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奇想天外シルク・ド・シュールへようこそのようです- 1 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:02:56 ID:3d3UULYg0
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( ,,^Д^)「はぁ……」
大変なことになった。
と言っても家畜の飲み水が枯れたとか、落とし穴に落ちて不思議な杖を見つけたわけでもない。
伯父が営む製糸会社の工場が、火事で全焼してしまったらしい。
子どもの頃よく勝手に遊びに行ったあの工場も、俺が都市部で就職してからはすっかり疎遠だった。
【(´<_` )「もしもし、タカラか?」
( ,,^Д^)】「親父か、どうしたの?」
【(´<_` )「あのな、兄の工場、……いや、お前からしたら叔父さんか」
( ,,^Д^)】「兄者さんの工場? 前も話したけど、俺が継ぐ必要はないんでしょ?」
【(´<_` )「いや、その話じゃなくてな。……火事で全焼した」
( ;,^Д^)】「……えっ?」
- 2 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:05:25 ID:3d3UULYg0
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親父からそう電話があったとき、俺は真っ先にでぃさんの事が頭に浮かんだ。
でぃさんは近くの養蚕農家の娘で、俺が上京した年に伯父の工場で働き始めた。
彼女は俺より二歳も年上だったが、ガキだった俺とよく遊んでくれた。
人手の足りないド田舎だったし、今思えば子守を任されていたのかもしれない。
ともかく俺はいつしかでぃさんに初恋を捧げ、そしてそれを告げられないままあの土地を離れた。
嫌な予感が胸を過ぎる。彼女は、でぃさんは無事だったのだろうか。
( ;,^Д^)】「従業員の方は大丈夫だったの?」
【(´<_` )「ああ、皆無事だよ」
( ,,^Д^)】「そっか、それは良かった」
【(´<_` )「……お前と直接は関係ないが、一度こっちに戻ってきたらどうだ?」
( ,,^Д^)】「……そうだね、そうするよ」
- 3 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:06:25 ID:3d3UULYg0
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【(´<_` )「おう、待ってるからな」
( ,,^Д^)】「うん。じゃあ、切るよ」
( ,,^Д^)「……」
( ,,^Д^)「でぃさん、久々にアイたいなあ……」
とはいえ、新しく行動を起こすのはいつだって面倒だ。
航空券の予約や、有給休暇の煩わしい申請のことを考えると腰が重い。
ふと俺は、ベッドに横たわる白ゴマちゃんに視線を移した。
思えば彼は、慣れない都会暮らしを随分と支えてくれたものだ。
( ,,^Д^)「……」
( ,,^Д^)「お前もそろそろ洗濯しなくちゃな……」
山の火口へ邪悪な指輪を捨て去る旅とまではいかないものの、それなりに気乗りのしない帰郷。
あざらしのぬいぐるみ一匹が、唯一の旅の仲間だった。
- 4 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:08:06 ID:3d3UULYg0
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国産のシルク製品に囲まれて過ごした子ども時代が贅沢だったと分かったのは、ずっと先のことだった。
安い海外の絹や化学繊維の台頭により、現在の日本で国産の絹を織っている工場は相当少ないらしい。
伯父の工場はそれでも、全焼するまで昔から続く国産のシルクを生産していた。
絹が白く光り輝いているのは、もはや俺の記憶と歴史の中だけなのかもしれない。
( ,,^Д^)「……」
飛行機で一時間、そこから更に電車を二回乗り継いで二時間。
実家最寄の駅に着いたのは、昼を少し過ぎた頃だった。
凛と清んだ空気が晴天のなかに冴え、気温は体の芯まで冷やすほどに低い。
雪こそ積もっていないものの、吐き出す息は白く濁っていた。
( ,,^Д^)「やっぱ遠かったなぁ……、というか寒」
変わらない寂れた町並み、疎らな建物の奥にそびえる山々、懐かしさが心を満たす。
来てしまえば来たで、意外と楽しんでいる自分がいることに俺は気付いた。
- 5 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:09:27 ID:3d3UULYg0
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( ,,^Д^)「あ、あそこはコンビニになったのか……」
タクシーの中で見つけた小さな変化が時間の流れを思わせ、思わずそう呟く。
キャリーケースの中の白ゴマちゃんも、見慣れない建物にきっと驚くに違いない。
(`・ω・´)「ええ、ドラッグストアもできましたし、この辺も便利になりましたよ」
( ,,^Д^)「そうですか……」
(`・ω・´)「曲がるのはこの先ですか?」
( ,,^Д^)「あ、はい。あそこの家のまえで停めてください」
隣家までの間にマンションが二、三も建てられそうな空き地が存在する、まさに田舎のなかの田舎。
俺は荷物と共に、生まれ育った日本家屋の前でタクシーを降りた。
ふと玄関の前で、駐車場に白の軽トラックが停められていることに気が付いた。
どうやら渦中の伯父も来ているらしい。
- 6 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:10:30 ID:9.bwy80k0
- 予告から待ってた支援
- 7 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:10:46 ID:C7kobcqE0
- 期待
- 8 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:11:07 ID:3d3UULYg0
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( ,,^Д^)「ただいまー」
(´<_` )「ん、おお、帰ったか」
( ,,^Д^)「伯父さんの車が見えたけど……」
( ´_ゝ`)「やあ、タカラ君、久しぶりだね。どうだい工場を継ぐ気になった?」
(´<_` )「お前の工場は火事で無くなったばっかだろう」
(; ´_ゝ`)「ああっー、そうだった!」
( ;,^Д^)「ははは……」
人並みに心配してきたつもりだったが、その気持ちはすっかり吹っ飛んでしまった。
いつもの変わらないペースで気丈にやっている親父と伯父を見て、少し安心する。
部屋に荷物を置いて居間に向かい、お茶を啜りながら二人に話し合いに耳を傾ける。
伯父は今後のことを相談するために来ているらしく、登記簿やらの書類がその辺に広げられていた。
- 9 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:12:29 ID:3d3UULYg0
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(´<_` )「何かをエルためにゃ、こういうこともあるってことを考えとかんとな」
( ´_ゝ`)「そうだなあ、いやしかしまいったなあ……」
(´<_` )「そういやタカラ、こっちには何日ほど居るんだ?」
( ,,^Д^)「四日休みとったから、月曜日に帰る」
(´<_` )「そうか。工場跡の片付けをな、明日にでもって話してたんだが」
( ,,^Д^)「うん、手伝うよ」
( ´_ゝ`)「よし、とりあえずは綺麗さっぱりお片付けだな! 頑張るぞー」
(´<_` )「おう」
( ,,^Д^)「……お、オー!」
工場の話題はその後も続き、老朽化した機械が火事の原因らしいことを俺は聞いた。
話しがひと段落したところで、外出する旨を二人に伝える。
- 10 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:13:32 ID:3d3UULYg0
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(´<_` )「どっか行くんか?」
( ,,^Д^)「いや、ちょっとその辺を……」
(´<_` )「でぃちゃんとこか」
( ;,^Д^)「どこでもいいでしょ」
(´<_` )「お前は子どもの頃からでぃちゃんにべったりだもんな」
ちょっとその辺、などと歯切れの悪い返事をした俺と対照的に、行き先をすっぱりと断定して返してくる親父。
そのやりとりを横で見ていた伯父は軽く笑ったあと、珍しく真剣な顔をして言った。
( ´_ゝ`)「でぃさんに会うなら、俺が謝っていたと伝えてくれ。申し訳なかった、と」
( ,,^Д^)「う、うん」
(´<_` )「三時のおやつには間に合わなくても、夕方には帰ってこいよ。六時に飯だからな」
( ,,^Д^)「わかった」
- 11 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:15:43 ID:3d3UULYg0
-
しばらく乗っていない自転車の鍵を持ち、もっさりとしたコートを羽織って玄関を出る。
赤錆びた自転車の停められているガレージへ、はやる気持ちのままに早足で向かう。
自転車の横の伯父の軽トラックの荷台には、工場の焼け残りらしき機械類が山積みになっていた。
見慣れない部品の山から、メッキの剥げたパイプの繋がったものを何気なく手に取る。
( ;,^Д^)「……いったい何のブイなんだ、これ?」
( ,,^Д^)「まあ、いいか……」
俺は自転車にまたがり、ここから三十分ほどのでぃさんの実家へとペダルを漕ぎ出した。
人っ子一人歩いていないのどかな冬の午後、追い風が微かに背中を押してくれていた。
ゆるやかな傾斜の坂道を上ると、少しして辺り一帯に広がる桑畑が見えてくる。
初夏になれば一面を黄緑色に染める桑畑も、冬の間は寂しく枝だけを残して立ち並んでいた。
その桑畑の端に置かれたベンチに、ポツンと誰かが一人座っているのが目に入る。
それが誰なのかすぐに気付き、暖かい気持ちが胸いっぱいに溢れて自然と言葉がこぼれた。
- 12 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:17:01 ID:3d3UULYg0
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(,,*^Д^)「でぃ姉ちゃん!」
(#゚;;-゚)「えっ? ……タカラ君?」
思わず昔の呼び方で呼んでしまった。
自分の顔が瞬時に真っ赤になるのを俺は感じたが、気にせずにでぃさんのもとへ駆け寄る。
驚いた表情を浮かべていたでぃさんは、程なくして口元をゆるめて言った。
(#゚;;-゚)「ふふ、変わってないね」
変わってないね、なんて言うでぃさんこそ昔のままだ。
無造作にウェーブがかった短めの髪、健康的に浅く日焼けした肌。
浅黄色の厚手のパーカーはサイズが合っていないようで、ぶかぶかだ。
頬がゆるみそうになるのを隠しつつ、俺は自転車を停めてでぃさんの横に座った。
- 13 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:18:12 ID:3d3UULYg0
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数日ほど帰郷したこと、会えて嬉しいことを一方的に喋る。
でぃさんはしばらく頷いて聞いていたが、途中で思い出したかのように言った。
(#゚;;-゚)「小学生くらいの時にあげたあのぬいぐるみ、まだ持ってる?」
(#゚;;-゚)「こっちを離れて一人暮らしするときに、持っていくって言ってたよね」
( ,,^Д^)「ああ、懐かしいですね……」
(#゚;;-゚)「あげたときにタカラ君凄く喜んでいたから、どうしたのかなって」
( ,,^Д^)「うーん、確か押入れかどこかにまだありますよ」
(#゚;;-゚)「そっかぁ……」
そう呟くでぃさんの横顔は少し寂しげに見えた。
恥ずかしいが、本当のことを言うことにする。
でぃさんの喜ぶ顔が見れるのなら、たとえ俺は道化師となっても構わなかった。
( ;,^Д^)「冗談ですよ! 今でもお気に入りです」
- 14 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:19:39 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「……」
( ;,^Д^)「実を言うと、こっちに帰ってくるのにも連れてきてるくらいで……」
(#^;;-^)「……やっぱり変わってないなあ、タカラ君」
にこりと笑うでぃさんは優しげで、ついこっちまで笑顔になってしまう。
ああ、やはりでぃさんには笑顔がこの宇宙で一番似合う。
( ,,^Д^)「でぃさんは最近どうです? 元気にしてました?」
(#゚;;-゚)「私は元気だけど……」
とたんにでぃさんの表情が曇ってゆく。
俺はなんて馬鹿なことを聞いてしまったんだと後悔したが、もう遅かった。
製糸工場で働いていたでぃさんは、件の火事で仕事を失ってしまったのだ。
小さい頃はそこでよく遊んでいたし、思い出だってたくさんあるに違いない。
( ;,^Д^)「……あの、兄者さんが申し訳ないって言ってました」
(#゚;;-゚)「うん……」
( ;,^Д^)「……」
俺は彼女になんて言葉を掛ければいいのか分からなかった。
会話すら要らないような、田舎の静寂だけが救いだった。
- 15 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:20:50 ID:3d3UULYg0
-
どこか気まずくなった俺は、桑畑の上に広がる空を眺め、ちらほらと浮かぶ雲を目で追った。
しばらくそうやって眺めていると、ふと雲の一点が流れから離れ、こちらへと近づいてくるように見えた。
よく見れば、それは空を舞う一匹の白いカイコ蛾だった。
( ;,^Д^)「……でぃさん、あれ見てください」
(#゚;;-゚)「えっ?」
( ,,^Д^)「ほら、あそこ。カイコ蛾ですよね」
(#゚;;-゚)「あっ、ほんとだ」
( ;,^Д^)「……」
(#゚;;-゚)「でも、どうして……」
養蚕農家の娘であるでぃさんと、製糸工場の甥である俺にはその異様がよく分かっていた。
俺たちの知るカイコ蛾は、広げた羽を地面にこすり、這うようにしてしか前へ進めない。
絹糸をとるためだけに長年人間に飼われてきたカイコ蛾は、もはや羽が退化して飛ぶことなど出来なかった。
奇妙なのはそれだけではなかったが、俺は自分が今見ているものを信じられず、深く考えられなかった。
カイコ蛾は真っ白な体毛に覆われた全身を空に泳がし、桑畑の先へと飛んでゆく。
- 16 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:22:26 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「……」
( ,,^Д^)「……」
やがて、桑の枝の向こうにカイコ蛾は隠れてしまい見えなくなった。
でぃさんと俺は、ベンチに座ったまま顔を見合わせる。
(#゚;;-゚)「ねえ、ついていこうよ」
( ,,^Д^)「イーですね、追ってみましょう!」
立ち上がり桑畑に踏み入れば、雪のように白いカイコ蛾はすぐに見つかった。
ケヤキや杉が立ち並ぶ雑木林の方へとヒラヒラ飛んでゆき、でぃちゃんと俺はそのあとを追う。
林の奥は木々が生い茂る森と山に続いているだけで、ほとんど入ったことはない。
迷ってしまわないか俺は不安だったが、きらきらと木漏れ日が差し込んでいる間は大丈夫だろう。
- 17 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:24:31 ID:3d3UULYg0
-
( ,,^Д^)「……」
道らしい道はないのにも関わらず、不思議なことにカイコ蛾を追っていれば林の中を前へと進める。
まるでこの一羽の蛾が、木立に隙間を与えて道を作っているようだった。
苔むした地面の上を所々に木の根が走っていて、地面にも意識を向けて歩く。
そのためかゆっくり飛んでいるように見えるのに、カイコ蛾と俺たちの距離は自然と一定だった。
上空を通るそよ風に揺れた木々の枝葉が、ざわざわと音を立てる。
(#゚;;-゚)「ねえ、タカラ君」
( ,,^Д^)「どうしました?」
(#゚;;-゚)「私たち、どっちに向かってるのかな」
( ,,^Д^)「うーん、向こうに草咲山が見えるから、たぶん東の方じゃないかな」
- 18 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:25:18 ID:iOc9BMxE0
- ふむ
- 19 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:25:38 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「東……」
( ,,^Д^)「うん」
(#゚;;-゚)「……」
( ,,^Д^)「……」
(#゚;;-゚)「……このまま歩いてゆけば、果てまでも行けるのかな」
( ,,^Д^)「それってつまり」
( ,,^Д^)「ずっと一緒にいたいなってことですか?」
俺は冗談めかしてそう言ったが、もちろんそうじゃないことは分かっていた。
でぃさんはただ、降りかかった災難から目を逸らしていたいのだろう。
当の彼女は否定も肯定もせず、木々の間を舞い進むカイコ蛾を追っている。
でぃさんの横顔を見つめながら俺は、この散策で少しは彼女の気も晴れればと願った。
- 20 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:27:03 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「あれ、何だろう」
( ,,^Д^)「えっ?」
余所見をしていた俺は、でぃさんの言葉に前方を振り向いて目を疑った。
太陽が枝木にさえぎられずにさんさんと降り注ぐ、ぽっかりと開いた空間。
その中央付近に、演劇で使うような舞台が何故だか設置されていた。
田舎のコンビニくらいの大きさの、やや古めかしいレトロな舞台だ。
ステージの両端には木製の支柱が立ち、そこから真っ赤なカーテンが垂れ下がっている。
まるでヴァンパイアでもその辺から飛び出して来そうな、不気味な雰囲気だった。
俺には毒グモに噛まれた友人なんていないし、蚕のことくらいしか分からない。
( ;,^Д^)「まさか近づくんですか? や、やめましようよ……」
(#゚;;-゚)「大丈夫」
- 21 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:28:20 ID:3d3UULYg0
-
( ;,^Д^)「……」
俺の不安をお構いなしに、彼女はやや忍び足で謎の舞台の方へと近づいてゆく。
仕方なく俺も、恐る恐るでぃさんの後を追う。
俺は今まですっかり忘れていた。
こういう時のでぃさんが、まるで好奇心旺盛な猫のようだったことを。
どこに行くにしてもでぃさんは、臆病な俺を引っ張っていつも俺の前を歩いていた。
でぃさんと手を繋いでいたら、不思議と怖いものはなかった。
lw´ _ ノv「おやおや、どうやってここへ?」
( ;,^Д^)「ひっ!?」
突然背後から声を掛けられ、思い出の世界に浸っていた俺はその場に凍りつく。
硬直から解けて後ろを振り返るよりも早く、声の主が正面に回ってきた。
lw´‐ _‐ノv「驚かしてしまいすみません。職業柄でして」
- 22 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:29:32 ID:3d3UULYg0
-
( ,,^Д^)「は、はあ……」
(#゚;;-゚)「……」
lw´‐ _‐ノv「私、シュールと申します」
彼女はボロ布を繋ぎ合わせたような灰色のドレスを身にまとい、細い目を更に細めて微笑んだ。
人間関係の狭い田舎なのに、俺はこの人を見たことがない。でぃさんも知らない人らしい。
俺とでぃさんは正直に、カイコ蛾を追っていたらここにたどり着いたことを話す。
そういえばすっかりカイコ蛾を見失ってしまったことに、話しをしていて気が付いた。
lw´‐ _‐ノv「それは面白い」
lw´‐ _‐ノv「まさにシルクロードを歩いてきたということですね、くふっ……」
まるで意味が分からなかったが、どうも彼女は自分の言った言葉に噴き出しているようだった。
芝居がかった大げさなお辞儀をして、シュールさんは話しを続けた。
- 23 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:30:45 ID:3d3UULYg0
-
lw´‐ _‐ノv「シルク・ド・シュールへようこそ、お客様」
(#;゚;;-゚)「……」
( ;,^Д^)「……は、はい?」
lw´‐ _‐ノv「奇想天外なサーカスの意でございます」
( ,,^Д^)「サーカス……?」
lw´‐ _‐ノv「ええ。お代は要りませんので、ぜひご鑑賞ください」
( ;,^Д^)「いえ、たまたま通りがかっただけなので……」
(#゚;;-゚)「ワーイ、無料だってタカラ君。見よう」
俺はやんわりと断ったが、参加する流れになってしまったらしい。
でぃさんのわざとらしい歓声に、タダじゃなくとも見る気満々だったのが目に見えて分かった。
- 24 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:32:08 ID:3d3UULYg0
-
シュールさんは舞台の袖からパイプ椅子を持ってきて、座るように勧めた。
俺とでぃさんが並んで座ると、俺の隣にシュールさんも座った。
( ;,^Д^)「シュールさんも見るんですね」
lw´‐ _‐ノv「観客が多いほうが、やる方としても気が引き締まりますから」
(#゚;;-゚)「……」
こんなに明るいうちに、それも林の中でサーカスなんて見るのは初めてだった。
舞台は芝居や映画館のように横に細長く、とてもここでサーカスをやるとは思えない。
もしもゾウがいようものなら、常に前足をはみ出しながら曲芸しなくてはならないだろう。
改めて目の前の舞台を眺め、そのどこかずれた雰囲気に俺は落ち着かない気分だった。
lw´‐ _‐ノv「それではどうぞご覧下さいませ」
lw´‐ _‐ノv「靴下を数え続ける男」
- 25 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:33:26 ID:3d3UULYg0
-
( ,,^Д^)「……」
(#゚;;-゚)「……」
('A`)「ごきげんよう」
どこか病的でナルシシズムを感じる、痩せ細った男が舞台の袖から歩いてきた。
男はスーツの乱れを整えながら言う。
('A`)「いやはや本日も満員御礼ですねえ。嘆かわしいことですな」
( ;,^Д^)「……」
(#゚;;-゚)「……」
lw´‐ _‐ノv「ドクオ君」
俺の隣に座るシュールさんがたしなめるようにそう言うと、その男はやれやれといった感じで続ける。
('A`)「皆様、靴下を一足だけ無くした経験はおありでしょうか?」
( ,,^Д^)「……」
(#゚;;-゚)「……」
- 26 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:35:10 ID:3d3UULYg0
-
('A`)「……」
('A`)「オー……。なんとノリの悪い観客でしょうか」
そう言うと、男は無言になってこちらをにらむ。
初っ端から観客参加型の演目らしい。俺は戸惑って何か言おうとした矢先、
(#゚;;-゚)ノ「あります」
と、片手をあげておずおずとした調子ででぃさんが言った。
('A`)「それはそれは、嘆かわしい……」
(#゚;;-゚)「……」
('A`)「我々は恵まれた歩行を、靴下のおかげでできるというのに」
('A`)「我々は彼らに何をしてやれるというのでしょう」
('A`)「……どうでしょうか、皆様?」
- 27 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:35:19 ID:Iczwnk6MO
- 期待
- 28 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:36:04 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「えっと、洗ってあげる?」
( ,,^Д^)「うん。それで乾す」
(#'A`)「違う! 穴が開くまで、履けなくなるまで、最後まで、その役目を果たしてやることだ!」
( ;,^Д^)「……」
(#゚;;-゚)「は、はい」
('A`)「けれども一組の靴下が、いつの間にか散り散りになってしまうのもまた事実……」
( ;,^Д^)(急に怒ったりしゅんとしたり、なんなんだこの人……)
('A`)「私はそんな靴下を、黙って見過ごすことが出来ないのでして」
('A`)「おや、お嬢さんが無くしたのは、もしや……」
そう言って彼がスーツのポケットから取り出したのは、花柄のファンシーな靴下だった。
丈がふくらはぎまでの、やや時代遅れのその靴下を見て、俺は嫌な予感がした。
- 29 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:37:49 ID:iOc9BMxE0
- 先が読めない
- 30 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:38:12 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「あっ、その靴下……」
( ;,^Д^)「えっ」
俺はそれがでぃさんの靴下でないことを必死に祈った。
何故この気味の悪い男が、でぃさんの靴下を持っているというのか。
もしも俺に魔法が使えたなら、禁忌の呪文だろうがなんだろうが唱えて、この男を消し去っただろう。
だがやはり、無念にもそれはでぃさんの無くした靴下だったらしい。
男は舞台の上で屈み、靴下をでぃさんに手渡す。
('A`)「記念にどうぞ、お持ち帰りください」
(#゚;;-゚)「あ、ありがとう……」
('∀`)「では、この後の演目もお楽しみください」
男は満面の笑みを浮かべ、カーテンの内側へと引き返してゆく。
チラリと横を見ると、シュールさんも微笑みながら頷いていた。
- 31 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:41:39 ID:3d3UULYg0
-
( ;,^Д^)「……」
その後に続いた演目も、なんとも風変わりなものだった。
つま先立ちで奇妙なダンスをする女に、とてつもない早口言葉を唱える男。
象やライオンの出ないこじんまりとした見世物に、俺は少し拍子抜けしてしまった。
恐らく彼らがこんな僻地でやっているのは、練習のためか何かなのだろう。
何となく物足りなさを感じた俺は、別のことを考え始めた。
( ,,^Д^)(この人たちは、舞台の袖にずっと待機しているのかな)
( ,,^Д^)「……」
( ,,^Д^)(でぃさんはこのサーカス、どう思ってるんだろう)
さりげなく彼女の方を向いて、俺は見てしまった。
でぃさんの瞳がらんらんと輝いているのを。
表情こそ変わらないものの、彼女はやや身を乗り出してこの妙なサーカスを見つめている。
(#゚;;-゚)「……」
( ,,^Д^)(でぃさん……)
嬉しく思うのと同時に、何故だか俺は悲しくなった。
- 32 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:43:40 ID:3d3UULYg0
-
lw´‐ _‐ノv「それでは、最後の演目です」
lw´‐ _‐ノv「綱渡りをご覧ください」
どうやら、もう最後らしい。
クライマックスに相応しい、いままでのと比べて派手そうな演目だ。
俯きがちに女の人が登場し、一礼すると舞台端のポールをスルスルと登ってゆく。
現れた彼女を見て、俺とでぃさんは一様に驚いた。
(#゚;;-゚)「えっ……?」
( ;,^Д^)「ちょ、ちょっと待ってください」
lw´‐ _‐ノv「……」
これから綱渡りをする女の人は、でぃさんにそっくりだった。
体格も髪型も、ポールの上に危なげに立つその横顔も、何から何まででぃさんそのものだ。
彼女はいつ落下してもおかしくないような不安定な姿勢で、細い綱の上に立っている。
- 33 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:44:44 ID:3d3UULYg0
-
( ;,^Д^)「シュールさん、これは一体どうなってるんですか!?」
lw´‐ _‐ノv「……」
( ,,^Д^)「危ないから止めてください!」
lw´‐ _‐ノv「サーカスでございますので」
横で舞台を眺める彼女は一言だけ、そう言った。
彼女の言った言葉のその心意がまるで分からない。
サーカスだからこんなマジックじみたことが出来るというのか、それともサーカスだから大丈夫だというのか。
(#゚;;-゚)「……タカラ君、見よう」
( ,,^Д^)「でぃさん……」
でぃさんに酷似した女の人は両腕を水平に広げ、たわんだ綱の上でバランスをとっている。
高さはそれほどでもないが、足を踏み外してしまえば怪我は免れないだろう。
- 34 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:47:10 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「……」
( ;,^Д^)「……」
音楽すら鳴っていないサーカスの奇怪な綱渡りを、俺は食い入るように見つめる。
綱渡りの彼女は、危なげにゆっくりと距離を縮めてゆく。
(#゚;;-゚)「……そっか、綱渡りだったんだ」
もうあと数歩で渡り切るといったところで、突然でぃさんがそう呟いた。
( ,,^Д^)「えっ?」
隣のでぃさんの方を振り向くと、でぃさんは前を見つめたまま言った。
(#゚;;-゚)「……タカラ君、私ね」
(#゚;;-゚)「新しく何かを始めるのが、不安でたまらなかった」
( ;,^Д^)「でぃさん……?」
- 35 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:48:25 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「だけど分かったんだ。後ろには、もう戻れない」
(#゚;;-゚)「きっとあの綱渡りみたいに、前へ向かってゆくしかないんだよね?」
(#゚;;-゚)「がむしゃらにさ」
( ,,^Д^)「……がむしゃらに」
湿った風に似た何かが、俺の内側から舞台を赤く染める夕日へと吐き出されてゆく。
俺は一瞬、何故自分がここにいるのか分からなくなった。
町並みのようにゆっくりと変化してゆくもの、あるいは一瞬のうちに一変した伯父の工場。
変わらず続いてゆくと思っていたものが立て続けに変容し、俺の周りはぐにゃぐにゃと揺れている。
取り巻く何もかもが不安定なのに、俺のいるべき隙間なんてどこにあるんだろうか。
( ,,^Д^)「……」
両隣から拍手の音が聞こえ、気付けばでぃさんによく似た女の人はロープの上を渡りきっていた。
- 36 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:49:11 ID:LlGrzfaw0
- 支援
- 37 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:49:56 ID:3d3UULYg0
-
一時間もしないうちに全ての演目が終わった。
それでももう太陽は暮れ始め、少し風が寒くなったことに俺は気付いた。
(#゚;;-゚)「また来ます」
lw´‐ _‐ノv「ありがとう。けれど私たちは巡業サーカスな上、特殊な事情がありまして」
(#゚;;-゚)「特殊な事情?」
lw´‐ _‐ノv「必要とされている方の前でしか公演しないのです」
lw´‐ _‐ノv「そう、例えばお嬢さんのような」
(#゚;;-゚)「……」
( ,,^Д^)「……不思議なサーカス、ですね」
lw´‐ _‐ノv「ええ、素敵なサーカスでしょう?」
- 38 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:51:45 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「……ありがとう」
lw´‐ _‐ノv「いえいえ。本当は落ち着いた畳の部屋なんかで、ゆっくり悩みなど聞ければ良いのですが……」
(#゚;;-゚)「それには及びません。大丈夫」
lw´‐ _‐ノv「それは良かった」
俺とでぃさんは一礼し、サーカスに別れを告げた。
林のなかにもう一度踏み入り、あの桑畑へ、古びた実家へ、現実へ向かって歩き出す。
(#゚;;-゚)「おもしろかったね、タカラ君」
( ,,^Д^)「うん」
(#゚;;-゚)「こんなこともあるもんなんだね」
( ,,^Д^)「ですね……」
- 39 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:53:10 ID:3d3UULYg0
-
( ,,^Д^)「……」
( ,,^Д^)「でぃさん、ちょっとここで待っててください!」
(#゚;;-゚)「へ? うん」
ちょこんと首を傾げたでぃさんにその場で待っててもらい、俺はサーカスへと引き返した。
パイプ椅子を折りたたんでいたシュールさんを見つけ、小声で話しかける。
( ,,^Д^)「あの、俺の出てくる演目はないんですか?」
lw´‐ _‐ノv「と、いいますと」
( ,,^Д^)「俺もちょっとした事情を抱えているというか、主に恋のことなんですけど……」
lw´‐ _‐ノv「いや、知らないよ。そーユーのは自分でなんとかしないと」
ふっと息を吐いたシュールさんは、ちょっと打ち解けた口調でそう言った。
俺は少し落胆しながらも、それもそうかと納得する。
- 40 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:54:48 ID:3d3UULYg0
-
( ;,^Д^)「そうですか……」
lw´‐ _‐ノv「頑張りなよ」
( ,,^Д^)「わかりました」
とぼとぼとでぃさんのもとへ戻りながら、俺は考える。
俺はでぃさんに、この気持ちを打ち明けるべきなのだろうか。
( ,,^Д^)「……」
このままウダウダ考えていても、仕方がないことなのかもしれない。
思い切って俺は、でぃさんに話しかける。
( ;,^Д^)「……で、で、ディさん!」
(#゚;;-゚)「はい?」
( ;,^Д^)「伝えたいことが、あります」
(#゚;;-゚)「……」
- 41 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:56:15 ID:3d3UULYg0
-
手のひらに汗が滲み、自分の心臓の音が聞こえる。
緊張のためか俺の目には、すぐそこにいるでぃさんや木々、風さえも固まっているように見えていた。
きっとでぃさんも緊張しているように見えるのは、俺の気のせいだろう。
離れて暮らすようになっても、でぃさんを想う気持ちは変わらずにある。
今この気持ちを伝えなければ、きっと俺は一生後悔するに違いない。
( ,,^Д^)「……」
でぃさんの目を改めてまっすぐ見据える。
その瞬間、俺は悟った。何故サーカスに夢中になっていたでぃさんに悲しさを感じたのかを。
ぐにゃぐにゃ揺れる現実が、俺は好きじゃない。
だけど俺は、この現実から目を逸らすでぃさんも嫌だったのだ。
( ,,^Д^)「……」
(#゚;;-゚)「……」
- 42 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:57:39 ID:3d3UULYg0
-
( ;,^Д^)「……あの、俺」
( ,,^Д^)「……俺で良ければ、何でも力になりますから!」
(#゚;;-゚)「えっ?」
( ;,^Д^)「……」
(#^;;-^)「ふふっ、ありがとう」
何かの冗談かと受け取ったのだろうか、でぃさんは優しく微笑みながら歩き出した。
オレンジ色の夕日が地面や木立に降り注ぎ、帰り道はまだ明るい。
( ,,^Д^)「あっ、待ってください!」
( ;,^Д^)「でぃさん! 俺は本気ですからね!」
ふと、でぃさんは立ち止まってこちらを振り返る。
- 43 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 22:58:39 ID:3d3UULYg0
-
(#゚;;-゚)「タカラ君」
( ,,^Д^)「は、はい!」
(#゚;;-゚)「……」
( ,,^Д^)「……」
(#゚;;ー゚)「さっきの靴下いる?」
いたずらっぽい笑みを顔に浮かべて、でぃさんはそう言う。
彼女のこんな表情を見るのは、なんだか初めての気がする。
俺は予感した。
何か新しいことが、これからきっと始まってゆくのだろう。
( ;,^Д^)「……い、要りませんよ! それより話しをちゃんと」
(#゚;;-゚)「そういえば、あのカイコ蛾はどこ行っちゃったんだろう?」
( ;,^Д^)「でぃさーん!」
おわり
- 44 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 23:02:44 ID:3d3UULYg0
- 総合でお題を頂いたのですが、30レスで収まりきらなかったので短編となりました
・養蚕
・シルクロード
・三時のおやつ
前の前の前の総合、>>796-798です
遅すぎぃ!
それと、ちょっと前の総合短編、「ありがとウサギ」の言葉遊びに感銘を受け、
この短編でパクり……、いや、同じく言葉遊びを折り込みました
よかったら探してみてね
以上です、ありがとうございました!
- 45 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 23:11:04 ID:iOc9BMxE0
- あいらびゅー
おつ
- 46 :名も無きAAのようです:2013/03/20(水) 23:58:26 ID:Iczwnk6MO
- あいらぶゆー!
面白かったお
乙でした
- 47 :名も無きAAのようです:2013/03/21(木) 00:08:02 ID:mZoXbpdw0
- 面白かった
乙
- 48 :名も無きAAのようです:2013/03/21(木) 01:00:15 ID:0eNZQ9yg0
- 心が洗われた。久々にいい作品を読ませてもらった
乙
- 49 :名も無きAAのようです:2013/03/21(木) 04:50:20 ID:c8JXHDuE0
- 乙
ギャグジャンルが好きだけどこういうのも良いね
- 50 :名も無きAAのようです:2013/03/21(木) 09:20:56 ID:fD4.74Ek0
- いいもん読んだ
- 51 :名も無きAAのようです:2013/03/21(木) 14:21:22 ID:54I5nIbc0
- ええの
- 52 :名も無きAAのようです:2013/03/21(木) 22:00:51 ID:9yzG4f920
- 乙
いいふいんき(なぜか略)の短編だった
- 53 :名も無きAAのようです:2013/03/21(木) 22:43:52 ID:IXcaxmas0
- 乙
雰囲気がすごく良かった
- 54 :名も無きAAのようです:2013/03/22(金) 21:00:31 ID:Xc/AH6Bg0
- おー、畳の上とか懐かしいワードを!
乙乙!
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