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ミ,,゚Д゚彡は異世界に迷い込んだようです
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺の名前はフサギコ 見ての通り 何の変哲も無い獣人だ
何の変哲も無いと言っても俺には他の獣人とは違う、特徴がある
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 オオーン……
その特徴とは、何の事も無い 自分はちょっとした病気なのだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 オオーン?
その病気の名前は「獣化継続症」と言う一旦獣化したら
もう二度と元には戻らないと言う 俺達獣人にとっての唯一の病気だ
その病気にかかると、獣人状態を解除し 普通の「人」に戻る事が出来ず
そのまま一生「獣人」として過ごさなければならないという
俺達獣人にとって厄介な病気なのだ
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオアオーーン?
しかも、一度継続症にかかってしまうと
もうまともに人としての言葉を話す事が出来ず
獣人としての言葉
つまり、唸り声しか上げる事が出来ないのだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーン………
そんな、色々と不都合がある継続症だが…
だからと言って、そう悲観的な病気と言う訳では無い
人としての言葉が話せなくても、「獣人」同士でなら
普通に会話も通じるし
獣人同士のコミュニティなら、何の心配も無く社会で生きる事が出来る
ただ一つ問題なのは、俺達獣人のコミュニティの外に居る
普通の「人間」が生息している海外には、渡航出来ないと言う事だ
普通の「人間」とは、総人口が40億にも満たない
海外に住んでいる獣化できない人類の事だ
彼らは俺達獣人を普通の人型状態であれば渡航を受け入れてくれるが
獣人が解除出来ない継続症にかかった獣人は
「恐ろしい」と言う理由で渡航を許可してはくれないのだ
..
-
まぁ、それは普通に理解は出来る
獣化していなくても腕力で圧倒的に獣人に劣る人間にとって
獣化する事によって人類が所有する銃などと言う「武器」すらも通用せず
彼らが所有する「戦車」と呼ばれる鋼鉄製の車すら切り裂く爪を持つ
獣化した俺達獣人は、彼らにとっては脅威以外の何者でも無いだろう
力も頭脳も繁殖力も弱い 獣人では無い「人間」は
俺達獣人を恐れるのは、何の不思議な事では無い
でも、俺達獣人はそんな「人間」達とは良好な関係な関係を築いていると思う
俺達獣人は、人間と争った事など無いし
人間も俺達を内心では恐れながらも、強いけど、優しい種族だと言って
実の所、そこまで警戒はしていないのだ
増えすぎた俺達獣人は宇宙に新天地を求め繁殖し
獣人よりも繁殖力が少ない人間は、母なる大地でその生涯を終える
そんな、住み分けを行いながら、俺達人類同士は
問題はありながらも、良好な関係を築いてきたのだ
そして俺は、そんな世界に獣人として生まれた何の変哲も無い少年
獣人継続症などと言う厄介な病気にかかり、海外などに旅行する事は出来なくなったが
獣人同士のコミュニティの中であれば、仕事も有るし、生活は出来る
獣化した事で子供は出来なくなったが
同じ継続症にかかった友人達と、いつでも楽しく遊べるし
他の兄弟に生まれた子供達の世話をすれば
子供が居ない寂しさなんて何のそのだ
正直、俺は生活は、とても充実していた 不満なんてまったく無い
.
-
俺はこれからも、この生活を続けながら
いつか寿命が来るその時まで
病をおった獣人として楽しく暮らすのだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーン……
そう思っていたのだが……
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
しかし俺は、目覚めたら知らない場所に居た
本当なら自分は、10000人以上居る兄弟達の子供の部屋で
暖かい布団に包まれながらゆっくりと起床する筈だった
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺が目覚めたら、そこには大量に居る兄弟達の子供と
子供を寝かしつけるのに疲れた兄弟達が居て
俺は眠っている兄弟達を起こし
他の兄弟達皆で10000人以上居る子供達の朝食を作っている筈なのだ
そして、兄弟達の子供のご飯を作り終わった後は
自分のご飯も用意して
グーグー眠っている兄弟達の嫁さんと子供を起こして
皆で同じ部屋で楽しい朝食を送るのだ
.
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
しかし、今自分の目の前にはそんな俺達獣人にとって当たり前の
牧歌的に風景は何処にも無い……
あるのは廃虚だ
写真や、映像で見る事が出来た
人間が住んでいると言うその灰色の街は…
圧倒的なまでの廃虚……
どこまでの続く、青い空とは対照的に
手入れもされず、ボロボロにひび割れたアスファルトの地面と
植物が茂り、道路と同じくひび割れ、すっかり緑に覆われた
巨大なビル群の数々……
そこには、人の居た痕跡など、何も感じない
割れたガラスに植物が絡みつき、全身葉や茎で覆われた
その巨大なビル達は
まるで何かのアート作品であるかのように
何かを訴えるような圧巻さで自分の目に入り込んでくる
その異様な光景は退廃的で寂しくもあり…
しかし、その光景には美しさすら感じれた
その作品に、あえて名前を付けるのであれば「虚無の街」
なんてのがきっとしっくり来ると思う
.
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (おいら、何処かの美術館に迷い込んじゃったんかなーー)
そんな、現実とは一歩離れた感覚で俺はその「作品」に見惚れていた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ガァァァァァァアアァァァ…
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ?
ふと、横から何かの唸り声が聞こえてきた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (わんわんお?)
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (わんわんおは友達だ!!)
俺はその声を聞いて、その声の主がわんわんお
つまり人間が言う犬であると見当つけ、
..
-
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (わんわんお大好き!! 餌やるから撫でさせてくんろーー!!)
俺は鳴き声がした方向に首を向け
おそらくそこに居るであろう可愛い可愛いわんわんおの
頭を撫でるべく、手を伸ばした
.
-
∧,,∧
ミ,,^Д^彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (あれ?)
しかし、そこには居たわんわんおはどこか様子が変だ
そのわんわんおの顔半分は
何か分からない黄緑色のうじょうじょした物に覆われ
体の毛はつぎはぎだらけで抜け落ち 歯茎はこれでもかと言うほど露出し
鋭い牙を剥きだしにしながら 俺の方を向いて
ガァガァと、どこか犬らしくない唸り声を上げている
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (わんわんお、どしたーー?)
俺はそのわんわんおの方を見ると
その方向に座り込み
わんわんおの頭を撫でるべく、手を寄せた
..
-
グゥゥッゥゥゥゥ ガァアン!!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (ぬなん?)
すると、わんわんおはその向けられた手に勢い良く噛み付き
まるで肉を引き千切らんとばかりに首を横に振りながら
俺の手をぐりぐりと振り回す
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
俺はそのわんわんおの様子はただ黙って見ていた
力の弱いわんわんおが
俺の皮膚に傷を付ける事など不可能だと分かっているし
わんわんおの方も自分の傷を付けられないと分かったら
素直に噛むのを止めると思ったからだ
ググググググ グが ガアガガガガガガ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
しかし、そのわんわんおは一向に自分の手から離れる気配は無く
焦点の合っていない瞳で俺の手を睨みながら
更に勢いよく、俺の手を噛み千切りらんと首を振り回す
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (わんわんお大丈夫かな? 痛くないかな?)
俺はそんなわんわんおの様子の心配をしながら
わんわんおが怪我をする前に早く諦めてくれる事を祈りつつ
そのわんわんおの奇行を眺めていた
ググググググググググ グガガガガガガガガガ!!
わんわんおの勢いは止まらない
わんわんおは自身の攻撃が俺に全く通用しない事を知って意地になったのか
更に、更に強く俺の手を噛み
更に勢い良く俺の手を回しながら、なんとか俺に致命傷を与えようとしてくる
グググググググググググゲゲ グギィ!!
そんな中、ついに限界に達したわんわんの牙がグキリと折れる
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (あ)
ググググ…… グギギギギギギギギギギギギ!!
しかし、わんわんおは特に痛がる素振りも見せず
牙の抜けた口で、まるで甘噛みのような状況になりながらも
必死に俺の手に噛み付き、俺の手を引き千切ろうとしてくる
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (わんわんお……)
俺はそんなわんわんおの状況から何かを察し
目を細め、もう片方の手でわんわんおの首に手を寄せる
グガガアガガガガガガ!! ゲッ!!
すると、わんわんおは奇怪な唸り声を止め
ネジが止まった人形のように大人しくなって パタリと地面に倒れた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (わんわんお……)
俺は動かなくなったわんわんの体を優しく優しく撫でてやった
俺はわんわんおの首を折り、わんわんおを楽にしてやったのだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (わんわんお……)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (狂犬病だったんだな…)
.
-
狂犬病とはつまりは犬の病気である
狂犬病とは、その名が表すとおり、まるで狂ったように苦しみながら死んでいく
犬の深刻な病だ
俺は、狂犬病にかかった犬など見た事は無いが
あのわんわんおの様子から見て、相当苦しい病気だったに違いない
狂犬病にかかった犬は危険で、処分するしかない
それは世界の常識として広がり、俺達獣人の間でも認知されている
だから、俺はあのわんわんおがあれ以上苦しまないように
一瞬で楽にしてやったのだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (わんわんお……)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (苦しかったろうな… 悲しかったろうな…)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (今、お墓立ててやるからな)
俺は、今さっき殺してやったわんわんおの為に小さな穴を掘り
その中に、わんわんおを入れてやった
入れてやったわんわんおの顔は
どこにも安らぎなど感じなかったとばかりに醜く歪み
俺の心を締め付けた
.
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (バイバイ… わんわんお…)
俺はそんなわんわんおに土を被せてやると
何処とも知らない緑色の廃虚に向けて
ドスドスと歩を進めた
.
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺は裸足で地面をドスドスと踏み鳴らしながら
廃虚の中を彷徨い歩いた
途中、わんわんおと同じような病にかかっていた獣達を楽にしてやりながら
目的もなく、ただ街を練り歩く
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (寂しいよーーー)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (皆どこーーー?)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (子供たちーーーー)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (一緒にご飯食べよーー)
..
-
歩けども歩けども、そこには
もはや何の変哲もない荒廃した世界しか見えず 俺の心を不安にさせる
俺はふと立ち止まると、地面に強く蹴り上げ
横でそびえ立っているビルに張り付き、爪を壁にめり込ませながら
すいすいとビルを上っていった
高い所から地上を眺めたら、きっと何か掴めると思ったからだ
しかし、ビルを上っている最中、上っているビルの中に
ヒタヒタと、何か二本足の存在がうごめいている事を俺は感じ取った
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (あっ)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (これは)
その音は非常に聞き覚えがある
二本足で、ビルの中に存在する生物など
もはや決まっているような物だ
そして、ここは人間が暮らしていたビルの廃虚群
っとすると……
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (人間だ!!)
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (わっほいわっほいわっほいな!!)
.
-
ふと窓ガラスの方を見ると
赤錆のような物で色づいた濁った窓ガラスから
人型の影がうっすらと垣間見る事が出来た
近くに人間が居る、そう思った俺は心の中の寂しさをあっという間に払拭させて
そのビルの中に居る人間に自分の存在を知らせるべく
その赤い窓ガラスに爪を近づけコンコンっと叩き
おそらくはまだ自分の存在に気づいていないであろう
中の人間に合図を送った
∧,,∧
ミ,,^Д^彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (おんや?)
しかし、中の人間はその合図に気づく事は無かった
赤い窓ガラスの中に居る人型はただ
ゆらりゆらりと体を横に振りながらそこに漂うばかりで
窓ガラスを開けるなり、驚いた様子を見せるなどの
自分が予想した行動を見せる事は無く
自分は、もう一回窓ガラスを叩いてみたが
反応が特に変わる事は無かった
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (やっぱちゃんとご挨拶しないと駄目っぽいねーー)
..
-
俺はそう考えると ちゃんと行儀良く、入り口でアポを取ろうと思い立ち
壁に引っ掛けていた爪を離し、地面に直陸する
そして同じく、先ほどの窓ガラスのように赤く濁った地上のガラスの自動ドアをノックすると
大きな声で中の人を呼んだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーーーーーーーーーーーーン!!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (あっ……)
ふとそこで、自分の声が人間には届かない事に気づいた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
静まりきった世界に俺の気まずい空気が流れ込んでいく
勿論、目の前の玄関ドアが開かれる事は無かった
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 失礼しましたーーーー
..
-
俺は中腰になって手で顔を掻き
精一杯の気まずいと言うジェスチャーを交えながらその場を後にした
ここに人が居る事は分かった だから、出直そうと考えたのだ
もしかしたら、中の人間は自分の事に怯えて出てこないのでは?
そう思ったから
人間には一度も会った事は無いが
とても死にやすく、臆病な生き物だと、兄弟から聞いた事があるのだ
だから、後で出直そう、俺はそう思いながら
もはや役目を全うする事が出来そうにないデコボコだらけの車道を
ドスドスと、足を付けながら歩いて行く
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺は廃虚となった街をドスドスと歩いて行く
勿論、目的なんてまったく無い
俺はとりあえず、あの人が居たビルをキープ物件とし
他にも人間が居そうな場所を探すべく
当ても無く彷徨っているのだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (迷子の迷子の獣人さん〜♪ 貴方のお家はどこですか〜♪)
人間にはただ唸っているようにしか聞こえない声で
俺は一人の寂しさを紛らわすかのように、陽気な歌を歌っている
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (お家〜を聞いても分からない♪ 名前〜を聞いても分からない♪)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺は歌を歌っている途中、ふた黙った
..
-
なぜなら、今自分が歌っている歌がまるで自分を励ます事の無い
場違いな歌であると言う事に気づいたからだ
いや、正確には場違いな歌では無い
むしろ、今の状況にぴったりな歌だと言えよう
だが、この歌は今の自分を余計寂しくさせるだけの恐怖の歌なのだ
その証拠に、自分のテンションは駄々下がりし
今にも泣き出さんばかりの勢いで俺の涙腺は仕事を遂行しようとしてくる
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (俺、もう子供じゃないねん)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (俺、もう50歳なんねん)
人間にとって、十分年寄りな年齢も
俺達獣人にとっては、まだまだ若造に近い年齢なのだ
自分はもう子供を卒業した
だから、もう子供のように泣くわけにはいかないのだ
俺はその思いを心の中で復唱し
何とか自分の涙を押さえ込む事に成功した
..
-
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (母ちゃん、俺もう泣かないよ)
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (泣き虫は卒業したんもんね!)
幼少の折は、よく他の兄弟に
泣き虫フサちゃんと からかわれたものだ
病気になった今でも時々他の兄弟達は
笑いながら、それをネタにして……
一緒にご飯を……
∧,,∧
ミ,,^Д^彡
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 ブワッ
ふと涙が出た
..
-
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 (ううう……)
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 (お母ちゃんに会いたいよー)
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 (子供達……)
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 (兄弟達……)
俺は、声を殺して、泣いた
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 (うううう)
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 (寂しいよぉ……)
さめざめと、さめざめと俺は泣いている
俺は、幼年の頃の泣き虫フサちゃんに戻って
エグエグと嗚咽を漏らしながら
荒廃した街の真ん中でみっともなく涙を流した
..
-
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ん?
ふと、誰かの視線を感じだ
(゚ごプ)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
そこには、少し様子のおかしい一人の少女が立っていた
..
-
(゚ごプ)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
少女は、こちらの方を黙って向きながら
俺の顔をじっとじっと眺めている
ちょっと髪の毛が抜け落ちていたり
歯茎が剥きだしになっているものの、この獣人とは違う風貌は
間違いない
そこにいたのは人間だった
写真や、映像でしか見る事が出来なかった
生の人間がそこには立っていた
人間の少女は、焦点にあってない目でこちらを眺めながら
ニタニタとした笑顔をこちらに向けている
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
..
-
俺はその少女との出会いをまるで時間が止まったかのように
フリーズした状態で眺めている
泣いていて油断していたとはいえ
いきなり正面に少女が立っていた事も驚いたし
何よりも、その少女の右半身は何かに食いつかれたかのように抉れ
どす黒く変色した肉が露出しているのにも驚いたのだ
そんな状態であるにも関わらず、少女は痛がる素振りも見せず
自分の目の前に立ち、俺の方を眺めている
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
(゚ごプ)
僕と少女は見つめ合った
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (こんにちわ!!)
..
-
そんな中、自分の状況の解凍に成功した俺は
ちょっと様子が変だけど
自分を見ても逃げない、その貴重な人間の少女に話しかけた
この少女ちょっと容姿はおかしけど、ここはあまり触れないでおくとしよう
彼女はきっと俺と同じ、なんらかの病気にかかっているのだろう
人間は、俺達獣人とは違い、かかる病気の数が多いのだ
下手な事を言って、彼女を心を傷付けてはいけない
俺は内心、そんな事を思いながら、
通じるかも分からない俺の声で彼女にご挨拶をした
俺は泣かれた所を見られて恥ずかしかったな
なんて思いながら、彼女が返事をしてくれるのを待つ
∧,,∧
ミ,,^Д^彡
(゚ごプ)
しかし、やはりと言った所か、彼女に俺の言葉が通じる事は無く
彼女は特に何か言われているなどと気付きもせず
先程と同じように、惚けたように俺の顔を眺めている
...
-
∧,,∧
ミ,,^Д^彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーーン……
やっぱ通じないのかなぁ、なんて事を思いながら
俺は何とかして、目の前の少女とコンタクトを取るすべを考えようとした
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
(゚ごプ) ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ドオオオオオオオオン…
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (ん?)
何とか打開策を考えようとしていた自分の耳に
突然、正面から大きな音を共に、煙が上がってきた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーー?
その煙の匂いは、埃が混じったような火薬の匂いがした
..
-
今回はこれくらいで終わりです
それではさようなら
-
乙!!!
こういうの大好きだ
-
乙 これは期待
-
ファンタジーと思って開いたらゾンビ系だった
面白そうおつ
-
これはひと味違う感じだ
おつ
-
乙
-
(゚ごプ) !!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (ん?)
目の前で惚けていたように、こちらの顔を覗いていた少女が
その大きな音や匂いに刺激されたかのように
音がした方に素早く首を向けると
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (へ?)
まるで飢えた獣ような咆哮を上げながら
音のした方向に、走り去っていった
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺はその少女が見せた
何とも表現しがたいギャップに驚きつつも
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (何かイベントでもあるんかな?)
なんて能天気な事を考えながら
走り去っていた少女の後を付いて行った
..
-
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
少女は走る、ただ、闇雲に走る
目を真っ赤に充血させ、口からは唾液を滝のように
分泌させながら、ただ真っ直ぐ
まるで狂ってしまっかたのような勢いで
がむしゃらに走り続ける
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
そして俺は、そんな少女の後ろをただ黙って付いて行った
明らかに様子のおかしい少女の様子に気付きつつも
きっと彼女は病気なんだと言う
希望にも似た感覚で、彼女のその異様な様子を正当化する
そんな俺の事など気にもせず、少女は走り続ける
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
走り続ける少女の後を付いて行った俺は
その少女の後を追随するかのように付いて来る
少女と非常に良く似た症状を持った
人……だと思う… おそらく人なのであろう
自分が見つけた、あの少女よりも
更に酷く体を欠損している、人の存在に気付いた
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
その併走して走る人達の容姿は様々だった
顔が半分抉られている者 腕が引き千切られている者
体に鉄骨が貫通している者 胴体に穴が開いている者
皆、それぞれ、どこか体に不自由な箇所を見せながらも
まるで、そのハンデを感じる事も無く
全速力で走り続けている
.
-
その不自由なハンデを持った人々のマラソンは
まるで途切れる事も無く
一体何処に隠れていたのか言わんばかりに
次々とその群れに人が加わり
まるで一つの生物となったかのように壊れきった車道を埋め尽くしていた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺はそんな集団の中で明らかに異様な存在感を見せながら
ただ、ポカンと惚けた顔でその群れの流れに従っていた
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
正直、ちょっとちびりそうだった
.
-
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガァアアアアアアアアアアアアアア!!
( ゚皿゚#) ガ
( ゚皿゚#)
(゚□゚)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ?
突然、鬼気迫る勢いで走り続け居た群れの勢いがピタリと止んだ
(゚□゚)
(゚□゚)
(゚□゚)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (?)
.
-
急にその勢いを止めた群れは
まるで、先程までの行為に、何の興味も持たなくなったかのように
往々、その猛りきった顔を惚けた表情に戻しながら
辺りの路地裏に吸い込まれるように消えていった
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺は、その突然すぎる一連の現象を
ポカーーーンと口を開けながら、眺めていた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
まだ状況が上手く飲み込めない俺は、心を無にしながら
先程群れが目指していた方向に向けて
ゆっくりと歩を進め、歩きだした
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺はただ、道を歩いた
先程の行動が何だったのかなんて考える事も無く
ただ、心に得体の知れない不安を宿らせながら
ドスドスと、すっかり静まり返った街中を歩き続ける
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (ん?)
前方に何か見えた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (え?)
そして俺は、その前方を見た事を後悔した
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
俺のその前方の光景は
まさに地獄絵図と言わんばかりの、酷い有様だった
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
辺り一面、人、人、人 人 と言っても、ただの人では無い
正確に言うと、人の塊 それは人の手だったり、頭だったり
目、耳、鼻、内臓、髪の毛
そこには人だった物の、ありとあらゆる物が散らばっている
そして、その人だった物の断片を
先程のわんわんおのような生き物が狂ったように貪っていた
そこはまさに餌場だった
人間を餌にした、動物達の餌場……
赤い赤い、赤い餌場……
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺はその光景を、何がなんだか分からないという表情で…
先程と同じように、惚けた表情で眺めていた
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
しばらく、考え込んでいた俺はその狂乱の宴の中にゆっくりと足を向けた
途中、地面を踏み鳴らす俺の足に
ヌメリヌメリと不快な物を絡ませながら、俺はその宴の中に進んでいく
俺を見つけると、威嚇したり噛み付いたりしてきたわんわんお達は
目の前のご馳走に夢中になっているのか俺の事など、目もくれなかった
俺は歩き続ける
もしかしたら 生存者が居るかも、なんて
淡い期待を抱きながら、死体と動物しか居ない世界を歩き続けた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (ん?)
生きている生存者を探すべく、地面を隈なく探していた俺の目に
ふと、他の死骸と比べて
目立つ服装をしている死骸が転がっているのに気付いた
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
その死骸は頭をスッポリと黒いヘルメットで覆い
胴体もまた、黒い装束で統一している、異様な姿の死骸だった
そんな異様な姿をした死骸が、辺りに2、30体転がっている
その死骸の体の節々には、何かに噛み付かれたような跡が
いくつも点在しているが、不思議と
その死骸だけは、他の動物に食いつかれていなかった
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (ふむ)
俺はその死骸に興味を持ち、
その死骸のポケットや持ち物をガサガサと漁り始めた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ガソゴソ ガソゴソ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (お?)
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (おお!!)
俺は、そこで見覚えのある四角い機械を見つけると
ガチガチに緊張していた顔を少しほぐした
.
-
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (これって携帯電話だよね!!)
俺が見つけたのは、すっかり世界の骨董品と化した
折りたたみ式の携帯電話だった
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 (やった!! 連絡手段ゲット!!)
∧,,∧
ミ*^Д^*彡 (これで帰れるかも!!)
携帯を見つけた事ですっかり上機嫌になった俺は
さっそくとばかりに、器用に爪を使いながら
愛する愛する兄弟に連絡を入れるべく、ボタンを押し……
∧,,∧
ミ*^Д^*彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (あれ?)
しかし、そのボタンに描かれている文様を見て
俺は疑問の声を上げた
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (何だ? この数字… 数字?)
地面に転がっていた黒装束が持っていた携帯電話のボタンは
俺がまったく見た事も無かった数字らしき記号が描かれ
その記号が1なのか2なのか、まったく判別する事が出来なかった
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (うーーん)
携帯のボタンの記号が分からなかった俺は
とりあえず、その携帯のボタンの配列から数字の数を予想して
兄弟の番号に電話を入れる事を試してみた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 プーーー プーーー プーーー
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (うーーん)
しかし、様々なアプローチで兄弟の番号を打ち込んでみても
聞こえるのは断続的に聞こえる機械音だけだった
.
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (うむ……)
俺は悩んだ末、この携帯に予め登録されているであろう
番号に掛けてみる事を思い立った
俺は何が書かれているか分からない携帯電話に悪戦苦闘しながら
何とか携帯のボタンに書かれている記号が羅列されている
液晶画面に到達した
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (ふむ……)
そして俺は、その液晶画面の一番最初に表示されている番号に
電話をかけてみる事にした
俺は、その番号を決定すると、耳に携帯を当て
その番号から応対が来るのか待った
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 プルルルルル プルルルルル
携帯からは、先程自分が兄弟にかけた時とは違い
プルプルと変わった音が聞こえてきた
-
続く
-
乙
-
乙
-
これからが気になるぜ!乙!
-
おつ
-
面白いよーおつ!
こういうのなんていうんだろう。言葉が出てこないけど
-
いいね!
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ガチャ
「貴方?」
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (あっ)
ガチャっと言う短い音と共に、若い女性の声が携帯ごしに聞こえてきた
どうやら、「貴方」と言っているらしい
その「貴方」がこの携帯を所有している人物の名前なのか
それとも「もしもし」に代表されるような電話がかかってきた時に使う
特有の挨拶なのか分からなかったが
数時間ぶりに聞く、まともな人類の言葉を聞いて俺は安心し
その携帯からかかってくる言葉に返答をした
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーーーン…
「え?」
その瞬間、短い声を上げ、声の主は沈黙した
.
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
その沈黙は非常に長く続いた
俺はその沈黙で、自分が間違いを起こした事を気付いた
そう、俺の獣人言葉は、人間には通じはしないのだ
おそらく、相手の電話に聞こえてくる声は
何か獣のような物が、鳴いているようにしか聞こえないだろう
俺は、内心まずい事したかな、なんて思いながら
会話中の相手が、再び何か話してくれる事を願った
そして、またしばらくの沈黙の後 電話ごしの女性が、声を発した
女性の声は、少し震えていた
「貴方……… なんでしょう?」
.
-
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ……………
その女性は「貴方なんでしょう?」っと言う言葉を発した
俺は、その女性の使う言語を把握しきれていなかったので
その言葉が女性の言葉が
自分が思っているような言葉で合っているか疑問だったので
その言葉に特に返答もせず、黙って女性の次の言葉を待った
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ……………
「貴方…… なんでしょう?」
「今…… 仕事中よね?」
「さっきのは冗談よね?」
「街でのお仕事は順調?」
「危険な目にあってない?」
「早く帰ってきてね?」
「あの子も待ってるわよ?」
「今日は貴方の好きな物を作るから…」
「だから…… ちゃんとお返事して…」
..
-
「お願い」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ……………
携帯ごしに返答を待っていた俺に
女性はまくし立てる様に、言葉を並べてきた
その女性の言葉は俺は全て理解できた
俺は、相手の言葉が理解出来る事を理解した
そして…… それと共に、相手の女性が
非常に不安げな声で
この携帯の所有者の安否を案じている事も理解した
俺は、その女性が今一番知りたいであろう情報を持っていた
だが、俺はそれを伝えるすべも無いし
たとえ伝えられたとしても
とても軽はずみに伝えるべきではない事である分かっていた
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ……………
だから俺は黙るしかなかった
.
-
「お願い…… お願い……」
「冗談はやめて……」
「私に声を聞かせて…」
「お願い…… お願いだから…」
「貴方…………」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ……………
女性の声は不安に押しつぶされそうなまでに震え
ただ黙っているだけの俺に向かって、先程までの俺と同じように
何らかの返答をしてくれる事を頼み続けた
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ……………
俺はその言葉を聞いて、携帯の電源を切ってしまおうかと思ったが
電話ごしの女性の鬼気迫る か細い声を聞いて
それを行う事が中々出来なかった
その間にも、女性は俺に声をかけ続ける
.
-
「パパ?」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 !?
携帯ごしの声を黙って聞いていた俺の耳に
女性の声よりも更に若い
いや、とても幼い声が微かに聞こえる事に俺は気付いた
その声は「パパ」っと言っている
電話の女性の声が、ママだとすると
この少女が返答して欲しい相手は……
「パパからの電話?」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
「パパ、電話くれたの?」
「パパと話したい」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
俺はその言葉を聞いて
持っている携帯をそのまま握りつぶす事にした
..
-
しかし、そこで思わぬアクシデントが発生し
俺は、それを実行する事を取りやめた
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 !!
俺は、自分の足が何かに掴まれている事に気付いた
俺はそのまま下に視線を向けると、自分の足を掴んだ存在を見やった
(ヽ゚ω゚) アァァアァァァァァァァァア
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 (え?)
そこには、俺が先程 携帯電話を拝借した人間が這っていた
(ヽ゚ω゚) アァァアァァァァァァァァア
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 …………………
.
-
ガガミラノ スーパーコピー
http://www.faao.org/Donate/gagacopy.html
-
(ヽ゚ω゚) アァァアァァァァァァァァア
その人間は、言葉になっていないような言葉を発しながら
俺の足を掴み、もう片方の手を俺の方に掲げ
何かをねだる様な視線で、掲げた手で空中を掻き分ける
ヘルメットが脱げ、露出した男の顔は
綺麗ではあったものの、だがその顔は血色が悪く
俺はその顔の印象をここで初めてあったあの少女と重ねた
(ヽ゚ω゚) アァァアァァァァァァァァア
男は、未だ空中の手を掻き分けるのを止めない
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ………………
俺は、見た事もないような男の異様な行動に
やはり沈黙して、男の様子を眺めている
「パパ?」
(ヽ゚ω゚) !!
.
-
(#ヽ゚ω゚) アアアアアアアアァアァァァァァァ!!
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 (え?)
地面を這っていた男が、急に何かに触発されたように
けたたましい奇声を上げ始めた
(#ヽ゚ω゚) アアアアアアアアァアァァァァァァ!!
「え? 何?」
その大きな男の奇声は電話ごしの相手にも聞こえたのか
電話ごしに聞こえる少女は、怯えたような疑問の言葉を上げている
その言葉の後で聞こえてきた母親らしき女性の声
「嘘……」
「ブーン?」
(#ヽ゚ω゚) アアアアアアアアァアァァァァァァ!!
(#ヽ゚ω゚) ツン!! ツン!!
.
-
「ブーン? 嘘…… 嘘でしょ!!」
女性が電話の先で声を張り上げる
(#ヽ゚ω゚)
(#ヽ;ω;) アアア……
(#ヽ;ω;) カエリタイ…
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
(#ヽ;ω;) カエリタイ… カエリタイ…
(#ヽ;ω;) 変わりたくない!!
(#ヽ;ω;) 助けて!! 助けて ツン!!
(#ヽ;ω;) 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!
(#ヽ; ω;) うわぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!
(#ヽ; ω;) あ
..
-
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
(#ヽ; ω;)
(ヽ゚ω゚)
(ヽ゚ω゚) アァアァァァアアァアッァァ…
「 」
「 パパ? 」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ブツッ…
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
電話の通信はそこで途絶えた
-
続く
-
乙
-
乙
独特の雰囲気だなあ
楽しみだ
-
乙
-
(ヽ゚ω゚) アァアァァァアアァアッァァ…
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 …………………
電話が切れてから
先程まで、変わりたくないと嘆いていた男性は
さっきとはうってかわって、あっけらかんとした表情で
ビルの隙間に吸い込まれるように進んで行き
そのまま見えなくなっていった
そして、ほんの数十分前に聞こえてきた
男性の悲痛な叫びを打ち消すように
街は静寂に包まれ……
アアアアアアァァァァァァァァアアアアア
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 (え?)
るような事は無かった
..
-
キタ
しえ
-
最初の男性を手本にするかのように
次々と黒装束の人間達が起き上がり
例の惚けた顔と、短いくぐもった喘ぎ声を上げながら
次々と街の路地裏に消えていったのだ
その黒装束の男達は往々に体に致命傷を浴びながらも
やはり、何の痛がる素振りもみせず
さも当然のように路地裏に中に消えていく
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 …………………
俺はその様子を、もう何度目かの思考停止をして
やはり、ただ黙ってみている他なかった
彼らの様子は、もう病気とは判断しずらいぐらいに
異様を通り越して、不気味な、「なにか」だった
そう、まるで… 「死者が生き返った」ような
冒涜的な事を想像させるに難しくない…何かで…
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 …………………
「コ…チラ…」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 (ん?)
..
-
俺は、突如後ろから何かに話しかけられたような気がして
ゆっくりと、その声をした方向に首を回した
「コチラ…Dハン… ブタイハカイメツ… キュウエンヲ…」
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
首を向けた方向には、声を出している人間では無く
声を出している機械、いわゆるトランシーバーのような物が
今にも消え入りそうな声でノイズ交じりの音声を流していた
「コチラ…Dハン… ブタイハカイメツ… キュウエンヲモトム…」
「ショザイチハ… ビップチョウサンチョウメノ… シキュウオウエンヲ…」
「ダレカ… オウトウヲ… ダレカ…」
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ………………
そのトランシーバーから流れてくる音は
どうやら、仲間に救援を要請しているようだった
「D」と言う英単語から判断するに、ABCDつまり
この危険な廃虚の中に、後四つ
例の黒装束の団体が存在している事を俺に想像させた
..
-
「ダレカ… キュウエンを… ダレカ……」
俺が見聞き知っている「D」と、機械から聞こえてくる人間が発した「D」が
同じ意味なのかは、やはり判断は付かないが
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (うむ……)
しかし、誰かが何処かで困っていると言う事実が
俺の心に小さな希望を植えつけた
誰かが困っていると言う事
それはつまり
誰かが何処かに居ると言う事だ
誰かが何処かに居るというのであれば
それを探さない手はなかった
とにかく俺は、なんとしてでも情報が欲しかったのだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (うん……)
俺は小さく何かを決意すると
後ろで聞こえるグチャグチャと何かを貪る音をバックに
前に向かって、歩き出した
..
-
从;ー;从 うううううううううううう!!
渡辺は泣いていた
脇目も振らず、ただひらすら走りながら泣いていた
なぜ泣いているのか それには様々な不運があった
一つは、街にある薬剤などの物資を探索すべく
探索隊の仲間と一緒に
廃虚の街にやってきたはいいものの
運悪く、道中乗っていた戦闘車がイカレ
危険な街中で修理作業をする羽目になった事
二つは、修理作業している最中
外で警戒をしていた新人隊員が感染者を見つけ
無闇に発砲を続けたせいで感染者のラッシュを招いた事
三つは、ラッシュ時の戦いで
同じ隊内に居た夫がその新人隊員に誤射され
死亡した事
四つはそのラッシュ時の戦いで
私一人だけしか、生き残りが居なかった事
だが、そこには幸運が一つあった
.
-
ちょうど読み終わったところで投下キタ(゚∀゚)
しえしえ
-
从;ー;从 (うううううううううううううううう!!)
その幸運とは、私が無線で頼み続けた救援要請を聞いて
同じく、街の中を探索していた別の隊が
私を助けに来てくれた事
そして私は、そこで別隊の仲間と一緒に
この感染者だらけの忌むべき街を
夫の死を嘆きながら安全な戦闘車に揺られ
去っていく筈だったのだ
しかし
そこに五つ目の不運が現れた
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 アオーーーン……
从;⊿;从 (うわぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!)
それは私の後ろを付かず離れず着いて来る
巨大の化物の姿だった
.
-
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 アオーーーン…… アオーーーン……
从;⊿;从 (嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!)
从;⊿;从 (付いてくるなぁああああああああああああああああ!!)
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 アオーーーン アオオーーーン……
从;⊿;从 (うわぁあああああああああああああああああああああ!!)
走って逃げる私の後ろを、その化物は後を追うように付いてくる
私は内心で大きな悲鳴を響かせながら
一心不乱にその化物が私の元から去るの願った
その化物に出会ったのはほんの数十分前だ
その化物は突如ビルの上から降ってくると
大きな雄たけびを上げながら、こちらに向かってきたのだ
隊員達はその様子に焦ったが
熟練の運転手はその類では無く、冷静にアクセルを踏むと
その異様な姿の化物から退散すべく
デコボコだらけの道をスピードを上げ、スイスイと走り始めた
..
-
しかし、そこで驚くべき事に、突如ビルから振ってきた化物は
あっという間にこちらに追いつくと、そのまま車の前方に立ち
手を広げ、こちらの行く手を遮ったのだ
その一連の行動は熟練の運転手でも想像出来ず
錯乱した運転者はそのままブレーキを踏む事も無く
その化物に向かって全速で向かっていった
その結果がどうなったのか
それは今の私の状況を見れば分かるだろう
从;⊿;从 (怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!)
∧,,∧
ミ,,;Д;彡 アオーーンアオーーーン…… アオーーン…
スピードを上げて、全速前進で向かっていった鋼鉄の戦闘車は
私の後方を付いてくる化物に衝突した事でひしゃげて潰れ
私、他 その戦闘車に乗っていた隊員を危険な街中に投げ出した
.
-
そして、貴重な車両を潰され、危険な街中に投げ出された隊員達は
逆上し、その化物向かって、銃の一斉掃射を試みた
しかし、その化物の皮膚に銃の弾丸がめり込む事は無く
まるで床に落としたスーパーボールのように
その化物の皮膚で跳ね返った弾丸が
跳弾となって、次々と隊員達に襲い掛かった
自分が撃った銃弾で仲間の隊員が次々と倒れていく
目の前の化物は何もしていない
隊員達は完全に自滅した形で、その命を無駄に散らしていった
从;'⊿'从 …………………
私はその様子を眺めた後、その場から逃げ出した
銃を撃ったという事は、奴等が来るのだ
私は無抵抗で仁王立ちしている化物に
必死で銃を撃ち続ける隊員を横目にしつつ
その場から一目散に逃げ出した
逃げる最中、後ろからざわめくようなうめき声と
たった一発だけ響いた銃の弾音から、私は残った隊員が何をしたのか理解した
私は走り続けた
..
-
そして、そこから事態は現実の物に近くなる
この地獄のような場所から生き残るべく、私は必死になって走り続けた
私は死にたくなかった
私には家族が居るのだ、養子に貰った親友の子
そして、まだ生まれて間もない乳飲み子の我が子
私には守るべきものがある
地獄と化したこの世界で、私は守るべきものが出来た事に喜んだ
その尊いものを守る為、精一杯頑張るつもりだった
私は死ねない、私はまだ生きるのだ
私は、その場で叫びたくなる衝動を何とか抑えながら
一心不乱にその場を走り続ける
しかし、そんな一生懸命な私をあざ笑うかのように
あの化物が後ろから付いてきたのだ
∧,,∧
ミ;^Д^彡 ア、アオーーン……
从;ー;从 (ひっ!!)
.
-
後ろから猛スピードで走ってきたその化物は
あっという間に私に追いつくと、私の走る距離と併走し
短く、小さい、煽るような鳴き声を上げ
顔をややにやけたように固定して こちらに付いてくる
私がどんなに走るスピードを上げようと
そもそも高速の戦闘車を追い抜く事が出来る化物を
振り切る事など出来ないのだ
だが、人間には生存本能があり
たとえ分かっていたとしても
目の前の最大級の脅威の前で体が勝手に逃走せよと動くのだ
私が今、唯一自分の理性を働かせている所は
感染者を呼び寄せないように
声を出さず走ると言う事に一点している
それ以外は本能だ
私は生存したいと言う、その本能でただ闇雲に走り続ける
私は、その場で喚き散らしたい欲求を何とか抑えながら
併走して走る化物を振り切るべく、無駄な努力を続けた
从;⊿;从 (帰る帰る帰る帰る帰る帰る!! 家に帰るんだ!!)
私は必死だった……
.
-
しかし、その必死さ虚しく、私は地面の亀裂に足を絡めると
そのまま、剥きだしのアスファルトにビタンと顔から倒れこんだ
その衝撃で鼻の骨が折れた事を確かに感じた
私は体から流れる激痛を一瞬感じたが
そんな痛みなど感じている暇は無いと、ムクリと立ち上がると…
从;'⊿'从 「あっ!!」
短い悲鳴を上げ、その場に崩れるように倒れこんだ
从;'⊿'从 ……………………
私は足を挫いたのだ
∧,,∧
ミ,,;Д;彡
∧,,∧
ミ,,^Д^彡
その瞬間、化物が満面の笑みを浮かべた気がした
从;'⊿'从
从'⊿'从 ごめんね…
私は腰のホルスターから拳銃を引き抜くと
そのまま口に咥え、引き金を引いた
.
-
続く
-
乙
-
おつ
-
おつおつ!続きが気になる
-
めっちゃ続きが気になる終わり方を!
投稿おつ
-
乙
-
ブーンが早々に退場する作品は面白い法則
おつ
-
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 ……………
俺は、その場で立ち尽くしていた
俺はあの黒装束の男達が落としたトランシーバーを片手に
ビルの上を飛び上がりながら移動していたのだが
その道中、ヤケにいかついトゲトゲが付いている車両を発見した
そのいかついトゲが付いた車には
明らかに血色の良い、人間達が乗っていて
その事に嬉しくなった俺は、車に乗っている人達に自分の存在を知らせるべく
走行している車の前に飛び出すと
おもいっきり両手を広げ、車を制止すべく立ちはだかった
俺の算段では、俺の登場に驚いた人間達が
ブレーキを急いで踏んで、自分の眼前で止まる筈だった
しかしそれは起きなかった
ブレーキを踏んで、止まる筈だった車は
更にそのスピードを速めながら、自分に向かって突進してきたのだ
それには流石の俺も驚いた
俺の体に怪我こそは無かったもの、俺に突っ込んでいったその車両は
俺に突進した事でペシャリと潰れ
潰れた前方の車体からは赤い液体がポタポタと零れ落ちていた
-
そして、その一連の事故に驚く暇も無く
潰れた車両から7、8人の既視感のある
黒装束の人間達が降りてきて
俺の体に金属片をパチパチと当て始めた
その凄い音が鳴るバチバチから出てくる金属片が
俺の体を貫通する事は無かったものの
俺の体に跳ね返った金属片が当たった事で
その場に立っていた黒装束達がバタバタと倒れだしたのだ
それに構う事も無く
最後に残った黒装束が俺の体に金属片を当て続けていた
俺はその人間に何とかコンタクトを取るべく
片方の手を上げ、挨拶のジェスチャーを試みようとしたが
上げた片方の手から跳ね返った金属片が
運悪く、その人間の顔面に当たり
バンッという
断末魔のような音を響かせながら、その人間は動かなくなってしまった
そして、最後の人間が動かなくなった事で
その場で動く生物は俺、たた一人となる
俺は訳が分からなかった
..
-
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 ………………
それからはの事は、あまり思い出したくない
だがただ一つ言える事は
もう俺の近くには、先程まで元気に動いていた
人間達の形は無く
目の前で滝のように血液を垂れ流す女性を
俺はただ見つめている他無かった
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 ………………
どうしてこんな事になったんだろう? 俺は考えた
∧,,∧
ミ,,^Д^彡 ………………
∧,,∧
ミ,,^Д^彡
だが、考える事が見つからなかった
だから、俺はまた歩き出す事にした
目的なんて何一つ無い… 俺はその場をあとにした
.
-
ノハ;゚⊿゚) ………………
私の名前は素直ヒート
今をときめく16歳、花のお年頃だ
ほんの少し前、先輩の女性隊員に
そんな自己紹介をしたら、鼻血が出るくらい殴られた
この仕事を舐めるんじゃない!と
別に私は仕事を舐めていた訳じゃない
ただ私は明るい子アピールし
今後、お世話になるであろう先輩方の気を引きたかっただけなのだ
結局は失敗に終わったしまったが…
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
私は仕事を舐めている訳じゃなかった
ただ、私はとってもとっても生活が苦しかったので
孤児でもなれる安易な仕事先として
都市の外部に広がる廃虚群から使えそうな物を拝借しにいく
探索隊という職を選んだだけだ
.
-
私は本気だった、舐めるなんてとんでもない
ミミタコができるくらい聞かされた感染者の怖さは私だって分かってたし
とっても死亡率の高い
危険な仕事だって言う事もちゃんと把握していた
していたのだが……
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
私は、今危機にあった
長い訓練を終え、初めての初仕事
先輩には仕事を舐めるなと鉄拳制裁を喰らい
第1印象は最悪な形で幕を開ける
だから私は、何とか手柄が欲しかった
ちゃんと仕事をして、手柄を立て
あんたなかなかやるじゃないと褒めて貰いたかった
だから私はいつも以上に気を張り詰めながら
初仕事をこなしていった
幸いにも肝心の仕事中に、ミスを起こす事は無かった
私の仕事ぶりに満足した先輩も
帰る間際、今日は良く頑張ったわと褒めてくれたりもした
私はそれに有頂天になって笑顔で喜んだ
だが、そこから狂っていく
-
仕事先から帰る道中、私達が乗る戦闘車両が故障した
車からは煙がプスプスと上がり、
私達は危険な街中で、修理作業する事を余儀なくされた
そして修理作業以外の隊員は、全員車外警戒に当てられ
私もその一員として、危険な感染者が野放しにされている
車外に投げ出された
私達の仕事は、主にゴテゴテと武装を付け改造した戦闘車で
建物の近くに駐車して
中の物資を素早く見つけ、帰ると言うものなのだ
だから、感染者の大規模襲撃による戦闘はあまり考慮されていない
あくまで、あまり考慮されていないだけで
そりゃ多少は考慮され、専用の銃器も配給されてはいるが
先輩が言うには、使った瞬間負けるらしい
銃器を使う音で感染者が呼び寄せられ
あっという間に全滅してしまうそうだ
じゃあ、なんでそんな物騒な物を装備しなければならないのかと聞くと
念の為と言う建前と、利権と言う本音だと言われた
何の事だか分からなかった
..
-
話を戻し、危険な車外で警戒の仕事をこなしていた私は
なんと! 今だこちらに気付いていない感染者を発見した
私はそれを見ると、ウヒャア!!なんて大きな事を上げ
反射的に、使わない方が良いと念押しされていた小銃を
その感染者に向かって乱射していた
ノハ;゚⊿゚) 「アバババババババ! 感染者バイバイキン!!」
今も尚、大人や子供に大人気な黒いアイツの台詞を交えながら
私は目の前の感染者に向かって、がむしゃらに銃を撃ち続ける
銃の射撃を浴びて、感染者は息絶えたものの
その瞬間、街の周囲から恐ろしげな喚き声が響いてきたのが分かった
それに焦った、一人の熟練隊員が私に射撃を止めろと叫ぶ
ノハ;゚⊿゚) 「ハッ! ハエっ!?」
その声に驚き、私は反射的に銃を撃ったまま熟練隊員の方を向いてしまった
そしてゲボゲボとくぐもった悲鳴を浴びながら
シチューの具のような物になっていく熟練隊員
それを見て、大きな悲鳴を上げる先輩隊員
私はその様子を見て、引き金を離したけれど、時既に遅かった
-
ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
ノハ;゚⊿゚) 「ハウアッ!!」
突如、どこからともなく現れ
奇声を上げながら仲間に食いついた感染者
私達が着ている黒い防御服は
感染者のそんな突然の噛み付きを防ぐ効果はあったものの
あくまでも突然の噛み付きに効果があるだけで
組み付かれ、念入りに噛み付かれれば…
「痛ぃいいいいいいいいいいい!! 止めろ! ヤメロォオオオオオオオオオオオオオ!!」
ノハ;゚⊿゚) 「………………」
勿論、防御服は破れ、肉は露出する
そして、感染者は露出された肉を嬉しそうに頬張りながら
再び組み伏せた隊員を噛み始める
「助けて助けてたすげぇエエエエエエエエええええあがあががあがががああああああ!」
ノハ;゚⊿゚)
感染者に食いつかれた隊員は、断末魔のような奇怪な喚き声を上げると
しばらくしてその場で停止した、奴等の菌が体中に回ったのだ
彼は終わった その場にいる誰もがそれを理解した
.
-
そして、そこからの行動は隊員によって様々だった
我に返ったように、仲間を喰らった感染者に銃を向ける者
襲撃が来ると警戒し、銃を構える者
その場から急いで脱出する者
そして私は最後の者、すなわち、その場から脱した者になった
私は急いでその場から逃げ出した
その選択で生き残れるかなんて、考える暇は無かったが
私はそこでそう選択したのだ
その結果がどうなったか
それは
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
今に至る
.
-
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
私は危機に瀕していた
私は往年流行ったと言われる、切れたナイフのような言葉を繰り返しながら
倉庫に乱雑に保管されていた鉄製のコンテナの中で
周囲から壮絶な煽りを受けながら、そこに存在している
言うなれば、学校のロッカーの中に入った虐められっ子
私はその中で「おら、出て来いや>>1」なんて罵られる幻聴を聞きながら
広いコンテナの隅でガタガタと震えていた
周囲には奴等が居るのだ、とても恐ろしい奴等が…
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
ノハ////) やべぇよ やべぇよ…
ノハ////) くっ!!
ノハ////)
ノパ⊿゚) はぁ……
ノパ⊿゚)
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
.
-
私はそのコンテナの中で震えながら、一糸まとわぬの姿になって
オナニーを繰り返していた
ノハ////) やべぇよ やべぇよ…
ノハ////) やべぇよ やべぇよ…
私は必死になって下半部を刺激し
他の子より比較的恵まれた乳房を弄びながら
体をビクビクと震えさせ、今日何度目かの絶頂を味わう
ノハ////) やべぇよ やべぇよ…
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ やべぇよ…
ひたすらオナニーを繰り返し、絶頂に達しては我に返り
また同様の行動を繰り返すそのサイクル
私は自分の頭がおかしくなっている事を密かに感じた
だがその一連の行動を止める事は無く
ただひたすら自分の性欲求に忠実になって、一心不乱に自慰行動に耽っていく
自分の腕を噛み、足を噛み、乳房を噛み
ほどほどの刺激を体に与えながら、私は自慰行動する事を続ける
ノハ////) やべぇよ やべぇよ…
間近に迫る死の恐怖を感じながら
私に一人寂しく、相手の居ない繁殖行為を繰り返した
.
-
ノハ-⊿-)
ノパ⊿゚) ハッ
ふと我に返った
.
-
ノパ⊿゚) …………………
どうやら私は眠ってしまっていたらしい
あの状況でよく眠れたものだと、自分でも感心する
これもたゆまる自慰努力の成果だと思うと誇らしい
なんて自嘲気味に心で呟いた
ノパ⊿゚) …………………
ノパ⊿゚) 寒い……
私は自分が何も纏っていない事を思い出し、体を気だるそうに持ち上げると
周辺に散乱する衣服をかき集め、それを着始める
服を着ると、女のデリケートな部分が服に擦れ、ヒリヒリと痺れた痛みが襲ってきた
オナニーのしすぎである
私は恥かしくなった
ノパ⊿゚) 人間なんて所詮は動物なんだ
そんなちっぽけな悟りを開きながら
私はコンテナの壁を耳を当て、周囲の音を探ろうとする
.
-
ノパ⊿゚) …………………
ノパ⊿゚) 何にも音がしないな…
私が起きていた頃にはうるさいくらい聞こえてきた騒音は
今ではその面影を感じさせる事も無く静かで
いじめっ子もお家に帰ったのかな?
なんて考える余裕を与えるほど、その静寂は私に安心感を与えてくれた
ノパ⊿゚) まぁ、そんな訳無いんだろうけどさ
しかし、その安心が真の安息では無い事は私は分かっていた
私は未だ危機の中に居る
なんとか冷静に保ってる私の心の中で、しこりのように残る不安が
私の心を嫌でも現実に引き戻す
なんとかしなければならない
私は考えを巡らせた
..
-
ノパ⊿゚) …………………
私はしばらく考えた末
ノパ⊿゚)ー=y カチャリ
腰のホルスターから拳銃を抜き、自分の頭に押し付けた
.
-
ノパ⊿゚)ー=y …………………
腰のホルスターの銃は自決用のとっておき
なんて事は無く、普通に探索隊に支給されている武器の一つだ
だが先輩が言うには、街で行方を絶った探索隊の大半が
この拳銃で自分の命を終わらせるらしい
私はその説明にへぇーなんて相槌を打って、話を聞き流していたが
まさかその言われた手を、こんな簡単に使う時が来るとは思わなかった
影ではこの行為はペルソナ召喚と呼ばれているらしい
ペルソナとは何かと私が聞いたら、それはもう一つの自分だと答えられた
この拳銃でいまある人格を崩壊させ「新しい人格」を自身の体に宿らせるそうだ
それはすなわち……アレになると言う事……
そう、捨て去られた街中で蠢く…とても忌むべき奴等…
ノパ⊿゚)ー=y …………………
ノパ⊿゚)ー=y そして、それを思い出した隊員は
一瞬自殺を思いとどまる
ノパ⊿゚) か……
私は頭に押し付けている拳銃を下ろすと、その拳銃をホルスターの中に戻した
..
-
ノパ⊿゚) ………………
ノパ⊿゚) もっと生きたいなーー
ノパ⊿゚) 素敵な彼氏を作って…
ノパ⊿゚) 幸せな結婚をして…
ノパ⊿゚) 子供に思いっきりご飯を食べさせて…
ノパ⊿゚) 家族一緒に川の字で寝たりして…
ノパ⊿゚) 私は家族が欲しいな…
ノパ⊿゚) ………………
ノパ⊿゚) 生きたい…
.
-
ノパ⊿゚) 生きなきゃ……
生きたい…… そう強く願った私は
精一杯の勇気を振り絞って、この危険な街から脱出すべく
コンテナの扉を開け、外の世界へ飛び出した
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ア
そして止めた
.
-
ノハ;゚⊿゚) …………………
ドンドンドン! ドンドンドン! ドンドンドンドンドンドンドン!
ノハ;゚⊿゚) …………………
ドンドンドン! ドンドンドン! ドンドンドンドンドンドンドン!
ノハ;゚⊿゚) …………………
ノハ;゚⊿゚) どういうこっちゃ… こりゃ…
明日の生存を目指すべく、コンテナの扉を開けた私の目に飛び込んできたのは
全長4、5メートルはありそうな、巨大な化物の姿だった
その化物の姿にたまげた私は、コンテナの扉を急いで閉じてしまった
そうして私はコンテナの中に身を隠したのだが
それから聞こえてきたのが、軽快な三三七拍子とともコンテナをノックする音だった
.
-
ドンドンドン! ドンドンドン! ドンドンドンドンドンドンドン!
ノハ;゚⊿゚) …………………
化物が鳴らす音は鳴り止む事は無かった
正体不明な化物から、明らかにテンポが備わったノック音を聞かされた私は
オナニーする事もままならず
正体不明な化物から、正体不明な音を聞いて、自分まで正体不明になりそうだった
そしてこんな事を考える私はとっても正体不明ね、なんて
正体不明な事を考えながら正体不明な化物の
正体不明なノック音を聞き続けた
私の頭はあまりにも正体不明と言いすぎて、自分の存在すら正体不明になりそうだった
それくらい、目の前に飛び込んできた化物の姿は衝撃的だった
ドンドンドン! ドンドンドン! ドンドンドンドンドンドンドン!
ノハ;゚⊿゚) 何だこいつぁ……
-
一瞬しか覗き見る事が出来なかったが
その化物は何とも形容しがたい姿をした化物だった
まず一つ驚いたのは、その化物が服を着ていた事
その化物が着ていた服は真っ赤に染まったTシャツで
その下半身には伸縮性がありそうなゴムのパンツを履いていた
その化物には、真っ赤な髪が生えており、目の色もそれに追従して真っ赤か
眼光は鋭く、口は大きく開き、牙がギッシリと並んでいる
そして床まで届く長い腕を持ち、その腕には鋭い爪が…あったような気がする
そんな異様な姿をした化物が
横たわる奴等の死骸の前でぼんやりと立っていたのだ
怖いなんてもんじゃない
ノハ;゚⊿゚) (あれはきっと「変異種」って奴だ… 間違いない!)
ドンドンと軽快に聞こえてくるノック音をコーラスに
声を殺して考えに耽る私は、ふと訓練生時代の教官の言葉を思い出した
.
-
感染した奴等の一部には、変異して
宿主の能力を超えた、異なる変化をする個体が居る
訓練生時代、そんな事を教官に聞かされた気がする
つまり、その教官の言葉を信じるとすれば
ノハ;゚⊿゚) (あれがそうなのか?)
私は確信持てぬまま、そう心の中で呟くが
ノハ;゚⊿゚) (あれが変異種なんだ…)
その後、完全にそうだと確信した
あの化物の正体がまだ変異種だと決まった訳では無い
だが、私の心はアレを奴等の変異種だとする事で完結した
それに疑問を持つ事など許されなかった
それを持ったとしても、今の私に何の実利も無かったから
ノハ;゚⊿゚) (あれが変異種……)
私は考えを巡らせる
.
-
ノハ*゚⊿゚) (捕獲出来たら、配給券1年分……)
そして私は「変異種が居る」と言う教官の説明を、なぜここまで鮮明に覚えているのか思い出した
それは教官が変異種が居る、と言う後に続けた言葉
┌───────────────────────────┐
│変異種を捕獲した者には、食糧配給券が一年分授けられる .│
└───────────────────────────┘
と言う、非常に魅力的な条件が変異種捕獲者に授けられるからだ
ノハ*゚⊿゚) (はわわ……)
配給券が一年分 一日でも10日でも一週間でも一ヶ月でもない「一年分」
お米やお醤油、塩や砂糖や味噌などの魅力的な食料の数々が
変異種ただ一匹を捕らえるだけで、一年分も手に入るのだ
それは何と魅力的な事だろうか
ノハ*゚⊿゚) 明日の幸せは我に有り!!
そしてその魅力的な言葉は、今にも崩れそうだった私の理性を狂わすには
十分すぎる材料だった
..
-
三 ノハ*>⊿<) 食料一年ぶーーーーん!!
気が付いたら私は、コンテナの扉を開け
あの例の化物を捕獲すべく
両手を思いっきり前に突き出しながら、突進していった
\ うおーー! /
∧,,∧
三 ノハ*>⊿<)ミ゚Д゚; 彡
∧,,∧
ノハ*>⊿<)ミ゚Д゚; 彡
∧,,∧
ノハ*>⊿<)ミ゚Д゚,, 彡
∧,,∧
ノパ⊿゚) ミ゚Д゚,, 彡
そしてあえなく捕まってしまった
.
-
続く
-
きてたー!!!
作者乙!
-
乙
-
ヒートがクズすぎていっそ清々しいな
-
乙
やっとちゃんと人間に出会えるのか
-
おつ
怖がられるのも納得の容姿だった
-
めちゃくちゃ面白いなこれ
フサがなんで人間の世界にきちゃったのかが気になるところ
しかし渡辺切ないな・・・言葉が通じないって厳しいな
そしてヒートのクズっぷり
-
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ… やべぇよ…
私は今日、人生何度目かの危機に瀕していた
∧,,∧
ミ;^Д^彡 ………………
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ… やべぇよ…
私はこれまでに命の危機を何度も感じた事はあったが
今日以上に血色の異なる恐怖を感じた事は無かった
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ… やべぇよ…
∧,,∧
ミ;^Д^彡 アオーン……
欲に負け自制を失い、目の前の化物の手中に収まった私は
その化物の手の平の上で優しく抱かれ、生まれたての赤ん坊のような格好で
化物の腕の中で、自らの愚かさを嘆いていた
ノハ;゚⊿゚) やべぇよ… やべぇよ…
∧,,∧
ミ;^Д^彡 ……………
私を抱くその化物は
不敵な笑みを浮かべながらその場で制止し、佇んでいる
..
-
ノハ;゚⊿゚) わ、私に… 乱暴する気?
ノハ;゚⊿゚) 同人誌みたいに!!
∧,,∧
ミ;^Д^彡 …………………
私はどこかの伝手で聞いた
平和だった頃に流行った言うネットスラングを駆使しつつ
目の前の化物にささやかな抵抗を施していた
ノハ;゚⊿゚) …………………
∧,,∧
ミ;^Д^彡 …………………
ノハ;゚⊿゚) し、知ってますか? 化物さん?
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ?
ノハ;゚⊿゚) む、昔の同人誌って今ヴィンテージな価値が付いて
物凄く高値で取引されてるんですよ?
ノハ;^⊿^) わ、私、実はその貴重な同人誌の一つを所有してまして!!
ノハ;゚⊿゚) わ!! 私を逃がしてくださるなら!!
その貴重な同人誌を!! 一冊差し上げますよ!!
ノハ;゚⊿゚) ひ、一つでなんと!!
一ヶ月分の配給券の価値がある代物です!!
...
-
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ?
私は先程の流れで思いついたワードを駆使しし
実りそうにない交渉術を化物に対して行っていた
ノハ;^⊿^) 配給券一年分ですよ!! 一年分!!
ノハ; ゚⊿゚) こ、こんな有利な条件 他に無いと思うなーーー
勿論、同人誌があるなんて、嘘だ
そんな貴重な物が手に入ったのなら
とっくの昔に換金して、お米やお醤油に変えている
そもそも同人誌なる文化雑誌は過去の一般紙に比べ流通が少ない上
専門のショップが粗方探されつくしたので
もはや個人の住宅にしか残されていないのでは、と言われる幻の雑誌なのだ
そんな薄い宝石などと言われる至高の雑誌を
入隊したての新人隊員の私が所有している筈が無かった
ノハ;^⊿^) 配給券一年分!! 一年分!!
ノハ; ゚⊿゚) お得すぎて怖いなーーー
私は半分ヤケになりながら言葉も通じぬ化物に自分を解放するよう交渉した
勿論、その交渉は実る事は無かったが
-
支援
-
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ;^Д^彡 ニコッ
私の行動を知ってか知らずか
目の前の怪物はニヤリと笑みを浮かべ、こちらに笑いかけたのだ
にやけて笑うその怪物の口には鋭く尖った牙がギッシリと並んでいた
その様を見た私は、浅はかな考えで化物と交渉しようなどと言う
私の考えを笑われた気がして、
悔しさ半分、恐ろしさ半分の気持ちで大粒の涙をポロポロと流した
ノハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええええええ!!
て_
∧,,∧ ( ビクッ!
ミ;゚Д゚彡
ノハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええん!!
ノハ ;⊿;) お家に返して!! お家に返して!!
ノハ ;⊿;) お家に返してよぉおおおおおおおおおおお!!
私は化物の腕の中で、おもちゃの欲しい駄々っ子のように暴れまわった
..
-
ノハ ;⊿;) まだ死にたくないよぉおおおおおおおおおおおおおお!!
ノハ ;⊿;) お願いだよぉ!! お願いだよぉおおおおおおおお!!
ノハ ;⊿;) 私を離してよぉおおおおおおおおおおおおお!!
私は恥も外聞も無く、化物の腕でもがき足掻く
その無様な姿が化物を刺激して、亡き者にされる可能性もあったが
そんな知性的な思考よりも、今は本能が勝った
私は生の欲求の赴くままに
幼児のように駄々を捏ねながら、目の前の化物に慈悲を請うた
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ………………
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 スッ
ノハ ;⊿;) ふぇえええええええええええええええ!!
ノハ ゚⊿゚) ふぇ?
急に体から浮遊感が消え、足に重力がかかる
ノハ ゚⊿゚) …………………
私は化物の手で地上に降ろされた
.
-
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
ノハ ゚⊿゚)
私と化物の間に、しばしの沈黙が流れる
ノハ ゚⊿゚)
三ノハ* ゚∀゚) ヒャッハーーーー!!
しばしの沈黙の後、私はここぞとばかりに駆け出した
三ノハ* ゚∀゚)
ノハ* ゚∀゚)
ノハ ゚⊿゚)
そして、その足を止めた
..
-
ノハ ゚⊿゚) ……………………
私は思い出したのだ
私を捕らえた化物が、その後どこに移動したのかを
ノハ ゚⊿゚) ……………………
この場所が30階だての巨大ビルの上だと言う事を
ビルの屋上を下る為の階段は、ひしゃげたように破壊され
周囲にはお互い寄り添うように倒れた
干からびた死骸が二つ転がっているという事を
あの化物が、最初にそれをじっくり見せてくれたのだ
お前は逃げられないぞと言わんばかりにじっくりと…
ノハ ゚⊿゚)
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ………………
ノハ ゚⊿゚)
ハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええええええ!!
私は泣き出した
.
-
ハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええええええ!!
ハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええええええ!!
私は泣いている、ただひたすら泣いている
化物の術中に嵌った自分が悔しくて
結局、逃げる事が叶わず悲しくて
そして、未だ恐ろしい化物と隣り合わせの状況に居る事が怖くて
私はその場にへたり込んで、涙を流し続けていた
ハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええええええ!!
ハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええええええ!!
私は止まらない涙を拭う事は無く
死の恐怖に押しつぶされそうになりながら
泣く事を一向に止めようとしない
ハ ;⊿;) ふぇええええええええええええええええええええええ!!
ポン
ハ ;⊿;) ふぇ?
ふと、頭に感触を感じ、視界が薄暗くなる
..
-
私はそのまま頭上を見上げた
∧,,∧
ミ;^Д^彡
ノハ ゚⊿゚)
見上げた頭上で、化物が私の頭に手を当てていた
私の頭には、自分の顔よりも大きい太い手が
実に優しく添えるようにふんわりと当てられている
ノハ ゚⊿゚) …………………
私は化物の意図が理解出来ず、その場で石像のように制止した
∧,,∧
ミ;^Д^彡 ………………
∧,,∧
ミ;^Д^彡 スッ
化物はそんな私の目の前で
なにやら見た事のない飾りの付いた紙箱を取り出すと
その中に入っていた
蜜柑ほどの大きさの、赤く丸い球体を近づける
ノハ;゚⊿゚) ふぇ!!
私は化物の行動に驚いたが
ノハ ゚⊿゚) ん?
その球体の匂いに気付き、私はそれに顔を近づけた
.
-
ノハ ゚⊿゚) 甘い匂い………
その赤い球体は非常に甘く香ばしい匂いで、私の嗅覚を刺激した
∧,,∧
ミ;^Д^彡
∧,,∧
ミ;^Д^彡 ⊃ サッ
球体に顔を近づけ、匂いを嗅いでいた私の前で
化物がそれが入った箱を上下に揺らす
その様はまるで「これを食べてみないか」と誘っているようだった
ノハ ゚⊿゚) …………………
ノハ ゚⊿゚) 毒を食らわば皿までか
私は化物の要求に逆らう事は出来ないと思い
箱に入っていた球体を取り出すと、そのまま勢いよくパクリと口にした
そして
ノハ* ゚∀゚) うまぁあああああああああああああああああい!!
私は球体の旨さに歓声を上げ、その場で飛び上がった
..
-
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
ノハ*^⊿^) うまぁあああああい!! あまぁあああああい!!
ノハ* ゚∀゚) うっひょぉおおおおおおおおおおお!!
ろくに甘味を感じた事の無い私にとって
化物が出した赤い球体は、まるで麻薬のように中毒性があり
私は化物への警戒心など忘れ、夢中になってその球体に喰らい付いた
ノハ*^⊿^) おいしいおいしいいい!!
それは甘くてクリィミーでこんなに美味しい物が食べられるなんて
私はなんて特別な人間なんだと思った
そんな事を考えるくらい、化物が出した「それ」は甘くて美味しい物だった
ノハ*^⊿^) あぐあぐ あぐあぐ
私は夢中になって、それにかぶりつく
ノハ*^⊿^) あぐあぐ あぐあぐ
ノハ* ゚⊿゚) あ………
そうこうしているうちに
その丸い物体は私の腹に収まり、無くなってしまった
..
-
ノハ* ゚⊿゚)
ノハ*^⊿^) ニコッ
ノハ*^⊿^) ねぇ、化物やい!!
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ?
ハ*^∀^) その美味しいの!! もう一個頂戴!!
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
赤い球体を食べつくした私は
あの何とも言えない美味しさを再び味わいたくって
図々しくも、化物におかわりの催促をした
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
∧,,∧
ミ*^Д^彡
私の言葉を聞いた化物は顔のニヘリと歪めながら
私の手の平にその赤い物体を差し出した
ノハ*^⊿^) ありがとーーーーー!!
.
-
∧,,∧
ミ*^Д^彡
ノハ*^⊿^) あぐあぐ あぐあぐ
先程までは恐ろしいと思っていた化物の笑みは
今は優しげに感じるな、なんて調子の良い事を思いながら
私は再び手に入ったそれを口に含め、自分の腹の中に収めていく
ノハ*^⊿^) うまーーーーーーーい!!
静寂の中にある廃虚の街の中で
幸福に包まれた私の絶叫だけが大きく響き渡る
化物はそんな様子の私を黙って見ているだけだった
ノハ*^⊿^) うまーーーーーーーい!!
ノハ*^⊿^) うま……
ノハ*^⊿^)
ノハ °⊿ °)
∧,,∧
ミ*^Д^彡
∧,,∧
ミ*゚Д゚彡 ?
ノハ °⊿ °) あ………
..
-
ノハ ゚°⊿ ゚゚) ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
ノハ ゚°⊿ ゚゚)
ハ ::::::⊿ :::) あ……
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
笑顔で俺の菓子を頬張っていた彼女は
急に大声を出すと、血を吐いて動かなくなった
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
彼女は動かなかった
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
彼女は動かなかった……
.
-
続く
-
ええ…おつ
-
おつです!
おかしくならないかが心配だ
-
おつ
フサの星の食べ物は人間には害ってことなのかな
クズだったけどいいキャラだったのに・・・
-
赤い食べ物って…血肉か?
-
今日は無いよ
-
いけず
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
一体何がいけなかったのだろう?
俺の目の前には、まだ年若いであろ人間の少女が
無表情とも、苦悶とも取れる表情で
その場でうずくまり、ピクリとも動かない
彼女は先程まで動いていた 動いて、自分に怯えていた
怯えて、泣いて、そして笑って
彼女はそのほんの一時前まで、確かに人間として、生命としての活動を行っていた
だが今はどうだ
彼女は動かない、笑み一つ浮かべない 泣き顔も見せない
彼女は動かない
どうして彼女は動かなくなってしまったのか?
その原因は、はっきりとしていた
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
俺は、彼女が大事そうに握っている赤い球体を掴むと、そのまま自分に口に頬張った
すると、たちまち口の中に香ばしい味と香りが広がってくる
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 (美味しい……)
そう、これは… とても美味しいのだ… 彼女もそう言っていた
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
昔、テレビの放送でこんな事を言っていたのを急に思い出した
「人間に獣人の食べ物を与えてはいけない」
そのテレビ番組は、確かにそう言っていた筈だ
人間は、獣人が食しても平気な食べ物を摂取する事が出来ない事がある
人間に、獣人の食べ物は毒
人間は、とても弱い生き物 すぐ死んでしまう
衝撃に弱い、傷に弱い、病気に弱い、老化に弱い
弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い弱い生き物だと
そう言っていた筈だ とても弱い生き物だと警告していた筈だ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
目の前の少女、彼女も弱かった 彼女は死んでしまった
その原因は明らかだ… 俺が彼女に自分の食べ物を与えたから
だから彼女は死んでしまった 原因は俺にあるのだ
俺が彼女を殺した 俺が彼女を………
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
彼女は動かない……
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
彼女は動かない……
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
彼女は俺が殺してしまった…
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ……………………
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 …………………
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 (ごめんなさい……)
俺は彼女に謝った
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
だからと言って、状況が変わるという事は無かった
..
-
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 )) ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 )) ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 ハ ::::::⊿ :::)
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 (ごめんなさい……)
俺はそう言い残すと、そのままビルから飛び降りた
..
-
ハ ::::::⊿ :::)
ビルの屋上には寄り添うように干からびた死骸と
血を吐いて横たわる少女の死骸が、寂しくポツンと地面に置かれていた
ハ ::::::⊿ :::)
ノハ ゚⊿゚)
ノハ ゚⊿゚)
ノハ ゚⊿゚) アレ?
そして、ビルの上で死骸になるであろう少女を残し
化物と呼ばれた男は、その場を後にする
ノハ ゚⊿゚)
彼がそのビルに帰って来ることは無かった
..
-
続く
-
乙
-
乙
アレ?
-
乙
-
おつ
無敵脳足娘ヒーちゃんきゃわわ
-
__ ∧,,∧
ミ;゚Д゚彡⊃ アオーーーン
___⊃
あのビルの一件があってから、俺はただひたすら探していた
__ ∧,,∧
ミ;゚Д゚彡⊃ アオーーーン
___⊃
__ ∧,,∧
ミ;-Д-彡⊃ アオーーーン
___⊃
_ ∧,,∧
ミ;-Д-彡⊃ (( ズルズル
__⊃
だがしかし、俺が探していた場所に目星にしていた物は見つからなかった
俺は探していた場所から体を離すと
スポンっとその場所から這い出て、体に付いた埃を払った
∧,,∧ ∩ パン
ミ,,゚Д゚彡彡
⊂彡 パン
体中に付いた大量の埃が
いかにその場所が長く放置されていたかを物語っていた
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーン…
俺は人の手から離れ
すっかり薄汚れたコンビニの前で、あぐらをかいて座り込む
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオアオアオーーーン
もうこれで、50件目だ……
俺はそんな事を考えながら、為す術もなく天を仰いだ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーン…
俺が探していた物、それはこの世界の人間が書き記したであろう書物だ
俺はそれが欲しかった 今の俺の状況は非常に切迫していた
街の廃虚群には、実体がよく分からない
人のような蠢く存在が、あちらこちらに散在している
彼らが自分に襲い掛かって来る事は無いが
例のあの子がいたコンテナの周辺の事を考えれば
おそらく彼らは自分達以外の、いわゆる正常な人間達を襲うのだろう
それにまだ確証は付いた訳では無い
なぜ、そうなっているのかも分からない
だから、自分は情報が欲しいのだ
それ故、俺は街のコンビニの中で
なんとか書物を見つけられぬかと探していたのだが……
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーン…
だが非常に不運な事に、それらは探せども探せども見つかる事は無かった
最初に探した図書館や美術館など
明らかにそれっぽい場所にある展示物も
床に紙ごみすら残さないほど綺麗に無くなって、俺の頭を悩ませた
他にも、同じような場所を探してみたが
建物の保存、概観など関係なく、中の展示物は全て抜かれていた
どうやら、公共の施設の所有物は大小構わず何処かに運び出されたようだ
その何処かが自分には分からなかったが
何処かに運び出されたのなら、その何処かがある筈だ
俺はその事に一抹の希望を感じつつ
公共の施設が駄目ならと、一般の店舗を漁ってみる事にしたのだ
その結果がどうなったか それは見ての通りだ
∧,,∧
ミ,,-Д-彡 アオーーン…
俺は天を仰いでいた首を大きく下にうなだらせ
地面に砂埃が舞う程の溜息を漏らし、途方に暮れる
..
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この人間の街 正確には元人間が居たであろうこの廃虚の街は
獣人である俺にとって、とにかく小さく狭いのだ
デパートやスーパーマーケット、はたまた一般の小売店を含めてとにかく小さい
それゆえ、建物内を探すのは非常に困難だし
建物を破壊して目標物を発見しようとした場合、途方も無く手間がかかるのだ
その手間を惜しまず、建物を破壊していく選択も考えたが効率が悪すぎる
なので、とりあえずの選択肢として、コンビニの中を探していく事にしたのだが…
∧,,∧
ミ;゚Д゚彡 (これもこれで手間がかかる…)
そう、なにしろ、一般の店舗が全て自分にとって小さいのだから
勿論コンビニもその類ではなく小さい物で…
コンビニの中の物を探すには、その場で寝転がり這うような形で入店し
中の物を探していくしかないのだ
コンビニの外の窓ガラスを破る選択もあったが
中に書物が傷つくのではと恐れ、それは行う事は無かった
そうして探して50件目、日もすっかり落ち、暗くなった
俺達獣人は夜目が効き、夜でもある程度活動出来るとはいえ
流石にこんな不気味な場所を夜中に徘徊したいとは思わなかった
∧,,∧
ミ;-Д-彡 (寝る場所探すかなぁ……)
俺はそう気だるそうに立ち上がると、寝る場所を確保すべく歩き出した
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∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーン…
ついに夜になった 人の手が作り出す明かりが途絶えた街の中
空に輝く月だけが、暗闇に落ちた世界を淡く照らしだす
俺はその月の光を
外壁が崩れ、中が露出したビルの中で静かに眺める
気のせいか、俺が見ている月は元のより少し小さい気がした
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 アオーーン…
俺はビルの外壁から足を出し、ブラブラと揺らしながら
今までの事、これからの事について考えを巡らす
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
だが、そんな考えを巡らした所で、俺の今の状況が変わる訳では無い
むしろ余計考える事で、今の状況に対する不安がよぎって来る
故に俺は考えを止め、寝入ってしまおうと目を閉じるが
アアアアアアァァアァア アァァァァアアアアァァ
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
しかし、昼間は聞く事が出来なかった彼らのざわめくような鳴き声が
耳の中に次々と入り込み、俺の惰眠を遮った
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
俺は、いっそ彼らを追い散らしてしまおうとか考えたが
その行動をすっかりやる気を無くした俺の体が拒否する
今はなんとなく、ここから一歩も動きたくない
俺は諦めにも似た境地で空の月を眺めながら、自然と体が睡眠を欲するのを待った
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
空の月は綺麗だった
..
-
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 …………………
∧,,∧ おい! そこの人間!!>
ミ,,゚Д゚彡 おい! そこの人間!!>
なのじゃ?>
∧,,∧
ミ,,゚Д゚彡 ?
突如、声が聞こえた
∧,,∧
ミ ,,゚Д゚彡 ?
俺は声がした方に首をかしげた
三三
从・∀・ノ!リ
三三 ⊂| |⊃
( ´_ゝ`) (´<_` )
⊂| \/ |⊃
| |
∪ ̄∪ ̄ ∪ ̄∪
∧,,∧
ミ ,,゚Д゚彡
そこには何か変なのが立っていた
.
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続く
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乙
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このスレ需要無いのかな…
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需要あるぞ
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ハイパー読んでるぞ
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なんか心が折れたので、このスレッドはここで停止させて頂きます
削除依頼も出してきます すいません
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なんでだ!?
めっちゃおもしろいのに
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マジかよ…更新毎にちょいちょい読んでたよ
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せめて変なのもとい流石兄弟妹者の説明くらいはしてほしい
気になりすぎて夢に出てきそう
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あれか、最近多い『乙しか返事くれないなんてつまらないに違いない、ほんとに面白いならちゃんと文章を尽くした返事をしてくれるはず』って勘違いしてるアホか
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やっと一日目が終わるのかと思った矢先にこれかよ
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面白かったんだけどな
残念だ
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削除する前にせめて設定を公開してくれ。先が気になる
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荒らされてるわけでもないのになんで心折れちゃったんだよ
面白かったのに
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面白いスレ見つけたと思ったら更新終了していた
一部の作品以外はVIPでもなけりゃ大量にレスついたりしないんだから、需要が無いって心折れるには早過ぎると思うんだがなあ
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乙
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作者どうしたw
無理には引き留めないが大筋>>178かな。とにかく面白い作品をありがとう
第一話はみんな読むけど、以降は好きな人だけがレスを付けていく
住人が読むタイミングも、毎日やら一週間置きやらまばらだから、それが気になるならVIPのほうがいいかもな
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更新頻度と予想外の展開つーか設定に毎回楽しませてもらってたぞ
残念だ 乙乙
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乙……面白かった!
人に関しては言われてる通りvipに比べて人口少ないしまったりな人が多いからな……
から反応気になるなら是非vipでやって完結してほしい!というかしてくれー頼むー
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乙
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止めると言った後でこんなにレスが来るなんて…
思っていたより需要あったのかな…?
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まさか一回辞めた癖に「人がいたからやっぱ書きます」なんてかまってちゃんみたいなこと言わないよな?
お前はこれだけの人間が楽しみにしてたのを勝手に拗ねて放り出したんだよ
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>>184
クソ野郎め
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>>184
気持ちはわかるぞw
「えっなんだよ!?」って思うだろうけど、>>180や>>182が創作民の動き方だからな
人は毎回必ず同じタイミングで貴方の作品を読めるわけではないのよ
そんでもって即レスや乙の数だけが需要や面白さを表すわけではないぜ
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>>18
お前もいい加減単芝辞めろよ気持ち悪い
単芝生やした馬鹿のレスばっかで吐き気するわ
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単芝で吐き気ってそれ立派な病気だと思うよ
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書いてくれるなら嬉しいよ続き気になるし
でもまた書こうって思うなら、需要ないから打ち切るってのはもうやめてほしい
そうするとかまってちゃんにしかみえない。だったらまだ逃亡の方が希望が持てるぶん俺にはマシに思える
一番は完結まで続けてほしいけどね。俺はこの作品のフサ好きだよなんか可愛いよ外見はともかく
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一度も乙も支援もしなかったけど毎日職場でもちょくちょく来てないかなーって見てたよ
何も書き込まないのに削除するって決めてから書くのもずるいかもしれないけど、
そういう読者もいるってことで
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このほっぽってた恋人に別れ話を臭わされて慌ててフォローする男みたいな空気嫌いじゃない
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俺達はゴキブリと同じなんだよ
1乙あったら100乙あると思え
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>>193
なんか凄くしっくりきた
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普通に好きだったんだけどなぁ
構ってちゃんが鼻について、続きがあっても少なくとも俺はもう楽しめないわ
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どの作品でもいえるけど先に感想いわれたらかぶって書き込みづらいのよね
乙だけ書き込むのも味気ないし
止めるならざっくりあらすじと設定を明かして欲しいな
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神スレ
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削除依頼出されたままか…さみしいよ
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