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( ^ω^)はベンチウォーマーなようです- 1 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:27:52 ID:/h6tp4XQO
- アスキアート陸上競技場。
通称AA競技場。
AA市民球場に隣接する県下最大の陸上競技場だ。
川 ゚ -゚)「…」
コンクリート、芝生、そして人体を震わせる大歓声が渦を巻く。
一人、ゆっくりとその中心へと向っていく。
時を同じくして、観客席に通じる階段を汗だくになりながら駆け上がる男女の姿があった。
- 2 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:29:10 ID:/h6tp4XQO
- (#´ー`)「バッカ野郎!競技が始まるどころかもう終わっちまうじゃネェかよ!」
白根陽介。地元の若手新聞記者。
(;*゚ー゚)「すいませ〜ん!まさか道路があんなに混んでるとは…」
猫野しぃ。知的グラビアアイドルからコネにより今年から新聞記者へと転向。
妖艶で際どいスーツを纏った体を武器にする新米記者。
(#´ー`)「おれは公共機関使うっつったんダ!何が『電車は痴漢が怖い』ダヨ!?乙女か!?」
(;*゚ー゚)(そもそも白根さんが出発はメインイベントに間に合う位でいいとかギリギリまで惚けてたんじゃ…)
(;´ー`)「あ〜…どうするよ…。始末書もんだよ、コレ」
(;*゚ー゚)「そんな事より今出来る事をやりましょうよ!」
頼りない二人の記者が同時に歓声に包まれた観客席へと足を踏み込んだ。
- 3 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:29:57 ID:/h6tp4XQO
- (;´ー`)「なんとか…ケツの部分だけは拝めるみてえだな」
(;*゚ー゚)「…ケツ?」
( ´ー`)「ほら見ろ。アイツだ」
白根が指差した先には長ヤリを担いだ今大会の中心となる人物がいた。
川 ゚ -゚)
(*゚ー゚)「今男子の大会ですよね…?」
何度見返しても女の子にしか見えない。
それどころかその辺にいる美少女よりもずっと美しい美麗少女。
( ´ー`)「だが男ダ。」
- 4 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:30:39 ID:/h6tp4XQO
- (;*゚ー゚)「?」
( ´ー`)「今全国的に話題になっている。超美少年高校生アスリートがいると」
(*゚ー゚)(美少年のケツ…)
(*゚ー゚)(美少年の…ケツ!)
( ´ー`)「よく見とけ。俺たちはこのプレーのみで裏一面書ききらなきゃなんネェんだからナ」
(*゚ー゚)「美少年のケツですか?」
( ´ー`)「お前向いてないわ」
歓声が静寂へと変わる。
見た目細見の腕から放たれたヤリが高く滑らかな輪郭を描き、地面に刺さった。
静寂からどよめきが生じ、さらに先程より一回り、二回り大きな歓声が競技場を揺るがせた。
- 5 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:31:22 ID:/h6tp4XQO
- (;*゚ー゚)「めっちゃ飛びましたね」
( ´ー`)「ああ」
観客達は他の競技には脇目も振らず、止むことなく絶叫している。
(;´ー`)「…」
記録を映し出した電工掲示板を見つめて閉口する白根。
その様子に猫田は訊ねる。
(*゚ー゚)「どうかしたんですか、白根さん?」
(;´ー`)「ヤリ投げの大会新記録ダ」
(*゚ー゚)「え?」
(;´ー`)「アイツは二年ダゾ?」
(;*゚ー゚)「す、凄いじゃないですか!今後が楽しみ…」
(;´ー`)「馬鹿ヤロウ!それどころじゃねぇヨ!」
- 6 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:32:04 ID:/h6tp4XQO
- (*゚ー゚)「何がですか!?」
(;´ー`)「これは十種競技ダ。十種競技で記録が出たんダゾ」
(*゚ー゚)「十種競技?」
(;´ー`)「…」
白根は一つ溜息をつく。
( ´ー`)「十種競技ってのはナ」
十種競技とは100M走、走幅跳び、砲丸投げ、走高跳び、400M
110Mハードル、円盤投げ、棒高跳び、槍投げ、1500M
といった十種目を僅か二日で行い、記録をポイントに代え、その総合を競う競技だ。
(;´ー`)「一日目から凄い記録出してるなんて聞いてたがありゃ化物だ」
(*゚ー゚)「あれ?」
( ´ー`)「どうしたヨ?」
- 7 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:32:56 ID:/h6tp4XQO
- 猫田は記録が映された掲示板を見ている。
(*゚ー゚)「砂緒 空、VIP高校…」
( ´ー`)「ああ、VIP高は運動部、特に陸上に力を入れてるとこだな」
(*゚ー゚)「これ私の母校…」
(;´ー`)「え?」
最終1500Mも砂緒が大会記録を更新し、十種競技が終了したのは、二人が顔を見合わせたのと同時だった。
- 8 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:35:08 ID:/h6tp4XQO
-
(*゚ー゚)「私、あの子嫌いです」
猫田しぃが競技場を後にしながらそんな事を漏らした。
競技後インタビュー
(*゚ー゚)『砂緒選手、本日はお疲れ様です!』
川 ゚ -゚)『どうも』
(*゚ー゚)『競技を終えてみてどうでしたか?』
川 ゚ -゚)『調子もよく、体が軽かったです。今後、より一層研鑽を積みたいと思います。』
- 9 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:35:57 ID:/h6tp4XQO
-
(*゚ー゚)『私はもっとあなたの事知りたいな…』
川 ゚ -゚)『そうですか』
(*゚ー゚)『今晩空いてない?』
川 ゚ -゚)『空いてない』
(*゚ー゚)『これ私の連絡先書いてるの…』
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)グシャ!
(*゚ー゚)『!?』
川 ゚ -゚)ペシイ!←床に紙を叩きつける音
(*゚ー゚)『!!』
川 ゚ -゚)『かぁ〜…ペッ!』ベチャッ
(*゚ー゚)
(#*゚ー゚)「キィー!このあたしが誘ってやってんのにぃ!」
( ´ー`)「お前この仕事向いてないわ」
(*゚ー゚)「そう言えば白根さん、少し寄って頂きたい所があるんですが」
( ´ー`)「あ?」
- 10 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:36:39 ID:/h6tp4XQO
- 川 ゚ -゚)「…」
選手控え室。
着替えを終えた空はベンチに一人座っていた。
川 ゚ -゚)「…」
コンコン
「入るわよ」
川 ゚ -゚)「開いています」
(´・_ゝ・`)「くうちゃん!あなた今日も最高のパフゥォオオメンスだったわよ!」
川 ゚ -゚)「ありがとうございます、コーチ」
(´・_ゝ・`)「アンタが我が栄光の陸上部再建への礎なんだからぁ!これからしっかり頼むわよぉ!」
川 ゚ -゚)「…はい」
(´・_ゝ・`)「おつかれさま。さあて、ソロソロ競技場ともグッバイしましょうか」
川 ゚ -゚)「はい」
(´・_ゝ・`)「そうそう、丁度今隣で野球部が試合してると思うんだけどぉ」
川 ゚ -゚)「はい」
(´・_ゝ・`)「暇ならみにいかないかしらん?」
川 ゚ -゚)「…」
- 11 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:37:19 ID:/h6tp4XQO
- 第1話
(´・ω・`)「しまってこー!!!」
AA市民球場では全国高校野球選手権地区大会準々決勝が行われていた。
ホームプレートを跨ぎ、前に出たスロートガードを掛けた青年がグランド全体に響くよう叫ぶ。
しかし彼の呼び掛けに対する反応はとても小さなものだった。
(´・ω・`)「ふぅ…」
青年はマスクを被り持ち場に腰を下ろす。
彼の名は佐世保翔太。通称ショボン。
シニア時代からそこそこ名の知れた知的捕手で、県の強豪・VIP高校で一年生からマスクを被る。
チームの捕手不足も手伝い、唯一の二年生レギュラーで、今までスタメンを外れた事は無い。
- 12 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:38:05 ID:/h6tp4XQO
- 現在九回裏、スコアは5-2。
VIP高校の三点リード。
守るVIP高校、ワンナウト一三塁、内野フライを挟み、四球とポテンヒットで出たランナーだ。
(´・ω・`)(下級生の喝なんて受けないってか?)
九回に入るまで、VIP高校は1-2で負けていた。
最終回、ヒットとエラー、ワイルドピッチにより同点。
そこから相手投手が動揺し、四球連発の上、
代わった投手がショボンに三塁線を抜くタイムリーを浴びる逆転劇があった。
(´・ω・`)(殆ど棚ぼたの大量得点。そして最終回。こちらは油断し向こうは希望にすがりつく。)
(´・ω・`)(大きな精神的差が生じる)
(´・ω・`)(そして、今投げている投手にその差を覆すだけの力は無い)
(´・ω・`)(つまり…)
この試合で最も危険なイニング。
- 13 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:38:53 ID:/h6tp4XQO
- (´・ω・`)(一応ピッチャーにはランナー気にするなと念押してるけど…)
球審「プレェェェェェェァ!!」
(´・ω・`)ビクッ
(´・ω・`)(…相手打者は七番、今日は低めのスライダーにクルクル回ってる)
(´・ω・`)(だが今の先輩にそれをコントロール出来るか…)
(´・ω・`)(試しに低めスライダー、心外目。ワンバウンド気にするな、と)
ショボンのサインに頷いたピッチャーが構え、ボールを投げる。
(´・ω・`)「っ!」
外角に外れ、ベース手前でワンバウンドしたボールをショボンは体で止める。
それに乗じ、一塁ランナーがセカンドを陥れる。
球審「トラァァァイ!」
ストライクゾーンから外れた球だったが、バットは空を切っていた。
(´・ω・`)(見えてないのか?かなり大振りだったけど…)
- 14 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:39:44 ID:/h6tp4XQO
-
ニ球目のストレートは内に外れた。
三球目はスライダーが高く浮いてボール。
四球目は逆球ながらスライダーが上手く低めに行きファール。
(´・ω・`)(スライダー待ってる?バッター、プライド高いみたいだね)
(´・ω・`)(なら)
放たれたボールはチェンジアップ。
真ん中に行きながらも意表を突かれたバッターはバランスを崩し引っ掛けてしまう。
(´・ω・`)「ショート!」
鈍いゴロがショートに転がる。
サードランナーを警戒しつつファーストにボールを送ろうとしたその時だ。
サードランナーが本塁敢行。
それが目に入ったのか、ショートは手元を狂わせ暴投。
ワンナウト、ランナー一三塁、VIP高の二点リードへと変わる。
- 15 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:40:29 ID:/h6tp4XQO
-
投手はそこから積み木を崩す様に制球を乱し、連続四球。
ワンナウト満塁、点差は一点へと縮まる。
まるで先程の自軍の攻撃をリプレイした様である。
(´・ω・`)「…」
ショボンはベンチを見やる。
/ ,' 3「…」
(;´・ω・`)(伝令使え荒巻のジジイ!守備のタイムまだ残ってるだろ)
/ ,' 3「…」
(´・ω・`)「タイム」
ショボンは球審にタイムを告げて投手のもとに駆ける。
(´・ω・`)「ドンマイです。最悪同点でもいいのでフライ狙わせて行きましょう。」
投手「…」
(´・ω・`)「あと二つです。昨日の阪神だってノーアウト満塁で無得点だったじゃないですか。大丈夫ですよ」
投手「…」
(´・ω・`)「先輩!」
投手「…」
(;´・ω・`)(ダメだ…)
- 16 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:41:43 ID:/h6tp4XQO
- ショボンは再びベンチを見る。
(;´・ω・`)(先輩は使い物にならない。交代を!)
/ ,' 3「…」
恐らくこのまま行けばサヨナラゲームは免れない。
投手だけでなく、野手それぞれが最後のチャンスが失われる事を恐れている。
そうショボンは感じた。
(;´・ω・`)(だからこそ、アイツに…!)
ショボンは知っていた。
この状況、逆境に動じぬ投手が味方にいる事を。
(´・ω・`)(ブーン!)
- 17 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:42:37 ID:/h6tp4XQO
- ( ^ω^)「おっおっ〜♪」
内藤ホライゾン。通称ブーン。
ショボンと同じシニアに通い、バッテリーセットでVIP高に引き抜かれた所謂おまけ。
球速、制球、変化球どれをとっても平凡。しかし…
( ^ω^)「あとアウト二つとれば勝てるお!これはもしかするとベスト4いけるお!」
彼はどんな逆境でも全く動じぬ強い心(?)を持っている。
ショボンはこの男の才能を買っていた。
(;´・ω・`)「少しベンチに…」
ショボンは監督荒巻スカルチノフへ直訴しにいく。
- 18 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:43:24 ID:/h6tp4XQO
- (´・ω・`)「先輩は限界です」
/ ,' 3「…」
(´・ω・`)「交代した方がよいのでは?」
/ ,' 3「…ZZZ」
(;´・ω・`)「監督!」
球審「時間だ。戻れ、バカ」
(;´・ω・`)「ぐっ…」
/ ,' 3「生意気いいおって…ガキの分際で」
- 19 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:44:30 ID:/h6tp4XQO
- (;´・ω・`)(投げるコースも球種もない…が、仕方ない!)
(´・ω・`)(幸か不幸か相手はラストバッターだ。まず打ち気を調べる。高めの釣り球で…)
シュッ
(;´・ω・`)(真ん中っ!)
キィーン
乾いた音が球場にこだまする。
芝生を転がる球を追う事を外野手はすでにやめている。
(;´・ω・`)「…」
VIP高校の夏はあっけなく終わったのだ。
- 20 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:44:33 ID:2zdrZgLEO
- 朝方投下乙な、支援だ
- 21 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:45:19 ID:/h6tp4XQO
-
送迎バスの中。
先輩A「ようwお前特待取れたww」
先輩B「おおwFランだけどなww」
先輩C「取れなかった俺涙目ww米屋継ぐw」
先輩D「大学では漫研入るわw暑いことやってらんねーww」
先輩E「オタきめえwww」
(´・ω・`)「…」
(´・ω・`)(なんだこいつら。悔しく無いのか?)
- 22 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:46:15 ID:/h6tp4XQO
- (´・ω・`)(こんな奴らがなんで試合で重圧感じるんだ?一体何が出来るんだオマエラ)
ショボンは込み上げてくる気持ちを必死で抑える。
( ^ω^)「お?どうしたお、ショボン?」
(´・ω・`)「いや、すまない。何でもないんだ。」
(´・ω・`)「ブーン、君は悔しいかい?」
( ^ω^)「僕らには次があるお。先輩には悪いけど次は優勝だお!」
(´・ω・`)「それでこそブーンだ」
(´・ω・`)(ああ、そうだ。僕達は絶対こうならない)
(´・ω・`)(絶対に甲子園に…)
( ^ω^)「甲子園優勝だお!」
(´・ω・`)「ハハハ!そうだ!その通りだ!」
(´・ω・`)「僕達の戦いはこれからだ!」( ^ω^)
先輩「…なんだあいつら」
- 23 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:55:51 ID:/h6tp4XQO
-
試合の熱も冷め、人も疎らになった観客席。
未来のスターとそのコーチも帰り支度していた。
(´・_ゝ・`)「負けちゃったわねん…惜しかったけど」
川 ゚ -゚)「あれだけ勝っていたのに負けるんですね」
(´・_ゝ・`)「チームスポーツは何が起こるか分からないからねぇ」
川 ゚ -゚)「…」
毛ほどの落胆を含んだ溜め息を添えて出口に向かうコーチの後を、砂緒は黙ってついていった。
- 24 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 03:58:12 ID:/h6tp4XQO
- 取り敢えず1話終わり
- 25 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 04:18:19 ID:/h6tp4XQO
- 支援ありがとうございます
- 26 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 09:05:25 ID:tddvTGSsO
- 面白いぞ!支援!
- 27 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 09:06:20 ID:/1m6x44U0
- 乙
期待
- 28 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 11:54:49 ID:mvcGh3EQ0
- 高校野球ものか
期待
- 29 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 12:05:16 ID:sIeRqH760
- 乙
期待
- 30 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 17:03:38 ID:eFv1u8z.0
- おつ
どう絡むのか楽しみ
- 31 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 18:15:13 ID:p/yQXvwA0
- 面白いよ
遅くなったけど乙
- 32 :名も無きAAのようです:2012/07/21(土) 21:17:24 ID:aU/YsVBw0
- 高校野球物とか俺得
- 33 :名も無きAAのようです:2012/07/22(日) 11:50:14 ID:pFTKU5O60
- バント処理失敗して負けたの思い出した
あの夏を取り返したい
是非これからも書いてください
- 34 :名も無きAAのようです:2012/07/23(月) 00:22:36 ID:FBUR81Q2O
- こんなにレス頂けると思って無かった…
訂正
砂緒空は二年ではなく一年
- 35 :>>5訂正:2012/07/23(月) 00:23:35 ID:FBUR81Q2O
- (;*゚ー゚)「めっちゃ飛びましたね」
( ´ー`)「ああ」
観客達は他の競技には脇目も振らず、止むことなく絶叫している。
(;´ー`)「…」
記録を映し出した電工掲示板を見つめて閉口する白根。
その様子に猫田は訊ねる。
(*゚ー゚)「どうかしたんですか、白根さん?」
(;´ー`)「ヤリ投げの大会新記録ダ」
(*゚ー゚)「え?」
(;´ー`)「アイツは一年ダゾ?」
(;*゚ー゚)「す、凄いじゃないですか!今後が楽しみ…」
(;´ー`)「馬鹿ヤロウ!それどころじゃねぇヨ!」
- 36 :名も無きAAのようです:2012/07/23(月) 00:25:11 ID:Z9xryNWM0
- 把握した
- 37 :名も無きAAのようです:2012/07/23(月) 21:00:20 ID:1oMEizX20
- 我が母校ベスト8で敗退支援!!
- 38 :名も無きAAのようです:2012/07/24(火) 05:15:40 ID:NX1G8xAQO
- 今読んだ。乙乙
久しぶりに期待出来る新作が出てきてテンション上がってきた
- 39 :名も無きAAのようです:2012/07/26(木) 01:40:31 ID:EpNBg3fAO
- 母校がいつの間にか甲子園出場決定していたので
- 40 :名も無きAAのようです:2012/07/27(金) 11:42:48 ID:5FzHyP0MO
- (´・ω・`)
佐世保翔太 通称:ショボン 二年
ポジション:捕手
右投げ右打ち
シニア時代からクレバーなリードを買われ、各地の強豪から誘いを受けるものの、
本人はチームメイトの内藤とセットを所望し、オファーの殆どが消える事となる。
シニアでは三番、VIP高校では下級生ながら六番を打つ程の打力もある。
責任感が強く、主将となってチームを引っ張っていきたいと思っている。
- 41 :名も無きAAのようです:2012/07/27(金) 11:44:23 ID:5FzHyP0MO
- 第2話は今夜投下します
- 42 :名も無きAAのようです:2012/07/27(金) 21:47:29 ID:UzmYabGA0
- クルー?
- 43 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:08:49 ID:eRA.ZrtIO
- AA市民球場バックネット裏中段。
本日最終試合終盤ながら未だに混雑する中、白根達は出入口付近の手摺りに寄りかかり観戦していた。
( ´ー`)「中々記事になりそうなバカ試合するじゃねぇカ、楽しめたゼ」
(*゚ー゚)「でしょ?でしょ?」
( ´ー`)「まさか見るからに馬鹿でウンチのお前が高校野球ファンだとはナ」
- 44 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:09:43 ID:eRA.ZrtIO
- (*゚ー゚)「え?あ、ああ!そそそそうなんですよ!」
( ´ー`)「何故吃ル?」
( ´ー`)「あー、そういやこの試合、お前の母校の試合だったっケ?」
(*゚ー゚)「そう!そう!昔授業抜け出して応援に来たのが懐かしくて!」
( ´ー`)「あっそ…」
高校生ならでは未熟なシーソーゲームが終わり、なだれ込む様に出入口に殺到する観客達を避けながら、
白根は整列し、互いに礼を交わす球児達を見る。
( ´ー`)(泣いてる奴いネーナ。今時、ここで負けるレベルでもそんなもんなノな…)
- 45 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:10:44 ID:eRA.ZrtIO
- ( ´ー`)(勝った方の喜び様は凄まじいのにナ…)
応援席に礼をしに行く勝者をふと目で追い横を向いた白根。
( ´ー`)「ん?」
(*゚ー゚)「あ」
隣にいた猫田が何やら敗者側ベンチに向かって小さく手を振っている。
( ´ー`)「…」
- 46 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:11:56 ID:eRA.ZrtIO
- (;*゚ー゚)「あ、いや、その、これは」
( ´ー`)「なんで慌ててるんだヨ」
(;*゚ー゚)「突然だったものでつい…」
( ´ー`)「ま、いいカ」
- 47 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:12:41 ID:eRA.ZrtIO
- (*゚ー゚)ホッ
( ´ー`)「で、誰に手を振ってたんだヨ」
(;*゚ー゚)「え!?えーと…」
(*゚ー゚)「…あそこに座ってる子が親戚なんですよ」
( ´ー`)「あそこ?ああ、記録員ネ」
(*゚ー゚)「そ、そうです…」
( ´ー`)「へぇ…。マ、大方最終学年でベンチ入り出来なかったとか…」
(*゚ー゚)「…」
( ´ー`)「そんなとこだロ?」
(*゚ー゚)「あ、はい…。そんなところです」
( ´ー`)「…」
( ´ー`)(コイツ…何か隠してやがるな)
- 48 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:13:28 ID:eRA.ZrtIO
- 第2話
県立VIP高校。
県立ながら様々な運動部に力を入れる高校だが、陸上部以外はどれをとっても中途半端。
野球の場合も同様で、夏の大会は安定してベスト16に入るが、
ベスト4への壁は近年で破る事は出来ていない。
数日前の試合に至っては、あと一歩で掴みかけた4強の切符をみすみす逃す結果となった。
バシッ
(´・ω・`)「ウホッ!いい球!」
(;^ω^)「その反応だけはやめてくれないかお?」
(´・ω・`)「なんで?」
( ^ω^)「悪寒を感じるんだお」
(´・ω・`)「変なブーンだね」
簡易ブルペン。
三年生が引退し、VIP高校野球部は新しい一歩を踏み出す。
- 49 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:14:35 ID:eRA.ZrtIO
- (´・ω・`)「今日は新チームキャプテンと市長杯での起用メンバー発表だね」
( ^ω^)「おっおっ!楽しみだお!」
市長杯とは秋の大会のシード権をかけた大会である。
甲子園の日程と少しかぶるので、必然的に甲子園出場高を除いた高校で争われ、
秋のシード権はベスト4と夏優勝高に与えられる。
( ^ω^)「市長杯は優勝だお!」
(´・ω・`)「まあ、市長杯は目標ベスト4でそこから先は流す事になるだろうね」
(#^ω^)「何を腑抜けた事言ってるお!優勝だお!」
(;´・ω・`)「いや、まあ優勝を目標にするのは当然の事だよね。うん」
- 50 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:15:41 ID:eRA.ZrtIO
- ( ^ω^)「そうだおっ!」
(´・ω・`)(扱いやすいなぁ…)
( ^ω^)「でも新チームのスタメンがどうなるか楽しみだお!」
(´・ω・`)「そうだね。エースは間違いなく君になるとは思うけど」
( ^ω^)「僕はマウンドで投げられれば何だっていいお!」
( ^ω^)「そういうショボンこそキャプテンは決まった様なもんだお!」
(´・ω・`)「うん、自分で言うのもなんだけどキャプテンは僕かアサピーだろうね」
- 51 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:16:21 ID:eRA.ZrtIO
- 冷静さが持ち味のショボンであるが、内心、心臓が高鳴っていた。
(´・ω・`)(このチームは僕が引っ張っていかなければいけない)
(´・ω・`)(捕手にキャプテン…とても大変だけどVIP高校は絶対に変えてやる!)
(´・ω・`)「よしブーン!ランニングでも行こうか!」
( ^ω^)「外10周競争だお!負けた方が水無しで特大ピザの早喰いに挑戦だおヨイドン」
(´・ω・`)「ちょww」
いち早くブルペンを飛び出したブーンを追ってショボンも足を早めた。
- 52 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:17:20 ID:eRA.ZrtIO
- ( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「どうした、ブーン」
( ^ω^)「あそこで見学してる女の子がいるお」
(´・ω・`)「え?」
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)「ホントだ」
(*^ω^)「おっおっ!もしかして女子マネ希望かおね?」
(´・ω・`)「違うんじゃないかなあ。陸上部の運動着来てるし…」
(*^ω^)「そんなの関係ねぇお!ヘッドハンティングと洒落こむお!」
「待つでやんす!」
- 53 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:18:01 ID:eRA.ZrtIO
-
二人は声のした方向を振り返る。
( ^ω^)「お」
(-@∀@)「全く君達は情報が遅いでやんすね。彼はマネージャーなんかならないでやんすよ」
( ^ω^)「彼?」
(´・ω・`)「アサピーか。どういう事だい?」
彼の名前は朝田俊人。通称アサピー。
情報分析が趣味で、試合においても打者の踏み込みやバッテリーの配球を読んだプレイを得意とする。
VIP高野球部ではショボンと並んでインテリな内野手だ。
(-@∀@)「彼は一年にして陸上部のエースでやんす。それも将来有望視される程のでやんすよ」
(´・ω・`)「もしかして噂の陸上部ルーキーって…」
(;´・ω・`)「あっ!」
- 54 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:18:43 ID:eRA.ZrtIO
-
( ^ω^)「ヘーイお嬢さん、野球部のマネージャーにならないかい?」
川 ゚ -゚)「なんだ貴様は」
( ^ω^)「僕?僕は新生VIP高校野球部のエースだお!」
川 ゚ -゚)「そうなのか?」
(;´・ω・`)「ブーン!」
(;-@∀@)(ブーン君、人の話全く聞いてなかったでやんす…)
川 ゚ -゚)「なんだ?君達も野球部か」
(´・ω・`)「ああ、そうだよ。間違ってたら謝るけど砂緒君だよね。僕はショボン、よろしく」
川 ゚ -゚)(む?確か彼は…)
- 55 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:19:37 ID:eRA.ZrtIO
-
(´・ω・`)「国体出場も決まってるらしいね、おめでとう」
川 ゚ -゚)「…ああ、ありがとう」
川 ゚ -゚)「ところで君は…」
(;-@∀@)「サインおくれでやんす!」
川 ゚ -゚)「む?サイン欲しいのか?書く物は?」
(;-@∀@)「ここにあるでやんす!」
浅田はポケットからマジックペンを取り出した。
- 56 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:20:36 ID:eRA.ZrtIO
- 川 ゚ -゚)「紙は?」
(-@∀@)「ここに書いてくれでやんす!」
(;´・ω・`)「おいおい、Tシャツに書いて大丈夫?これから新チーム始動のミーティングだよ?」
(-@∀@)「問題ないでやんすよ!今から部室に戻って取り替えてくるでやんす」
川 ゚ -゚)「ではここに書くぞ」
(*-@∀@)「ハイでやんす!」
- 57 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:21:36 ID:eRA.ZrtIO
-
(;´・ω・`)「…」
(*-@∀@)「ありがとうございますでやんす!大切にするでやんす!」
そう叫ぶとアサピーは部室の方へ駆けていった。
川 ゚ -゚)「…」
(;^ω^)「僕ももらっておこうかおね…」
(´・ω・`)「ブーン!」
( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「そろそろ行こうか」
( ^ω^)「そうだおね」
(´・ω・`)「僕らはもう行くよ」
川 ゚ -゚)「そうか、頑張ってくれ」
- 58 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:22:15 ID:eRA.ZrtIO
- (´・ω・`)「君もね、じゃあ」
川 ゚ -゚)「…」
ショボン達がランニングに戻ろうと振り返った時だった。
川 ゚ -゚)「君は」
(´・ω・`)「?」
川;゚ -゚)「前の試合で…」
(´・ω・`)「何?」
川;゚ -゚)「…いや、何でもない」
(´・ω・`)「そうかい?では」
- 59 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:23:10 ID:eRA.ZrtIO
-
( ^ω^)「…」
(´・ω・`)「どうしたんだい、ブーン?」
( ^ω^)「僕もサイン欲しかったお」
二人並んでランニングに勤しむ途中、ブーンがこんな事を漏らす。
(´・ω・`)「馬鹿だな。これから甲子園目指そうって人間が他人にサインせびるなんて…」
(´・ω・`)「自分だけならまだしも、それを見た他のチームメイトの士気にも関わるよ」
(;^ω^)「お…」
- 60 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:23:58 ID:eRA.ZrtIO
- (´・ω・`)「ね?」
(#^ω^)「甲子園優勝だおぉぉぉ!!」
(;´・ω・`)「あ、おい!」
空を向いて叫び、突然速度を早めるブーン。
ショボンは慌ててそれを追い掛ける。
しかし、練習で疲れた体では全速力は二百メートルと続かず、ブーンはすぐに息を切らして立ち止まる。
(;^ω^)「フゥ…フゥ…」
(;´・ω・`)「君の事はケツの中まで知り尽くしたつもりだけど、たまに僕の想像を越えた行動をとるね?」
肩で息をするブーンのもとに、ショボンは少し遅れてやってきた。
- 61 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:24:48 ID:eRA.ZrtIO
- (;^ω^)「ヒィ…変な事言うなお…フゥ…ショボン」
(´・ω・`)「アハハ、ジョークさ、ジョーク!その証拠にホラ、今の無防備な体を襲ったりしないだろ?」
(;^ω^)「フゥ…フゥ…何を…言ってるお…」
(´・ω・`)「ま、わかってるよブーン。甲子園へは絶対に僕が連れていく」
(;^ω^)「ブーンもだお…」
(´・ω・`)「そう、ブーンは僕らを甲子園優勝へと導いてくれ」
(*^ω^)「お!もちろんだお!」
(´・ω・`)「よし!じゃあ残り九周!負けた方が水無しでピザ早喰いだったね。ヨイドン!」
(;^ω^)「ちょww」
- 62 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:25:31 ID:eRA.ZrtIO
-
(;´・ω・`)「ハア…ハア…」
/ ,' 3「遅いぞ、佐世保」
ショボンが十周を終える頃にはチームメイトは皆グランド横のベンチに集まり、
ミーティングはすでに始まりかけていた。
(´・ω・`)「ハイ、スミマセン」
(;´ω`)「ヒィ…ヒィ…ブヒッ…」
/ ,' 3「お前もじゃ、内藤。ミーティングが済んだらグランド十周」
(;´・ω・`)「ぶwww」(;^ω^)
- 63 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:26:23 ID:eRA.ZrtIO
- / ,' 3「続けるぞい」
VIP高校野球部監督、荒巻スカルチノフ。かれこれ30年近くVIP高校で監督を続けるが、甲子園出場は未だゼロ。
OB会から文句が出そうなものだが、何故か問題提起には至らず、一向に止める気配も無い。
/ ,' 3「さて…装い新たにうんたらかんたら…」
/ ,' 3「これからなんたらで長い道がちんたら」
(;´・ω・`)(始まったよ、要領を得ない演説)
(;^ω^)(こっちは立ってるのも辛いというおに…)
/ ,' 3「では新チームのキャプテンを発表する」
(;´・ω・`)ゴクリ
( ^ω^)(緊張しなくてもここはショボンだお)
(;-@∀@)(僕がキャプテンに選ばれたら、チームを纏める事はできるでやんすかねぇ?)
- 64 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:27:19 ID:eRA.ZrtIO
-
/ ,' 3「キャプテンは乃木康平!」
(,,゚Д゚)「うい!」
(;´・ω・`)「え?」
(;^ω^)「え?」
(;-@∀@)「ホワッツ?」
/ ,' 3「お前には投打でチームの中心になってもらうつもりだ」
(,,゚Д゚)「うい!」
/ ,' 3「頑張れよ!」
(,,゚Д゚)「うーい!」
(;´・ω・`)「は?」
- 65 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:28:18 ID:eRA.ZrtIO
- / ,' 3「後、副キャプテンはお前達で決めてくれ。では解散」
(;´・ω・`)(え?え?何で?)
ショボンは柄に無く混乱する。
乃木康平、ギコは特別部活への取り組みが真面目な訳ではなく、
リーダーシップを発揮するどころか、ワンマンなプレーの目立つ選手だ。
とてもキャプテンになるといった器ではない。
- 66 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:29:31 ID:eRA.ZrtIO
- (;´・ω・`)(しかも投打の中心…投手だって?)
ショボンも確かにギコは打の中心人物になる事を予想していた。
しかし彼は根っからの外野手だ。
中学ボーイズ時代に投手は経験済みらしいが、高校からはバッティングピッチャーをしている所すら見たことはない。
(;^ω^)「元気出すお…ショボン」
(;´・ω・`)(ブーンはよくわかっていないらしい、が…)
/ ,' 3「ああ、佐世保と内藤はランニング忘れるなよ」
(;´・ω・`)(甲子園への最も大きな障害はこのジジイかもしれない…)
- 67 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:31:51 ID:eRA.ZrtIO
- 第2話おわり
- 68 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 00:32:39 ID:eRA.ZrtIO
- (-@∀@)
浅田俊人 通称:アサピー 二年
ポジション:二塁手
右投げ左打ち
データ収集とデータ分析が趣味なだけあり、状況を予測したプレイはかなりの精度。
守備自体もそこそこ上手く、安心してセンターラインを任せられる存在。
ただし不測の事態には脆くメンタルが弱い。
(,,゚Д゚)
茂木康平 通称:ギコ 二年
ポジション:投手 中堅手
右投げ右打ち
バッティングをはじめセンスはあるがどれをとっても粗い。
練習への取り組みに関しても裏では絶対に努力しないタイプ。
ボーイズの四番、一時期はピッチャーも経験するが、高校では二年夏まで公式戦でベンチ入りした事は無い。
- 69 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 01:36:08 ID:auzo5v5M0
- 乙乙
どことなく香るパワプロのにおい
- 70 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 01:37:39 ID:I5/jKWb.O
- (´;ω;`)名前の通りショボーンだよ
- 71 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 10:32:36 ID:SdrNUV6w0
- 乙
アサピーが矢部君口調でワロタ
- 72 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 13:23:07 ID:ahzQWHx.0
- なるほど
どうケリをつけるのか楽しみ
おつ
- 73 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 16:14:44 ID:cE2MrdPAO
- おっつおつ
荒巻から立ち上るガーソ臭
- 74 :名も無きAAのようです:2012/07/28(土) 23:12:24 ID:fIhNdcOU0
- 乙
うおー超楽しみ
- 75 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 19:23:52 ID:WFtMwfuIO
- 贔屓の高校が死臭漂うブロックに入りましたorz
では投下します
- 76 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 19:24:41 ID:WFtMwfuIO
-
( ・∀・)「ま…」
( ・∀・)「ま…」
全国高校野球選手権甲子園宿舎。
(*・∀・)「枕投げだー!」
VIP高校と同じ地区から甲子園にやってきた南出喪実業高校の宿舎だ。
南出喪実業・南実高校は本日、二回戦を逆転で勝利したばかりだ。
しかし、そんな栄光とは裏腹に広間に敷き詰められた布団とほぼ同数の枕が飛びかう。
- 77 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 19:25:49 ID:WFtMwfuIO
- (*・∀・)「おらー!」
ベシッ
(メ ゚∋゚)「…」
( ;・∀・)「あ、クック」
ビュン
ドカーン
(メメメ)∀・)「ドゥ!」
( ゚∋゚)「…」
(;メメメ)∀・)「先輩…ごめぇん…」
顔の右半分が晴れ上がったこの男は貰良 了、通称モララー。
名門南実高校で一年生ながらショートストッパーを任されるスーパールーキーだ。
- 78 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 19:27:58 ID:WFtMwfuIO
- ( ゚∋゚)「…寝る」
無表情で布団にくるまった巨躯の男は鳥山 括。周りからはクックルと呼ばれている。
南実高校、二年生の主砲である。
( ・∀・)「ふぅ…」
( ・∀・)「気を取り直して…」
- 79 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:09:20 ID:WFtMwfuIO
- (#・∀・)「再参入d」
ガラッ
爪#'ー`)y「うるさいぞ馬鹿y」
ベシッ
爪メ'ー`)y‐
(;・∀・)「か…監督…」
モララーは辺りを見回す。
ほんの先程までの疾風怒濤の勢いが嘘の様に消え、その代わりに周囲の布団が山を作っていた。
(;・∀・)(これが名門の俊敏さと要領…)
- 80 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:10:20 ID:WFtMwfuIO
-
爪'ー`)y‐「おおよそ見当はつくが…貰良!」
(;・∀・)「はい!」
爪'ー`)y‐「何をしていた?」
(;・∀・)(ここは罪をかぶるべきか…擦り合うべきか…)
(;・∀・)(俺は一年生だ。こんな所で先輩の怨みを買ってしまっては…)
爪'ー`)y「正直に言えばお前だけ明日のペナルティー特訓はトスバッティングだけで許してやる」
( ・∀・)「皆で枕投げしてました」
- 81 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:10:58 ID:WFtMwfuIO
- 爪'ー`)y「よし、よく言った」
先輩(モララーノヤロウ)
先輩(チクリヤガッタ)
先輩(ノロイコロス)
(*・∀・)(要領の良さでは俺だってまけてないんだよ、先輩方!)
爪'ー`)y「ところでだ。横堀がいない様だが?」
( ・∀・)「横堀先輩ならミーティングの後にランニングへ行きましたよ」
- 82 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:11:49 ID:WFtMwfuIO
- 爪'ー`)y「まだ帰ってないのか?」
( ・∀・)「そういえばそうスね」
爪'ー`)y(横堀なら外で遊んでいるなんて事は無いだろうが)
爪'ー`)y「門限は過ぎている。お前ちょっと探して来い」
(;・∀・)「え?」
爪'ー`)y「見つかるまで帰って来るなよ」
(;・∀・)「でも俺、横堀先輩のランニングコースなんて…」
爪#'ー`)y「うるせー!行けー!」
(;・∀・)「は、はい!」
- 83 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:12:40 ID:WFtMwfuIO
-
爪#'ー`)y「道草喰ったら退部だからな!」
(;・∀・)「はい!」
タッタッタッ
爪'ー`)y「行ったか」
爪#'ー`)y「寝たふりしているお前ら!明日のペナルティー特訓は連帯責任で一人千本ノックだ!」
先輩(エエ〜!)
爪'ー`)y「可愛い後輩がトスしてくれるんだ。気合い入れてやれよ!」
先輩(貰良死亡www)
( ゚∋゚)(俺もやるのか…)
- 84 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:13:27 ID:WFtMwfuIO
-
(//‰ ゚)
宿舎からしばらく走った所に丁度いいランニングロードが伸びる公園があった。
南実の二年生エース、横堀械は黙々と持久走を続けていた。
(//‰ ゚)
今日の試合、彼が先発完投して強豪アイアンメイデン高校に1-2で勝利した。
被安打は散発の3、無四球、奪三振11。
唯一の失点もゴロヒットに送りバント、野選を挟んだ後のスクイズで奪われたものだ。
(//‰ ゚)
- 85 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:14:18 ID:WFtMwfuIO
- しかし横堀は許せなかった。
その失点は先制点。
逆転したのは九回の表だった。
(//‰ ゚)(俺の所為で先輩達の夏を終わらせてしまう所だった)
自然と体に力が入る。
(//‰ ゚)(不甲斐ない…ッ!)
足を動かす速さも同時に増していく。
それでも試合で疲弊した体では長くは続かず、じきに足が止まる。
(;//‰ ゚)「フゥ…フゥ…」
腕時計を見る。
門限はとっくに過ぎていた。
(;//‰ ゚)「不味いな…」
踵を返し宿舎への帰路へ着きかけた時だ。
- 86 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:15:01 ID:WFtMwfuIO
-
「横堀先輩!」
振り返るとそこにはモララーがいた。
(;・∀・)「やっと見つけましたよ!」
(//‰ ゚)「何故其方から来る?宿舎と逆方向だぞ?」
(;・∀・)「先輩を探しまわってたんですよ!」
モララーの服は汗で浸っており、自分以上に息もキレギレだった。
(;・∀・)「次の試合まで日が空くとは言え、あんまり無理しない方がいいですよ」
(//‰ ゚)「…」
(//‰ ゚)「貰良」
- 87 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:15:44 ID:WFtMwfuIO
-
(;・∀・)「なんスか?」
(//‰ ゚)「野球は選手全員の力が併さり初めて勝利出来る」
(;・∀・)「は?そうスね」
(//‰ ゚)「確かにそうだ。だが」
(//‰ ゚)「もしも相手や状況に関わらず自由自在に三振を取る事の出来るバッテリーが存在したならば」
(//‰ ゚)「必ず敗北は無い」
(;・∀・)「はあ…」
(//‰ ゚)「俺はそんな絶対的存在になりたい」
(;・∀・)(…厨二?)
- 88 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:16:30 ID:WFtMwfuIO
- 第3話
マウンド、選手が立てる最も高い場所。
選ばれた一人のみが立つ事を許される場所。
(;,,゚Д゚)
つたう汗を拭い、横目で二塁を見る。
ベースから離れたランナーは多少落ち着きがなく、ワンヒットで帰ってくるという決意が感じて取れた。
一度牽制。
逆を突かれた様子だが、ランナーは頭から滑り込みセーフ。
もう一度牽制。
リードは先程より小さく、悠々セーフ。
こんな事をしたところで外野に抜ければ点数は入る。
だが、ほんの少しの気休めも欲しかったのだろう。
- 89 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:17:12 ID:WFtMwfuIO
-
(;,,゚Д゚)
打者へと向き直る。
結局はバッター勝負だ。
(´・ω・`)
キャッチャーとのサイン交換を行う。
右打者
内角
ストレート
つまり力勝負。
頷いて振りかぶる。
手から離れた球は綺麗な直線を描きながらミットに収まる。
軌道が目に焼き付く。
打者は際どい球に手が出ず、球審の判断を窺っている。
- 90 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:17:50 ID:WFtMwfuIO
-
球審「ットラァーイ!」
球審「バッターアウッ!」
(#,,゚Д゚)「ゴルァァァァ!!!」
握り拳を天に突き上げる。
(´・ω・`)「…」
(#,,゚Д゚)「ギコルアァァ!!」
(´・ω・`)(そんな大層な…)
( ^ω^)「ナイピー!!ギコ!!!」
VIP高校、市長杯二回戦8-4で勝利。
- 91 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:18:40 ID:WFtMwfuIO
- / ,' 3「あそこでくどくど、エラーがぐちぐち」
(´・ω・`)(今日の試合は反省点が多かった)
(´・ω・`)(しかも相手は面篦高校。言っちゃ何だが実力は二段格下)
(´・ω・`)(7回まで8-1でコールド圏内だったのにそこから毎回の3失点)
(´・ω・`)(ギコには無駄な球数を投げさせてしまった)
/ ,' 3「フォアボールがねちねちスパッとうじうじ」
(´・ω・`)(どうせ新チーム結成後でもブーンを試すつもりはないんでしょ、荒巻監督?)
- 92 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:19:55 ID:WFtMwfuIO
-
/ ,' 3「ま、勝ったんでいいじゃろ。キャプテンからも一言言えぃ」
(,,゚Д゚)「うい!」
(,,゚Д゚)「今日は俺様の俺様による俺様のための試合だったな!」
(´・ω・`)(うん。独り相撲だったね)
( ^ω^)「おっおっ!特に最後の球が最高だったお!凄い喜び様だったお!」
(,,゚Д゚)「だろ!お前らも頑張れよ!」
(;^o^)「…」
(;^o^)(僕は知っている。ギコが何故オーバーリアクションしていたのかを…)
彼は汚綿人生。通称オワタ。
VIP高校の二年生サードで五番、攻守の中心を任されている…筈なのだが、
市長杯前に行われた4つの練習試合ではフル出場ながらエラー5、ヒットは1と不振。
今日も送球ミスにノーヒットと良いところが無かった。
(;^o^)(僕は見てしまった、応援席に…)
- 93 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:20:48 ID:WFtMwfuIO
-
(´・ω・`)「副キャプテンとして僕からもいいかな?」
ショボンの突然の割り込みに辺りが静まる。
(´・ω・`)「このチームは出来たてホヤホヤだ。今日みたいな試合をしてしまうのも仕方がない」
(´・ω・`)「だからといって秋のシード取るまで負ける訳にはいかない」
(´・ω・`)「秋はベスト8でシャッフルだからそれまで南実との試合を避けられる」
(´・ω・`)「今年はウチが開催県で地区大会には三校出場できる」
(´・ω・`)「くじ運次第で選抜に出られる可能性も高まる」
- 94 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:22:15 ID:WFtMwfuIO
- (´・ω・`)「だから市長杯と言えど手を抜かず、『皆の力で』勝ち抜いて行こう!」
/ ,' 3「分かり切った事を偉そうに…」
(´・ω・`)「…」
ショボンは『皆の力で』を強調したが、効果は無かったようだ。
/ ,' 3「さて、帰るかの」
(´・ω・`)「監督、これから次の対戦相手の試合なので偵察してもよろしいですか?」
(´・ω・`)「ね、ギコ?」
(,,゚Д゚)「あ〜俺はパスだ」
(´・ω・`)「浅田君」
(-@∀@)「行きたいのはやまやまでやんすが」
(-@∀@)(行っちゃうと夕方のアニメが見れないでやんす)
- 95 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:23:05 ID:WFtMwfuIO
- (´・ω・`)「じゃ、マネージャーは?」
ハハ ロ -ロ)ハ「スコアブックノ確認アルノデ無理デス」
ハハ ロ -ロ)ハ(観客席ノ椅子、イタイデス)
/ ,' 3「…汚綿、一緒に行ってやれ」
\(^o^)/(なんで僕www)
( ^ω^)「二人とも頑張るお」
- 96 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:23:47 ID:WFtMwfuIO
- バックネット裏
客席に出てすぐ前のところで、女性が絡まれていた。
「ヘーイお嬢さん、俺と一緒に田植えしてくれないかい?」
「だから何なんだ貴様は」
(´・ω・`)「どこかで聞いたやりとりだな」
(;^o^)(まさか止めに入ったりしないよね?)
(´・ω・`)「!」
「田植えが嫌ならミカン収穫しない?」
「黙れ」
(´・ω・`)「ちょっと君達」
\(^o^)/(行ったァ〜!)
- 97 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:25:03 ID:WFtMwfuIO
-
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「?」
(´・ω・`)「やっぱり君達だったか」
川 ゚ -゚)「貴様は確か…」
('A`)「おお、ショボンじゃねえか!」
(;^o^)(え?え?誰?)
(´・ω・`)「久しぶりだね、ドクオ」
('A`)「お前こそな!」
(´・ω・`)「君達にも説明しておかなくちゃね」
彼の名は毒尾剛。通称ドクオ。
中学はショボン・ーンと同じシニアに通い、一番センターとしてチームの中核を担っていた。
高校は彼らとは違う新速高校に入学した。
ちなみに新速高校は順当にいけば準々決勝でVIP高校と当たる。
- 98 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:25:52 ID:WFtMwfuIO
-
(´・ω・`)「ドクオは何をしてたんだい?」
('A`)「見ての通りナンパだよ!」
(´・ω・`)「彼は男の子だよ?」
(;'A`)「え?男の娘?」(萌!)
(´・ω・`)「だいたいうちの男子制服着てるだろ」
(;'A`)「男の娘で男装…」
Σ('A`)キュピーン(新ジャンル!)
川 ゚ -゚)「取り込んでいる様だ。失礼する」
(´・ω・`)「暇ならまた見に来てね」
素直空はショボンの言葉に応えず、出口の階段を下って行った。
- 99 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:25:58 ID:CUc9dipwO
- ちょっと田植えしていきますね支援
- 100 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:26:41 ID:WFtMwfuIO
-
(´・ω・`)「…」
('A`)「…何だよ」
(´・ω・`)「今、男もありだなって思ったろ?」
('A`)「確かに思った」
(^o^)(ホモォ…)
グランドでは次の試合が行われようとしていた。
(´・ω・`)「で、僕らのチームはどうだった?」
('A`)「新チームである事を差し引いても駄目だな」
- 101 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:27:35 ID:WFtMwfuIO
- ('A`)「打者はテイクバックしすぎで狙いが定まって無いし守備は腰が高すぎ」
('A`)「ピッチャーはアーム投げ。本当にピッチャーかって位だ」
('A`)「それに初戦敗退常連の面篦に九回投げてなんであんなに喜んでんの?」
('A`)「なあショボン。なんでブーン投げてないんだ?」
(´・ω・`)「知らないよ、監督の意向さ」
('A`)「色々大変だな」
(´・ω・`)「やってくしかないさ」
(^o^)「…」
(^o^)(気wまwずwいw)
- 102 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:28:59 ID:WFtMwfuIO
- ('A`)「そうそう、部活終わったらウチ来ねぇ?南実の準決勝の録画見ようぜ」
(´・ω・`)「お、いいね」
('A`)「横堀投げた練試のビデオもあるぜ」
(´・ω・`)「ブーンも呼んで行くよ」
('A`)「ああ!来い来い!」
(^o^)(僕空気w)
(^o^)(気を引かなければ忘れられる…)
(^o^)「あの!」
(´・ω・`)「何?オワタも来る?」
- 103 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:29:55 ID:WFtMwfuIO
-
(^o^)「何故ピッチャーのギコがあんなに喜んでいたか…」
(^o^)「僕は知っている!」
(;´・ω・`)「え!?」
(;'A`)「何…だと…」
(^o^)「…」
(;´・ω・`)「…」
(;'A`)「…」
(´・ω・`)「あんまり興味無い…かな」
('A`)「ああ」
\(^o^)/
- 104 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:31:22 ID:WFtMwfuIO
- 第3話おわり
- 105 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:32:47 ID:WFtMwfuIO
- 南出喪実業高校
春出場14回夏出場27回、優勝二回を数える名門。
VIP高校と同県、県内ではほぼ敵無し。
現在春夏連続で5回連続、夏は6年連続で出場している。
しかし近年、肝心の甲子園では低迷が続き、良くてベスト8の成績である。
- 106 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:34:37 ID:WFtMwfuIO
- \(^o^)/
汚綿人生 通称:オワタ 二年
ポジション:サード
左投げ左打ち
軟式上がりのプルヒッター。
特別パワーがある訳ではないがフルスイングを心掛けているので当たれば意外と飛ぶ。
しかし当たらないし、守備もバウンド予測が下手。
夏前の練習試合でまぐれ当たりのホームランを打った時から監督に目をつけられている。
ハハ ロ -ロ)ハ
ハロー・バイバイ 通称:ハロさん 一年
VIP高校野球部のマネージャー。
運動は嫌いだが文化部より運動部の方が進学に有利と聞いてマネージャーになった。
純粋なアメリカ人の血が流れるが帰化しているため国籍は日本。
ちなみに男。
- 107 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:35:19 ID:WFtMwfuIO
- ('A`)
毒尾剛 通称:ドクオ 二年(新速高校)
ポジション:中堅手
右投げ左打ち
ショボン、ブーンと同じシニアチームで一番を任されていた核弾頭。
小柄だが俊足巧打にガッツ溢れる守備と三拍子揃った好選手。
南実からの誘いもあったらしいが何故か新速高校に入学。
将来は家業の畑を継ぎ、兼業で小学生に野球を教えたいと思っている。
- 108 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:37:58 ID:WFtMwfuIO
- 田植えありがとうございます
>>73
砂の栄冠にはかなり影響されています。
高校野球オタの方々には是非読んで頂きたい。
- 109 :名も無きAAのようです:2012/08/07(火) 20:56:05 ID:lRHcK7Ww0
- 乙乙
監督差し引いてもダメチームの香りがして先が楽しみ
- 110 :名も無きAAのようです:2012/08/08(水) 00:51:44 ID:r1MH5DVkO
- 乙乙
女性AAが軒並み男な件
これはしぃも怪しぃな
しぃだけに
- 111 :名も無きAAのようです:2012/08/08(水) 10:38:42 ID:KNTxeRl60
- >>110
>>110
- 112 :名も無きAAのようです:2012/08/08(水) 18:06:07 ID:.LVJhGcA0
- 乙だがサードで左投げだと…
- 113 :名も無きAAのようです:2012/08/08(水) 20:24:12 ID:0aKXAOvoO
- すいません、疲れてました
汚綿は右投げ左打ちです…
- 114 :名も無きAAのようです:2012/08/14(火) 18:14:01 ID:65Ep.2LIO
- 改めて読み返すと酷い文章…
推敲し、きっちりとしたモノに作り直して投下します
- 115 :名も無きAAのようです:2012/08/14(火) 18:46:20 ID:jkY9It7.0
- 続きが気になるんだ
- 116 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:50:19 ID:KPHmiIXMO
- ('A`)「五回まではパーフェクトピッチングなんだよ。問題はここからだ」
(´・ω・`)「相手も優勝候補の春日部キョン栄だからね。二巡目となると流石にとらえ出すね」
('A`)「この回から横堀のストレートが浮き出すんだよな」
(´・ω・`)「甲子園の強豪、明訓との試合後、この真夏に中1日しかなかったんだ。超高校級と言えど消耗するさ」
('A`)「六回裏、怒濤の五連打で一挙三失点」
(´・ω・`)「配球は散らしてるけど、直球を狙われ始めたね」
('A`)「甘くなり始めたのを各自で見抜いて狙いを定める辺り、さすが春日部って感じだよな」
(^o^)「…」
(*^o^)(いいにおい…)
- 117 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:51:10 ID:KPHmiIXMO
-
(´・ω・`)「問題はこの次の南実の攻撃」
('A`)「先頭バッター一年生貰良のヒット、すかさず盗塁を決めた後二番四球三番の棺桶死がレフトへフェンスダイレクト」
(´・ω・`)「二球目に外角のフォークに空振りして追い込まれ、次の同じ球を叩いて、だ」
('A`)「かなり強引に持っていったな。上体が傾きながら尚、粘り腰で完璧に捕えてる」
(´・ω・`)「二年生で三番を任されてるだけあるよ…」
- 118 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:52:03 ID:KPHmiIXMO
- ('A`)「そして四番鳥山」
(´・ω・`)「内角のストレートを引っ張ってライナーでスタンドイン」
('A`)「142キロの直球を初球から叩いてんだからな」
(´・ω・`)「僕なら初球から勝負はしないね。一塁が空いてるんだから歩かせるの覚悟で配球するよ」
(´・ω・`)「ブーンがピッチャーだったら外のチェンジアップから入る」
(´・ω・`)「そうすれば内角の直球になんて手が出ない。出たら出たでタイミング合わず凡打だろう」
- 119 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:52:52 ID:KPHmiIXMO
- (*^ω^)「おっおっ!僕の勝ちだお!」
(´・ω・`)「ああ。勝ちはせずとも負けはないね」
(;'A`)「ブーンと組んだお前は中学の時からホント自信家だな」
(´・ω・`)「もちろんさ!ブーンと組めば無敵だからね」
(*^ω^)「無敵だお!」
('A`)「変わらないな、お前らは」
- 120 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:54:21 ID:KPHmiIXMO
-
(´・ω・`)「それから横堀はスライダーとシュート主体の投球に切り換えてから立て直してる」
('A`)「確かストレートよりもシュートの方が制球出来るんだったか?」
( ^ω^)「そんなのどこで聞いたんだお?」
('A`)「甲子園の星」
(´・ω・`)「しかしこの切れ味のシュートを内外角に投げわけられるとそう打てたもんじゃないね」
('A`)「南実もランナーは出すがあと一本が出ずに最終回」
- 121 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:55:05 ID:KPHmiIXMO
-
('A`)「春日部の攻撃、ツーアウト1、2塁でショートゴロ。それを後逸してサヨナラ」
(´・ω・`)「突っ込み過ぎたね、運悪くバウンドも変わってるし」
('A`)「無理しなくてもアウトに出来たかもな」
(´・ω・`)「早くピンチから脱したかったんだろうね」
('A`)「一年で南実の中心人物だ、調子乗ってたんだろ?」
( ^ω^)「きっとピッチャーを助けたかったんだお!」
(;^o^)(やっぱり僕ういてる…)
- 122 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:55:39 ID:KPHmiIXMO
- (;^o^)(何か…)
(^o^)「ぼぼぼぼくは!!!」
(;´・ω・`)A`)⊿゚)ξビクッ!!
(;^o^)「僕は…」
(´・ω・`)「…」
('A`)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
(^o^)(なんでここにいるんだろう…)
ξ゚⊿゚)ξ「…」
- 123 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:56:38 ID:KPHmiIXMO
-
(´・ω・`)「でも県勢で戦後20年ぶりのベスト4だ、胸を張って良いと思うな」
('A`)「奴らを気遣ってる余裕は無いぜ?わかってるよな」
(´・ω・`)「今挙げた三人に加えベンチに二人、センターの塞戸、ブルペンキャッチャーのフィレンクトが二年生だ」
('A`)「棺桶死もショート。中軸に見事下級生の粒が揃ってる」
( ^ω^)「来年楽しみなチームだおね!」
- 124 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:57:18 ID:KPHmiIXMO
- (;´・ω・`)「いや、僕らにとっちゃ今年から脅威さ…」
('A`)「だな。難攻不落の南実をどう攻略するか…それを探るための作戦会議だ。」
(´・ω・`)「あわよくば僕らに倒させて…なんて思ってるんだろう?」
('∀`)「バレた?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたら…」
- 125 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:58:08 ID:KPHmiIXMO
-
( ^ω^)「どうしたお、ツン?」
ξ#゚⊿゚)ξ「どうしたもこうしたも無いわよ!!ここはあたしの部屋よ!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「あっせ臭い男共が突然か弱いレディの部屋にゾロゾロ入って来て何コレ!?エロ漫画?」
( ^ω^)「か弱い?」
ボコッ!( ^ω(⊂ξ(゚⊿゚)ξウルセー
ξ#゚⊿゚)ξ「あーくっさ!マジくっさ!汗の酸っぱい臭いに混じって魚介類の臭いまでするし!」
- 126 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:58:48 ID:KPHmiIXMO
- ξ#゚⊿゚)ξアーモー(ファブリーズを部屋中にかけて回る)
('A`)「あーゴメン。手洗うの忘れてたわ」
シネーξ#゚⊿゚)ξ三つ)゚A)タワバッ
ξ#゚⊿゚)ξ「大体なんでいちいちあたしの部屋に来るの!?っけんじゃないわよ!!」
()A`)「だって俺の部屋テレビ無いし…」
- 127 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 02:59:35 ID:KPHmiIXMO
- ξ#゚⊿゚)ξ「お前が真夜中にえっちビデオばっか見るから没収されたんでしょうが!」
ξ#゚⊿゚)ξ「隣の壁から丸聞こえなのよ!!」
()A`)「いやあハハ…これ返すからさ…」
()A`)っ▼
アタシノパンツジャネーカξ#゚⊿゚)ξ三つ)A)ヒデブッ
(;^o^)(黒…)
- 128 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:00:32 ID:KPHmiIXMO
-
(;^ω()「おっ落ち着くお!」
ξ#゚⊿゚)ξ「こいつを殺してお前らも殺す!」
\(^o^)/
( ;ω()「こ…こわいお…。」
(´・ω・`)「安心しなよ、いつもの事だ」
ξ#゚⊿゚)ξ「完全に息の根を止めてやる、クソ兄貴ィ!!」
(;^o^)(兄…貴?)
- 129 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:01:18 ID:KPHmiIXMO
-
(::;"A(;;;::##;:)「申し遅れたな。こいつは俺の妹で新速高校のマネージャー、毒尾ツン子だ」
ξ゚⊿゚)ξ「ツンって呼んでね。それ以外で呼ぶと処刑」
(;^o^)「よろしく…」
(;^o^)(可愛いけどそれ以上に恐ろしい…)
(´・ω・`)「いいかな?横堀とフィレンクトの出てるビデオ見たいんだけど」
(::;"A(;;;::##;:)「オッケーだ。ツン、持って来てくれ」
- 130 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:02:05 ID:KPHmiIXMO
- ξ゚⊿゚)ξ「はい、どーぞ」
(´・ω・`)(南実の次期正捕手フィレンクト…リードだけなら上級生をも上回ると聞いてる)
(´・ω・`)(だが今日で丸裸にしてやる)
(*´・ω・`)(丸裸に!)
ξ゚⊿゚)ξ「きめえ」
- 131 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:02:49 ID:KPHmiIXMO
- 第4話
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)(また来てしまったな)
市長杯は公式戦ながらAA市民球場が無料解放される。
甲子園では南実が負け、行き場を失った地方の高校野球ファン達の目は
新速高校、馴合高校、そしてVIP高校と夏のベスト8が揃い踏みする市長杯へと向いた。
第一試合、順当に新速高校が準々決勝への切符を掴んだ。
そして今は馴合高校とVIP高校の試合の真っ最中である。
VIP高校陸上部のゴールデンルーキー、砂緒空はランニングと称して部活を抜け出し、球場へと足を運んでいた。
- 132 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:03:38 ID:KPHmiIXMO
- 川 ゚ -゚)(私は…期待しているのか?)
「あれ?アンタ…」
少女の様な風体の後ろで声がした。
('A`)「よお!また会ったな!」
川 ゚ -゚)「新速の野球部か」
ξ゚⊿゚)ξ「誰よコイツ」
('A`)「VIP高校の英雄だよ」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ…」
- 133 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:04:19 ID:KPHmiIXMO
-
('A`)「隣いいか?」
川 ゚ -゚)「どうぞ」
試合は五回を終わり1-3で馴合高校がリード。
両チームの選手はグランド整備のために自軍ベンチへと引き返していた。
('A`)「前も来てたよね、VIP高の応援に」
川 ゚ -゚)「ああ」
('A`)「結構熱心なんだね、野球好きなの?」
川 ゚ -゚)「…」
- 134 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:05:08 ID:KPHmiIXMO
-
ξ゚⊿゚)ξ「何よ、陰気な奴ね」
ツンは足を組み、メモ帳を取り出しながら毒を吐く。
('A`)「お、出てきたぜ」
整備が終わり、ダグアウトから馴合高校の選手達が守備位置へと走っていく。
川 ゚ -゚)「お前は練習に行かなくていいのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「この試合の勝者が次の相手だからね。ちゃんと監督の許可は取ってるわよ」
メモ帳から目を逸らす事もなくツンは口を挟んだ。
- 135 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:05:49 ID:KPHmiIXMO
- (;'A`)「あー!簡単に手を出しすぎなんだよ…」
VIP高校は呆気なく三者凡退。
攻守が入れ代わり今度はVIP高校がグランドへと駆けていく。
('A`)「そういう君は練習に戻らなくてもいいのか?」
川 ゚ -゚)「む…」
少し黙った後、
川 ゚ -゚)「そうだな」
と席を立つ空をドクオが制止する。
('A`)「いや…別にそんなつもりで言ったんじゃないんだ」
馴合高校の先頭バッターはセーフティーバント。
ピッチャーのギコはボールを拾い上げるものの一塁への送球は出来なかった。
- 136 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:06:35 ID:KPHmiIXMO
- (:'A`)「かあ〜…フィールディングが遅れたな…」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)「悪かったよ。見ていきなって」
空は再び席に腰掛けると同時だった。
乾いた金属音と歓声が沸き上がる。
グランドでは四球二つで満塁になったランナーが右中間を抜くタイムリーツーベースで一掃されていた。
点差は四点。
それから更に暴投二つで二塁ランナーは本塁へ帰塁する。
- 137 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:07:17 ID:KPHmiIXMO
- そして、
(;'A`)「え?」
守備の交代。
捕手のショボンがベンチへと引き返していく。
(;'A`)「なんでだよ!?今のはパスボールじゃなくて暴投だろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「次の攻撃は三番のショボンに回るのに…」
(;'A`)「なんだってんだ…。勝負捨てたのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「温存かしら?一応ショボンは注目選手だし」
- 138 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:08:18 ID:KPHmiIXMO
- ('A`)「だったらまだいいんだがな…」
変わった捕手、下級生の尚流 洋はパスボールを連発。
ヒットも重ねられ、あれよあれよでいつの間にか点差は九点まで拡がっていた。
ξ;゚⊿゚)ξ「コールド圏内…」
('A`)「こうなるわな…」
('A`)「下級生に経験を積ませるという点ではいいが…」
(-A-)「こりゃさすがにVIP高との勝負はお預けかな」
- 139 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:09:04 ID:KPHmiIXMO
- やっとの事で3つ目のアウトを取り、VIP高校の攻撃にうつる。
この回三点以上取れないとコールドゲームが成立する。
(-A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「…」
('A`)(鳥肌たってやがる…)
淡々とアウトの赤いランプが点灯していく。
川 ゚ -゚)「!?」
空の横目に見覚えのあるシルエットが映った。
川;゚ -゚)「コーチ…」
- 140 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:10:24 ID:KPHmiIXMO
- (´・_ゝ・`)「楽しんで見られたかしらん?」
('A`)(コーチ…?)
(´・_ゝ・`)「小耳には挟んでいたけど、本当にトレーニングさぼってこんな所にいるとはね」
川 ゚ -゚)「申し訳ありません、コーチ」
(´・_ゝ・`)「まさか、野球に興味でも持っちゃったのかしらん?」
空は軽く首を振る。
川 ゚ -゚)「いいえ、断じて野球には興味はありません」
(´・_ゝ・`)「そう…?ま、いいわ。高校に戻りなさい」
川 ゚ -゚)「…はい」
- 141 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:11:05 ID:KPHmiIXMO
- 静かに立ち上がりその場を離れる空。
川 ゚ -゚)(…陸上にも無いがな)
('A`)「!」
ドクオの耳にそんな言葉が飛び込んで来た。
(´・_ゝ・`)「空…」
(´・_ゝ・`)「あなたは絶対にアタシから離れる事はできないんだから…」
('A`)「…」
コーチと呼ばれた男にその声が届いたのか、ドクオには知る由も無かった。
- 142 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:12:20 ID:KPHmiIXMO
- 第4話おわり
第5話は今晩中投下します
- 143 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 03:19:07 ID:iQkf8rngO
- おい、続きが気になるじゃねえか
今晩だぞ、待ってる
- 144 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 04:01:14 ID:KPHmiIXMO
- また間違えてら…
>>136
点差は五点です
- 145 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 06:48:14 ID:Sou3gUR.0
- おっつおっつ
クーがどう絡んでくるのか気になるな
- 146 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:18:29 ID:KPHmiIXMO
- 訂正>>123
棺桶死はショートでなくセカンド
訂正ばっかですみません、ホント
- 147 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:19:10 ID:KPHmiIXMO
- (´-ω-`)グー
「おい、知ってるか」
「何を?」
「陸上部の一年にスゲエ奴いるだろ?」
「知ってる知ってる!砂緒空とかいう奴だろ?可愛いよな。アタックしようかな?」
「あんなかわいい子が女の子のはずねえよ!」
「あいつならぶっちゃけ男でも構わないんだが…」
(´-ω・`)「…」
- 148 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:19:57 ID:KPHmiIXMO
- 「それがよ…あのオカマコーチとできてるらしいぜ」
「マジかよ…」
「二人でホテル街の方へ歩いて行くのを見た奴がいるんだよ」
(´・ω・`)「…」
「…」
「…」
(´・ω・`)「やらないか?」
ガタッガタッ
ダダダダ…
(´・ω・`)「ウェイト…」
- 149 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:21:01 ID:KPHmiIXMO
- 第5話
(´・ω・`)「よーし!ライト行くぞ!」
市長杯が終わり、VIP高校野球部は秋季大会に向け練習に励んでいた。
(´・ω・`)「次!」
('(゚∀゚∩「はいっ!」
(´・ω・`)「レフト!」
尚流から渡された球をショボンはグランドのあちらこちらへ飛ばしていく。
投手陣がランニングに出ているため、捕手の二人がノッカーをかって出ていた。
- 150 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:21:56 ID:KPHmiIXMO
-
○⊂(゚∀゚∩「先輩」
ポテ
○⊂(´・ω・`)「何?」
カキーン
○⊂(゚∀゚;∩「あの…すみませんでしたよ」
ポテ
○⊂(´・ω・`)「何が?」
カキーン
- 151 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:22:50 ID:KPHmiIXMO
- ○⊂(゚∀゚;∩「市長杯での交代ですよ」
ポテ
○⊂(´・ω・`)「ああ、問題無いよ」
キン
○⊂(゚∀゚;∩「でも、なおるよのせいで勝ちの可能性を消しちゃったみたいなもんですよ」
ポテ
○⊂(´・ω・`)「馬鹿な事言うな」
カキーン
(´・ω・`)「あくまで本番は秋季大会。市長杯なんて練習みたいなもんさ」
- 152 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:23:24 ID:KPHmiIXMO
- ('(゚∀゚;∩「あ…」
(´・ω・`)「でもその責任感は大事だ」
('(゚∀゚∩「先輩…」
(´・ω・`)「君は若干単調なリードを研究して場数を踏めば絶対にいいキャッチャーになれるはずだ」
(´・ω・`)「今日秋季大会の背番号が発表になる。尚流がマスクかぶる事もあるだろうし、しっかりたのむよ。」
('(゚∀゚*∩「なおるよは一生先輩についていくよ!」
(´・ω・`)「よし、体育館のトイレに行こうか?」
- 153 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:23:56 ID:KPHmiIXMO
-
(;^ω^)「尚流、逃げるお!」
(,,゚Д゚)「うーい、戻ったぞ〜」
(´・ω・`)「ちぇっ…残念」
(,,゚Д゚)「そしてお前ら〜!監督が呼んでんぞ〜!部室へ集合だゴルア!」
(´・ω・`)「発表だな…」
(*^ω^)「ワクワクするお!」
- 154 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:24:46 ID:KPHmiIXMO
- 部室
/ ,' 3「皆揃ったかの?市長杯はじゅげむじゅげむごこうのすりきれ…」
(´・ω・`)(恐らく僕もブーンもベンチ外という事はない)
/ ,' 3「パイポパイポ…」
(´・ω・`)(市長杯は試合を重ねられなかったけど、秋季大会で勝ち進めば絶対にブーンの出番はあるはずだ!)
/ ,' 3「くうねるところに一層精進してすむところを言及…」
( ^ω^)(まだかお〜)
- 155 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:25:33 ID:KPHmiIXMO
- / ,' 3「ぽんぽこぴーのぽんぽこなーのちょうきゅうめいのちょうすけ。では秋季大会の背番号を発表するぞい」
荒巻監督は手元にあった書類を取り出して読み上げる。
レギュラー番号は次の通りである。
1 茂木 康平 二年生
2 佐世保 翔太 二年生
3 備考 詳 二年生
4 浅田 俊人 二年生
5 汚綿 人生 二年生
6 山崎 渉 二年生
7 荒井 大毅 二年生
8 荒井 興毅 二年生
9 荒井 和毅 二年生
ブーンは二番手投手の10、一年生捕手の尚流は18となった。
- 156 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:26:09 ID:KPHmiIXMO
- / ,' 3「秋季大会はこのメンバーで登録する予定ぞい」
(´・ω・`)(メンバーは市長杯からほとんど変わらずか。粗方予想通りだな。)
/ ,' 3「というわけじゃ。グランドを片付け今日は解散するぞい」
- 157 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:26:58 ID:KPHmiIXMO
- (´・ω・`)「ん?」
ショボン達がグランドに戻るとマウンドにシルエットがある。
川 ゚ -゚)「…来たか」
砂緒空だ。
(´・ω・`)「どうしたんだい、こんなところで?」
川 ゚ -゚)「ここのエースで四番、出て来い」
- 158 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:27:53 ID:KPHmiIXMO
-
(,,゚Д゚)「あ?」
川 ゚ -゚)「私と勝負をしろ」
(,,゚Д゚)「何言ってんだてめえゴルア?」
川 ゚ -゚)「打者としてでも投手としてでもいい。私と勝負しろ」
(,,゚Д゚)「めんどくせえ奴がきやがったぜ…」
川 ゚ -゚)「勝負すると言うなら私が入部してやる、しかし…」
(,,゚Д゚)「わかったわかった、やってやるからとっとと失せ…」
川 ゚ -゚)「私が勝ったら退部しろ」
- 159 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:28:40 ID:KPHmiIXMO
-
(,,゚Д゚)「…」
(;,゚Д゚)「…は?」
その場にいる全部員が意表をつかれて凍り付く。
(;,゚Д゚)「一応聞くが…誰が退部?」
川 ゚ -゚)「勿論お前がだ。背番号も一緒に賭けてもらう」
(;,゚Д゚)「ば、馬鹿かてめえ!?なんで俺が退部しなきゃならねえんだ!?」
- 160 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:29:34 ID:KPHmiIXMO
- 川 ゚ -゚)「それはお前が負けたらの話だ」
(;,゚Д゚)「だいたいてめえが入部しようがしまいが俺はどうって事ねえんだよ!」
(;,゚Д゚)「入部したけりゃ勝手にすりゃいいじゃねえか!!!」
川 ゚ -゚)「それでは駄目だ。そうでなければ本気の勝負が出来ない」
(;,゚Д゚)「やるわけねーだろゴルア!」
川 ゚ -゚)「逃げるのか?」
(;,゚Д゚)「そんなデメリットしかねえ条件呑めねえっつってんだよ!」
- 161 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:30:20 ID:KPHmiIXMO
-
川 ゚ -゚)「む…弱ったな…」
(;,゚Д゚)「わかったらさっさと行けゴルア!」
川 ゚ -゚)「ならば他に誰かいないか?」
(;,゚Д゚)「無視すんなゴルア!!」
(´・ω・`)(こう見えて僕らも必死なんだ、向かうところは違えどね。退部賭けて勝負なんて…)
「僕がやるお」
- 162 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:31:27 ID:KPHmiIXMO
-
(;´・ω・`)「え?」
(*^ω^)「だから僕がやるお!」
川 ゚ -゚)「そうか、ならば打者か投手か選んでくれ」
( ^ω^)「僕はピッチャーだから勿論…」
(;´・ω・`)「何を勝手な事を、ブーン!」
( ^ω^)「どうしたお?」
(;´・ω・`)「どうしたじゃないよ!さっきギコが言ってた通りだ!」
(;´・ω・`)「こんな勝負で君が何を得するんだ!?」
( ^ω^)「え?得するじゃないかお?」
- 163 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:32:43 ID:KPHmiIXMO
-
(;´・ω・`)「何?」
(*^ω^)「仲間が増えるじゃないかお!」
(;´・ω・`)「君という奴は…」
/ ,' 3「何の騒ぎじゃ?」
遅れて荒巻監督が部員をかき分けてやってきた。
(´・ω・`)「それが…」
ショボンはこの状況に至った経緯を話す。
- 164 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:33:31 ID:KPHmiIXMO
-
/ ,' 3「おや?」
川 ゚ -゚)
/ ,' 3(こやつは確かデミタスの…)
(;´・ω・`)「監督からも一言お願いします」
/ ,' 3「フォッフォッフォッ!!」
荒巻は突然高らかに笑い、一言を放つ。
/ ,' 3「やれ」
- 165 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:34:27 ID:KPHmiIXMO
-
(;´・ω・`)「なっ!」
/ ,' 3「ヒット性の当たりならば挑戦者の勝ち。凡打ならばお前たちの勝ちでいいの?」
( ^ω^)「よーし、ショボン!キャッチャー頼むお!」
ブーンはすでにマウンドで屈伸をしている。
/ ,' 3「守備につく必要はないぞい。ジャッジはワシがしてやる」
(;´・ω・`)「ちょっと待って…監督!!」
/ ,' 3「どうした佐世保?持ち場につけ」
(;´・ω・`)「う…」
ショボンはマスクとミットだけを着けて渋々ホームベースの後ろに腰を降ろす。
(;´・ω・`)(始まってしまった事はしょうがない…ここはプラスに考えよう)
- 166 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:35:13 ID:KPHmiIXMO
-
(´・ω・`)(裏を返せばブーンの力を監督に見せ付けるチャンスだしね!)
/ ,' 3(ククク…面白くなってきおったわい)
砂緒が一つ、二つと素振りをして左バッターボックス中腹へと入る。
(´・ω・`)「左打ちなんだね」
川 ゚ -゚)「ああ、こちらの方が一塁に近いからな」
(´・ω・`)「野球はやった事はあるの?」
- 167 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:35:51 ID:KPHmiIXMO
-
川 ゚ -゚)「いや、全く無い」
(´・ω・`)(だろうね。さっきの素振りを見てもわかる)
(´・ω・`)(脇が酷く開いている。指導者がいれば絶対に指摘されるはずだ)
(´・ω・`)(ドアスイングに対する攻め方は一つ)
( ^ω^)(オッケーだお、ショボン!)
- 168 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:36:38 ID:KPHmiIXMO
-
ブーンはマウンドで振りかぶる。
川 ゚ -゚)
砂緒はそれにあわせて右足の踵を上げる。
川 ゚ -゚)「!」
球がミットへおさまる。
砂緒のバットは動かなかった。
- 169 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:37:25 ID:KPHmiIXMO
- (´・ω・`)(確かにセンスはある。滑らかなスイングの軌道だし、見逃し方は潔い)
(´・ω・`)(でも内角へのストレート。脇を締めないとまず手が出ないだろ?)
一球目、ストライク。
(´・ω・`)(そして次の球がネックだ)
ボールをブーンへと返し、ショボンは座る。
- 170 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:38:47 ID:KPHmiIXMO
- (´・ω・`)(バッターには『内角が打ちにくかった』という意識が残る)
(´・ω・`)(そこであえての…)
ショボンはミットを外角に構えてサインを出す。
( ^ω^)(行くお!)
シュッ
川 ゚ -゚)「!」
ブンッ
今度は砂緒のバットが空を切る。
ベースの手前で球が沈んだのだ。
(´・ω・`)(外角低めの落ちるスライダー)
- 171 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:39:51 ID:iaS6AV020
- 絡んできたか
wktk
- 172 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:40:08 ID:KPHmiIXMO
- (´・ω・`)(内角一辺倒だと勘が鋭い奴ならば修正される恐れがある)
(´・ω・`)(その芽を潰す)
二球目、ストライクで追い込む。
(´・ω・`)(そして最後)
ショボンは砂緒の脇が尚、開いているのを見て再び内角へ構える。
(´・ω・`)(遊び球はいらない。気付かれる前に決める!)
( ^ω^)
ブーンの両腕が高く上がる。
川 ゚ -゚)
砂緒の左足に重心が集まる。
(´・ω・`)(内角のストレートで…)
川 ゚ -゚)グッ
(;´・ω・`)(なっ!)
- 173 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:41:00 ID:KPHmiIXMO
-
球がブーンの手を離れると同時に砂緒の右足が目一杯外側へ踏み込まれる。
キイーン!!
ジャストミート。
一塁線上空をライナーが飛んでいく。
グランドの先にある体育館まで軽々達するであろう勢いだ。
(;´・ω・`)(切れろ!)
打球はかなり向こうで切れ、体育館の右端にぶつかり跳ね返った。
- 174 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:41:39 ID:KPHmiIXMO
-
(;´・ω・`)(あ…危ない…)
VIP高校の野球グランドは野球専用のものではなく長方形をしている。
練習試合となれば簡易のフェンスを使って両翼を調整するが、それ以外では右翼が極端に長い。
そのためライトへのホームランの判断はとても難しくある。
先程は際どい打球であった。
だが、このグランドで練習をしてきたショボンには打球がファールであるという確信があった。
(;^ω^)「ちょっとひやっとしたお」
それはブーンも同じだ。
- 175 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:42:29 ID:KPHmiIXMO
-
(´・ω・`)「ドンマイブーン!次で決めよう!」
(;´・ω・`)(驚いたよ。変化球を見たあと、あのコースにあんな強引に対処してくるなんて…)
(´・ω・`)(普通あのバッティングでは完全にファールしか打てない)
(;´・ω・`)(でも、手首を反さずに振り抜くなんて…)
(;´・ω・`)(リストが強いだけじゃない。よほどの打者でもとっさに出来るものではないね)
川 ゚ -゚)
一瞥すると砂緒の涼しい顔が映る。
(;´・ω・`)(恐るべしだ)
/ ,' 3「ホームランじゃ」
- 176 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:43:10 ID:KPHmiIXMO
-
(´・ω・`)
( ^ω^)
/ ,' 3「どうした?今のはホームランじゃ。お前たちの負けじゃ」
(;´・ω・`)「馬鹿な!?」
川 ゚ -゚)「そうなのか?」
/ ,' 3「フォッフォッ!ここに砂緒空の入部、内藤ホライゾンの退部を認める!!」
(;´・ω・`)「ま!!?」
( ^ω^)「…」
/ ,' 3「なんじゃ佐世保?不服そうじゃの?」
- 177 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:44:01 ID:KPHmiIXMO
- (;´・ω・`)「当たり前です!今のは際どいながらファールだったはずです!」
/ ,' 3「…佐世保」
(;´・ω・`)「…」
/ ,' 3「お前は試合で審判に文句をつけるのか?」
/ ,' 3「そうすればそれが覆るのか?」
(;´・ω・`)「それは…」
/ ,' 3「ジャッジはワシじゃと言っとろう?あまりしつこいとお前も退部じゃ」
(;´・ω・`)「ぐっ…」
- 178 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:44:42 ID:KPHmiIXMO
-
言葉に詰まるショボンを鼻で笑いながら、荒巻はグランドから出ていく。
川 ゚ -゚)「…」
砂緒は空を見上げる。
川 ゚ -゚)「また…勝ってしまった…」
そしてそんな事を呟くが、
(;´・ω・`)「クソッ!」
ショボンの耳には届かない。
( ^ω^)
ブーンは球が飛んでいった体育館の方を無言で見つめている。
- 179 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:45:17 ID:34dpiSms0
- 荒巻ウゼェ...
支援
- 180 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:45:30 ID:KPHmiIXMO
-
(;´・ω・`)(ブーンを僕のせいで失うわけにはいかない!)
(;´・ω・`)(どうする?どうすれば…)
ショボンの目が見開かれる。
意志を持った瞳がそこにはあった。
(´・ω・`)「監督!」
/ ,' 3「…なんじゃ?」
(´・ω・`)「ジャッジをお願いします」
/ ,' 3「覆えらんと言ったはず…」
(´・ω・`)「いいえ」
(´・ω・`)「僕も砂緒と勝負します!」
(´・ω・`)「内藤の退部と僕の退部を賭けて…!」
- 181 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:47:53 ID:KPHmiIXMO
- 第5話終わり
- 182 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:48:35 ID:KPHmiIXMO
-
あの日、あの試合の記憶。
僕は絶対に忘れない。
(;´-ω-`)「…」
グラウンドで抱いた絶望、諦め。
(;´・ω-`)
でも君だけは違った。
(*^ω^)「いくおおおお!!」
(;´・ω・`)「!?」
僕は君に憧れたんだ。
- 183 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:53:07 ID:KPHmiIXMO
- とても中途半端ですがこれで第一章終了です。
展開と言うよりも切り換え重視で章を区切ってます。
二章もこれまでのペースで投下出来ればと思います。
支援、その他書き込みには力を貰ってます。ありがとう
- 184 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 21:54:31 ID:34dpiSms0
- 乙!
やっと物語の中心の三人が絡んできたか...
これからどうなるのやら...期待してる!
- 185 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 22:21:35 ID:iQkf8rngO
- なるべく早く、次を頼むよ
いいところで区切りやがって!
- 186 :名も無きAAのようです:2012/08/21(火) 23:28:22 ID:iaS6AV020
- 荒巻にというかこの現状に対するフラストレーションがどう爆発するか楽しみ
- 187 :名も無きAAのようです:2012/08/22(水) 00:42:15 ID:4.9f30Zw0
- 熱くなってきたね
面白いんだから自分のペースで焦らずやってくれ
ほんとに楽しみな現行だ
おつ
- 188 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:23:03 ID:w22f4dn6O
- 陸上を始めたのは中学二年の中頃であった。
それまで特別運動に取り組んでいた訳でもなく、
取り分けスポーツが好きな訳でも無い。
それまでは部活には入らず、体育の授業は適当に流す、そんな中学生だった。
しかし
入部したのが大会の1ヶ月前にも関わらず、私は大差で優勝していた。
必死で努力した訳ではない。
ただ人並みに、もしくはそれ以下に練習しただけだ。
それでも、前方の集団を次々追い抜いて行き、私に追い付ける者はいなかった。
- 189 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:24:21 ID:w22f4dn6O
-
思い返すと物心ついた頃からそうだったかもしれない。
私は敗北らしい敗北を知らない。
その過程で、沢山の人々を蹴落としてきた。
死に物狂いでモガく努力家達を踏み躙る結果となった。
さぞかし怨まれた事だろう。
救世主、新星、私は周囲に持て囃される一方で、
部活においては打ち解けられる様な人間は持てなかった。
悲しくは無い。
辛くも無い。
ただ、何とも思わなかった。
全てに対し、何とも思わなかった。
- 190 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:24:55 ID:w22f4dn6O
- 第6話
川 ゚ -゚)「…」
/ ,' 3「何じゃと?」
(´・ω・`)「僕も退部を賭け、砂緒と勝負します。」
(´・ω・`)「打者として僕が勝てば内藤の退部は取り消し、砂緒が勝てば僕は退部」
(´・ω・`)「これで賭けは成立するはずです、君もそれでいいね?」
川 ゚ -゚)「ああ、それでいいぞ」
(´・ω・`)「尚流、すまないがキャッチャーを頼む」
('(゚∀゚∩「わかったよ!」
- 191 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:26:19 ID:w22f4dn6O
-
/;,' 3「…」
荒巻の額にうっすらと汗が滲んでいるのをショボンははっきりと見てとれた。
(´・ω・`)(ジジイ、焦ってるね。いい傾向だ。)
(´・ω・`)(自分で言うのもなんだけど攻守中心の捕手が抜けるのはさすがに…って感じか?)
そうならば判定も恐らく甘くはなるだろう。
(´・ω・`)(でもブーンの勝負をあっさり認めてしまった手前、否定なんて出来ないよね?)
ショボンは身に着けていたマスクとミットを尚流に渡し、キャッチャーボックスへ行く様に促す。
(´・ω・`)(僕が負けるような事があれば…)
ショボンはバットを持ち、素振りを一つ。
(´・ω・`)(ブーンと一緒に退部届を突き付けてやるよ!)
- 192 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:27:01 ID:w22f4dn6O
- 川 ゚ -゚)「借りるぞ」
(;-@∀@)「あ、ハイでやんす!」
砂緒空はアサピーから借りたグローブをはめてマウンドに立つ。
川 ゚ -゚)「投球に関しては色々と複雑そうだ。すまんが二、三球練習させてもらうぞ」
(´・ω・`)「謝らなくてもそれが普通だよ。どうぞ」
川 ゚ -゚)「先程、彼の投球は見ていた。大体理解はしているつもりだ」
- 193 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:27:47 ID:w22f4dn6O
- 砂緒空は右足をプレートに掛ける。
('(゚∀゚∩「大丈夫だよ!最初は軽く流すくらいに投げるんだよ!」
川 ゚ -゚)「わかった」
そして独特のフォームから球が放たれ、山なりにミットへとおさまる。
(´・ω・`)「…」
('(゚∀゚∩「…」
/ ,' 3「…」
砂緒空は野球に関し、完全な素人。
言うなれば当然なのかもしれない。
川 ゚ -゚)「…む?」
- 194 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:28:37 ID:w22f4dn6O
- だが、打者としての才能を見せ付けた後でもあり、その場にいた者はその光景に目を疑った。
(´・ω・`)(女の子…投げ?)
川 ゚ -゚)「馴れ親しんだ投げ方がしっくり来ると思ったのだが、そうでもないようだな」
(´・ω・`)(あ、そうか)
砂緒空は十種競技の選手だ。
その内の一つ、砲丸投げのフォームなのだとショボンは気付いた。
- 195 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:29:20 ID:w22f4dn6O
- 川 ゚ -゚)「すまんな。馬鹿にしたつもりはない。もう一度投げなおす。」
砂緒は仕切りなおし、大きく振りかぶる。
ダイナミックながらオーソドックスなオーバースローだ。
(´・ω・`)(ギコのフォームだね)
今度はパシッと音を鳴らしてミットに入る。
(,,゚Д゚)「チッ…なんだよ、おせえじゃねえか」
120キロ前後だろうか。
ベース手前で失速、キレもノビも無い球だ。
(´・ω・`)(未経験者なんだ。むしろ120も出れば十分凄いよ)
- 196 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:30:12 ID:w22f4dn6O
- 川 ゚ -゚)「よし、大体コツは掴んだ。打席に立ってくれていいぞ」
ショボンは右のバッターボックスへ入る。
(´・ω・`)(少し拍子抜けした。この程度なら初球から行かせて貰うよ)
川 ゚ -゚)
川 ゚ -゚)(右膝…右肘右肩首)
川 ゚ -゚)(重心移動、腰・胸)
- 197 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:30:53 ID:w22f4dn6O
- 川 ゚ -゚)(そして放つ)
ビュッ
(;´・ω・`)「うっ!?」
ガンッ
('(゚∀゚;∩「うわっ!」
内角高め。
完全に打ち気のショボンだがバットはグリップが動いたものの、スイングする事が出来なかった。
ショボンの後方では聞きなれない音と尚流の声が聞こえた。
(;´・ω・`)
('(゚∀゚メ;∩「う…」
振り返るとマスクが脱げ、尻餅を着いた尚流がいた。
- 198 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:31:44 ID:w22f4dn6O
- (;´・ω・`)(140は出てたぞ…?)
一球目、ストライク。
川 ゚ -゚)「無事かキャッチャー?」
('(゚∀゚メ;∩「これくらいならすぐなおるよ!」
速球を捕り損ない、球がマスクに直撃したらしい。
尚流はゆっくりと立ち上がり、転がる球を拾い、砂緒に投げ返す。
川 ゚ -゚)「さて、次だ」
('(゚∀゚メ∩「…」
尚流がマスクをかぶり直したのを見て、砂緒はプレートにつく。
- 199 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:33:12 ID:w22f4dn6O
-
(;´・ω・`)(ハハ…笑うしかないね)
ショボンは横目でキャッチャーミットの位置を確認する。
しかし、ミットはまだ構えられていない。
(;´・ω・`)(…参ったな)
二球目。
外角低めいっぱいのストレート。
見逃しのストライクである。
(;´・ω・`)(外角低め…)
(;´・ω・`)(まさかな…)
('(゚∀゚メ∩「…」
- 200 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:33:54 ID:w22f4dn6O
- そして三球目。
またもショボンは横目でミットを確認するが、尚流はなかなか構えない。
川 ゚ -゚)
シュッ
バシッ
明らかに高めの釣り球。
尚流のミットに入るが、バットは動かずボール。
(´・ω・`)「…」
(´・ω・`)(今の球で確信したよ)
('(゚∀゚メ∩「…」
(´・ω・`)(君には期待してたし、信頼もしてたんだけどなあ…尚流)
- 201 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:34:34 ID:w22f4dn6O
- 二球目に砂緒が投げた外角低めはショボンの最も苦手とするコースだ。
そして三球目の釣り球。
ショボンはそれが釣り球ではなく、ただの暴投だと思いたかった。
しかし、尚流はしっかりと球を捕球した。
初球の140キロを捕れなかった尚流がだ。
それは尚流自身が釣り球を要求した事を物語っていた。
('(゚∀゚メ∩(ゴメンよ、先輩…)
('(゚∀゚メ∩(でもこれは僕にとって大チャンスなんだよ!)
(´・ω・`)(捕手でベンチ入りは僕ら二人だ)
(´・ω・`)(僕が居なくなれば必然的にレギュラーは君に回るからね)
- 202 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:35:30 ID:w22f4dn6O
- (´・ω・`)(仕方ない。不正を期待した僕も悪かった)
(´・ω・`)(一か八かだけど"公正なルール"に乗っ取って勝負させてもらう)
カウントはツーストライクワンボール。
ベンチの前。
荒巻は腕組みをして勝負の行方を見守っていた。
/ ,' 3「これはトんだ掘り出し物じゃの」
(´・_ゝ・`)「楽しそうな事してるわねん?」
その荒巻の隣に長身の人影が並んだ。
- 203 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:36:29 ID:w22f4dn6O
- / ,' 3「…デミタスか」
(´・_ゝ・`)「あなた、ウチのくぅちゃんにちょっかい出して何のつもり?」
/ ,' 3「残念ながらすでにワシのもんでもあるぞい?」
/ ,' 3「それに勘違いするな。言い出しっぺは向こうじゃよ」
(´・_ゝ・`)「何ですって?」
- 204 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:37:13 ID:w22f4dn6O
- / ,' 3「いやはや、奴は物凄い才能の持ち主じゃ。陸上だけに留まらせるには勿体ないわい」
(´・_ゝ・`)「…」
デミタスは一度目を伏せた後、グランドへと目を向ける。
ダイヤモンドの内では四球目が投げ込まれようとしていた。
(´・ω・`)(さて、勝負だよ、砂緒、尚流。)
川 ゚ -゚)スウッ…
(´・ω・`)グッ
川 ゚ -゚)
ビュッ
- 205 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:37:51 ID:w22f4dn6O
-
('(゚∀゚メ;∩「えっ!?」
ショボンはバットを両手で抱える。
('(゚∀゚メ;∩(バント!?)
(´・ω・`)(やっぱり外角低めに来たな、尚流)
球はバットに当たって跳ね返り、砂緒の右側へと転がっていく。
同時にショボンは全速力で一塁へと走る。
(´・ω・`)(普通この状況ならばピッチャーゴロの判定だろう)
砂緒は転がる球を拾う。
- 206 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:38:38 ID:w22f4dn6O
-
(´・ω・`)(拾ったね)
(´・ω・`)(このルールでは例えばセカンドゴロやセンターフライみたいに見えない守備に掛かるならば)
(´・ω・`)(荒巻監督の判定に全てが委ねられる)
(´・ω・`)(だが、今砂緒は打球を拾った。つまり砂緒が僕をアウトにしなければならない)
(´・ω・`)(そして一塁には…)
ショボンは目の前のベースを見る。
(´・ω・`)(人はいない!直接タッチする以外にアウトにする方法は無い!)
(´・ω・`)(僕の勝…)
- 207 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:39:34 ID:w22f4dn6O
-
ショボンは振り返ると同時に体が強ばる。
川 ゚ -゚)
(;´・ω・`)「!?」
打球を見てからその地点まで移動して捕球し、それから追いかける。
圧倒的にショボンが有利のはずだ。
しかし砂緒はすぐそこにいた。
(;´・ω・`)「ぐっ!」
確かにショボンの足は速い方ではない。
それでもどう考えても追い付けっこない。
ショボンはそう思っていた。
川 ゚ -゚)ノ (;´・ω・`)
砂緒のグローブが伸びる。
ベースまであと数歩。
- 208 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:40:15 ID:w22f4dn6O
-
川 ゚ -゚)「!」
(;´・ω・`)「っ!」
砂緒のグローブがショボンに届く事は無かった。
('(゚∀゚メ;∩「ヘッドスライディング…」
砂緒とショボンの勝負はショボンに軍配が上がった。
- 209 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:41:23 ID:w22f4dn6O
-
(´・ω・`)「ブーン!見てたかい!!?」
ベンチの近くでマウンドをなおもボーッと見つめ続けるブーンのもとへショボンは駆ける。
( ^ω^)「…」
(´・ω・`)「どうしたんだい?退部しないですんだんだよ?」
( ^ω^)「ちょっと野球にサヨナラ言ってたんだお」
(;´・ω・`)「え…?」
- 210 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:42:06 ID:w22f4dn6O
-
(*^ω^)「そしてまたよろしくって言ってたんだお!ありがとうお、ショボン!」
(*´・ω・`)「あ…いやあ…」
(*´・ω・`)「今晩…一緒に寝てもいいかな?」
( ^ω^)「それは無理」
(´・ω・`)「(´・ω・`)」
- 211 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:42:50 ID:w22f4dn6O
- 川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)(これか?まさかこんな事がか?)
(´・_ゝ・`)「くぅちゃん!」
無表情で立ち尽くす砂緒にデミタスが駆け寄る。
(´・_ゝ・`)「聞いたわよ!あなた、野球部に入るって…」
川 ゚ -゚)「本当です」
(´・_ゝ・`)「陸上はどうするの?」
川 ゚ -゚)「…」
(´・_ゝ・`)「…反抗期かしらん?」
- 212 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:43:36 ID:w22f4dn6O
-
川 ゚ -゚)「いえ、そういう訳では…」
(´・_ゝ・`)「わかったわん。国体まで時間はある…丁度野球の秋季大会が終わる頃ねん」
(´・_ゝ・`)「それまでよく考えなさいん」
川 ゚ -゚)「…」
(´・_ゝ・`)「ただし、これだけは忘れないでねん?」
(´・_ゝ・`)「あなたは陸上のS級特待を受けてるって事…」
川 ゚ -゚)「…はい」
/ ,' 3「…」
/ ,' 3(フォッフォッフォッ!!なんとおいしい話もあるもんじゃのう!)
- 213 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:44:27 ID:w22f4dn6O
-
秋季大会地方予選組み合わせ抽選会。
各校のレギュラー、監督を始めとする関係者達が、一つのホールに集められていた。
(,,゚Д゚)「俺様に任せろゴルア」
(´・ω・`)(大丈夫かな?)
(;-@∀@)(嫌な予感しかしないでやんす…)
('(゚∀゚;∩(緊張するよ!)
川 ゚ -゚)(静かなホールでのマイクの音響は何か落ち着くな…)
- 214 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:45:13 ID:w22f4dn6O
- (,,゚Д゚)「ゴルア!!」
VIP高校、
一回戦の相手は里取珍珍高校。
大会記録である一試合80失点を所持する初戦敗退の常連高だ。
(,,゚Д゚)「ギコハハ!俺様のくじ運ゴルア!!」
そして二回戦。
(;´・ω・`)「…」
(;-@∀@)「最悪でやんす…」
南出喪実業高校。
- 215 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 22:47:57 ID:w22f4dn6O
- 第6話 終わり
次の投下ですが、結構書きためが必要となりそうなので間が空くと思います。
- 216 :名も無きAAのようです:2012/08/28(火) 23:59:10 ID:Lm3yPYDYO
- ( ^ω^)、野球部退部しなくてよかったな
この話の(´・ω・`)と水泳のやつと混同してたよ
- 217 :名も無きAAのようです:2012/08/29(水) 01:54:32 ID:9I7owEwk0
- クール超人過ぎワロロン
- 218 :名も無きAAのようです:2012/08/29(水) 21:01:16 ID:B2Kqic8A0
- おつ
クーどこで使われるんだろwktk
- 219 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:34:24 ID:.yCM8SzgO
- やれば出来るは魔法の合言葉
予定より早く出来上がったので投下します
- 220 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:35:51 ID:.yCM8SzgO
- (u)「クソッ!全く歯が立たねえ…」
(U)「所詮俺たちなんかが奴らに挑もうなんて夢のまた夢だったんだ」
(U)「馬鹿野郎!こんな簡単に諦めるのかよ!?」
(↓)「でももう無理っすよ!」
(∪)「何とかするんだ…何とか…」
ω「俺が最後か…」
フォンッ
審判「スットラアアアックゥ!!!バッターアウッ!!」
(i)「それなりに良かったよ、アンタ達」
(i)「アタシに飛び込んできなッ」
一同「監督うぅぅ!」
(,,゚Д゚)「…」
(,,゚Д゚)「なんだこれ」
秋季大会一回戦
VIP高校24-0珍珍里取高校(五回コールド)
そしてVIP高校は早すぎる山場を迎える。
秋季大会二回戦。
対戦相手は県下無敵の南実こと南出喪実業高校だ。
- 221 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:36:42 ID:.yCM8SzgO
- (´・ω・`)「グランドに戻ったらわかってるね、砂緒?」
川 ゚ -゚)「ああ」
(´・ω・`)(あの勝負でブーンの背番号は砂緒のものになった)
(´・ω・`)(ブーンの穴を埋めるため…許された時間で必要事項を叩き込ませてもらう)
(´・ω・`)(南実に勝つためには君の力が不可欠だからね)
- 222 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:37:05 ID:wQXDUx8M0
- テレビ放送でモザイクかかるレベル
- 223 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:37:23 ID:.yCM8SzgO
- 第7話
本日、AA市民球場はたいそうな賑わいを見せていた。
そこでは野次馬からスカウトまで、老若男女の地元高校野球ファンが
甲子園の四強まで上り詰めた南実高校を一目見ようと溢れ返っていた。
ミ,,゚Д゚彡「行くぞ!!!」
(,,゚Д゚)「ゴルア!!!」
両チームのキャプテンによる掛け声から、両軍ベンチより選手達が駆け出してくる。
それに呼応する様に球場では拍手と声援が沸き上がる。
ホームベースを挟んで選手達が整列すると一旦静まり、審判による「礼!」をかわきりに再び球場は応援で包まれた。
- 224 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:38:29 ID:.yCM8SzgO
- アナウンス「長らくお待たせ致しました。
これより南出喪実業高校対VIP高校の試合、まもなく開始致します」
VIP高校はそのまま各自の守備位置へ走り、南実高校はベンチへと引き返す。
マウンドにはギコ。
キャッチャーボックスにはショボンが位置し、投球練習を始める。
アナウンス「試合に先立ちまして両校のスターティングメンバーをお知らせします」
- 225 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:39:12 ID:.yCM8SzgO
- 南実高校
一番 遊 ( ・∀・)貰良 了 右投げ左打ち
二番 中 <_プー゚)フ江久 電 左投げ左打ち
三番 二 【+ 】ゞ゚) 棺桶死 オサム 右投げ右打ち
四番 一 ( ゚∋゚) 鳥山 括 右投げ右打ち
五番 三 ( ФωФ)杉浦 浪漫 右投げ左打ち
六番 右 ミ,,゚Д゚彡 塞戸 猛 右投げ左打ち
七番 捕 (‘_L’) フィレンクト中将 右投げ右打ち
八番 左 / ゚、。 /鈴木 大道 右投げ右打ち
九番 投 (//‰ ゚) 横堀 械 右投げ右打ち
VIP高校
一番 一 ( ∵) 備考 詳 右投げ右打ち
二番 遊 ( ^^)山崎 渉 右投げ右打ち
三番 右 川 ゚ -゚) 砂緒 空 右投げ左打ち
四番 投 (,,゚Д゚) 茂木 康平 右投げ右打ち
五番 捕 (´・ω・`)佐世保 翔太 右投げ右打ち
六番 三 \(^o^)/汚綿 人生 右投げ右打ち
七番 二 (-@∀@)浅田 俊人 右投げ右打ち
八番 中 荒井 興毅 右投げ右打ち
九番 左 荒井 大毅 右投げ右打ち
- 226 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:39:49 ID:.yCM8SzgO
- (´・ω・`)(甲子園で結果を残した直後なだけあって、南実のオーダー発表には凄い応援がついてくるね)
(´・ω・`)(そして相手投手は横堀)
(´・ω・`)(一応ウチの事もマークしてくれてるって事か、嬉しいんだか迷惑なんだか…)
一球、二球とショボンのミットにギコの放つ球が投げ込まれる。
(,,゚Д゚)「ゴルア!!」
(´・ω・`)「オッケー!ナイスピッチだよ、ギコ!」
(´・ω・`)(今日は張り切ってるね、ギコ。腕も振れてるし球もよく制球出来てる)
- 227 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:40:29 ID:.yCM8SzgO
-
(´・ω・`)(そろそろだね)
ショボンは審判に球を渡して新しい球をギコへと投げてもらう。
ギコがプレート手前でそれを受け取り、マウンドに戻る途中。
けたたましいサイレンが球場に響き渡る。
試合開始の合図だ。
アナウンス「一回の表、南出喪実業高校の攻撃は」
- 228 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:41:12 ID:.yCM8SzgO
- アナウンス「一番・ショート、貰良くん」
( ・∀・)「しゃっ!!」
貰良が左のバッターボックスに入ると、サイレンに負けず劣らずの黄色い声援が飛ぶ。
(´・ω・`)(さすがプリンス、凄い人気だね)
( ^ω^)「ショボン!ギコ!頑張るお!!」
自軍一塁側スタンドからブーンも対抗するように声援を送る。
- 229 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:41:59 ID:.yCM8SzgO
- (*´・ω・`)(任せなよ!ブーン!)
ショボンはブーンに応えるように左手を軽く挙げる。
(,,゚Д゚)(チッ…)
ギコは辺りを見回す。
(,,゚Д゚)(こっちは野郎の応援だけか、ゴルア?)
- 230 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:42:44 ID:.yCM8SzgO
-
(´・ω・`)(南実の天才一年生、貰良了。彼が巧打者なのは言うまでもない)
貰良の選手権大会における成績は五試合、23打席19打数10安打。そして盗塁は6つ。
とても一年とは思えない結果を残している。
(´・ω・`)(十分警戒しすぎて足りない事はない)
ショボンはミットを外いっぱいに構える。
- 231 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:43:25 ID:.yCM8SzgO
- (´・ω・`)(ギリギリ外すつもりでストレートだ、ギコ)
(,,゚Д゚)
シュッ
ギコは振りかぶり、この試合の第一球を放つ。
( ・∀・)
キィンッ
要求通りギリギリボールの球であったが、貰良はそれを難なく流し打つ。
サイレンがなり止まぬ内にボールがレフト前へと転がる。
貰良は一塁ベースを少し回り、ベース上でレガースと手袋をランナーコーチに渡す。
- 232 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:44:06 ID:.yCM8SzgO
- アナウンス「二番・センター、江久くん」
<_プー゚)フ
(´・ω・`)(そして左打者か、厄介だな)
右投げのショボンにとって左打席にバッターが立つと、牽制の際打者と腕が重なりとても投げにくい。
さらに投球後バッターがボックスを出る事もあるので捕手から一塁の牽制がしにくくなる。
つまり今が俊足の貰良にとって絶好の盗塁ポイントとなる。
(´・ω・`)(間違いなく走って来ると思うけど…)
- 233 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:45:13 ID:.yCM8SzgO
- ショボンはサインを出してミットを内角低めに構える。
ギコは一つ頷いてボールを投げる。
バッター江久はバントの構えをするが、ボールが斜めに変化したのを見てバットを引く。
球がミットに収まると同時、ショボンは滑らかな動作で一塁に牽制球を送る。
貰良は滑り込む様に一塁へ戻りセーフとなる。
( ・∀・)(大丈夫っスよ、江久先輩!バントなんか無くても余裕で進めますって!)
貰良は塁上で小さく首を振り江久にメーセージを送る。
<_プー゚)フ(監督のご命令だからしゃあねえんだよ!)
江久は首を二度鳴らしてバットを構える。
- 234 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:46:09 ID:.yCM8SzgO
- (´・ω・`)(さっきのカーブはボールか…入っててくれれば助かったんだけどね)
(´・ω・`)(でもバントしてくれるならしてもらおう。ストレートで勝負だ)
ギコはセットから二球目を投じる。
江久は再びバントの構え、貰良はスタートを切る。
それを見てファースト、サードが飛び出すが、江久はまたもバットを引く。
主審のストライクコールを待たずしてショボンはセカンドへ好送球するが貰良は悠々セーフ。
( ・∀・)(だから三盗余裕ですってば!)
<_プー゚)フ(勝手な事すると俺が怒られるんだって!)
- 235 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:46:43 ID:.yCM8SzgO
-
(,,゚Д゚)「くっ…!」
ショボンは主審にタイムを告げる。
ギコのセットポジションからの投球において、軸足にタメが残っているのを感じ、力まないよう伝えてショボンは持ち場に戻る。
<_プー゚)フ(さて)
次の球、江久はきっちり三塁線へバントを決めてワンアウト三塁のチャンスを作る。
アナウンス「三番・セカンド、棺桶死くん」
ひょろりとした長身が右打席に立つ。
(´・ω・`)(まず先制点、嫌な攻め方だね)
- 236 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:47:18 ID:.yCM8SzgO
- 棺桶死に対する一球目は外へのカーブ、これが外れてボール。
二球目は内角へのスライダーが決まりカウントはワンワン。
そして三球目。
【+ 】ゞ゚)(監督からはなるべく見ていけと言われたが)
キィンッ
ギコの足元を抜けるセンター返しだ。
その間に貰良がホームインしてVIP高校はあっさり一点を失う。
- 237 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:48:04 ID:.yCM8SzgO
- アナウンス「四番・ファースト、鳥山くん」
( ゚∋゚)
(;´・ω・`)(ここで鳥山か…嫌な感じだ)
相手は甲子園でも三本のホームランを放った強打者。
その初球である。
キィィィィン
甲高いインパクト音と共にセカンドの右へ物凄い打球が襲う。
(-@∀@)「任せるでやんす!」
( ゚∋゚)(真正面…)
セカンドの浅田は鳥山の踏み込みが三塁よりになっていたのを見て少し右に移動していたのだ。
- 238 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:48:37 ID:.yCM8SzgO
-
(;-@∀@)「うっ!」
しかし予想以上の球足に浅田はボールを後ろに逸らしてしまう。
それを見た棺桶死はセカンドを回りサードまで到達。
状況はワンアウト一、三塁にかわる。
(,,゚Д゚)「…」
(;-@∀@)「ゴメンでやんす」
(´・ω・`)「いや、ナイスポジショニングだ。この調子で行こう!」
(,,゚Д゚)(今の取ってたら…)
初めは電光掲示板にE文字が浮かぶが、後にHに訂正された。
セカンド強襲のヒットだ。
- 239 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:49:40 ID:.yCM8SzgO
- 次の打者、サード杉浦にもレフトに運ばれて点差は二点、
ワンアウト一、二塁。
アナウンス「六番・ライト、塞戸くん」
ミ,,゚Д゚彡
(´・ω・`)「…」
(;,゚Д゚)
ギコの目線はミットに向いていない。
虚ろにバックネットを見つめている。
(´・ω・`)(まずいね、力みが取れてない)
(´・ω・`)(でも四球で逃げるわけにもいかない…)
(´・ω・`)(踏張ってくれ…!)
- 240 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:50:23 ID:.yCM8SzgO
-
しかし
キィィィィン
ライナー性の大飛球がライトを軽く越えてワンバウンドでフェンスに到達する。
二塁ランナー鳥山はサードを蹴る。
( ゚∋゚)(このままホームへ…!)
(#´・ω・`)「ノーカット!!」
( ゚∋゚)「!?」
- 241 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:51:10 ID:.yCM8SzgO
- 球場の歓声がどよめきへと変わる。
鳥山がベース手前でタッチアウトとなったのだ。
川 ゚ -゚)
ライトでは砂緒が何事も無かったかのように小走りで定位置へ戻っていた。
( ゚∋゚)(…体当たりかましゃ良かったかな)
アナウンス「七番・キャッチャー、フィレンクトくん」
アナウンスのコールの直後だった。
/ ,' 3「審判」
荒巻がベンチから出てくる。
- 242 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:52:05 ID:.yCM8SzgO
- / ,' 3「交代じゃ、ピッチャー砂緒。ギコはセンター、荒井興をライトに回す」
(;,゚Д゚)「…何だと?」
(´・ω・`)(これは仕方ないね。ジジイにしては好判断だ)
川 ゚ -゚)「交代のようだな」
ギコはマウンドに駆けてきた砂緒に無言でボールを渡し、センターへと走っていく。
- 243 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:52:42 ID:.yCM8SzgO
-
(‘_L’)「…」
投球練習をする砂緒の球をフィレンクトは無言で見つめる。
(‘_L’)(中々良い球を投げますね)
(‘_L’)(打席に立ってみなければわかりませんが…)
審判が試合再開の合図を掛ける。
川 ゚ -゚)
シュッ
ズバン
(‘_L’)「…」
審判「ストライク!バッターアウ!」
(‘_L’)(これはウチでも攻略に難航しそうですね…)
- 244 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:53:14 ID:.yCM8SzgO
- VIP高校の選手達はベンチに引き返す。
(,,゚Д゚)「監督…話が違います…」
/ ,' 3「話も糞も"使えるコマ"を使うのは当然じゃろ?」
(;,゚Д゚)「なっ!?」
/ ,' 3「四番の責務くらい果たせる様、せいぜい頑張るんじゃな」
(;,゚Д゚)「ぐ…」
- 245 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:53:27 ID:wQXDUx8M0
- クー天才過ぎて
- 246 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:53:54 ID:.yCM8SzgO
- 南実高校ベンチ
爪'ー`)「…都村君」
南実高校監督、FOXは一つの疑問を抱いていた。
(゚、゚トソン「何でしょう?」
同高マネージャー都村トソンはそれに応える。
爪'ー`)「僕はよい素材を探すためにめぼしい中学生は全員目を通したつもりだったけど」
爪'ー`)「あんな選手全く知らないんだ、これが」
(゚、゚トソン「去年のボーイズ・シニア・ヤング、そして軟式の有力選手に砂緒と言う名前は無かったはずです」
- 247 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:54:38 ID:.yCM8SzgO
- 爪'ー`)「高校野球は奥が深いねぇ…あんなのが埋もれているんだから」
(゚、゚トソン「時に監督、同名で心当たりがある人物を知っています」
爪'ー`)「ほう?」
(゚、゚トソン「砂緒空、VIP高校陸上部所属。主に十種競技にて活躍するルーキーです」
爪'ー`)「何?」
(゚、゚トソン「十種競技の一つに投擲種目槍投げがあります。彼は単体競技として高校記録を保持」
(゚、゚トソン「当たりがよくクッションボールも正面に来たとは言え、使用筋肉から考え、あのバックホームも頷けます」
爪'ー`)「ナルホド」
- 248 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:55:22 ID:.yCM8SzgO
- 爪'ー`)「だがね、僕が気になるとこはそこだけじゃない」
爪'ー`)「彼のバックホームの時…」
FOX監督の言葉がそこで途切れる。
爆発の様な大歓声が湧き上がったのだ。
二人はグランドを見る。
川 ゚ -゚)
ダイヤモンドをゆっくりと回る砂緒の姿があった。
一回裏 VIP高校攻撃中現在
南実2-1VIP
- 249 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:56:44 ID:.yCM8SzgO
- 第7話 終わり
次は日付が変わるくらいに投下します
- 250 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 01:58:13 ID:.yCM8SzgO
- 現在の両校オーダー
南実高校
一番 遊 ( ・∀・)貰良 了 右左
二番 中 <_プー゚)フ江久 電 左左
三番 二 【+ 】ゞ゚) 棺桶死 オサム 右右
四番 一 ( ゚∋゚) 鳥山 括 右右
五番 三 ( ФωФ)杉浦 浪漫 右左
六番 右 ミ,,゚Д゚彡 塞戸 猛 右左
七番 捕 (‘_L’) フィレンクト大将 右右
八番 左 / ゚、。 /鈴木 大道 右右
九番 投 (//‰ ゚) 横堀 械 右右
VIP高校
一番 一 ( ∵) 備考 詳 右右
二番 遊 ( ^^)山崎 渉 右右
三番 投 川 ゚ -゚) 砂緒 空 右左
四番 中 (,,゚Д゚) 茂木 康平 右右
五番 捕 (´・ω・`)佐世保 翔太 右右
六番 三 \(^o^)/汚綿 人生 右右
七番 二 (-@∀@)浅田 俊人 右右
八番 右 荒井 興毅 右右
九番 左 荒井 大毅 右右
- 251 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 02:00:50 ID:gdLjcBQkO
- 待ってたよ!でも……
なぜ( ^ω^)こいつははスタンドにいるんだ
試合に出してやってくれ
- 252 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 02:05:24 ID:.yCM8SzgO
- >>251
クーとの勝負で賭けたのは退部だけでは無く背番号もです
ですからクーの背番号は10
ちょっと分かりにくかったかなと反省
- 253 :大量訂正>>250:2012/09/05(水) 02:14:22 ID:.yCM8SzgO
- 南実高校
一番 遊 ( ・∀・)貰良 了 右左
二番 中 <_プー゚)フ江久 電 左左
三番 二 【+ 】ゞ゚) 棺桶死 オサム 右右
四番 一 ( ゚∋゚) 鳥山 括 右右
五番 三 ( ФωФ)杉浦 浪漫 右左
六番 右 ミ,,゚Д゚彡 塞戸 猛 右左
七番 捕 (‘_L’) フィレンクト中将 右右
八番 左 / ゚、。 /鈴木 大道 右右
九番 投 (//‰ ゚) 横堀 械 右右
VIP高校
一番 一 ( ∵) 備考 詳 右右
二番 遊 ( ^^)山崎 渉 右右
三番 投 川 ゚ -゚) 砂緒 空 右左
四番 中 (,,゚Д゚) 茂木 康平 右右
五番 捕 (´・ω・`)佐世保 翔太 右右
六番 三 \(^o^)/汚綿 人生 右左
七番 二 (-@∀@)浅田 俊人 右左
八番 右 荒井 興毅 右右
九番 左 荒井 大毅 右右
- 254 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 02:18:54 ID:wQXDUx8M0
- おつー
- 255 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 02:23:54 ID:gdLjcBQkO
- >>252
背番号もクーに獲られたのはわかってたよ
ただ( ^ω^)こいつが不憫でな…
- 256 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 02:26:44 ID:akcjSGAA0
- おつ!
しょっぱなでワロタwww
クーがチートすぎてやばい楽しい
ブーンはベンチウォーマーですらなくなっちゃったねえ
あと珍珍高校>>214と>>220で順番が変わってるな、こっまかいことだけど
- 257 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 15:50:39 ID:4nfI4IIA0
- そういやこれ主役はブーン?
影薄いな
- 258 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 17:33:10 ID:wqIR7gJo0
- いや出番あるだろ、普通に考えて
- 259 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 19:58:06 ID:.yCM8SzgO
- この作品は誰が主人公と言うのは明記したくありません
そして今のところブーンをガチガチの主人公として書いているわけでも無いです
そういうのはダメだという方には向かないと思います
八話は10時頃に投下出来ればと思います
- 260 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:15:08 ID:GDmQ.eoY0
- 乙
スレタイ通りずっとベンチウォーマーだったとしたらちょっと凹むな
- 261 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:51:44 ID:.yCM8SzgO
- 訂正タイム!
>>256
指摘ありがとうございます!
どちらが正しいか…気になる方は好きな方を選んでね
>>225
\(^o^)/と(-@∀@)は左打ちでした
- 262 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:53:05 ID:.yCM8SzgO
- AA市民球場バックネット裏。
そこはスカウトや他校の偵察舞台、そして熱心すぎる高校野球ファンの特等席。
( ´ー`)
地元新聞記者、白根陽介。
(*゚ー゚)
同じく地元新聞記者、猫野しぃ。
彼らも同じくその特等席に座るべき人間なのだが、
今回も中段にある手摺りにて頬杖をつくに甘んじていた。
- 263 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:53:49 ID:.yCM8SzgO
- ( ´ー`)「天下の南実、新チーム始動後の初戦だからってわざわざ観戦ルポなんて必要ネー…」
( ´ー`)「高校野球雑誌じゃネーんだから結果だけ書いときゃイイ」
(;´ー`)「そう思ってたが、トンだスクープじゃネーか!?」
(;´ー`)「地域復興支援企画お花畑運動なんかの取材から代わって貰って得しタわ、実際」
(*゚ー゚)「でしょ?どうですか。私も役に立つんですよ」
乗り気で無かった白根は、猫野の強い要望で球場にやってきた次第だ。
( ´ー`)「まあナ。だがあのスーパールーキーが野球に転向したなんて情報どこで仕入れたんダ?」
(*゚ー゚)「えーと…」
o(*゚ー゚)o「超能力です!」
( ´ー`)「…」
- 264 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:54:34 ID:.yCM8SzgO
-
(;*゚ー゚)「すみません、嘘です…」
( ´ー`)「そういや親戚が元野球部だったカ?」
(*゚ー゚)「そう!その子に聞きました!」
フーンと興味無さそうにグランドへと白根は向き直る。
( ´ー`)「マ、何にせよ棚ボタスクープは必ずモノにすルのが俺の流儀。しっかり見届けるゾ、猫野」
(*゚ー゚)「ハイ!!」
- 265 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:55:15 ID:.yCM8SzgO
- 第8話
砂緒によるライトスタンド深くに突き刺さる本塁打の後、
ギコが三振して攻守が交代する。
(//‰ ゚)「…」
(‘_L’)「気にする事ありません、横堀。出会い頭の一発はいつでもあります」
(//‰ ゚)「俺にはそうは見えんかったがな…」
(‘_L’)(確かにスタンドインされた球は失投では無い)
(‘_L’)(外低めにコントロールされたストレートだった)
(‘_L’)(要注意ですね…)
- 266 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:55:49 ID:.yCM8SzgO
- 二回表、一点を返された南実高校であるが、八番レフト鈴木大道は空振り三振、
九番ピッチャー横堀械も見逃し三振に倒れる。
ツーアウトとなり再び一番、貰良に回る。
( ・∀・)(くー…先輩方情けねえなあ。前の回からあわせて三者連続じゃん)
( ・∀・)(たかだか140そこそこだろ?恐れる事ねーよ)
ズバン
( ・∀・)「…」
(;・∀・)(かなり伸びてね?)
- 267 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:56:34 ID:.yCM8SzgO
- 貰良は一度バッターボックスを外し、先程の球をイメージして素振りをする。
( ・∀・)「しゃっ!」
貰良は両肩を上下させて力を抜いた後、掛け声を一つ放ってボックスに入る。
(´・ω・`)「…」
( ・∀・)(ストライクゾーンに投げて来い!絶対打ってやるかんな!)
川 ゚ -゚)
スルッ
(;・∀・)「うなっ!?」
- 268 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:57:14 ID:.yCM8SzgO
- 放たれたのは内角へのチェンジアップ。
ストレートを待っていた貰良はタイミングを外され一塁線へゴロを転がす。
( ∵)「ゴエェ!」
VIP高校ファースト、備考がそれを丁寧に捌き、自らベースに入ってスリーアウトとする。
(´・ω・`)(プリンスは意外と分かりやすい性格っぽいね)
- 269 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:58:03 ID:.yCM8SzgO
- アナウンス「二回裏、VIP高校の攻撃は」
アナウンス「五番・キャッチャー、佐世保くん」
(´・ω・`)(今の所、南実バッテリーはストレート主体で組み立てしてる)
(´・ω・`)(ドクオの家で見た時もそうだったけど、フィレンクトは随分横堀のストレートを信頼してるようだね)
(´・ω・`)(さっき打った砂緒のホームランもストレートだったから気掛かりだけど)
(´・ω・`)(ストレート狙いで行く価値はあるだろうね)
- 270 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 21:58:50 ID:.yCM8SzgO
-
(//‰ ゚)
ビュッ
ズバン
審判「ットエエイ!」
(´・ω・`)(初球はやっぱりストレートか…まだ有効みたいだ)
二球目はストレートが外に外れボール。三球目はスライダーを空振りしてしまう。
(´・ω・`)(オッケー…気にするなよ、僕。ストレート狙いだ、ストレート…)
- 271 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:00:10 ID:.yCM8SzgO
- そして四球目。
(´・ω・`)(来た!…が)
内角低め際どいコースにストレートがやってきた。
(;´・ω・`)(窮屈すぎて振り切れない…!)
ショボンは目一杯コンパクトにスイングを試みるが、ハーフスイングでバットが止まる。
カアン
そのバットにボールが当たり、力ないフライが二遊間に飛ぶ。
(;´・ω・`)「抜けろ!」
微妙な打球。
しかしショート貰良が背面のまま好捕する。
ワンナウトランナー無し。
- 272 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:00:51 ID:.yCM8SzgO
- そして六番・サード、汚綿人生。
\(^o^)/
三振。
アナウンス「七番・セカンド、浅田くん」
(;-@∀@)「とほほでやんす」
三振。
- 273 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:01:42 ID:.yCM8SzgO
- 場面は変わって一塁側スタンド。
( ^ω^)「ドンマイだお!オワタ!アサピー!」
VIP高校側のスタンドだ。
(*^ω^)「それにしてもクーはナイスピッチングだお!南実相手に凄いお!」
ざわ・・
エ アレダレ
- 274 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:02:32 ID:.yCM8SzgO
- (*^ω^)「ショボンも相変わらずいいリードだし」
ざわ・・ ざわ・・
カワイクネ ドコイクンダ
(*^ω^)「これはいけるかもわからんお!」
ξ゚⊿゚)ξドドーン!新速高校マネージャー、ツンちゃん大登場!!
ざわ・・
オイ アレ
(;^ω^)「うわっ!ツン!何でここに…」
- 275 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:03:10 ID:.yCM8SzgO
-
ξ゚⊿゚)ξ「偵察」
ざわ・・
ナンダ ブーンノコレカ
(;^ω^)「ドクオは?」
ξ゚⊿゚)ξ「練習に決まってんでしょ、それより」
ざわ・・
ウソダロ ブーンナンカニ
ξ゚⊿゚)ξ「何でアンタこんなとこにいんの?」
(;^ω^)「お?それは…」
ざわ・・
ヒュー ヒュー
ξ#゚⊿゚)ξ「ぶちころすぞゴミめら!!」
ざ・・わ・・
- 276 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:03:48 ID:.yCM8SzgO
- (;^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「で?」
(;^ω^)「ああ、斯く斯く然々だお」
ξ;゚⊿゚)ξ「はあ〜?それで簡単に引き下がっちゃったわけ?」
(;^ω^)「でも約束だったから…」
ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿ねぇ!男は嫌がる女を押し倒すくらいが丁度いいのよ!」
(*^ω^)「でもクーも凄いんだお!ほら!」
ξ゚⊿゚)ξ「クー?」
- 277 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:04:22 ID:.yCM8SzgO
- ブーンは内野を指差す。
南実二番江久は三飛、そして三番棺桶死はまさに三振に倒れたところであった。
(*^ω^)「僕らの特訓の成果だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あれってこの前の…」
( ^ω^)「知ってるのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「う〜ん…ちょっと見ただけだけど」
ξ゚⊿゚)ξ(アイツがブーンを…ね)
- 278 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:05:12 ID:.yCM8SzgO
- アナウンス「四番・ファースト、鳥山くん」
( ゚∋゚)「…」
その初球。
チィィィ
ストレートを強振するがバットの上をかすりバックネットにボールが当たる。
(;´・ω・`)(今のはひやっとしたなあ、タイミングはドンピシャだった)
二球目は外高めにボール一個外れるストレート。
三球目は低めからワンバウンドするチェンジアップ。
そして四球目は内角高めを強引に打つが三塁線より外にゴロが転がる。
(;´・ω・`)(結果が伴わなくてもこの強打者にフルスイングされるのは堪えるなあ)
川 ゚ -゚)
(;´・ω・`)(砂緒は気にして無いみたいだけど…)
(´・ω・`)(あれ、行ってみようか)
- 279 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:05:59 ID:.yCM8SzgO
-
入部してからこの試合に至るまで、砂緒はショボンに特別練習を受けていた。
(´・ω・`)『投手は他のプレイヤーと違って覚えなければいけない事がたくさんある』
(´・ω・`)『セットポジションや牽制、ボーク…』
(´・ω・`)『その他に投球の幅を広げないと』
川 ゚ -゚)『どうしたらいいのだ?』
(´・ω・`)『変化球だよ。高校レベルでは緩急をつけるためのチェンジアップがいい、そして』
- 280 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:06:29 ID:.yCM8SzgO
-
川 ゚ -゚)
砂緒はマウンド上で振りかぶる。
( ゚∋゚)(さあ来い)
ビュッ
( ゚∋゚)(よし!)
ブオン
( ゚∋゚)「…」
鳥山のバットは大きく空を切る。
(´・ω・`)(縦の変化球。ブーン直伝の落ちるスライダーさ!)
- 281 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:07:07 ID:.yCM8SzgO
- 三回の裏。
VIP高校の攻撃。
八番荒井興が投ゴロ。
九番荒井大が三振。
( ∵)「ゴエェ」
一番、宇宙人こと備考が内角に差し込まれボテボテのショートゴロ。
南実の攻撃に移る。
こちらはというと
五番、杉浦は外角の直球に無理やり手を出してしまい…
ピュー三( ^^)「はっ!ほっ!」
ショート山崎が横に滑る様に捕球、一塁に送りワンナウト。
- 282 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:07:44 ID:.yCM8SzgO
- 六番、塞戸は内角高めの直球につまり
( ^^)ピョーン「ほいっ!」
川
山崎がそれをジャンピングキャッチ。
(´・ω・`)(…普通に捕れるだろ)
ショボンは山崎に視線を差しながら諫めるようにミットを叩く。
( ^^)b
(;´・ω・`)(ベンチに戻ってからにしよう)
そして七番、フィレンクトは外角のスライダーに空振り三振。
(‘_L’)(リードの事で頭が一杯なんです…)
(‘_L’)「言い訳じゃないですよ」
( ・∀・)「?」
- 283 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:08:24 ID:.yCM8SzgO
- 回は四回の裏。
再びVIP高校の攻撃。
トップバッターは二番・ショート、山崎渉。
( ^^)「僕を応援して下さいね!」
(´・ω・`)(バッティングにも悪い影響が出ないといいけど…)
( ^^)「ふんっ」
ブン
( ^^)「はんっ」
ブン
( ^^)「えいやあっ」
ブン
三振。
( ^^)「オーマイガッ」
- 284 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:09:02 ID:.yCM8SzgO
-
(//‰ ゚)「…」
(‘_L’)「…」
南実バッテリーの纏う空気が変わる。
(‘_L’)「しまっていこう!!!」
無理も無い。
次の打者がバッターボックスに入ったからだ。
川 ゚ -゚)
(‘_L’)(さっきはホームランを打って頂きありがとうございます)
(‘_L’)(ですが、こちらも無料サービスは一度で御免被りたい)
- 285 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:09:43 ID:.yCM8SzgO
- フィレンクトは外角にミットを構える。
(//‰ ゚)
シュッ
川 ゚ -゚)
ズバン
一球目は外から内に入ってくるスライダー。
砂緒は手を出さずストライク。
(‘_L’)(変化球に弱い可能性がありますね)
二球目は低めにスライダーが外れる。
三球目は高めにストレートが外れボール。
- 286 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:10:24 ID:.yCM8SzgO
-
(‘_L’)(これでは…?)
フィレンクトのミットは再び外角へ。
(//‰ ゚)
シュッ
外に外れるコースに放たれた球はスライドしてストライクゾーンへと入ってくる。
川 ゚ -゚)
キインッ
砂緒はそれをおっつけて打つ。
鋭いライナーが三塁線を襲うが惜しくもラインの外に落ちた。
- 287 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:11:04 ID:.yCM8SzgO
- (‘_L’)(救われましたね…しかし)
(‘_L’)(これであなたの意識は変化球へと切り替わったのでは?)
川 ゚ -゚)
(‘_L’)(横堀には二種類のストレートがあります)
(‘_L’)(今度は別の…シュート回転のストレートで)
フィレンクトは横堀にサインを送る。
- 288 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:11:53 ID:.yCM8SzgO
-
(//‰ ゚)
横堀はそれに応えないまま投球動作に入る。
ビュッ
(;‘_L’)「!?」
川 ゚ -゚)
キイン
砂緒はクリーンヒットをセンターへ放つ。
ワンナウト一塁。
(‘_L’)「…」
(‘_L’)(横堀…あなたは何を…)
- 289 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:12:09 ID:wQXDUx8M0
- wktk
- 290 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:12:32 ID:.yCM8SzgO
- アナウンス「四番・センター、茂木くん」
(,,゚Д゚)「ゴルア!」
ネクストバッターズサークルからバットをブンブン振り回しながらギコがやってくる。
(,,゚Д゚)「絶対に俺で返してやるぜゴルア!」
(‘_L’)(はっきり言ってコイツはカモ。切り替えて行きましょう)
- 291 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:13:13 ID:.yCM8SzgO
- ギコに対する一球目は内角にストレートが際どく外れた。
二球目は指に掛かったのかストレートがワンバウンド。
三球目は外角高めのストレートをギコが空振り。
(‘_L’)(やっぱり振り遅れてますね)
四球目低めのスライダーをまた空振り。
(‘_L’)(しかも狙いもつけられてない)
(‘_L’)(トるのが容易な直情型)
五球目を横堀が投げようとした時。
- 292 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:13:51 ID:.yCM8SzgO
-
(//‰ ゚)「!?」
川 ゚ -゚)ダッ
砂緒がスタート。
横堀のストレートがベース手前でワンバウンドする。
(,,゚Д゚)「ゴルア!」
しかしそれをギコが空振り。
ワンナウト一塁の状況より振り逃げは成立せず、三振アウトが成立する。
(;‘_L’)「くっ!」
素早くボールを拾い二塁を見るが、間に合わぬと予想したフィレンクトは送球を諦めた。
- 293 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:14:33 ID:.yCM8SzgO
-
アナウンス「五番・キャッチャー、佐世保くん」
(´・ω・`)(チャンスメイクありがとう、砂緒)
(´・ω・`)(実は前の打席から思う事があったんだ)
(´・ω・`)(それで一点、返させてもらうよ)
四回裏 ツーアウト二塁、VIP高校の攻撃現在
南実2-1VIP
- 294 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:16:56 ID:.yCM8SzgO
- 第8話 終わり
現オーダー>>253
次回も明日の晩に
- 295 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:22:23 ID:p2aZpt.UO
- 乙
焦らすなぁ
- 296 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:22:48 ID:akcjSGAA0
- 乙! 明日だとwww
ちょっとずつ選手の特徴が出てきてて面白い
一番ファーストってなかなか萌える打線だなー
- 297 :名も無きAAのようです:2012/09/05(水) 22:59:05 ID:wQXDUx8M0
- ふむむ
乙
- 298 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 18:57:20 ID:7q2qpqm6O
- 運動能力は( ^ω^)よりクーの方が優れてるんだろうな
( ^ω^)が今のところ勝てるとしたらインサイドワークと体重ぐらいか
22:00頃まで待機
- 299 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:37:28 ID:rkVzIN6oO
- (//‰ ゚)
横堀 械 二年(南実高校)
ポジション:投手
右投げ右打ち
南実が誇る超高校級投手。
甲子園ではMAX149キロ、非公式では152キロを計測した事もある。
球種は横に曲がるスライダーとシュート回転のストレート。
ストレートはシュート回転がかかる方がコントロールがよい。
( ・∀・)
貰良 了 一年(南実高校)
ポジション:遊撃手
右投げ左打ち
走攻守揃った天才プレイヤー。
シニア時代は世界大会にも出場している。
熱○甲子園では『プリンス』とあだ名をつけられたが本人はまんざらでもない様子。
- 300 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:39:20 ID:rkVzIN6oO
- (‘_L’)
フィレンクト 中将 二年(南実高校)
ポジション:捕手
右投げ右打ち
県内ではショボンと並ぶクレバーな捕手。
甲子園で試合も経験しており、新チームでは南実の副キャプテンも務める。
二塁送球タイムは二秒。
ちなみに名前の読み方はなかまさ。
<_プー゚)フ
江久 電 通称:プラズマーン 二年(南実高校)
ポジション:中堅手
左投げ左打ち
南実の苦労人。
電と書いて『プラズマ』と呼ぶDQNネームの被害者。
同級生からはプラズマーンと呼ばれる。
( ^^)
山崎 渉 二年(VIP高校)
ポジション:遊撃手
右投げ右打ち
守りたい、その笑顔。
- 301 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:41:34 ID:rkVzIN6oO
- 本編はもう少し後に投下します。
書き込みありがとうございます。
- 302 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:53:09 ID:rkVzIN6oO
- 第9話
四回裏、VIP高校の攻撃。
ツーアウト二塁。
(‘_L’)「…」
(´・ω・`)
フィレンクトは右打席に立つショボンを一瞥する。
(‘_L’)(五番、佐世保翔太。夏の予選では打率四割近く、二塁打も三本打っていたはず)
(‘_L’)(あの三番がいなければ間違いなくVIP高校で最も厄介な打者ですね)
- 303 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:54:43 ID:rkVzIN6oO
-
(´・ω・`)「…」
(‘_L’)
ショボンもまたキャッチャーボックスに座るフィレンクトを横目で確認する。
(´・ω・`)(フィレンクト中将、南実の司令塔)
(´・ω・`)(果たして上手く行かせてもらえるかどうか…)
(‘_L’)(先程は少し気を抜きましたがそうは行きません)
フィレンクトはミットを真ん中に構える。
(‘_L’)(今回は少々丁寧な組み立てでいきましょう)
- 304 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:56:06 ID:rkVzIN6oO
-
横堀から放たれた一球目は真ん中から外へ逃げていくスライダー。
曲がりが大きくストライクゾーンから微かに外れた。
(‘_L’)(一杯に入れてくれれば助かりましたが、仕方ないですね)
(;´・ω・`)(あ、危ない…。今の入ってるとかなりしんどくなったよ)
(‘_L’)(しかし佐世保くん、簡単に見送りましたね)
(‘_L’)(あれだけ際どいところにスライダーが決まると手が出ないのもわかりますが)
- 305 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:57:24 ID:rkVzIN6oO
- そして三球目。
(‘_L’)(もう一度外にスライダーを…)
ボールが横堀の指から離れる直前。
川 ゚ -゚)ダッ
砂緒が三盗。
(;‘_L’)「ぐっ!」
フィレンクトは腕を伸ばして捕球して三塁に送球しようとするがショボンが障害となりワンステップを挟む。
その分送球が遅れ、砂緒はタッチの差でセーフ。
- 306 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:58:26 ID:rkVzIN6oO
-
(´・ω・`)(本当に彼はいい仕事をしてくれる)
(;‘_L’)(打者に気を取られて走者が疎かになりましたね)
(´・ω・`)(さっきのも外れてカウントはツーボールワンストライク)
(´・ω・`)(恐らく決め球は外角低めの力押し。僕の嫌いなコースでくる)
(´・ω・`)(そのくらいの情報は掴まれてると仮定する)
- 307 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:59:09 ID:rkVzIN6oO
- (‘_L’)(最後は外角低めのストレートを選ぶとして問題は追い込むまで)
(´・ω・`)(苦手コースに横堀の直球を決められたらさすがに手が出ないだろう)
(‘_L’)(いっそ四球で逃げる?いや、四番以外完璧に抑えている以上、横堀の士気に関わる)
(´・ω・`)(来るとしたらカウントが悪くなる前)
(‘_L’)(そして試合はまだ気負うような状況ではない)
(´・ω・`)(この一球が勝負)(‘_L’)
- 308 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 21:59:49 ID:rkVzIN6oO
-
ショボンはここぞとばかりにバットを短く持つ。
(‘_L’)(ちゃんと見てましたよ、ならば)
四球目、フィレンクトは外角へのストレートを要求する。
横堀が投球動作に入った直後、ショボンはバットを長く持ち直す。
キン
放たれたストレートには当てるだけのバッティングとなったが、これが運良くセカンドの頭を越え、砂緒がホームイン。
南実2-2VIPとなる。
- 309 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:00:26 ID:rkVzIN6oO
- VIP高校スタンド。
(*^ω^)「しゃーお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「見たか南実オラー!」
( ^ω^)「あ」
ξ゚⊿゚)ξ
(;^ω^)「牽制アウト」
ξ#゚⊿゚)ξ「何やってんのモー!」
「お熱いわねお二人さん?」
ξ#゚⊿゚)ξ「ああ?」
( ^ω^)「お?」
(´・_ゝ・`)「お隣空いてるわねん?」
- 310 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:01:07 ID:rkVzIN6oO
- 五回表、南実高校の攻撃。
先頭の八番鈴木は三遊間にボテボテのゴロを放つもサードオワタの動きが鈍かった事もあり内野安打。
九番横堀は三球でバンドが決められず三振。
一番貰良。
( ・∀・)
キィン
ストレートを弾き返しワンナウト一、二塁。
砂緒はこの試合、初めて自らピンチを作る。
- 311 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:01:53 ID:rkVzIN6oO
- <_プー゚)フ(オーケー監督、ヒットエンドランね)
<_プー゚)フ(いつもなら送るとこだがオサムちゃんが前に三振しちゃってるからな)
二番江久はショートへのゴロを転がす。
<_;プー゚)フ(やべ、引っ張るつもりが…)
( ^^)〜♪
ショート山崎が軽快に捌いて二塁へバックトス、ダブルプレーを狙う。
しかし
(;-@∀@)「ああ〜でやんすぅ!」
- 312 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:02:35 ID:rkVzIN6oO
-
( ^^)「ごめりんちょ」
ボールはセカンド浅田の左にそれた。
ワンナウト満塁で南実のクリーンナップに回る。
【+ 】ゞ゚)「…」
三番棺桶死、その初球。
キィン
高々とセンターへ打球が上がる。
/ ゚、。 /
サードランナーの鈴木はタッチアップの用意をする。
- 313 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:03:18 ID:rkVzIN6oO
-
(,,゚Д゚)
しかしセンターギコはかなり前に出て捕球。
フライが浅すぎてスタートが切れずに終わる。
- 314 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:04:00 ID:rkVzIN6oO
- 南実ベンチ
【+ 】ゞ゚)「…」
爪'ー`)「…なんだ棺桶死?」
【+ 】ゞ゚)「申し訳ない…せっかくのチャンスを…」
爪#'ー`)「ばっか野郎!!謝るんじゃねぇ!!」
爪#'ー`)「天下の南実の三番ならバットで返せ!!!」
【+ 】ゞ゚)「了解」
(゚、゚トソン「あら?」
( ゚∋゚)「…」
爪'ー`)「お前はなんだ、鳥山?」
( ゚∋゚)「チェンジです」
爪;'ー`)「そ、そうか」
- 315 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:04:38 ID:rkVzIN6oO
-
(゚、゚トソン「…行きましたね」
爪'ー`)「さて、マネージャー。後半に向けてあの投手をどう崩せばいいものか…」
爪'ー`)「少し語り合おうではないか?」
(゚、゚トソン「監督の言い方が何やらイカガワシイ様に感じるのですが?」
爪;'ー`)「いやいや、どう取ったらそういう風に感じるのかね?」
爪;'ー`)「私はただグランド整備中の作戦会議にだな」
(゚、゚トソン「まあいいでしょう」
爪;'ー`)(まあいいでしょうって…)
- 316 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:05:26 ID:rkVzIN6oO
- 都村は横に置いていたノートをFOXに開いて見せる。
そこにはびっしりと、そしてカラフルに文字と矢印、などが書き込まれている。
その中には見たこともない記号も並んでいる。
(゚、゚トソン「ここがこうでこうだからして…」
爪;'ー`)「ああ〜、マネージャー?」
(゚、゚トソン「はい?」
爪;'ー`)「君のノートはあまりに几帳面、且つ詳細に情報が書かれていて凡人の僕にはすまないが理解出来ないんだ」
- 317 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:06:00 ID:rkVzIN6oO
- (゚、゚トソン「では口頭でお伝えします」
(゚、゚トソン「砂緒空の今までの成績は四回1/3、打者16人に対し被安打は僅か2」
(゚、゚トソン「その二本が五回、そして凡退も併せて真芯で捉えられたと言えるのは先程の貰良のヒットのみ」
(゚、゚トソン「三振は早くも8つ喫しています」
(゚、゚トソン「そして球種はストレート・チェンジアップ・下へのスライダー」
(゚、゚トソン「種類は少ないですがストレートのキレがよく、こちらの打者は完全に押されており」
(゚、゚トソン「下へのスライダーは変化が遅く、三回の鳥山の打席から決め球に用いられています」
- 318 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:06:41 ID:rkVzIN6oO
-
爪'ー`)「つまり手も足も出てないって事か」
(゚、゚トソン「そして今のところスリーボールになった場面がありません」
爪'ー`)「四球も望めないね、どうしたもんだろね…」
(゚、゚トソン「…監督」
爪'ー`)「何かね、マネージャー?」
(゚、゚トソン「一回裏にしていた会話の続きを承りたいのですが」
爪'ー`)「あ〜、言ったところで何が変わる訳でもないし、言わない方がいいかなと思ってたんだけど」
(゚、゚トソン「年配者の知恵を取り入れたいので」
爪;'ー`)「年配…」
- 319 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:07:27 ID:rkVzIN6oO
-
爪'ー`)「まあいいや」
爪'ー`)「塞戸のフェンスダイレクトヒットを彼が捕球した時だよ」
爪'ー`)「クッションボールを直ぐに取らず、送球動作をしながらボールを取ったんだよ」
(゚、゚トソン「…」
爪'ー`)「投球モーションの無駄の無さといいバッティングといい、才能があるなんてもんじゃない」
- 320 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:08:12 ID:rkVzIN6oO
- 爪'ー`)「下手すればウチの貰良よりもね」
(゚、゚トソン「監督が相手選手をベタ褒めするなんて珍しいですね」
爪'ー`)「僕は凄いものは凄いと認める主義だよ?」
(゚、゚トソン「私には記憶がありません」
爪'ー`)「あ、皆戻ってきたね」
五回裏、VIPの攻撃は呆気なく三者凡退で終わった。
グランドでは整備用の車が均しを始める。
- 321 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 22:08:59 ID:rkVzIN6oO
- 南実高校ベンチ
爪#'ー`)「お前ら!あんな女みたいな顔の投手一人に何やってんだコラ!!」
爪#'ー`)「振りがあめえんだよ馬鹿!地方ごときで何燻ってんだ!!」
爪#'ー`)「だいたいバッテリーだけにやられてる様なもんじゃねえか!」
爪#'ー`)「気合いいれて来い!!!」
一同「はいっ!!!」
- 322 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:36:25 ID:rkVzIN6oO
- VIP高校ベンチ
/ ,' 3「まーかーはんにゃーはーらーみーたー」
(;^o^)
/ ,' 3「あそこでエラーかんじーざいあそこで三振むけーげーこー」
(; ^^)
/ ,' 3「四番はたーらーさんみゃく投手はさんぼーだい」
(;,゚Д゚)
(;´・ω・`)(ああ…皆の士気が下がるのを感じるよ…)
- 323 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:37:14 ID:rkVzIN6oO
- / ,' 3「はーらーみーたーしんぎょー。さてキャプテンから何か言えい」
(,,゚Д゚)「…」
/ ,' 3「どうした?」
(,,゚Д゚)「特にありません」
(;´・ω・`)
/ ,' 3「何やっても使えんの。そりゃ、円陣の掛け声くらいは出来るじゃろ、行け」
(,,゚Д゚)「うい…」
- 324 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:37:47 ID:rkVzIN6oO
- そして両校がベンチ前で円陣を作る。
南実高校円陣
ミ,,゚Д゚彡「皆、監督のメッセージは伝わったか?」
( ФωФ)「勿論である。相手のザル守備をつけという事であろう?」
/ ゚、。 /「直接言ってくれればいいのに」
(‘_L’)「監督は融通の聞かない指示が嫌いだから」
(;・∀・)(怖かったから全然分からんかった…)
VIP高校円陣
(´・ω・`)「皆、聞いて欲しい事がある」
- 325 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:38:29 ID:rkVzIN6oO
- グランド整備が終わり、選手達はベンチから出て礼をする。
そして六回表が始まる。
(#ФωФ)「行くである!」
南実高校五番、杉浦。
(;ФωФ)「…」
サードゴロ。
ミ,,゚Д゚彡「っし!」
六番塞戸。
ミ;,゚Д゚彡「くっ」
ピッチャーゴロ。
- 326 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:39:12 ID:rkVzIN6oO
-
(‘_L’)
七番フィレンクト。
(;‘_L’)「…っ!」
セカンドゴロ。
(;-@∀@)「あっやんす!」
しかし浅田がそれをジャッグルしてしまう。
(‘_L’)(ラッキーですね。緊迫した試合ではこういったミスから均衡が…)
/ ゚、。;/「う」
八番鈴木は三振に倒れる。
(‘_L’)(そう簡単にはいきませんか、実際)
- 327 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:39:52 ID:rkVzIN6oO
- 六回の裏、VIP高校の攻撃。
(//‰ ゚)
ビュッ
ズバン
「ストラックアウト!!!」
横堀は先頭打者の荒井大を三振に切って取る。
アナウンス「一番・ファースト、備考くん」
( ∵)「ゴエエ」
キン
合わせただけの弱い打球がライトに上がる。
ミ;,゚Д゚彡(ぐ…届かん…!)
ライト塞戸は無理せずワンバウンドするのを見て捕球する。
ワンナウト一塁。
- 328 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:40:33 ID:rkVzIN6oO
- 二番山崎。
審判「ボール!フォアボール!!」
( ^^)ウッホホーイ
(‘_L’)(次を意識しすぎて歩かせてしまいましたね…)
アナウンス「三番・ピッチャー、砂緒くん」
川 ゚ -゚)
(‘_L’)(最悪のバッターに回って来ましたね…)
(‘_L’)(ここで逃げたら逃げたでツーアウト満塁で先程タイムリーの佐世保…)
- 329 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:41:17 ID:rkVzIN6oO
-
(‘_L’)「…」
フィレンクトは主審にタイムを告げ横堀に駆け寄る。
(//‰ ゚)「…なんだ」
(‘_L’)「恐らくここが正念場でしょうからね」
(‘_L’)「歩かせるのもやまない気持ちでいきましょう」
(‘_L’)(横堀は敬遠が嫌いですからね)
(//‰ ゚)「ここで討つ」
(‘_L’)「…」
- 330 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:41:49 ID:rkVzIN6oO
-
(‘_L’)「際どい配球します」
(//‰ ゚)「構わん」
(‘_L’)「それと…」
(//‰ ゚)「何だ」
(‘_L’)「念のためサインの確認をしておきましょう」
- 331 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:42:37 ID:rkVzIN6oO
-
(‘_L’)「審判、ありがとうございました」
審判「いいよー」
マスクを被りフィレンクトは再びボックスに座る。
(‘_L’)(横堀…あなたがご所望なら私は全力でサポートします)
(‘_L’)(間違ってもさっきと同じ様な事は無しにして頂きたい)
- 332 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:43:17 ID:rkVzIN6oO
- (//‰ ゚)
ビュッ
川 ゚ -゚)
キイイイン
ライナー性の打球がライトへ飛ぶ。
ミ;,゚Д゚彡(次は…取る!)
(‘_L’)「…」
(‘_L’)(あなたはまた…)
(‘_L’)(一体どういうつもりなんですか、横堀?)
六回裏 ワンナウト一、二塁 VIP高校の攻撃中現在。
南実2-2VIP
- 333 :名も無きAAのようです:2012/09/06(木) 23:49:41 ID:rkVzIN6oO
- 第9話 終わり
途中で長時間中断してしまって申し訳ありません。
(酔っ払いってヤダNE!!)
あと今更ながらですが以前の感想スレでこの作品の感想を書いて下さった方、
本当にありがとうございました。
次は、というか南実戦が終わるまで連日投下の予定です。
- 334 :忘れていました:2012/09/07(金) 00:01:45 ID:VXAoqXXYO
- 現オーダー>>253
- 335 :名も無きAAのようです:2012/09/07(金) 00:34:03 ID:AtVkxm/sO
- 投下乙、と言うことは明日続きが読めるということだな期待だ
(‘_L’)
フィレンクト 中将
これ、頭の奥のほうで誰かが‘ちゅうしょう’って読むんだよ囁くんだ
どうしてなんだろう原因が解らない、最近十分寝てるのに
- 336 :名も無きAAのようです:2012/09/07(金) 23:34:16 ID:AtVkxm/sO
- おーい、連日投下だろ!
あと26分ある、待ってるぜ
- 337 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:12:18 ID:Wp7FGVvQO
- ( ゚∋゚)
鳥山 括 通称:クックル 二年(南実高校)
ポジション:一塁手
右投げ右打ち
身長は2メートル近く、体重は100キロ近くある南実の大型スラッガー。
貴重な右の和製大砲としてドラフト有力視されている。
甲子園では三本のホームランを放っている。
【+ 】ゞ゚)
棺桶死 オサム 二年(南実高校)
ポジション:二塁手
右投げ右打ち
体格、実力ともに鳥山に引けを取らない南実の中軸。
部活以外でチームメイトと接点を持とうとせず、私生活は謎に包まれている。
- 338 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:12:59 ID:Wp7FGVvQO
- ミ,,゚Д゚彡
塞戸 猛 二年(南実高校)
ポジション:中堅手
右投げ左打ち
南実の苦労人パート2。
ガッツ溢れるプレイが売りの主将。
/ ゚、。 /
鈴木 大道 通称:ダイオード 一年(南実高校)
ポジション:左翼手
右投げ右打ち
真面目で頑張り屋。
貰良とはクラスが一緒で仲がいい。
( ∵)
備考 詳 二年(VIP高校)
ポジション:一塁手
右投げ右打ち
人語を発しているところを誰も見たことがない。
授業中に当てられると筆談で大変。
- 339 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:14:41 ID:Wp7FGVvQO
- 遅れて申し訳ない。
そして待っててくれてありがとうございます。
投下します。
- 340 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:15:28 ID:Wp7FGVvQO
- 第10話
ミ;,゚Д゚彡
ライト塞戸は砂緒の打球を追う。
落下地点には入るのは恐らく無理だろう。
ミ;,゚Д゚彡(グングン伸びてきやがる)
塞戸は精一杯体を伸ばして飛び付く。
チッ
ミ;,゚Д゚彡(くそ!)
しかし打球は僅かにグラブの上をかすめて行く。
塞戸はそのまま外野の芝生へと転がる。
- 341 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:16:21 ID:Wp7FGVvQO
- VIP高校側スタンドは爆発的な賑わいを見せた。
ξ*゚⊿゚)ξ「いいよっしゃあああああ!!!」
(*^ω^)「ナイバッチだおおお!!」
砂緒は二塁を回ったところでストップする。
今のヒットで二点が入り、VIP高校がついに逆転。
南実2-4VIPとなる。
(´・_ゝ・`)「いいパフォォォメンスよ、くぅちゃん。やっぱり何をやっても凄いわねん」
(*^ω^)「ですおね?ですおね!?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
(´・_ゝ・`)「あらん。やっぱり分かる人には分かるのねん?」
- 342 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:17:19 ID:Wp7FGVvQO
- (*^ω^)「さっきからクーはずっと凄いですお!」
ξ゚⊿゚)ξ「…ちょっとブーン」
( ^ω^)「? なんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「この人とはどういう関係?」
( ^ω^)「さあお」
(´・_ゝ・`)「あらん?こ・い・な・かでしょ?」
( ^ω^)「えっ」
- 343 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:18:05 ID:Wp7FGVvQO
- (´・_ゝ・`)「そっちの女の子もかわいいわねん。一緒に食べちゃいたいくらい」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ」
(*^ω^)「えっ」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ」
( ^ω^)「えっ」
ξ#゚⊿゚)ξ「え」
(;^ω^)「えっ」
(´・_ゝ・`)「ちょっとからかったくらいで慌てちゃって…かわいいん!」
ξ;゚⊿゚)ξゾワゾワ(^ω^;)
(´・_ゝ・`)「あらあらん。冗談よ、冗談ん」
- 344 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:18:47 ID:Wp7FGVvQO
- (´・_ゝ・`)「あたしは盛岡デミタス。陸上部でくうちゃんの専属コーチをしてたわん」
(;^ω^)「そうでしたかお」
ξ゚⊿゚)ξ「この前の試合もチラッと来てたわね」
(´・_ゝ・`)「やっぱり教え子が活躍するかどうかは気になっちゃってねん」
デミタスはグランドにいる砂緒の様子を窺う。
砂緒の後続はギコが三振、ショボンが三ゴロとなり、ベンチへと戻っていた。
- 345 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:19:37 ID:Wp7FGVvQO
- アナウンス「七回の表、南出喪実業高校の攻撃は」
アナウンス「九番・ピッチャー、横堀くん」
(//‰ ゚)「…」
キン
川 ゚ -゚)パシッ
シュッ
( ∵)「ゴエエ!」
パシッ
横堀は投手ゴロに倒れる。
- 346 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:20:23 ID:Wp7FGVvQO
- アナウンス「一番・ショート、貰良くん」
( ・∀・)
(´・ω・`)(プリンスは唯一砂緒からまともなヒットを打ってる)
( ・∀・)(あと三回…アウトカウントにしてあと8つ)
( ・∀・)(ここは何としても出ないと…)
キン
(;´・ω・`)(セーフティーバント!?)
打球は三塁線絶妙な所に転がる。
- 347 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:21:40 ID:Wp7FGVvQO
- (;^o^)「おっおわっ」
急いでサード汚綿がダッシュする。
(;´・ω・`)(オワタでは間に合わない)
佐世保が飛び出して拾い上げるも、貰良はすでに一塁の手前。
ショボンは大事を取って送球を諦める。
ワンナウト一塁。
アナウンス「二番・センター、江久くん」
<_プー゚)フ(二点差だからひってぃんぐ…貰良の作ったチャンスだ。無駄にはしねえよ)
( ・∀・)「リーリーリーリー」
川 ゚ -゚)(リーリーうるさいな…)
- 348 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:22:26 ID:Wp7FGVvQO
- (´・ω・`)(ランナーを背負って江久か。地味に読みが難しいね…)
(´・ω・`)(犠打も決めてるしバスターも試みてる)
(´・ω・`)(クリーンナップは砂緒から当たりが無いとは言え代わってから三巡目)
(´・ω・`)(打つにしろバントにしろ今警戒すべきは一つ)
( ・∀・)(一点…まず一点…)
川 ゚ -゚)クルッ
シュッ
(;・∀・)「!?」
パシッ
ズサア
( ∵)
一塁塁審「…」
(;・∀・)「セーフ…ね?」
- 349 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:23:23 ID:Wp7FGVvQO
-
一塁塁審「セーフ!」
<_;プー゚)フ(なーにやってんだ。今のマジだったんじゃねぇか?)
(;・∀・)(あっぶね〜…次の塁の事考えすぎて牽制が一瞬頭からとんでたわ…)
主審「ットラーイバッタアウ!」
<_;プー゚)フ(アシストすら出来なかった…)
ツーアウト一塁。
- 350 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:24:03 ID:Wp7FGVvQO
-
(;・∀・)(ドンマイっすよ。でも次は…)
アナウンス「三番・セカンド、棺桶死くん」
【+ 】ゞ゚)
バットが一度ホームベース上で半円を絵描くように前に出て、重力に逆らわず垂直になるところまで戻って制止する。
棺桶死のバッティングフォームだ。
【+ 】ゞ゚)(私はこの投手からヒットどころかまともな当たりは一度も打てていない)
【+ 】ゞ゚)(必ず…)
- 351 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:24:50 ID:Wp7FGVvQO
- 一球目は内角のストレートをスイングするが前には飛ばずファール。
二球目、外角低め、ストライクからボールになるスライダーを見送りボール。
三球目、低めのストレートを空振り。
四球目は内角にスライダーを投げるも下に外れボール
五球目、外のチェンジアップを引っ張るが三塁側スタンドに入る。
カウントはツーボールツーストライク。
そして六球目。
川 ゚ -゚)
ビュッ
【+ 】ゞ゚)
キィィン
- 352 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:25:46 ID:Wp7FGVvQO
- 低いライナーが砂緒の左を飛んでいく。
( ・∀・)(よし!抜け…)
(-@∀@)「無駄無駄ァでやんす!」
バシィ
(´・ω・`)「ナイス!アサピー!」
(-@∀@)「任せるでやんす!」
【+ 】ゞ゚)「…チクショウ」
(;-@∀@)(盗塁を警戒してベースよりに守ってたのがラッキーだったでやんすね)
- 353 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:26:37 ID:Wp7FGVvQO
- アナウンス「七回の裏、VIP高校の攻撃は」
アナウンス「六番・サード、汚綿くん」
(^o^)(何か初めて呼んで貰えた気がする)
(//‰ ゚)
シュッ
(;//‰ ゚)「!」
ドカッ
(^o^)「グフッ」
- 354 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:28:10 ID:Wp7FGVvQO
- 横堀の投げた球が汚綿の脇腹に当たる。
(//‰ ゚)
横堀は痛そうに一塁に走る汚綿に帽子を取って一礼。
(‘_L’)「…」
アナウンス「七番・セカンド、浅田くん」
(-@∀@)「今ノッてる男の参上でやんすよ!!」
キィン
(//‰ ゚)「ぐっ…」
打球はセンターの前にポトリと落ちる。
(-@∀@)(横堀くんのストレートは合わせるだけでうまい所に飛ぶでやんす!)
(-@∀@)(ショボンくんの言っていた通りでやんす!)
- 355 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:29:56 ID:Wp7FGVvQO
- そこから八番荒井興は三振、九番荒井大を二飛に抑える。
状況はツーアウト一、二塁。
アナウンス「一番・ファースト、備考くん」
( ∵)
キン
備考の打球はこれまたショート後方にポトリと落ちるヒットとなった。
ツーアウト満塁。
全て討ち取った当たりであるものの三人の出塁を許す。
- 356 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:30:31 ID:Wp7FGVvQO
-
(;//‰ ゚)
(‘_L’)「…」
アナウンス「二番・ショート、山崎くん」
( ^^)「ウエーイ!」
一球目は外のストレートが決まりストライク。
二球目、三球目とボールを挟み四球目。
内角を抉るスライダーを山崎は引っ張る。
( ^^)(当たっちゃったぜ〜い)
- 357 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:31:23 ID:Wp7FGVvQO
- しかし打球は左に切れていきフェンス際、
/ ゚、。#/
パシッ
バンッ
/ `、、;/「うぐっ!」
審判「あうっ」
レフト鈴木が猛ダッシュ、そのまま滑りこんでフェンスにぶつかりながらも捕球する。
- 358 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:31:57 ID:Wp7FGVvQO
- ( ・∀・)「ナイスファイトだ、ダイオード!」
(‘_L’)「ええ、助かりましたよ」
/ ゚、。メ/「今までかなり足引っ張ってるんだからこれぐらいしなくちゃ…」
ミ,,゚Д゚彡「足なんて引っ張って無いだろ!貰良と同じ一年でレギュラーなだけあんよ!」
/ ゚、。メ/「バッティングの方も頑張ります!」
(//‰ ゚)「…」
(‘_L’)
- 359 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:32:31 ID:Wp7FGVvQO
- 南実高校ベンチ。
(‘_L’)「横堀」
(//‰ ゚)「…」
(‘_L’)「ちょっとベンチ裏に来て貰えますか?」
(//‰ ゚)「…」
横堀とフィレンクトがロッカールームの方へと消えて行く。
(゚、゚トソン「何かあったんでしょうか?」
爪'ー`)「…」
(゚、゚トソン(ビバッてルイしてるんでしょうか?)
- 360 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:33:17 ID:Wp7FGVvQO
- そして間もなくしてからである。
「どういう事だ横堀!!!」
(゚、゚;トソン「!」
「お前が何を求めてるのか知らんがなあ!!」
(゚、゚;トソン「フィレンクトの声…」
爪'ー`)「マネージャー」
(゚、゚;トソン「はい」
爪'ー`)「ちょっと見てきてくれるか?」
(゚、゚;トソン「わかりました」
- 361 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:33:54 ID:Wp7FGVvQO
- ロッカールーム。
(#‘_L’)「お前は野球を何だと思ってるんだ、ああ!!?」
そこにはスロートガードも取らぬまま、横堀の胸ぐらを掴んで怒声を撒き散らすフィレンクトがいた。
(//‰ ゚)「野球は野球だ。俺が他に何かしたのか?」
(#‘_L’)「ふざけるんじゃねえ!!」
ドカッ
フィレンクトは横堀をそのままロッカーへと押し付ける。
(#‘_L’)「だったらなんでシュートを投げない!!?」
- 362 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:34:47 ID:Wp7FGVvQO
- (゚、゚;トソン「え?」
マネージャー、都村トソンはその様子を物陰から窺う。
(//‰ ゚)「曲がらなかっただけだ…」
(#‘_L’)「嘘つけ!!!」
フィレンクトは横堀をさらに強く押し付ける。
(#‘_L’)「お前がシュートを投げ損なうはずがないだろう!!?」
(//‰ ゚)「…」
(#‘_L’)「わかってるだろ!?相手は後半からお前のストレートを狙ってる!」
- 363 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:35:51 ID:Wp7FGVvQO
- (#‘_L’)「それ以前もそうだ!俺のシュートのサインをお前はずっと無視し続けてる!!」
(//‰ ゚)「…」
(#‘_L’)「お前には理想の投手像があったよな。"いつでも三振がとれる投手"だったか」
(#‘_L’)「そんな絵空事、お前が…お前なんかがなれる代物じゃねえ!!」
(#‘_L’)「お前は凡人だ!!どれだけ天才の振りしても所詮は凡人なんだよ!!」
(//‰ ゚)「!?」
(#‘_L’)「一人でチームをねじ伏せられるような選手じゃねえんだ!!」
(;//‰ ゚)「…ぐ」
- 364 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:36:37 ID:Wp7FGVvQO
-
(゚、゚;トソン「こ、これはマズい…」
都村トソンは急いでベンチへと引き返す。
(゚、゚;トソン「か…監督!」
爪'ー`)「聞こえてたよ」
FOXはグランドの方を向きながらこたえる。
(゚、゚;トソン「ならば止めなくて良いのですか!?」
爪'ー`)「なんで?」
- 365 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:37:34 ID:Wp7FGVvQO
- (゚、゚;トソン「もし一大事にでもなったら…」
爪'ー`)「その点は安心したまえ。フィレンクトはそんなヘマをする様な奴じゃない」
都村はさっきの状況を思い出す。
フィレンクトは横堀を抑えつけていたが、利き腕の負担にはならないよう気を使っていた。
(゚、゚;トソン「それでも今は試合中です!試合に影響してしまうと…」
爪'ー`)「…マネージャー」
FOXは都村の方へと向き直り、続ける。
爪'ー`)「嬉しいんだよ、僕は」
- 366 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:38:18 ID:Wp7FGVvQO
-
(゚、゚;トソン「…」
爪'ー`)「あれだけ野球に関して熱い思いを持ち、それを仲間にぶつける事が出来る」
爪'ー`)「久しく居なかったよ」
爪'ー`)「横堀に関してもそうだ。自分の遥か上を理想としてそれを目指す姿は嫌いじゃない」
爪'ー`)「イキのいい下級生もいる。他にも熱い思いを持った奴はウチには沢山いる」
(゚、゚トソン「…」
- 367 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:39:04 ID:Wp7FGVvQO
-
爪'ー`)「今日は不振のクリーンナップ、奴らもそうさ」
爪'ー`)「黙っていてもかなり悔しい思いを抑えきれないでいるだろう」
爪'ー`)「僕はね、マネージャー」
爪'ー`)「このチームがこんなところで終わるとは到底思えない」
カキイイィィィン
(゚、゚;トソン「え?」
川 ゚ -゚)
(;´・ω・`)
(;,゚Д゚)
( ゚∋゚)
ゴンッ
八回の表、南実高校の攻撃中。
南実3-4VIP
- 368 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 00:39:37 ID:Wp7FGVvQO
- 第10話 終わり
- 369 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 01:02:07 ID:nXPs2j9E0
- 結構スピーディに進むし試合展開が気になってドキドキするな
乙
- 370 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 02:03:00 ID:dBHlyyCQO
- 遅ればせながら読んだよ
一人かやのそと状態の奴がいるな
- 371 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:07:19 ID:Wp7FGVvQO
- ( ゚∋゚)
南実高校の四番鳥山がダイヤモンドを回る。
川 ゚ -゚)「…」
(;´・ω・`)「なんてパワーだ…」
外角へのストレート。
それを叩き返した打球は一直線にバックスクリーンへ飛び、校名の上に直撃した。
川 ゚ -゚)ドクン
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)(そうだ…)
川 ゚ -゚)(おそらくこの感じだ…)
- 372 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:07:58 ID:Wp7FGVvQO
-
(私が求めているのは…!)
.
- 373 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:08:37 ID:Wp7FGVvQO
- 第11話
(‘_L’)
キィン
(;,゚Д゚)タッタッ
パシッ
審判「アウトオオォ!」
(;‘_L’)「クソ!」
鳥山のホームランの後、五番杉浦、六番塞戸、七番フィレンクトと良い当たりを続けるが全てあと一息。
(´・ω・`)(さすが南実、やっぱり終盤には捉えてくるね)
(´・ω・`)(でもあと一回…これなら…)
- 374 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:09:32 ID:Wp7FGVvQO
- 南実ベンチ
(゚、゚トソン「皆さん!ドンマイです!流れは確実に来てますよ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、マネージャーの言う通りだ!しっかり守って最終回に繋げていこう!!」
一同「おうっ!!!」
南実ナインが各々のグラブを持ちベンチから出ていく。
爪'ー`)「横堀!」
(//‰ ゚)「はい」
- 375 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:10:13 ID:Wp7FGVvQO
- 爪'ー`)「お前はもう休んでおけ」
(//‰ ゚)「…」
爪'ー`)「色々考える事もあるだろう」
(//‰ ゚)「…」
爪'ー`)「お前には少し離れてチームを見つめる事が必要だ」
(//‰ ゚)「わかりました」
(‘_L’)「…」
爪'ー`)(私がフィレンクトの言葉を告げたならば横堀は代えなかったろうな)
爪'ー`)(だが、奴らで無ければ分からない事もある)
爪'ー`)(あれだけチームメイト同士で衝突したんだ、双方の顔も立ててやらんと)
- 376 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:11:17 ID:Wp7FGVvQO
- アナウンス「選手の交替をお知らせします」
アナウンス「ピッチャー横堀くんに代わりまして松中くん」
('(゚∀゚∩「あれ?ピッチャー代わるみたいだよ」
(*-@∀@)「僕らのつるべうちが効いたでやんすかねぇ…デュフフ」
(´・ω・`)「何にせよ気持ちは引き締め無いと」
アナウンス「八回の表、VIP高校の攻撃は」
アナウンス「三番・ピッチャー、砂緒くん」
川 ゚ -゚)
- 377 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:11:59 ID:Wp7FGVvQO
- (‘_L’)(松中は左のサイドスロー)
(‘_L’)(横堀と比べ格段力は落ちますが、右のオーバースローの横堀の後にそうそう打てるものではありません)
(‘_L’)(…あなたが降りた試合で絶対に追加点はやりません)
砂緒に対してはストレートのフォアボール。
しかしそれはフィレンクトの要求する球が全てボールの結果だった。
(,,゚Д゚)
そしてVIP高校はこの試合三三振の四番、ギコを迎える。
- 378 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:12:32 ID:Wp7FGVvQO
- VIP高校側スタンド
(*^ω^)「よっしゃお!クーは盗塁だお!ギコは打つお!柵越えだお!!」
(#´・_ゝ・`)「くうちゃあぁぁぁん!走れ!!走ったれぇぇ!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ(何この豹変っぷり)
(´・_ゝ・`)「そーれ」
「さ・く越え!さ・く越え!」ヽ(^ω^)⌒(´・_ゝ・`)ノ「とーるい!とーるい!とぉぉぉるいい!!」
( ^ω^)「いけぇぇぇ!!!」(´・_ゝ・`)
ξ゚⊿゚)ξ(息もあってきた…)
- 379 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:13:21 ID:Wp7FGVvQO
-
ブォン
(;,゚Д゚)「…」
(;,゚Д゚)(何で…)
ブォン
(;,゚Д゚)(何で…当たらねぇんだ…)
(;,゚Д゚)(俺だけじゃねえか…一度もバットにかすりもしねえの…)
(;,゚Д゚)(クソッ!見てくれよ…)
ブォン
審判「ストライクアウッ」
(,,Д)(何で…何で目ぇそらすんだよ…)
(,,Д)(見てくれよ…こっちを…)
.
- 380 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:13:50 ID:Wp7FGVvQO
- アナウンス「五番・キャッチャー、佐世保くん」
(´・ω・`)(左のサイドスロー…厄介だけど来る球の予測は出来る)
(´・ω・`)(サイドスローが有効な球は利き腕とは逆の打席)
(´・ω・`)(左利きなら右打席へ、つまり僕の内角への球が最も角度がつく)
(´・ω・`)(クロスファイアは絡めてくる…と言いたいところだけど)
(´・ω・`)(あの投法はデッドボールの危険性が高い)
- 381 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:14:22 ID:Wp7FGVvQO
- (´・ω・`)(相手にとってもう一点もやれないこの場面)
(´・ω・`)(突然の登板で松中も十分肩が暖まっていないはずだ)
(´・ω・`)(それにせっかく牽制も小まめに挟んで砂緒を釘付けにしてるのに)
(´・ω・`)(わざわざセカンドにランナーをやるなんて事はしたくないはず)
(´・ω・`)(となると狙うは真ん中から外より)
シュッ
キン
(´・ω・`)「あっ」
- 382 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:15:19 ID:Wp7FGVvQO
- ショボンの打球は前に飛ばずバックネットの方へ飛んでいく。
(´・ω・`)(ま、わかってても苦手コースに来たら望みは薄いんだけど)
ショボンは打球の行方を見守る。
(´・ω・`)(ファールだろうね、もうけ…)
(#‘_L’)「っ!」
(´・ω・`)「あ」
- 383 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:15:56 ID:Wp7FGVvQO
-
パシッ
フィレンクトは腕を伸ばし、バックネットにつこうかと言うところで球を捕球した。
審判「アウトー」
(´・ω・`)「…」
(´・ω・`)(まあ、次の回のリードに力を入れよう)
六番汚綿はセカンドゴロに倒れ、九回・南実最後の攻撃を迎える。
- 384 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:16:36 ID:Wp7FGVvQO
- アナウンス「八番・レフト、鈴木くん」
/ ゚、。 /「…よし」
「鈴木!」
/ ゚、。 /「?」
【+ 】#ゞ゚)「私にまで回せ!絶対に返す!!」
/ ゚、。 /(オサム先輩が…感情を出して叫んでる…)
/ ゚、。 /(そうだ…絶対に…絶対に俺は出る!)
キン
/ ゚、。;/
(´・ω・`)
パシッ
審判「アウト」
/ ゚、、;/「…」
- 385 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:17:34 ID:Wp7FGVvQO
- アナウンス「九番松中くんに代わりましては瀬川くん」
(´・ω・`)(代打送って来たか、でも…)
バシイ
審判「ストライクアウト!」
(´・ω・`)(ちょっとやそっとじゃ僕らの勢いは止められないよ)
アナウンス「一番・ショート、貰良くん」
(#・∀・)「しゃあああ!!!」
【+ 】ゞ゚)「回せええ!!私に!!」
( ・∀・)(わかってますよ、何としてでもあなたに回す)
(´・ω・`)
川 ゚ -゚)
(#・∀・)(打つ!)
- 386 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:18:26 ID:Wp7FGVvQO
-
スルッ
( ・∀・)(え)
(;・∀・)(ここでチェンジアップ…)
カンッ
(;・∀・)「くっそ!」
川 ゚ -゚)
パシッ
(;・∀・)(終わるか!終わるかよ!)
ズサアア
審判「…」
- 387 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:19:18 ID:Wp7FGVvQO
-
審判「アウトォォ!!」
( ・∀・)
( ・∀・)「…」
( ∀)「…」
( ∀)(また…また俺で終わ…)
( ∀)「…ッソ」
( ;∀;)「クソッタレエエェェ!!」
- 388 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:19:54 ID:Wp7FGVvQO
-
アナウンス「先程の試合は3対4でVIP高校が勝ちました。第三試合は二時四十分からの開始で…」
爪'ー`)「お前ら!バスに乗る時くらいキビキビ動け!」
近年、県内で負ける事はほとんど無かった。
夏は六連続、春夏では五連続で甲子園出場を決めていた南実にとって予想外の敗戦だった。
南実ナインは失意を持って送迎バスへと乗り込んだ。
- 389 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:20:27 ID:Wp7FGVvQO
-
爪'ー`)「…」
ミ,,゚Д゚彡「…監督」
爪'ー`)「車内では座れ、塞戸」
ミ,,Д彡「すいませんっしたあ!!」
爪'ー`)「…」
ミ,,Д彡「相手投手が代わってから打てなかったのも、決勝点となる打球を取れなかったのも」
ミ,,Д彡「主将である自分であります!!!」
ミ,,Д彡「先輩方が積み重ねてきた五期連続甲子園の記録を途切れさせたのも」
ミ,,Д彡「自分の責任であります!!!」
- 390 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:21:08 ID:Wp7FGVvQO
-
爪'ー`)「…」
ミ,,Д彡「すいませんっしたあ!!」
南実キャプテン塞戸による突然の独白にも車内にどよめきが起こる事は無い。
皆、似たような思いを持ち合わせているのだろう。
爪'ー`)「顔あげろ、塞戸」
ミ;,゚Д゚彡「はいっ!」
爪'ー`)「座れ」
ミ;,゚Д゚彡「はい…」
- 391 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:21:55 ID:Wp7FGVvQO
-
爪'ー`)「お前ら!座りながらでいい!よく聞け!!」
一同の視線がFOX監督に集まる。
爪'ー`)「確かにお前らは五季連続出場という我が校の持つ偉大な記録を途絶えさせた」
爪'ー`)「この事は大いに悔やめ!」
- 392 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:22:41 ID:Wp7FGVvQO
- 爪'ー`)「だがな」
爪'ー`)「そんな記録を追わずとも、もっと素晴らしい記録はある!!」
爪'ー`)「そしてお前達はそれを歴史に刻みつける事が出来る!必ず!!!」
爪'ー`)「俺はその時が来るのが楽しみで仕方ない!」
爪'ー`)「間違ってもこの期待は裏切ってくれるなよ!」
爪'ー`)「いいな!!!」
一同「はいっ!!」
- 393 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:23:25 ID:Wp7FGVvQO
-
(//‰ ゚)
(‘_L’)「横堀」
(//‰ ゚)「…フィレンクトか」
(‘_L’)「あの件はその…申し訳ない」
(//‰ ゚)「いや…こちらこそ…だ」
(‘_L’)「私は…」
(//‰ ゚)「?」
(‘_L’)「私は横堀がどれだけ研鑽を重ねて来たか知っているつもりです」
- 394 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:23:58 ID:Wp7FGVvQO
-
(//‰ ゚)「…」
(‘_L’)「あなたは凡人ではない」
(‘_L’)「私はああ言いましたが…」
(‘_L’)「夢を追うその信念…大切にするべきです」
(//‰ ゚)「そうだな…」
(//‰ ゚)(俺は自分の夢自体をいつの間にか見失っていた)
(//‰ ゚)「ロッカーでお前が言った事を一つ訂正させてくれ」
(‘_L’)「…どうぞ」
(//‰ ゚)「俺がなりたいのはいつでも三振を取れる投手ではない」
(//‰ ゚)「自在に三振が取れる"バッテリー"だ」
(//‰ ゚)「なろう、最高のバッテリーに…」
- 395 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:24:39 ID:Wp7FGVvQO
- VIP高校スタンド。
(*^ω^)「ふんおふんおふんお〜」
ξ*゚⊿゚)ξ「何浮かれてんの〜全く〜♪」
(*^ω^)「ツンだって台詞の最後に八分音符がついてるお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ばっ、バカ!これはウチが南実と戦わなくて済んだからであって」
ξ*゚⊿゚)ξ「おめでとうなんて言ってあげないんだからね!!」
(*^ω^)「ツンデレおっつ〜」
(´・_ゝ・`)「ちょっと」
- 396 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:25:07 ID:Wp7FGVvQO
- 帰り支度を済ませ出口に向かおうとするブーン達をデミタスは引き止める。
( ^ω^)「なんだお?」
(´・_ゝ・`)「あたし大学ではスポーツ医学とか色々教わったんだけどん」
(´・_ゝ・`)「最近くぅちゃんを見る時間もあまり無くなっちゃって暇なのよん」
(´・_ゝ・`)「良かったら部活の練習後にでも付き合わない?」
(´・_ゝ・`)「ひ・み・つ・の・とっ・く・ん」
( ^ω^)「やめときます」
(´・_ゝ・`)「Oh...」
- 397 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:26:18 ID:Wp7FGVvQO
- 第11話 終わり
南実戦終了
次回は少し遅くなると思います
- 398 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 13:45:37 ID:dBHlyyCQO
- かやのそとだった奴が別の場所で大活躍だった
でももっと違うところで活躍せい、何をやってるんだよ
- 399 :名も無きAAのようです:2012/09/08(土) 15:04:28 ID:/jQXN.0AO
- 乙
- 400 :名も無きAAのようです:2012/09/09(日) 02:11:28 ID:IDSOJ2WM0
- おつ
ブーンもてもてだな
特訓しとけよ特訓
- 401 :名も無きAAのようです:2012/09/16(日) 15:51:54 ID:c8efw0p6O
- タイトルにいるのに全然活躍しないブーンだなんて
目立たないブーンがどう活きてくるのか楽しみ
それにしてもちょいギャグがよく合う作品だな
- 402 :名も無きAAのようです:2012/09/16(日) 16:24:05 ID:FdlE6seMO
- てか、スタンドだとベンチウォーマーですらないよな
- 403 :名も無きAAのようです:2012/09/16(日) 16:39:59 ID:c8efw0p6O
- 確かにそうだけど焦るのはよくない
まだ序盤だ
- 404 :名も無きAAのようです:2012/09/16(日) 20:55:00 ID:8y2S5n1kO
- 突然ですが、
まぜこぜブーンさんにまとめて頂きました。
http://mzkzboon.blog.fc2.com/
ブーン系における夢の1つが叶って大変嬉しく思います。
- 405 :名も無きAAのようです:2012/09/24(月) 20:53:16 ID:Lo0WV0R.O
- 読み直したけどやっぱり面白いなぁ
それに読みやすい 気長に待っとく
- 406 :名も無きAAのようです:2012/10/01(月) 23:26:07 ID:0th8dYY.0
- わたしまつお
- 407 :名も無きAAのようです:2012/10/02(火) 10:42:13 ID:GqmXpCBkO
- いつまでも松夫
- 408 :削除屋三⊂( ^ω^)⊃ ★:<^ω^;削除>
- <^ω^;削除>
- 409 :名も無きAAのようです:2012/10/09(火) 22:51:55 ID:r0PmS.WkO
- _
( ゚∀゚)おっぱい!
- 410 :名も無きAAのようです:2012/10/23(火) 12:13:53 ID:5U8UZdVoO
- まだか
- 411 :名も無きAAのようです:2012/11/18(日) 02:28:17 ID:tiGLbndI0
- まっとるけん
- 412 :名も無きAAのようです:2012/11/20(火) 19:49:25 ID:5qCfNnLg0
- 大分進んでた
結構あいてんのね
クー野球歴1ヶ月くらいか?室伏が野球やったらこうなりそうだ
- 413 :名も無きAAのようです:2012/11/23(金) 16:59:00 ID:Ri8m20.20
- wktkが止まらないwwwww
続き早くwwwwwww
- 414 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:48:47 ID:ErH/Y2O20
- 歩道に並ぶイチョウの落ち葉がアスファルトに鮮やかな黄色い斑点を彩る。
乾いた空気が空まで届き、陰りのない水色が広がる。
食事するには遅く、帰宅するには早すぎる時間帯、オフィス通りにあるファミリーレストランに二つの影があった。
( ´ー`)「・・・」
その景色をガラス越しに見つめる若手記者・白根庸介の顔は、そんな秋のすがすがしさとはかけ離れた無表情を造っていた。
(;*゚ー゚)「・・・」
相席に座る新米記者・猫野しぃも白根の顔を見つめながらバツの悪そうな顔をしている。
( ´ー`)「・・・」
(;*゚ー゚)「・・・」
( ´ー`)「・・・」
- 415 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:49:39 ID:ErH/Y2O20
-
(;*゚ー゚)「・・・あの」
(#´ー`)「アアアア!!??」
(;*゚ー゚)「う・・・」
(#´ー`)「・・・」
(;*゚ー゚)「機嫌直しましょうよ〜、ね?」
( ´ー`)「ぬあああにいいがあああ」
(#´ー`)「『ね』だアアアア!!!」
(;*゚ー゚)「取材ならまた行けばいいじゃないですかあ〜」
この若年新聞記者コンビ、先程VIP高校を訪れたばかりである。
目的は勿論、先日行われた南実高校戦で大活躍し高校野球に鮮烈デビューを果たした砂緒空だ。
( ´ー`)「ウチの新聞社はナ、陸上ん時から砂緒空を追ってタ。言うなれば他の野球誌の記者より一歩リードしてんダ」
(*゚ー゚)ドヤア「そうそう!私がその情報源を・・・」
(#´ー`)「ドヤアじゃネエエエエエ!!!」
- 416 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:50:27 ID:ErH/Y2O20
-
数時間前、VIP高校のグランドで外周を走る砂緒に二人は取材を試みた。
( ´ー`)『いいカ猫野。この前の失敗から今回は俺がヤる!テメエは俺の後ろでおとなしくしとケ』
(*゚ー゚)『はい!』
川 ゚ -゚)タッタッタ・・・
( ^ω^)『こないだの試合ナイスピッチングだったお!っていうかスーパーグレートパナソニック超ピッチングだったお!!』タッタッタ・・・
川 ゚ -゚)『スーパーと超は同じ意味だと思うぞ』
(*^ω^)『おっおっ!だったらスーパーグレートパナソニック・・・』
( ´ー`)『ちっ、邪魔者がいやがるな・・・おい、猫野』
(*゚ー゚)『はい!ハーイ、そこのチェリーボーイ。お姉さんと向こうでいい事しない?』
( ^ω^)『おっ!これはマブなスケ!』
( ´ー`)『・・・よし、行ったナ。砂緒くんだね?君に少し話を聞きたいんダガ、お時間よろしいかナ?』
川 ゚ -゚)『・・・』
- 417 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:51:54 ID:ErH/Y2O20
-
( ´ー`)『どうかしましたカ?』
川 ゚ -゚)『いや、いいのかと思って』
( ´ー`)『?』
川 ゚ -゚)『あれ』
( ´ー`)『え?』
- 418 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:53:07 ID:ErH/Y2O20
-
(*゚ー゚)『うふふ、もうちょっとサービスしてあげようかしら』むぎゅ
『すげえええ』
『肉!!』
『ワイの棒!!』
『反り立つ!』
( ^^)『そこのレディー、どうです?お茶でも』
('(゚∀゚;∩『は、鼻血が・・・だれかティッシュを下さいよ・・・』
(*-@∀@)『だ・・・ダメでやんす!それ以上いけない』
(*^ω^)『あ』ピュ
(´;ω;`)『ヒドイ、ブーン・・・僕というものがありながら・・・』
(;´ー`)『(なにやってんダあいつは〜!!)』
- 419 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:53:48 ID:ErH/Y2O20
-
(;´ー`)『(だが、今必要なのは少しでも有益な情報を・・・)』
ぐいっ
( ´ー`)『?』
(´・_ゝ・`)『ちょっとアンタ。うちのくぅちゃんに』
(#´・_ゝ・`)『何してくれとんじゃワレエエ!!!』
(;´ー`)『ひっひいいいい!!』
- 420 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:54:33 ID:ErH/Y2O20
-
(;*゚ー゚)「でっ、でも私は先輩の言うとおりに」
(#´ー`)「おバカ!!どっかの痴女のせいで学校で取材許可はもう降りネエだろうヨ!」
(;´ー`)「一世一代の大チャンスが一転して死の宣告に・・・」
(*゚ー゚)「・・・」
(;ー)「もうダメダァ・・・おしまいダ・・・」
(*゚ー゚)「あの〜・・・」
(;ー)「なんだヨ・・・」
(*゚ー゚)「だったら学校外で取材したらどうでしょ?」
( ー)
(*゚ー゚)「帰り道に買い食いしてる時とかに突撃しちゃって」
( ー)「・・・」
( ´ー`)「いいナ、おい」
(*゚ー゚)「え」
( ´ー`)「いいゼ!!それオイ!!!それナラ【スーパー高校生の日常】みたいな感じで他と差異化も図れル!!」
(*゚ー゚)「でしょう〜?」
( ´ー`)「よっシャ!!そうと判れば待ち伏せだゼ!!」
(*゚ー゚)(自分で言っておいてなんだけど、高校生相手にストーカー紛いの事してもいいのかなぁ、記者として・・・)
- 421 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:55:17 ID:ErH/Y2O20
- 第12話
VIP高校のグランドでは大会中と言う事もあり早めに練習が切り上げられ、部員たちはロッカーにて帰り支度を始めていた。
(,,゚Д゚)「・・・」
( ^^)「どうしたんだぁ〜ムッシュ!今日は元気ないぜぇ〜」
(,,゚Д゚)「うるせぇ」
( ^^)「あ!もしかしてあのエロイベントに乗っかり損ねたからだろぉ〜?お?お?」
(,,゚Д゚)「うるせぇ、触んな」
(-@∀@)「いや〜、でもさっきのは本当にラッキースケベだったでやんすねえブーン君」
(*-@∀@)「思い出しただけで・・・ムフフ」ムクムク
( ^ω^)「アサピーなかなか大きなモツを隠し持っているおね・・・」
( ^ω^)「だが・・・」
(#^ω^)「僕の454カスールにはかなうまい!!」ギュン!
(*;´・ω・`)「はうっ!?」ズッキュウウウゥゥゥン!!!
(;^ω^)「バベルの塔!!?」(@∀@;)
(,,゚Д゚)「ちっ!」
ダッダッダ
バタン!!
- 422 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:56:01 ID:ErH/Y2O20
-
( ^ω^)「どうしたんだろうおね、ギコ。あの試合から様子がおかしいお」
(;-@∀@)「そっとしといてやるのが一番でやんすよ、多分・・・」
(´・ω・`)「さて、僕たちもそろそろ帰ろう・・・ん?」
川 ゚ -゚)「・・・」
(´・ω・`)「どうしたんだい?」
川 ゚ -゚)「ああ、少し考え事をしていてな」
(-@∀@)「僕らは一緒に帰るでやんすけど、砂緒くんも途中までいっしょにどうでやんすか?」
川 ゚ -゚)「遠慮しておく」
(-@∀@)「そうでやんすか」
(´・ω・`)「じゃあ僕たちはお先させてもらうよ」
( ^ω^)「ばいお〜」
川 ゚ -゚)「ああ」
バタン
- 423 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:56:50 ID:ErH/Y2O20
-
川 ゚ -゚)「・・・」
いつしかロッカーには砂緒しか居なくなっていた。
静かで、薄暗く、そして密閉された孤独の中、砂緒は南実戦で鳥山に本塁打を打たれた時に湧いた微かな気持ちを反芻する。
川 ゚ -゚)(敗北・・・あれは確かに一つの敗北・・・のはず・・・だが)
川 ゚ -゚)(やはり・・・ダメだ・・・)
川 ゚ -゚)(その先に・・・いったい何が・・・あるというのですか・・・?)
- 424 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:58:12 ID:ErH/Y2O20
- VIP高校校門。
(-@∀@)「今日はどこか寄るでやんすか?」
(´・ω・`)「そういえばこの前ブーンと約束したピザ屋に・・・」
( ^ω^)「ごめんお、実は今日一緒に帰れないんだお」
(;´・ω・`)「え?」
(-@∀@)「・・・ブーン君、もしかして」
朝田は意味ありげに左手の小指を立てて内藤に突き出した。
(;-@∀@)「”コレ”でやんすか?」
(;^ω^)「お!?」ガシッ
(;´・ω・`)「そ!!そうなのかい!!」
(;^ω^)「いやいや違う違う」
(;´・ω・`)「じゃあなんなんだい????」ぐわんぐわん
(;^ω^)「お、お、お、先生にっ、呼び出、し、喰らっ、た、だけだ、お!!」ゆっさゆっさ
- 425 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:58:55 ID:ErH/Y2O20
-
(´・ω・`)「そうだったのか、安心したよ」
(;^ω^)「ショボンに安心される筋合いは無いと思うお・・・」
(´・ω・`)「ツンデレ乙」
( ^ω^)「いや違う」
(-@∀@)「とりあえずガンバレとだけ言っておくでやんすよ」
(´・ω・`)「変なことされたらすぐ僕に言うんだよ?」
( ^ω^)「言わない」
内藤は二人とその場で別れ校舎へと引き返す。
(;^ω^)「全く・・・ショボンのあれはどうにか治らないものかお?」
「ホラちゃあん」
(;^ω^)「うおっ!!?」
(´・_ゝ・`)「あらぁ、驚くなんて失礼ねん」
(;^ω^)「デミタス先生・・・」
(´・_ゝ・`)「あらぁ、デミタスでいいわよん?デミタスで。教師って柄じゃないもの」
( ^ω^)「僕もブーンの方で呼んで下さいお。名前で呼ばれるよりしっくりするので・・・」
(´・_ゝ・`)「わかったわん。ところで先日の話だけど・・・」
- 426 :名も無きAAのようです:2012/12/03(月) 23:59:36 ID:ErH/Y2O20
-
( ^ω^)「それはこの前返事した通り・・・」
(´・_ゝ・`)「これから空いてるのん?」
( ^ω^)「? 空いてますお」
(´・_ゝ・`)「あたしのうちに来ない?」
( ^ω^)「え?でも用事ならここで・・・」
(´・_ゝ・`)「お願い、捕って食ったりしないから」
(;^ω^)「・・・」
デミタスの表情は思いのほか真剣で、内藤は断る事が出来なかった。
(´・_ゝ・`)スタスタ
(;^ω^)スタスタ
早足のデミタスの後ろを内藤は黙ってついていく。
辺りも暗くなりはじめ、ほとんど両側のシャッターが降りたVIP高校近隣にあるVIP商店街に乾いた足音がこだまする。
(´・_ゝ・`)スタスタ
クイッ
(;^ω^)スタスタ
- 427 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:00:20 ID:torVpAas0
-
デミタスは小道へと右折する。
その先は風俗店やラブホテルなどが立ち並ぶピンク街だった。
(;^ω^)(本当に大丈夫かお・・・)
そんな心配とは裏腹にデミタスはさらに狭い路地裏へと入っていく。
その先にあったのは何の変哲もないマンションだった。
(´・_ゝ・`)「さ、ここよん。・・・どうしたのん?」
(;^ω^)(心底助かった・・・)
デミタスの部屋は三階一番奥の部屋だった。
(´・_ゝ・`)「どうぞ」
( ^ω^)(運動靴ばかりだけど女物の靴に・・・男物もまじってるお・・・?)
(´・_ゝ・`)「どうしたのん?」
( ^ω^)「あ、いえ」
内藤は玄関で靴を脱ぎ、部屋にあがる。
( ^ω^)「結構広いんですおね」
- 428 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:01:02 ID:torVpAas0
-
(´・_ゝ・`)「外から見ると建物が密集してて窮屈そうな土地だけど、一応3LDKだからねん」
玄関から真っ直ぐ突き当たったところにリビングがある。
内藤はデミタスにソファに座るよう促され、それに従った。
( ^ω^)(悪趣味な部屋かと思ってたけど、案外普通だお)
(´・_ゝ・`)「はいどうぞ。暖かいお茶よ。運動後に体を冷やすのはよくないわん」
( ^ω^)「あ、ありがとうございますお」
(´・_ゝ・`)「ところで、親御さんには連絡しなくてもいいのん?」
( ^ω^)「ああ、大丈夫ですお。とーちゃんは出張で帰らないし、かーちゃんは僕が小さいときに死んじゃいましたから」
( ^ω^)「家にはだれもいないんですお」
(´・_ゝ・`)「そう、それは悪いこと聞いちゃったかしら?」
( ^ω^)「全然気にしないですお」
(´・_ゝ・`)「なら、本題・・・あたしをトレーナーとしてみない?」
( ^ω^)「その話ですが、僕はデミタスさんに特別にトレーニングしていただく気はありませんお」
(´・_ゝ・`)「どうしても?」
( ^ω^)「はいお」
- 429 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:01:47 ID:torVpAas0
-
(´・_ゝ・`)「・・・そう」
( ^ω^)「デミタスさんはどうして僕にそんなにこだわるんですかお?」
(´・_ゝ・`)「ああ簡単よ」
(´・_ゝ・`)「あたしはくぅちゃんの陸上専属競技トレーナー。このままあの子を野球部に居させ、ほったらかしにするのはのは都合がよくない」
(´・_ゝ・`)「あの子が居なくてもいい様、チームに実力を補填させるという理由が一つ」
(´・_ゝ・`)「そしてあの子のせいでメンバー入りを追われたあなたに対する引け目からよ」
( ^ω^)「僕に関しては気にする必要ないですお。僕はクーが野球部に入ってくれてとても嬉しいんですお!」
( ^ω^)「それにクーは別に陸上をやめたわけじゃないんですおね?ならいいじゃないですかお」
( ^ω^)「差し出がましいですけど、なにか他に理由があるように思えるんですがお・・・」
(´・_ゝ・`)「・・・」
(´・_ゝ・`)「ではあなたはどうしてあたしの申し出を断るのん?」
( ^ω^)「う〜ん・・・うまく言えないですお。ただ」
(´・_ゝ・`)「ただ?」
( ^ω^)「悪い気がして」
- 430 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:02:27 ID:torVpAas0
-
(´・_ゝ・`)「それこそ気にすることないわよん」
( ^ω^)「デミタスさんに、じゃないんですお」
(´・_ゝ・`)「チームメイトにかしらん」
( ^ω^)「それもありますお。でもそれよりも」
( ^ω^)「ただ、野球に悪い気がするんですお」
(´・_ゝ・`)「は・・・?」
(´・_ゝ・`)「ごめん。言ってることがよくわからないわん。効率的な練習を教わることがどうして野球に対して罪悪感を抱く必要があるのん?」
( ^ω^)「う〜ん・・・」
内藤は軽く頭を抱える。
( ^ω^)「それ以上うまく説明できませんお」
- 431 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:03:09 ID:torVpAas0
-
(´・_ゝ・`)「・・・わかったわん、よくわからないけどあまりしつこく言うのはやめにするわん」
(´・_ゝ・`)「それならそれで、こっちは困りものなんだけどねん・・・」
( ^ω^)「・・・というのは?」
(´・_ゝ・`)「ならこうするわん。くぅちゃんをなんとか野球部をやめるよう頼んでくれないかしらん」
( ^ω^)「さっきも言いましたけど僕はクーが野球部に来てくれて嬉しいんですお。やめさせるなんてとんでもないですお」
(´・_ゝ・`)「・・・」
( ^ω^)「どうしてクーにそんなに野球部をやめてほしいんですかお?」
(´・_ゝ・`)「あの子はね・・・」
(´・_ゝ・`)「続けてはいけないの、高校野球だけは」
( ^ω^)「え・・・?」
(;^ω^)「で、でも、理由になってないんじゃないですかお?」
- 432 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:04:08 ID:torVpAas0
-
(´・_ゝ・`)「理由は・・・あたしの口からはとても」
(´・_ゝ・`)「陸上もバスケットボールも水泳も・・・他なら何でもいい。ただ高校野球だけはダメなの」
(;^ω^)「そんなにダメならデミタスさんが無理やりにでも・・・」
(´・_ゝ・`)「そうね、なにはともあれうかつにきっかけを作ってしまったのはあたしだったんだから」
(´・_ゝ・`)「でも、やめないでしょうね、それでは」
( ^ω^)「そうなんですかお」
(´・_ゝ・`)「わかった、他の方法を考えることにするわん」
そこまで話したところで玄関の方からドアの開く音がした。
(´・_ゝ・`)「随分とおそかったのねえ」
デミタスはその場で帰宅した同居人に声をかける。
「変な奴等に追い回されてな。撒くのに手間取ったんだ」
玄関へと伸びる通路から返事が流れてくる。
- 433 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:04:50 ID:torVpAas0
-
( ^ω^)「ご家族が帰ってきたようなのでそろそろお暇しますお」
(´・_ゝ・`)「あら、気にすることないのよん。それよりブーンちゃん。家に誰も居ないのならここにとまってかないかしらん?」
( ^ω^)「いえ、今日は帰りますお」
「誰か来ているのか?」
川 ゚ -゚)「ん?」
(;^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「・・・」
(;^ω^)「・・・」
川 ゚ -゚)「内藤か」
(;^ω^)「・・・うん」
- 434 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:05:53 ID:torVpAas0
- 第12話 終わり
- 435 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:25:34 ID:bLR45COIO
- 次も三ヶ月後なんていうのはなしにしてくれよな!
- 436 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:38:58 ID:/t35GEuAO
- 乙
- 437 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 00:48:21 ID:pbThAN7.0
- おお来たのか
乙
- 438 :名も無きAAのようです:2012/12/04(火) 02:31:18 ID:RuG2kFnI0
- おつおつ
しぃさん何やってんですか
ブーンもマブなスケじゃないだろうおっさんか
改行が多くなった、と思ったらスマホに変えた?
オフにベンチウォーマーが読めれば嬉しいよ
- 439 :名も無きAAのようです:2012/12/08(土) 21:09:36 ID:92qEPsKM0
- すいません、やっぱり作り直します
- 440 :名も無きAAのようです:2012/12/08(土) 21:40:39 ID:jGix.Xik0
- えええ、えええええっぇぇええええぇぇえええええ
分かった。待ってるぞ。
面白いから、また書いて、読ませてくれ。乙。
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