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サシャ「味気なくなんかないですよ?」
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・1『サシャ「キスの味、私に教えてください」』
2『サシャ「この味は、ウソをついてる味ですね」』
3『サシャ「二人だけの、秘密の味です」』
4『サシャ「とくと味あわせてあげましょう!」』
5『サシャ「同じ味を、知りたいですから」』の続きです
・たぶんネタバレなし
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アニ「……」シュッ
サシャ「……」サッ
アニ「……」ヒュッ
サシャ「くっ……」バシッ
アニ「……足元が留守」ブンッ
サシャ「うわっとぉっ! ――なんの!」バッ
コニー「……なあ、サシャは何やってるんだ?」グデーン
エレン「対人格闘の特訓だとよー」グデーン
コニー「今休憩時間だろ? 物好きだなー。……ていうかサシャってあんなに訓練熱心だったか?」
エレン「いや? 暇さえあれば食料庫に忍び込む奴だろ、サシャは」
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コニー「あいつが兵団に入った理由ってさ、確か『おいしいものが食べられる』だったよな」
エレン「だよな。憲兵団に入ったらもっとおいしいもんが食えるって思ってるかもな」
コニー「ありえそうだな、サシャだし……あ、転んだ」
エレン「容赦ねえな、アニ……」
コニー「……」
エレン「……」
コニー「……自主練すっかな。越されたくねぇし」ヨッコラショ
エレン「……俺も。食欲に負けたらみっともないしな」ヨッコラショ
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アニ「……大丈夫? 派手に転んだみたいだけど」
サシャ「はい、へっちゃらです!」ムクッ!
アニ「手加減なしでいいって言ったから思いっきりやったんだけど、やりすぎたね」
サシャ「いえ、私が頼んだんですから気にしないでください! それじゃ続きを……」ファサッ
アニ「待ってサシャ。……髪、ほどけてる」
サシャ「え? ……あっ」プラーン...
アニ「髪ゴム切れてるね。……真ん中からだから、もう使えないか」
サシャ「これ、かなり古くなってましたから……新しいの買わないとですね」シュン
アニ「……今日はこの辺にしようか。髪、邪魔になるし」
サシャ「あ、はい! ――ありがとうございました!」ペコッ
アニ「別にいいよ。……じゃあね」スタスタ...
アニ「……」
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―― 夜、女子寮
クリスタ「サシャ、そういえば髪はどうしたの? ご飯の時もずっと結ってなかったけど」ゴロゴロ
サシャ「ゴムが切れちゃったんですよ。替えもちょうど切らしてまして」
ユミル「訓練大丈夫か? 結構長いから邪魔だろそれじゃ。私の貸すか?」ゴロゴロ
サシャ「いえ、次のお休みの日に買ってきますから大丈夫ですよ。立体機動訓練は来週ですし」
クリスタ「……そう、今度の休みに」
ユミル「……なるほどな」
クリスタ「……」
ユミル「……」
ユミル「……レンズ訓練兵、少し話がある。同行したまえ」スッ
クリスタ「承知いたしました軍曹殿」スッ
サシャ「そろそろ消灯時間ですよ? 二人とも」キョトン
ユミル「時は一刻を争うのだよ、ブラウス訓練兵」スタスタ...
クリスタ「サシャは先に寝てていいよ? ちょっと話してくるだけだから」ガチャッ
サシャ「……?? はあ、わかりました」
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ユミル「……さて。レンズ訓練兵。貴様の思うところを率直に述べよ」
クリスタ「はっ! 私の記憶によれば、ブラウス訓練兵はいつも街中のアクセサリー屋さんで髪ゴムを調達しているはずであります!」バッ!!
ユミル「ああ、私もそう記憶している。……この機を逃してはならん」
クリスタ「私も軍曹殿と同じ意見であります!」
ユミル「よろしい」
ユミル「暇を持て余した」
クリスタ「女の子の」
ユミル・クリスタ「遊び」ニタァ...
アニ「……あんたたち、トイレの前で何やってるの?」
ミーナ「もう消灯まで時間ないよ?」
-
ユミル「よお、アニにミーナ。――サシャが髪ゴム切らしちまったって知ってるか?」
ミーナ「ああ、それなら今……」チラッ
アニ「う……」グサッ
クリスタ「……何か心当たりがあるの? アニ」
アニ「心当たりというか、私が原因というか……」ズーン...
ユミル「ほーお……詳しく聞かせろその話」
ミーナ「サシャの髪ゴムが切れたのって、アニとの特訓中なんだって。私もさっき聞いたばかりなんだけど」
ユミル「……なるほどねぇ、直接的な原因ではないにせよ、責任は感じますわなぁ」ニヤニヤ
クリスタ「ですなぁ」ニヤニヤ
アニ「……何? 二人揃ってその顔は」
ユミル「いや別に? ――でも、そういうことなら今回は少し噛んでもらおうか、アニ」ニヤッ
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―― 翌日朝、食堂
アニ「……話があるんだけど。ライナー」
ライナー「急ぎの話か?」
アニ「まあ、早いほうがいいかな」
ライナー「なら、ベルトルトを呼んでくる。ちょっと待て」スッ
アニ「いや、違うよ。……あんただけに用事だ」ボソボソ
ライナー「? 珍しいな。――何かあったのか?」ボソボソ
アニ「……何かあったのは私じゃないけどね」...ハァ
ライナー「? ……わかった。もう時間もないし、手短に済ませよう」
アニ「手短にすむといいけどさ……そこの三人次第だろうね」
ライナー「三人?」
クリスタ「そうそう。一人占めはよくないもんね?」ポン
ミーナ「それと、早く終わるかはライナー次第だよ?」ポン
ユミル「――というわけでライナー、ツラ貸しな?」ポン
ライナー「」
-
アルミン「……行っちゃったよ? いいの?」
ミカサ「一人占めはよくない。ので、今回は見守る」モグモグ
アルミン「……ミカサも変わったよね」
ミカサ「私が?」
アルミン「うん。優しくなった。最近はサシャと一緒にいるところ、よく見かけるよ?」
ミカサ「……自分では、そんな気はしない」
アルミン「自分の変化って気づきにくいものだからね。特に心の変化って表に出ないし」
ミカサ「……私は、知らないうちにエレンやアルミンをおろそかにしていた?」
アルミン「おろそか……っていう表現は違うんじゃないかな」
-
アルミン「僕たちはずっと三人だったからね。他の人と関わり出すと、そんな風に思っちゃうのかもしれないけど」
アルミン「でも、誰かを大事にするために、他の誰かと関わらないってのはおかしいと思うんだ」
アルミン「だからさ、誰かと関わって、ミカサの世界が広がっていくことは、とてもいいことだと僕は思うよ」
ミカサ「――うん。私もそう思う。……思いたい」フキフキ
エレン「ちょっ、ミカサ! 人が食べてる時に口元を拭うなよ! 食いづらい!!」
アルミン「……エレンは一人占めしていいの?」
ミカサ「エレンは別腹」キリッ
-
サシャ「……♪〜」モグモグ
サシャ「……あ」...ピタッ
サシャ(アニと、ミーナと、ユミルと、クリスタと……ライナー……)
サシャ(五人で、どこに……)
サシャ「……」
サシャ「……」ムー...
モブ訓練兵「サシャおはよー。……あ、パンあげようか? 少しだけだけど」
サシャ「……今日はいらないです」ムスッ
-
あくそ
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―― 兵舎裏手
ライナー「……女四人に取り囲まれるような真似はした覚えがないんだが」
ユミル「違うな、これからしてもらうんだよ」
ミーナ「そうそう。――ライナーは、サシャの髪のこと知ってる?」
ライナー「髪? ……そういえば、昨日の晩から結っていないな」
クリスタ(わぁー……ちゃんとサシャのこと見てるんだぁ……///)
アニ「髪ゴム切らしちゃったんだよ。今は予備もないみたいでね」
ライナー「……お前ら、俺が髪ゴム持っていると思ってるのか?」ドンビキ
ユミル「なんでそんな発想になるんだよ馬鹿! ――買ってやれ。できるだけ洒落たヤツをだ。金がないなら私たちが出してやる」ズイッ
ライナー「はぁ? なんでそんな話に――」
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すまない、誤爆した
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ユミル「い・い・か・ら、グダグダ言ってないで行けってこのすっとこどっこい!!」ギロッ
アニ「身体に直接言い聞かせないとわからないの?」ギロッ
クリスタ「ライナー、お願い……」ジワァ...
ミーナ「男なんだからしっかりしなさいよ!」バンッ!
ライナー「待て待て、誰も行かないとは言ってないだろう! ……金は受け取れない。俺から買ってやる。それでいいか?」
アニ「行けって言ってるのは私たちだから、少しなら出すけど」
ライナー「やめろ。万が一サシャが知ったら、お互い気まずいだろう」
ユミル「ま、それもそうだな。――じゃあ今すぐ約束取り付けに行け。ほらほら早く早く」グイグイ
ライナー「忙しないな……わかった、行ってくる」
-
―― 食堂
サシャ「……」ボーッ
ライナー「ちゃんと食わないと保たないぞ、サシャ」
サシャ「え? ――あ、そうですね」モグモグ...
ライナー「ところで……今度の休日、暇か?」
サシャ「あー……その日はちょっと用事があるんですよ。すみません」シュン...
ライナー「その用事、ついていってもいいか?」
サシャ「えと……嬉しいですけど、ただの買い物なのでつまらないと思いますよ?」
ライナー「どうせ暇だからな、いいんだ。邪魔ならやめるが……」
サシャ「全然! 全然邪魔じゃないですよ!」ブンブン
ライナー「そうか。――じゃあ、今度の休みにな」
サシャ「はい、よろしくお願いしますっ!」
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サシャ「……」モグモグ
サシャ「……」...ピタッ
サシャ(二人で、街に……)
サシャ「……」
サシャ「……」
サシャ「……やったぁ」
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―― 数日後 休日朝 女子寮 ユミルたちの部屋
ミーナ「見てよこれ! この嫌みのないふんわり感!!」ドヤァ
ユミル「……嫌みのあるふんわり感ってなんだ?」
アニ「私に聞かないでよ」
サシャ「おおっ……! ブラシとクシと霧吹きでここまでふんわりできるんですね……!」フンワリ
ミーナ「サシャもちょっとずつ覚えていこ? 私が教えるから。ねっ?」ナデナデ
サシャ「なんだかお世話になりっぱなしで、すみません……」シュン
ミーナ「いーのっ! お世話したいからしてるの! 気にしない気にしない!」ポンポン
クリスタ「今日はキュロットなんだね。髪型と合ってていい感じかも」ジーッ
アニ「……何かされたら思いっきり蹴ってきな」ボソッ
サシャ「はい! 今日は負けません! ――じゃあ行ってきますねー!」ガチャッ
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アニ「……」
ユミル「……さて、レンズ訓練兵。貴様の本日の予定を述べよ」
クリスタ「はっ! サシャ・ブラウス訓練兵の追跡任務であります!」バッ!!
ミーナ「よろしい。――じゃあ、はじめましょうか」
ユミル「暇を持て余した」
クリスタ「女の子の」
ミーナ・ユミル・クリスタ「遊び」ニタァ...
アニ「……それ気に入ったの?」
クリスタ「アニもやろうよぉ」ネーネー
ユミル「本当は一番興味あるんだろ? な? な?」ニヤニヤ
ミーナ「やりたそうな顔してるの、私にはバレバレだよー?」クイクイ
アニ「私は別に、興味なんか……」フイッ
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―― 昼前 街中
ライナー「……」ボーッ
ライナー(やっぱり街で待ち合わせする意味はない気がするな……今度は兵舎からそのまま来るか……)ウーン
サシャ「――すみません、お待たせしました!」タタタッ
ライナー「いや、そんなに待ってない。……今日は印象が違うな」ジーッ
サシャ「変ですか? ミーナとアニに見繕ってもらったんですけど」アセアセ
ライナー「まあ……そういうのも悪くないんじゃないか?」
サシャ「本当ですか?」パァッ...!
ライナー「ああ。――それじゃあ、道案内頼む」
サシャ「はいっ! 任せてください!」
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新作きましたか!
期待
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―― 昼前 アクセサリー店前
\キャッキャッ/\コレカワイイー/\イラッシャイマセー/
ライナー「」
ライナー「こ、これは…………入りづらいな」グヌヌ
サシャ「ここで待ってます? すぐ終わりますから」
ライナー「……いや、一人にしたら何するかわからん。俺も入る」
サシャ「信用ないですねぇ」ムー...
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ここのライナーニキいいゾ〜
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―― 昼前 アクセサリー店内
サシャ「えーっと……この辺でいいですかねー」ウーン
ライナー(しかし、あいつらには買ってやるとは言ってたものの、きっかけがないな……)ウーン
サシャ「……あ。ライナー見てくださいよこれ。虫ですよ虫」
ライナー「虫? ……おお、ちゃんと蝶の形をしてるな」
サシャ「……します? 虫トーク」
ライナー「メシ前だからなぁ」
サシャ「じゃあおいしそうな虫トークします?」
ライナー「いや、うまけりゃいいってものじゃないだろ。……でもまあ、この辺りならまだマシに見えるな」ヒョイッ
サシャ「わぁ……かわいいですね、この蝶の髪ゴム。飾りもうるさくなくていい感じです」ジーッ
ライナー「……気に入ったか?」
サシャ「はい。……ちょっと私には似合わなそうですけど」
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ライナー「よし、買ってやる」
サシャ「え? そんなつもりで言ったわけじゃないですからいいですよ!」アタフタ
ライナー「どうせ金だけあっても使い道ないしな。ついでにそれもまとめて会計してくる」ヒョイッ
サシャ「わっ……いえ、それこそ自分で出しますから!」アタフタ
ライナー「届くならお前が払ってもいいぞー」スタスタ...
サシャ「そんなに腕伸ばされたら無理に決まってるじゃないですかぁっ! もう!」ピョンピョン
ライナー「もう諦めて外で待って――いや、後ろにいろ。勝手に外に出るな」ジロッ
サシャ「……私、そんな子どもじゃないですよ?」ムー...
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店員「――こちら、贈り物なら包装いたしますか?」
ライナー「そうですね、じゃあ……」
サシャ「あー待ってください! 蝶のほうはそのまま、そのままでいいです!」ピョンピョン
ライナー「わかった、わかったから店の中で飛び跳ねるな。他の人の邪魔になるだろう」ギュムッ
サシャ「ライナーが大きいから見えないんですよ!」ジタバタ
ライナー「でかくて悪かったな。――すみません、そのままでお願いします」
店員「……はい、わかりました」クスッ
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―― 昼前 アクセサリー店前
ライナー「持って帰るんなら何かにしまってもらったほうがよかったんじゃないのか?」
サシャ「それは、その……そうなんですけど」チラッ
ライナー「? 何かあるならちゃんと言え」
サシャ「えと……あの、お願いが、あるんですけど」モジモジ
ライナー「……街中でできないようなことはしないぞ?」
サシャ「違いますよ! えっと……これ、つけてもらえますか?」
ライナー「さっき買った髪ゴムか? 今?」
サシャ「はい、結ってください。……お願いします」
ライナー「綺麗に整ってるのにいいのか? アニやミーナにやってもらったんだろう?」
サシャ「それは、そうなんですけど……」モジモジ
サシャ「……今、つけてほしいんです。ライナーに」
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ライナー「そうは言ってもな……女の髪なんか触ったことがないぞ」
サシャ「それでも、いいんです。……でもライナーが嫌なら、無理にとは言いません」シュン
ライナー「……後から文句言うなよ?」
サシャ「! 言いません言いません!」ブンブン
ライナー「じゃあ、後ろ向け」
サシャ「はぁい」クルッ
ライナー「よし……」スッ
ライナー(まとめようとしても結構滑るな……こんな感じか?)シュルッ
ライナー「女は毎日こんなことしてるのか、大変だな……ほら、できたぞ」
サシャ「いえいえ、こういうのは慣れですよ。……ありがとうございます」
ライナー「……少し右にずれたな。下手で悪い」ジーッ
サシャ「そんなことないです。……とっても、嬉しいです」
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―― 昼 とある大衆食堂
コニー「うまいなーこのハンバーグ!」モグモグ
マルコ「こんなところに食堂があるなんて……よく見つけたね、ジャン」
ジャン「まあな。俺に感謝しろよ」フッ
ベルトルト「僕まで誘ってもらっちゃって、なんだか悪いな」
ジャン「休日寂しいのは俺らも同じだしなー。気にすんな」ヒラヒラ
コニー「……ん? ライナーとサシャがいる」
ジャン「」ガタッ
マルコ「本当だ。……珍しい組み合わせだね。はじめて見る」
コニー「いや、最近あの二人は結構見るぞ? この前の虫退治の時も一緒だったしな」
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ベルトルト「そういえば、この前もサシャとハンバーグを食べに行くって言っていた気が……あ。ライナーがサシャの顔拭いた」
コニー「口元、ソースでベタベタだな……サシャも拭かれてないで自分で拭けよなー」
マルコ「なんだか、兄と妹って感じするね……ジャン?」
ジャン「お前ら、どこに目ぇついてんだよ……ありゃどう見ても女の顔だろうが……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
コニー「はぁ? サシャは女だろ?」
ジャン「違ぇよ馬鹿、そういう意味じゃねえよ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ベルトルト「じゃ、ジャン………目が据わってるけど……?」
マルコ「うん、一番熱心に見てる分だけ余計に怖いな……」
ジャン「マルコ、決めたぞ……」
ジャン「俺はこの夏、彼女を作る……!」ギリッ...
マルコ「が、頑張れ……」
マルコ(こんな殺気立ってるのにできるのか……?)
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―― 夕方 街中
サシャ「散歩してたらすっかり夕方になっちゃいましたねー」
ライナー「そうだな、そろそろ兵舎に戻るか」
サシャ「はい! 今日の夕食のパァンは大きいといいですねー」グヘヘ...
ライナー「兵舎に着く前に涎は拭けよ?」
サシャ「わ、わかってますよ! ……あれ、あそこにいるのアルミンじゃないですか?」フキフキ
ライナー「あいつも今帰るところか。……本を持ってるみたいだな」
サシャ「本屋からの帰り道ですかね? ――アルミーン!」フリフリ
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関係ないけどアクセサリーは首輪の役割っていうよね
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アルミン「あ、二人とも……奇遇だね、今帰るところ?」
サシャ「はい! アルミンは本屋さんに行ってたんですか?」
アルミン「うん。面白そうな本があったからつい買っちゃったんだ。資料室の本はあらかた読み尽くしちゃったしね」
ライナー「アルミンの読む速さは相当だからな。……どこかの誰かの食欲も、そっち方面に向かえばいいんだが」チラッ
サシャ「……私も最近は勉強してますよ?」ムー...
ライナー「わかったわかった。悪い悪い」ポンポン
サシャ「謝り方に誠意が感じられないです……」ムー...
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アルミン「……あれ? サシャ、髪の結い方変えたの? いつもと雰囲気が違うね」
サシャ「これですか? えーっと、これはですね……」チラッ
アルミン「……ああ! ライナーに買ってもらったんだね? うん、似合ってるよ」ニコッ
ライナー「……当然だ」ボソッ
サシャ「? ライナー、今何か言いましたか?」
ライナー「…………言ってない」プイッ
サシャ「いえ、絶対何か言いましたって。聞き取れませんでしたけど」
アルミン「……ああ、ごめんねライナー。そんなつもりじゃないからね?」
ライナー「いや、俺も今のは大人げなかったな……悪い」
サシャ「? 二人はどうして謝りあってるんですか?」キョトン
アルミン「ううん、大したことじゃないよ。サシャは気にしなくていいから」
サシャ「そうは言われましてもですね……というかライナー、あっちのほうに何かあるんですか? こっち向いてくださいよー」クイクイ
アルミン「あはは。見ないであげて、サシャ」クスッ
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―― 夜 女子寮 ユミルたちの部屋
クリスタ「……」
ユミル「……」
クリスタ「……さて、では夕方のやりとりを解説していただきましょうかユミルさん」
ユミル「そうだな、今回の主なポイントは3つだ。――順番に見ていこうか。まずはアルミンの指摘に対するライナーの返しだ」
クリスタ「『似合ってるよ』というアルミンの指摘に『当然だ』……これといったやりとりには思えませんが……?」ウーン
ユミル「青い、青いぞレンズ訓練兵ッ!! これは実に高度なテクニックだ!!」ダンッ!!
クリスタ「ひゃあっ! ゆ、ユミル、突然大きい声出さないでよ……」ドキドキ
ユミル「あ、ああ悪い。力入れすぎた……」シュン
クリスタ「消灯時間前だからいいけど、気をつけてね。……というわけで続けて?」
ユミル「言われなくても続ける」キリッ
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ユミル「私は……ライナーが言った『当然だ』の前には、『俺が選んだんだから』という一文が隠されていると見るッ!」クワッ!!
ユミル「これは紛れもなく、ライナーがアルミンに対して嫉妬したっていうことだ……!」
ユミル「『男の嫉妬ほど見苦しいものはない』という言葉があるが、むしろこれはアリだ。ポイントはかなり高い……!」ワナワナ...
クリスタ「なんか無駄に力入ってるね……じゃあ、その直後にライナーが顔を逸らしたのは?」
ユミル「非常にオイシイな。男のさりげない照れは極上のスパイスだ。ここがポイントその2だな」
クリスタ「ふぅん、『ごくじょうのすぱいす』っと……続けて?」カキカキ
ユミル「最後のポイントはアルミンに謝った時だな。自分の行動を思い出して恥ずかしがってやがる」ケケケ
クリスタ「これも……なんだっけ、『極上のスパイス』?」
ユミル「少し違うな。照れてはいるが味付けが異なる。――いや、一段階昇華された照れというべきだな」
クリスタ「いちだんかい……?」キョトン
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ユミル「前者は自分の行動を自覚した照れ、後者は自分の行動の『意味』を自覚した照れだな。前者は瞬発力があって後者は持続性が高い」
クリスタ「……ユミルはなんでそんなに詳しいの?」
ユミル「……って全部雑誌に書いてあった」パラパラ
クリスタ「わぁ。雑誌って便利」パチパチ
ユミル「……」
クリスタ「……」
ユミル「……」
クリスタ「……」
ユミル「……えんだあああああああああああ」ゴロゴロゴロゴロゴロ
クリスタ「いやー! いやー! きゃっふー!」ゴロゴロゴロゴロゴロ
ユミル「あああああああああ私も彼氏ほしいいいいいいいいいい!!」バタバタバタバタ
クリスタ「私も私も! いいなーサシャいいなーいいなー!!」バタバタバタバタ
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―― 同刻 消灯時間前 女子寮 ミカサたちの部屋
\キャッフー!/
アニ「? ……今何か聞こえなかった?」
ミーナ「特に何も? ――はい、サシャ。お手入れ終わったよ? ちゃんとやり方覚えた?」
サシャ「手が早くて追えませんでした……」シクシク
ミーナ「あらら……今度は追えるようにゆっくりやるね? ――というわけで」ソワソワ
アニ「……ライナーに買ってもらったっていう髪ゴム、見てみたいんだけど」ソワソワ
サシャ「それが条件でしたもんね、いいですよ? ちょっと待ってくださいねー……」ゴソゴソ
ミーナ「ところでミカサはどこ行ったのかな? そろそろ消灯だけど」
アニ「どうせエレンのところじゃないの。消灯前には戻ってくるでしょ」
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サシャ「はい、これです!」 パカッ
ミーナ「おおっ! これは……」ノゾキコミ
アニ「どれどれ……」ノゾキコミ
ミーナ「……」
アニ「……」
ミーナ「……」
アニ「……」
サシャ「? どうかしましたか?」
ミーナ「……虫かぁ」ウーン
アニ「……虫だね」ウーン
サシャ「虫ですけど……?」キョトン
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ミーナ「うーん、もうちょっとセンスあると思ってたんだけどなー……」
アニ「なんか……ちょっとね」
ミーナ「うん、少し味気ない気がするなぁ」
サシャ「そんなことないですよ! ……ライナーが、私のために選んでくれたものですから」
サシャ「だから――ぜーんぜん、味気なくないですっ♪」ギュッ
おわり
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終わりです。読んでくださった方、レスしてくださった方ありがとうございました!
妄想は尽きてないけど風邪ひいて体力が尽きてました、またペースを徐々にあげていこうと思います
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乙!みんなかわいすぎてつらい!
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それと前スレでも書いたのですが、一度出したものは速やかに流して、新たなものは真っさらな気持ちで出したい派なので、1スレにまとめずこのまま別スレでやっていく予定です。
提案していただいたのに申し訳ありません
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乙、ええんやで
野生児と乙女(笑)じゃ若干趣味がちがうのは仕方ない
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乙
ライナーの好きな人がいる発言は流れちゃったの?掘り下げる予定?
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乙
このシリーズは毎度好きだ
-
乙
次もよろしく
-
乙ありがとうございますー嬉しいです!
>>45 さん
そのフラグを捨てるとはとんでもない!!
一応そのうちちゃんと掘り下げる予定です
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可愛かった!
いつもありがとう
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このシリーズ好き。
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乙でしたー
いつもニヤニヤしながら読ませてもらってる
好きな人発言の掘り下げも楽しみにしてる
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乙
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乙!
このライサシャ可愛くて好きだー
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乙
メインのサシャに飽きたらず他の女子まで可愛いってどういうことなの
"
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