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マリ「恐い怖い」
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どうも(´・ω・`)
エヴァSSです。宜しければご覧下さい(*´ω`*)
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怪談(かいだん)とは、怖さや怪しさを感じさせる物語の総称。
元来、死に関する物語、幽霊、妖怪、怪物、あるいは怪奇現象に関する物語、民族を題材にした物語である
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茹だるような暑い夏の日。
葛城ミサトのマンションにてチルドレン達は揃っていた
アスカ「あぢぃぃー・・」グデー
綾波「・・・」グデー
マリ「に゛ゃあぁぁー」グデー
シンジ「3人ともだらしないなぁ」パタパタ
アスカ「シンジィむぎちゃあー」
綾波「碇君、かき氷。イチゴみるくで」
マリ「私はわんこくんの熱いベーゼぇ」
シンジ「アスカは自分でして。綾波もそんなもの置いてないから諦めようか。マリさん暴走しない」
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アスカ「コネメガネェ・・アンタぶっ殺すわよー」
マリ「嫉妬は醜いにゃー・・」
綾波「ぽかぽかぁ」
シンジ「エアコン壊れたのは参るね。この暑さ・・」
アスカ「その団扇でわたしもあおぎなさいよ」
シンジ「絶対嫌だ」パタパタ
マリ「あ、じゃあ姫ダメなら私はいいよねー?」
アスカ「コネメガネ、今すぐガリ○リくん買ってきて。30秒以内ね」
綾波「私、コーラ味・・」
マリ「わんこくーん。2人がいじめるよぉ」
シンジ「はぁ・・」
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ピンポーン
アスカ「誰かきたわよぉー」
シンジ「カヲルくんかな」
シンジ「はーい」ドアガチャリ
カヲル「やあシンジ君」
シンジ「外暑かったでしょ?中入りなよ。中も対して変わらないけど」
カヲル「お邪魔します。・・うん、本当に変わらないね」
シンジ「あはは・・」
カヲル「お土産にアイス買ってきて正解だったかな」
シンジ「わあ、ありがとう」
"
"
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カヲル「良いさ。シンジ君に喜んで貰えるなら僕はその為に何でもするよ」
シンジ「はは。大袈裟だよカヲルくん」
カヲル「ところでシンジ君」
シンジ「?」
カヲル「君の汗がたっぷり染み込んだそのシャツを僕にくれないかい?」
シンジ「はは。カヲル君、僕のシャツの袖掴むのやめて」
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ーーリビングーー
シンジ「みんなーカヲルくんからお土産貰っ」
アスカ「げっ、ホモじゃん。帰れ」
綾波「殲滅されたくないならゲイは私と碇君の家から消えて」
マリ「そーだそーだ。かえれかえれー・・ん?」
シンジ「ちょっ、みんな酷いよ」
カヲル「いっそ清々しくなるよ。ここまで言われると」
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アスカ「ってかファースト。妄想を口にだしてんじゃないわよ」
アスカ「脳ミソ沸騰してんのかしら。この人形女」
綾波「おこ?」
マリ「姫、激おこなの?」
綾波「ムカ着火ファイヤー?」
マリ「激おこぷんぷん丸?」
アスカ「うわー・・・まじムカつくこいつら」
シンジ「ほらほら、喧嘩やめよ?カヲルくんアイス買ってきてくれたから」
アスカ「ホモ!たまには気が利くわね!」ガバ
綾波「・・・アイス。ゲイが買ってくれたアイス」ムク
マリ「練乳入りあったらパスで。なんか別の練乳入ってそうじゃん。ホモだし」ダラー
カヲル「ふふ、僕何かした?」
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そうして5人はアイスを食べ始めた
マリ「ふぁー生き返るにゃ」シャリシャリ
アスカ「少し涼しくなったわ」シャリシャリ
綾波「ガリ○リ君美味しい」シャリシャリ
シンジ「うん。美味しいねぇ」シャリシャリ
カヲル「夏って感じがするよ」シャリシャリ
ーー10分後ーー
シンジ「・・・ッ」
マリ「うに゛ゃあああ」
綾波「ぽ・・かぽか・・」
アスカ「あああああっ!あっついわねぇ!!」
カヲル「うん。これは・・きつい」
暑さでダウン寸前になっている。
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アスカ「イライラするわね!なんとかしなさいよバカシンジ」
シンジ「えぇー・・」
マリ「んじゃんじゃどっか涼しいとこいこーぜ!」
綾波「どこに・・?」
カヲル「プールとかはどうかな」
アスカ「うー・・人混みがヤバそう」
綾波「図書館はどう?」
マリ「えー暇じゃん。騒げないし」
シンジ「デパートに食材買いに行くついでに涼むのは?」
アスカ「却下」
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シンジ「え、理由は?」
アスカ「アンタ一人で行きなさいよそんなの」
シンジ「鬼だ・・」
マリ「あ、じゃあ私がわんこくんとデパートいこっかにゃ」
アスカ「!」
シンジ「マリさんいいの?」
マリ「わんこくんとならどこでもいいよ」
マリ「なんならホテルでも♪」ニヤリ
シンジ「え!?」
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カヲル「ははは。その役目は運命で決まってるからね。僕という存在に」
綾波「碇君とぽかぽかするのは私。ゲイとエセ中学生は黙って」
アスカ「むー!」
アスカ「とにかくデパートはなしっ!!他の探すわよ」
シンジ「他って言ってもさ・・僕らがよく行くとこなんてネルフぐらいだよ?」
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マリ「ネルフかぁ。クーラーはガンガンだろうね」
綾波「でも行ってもすることがないわ」
カヲル「使徒は全部倒したから定期起動実験以外では呼ばれないしね。何よりこの炎天下の中、ネルフまで歩いていくのかい?」
マリ「うぇ、歩くのパース。わんこくんおぶってくれるならいいけど」
シンジ「なにその苦行」
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アスカ「夏・・スイカ・・花火・・祭り」ブツブツ
綾波「碇君、セカンドが何か呟いてるわ」
シンジ「なんか嫌な予感がする」
アスカ「肝試し・・怪談・・・そう!怪談よ怪談!」
マリ「怪談?」
アスカ「昨日テレビでやってたわ。夏の暑い日には日本人は肝を冷やして涼を感じるって」
シンジ「昨日は特番で心霊番組のスペシャル見てたもんねアスカ」
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アスカ「みんなで恐い話をして暑さをぶっ飛ばすのよ!」
カヲル「怖い話、か」
マリ「面白そうじゃん♪やろーやろー」
綾波「碇君、どうするの?」
シンジ「うーん・・まあいいんじゃないかな」
アスカ「んじゃ決まりね!」
アスカ「そうと決まれば・・・」ケイタイダシダシ
ぴ、ぽ、ぱ。とぅるるぅー
-
ーーネルフーー
書類整理中の二人
ミサト「ビールぇビールぇビールぇビールぇビールぇ」
リツコ「いい加減にしなさいミサト。暑いのは皆一緒よ」
ミサト「だってぇー!!節電でクーラー切るとか普通する!?」
リツコ「それだけ日本は切迫詰まってるのよ」
ミサト「キンッキンに冷えたビール飲みてぇー!」
リツコ「黙りなさいアル中。それに良いことじゃない、地球にも経済にも優しいエコライフ」
ミサト「ほんっとリツコは優等生だこと」
-
とぅるるぅーとぅるるぅーとぅるる
リツコ「携帯鳴ってるわよ」
ミサト「ん。アスカ?」
ぴっ
ミサト「はーいはーい」
ゴニョゴニョゴニョゴニョ
ミサト「はぁ?急にどうしたのよ」
モニョモニョモニョモニョモニョモニョ
ミサト「ふんふん」
ニャニャニャニャニャニャニャニャ
ミサト「あら、面白そうじゃない」
ワンワンオワンワンオワンワンオ
ミサト「ま、いっか。ただ気をつけてくるのよ」
ミサト「夕御飯も食べてきてね」
タンタンタンウンタタン
-
ぴっ
リツコ「何だって?」
ミサト「いやぁ中学生って青春だわ」
リツコ「はぁ?」
ミサト「あ、リツコも夜暇でしょ?実はねーーー」
-
時間は流れて夜19時30分。
チルドレン達はネルフにいた
ーーネルフにある一室ーー
わいわいがやがや
シンジ「・・・」
綾波「りんごジュース美味しい」
カヲル「ふふ、賑やかだね」
マリ「ふぁー」
アスカ「・・・ねぇミサト」コソコソ
ミサト「なーに?アスカ」
アスカ「なんでみんないるのよ!」コソコソ
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ミサト「人は多い方がいいでしょ?」
青葉「なんか学生時代思い出さないか?」
日向「よくやったよ。懐かしいなぁ」
マヤ「先輩!わくわくしますね」
リツコ「まあ、こういう息抜きも必要・・・かしら?」
加持「童心に帰るってのもいいじゃないかリっちゃん」
冬月「碇、話の準備は出来てるのか?」
ゲンドウ「問題ない」
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アスカ「仮に他は良いとしても」チラッ
ゲンドウ「・・・」
アスカ「司令と副司令までいるわよっ!?」コソコソ
ミサト「・・仕方なかったのよ。本当は隠れてやろうと思ってたけどリツコの奴、司令にばらしたから」コソコソ
アスカ「はぁ!?」コソコソ
アスカ「シンジの顔見なさいよ!彼女とデートしてたら昔の彼女に偶然逢って気まずいような顔してるわよ」
ミサト「何よその例え」
アスカ「うっさい!」コソコソ
ミサト「それに」
ミサト「夜に思春期の子どもをほったらかしにしたら赤ちゃん作っちゃうかもしんないしねー」ニヤニヤ
アスカ「なっ・・///」
ミサト「そんなにシンちゃんとくっつきたいの」ニヤニヤ
アスカ「うっ、うっさい!ちがうわよ///!」
-
ミサト「へー」ニヤニヤ
アスカ「」イラッ
アスカ「こんな時だけ保護者面して・・メタボビール三十路女」
ミサト「」グサッ
ミサト「アスカ。あなた来月分と再来月分の小遣いなしだから」
アスカ「はぁ!?」
-
冬月「さて、そろそろ始めるとするか碇」
ゲンドウ「ああ」
冬月「皆いいかね」
全員、冬月を見る
冬月「まず集まってくれて有難う」
冬月「何かと忙しいと思うが今日はこの機会にレクリエーションと親睦、チルドレン達の要望も兼ねて」
冬月「百物語をする」
おー!ぱちぱち
わいわいぱちぱち
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冬月「実際、百話も話たら時間が足りないので順番に人数分だけ話していく」
シンジ「は、話が大きくなってるね」
マリ「まあまあわんこくん」
冬月「しかし、ただ話すだけではつまらないだろう」
冬月「こんな物を用意した」
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蝋燭と座布団
冬月「尚、最後に誰の話が一番恐く涼しさを感じさせたのか決める」
冬月「そして一番恐い話をした者には特典を用意させて貰った」
おぉー!!
冬月「各自、特典目指して頑張ってくれ」
冬月「最後に碇」
ゲンドウ「ああ・・・諸君」
ゲンドウ「普段、会話をしない者をよく知るチャンスだと思い積極的にコミュニケーションを取るように」
ゲンドウ「・・・」ジッー
ミサト「(うわぁ・・シンちゃんガン見してる)」
シンジ「(何言ってんだ
ろ父さん)」
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冬月「全員好きな場所に座ってくれ」
それぞれ座布団に腰を降ろす
マリ「私わんこくんの隣もっーらい!」
アスカ「あっコネメガネ!」
綾波「ずるい。交換を要求するわ」
カヲル「僕はシンジ君の膝でも構わないよ」
アスカ「ほんっとホモアンタまじで殴るわよ?」
ゲンドウ「・・・」
シンジ「と、父さん?」
リツコ「ちゃっかりシンジ君の横座ったわよ司令」
ミサト「関係修復に必死なんじゃない」
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左から
①シンジ
②マリ
③アスカ
④綾波
⑤カヲル
⑥冬月
⑦リツコ
⑧マヤ
⑨日向
⑩青葉
⑪ミサト
⑫加持
⑬ゲンドウ
に円の形になって座っている
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冬月「ふむ。全員座ったな?」
冬月「それではシンジ君から左に順番に話していこうか。最後は碇お前だ」
冬月「雰囲気を出す為に電気は消すから蝋燭に火を点けて話終えたら吹き消してくれ」
シンジ「え、僕からですか?」
マリ「わんこくんふぁいとー♪」
アスカ「バカシンジの話なんて怖くないだろうけど聞いてあげるからさっさと話しなさい」
綾波「期待してるから碇君」
カヲル「どんな怪談なのか楽しみだよ」
ミサト「トップバッターは肝心よ!」
ゲンドウ「・・・」
シンジ「・・あんまり期待しないで下さいね」
加持「それじゃ電気消すぞ」
ぱちっ
ライトが消え暗闇に蝋燭の火が灯る。
-
シンジ「えっと、この話は僕が小学生の時に体験した話です」
加持「お、体験談か」
シンジ「はい」
マヤ「あんまり怖くないといいなぁ・・」
シンジ「それじゃ話しますね」
-
終わる時は終わりって言ってほしいんだが…
ひとまず乙それから期待
-
冬の怪談も良いな
期待
-
『おねえちゃんとみよちゃん』
当時、僕は叔父さんと叔母さんの所で暮らしていました。
近くの小学校に通ってたんですけどあんまり馴染めなくて・・クラスには友達もいないし一人で過ごす事が大半でした
え?父さん急にどうしたの!?
すまないって、ちょっ泣かないでよ!
-
あっ・・はい。続けますね
それで近所にある公園で一人でよく遊んでたんです。
おねえちゃんと初めて会ったのは終業式も終わって夏休みに入ったばかりの日でした。
「なにしてるの?」
「え・・」
「私は○△×。ボクはなんて名前?」
「碇・・シンジです」
「シンくんは××小学校?」
「うん」
「お姉さんも去年卒業したんだよ。今は中学生」
「・・・」
「砂遊びしてるの?」
「うん」
「私もまぜてくれる?一緒にお城作ろう」
-
最初は変な人かなって思ってたんですけどね。
でも、誰かと遊ぶなんて久しぶりだった僕はすぐにおねえちゃんと打ち解けて日が暮れるまで遊んでいました。
「もう帰らなきゃ・・」
「そっか。気をつけて帰ってねシンジくん」
「また・・・遊んでくれますか?」
「うん!明日もこの公園で待ってるよ」
-
それから僕は毎日、公園に遊びに行きました。
僕がおねえちゃんを待つ時もあったし、おねえちゃんが待ってくれている時もありました。
砂遊びやかくれんぼ。
鬼ごっこに川遊び。
時には町の図書館で夏休みの宿題も手伝って貰いました。
おねえちゃんに会うのが楽しみで仕方なかった
おねえちゃんは僕にとって本当の姉のような存在になっていました。
ただ
おねえちゃんはよく怪我をしてたんです。
頬にガーゼを貼っていたり
腕に包帯を巻いてたり
酷い時には顔が痣だらけの時もありました。
「その怪我どうしたの」
幾ら聞いても、おねえちゃんは困ったように笑うだけでした。
-
ある日、おねえちゃんは人形を持ってきました。
「シンジくんに紹介するね。この子はみよちゃんっていうの」
「みよちゃん?」
「私の大切な家族なの」
みよちゃん
そう呼ばれた人形は髪はぼさぼさで所々に焼け焦げたような染みがあり、正直に言えば不気味な人形でした
「シンジくんには特別に紹介したんだよ?みよちゃんは恥ずかしがり屋さんだから」
「ねーみよちゃん♪」
「・・・」
おねえちゃんは楽しそうに人形に話掛けます。
-
人形が気になったけどその日も普通に夕方まで2人で遊びました。
そして、次の日からずっとおねえちゃんはみよちゃんを持ってきました。
本当は人形は置いてきて欲しかったんです。
でも、そんな事を言って嫌われたら・・って思うと言えませんでした。
だけど程無くして
おねえちゃんは公園に来なくなったんです。
朝から夕方まで待ってみてもおねえちゃんは来ませんでした
-
毎日毎日、公園に行ってはおねえちゃんを待った
でもおねえちゃんは現れる事はなかったんです。
時間は流れ夏休みも終わりに近づき始業式の前日。
いつもみたく公園で座っているとおねえちゃんがいました。
「ひしぶりシンジくん。ごめんね、急に来れなくなって」
-
「おねえちゃん!」
僕はおねえちゃんに駆け寄ります。
けど久しぶりにあったおねえちゃんは浮かない顔をしていました。
そして
「今日はね、おねえちゃんシンジくんに大事な話があってきたの」
「だいじなはなし?」
「おねえちゃんね、遠くに行かなきゃいけないの」
「え」
-
「だからねシンジくんと会えるのは今日で最後になっちゃうかもしれないの」
「いやだ!そんなのいやだよ」
「・・おねえちゃんと離れるのいや?」
僕は泣きながら頷きました
「じゃあシンジくんも一緒にいこう」
「いいでしょ?みよちゃん」
みよちゃん?
いつの間にかおねえちゃんの後ろに女の人がいました
髪はぼさぼさでぼろぼろの洋服を着た
所々に見覚えのある染みがある
あの人形のような女の人が立っていたんです
-
ぼさぼさの髪で女の人の顔は僕からは見えませんでした。
カタカタカタカタカタカタ
それはビデオの早送りを見てるかのような奇怪な動きでした。
「どうして?」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
「どうしてもダメなの?シンジくんは私の友達だよ」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
おねえちゃんの問い掛けに反応するかのように動いていました。
-
「・・・そっか」
「ごめんね、シンジくん。みよちゃんはシンジくんはダメだって。まだ小さいから連れていけないって」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
「私ぐらいに大きくなったらいつか迎えにくるって」
「・・・シンジくん、元気でね」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
おねえちゃんがそれだけ言うと
みよちゃんと呼ばれた女の人がおねえちゃんの手を掴んで走って行ってしまいました。
今でも忘れられません
僕は怖くなって叔父さん達の家に急いで帰りました。
-
そして、これは後から知った事です。
-
おねえちゃんは僕の近所にあるアパートに住んでいて
不登校で学校には行ってなかった
母子家庭で母親から酷い虐待を受けていて
妹がいた
おねえちゃんは死んでいた
おねえちゃんは僕と最後に会った三日前に自宅で撲殺されていて・・
全部、当時の新聞に記載されてました。
-
母親からの過度な暴力によるショック死が原因で隣人が異変に気づいて警察に通報。
母親には以前より娘へのネグレクトの疑惑がかかっていておねえちゃんの妹は四年前に死んでいた。
妹の名前は美代
-
あの時、おねえちゃんがみよちゃんと呼んだ女の人は一体誰だったんだろう。
優しいおねえちゃん
疑問は沢山ある
けど、今となっては知る術はない。
気掛かりなのは
『私ぐらい大きくなったらいつか迎えにくるって』
僕は今14才。
早く夏が過ぎればいいのに
シンジ「ーーーーこれで終わりです」
-
シンジきゅん、一発目から…
-
ビデオの早送りの様な動きワロ…エナイ…
本怖の案山子思い出してgkbr
続き楽しみ
-
アスカ「・・・」
綾波「・・・」
ゲンドウ「・・・」
冬月「ふむ」
シンジ「え、なんですか。皆黙らないで下さいよ」
-
マリ「いやぁ、わんこくんさハードルめっちゃ上げ過ぎ」
日向「普通にびびったよ」
青葉「俺も」
加持「確かに怖かったな」
ミサト「雰囲気もでてたしねー」
リツコ「・・シンジ君、本当に貴方の体験談なの?」
マヤ「きゃ、脚色してるよね?」
アスカ「そ、そーよ。バカシンジ正直に言いなさい」
シンジ「いや、本当だよ!」
-
シンジ「だって僕さっき話したみよちゃんと同じ幼稚園だったんだから」
アスカ「・・・え」
シンジ「最近、知ったんだけど幼稚園の卒園式に配られたアルバムを見て気づいたんだ」
シンジ「みよちゃんの写真と名前があったから」
シンジ「もしかしたら、おねえちゃんは昔から僕を知ってたのかもしれない」
シンジ「それで遊んでくれたのかなって」
ミサト「(余計、怖いわ)」
一同、黙りこむ
シンジ「いや、シーンってするのやめてって!」
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シンジ「だって僕さっき話したみよちゃんと同じ幼稚園だったんだから」
アスカ「・・・え」
シンジ「最近、知ったんだけど幼稚園の卒園式に配られたアルバムを見て気づいたんだ」
シンジ「みよちゃんの写真と名前があったから」
シンジ「もしかしたら、おねえちゃんは昔から僕を知ってたのかもしれない」
シンジ「それで遊んでくれたのかなって」
ミサト「(余計、怖いわ)」
一同、黙りこむ
シンジ「いや、シーンってするのやめてって!」
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カヲル「ふふふ。僕はシンジ君の怪談面白かったよ」
シンジ「ありがとう、カヲルくん」
冬月「それでは次に行くとしようか。シンジ君、火を消してくれんかね?」
シンジ「あ、はい」フッ
蝋燭の火が消える
マリ「次わたしかぁ」
マリ「んじゃ!まっいっちょ話すとしましょうか」
マリが蝋燭の火を再び点ける
アスカ「(コネメガネなら大丈夫よね)」
カヲル「期待してるよ」
日向「盛り上がってきたなぁ」
リツコ「私も何を話すかちゃんと決めないと不味そうね」
マリ「これは私がまだイギリスにいた頃の話なんだけどね」
-
『懺悔』
イギリスの北西の山がちな地域
カンブリア山脈近辺の田舎町に一時期住んでたことあるんだけど
あーうん。そこそこ.
町の名前は勘弁してね。私も言いたくないから
-
なんでって?まあ、話聞いてればわかるよ
とにかくつまんない町でさ
自然が豊かなだけで他は遊ぶような所もないし若い子なんて全くいない
あまりにも暇だったんでよく教会に遊び行ってたのね
ボローい教会でいるのはそろそろ神様に会いにいけるんじゃね?って感じの足が不自由な高齢の神父様と30代ぐらいの無愛想なシスター
-
「やあ、今日も来てくれたんだね」
「だって暇なんだもーん」
「ははは。若い子には退屈な町だから」
「クッキーでも食べるかい?」
「たべる!たべる!」
「□△や。すまないがクッキーを出してはくれんかね」
「はい。神父様」
優しい神父様。暇潰しできてる私にいつもおやつを食べさしてくれたり
「でさー!テレビでね」
「うん、うん」
一方的に私がいっつも話てたんだけどニコニコしながら聞いてくれた
-
シスターはいつも神父様に付き添うように一緒にいた
「もう少し年頃の女性らしく謹みのある行動と言動を心懸けなさい」
「ぶっーぶっー」
口を開けば私に説教ばかりするシスター
この2人がいたから辺鄙な町の暮らしもなんだかんだ楽しかったよ
んでね、ある日遊びに行ったら珍しく2人がいなかったんだ。
-
「いないのー?」
返事もなくて閑散とした教会に私一人
「うっし!探検でもしよーっと」
まあ、こうなっちゃったよね
礼拝堂、懺悔室、裏庭、墓地
一通り探検したら鍵がかかってる部屋を見つけたんだ
「なんだろここ」
好奇心旺盛な私はどうしても部屋に入ってみたくなってね
「ここをこーしてっと、んっしょ・・」
カチャン
ピッキングして開けちゃった
-
ん?ピッキングなんて覚えてたのって・・
乙女のたしなみじゃん
「なーんもないにゃ」
部屋の中は狭く、机の上に一冊の日誌が置かれてるだけ
「もしかして日記かな?」
人の日記見るなんてちょっと罪悪感あったけど
「ちょこっとだけならいいよね!」
見ちゃったんだ。
今思えば見なきゃよかったのに・・
それは神父様の日記だった
「これって・・」
-
19○×年×月□日
少女に憑いた悪魔払いを引き続き行う。
聖水も祈祷もまるで意味をなさず私を嘲笑うかのようだ
彼女が話せる筈のないラテン語で口にしてはならないような卑猥な言語を私に投げ掛ける
この悪夢が一刻も終わる事を主に願う
-
19○×年×月○日
大変な事態になってしまった。
少女の皮膚の腐敗が一気に進行している。
最早、縄で抑えて置く事も
ヤドリギの冠も効果を成さないだろう。
このままでは悪魔に体を心を乗っ取られるのは時間の問題だ
荒療治になるが、もうこの方法しかない。
-
19○×年×月□日
私に・・・一人の少女の未来を奪う権利はない。
助命した彼女は一体これからどう暮らして行けばいいのだ?
女性としての幸せを奪い、生きる事が苦痛になるのではないか?
私は最低のエクソシストだ
すまない・・・□○□□
私を許しておくれ
「これって・・・」
-
神父様はエクソシストだった。
体験談を細かく綴り、神父様の視線から様々な悪魔払いの様子が書かれていて
私は引き込まれるように日記を読んだ。
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19□□年△月△日
この子に悪魔など憑いていない。
悪魔等誰にも憑いていない!
それにこのような拷問が解決策に成りうる筈がなかろう
直ぐにでも教会本部と連絡を取りこの子を保護しなくては
-
19□□年△月×日
悪魔はあの男そのものだ。
かつて魔女狩り異端審問を正義と信じ、盲信したカトリック教の教徒のように
あいつの言葉に惑わされている。
悪魔より業が深く悪魔よりも欲が知れない魔物のような男
私は何としてでも彼女を救いたい。
19□□年△月○日
主よ、ただ一度だけあなたの教えに背くことをお許し下さい。
願わくば主のお導きがあらんことを・・・
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19□□年○月△日
二度と私がエクソシストとして悪魔祓いをする事はない。
なのでこの日誌も今日で最後にする。
私は今まで358人の人間の悪魔祓いをした。
だが、本当に憑かれた人は数少なくその実態は人間の性が引き起こす物が大半であった。
神の名のもとに蛮行を繰返し苦痛だけをーーーー
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「マリッ!なにしてるの!!」
「にゃ!?」
後ろを向くとシスターがめちゃくちゃ怒った顔で立っていた。
「ご、ごめんなさ」
「着いてきなさい。神父様の所に行きます」
いやぁ、怒られるんだろーなって思ってたよ
-
でも
「マリ、まあ座りなさい」
いつものように神父様は笑っていたんだ
「見たんだね?」
「・・・うん」
一瞬、神父様は哀しそうな顔をした
「いやぁ、恥ずかしいものだね。自分の愚行を知られるという事は」
「愚行って・・神父様はエクソシストで沢山の人を助けてたんでしょ?」
-
「・・・」
「私はね、助けてなどいないのだよ」
「え」
「悪魔に取り憑かれた人間なんて滅多にいやしない」
「そもそも見極めすら困難だからね」
「大抵はてんかん発作だったり解離性の人格障害だったりと病気が原因だった」
「私はね、そんな人達を縛りつけ無理矢理、聖書を聞かせ、祈祷をし挙げ句の果てには更に悪化させた」
「本当に悪魔に取り憑かれた人間は最早、人の手に負えない」
「助かった人も身体や精神に重大な障害が残ったりね・・」
「誰一人ちゃんと助けてなんていなかったんだよ」
-
「そんな」
そのあと、神父様は真剣な眼差しで私にこう言った
「・・・マリ、君は若い。この町から出て広い世界を見なさい」
「一つの事に盲信せず、色々な物を見て学びなさい」
「そうすれば私のような人間にならなくて済む」
何も言えなかった
「説教臭くなってしまったね。いやはや歳は取りたくないものだ」
「□△。もう遅いからマリを家まで送っておやり」
「はい、神父様」
-
帰り道すっごい空気重くてさ。
私も神父様から言われた事とあの日記の内容が頭から離れなくて悶々ってしてたんだ
したらシスターが
「日記は全部見たんですね?」
「うん」
「そうですか。なら少し昔話をしましょう」
-
そう言ってシスターは話始めた
「昔、この町に差別主義者の神父がいました。とても威圧的で傲慢で自己顕示欲の塊のような人間でした」
「ありもしない事実を捏造し、信仰の名の下で少しでも自分に異を唱える者には説教と称して拷問を行いました。苦しめ、惨たらしく・・・」
「け、警察は?」
「誰も警察には言いません。何故ならその男は口が上手く、巧みに人々の心を掴みあたかもこれが正義だと信じこませたのです」
「そんな」
「・・そして、雪が降る寒い日でした。町で一番小さい少女が説教を受ける事になりました」
「理由は、少女の親が交通事故を起こし死んでしまったのは少女が悪魔に取り憑かれていたから、だと」
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「そんな云われもない理由で少女は酷い折檻を受け、辱しめられ、絶望しました」
「町の人々もこれも少女の為だと、助けようとはしません」
「そんな時でした。一人の神父様がこの町に来たのは」
「神父様は直ぐに町の異常差に気づき、人々に伝えました」
「こんな事を神は望んでいない。教会は異端審問じみた拷問を許してはいない。今すぐあの神父を止めるべきだ、と」
「町の人々も熱心な神父様の姿とかけ離れたあの神父の振るまいに疑問を抱きました」
「遂に町の神父は罪を問いただされ、少女は救われました」
「町の人々は神父様に感謝しました。そしてその少女は一生を神父様と神父様に出逢わしてくれた神の為にこの身を捧げる事にしたのです」
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「長くてなってごめんなさい。これでも短くまとめたつもりでしたが」
話終えたシスター
私は聞かずにいられなかった
「シスター・・・その少女ってシスターなの?」
「・・・・見えるかしら」
シスターは修道着で隠された右腕を巻くって見せてくれた。
酷い火傷の痕と鞭で叩かれたような傷が何本も残っていた。
-
「あっ・・・ご、ごめんなさい!」
「いいのよマリ。ただ、貴女には知っていて貰いたいの」
「神父様は偉大なエクソシストだった。救われた人もいたのよ、私みたいにね」
もう、感動したよ。ジーンってさ!!
シスターも神父様も最高って。
・・・でもね
-
ここからどうなるのか
-
これって、元ネタあるの?
創作だったら作者凄いわ
-
それから半年も経たない内に神父様は亡くなっちゃったんだ
死因は心筋梗塞
悲しかったよ
教会の関係者の人達もいっぱいきてさ
でも、神父様の葬儀は教会で関係者以外立ち入り禁止で行われて私は入る事が出来なかった。
-
町中の皆が参加したかったのに。
だから、こっそり入って土葬される前に見に行こうと思ったんだ
夜に教会に忍びこんだのは良いけどまだ、シスターも教会の関係者の人もいたから宣教台の所に隠れたのね
したら話が聞こえてきたの
-
「彼は誰からも尊敬に足る人物だった・・このような姿は見せられぬ」
「ええ。だからこそ彼の死を尊厳あるものにしなくては行けません。わかりますね、シスター?」
「・・・はい」
「エクソシストの末路は悲惨だ。彼を持ってしてもその運命には逆らえなかった。だがこれは・・」
「司教様、では神父様の魂は・・・?」
「・・・残念だが救われる事はないだろう」
「そんなっ」
「・・・このような苦悶をしたお顔で召されるなんて最後に何を見たというのだ?」
-
「分かりません・・あの絶叫が今でも私の耳から離れなくて・・・」
「シスター、君は少し休みなさい。後は私達が処理をしよう」
「はい・・」
「何にせよ、君はこの町を離れなさい。恐らく此処にいては君も近い将来同じ目に合う」
どゆこと?神父様に何があったの?
エクソシストの末路?同じ目にあう?
-
私はちらっと宣教台の板の隙間から見た
神父様は棺桶には入っていなかった。
椅子に座ったまま放置されていた。
顔を見ることは出来なかったけど
見なくて良かったんだと思う
神父様の体は真っ黒だった
衣服は破れ、体は引っ掻き傷がいっぱいで
指はあり得ない方向に曲がっていた。
まるで火炙りにされて拷問されたような姿で
-
そして、何人かが椅子を持ち上げて運んでいった。
残されたのはシスター一人
私はガクガク震えながら早く早く教会から出ようと必死に機会を伺ってた
-
「懺悔します・・」
シスターの声だった。隙間から見るとキリストの像に膝をついてた
「私はあの日、何も見ず、聞こえないふりをしていました」
「激しい折檻で意識が朦朧として勘違いをしているだけだと・・見間違えたんだと」
「神父様が・・あの男に何度も何度も何度も何度も金槌を降り下ろしてはいないと」
「笑っていた、神父様はあの男に邪悪な笑みを浮かべて殴っていたなんて信じたくなかったのです・・!」
「だから、皆には言えなかった!あの男は既に焼身自殺していたなんて神父様の嘘を!」
「神父様が納屋に火をつける姿なんて見てないっと!」
「あれはっ私を助ける為にしたんだと!優しくて温かい神父様が・・・うわああああっ!!」
-
シスターは泣いていた。
私にはこれ以上分からなかった
誰が正しくて間違っていたのかも
シスターの過去も詳しくは知らないし神父様の罪も私は知らない
知らないことばかりだから
だからこそ、知ってはいけないのかもね
翌週、シスターは自殺した
町の皆は理由は知らない。
きっと私以外誰も知る事はないだろう。
マリ「ーーーーおしまい!」
-
創作です(´・ω・`)
ただ、創作なので矛盾や間違いがあると思うので許してください
-
マリ「どっだった?」
アスカ「・・普通に怖いじゃない。アンタいつもはそーゆキャラじゃないくせに!」
綾波「油断してた・・」
マヤ「と、途中まで凄い良い話だったのに」
カヲル「ふぅ」
青葉「やばい・・思った以上にレベル高いぞ」
リツコ「勘弁して欲しいわね」
マリ「にゃにこの言われよう」シクシク
シンジ「でも怖かったけどマリは話すの上手だね。引き込まれたよ」
ゲンドウ「・・・」
マリ「わんこくんはやさしー♪お姉さんと結婚しよ!」
シンジ「へ!?」
-
アスカ「コネメガネ。アンタマジでほんっともう殴っていい?」
蝋燭の火が消える。
冬月「さて」
シンジ「次はアスカだね」
マリ「姫がんばれ!」
綾波「わくわく」
ゲンドウ「・・・良い流れだ。期待している」
日向「どんな話だろ。楽しみですね葛城三佐」
ミサト「アスカかぁ。アスカってば子供っぽいとこあるからあの二人に比べたら微妙じゃないかしら」
-
凄いっす(´・ω・`)
-
アスカ「(ここでめちゃくちゃ怖い話してシンジをビビらせまくれば・・)」ジッー
シンジ「?」
ポワーン
『アスカ・・・怖くて一人じゃ眠れないよ。一緒にねてくれる?』
ポワーンポワーン
『アスカって優しいんだね・・・それに良い匂い』
ポワーンポワーンポワーン
『ねぇもっと近づいてもさ、いいかな』
ポワーンポワーンポワーンワンモア
『アスカ・・・キスしよっか』
キュピピピピピイイイン
アスカ「スパアァァキングっ!!」
-
冬月「!?」
綾波「?」
カヲル「えっ」
マリ「す、すぱーきんぐ!?」
シンジ「きゅ、急にどうしたの」
アスカ「うっさい!!話すわよ!」
加持「気合い入ってるな、アスカ」
リツコ「何を考えてるのかしら」
アスカ「これは7月にヒカリの実家に遊びいった時に体験した話」
ゲンドウ「・・・ヒカリ?」
シンジ「僕たちの中学の同級生だよ、父さん」
-
「縁日に行こうって話になったのよ」
-
あう(´・ω・`)
>>92ミス
蝋燭に火がつけられる
アスカ「その日は夏の割には涼しい日だった」
-
『おきつねさん』
「わあ、アスカ似合う似合う」
「ほんっでめんごいごどやぁ」
「あったりまえでしょ。私はアスカ様だもの」
私はヒカリの実家
○×県△△△町に遊びに来ていた。
家族で来る予定が急な仕事で親が来れなくなり私が誘われたってわけ
-
「ヒカリも似合ってるわよ。ヤマトナデシコって感じ!」
「そ、そうかな・・///」
「あすかちゃん。ヒカリはほら、胸がちっせえさげよぉ」
「おばあちゃん!!」
ヒカリのディー・オーマは凄い良い人で外人で初対面の私にも分け隔てなく接してくれたわ
え?ディー・オーマはお婆ちゃんって意味よ。ドイツ語で
・・ファースト。アンタ今なんちゃってドイツ人って言ったでしょ
覚えてなさい。後でぼこぼこにしてやるから!
・・話に戻るわ
-
これは期待
日本の田舎の怪談はこわいものが多いしなぁ
クネクネ的な話もききたい
-
浴衣も着せてもらった。初めて着たけど可愛くていいわね、あれ
んで、私たちが縁日に行こうとした矢先だった
「おばあちゃんいってくるね」
「浴衣ありがと!」
「んだばきぃづけてな。おきつねさんばあったらふりむぐなな」
おきつねさん?
「もう。おばあちゃんったらそんなのいる訳ないでしょ」
「んねぇわっけおなごさくんなだ。今日はおきつねさんの命日だんげ」
「わかったわかった!とにかく行ってくるから」
ヒカリと私ははやく遊びに行きたくて仕方なかった。
-
家を出て私とヒカリは世間話をしながら神社にむかったわ
学校のことや好きな音楽の話とかたわいもない話
「誘ってくれてありがとねヒカリ」
「そんなの私もアスカと来たかったから全然いいよ」
「えーほんとはあのジャージバカと来たかったんじゃないの?」
「そっそっ、そんなことないもん///!」
「あははは♪」
私はお婆ちゃんが言ってたおきつねさんの話を思い出しの
-
「そーいえばおつきねさんってなんなの?」
「ああ、あれはねここらの地域で伝わってる昔話だよ」
「昔話?」
「うん。昔、ここいらで悪事を働いてた鬼がいたんだって」
「ある日、鬼は村で一番の美人の娘を差し出せって村長に要求した。村長は困って村で祀ってるお稲荷様にお願いしたの」
「鬼を退治して下さいってね」
「それでお稲荷様から遣わされたおきつねさんが鬼を退治したって話」
-
「ありきたりな話ね。それにおきつねさんに何で振り向いちゃダメなわけ?」
「えーっと、確かおきつねさんが鬼を退治した時に鬼に呪いをかけられて」
「呪い?」
「うん」
「見た人が廃人になっちゃうくらい醜い顔なんだってさ」
「はぁ?」
馬鹿馬鹿しい。
「あくまで昔話だからね」
「ふーん。そんなもんなんだ」
-
そこで気づいたのよ
やけに静かだなって。いくら田舎でも民家はあるしここまで誰ともすれ違わないなんておかしいじゃない
それに今日は縁日よ?いつもより賑わっててもいいのに
「ねぇ、ヒカリ。さっきから妙に静かじゃ」
ぐいっとヒカリから袖を引っ張られたわ
必死に口パクで下を向けって合図しながら
「・・・・ッ」
ようやくその意味に気づいた
-
明らかにバカでかい人間が前から私たちに歩いて来るのがね
背の高い人で通用するレベルのデカさじゃない。
しかも、近づいてきて分かったんだけど指がね、3本しかないし
親指と中指と小指
-
歩き方も内股で歩くって感じじゃないの
内側に不自然に折られて歩いてるような・・・無理やり内股で歩いてる感じ
べちゃ、べちゃ
って変な音もしてるし。
-
ヒカリは私より前を歩いてたから先に気づいたんだと思う
私は直感だったけどこいつがおきつねさんだって確信したわ
だから、下を向いたままやり過ごしたの
あの時の通りすぎるまでの時間はほんっと長く感じたわ
べちゃ、べちゃ
あの音が遠ざかった瞬間、早歩きでその場から離れた
浴衣着てるし下駄だったから走れなかったから
-
ひとまず離れて落ち着いてきたし立ち止まったのよ
「アスカ・・さっきのってお、おきつねさんなのかな?」
「わ、わかんないわよ!」
「でも普通じゃなかったよね?」
「・・手も歩き方もおかしかったわ」
「私もね遠くから変な人が来たなっては思ったの。だからアスカにも伝えなきゃって」
「ありがと・・・ヒカリが気づいてくれなきゃまずかったかもね」
-
べちゃべちゃ、べちゃ
焦ったわ。今度は後ろからあの音が聞こえてきたのよ
しかも
『おとよぉ』
ゾッとするような呼び声もおまけでね
-
浴衣とか下駄だとかもうどうでも良かった。
ただ、逃げなきゃって二人で走ったのよ
全力疾走よ
でも、直ぐ後ろから聞こえてくるの
『おとよぉにげなじゅう』
べちゃべちゃべちゃ、べちゃ
『おとよぉにげなじゅう』
べちゃべちゃべちゃ、べちゃ
同じことを何度も言いながら
それでもとりあえず走った
神社に近づけばいっぱい人もいるはずだから
何とかなるだろうって
-
私は神社の場所知らないからヒカリの後ろについて行ってたんだけど
「あっ!?」
前を走ってたヒカリが転んじゃったの
『おぉおぉぉどよぉおお』
その拍子に声が変わったのよ
これはヤバイってこのままじゃヒカリが大変な事になるって思って
使徒より恐いものなんてないって自分に言い聞かせて
振り向いちゃったの
-
そいつはうつ伏せに転んだヒカリの直ぐ後ろにいた
でかい体をくねらせながら
口がね、耳まで裂けてたの
狐・・っていうよりイメージ的には口裂け女みたいに
しかも綺麗な裂け目なんかじゃない
刃物で切られたような歪な裂け方で
-
一番異様だったのは
鼻から上が狐のお面を被ってたのよ
お面に隠された左目だけがぐるぐるって動いて
右目の所には釘みたいなのが刺さってたわ。
血走った左目で私を見てた
-
もう、正直怖くて怖くて仕方なかったのよ
涙が急に出てきて止まらないし
黙ってても何にもなんないから
「ヒカリにさわんなぁっ!!」
って叫んじゃったわ
もうどうにでもなれって感じだった
そうしたら目の前に瞬間移動したみたく立ってたの
そして、私の顔を覗きこみながら
『おとよぉばおめだちげぇ。おとよぉばもっぢぐされだめめだぁ』
『おとよぉばおめだちげぇ。おとよぉばもっぢぐされだめめだぁ』
『おとよぉおおどごだぁ』
それだけ言うとそいつはどっかに行っちゃった。
-
怖いな…
支援
-
支援
-
私とヒカリは逃げるように何回もすっ転びながらヒカリの実家まで走ったわ
浴衣が汚れるのも気にしないでね
ただ、ヒカリの実家の玄関から
「あんれ?あすかぢゃんどヒカリ。どぉーすたのそのかっこ!縁日は?」
お婆ちゃんがでてきた瞬間二人で大泣きした
安心して怖くて
ただ、泣いたわ
-
ヒカリと二人でお風呂に入った後、事の顛末を全部お婆ちゃんに話したの
「ほっかぁ・・あすかちゃんどヒカリはおきつねさんどあっだんだなぁ」
「ねぇお婆ちゃん・・おきつねさんって一体なんなの?」
「・・・」
「ヒカリはおきつねさんのむがし話ばしっでっべ?」
「うん」
「・・・ヒカリどあすかちゃんには話どくが」
-
そう言って話してくれたお婆ちゃんのおきつねさんの昔話はヒカリの知っていた話とは大分違っていた
お婆ちゃんはこの話をヒカリの曾祖母
つまり、お婆ちゃんのお母さんから聞いたらしい
昔は親に絶対服従の時代。
親が決めた婚約者との結婚が当たり前だった
-
本人の意思や恋愛感情など関係ない
それは豪農の一人娘であっても
娘の名前はお豊
雪のように白い肌に美しい肢体
紅く濡れた唇と整った顔立ち
誰もが恋をする美貌の持ち主だった
その美しさに反してお豊の性格は最悪だったという
我が儘で強欲
嫉妬深く野心家
とにかく意地の悪い女だった
お豊が16になった頃、両親から隣村の村長の息子との縁談を設けられた
-
ただ、お豊は田舎臭く顔もぱっとしない村長の息子とは結婚なんてするつもりはない
金持ちで格好よく、そんな相応しい男がいる!
そう信じていた
だが、親が決めた縁談を断る訳にはいかない
-
そこでお豊は考えた。
村長の息子を殺してしまおうと
それも自分の手を汚さず誰かに殺させようと画策した
お豊が目をつけたのが村で一番の嫌われ者の青年
吾助だった
吾助は身の丈が3メートルもある大男
口角がいつも吊り上がっており不自然に笑う顔
気持ちの悪い容姿だったという
そんな吾助を村人達は嫌い、鬼の子だとかお稲荷さまに祟られた忌み子と村八分にしていた
-
現代の医学からすれば巨人症やマルファン症候群等の障害を患っていたのかもしれない
だが、それを考慮するには時代が早すぎた
病名もない時代に生まれた吾助は差別の対象にぴったりだったのだ
だが、その容姿から想像出来ないほど吾助は優しく真面目な男で畑を耕し誰に迷惑をかける事もない慎ましい暮らしを送っていた
-
泣けてきた…
-
お豊は吾助に近づきその美貌と巧みな話術で吾助を虜にした
自分は嫌われている
誰からも好かれる事はない
そう思って生きてきた吾助なはどんなに幸せな事だったのか
すっかりその気になった吾助にいよいよお豊は
「吾助さんや私とお前さんが一緒になるには隣の村長の息子が邪魔なのよ」
「あの男を殺しておくれ」
「そして私とお前さんで駆け落ちしましょう」
-
心優しい吾助は悩んだ
「吾助さん・・・」
しかし、惚れた女の涙と息子の悪い噂をお豊から聞かされていた吾助は遂に決心する
勿論、悪い噂などない。
お豊の嘘だった
-
とうとう吾助は村長の息子を鍬で殴り殺してしまう
そして、駆け落ちを約束した晩に吾助を待っていたのは愛した女ではなく
「この化物め!」
「よくもお豊を脅して隣の村の村長の息子を殺しやがったな」
「今まで我慢して村に置いててやったのに!恩を仇で返しやがって」
自分に憎悪の目を向けた村人達であった
お豊は何処にもいない。
必死に弁明をする吾助の言葉には誰も耳を貸さず
いくら大男の吾助にも多勢に無勢。
捕まってそれはそれは酷い仕打ちを受けた
-
「そんなに笑いたいならずっと笑わせてやる」
ろくに研いでもいない包丁で口の端から耳まで切り裂かれ
「目も潰してやれ」
錆びた釘を右目に打ち込まれ
「二度と歩けないようにしてやる」
こん棒で両手両足を叩き折られた
それでも吾助はお豊を信じた
-
何かの間違いだと
お豊が自分を騙す訳がない
しかし、その願いも虚しく
「あらあら。とても醜い顔」
うす笑いを浮かべたお豊が現れ
「これで顔をお隠しになっておくれ」
半分に割れた狐のお面を無理矢理吾助に被せた
二度と取れないようにと皮膚を糸で縫い付けて
-
愛した女に騙され裏切られた事を理解した吾助は叫んだ
「うおおぉおおどょおおおぁっ!!!」
吾助の叫び声は村中に響き渡ったそうだ
「のりょっでやりゅうううっおばえだぜぇぃんゅのりょっでやるうううううっっ!!!」
切れた口から血を流しながら絶命するその瞬間まで吾助は呪詛を叫び続けた
-
それからだ
この村に生まれてくる子供は奇形児しか生まれず
田畑は枯れ村人が突然死する事が頻繁に起きたのだ
皆、口々に噂した。これは吾助の呪いだと
ある日、旅の坊さんが村を訪れた
村人は藁にもすがる思いで坊さんに事情を全て話した
事情を知った坊さんは自分を豪農の家まで案内をして欲しいと言った
「この祟りは治まるのでしょうか?」
「このままでは永久に続くでしょう」
-
「じゃあどうすれば」
「まず、供養に吾助さんのお墓を立てなさい。そして吾助さんの命日には稲荷神の稲荷神社を奉り必ず供物を供えなさい」
「それで治まるのですね!?」
「全てが治まる訳ではありません。長い時間をかけて成仏して貰う他ないでしょう」
「それほど業が深いのです。念仏もお祓いも意味はなさないでしょうね」
「だから娘さんは残念ですが諦めなさい」
「血肉、腸、魂がここまで囚われてしまっていては・・」
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
坊さんが見たお豊は舌をだらり、とたらし
涎を滴ながら狂ったように笑っていた
四つん這いの姿は正に狐そのものだったという
-
しかし、供養のかいあってか時間が経つにつれ呪いも弱まった。
田畑は元に戻り、元気な赤ん坊が生まれ不可解な死もなくなる
ただ、吾助の命日にお面を被った化け物が
『おとよぉ』
と呼びながら現れ
女子に声をかけ、振り向いた者を狐憑きのようにしてしまう
-
その風貌から畏怖の念を込めて
人はおきつねさんと呼んだ
「ーーーーんだからふりむぐなっていうんだ」
「きっどあすかちゃんのヒカリば助けよどしだやさしい気持ちばおきつねさんさもつだわったんだべねぇ」
「おっがぁがらなきいだ時はわしもほんっでこえがったわぁ」
「どれ、なんもくっでねえべ?今がら飯用意すっさげ」
そう言ってお婆ちゃんは台所に行ったわ
-
「アスカ」
「ん」
「おきつねさんって・・可哀想な人だったんだね」
「そうね」
「いつか成仏できるといいなぁ」
「するわよ・・いつかね」
-
いや、きっとしないだろう
おきつねさんを見た私には断言できる
これからも晴れることのない憎悪を抱いてこの世をさ迷い
果たされない復讐をしようと現れ続ける
夜空には星が散らばりまるで宝石のように光っている
遠くからは太鼓の音が穏やかに聴こえてくる
『おとよぉ』
おきつねさんが誰かを呼ぶ声が聞こえた気がした
アスカ「ーーー終わりよ」
-
綾波「ちょっと哀しい話ね」
シンジ「報われないというか」
ミサト「でも怖かったわ!やればできる子だって信じてたわよ」
ゲンドウ「おきつねさんか・・興味深い」
アスカ「ふっふっふっ。これが実力ってやつね」
リツコ「貴女達、どれだけ怪奇現象にあってるの」
マヤ「某有名探偵少年並みの遭遇率ですね・・」
青葉「うわぁ、またプレッシャーだよ」
アスカ「どうよバカシンジ!」
シンジ「うーん」
アスカ「・・・」ドキドキ
シンジ「アスカって優しいよね。委員長を助けようと振り返るなんてほんとすごいよ」ニコ
-
アスカ「あっ・・あったり前でしょ!そんなの・・・バカシンジとは違うのよ///」
ミサト「わっかりやすー・・」
マヤ「顔真っ赤にして照れてますねアスカ」
アスカ「(予想とはちょっと違ったけど・・・まっいっか♪)」
綾波「」
綾波「早く蝋燭の火を消してくれる?なんちゃってドイツ人」
アスカ「・・・は?」
綾波「次私。・・あ、日本語分からないのね」
綾波「えっと・・・グーテンモーゲン?」
アスカ「ぶっ殺すわよこのくそがきゃあああああ!!」
アスカオチツキナサイ!
・・・ケンカハヨクナブッゲラ!?
キャーシレイノサングラスガ!!
-
綾波「話すわ」
アスカ「さっさっと話なさいよ。このリアル市松人形」
綾波「・・・五月蝿い。レッドモンキーガール」
アスカ「ああ!?」
シンジ「あ、アスカと綾波もう喧嘩はダメだよ」
マリ「大人げにゃいにゃあ」ピトォ
-
綾波「・・・さっきから思ってたけどメガネは碇君に近すぎる。ちょっと離れた方がいいわ」
アスカ「何ニヤニヤして鼻の下伸ばしてんのよスケベ!」
シンジ「えぇー!?」
マリ「わんこくぅん・・二人がこわーい」ダキ
シンジ「わっわっ!ちょっと近すぎですよマリさん///」
綾波「」イラ
アスカ「」イラ
カヲル「ふふ。シンジくんの照れてる姿もいいね」
リツコ「痴話喧嘩はいいから早く話なさい」
-
面白いな
支援
-
支援
-
面白いから早くしなさい
-
支援
-
あうあ(´・ω・`)
遅くなってすみません
支援感謝です。
-
綾波「・・・」
蝋燭が消える
-
『夢』
私の話は実態験じゃない。
本に書いてあった短いお話
ーーーーええ、大丈夫。赤毛猿にも解りやすく話してあげるから安心して
ーーーー・・・痛い。・・碇君がそう言うなら我慢する
-
夢を見る
同じ夢を何度も見る
空を見上げる私を覗く人々
動かない体
皆、騒いでいる
最後に泣いた子供が私に近づき何か呟く
その言葉を聞き取れぬ内に目が覚める
昔の人は夢を神様のお告げと言っていたが
これはなんなのだ?
-
次第に夢はより鮮明になっていく
色がつき臭いが
喧騒と泣き声が聴こえ見えるようなった
私は疲れているのだろうか
ある日、仕事の帰りに横断歩道を渡ろうと信号が変わるのを待っていると
赤信号を子供が走って渡ろうとした
ダンプカーがブレーキを踏むが間に合わないだろう
-
私は子供を助けようと飛び出す
そして凄まじい衝撃が襲った。
全てがスローモーションに動いていく
走馬灯が頭を駆け巡り、自分が助からない事を理解した
悟った
空を見上げる私を覗く人々
泣き声と喧騒
あの夢は私の未来を予知していたのだ。
-
ただ、夢と違う事が一つある
泣きながら私に何かを呟く子供が血塗れで私の隣で横たわっている事だ
そして意識が消えゆく瞬間、確かに聞いた
「ちゃんと助けろよ」
綾波「ーーーーおわり」
-
アスカ「短いわねー」
リツコ「あら、私は良かったわ。簡潔でだらだらせずまとめられた内容じゃない」
日向「なんてゆうか・・話の間とか声のトーンも良かったですよね」
マリ「前の私たちが長かったからさっぱりしてて良い感じだったにゃ!」
シンジ「うん。綾波の声って綺麗だからよく聴こえてくるし」
綾波「・・・///」
綾波「・・・」クルッ
-
アスカ「な、なによ」
綾波「・・・」ジッー
アスカ「こっち見んな!」
綾波「」ドヤ
アスカ「あ、あんたそんなに褒められて嬉しかったのね」
綾波「」ドヤ
綾波「」ドヤヤ
アスカ「・・とりあえず嬉しいのわかったからそのドヤ顔やめなさいよ。踏みつけたくなってきたから」イラ
-
良スレ支援
-
ゲンドウ「 ・・・」ソワソワ
シンジ「綾波とアスカ喧嘩はダメだってば」
冬月「(碇の奴め。シンジ君と全く会話出来とらんぞ)」
冬月「(このままでは職権乱用で用意させた特典の温泉旅行宿泊券で親子の絆を深めよう作戦も失敗に終わる)」
冬月「(急遽、旅館の予約からチケットの手配までした私の苦労を無駄にするつもりか貴様)」
冬月「(助け船でもだしてやるか・・)」
-
冬月「あー皆すまん。そう言えばどんな特典なのか説明しとらんかったな」
冬月「特典は温泉旅行の宿泊券だ」
ミサト「えっ」
日向「ま、マジですか!?」
シンジ「そんな高級な特典だったんだ・・」
アスカ「ちょっ!?そんな大事なこと何で今ごろ言うのよ!」
マリ「ほんとだー!先話した私ら不利じゃんか」
綾波「やり直しを要求します。もっと怖い話をするんでさっきの怪談はなかった事にして下さいお願いします」
カヲル「必死だね」
-
冬月「そこは安心してくれ」
冬月「チケットはチルドレン達の事を配慮して保護者同伴を兼ねて3人分ある」
冬月「だから君たちは選ばれなくても2人だけ特典を当てた大人に指名して貰えれば行けるという訳だ」
冬月「逆に君達は保護者を一人指定しなければいけないがね」
マリ「おぉー」
冬月「勿論、当てた大人が必ず子供達を指名しろとは言わん」
-
冬月「個人的に活用するのも構わん」
冬月「・・構わんが!子供達と旅行に行くのも良い経験になると思わんかね?」クワッ
冬月「ネルフの職員としてだけではなく素顔で子供達と接するのは将来にきっと役立つ筈だ」
冬月「よく考えて!特典を貰った者は有効活用して欲しい」
リツコ「露骨な脅しね」
ミサト「あれじゃ誘わなかったら何されるかわかったもんじゃないわ」
冬月「・・・シンジ君は温泉は好きかね?」
シンジ「僕ですか?好きですけど」
冬月「!」
-
冬月「(碇、今だ!シンジ君と話すチャンスだぞ)」メデアイズ!
ゲンドウ「(冬月先生・・ありがとうございます)」メデバチバチ
ゲンドウ「・・シ、シンジ!」
シンジ「ど、どうしたの父さん?」
ゲンドウ「私も温泉が好きだ」
シンジ「そ、そうなんだ。父さんが温泉好きってなんか意外だね」
ゲンドウ「ユイとはよく行った」
シンジ「母さんと?」
ゲンドウ「ああ。二人で草津のーーー」
冬月「(・・手のかかる奴だ
)」
-
マヤ「司令とシンジくんいい雰囲気だよね」
青葉「普段、会話してるとこ見たとこないから新鮮だしな」
日向「あっちは殺気立ってるぞ・・」
マリ「リョウジさ特典の宿泊券なんだけど貰えたら私とわんこくん指名してくれるよね?」コソコソ
加持「裏工作かマリ。あんまり関心しないぞ」
マリ「ねぇー葛城三佐ぁー。ユーロ支部にいたときねーリョウジがオペレーターの女の人にねぇー」
加持「はははは♪マリは交渉が上手だなぁ・・分かったからちょっと葛城がいない所で話さないかっ!!?」
マリ「さっすがリョウジ♪話がわかるにゃー」ニカッ
-
アスカ「ミサト」
ミサト「はいはい。どうせシンちゃんと旅行行きたいって話でしょ」
アスカ「べ、別にバカシンジだって一言も言ってないでしょ」
ミサト「んじゃ私がシンちゃんとレイを指名しちゃってもいいんだ」
アスカ「それはダメ!バカシンジはスケベだから私が一緒についてって監視してやらなくちゃダメなの!」
ミサト「言ってること無茶苦茶よアスカ」
-
ミサト「大体、私が貰えるとは限らないでしょ?」
アスカ「(・・・ミサトのやつ、やる気悪いわね。こうなったら)」
アスカ「・・・エビチュ一ヶ月分の小遣いの譲渡」
ミサト「」ピクッ
ミサト「い、いや大の大人がそんなので」ピクッピクッ
アスカ「・・・二ヶ月分」
ミサト「最近、3人で遠出もしてないしいい機会だから私とアスカとシンちゃんで旅行もいいわよね。絶対特典ゲットするわ!」
アスカ「さっすがミサト」シレッ
-
支援
-
支援
-
援護は任せろ
-
>>1です(´・ω・`)
速報の方で書いてあるssが間もなく終わりそうなのでそちらが終わったらこちらを再開させようと思います
支援してくれてる方には大変申し訳ありません
落ちても自分のせいなのでその時はまた何処かで続きを書きたいと思います
レスありがとうございました(*´ω`*)
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待つ、いつまでも待つ。
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1です(´・ω・`)
再開したいと思います
駄文を読んでくださってる方どうもです(*´ω`*)
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綾波「赤木博士」
リツコ「・・レイ。私に頼むのはお門違いじゃないかしら」
綾波「赤木博士」
リツコ「他を当たりなさい」
綾波「赤木博士」
リツコ「・・・そんな顔をしても駄目なものは駄目よ」
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綾波「赤木博士」
リツコ「話聞いて」
綾波「赤木博士」
リツコ「だから」
綾波「赤木博士」
リツコ「・・・」
綾波「赤木博」
リツコ「分かったわよ!」
リツコ「だから人の顔を下から死んだ魚のような目で覗くのは止めなさい!」
綾波「・・・ぶい」ヤッタネレイチャン!
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青葉「し、熾烈な争いが起きてる」
日向「なんだかんだでチルドレンにはあの3人も甘いからな」
マヤ「いいなぁ・・私も温泉旅行行きたいのに」
ワーワー
ギャーギャー
カヲル「ふふふ。空気?僕って空気?」ポツーン
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冬月「ーーーさて、仕切り直して次は」
カヲル「僕だね。大分、待たされた気がするよ」
シンジ「カヲルくんの怪談って怖そうじゃない?」
マリ「えー・・どうせ上野駅13番線の男子トイレとかの話じゃにゃいのー」
アスカ「ああ、納得だわ」
レイ「日頃から物色してるらしいから」
マリ「怪談が猥談になるっつー感じ?」
アスカ「引くわー・・同姓愛を否定する訳じゃないけど」
レイ「流石の私でも吐き気を催す程の邪悪さを感じ得ない」
カヲル「ははは。そろそろ怒るよ?」ピキピキ
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そして、灯る
カヲル「僕が話す怪談は知り合いの体験談なんだ」
レイ「知り合いって青いツナギを着たお兄さん?」
マリ「うほ」
カヲル「・・・女性だよ。年上のね」
アスカ「その人ってショタコン?」
カヲル「」
シンジ「アスカってばカヲルくんに失礼だよ」
カヲル「シンジくん・・僕の心のオアシスは君だけだよ」シクシク
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『どうしようもない』
「幽霊ってどう思う?」
どこにでもあるファミリーレストラン
彼女は唐突に・・・
・・・ちょっとそこの3人を黙らせてくれるかなシンジくん
・・・ありがとう。一々、話が途切れたら面倒だからね
そう、唐突に聞いてきたんだ
「幽霊?」
「うん。ってか怨念とか呪いとか怪奇現象全般」
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「幽霊の定義は死んだ者が成仏できず姿を現れたり」
「人間の肉体が死んでも魂 のほうが死なずにさ迷う」
「現世に未練が残る者っていうのが通説だよね」
「そう。大体そんな感じ」
「幽霊なんて曖昧で不確定な要素が強すぎるから抽象的な意見が多いんじゃないかな」
彼女がコーヒーを口に運ぶ
そして
「あ、すいませーん。ドリンクバー一つ追加で」
話を振ってきたかと思えば店員に注文を頼む
マイペースで何を考えているか分からない不思議な人だった
親しくなった今でも僕は彼女の素性も普段何をしているのかも知らない
「何でドリンクバーを追加注文したんだい?」
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「んー」
「アタシはね幽霊の存在を信じてるよ・・いや、信じてるってより実感してる」
「実感?」
そして淡々と彼女は話す
「よくさぁネットの都市伝説とかでお坊さんが解決したり田舎のお爺ちゃんが何とかしてくれる話ってあるでしょ?」
「あんなの嘘ぱっち」
「解決策なんてないんだから」
「ちょっと待って。それって幽霊を信じていないんじゃない?」
「まあまあ、童貞くん話は最後まで聞きなよ。早漏は嫌われるよ」
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酷い言い草だ
「さっきさドリンクバー追加した理由聞いたよね?」
ああ、そういえば
「うん」
「アタシの隣にいるから」
いるって・・
「何がかな?」
「幽霊っぽい何かが」
「・・・」
返答に困る答えだった
-
「他に比較対象がないから特定出来ないし幽霊ってことにしてる」
「つまり、取り憑かれてるとかって話?」
「うーん・・」
そして彼女は話す
いつ頃からかは覚えていない。
気がつけば自分の隣にソレは居たらしい
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危害を加える訳じゃない
ただ、傍で離れず見つめるらしい。
最初は気持ち悪く住職、霊能力者、カウンセラーなど様々な手段で追い払おうと試したが
どれも無駄にお金が消えていくばかりだった
そして諦めて今に至るらしいけど・・・
-
「こいつさお菓子とかジュース好きなんだよ」
「買っといたおやつとかこいつが食べて全部なくなったこともあるもん」
「座敷わらしみたいだね」
「それならどんなに良かったか・・」
はっきり言って荒唐無稽で信じていなかった
どこか騙されてるって気がしないでもない
からかわれてると疑ってしまう
「見てるだけって言ったけど案外苦痛なんだよ?」
「彼氏といる時も傍でずっと見られててさ・・落ち着いてえっちも出来やしない」
本当にマイペースであっけらかんとしてとんでもない事を中学生に口走る人だ
-
「・・・」
「あーその顔信じてないでしょ」
「いや、うん・・だっていきなりこんな事言われても」
「君って中学生の癖にどこか達観してるから見えるとおもったんだけどなー」
「期待に添えなくて申し訳無いね」
一つ興味が湧いた
「どんな顔をしてるんだい?」
「んー」
「アタシの隣見て違和感とか感じない?」
「こうぼんやり、さ」
「見えてこない?」
-
期待
-
「何も」
「やっぱダメかぁ」
いないモノを見るという行為自体矛盾している
「まぁ見えない方がいいか」
「・・・?」
「見たら吐くレベルで気持ち悪いよ」
それは見せようとした人が言う言葉ではない
「解決策がないから私はもしかしたら一生こいつと付き合って生きていかないといけないかもね」
その時、一瞬だけ真剣な表情で呟く
「どうしようもないもの」
思い詰めたようなそんな印象を受けた
-
何て声をかけたらいいか分からない
「・・・さーて。今日はお姉さんが奢ってあげるよ」
そう言って伝票を取りレジへと行ってしまう
何気無しに
彼女の隣にあるコップを見ると確かに無くなっていた
オレンジジュースが注がれていた筈
しかし、残っているのは水滴だけ
彼女はずっと珈琲を飲んでいた
-
「・・・あ」
声を掛けようとしたが躊躇ってしまった
だって彼女の後ろを着いて歩く何かが見えたのだから
形容し難い
どう説明すればいいか解らない
ナニカがいた
-
それからも彼女との交流は続いている
ただ、困った事がある。
僕にもソイツが見えるようになってしまったことだ
彼女にはそのことを言っていない
しかし
本当は気づいているんじゃないだろうか?
僕が見えていることに
頻繁に増えた遊びの誘いがそれを物語る
でも、それも仕方ないか
だって
どうしようもない
カヲル「ーーー終わりだよ」
-
シンジ「・・・怖かったね」
アスカ「えっ、アンタまだその女と遊んだりしてるの?」
カヲル「うん」
マリ「それヤバくない?」
ミサト「護衛とかつけよっか・・・?」
加持「何かあってからじゃ遅いしな」
カヲル「いや、大丈夫さ」
カヲル「だって」
カヲル「ソイツは今僕の隣にいるから」
マヤ「・・・・え?」
-
綾波「・・・」ガシッ
アスカ「ファ、ファーストしがみつかないでよ」
綾波「怖くないわ。これは寒いからそう寒いから決してビビった訳ではない」ガッシリ
アスカ「なら爪たてないでよ!痛い痛い!」
カヲル「・・・ふふ、冗談だよ。からかわれた仕返しさ」
綾波「だと思った。ホモは腹黒くて意地が悪い」シレッ
アスカ「・・・アンタの方が腹黒いわ」
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一人でファミレス行ったら思い出してしまいそう…
-
冬月「次は俺か」
マリ「副司令は伊達に歳を取ってないから期待度高いねわんこくん」
シンジ「失礼だよ・・あといつまで僕にしがみついてるの?」
マリ「だってホモの話が怖かったからさぁ」
マリ「わんこくんだってかよわい乙女に抱きつかれてうれしいっしょ?」ニヘヘ
シンジ「・・・」
シンジ「うん、嬉しいよ」ニコッ
マリ「ほえ!?」
マリ「(よ、予想外の返しだった///)」ドキドキ
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続けて続けて
-
アスカ「あざとい女って嫌われると思わない?ファースト」
綾波「激しく同意」
アスカ「媚び売るなんて女としてのプライドがないんじゃないかって疑うわぁ」
綾波「そう。セカンドの言う通り」
マリ「負け犬の遠吠えがきこえるにゃー」
マリ「わんわんってね」ププッ
アスカ「鼻っ柱折ってあげましょうかしらこの偽装中学生」
綾波「なるほど。牛乳だから偽装牛肉問題という訳ね」
綾波「こっちは年齢詐称だけど」
マリ「おい、表でろ」
-
シンジ「だから喧嘩はだめだって!」オロオロ
カヲル「仲が良いのやら悪いのやら」
冬月「・・・ふむ」
冬月「丁度良い。男女の関係にまつわる話をするか」
蝋燭に灯された火がゆらゆらと揺れる
-
『復讐』
俺がまだ二十歳の時の話だ
大学生だった俺には仲の良い友人がいた
人当たりが良く聡明
甘いマスクに柔らかい物腰
正に非の打ち所がない完璧を絵に描いたような奴だったよ
将来も有望視されててな
異性が放っておく訳がない
よくある話だがそういう男の例に漏れず女癖は悪かった
毎日違う女性を連れて歩いてる姿には呆れるよりも逆に尊敬の念を覚えたよ
-
俺はよく言ったもんだ
「いつか刺されるぞ」
とな
-
「それもいいかもな」
冗談っぽくあいつはいつもそう言い返した
だが
そんな生活が長続きする訳がない
最悪の事態を招いてしまう
桜が散り始めた頃だった
-
「自殺した」
顔面蒼白になって俺にそう言った友人は泣き崩れてしまった
聞くと自殺した女性は他大学に通っていたらしい
一度だけ関係を持った
しつこかったから酷く罵った
涙声で友人は告白する
お前が悪い
俺はそう言えなかったよ
泣き崩れる友人の姿を見たら罵る事も叱咤してやる事も出来なかった
-
それからあいつは変わった
女遊びを止めて女性を避けるようになったんだ
トラウマになってたんだろう
だが時間の流れは傷を癒す
一人の女性と真剣に交際を始める。綺麗で家庭的な女性だった
何度か俺も会った事がある
-
「彼女は自分の全てだ」
口癖のようによく言っていたよ
しかし
そんな幸せも長くは続かなかった
何故なら友人が自殺したからだ
焼身自殺
遺書に一言
ごめんなさい
と書き殴って
-
毎回毎回続きが気になって辛い
-
意味が分からない
何故、自殺なんてした?
俺はどうしても納得がいかなかった
友人の恋人を問い詰めた
冷静になんていられない
「あいつが自殺した理由を少しでも心当たりがあったら教えて欲しい」
ぶしつけでデリカシーのない質問
何も友人が自殺して憤りを感じているのは自分だけじゃない
恋人だった彼女なら尚更だろう
だがな
「ああ、私ですよ」
今でも思い出すと背筋がゾッとするよ
彼女の嘲るように笑った顔
-
こういう雰囲気好き
-
「だって」
「姉さんを殺した癖にのうのうと生きているなんて・・・」
「許せないもの」
彼女は友人が自殺に追い込んだあの子の妹だった
幼い時に両親を亡くした彼女達は身寄りもなく施設に預けられた
当時の児童福祉施設は現代の施設とは違い荒んでいた
-
衛生面の劣悪差
職員不足
周囲の差別的な視線
・・君らにはあまり実感が湧かない話だろうがね
妹の彼女は後に裕福な家庭に引き取られたが・・姉は施設に残った
それには理由があった
どちらか一人を引き取るという条件
姉は妹の為に身を引いたんだ
-
俺、彼女よりもまず妹か娘が欲しいからちょっと往ってくる
兄と父を兼ね備えた最強の俺が救ってみせるぜ
Let's☆アットホォォオオオオオオオオオムッッッ!!!!!
-
例え離れ離れになろうと姉妹の絆を失われない
姉は妹の幸せを望み
妹は姉との再会を誓う
そして月日は流れ
遂に妹は姉との再会を果たす
-
ただし
自殺した姉と
頭が良くて大学も奨学生として入学したのに
綺麗で優しくて家庭的な素敵な人だったよ
恨まれるような人じゃない。誠実な女性だ
姉の死を皆、哀しんでいた
なのに・・なぜ?
涙も渇れ絶望の波に飲まれ失意の底に沈む
しかし
ある日、警察から一通の手紙を渡される
自分宛に書かれた遺書
警察は事件性はないと判断し唯一の肉親である彼女に渡した
-
続き気になる
-
「ぜんぶぜんぶぜーんぶ!書かれてました!姉が愛した男の名前と自殺した理由が・・そして私に向けた謝罪の言葉が!」
「たった一人の家族だった。私は姉さんとまた・・二人で・・・」
「なのに!それなのに!」
「だからあの男に近づいたんですよ!あいつは私を姉さんの妹だって知らずに私に向かって言うんです愛してるとか幸せだよって」
「吐き気がしますよねでもがまんして我慢してガマンして」
「初めて私を抱いた夜に言ってやったんです」
「姉さんはお前を愛してたって」
「私が姉さんの妹だと知るとあいつは目を見開いて泣いて土下座して謝った」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「許すかよバァァァアアアカ!!」
-
怖ぇ
-
「それからずっと姉さんの服を着て姉さんと同じ化粧品を使って姉さんの髪飾りをつけて姉さんの話し方で姉さんの笑った顔で」
「四六時中ただ愛してるって言ってあげたんです」
「そうしたら・・ふふ」
「死んだんですよッ!!頭からあはは灯油を・・ぷぷっ。被って火をつけて!!」
「ばったんばったん踊りながら呻きながらきゃははははは!死んだんです!!」
「ざまぁあああみろって面白くておかしくて・・私何度も何度も笑っちゃいましたよ」
「今でもいひひ。お、おもいだすとです、ね・・・だ、駄目お腹がよじ・・・ひひひひひひひひ」
あはははははひひひひいひひひひきゃははははははははははははははははははははははははは
醜悪
その言葉に尽きる
-
このセリフを冬月が言ってると思うと
-
>>209
そこはほら
ネルフの技術力で再現VTRが
-
同じ中の人なので左様の人で脳内再生された
-
彼女は被害者だ
しかし
被害者であり加害者でもある
・・・この話を聞いた君達には分かるだろう?
愛は尊く美しい
故に
危うく捻れてしまう。
表があるように裏があり
深淵から覗く化け物がこっちを見ている事を忘れてはいけない
愛という簑に隠された復讐という名前の化け物にな
冬月「ーーー終わりだ」
-
いままでのなかじゃ一番怖ぇ
-
冬月「仲違いして言い争うよりもお互い正直に話し合い相手の気持ちを知る・・」
冬月「それは喧嘩の原因になるかもしれん。だがそれを恐れていてはいかん」
冬月「人間関係にとって大切な事だと俺は思うよ」
アスカ「・・・」
綾波「・・・」
マリ「・・・」
加持「流石、副司令。あの三人が大人しく聞いてるぞ」
リツコ「教育者として見習うべきよね。特にミサト」
ミサト「なんで私?ねぇなんで名指しなの?ねぇ」
アスカ「・・・そうね。やっぱり正直になるのが一番よ」
綾波「確かに」
マリ「言わなきゃ伝わらないしさ。・・・うん!」
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アスカ「コネメガネ」
綾波「セカンド」
マリ「レイちゃん」
セーノ
アスカ「アンタのことビッチの癖に語尾ににゃーとかつけてなに必死に可愛いアピールしてんの?その顔で中学生(笑)はないでしょ。年誤魔化してんじゃねーよババア。見てて痛々しいからほんっとやめて。人間やめてとか思っててゴメン」
綾波「貴女がドイツ語で喋る度にエセドイツ人とか心の中で馬鹿にしてた。だってあの発音はないでしょう。あと貴女って自分が一番可愛いとか思ってるんだろうけどいい加減その腐ったジャガイモのような思考回路を何とかして欲しい。正直でごめんなさい」
マリ「無口キャラで読書好きって何番煎じだよ。今時もうそんなのいないし。どうせキャラ作りに熱心なオタクなんでしょ?ってか髪の色がまずあり得ないわー。何その蛍光色みたいな水色。黒に染め直して出直してこいにゃあって感じ。あ、傷ついてたらごめんね」
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アスカ「・・・」ニコニコ
綾波「・・・」ニコニコ
マリ「・・・」ニコニコ
ダレガババアダコラァァァ!!
クサッタジャガイモハアンタデショー! !
・・・ケイコウショクハイイスギ。オクジョウニイキマショウ。ヒサビサニキレチマッタヨ
ギャーギャー
ワーワー
シンジ「・・・」
日向「これは酷い」
マヤ「け、喧嘩するほど仲がいい?」
青葉「フォローが虚しいな」
冬月「・・・はぁ」
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ゆらりゆらり
火がゆらり
リツコ「やれやれ・・私ね」
綾波「期待しています赤木博士。あの腐れ眼鏡やパチモンドイツ人が泣いて失禁するような怪談をお願いします」ボロ
マリ「腐れはお前だ。ネクラ」ボロ
アスカ「パチモン言うな。腹黒」ボロ
シンジ「三人ともやめなって。ね?」
ゲンドウ「・・・もう喧嘩は駄目だぞ」
綾波「ちっ」
アスカ「ふん」
マリ「ぺっ」
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ヒロインズの争いが凄いことになってる
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レイが素の中の人の声調で聞こえてくるから怖い
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冬月「(・・余計な事をしてしまった)」
ミサト「レーイー。期待しない方がいいわよ」
リツコ「は?」
ミサト「だってリツコって大学んときは私や加持くんと一緒にいる以外ほとんど一人だったし」
リツコ「・・・」
ミサト「どーせ高校も中学も勉強ばっかで友達もいなかっただろうし」
リツコ「・・・・」ピキッ
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ミサト「怪談なんてナンセンスよ」キリッ
ミサト「なーんて言ってぼっちだったに違いないわ」アハハ
リツコ「・・・・・」ピキッピキッ
リツコ「レイ」クル
綾波「はい」
リツコ「少なくともあのビア樽メタボの怪談よりはきっと怖い話をしてあげるわ」ニコ
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ハードルあげて大丈夫か…?
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『畏魎ノ箱』
呪物の怪談よ。
荒唐無稽で非化学的な話かもしれないけどーー
・・五月蝿いわよミサト
・・少し黙って聞いていなさい
ーー確かに根拠も理論もあったもんじゃない
でも
実在した呪物に纏わる怪談
有名な都市伝説のコトリバコの話と類似しているわ
用意する箱の大きさは横320㎜縦480㎜
段ボールの箱ぐらいの木箱よ
-
そして
そこに容れるのは
豚の血
鳩の血
猫の手足
兎の耳
犬の目
枇杷の花
100㎎の硫黄
人型の藁人形
呪いたい相手の爪か髪
そして相手が写っている写真
-
これらの供物を用意できたなら後は燃やす
薄明の時刻に枯葉を箱の前に敷き詰め火をつける
燃え始めたら一心に呪いたい相手への呪詛を呟く
心の中でも口に出しても構わないわ
それを箱が燃え尽きるまで続けるだけよ
すると
箱の中に入れてあった写真だけが不思議な事に灰の中に残っている
そうすれば成功よ
これが畏魎ノ箱の作り方
・・前置きが長かったわね
ここからは畏魎ノ箱を実際に試した友人の体験談よ
-
wkwk
-
高校時代に仲の良い友人がいたの
同じ母子家庭で境遇も立場も理解しあえる間柄だった
彼女は父親を憎んでいたわ
自分と母を捨て若い女に浮気した父親を
「リツコちゃん。畏魎ノ箱って知ってる?」
「知らないわ」
彼女がどこからか畏魎ノ箱の噂を聞きそのやり方まで調べていたの
「あいつに・・絶対復讐してやるんだ」
「・・・」
何度止めても聞かなかった
-
学校も休んで来なくなってしまったわ
どんなに連絡しても返事は反ってこない
自宅まで行ってもいない
心配する日ばかりが続いてく
でも連絡が途絶えて二週間が過ぎたある日
彼女から電話がきたの
畏魎ノ箱を作った、と
興奮してたわ。
『これであいつに復讐ができたよ!私やったんだよ!』
「そう・・よかったわね」
『写真がね!焼けてなくてもうさ!びっくりしてさ!』
-
余程、嬉しかったんだと思うわ
「うん、うん」
決して褒められた事じゃないにしろ、ね
これで彼女も過去を恨む事をやめて新しく前を向いて歩いていける
そう安心してた
けど
-
?!
-
あーこういう系の話ゾワゾワくる
恐い続き期待
-
『でも髪や爪は用意出来なかったから・・自分の爪を使ったんだ。上手くいくか心配だったけど』
彼女は手順を違えていた
「大丈夫なの?手順が違ったら意味がないんじゃ」
『大丈夫だよ。だって間違えたらリスクがあるなんて聞いてないし』
「写真はどうなったの?」
『今から見るの。ちょっと待ってね・・』
『・・・・・』
『・・・なにこれ』
彼女がぼそりと呟いた後、電話が切れた
かけ直してもかけ直してもかけ直してもかけ直しても
繋がる事はなかったわ
-
びっくりするほどユートピア!
びっくりするほどユートピア!
-
ハードルあげてきたな
-
それから彼女とは疎遠になったの
「ご家族の都合で暫く休学する」
担任の先生からホームルームで聞かされた
私は悲しかった
何故、一言も相談してくれないのだろう?
何故、友人の私を頼ってはくれないのだろう?
裏切られた気がしてたのね・・・
数年後になるけど
私は彼女に会いにいったの
-
きっかけは一通の手紙
『私に直接会って話したい事がある
都合が良い日で構わないから 』
汚い字で書き殴ったような文章
再会に指定された住所は病院だった。
翌日、直ぐに彼女に会いに行ったわ
そして待っていたのは
「ひ、ひさしぶりりリツコちゃゃん」
「ずずずっとれれ連絡ももしなないででいななななくなっちゃちゃっててごごめん」
変わり果てた友人だった
-
車椅子に座り
目隠しをするように包帯を眼前に巻いて
手足を拘束された姿
痩せ細り
右耳ががなかった
ぽっかりと開いた口腔の中の舌は異様に短く
昔の面影すらない。
-
「○○さん。じゃあ私は行くから何かあったら直ぐにそのボタンを押して下さいね」
握られたナースコール
看護婦・・今は看護士さんね
唖然とする私を一瞥し軽い会釈をして行ってしまった
「・・ししし舌ががきれってきれっててるかららあうまぁく喋れれなないの」
「こここじゃあれれだだから中庭わわいこうう・・」
「くく車椅子すおしててくれれるる?」
-
怖えーよ(泣)
-
中庭につくと自分の車椅子にかけてある袋から
一枚の写真を取り出して見て欲しいと私に言ったの
「こ、これっ・・!?」
取り出した写真には父親と母親と友人の三人が映っていた
けどね、全員の顔が捻れていたの
特に酷いのは友人で原形が判別出来ないくらい捻れて
て・・
「・・わわたたしは失敗しちゃゃっあたんあ」
辿々しく話す彼女の喋った内容をまとめてみるとこうなった
-
あの儀式の後、身の回りに不自然な出来事や不幸に見舞われた。
母親の交通事故
幻聴や幻視
鏡に映る異形の怪物
そいつは傍にいて母親の顔も他人の顔も化け物に視えてくる
だから目に包帯を巻いた
おぞましく自分を呼ぶ声に昼夜問わず苛まれる
だから右耳を潰し切った
身体中が燃え上がるような痒みと痛みに襲われる
自傷行為をしない為に拘束された。
-
食べ物からは腐った肉と汚物を混ぜ合わせた味がして嘔吐してしまう
だから味覚を感じなくなるように舌を切った。
自分の爪と髪を代用し
三人の写真を供物として使ったのが原因だと友人は言った
このままでは自殺してしまうと母親から病院に入院させられた
重度の精神疾患患者として
それが顛末
-
「りりりリツコちゃゃんののいっっったとおりりだったた」
「てて手順んんをを間違ええたたたらいけけないいんんだったた・・」
まさか
まさかだったわ
畏魎ノ箱なんて学校で流行ったありふれた都市伝説みたいなものだったのよ?
それが現実に厄になって友人を苦しめているなんて・・
-
でも
はっきりいって信じてなかったわ
今の友人の姿を見てもそれが本当に畏魎ノ箱のせいなのかも怪しんでた
写真だってただ感光して歪んだように映っただけかもしれない
妄想と現実の区別がつかなくなってしまっただけ
哀れで虚しい幻想に囚われたんだ、と
-
「だけけけどね」
「今度どどこそそそ大丈夫ぶぶぶぶぶ」
「大丈夫って何が大丈夫なの?」
「りりりりリツコちゃゃんににお願いいいがああるんんだ」
予想もしていなかった一言
「いい畏魎ううノの箱ここをねつくっててほしいんんだ」
「え」
「わわわわたしこんななんだからららぁ」
「今度こそそそそそせせせ成功さぁせええぅするうの。すす、ればぜんんぶ元通りりにななるかから」
「○○・・」
-
人を呪わば穴二つか…
-
「おおおねぇぇがあああいぃっ」
そんな事出来るわけがない
自業自得だ。
友達にこんな事を頼む子じゃなかったのに
私が知っていた友人はそこにはいない。
虚妄に憑かれた女がいるだけだ
彼女の願いを断り続けた
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「○○。わかってくれた?」
「・・・・」
風が吹く
「・・・・」
-
唐突だったわ
「やれ」
はっきりと聞こえた。
口ごもることも呂律が回らなくなることもない
-
命令口調の雑音が混じった男性の声色
明らかに友人じゃない。
周囲には私と友人しかいないのに
「・・・・・」
友人は喋らない。
またも強い風が吹き
巻かれた包帯が緩み彼女の眼が露になる。
見てしまった
暗く暗く黒い瞳に光はなく鏡を映すように私を反射させている
彼女の瞳の中の私の背後に立つ
何かの手を
細く赤黒く猛禽のような手
ぶくぶくに火傷の水ぶくれのように膨れた手
-
酷い獣臭もしてきた
腐った肉の匂い
ざわりざわりと体が悪寒で震える
「うふふうふふふふふふ」
・・・・その後は直ぐにナースコールのボタンを押したわ
彼女から引ったくるように奪ってね
振り返る事なく病院から逃げたわ。
これが私の経験した科学じゃ説明がつかない話。
ああ、そうだったわ
蛇足になるけど
-
鳥肌パネエ…
-
彼女の父親は浮気なんてしてないわ。
物心つく前に交通事故で他界してたの
母親は嘘をついたのよ
幼かった彼女に死んだと言えなくて浮気したと
たった一つの嘘がこんなことになるとは思わなかったんでしょ
最初から成功する筈がないのに
呪いたい相手は居なかったんだから
ーー誰から聞いたって?
彼女の母親よ。
-
私が会いに行ったから
・・何でかしらね?
今となっては当時、自分が何でそこまでしたのか理解出来ない
けど
ロジックじゃないの
リツコ「・・・こんな所かしら」
-
カヲル「これは・・」
青葉「寒気がしてきた」
加持「(・・本気でチケット取りにきてるな)」
シンジ「リツコさんの話、すごい怖かったです」
リツコ「あら。そんなことないわシンジ君」
リツコ「ぼっちで根暗で金髪黒眉毛で科学オタでパソコンと研究ぐらいしか取り柄のない私の話よりもミサトなんかはよっぽど恐い怪談を話すんだから。ミサトの話の方がきっと凄いに決まってるわよ」チラッ
ミサト「(リ、リツコこの野郎・・!)」グヌヌ
マヤ「葛城三佐の顔が凄いんですけど・・」
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ハードルがどんどん高くなってきてるw
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ゲンドウ「冬月」
冬月「なんだ」
ゲンドウ「殺伐としてきたのは気のせいか?」
冬月「気のせいだ」
ゲンドウ「冬月」
冬月「なんだ」
ゲンドウ「段々と怪談のハードルが上がってきているのも気のせいか?」
冬月「気のせいだ」
ゲンドウ「・・・そうか」
綾波「赤木博士、私は信じてました。博士ならやってくれると」
リツコ「・・・」
綾波「こんな時・・どんな顔したらいいか分からないんです」
リツコ「ほくそ笑めばいいと思うわ」
綾波「ほくそ・・笑む?」
-
リツコ「そうよ。勝ち誇りたい相手にするの」
リツコ「こんな風に」フン
綾波「わかりました」フン
リツコ「」フン
綾波「」フン
ミサト「むかつくううぅ!!」
アスカ「むきいいいいぃ!!」
マリ「蹴っ飛ばしてぇぇぇ!!」
-
ぽたりぽたり蝋落ちて
冬月「次は伊吹二尉だ」
マヤ「ああ・・きちゃった」
日向「あまり気負うなよ」
カヲル「うん。気楽にいったらいいんじゃないかな」
シンジ「遊びですしね」
リツコ「そうよマヤ」
マヤ「そ、そうですよね!」
マヤ「それじゃ話します」
-
アスカ「(マヤはノーマークでいいわね)」ジッー
綾波「(伊吹二尉は問題ない)」ジッー
マリ「(大丈夫だよねー。マヤは)」ジッー
青葉「この三人だけ考えてる事が違う気がする」
加持「同感だ」
-
『金髪の理由』
えっと・・この話は友人の体験談なんです。
あんまり怖くないかもしれませんがいいですよね・・?
ーーはい。じゃあ・・・
ーー聞いたまま全部話します
がたんごとん
がたんごとん
規則正しく揺れる人で賑わう電車の中。
当時、小学三年生だった私は夏休みを利用して祖母の実家に一人で遊びに向かっていた。
不安もあったが初めて一人で遠出をすることに私はわくわくして仕方なかった
-
「親とはぐれたんか?」
隣に座っているお兄さんが私に聞く。
物珍しくキョロキョロ周りを眺めていた私を迷子と勘違いしたのかもしれない。
-
「ち、ちがいます」
「ほうか」
私は内心びくびくしてた。
金髪で耳にじゃらじゃらとついたピアス
目付きも鋭くがっしりとした体型
不良だ
分かりやすいくらい威圧的な人だった
-
支援
-
縮こまり萎縮してしまう
早く降りないかな
子供心にそう思っていた。
目的の駅まではまだまだ時間がかかる。
うとうとして寝てしまった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
-
時間がどれだけ経ったかは分からない。
突然の大きな震動とで私は目を醒ました。
そして眩い光に包まれる
「きゃ!」
「・・・・」
「あ、ごめんなさい」
目を開ける
驚いた拍子に金髪のお兄さんに抱きついてしまっていた。
「あれ・・ここは・・?」
-
寝惚けているのだろうか
電車は空を走っていた。
窓から覗くと空に轢かれたレールが見える
遥か下に地上の町
どこまでも広がる晴天
「え?え?」
現実味のな不可思議な風景だった。
-
まるで夢のような・・
だが意識ははっきりしているし夢にしては鮮明過ぎる
『次は天津国駅。天津国駅でございます』
アナウンスが流れる
天津国?
-
電車が停車する
空に浮かぶ駅。
質素な駅。
ドアが開き人がどんどん下りていく。
下りた方がいいのか迷っていると
「ここは下りんでええんじゃ」
-
ぶっきらぼうに隣の金髪のお兄さんが言う
「でも」
「よく見ぃ。まだ下りん人がおるやん。お前どこの駅で下りん?」
「○○○駅です」
「だったらまだまだ先じゃ。俺もお前も」
そうこうしてる内にドアが閉まり発車する。
-
大分下りて人は少なくなった。
電車はどんどん進む
すると
真っ黒の穴に電車が潜る。
抜けた先には
図鑑でしか見たことのない宇宙のような景色が広がっていた。
「わぁ・・」
綺麗で思わず感嘆の声が漏れる。
不思議な事に白鳥が飛んでいる
-
「綺麗よねぇ」
「うん!」
知らない女の人が私に話し掛けてきた。
少し派手だけど美人なお姉さんだった
「なんや。きさん」
「あら。話しかけちゃダメだったかしら?」
「妹さんはこんなに可愛いのにお兄さんの方は随分と無愛想ね」
妹じゃありません
「こいつは妹じゃなか」
「あはは。やっぱり?道理で似てないと思った」
-
「・・・」
「ふふ」
快活に笑うお姉さんにつられて私も笑う。
「私も隣に座っていいかしら?」
「勝手に座れ」
「貴方の隣じゃないわ。この子のよ」
「・・・」
お兄さんは不満そうながらも席をずらす
薄々感じていたが
金髪のお兄さんは悪い人じゃなさそうだった。
見た目だけで判断してたかもしれない
-
「私は△△っていうの。あなたのお名前は?」
「□◇です」
「珍しい名前ねぇ。それで貴方は?」
「・・・×××」
「ありきたりな名前ねぇ」
「うっさいわ」
お姉さんとお兄さんと私
三人で色んな事を話した。
私の学校の事やお姉さんの仕事の話。
お兄さんは黙って聴いてたり頷いたりしてた。
会って間もないのに楽しくて愉しくて嬉しかった。
-
兄弟のいない私にお姉ちゃんとお兄ちゃんが出来たみたいで。
『次は常世駅。常世駅でございます』
またアナウンスが流れる
「常世駅って不思議な名前・・」
「・・夢なのに夢じゃないみたい」
「・・・」
「・・・そう、ね。ここは夢じゃないわよ」
-
「だってこんなの見たことないよ?」
「世界には□◇が知らないような事がいっぱいあるもの!」
「そうなの?」
「そうよ。ね?」
「・・・ああ。そうやね」
「へぇー」
何だかはぐらかされた気がした。
そうこうしてる内に駅に着いた。
-
半透明の透き通るような色彩の小さな駅
周囲には流れ星が雨のように落ちて
白鳥が止まっている。
また何人もの人が下りていく。
車内には私とお兄さんとお姉さんだけになってしまった
-
色々な駅を過ぎた
魚が泳ぐ海の中にある駅
怪獣みたいなのが周囲を歩いている駅
ゴミ山の悪臭がする駅
お菓子の駅
虹が一面にかかっている駅
白黒な駅
赤い川が流れ針が一面に敷き詰めれている駅
囁くような声だけが聞こえてくる駅
森の中にある澄んだ空気の駅
駅に着く度に人が下りていく。
-
不思議な事に空腹にもならずトイレにも行きたくならない。
長い時間を三人で一緒にいた。
唐突にその瞬間は訪れた。
『次は逢魔ヶ刻。 次は逢魔ヶ刻駅でございます』
-
「・・っと。もう着いちゃうか」
「え!?お姉さんはここで下りちゃうの?」
「うん。ここがお姉さんの終着駅だから」
「・・・ほうか」
「・・・さみしい」
「ほら、二人ともそんな顔しないの」
「きっとまた何時か会えるわよ」
紅い蝶々がひらひらと飛ぶ
夕焼けが遥か彼方で沈もうとしていた
蛙の泣き声が響いている
そして停車する
何の代わり映えしない田舎の無人駅
「・・・二人ともばいばい」
-
「お姉さん!」
「ちゃんとその子を送ってあげなさいよ」
「おう」
「ふふふ」
「じゃあまたね」
お姉さんは素敵な笑顔で別れを告げた
私は手を振る
応えるようにお姉さんも返してくれた
どんどん小さく遠く離れても
お姉さんの姿が見えなくなっても私は振り続けた
-
「二人だけになっちゃった」
「そやな」
「・・・」
「・・・なんじゃ」
「・・・手握ってもいい?」
「・・・」
お兄さんは無言で私の手を握ってくれた。
大きくてごつごつしてた
それからも
電車は止まる事なく走り続ける。
-
幾分過ぎて
淡い緑の光が雪のように宙に舞う景色が広がった
暗闇の中にぽわりぽわりと漂っている
蛍が飛ぶように
『次は三途橋。三途橋駅でございます』
「・・□◇。俺はあの駅で下りんといけん」
お兄さんが私に言う。
-
「じゃあ私も下りる」
「駄目じゃ」
「下りる」
「駄目なんじゃ」
「下りるもん」
「駄目じゃゆーとるやろ」
「・・嫌」
「怒るぞ?」
「・・・ぃや!」
電車が止まる。
-
「よう聞きぃ」
お兄さんは真剣な顔で私の肩を掴み言った。
「お前を待ってくれとる人達がおる。その人達を悲しません為にも行かなきゃいけんのじゃ」
「でも・・!」
「行くんや。この先もずっとお前さんは行かなきゃ行けん」
「俺やあいつの分も」
「ひっぐ・・ぁ」
私は泣いた
お兄さんが下りる。
ドアが隔てる距離が近いのに遠く感じる
-
「また・・会えるよね?」
「ああ」
「俺もあいつも待っとるよ。ずっとな」
ぐしゃぐしゃと私の頭を撫でる
ドアが閉まり電車が発車する
最後に見たお兄さんは微笑んでいた
私はずっとずっと手を振る
見えなくなっても
ーーー
ーー
ー
電車は何処にも止まる事なく走り続けた
-
私を乗せたまま
そしてアナウンスが流れる
『次は終点。終点の現し駅。現し駅でございます』
・・ 現し駅?
『お下りの際は忘れ物がございませんようお願い致します』
白い光が電車を包んでいく
真っ白に真っ白に
視界が染まっていった
-
続き待機
-
最初に見たのは天井
そして聴こえてきたのは両親の泣き声
慌ただしく動く白い衣服を着た男の人と女の人
ぴっぴっぴっと
機械音が一定のリズムで鳴っている。
「□◇っ!ああ!お母さんよ!」
「あ、れ・・・?ここは・・・」
「ううっ・・!っ・・!!」
「・・・?」
-
ここは病院だった。
「一ヶ月も寝たきりだったのよ」
母から聞いた話ではトンネル内での落盤事故で私は生き埋めになっていたそうだ
救助された私は意識不明のでいつ目が覚めるかも分からない植物人間状態だったらしい
「正に奇跡です」
担当医はそう言った。
それじゃあれは全部夢・・?
あの電車での出来事は全て夢だったっていうの・・
鮮明に記憶に残っている。
匂いも感触も
お兄さんもお姉さんも
-
生存者は私一人だけ。
そして私が生き残れたのには理由があった。
「若いお兄さんがあなたを助けてくれたのよ」
「お、兄さん・・・?」
崩れた岩や潰れた車内から私を守るように覆い被さっていた。
だから私は外傷は殆どなくて済んだらしい
そのお兄さんも私と同じくこの病院に搬送されたが昨日に亡くなってしまった
そのお兄さんの名前は
×××
あのお兄さんの名前だった
-
「あ・・・ああ!」
お兄さんは私を・・ずっと助けてくれてたんだ
自分を犠牲にしてまで見ず知らずの私の為に・・
涙が止まらなかった
全て理解した
あの夢は
夢なんかじゃなかった
-
ーーー
ーー
ー
「そっからは色々と取材とか凄くて慌ただしかったなー」
「・・これって作り話とかじゃないの?」
「失礼な」
「当時の新聞や雑誌にも取り上げられたんだから。何なら調べてみる?」
「そこまでしなくてもいいよ」
半信半疑だけど彼女の
懐かしむような
寂しそうな
そんな顔で語る姿を見ていたからこれ以上しつこく聞くのも野暮だと思った
「お兄さんの写真もお姉さんの写真も・・新聞に載ってたんだよ。寸分違わなかった」
-
今度は
「だからね、私は誰に何と言われようと金髪をやめないよ」
「よぼよぼのお婆ちゃんになってもさ」
「非常識かもしれない。バカって言われてもそりゃ仕方ないかも」
「でも」
「憧れだから」
眩しい笑顔で彼女は答えた。
当時、高校のクラスメートだった友人はその髪で上級生や職員から散々いびられてたわ
染め直さない理由はこれだった
-
「マヤちゃん」
「私ね・・将来は世界中を飛び回って子供達を助ける仕事がしたいなぁ」
赤の他人の自分の為に命を省みず助けてくれたお兄さんのように、と付け加えた
それから数ヶ月後、彼女は学校を退学した
夢を叶えに行ってくる
そう私に言い残して
これで話は終わりで・・
・・・え、それから友人はどうなったのかですか?
-
ふふふ
夢を叶えて世界中を飛びまわってますよ
長い金髪を靡かせて
見ず知らずの子供達を助ける為に
マヤ「・・・これでおしまいです」
-
ええ話しや…
-
マヤちゃんgj
-
ポカポカした
-
金髪兄貴gj(敬礼
-
シンジ「凄い良い話です」グスン
カヲル「感動で胸が打たれたよ」
冬月「素晴らしい。道徳観に富んだ話だ」
青葉「・・ちくしょう。目が潤んできやがった」
日向「この後に普通に怪談を話すのかよ俺・・」
リツコ「宮沢賢治の銀河鉄道の夜に似てるわね。良い話には変わらないけど」
シクシク
シクシク
加持「・・葛城?」
葛城「うぁ・・うぇぇ!ぐす・・!い゛い゛はな゛じだわぁ!!」ゴウキュウ
-
リツコ「滅茶苦茶に泣いてるわねミサト」
冬月「・・こっちも凄いぞ」チラッ
アスカ「ちょっ・・マジでマヤちょっ・・ほんともう・・・」ポロポロ
カヲル「泣いてるの?」
アスカ「ち、違うわよ!これはっ・・ 涙腺から分泌される体液で!がっ眼球を保護する為に流れただけだから!」グシグシ
カヲル「いやそれ泣いてるよね」
-
ミサトとアスカがカワユス
-
作者凄すぎるだろ・・・いやマジで
-
綾波「・・・」ポロポロ
綾波「・・・・」ハラハラ
綾波「・・・・・」ポタポタ
綾波「・・・・・・」グスングスン
冬月「(声を押し殺して無表情で涙を流すとは・・)」
青葉「(先生に怒られて泣いてるみたいに見える)」
リツコ「・・ほらレイ」ハンカチ
綾波「・・・ありがとうございます赤木博士」
綾波「っ」ハナカミチーン
リツコ「・・・レイ。それあなたにあげるわ」
-
加持「アスカもレイも感動してるが」チラ
日向「はい。一番凄いのは・・」チラ
シンジ「ちょ、マリさん!落ち着いて!」
マリ「うわあああああああああああああああああん!!!」ビェェェン
マリ「ひっ・・く!・・もぅ!こ・・・んなのって!!お兄さんがぁあああ!!」ゴウキュー
シンジ「ほら、落ち着こう」セナカサスサス
マリ「う゛ん・・・」
マリ「ぐす・・ごんなに泣いたのって・・・百万回死ん゛だネゴいらいだよぉ・・・」グシグシ
マヤ「(意外とこの三人って涙脆いのね・・)」
-
ゲンドウ「・・・伊吹二尉」ギロリ
マヤ「は、はい」ビクゥ
ゲンドウ「・・素晴らしい話だった。冬のボーナスは期待したまえ」
マヤ「ほえ!?」
冬月「・・・」
冬月「(碇、俺は見たぞ。話終える直前にお前も泣いてたのを)」
-
ゲンドウww
きゃわわ
-
さらりさらり燭はらり
日向「次自分ですね」
マリ「・・感動系はもう勘弁してほしいにゃー」
アスカ「そうね」ウンウン
綾波「同感」
日向「はは・・あれの後じゃそんなの話せないよ」
日向「定番なコテコテの怪談でも話すとしようかな」
-
加持「お、いいねぇ」
ミサト「日向くーん・・あんましハードル上げないでよー」
青葉「切実ですね」
シンジ「楽しみです」ワクワク
ゲンドウ「期待している」
日向「あんまり期待しないでくださいよ」
日向「それじゃ話します」
-
『ビデオテープ』
ーーー皆さんは有名なリ○グっていうホラー映画はご存知ですか?
ーーーはい。この話は丁度、あの映画が流行った時期の話なんです
当時、俺は映画に嵌まっててレンタルビデオ屋に入り浸ってたんです
店員とも仲良くなってある一本のビデオを貸してくれたんですよ
「これマジでヤバイっすから」
わくわくして家に帰って早速見ました
-
映画やテレビドラマのリングが公開される前に二時間ドラマで放映したリングが怖かったなり
-
ザーザー
ザーザー
ザーザー
五分ぐらい砂嵐が続いた後でしたね
『・・・・』
白いワンピースを着た髪の長い女がぬぼーっと廃墟の前に突っ立ってるんです
「あー・・またこんなのか」
がっかりしました。
この手の貞○もどきの映像って腐るほどあったんです
また数分して
手を伸ばしてカメラの方にゆっくりと歩いてきたんですけど・・
-
これがまた素人目でも分かるくらいぎこちなくて演技臭い
『あ゛ぁー・・///』
唸り声にも照れが混じって上ずっている
「酷いなぁ」
カメラも手ブレが凄くて萎える
最後に画面いっぱいに女がアップして終わりだった
「はぁ・・期待して損した」
-
恐らくあのバイトとバイト仲間で撮った自作ビデオなんだろう
「ったく。返す時なんて言ってやろうかな」
デッキからビデオを取りだそうとした瞬間でした
『ああああ゛ああ゛』
不気味な唸り声が聴こえてきたんです
さっきのとは全然違う。異質で背筋が凍るような声でした。
ただ、画面は砂嵐のままで何も映っていない
『ああああああああああああああああああああああああああああああ゛』
声だけが聴こえるんです
-
最初は聴いてたんですけど段々、怖くなってきてビデオを止めたんですよ
なのに
『ああああああああ゛あああ゛゛あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
声だけが聴こえてくるんです。
テレビの電源も急いで消しました
ビデオデッキのプラグもコンセントから引っこ抜きました
でも
唸る声はどんどん大きくなって耳を両手で塞いでも止まないんです
-
「なんなんだよ!?」
おさまれおさまれー!・・って心の中で叫んでました。
永遠に続くのかって感じた程でしたよ
ですが
急にしーんってなったんです
おそるおそる耳から手を離して安堵した次の瞬間でした
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ゛あああああああああああああああああああしあああねあああああしあねあああああああああああああああああああああしああああねああああしああああねあああああああああああああああ゛゛」
耳元で大きく鳴り響いたんです
-
(こいつ脳内に直接!?)
-
幽霊さんの声はマジで脳内に直接来るからなぁ…
-
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
気づけば朝になってました
気を失ってたんです。
「あれは・・夢だったのか?
体を起こすと
「痛っ」
首筋に鈍痛と違和感を感じて鏡で確認したら
ゾッとしました。
誰かに首を絞められたように青黒い手形の痣が出来てたんです。
「夢じゃ・・なかった・・」
-
・・後日談になります
あのビデオテープはやっぱりバイト仲間で自作したビデオだったらしいです。
全て話して確認して貰いましたが・・・
そんな声はどこにも録音されていないとの事でした
あれが何だったのか?今でも分かりません
ただ言えるのは
僕はビデオが嫌いになりましたね
日向「こんな所です」
-
ゲンドウ「確かに定番だが良いな」
カヲル「うん。夏に相応しい怪談だね」
青葉「ちくしょう・・お前らのおかげでハードルマックスじゃねぇか!」
マリ「ビデオテープって今もうないもんねぇ」
綾波「DVDとBlu-rayに乾杯」
アスカ「アンタって意外と怖がりよね」
綾波「萌える?」
アスカ「・・その発言で台無しよ」
-
くるりひらりさらさら
蝋がぐちゃぐちゃ
青葉「きたかぁ」
冬月「さて青葉二尉はどんな怪談を話すのか・・」
ミサト「青葉くん」
青葉「はい?」
ミサト「ありきたりな話で良いのよ」ニコ
青葉「は、はい」
ミサト「無理に怖い話なんてしなくていいんだから。遊びなんだから、ね?」ガシッ
青葉「ちょ、葛城三」
ミサト「後に残ってる人の気持ちをちょっと・・ほんのちょっちでいいから考えてくれるだけでいいのよ」ミリミリ
青葉「痛い!葛城三佐!鎖骨の部分を掴んで捻りあげるの止めてください!」
リツコ「パワハラじゃない」
加持「焦ってるなあいつ」
-
綾波「碇君」
シンジ「どうしたの綾波」
綾波「碇君は浴衣姿の女の子って好き?」
シンジ「嫌いではないけど・・急になんで?」
綾波「私って浴衣似合うかどうかと思って」
シンジ「そうだね。綾波の浴衣姿は可愛いと思うよ」
綾波「・・・旅行が楽しみ///」
マリ「まあさ!胸がない女は浴衣とか着物は似合いそうじゃん?苦しくないしさ。ねー姫」
アスカ「コネメガネってばわかってんじゃない。その通りよ。実際に着た私が言うんだから間違いないわ!」
アスカ「ってかね!なにアンタもう旅行券貰った気になってんのよ」
-
待ってました!
-
綾波「皆の怪談も怖いけど赤木博士の怪談が一番怖かった」
綾波「異論はある?」
アスカ「うぐっ・・そ、そりゃ確かに怖かったけど」
マリ「ま、まだわかんないじゃんか!」
-
リツコ「そんな事ないわよ」
リツコ「まだミサトも加持君もいるんだから」
綾波「・・それでも赤木博士が一番です。私にとっては揺るがない一番なの」
綾波「だって私の為に話してくれた怪談だから」
綾波「他の人がなんと言おうと譲れない」
リツコ「レイ・・貴女って子は」
綾波「赤木博士・・・」
ミサト「何よあの茶番は」シラッー
加持「仲良いなあの二人」
アスカ「ミサトさアンタ・・マジで頼むわよ・・・?」ギロ
マリ「リョウジー。わかってるよね?旅行券貰えなかったらどうなるかー・・悲惨なことになるかにゃー」ジトー
-
加持「(・・・これはまずい)」
ミサト「(・・・後がないわ)」
カヲル「必死過ぎて笑えなくなってきたよ」
シンジ「?」
アスカ「うっさいわね。ほらロン毛早くしなさいよ」
マリ「ちゃっちゃっとぱっぱっとスピーディにね」
青葉「扱い酷くないか?」
-
『スケルトンで理想的で美人な俺の嫁』
これは知り合いの男性の話なんだが
ーーーえ?前置きは良いからさっさっと終われ?
ーーー題名がふざけてるって・・センスあるでしょこれ?
ーーーちょっ勘弁してくださいよ!叩かないでくださいよ!
ーー痛い痛い痛い!
ーーー・・ありがとうございます司令
-
・・・まあ、その知り合いの男性なんだけど
友達思いで礼儀正しい
口も回るし喋りも上手い
嫌味なとこがなくて一緒にいて楽しいって心から思える
そんな奴だった
ただ致命的なまでに女の子にモテない
それは
雪男とタスマニアデビルを足して割ったような顔
脂肪に覆われたずどーんってしてる体型
濡れたワカメを張りつけたような髪
容姿が悪かったんです
生まれてから女の子と手を繋いだ時もキスした時も一度だってない
-
あれ、おれのこと?
-
「一回ぐらい女の子と付き合いてぇなぁ。ぶへへ」
自嘲するようによくあいつは笑って言ってた
それでネルフに勤めて暫くしてからそいつから電話がきて
『シゲルよぉ俺、結婚したんだぜ』
「え?マジで?」
『マジマジ』
『嫁さん紹介するから今度遊びこいよ』
-
『ぶへへ』て……
-
ぶひひ
-
保守します
-
総員第一種戦闘配備
-
総員第二種戦闘配備
-
期待
-
更新しないかな
-
期待
-
保守
-
まだかなぁ…
保守
-
遅くなってすみません
再び更新させて頂きます(´・ω・`)
保守どうもでした(*´ω`*)
-
「おう。わかった」
そう言って俺は電話を切ったんだ。
正直、どんな物好きがあいつと結婚したのか興味津々でさ
失礼な話だけど
それで休日に家に遊びに行ったんだよ
-
「あいつ・・良いとこ住んでんだな」
教えて貰った住所を辿って着いた先には家賃が高そうな高層マンション
近くには大型ショッピングモール
行き交う高級車
外人の親子
「・・・」
場違いなラフな服装と自分の住んでるボロアパートを思い出して惨めな気持ちになった
そんな自分を心ん中で励ましながら友人の部屋に向かう
-
いよっしゃぁー!!
更新キター!
-
「おーシゲル!ひさしぶりだなぁ」
チャイムを鳴らして出迎えてくれたのは昔と変わらない友人
「お前も元気そうじゃんかよ。あ、これつまらないもんだけど」
「なんか気ぃ使わせちゃったなぁ。ありがとよ。まあ、中入れよ」
「ああ。・・で、奥さんは?」
「あいつなら出先だからもう少しで戻ってくるかな」
-
「そっか。いやぁーでもお前が先に結婚するとかなぁ」
「美人なのか?嫁さん」
ぎゅふふ
友人は気味の悪い笑い声をあげる
「俺には出来すぎた嫁さんさ。可愛いし料理は旨いし優しいんだぜ」
「ちっ、ノロケかよ」
聞いといて何だが憎らしくなる。
「まあまあ。お前だってそのうち見つかるって」
「とりあえず、うちの嫁が作ったつまみ食いながら飲もうや」
テーブルには手作りとは思えないほど豪勢な料理が並べられてた
-
待っててよかった。
再開ありがと
続き楽しみ
-
早く続き聞きてー!!
-
気になる
-
更新来てたか!
待ってる!
-
期待
-
それから俺達はしこたま飲んで食って昔話や仕事の話で盛り上がって・・え、機密情報を漏洩したのかって?
・・・いやいや。それは守りましたよ!
・・・本当です!信じてください碇司令!
・・うぅ、はい・・話に戻ります。
結局、べろんべろんに酔っぱらっちまったんだ
もう二時間も飲んだ後だったかな
ガチャリ
玄関の鍵が開く音が聞こえたんだ
-
「おおう、あいつ帰ってきたぞぉシゲル」
「ま、まじか。俺今さらだけど緊張してきたぞ」
「でへへへ。だーいじょぶだって・・・おーい!」
あいつが玄関に奥さんを迎えにいく。
俺はドキドキしながら待ってた
-
待ってる
-
「でへへぇ、紹介しまーす!俺のおっくさんでぇーす」
俺はあの時の・・・あの瞬間を忘れないと思う。
美人だとか不細工だとかそんな事じゃなかったんだ。
つぎはぎ
顔面に残る縫い目
細い腕にも・・いや少なくとも目につく身体の至る所にそれはあってさ
縫い合わされた皮膚は弾けた石榴が腐ったような色だった
もう酔いなんて一瞬で覚めちまったよ
「#>〆ゞぅも@」
あいつの奥さんが聞き取れない・・聞き慣れない言葉らしきものを発する。
その表情は無機質で機械のように感情がない
「ゆっ@☆§£℃」
口を動かす度に口の端の縫われた継ぎ目が解れていく。
-
「えっ・・・あ、え?」
「あー。ほらほら解れてるから自分で直してきな」
「え☆♀」
あいつの奥さんは立ち上がってどっかに行っちまった。
しかし
・・解れてきた?俺の耳はおかしくなったのか?
-
「な、なぁ」
「ん?」
「あ・・・奥さん大丈夫なのかよ?」
あれっていう言葉は辛うじて飲み込んだ。
「大丈夫さ。いつもの事だし」
「いつもって・・怪我か病気か?俺には大丈夫そうには」
「生まれつきなんだよ」
生まれつきな訳があるか
「ちょっとどうい」
ぎぃぃぃぎぃぃぃぃぃぃぎぃぃぃぃぃぃぃぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!
その時、凄まじい叫び声が響いた。
あんな叫び声聞いたことなかったよ
-
「あーあ。またやっちゃったよ」
「ちょっ、え?え?」
「シゲル。俺ちょっと手伝ってくっから待っててくれ」
「お、おい!」
一人リビングに残された。
この状況変化に俺はついていけていなかったんだ
もう、帰りたいって気持ちで胸がいっぱいだった。
-
オチツイテココヲホラ
いぎぃぎぃぃぃぎぃぃぃぎぃぃぃぃぃぃ
ソレジャヒロガッテナカガミエチャウダロ
きぃぃあああああぁぁぁ
ダカラ!ソウジャナイッテイッテンダロ!!
ぁぁぁ!ぎぃぃぃぃぃぃぎぃぃぃぎぃぎぃぃぃっ!!
イイカゲンニシロヨ!ボケガァ!!
-
バキッボキ
ドガァグチュ
友人の怒声と叫び声
人を殴った時の鈍い音
「・・・なんなんだよぉ・・なんで・・」
何故か泣けてきた。
その時わ頭の中で一つの考えが浮かぶ。
今帰ればこの異常な状況から抜け出せる。
そうだ。待つ必要なんかない。
帰ろう・・・!
-
そう決めて立ち上がろうとした矢先だった。
「わりぃーわりぃー。いやぁ手間がかかっちまったよ」
友人が戻ってきた
-
怖っ!!!
鳥肌立つ…
-
怖いっす((((;゚Д゚))))
-
待機
-
保守
-
乙
期待してるぜ
-
追いついた…こここ、怖くねーし…((;゚Д゚)ガクガクブルブル
-
期待待機
-
保守
-
続きたのしみ
-
続きたのしみ
-
あっ・・あぁ・・!」
服にまばらに飛び散った赤い滴
何故か破けたシャツ
さっきと変わらない不細工な笑顔
異常な筈なのに友人はそれが当たり前だと言わんばかり・・
そう、普通だったんだ
「いやぁすっかり悪いことしちゃったなぁシゲル」
「えっあ・・いや、あ・・」
-
そして一番目についたのは
「おっ、おまえ・・それっ」
大きく鋭く鈍く光る鋏のような物
「ああ。これか?これ直したり硬いとこ切る時に便利なんだ」
直す?硬いとこを切る?
なにをどこに・・っては聞かなかった。
安易に想像できたしな
俺の頭の中ではチェンソーを持って暴れるホッケーマスクの大男が狂喜乱舞してたよ
-
続きが気になる
-
続き、超楽しみです!!
-
「おまっ・・」
「なあシゲル」
唐突な呼び掛け
「俺の奥さんは最高だけど完全じゃあないんだよぉ」
「やっぱり死んでるヤツじゃ駄目なんだ。生きてるヤツの新鮮なパーツが一番しっくりくるって思うんだよ」
「最初はネズミや猫とか・・犬の死体から始めたんだ」
-
続き待ってるぜ
-
「腐臭も酷いし虫は集るしで散々だった」
「けどな」
目を爛々と輝かせて友人は喋る
「人を使いはじめてからは一気に全てが変わったんだ!」
「動く!声を発する!考える!」
「・・俺はこの時、確信したよ。これは神様が与えてくれたチャンス。俺みたいな不細工な男が理想の妻を作りあげるチャンスだってなぁ」
「そーいえばぁシゲルには言ってなかったっけ。俺火葬場で働いてんだ」
「柔い肌、頑丈な骨、大きな乳房、まだ綺麗なままの子宮、生爪、胃、腸、心臓、唇、髪、指、血管・・・パーツは選び放題よ」
「んでぇやっとここまでたどり着いた」
-
俺の手を
俺の足を
俺の指を
俺の耳を
俺の唇を
俺の髪を
品定めをするように舐め回すように見る
永遠のように続くと感じた沈黙は
「お前のパーツ・・・俺の奥さんにくれよ」
この一言で破られた。
-
うわぁ
-
「あっ・・!ぁっああぁ!」
声にならない叫びって正にこの事だって痛感したよ
空気が漏れてく音みたいな声ってやつ
「ほらほらあんま動くなよ。動くとよけー痛いだけだぜ?ちょこっとな、ちょこっとだけ切るだけだから俺腕いいし上手だし。ぷつぷつって血が噴き始めてプシャアアって出るだけ。痛くないから痛くないからな?ほらちょこっともうちょいもうちょいこっち向いてくれ。骨とぶつかるとそりゃ痛いだろうが・・まあ、恥骨砕くよりは肩甲骨に当たるぐらいの方がマシだし。な?な?」
物騒な台詞を吐きながら近づいてくる友人
立って逃げ出したくても情けない事に全く足に力も入らない。
-
鋏が眼前に迫る
後ずさるも壁に背中がぶつかる
じゃきん
じゃきん
鉄と鉄が重なり擦れる
目の前の友人が現実離れし過ぎて
訳がわからなくて
泣きたいのに逃げたいのに
何時しか俺は
「は・・はは。あは・・ははは」
笑っていた。
-
保守
-
保守
-
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-
そして
じゃきん
紙を切るように簡単な音
気づけば
下に落ちてく俺が半分に切られた俺を見ていた。
-
「ああーはぁあひはひひひひひひひひひひひひひ・・ ふひひひひひふひひひふひふふふ」
あいつの高笑いが響く。真っ暗になる感じがした
再び目を開けた俺は
「うあああああああああ!!!??」
叫んで起きたんだ。
やけにバカでかく聞こえる鼓動
辺りを見渡すと転がっている酒の瓶
だらしない腹をだしてイビキをかく友人
「ゆ・・・ゆめ?」
-
「そ・・そっか。夢・・・だよな」
やけに生々しくてリアルな夢だった
きっと飲みすきたんだろう。
「あー・・・馬鹿らしい!ったく呑気に寝やがってこのブタ」
恐い夢とか見たあとで起きた時ってさ妙な安心感あるよな?
正に俺はそんな感じだった
「おーい。起きろって」
そういえば奥さんはどこだ?
「怒らせちまったかな。やべーぞ早く起きて弁明しないと離婚だぜ?」
まったく起きる気配がない。
-
「おーい!おー・・・」
最初はわからなかったんだ
それに気づいてなかったからな
でも見つけちまったら一瞬で理解しちまった。
鈍く光る大きな鉄
あの鋏だった。
-
鋏の傍にはバラバラの髪が無造作に散らばっていた。
不揃いに切られたであろう髪の毛
友人の髪は短い。
俺の髪の毛は長い。
何時もなら肩にかかる俺の髪の毛がなかった。
触ろうとしてもそこにない。
-
この意味不明な分割投下は
エタコワさん?
-
がたり
後ろで物音が聞こえた
俺は振り返らず部屋から出たよ
いや出たっていうよりは逃げたっつった方がいいな
酔っぱらって幻聴や幻覚を見ていたかもしれない
・・・だけどな
俺には紛れもない現実としか思えなかった。
-
それからどうなったかって?
あいつからの連絡は一切来なかったよ
面白味もなんもないけど
最初は怖かくて思い出しては鬱になってたんだけど次第にネルフの仕事が忙しくて忘れちまってた。
・・ああ。その通りだよシンジくん
忘れちまってたって事は思い出すきっかけがあったのさ
-
暫くして大学の奴らと同窓会してた時だったなぁ
懐かしい顔ばかり見てたらあの出来事をばっちり思い出したんだよ
あんだけ仲の良かった奴の陰口を叩くみたいで気が引けたんだが我慢できなくて事の顛末を全部話したんだ
そしたらなんて返ってきたと思う?
「誰だよそいつ」
口々にそう皆言うんだよ
幾ら昔バカした話をしても一緒に受講した講義の話をしても旅行に行った時の話をしても
どんな話をしても皆の中からあいつがいなかったんだ
-
しまいには頭がおかしくなったんじゃないかって心配までされた
納得できなかった俺は意を決してもう一度あいつのマンションを訪ねたんだよ
更地だったんだ・・・
裕福そうな外人も高級溢れたマンションも何もない寂れてる空き地
何度確認しても場所はここで間違いない。
結局、俺の友人はどこにもいなかった
はっきりとあいつの不細工な顔を今でも鮮明に思い出せるのに
何処にもいないんだよ
-
ふぅ・・・ここまで皆に聞いて貰って一つお願いがあるんだけどいいかな
さっきからずっと俺の後ろから音がするんだよ
皆には聞こえない?
あー・・そっか
え、どんな音がするかだって?
そりゃ
じゃきん
青葉「ーーーこんな音さ」
-
綾波「・・・!?」ガッチリ
アスカ「ひぃ!?」ダキ
マリ「うにゃ!?」ダキ
シンジ「ちょっ」
カヲル「・・・」
ミサト「あ、青葉くん・・?」
冬月「ふむ」
マヤ「う、嘘だよね」アセアセ
日向「おい・・」
暫し沈黙
青葉「・・・なーんて冗談ですよ!そんな音なんて聴こえませんって」
アスカ「ふ、ふん。そんなのわかってたわよ。幼稚なことすんじゃないってーの!」
綾波「子供騙しもいいとこ。深夜2時に貞○と○レディと佳○子が自宅訪問する程度のレベル」
マリ「ま、まぁまぁかにゃ。わたしとしてはちょっとビクッただけだしぃー。全然恐くなかったよいやほんとまじで」
-
シンジ「あ、アスカ?む、胸が腕に当たってるんだけど」
アスカ「は、はぁぁ!?///アンタなにしてくれてんのよこのドスケベ!変態!痴漢大魔王!歩く猥褻物!」バシンッ
シンジ「りふじんっ!?」ベシ
マリ「む」
マリ「・・わんこ君だいじょぶ?やっぱ姫みたいにガサツじゃないわたしには怖かったかにゃ。にゃーにゃーもう少しこのままがいいかにゃー」スリスリ
シンジ「ちょっちょ!?マリさん」
アスカ「一生にゃーしか言えなくしてやろうかしら?」
綾波「碇君私もぽかぽかしたい」ガバァ
アスカ「ちょっ!?おもっ!ファーストあんたわざとやってるわね!こら、髪引っ張んな!頭越しにシンジに抱きつこうとしてんじゃないわよ」
ギャーギャーギャーギャー
ギャーギャー
リツコ「毎回毎回騒がしいわね」
-
加持「はは、中学生らしくていいだろリっちゃん。こっちに比べたら・・」チラ
ミサト「青葉くんは思いやりって言葉の意味が分からないみたいね。次の人がどんな気持ちになるか考えてなかった?え、どんな気持ちかって・・こんな気持ちよっ!」グィッ
青葉「葛城三佐ッ!だ、ダメです!小指の可動限界とっくに越えてますって!ヒトに戻れなくなりますって!」ギリギリ
ゲンドウ「落ち着け葛城三佐」
ミサト「チッ」
冬月「何にせよ思わぬ伏兵といった所だったぞ」
日向「ですね。正直シゲルのことただのギターロン毛だと思ってたから見直しました」
-
青葉「貶なすのか褒めるのかどっちかにして」イテテ
マヤ「私は怖かったなぁ。青葉くん凄いと思ったよ」
青葉「ま、マジで?」
マヤ「うん。そんな経験してるのに平然としてるなんて男らしいんだね」ニコ
青葉「」
青葉「(ここにきてフラグが建ったのか?伊吹ルート突入!?確率変動きちゃいましたー!!)」
ミサト「てい」
-
青葉「え?・・・・いだだだだだだ!?葛城三佐!肘はそれ以上曲がりませんから!ひ、捻るのやめて!折れちゃう折れちゃう!」ギリギリ
ミサト「幸せそうな顔してたからつい」ポイ
青葉「酷すぎなんですけど・・・その理由」イテテ
ミサト「だいたいねー青葉くんちょっち話盛ってるでしょ。白状しないと次は首いくわよ首」
リツコ「遂にはいちゃもんつけ始めたわねミサト」
冬月「露骨に脅しとるしな」
青葉「え、いや、それは」
ミサト「あ?」
青葉「だ、だから」
ミサト「あぁ?」
青葉「・・・はい。ちょっと盛りました」
マヤ「えぇー!嘘だったの?」
-
青葉「だってさ普通に話したら面白くないかなーって・・まるっきり嘘じゃないのは確かだけど」
ミサト「浅ましいわね。特典目当てでホラを混ぜるなんて」
アスカ「(すごい・・ミサトが言うと説得力皆無だわ)」
青葉「嘘じゃないんだからいいじゃないですかー!ちょっとぐらい」
冬月「葛城三佐、その辺にしておきなさい。多少の嘘が悪い訳ではないしな」
ゲンドウ「うむ」
マヤ「確かにそうかも」
青葉「み、みんな」ジーン
マヤ「私は嘘をつく人は嫌いですけど」
青葉「・・ちくしょおぉぉ!!」
-
続きはまだかね
-
続きが気になる
-
保守
-
保守
-
待機
-
かれこれ1年近くも…すげえ
-
保守保守
長寿スレになってもいいから続けてほしいな
-
ふらりくらり
さらりはらり
蝋はぽたり
ミサト「あああー・・私の番かぁ」
アスカ「ミサト」
ミサト「あ、アスカ。そんなにこわい顔してどうしたのよ」
アスカ「ミサトなら大丈夫だって信じてる」
アスカ「信じてる。うん。ほんっっと信じてるから」
ミサト「ちょっ・・やめなさいよその真顔!プレッシャーかかるじゃない!」
-
シンジ「アスカってば必死になってるけどそんなに温泉行きたいのかなぁ」
マリ「猿は温泉すきだからねー(鈍感だにゃあ)」
綾波「ウッキーの水浴び(碇君は鈍感)
カヲル「フラクラなシンジきゅンきゃわわ(ふふふ。見てて面白いね)」
マリ「・・ホモさ逆になってる逆に」
-
ゲンドウ「葛城三佐。準備はできたか?」
ミサト「はい・・」
リツコ「ああ、楽しみねマヤ。さぞ恐ろしくて戦慄する・・それこそ自我崩壊を引き起こして魂が凍りつき地獄の釜が開かれるような話をミサトはするんだから」シレッ
マヤ「はは、ですね(ぼっち発言に相当怒ったんだろうなぁ先輩)」
シンジ「ミサトさん頑張ってください」
アスカ「頼んだわよ ミサト!」
ミサト「・・リツコ覚えてなさいよあんた」ジトー
ミサト「んじゃ話すわよ。これは外国にいる友達から聞いた話なんだけどーー」
-
もうこないかと…
-
『煤けた人形と顔のないサーカス』
ーー舞台になるのはアメリカのワイオミング州クルック郡サングンスって町よ
ーー私の友達がね、そこで・・ちょっちリツコうっさい。眉毛も金髪にするわよ
ーーはいはい。って話戻すわ
まあ、そこで技師の仕事してんのよ。
仕事帰りに仕事仲間とバーに飲みに行った時に会った不思議な男から聞かされた話が始まりだった。
-
「ーー臨床検査技師、ね。嬢ちゃん凄いな。若いのに日本から単身でこっちにきて働くなんてな」
「いえ、そんなんじゃないです。たま最初は大変だったけど慣れましたし仲間も皆いい人ばかりですから」
「そうかい」
「あ、でも嬢ちゃんは恥ずかしいのでやめてください。私の名前はサユリです」
「サ、ユ、リか。分かったよ嬢ちゃん」
「分かってないじゃないですかー」
-
男の名前はブース。
町で車の整備士の仕事をしているらしい。くたびれたライダースジャケットに色褪せた革パン。店内なのに革手袋を着けている。
日本人の女が珍しかったから話掛けた。
これが会話のきっかけだった。
最初は警戒したが話してみると気さくで落ち着いた物腰が好印象で何よりちょっと格好良かったのもあってか会話が弾んだ。
-
続きはよ
-
「良い雰囲気じゃなーい。サユリィー!お姉さんも混ぜてー」
「悪酔いし過ぎだぞ。お前」
「わっ」
そこに同僚の仲間達も加わって四人で飲んだ。
二人の名前はアンジェリーナとマイル
アンジェリーナはラテン系のノリがいいお姉さんでスタイル抜群。マイルはアフリカ系黒人でスポーツマンみたいな爽やかな人だった。
-
待機
-
保守
-
そこからはたわいもない話をだらだらしながら時間だけが過ぎていった。
だからきっかけははっきり覚えてる
「でも何もない町よねぇ。まあ、ギャングとかもいないしドラックもないし平和ってゆーのも特徴か」
「そりゃ良いことだ。あ、そういえば町外れの森にある廃屋の噂って知ってるか?」
ブースと店主の顔色が強張ったのを私は見た。
「あの柵だらけになってるとこ?」
「ああ。何でも曰くつーー」
「やめときな」
二人の会話をブースが遮る。その声色は厳しくさっきまでとはうって変わった真剣なものだった。
-
「やめときなってどういう意味だ。まさか呪われてる・・なんて言うつもりか?」
マイルが茶化すように聞く。
「ああ。そうだ」
ブースは即答した。ふざけた様子もなく
「ちょっとちょっとー。どこかのB級映画じゃないんだからさぁ」
「・・・」
ブースはグラスを置き静かに話す
「お前ら出身はここらじゃないだろ?」
「俺はデトロイト」
「プエルトリコよ」
-
はよ
-
「なら余計だ」
「そんな反応されたら気になるわ。教えてよ」
「だな。よそ者だからっていうのが特に」
アンジェリーナは乗り気でマイルも興味深々だった
正直に言えば私も気になっていた。幽霊の存在を信じてる訳ではないし馬鹿馬鹿しいとも思う。
だけど・・気になる。変な感覚だ。飲みすぎたんだろうか
少しの間を置いてブースは話始めた
-
「 Faceless circus 」
「ここいらじゃ彼処はそう呼ばれてる」
顔のないサーカス?
「・・・昔、カップルが冷やかしで入っちまった」
「数日後、女は変死体で発見され男は二度と消えないおぞましい傷がついた」
「そのカップルだけじゃない。彼処に行った奴等は皆死ぬか消えない傷を負わされる」
「なあ、あんたは彼処の噂をどこで知った? 」
「ん・・ん?そういえば俺誰から聞いたんだっけ」
「そっちの姉ちゃんは何で柵で囲まれてるって知ってんだ?彼処への道は全部閉鎖されてるし地元の奴でも知ってる奴は少ない筈だ」
「あ、あれ?でも」
「よそ者がこの町に来ると彼処に惹かれる奴と惹かれない奴がいる」
-
「例えば人に話せない過去があるとかな」
「・・・」
「・・・」
アンジェリーナとマイルは黙ってしまった。
人に話せない過去
思い当たる節でもあるのだろうか。でもそれは誰だって話せない過去はあると思う。
中学生の時に痛々しいポエムを書き綴ったノート・・計4冊分もあるとか
高校生の時には一時期、キャバ嬢になりたくてペガサス流星盛りをしてたとか
これは私だけど・・・話したくないし消し去りたい過去だ
「あんたら二人は注意した方がいい。もう既に」
バカな事を一人で考えていた私を尻目にブースはとても真剣な口調で
「もう牽かれちまってる」
そう言った
-
一瞬の静寂
「ーーー・・・さーて俺はそろそろ帰るかな」
ブースはカウンターにしわくちゃの10ドル札を数枚置き立ち上がる
「今日は楽しかったよ。ダチでもないのに変な話して水指しちまって悪かった」
「だがさっきの話は冗談じゃないぜ。忠告はしたからな」
そう言い残して店を出ていった。その後は会話もなく暫くして
「・・俺も帰る。また明日な」
マイルもお金を置いて出ていった。
残ったアンジェリーナもさっきから黙ったままで気まずい雰囲気が流れる。
-
「昔ねストリップバーで働いてたんだ」
「へ」
思わず間抜けな声が出てしまった。
氷しか入ってないグラスを見つめながら無表情で彼女は話す
「別に珍しい話じゃないよ。大学の学費稼ぐのにホテトルで働いてる子もいた」
私には想像もつかない世界の話だった
「・・・・」
ここまで話してアンジェリーナは黙ってしまった。
-
「・・・・ごめんサユリ。私も帰るね」
「え、うん」
結局、彼女が何を言いたかったのか分からなかった。
一人残された私もこれ以上酒を飲む気にはなれずぼんやりとグラスを眺めていた。
-
「ーーあんたはサーカスって見たことあるかい?」
「へ、あ、いやないですけど」
後片付けをしていた店主が話し掛けてきた。
スキンヘッドにたっぷり蓄えた顎髭に丸太のように太い腕
強面の顔
映画に出てくる悪役みたいな人
「・・・ふー」
後片付けも終わり手を拭きながら店主はこう言ってきた
「良ければ俺からも彼処について教えてやってもいいが・・聞くか?」
「え、いいんですか?聞かせて貰えるならお願いしたいです」
「アンタは日本人だし大丈夫そうだ。この町で暮らしていくには知っておくべきだろうと思ってな」
・・日本人なのが関係あるのだろいか
「これは俺も爺さんから聞いた話だ」
-
店主から聞かされた話の内容は聞かなきゃ良かったと思うほど胸糞悪くような酷い昔話
1×××年
正確な年は分からんがそんぐらいの年代の話だ
田舎で辺鄙なこの町にはあるサーカス団があった。
サーカス団と言ってもライオンが火の輪潜りをしたりピエロが曲芸したりするサーカス団じゃねぇ
見世物小屋さ
小人みてぇにちっさい夫婦や顔まで毛むくじゃらの大男
蛇みたいな鱗の皮膚の人間
生まれつき両足がなくて両手だけが異様に長い子供
体がくっついてるシャム双生児
要するに化け物みたいな奴等が歌ったり躍ったり特技を披露して自分等の容姿をネタに金稼ぎをしていたのさ
そんなナリをしていた奴等だったが町の人間は迫害や差別する事なく仲良くやってたらしい
-
相変わらず面白い、乙
-
そいつらを率いてたのがマーカスって奴で優しく礼儀正しい紳士だったそうだ。
マーカスには妹がいた。
名前はアルメ。
アルメには不思議な力があったらしい。だがそれは決して人に見せてはいけないとマーカスが固く禁じていた。
アルメは美しく儚げで天使の生まれ変わりじゃないかってぐらいの美少女だった。
マーカスはアルメを溺愛していた。
-
幼いときに両親を亡くし赤ん坊のアルメを育ててきたマーカスにはアルメは妹ってよりは娘同然だった。
サーカス団の奴等もマーカスやアルメを慕い仲良く慎ましく暮らしていた。
・・・その暮らしに終わりが訪れたのはアルメが14才になった夏だった。
父親が政治家で大金持ちの息子が噂を聴いてゴロツキを率いて町にやってきた。
噂ってのが
ある町のサーカス団に天使のような美しい少女がいる。
この世のものとは思えない絶世の美少女だ。
こんな内容だった。好色家だった息子は興味を持ち金で雇ったゴロツキを連れて町にやってきたんだ。
そしてアルメを見て一瞬で心奪われた息子は初対面のマーカスにこう言った
-
『あの女が気に入った。女を俺に売れ』
マーカスは当然拒否した。
今まで欲しい物は何だろうと手に入れてきた息子はこの態度が癪に触った。
『なら売る気になるまでお前の大切な化け物共を痛ぶってやる』
息子はゴロツキ共に命じてマーカスとアルメを除くサーカス団を滅茶苦茶にした。
殴られ蹴られ尊厳を踏みにじるようにサーカス団の奴等を傷つけた。
大切な仲間が傷つけれるのを見ていられなくなったアルメは息子に言った
-
『やめて!これ以上皆に酷いことしないで。私はついていくから・・・』
『駄目だアルメ』
『止めないで兄さん』
『最初からそう言えばいいんだよ!』
息子が無理矢理アルメを抱き寄せる。抱き寄せてマーカスにこう言った
『妹は俺が大切に可愛がって飼ってやるよ。何せこの容姿だ。飽きたら売春宿に売ってやる。きっと人気が出るぜぇ・・天使が腰を振る店ってなぁ』
-
マーカスはこの一言に遂にぶちキレた
仲間を傷つけられ大切な妹に向けられた下劣な欲望と言葉に
隠し持っていた拳銃で息子を撃つ
『ひぎゃっ!?』
息子が絶命するまで撃ち続けた
ゴロツキ共は唖然とする。息子の父親は有名な政治家で誰一人逆らえない大物だったからだ。
ろくでもない奴でも息子は息子。
-
『お、お前は自分が何をしたかわかってんのか!?』
マーカスはこう答えた。
『父親にこう言え。貴殿の屑のような息子は私が撃ち殺したと』
『こ、後悔するからな!』
ゴロツキは去っていく。
-
『嗚呼・・何て事を!私達を助けるために兄さんが罪人にされちゃうわ』
『いいんだアルメ。皆やお前を守る為なら私は何だってする』
『アルメ・・私の可愛いアルメ。私は今から町に行き町の人々に迷惑がかからないように出頭しようと思う。恐らく私は処刑される』
『一つ約束してくれ。お前の力を私の為に使わないと復讐に身を投じないと』
『うん・・約束するわ』
『約束だよ?皆、アルメの事を頼んだ』
『兄さん!兄さん!』
-
こうしてマーカスは町に行っちまった。
数週間後、マーカスに公開処刑の審判が下る
アルメはどうしても我慢が出来ず処刑の日に兄を最後にもう一度だけ見ようと町の広場に行った。
-
広場には大勢の人がいた。
真ん中に絞首台がある。アルメは絞首台に近づき愕然とした。
『この男は善良な市民である青年を撃ち殺した卑劣漢であり!』
『その青年は偉大なる政治家○×○□の息子であった!』
『ここに絞首刑を言い渡す!』
ねじ曲げられた真実ではなく
謂れのない人々からの罵詈雑言ではなく
『・・っあ・・・く』
変わり果てた兄の姿に絶句した。
-
優しく髪を撫でてくれた両手は肘から先が無くなって袖が赤黒く染まり血が滴っていた。
体中に鞭で打たれたのか杜撰に螺切られた雑巾のようにボロボロになっていた。
何よりも酷かったのは
『おい、顔を上げろ!』
がらんどうになった両目は血の涙を流し
『最期に言いたい事はあるか?』
『うぉっ!あっぅお・・・』
開いた口には舌がない。耳も鼻も
アルメが慕い尊敬した兄の姿はそこになかった。
人々の嘲るような笑いと罵声
ただ、ただアルメは立ち尽くし兄が処刑される様を眺めてた
-
『・・・』
絞首台にぶら下がる兄を見てアルメは泣く訳でもなく怒る訳でもなく眺めていた。
広場から人が消えてもアルメはそこに立ち続けた
その姿を見て不憫に思った町の役人の男がマーカスの遺体を丁寧に下ろしてやりアルメに声を掛ける
『アルメ・・マーカスの事は私もとても残念だ。良い奴だったからな。死体はしっかりと弔ってやるから今は帰って休め』
アルメは男を見ながら言った。
『この世は地獄ですね』
『兄のような善良な人間が死んで屑のような悪人は生きてる』
『私には兄のあの姿を見て笑い罵声を浴びせた人々の姿を忘れません』
『余所者が私たち家族にもたらした災難を忘れません』
『神様がいるならきっと私のこの憎悪も理解してくれる筈です』
-
グロいな
-
男は震え上がった。見間違いじゃなかったらしい。
『この怒りを』
アルメの目は真っ黒に染まっていた
どす黒く濁った底無しの闇のような色だ
『ひっ・・』
『・・・貴方はいい人ですね。兄の亡骸は私が埋葬します』
『あ、ああ』
アルメは最期に
『・・・さようなら。もう会うことはないでしょう』
マーカスの遺体を引き摺りながらそう告げて去っていった。
-
相変わらずクオリティ高けぇ
-
この人の書くss毎回面白くて嬉しい
期待してます
-
待機
-
その後、季節が過ぎて行く度に町のサーカス団は人々から次第に忘れられ始めた。
恐ろしい事件が起きたのはそんな忘れられ始めた時・・
町に来ていた旅行者が二人消えてしまったのだ。
捜索団を組み捜索開始から三日後、旅行者の一人の遺体を見つける。
そこはかつてサーカス団の跡地
遺体で発見されおかしな事に両目を両手で押さえ、海老反りになっており目立った出血や傷はなかった。
しかも動かそうとしても全く動かず大の大人が四人がかりでもうんともすんともいわない。
-
そしてよく見ると両手で両目を押さえてるのではなく潰していたのだ。
余りにも異様な遺体の姿
町に戻るにもこのまま引き返す訳にはいかない。もう一人も見つけなくては・・
そして捜索団は深い森の中へと進んで行く。
大分、奥まで入り大きなテントを見つけた。このテントには見覚えがあった。
サーカス団が興業に使ってたテントだ。
だが人がいる気配もなくじめじめしたテントに近づくにつれ腐臭が強くなっていく。
意を決して中に入り信じられない光景を彼らは目の辺りにした。
-
『£%アッああぁ!ゆ%£しでぇっ!!わだ&!"*しガぁ!!!騙し〇〆・・!!』
ぽっかりと顔が円上に抉り取られ顔が空洞の死体が一つの人形と旅行者と思わしき人物を囲んでいる。
死体はサーカス団の団員だった。
小人も双生児も鱗人間も・・・
顔に穴が開いている。
捜索団の奴等はあまりの恐怖に動くことが出来なかった。
旅行者らしき人物は人形の足元でずっと何かを叫んでいる。
-
キターーー!
-
稲川淳二とコラボしていいんじゃないかな
-
しかし、何よりも捜索団が恐怖に駈られたのは顔のない死体でも気が狂ったように叫ぶ旅行者でもない。
人形であった。
人と見間違う程、精巧に造られていてとても美しく見る者を魅力するような・・・それでいて不安や恐怖や不安に苛まれる。
光を拒絶する深い黒色の瞳
それは
『・・アルメ?』
そう、あの青年も捜索団に参加していたのだ。
最後に彼女と話した青年は直感する
嗚呼、理由は分からないがこの人形は彼女なのだろう、と
-
この死体もこの旅行者も・・・
どんな力が彼女にあったのかは最早知る術はない。それを分かっていた者達もこの世にはいない。
ただ、一つだけ確信がある
これは彼女の復讐なのだという事だけは・・・
-
「ーーーーと、まあ今の話があの場所にまつわる伝説みたいなもんだ・・野暮なツッコミは聞かねぇからな。真偽は誰にも分からないんだから」
「酷い話ですね」
「ああ、酷い話さ。だがなこの町の住人はみんな恐れてる」
「嘘くせぇ都市伝説だと思って馬鹿にする奴もいるがね」
「・・・」
「だが、事実としてこの町で失踪者や気が狂った奴とか変死体で見つかった奴が数多くいる」
「主に余所者だが・・町の住民もその中に入ってんだ」
「アルメに呪われた地なんだよ」
「踏み入れては行けない場所かぁ」
店主に話の礼を言って店を出る。
あの話を聞いた後だからだろうか・・?
誰かが見ているような気がして落ち着かない。
足早に私は家に帰った。
-
更新おつです。
いつも楽しみにしてます!
-
待機
-
話がこれ以上長くなっても仕方ないからここは省略するけど
それから二ヶ月後、マイルが死んだ
それを追うようにアンジェリーナは一ヶ月後に自殺未遂をし病院に運ばれた。
私はアンジェリーナに会いに行こうとしたが面会を病院から拒絶される。
何故駄目なのかを看護師に聞くと
『会っても無駄だ』
そう一言告げられた
思えば何かがおかしかった。
マイルの死後・・まるで予め決められた手順があるかのように保安官や警察・・・会社の対応が迅速だった
アンジェリーナの事も・・・
会社はそんな事があったにも関わらず通常営業だし小さな町なのに噂話すらならない
-
真相が知りたい
人が死ぬ呪いの地
友人達は迷信やオカルトで死んだとは納得出来なかった。
私はブースが働いている整備工場を訪ねあの場所について問い詰めた。
ブースは渋い顔をして嫌がったが何度も訪ねて来る私に根負けし教えてくれた。
-
そして、自身の両手を私に見せてくれた。
「バカなカップルの話はしたよな?男の結末はこうさ」
火傷・・いや、粘土をぐちゃぐちゃに混ぜたような手だった
おぞましい形をした手だった
「これを見てもまだ行きたいのか?」
答えはイエスだった。ここまできて後戻りはできない
「・・・案内してやるよ」
ブースは言った。
私は彼に聞いた。何故、そこまで忠告をしてくれたり助けようとしてくれるのか
「さあな。ただの・・お節介だよ」
そう言って私に微笑むブース。
彼と私の視線が交わり段々と距離がーーー
「ちょ、ちょーっちストップ!!」
-
「もう。何よミサト!こっからがクライマックスなのに」
空港のカフェテラス
頬を脹らませ友人は文句を言ったわ
「いや、あんたねぇ・・旦那さんとの馴れ初め教えなさいよって確かに私は言った」
「そう!そしてブースと私は熱い抱擁と濃厚なキスをーー」
「ちょっち黙れ」
「えー・・何よもう」
「だ・か・ら!何で馴れ初めがアメリカのB級ホラー映画テイストなのよ」
「B級とは失礼な!私とブースの出逢いはアカデミー賞クラスよ」
「ラジー賞の間違いじゃない?」
-
待機
-
久しぶりに帰郷した友人は大きくなったお腹を撫でながらケラケラと笑う。
「ーーとまぁ、そんな感じで旦那とは出会ってめでたく子供もできたし順風満帆ってわけ」
「ミサトもそろそろ考えたほうがいいんじゃない?出産適齢期過ぎたら大変よ」
「うっさい」
余計なお世話だ
「でもさ産まれたらまた日本に戻ってくるのよね。その時はちゃんと抱かせなさいよ」
私がそう言うと彼女は少し寂しそうに笑った。
「・・・ううん。もうこっちには戻らないから」
-
更新来てた!
-
「え、戻らないってどういうことよ」
「・・・」
「ねぇミサト」
「私は自分がした事に後悔なんてしてない。だからこの選択も誤った選択だったなんて思わない」
「・・・?」
「ふふふ」
優しく儚く友人は笑いながらお腹を撫でる。
-
「・・・彼女は今も生きてるわ。でも今度は前とは違う新しい世界で生きるのよ」
「希望も潰えるような絶望だった・・・何もかも憎まなければ赦せない程の不幸だった」
友人が何を言ってるか分からなかった。
彼女とは誰の事を言っているのか
だけど
友人が静かに話す顔は
「それでも温かく深い愛を彼女は知っていた筈だから」
何よりも慈愛に満ちていた
-
「あら、そろそろ行かなきゃ」
時計を見る友人。
「へ、ああ。そうね」
「見送りはいいから。ミサトも元気でね」
友人は最後に振り向き笑いながら
「落ち着いたら手紙送るわ」
そう言って人混みに消えた。
ーー何とも呆気ない別れ方だったわ。今思うとだけど。
-
それからは使徒や何やらで忙しくなって・・
ちょうど二ヶ月ぐらい前かしら?友人から手紙が届いたのよ
最後に会った日から時間が経っていたから随分懐かしく感じたわ
封を開けたら手紙が一枚と写真が一枚入ってた
写真には友人と旦那、そして娘が三人で写ってた。
-
そして手紙を見て私はあの時、友人が言っていた事を少なからず理解できた。
『ミサト久しぶり。私は今とても幸せ。娘も元気に育ってるよ。娘の名前はーー』
友人が空港のカフェで話した内容はどこまでが真実なのかを知る術はもうない。
-
何だか辻褄が合わない話で
誰もが良い結末を迎えた話でもない
聞いてた皆にも納得いかない部分が多いと思うけど
まあ、でも
三人が幸せそうだからこれでいいのだろう
「お母さんと仲良くしてね、アルメ」
私は写真を見ながら呟く
母と父に抱き締められ
白髪で赤い瞳の少女は
とびっきりの笑顔で笑っていた。
ミサト「ーーーおしまいよ」
-
エヴァに釣られる俺のような連中しか読まないかも知れないと思うともったいない
のであげる
-
日向「・・・」
リツコ「・・・」
ゲンドウ「ふむ」
青葉「おー・・」
マリ「にゃー」
マヤ「あぅ・・」
カヲル「・・・うん」
ミサト「(・・ふふふ。これこそ私の狙い!)」
ミサト「(マヤの話した怪談は感動系・・・受けが良かったのは見て取れた。ただそれと同じ流れだと二番煎じ)」
ミサト「(だからこそ怖さをプラスしたこの怪談に死角はないわ)」
ミサト「(・・・・まあ、嘘はついてないしちょっち盛ったけどほとんど事実だし・・・問題ないでしょ)」
ミサト「(さぁーてリツコぉ!散々いじってくれた分は返すわよぉ!)」グヘヘ
-
マリ「こわいっちゃこわいんだけどさー」
レイ「そうね。少しご都合主義過ぎる」
ミサト「・・・え?」
シンジ「そうかなぁ。僕は面白かったよ」
マリ「いやさ、面白いんだけど面白いと恐いはまた違うベクトルじゃにゃい?」
シンジ「あー・・・」
レイ「ホラー映画で途中までは凄い恐いのに後半で家族の絆やら愛やらで感動させようとする製作者側の虚しさが伝わってくる感じ」
カヲル「ダー○ウォーターやシッ○スセンス・・・最近だとM○MAみたいな?」
レイ「そう。ハリウッドテイスト」
-
ミサト「・・・え?」
日向「確かに詰め込んだ感があったのは否めないが個人的には好きだよこんな話」
マヤ「うん。私も」
冬月「ふむ・・そうだな。だが最後に至るまでの経緯をもう少し詳しく聞きたかった」
ゲンドウ「・・・」サングラスクイッ
-
ミサト「え、え・・えええ!?」
ミサト「みんな辛口過ぎない!?なんか貶されるより辛いんだけど!」
カヲル「いや、まあ・・うん。気持ちは分かるかな」
青葉「強いて言うならオチが弱かったんじゃないですか?」
ミサト「」ピキッ
リツコ「・・・」ニコニコ、ポン
ミサト「・・・何よリツコピキピキ
リツコ「ねぇ、ミサト今どんな気持ち?後学の為にどんな気持ちになるか教えて貰えないかしら?」プークスクス
-
ミサト「 」ブチッ
青葉「い、いだだだだだだだだっ!!!!痛い痛い!葛城三佐!!ス、ストマッククローは止めてください!!ってかな、なんで俺なんですか!!?」キリキリ
ミサト「青葉二尉。暴力にはね、理由なんてないのよ。人と人がいれば争いが生まれ憎み合う・・・自然の摂理なの」キリキリ
青葉「いや、それただの八つ当たりでしょ!?い、いっでぇぇ!!」バッキバキ
-
哀れ 青葉(・_・;
-
マヤ「か、葛城三佐、その、アスカの様子がおかしいんですが」
ミサト「へ?」
アスカ「」ブツブツ
マリ「ね、ねぇ姫」
アスカ「」ブツブツブツブツ
綾波「・・・大丈夫?」
アスカ「」ブツブツブツブツブツブツ
カヲル「聞こえてないみたいだね」
シンジ「何か言ってるみたいだけど」
アスカ「」ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ
ミサト「・・・」ゴクリ
ミサト「アスカ、あ、あのね」
アスカ「」クルリ
-
アスカ「ミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサトミサト」
ミサト「ひぃぃ!?」ガタ
アスカオチツイテー!
ヒメ!ヒメ!
ワーワーギャーギャー
-
――――
―――
――
―
ミサト「アスカ」
アスカ「何よ」
ミサト「本当にやらなくちゃダメ?」
アスカ「早くやりなさいよ」
マヤ「せ、先輩」プルプル
リツコ「なにかしらマヤ」
マヤ「想像したら今から笑っちゃうんですけど」プルプル
リツコ「大丈夫よマヤ。生暖かい視線で見守ってあげましょう」ニヤニヤ
日向「(これはキツイな・・)」
-
カヲル「ふふふ」
冬月「葛城三佐、始めるなら早くしたまへ。あと二人残っているからな」
ゲンドウ「やるなら早くしろ。でなければ・・・早くしろ」サングラスクイッ
シンジ「何でアスカってばミサトさんにあんなに当たるんだろう」
綾波「気にしない方がいいわ。碇君」
マリ「(わんこくんの鈍感っぷりが半端ない)」
アスカ「ほら、ミサト。みんな待ってんじゃない。やんなさいよ」
ミサト「・・・」
アスカ「司令に酔っ払って居酒屋にシンジに迎え行かせた時のことバラすわよ」ボソッ
ミサト「むぐぐ・・分かったよわーったわよ!!やればいいんでしょやれば!」
-
ミサト「えー・・・じゃあモノマネでシンジくんが初めて初号機に乗って歩くシーン」
シンジ「え」
マヤ「(確かあれって・・・)」
ミサト「コォーコォー」
リツコ「ぷっ」
カヲル「・・・」
マリ「エヴァってそんな音だしてなくね・・?」プルプル
日向「真顔で突っ立てるぞ葛城三佐」
-
ミサト「コォーコォーコォー」
カヲル「呼吸音凄いね」
青葉「れ、冷静にツッコむのやめてくれよ」プルプル
ミサト「ズシーンズシーン」
加持「歩いたぞ」
シンジ「ぎ、擬音語まで」
ミサト「ズシーンズシーン・・」
アスカ「・・・」ウシロカラケリ
ミサト「ズシーンズシッ!?・・・!痛っ!鼻、鼻ぶつけたぁぁ!?」
綾波「っ・・しっかり細部までさ、再現してるわ」カヲソムケ
アスカ「ダメです!初号機活動限界です(裏声)」
マリ「ちょっ、なんか姫が演出してるんだけど」プルプル
マヤ「私あんな声で喋ってないわよ」プルプル
-
アスカ「ま、まさか・・・暴走?(低音)」
リツコ「」プルプル
ミサト「は!?ぼ、暴走?そんなのできるわけ」
アスカ「暴走?(低音)」
ミサト「ちょ、アスカ」
アスカ「暴走?(低音)」
マリ「ひっひめ・・すっげぇ真顔
・・・っお、お腹痛い」プルプル
ミサト「・・・」
ミサト「アォォォォォヲヲヲヲン!!」
綾波「さ、叫んだわ・・・初号機が」プルプル
カヲル「駄目だ、僕も真っ直ぐ彼女が見れないよ」カヲソムケ
-
アスカ「初号機再起動!サングラスをかけた髭型の使徒へ突貫していきます(裏声)」
ゲンドウ「!?」
ミサト「!?」
加持「か、葛城」プルプル
シンジ「サングラスをかけた髭型の使徒って・・・あれは父さんじゃないか」
青葉「ブフォ!」フキダシ
日向「シ、シンジ君。俺にはそれが煽りにしか聞こえないよ」プルプル
綾波「い、碇君。今のタイミングでそれは・・・ずるいわ」プルプル
-
ゲンドウ「・・葛城三佐」
ミサト「・・・」
ゲンドウ「私は司令だ。最早言うまでもないが」
ミサト「・・アォーン(震え声)」
ゲンドウ「親睦を深めると言ったが度を越えた事は認めていない」
ゲンドウ「今後の君の進退に影響するような事はしない方が身の為だぞ」
ミサト「ア、アォーン(震え声)」
カヲル「司令のATフィールドがぜ、全開してるね」プルプル
リツコ「初号機が弱々しくなってるわ・・」プルプル
シンジ「ミ、ミサトさん、もうこの辺でいいんじゃないですか?アスカも満足したでしょ」オロオロ
-
ゲンドウフィールド 全開!!
-
更新きてた!
-
ミサト「ア、アォォォン!(感涙)」
ゲンドウ「シンジは優しい息子に育ってくれました。心からそう思います。冬月先生」ジーン
冬月「そうだな碇」
アスカ「・・・」
ポワポワ
ポワ
ポワーン
綾波『碇君似合ってる?この浴衣』
シンジ『凄く綺麗だよ綾波』キラ
綾波『碇君ったら///』
マリ『わーんこくん♪わたしは?わたしは?』
シンジ『色っぽくて僕の初号機がビーストしちゃいそうだよマリ』キリッ
マリ『にゃーん///わんこくんのすけべ///』
-
カヲル 『シンジ君。僕の浴衣姿・・着崩し堕天使vrはどうかな?』
シンジ『う、うん。その・・・ガイアが輝けって叫んでるね』オドオド
カヲル『ふふふ。今日は僕のカシウスとシンジ君のロンギヌスが交錯しちゃうよ///』
シンジ『と、とりあえず皆温泉でも行こっか』アセアセ
綾波『混浴ね///』
マリ『やーんわんこくんに全部みられちゃうにゃあ///』
カヲル『僕のコアにエントリープラグ挿入だね分かるよシンジ君///』
-
キャッキャッウフフ
ムフフウフフ
ポワポワ
ポワーン
アスカ「」イライライラ
アスカ「ミサト」ニコ
アスカ「居酒屋の件と司令から貰っている生活費の2/3がえびちゅ代になってることがバレてもいいわけ?」ボソボソ
ミサト「!!!(な、なななんでアスカが、それを・・・)」
アスカ「こないだ酔っぱらって帰ってきたときにバックから通帳が落ちてたから見てみたのよ」
アスカ「冷蔵庫に入ってるえびちゅ代と生活費の口座残高が計算すると不思議と一致したのよねー」
アスカ「司令がコレ知ったらどうなるか・・試してみる?」
アスカ「嫌なら何をするかミサトはちゃーんとわかってるわよねぇ」
-
ミサト「」
アスカ「さあ」
ミサト「」
アスカ「どうするのよミサト」
ミサト「」クル
ゲンドウ「・・・なんだね葛城三佐」
リツコ「初号機と、し、使徒が向き合ったわ」プルプル
シンジ「ミ、ミサトさんの様子が」
-
ミサト「・・・・ォ」
ゲンドウ「まさか、な。葛城三佐」
ミサト「・・・・ォォ」
ゲンドウ「それは有り得ない事だ。有り得てはいけない事象だ」
ミサト「・・・ォォォン」
ゲンドウ「・・・」
ミサト「・・・」
ミサト「ア、アォォォォォン!アォォォォォン(落涙)」ダッシュアタック
ゲンドウ「グベホッ!?」
-
ほ
-
ほ
-
シレイーシレイー!!
モウダメ、ガマンテキナイ
チョッミサトサーン!
ワーワーギャーギャー
蝋は熔けてなくなり幾ばくかの怪談話を残し話も佳境。
敢えて此処で終わりとなる。
この話の結末がどうなるのかはまた別の機会に・・・
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これにて終了
これにて幕引き
マリ「・・・」
シンジ「やっと父さんもミサトさんも落ち着いたよ・・ってどうしたの?ボーッとして」
締めの一言を述べて
マリ「恐い怖い」
シンジ「え?」
マリ「いや、なんか言わなくちゃいけない気がしてさ」
マリ「何だろね?」
シンジ「・・・?」
とっぴんぱらりのぷう
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・・・(´・ω・`)
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
これ以上はもう話浮かばないので意味不明な終わり方にさせて頂きました(´;ω;`)
キャラ崩壊のグダグダ文章で脳内妄想炸裂の長い駄文を読んでくださり感謝でした(*´ω`*)
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また機会があれば(*・∀・*)ノ
でわ
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とりあえず乙
ただやっぱり釈然としない終わりだな
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