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( ^ω^)過ぎ往く魔王のようです(ФωФ )

1 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/05(火) 09:09:04 w07dt4RY0
・たんぺん
・さくっとよめるけい
・あまりながくない
・ぶんしょうがあまりおおくない
・れすすうもあまりおおくない
・みじかいさくひん
・じゃんるはさくっとよめるけい
・すぐよめるかじかんかかるかでいったらすぐよめる
・ひかくてきみじかいおはなし
・さぼったりえたーなったりしないようにさきにすれたてーの
・ゆうがたかしんやごろにまとめてとうか


2 : 名も無きAAのようです :2016/01/05(火) 10:41:04 .3XvXOUU0
・魔王モノは飽きた
・宣伝のためのスレ立て邪魔
・黙って投下すればいいのに


3 : 名も無きAAのようです :2016/01/05(火) 10:43:00 kYvrxmKs0
2つ目3つ目は同意だが1つ目はお前の事情じゃねーかwwwww


4 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/05(火) 10:49:14 w07dt4RY0
めんご!
とうかするころにはきっとさがってるからゆるして


5 : 名も無きAAのようです :2016/01/05(火) 12:59:28 .3XvXOUU0
魔王モノ多すぎなんだよ
あと「エターなる」って言葉から他の畑出身らしいのが臭くてイヤだ


6 : 名も無きAAのようです :2016/01/05(火) 13:32:27 bA.w.UdQ0
読者様明けましておめでとうございます!


7 : 名も無きAAのようです :2016/01/05(火) 13:32:49 gbCHXecc0
お前の趣向はどうでもいいからスレ閉じとけ


8 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 01:01:22 uIuWecys0
えたーなるってなんだよ


9 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 01:06:16 UkHwjI0s0
マジレスするとhttp://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%8B


10 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 01:07:18 wyukD0SU0
>>7
嗜好の間違いかな? 恥ずかしいね

しゅこう

1. 物事をおこなったり作ったりする上 の、おもしろい工夫(くふう)・考 案。また、その結果生ずる、おもむ き。


11 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:14:03 iBlzCALo0

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(;'A`)「は 離せ……!」

(ФωФ )「この魔法が キサマの全力であるか」

(;'A`)「くっ……!」

ズシャァ

(;・∀・)「ドクオ!」

(ФωФ )「先(ま)ずは 炎の魔法。 次は 氷の魔法。
       最後は 雷の魔法……」

(ФωФ )「この程度で ワガハイに傷を負わせられると思っていたのであるか?」

(;'A`)「ば 化け物め……!」

(ФωФ )「フフ……児戯(じぎ)であるな。
       キサマら若造が 束になった所で
       このワガハイには 傷一つ付けられぬのである」

(ФωФ )「……二十にも満たぬ子供の集まりであるか。
       愚かな事よ……なぜ この程度の力でワガハイに叶うと思うのか」

(;・∀・)「クソッ……! 僕たちが 戦わなきゃいけないのは
      お前が 大人達を殺したからじゃないか!」

(ФωФ )「キサマらが無力である事とは別である。
       全く 愚かな者らよ……」

(ФωФ#)「ワガハイは 死の病をこの世に落としたのだぞ。
この程度の力で 勝てる筈も無かろう!」

ξ;゚⊿゚)ξ「……うぅ」


12 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:14:46 iBlzCALo0
(ФωФ )「どうした。 もう終わりであるか?
        ワガハイに 次の手段を使って見せよ」

(;^ω^)「……もう 次の手段は無いお。
      立ち向かう方法は無いお。 僕達は勝てないお」

(ФωФ )「ほほう 怖気づいたか。 愚かなヒトの 哀れな末路であるな」

(#・∀・)「なっ……諦めるっていうのかよ!?
      そんなの 僕は嫌だぞ!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「そうよ!! 勇者として 少しでも魔王に傷つけるのが
       私達の生き方だったはずでしょ!?」

(;^ω^)「……無理なものは無理だお。
      だから 僕達は逃げるお」

(ФωФ )「逃げる? どこへ逃げるというのである。
       ワガハイから 逃れられるとでも――」


li!lili!li!li「テレポート!」


(ФωФ )「むっ……」


(ФωФ )「……4人が 消えた。
        なるほど。 これが あの余裕の理由であるか」


13 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:16:02 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------

「聞け! 卑しきヒト共よ!」

「ワガハイは 魔王ロマネスク!
 この世を蝕む 死の病の主である!」

「キサマらは 今 死に至る奇病に悩まされておろう!
 その病を振り撒いたのは ワガハイである!」

「この世界には 死の呪いを掛けたのである!
 放っておけば この世界の全てが 呪いで覆われるであろう!」

「助かる方法は ただ一つ!
 キサマらヒトは ワガハイに降伏し 服従するのだ!」

「服従するまで ワガハイは呪いをかけ続ける!
 次に滅ぶ地は……此(こ)の地 ヴィップである!」


部下も 灰化も居ない 神出鬼没の魔王 ロマネスク。
突然現れた魔王は この世界に死の呪いをかけた。

呪いの掛かった大地に来た生き物は
身体がただれて死ぬ「死の病」にかかる。

病の抗体を持つものは二種類。
魔法の技術を持つヒト。 そして 幼い子供。

死の呪いは この世に絶望的な痕跡を残した。
魔王が名乗りをあげる前に 既に 様々な国に呪いがかかっていたからだ。

あらゆる国の人々が。 国王までもが死んでいった。
この世界は混乱に陥っていた。


14 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:17:16 iBlzCALo0
( ^ω^)

英雄 ブーン。
僕は ヴィップという街に暮らしていた子供だった。

ヴィップは ロマネスクによって 死の大地にされ 滅びた。
彼らの敵を討つ為 僕は仲間を募った。

僕が居る限り 世界は 魔王に屈しない。
僕が戦い続ける限り 皆は希望を失わない。

僕は 魔王を倒す。 何としても倒す。
生き残った人々を守る為に。 敵を討つ為に。


--------―――――――――――━━━━━━

(;^ω^)「……ふう。 助かったお」

(;'A`)「ブーン……お前 テレポートが使えたのか!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「ど どうして使わなかったの!?」

(;^ω^)「この魔法は 切り札なんだお。
      本当は この力は誰にも知られたくなかったんだお」

( ^ω^)「……でも これで終わりだお。
      魔王が この技の存在を知ってしまったお。
      次はもう 逃げられないかもしれないお」


15 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:19:04 iBlzCALo0
( ・∀・)「……なあ。 終わりっていうけどさ。
      その魔法 本当に それで『終わり』なのか?」

( ^ω^)「えっ……?」

━━━━━━―――――――――――--------

僕は テレポートを隠して生きてきた。
この魔法は 逃げるための 最後の手段だったからだ。

誰にも見せてはならなかった。
誰にも知られてはならなかった。

……だけど。
この力に 別の使い道があるなんて 考えたことも無かった。


仲間と供に 僕は テレポートの新しい使い方を探し始めた。
あの魔王に勝てる方法を 探し始めた。

--------―――――――――――━━━━━━


('A`)「魔王 ロマネスク!」

(ФωФ )「うむ?」

( ^ω^)「見つけたお……!
      今度こそ オマエを倒すお!」

(ФωФ )「誰かと思えば あの時の若造共か。
       何故 ワガハイの場所が分かった?」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)(……僕は 魔力を感じ取る事が出来る。
      魔王は常に 強大な魔力の波動を放っている)

( ^ω^)(魔王は神出鬼没。
      だけど テレポートを使い 追いかければ
      いつでも オマエに会う事が出来る)

(ФωФ )「ふむ まあ何でも良い。
       降伏であるか? それとも 再戦を挑みに来たのであるか?」

( ^ω^)「……再戦だお。 魔王 ロマネスク」


16 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:20:54 iBlzCALo0
(ФωФ )「フフフ 良かろう。 
       掛かってくるがよい」

(#^ω^)「そんな態度が取れるのも……」

li!lili!li!li「今のうちだお!」

「むっ……?」

(#^ω^)「食らえお!」

ザシュッ!

( ・∀・)「やった 命中した!」

(ФωФ )「……なるほど。
 テレポートを使った 瞬間移動であるか」

(;^ω^)「今度は……今度こそは!」

ザシュッ!

(#^ω^)「オマエを 倒してみせるお!!」

ザシュッ!

(ФωФ )「…………」

(;^ω^)「どうだお!
      これなら オマエも……!」

(ФωФ )「フフ。 無駄な事をする」

(;^ω^)「なっ……!」

(;'A`)「……何だと!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「傷一つ 付いていないなんて……!」

(ФωФ )「児戯に 付き合う心算(つもり)は無い。
       キサマらなど この拳一つで片が付くのである」


17 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:22:59 iBlzCALo0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(;^ω^)「う……ううっ」

(#'A`)「クソッ……クソッ!」

(#'A`)「あの時も 今も……何故 魔法すら使わない!?
    俺達を ナメているのか!?」

(ФωФ )「……フン。
       キサマら 卑しきヒト共に使う様な技は 持っておらぬ」

(;・∀・)「ふざけやがって……!」

(ФωФ )「テレポート か。
        その力。 成長すると 厄介な能力になりそうであるな」

(;^ω^)「…………」

(ФωФ )「……キサマらは 何ゆえ ワガハイと戦う?」

ξ゚⊿゚)ξ「……何ですって?」

(ФωФ )「答えよ。
       キサマらの 戦いの動機は何だ?」

(;^ω^)「…………」

(ФωФ )「答えられぬのか?」

(;^ω^)「……復讐の為。 そして 今生きるヒトを守る為だお」

(ФωФ )「ほう」

(;^ω^)「僕たちの街は オマエのせいで滅んだお。
      そして……このままじゃ もっと 多くのヒトが死んでいくお」

(ФωФ )「ふむ」


18 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:25:26 iBlzCALo0
(ФωФ )「まあ 死んでいったヒトはどうしようも為らぬのである」

(#'A`)「何だと!?」

(ФωФ )「しかし これから起こる『多くのヒトの死』。
 それを防ぐには 戦うこと以外にもう一つ 方法はあるのである」

(;^ω^)「!?」

(ФωФ )「約束しよう。 キサマらが 降伏すれば
     この世を征服した後も ヒトに 一定の自由を与えるのである。
     希望を持ち 新たな知識を学ぶくらいの自由をな」

(;・∀・)「なっ……!」

(ФωФ )「然(さ)すれば ヒトは今より楽な生活が送れよう。
 ……どうである?」

(#^ω^)「……断るお!」

(ФωФ )「ふむ」

(ФωФ )「では キサマらを――」

li!lili!li!li「テレポート!」

(ФωФ )「……!」

(ФωФ )「フフフ……油断も隙も あったものではないな。
 テレポートか。 この世には 面白い魔法が残っているのであるな」


19 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:28:54 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------

2度目の戦いも 僕達は敗れた。

まだ 僕達の力は 魔王には及ばなかった。

テレポートに 新しい使い道が無いか。
魔王の力に届くには どうすればいいのか。
僕たちの思索は 続いた。

--------―――――――――――━━━━━━

( ^ω^)「……この気配は――」

(ФωФ )「……うむ?」

(;・∀・)「お前は……!」

(ФωФ )「ふむ。 珍しい所で会うものであるな。
        この死の大地に 何の用である」

(;^ω^)「オマエこそ 何のつもりだお!?
      どうして ここが分かったんだお!?」

(;・∀・)「……まさか 奇襲のつもりか!?」

(ФωФ )「自惚れるでない。 キサマらなど いつでも始末出来るのである。
        ワガハイは この花を見ていたのである」

ξ;゚⊿゚)ξ「はっ……花!?」

(#'A`)「ふざけているのか!?」

(ФωФ )「ふざけてなどおらぬ。
        ……キサマらは ワガハイが現れてから 今まで幾つの花を目にした?」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ?」

(ФωФ )「死の大地は あらゆる命を奪う。
        ヒト以外のモノも 例外は無い。
        草も 木も 動物も。 全ての命が枯れて死ぬ筈である」

(ФωФ )「されど この花は咲いているのである。
 今も ずっと……」


20 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:31:02 iBlzCALo0
(ФωФ )「キサマらなど いつでも捻り潰せる存在である。
        さあ 去るが良い。
        今 立ち去れば 見逃してやろう」

(#・∀・)「ふざけるな!
       貴様をここで倒してやる!」

(ФωФ )「うむ?」

( ^ω^)「僕たちは 三年前とは違うお!
      今 それを見せてやるお!」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!」

(#^ω^)「……テレポート!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(ФωФ )「ほう 面白い工夫であるな。 岩の塊を浮かべるか。
 テレポートとやらの応用であるか?」

( ^ω^)「そうだお。 僕たちが編み出した技だお!」

(ФωФ )「ふむ」

( ^ω^)「もう 負けないお!」

(ФωФ )「なるほど。 それをぶつけてくる訳であるか。
        ……フフ。 その技術は 見事であるな」

(ФωФ )「だが 足りぬ。 ワガハイを倒すにはな」

(;・∀・)「な……何だと!?」


(ФωФ )「今現すは 魔王の力 その片鱗。
       篤(とく)と見よ 卑しく儚きヒト共よ」


21 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:34:19 iBlzCALo0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

( ^ω^)「じ……」

ξil゚⊿゚)ξ「地面が割れた……」

(;'A`)「……お おい! テレポートだ!」

(ФωФ )「…………」

(;^ω^)「だ だけど……」

(il・∀・)「逃げるしか ないんだよ!
      あんなのに 勝てるわけ無いだろ!」

(;^ω^)「…………」


(;'A`)「おい 早くしろ!!戦って 勝てる訳ねえだろ!!」


li!lili!li!li「……テレ……ポート……」



(ФωФ )「……行ったか。
        初めに会ってから 5年か。 順調に 力をつけている様であるな」

(ФωФ )「今まで 3度 あやつらを退けた。
        まだ 戦いを挑みに来る心算(つもり)であろうか?」


(ФωФ )「……さて」


(ФωФ )「ふむ。 先の地割れの衝撃で 消し飛んだと思ったが……
        この花は まだ散らぬか。
        儚い様で 堅固(けんご)であるな。」

(ФωФ )「……まるで ヒトの様であるな。
        すぐに散ると思いきや その実 根強く生き延びる者が居る。」

(ФωФ )「今も 生きる意思で 満ちておる。
        この 死の大地の上で……」


22 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:36:56 iBlzCALo0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ξil゚⊿゚)ξ「ねえ……もう やめましょう。
       あの魔王には 敵わないわ」

(;^ω^)「な……何を言ってるんだお!」

(il'A`)「アレを見ただろ……。
    あんなのに どうやって 俺達が勝てるって言うんだよ」

(;^ω^)「今は 勝てないだけだお!
      このテレポートを磨けば きっといつかは勝てるお!」

(;・∀・)「……あのさ」

( ・∀・)「君は どうかしてるんだよ」

(;^ω^)「……えっ?」

( ・∀・)「キミの その魔法。
      僕達と一緒に 三年かけて ようやく出来たのが
      岩を投げつける事じゃないか」

( ・∀・)「それで あの化け物にどうやって勝てるんだよ。
      相手は あんな化け物だぞ。 魔法も使わず 地面を割るんだぞ」

(;^ω^)「……でも。 きっと 勝てるハズ――」

(#'A`)「いい加減にしろよ! 説得力が 無いんだよ!
     もう 俺は降りる! 戦いたいなら 勝手にしろ!」

(;^ω^)「……ドクオ。 モララー……」

ξil゚⊿゚)ξ「……ごめんなさい ブーン。
       でも 分かるでしょ。 あんなのには 勝てないって……」

(;^ω^)「…………」

ξil゚⊿゚)ξ「……もう ついていけないわ」

(;^ω^)「僕は……」

(#^ω^)「僕は絶対諦めないお!!
       時間がある限り 未来は変えていけるはずだお!!」

(#^ω^)「時間が無いというのなら 僕が作り出してやるお!!


23 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:38:17 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------

--------―――――――――――━━━━━━

(ФωФ )「……フハハハ。
        ワガハイも 侮られたものであるな。
        たった 一人でワガハイに戦いを挑むとは……」

( ^ω^)「…………」

(ФωФ#)「驕(おご)るでない!!
        卑しきヒトの子の分際で 自ら 勝機を減らすとは何事か!!」

( ^ω^)「……勝機は減っていない。 むしろ 増えた」

(ФωФ )「……何?」

( ^ω^)「彼らは もう僕には付いて来れない。
      いや もう付いてくる気が無いのだろう」

( ^ω^)「オマエの力を見て 彼らは絶望した。
      ……所詮は その程度だったという事だ。
      彼らには 覚悟が足りない」

(ФωФ )「……? キサマ 何があった?」

( ^ω^)「確かに オマエは強い。
      だが。 僕には テレポートがある」

(ФωФ )「ほう?」

( ^ω^)「この力で 様々な道を見出す事が出来た。
      ヒトを救う方法も。 オマエと戦う方法も」

( ^ω^)「オマエは強い。 その道を探す事は 極めて難しい事かもしれない。
      だが 勝とうとしなければ。
      方法を探そうとしなければ 道は見出せないんだ」

(ФωФ )「……」

( ^ω^)「戦いに 勝つ気の無い者は必要ない。
      足手まといは要らない。 僕一人で戦えば良い」

(ФωФ )「それが あの時から 三年を経たキサマの答えであるか?」

( ^ω^)「……ああ」

(ФωФ )「……ふむ。
        今のキサマは ワガハイと似つつある様である」


24 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:39:32 iBlzCALo0
( ^ω^)「魔王が 勇者に対して言う事か」

(ФωФ )「フ……。 キサマは 今 大きな力を見出し そして 手に入れつつある。
        その一方で キサマの周りのヒトらの もう一つの側面を目にしつつある」

(ФωФ )「キサマが救いたいと願う者共は
        最初に キサマが思っていたほど 美しき者ではなかったであろう」

( ^ω^)「…………」

(ФωФ )「この世界を 救うという事は
        愚かな心を救う事とは また別の事である」

( ^ω^)「……そうかもしれない」

(ФωФ )「フフフ。 随分と 疲弊している様であるな 英雄よ」

( ^ω^)「…………」

(ФωФ )「キサマの武器は テレポートであるか……。
        厄介な魔法であるな」

( ^ω^)「敵に回せば 大変な力だとは思う」

(ФωФ )「ここ数年。
        ワガハイが予告した 死の大地になる地域に現れ
        予告を知らぬ者らに 避難するよう警告をする者が居ると聞く」

(ФωФ )「それが キサマであるか?」

( ^ω^)「ああ」

(ФωФ )「死の病の犠牲者は 随分と減ったようであるな」

( ^ω^)「ああ」

(ФωФ )「されど 人命を幾つも救ってきた英雄ブーンは
        魔王に逆らい続けることで 死の大地を産む要因となっておる」

( ^ω^)「…………」

(ФωФ )「そして 死の大地へと変わる所に 次々と現れる様(さま)から
        キサマの事情を知らぬ者には キサマはこう呼ばれているそうであるな」


(ФωФ )「――『死神』と」


( ^ω^)「……ああ」


25 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:40:55 iBlzCALo0
(ФωФ )「それでもキサマは戦い続ける訳であるか。
        愚か者に疎まれ 憎まれながら」 

(ФωФ )「ヒトを救うと云(い)うのも 難儀なものであるな」

(  ゚ω゚)「……オマエに服従したヒト達が どんな末路を遂げるか分からない。
      オマエは 信用ならない。 死の大地を作った奴なんだから」

(  ゚ω゚)「だから。 だから 戦い続けるんだ。
      どれだけ恨まれても。 どれだけ憎まれても……」

(ФωФ )「…………ふむ。
        キサマが どういう人物であるか。
        何の為に戦うのか 凡(おおよ)そ分かってきたのである」

(  ゚ω゚)「…………」

(ФωФ )「正しく 英雄といえるな。
       だが 空しきものよ」

(  ゚ω゚)「……。
      オマエを倒す。 何としてでも」

(ФωФ )「……」

(   ω゚)「……テレポートッ!」

(ФωФ;)「むっ……!?」

(   ω゚)「……テレポートは 味方や モノ以外にはかけにくい。
      だが。 周りの空間を押し付ければ オマエを掴む事が出来る」

(ФωФ;)「か 身体が……!」

(   ω゚)「そして――」

ガンッ!
(ФωФ;)「ぐっ……!」

(   ω゚)「オマエを攻撃したければ このまま壁にたたきつければいい」

ガンッ!
(ФωФ;)「うっ……」

ガンッ!
(ФωФ;)「ぐっ……」

(   ω゚)「オマエを倒す。
      オマエが動かなくなるまで 壁に叩き付ける」


26 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:42:03 iBlzCALo0
ガンッ!

(ФωФ;)「くっ……フフ。
       武器を取り 戦っていた頃のキサマとは大違いであるな」

(ФωФ;)「味方も捨て ただただ戦い続ける様は……。
       余裕の無くなった者の姿は 傍から見れば狂人に見えるものよ」

(ФωФ )「……縦令(たとい) その心の内が
        人を救おうとする想いで溢れる程だとしても」

(;  ω゚)「…………」

(ФωФ )「だが まだワガハイは倒れぬ。
        キサマの力には まだ負けぬよ……!」

(ФωФ#)「ふんっ!!」


(; ω゚)「……バカな!
      テレポートを 弾いただと!?」

(ФωФ )「食らうがいい!」

ドンッ!

(; ω゚)「ぐっ……はっ……」

(ФωФ )「まだ。 まだ その力では 足りぬ!
        ワガハイを倒すことは出来ぬのである!」

li!lili!li!li「……テレポート」

(ФωФ )「むっ……」


li!lili!li!li「これまで 僕はオマエを追い続けた。
     そして これからも 同じようにオマエを追う」

li!lili!li!li「魔力は オマエの身体より早く回復する。
     そうすれば また オマエに戦いを挑む。
     いや……お前を一方的に叩き付ける」

li!lili!li!li「オマエを追う。 僕かオマエのどちらかが死ぬまで。
     魔力が回復する度に この力をぶつける」

(ФωФ;)「……行ったか」

(ФωФ;)「……なんとも 恐ろしい英雄である。
        このままでは ワガハイが倒されるのも時間の問題か……」


27 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:43:13 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------

(ФωФ )
英雄 ブーン。
あの男が 今 過ごしていると云(い)う街に訪れた。

先日の あの男の形相は 異様であった。
一体 今迄に 何があったと云(い)うのだ?


(/ / )

顔を隠し 魔王の衣服を脱ぎ ヒトの衣を羽織る。
滑稽(こっけい)な話である。
ヒトは こうも簡単に 魔王の姿が分からなくなるのだ。

            「ねえ 聞いた!? また シニガミがが魔王に挑んだんだって!」

     「アイツ また負けたんだろ!? いつまでこんな事やるんだよ!!」

(/ / )

愚かな者らよ。
自分より強大な者に立ち向かう事。 その為に 絶えず努力し続ける事。
成功するか分からぬ道に向き合い続ける事。
その恐ろしさを知らぬというのか。

死の大地から ヒトを救う英雄。
そんな男が 死神と呼ばれ 疎まれる。
されど 英雄は 尚も力をつけ 戦おうとしている。
ヒトの為に。 キサマらの為に。

…………。

たった一人になっても 戦い続け。
憎まれても 自分を信じようとし続け 生きる男。
それが 英雄ブーンの今の姿か。

それは まるで。
まるで……。


28 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:44:43 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------
「なあ。 ブーンの事 聞いてるだろ。」

「ええ。」

「あいつは ずっと 一人で戦い続けてたんだよ。」

「……ええ。」

あの者らは……。
ブーンの かつての仲間であるか。


「僕たちは もう一度 あいつに協力するべきじゃないか?」

「今更 どんな顔をして 会いに行けばいいのよ!」

「気持ちは 分かるよ。 でもさ……。
 あいつは ずっと 戦い続けてたんだよ。」

「……分かってるわよ。」

「あいつ どんどん強くなっているらしい。
 魔王と交戦した場所は 辺りがズタズタになっていたそうだ。」

「……。」

「勝てるかもしれないんだぞ あの魔王に!」

その魔王は キサマの後ろに居るぞ。


「もう 僕たちはブーンには届かないかもしれない。
 ……でも。 あいつの力には なってやれるかもしれないだろ。」

「アタシ達じゃ もうブーンの訳には立てないわよ。」

「……やってみなくちゃ 分からないだろ!
 このまま放っておくなんて 俺は嫌なんだよ!」

…………。
そうか。 そうか。

道を誤り 長い間 間違った道を進み。
されど 間違いに気づいたときは 戻ろうとする。
それが もはや 手遅れだと感じながらも……。

これが ヒトであるか。
儚く 愚かなものである。
━━━━━━―――――――――――--------


29 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:47:01 iBlzCALo0
--------―――――――――――━━━━━━

(ФωФ )「久しぶりであるな 英雄ブーンよ」

(;^ω^)「魔王……!?」

(ФωФ )「そなたが 以前言っていたな。
        ヒトの気配を感じ取り 追いかける事が出来ると」

(ФωФ )「その割には 一度も ワガハイの前に現れた事が無かったではないか。
        どうだ。 そなたは ワガハイを見つけられたか?」

(;^ω^)「…………。
      いや……」

(ФωФ )「フフフ そうであろうな。
        ワガハイは 魔力を隠す魔法を覚えた。
        故に そなたは 長い間 ワガハイを見つけられなかったのである」

(ФωФ )「そして……ワガハイも それに倣い
        気配を察知する魔法を習得してみたのである」

(;^ω^)「……!」

(ФωФ )「フフフ 便利な力であるな。
       強大な魔力を持つ者。
       即ち そなたの位置が 手に取るように分かったのである」

(;^ω^)「…………」

(ФωФ )「案ずるな。 今 そなたと戦うつもりはない。
 だが いずれ お互いの為に決着を付けるべきであろう」

(ФωФ )「少し 時間をくれてやろう。
 そなたの準備を整えるが良い。 そして 魔王城へ来るのだ」

(;^ω^)「魔王城……?」

(ФωФ )「左様。 ワガハイは これより 魔王城を動かぬ」

(;^ω^)「なんだって!?」

(ФωФ )「気配を隠す事もやめよう。
       今のキサマなら ワガハイの魔力を追える筈である。
       それを察知して ワガハイを追えばよい」
 
(;^ω^)「…………」

(ФωФ )「そなたとの縁も これで終わりにしよう。
        いざ さらば。 英雄ブーンよ」


30 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:49:18 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------

--------―――――――――――━━━━━━

( ^ω^)(……信じられない。
      この世界に 緑が。 花が咲いている)

(;^ω^)(ここが 魔王城だというのかお?
      こんな場所が……)

(ФωФ )「ふむ。 また 一人で来たか」

( ^ω^)「! ……そうだお」


(ФωФ )「以前のそなたは 修羅の様であった。
        ヒトを救うため 必死に戦っていた」

(ФωФ )「しかし 今のそなた。
       落ち着きを取り戻した様ではあるが 何と云(い)うか
       ……無気力さを感じるな」

( ^ω^)「……」

(ФωФ )「もう そなたの元には 味方は一人も居なくなったのであるか?」

( ^ω^)「いいや。
      あの後で また 彼らは戻ってきてくれたお」

( ^ω^)「最後にオマエと戦ってから 2年間。
      オマエを倒すために 皆 色んな事に協力してくれたお」

(ФωФ )「そうであるか」

( ^ω^)「かつての味方が戻ってきて 嬉しい気分はするお。
      ……でも 彼らはかつて 僕がどれだけ頼んでも
      僕の元を去っていったヒトだったお」

( ^ω^)「……今 僕の味方をしてくれている 色んな街の人々。
      彼らは 僕が 何年も 何年も 命をかけ続けたのに
      それでも 最後まで仲間になってくれなかったヒトだったお」

(ФωФ )「…………」

( ^ω^)「そんなヒトが。 そんなヒト達が 僕の仲間になるんだお。
      ……僕の仲間 たった数人が声を掛けただけで」


31 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:50:40 iBlzCALo0
( ^ω^)「……僕は オマエと戦うのに 死に物狂いだったと思っているお。
      あの頃は 皆を助ける為に 一生懸命だったと思っているお」

( ^ω^)「そんな僕の声が 彼らの心には 届かなくて。
      かつて 英雄を辞めたヒトの声は 簡単に届くんだお」
 
(ФωФ )「…………」

( ^ω^)「……ドクオ。 ツン。 モララー。
      彼らが戻ってきてから 皆 色んな事をしてくれたお。  でも……」

(;^ω^)「…………」

(ФωФ )「どうした?」

( ーωー)「彼らのいう 一生懸命な努力は
      僕にとって 全然役に立たないものだったお」

( ^ω^)「彼らの提案する事は 僕が一人で居る時に試したことばかりだったお。
      僕と供に戦うとも言ったけど きっと 足手まといになるお」

(ФωФ )「うむ。 まあ そんな所であろうな。
        そなたは 周りの者より優れすぎていた」

(ФωФ )「ゆえに ヒトの能力が見えてくると その低さに絶望するのである。
        ヒトというものは 供に居ると別の面が見えてくるものよ」

( ^ω^)「……」

(ФωФ )「全幅の信頼を置ける者となど そうそう出会えぬものである。
        中には そういう物と出会えずに人生を終える者も居る事であろう」

(ФωФ )「そなたが この世界を救ったところで
        喜ぶのは かつてそなたを疑い 罵った者達である」

(ФωФ )「だが それがヒトと云(い)うものである。
        そなたが 魔王を断ち 生きる事を望んだのであれば 
        その道を往かねばならぬ」

( ^ω^)「…………」

(ФωФ )「死の大地が 生まれる前なら そなたの味方をする者も居たであろう。
        良識を持った王や そなたに救われた者らが
        そなたのために尽力したかもしれぬ」

(ФωФ )「だが 今は 国が滅びた時代。
        ヒトは 自分が生きる事に必死になっている。
        そなたの本当の努力を見る余裕など 残っておらぬのである」


32 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:52:23 iBlzCALo0
(ФωФ )「魔王を倒しても 人生は続く。
        そなたが救った者らも 時間とともに
        そなたへの感謝が薄れてゆくであろう」

(ФωФ )「そして それはそなたも同じである」

(;^ω^)「えっ……?」

(ФωФ )「時間と供に そなたが救いたいと思った人々への想いは薄れてゆくのである」
 
(;^ω^)「……!」

(ФωФ )「……おそらく。
        心の豊かさでいえば そなたよりワガハイの方が富んでいるのであろう」

( ^ω^)「……」

(ФωФ )「そなたは 辛い目に遭いすぎた。
        世界を救う前から そなたの 他者への想いは薄れておる。
        もはや そなたに 幸福を見出すことは出来ぬのである」

( ^ω^)「……」

( ーωー)「そうかもしれないお」

(ФωФ )「フフフ。 何を 魔王の言葉に納得しているのである」

( ^ω^)「……」

(ФωФ )「口を開けば 仲間への不満 そして 不信感。
        敵であるワガハイに対し そなたは……
        まるで友と語らうかのように語りかける」

( ^ω^)「……」

(ФωФ )「……そなた 魔王の道を往こうとでも 考えているのであるか?」

(;^ω^)「……!!」

(ФωФ )「そなたは いずれ ワガハイを越えるであろう。
        魔王になれば ワガハイよりも 神出鬼没の魔王と成りうるであろう」

(ФωФ )「海を過ぎ 山へ往き。
        あらゆる地を 文字通り 過ぎ往く魔王。
        テレポートの力があれば 死の病など無くとも……世界を征服する事は容易であろうな」

(ФωФ )「……だが そなたは英雄。
        こちら側には 合い寄れぬ存在よ」

(;^ω^)「…………」


33 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:53:26 iBlzCALo0
( ^ω^)「……一つ 訊きたい事があるお」

(ФωФ )「何である? 申してみよ」

( ^ω^)「この一ヶ月間も 死の大地は生まれていたお」

(ФωФ )「そうであろうな」

( ^ω^)「でも 以前と比べて 死の大地が生まれる頻度は下がっていたお。
       ……いや。 僕が オマエに立ち向かった時から
       少しずつ 死の大地が生まれる頻度が下がっていたお」

(ФωФ )「…………」

( ^ω^)「いったい どうしてだお?」

(ФωФ )「フ……まあ そなたの働きに因(よ)るものと云った所であるな。
        死の病は ワガハイの意志とは関係なく広まる病である」

( ^ω^)「……」

(ФωФ )「さあ いつまでも外で立ち話をする物ではない。
        我が魔王城の 中に入るが良い」

(;^ω^)「……魔王城」

(ФωФ )「案ずるな。 罠では無いのである。
        ……尤(もっと)も 信じるかはそなた次第であるが」

(;^ω^)「…………」

( ^ω^)「……分かったお。 城に入るお」

(ФωФ )「フフフ。 信じるのであるか。
        よかろう。 では 扉を開こう」


34 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:54:46 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------

--------―――――――――――━━━━━━

( ^ω^)「ここは……」

(ФωФ )「我が魔王城へようこそ。 内藤ホライゾン」

( ^ω^)「魔王城……?」

(ФωФ )「うむ」

( ^ω^)「……嘘だお。 ここは そんなものじゃないお」

( ^ω^)「噴水の水は 透き通っているお。 それに 手入れされた花壇……。
      光の差し込む天窓。 噴水の向こうにある 中庭」

( ^ω^)「……一面の 花畑」

( ^ω^)「魔王城なんかじゃ……そんな城なんかじゃ 無いお。
      ここは まるで……」

(ФωФ )「……ワガハイが生まれたのは 森に囲まれた村であった。
        長い時間を その村で過ごしたものである」

( ^ω^)「……えっ?」

(ーωー )「村を作ったのは この地を治める者に迫害された者らであった。
       迫害された者らは 戦うための魔法を避け
       癒し 潤す為の魔法を求めた者らであった」

(;^ω^)「……」

(ФωФ )「魔法使いは 強い力を持つ。
        戦争に 戦いに関係の無い魔法は求められなかった。
        そういう者らは ただ 戦うために服従させるべきだと考えたのであろう」
 
( ^ω^)「……」

(ФωФ )「見せしめとして 多くの者がこの森に送られたのである。
        だが 迫害された者らは その後も 癒し 潤す魔法を作り続けたのである。
        ワガハイの村は 綺麗で 豊かな村であった」

(ーωー )「……目を閉じれば 故郷の景色が蘇る。
       この魔王城は 瞼(まぶた)の裏の情景に身を委ね 描いたのである」


35 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:55:55 iBlzCALo0
(ФωФ )「15年 掛かった。
        ワガハイが この城を作り上げるまでに」

( ^ω^)「えっ?」

(ФωФ )「死の病は 死の大地から来る物。
        死の大地となった場所は その地に住む者の命を奪う。
        ゆえに この世の緑 そしてヒトは枯れたのである」

(ФωФ )「しかし 死の大地に立つ者らが
        ただちに その命を失うという訳では無いのである」

(ФωФ )「ワガハイは 疑問に思った。
        なぜ 死の大地で 生きられる物があるのかと」

(ФωФ )「ワガハイは 数少ない種や花を植え替え 実験をした。
        いつか 元のような緑を取り戻せぬのではないかと」

(ФωФ )「草木は どんどん枯れていく。
        無論 種を探す事は 時間が経つに連れ難しくなったのである」

(ФωФ )「だが。 "時間がある限り 未来は変えていける筈"。
        そう信じ この庭を育て続けてきたのである」

(;^ω^)(時間がある限り 未来は変えていける……。
      僕が 目指している事と同じ……)

(ФωФ )「殆どの種は 芽を見せる事は無く。
        咲いた花も すぐに枯れゆく日々が過ぎたのである」

(ФωФ )「だが 故郷の魔法を使いつつ ワガハイは 種を植え続けた。
        すると どうだ。 少しずつ 種を実らすものが現れてきたのである」

(ФωФ )「それまでに 長い時間が 掛かったのである。
        されど この地には花が咲き 緑が戻っていったではないか」

( ^ω^)「……」

(ーωー )「この魔王城は ワガハイの一つの結論である。
      ……死の呪いは 乗り越えられると云(い)うな」


36 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:57:04 iBlzCALo0
(ФωФ )「この世界は 滅びの一途を辿っておる。
        されど 本来 この滅びは乗り越えられるものである」

(ФωФ )「初めから 死の呪いの研究をすべきだったのである。
        そうすれば ワガハイが名乗りをあげる前に この崩壊は防げた」

(ーωー )「……愚かな事である。
      平和とは 怠ける為の時間ではなく 新たな脅威を防ぐ為の時間である」

(ФωФ )「束の間の猶予。 自らを磨くことはせず
        ただただ向き合うべき現実から目を背けておった。
        この世界は それゆえ滅んだのである」

(ФωФ )「そなたらの味方も そうであったな。
        ワガハイの力に絶望しながらも 服従する事は無く。
        かといって そなたに協力する事は無く。
        ただただ 無為に時間を過ごしていった……」

(ФωФ )「ヒトは 分析する努力を怠ったのである」

(#゚ω゚)「……ふざけるなお!!」

(#゚ω゚)「僕の町を滅ぼしたのは。 死の病を振りまいたのは。
      ……この世界を死の大地にしたのは オマエだお!!」

(#゚ω゚)「オマエは 何様のつもりだお!!!
      全部 オマエのせいだお!!
      オマエが居なければ こんな事にはならなかったんだお!!」


37 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 01:57:56 iBlzCALo0
(#゚ω゚)「死の大地は この世界のあらゆるものを奪ったお!!
      奪ったオマエが そんな事を……」

(#゚ω゚)「オマエが そんなセリフを言うなんて 絶対にあってはならないお!!
      全てを奪ったオマエが そんなセリフを……」


【15年 掛かった。
 ワガハイが この城を作り上げるまでに】


【この魔王城は ワガハイの一つの結論である。
 ……死の呪いは 乗り越えられると云(い)うな】



( ゚ω゚)「……そんなセリフは――――」


【今のキサマは ワガハイと似つつある様である】


【死の病は ワガハイの意志とは関係なく広まる病である】



(;゚ω゚)「――……まさか!!!」

(ーωー )「……フ。
       まあ そなたの言う通りであるな。
       魔王としては 言うべき台詞ではなかったのである」

(;゚ω゚)「まさか オマエは……オマエは……!」


(;゚ω゚)「死の大地を作ったのは オマエじゃなかったのかお!?」

(ーωー )「………………」


38 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:00:30 iBlzCALo0
(;^ω^)「……何とか言ってくれお!! どういう事なんだお!?」

(ФωФ )「……ヒトは 何百年も前から争いを続けていた。
        様々な魔法が この世界で使われたのである」

(ФωФ )「どんなヒトにも 魔力が染み込んでおる。
        魔法使いは その魔力を自在に操る者。
        多くの魔力が ヒトを殺す為に 魔法に変換された」

(ФωФ )「さて。 魔法に変換された魔力は
        どこから来て どこへ往くのであるか」

(;^ω^)「……えっ?」

(ФωФ )「ドクオ……とか言ったな。
        あの者が かつてワガハイに魔法を使った事があったな」

(ФωФ )「炎の魔法は 我輩の体に当たった後 空気に溶けて消えた。
        氷の魔法は 床に落ち 気化するように消えた」

(ФωФ )「そこに 痕跡は無い。
        焦げ付いた痕も 水の痕すらも」

(;^ω^)「……」

(ФωФ )「魔王 ロマネスク。
        ワガハイが 名乗りを上げる前に 死の大地となった国が多々あった」

(ФωФ )「中でも 一番早く 死の大地となったのは
        様々な内部戦争の起こった国 ニューソクであった」

(;^ω^)「…………!」

(ФωФ )「感づいた様であるな」

(ФωФ )「死の大地となった場所。
        それらの地は かつて 大規模な魔法戦争が行われた土地である」

(ФωФ )「炎 氷 雷。 魔法に込められた魔力の意思は
        魔力として この世界に残るのである」

(ФωФ )「ヒトを殺す為に 放った魔力は。 
        憎悪の記憶の残った魔力は 土や空気中に染み込むのである」

(;^ω^)「……そんな」

(ФωФ )「この世界の破滅。
        それは ヒトの先祖。 そして 魔法戦争を行った者らが引き起こしたものである」

(;^ω^)「そんな!!」


39 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:03:16 iBlzCALo0
(ФωФ )「死の大地の予言。
        それは 文献と 地質調査によって
        死の大地が生まれる時期を 予測しただけの事である」

( ^ω^)「…………」

(ФωФ )「魔王であるワガハイに 今 恨みを持つ者は二種類居る。
        一つは これ以上の犠牲を防ぐ為。 一つは家族の復讐の為。
        ……これは 以前 そなたとも話した事であったな」

(ФωФ )「この崩壊を引き起こしたのは 戦争に関わった全てのヒトである。
        ……自分らの祖先 そして 家族が
        この世の破滅を起こしたと云(い)う事実」

(ФωФ )「果たして それを露(あらわ)にしたところで
        今の時代に生きる者が それを受け入れられるであろうか?」

( ^ω^)「…………」

(ФωФ )「この城の奥に 解呪法が描かれた本がある。
        それを使えば 死の病に罹った者を救う事が出来るのである」

( ^ω^)「……何故だお。
      何故 オマエは 魔王になったんだお」

(ФωФ )「……ヒトが 愚かな生き物である故」

(ФωФ )「死の大地は ヒトの争いが行われる度 生まれ続ける者である。
        誰かが 何かが 支配せねばならぬ。
        ワガハイは そう信じたのである」

( ^ω^)「魔王……」

(ФωФ )「……ハッキリ言おう。
        ワガハイの 世界征服で ヒトが 幸せになれるという保証は無い」

(ФωФ )「ワガハイの目が黒い内は 魔法戦争は起こさせぬつもりである。
        暴動すら出来ぬよう 徹底的に管理せねばならぬであう。
        ……果たして それが 幸福な生活と言えるのか。 それは 分からぬ」

(ФωФ )「そして。 ワガハイの死後 また魔法戦争は起こるかもしれぬ。
        そうすれば 元の木阿弥(もくあみ)。 また 死の大地は生まれ続けるのである」

( ^ω^)「!」

(ФωФ )「……しかし。
        ワガハイにとって これは 最も合理的で 優れた案であった。
        故に ワガハイは 魔王として 生きることを決めたのである」


40 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:04:45 iBlzCALo0
(;^ω^)「…………」

(ФωФ )「さあ 話はここまでである」

( ^ω^)「えっ……?」

(ФωФ )「構えよ。 最後の戦いである 英雄ブーンよ」

(;^ω^)「なっ……!」

(;^ω^)「なぜ 僕と戦うお!?」

(ФωФ )「知れた事よ。 この戦い 既に話し合いで解決できる物など無い」

(;^ω^)「なんだって!?」

(ФωФ )「ワガハイは 魔王。 そして そなたは 英雄である。
 同じ道は 決して歩めぬ」

(ФωФ )「英雄が 魔王と供に道を歩いてみよ。
        ただでさえ そなたを信じなかった者らは
        一体 どの様に思うであろうか?」

(;^ω^)「………………」

(ФωФ )「そなたなら 分かるはずである。
        和睦など ありえぬ。
        この戦いの決着は 片方の死を以(もっ)て着くのである」

(;^ω^)「…………」

(ФωФ )「さあ 戦え ブーンよ!
        死の大地 その時代を終わらせる為に!」


41 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:05:27 iBlzCALo0
(;^ω^)「…………僕は。
 僕は 戦いたくないお!」

(ФωФ )「ならば ワガハイが一方的にそなたを叩き伏せるのみ」


(;^ω^)「…………」


(ФωФ )「最大の敵が 一方的に倒されるならば
 魔王として これほど楽なことは無いのである」


(;^ω^)「…………」


(ФωФ )「…………」


(;^ω^)「…………」


(ФωФ )「本当に 何もせぬつもりであるか?」


(;^ω^)「…………」


42 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:06:31 iBlzCALo0
(ФωФ )「ヒトとしての生を 諦めるか。
        この世界の英雄の終わりであるな」

(;^ω^)「……」

(ФωФ )「では ワガハイは そなたを殺した後で
        魔王として この世界に恐怖を植え付けねばな」


(ФωФ )「二度と 死の大地が生まれるように。
        ワガハイは 二度と逆らえぬほどの恐怖を ヒトに植えつけねばならぬ」


(;^ω^)「……!!」


(ФωФ )「ワガハイに逆らい続けた 愚か者の象徴」


(; ω )「うぅ……!!」


(ФωФ )「キサマの街にいた ドクオと云う男」


(ФωФ )「モララーと云う男」


(ФωФ )「……そして ツンと云う女」


(ФωФ )「キサマを滅ぼした後は その者らも殺さねばな」


(; ω )「ううぅ……!」


(ФωФ )「ワガハイは 魔王なのだから!」



(; ω )「ううぅぅぅ……!!」



( ;ω;)「うわあああぁぁぁ―――――――――――――――――――!!!!!」


(ФωФ )「……そうだ。
        それでいい 英雄ブーンよ」


43 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:08:19 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------

--------―――――――――――━━━━━━
(Фω::;::; )「見事であった」

( ;ω;)「…………」

(Фω::;::; )「この城の壁すら 粉々に砕く威力か……。
       テレポート。 その魔法の技術も 随分と磨かれた物であるな」

( ;ω;)「……ロマネスク」

(Фω::;::; )「死の病は ヒトから帰る場所を奪っていった。
       過ぎれば 去り往くのみ。 戻ることは出来ぬ。
       ワガハイは魔王。 そなたは英雄としてしか生きる事は出来ぬ……」

( ;ω;)「うぅっ……」

(Фω::;::; )「凄まじい力であった……。 ワガハイの 完敗である」

( ;ω;)「キミは 本当は 僕に勝てたハズだお!!」

(Фω::;::; )「……そんなものは 気のせいである」

( ;ω;)「嘘だお!! 今までに 何度も キミは僕を倒せたはずだお!!」

(Фω::;::; )「…………。
       一つ そなたの強さの根源を教えてやろう」

( ;ω;)「えっ……?」

(Фω::;::; )「そなたが勝てたのは そのテレポートの力である。
       それは そなたが 戦い続けた故に手に入れた力である」

(Фω::;::; )「長い間 そなたは一人で戦い続けた。
       殆どの時間を 孤独な英雄として過ごした事であろう。
       ……絶望し ヒトを憎むのも無理はない」

( ;ω;)「…………」

(Фω::;::; )「……だが 最初。
       テレポートの力を導いたのは そなたの仲間であったはずだ」

( ;ω;)「…………!!」

(Фω::;::; )「そう云(い)うものなのだ」

(Фω::;::; )「どれだけ ヒトに失望しようとも。 どれだけ ヒトに憎しみを持とうとも。
        そなたは ヒトを支え ヒトに支えられ 生きてきた。
       ……故に ヒトを見捨ててはならぬのだ。 魔王に 成ってはならぬのだ」


44 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:10:06 iBlzCALo0
(Фω::;::; )「そなたが救った者らも そなたと同じ『ヒト』なのである。
       どれだけ そなたが 他者を憎んだとしても。
       どれだけ 他者が そなたを傷つけたとしても」

( ;ω;)「…………」

(Фω::;::; )「ワガハイは その事に気づけなかった……。
       ゆえに 魔王となり ヒトを支配する道を選んだのである」 

( ;ω;)「…………」

(Фω::;::; )「……見事であった」

( ;ω;)「えっ?」 

(Фω::;::; )「どれだけ負けても 立ち向かう様。
       孤独になろうとも 尚 救おうとする意志。
       儚き そなたの命。 されど それは 煌(きらめ)いておった」

(ーω::;::; )「……そう。
      世界を服従させようとした ワガハイの意思すら 揺るがす程に」

(ーω::;::; )「故郷が滅び ワガハイは ヒトの価値を見失った。
       だが そなたの煌きは ワガハイにそれを思い出させてくれた」

(Фω::;::; )「……ワガハイも そなたも。 そして あの者らも同じ。
       皆 ヒトなのである」

( ;ω;)「僕の意志が 煌くというのなら
      ……それは キミだって そのハズだお!」

( ;ω;)「キミも僕も ヒトだというのなら やり直せるはずだお!!」

(Фω::;::; )「…………。 ワガハイは 魔王の道を選んだ。
       もはや そなたの様な光は失われたのである」

( ^ω^)「……そんな そんな事は……!」

(Фω::;::; )「さあ 解呪書を取りに行くがよい。
       この城が 崩れ落ちる前に」


45 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:11:24 iBlzCALo0
(Фω::;::; )(フ……。 ワガハイも 甘い魔王であるな。
       世界征服など 夢のまた夢であったか……)

(Фω::;::; )(最後の最後で 本心を打ち明けるか……。
       そんな事をするつもりなど 無かったのであるが……)

(Фω::;::; )(……ヒトと出会い 往く道を変え。
       過ぎ去った道には もう二度と戻れぬ愚かな魔王。
       ……フフ)

(Фω::;::; )(故郷を滅ぼした『ヒト』すべてへの報復 か……。
       そんな事 ワガハイには出来る筈も無かったのであるな。
       何故ならば……)

(ーω::;::; )(……ワガハイも ヒトであったから)


(;^ω^)「ロマネスク!!」


(Фω::;::; )「……ブーンか。 何をしておる。
       この城は もう持たぬ。 早く 行くが良い」

(;^ω^)「僕は……僕は キミと一緒に 帰りたいお!」

(Фω::;::; )「フフ……何を言っておる。
       そもそも この傷では もはや助からぬよ……」

(;^ω^)「僕が……僕が テレポートすれば まだ間に合うはずだお!」

(Фω::;::; )「……先程も 言ったであろう……。
       英雄が 魔王を助けるなど あってはならぬのである」

(;^ω^)「……でも。 でも……!」

(;^ω^)「僕とキミが 逆の立場なら! きっと キミは 僕と同じ事をした筈だお……!」

(Фω::;::; )「…………!」


46 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:13:03 iBlzCALo0
(;^ω^)「……魔王 ロマネスクの遺志は。
      キミの 本当の遺志は 僕が引き継ぐお」

( ;ω;)「僕は 英雄として生きるお。 この世界は 平和にするお。
       だから……。 だから……」
 
(ーω::;::; )「フフフ……正(まさ)しく 英雄であるな。
      そなたが 過ぎ往く魔王に成らず良かったのである」

( ;ω;)「…………」

(Фω::;::; )「……そなたの使っていた あの魔法。
       ワガハイも 少し 学んでみたのである」

( ;ω;)「えっ?」

(Фω::;::; )「伊達に 数百年前 文明が滅びた技術ではないと云う事か。
       しかし 先(ま)ず 探すのに苦労した。
       地の果てまで往き 文献を読み漁ることになるとはな」

(Фω::;::; )「ようやく見つけ しばらく時間を掛けたものの……。
       そなたの様な 完全な習得は出来なかったのである」

(ーω::;::; )「そなたは 物を自在に動かし 操る事まで出来たであるな。
       あの領域に到達するまで さぞ 苦労したのであろう……」

(Фω::;::; )「……だが それでも。 そなた程ではなくとも
       ワガハイも 少しだけ 自在に動かせる様にはなったのである」

( ;ω;)「……ロマネスク?」

(Фω::;::; )「……フフフ。
       英雄ブーンよ。 魔王に最も近かった存在よ。
       英雄として この世界を救ってみせよ」

(Фω::;::; )「ワガハイの屍は ここに捨て置け。 そなたは 生きる者の味方として生きよ。
       それでも この魔王城に そなたが訪れる事を望むのならば――」

(Фω::;::; )「――そなたの目的を果たした日に 来るがよい。
       いざ さらば。 往け 英雄ブーンよ――」


(Фω::;::; )「――……テレポート!!」


li!lili!li!li「なっ……!」


47 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:13:47 iBlzCALo0
(Фω::;::; )

さらば 内藤ホライゾンよ。
さらば 英雄ブーンよ。 ワガハイが成れなかった者よ。
そなたが往くべきは 過ぎ往く魔王の道では無く 英雄の道である。



(ーω::;::; )

此の地と供に。
我が城と供に ワガハイは滅びるとしよう。

死の大地を打ち破る事が出来て良かった。
故郷の情景と 再び出会えて良かった。

そなたと出会えて良かった。
ヒトを知る事が出来て良かった。
ヒトに戻る事が出来て良かった。



ありがとう。


( ;ω;)「ロマネスク――――――――――――――――!!!!」


48 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:14:27 iBlzCALo0
( ;ω;)「…………………………」


( ;ω;)「…………うぅっ。 うっ。 うっ……」



(  ω )「………………。
 分かったお……。 キミの 最期の遺志は 僕が引き継ぐお。
 この世界の平和は 僕が…………」


(  ω )「……でも。
 一度だけ この城を振り返るお。
 一度だけ……一度だけ 魔法を使うお……」

( ^ω^)「あの魔王城の花畑が ずっと 残り続けるように。
 キミの願いが 残り続けるように……」


49 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:15:35 iBlzCALo0
━━━━━━―――――――――――--------


かくして 英雄ブーンは魔王を討ち 魔王城を後にした。

死の病の治療薬。
その秘術書を持ち帰った英雄の名は 世界中に広まった。

死の大地が生まれた原因は 明かされなかった。
ただ この世界に 新たなルールが出来た。
ヒトを傷つける魔法を使ってはならないというルールだ。

ブーンは その後も ヒトと供に生きた。
ブーン・ツン・ドクオ・モララーの4人は
その後も 交流を続けたという。


その後 魔王城には 誰も訪れることなく
世界は 平和を取り戻していった。


--------―――――――――――━━━━━━


50 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:17:10 iBlzCALo0
(  :::::)
…………。

……ここは?

何故 生きておる?
ワガハイは あの時確かに……。

この花畑……正しく 魔王城の中庭の筈。
なぜ ワガハイの傷は 癒えておるのであるか?


身体を起こし 辺りを見る。
崩れたままの魔王城。 正しく あの戦いの痕であろう。


死の病 か。
ヒトを傷つける魔法。 ヒトを殺す魔法。 その 憎悪の記憶。
土に染み込んだ 悪意の魔力は この世を滅ぼす病となった。

病とは 不公平な物である。
害にばかりなり 益になるような物は限られているのである。

ヒトに 利や 益ばかりをもたらすような病は無いのか。
死の病があるならば 生の病は無いのか。
そんな 幼稚な願いを 何度も夢想した事があった。

…………。


(ФωФ )
腰を上げ 中庭の外へ向かう。


魔王城には 絶えず 魔法を掛け続けた。
ワガハイの植えた種が育ち 故郷の景色が瞼(まぶた)の外に映る様に。

水を降らす魔法。 植物を育てる魔法。
光を差す魔法。 命を癒す魔法。

この城に使ったのは どれも祝福する魔法ばかり。
15年間掛け続けた魔法が この地に染み込んでいる。

もし。
もし 憎しみで生んだ魔法が 死の病を生むのならば。
この地には 生の病が生まれるのではないか?


魔王城の 崩れた玄関に辿り着いた。
光の向こう。 そこに 誰かが立って居る。


51 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:18:01 iBlzCALo0
「……キミは。」

「そなたは……。」

「……この世界を 平和にしたお。
 だから ここに来たんだお。」

「そうであるか。 よく 頑張ったのである。」

「よしてくれお……。 キミのおかげだお。
 それより ほんとに随分と久しぶりだお。」

「うむ。 どうやら その様であるな。」

「もう 世界は 救われたお。 魔王の姿なんて きっと皆忘れてるお。
 ……だから。 生きていたなら この世界を見に回ってみないかお?」

「ほほう よかろう。
 今の世界がどの様に姿を変えたか 楽しみである。」

「おっおっ 期待するといいお。
……そういえば 何で 生きてるんだお?」

「フム。 ワガハイにも まだ分からぬ。
 だが それに関して 今 仮説を立てていた所である。
 歩きながら話すとしよう。」

「わかったお! どんな内容なのか 気になるお!」

「この仮説には 自信があるのである。 心して聞くがよい。」

「おっおっ 期待してるお。
 ……じゃあ!」


「では。」


「いざ往こう 友よ。」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     ( ^ω^)過ぎ往く魔王のようです(ФωФ )



               完

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


52 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:27:21 iBlzCALo0
ぎょうすう:せんはっぴゃくくらい
もじすう:やく よんじゅううにけーばいと(にまんもじくらい)
かかったじかん:じうはち(ご ろくじかんの ちょうたんぺんでおわらすつもりだった)

じぶんにしては かなりすばやくかけたほうだと おもったんだけど
しりあいに はちじかんで さんじっけーびーかききったっていう せみぷろのひとがいて
ぶんしょう みせてもらったら めっちゃきれいなぶんしょうで おどろいたよ
そのごも ちょくちょく おはなし みせてもらったけど うまいひとって わりといじげんだよね


きっかけ

http://i.imgur.com/R4lKGJe.png
 しなりおかんがえてて ぷろっとをおもいついたぞ

②このままぼつにするのもったいないなーかきたいなーでもきゃくほんのもんだいがなー

③そうだ ぶーんけいあんじゃん! ひさしぶりにやっちゃう? しょす? しょす?
 でもきゃくほんのもんだいがなー

④しるかうおおおー!!!いきおいでつくりあげてやるぞうおおおーー!!!!!

⑤はい


           ,lll    ,lll                      ,,
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  ''''lllll'   ,,,,,,,,,   ,,,,,,,,,,   lll      '''''''' ,,,,   lll   '''''''
        ll''''''lll  lll''''''ll,  lll         lll''          lll
     l   l  llll  lll  lll  llll        ''ll,    lll'''''''''''''''''
    ,llll   l         lll  lll        ,,  ''   lll
   ,lll'  ll,,,,,,lll'''''''''''''''''  llll      ,,llll'''',,,,,         ,,,,
 ',,llll'  ,,,,,lll        ,,,,,,,,lll'   ',,,,llll''    '''''''lllllllllllllllllllllllllll'
      ''''''         '''''''      ''''


53 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 02:28:19 iBlzCALo0
いぇいいぇいいぇいぇーいできたできたーおわったおわったー
さくっとおわらせるつもりがせいかつりずむずれるほどのびたよ
おきてにじゅうにじかんだよ
おまけにじょばんがみじかくこうはんがながいこうせいになったよ
でもまあなんでもおもいどおりにならないことはわかってるしまんぞくだよよくできたよくできたふぉうふぉううぇいうぇい
えたーならなくてよかったよ
じゃあもううんこぶちまけたし
みんなもこのすれにすきなだけうんこしたらいいよ
このすれはいまからみんなのこうしゅうべんじょだよ
しらないけど


54 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 02:34:23 Vs3FlZVg0
おつかれさまでちた
おもしろかつたでち


55 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 02:48:03 UkHwjI0s0

重箱の隅ですまんが>>27のシニガミがが、と>>42の死の大地が生まれる、ってとこミスってる?


56 : ◆rboChXbbF2 :2016/01/06(水) 03:02:59 iBlzCALo0
>>55
はい!!!!!
「シニガミが」「死の大地が生まれぬ」ですね!!!!!


57 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 05:54:19 GRU/BCDw0
おもしろかった
読みやすいしロマネスクの人間味溢れる魔王キャラはいいものだ

ただひとつ不満があるとしたら作者がキモイこと


58 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 11:56:33 ujkDtmn60
乙!面白かった
viprpgぽいな


59 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 16:39:51 z.4s5Gm.0
なんつーか、人生っていうのを感じた




60 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 17:56:25 yIGRMvtU0
ないようはとてもおもちろかった

 ∧
. (   )
(    )

おつです


61 : 名も無きAAのようです :2016/01/06(水) 19:24:23 yjldqU7Q0


感動したわ


62 : 名も無きAAのようです :2016/01/07(木) 00:26:37 NJ3f0eik0
イイハナシダナー(T_T)


63 : 名も無きAAのようです :2016/01/07(木) 12:00:29 gzpVyz2.0
感動した乙


64 : 名も無きAAのようです :2016/01/13(水) 01:21:23 PDGsYNzsO
面白かった
ロマも内藤も良いキャラしてた



65 : 名も無きAAのようです :2016/02/06(土) 01:36:30 xeCv.sCU0
おつ よかった

ただし キロバイト な


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