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幼女魔法使い「えいっ!」勇者「うおっ、あちっ!あっち!」
1以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:10:56 ID:8fRrwrX6
勇者「て、てめえっ!なにしやがるっ!?」

幼女魔法使い「ワ〜、勇者さんが怒ったぁ〜♪」

勇者「ふざけんなコラっ!お尻ぺんぺんの刑だぞ!コラっ!」

魔法使い「ワ〜、逃げろ〜!」ダッ

勇者「コラァ!待ちやがれ〜!」ダッ

魔法使い「キャ〜!キャ〜!」クスクス

2以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:15:36 ID:8fRrwrX6
女僧侶「コラッ!勇者様っ!」

勇者「ゲ……僧侶…さん……」

女僧侶「また、魔法使いちゃんを苛めて!こんな小さい子を苛めるなんて、何を考えてるんですっ!」

勇者「ち、違ぇよっ……!」アセアセ

魔法使い「わ〜、勇者さんがお尻ぺんぺんするって〜」クスクス

女僧侶「……勇者様?」ギロッ

勇者「違ぇよっ!苛められてたのは俺だって!」

3以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:24:04 ID:8fRrwrX6
―――――――

男戦士「……随分、搾られたようだな?」

勇者「あぁ……クソッ、膝痺れたぜ……くそっ、あのガキめ……」ブルブル

戦士「……そう言うな。お前に構ってもらいたいんだろう」

勇者「……ハァ!?」

戦士「あの子はお前の事を、兄のように感じてるのではないか?」

勇者「ヤ〜ダ〜よっ!面倒臭ぇっ!」

戦士「そう言うな。少しぐらい、戯れてやれ」

勇者「ヤダよっ!アイツ、強ぇもんっ!」

4以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:29:49 ID:8fRrwrX6
勇者「本気で戦ったら、俺負けるぜ!?」

戦士「………」

勇者「ガキは加減知らねぇから怖ぇよ。ただでさえ、毎日必死なのによぉ……」
戦士「……時代も変わったからな」

勇者「……ん?」

戦士「今は武術で戦うより、魔術で戦う時代だからな……」

勇者「………」

戦士「……我々は、時代に取り残された人間なのかもしれんな」

勇者「………」

5以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:34:59 ID:8fRrwrX6
翌日――――


魔物「グキャーーッ!」

勇者「おっ……うおっ、くそっ……!」

戦士「勇者、下がれっ!ここは私に任せろっ!」

勇者「……くっ」

魔物「グギャーーッ!」

勇者「……うおっ!?」

戦士「勇者!下がれっ!」

僧侶「勇者様っ!」

魔法使い「ゆうしゃさんっ!」

勇者「……くそっ」

6以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:39:25 ID:8fRrwrX6
戦士「次は私が相手だっ!行くぞっ!」ダッ

魔物「……ウガッ?」

戦士「はっ!たぁっ!」

魔物「……ギャーー!」

勇者「………」

戦士「てやっ!たぁっ!」

魔物「グギャァ!ギャーーッ!」

7以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:42:58 ID:8fRrwrX6
魔法使い「おじさんっ!どいてっ!」

戦士「うむっ!頼むっ!」サッ

魔物「……ガッ?」

魔法使い「いくよ〜!たぁ〜!」ボッ

魔物「ギャーーッ!」メラメラ

女僧侶「勇者様っ!今のうちに手当てを!」

勇者「えっ?あぁ……」

8以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:48:07 ID:8fRrwrX6
戦士「うむっ。流石、魔法使いちゃんだな」

魔法使い「えっへん」

僧侶「お二人共、怪我はありませんか?」

戦士「うむ。我々は大丈夫だ。それより、勇者を」

勇者「えっ……いや、俺はもう大丈夫……」

魔法使い「えへへ。『パリみじクリムゾンフレア』だね?」

戦士「……何だ、それは?」

9以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 02:57:10 ID:8fRrwrX6
魔法使い「おじさん、つまんないっ!」ツーン

戦士「ハハッ!すまないな。私は最近の事には疎くてな!」

魔法使い「ねぇねぇ!『パリみじクリムゾンフレア』だよね!ゆうしゃさんっ!」

勇者「……えっ?」

魔法使い「ねっ、ねっ!?」ワクワク

勇者「あぁ、そうだけど……僧侶さんも入れてあげてもいいんじゃねぇか……?」

魔法使い「あっ、そっか!じゃあね……ん〜と、ん〜と……」


戦士(なぁ?『パリみじクリムゾンフレア』って、何だ?)

僧侶(……さぁ?)

10以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 03:04:00 ID:8fRrwrX6
―――――――


勇者「……何が時代遅れの人間だよ」ボソッ

戦士「……ん、どうした?」

勇者「あんた、めちゃめちゃ戦えてんじゃねぇかよ!全然、強ぇじゃんかよっ!」

戦士「……そりゃあ、場数が違うさ」

勇者「?」

戦士「私はお前が赤ん坊の頃から魔物と戦い、お前が生まれる前から剣の稽古をしていたのだぞ?」

勇者「……うっ」

戦士「お前はまだ若いんだよ」

勇者「……」

11以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 03:09:44 ID:8fRrwrX6
魔法使い「ねぇねぇ!あそぼあそぼ〜!」タッタッタ

勇者「……ゲッ!」

戦士「……そう邪見な顔をするなよ」

魔法使い「ねぇ!あそぼうよ!」

勇者「ヤダっ!俺はヤダっ!」

魔法使い「え〜!?」

戦士「じゃあ、おじさんが遊んであげよう。ケンケンパーでもするかい?」

魔法使い「ヤダっ!おじさん、つまんないからヤダっ!」

12以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 03:15:40 ID:8fRrwrX6
魔法使い「ゆうしゃさん、あそぼっ!」

勇者「ヤダっ!俺はヤダっ!」

魔法使い「え〜!」

戦士「少しぐらい、いいだろう?」

魔法使い「ねぇ〜?」

勇者「ヤダっ!絶対にヤダっ!」

魔法使い「ケチ〜!えいっ!」

勇者「うおっ、あちっ!あっち!」

13以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 03:17:59 ID:8fRrwrX6
勇者「て、てめえっ!なにしやがるっ!?」

幼女魔法使い「ワ〜、ゆうしゃさんがおこったぁ〜♪」

勇者「ふざけんなコラっ!お尻ぺんぺんの刑だぞ!コラっ!」

魔法使い「ワ〜、にげろ〜!」ダッ

勇者「コラァ!待ちやがれ〜!」ダッ


戦士(……何処かで見た光景だな)

14以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 03:23:51 ID:8fRrwrX6
勇者「へへ……今日は掴まえたぞ……」

魔法使い「ワ〜!はなせ〜、はなせ〜!」ジタバタ

勇者「へへ……ダ〜メだ。今日こそは許さねぇ……お尻ぺんぺんの刑だ……」

魔法使い「や〜め〜ろ〜!」ジタバタ

勇者「まずは、パンツを脱がせ……ぐおっ」

魔法使い「?」


女僧侶「何を……しているんですか……?」ワナワナ

勇者「いやっ、違っ……!あの……これはっ……!」アセアセ

15以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 03:33:01 ID:8fRrwrX6
前略、父さん

偉大なる勇者である貴方の息子という理由で、私は魔王退治の旅をしています。
仲間には、場数を踏んだ戦士と、私と同年代の僧侶と、完全に幼女の魔法使いがいます。

私は幼い頃から、偉大な勇者の貴方に剣の稽古をつけてもらいました。

……が、時代は変わったのです。

父さん、今は武術より魔術で戦う時代です……

父さん、ぶっちゃけ、僕はパーティーで一番弱いです!

父さん、正直、僕、この旅投げ出したいです



勇者「……」カキカキ

魔法使い「う〜ん……むにゃむにゃ……えいっ……」

勇者「……冷たっ!今度は冷たっ!」

16以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 03:41:20 ID:lbi0gKpI
ドラクエかと思ったらサ・ガだったでヤンス

17以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 07:29:58 ID:LjhwEinw
勇者ェ・・・・・・

18以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 07:50:34 ID:aQ39dnyo
女僧侶ちゃんペロペロ

19以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 08:23:51 ID:8fRrwrX6
翌日───


魔法使い「おか〜をこ〜え、ゆこ〜よ♪くち〜ぶえ〜ふきつ〜つ〜♪」テクテク

戦士「魔法使いちゃんは元気だな」

魔法使い「そら〜は、す〜みあお〜ぞら〜♪まき〜ば〜をだいて〜♪」テクテク

僧侶「フフッ、今日はいい天気ですね」

魔法使い「うたお〜♪ほがらに〜♪ともにて〜を〜と〜り〜、らんらららんらんらららら♪」

勇者「……ケッ、暢気なもんだぜ」

魔法使い「らんらららんら〜、ゆうしゃさん〜?」

勇者「……ん、何?」キョトン

20以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 08:27:25 ID:8fRrwrX6
魔法使い「……うぅ」

勇者「何?どうした?」

魔法使い「うぅ……らんらららんら〜、ゆうしゃさん〜?」

勇者「えっ、えっ?だから、なんなの?」

僧侶「……違いますよ、勇者様!『がぁ、がぁ』って!」ヒソヒソ

勇者「……えっ?何それ?」キョトン

21以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 08:34:02 ID:8fRrwrX6
魔法使い「らんらららんら……ゆうしゃさん……」

勇者「もう!魔法使いちゃん、何なんだよ!?」

僧侶「ここで『がぁ、がぁ』って言うんですよ!」

勇者「もうっ!『がぁ、がぁ』って何だよっ!?おっさん、知ってる!?」

戦士「……私は最近の事はわからん。おっ、次の街が見えたぞ?」

魔法使い「らんらららんら……ゆうしゃさん……」グスッ

勇者「もうっ!何なんだよ!?皆して俺をハメてるんじゃ……ぐおっ!」

僧侶「……バカ」

22以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 08:42:22 ID:8fRrwrX6
街────


僧侶「意外と早く着きましたね?」

戦士「そうだな……まだ、日も落ちてない事だし、何か一仕事して稼ぐか?」

勇者「ねぇ?『がぁ、がぁ』って何?」

僧侶「そうですね。簡単な依頼なら問題はなさそうです」

勇者「ねぇっ!?『がぁ、がぁ』って何っ!?」

僧侶「……しつこい。酒場に行きますよ」ゴスッ

勇者「……いたい」ウルウル

23以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 08:47:47 ID:8fRrwrX6
酒場────


僧侶「う〜ん……あまりいい依頼がありませんね……勇者様?そっちは何かありましたか?」

勇者「お〜う!いいのがあったぜ〜!見てみろよ、コレ、コレっ!」

僧侶「え〜と……うちのフランソワーズちゃんを……探して下さい……?」

魔法使い「あ〜、ワンちゃんだ〜!」

勇者「どうだ!?この依頼なら、今日中に出来そうだろ!?」

僧侶「……なんですか、コレ」

24以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 08:53:14 ID:8fRrwrX6
僧侶「却下です。却下」

勇者「え〜!?なんでだよ〜!?魔法使いちゃんも探したいよな?フランダースちゃん」

魔法使い「ワンちゃんさがす〜♪」

僧侶「却下ですっ!」

勇者「いや、見てみろよ!この報酬!『けん玉』だって!黄金の国に伝わる、子供の遊具だってさ!」

僧侶「……そんなもの、必要ありません」

勇者「いや、魔法使いちゃんのオモチャにぴったりじゃねぇか!?魔法使いちゃんも、けん玉欲しいよな?」

魔法使い「けんだま、けんだま〜♪」

25以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 08:58:42 ID:8fRrwrX6
戦士「……何か、めぼしい物はあったか?」カツカツ

勇者「おっ?見てくれ、コレっ!うちのフランダースちゃんを……」

僧侶「いえ、こっちは何も……戦士さんの方は……?」

戦士「……少し、危険な仕事だが」

勇者「いやっ、あるってよ!安全な仕事が!ココっ、ココにっ!」

僧侶「え〜っと、何々……街の外れの洞窟のモンスターを退治してくれ……ですか。少し、危険ですね……」

戦士「……しかし、報酬は悪くない」

勇者「……お〜い」

26以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:04:11 ID:8fRrwrX6
洞窟前────


魔法使い「ど〜くつ、ど〜くつ♪」

勇者「……ねぇ?なんで、俺たちココにいるの?」

戦士「……仕事だ」

僧侶「仕事ですよ?ホラっ、行きますよ?」グイッ

勇者「嫌だってっ!ねぇっ!フランダースちゃん探そうよっ!ねぇ?ねぇっ!?」ジタバタ

僧侶「……ワガママ言わない」グイグイ

勇者「ヤダよっ!俺、ヤダよっ!あっ、コラっ!魔法使いちゃん、行くなって!」

魔法使い「〜♪」

27以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:09:13 ID:8fRrwrX6
―――――


勇者「ったく……冗談じゃねぇよ。なんでこんな危険な依頼……」カツカツ

戦士「……心配するな」カツカツ

勇者「……ん?」

戦士「いざとなったら、俺達が守ってやる」

勇者「……ソレ」

戦士「……ん?」

勇者「……勇者が言われる台詞じゃねぇよなぁ?」

28以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:18:54 ID:8fRrwrX6
戦士「経験さ……」

勇者「ハァ……経験ねぇ……?」

戦士「お前もいつか、誰かに同じ事を言う日がくる」

勇者「……へぇ〜?」

戦士「……お前はまだ若い」

勇者「そうは言ってもねぇ……」


魔法使い「あぁ〜〜〜〜!」


勇者「えっ!何っ……!?」ビクッ

戦士「どうした!?」ダッ

29以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:23:31 ID:8fRrwrX6
魔法使い「あしあとがあるっ!」

戦士「……」マジマジ

僧侶「コレ……モンスターの足跡ですかね……?」

戦士「……いや、違う」

僧侶「えっ……?」

戦士「モンスターにしては小さすぎる……もっと、小動物のような……例えば犬……ん……?」

僧侶「……ん?」

勇者「あ」

魔法使い「ふらんそわーずちゃんだっ!」

30以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:28:27 ID:8fRrwrX6
勇者「なんだよ!?じゃあ、この先にフランダースがいるんだ!?」

戦士「まぁ、可能性は高いな……」

勇者「じゃあ、早く見つけて帰ろうぜ!?よしっ、行こうぜ!」

僧侶「ちょっと……勇者様……?本題はモンスター退治の方ですよ?」

勇者「けん玉貰えるんだぜっ!?魔法使いちゃんもけん玉欲しいよな!?」

魔法使い「けんだま、けんだま〜♪」

勇者「よ〜し!じゃあ、とっとと見つけて帰るぞ〜!」ダッ

僧侶「ちょっと、勇者様……そんなのいりませんってば……」

31以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:33:40 ID:8fRrwrX6
――――――

犬「クーン」

勇者「おっ?いたいた……お〜い、フランダースや〜い……」テクテク

戦士「勇者っ!行くなっ!」

勇者「何、言って……」


ザクッ


勇者「……えっ?」

僧侶「勇者様っ!」

魔法使い「ゆうしゃさんっ!」


魔物「キシャーーー!」

勇者「えっ……?何、コレ……血……?」ポタポタ

32以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:39:29 ID:8fRrwrX6
戦士「私が突っ込むっ!魔法使いは呪文の念唱を!僧侶は援護をしろっ!」ダッ

僧侶「は、はいっ……!」

魔法使い「〜〜〜〜〜〜んっ」


魔物「キシャーーーー」ジリジリ

勇者「うわわ……来るな…来るな……」

魔物「シャーーー」ジリジリ

勇者「来るなっ……来るなって……!」ブンブン

33以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:42:29 ID:8fRrwrX6
戦士「くそっ……間に合うか……?」ダッ


魔物「シャーーー!」バッ

勇者「わっ……わあぁぁぁ……!」



―――――――

―――――

―――

34以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:46:05 ID:8fRrwrX6
魔物「グッ……ガッ……」

勇者「えっ……?あれ?俺、生きてる……?」

魔物「ググッ……」バタッ

戦士「………」

勇者「あ、あぁ……おっさんか……助かったよ……」ホッ

戦士「……いや」

勇者「……ん、どうしたの?」

戦士「……こいつは、お前が倒した」

勇者「……え?」

35以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 09:54:43 ID:8fRrwrX6
戦士「振り回した剣が、偶然こいつに命中したようだな……」

勇者「えっ……えっ……?」

戦士「コイツは素早く、鋭い爪を持つが、非常に柔い身体を持つ魔物だ……」

勇者「えっ……俺が倒したの……?」

戦士「……私は間に合わなかった」

勇者「俺が……倒した……?」

戦士「……あぁ」

勇者「……一人で?」フルフル

戦士「……あぁ」

36以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 10:01:28 ID:8fRrwrX6
僧侶「勇者様っ!大丈夫ですかっ!?」タッタッタ

魔法使い「ゆうしゃさんっ!」トットット

勇者「お、おいっ!見たかっ!」

戦士「……バカっ!動くなっ!傷口が開くぞっ!」

勇者「俺が倒したんだぞっ!一人で倒したんだぞっ!」

僧侶「勇者様っ!いいから座って下さいっ!手当てしますからっ!」

勇者「俺は弱くないぞ……!弱くなんかないぞっ……!強いんだっ!」

僧侶「何、言ってるんですか!そんな大きなお釣りもらって!」

勇者「俺は強いんだっ……!俺は勇者なんだっ!」

僧侶「はいはい……わかってますから……ホラ、座って下さい」

37以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 10:07:57 ID:8fRrwrX6
――――――


戦士「……勇者」

勇者「ん、どしたの?」

戦士「……すまない」

勇者「ん、何が?」

戦士「お前を守ると誓ったのに、あんな危険な目に合わせて……だ……」

勇者「あ〜、いいって事、いいって事。俺は今、期限いいから許してやるよ」

戦士「……そうか」


魔法使い「ゆうしゃさん、ゆうしゃさ〜ん〜!」


勇者「……おっ?どうした魔法使いちゃん?」

38以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 10:13:53 ID:8fRrwrX6
魔法使い「けんだまもらってきたっ!」ジャーン

勇者「おぉ、フランダースの依頼の褒美か!」

僧侶「……フランソワーズちゃんです」

勇者「似たようなもんだろ……?で、コレどうやって遊ぶの……?」

魔法使い「わかんなーい?」

僧侶「多分、この玉に穴が空いてるのが、何か意味があると思うんですよね……?」マジマジ

勇者「え〜?僧侶さんもわかんねぇの〜?」

39以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 10:19:39 ID:8fRrwrX6
勇者「……これさぁ?ちょっとした、ハンマーなんじゃねぇの?」

魔法使い「じゃあ、このたまは?」

僧侶「この先のトンガリは……?」

勇者「さぁ……?なんだよ、誰も遊び方わかんねぇのかよっ!」


戦士「私はわかる……教えよう……」


勇者「えっ!?おっさん、知ってるの!?」

魔法使い「すごーいっ!」

僧侶「流石、戦士さんですねっ!」


戦士「古いものには、詳しいのでな……」

40以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/22(金) 10:29:32 ID:8fRrwrX6
前略、父さん

今日、初めて己の力のみで魔物を倒しました。
偉大なる貴方を越える日も遠くはありません。


……と、言いたい所ですが、嘘です。

魔物を倒したのは偶然で、覚えているのは、死への恐怖と漏らした小便の臭いのみです。

父さん、こんな情けない勇者、いませんよ!

父さん、貴方は偉大ですが、僕は普通の人なんです、ふつーのひと!

父さん、正直、僕、この旅投げ出したいです



勇者「………」カキカキ

魔法使い「う〜ん……むにゃむにゃ……」ガシガシ

勇者「ぐっ……傷口を……蹴るな……」

41以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/26(火) 21:18:27 ID:5VS0MrXo
続き

42以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 06:42:52 ID:W9jlxIGA
―――――――


魔法使い「えいっ、えいっ」バシバシ

勇者「……いでっ、いてぇって」

僧侶「そろそろ、次の街に着きますね?」

戦士「そうだな。懐に余裕もあるし、次の街で新しい装備でも買うとするか?」
魔法使い「そうび、かってくれるの!?」バシバシ

勇者「いてぇっての!けん玉を振り回すな!」

戦士「あぁ、魔法使いちゃんは何が欲しい?ロッドか?それとも、ローブか?」

魔法使い「ん〜とね……ゆびわっ!」

43以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 06:48:14 ID:W9jlxIGA
戦士「……指輪?」

勇者「あっ、てめぇ……そんな無駄遣い……」

魔法使い「と〜う!」バシッ

勇者「ぐおっ」

僧侶「多分、魔力増加のための指輪だと思いますよ?」

戦士「……そんなものがあるのか?」

僧侶「はい。魔石を加工した物で、それを装備すれば、魔力が増強するのです」

魔法使い「うんっ!」

44以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 06:55:44 ID:W9jlxIGA
勇者「とか言って……自分がただ欲しいだけなんじゃねぇの?」

魔法使い「……むっ」

勇者「僧侶ちゃんみたいなロッドならともかく、指輪だろ?そんなので強く……」

魔法使い「てぃ」バシッ

僧侶「……魔法使いちゃん!?」

戦士「……魔法使いちゃん、それは酷いぞ」

勇者「お、おおっ……けん玉が大事な所に……」ピクピク

魔法使い「つ〜ん!」

僧侶「勇者様……?」

戦士「……僧侶ちゃん、あまり見ないでやってくれ。男としては、辛い所だ」

勇者「お、おおっ……」ピクピク

45以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 07:05:09 ID:W9jlxIGA
街―――――


魔法使い「ついた〜!」

僧侶「では、早速買い物に行きましょうか?」

戦士「……僧侶ちゃん、すまないが、魔法使いちゃんと二人で行ってきてくれるかな?」

僧侶「……えっ?」

戦士「私が付き添っても邪魔になるだけだろう」

僧侶「いえっ、そんな事はっ……!」

戦士「それに、この街には古い知人がいる……少し、会いに行きたい」

僧侶「はぁ……」

戦士「……勇者、お前も付き合え」

勇者「……えっ、えっ?」

46以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 07:11:08 ID:W9jlxIGA
―――――――


勇者「なぁ?おっさん、何処行くの?」

戦士「……さっきの話だがな」

勇者「……ん?なんの話?」

戦士「我々の時代にもあった……見かけ優先の防具がな……」

勇者「あ〜、魔法使いちゃんの事ね?こっちはむさ苦しい鎧なのに、お洒落な指輪なんて、いい身分だよなぁ!」

戦士「そう言うな。少し、昔話をしよう」

47以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 07:19:03 ID:W9jlxIGA
戦士「我々の時代に、顔まで覆うタイプの兜が作られた事があった」

勇者「……はぁ」

戦士「……しかし、重いわ風通しは悪いわで最悪だった。皆、満足に動けまいか、日中症で倒れるかのどちらかだった」

勇者「あらら」

戦士「そんな物、誰も使いなどせず、大量の在庫に溢れる事となった」

勇者「……そりゃあ、ねぇ?」

48以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 07:25:34 ID:W9jlxIGA
戦士「鍛冶屋は困った。この不良品をどうにかせねばならない」

勇者「……ほう」

戦士「そこで、その兜を加工して、ある物は竜を型どった兜に、ある物は骸骨を型どった兜に……とにかく、見かけを美しくした」

勇者「へぇ〜、それでなんとかなったんだ?」

戦士「見かけはよくても、重いわ風通しは悪いわ、使えない兜に変わりはないんだぞ?結局、誰も買う奴なんていないさ」

勇者「……ダメじゃん」

49以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 07:33:56 ID:W9jlxIGA
戦士「盗賊団にでも盗ませて、まともに動けなくなった盗賊団を叩こうという、一種の罠だったのさ」

勇者「へぇ〜、それで上手くいったんだ?」

戦士「……いや」

勇者「……えっ?」

戦士「盗賊団も馬鹿ではない。見かけはよくても、使えない兜とわかっていたから、そいつには手をつけずじまいさ」

勇者「……ダメじゃん」

戦士「あぁ、ダメだ」ハハッ

50以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 07:40:52 ID:W9jlxIGA
戦士「見かけはいいから、一部の人間は鑑賞用に集めてたりするがな」

勇者「へぇ〜、そうなんだ?」

戦士「あれから、時は流れ……今では、見かけの良さと実用性が両立された物が出回ってるんだろうな」

勇者「………」

戦士「魔石で指輪とは……洒落た事をするじゃないか。なぁ?」

勇者「……うん」

戦士「……着いたぞ?」

勇者「……へ?何、ここ?鍛冶屋?」

戦士「あぁ、さっきの見かけはいいが使えない兜の生まれの場所だ」

51以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 07:49:40 ID:W9jlxIGA
――――――


主人「いらっしゃ……おぉっ!戦士ちゃんか!?」

戦士「暫くだな。剣の手入れを願いたい」

主人「なんだよ、そろそろ新しいのにしやがれよ!何十年使ってんだコレ!?」ゲラゲラ

戦士「使いなれたのがいいのでな。この剣と生涯をともにするさ」

主人「戦士ちゃんの連れも戦士なのか?兄ちゃんは何か買ってくれよ!?」

勇者「えっ……?俺……?」

戦士「……そうだな。勇者の装備も新調するべきだな」

52以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 08:02:18 ID:W9jlxIGA
――――――

勇者「……じゃあ、この剣は?」

主人「兄ちゃん、そりゃあ玄人向けだわ」

戦士「うむ。おそらく、重さに負けて満足に振る事すら出来ないだろう」

勇者「じゃ、じゃあ……こっちは……?」

主人「そいつも玄人向け」

戦士「これは、一撃で魔物の急所を突く事に優れた剣だ。勇者にはまだ早いかもな」

勇者「え〜っと……じゃあ、じゃあ……」

戦士「……もっと、扱いやすいのはないのか?」

主人「そうは行っても、素人用のヤツは魔法剣に改良するだかなんだかで、全部安値で取られちまったからなぁ〜」

戦士「そうか……」

主人「俺っちも時代の流れに逆らうわけにはいかねぇからなぁ……ちょっと、待ってろよ。奥、探してみっからさ?」

戦士「……すまない」

勇者「………」

53以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 08:06:26 ID:W9jlxIGA
勇者「……ん?」チラッ

戦士「……ん?」

勇者「……おぉっ!」

戦士「……どうした、勇者?」

勇者「なにこれ!なにこの、ドラゴンの兜っ!すっげぇ、格好いいじゃんっ!」キラキラ

戦士「勇者っ……!それは……!」

勇者「めちゃくちゃ強そうだしさぁ……!何より一目で『歴戦の戦士』って、感じがするじゃんっ!」キラキラ

戦士「いや……それが……さっきの……」アセアセ

54以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 08:13:07 ID:W9jlxIGA
主人「お〜いっ!あったぞ〜!こりゃ、掘り出し物だっ!いいのが残ってたっ!」

勇者「おっさんっ!」

主人「おっ……な、なんだ?どうした……?」

勇者「この兜いくらよ!?俺、これにするよ!これいくらっ!?」

戦士「お、おい……勇者……」

主人「えっ……?いや、それ使いもんにならねぇ……いや、兄ちゃん、剣探してるんじゃねぇのかよ?」

勇者「今は剣なんかいいのっ!これ、いくらよっ!?結構、高そうだけど分割とかいけるの!?」キラキラ


主人「………」チラッ

戦士(……すまない)

55以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 08:19:14 ID:W9jlxIGA
主人「じゃあ……」

勇者「うん!うんっ!」ワクワク

主人「この剣買ってくれたら、おまけでつけてやんよ」

勇者「……えっ!?マジ!?」

主人「あぁ……どうせ、二束三文にならねぇヤツなんだし……」

勇者「買ったっ!その剣、買ったっ!」

主人「えっ……?あっ、毎度……」

勇者「よっしゃあっ!これで俺も歴戦の戦士の仲間入りだぞっ!もう、舐められねぇぞ〜!」ウキウキ


戦士(おい……)ヒソヒソ

主人(いいじゃねぇか、どうせ二、三日で飽きるって……飽きたら、その辺に捨てておいてくれよ?)ヒソヒソ

56以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 08:28:07 ID:W9jlxIGA
―――――――


僧侶「あっ?戦士さん達、帰ってきたみたいですね?」

魔法使い「ほんとだ〜!ねぇ、みて〜!ほら、かわいいゆびわ〜」トットット

戦士「……すまない。少し、時間を食ってしまった」
僧侶「いえ、次の街に行くには危険な洞窟を抜けなければいけないそうなので、薬草の補充もしておきました」

戦士「そうか……すまない……」

魔法使い「ね〜、ゆうしゃさんは〜?」

僧侶「……そういえば、勇者様は?」

戦士「勇者はもうすぐ……」


勇者「」ノッシノッシ


魔法使い「あっ!きたっ!ねぇ、みて〜、かわいいゆび……」


勇者「」バーン

57以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 08:36:46 ID:W9jlxIGA
魔法使い「ゆうしゃさん、すご〜い!かっこいい〜!」キラキラ

勇者「フッフッフ、ソーカネ」

魔法使い「ねぇ〜!そうりょさんみて〜!ゆうしゃさんすごいの〜!」

僧侶「勇者さんっ……!」

勇者「フッフッフ」

僧侶「そんな兜、お高くなかったんですか!?」

勇者「ジツハ、カジヤノシュジンノサービスデネ……」

僧侶「素敵ですけれども……かなり、値が張ったんじゃないですか!?」

勇者「ダカラ、コレハカジヤノシュジンガネ…」


戦士「あぁ、金銭面は大丈夫だ……これは鍛冶屋の主人からの頂き物だ……」

僧侶「そんな……!こんないいもの、頂けませんよ……!」

戦士「……大丈夫だ」

魔法使い「ゆうしゃさん、すごーいっ!」

勇者「フッフッフ」

58以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 08:43:41 ID:W9jlxIGA
前略、父さん


ようやく、私も勇者らしくなってきました。
街行く人々は私を憧れの瞳で見つめ、暴力魔の僧侶や、生意気な魔法使いからも私は一目置かれています。

父さん、明日、我々は次の街に向かう為に危険な洞窟を抜けます。
そこで、ようやく勇者らしくなった私のリーダーシップを見事発揮したいと思います。

父さん、嫌々始めたこの旅ですが……少し、楽しくなってきました。



勇者「フッフッフ」

魔法使い「むにゃむにゃ……ゆうしゃさん……かっこいい……」

勇者「……フッフッフ」


戦士(……心配だ)

59以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 14:49:32 ID:iwGO4OCA
つ④

60以下、名無しが深夜にお送りします:2012/06/28(木) 16:48:33 ID:WAlrORSI
勇者……まぁ頑張れ…ウン…

(;´∀`)っ④"

61以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/04(水) 00:09:24 ID:2QVuDVXI
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