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イケメン「ナイスガイへの道」
-
僕の名前はイケメン。
192センチの身長。
端正な顔立ち。
はっきり言って、モテる!
しかし、この外見しか見ない、女達に色々されて、少しずつ、女性恐怖症になっている。
こんな性格を直すべく、僕はナイスガイを目指すことにした!
"
"
-
高校二年の春。
僕は転校することになった。
新しい街。新しい学校。新しい出会い。
僕のナイスガイへの道は正にここから始まる!
-
転校初日。正に地獄だった。
僕の姿を見た途端、女子共がキャーキャー騒ぎ始めた!
勘弁してくれ、恐怖症に拍車がかかりそうだ…。
休憩時間はもっと地獄だった。
転校生と言うこともあり。多数の生徒に取り囲まれ、質問攻めにあった。
僕はこの、囲まれるのは得意ではない。
ダメだ。気分が悪くなってきた…。
-
そんな時、素晴らしい出合いがあった。
颯爽と表れ、その地獄から僕を救いだしてくれた。
「大丈夫か?気分悪そうだったから、無理矢理連れてきた、スマン」
彼は、初対面の僕を気遣ってくれた。
彼の名は、男。
まさにナイスガイだった。
-
先に言っておく。
僕はノーマルだ。ホ○ではない。
女性が好きだから、恐怖症を克服したいのだ。
この日から、男君は、僕の目標になった。
"
"
-
転校初日の放課後。
屋上に呼び出された。
イヤな予感しかしない。
渋々、屋上に行くと、一人の女生徒が待っていた。
黒髪で、大人しそうな印象だった。
名前は、女というらしい。
なかなか、可愛らしい娘だ。
その可愛らしい娘は、上着の裾をくるくると触りながら、告白してきた。
ちょっとまて。合って数時間で告白されたのは始めてだ。
勿論、丁寧にお断りした。
彼女はショックを受けた様子もなく、さらっと帰って行った。
いかん、胃がキリキリと痛みだした。
-
次の日。僕が彼女をフッた事が噂になっていた。
あの時、誰かが見ていたらしい。
しかも、噂の内容は、女を誹謗するものだった。
確かに、初日に告白するのは、如何のものかと思うが、それを誹謗するのは、間違っている。
僕は抗議することにした。
しかし、先に、男君が一喝した。
クラスは静まり、その時から、噂はなくなった。
なんて素晴らしいんだ!男君は!
彼の事を、心のなかで、ナイスガイ男君と呼ぶことにした。
-
ナイスガイ男君とつるむようになって、もう一人と仲良くなった。
名前は友というらしい。
友はなかなか低音ボイスで渋い声をしている。
友の事はこれからイケボ友と呼ぼう。
目標とする人物と、愉快な友人を得て、面白い学生生活になりそうだ!
このままの勢いで、恐怖症を克服してしまおう!
-
そう思った翌日。
またしても、数人の女生徒に告白された。
付き合うつもりはないので、皆には申し訳ないが、丁寧にお断りした。
なかには号泣する娘もいて、正直、しんどい。
そんなとき、イケボ友がゲーセンに誘ってくれた。
その場には、ナイスガイ男君もいた。
その日は男三人で遊んだ。
ん?なにか、ナイスガイ男君の後にいたような気がするが、きのせいだろう。
-
ゲーセンから、家に帰って思い返す。
ナイスガイ男君の後は確かに何かいた。
仔犬のような印象はあったのだが、ナイスガイ男君の後に隠れて、良くは見えなかった。
けど、あれは、女の子だったような。
気のせいだろか。
-
次の日。
イケボ友に屋上に呼び出された。
ん?
今は、イケボ友の後に何かいる。
あれは、昨日の仔犬?
-
イケボ友から、紹介された。
彼女はナイスガイ男君の幼馴染みの女の子で、名前は幼と言うらしい。
仔犬ではなく、女の子だったのか。
しかし、幼と言う娘。
仔犬。まさにその例えが合う、小さくて、可愛らしい娘だ。
今もイケボ友の後でぷるぷると小さくふるえている。
-
そうだ、幼さんに見とれている場合ではない。
イケボ友に用事を聞く。
イケボ友は驚くべき内容をつげた。
何でも、この幼さんはナイスガイ男君の気を引きたいらしい。
その為、この僕に幼さんと仲良くしてもらい。ナイスガイ男君に見せつけたいらしい。
それで、今以上に仲良くなりたいらしい。
-
なんとも、この考えはイケボ友の思い付きらしい。
…大丈夫か、この考え。
肝心のナイスガイの男君はどうなのだろうか?
イケボ友の話によると、ナイスガイ男君も浅からず、幼さんの事を想っているらしい。
ならば、ナイスガイ男君の為に一肌脱ごうではないか!
これからは、イケボ友の事をフィクサー友と呼ぼう。
-
その日の内に、僕と幼さんはなるべく一緒にいるようにした。
特にナイスガイ男君がいるところでは、仲良く振る舞った。
…が、この幼さんは、僕が話しかけても、ふるふるとふるえて
「う、うん」
「そ、そうだにぇ///」
と小さく答えるのみ。
挙げ句には見事に噛む。
なんだ、この可愛い生物は!
反則ではないか!
僕と目が合うだけで、真っ赤になるし…。
今も俯き、恥ずかしそうに指をもぞもぞしている。
こっそりとこの幼さんの事をエンジェル幼さんと呼ぼう。
-
放課後。
今日は、エンジェル幼さんと帰ることになった。
その時、ふと、普段と違う雰囲気に気付いた。
普段なら、クラスの女生徒が囲ってくるんのだが。
今日は寄ってこない。
寧ろ、暖かい目で見られてる?
目線を追っていくと、エンジェル幼さんに行きつく。
あぁ、皆、このエンジェル幼さんが可愛いいんだなぁ。
-
いや、それだけじゃない。
ナイスガイ男君からも優しい目で見られてる?
あれ?
ナイスガイ男君に嫉妬させるのが目的なのでは?
けど、あの優しい目は?
一瞬だが、確かに優しい目だった。
-
そんな事を考えてると
「か、かえりょ///」
エンジェル幼さんが、噛んだ事に真っ赤になりながらも、僕の制服の裾を掴む。
あぁ、エンジェルだぁ!
-
帰り道。
二人で帰っていると改めて思う。
エンジェル幼さんは、小さい。
視界の端で彼女のショートヘアが、ほよほよと泳いでいる。
-
恐怖症が治りつつある
支援
-
そんなエンジェル幼さんを見ていると、ふと、ある考えが頭をよぎる。
このまま、彼女を自分のものにしてまおう。
ハッ!
僕は何を考えているんだ!
この人は、ナイスガイ男君の大切な人。
なにより、そんなことをするのはナイスガイの道を外れる!
ナイスガイを目指す僕にそんなことはできない!
そんなことを考えていると、裾をくいくいと引っ張られらた。
「怖い顔してるよ?」
「わ、私と帰るの、そんなにイヤだった?」
エンジェルが、瞳を潤ませながら、僕の顔を見上げている。
こんなエンジェルと帰れることがイヤな訳あるか!!
僕は慌てて、イケメンスマイルを作り、エンジェル幼さんに答える。
その日はなんとか、自分の中の悪魔を押さえながら、エンジェル幼さんと帰った。
-
次の日。
ナイスガイ男君の態度が明らかにおかしい。
僕と目を合わさない。
挨拶をしても
「あぁ…」
としか、答えない。
エンジェル幼さんにも同じ態度だ。
エンジェル幼さんも、そんな態度に少なからずショックを受けてるようだ。
…もしかして、やり過ぎた?
しかし、昨日のあの優しい目はなんだったのだ?
授業中、その事だけを考えていた。
しかし、あの、ナイスガイ男君がここまで、変わるとは。
嫉妬とは恐ろしい。
-
昼休み。
いつもの用に男三人で食べようとしたら、フィクサー友から止められた。
なんでも、エンジェル幼さんが、お弁当を作ってくれているらしい。
おぉ、エンジェル幼さんも動いたようだ。
-
これで、ナイスガイ男君も疑いが晴れる!
…ちょっと、胸がいたいけど、ナイスガイになるためだ!
それに、友のため!
こういう時、ナイスガイはニヒルに笑うのだ!
僕もニヒルに笑おう!
-
…へ?
お弁当って、僕に?
イヤイヤ、そこはナイスガイ男君に渡す所だよ?
ここで、手作り弁当を渡されたら、大概の男は落ちるはず!
おい、フィクサー!
君も笑ってないで、止めないか!
「た、食べたくにゃい?」
あぁ、エンジェル!
喜んで頂きます!
何個でも頂きましょう!
取り合えず、後で爆笑しているフィクサーにはチョークスリーパーを極めてやった!
-
おかしい。
なぜ、僕はエンジェル幼さんと、彼女が作ってくれた、手作り弁当を食べているのだ?
しかも、二人で。
しかも、このお弁当。
うまい!
うまいと可愛いは正義とは、よく言ったものだ。
-
話がズレた。
なぜに二人?
フィクサーは何処行った?
ナイスガイ男君には先約があった事は聞いた。
それは、仕方ない。
しかし、なぜ、ここにフィクサーがいない!
こんな事を考えながらも、顔はによによしてしまう。
あぁ、エンジェルと二人で、エンジェルの創ったお弁当を食べている。
「お、おいしい?」
エンジェルが顔を真っ赤にしながら訪ねる。
勿論さ、エンジェル!
-
その日、自宅に帰り自己嫌悪に陥る。
僕はなにをしているのだ?
ナイスガイ男君とエンジェル幼さんをくっつけるために、エンジェル幼さんと仲良くしているはず。
今日も、エンジェル幼さんと一緒に帰った。
しかし、この気持ちはなんだろうか。
今も頭の中はエンジェル幼さんの事でいっぱいだ。
…まさか…、僕は…。
いや、それはない!あってはならない!
そうだ、ナイスガイ男君の為だから。
ナイスガイになるためにしている事だから、こうなるのだ!
僕は無理矢理、自分を納得させた。
-
心にもやもやを抱えたまま、半月が過ぎた。
その間、僕はエンジェル幼さんと仲良くなった。
ナイスガイ男君とはちょっと、ギクシャクしているけど、険悪ではない。
フィクサー友はなにやら、忙しそうにしている。
そういえば、最近、女さんをよく見るようになった。
ナイスガイ男君と一緒にいるようだ。
-
そんなある日。
ん?
あそこに見えるのは、エンジェル幼さん!
最近、エンジェル幼さんの姿を見つけると、心が踊る。
しかし、この時は、見つけるんじゃなかったと、後悔した。
-
エンジェル幼さんと、ナイスガイ男君が仲良さそうに話している。
あぁ、なんだ…。
うまくやってるんじゃないか…。
あんなに、楽しそうに、いや、幸せそうに話せてるじゃないか。
もぅ、僕の役目も終わりなんじゃないか。
僕の心のもやもやは晴れたけど、すごい、胸がいたい。
あれ?なんで、こんなに泣きそうになるんだろ…。
無性に叫びたい気分だ。
-
「おぅ、暇か?」
何処かのドラマのようなセリフを言いながら、フィクサー友が現れた。
僕の顔を見るなり、フィクサー友は僕の体を支えてくれた。
余程、ひどい顔をしていたらしい。
情けない、ナイスガイには程遠い…。
-
僕は慌てて、フィクサー友にイケメンスマイルを見せる。
…彼には通用しなかった。
事態を把握した、フィクサーは慌てて、1枚のチケットを渡してきた。
「このチケットを持って、この日曜に遊園地に行け!」
フィクサー友の剣幕に押されて、チケットを受け取ってしまった。
なんなんだ、このチケットは?
-
日曜日。
フィクサー友に言われるまま、遊園地に来てしまった。
あの日から数日間、脱け殻のように過ごした。
その間も、フィクサー友が忙しく声をかけてくれた。
エンジェル幼さんとは、挨拶ぐらいしか会話をしていない。
…辛い。
-
そもそも、なぜ、遊園地なんだ?
しかも、入口で待ち合わせとは。
まるで、デートじゃないか。
しかし、相手はどうせフィクサー友だろう。
男二人で、遊園地とは。
虚しい。
ん?向こうから来るのは。…ッ!
あの姿はエンジェル幼さん!
ヤバイ!顔が自然に笑顔になる!
あぁ、エンジェルだ!エンジェル幼さんが目の前にいる!
-
「お、おまたしぇ///」
例のごとく、見事に噛んで、真っ赤になる。
しかも、私服。
多少、ふりふりしているが、ものすごく、似合ってる!
はっきり言って、ものすごく、可愛い!
僕は浮かれたまま、遊園地に突入した!
-
この遊園地で、エンジェルの新しい一面を見つけた。
エンジェル幼さんは、心霊の類いが得意らしい。
さっきから、お化け屋敷を繰り返し入っている。
僕?
だ、だだだ大丈夫さ!
こ、こここ恐くないさ!
お化けなんてウソさ♪
ガタン!
ギャー!ごめんなさい!ウソつきましたぁ!
-
遊園地で楽しい時間を過ごした。
ナイスガイ男君とどう?
恐くて聞けなかった。
けど、エンジェル幼さんが傍にいる。
それだけで、僕は満足だった。
-
日も傾いてきた時、エンジェル幼さんが、観覧車に乗りたいと言い出した。
二人で観覧車に乗る事になった。
「きれいだねぇ」
こんな、幸せな時間があるとは。
どんどん、高くなる。
-
頂上に近付いた時、夕日が僕達が乗ったゴンドラを照らす。
「ふぁ〜、きれいだねぇ」
エンジェル幼さんの顔を見つめながら、僕は覚悟を決めた。
-
「…どうかし…ふぁ!」
僕はエンジェル幼さんを抱き寄せた。
彼女の存在を確認するように、しばらく抱き締める。
幼さん、大好きです。
僕と、結婚を前提にお付き合いしてください。
僕はエンジェル幼さんに告白した。
彼女は僕の腕の中で小さく、けど、確実に頷いてくれた。
-
その日。
マイエンジェルと手を繋いで帰った。
幸せの頂点で、僕は、もうひとつの覚悟を決めた。
-
後日。
僕はナイスガイ男君を屋上に呼び出した。
屋上に行く途中。
とんでもない話を耳にした。
「男君って、女と付き合ってるんだって!」
「しかも、男君から告白したらしいよ!」
なんとな!?
しかし、なぜ?
あれ?
これ、なんかへんだぞ?
-
屋上に着くと、ナイスガイ男君が待っていた。
色々、考えたが、これしかない!
僕は土下座をした!
『すまない!』
あれ?
ナイスガイ男君も土下座をしている?
しかも、僕のより素晴らしい土下座だ!
流石はナイスガイ男君!
いやいや、違う!
なんだ、これ。
話が見えないぞ?
僕はどんでもない話を聞くことになる。
-
ナイスガイ男君が言うには、全て、フィクサー友の企みらしい。
そもそも、ナイスガイ男君とマイエンジェルは想い合うなかでも、男女のそれではなく。
兄妹の関係に近いらしい。
あぁ、だから、あの優しい目か。
納得。
あれ?
なら、あのマイエンジェルと仲良くってのは?
-
それは、僕に一目惚れした、マイエンジェルから、フィクサー友が相談を受けたらしい。
んで、考えたのがあれだったらしい。
因みに、女さんとナイスガイ男君との仲もフィクサーが取り持ったらしい。
-
そんな話をしていると、フィクサーがやってきた。
僕は、愛と怒りとかなし…違った。
ある意味、感謝を込めてのアルゼンチンバックブリーカーを極めてやった!
-
こうして、僕の一連の出来事は終わりを迎えた。
まさにハッピーエンドだ!
将来の妻のため!
僕はこれからもナイスガイへの道を邁進するつもりだ!
-
そうそう、今、ナイスガイ男君とフィクサー友への仕返しを考えている。
これは、また、別の機会に語りたいと思う。
マイエンジェルが呼んでるので、このへんで!
おわり
-
乙!!
-
なんだこのナイスガイなssは…!
-
保守
-
おつ
-
まさか、このスレが残っているとは!
ありがたいです!
-
少しだけ、感謝をこめて。
女「ナイスガイへの道2」
-
私の名前は女。
昔から人と話すのが苦手で、友達もいない。
ましてや、恋人などもってのほか。
そんな私でも人並みに、恋愛に憧れもあった。
-
周囲ではどこどこへデートに行ったとか。
彼とお揃いのペンダントを買ったなどと、盛り上がっている。
全く羨ましい!
-
私だって、素敵な殿方といちゃらぶしたい!
…どいてくれる?
…ありがとう。
…消しゴム落ちてた。
私の、殿方との今日の会話。
なんじゃぁこりゃあ!!
これじゃぁ、いちゃらぶできん!
-
しまった。
つい敬愛する、ゆーさくが出てしまった。
そんな私に転機が訪れた!
転校生だ。
後で、様子を見てみよう!
-
なんということだ!
かなりの美男子だった!
よっぽどのリア充に違いない!
こうなったら、告白するしかない!
そして、自分に自信をつけよう!
-
「ごめんなさい。僕は誰とも付き合うつもりはないんだ」
まぁ、予想通りフラれた。
けど、この美男子。
名前はイケメンって言ってた。
このイケメン君は、しっかりと私を見て答えてくれた。
私の告白をしっかりと受け止めてくれて、そして、フッてくれた。
なんだろう、気分が清々しい。
一歩前に進めたように感じる。
-
次の日。
私の事が噂になっていたらしい。
「無謀なやつ」
「身の程を弁えろ」
と、散々な噂だったらしい。
けど、私には聞こえなかった。
ある人が、怒ってくれたらしい。
隣のクラスの男という人らしい。
-
この日、私は恋に落ちた。
一言、お礼を言いたくて、男君に会いに行った。
「いいよ、お礼なんて。そんなことより、なんて言えばいいかな、その告白するとか、格好いいと思うよ」
そんな事を言ってくれる彼に、私は恋をした。
-
おぉ〜
楽しみにしてるよ
-
前にも話したが、私に友達はいない。
が、友達「だった」のはいる。
名前は友という。
彼は私の所謂、幼馴染み…になる。
と、言っても小学生までだ。
それからは、疎遠になり。今に至る。
最近、彼も同じ学校だという事に気づいた。
-
男君。いや、これからは、ダーリンと呼ぼう。
うふふ、私の。私だけの秘密///
ダーリン///
ダメだ。顔がニヤける。
しかし、誰も私を見てなかった…。
…ごほん。話を戻そう。
-
友はダーリンと一緒にいることが多かった。
だから気づいた。
…友に相談してみよう。
友のケータイ番号は知らないが、幸い、家の電話番号は分かる。
奥手な私には、考えられない行動力だ。
これも恋の成せる業なのか!
スゴいぞ、これが恋か!
-
「もしもし?」
友か、私だ。
「…私私サギか?」
電話の向こうからからかうような、声がする。
からかってくれるな。…頼みがあるんだ。
私は勇気を出し、友に思いの丈をぶつけた。
行きなり電話して申し訳ない。
親しくないのにこんな事を頼むのは気が引けるが、頼めないか?
「おう!任せとけ!」
私からの無謀とも言える頼みを、友は引き受けてくれた。
その日、私は泣いた。感謝の涙だ。
-
次の日。
中庭で友と待ち合わせた。
これからの事の打ち合わせらしい。
「よ、久しぶり!」
友があらわれた。
…ん?後ろになにかいる?
子犬?
-
驚いた!
友から紹介された。
彼女の名前は幼。
ダーリンの幼馴染みとか。
おいおい、こんな可愛いのがライバルか!
勝ち目がない…!
へ?彼女はライバルじゃない?
なんか、安心したら涙が出てきた。
ダーリンに恋してから涙もろくなった…。
-
イケメンを花京院でイメージした
-
>>71俺のイメージを壊すな、そしてお前のせいでイケメンが花京院でしかイメージできなくなってしまったではないか
-
幼さんが教えてくれた。
ダーリンとは兄妹の関係に近いということ。
そして、幼さんには好きな相手がいること。
今から会いに行くそうだ。
告白はまだ出来ないけど、友から私の事を聞いて、私に会いたくなったそうだ。
「私と友達になっちぇ///」
幼さんが噛みながら、手を差し出してくれた。
私はまた、泣いた。幼さんの優しさに触れて。
-
幼さんが惚れる相手とは、誰だろうか。
なんにせよ、幸福者だ。
おっと、友から話があったのを忘れる所だった。
こらから、ダーリンと会うことが増える、らしい。
そこで、会話して仲良くなれ、らしい。
会話とな。
コミュ障な私に会話とな。
いいだろう!やったろう!
これもダーリンとの仲のためだ!
-
「や、やぁ。…女さんだったよね」
ふぉ!
いきなりダーリンに会って、変な声がでてしまった!
…はい。ダ…男君ですよね。
ダーリンは私を見ながら、少し照れたように話しかけてくれる。
あぁ、私は会話をしている。
愛しのダーリンと///
「それじゃあ、また、放課後で」
ダーリンが笑顔で手を振る。
どうやら、一緒に帰る約束をしたらしい。
…ふぁ!!
また、変な声が出た!
-
放課後。
校門前にダーリンがいる。
見間違いではない。
笑顔で手振っている。
ダーリンが。
私に。
あれ?私歩けてる?
おぉ?右手と右足が同時に出てる?
…待った?
「今、来たところだよ」
〜///
恋人同士の待ち合わせではないか!
-
ここここ、これは放課後デートというのではないか!?
帰り道、商店街を歩く。
先程から、ダーリンと手を繋いでおる!
ダーリンの耳が赤くなってる///
私と手を繋いで、照れてる?
鼻血が出そう〜///
-
その日、私は何を話したか覚えていない。
幸せだったのは覚えている。
ただ、別れ際にダーリンが
「また、明日の朝。ここで待ち合わせで」
ハニカミながら話す。
私は一緒に学校に行く約束をしたらしい。
私はそろそろ死ぬのかもしれない。
幸せすぎだ。
-
次の日の朝。
朝からダーリンと登校。
昨日の夜は、緊張とワクワクで寝られなかった。
遠足を楽しみしていた頃のようだ。
ダーリンと二人ならんで歩く。
ダーリンは笑顔だ。
私も笑顔。
多少、ひきつっているが笑顔は笑顔だ。
-
昼休み。
一人でいると、ダーリンが来た。
二人でご飯を食べた。
…あれ?
ダーリンと会うことが増えると聞いたけど。
これは、会うどころか、一緒にいる事が多くなるでは?
…しかも、勘違いでなければ、ダーリンは私を…好いている///
うん、私はそろそろ死んでしまうらしい。
じゃないと、ここまでうまい話はない!
もしくは、罰ゲーム?
…そう考えた方がしっくりくる。
そうだとしたら、…哀しいなぁ
-
放課後。
待ち合わせをして、ダーリンと一緒に帰る。
自然と手を繋ぐ。
離したくない。
例え、罰ゲームだとしても
今、このとき、この手は私の手と繋がっている。
自然と手に力が入る。
「どうしたの?」
ダーリンが私を覗きこむ。
はぅ!
顔が赤くなる。
-
な、なんでも、ない、よ
「そう?」
ダーリンは突然、真剣な顔つきになった。
どうしたのだろう。
まさか、本当に罰ゲームだった?
「女さん!君が好きだ!付き合ってほしい!」
告白だぁ!
スゴいぞ!生で見れた!
これが、告白かぁ。
いいなぁ、女さん。
告白されて…。
ん?
…女さんって、私だぁっ!
こ、答えなきゃ、告白のへ、返事を…。
な、なんて答えようか。
-
は、はい。
こ、ことらこそ、よろすく///
…噛んだぁ!
-
噛みすぎだろw
-
盛大に噛みはしたが、はれてダーリンと恋人同士になった。
これは、夢ではなかろうか!
家に帰り、頬をつねる。
痛い。
良かった!夢じゃない!
-
取り合えず、友に報告をしないと。
…私だ。
ケータイの向こうから声が響く。
「おめでとう!話は聞いた!」
どうやら、ダーリンが先に報告していたらしい。
しかも、ダーリンも、友に私との仲を取り持ってほしいと頼んでいたらしい。
相思相愛///
良い響き。
-
その日、幸せな気持ちで眠りについた。
ーー…おねぇちゃぁーん!
どうしたの、女?
友が向こうで泣いてるよ。
ごめんね、もう、私はダメなの。
なんで?友とあんなに仲良かった…
ダメなの!
おねぇちゃん?
…ごめんね、女。友のこと、よろしくね。
待って!待ってよ、おねぇちゃぁーん!
…ーー
-
夢をみた。
随分、昔の夢。
多分、私が小学生の頃の出来事。
当時、私と友は幼馴染みでよく一緒にいた。
もう一人、年上の女性と仲が良かった。
あの頃、中学生か高校生のおねぇちゃん。
名前は、先輩。
友の憧れの女性。
今、どうしてるのだろう。
-
このところ、昔の夢をよく見るようになった。
友といることも増えたからなのか?
ダーリンとはいちゃらぶしている。
まるで、夢のようだ。
ただ、夢の中のあの人が気になる。
なぜ、今になって思い出すのだろう?
友に聞いてみようか…。
友はあの人に好意を抱いてはず。
何か知っているかも。
-
学校で友に聞いてみた。
「…あの人の事は知らない」
友は、いつもの笑顔はなく、淡々と答えた。
これ以上は踏み込まない方がよい。
私の菜かで警報が鳴り響いた。
-
支援
-
ダーリンと付き合いはじめて半月がたった。
あの人の夢を見ることはない。
けど、夢の中で見た、哀しい顔が忘れられない。
そんなある日。
-
「私達、付き合ってるの」
「色々あったけど、真剣に交際しているんだ!」
幼さんとイケメン君が、私とダーリンに報告してきた。
ダーリンは先に知っていたので、正確には、私にだ。
!!
まさか、幼さんが惚れた相手はイケメン君だったとは!
なかなかお似合いの二人だ!
-
話を聞けば、二人の仲を取り持ったのは友らしい。
友のやつ、なかなかの腕前!
「フィクサーにお返しをしないと…」
イケメン君の呟きが聞こえた。
…フィクサー?
「いや、友になにか仕返しをしたいなと思ってね」
慌ててイケメン君が提案した。
フィクサーかぁ、なるほど。
私も友をそう呼ぼう。
-
話して良かったのか、後悔している。
ダーリンとイケメン君が、友に何かお返しをしたいと相談していた。
私はつい、夢の話をしてしまった。
二人はしばらく考え込んでいたが、イケメン君がなにか閃いたらしい。
二人は友の所へ行ってしまった。
これで良かったのだろうか。
-
その日の夜。
ダーリンから、連絡があった。
なんと、イケメン君が友から先輩の事を聞き出したらしい!
あの友が話すとは信じられない!
イケメン君から、初恋の話を赤裸々に語ったらしい。
イケメン君、なかなか侮れないヤツ!
そうだ、彼の事をナイスガイと呼ぼう!
外見は優男なのに、気持ちは熱いヤツ!
-
http://www.fc-business.net/qgesw/
-
一言、言わせてください!
メリークリスマス!!
-
もうちょびっと、続きますね。
-
ナイスガイが友から、先輩の話を聞き出してから、数日後。
私は一人、町を歩いていた。
欲しい本があったから買い物に来ていたのだ。
それは、突然だった。
-
人混みの中に、あの人を見つけた。
「…。先輩?」
間違いない!
あの姿は、あの笑顔は先輩だ!
私は駆けた!
生きてきた中で一番走った!
-
「先輩!」
私は追いかけ、声をかけた。
その人はゆっくりと振りかえる。
…あれ?先輩にアホ毛なんてあった?
-
えぇと…。
見事な、アホ毛…。
「あ、あの…」
「も、もしかして。女ちゃん?」
アホ毛の人は、目に涙をためている。
あぁ、この顔だ…。
間違いない。 先輩だ。
この人いつから、こんな哀しそうな顔をしているのだろう…。
-
私は先輩と喫茶店に入った。
そこで、話した。
今までのこと。そして、私に彼氏ができたこと。
先輩は自分の事の様に喜んでくれた。
少し淋しそうな眼をして。
この人はこんな眼をする人じゃなかった。
-
「おめでとう、女ちゃん!」
「…それに比べて、私はダメね」
先輩が俯き、瞳の色が一層暗くなる。
なにがあったのですか?
私はその一言が怖くて聞けなかった。
たった一言なのに。
それを言えば、この人を更に追い込む。そう感じられたから…。
-
その日は、ケータイ番号を交換してわかれた。
どうしよう、今の先輩は見ていられない。
私には直感があった。
昔の明るくて、皆を元気にしていたあの笑顔の先輩。
笑顔が、笑顔でなくなったのはあれからだ。
友と分かれてからだ。
-
私はダーリンに電話をした。
「もしもし、どうかした?」
電話口から優しい声がする。
とても安心する声だ。
「あのね、友の事なんだけど…」
私は自分の思いをダーリンに話した。
友と先輩の事。多分、二人は昔の出来事で、前に進めてない事。
多分、友は人の恋愛相談を受ける事で、自分の気持ちを隠している事。
そんな友を見ていられない事を…。
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それから、しばらくダーリンは難しい顔をしていた。
「分かった。俺に任せてくれ!」
ダーリンは力強く言った。
迷いのない眼をしていた。
ダーリンは誰かと電話をしていた。
多分、あのナイスガイだ。
友の時間が動き出す…。その時が来た。
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このスレまだあったのか…
支援
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やっべ!
間違えてる!
電話して、会ってるって事にしてください!!
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ダーリンと、ナイスガイの行動は早かった。
友と先輩の両方に話をしに行ったらしい。
ダーリンは友に。
ナイスガイは先輩に。
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はてさて
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僕の名はイケメン。
ナイスガイを目指している。
友が、自分の恋を諦めようとしている。
そんなこと許せるはずない!
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お、久しぶり
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男君と相談して、友のために何かできないか、考えた。
「悩んでても仕方ない!」
僕は、感情のまま走る事にした。
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