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( ,,゚Д゚)メタリック・ハートのようです(゚ー゚*)
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――――オープニング――――
20XX年、アラマキ博士の手によって世界初の人口知能アンドロイドが開発された。
人口知能アンドロイドとは――人間でいうところの"ココロ"を持ったロボットのことである。
彼らは取るべき行動の全てを自らの意思を持って判断することの出来る、いわば一種の独立した存在である。
人口的に作り出すことの出来る"ココロ"を持った存在……
アラマキ博士の発明はまさに革新的だったと言えるだろう。
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それから約半世紀の時が経ち、彼らアンドロイドが人々の生活に大きく関わってくることになる。
――――メイドロボから生涯のパートナー用ロボットまで
「一家に一台ロボット」という言葉も現代においては至極当たり前のことになっていた……。
彼らのいない生活など最早想像することも難しいだろう……
そして、そんな生活が続いたある日、人々は考えるようになる。
――――自分たち人間と人口知能アンドロイドの違いは一体どこにあるのだろうか?
そして考えに考えを重ねた結果、人類はある1つの結論へと達した。
それは……
『( ,,゚Д゚)メタリック・ハートのようです(゚ー゚*)』
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――――プロローグ――――
もうこれで何度目になるのだろう?
俺は今日も同じ夢を見ていた。
――――とても幸せで、そして悲しい夢だった……
(* ー )「……ギコちゃん!なに、ぼーっとしてるの?早く行かないと映画の時間遅れちゃうよ?」
从 ∀从「せやな、しぃの言うとおりや。こりゃあ、走らんと間に合わへんかもしれんで?」
しぃとねーやんの声が俺を急かしている。
たしかこの日は三人で映画館に話題作を観に行く予定だったな。
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その日もいつものように何事もなく過ぎて行く平凡な毎日のはずだった。
そのはずだったのに……
俺はこの日を一生忘れることはないだろう……
――――そして、この日から一生抜け出すことは出来ないのだろう……
それは、大切な人が目の前で奪われた日……
――――俺が絶望のどん底に突き落された日……
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カーテンから差し込む太陽の日差しがまぶしい……
(゚、゚トソン「ギコ、朝です。ギコ、起きてください。」
( ,,゚Д-)「……ん、がぁ」
目の前でメイドロボットのトソンが俺の名前を呼んでいる。
彼女の抑揚のない声によって俺は目を覚ますことになる。
こいつとは随分と長い付き合いになるが、無愛想な態度は今日も相変わらずだった。
布団からゆっくり起き上がり背筋をピンと伸ばすと、背骨が小気味のいい音を立てた。
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( ,,゚Д゚)「トソン、お前はもうちょっと融通っていうものを……」
俺は彼女の方に向き直りいつものように悪態をついた。
(゚、゚トソン「ギコ、早く制服に着替えてください。朝食が冷めてしまいます。」
しかし、そんな言葉は軽く一蹴された。
どうやらこいつにとっては朝食が冷めてしまうことの方がよっぽど問題らしい。
( ,,-Д-)「……ったく、可愛げのない奴。」
俺は小さく愚痴をこぼしながら、制服のかけてあるハンガーに手を伸ばした……
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階段を降りて、リビングにある机に俺たちは向かい合わせに座った。
『臨時ニュースをお伝え致します。昨日の午前1時頃、したらば市周辺に所属不明のアンドロイドが出現し……』
テレビを電源を点けると、ニュースキャスターのはきはきとした声が耳の中に入ってきた。
( ,,; Д )「おいおい、またこのニュースかよ……」
俺たちが暮らしているこのしたらば市。
――――そこで立て続けに起こっている謎のアンドロイドによる無差別誘拐事件……
ここ最近はどこもその話題で持ちきりになっていた。
俺たちもとてもじゃないが他人事として片づけるわけにはいかなかった。
もしかしたら明日は我が身に振りかかってくるかもしれない非常に身近な出来事なのだから……
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(゚、゚トソン「ギコ、早く食べなさい。」
そんな気も知らず、トソンが余所見をしている俺を諌めてくる。
( ,,゚Д゚)「…………」
何度も同じことをぐちぐちと言われるのは嫌だったので俺は目の前のトーストに無言で噛り付き、そのまま腹の奥へと一気にねじ込んだ。。
程よくカリカリに焼けているところは流石メイドロボと言ったところだろう。
( ,,゚Д゚)「じゃあ、行ってくるからな。」
そして、俺は通学カバンを肩に担いで玄関へと向かって行った。
(゚、゚トソン「ギコ、いってらっしゃい。」
俺の背中にはそんなトソンの声が伝わってきたような気がした。
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( ,,゚Д゚)「そう言えば、しぃの奴を迎えに行ってやらないとな」
俺は隣の幼馴染の家の前まで来て、いつもの調子で思わずチャイムを鳴らそうとしていた。
( ,, Д )「あ」
だが、そこまで来て俺はようやく思いとどまった。
――――しぃは『1ヶ月前のあの日』以来、一度も姿を見ていなかったんだ……
俺の実姉であるねーやんと共に謎の黒いコートの集団に誘拐されてしまったのだ。
俺だけはねーやんに押し出され、無事事なきを得たが……
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( ,, Д )「ホント、わけわかんねえよな……」
あまりに突然の出来事だったので初めの数日は状況がまるで理解出来なかった。
だが今になってようやく実感が湧いてきたらしい……
( ,,゚Д;)「あ、れ……?」
( ,,;Д;)「おれ、は……?なん、で……?」
気が付けば視界は、ぐにゃりと歪んでいた……
そして頬に温かみのあるものが伝ってくる。
最近の俺は涙もろくなってしまったのだろうか?
思わず気が緩んでしまったのだろうか?
今の俺には何も分からなかった……
――――何も、分からなかった……
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プロローグはここまでです。ありがとうございました!
第一話は近々投下します。
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wktk
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