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( ^ω^)お隣さんのようです- 1 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:41:47 ID:eWqcWMoo0
- ここはとある山の中にある小さな寂れた村。
僕はその村でとあるバスの運転手をしている。
一応、この村の観光地や近くの町へ向かうバスなのだが人が全く乗らない。
生まれつき人と関わるのが大好きな僕にとって人がいないバスを運転するのは苦痛でしかなかった。
( ´ω`)「一体どうすれば人が増えるのかお...」
( ´ω`)「......」
(* ^ω^)「! そうだお!」
- 2 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:42:46 ID:eWqcWMoo0
- そのとき、僕は新しいサービスを思い付いた。
お話好きな僕にぴったりのサービス。
思い付いたサービスをしてる僕の姿を思い浮かべ、少しだけ笑いながら僕は隣のイス眺めた。
( ^ω^)お隣さんのようです
.
- 3 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:43:37 ID:eWqcWMoo0
- その日から沢山のお話をした。
( ^ω^)「おばあさん! 今日はなんでも○○商店が安いらしいお!」
川'撿`)「あら。そうなのかい、ありがとうね。帰りに寄ってみるわ」
お買い得なお話や...
( ^ω^)「なんでもこの山、龍山は戦時中、身投山とか呼ばれて沢山の人が死んだらしいお...そして今でもその霊が...生きてる人を...」
(; ><)「こ、怖くなんかないんです!」
この村の観光地の怖い話や...
( ^ω^)「んー、多分もっと清楚な服を着ればいいと思うお! せっかく元の顔が可愛いから派手に飾るのは逆効果だお」
(*゚ー゚)「んー、やっぱり男の人はそういうほうが好きなのかなぁ...?」
ファッションのアドバイスなどなど...
- 4 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:44:56 ID:eWqcWMoo0
- ( ^ω^)「ふう...今日もたくさんお話しちゃったお」
僕の運転するバスは少し変わっている。
運転席の隣(少しだけ離れてる)が席になっているのだ。
そこで僕はそこに座った人とお話をするというサービスを勝手にしている。
つい数ヵ月前から始めたのだがこれが受けたのか少しずつバスを使う人が増えている。
- 5 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:45:48 ID:eWqcWMoo0
- だから、この頃はこんなふうに...
(*゚ー゚)「あ、ちょっとそこ私が座ろうとしてたんだけど!!」
ξ゚撿゚)ξ「なにいってんのよ。私が先に座ってたしょ? なんか文句あるの!?」
(; ^ω^)「け、ケンカはダメだお!」
たまに席の奪い合いが起きてしまうのだ。
僕としては話をしたくてこんなふうに会いに来てくれるのは嬉しいがそれはそれ。もし、本当に暴力沙汰になったら大変だ。
- 6 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:46:30 ID:eWqcWMoo0
- ただでさえ運転中に会話をしてる時点でアウトなのにこれ以上なにか起きたらと考えると背筋がゾッとする。
まあ、ここはど田舎の村。
皆、お互い顔見知りなので少しケンカをしてもすぐに仲直りする。ありがたいことこの上ない。
そのお陰か今のところ、大した問題もなくこのサービスを続けられている。
そして、僕もだんだんと皆の顔を覚えてきていた。
一度は苦痛でしかなかったこの仕事も今では楽しくて仕方なかった。
- 7 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:47:13 ID:eWqcWMoo0
- ( ^ω^)「おー、珍しく今日は誰も乗ってないお」
ある晴れた夏の日。
すっからかんのバスを僕は走らせていた。
ガソリンが無駄だよなぁと思いながらももしかしたら次のバス停に誰かいるかもしれないという期待をしながら次へ次へと向かっていく。
- 8 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:47:56 ID:eWqcWMoo0
- ( ^ω^)「お?」
この村の唯一の電車の駅。そこの駅前のバス停に一人、人がいる。観光客だろうか?
白いワンピースに麦わら帽子。そして、黒く艶々とした黒髪。
素直に僕はその女性を綺麗だと思った。
( ^ω^)「おっお。乗りますかおー?」
バスを停め、扉を開けて女性に話しかける。
彼女は驚いたような顔をして、少しだけ頷いた。
そのまま顔を俯けたまま、バスに乗り込んでくる。
綺麗な見た目に似合わず暗い雰囲気だ。内気な子なのだろうか?
- 9 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:49:37 ID:eWqcWMoo0
- ( ^ω^)「あー、あのー」
川 ゚ -゚)「...はい?」
顔を上げた彼女はやはり綺麗だった。
僕は隣のイスを指差した。
( ^ω^)「もしよかったらここに座らないかお?」
川 ゚ -゚)「そこ...ですか? ...まあ、構いませんが」
- 10 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:50:20 ID:eWqcWMoo0
- (; ^ω^)「あ、いや...嫌々ならいいんだお。ただ少しお話をしたいなーなんて」
川 ゚ -゚)「話を...ですか...ふむ」
川 ゚ー゚)「いいですよ。いい、思い出になりそうです」
( ^ω^)「?」
なんか少しよくわからないが座ってくれたからいいか。彼女も笑って暗い雰囲気も消えたし。
さて、今日は何からお話をしようか...
- 11 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:51:02 ID:eWqcWMoo0
- ( ^ω^)「...てなわけで駄菓子屋のショボくんは今じゃもうすっかりヒーローなんだお」
川 ゚ー゚)「ふふ...可愛らしいな。一度会ってみたいものだ」
( ^ω^)「この先のバス停の宝町で降りればすぐだお。行ってみるかお?」
川 ゚ -゚)「いや、それはいい。今はとりあえずやることをやらなくちゃいけないんだ」
( ^ω^)「お? ...よくわからないけど...そういえば今日はどこまで行くのかお?」
川 ゚ -゚)「えーと...ああ、ほら、あの山だ。えーと、龍山だっけ?」
- 12 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:51:53 ID:eWqcWMoo0
- そういい、指差したのはここらでは少しだけ有名な観光地だった。
確かちょっとした山登りができるとかなんとかだったか。
改めて彼女の格好を見たがとてもじゃないが山を登れる格好ではない。
そもそも、手荷物の類いがないのだ。
( ^ω^)「いくら観光地とはいえその格好では登るの、きついお?」
川 ゚ -゚)「む...そうなのか? 一応、財布はあるから必要な類いがあるなら買えるが...」
( ^ω^)「そもそもあの山には自販とかないから飲み物買うなら麓じゃないと買えないお?」
川;゚ -゚)「そ、そうなのか? うむ、聞いてなかったらヤバかった...」
- 13 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:53:10 ID:eWqcWMoo0
- ( ^ω^)「おっお。このバスに乗ってよかったお?」
川 ゚ -゚)「全くだ。話も楽しかったよ。いつまでもこうしていたいぐらいだ」
( ^ω^)「おっお。嬉しいお。僕も君とずっとお話をしてたいくらいだったお」
川 ゚ -゚)「ああ、できることなら...っと、着いたのか」
( ^ω^)「だお。せっかくの旅行だから僕と話すより山で楽しむお!」
川 ゚ -゚)「...うむ、最後までありがとう。最後にいい思い出ができたよ」
( ^ω^)ノシ「じゃ、バイブー」
- 14 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:53:54 ID:eWqcWMoo0
- バスが扉を閉めて再び走り出す。
バックミラーから後ろを見てみると彼女がまだこちらに手を振っていた。
( ^ω^)「いやー、今日は楽しかったお」
やはり知らない人とお話をするのは楽しい。
新たな友達の輪が広がったような気がする。
- 15 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:54:36 ID:eWqcWMoo0
- ( ^ω^)「さ、今日も元気にいくお!」
バスを停め、扉を開ける。
いつも乗ってくれてるおばあさんが乗ってきた。
( ^ω^)「(さてさて...今日は何を話そうか...そういえば隣の町のシューちゃんが結婚したんだっけ? それを今日は...)」
川´撿`) テクテク...
(; ^ω^)「(あるぇ!?)」
- 16 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:55:18 ID:eWqcWMoo0
- おばあさんは僕の隣のイスを無視してそのまま後ろのイスに座ってしまった。
いつもなら積極的に隣に来てくれるのに何かあったのだろうか?
( ^ω^)「(んー、まあこんな日もあるお。それに今日はまだ誰か乗るだろうし)」
...が
(*゚ー゚) テクテク...
( ><)テクテク...
(; ^ω^)「(えええー!!?)」
- 17 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:57:01 ID:eWqcWMoo0
- 確かに乗ってはきた。
しかし、誰も僕の隣に座ろうとしない。
少し目を向けたかと思うと後ろのイスに座ってしまう。
(; ^ω^)「なんでだお...何が起きてんだお?」
この出来事はこの日だけでは終わらなかった。
来る日も来る日も誰も座らない。
隣には空席しかなかった。
- 18 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:57:57 ID:eWqcWMoo0
- もう、みんなが座らなくなってから一週間がたつ。
なぜ、皆僕の隣を嫌がるのだろうか?
軽く、鬱になりかけてきた。
( ゚ω゚)「おおおお...座れおおおお...次に乗るやつ、隣にいいいいい...」
視界に誰かがバス停で待ってるのが見えた。
バスをいつものように停め、扉を開ける。
ξ゚撿゚)ξ テクテク...
ξ゚撿゚)ξ「また...」ボソッ
(; ^ω^)「え?」
- 19 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:58:40 ID:eWqcWMoo0
- 何か、ポツリと女の子が呟いた。
走らせようとしていたバスを思わず停めてしまう。
(; ^ω^)「ね、ねぇ君!」
ここまで来たらもうやけくそだ。
僕が嫌いならはっきりとそういってもらおう。
(; ^ω^)「どうして皆僕の隣に座らないんだお!? 皆僕のこと、嫌いなのかお?」
ξ゚撿゚)ξ「? なに言ってるの?」
(; ^ω^)「なにいってんのって...だからなんでって...」
ξ゚撿゚)ξ「だって...」
- 20 :名も無きAAのようです:2012/09/02(日) 23:59:21 ID:eWqcWMoo0
-
「そこ、女の人が座ってるじゃない」
.
- 21 :1:2012/09/03(月) 00:02:23 ID:lR8MaUlw0
- おしまい
- 22 :名も無きAAのようです:2012/09/03(月) 00:26:22 ID:rlJGPT7M0
- おつお
- 23 :名も無きAAのようです:2012/09/03(月) 00:30:40 ID:kDy26qPs0
- やっべしまった、スレ開けて最初にオチの部分が目に入ってきてしまった
>>1乙乙
- 24 :名も無きAAのようです:2012/09/03(月) 00:41:19 ID:RJ0A8Qqc0
- おおコエエ
急に突き落とされた気分だわ
乙
- 25 :<^ω^;削除>:<^ω^;削除>
- <^ω^;削除>
- 26 :名も無きAAのようです:2012/09/03(月) 10:30:48 ID:lLWmj.Jw0
- 乙
ツンの口って文字化け?
- 27 :名も無きAAのようです:2012/09/03(月) 13:30:46 ID:oA9SDQTk0
- 乙お
- 28 :名も無きAAのようです:2012/09/04(火) 17:00:04 ID:xQ6p8Tvw0
- >>26
ツンの口は創作板だと何故か化けるんだよね
対処法とかないのかな?
- 29 :名も無きAAのようです:2012/09/04(火) 17:13:49 ID:PXLWYXhM0
- ブラウザによる
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