地面へと墜落した。
ドシャアッ……!
"
"
-
刃牙「ヒュウ〜、さすが兄さん」パチパチ…
ジャック「バキ、オマエでもあれぐらいできるだろう」
刃牙「どうだろ……。倒すのはともかく、あそこまで打ち上げるってのはなかなか……」
ジャック「今夜はこいつが晩飯だ。俺一人で運ぶから、先に帰っててくれ」
刃牙「きっとオヤジも歓喜(よろこ)ぶよ」
ジャック「…………」ニィ…
-
体重1トンを超えるバッファローを肩に担ぎ、町を歩くジャック。
ジャック「…………」ズチャッ…
ザワザワ…… ドヨドヨ……
「スッゲェ〜」 「牛を軽々と担いでるよ」 「プロレス……?」
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すると――
ホームレス「君は……強さに飢えているようだな」
ジャック「…………」ピク…
ホームレス「どうだろう、この豆と君の牛を交換してもらえないか?」
ホームレス「そうすれば、君はさらなる強さを得ることができるだろう」
ジャック「ホウ……」
ホームレス(これで今夜のワシの食卓は守護(まも)られた……)
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勇次郎「騙されたな、キサマッッッ!!!」
ジャック「…………ッ!」
勇次郎「晩飯をこんな豆と交換などしおって……ッ!」
勇次郎「愚か者がッ!!!」ブンッ
ボッ!
激怒し、庭に豆を投げ捨てる勇次郎。
重さ数グラムにすぎない豆が、地面にめり込むほどのスピードであった。
"
"
-
勇次郎「やはり、キサマは血が薄い」クルッ
勇次郎「今晩、キサマはメシ抜きだ……外で過ごせいッッッ!!!」
バタァンッ!!!
ジャック「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!」
ジャック「…………」
刃牙「に、兄さん……」
ジャック「いいんだ、バキ。オマエも中に入れ」
刃牙「ゴメン……」バタン…
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ジャック(せっかく狩った獲物を、よもや豆一粒と交換してしまうという失敗(ミス)!)
ジャック(なんという屈辱……なんという醜態……)
ジャック「…………」ウルッ…
ジャック「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
ジャックが咆哮した瞬間、豆に異変が起こった。
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ニョキ……ッ ニョキニョキ……ッ ニョキ……ッ
ジャック「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!」
ジャック「なんだいこりゃ……」
豆から生えた芽は、瞬く間に天まで到達していた。
ジャック「豆の木……ッッ!?」
-
豆の木から発せられる異常な闘気に、ジャックは気圧されていた。
ジャック(この豆の木……俺を誘惑(さそ)ってやがる!)
ジャック(いいだろう……乗ってやろう)
ジャック「登頂(のぼ)ってやる!!!」
ジャックは豆の木への挑戦(チャレンジ)を決意した。
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ジャックは鍛え抜かれた肉体で、順調に豆の木を登っていく。
しかも――
ジャック(より早く――)
ジャック(より速く――)
ジャック(より疾く――)
ジャック(より短時間(はや)くッッッ!)
時間制限など設けられていないのに、どんどん手足のスピードを上げていく。
いかなる状況をもトレーニングとす。
これが、ジャック・範馬である。
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ジャックと豆の木は植民地支配の批判として書かれたと聞いたが
そんなことは吹っ飛びそうだな
支援
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100メートル――
200メートル――
300メートル――
転落すれば絶命は免れない高さ。
にもかかわらず、ジャックの動作には微塵の恐れも感じられない。
ここで転落すれば俺はそこまでの男だったということ。
明日を見ていないジャックだからこそ、恐れず天に挑めるのだ。
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上空1000メートル――
ついにジャックは豆の木の頂上まで到達した。
ジャック「ナルホド……」
ジャック「ここからが本番というワケか」ニィ…
ジャックの眼前には、雲の大地が広がっていた。
-
ジャック「…………」スタッ
ジャック(この雲……固さはコンクリート以上か)ゴッゴッ
ズシン…… ズシン……
ジャック「…………ッ!?」
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巨人「ン〜……? オヤオヤ……」
巨人「こんなところに人間が来るとは……久しぶりだな」ニィ〜
ジャック(巨体(でか)い……ッ)
骨延長手術により、2メートルを超える身長を手に入れたジャックが、遥か見上げる高さ。
人や動物というより、建造物といっていい巨体さである。
ジャック(おそらく……10メートル以上はある……)
ジャック(しかも……その巨躯を殺さぬ身体能力を持つ……ッッ)
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巨人「せっかくここまで来たンだ……チョット遊んでいきたまえよ」ズシン…
巨人の言葉には、明らかな殺気が含まれていた。
たとえ断っても、巨人はジャックを無事に帰すつもりはないだろう。
無論――ジャックに断るつもりなど毛頭ない。
ジャック「好みのタイプだ」
-
巨人「シィィッ!」ギャッ
巨人がその巨体からは考えられぬような俊敏な踏み込みで、ジャックに迫る。
もわっ……
ジャック(なんという圧力……ッ)
ジャック(だが、ここで退くようでは――弟にも、父にも、届かぬッ!)
ジャックは真っ向勝負を選択した。
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ドギャアッ!!!
巨人「…………ッ!」グラッ…
ジャック「〜〜〜〜〜〜ッ!」グラァッ…
ドギャッ! ガキィ! ベチィ! ガッ! ドグァッ!
2メートルと10メートルが、真正面から堂々と殴り合う。
巨漢を制するには、体の末端へ狙いを絞るのが定石だが、
ジャックは巨人の正中線――中心部に突き進む。
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巨人(なぜ倒せない!? 飛ばせない!? 止められない!?)
巨人(私の方が重量(おも)いハズ! 巨体(でか)いハズ! 強靭(つよ)いハズ!)
巨人(なのに――)
ジャック「シャッ!!!」ブンッ
ドズゥッ!!!
ジャックの跳躍しながらのアッパーカットが、巨人のボディにめり込んだ。
巨人「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」ガハァッ
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しかし――
巨人「調子こいてんじゃねェぞ、アリンコがァァァッッッ!!!」グオッ
メキャアッ!!!
ついに、巨人が本気(マックス)になった。
ドゴォッ! ドギャッ! ズドォッ! ガッ! ベッチィィッ!
巨人怒涛の猛攻に、劣勢になるジャック。
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ジャック「きた」ピシッ
ジャックにもまた、“マックス”が訪れた。すなわち、マックシング。
ジャック「噛みがいのある肉だ……」
ぞぶっ……
巨人の拳に噛みつき、その肉を食いちぎる。
ブチィ!
巨人「OH〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
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ザキィッ! ドギャッ! ビッ! ドガッ! ガッ! ドキャ!
激痛(いた)みで及び腰になった巨人に、ジャックが嵐のような連打。
10メートル以上ある巨人の全身が、ぐらぐらと後退する。
このままジャックの勝利か!?
否――
巨人の強者としての本能は、この窮地において敵を屠る名案を導き出す。
巨人「シェアアッ!!!」バッ
ジャック「!」
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ズンッ……!
フライングボディプレス――
自身の建造物級といっていい巨体を、もっとも活かす攻撃方法。
単純(シンプル)ゆえに、強力(ストロング)!!!
ジャックはなすすべなく、巨人の下敷きとなった。
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ぎゅうぅぅぅぅ…… ぎゅむぅぅぅ……
ジャック(脱出(でら)れない……ッ!)
ジャック(このままでは……窒息、あるいは圧死……ッ!)
いかにマックシング状態のジャックとはいえ、
押し潰された体勢から、建造物級の巨体を持ち上げるのは至難……ッッ
ジャック(死――!)
打つ手なし!!!
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刃牙『たかが、図体がデカイだけの相手にこのザマかい……』
刃牙『アンタはもうファイターとして終わりなんだよッッッ!』
勇次郎『敗れるのは当然のこと。あれが血が薄い』
ジャック「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!」
ジャック(父よ……バキよ……)
ジャック「俺ダッテ――出来ルンダ!!!」メキメキィ…
ググッ…… グググッ……
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ジャックは押し潰された状態から巨人を持ち上げると――
巨人「ヌゥ!?」
ジャック「ガアァァァッ!!!」メキメキメキィ…
ドザァァッ……!
巨人を投げ飛ばしてみせた。
巨人「ホワイ!? 不可能(インポッシブル)だ……こんなこと……ッッ!」
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巨人に背を向けて立つジャック。
それを見た巨人は――
巨人(オ、悪鬼(オーガ)……ッッ!?)
ジャック「ガアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」ギャッ
“鬼”と化したジャックが疾走(はし)る。
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ベキィッ!!!
ジャックのローが、左足を完全破壊。
ボグッ!!!
胸部に右ストレートを浴びせ、胸骨を完全粉砕。
そして――
グワキィッ!!!
トドメのアッパーカット。
人の頭ほどの大きさの歯を撒き散らし、巨人は崩れ落ちた。
ドズゥゥゥ……ンン……
勝負ありッッッ!!!
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巨人との戦いを終え、地上へと降り立ったジャック。
ジャック「!」
刃牙「兄さん……」
勇次郎「…………」
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刃牙「おめでとう、兄さん」
勇次郎「フン……」
勇次郎「少しはモノになったようだな」
ジャック「……アリガトウ」
勇次郎と刃牙の横には、ズタボロにされたホームレスと
ジャックが狩ったバッファローがあった。
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刃牙「…………」モニュ…ハグ…
ジャック「…………」モグ…モニュ…
勇次郎「…………」メリ…モニュ…
今宵、覚醒(めざ)めた新たな鬼への祝福か――
無言で……しかし、ウマそうに、よく焼けた牛の肉を頬張る範馬の一族であった。
おわり
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イイハナシダナー
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熱いルビ合戦
>>1の脳筋SSほんと好き
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乙ッッッッッ
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乙
ジャック好きやわ
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金の卵を産むめんどりの存在なんてなかった
熱くていいね乙
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この絵本読み聞かせるの大変そう
乙ッッッ!!!
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守護るさんwwwwwww
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