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「あなたは生きていますか?」
1以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:23:07 ID:fkCzw.LE
さぁな

「では死んでいると?」

知らん

「何か感じますか?」

何も感じない

「どういう状況かわかりますか?」

知らん

ただ……俺は事故に遭ったんだ

「……そうです」

ここは病院なのか

「はい」

逆に質問だ

俺は死んだのか?

生きてるのか?

「………それを決めるのは、あなたです」

2以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:26:10 ID:fkCzw.LE
じゃあもうひとつ

何であんたはそういう質問ばかりなんだ?

「お答えできません」

なぜだ

「あなたの運命を左右してしまうからです」

……意味がわからん

「わかるときが来ます」

絶対か

「それを決めるも、あなたです」

……

3以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:29:10 ID:fkCzw.LE
この話はやめよう

「はい」

まて……今俺はベッドの上なのか?

「いえ」

どこにいるんだ

「お答えできません」

そればっかりだな

もういい、腕が痒い

掻いてくれ

「残念ながら……事故で両腕は……」

そんなことはないはずだ

感覚がある

「最初は皆、そのような感覚です」

……

4以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:31:05 ID:fkCzw.LE
じゃあ足だ

足の裏を掻いてくれ

「残念ながら……」

足もないのか?

「はい」

これじゃあ死んでるのも生きてるのもわからん

「それはあなたが決めることです」

なんなんださっきから!

5以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:34:26 ID:fkCzw.LE
俺はどうなったんだ!

「お答えできません」

ふざけるな!

もういい!迎えを寄越せ!帰る!

「……」

おい、何か言え

「残念ながら、その御体では……」

「そしてあなたが事故に遭った日より、約150年経っています」

なんだと!?

それじゃあ……

「恐らく、親戚も、兄弟もあなたを知りません」

……死んだのか?
いや、こうして会話してる以上………どうなんだ?

「……お答えできません」

6以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:35:34 ID:.WtM7kZI

ふむ、私怨

7以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:37:31 ID:fkCzw.LE
あぁもうどうなってるんだ!

こんなに頭に血が昇ったのは初めてだ!

「……お言葉ですが、あなたは今、血は流れておりません」

……!?

「ですが………」

……なんだ……なんなんだ!

「……」

なぁ……答えてくれ………俺は……………死んだのか?

「……それを決めるのは、あなたです……」

クソッ!

8以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:41:31 ID:fkCzw.LE
「あなたが死んだ、生きてる、それは私共が言えるようなことではありません」

私共………ここにまだ人がいるのか!?

「…はい」

声を……声を聞かせてくれ

「出来ません」

なぜだ!

「複数の声を認識できる脳の部分が……ないのです」

なっ……

「今、あなたに別の誰かを相手させたとします」

「結果、あなたは情報処理が出来なくなり……………」

なんで……なんでそこから先をいってくれない……

「…申し訳ありません」

9以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:43:55 ID:fkCzw.LE
「今一度、お聞きしてもよろしいでしょうか」

……

「あなたは生きていますか?」

「それとも、死んでいますか?」

……

………死んでるも同然だ

「……」

こんな訳のわからん状態で、脳も、手も、足もない

死んでるも同然だ!

「では……死んでいると……?」

10以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:46:40 ID:fkCzw.LE
あぁ……

「仮に、生きる希望があったとしても……」

何度も言わせるな!

俺は死んでる!

医学、科学が発達して霊と交信が出来るようになったんだろ!?

「……それがあなたの答えですか」

ああ!

「……失礼します」

―――プツッ

BAD END

11以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:48:39 ID:fkCzw.LE
>>8

「今一度、お聞きしてもよろしいでしょうか」

……なんだ

「あなたは生きていますか?」

「それとも、死んでいますか?」

……わからん

「焦らなくてもいいんです」

「ゆっくりと、考えてください」

……すまない

「いえ」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:51:30 ID:fkCzw.LE
……

……

…………………………

……なぁ

「はい」

……もしも……もしもだ

「はい」

……俺が脳が無い状態だとする

でも俺は会話してる

……これは生きてるの内に入るのか?

「……何とも言えません」

「ですが、脳が全て無いわけではありません」

……少ししか無いのか

「……事故が酷かったようで……」

……

13以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:54:01 ID:fkCzw.LE
お前はなんで俺に話しかけてくる?

「……仕事……とはいってはなんですが……」

だろうな、じゃなきゃこんなのに話し掛けたりしない

「でも、あなたと話すのは楽しいです」

脳が少ししか無いのにか?

「はい」

変わったヤツだな

「よく言われます」

はは、そうか……

……

……俺も楽しいな、こんな会話をするの

「約150年振りですからね」

14以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 00:57:33 ID:fkCzw.LE
そうだな、そうなんだよな……

……またこんな会話がしたいな……

死ぬのは嫌だ……

「……」

さっき聞いたな?

生きていますか?って

「はい」

……その答えだ、俺は楽しみを感じた、会話した、それで希望を感じた

仮にお前しか話し相手がいないとしても、それでいい

希望があるってことは生きてるってことだ

俺は……生きている!

「……それが答えですね」

あぁ!もう変わらん!どんな姿になろうとも、俺はまだ生きている!

「……わかりました」

「おめでとうございます……」

15以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 01:00:19 ID:fkCzw.LE
―――

「教授、聞きましたか?」

「あぁ、この人はまだ生きる希望がある」

「私達にもやりがいがあるもんだ」

「そうですね……医療が進歩したお陰で、こうして脳だけの存在となった方とも会話ができる……」

「そうだな、よし、早速身体を造るんだ」

「この人が生きる意欲を失わないうちにな」

「はい!」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 01:03:59 ID:fkCzw.LE
2XXX年

時代は急激な進歩を遂げた



水槽のなかに浮かぶ、1つの脳は心なしか喜んでるようだった

―――俺はまだ生きている!



こうした生きる意欲があるものは、身体を造られ、また世界を踏める

だが生きる意欲が無いものは……


TRUE END

17以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 01:07:01 ID:fkCzw.LE
参考元、星新一の本


と言うか軽く変えただけなんですけどね

18以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/18(土) 03:49:54 ID:ELPRrYGA
確かにそれっぽいな

だが嫌いじゃない

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