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( ^ω^)ブーンは誰かのためのある話をするようです- 1 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 02:58:59 ID:oOUc0neo0
-
oDai to Anka de oHanasi
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
このスレの趣旨を三行で
このスレは安価やお題を元に、>>1 が適当に話を書いていくスレです。
同じ舞台での続きものと、突発的な短編が混じったり色々の予定。
流れは遅いはずなので、お題や安価もらって時間置いて投下になったりすると思う。
空気は別に読まなくてもいいので、まあ、気が向いたら見てってくんなせえ。
- 2 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 02:59:46 ID:oOUc0neo0
-
( ^ω^)「僕の名前は内藤ホライゾン。みんなからはブーンと呼ばれてるお」
( ^ω^)「僕は……
1 VIP高校に通う高校生だお
2 VIP大学に通う大学生だお
3 明日をも知れぬNEETだお
4 VIP村の住民だお
5 漆黒の闇に染まりし堕ちた天使の末裔だお
6 ※自分の立場を自由記述 」
安価
>>6
- 3 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 03:02:31 ID:oOUc0neo0
-
( ^ω^)「そんな僕にも夢があるお」
( ^ω^)「僕の夢は……
1 受験に合格する事だお!
2 大会で優勝する事だお!
3 就職する事だお!
4 魔王を打ち倒す事だお!
5 まだ見ぬ世界を旅する事だお!
6 ※自由記述 」
安価
>>7
>>7の書き込みの時間末尾の数値が奇数なら( ^ω^)の性格はポジティブ(陽気)
>>7の書き込みの時間末尾の数値が偶数なら( ^ω^)の性格はネガティブ(気弱)
- 4 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 03:03:44 ID:oOUc0neo0
-
その他の初期設定
友人♂AA
安価
>>8
友人♀AA
安価
>>9
お題
安価
>>10
>>11
>>12
- 5 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 03:04:26 ID:oOUc0neo0
-
埋まったら書き始めるわ。
多分、すぐは埋まらないと思うのでのんびり進行で気長に。
ノシ
- 6 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 04:15:37 ID:fY9/KTjMO
- >>2
ここは3で
- 7 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 08:54:54 ID:rLrNFUi6O
- 4
- 8 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 09:29:40 ID:BTleVnyI0
- ジョルジュ
- 9 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 10:03:58 ID:dPuIAj8AO
- シュール
- 10 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 12:49:47 ID:TLlEfltYO
- お題 弁当
- 11 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 15:09:18 ID:rLrNFUi6O
- ブーン系小説
- 12 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 15:57:11 ID:kzYMBXYYO
- 友だち
- 13 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 23:36:15 ID:b2exBhOI0
-
( ^ω^) ブーン
職業:ニート
目標:魔王を倒す
性格:気弱
スキル:無し
_
友人:( ゚∀゚) lw´‐ _‐ノv
( ^ω^)「安価とってくれてありがとう。ぶっちゃけ、埋まらないと予想してたお」
( ^ω^)「それはさておき、何となくゲーム風に仕上げてみたお」
( ^ω^)「途中で蔑ろにされそうな設定だけどNE」
( ^ω^)「それじゃあ、早速魔王討伐のお話を始めるお」
( ^ω^)「……けど、魔王ってどんな魔王かお?」
1 この世を支配する魔王(RPG風)
2 宇宙から迫り来る恐怖の大魔王(日常SF風)
3 この町を牛耳る暗黒街の魔王(ギャング風)
4 人の心に潜む魔王(?)
5 魔王(シューベルト作)
安価
>>14
- 14 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 23:38:55 ID:PObz6ml.O
- 4
- 15 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/26(金) 23:44:49 ID:b2exBhOI0
-
( ^ω^)「レスねえと思って油断してたお」
( ^ω^)「一応、安価が進まない時の対策も考えていたので、その説明書いてたお」
( ^ω^)「またその時が来たら説明するお」
んじゃ、本格的に書いて来る
- 16 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 00:10:04 ID:ZI0GH5jQ0
-
【TV】<「円相場の動向が……戦後最大の……」
( ^ω^)つ[] ピッ
【TV】<「原発が……ベクレルの……」
( ^ω^)つ[] ピッ
【TV】<「ただ、こんなもんで辞めないといけないのが……」
( ^ω^)つ[] ピッ
【TV】フツ
( ^ω^)「何だかどこもかしこも景気の悪いニュースばっかだお」
( ^ω^)「街逝く人々が、皆諦めた様な気力のない顔で歩いていく」
( ^ω^)「世も末だお」
僕の名は内藤ホライゾン。
親しい人たちからはブーンと呼ばれてるお。
- 17 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 00:12:19 ID:ZI0GH5jQ0
- _
( ゚∀゚)「何が街逝く人々だ。お前、外に全然出てねえだろ」
( ^ω^)「んお? ジョルジュ、いつの間に来たんだお? おいすー」
今日も日課であるお昼のニュース巡りに勤しむ僕の部屋に、数少ない友人の一人であるジョルジュがやって来た。
_
( ゚∀゚)「さっきな」
( ^ω^)「てか、どうやって入ったお?」
_
( ゚∀゚)「どうやってって、呼んでも誰も出ねえし、鍵は開いてるしで勝手に上がらせてもらった」
( ^ω^)「開いてたって……、無用心だおね」
_
( ゚∀゚)「お前の家だろうが。何を他人事みたいに」
( ^ω^)「カーチャン、鍵閉め忘れて出てったのかお」
( ^ω^)「近頃物騒なニュースが多いのに、危機意識が足りないお」
_
( ゚∀゚)「何でそんな上から目線なんだよ」
- 18 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 00:13:21 ID:ZI0GH5jQ0
- _
( ゚∀゚)「つーか、その物騒な事件を期待してたりな」
(;^ω^)「嫌な事言うなお」
_
( ゚∀゚)「学校にも行かず、働きもしない穀潰しの息子なんざいっそ……」
(;^ω^)「僕は今モラトリアム期間中なんだお」
(;^ω^)「来るべき時が来たらちゃんと働くお」
_
( ゚∀゚)「ホントかよ」
( ^ω^)「ホントだお、きっと……」
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「いつか……多分……その内……」
_
( -∀-) ハァ……
( ^ω^)「無言で深いため息吐くなお。罵倒されるより堪えるお」
- 19 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 00:28:36 ID:ZI0GH5jQ0
-
( ^ω^)「で、ジョルジュ、今日は何の用だお?」
_
( ゚∀゚)「いんや、用ってほどのもんはねえんだが」
僕とジョルジュは子供の頃からの友達だ。
おそらく今日は大学が午前中で終わったのだろう。
先ほどから口調は多少厳しいが、これでも僕の事を心配してくれているのだろう。
そんな気の置けない親友ジョルジュに、僕は温かな言葉をかける事にする。
( ^ω^)「用が無いなら帰れお」
_
(;゚∀゚)「おま、それがわざわざ遊びに来てやった客に言うセリフかよ」
( ^ω^)「手土産一つも持たずに手ぶらで家の敷居を跨ぐような奴は客として認めないお」
もちろん冗談ではあったのだが、ジョルジュはそんな僕の言葉に何やらカバンの中を漁り始めた。
_
( ゚∀゚)「よろこべ、いつのかわからないガムならあったぞ」
( ^ω^)「いらねえお。つーか相変わらずお前のカバンはラビリンスだな」
- 20 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 00:44:23 ID:ZI0GH5jQ0
-
ふと僕は、カビパン職人というジョルジュの小学生時代のあだ名を思い出した。
昔から整理整頓の苦手なやつである。
_
( ゚∀゚)「お前の部屋だって似たようなもんじゃねえか」
( ^ω^)「失敬な。この一見乱雑に放置されたようで、その実機能的に配備された僕の部屋を」
( ^ω^)「お前のゴミボックス的なカバンと一緒にすんなお」
_
( ゚∀゚)「ゴミじゃねえし。何ならここでこのカバンひっくり返してやろうか?」
( ^ω^)「すぐ飲み物お持ちしますんで、それだけはご勘弁くださいお」
_
( ゚∀゚)「俺、炭酸な」
( ^ω^)「ありもんで我慢しろお」
とまあ、くだらない話を言い合うのが僕らの常で、そこには何の打算もない、きわめて普通の友人関係があった。
僕はそんな日々を、浪費してるような若干の後悔と、多少の充足感を合わせた様な生ぬるい空気の中、ただ生きていた。
- 21 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 01:10:38 ID:ZI0GH5jQ0
-
そんな緩やかな日が、いつまで続くのかわからない。
けれど僕は、そんな日々がいつまでも続く事を願い、同時に心のどこかで、それがいつか終わるものである事を理解していた。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです
.
- 22 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 10:35:27 ID:EfC.EWno0
- 乙!
ここからどういう風に展開していくのか楽しみだ
- 23 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 23:52:24 ID:Q.xxFkO.0
-
( ^ω^)「同窓会?」
_
( ゚∀゚)「そうそう、小学生の時のって話だ」
その日は今一つ空模様の優れない、曇りの日だった。
いつもの様に僕の部屋に来ていたジョルジュが、思い出したようにその話を口にした。
( ^ω^)「何でまたこんな時期に?」
_
( ゚∀゚)「知らね。つーか、こんな時期って言っても、同窓会に相応しい時期自体が俺にはわかんねえし」
( ^ω^)「僕もだお」
_
( ゚∀゚)「何だそりゃ」
( ^ω^)「何となく反射的に答えちゃっただけだお」
( ^ω^)「行きたくねえって気持ちが前面に出た結果と思われる」
- 24 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/27(土) 23:57:32 ID:Q.xxFkO.0
- _
( ゚∀゚)「あれ、行かねえの、お前?」
( ^ω^)「高卒現ニートがどの面提げて行けと」
_
( ゚∀゚)「そのぽっちゃり面しかねえだろ」
( ^ω^)「ぽっちゃりじゃねえし」
_
( ゚∀゚)「別にいいんじゃね? 今のご時世、ニートもフリーターもそんな珍しくもねえし」
_
( ゚∀゚)「これが三十台とかだったら笑えねえけど」
( ^ω^)「正直、同窓会というものに全く魅力を感じないお」
( ^ω^)「そもそも小学生の頃の思い出ってあんま覚えてなくね?」
_
( ゚∀゚)「ある程度は覚えてるぞ。高学年になってからは特に」
- 25 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 00:04:25 ID:xVFjSn6E0
-
( ^ω^)「その辺はキャラ差だお」
( ^ω^)「社交性に欠けた僕は、友だちもほぼいなかったし」
_
( ゚∀゚)「ああ……」
( ^ω^)「大体、ジョルジュと遊んだ記憶しかねえお」
_
( ゚∀゚)「そういやそうだったな」
そう言うなり、ジョルジュは少し申し訳なさそうな顔でテレビの方に目を向ける。
大方、嫌な事を思い出させたて申し訳なかったとでも思っているのだろうか、別に気にしてない。
元来、人付き合いが得意ではない方の僕は、一人でいる事に苦はなかったのだから。
ジョルジュとはこうやって気兼ねなく話せているが、同窓会の場に出たらきっと、
話しかけられてもろくに返事も出来ずに陰鬱な顔をしているだけになるだろうと思う。
_
( ゚∀゚)「ま、行きたくないなら無理に行く事はないさ」
- 26 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 00:07:34 ID:xVFjSn6E0
-
( ^ω^)「ジョルジュは行くのかお?」
_
( ゚∀゚)「そうだな……、お前が行かないなら俺も行かねえよ」
( ^ω^)「僕の事は気にするなお」
_
( ゚∀゚)「別に気にしてるわけじゃねえし」
ジョルジュは僕と違って、その生来の明るい性格からクラスの中心にいるような子だった。
たまたま家が近かったから僕と仲良くもしてくれていたたが、僕以外に友だちがいないわけではない。
今だって友だちの数は多いだろう。
気を使ってくれるのはありがたいが、僕が重石になるような付き合いは本意ではない。
( ^ω^)「かわいい女の子もいっぱい来るかもしれないお?」
_
( ゚∀゚)「どうだろな……って、女の子で思い出したけど、お前、小学生の頃仲の良い女の子いたよな?」
( ^ω^)「は……?」
- 27 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 00:11:36 ID:xVFjSn6E0
-
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……いたっけ?」
_
( ゚∀゚)「いたって、ほら……確か……」
_
( ゚∀゚)「……あれ、何て名前だっけ?」
( ^ω^)「僕に聞くなお」
( ^ω^)「つーか、名前出て来ないくらいだから、きっとそんな子はいなかったんだお」
なおも首を捻りつつああでもないこうでもないと考えるジョルジュを余所に、僕は視線をテレビに向ける。
画面には相変わらず景気の悪い話題が映し出されている。
正直な所、僕はジョルジュの話に心当たりはない。
面倒臭くて誤魔化しているわけではなく、本当に覚えがないのだ。
かと言って、ジョルジュが適当な事を言っているとも思い難いので、卒業アルバムでも見れば何か思い出すのかもしれないが、
どこに仕舞い込んだかわからない物を探すのも面倒なので、自分からはその案を口にはしない。
- 28 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 00:15:35 ID:xVFjSn6E0
- _
( ゚∀゚)「明日が雨か。面倒だな」
どうやら思い出すのを諦めたのか、ジョルジュは天気予報を観てぽつりと呟いた。
( ^ω^)「面倒なら休めばいいお」
_
( ゚∀゚)「昔、ハワイの学校は雨が降ったらお休みだと信じてた時代がありました」
( ^ω^)「あれって、暗にハワイの文明レベルが低いって馬鹿にしてんのかおね」
_
( ゚∀゚)「暑いから青空教室って発想じゃねえの?」
( ^ω^)「全員同じ名前とか」
_
( ゚∀゚)「童謡は何を伝えたいのかよくわからないものが多いよな」
それっきり、ジョルジュから同窓会の話はされる事はなかった。
僕はジョルジュの帰り際、ジョルジュを玄関まで見送るという普段はしない行動をとった。
どういう風の吹き回しだとジョルジュは訝しんでいたが、何の事はない、ただ郵便を確認したかっただけだ。
- 29 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 00:20:14 ID:xVFjSn6E0
- _
( ゚∀゚)「んじゃ、またな」
( ^ω^)「もっと有意義な時間の過ごし方を覚えろお」
そんな僕の言葉にジョルジュはただ笑って手を振った。
僕は苦笑いを浮かべながら、また、と呟くように言葉を続ける。
( ^ω^)「さてと……」
僕は郵便物を確認する。
さして探すまでもなく目的の物は見付かった。
きっと渡しても仕方ないだろうと、そのままにしておかれたのだと思う。
( ^ω^)「どうしようかお」
僕は同窓会の出欠確認の葉書を手に考え込む。
僕の気持ちは先にジョルジュに伝えた通りだが、ジョルジュはきっと同窓会に行きたがっている。
それも僕を連れて。
理由は色々あるだろうが、一言に要約すれば、世話焼きのジョルジュのお節介である。
- 30 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 00:26:47 ID:xVFjSn6E0
-
恐らくニートな上、ほぼ引き篭もりの僕を心配しての行動だ。
( ^ω^)「全く……」
迷惑な事だ。
けれど、ありがたい事でもある。
一体どちらが僕の本音なのだろうか。
( ^ω^)「どっちにせよ、どうするか決めるお」
僕は……
1 ジョルジュの気持ちに答え、出席する事にした
2 申し訳ないけどやはり行けない
3 僕は行かないが、ジョルジュだけは出席させよう
安価
>>31
- 31 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 00:31:56 ID:2U/n3drs0
- 1
- 32 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 23:09:37 ID:boq04tHs0
-
( ^ω^)「行くか……」
行きたいとは思わないが、行った所で不都合があるわけでもない。
小学生の頃の思い出は希薄だとは言ったが、ただそれだけの話で、別にいじめられたりしていたわけではないのだし。
ほんの数時間、ただ座っていれば済む話なのだ。
( ^ω^)「ま、何とかなるお」
見ようによってはポジティブにも取れる僕の態度。
しかし、いい加減とも曖昧とも取れるそれが、今の僕を作り出しているともいえる。
( ^ω^)「それで、開催はと……」
僕は同窓会の日時と場所を確認し、出席の欄に丸を付けた葉書を手に外に出た。
ほぼ引き篭もりとはいえ、たまに深夜のコンビニに出るくらいの身だ。
外に出る事にこれといった感慨も湧く事はない。
( ^ω^)「明日は雨みたいだおね」
さっき見た天気予報はきっと当たるのだろう。
そんな事を考えながら、僕は門扉を開け、通りに出た。
- 33 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/28(日) 23:13:46 ID:boq04tHs0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です
登場するAAに一切の関連性はございません
独立した一個の短編だと思ってください。
- 34 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:15:14 ID:boq04tHs0
-
(;^ω^)「ただでさえ不況で客が減ってる折に」
(;^ω^)「通りの向こうに有名チェーンのお弁当屋がオープンするというこの状況」
(;^ω^)「全くもって困った話だお」
( ^ω^)「けど、嘆いてばかりじゃ何も始まらないし」
( ^ω^)「ここは一つ、向こうのオープンに合わせて新商品を出して対抗するお!」
( ^ω^)「……というわけで、パートやアルバイトのみんなに集まってもらったわけだけど」
('A`)(´・ω・`)ξ゚⊿゚)ξミセ*゚ー゚)リ('、`*川
( ^ω^)「みんなそれぞれアイデア考えてきてくれたかお?」
( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです
- 35 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:19:49 ID:boq04tHs0
-
ξ゚⊿゚)ξ「それじゃ、まず私が」
( ^ω^)「パートのツンさん、よろしくお願いしますお」
ξ゚⊿゚)ξ「私の意見としては、新製品もいいですが、定番商品の強化も捨て難い意見だと思います」
( ^ω^)「確かに、それも一つの手だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「ですからここは定番ののり弁を強化するという方向でアイデアを考えてきました」
( ^ω^)「おお、どんなアイデアですかお?」
ドンッ!
ξ゚⊿゚)ξ「まず、その一」
⊃□⊂
( ^ω^)「……何でフリップで出すんですかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ノリです」
ξ゚ー゚)ξ「ノリ弁だけに」
( ^ω^)「いや、そんな上手い事言ったみたいな顔されても……
( ^ω^)「まあいいですお。肝心のフリップの中身はと……」
- 36 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:25:25 ID:boq04tHs0
-
[ ごはんの量を増やす ]
( ^ω^)「すごく普通!」
ドンッ!
ξ゚⊿゚)ξ「では、その二」
⊃□⊂
[ のりの量を増やす ]
( ^ω^)「またも普通!」
ドンッ!
ξ゚⊿゚)ξ「では、その三」
⊃□⊂
[ のりを止めて鳥にする ]
( ^ω^)「普通じゃなくなったけど、のり弁じゃなくなった!」
- 37 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:30:23 ID:boq04tHs0
-
ドンッ!
ξ゚⊿゚)ξ「では、その四」
⊃□⊂
[ 鳥を止めて氷にする ]
( ^ω^)「だんだん原形を止めなくなってる!」
ドンッ!
ξ゚⊿゚)ξ「では、その五」
⊃□⊂
[ 氷を止めて草りにする ]
( ^ω^)「もはや食べ物ですらなくなった!」
( ^ω^)「つーか、漢字書けないなら無理して書くなお」
- 38 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:34:09 ID:boq04tHs0
-
( ^ω^)「ところで、このフリップいくつまであるんですかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうですね、ざっと100枚ほど」
( ^ω^)「無駄に多いお」
( ^ω^)「つーかその五の時点でもはや食い物では無くなった案にいかほどの価値があるのか」
ξ゚⊿゚)ξ「その点は大丈夫です。最終的に原点回帰という事で今ののり弁に落ち着きますので」
( ^ω^)「このやり取り、全くもって無駄じゃねーかお」
( ^ω^)「何でそんなの考えちゃったんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「何かノリで」
ξ゚ー゚)ξ「ノリ弁だけに」
( ^ω^)「うぜえ……」
( ^ω^)「もう結構です、どうもありがとうございました、お帰りはあちらです」
- 39 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:39:21 ID:boq04tHs0
-
( ^ω^)「他に意見のある方はいませんかお?」
('A`)「では、私が」
( ^ω^)「では、アルバイトのドクオさん、よろしくお願いしますお」
('A`)「はい、まずは店長、あの有名チェーン店の人気メニューをご存知ですか?」
( ^ω^)「お……色々あるおね」
( ^ω^)「日替わりで色々なおかずが楽しめる幕の内とか」
( ^ω^)「常に揚げたてを提供するから揚げ弁当に、安価でボリュームたっぷりののり弁」
( ^ω^)「あとは創業当時から変わらぬ味で人気のオリジナルカレー」
('A`)「それです、オリジナルカレー」
('A`)「数ある定番商品の中でも人気が高く、リピーターの多いオリジナルカレー」
('A`)「私はそれに目をつけ、ここ数ヶ月毎日その味を研究して来ました」
( ^ω^)「それはすごい熱の入れようだお」
- 40 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:44:16 ID:boq04tHs0
-
( ^ω^)「よくよく考えると毎日あのチェーン店の店で弁当買ってたって事になる気もするけど」
( ^ω^)「その分をうちの売り上げに貢献してくれると嬉しかったり」
('A`)「研究に犠牲はつき物です」
('A`)「その甲斐あって私はその味の秘密の分析に成功いたしました」
('A`)「ほぼあの店と同じ味のカレーを再現する事が出来ます」
( ^ω^)「それは素直にすごいと思うお」
('A`)「うちの店でもこれを売り出せば、定番商品となる事間違いなしです」
(;^ω^)「え? そのまま出すのかお? それは流石にまずいと思うお」
('A`)「何を仰る。独自の研究の成果ですよ?」
('A`)「向こうから情報を盗み出すとか、法に触れるような事は一切やってませんし」
(;^ω^)「かもしれないけど、やはりそれは人道的に駄目な気がするお」
- 41 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:48:11 ID:boq04tHs0
-
('A`)「大丈夫ですって、絶対行けますって」
(;^ω^)「うーん、でもなあ……」
('A`)「こういうのはどうでしょう」
('A`)「向こうのオリジナルカレーに対して、こちらは正々堂々とパクりカレーというネーミングで行けばセーフですよ」
(;^ω^)「ド直球にアウトだお」
ξ゚ー゚)ξ「パクり、弁当だけに」
(;^ω^)「いや、全然上手くないですから、口挟まないでくださいお」
('A`)「正直さを前面に押し出してみたのですが」
(;^ω^)「何でも馬鹿正直に行けばいいってもんじゃないお。つーかやっぱりこの案は駄目だお」
- 42 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:53:58 ID:boq04tHs0
-
( ^ω^)「えーっと、他に意見のある方は?」
(´・ω・`)「それじゃあ、僕が」
( ^ω^)「アルバイトのショボン君、真面目な君には期待してるお」
(´・ω・`)「まず、新商品ですが、考え方としては二通りあると思うんです」
( ^ω^)「ほうほう」
(´・ω・`)「他の店にはないような珍しい商品、高額商品で攻めるか」
(´・ω・`)「ありがちな商品だけど、安価で薄利多売を狙うかですね」
( ^ω^)「ふむ、そうだおね。客層を考えると安価な方がいいのかもしれないけども」
( ^ω^)「あえて少し割高の商品で差別化を狙うのも悪くないかもしれんお」
(´・ω・`)「ええ、そういう変化球もありではないかと僕は思いました」
- 43 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/28(日) 23:57:16 ID:boq04tHs0
-
(´・ω・`)「それで考えましたのがこちらです」
( ^ω^)「これは……何だか格調高い容器だおね」
(´・ω・`)「はい、デザイン性を重視し、クラシックをモチーフとしました」
( ^ω^)「クラシック? 何だか弁当屋には不釣合いなイメージだおね」
(´・ω・`)「いえいえ、その考えはこれを聞いていただければ百八十度変わると思いますよ」
( ^ω^)「お? 聞いて……?」
カパッ
(´・ω・`)つ□
(´・ω・`)つ□ < ジャジャジャジャーン!
( ^ω^)
- 44 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/29(月) 00:01:24 ID:Am0fGD4M0
-
(´・ω・`)つ□ < ジャジャジャジャーン!
( ^ω^)「……ショボン君?」
(´・ω・`)「どうです? この重低音」
( ^ω^)「いや、どうですって言われても……クラシックですねとしか言えないお」
( ^ω^)「これのどこが弁当屋に合ってるんだお?」
(´・ω・`)「おわかりになりませんか、この曲」
(´・ω・`)つ□ < ジャジャジャジャーン!
( ^ω^)「ベートーベン……」
(´・ω・`)「That's right!」
(´・ω・`)「名づけてベートー弁当!」
( ^ω^)「駄洒落かお」
- 45 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/29(月) 00:06:25 ID:Am0fGD4M0
-
(´・ω・`)b「さらに流れる曲、運命を合わせて」
(´^ω^`)「ベートー弁当 うんめぇー!」
( ^ω^)「……くだらねえ」
(´・ω・`)「ちなみに、弁当としてではありませんが元ネタありますから悪しからず」
( ^ω^)「しかもパクリかお」
ξ゚ー゚)ξ「パクり、弁当だけに」
(;^ω^)「だから上手くねえから!」
(;^ω^)「もういいお! 新メニューは僕が考えるお!」
(;^ω^)「今日はもう解散だお!」
\ オ ツ カ レ サ マ ッ シ タ ー /
('A`)(´・ω・`)ξ゚⊿゚)ξミセ*゚ー゚)リ('、`*川
- 46 :( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです:2011/08/29(月) 00:10:17 ID:Am0fGD4M0
-
〜数日後〜
┌新発売!───────────────────────┐
│ .│
│ どこかで食べたような安心のカレー! 定番のノリ弁 .│
│ その2つを開けると音楽が鳴る容器に入れたおしゃれなお弁当 .│
│ パクパク食べられるパクり弁当 新・発・売・! │
│ .│
└───────────────────────────┘
ξ゚⊿゚)ξ('A`)(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……あの、店長?」
( ^ω^)「……弁当だけに、パクり?」
ξ゚−゚)「……」
( ^ω^)「……」
おしまい
- 47 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 00:13:03 ID:Am0fGD4M0
-
お題
弁当
あとがき 色々とひどい。
オリジナルカレーというのぼりを見て思い付いたけど、オチが決まらず難航。
展開もありがち感が強いなあと反省。
大体の筋は決めたから書いたとはいえ、ながらって難しいなと思う。
これからも時々もらったお題で短めの短編書いて合間に挟んで行く予定です。
続き物の方は、もうちょっと軽めのノリで適当に書く予定が、何か妙に重めになりつつ。
正直、数合わせで入れた安価だったんで、完全にノープランで迷走中。
多分、この話はこのまま音が鳴らないサウンドノベル風の調子で進んで行くと思う。
以下、>>32 からの続き
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 48 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 00:16:46 ID:Am0fGD4M0
-
───────────
─────
─
( ^ω^)「意外と集まるもんだおね」
_
( ゚∀゚)「だな。まだ珍しがるほど時間も経ってないってのにな」
同窓会当日、僕はジョルジュと共に指定された場所を訪れた。
そこはごく普通のチェーン店の居酒屋だった。
_
( ゚∀゚)「参加者が少なかったら、一学年まとめてやるみたいたったらしいな」
_
( ゚∀゚)「それなりに参加者がいたからクラス単位だってさ」
ジョルジュはいつの間にかあの葉書には記載されていなかった情報も仕入れている。
多分、参加する事が決まってから誰かに聞いたのだろう。
小学生以来の友だちは僕以外にもいるはずだから、その辺から聞いたのだろう。
幹事の内の誰かも知っているのかもしれない。
- 49 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 00:21:14 ID:Am0fGD4M0
-
(^ω^ )「それじゃあ、僕はここで」
_
( ゚∀゚)「おう、車に気をつけて帰れよ……って馬鹿!」
踵を返し、そそくさと立ち去ろうとする僕の襟首をジョルジュが掴む。
_
( ゚∀゚)「何でここまで来て帰んだよ」
( ^ω^)「居酒屋って、リア充のすくつっぽいイメージしないかお?」
_
( ゚∀゚)「お前も今日はリア充すればいいだろ? ほら、行くぞ」
ジョルジュは掴んだ手をそのままに、僕を引きずりながら居酒屋に向かう。
( ^ω^)「帰るってのは冗談だお。だから離してくれお」
_
( ゚∀゚)「店ん中に入ったら離してやるよ」
実際の所、帰ると言ったのはほんの冗談だったのだが、ジョルジュは本気にしてるらしい。
それはきっと、ジョルジュがヒキニートという僕の現状を僕以上に重く受け止めている所為なんだろうと思う。
僕自身はそれほど重く考えていないというのに。
何だか申し訳ない話だ。
- 50 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 00:27:54 ID:Am0fGD4M0
-
ジョルジュは言葉通り、居酒屋に入ると僕から手を離した。
その後すぐに店員に何かを尋ね、今度は僕の手を取り奥に進む。
_
( ゚∀゚)「こっちの座敷の部屋だってよ」
( ^ω^)「わかったから手は離せお」
_
( ゚∀゚)「離したら逃げるだろ?」
( ^ω^)「ここまで来て逃げないお」
( ^ω^)「そんなアクティブなキャラでもないし」
_
( ゚∀゚)「いいから行くぞ」
( ^ω^)「いや、行くからマジで手は離せって」
( ^ω^)「変な誤解されるだろうが」
僕の言葉を聞くつもりは毛頭ないのか、ジョルジュは僕の手を引いたまま、正面のふすまを開ける。
既に中にいた十数人の目が、一斉に僕らの方へ向けられる。
_
( ゚∀゚)「よう、久しぶり」
( ^ω^)「……久しぶりだお」
僕はジョルジュに促され、全く懐かしさを感じられない面々に向かい軽く頭を下げた。
- 51 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 00:36:25 ID:Am0fGD4M0
-
「乾杯」
( ^ω^)つU「乾杯」
予定時間通りに同窓会は始まった。
僕はジョルジュとは違うテーブルの席に着いている。
挨拶の直後から、いろんな人に話しかけられるジョルジュから離れ、外れの方に座った。
それに気付いたジョルジュがこちらの方に来ようとしたようだが、
昔ジョルジュと仲が良かったのであろう面々が、自分達のそばに座らせたようだ。
恐らくそうなるであろう事はわかって、僕は離れた席に座った。
こんなとこにまで来て、僕だけにかまうこともない。
大体、来る時も別々に行くつもりだったのだが、それはジョルジュに阻まれた。
多分、そうすると僕が来ないと思ったのだろう。
僕の現況を鑑みれば、そう思うのも仕方のない話ではあるが。
- 52 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 01:06:01 ID:Am0fGD4M0
-
( ^ω^)「ふぅ……」
思わず漏れるため息。
期待もしていなければ予想もしていた話ではあるが、やはり暇を持て余す事態になりそうだ。
誰かが話しかけてくる事もなければ、誰かに話しかける事もしない。
全体的にはそれなりに盛り上がっているようだが、よくよく見ると一部僕とそう変わらぬ状況の人もいる。
( ^ω^)(まあ、同じ状況にあったとしても、よく知らないし、話したりはしないんだけどね)
退屈だが、飲み食いだけしてればいいというのも悪い話ではない。
今の僕の暮らしとさほど変わる事はないし。
僕はそう結論付けると、割り切って飲み食いに専念する事にした。
( ^ω^)「ビールはいまいち美味しくないお……」
( ^ω^)「てか、よく考えたら僕未成年だおね」
リラックスした途端、自然と独り言が口を吐く。
一人の時間が長いと独り言は増える傾向にあると思う。
ぼそぼそとした小さな声だから、周りには聞こえていないのだろうけど。
- 53 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 01:26:49 ID:Am0fGD4M0
-
lw´‐ _‐ノv「むむ、ここに犯罪者を発見したぞ。者ども、ひっとらえよ」
( ^ω^)
いつの間にか僕の隣にいた見知らぬ女性が僕に手羽先を突き付けている。
芝居がかった割に、あまり抑揚の感じられなかったその言葉から察するに、
聞こえないと思っていた僕の独り言はしっかりと拾われていたようだ。
( ^ω^)「えーっと……」
色々と言いたい事はあるのだが、まずこれだけは言わなければならない事がある。
( ^ω^)「1 どちら様ですかお?
2 未成年って言っても、もうすぐ誕生日だからセーフだお
3 何で手羽先?
4 すみません、ちょっと花を摘みに行って来ますお 」
安価
>>54
- 54 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 01:35:04 ID:8C3vGmpoO
- >>53
短編も続きものもさくさくよめて面白い
ここは王道で1
- 55 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 01:35:09 ID:JR8O8BCIO
- こんな時間だからって油断はさせぬ
安価なら4
- 56 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 18:00:59 ID:dCU1EBvw0
- シュールだなぁ。
支援
- 57 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:01:35 ID:6qNw0H8w0
- なんかさっくり読めるところがいいな
- 58 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:16:04 ID:il.RX6eQ0
-
( ^ω^)「どちら様ですかお?」
僕は当然真っ先に浮かぶ疑問をそのまま口にした。
lw´‐ _‐ノv「人に名前を訊ねる時は、まず自分から名乗れと学校で習わなかったのかね?」
(;^ω^)「えっと……学校では習った覚えはありませんお」
lw´‐ _‐ノv「奇遇だな。私もだよ」
(;^ω^)「はあ……」
何だかちょっと関わってはいけない類の人だったのかもしれない。
それっきり、彼女は黙々と手に持っていた手羽先を食べ始めた。
(;^ω^)(何だったんだお?)
僕は視線を彼女から手元のグラスに戻し、ビールを一気にあおった。
美味しくないという感想は変わる事はない。
- 59 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:23:03 ID:il.RX6eQ0
-
lw´‐ _‐ノv「退屈……モグモグ……なのかね……ムシャムシャ……」
(;^ω^)「すみません、食べるか話すかどっちかにしてもらえませんかお」
再び話しかけられた事に若干驚きながらも、僕は即座に突っ込んでいた。
初対面の人に突っ込むなどという芸当が、人見知りの僕に出来てしまうくらい突っ込み所の多い人だ。
lw´‐ _‐ノv モグモグ
(;^ω^)(ああ、そこで食う方を選ぶんだ……)
lw´‐ _‐ノv モグモグ
lw´‐ _‐ノv ゴクン
lw´‐ _‐ノvつ スッ
lw´‐ _‐ノv モグモグ
(;^ω^)「って、また食うのかよ……」
- 60 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:28:07 ID:il.RX6eQ0
-
lw´‐ _‐ノv「……で、君はどうしてそんなに退屈そうなのかね?」
( ^ω^)「いや、まあ、見ての通りの状況なんで」
それから更に、皿に盛られていた手羽先を食べ尽くした後で、ようやく彼女は話す方を選んでくれた。
見ての通りの状況、誰にも話しかけられず、誰にも話しかけずに黙々と食事をするだけの僕の状況は、
近くにいた彼女も気付いていただろう。
lw´‐ _‐ノv「なるほど。では昔も退屈だったのかね?」
( ^ω^)「昔?」
昔と、突然言われても何の事かさっぱりわからない。
ただ、そう言われれば確かに今の状況は昔と似た所はあるかもしれない。
皆が和気藹々と話している円を、一人外から見ているこの状況は。
( ^ω^)「何で昔の話なんか……」
何で初対面で昔の事を知っている様な口ぶりで話すのか。
そんな疑問が浮かんだが、すぐに自分が色々と失念していた事を思い出す。
- 61 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:33:45 ID:il.RX6eQ0
-
lw´‐ _‐ノv「同窓会に来て昔の話をするのが不自然かね?」
(;^ω^)「いや、極めて自然ですお」
そうなのだ。
すっかり忘れていたがここは同窓会の場。
昔の思い出を語ったり、近況を話したりするのが至って普通の場なのだ。
そもそも彼女を初対面と思い込んでしまっていたが、この場にいるという事は恐らく同級生なのだ。
初対面であろうはずがない。
以上を踏まえて僕は改めて聞き直す必要がある。
( ^ω^)「えっと、僕は内藤ホライゾンですお。ブーンと呼ばれたりもしてましたお」
lw´‐ _‐ノv「いや、知ってるけど」
( ^ω^)「お?」
- 62 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:38:45 ID:il.RX6eQ0
-
lw´‐ _‐ノv「普通、同級生の名前ぐらい覚えてるもんだだろ」
それほど昔の事じゃないし、外見もそう極端には変わってないしと彼女は言う。
まあ、確かに正論ではあるがここまでの捕え処のない彼女との会話を振り返ると、
正論を振りかざされるのがものすごく理不尽に感じてしまう。
大体、先に名乗れと言われたあれはなんだったのかと。
lw´‐ _‐ノv「故に、わざわざ改めて名乗る必要はないだろ」
首を軽く傾げ、確認するような目で僕のを見る彼女。
その様に朧げな記憶が僕の中にちらつく。
( ^ω^)「すみません、覚えてないんで名乗ってください」
朧げな記憶を頼りに、ほんのわずかの時間、彼女の事を思い出そうとしてみたが、思い出さなかったので諦めた。
忘れたのか、最初から覚えていなかったのか、彼女の名前は僕の中から浮かんでくる気配は微塵もない。
諦めはいい方の僕は、その旨を素直に伝える事にした。
lw´‐ _‐ノv「正直でよろしい」
- 63 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:44:14 ID:il.RX6eQ0
-
そんな言葉に、これといって不機嫌な様子も見せることなく、彼女は居住まいを正し、僕に正対する。
lw´‐ _‐ノv「では、名乗って進ぜよう」
lw´‐ _‐ノv「我が名はシュール」
lw´‐ _‐ノv「素直シュールと申す。以後お見知りおきを」
( ^ω^)(素直……シュール……)
その名を頭の中で繰り返すも、やはり記憶が呼び起こされる事はない。
甚だ失礼な事だとは思うが、思い出さないものは仕方がないとも思う。
( ^ω^)「……何で所々時代がかってんですかお?」
lw´‐ _‐ノv「歴史は繰り返すものなのだよ」
( ^ω^)「はあ……」
どうにも扱い辛いという印象は拭えはしなかったものの、ようやく僕の中で彼女が何なのか判明した。
素直シュールという名のかつての僕の同級生らしいということだ。
- 64 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:50:10 ID:il.RX6eQ0
-
( ^ω^)「それで、昔の話なんですけども」
lw´‐ _‐ノv「うむ」
( ^ω^)「どこかでお会いしましたっけ?」
lw´‐ _‐ノv「それがギャグなら五点、ナンパなら二点というところだな」
( ^ω^)「いや、そのどっちでもないですお」
( ^ω^)「ぶっちゃけ、名前聞いても全く思い出せなかったですお」
lw´‐ _‐ノv「ふむ、記憶喪失というやつか」
(;^ω^)「いや、そういうのじゃなくて」
彼女が何なのか判明はしたとは言ったが、それを僕自身が思い出したわけではない。
彼女、シュールさんの言葉を鵜呑みにすればという話なだけだ。
普通に考えれば、どこで会ったかなんて教室に決まっている。
けれど僕は教室で自分の席に座っているシュールさんの姿が思い出せずにいた。
- 65 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/29(月) 23:55:52 ID:il.RX6eQ0
-
( ^ω^)「つかぬ事をお伺いしますけど、小学生時代は病弱で学校を休みがちだったとかは?」
lw´‐ _‐ノv「うむ、病弱か病強かと問われれば、病中ぐらいだったかな」
lw´‐ _‐ノv「可もなく不可もなくといったところだな」
( ^ω^)「いや、病中だとずっと病気だったみたいですお」
話を逸らすつもりはないのだが、シュールさんと話しているとどうも口を挟まずにはいられない。
繋がらない文脈を流せるほど対人スキルは優れていないのだ。
lw´‐ _‐ノv「弱中強、小中大と何故中だけは同じなのだろうな」
( ^ω^)「近距離、中距離、遠距離とか、短距離、中距離、長距離とか、中だけ働かされすぎですおね」
lw´‐ _‐ノv「半がもっとがんばれば中の負担は減ると思うんだが」
( ^ω^)「半は元がない場合多いんですお。小ライス、半ライスはあっても全ライスはないとか」
lw´‐ _‐ノv「全裸、半裸はあっても小裸はないな」
どんどん逸れて行く話を戻すのは最早不可能な域に来ているかもしれない。
大体、何故自分にも率先的に話を逸らしているのだろうか。
- 66 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 00:01:12 ID:QSKSAtyE0
-
lw´‐ _‐ノv「ハーフとかクォーターとか、英語だと細かすぎる」
( ^ω^)「日本語は大雑把過ぎるんですお」
僕が話を逸らす理由。
そんな物はない、と思いたい。
ただ単に慣れぬ酒で、酔っ払っているだけなのだろうと。
lw´‐ _‐ノv「ロングパンツってただのズボンだよな」
( ^ω^)「英語だとパンツの下にパンツを履くんですかおね」
等と言葉の応酬を交わしては来たが、僕は流石にこの中身のない会話を止めたいと思い出していた。
何というか不毛だし、どう考えても得る物はなさそうだ。
とはいっても、自分から下りるのも何だか負けた気がして面白くない。
僕は……
1 諦めのいい僕はさっさと話を下りて仕切り直すことにした。
2 逸らした視線の先にあったジョルジュに頷きかけた。
3 日課のテレビ鑑賞で得た知識を総動員し、圧倒しようとした。
4 パンツの話題にかこつけてシュールさんのパンツを覗こうとした。
5 ※自由記述
安価
>>67
- 67 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/30(火) 01:03:58 ID:H2A3ozMM0
- 2
- 68 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 01:06:04 ID:EFW5roIA0
-
逸らした視線の先にあったジョルジュに頷きかけた。
( ^ω^)" コクッ
_
( ゚∀)" コクッ
同じく頷いてみせたジョルジュに、僕はブロックサインを送る。
/⊃
( ^ω^)⊃ ボ
⊂( ^ω^)⊃ ス
( ^ω^) ケ
∪ ∪
∩( ^ω^)∩ テ
_
( ゚∀)「……」
_
( ゚∀゚) !!!
- 69 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 01:08:13 ID:EFW5roIA0
-
_ ∩
( ゚∀゚)彡 オ
_
( ゚∀゚)⊃ ツ
_
( ゚∀゚) パ
∪
_
( ゚∀゚) イ
⊂彡
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)b
にこやかな笑みと共に、満足げにサムズアップするジョルジュ。
肝心な時に空気を読んでくれないジョルジュを諦め、僕は視線をシュールさんの方に戻す。
- 70 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 01:11:39 ID:EFW5roIA0
-
lw´‐ _‐ノv「持病の発作かね?」
( ^ω^)「ずっと座りっ放しで肩が凝っただけですお」
僕は到底誤魔化し切れるとは思えない、いい加減な説明でシュールさんに応じる。
ジョルジュに僕の窮状は伝わらなかったが、不毛な会話が途切れただけでもよしとしよう。
lw´‐ _‐ノv「ジョルジュ君か」
シュールさんはそんな僕の説明ではなく、向いていた視線の先で理解したようだ。
lw´‐ _‐ノv「彼は息災のようだね」
( ^ω^)「彼は順調な人生を歩んでますお」
lw´‐ _‐ノv「その言い方だと、君はそうでもないのかな?」
( ^ω^)「まあ、ぼちぼちですお」
lw´‐ _‐ノv「墓地墓地か……南無」
(;^ω^)「何か違った響きに聞こえたんですが、多分想像してるものと違いますお」
- 71 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 01:18:21 ID:EFW5roIA0
-
結局過去の話は深く語られる事がないまま、現在の話に移行しつつある。
自分が一番触れて欲しくない類の方向へ。
しかし、よくよく考えれば過去の話も似たような物だった事に気付く。
特に話したい事もなく、話せる事自体もない過去。
目の前いる同級生の顔すら覚えていない過去の話より、何もしていない現在の方がまだ話せる事に。
( ^ω^)「まあ、可もなく不可しかなくですお」
lw´‐ _‐ノv「つまり、まるで駄目ということだな」
( ^ω^)「平たく言えばそうなりますお」
感情の起伏を感じさせない、抑揚のない口調でシュールさんはばっさりと切り捨てる。
その身も蓋もなさが、僕には却ってありがたかったのかもしれない。
話せば確実に向けられる哀れみか蔑みの何とも言い難い微妙な視線がそこになかったからだろうか。
- 72 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 01:29:52 ID:EFW5roIA0
-
( ^ω^)「シュールさんはどうなんですかお?」
lw´‐ _‐ノvV「チョベリグ」
( ^ω^)「さいですか」
lw´‐ _‐ノv「君は意外と動じないな」
( ^ω^)「多分、少し慣れて来てますお」
いい加減、脈絡なく進む会話のビーンボールにも慣れて来たらしい。
シュールさん自体に慣れて来たと言うべきか、突っ込むのに疲れて来たのは定かではない。
それにしても、ジョルジュ以外とこうも長い時間しゃべったのは久しぶりだ。
もう少しキョどるかと思っていたのだが、存外落ち着いている気がする。
相手が自分以上に挙動不審、言動の話だが、に見える所為かもしれない。
多分それがシュールさんの自然体なのだろうけども。
lw´‐ _‐ノv「ならば次は当てに行こう」
( ^ω^)「僕が退場しても、代わりは沢山いますからおkですお」
- 73 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 02:01:59 ID:EFW5roIA0
-
僕はコップを口につけ、残っていたビールを飲み干す。
話しすぎて喉が渇いたからといって、少し飲み過ぎたかもしれない。
自分がどのくらいお酒が飲めるのか把握していないというのに、迂闊だったと思う。
lw´‐ _‐ノv「……何だかなぁ。君は以前にもまして覇気がなくなったな」
( ^ω^)「事勿れ主義に事が来ちゃったので」
慣れる所か段々とシュールさんに影響されて来ている様な気もする。
気付けば言った本人がよくわからない言葉を発している。
それとも僕は不慣れな酒に酔っているのだろうか。
lw´‐ _‐ノv「まあ、何だ。君はもっと率直に自分を示すべきだと思う」
( ^ω^)「僕は僕ですお」
その答えが全ての前提で、僕は今ここにいる。
( ^ω^)「それ以上、示し方がわかりませんお」
- 74 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 02:18:19 ID:nhtPOaqA0
- 俺好みの文のようです
支援
- 75 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/08/31(水) 23:57:59 ID:IDTHEVsw0
-
ああ、やはりそうだ。
僕は酔っている。
若干、自分にも酔っている様な気持ちの悪い発言をしている事も自覚しつつ止められない。
明らかに悪酔いだ。
( ^ω^)「すみません、ちょっと酔っ払ったみたいですお」
まだそれをちゃんと自覚出来ている内に謝っておく事にした。
これ以上馬鹿な事を口走らぬよう、アルコールを取るのも止める事にする。
lw´‐ _‐ノv「何、宴の席だ。気にするでない」
lw´‐ _‐ノv「それに、そういう状態の時の方が本音が出やすいものだよ」
( ^ω^)「本音……ですかお」
lw´‐ _‐ノv「君が今をどう思っているのか、そして君がそれをどうしたいのか」
( ^ω^)「別に僕は……」
lw´‐ _‐ノv「口にしてみて、少しはすっきりしたんじゃないかな?」
- 76 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:03:48 ID:.CD4PALY0
-
( ^ω^)「僕は口に出せてましたかお?」
lw´‐ _‐ノv「それとなくは」
lw´‐ _‐ノv「少なくとも、現状に満足していないという事はね」
( ^ω^)「そうなんでしょうかね?」
現状に満足しているか否かを問われれば、満足していないと答えざるを得ないだろう。
自堕落なニートである現状に満足していると答えられる自分であるなら、生きている価値はないと言い切ってもよい。
( ^ω^)「まあ、ニートで満足してたら親は泣きますおね」
lw´‐ _‐ノv「泣いてくれる親がいる内はまだいいさ」
だが同時に、自分がどうしたいかよくわからない現状、この緩やかな時間が続けばいいと願ってもいた。
いつかは破綻するはずの、誰かの犠牲の上に成り立っている今だから。
( ^ω^)「ごもっともですお」
わかっていながら動かない。
動けないから現状の様な体たらくなのだろう。
- 77 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:11:21 ID:.CD4PALY0
-
( ^ω^)「まあ、僕の事はこの辺で」
女性と話す時は聞き役に回る方がいい。
その位の常識、主にモテるための、ぐらいは知っている。
モテたい訳ではないが、流石に自分の話ばかりしているのもどうかと思う。
( ^ω^)「シュールさんは今どうしているんですかお?」
lw´‐ _‐ノv「同窓会に参加」
( ^ω^)「もっと大局的に」
lw´‐ _‐ノv「生命活動」
( ^ω^)「もう少しピンポイントに」
lw´‐ _‐ノv「house work」
( ^ω^)「ああ……」
なるほど、シュールさんも僕と同類だったという訳か。
- 78 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:17:49 ID:.CD4PALY0
-
lw´‐ _‐ノv「私にはやるべき事があるのだよ」
( ^ω^)「自宅警備ですかお?」
lw´‐ _‐ノv「うむ、守るという点ではそれに近いな」
反対側の座席から、ひときわ大きな声が聞こえた。
向こうは随分と盛り上がっているらしい。
lw´‐ _‐ノv「私は──」
そんな中でもジョルジュはまたこちらを気にしているのだろうか。
毎回毎回僕の事を気にかけさせて、申し訳ない事だ。
こんな時ぐらい、僕の事はいいから、大いに楽しんで欲しいと思う。
でも、僕がシュールさんと話している事で、ジョルジュは少し安心出来ているかもしれない。
そう考えると、この妙な時間もそれほど悪い物ではなかったと思う。
lw´‐ _‐ノv「──のだよ」
( ^ω^)「え?」
- 79 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:23:53 ID:.CD4PALY0
-
向こうからの声にかき消され、シュールさんの言葉が上手く聞き取れなかった。
僕は耳に手を当て、聞こえなかったというジェスチャーを返す。
賑やかな声は途絶える事無く邪魔をする。
しかし喧騒の中、シュールさんの静かな落ち着いた声は、今度ははっきりと僕の耳に届いた。
lw´‐ _‐ノv「私は世界を守っているのだよ」
( ^ω^)「えっと……」
あちこちに飛躍するシュールさんとの会話の中で、何度となく疑った僕の耳は、
極め付けに理解不能の言葉を僕に届けてくれた。
僕は何度か水面に浮かび上がった金魚のように、口をパクパクさせた後、ようやく言葉を搾り出せた。
( ^ω^)「1 何からですかお?
2 いわゆる、ヒーロー的な?
3 そろそろ終電が……
4 ……なるほど、貴公も選ばれた者というわけか 」
安価
>>79
- 80 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:25:22 ID:.CD4PALY0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Miss Take
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
( ^ω^)「1 何からですかお?
2 いわゆる、ヒーロー的な?
3 そろそろ終電が……
4 ……なるほど、貴公も選ばれた者というわけか 」
安価
>>81
- 81 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:32:00 ID:N0T2O4dw0
- 4
- 82 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:35:26 ID:dMDw9jGw0
- 支援
- 83 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:37:02 ID:.CD4PALY0
-
( ^ω^)「……なるほど、貴──」
lw´‐ _‐ノv「それも──」
僕が口を開きかけたその時、シュールさんが僕に詰め寄る様にその顔を寄せる。
表情一つ変える事無く、まるで吸い寄せられるかの様に僕の目の前に。
突然の事に僕は身じろぎ一つ出来ず、眼前に浮かぶシュールさんの黒い眼をまっすぐに見詰めた。
lw´‐ _‐ノv「──君の様な魔王からね」
( ^ω^)「ま……おう……」
僕は反射的にシュールさんが口にした言葉を、そのまま呟いていた。
僕の口から出たその異質であるはずの言葉は、やけに耳に馴染み、僕の中にしっくりと溶け込んでいった。
第一章 了
つづく・・・
- 84 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:46:26 ID:.CD4PALY0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
取り敢えず ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第一章終了という事で。
正直、こんな重々しいモラトリアムな空気は予定外。 実験的な話にしても、ノープランにもほどがある。
それはさておき、若干のシステム解説
安価で選択肢を選んでもらってますが、一応、その都度フラグ的な物を加算してます。
一見意味がないような選択も、その結果で話の方向が左右されたりもしてます。
話のルートは今の所五つ。一応、大まかな流れだけは決まっています。
何となく、顔文字さんのあれに近くなってきてる気がする今日この頃。
- 85 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 00:51:02 ID:.CD4PALY0
-
以下、今後の選択
1 続きを読む
2 新しい話を始める
3 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
※ 2 を選んでも ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです が強制終了という事はありません。
また今後、続きは選べます。
安価
>>86
- 86 :29日・30日「納涼夏祭り」:2011/09/01(木) 01:03:29 ID:J9JpUfB.0
- 3 lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです
- 87 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/01(木) 23:51:38 ID:mr7rJZrA0
-
┌───────┐
∫│Happy Birthday!!│(o)
(┃└(o)─ (o) ─ (o)- ┘ ┃)
|ヽ ┃(::゚::)┃(::゚::)┃(::゚::),ノ |
/ | "'''''ーー----"-―"~ | \
/ | | \
/ :O☆ヽ、 ノ \
/ _☆ :∂io,"'''''ーー------―''''',"☆ ♪◎o.:. \
/ ◇☆。:゜ ◎::O☆♪★∝ ☆。∂:o゜♪★☆。∂ ◎ \
.∠________________________\
!__________________________|
|| ||
. ̄  ̄
( ^ω^)「ハッピバースデー ツーユー♪」
ξ*゚⊿゚)ξ
( ^ω^)「ハッピバースデー ツーユー♪」
( ^ω^)「ハッピバースデー ディーア ツーン♪」
ξ*゚⊿゚)ξ
( ^ω^)「ハッピバースデー ツ──」
- 88 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/01(木) 23:53:31 ID:mr7rJZrA0
-
ド カ ー ン !!!
\ HAIL or HELL 2U! /
\ . ,, . _______ '// ., /
\\ . -‐- . :: / ヽ、 // . , / _ ヽ
\\( ⌒ .⌒ |〒ソwvw″. 'ヽ.. / ´ )
;: ( ⌒ )=)´_ lw´‐ _‐ノv ) ) // ニ==-
( ( nヽー‐'_;|/_ゝh_|| // `ヽ )
二` - i l / 。(7/_| ||ゞ ; .) ) . .─-
)( ((.ゝ',: ヽ_wvし'jvワ ノ ) 二=− )
ξ ⌒, ; (, __,-、_,,、  ̄ ) ) ) )
ゝ//'.. .(> >__,ノ ) )) ) =]3 二=‐-
lー-、. ; ゝ ., : Lヽ ノ, ; .: ., ) ) ノ ノ
 ̄, :. ,//. , ;ー─ - - '. , \\\ -'. \
/ _☆ :∂io,"'''''ーー------―''''',"☆ ♪◎o.:. \
/ ◇☆。:゜ ◎::O☆♪★∝ ☆。∂:o゜♪★☆。∂ ◎ \
.∠________________________\
!__________________________|
|| ||
. ̄  ̄
ξ゚д゚)ξ (゚ω゚ )
lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2Uのようです
- 89 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/01(木) 23:55:24 ID:mr7rJZrA0
-
(;゚ω゚)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
lw´‐ _‐ノv「よくぞ我を解放した。汝の願い、一つだけ叶えて進ぜよう」
(;゚ω゚)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
lw´‐ _‐ノv「……って、何だこの空気?」
lw´‐ _‐ノv「わざわざ呼び出しておいて、何で無反応やねん」
(;゚ω゚)「……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
lw´‐ _‐ノv「おい、そこのピッツア。固まってないで三行で状況をプリーズ」
(;゚ω゚)「今日はツンの誕生日
二人っきりで祝うハッピーバースデー
突然ケーキから人が爆誕 」
- 90 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/01(木) 23:57:11 ID:mr7rJZrA0
-
lw´‐ _‐ノv「なるほど、把握……ん、ケーキ?」
lw´‐ _‐ノv「何を仰る子豚さん。我は長きに渡り魔法のランプに封印されて……」
lw´‐ _‐ノv ペロリ
lw´‐ _‐ノv「あまーい!」
lw´‐ _‐ノv「うん、これケーキだわ。間違いない」
lw´‐ _‐ノv「うわ、つーか我、ケーキまみれじゃん。何これ、最悪」
(#゚ω゚)「な、何が最悪だお! 折角僕が用意したケーキを台無しにしといて何て言い草だお!」
lw´‐ _‐ノv「まあ、待ちたまえ。短気は損気だぞ」
(#゚ω゚)「損気でものんきでもいいから謝れお! 新しいケーキ買って来いお!」
lw´‐ _‐ノv「だから待てというに。そもそも呼び出したのはお前ではないか」
(#゚ω゚)「お前なんか呼んでねえお! ケーキどうしてくれるんだお」
- 91 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/01(木) 23:59:31 ID:mr7rJZrA0
-
lw´‐ _‐ノv「落ち着けって……つーかお前、怒りの方向がケーキしかなくね?」
(#゚ω゚)「ケーキ! ケーキ! ケーキ!」
lw´‐ _‐ノv「何だこの欠食児童」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン」
(#゚ω゚)「何だケーキ?」
ξ゚⊿゚)ξ「顔が怖い」
(#゚ω゚)「……」
( ^ω^) パッ
ξ゚⊿゚)ξ「落ち着いた?」
( ^ω^)「落ち着いたケーキ」
lw´‐ _‐ノv「おい、語尾がケーキになっとるぞ?」
- 92 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:01:07 ID:xgcy2Wq20
-
・・・10分後
lw´‐ _‐ノv「というわけでだ、我はいわゆるランプの精と呼ばれる者だ」
lw´‐ _‐ノv「御伽噺とかでよくあるよな? ここまでおk?」
コクコク
( ^ω^)"ξ゚⊿゚)ξ"
lw´‐ _‐ノv「で、だ。そんな我をお前達が呼び出したから出てきたんだが、何か質問はあるか?」
バッ!
( ^ω^)ノ
lw´‐ _‐ノv「はい、そこのぽっちゃり君」
( ^ω^)「僕たちはあなたなんか呼んでませんお」
lw´‐ _‐ノv「……それは本当かね?」
- 93 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:03:40 ID:xgcy2Wq20
-
( ^ω^)「本当ですお」
lw´‐ _‐ノv「ふむ……しかしだね……」
lw´‐ _‐ノv「この床に散らばる蝋燭や、至る所にこびり付いた白い何かを見る限り」
lw´‐ _‐ノv「この部屋で何らかの儀式が行われていたのは確かだ」
( ^ω^)「それはお前が飛び散らせたケーキの残骸だお」
( ^ω^)「この部屋で行われてたのは儀式じゃなくて誕生日パーティーだお」
lw´‐ _‐ノv「ふむ、では恐らくその誕生日とやらの手順が誤って我を呼び出したのだろうな」
( ^ω^)「んなわけねーお」
( ^ω^)「てか、すごく根本的な部分に疑問があるだけど」
lw´‐ _‐ノv「何かね?」
- 94 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:05:11 ID:xgcy2Wq20
-
ξ゚⊿゚)ξ「ランプどこ?」
( ^ω^)「だお」
lw´‐ _‐ノv「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
lw´‐ _‐ノv「それはあれだ」
lw´‐ _‐ノv「さっき我が出てくる時に飛び散ってしまったじゃあないか」
( ^ω^)「あれはランプじゃなくてケーキだお」
lw´‐ _‐ノv「そう思うのが素人の浅はかさ」
lw´‐ _‐ノv「あれはケーキの形を巧妙に模したランプだったのだよ」
- 95 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:07:04 ID:xgcy2Wq20
-
lw´‐ _‐ノv「遥か三千年の昔から伝わる伝説の逸品」
lw´‐ _‐ノv「そのお値段、プライスレス」
( ^ω^)「あれは1ヶ月前に予約注文してた、今日出来たてのケーキ、四千八百円也だお」
( ^ω^)「三千年で伝説でプライスレスな要素はどこにもねーお」
lw´‐ _‐ノv「……意外と高いな。奢ったな、彼氏」
ξ*゚⊿゚)ξ「彼氏……」
( ^ω^)「いいから弁償しろお」
lw´‐ _‐ノv「まあ、あれだ。この点はこれ以上やっても水掛け論で話は進まないだろうから」
lw´‐ _‐ノv「我はさっさと目的を果たして帰ろうと思うんだが」
( ^ω^)「ケーキ弁償して、掃除してから帰れお」
- 96 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:09:35 ID:xgcy2Wq20
-
lw´‐ _‐ノv「うん、彼は頑なだね。こう、頭が固い彼氏だと色々と苦労させられるんじゃないかな?」
ξ*///)ξ「え、でも……二人っきりの時は優しいし……」
lw´‐ _‐ノv「うわ、のろ気やがった。リア充爆発すればいいのに」
( ^ω^)「だからってケーキ爆発させんなお」
lw´‐ _‐ノv「あれは不可抗力……ってか、我が爆発させたのはランプだし? ケーキじゃないし?」
( ^ω^)「いいからケーキ二ホール買って来いお」
lw´‐ _‐ノv「ナチュラルにケーキ増やすなよ」
lw´‐ _‐ノv「お前、どんだけケーキ好きなんだよ」
lw´‐ _‐ノv「つーか、本題に戻すぞ? いいな? 答えは聞いてない」
- 97 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:11:30 ID:xgcy2Wq20
-
lw´‐ _‐ノv「我はランプの精也」
lw´‐ _‐ノv「汝の願いを述べよ」
lw´‐ _‐ノv「どんな願いであろうと、叶えて進ぜよう」
lw´‐ _‐ノv「但し──」
( ^ω^)「ケーキ三ホール買ってきて掃除して帰れお」
lw´‐ _‐ノv「……最後まで言わせろよ」
lw´‐ _‐ノv「空気嫁よ」
lw´‐ _‐ノv「またケーキ増えてんぞ」
( ^ω^)「いいからケーキと掃除」
lw´‐ _‐ノv「てかさ、何でも叶えてやるって言ってんのに、それでいいの?」
lw´‐ _‐ノv「大金出せって言えば、ケーキぐらい大量に買える金が手に入るんだぞ?」
lw´‐ _‐ノv「但し──」
- 98 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:13:37 ID:xgcy2Wq20
-
( ^ω^)「そんなものはいいからケーキ出せお」
lw´‐ _‐ノv「だから最後まで言わせろよ」
lw´‐ _‐ノv「我、全然決め台詞まで言えてないんだけど?」
lw´‐ _‐ノv「言えたの、最初の一回だけじゃん。それもケーキまみれで」
lw´‐ _‐ノv「タイトル詐欺にもほどがあるだろ」
( ^ω^)「いいからケーキだお」
lw´‐ _‐ノv「うん、お前ホントに揺るぎないな」
lw´‐ _‐ノv「もう少しランプの精とか願いとか食い付いても罰は当たらんだろ」
lw´‐ _‐ノv「こんな不思議体験、そう何度もあるもんじゃないぞ?」
lw´‐ _‐ノv「それをケーキケーキと」
lw´‐ _‐ノv「ケーキぐらい、いつでも食べられるだろ?」
- 99 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:15:43 ID:xgcy2Wq20
-
( ^ω^)「いつでもは食べられないお」
lw´‐ _‐ノv「うん?」
( ^ω^)「今日この日、ツンの誕生日を祝うケーキは今日しか食べられないんだお」
lw´‐ _‐ノv「……」
( ^ω^)「ツンはケーキが大好きなんだお」
( ^ω^)「そんなツンの誕生日にケーキがないなんて、絶対に駄目だお」
( ^ω^)「僕は大好きなツンの誕生日を、ツンの大好きなケーキでお祝いしたいんだお」
ξ*゚⊿゚)ξ「ブーン……」
lw´‐ _‐ノv「……なるほど」
lw´‐ _‐ノv「それが汝の願いか……」
- 100 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:17:27 ID:xgcy2Wq20
-
( ^ω^)「あと、掃除」
lw´‐ _‐ノv「……」
lw´‐ _‐ノv「……相わかった。汝の願い、叶えて進ぜよう」
_______ スクッ
/ ヽ
|〒ソwvw″
lw´‐ _‐ノv
|/_ゝh_||
(7/_| ||ゞ
wvし'jv
lw´‐ _‐ノv「……一応、叶える為の条件とかあったんだが、お前の願いなら大丈夫だろ」
( ^ω^)「条件?」
lw´‐ _‐ノv「それが汝の心からの願いであらば、その願いは叶えられん」
lw´‐ _‐ノv「そうでなければ、汝に災いが降り注ぐであろう」
- 101 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:19:09 ID:xgcy2Wq20
-
lw´‐ _‐ノv「HAIL 2U!」
lw´‐ _‐ノv「君に幸あれ」
キ ラ ー ン ☆彡
_______ *'`・*。
.,。/ ヽ | `*。
.+ |〒ソwvw∩ *
`*。 w´‐ _‐ノ ノ *。+゚
|/_ゝh_|| *゚*
(7/_| ||ゞ +゚
☆ vし'jv 。*゚
`・+。*・ ゚
( >ω<)「うお、眩しッ!?」
ξ>⊿<)ξ「キャァッ!?」
- 102 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:21:11 ID:xgcy2Wq20
-
( -ω-)「……んお」
ξ-⊿-)ξ「ううん……」
( ^ω^)「お……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ……」
.__旦__ (o) (o) (o) (o)
∠二二二△ ─┃─┃─┃─┃─,,,__
,.(三田田三() ________, ヽ
/~.!(三三三三「 Happy Birthday | ~'ヽ
!<介> .,ヘ .,ヘー―,ヘ―‐..,ヘ.‐┘ヘ .<介> i
|ヽ。,,_ <介> <介> <イト> <介> <介.>.,_,,, ィ|
| ~~"""''''''''ー―--゛-"-――'''''''"""~~ ::|
| ::|
| .■■■■■■ ::|
..,。-―| .■■■■■■ ::|ー-。、
ヽ_ ヽ。,,_ ■■■■■■ _,,。ィ __ノ
/ ~~"""''''''''ー―-----――''''''''''"""~~ \
(_ イ へ .へ ト 、_ノ
ヽ。 _/ .\ ./ \_ _ノ
 ̄ .ヽ、_ _./
(*^ω^)「ケーキだお」
ξ*゚⊿゚)ξ「おっきい……」
- 103 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:23:12 ID:xgcy2Wq20
-
フフフ……少しおまけしておいたよ
君のケーキを、彼女を思う気持ちを汲んでね
ξ゚⊿゚)ξ「この声……?」
( ^ω^)「ランプの精……」
何、礼はいらん
それは君の純粋な思いの──
( ^ω^)「掃除は?」
………………
( ^ω^)「……」
……では、さらばだ! HAIL 2U!
- 104 :lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2U!のようです:2011/09/02(金) 00:25:38 ID:xgcy2Wq20
-
( ^ω^)「逃げやがった……」
ξ゚⊿゚)ξ「まあいいじゃない。掃除はあとで一緒にやりましょう。それよりも今は……」
(*^ω^)「ツンの誕生日を祝うお! ハッピーバースデーだお! ツン!」」
ξ*゚ー゚)ξ「ありがとう、ブーン」
.__旦__ (o) (o) (o) (o)
∠二二二△ ─┃─┃─┃─┃─,,,__
,.(三田田三() ________, ヽ
/~.!(三三三三「 Happy Birthday | ~'ヽ
!<介> .,ヘ .,ヘー―,ヘ―‐..,ヘ.‐┘ヘ .<介> i
|ヽ。,,_ <介> <介> <イト> <介> <介.>.,_,,, ィ|
| ~~"""''''''''ー―--゛-"-――'''''''"""~~ ::|
| ::|
| .■■■■■■ ::|
..,。-―| .■■■■■■ ::|ー-。、
ヽ_ ヽ。,,_ ■■■■■■ _,,。ィ __ノ
/ ~~"""''''''''ー―-----――''''''''''"""~~ \
(_ イ へ .へ ト 、_ノ
ヽ。 _/ .\ ./ \_ _ノ
 ̄ .ヽ、_ _./
ξ*゚ー゚)ξ (^ω^*)
lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2Uのようです おしまい
- 105 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 00:34:17 ID:xgcy2Wq20
-
Intermission
(^ω^)
〜 ノ〜
> >
┗┗
タイトルから話がすぐには思い付かず苦労しました。
色々と強引だったけど、まあまとまったかなと。
AAがしょぼいのはいつもの事。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第二章を読む
2 新しい話を始める
3 ○○(※自由記述)というお題で短編を書く
4 おもむろに嘘予告が始まる
安価
>>106
- 106 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 00:48:45 ID:9dy23FIs0
- 4
- 107 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 00:51:40 ID:5ta7sPjs0
- 乙!
短編も面白かった
安価なら1で
- 108 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 01:35:00 ID:xgcy2Wq20
-
「ようやく見つけたぜ」
( <●>)
( ・∀・)「その仮面、お前が今噂の亡霊だろ?」
( <●><●>)「……お前も能力者か」
( ・∀・)「……ほう、って事はあんたもそうなのかい?」
( ・∀・)「亡霊の正体見たり、能力者ってね」
( ・∀・)「まあいいさ。俺に興味があるのは、お前の強さだけだ」
( <●><●>)「……弱い犬ほどよく吠えると」
( ・∀・)「ハッ、言うね、亡霊さんよ? ま、確かにこれ以上御託はいらねえ」
( ・∀・)「だが、自己紹介ぐらいはしておくぜ。俺の名はモララー。百剣のモララーだ」
( ・∀・)「精々俺を楽しませてくれよ!」
( <●><●>)「……」
世界は何の前触れもなく唐突に終わりを告げた。
謎の隆起現象により、都市部は壊滅的打撃を受け、直撃は免れた地域も立ち塞がる壁により隔絶された。
そんな壊れた世界の中でも、人は死に絶えていなかった。
隆起現象とともに新たに人に芽生えた”能力"を駆使し、この荒廃した世界でたくましく生き延びていた。
( ・∀・)「その程度か、亡霊? 俺はまだ、半分も力を出しちゃいないぜ?」
( <●><●>)「……俺が何故、亡霊と呼ばれているのか知っているか?」
( ・∀・)「あ?」
(;・∀・)「て、てめえ、何を──!?」
( <●><○>)「……では、ラストダンスを始めようか」
( <●><●>)は死の大地で踊るようです Coming Boon!
- 109 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 01:40:13 ID:xgcy2Wq20
-
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
> >
┗┗
もう、やったことない嘘予告なんか選択肢に入れないよ!
厨二もやっぱり厳しいな。何かありがちだし。
一レス三十行に収めたかったけど無理だったよ。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第二章を読む
2 新しい話を始める
3 ○○(※自由記述)というお題で○○(※ジャンル指定)のジャンル短編を書く
安価
>>110
- 110 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 01:52:46 ID:5ta7sPjs0
- さっきはとりのがしたが今度こそ
1
- 111 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 22:42:26 ID:x2mVuTHI0
-
あの日から二週間が過ぎた。
あの同窓会の日、お酒を飲みすぎた僕は、いつの間にかあの場で眠ってしまっていた。
同窓会が終わり、ジョルジュに起こされた時には既に彼女の姿はなく、あの話はあそこで終ってしまった。
酔っていたから全てを覚えているわけではないが、今思えば何とも不思議な話だったと思う。
彼女との話は一見無駄ばかりな様で、その実やっぱり無駄ばかりだったとも思うが、
それでも何故か僕の中に残ってしまっている。
その理由はわからない。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第二章
.
- 112 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 22:50:36 ID:x2mVuTHI0
- _
( ゚∀゚)「オッス、オラジョルジュ。お前がナンバーワンだ」
( ^ω^)「こんにちはですお、オラジョルジュさん。後半キャラちげえお」
季節は変わり秋の初め、いつものように前触れなくジョルジュが僕の部屋を訪ねて来た。
ジョルジュがこの部屋に来るのは、あの同窓以来初めてだ。
ここしばらくは後期授業の始まりとかで色々忙しかったとジョルジュは弁明する。
( ^ω^)「別に僕の事は気にする必要ないお」
_
( ゚∀゚)「まあそう言うなよ。お前だって、俺が来なくて寂しかっただろ?」
( ^ω^)「全く」
_
( ゚∀゚)「つめてえ。友達が容赦なくつめてえ」
二週間ぐらい間が空いた所で、特に思う所はない。
そのくらいで僕とジョルジュの関係は劇的に変わるものではないから。
- 113 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 22:56:11 ID:x2mVuTHI0
-
ジョルジュが言う所の友だちというものなら、そういう物ではないだろうか。
_
( ゚∀゚)「しかし、内藤さん、外はすっかり秋めいてますよ」
_
( ゚∀゚)「こういう穏やかな日は、のんびりと外を散歩したりなんかするのがいいと思いませんかね?」
( ^ω^)「んなわけねえお。まだ残暑が厳しい盛りだお」
暦の上では秋ではあるが、まだ三十度を越す暑い日が続いていると天気予報では言っていた。
いつものボケにしては随分と杜撰だが、ジョルジュの意図は何となくわかる。
( ^ω^)「別に僕は外に出るのが怖いとかいうわけじゃないお」
( ^ω^)「用がある時はちゃんと出るから変な気回すなお」
_
( ゚∀゚)「じゃあ、コンビにでパン買って来て。焼きそばパンな」
( ^ω^)「酢昆布で我慢しろお」
ジョルジュは引き篭もりである僕を、外に連れ出したいだけなのだ。
味を占めたという言い方も変ではあるが、あの同窓会に僕が出た事がよっぽどお気に召したとみえる。
いつもながら色々と気を揉ませてしまって申し訳ないと思う。
- 114 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:02:13 ID:x2mVuTHI0
-
そうそう、申し訳ないと言えばもう一つあった。
( ^ω^)「そういえばジョルジュ、こないだは悪かったお」
_
( ゚∀゚)「こないだ?」
( ^ω^)「同窓会で、結局酔っ払った僕に付き合わせて途中で抜けさせちゃった事だお」
_
( ゚∀゚)「ああ、別にいいさ」
もう終わりの時間だったから気にするなとジョルジュは言う。
確かに同窓会自体は終わりの時間ではあったのだが、あの後二次会もあったのだ。
当然、ジョルジュはそれに誘われていたはずだ。
それが僕の所為で参加出来なくなってしまった。
_
( ゚∀゚)「だから気にすんなって。俺、カラオケ苦手だし」
ジョルジュは自分が言う様に歌は上手くない。
けれど、カラオケが苦手というのどうであろうか。
- 115 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:08:35 ID:x2mVuTHI0
-
ああいった賑やかな空気は嫌いではないはずだ。
それも久しぶりに会った友人達と一緒なのだ。
きっと参加したかっただろう。
_
( ゚∀゚)「それよっか、俺こそ悪かったな。結局、一緒に飲めなくてさ」
( ^ω^)「それこそ気にすんなお」
_
( ゚∀゚)「いやあ、あいつら無駄にテンション高くてな」
_
( ゚∀゚)「絡むは泣くは踊るはで、抜け出せなくってさ」
( ^ω^)「楽しそうで何よりだお」
なおも謝るジョルジュに、僕は大きく首を振って見せ、気にしてない事を繰り返した。
遠慮とか拗ねている訳ではなく、それこそが僕の望む展開だったのだから望み通りだ。
_
( ゚∀゚)「……うーん、どうだったんだろうな」
( ^ω^)「お? つまらなくはなかったお?」
- 116 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:16:02 ID:x2mVuTHI0
-
ジョルジュは珍しく神妙な顔で首を捻る。
時々盗み見ていたジョルジュの様子はつまらなさそうには見えなかったと思うのだが、
どうも僕に気を使っているという風でもなく、本気で何か疑問を抱いているようだ。
_
( ゚∀゚)「そりゃまあ、楽しくなかったとは言わないけど、何か違和感もあったんだよな」
( ^ω^)「違和感? どんなだお?」
_
( ゚∀゚)「いや、違和感って言うほどの物もない、些細な事なんだけどさ」
_
( ゚∀゚)「やっぱ皆、どこかしら変わってんだよな、当たり前だけど」
( ^ω^)「そりゃ小学生と大学生ぐらいじゃだいぶ違うお」
_
( ゚∀゚)「まあ、そうなんだけどさ」
_
( ゚∀゚)「やっぱ昔知ってた顔が前提にあるからかな」
_
( ゚∀゚)「あれ、こいつこんな事言うやつだっけ、とか」
_
( ゚∀゚)「細かいとこが気になってね」
- 117 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:23:04 ID:x2mVuTHI0
-
( ^ω^)「意外に小心者ですね、オラジョルジュさん」
_
( ゚∀゚)「繊細といえ、繊細と。俺は意外とナイーブなんだよ」
( ^ω^)「自分で意外と言う時点でよくわかってるじゃねえかお」
茶化しはしたが、ジョルジュが言う事もわからなくはない。
隣に座った人の顔や名前すら思い出さなかった僕は、違和感どころの騒ぎじゃなかったのだし。
_
( ゚∀゚)「そういやお前、案外楽しめてたみたいだな」
_
( ゚∀゚)「誰かは知らんが、いい雰囲気だったじゃねえか?」
( ^ω^)「あれがいい雰囲気だったとは断じて思い難いお」
( ^ω^)「……って、あれ? ジョルジュもあの子の事、わからなかったのかお?」
_
( ゚∀゚)「ああ、わからなかったな」
( ^ω^)「へー、ジョルジュもかお」
_
( ゚∀゚)「んー、あんなかわいい子、子供の頃もかわいかったはずだから忘れ様はないとは思ったんだが」
- 118 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:32:14 ID:x2mVuTHI0
-
ジョルジュの言葉に、僕は彼女の容姿を思い出す。
セミロングの黒髪に、細い切れ長の眼。
何となく眠そうというか気怠そうな印象も受けはしたが、確かに全体的に見て美人の部類に入ったのだろう。
人見知りの僕が、そんな彼女と物怖じせずに話せた事は、今考えると意外なことだ。
_
( ゚∀゚)「で、あの子なんて名前だったの?」
ジョルジュの興味津々とした目が僕を覗き込む。
( ^ω^)「1 素直シュールさんだお
2 須藤シャーミンさんだお
3 キャサリン・セント・ジョーンズさんだお
4 えっと……あれ……なんて名前だっけ? 」
安価
>>119
- 119 :名も無きAAのようです:2011/09/02(金) 23:47:44 ID:tEsX4IRk0
- 4
- 120 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:14:29 ID:ogVCEywo0
- −※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
―(^ω^ )
―ヽ ノ―┓
<
┛
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です
登場するAAに一切の関連性はございません
独立した一個の短編だと思ってください。
- 121 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:18:58 ID:ogVCEywo0
-
ある秋の日、友だちが死んだ。
突然の事だった。
( ^ω^)は友の生きた証を知るようです
( ^ω^)「相変わらず、綺麗に整理された部屋だおね」
友だちといっても、親しかったのは高校時代の事で、大学、就職と進むにつれ、ずいぶん疎遠になってしまっていた。
友だち、ドクオの部屋を訪れるのも久しぶりの事だった。
( ^ω^)「お邪魔しますお」
永遠に主が戻る事のない部屋に一声かけ、中に入る。
白を基調とした色合いの、さして物の多くない部屋。
部屋の隅にあるベッドの横には、几帳面に巻数順に並べられた漫画が並ぶ書架がある。
高校時代見慣れていた部屋は、今も変わらぬ姿でそこにあった。
- 122 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:21:17 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^)「……変わらぬ部屋に、一つだけ大きく変わったものがある、か」
漫画を読んだりゲームをしたり、この部屋で共に過ごしたドクオの姿は今はない。
たったそれだけで、僕にとってはこの部屋が全く異質の物に見えてしまう。
( ^ω^)「過ぎた時間は戻らないんだお」
ドクオの葬儀は至って簡素な物で、訪れる人間もお世辞にも多いとはいえなかった。
ドクオの家は母子家庭で親戚付き合いもなく、また当人の少し気難しい性格から、
交友関係も極めて狭かった事を考えれば妥当な所だろう。
だから、五年近くも会っていなかった僕がドクオの親しい友人という位置付けで、
ドクオの部屋を見てやって欲しいと頼まれたのだ。
きっと、ドクオの事を誰かに覚えていて欲しかったのだろうと思う。
( ^ω^)「あ、ドクオもこの漫画集めてたんだ」
欲しいものがあれば何でも持っていってくれと言われてはいるが、それは何だか気が引けた。
これ以上、この部屋の様相を変えるのは気が咎めたのだ。
彼の生きた証を、残しておきたかった。
- 123 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:23:05 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^)「たまにメールとかすれば良かったおね」
ドクオとは色々と趣味があった。
こうやって同じ漫画を集めている所とか、きっと嗜好が似ていたのだろう。
多分、メールや電話で話せば、きっと楽しい話が出来たはずだ。
( ^ω^)「忙しかった、は言い訳にならんおね」
人間関係、学業、就活、仕事と、めまぐるしく訪れる数多くの新たな事象。
高校オまでと違い、物理的な距離も離れ、生活時間帯も変わってしまった僕とドクオの間が、
疎遠になるのも自然な事だったかもしれない。
けれども僕は今、その事を後悔している。
またこの町に戻れば、昔のように自然に話せるものだとどこか楽観視していた。
( ^ω^)「今となっては、何を言っても仕方のない話だお」
僕はいつの間にか下がっていた視線を窓際に向けた。
そこにはドクオが小学生以来使い続けている学習机が置いてある。
物持ちのいいドクオの物だけあって、デザイン的な古さはあるものの、今も綺麗なままだ。
- 124 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:24:44 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^)「あ……」
何とはなしに学習机を眺めていた僕は、机の奥の方、壁際にあるそれに気付いた。
( ^ω^)「パソコン……」
ドクオはコンピュータ好きで、高校時代はパソコンを随分と欲しがっていた事を思い出した。
母子家庭であるドクオの家では、パソコンは気軽に買える物ではなかったから、
いつかバイトして買うと、原則、アルバイト禁止だった高校時代よく嘆いていたものだ。
( ^ω^)「そっか、買えたんだおね」
その事が僕には何だか自分の事に様に嬉しく思えた。
同時に、今でもこんな気持ちが浮かぶのに、ドクオから遠ざかってしまっていた事が悲しくなった。
( ^ω^)「お、ネット回線も繋がってるお。きっとパソコンライフ、満喫してたんだおね」
僕は笑みを浮かべ、パソコンに近付く。
今の時代、パソコンもネットも珍しい物ではないが、ドクオの置かれていた環境を考えると、
如何にドクオがそれを手に入れるのにがんばったか、楽しんでいたかが目に浮かぶようだ。
- 125 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:26:15 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^)「……パソコン」
ふと僕は、一つの危惧を抱いた。
ドクオは僕と嗜好が似ている。
ドクオは急死した。
パソコン。
( ^ω^)「有り得るお……」
急死したといっても、中身を整理する時間はあっただろう。
几帳面なドクオの事だ、ちゃんと整理していつでも消せるようにしていた可能性は高い。
しかし万が一……
( ^ω^)「この中に、あんなファイルやそんなファイルが残っていたとしたら……?」
ドクオのお母さんは、きっとこの部屋をこのままにしておくだろう。
それに多分、パソコンにも疎いタイプだと思う。
だから、このパソコンも誰にも触られず、このままにして置かれるかもしれない。
- 126 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:27:20 ID:ogVCEywo0
-
けれどもし、残されたドクオのお母さんが亡くなられたり、
そうでなくても引越しなどで荷物を処分する必要が出て来たりしたら……。
( ^ω^)「高確率でこれは処分される恐れがあるお」
ただ処分されるだけならまだいい。
問題は、これの中身を見られる場合だ。
ひょっとしたら、この中には故人の尊厳を著しく傷付ける物が入っているかも知れない。
そうなったらドクオは……
( ^ω^)「……」
僕は無言でパソコンの電源を入れた。
見慣れたOSの起動画面が表示される。
そこに、下賎な興味がなかったとは言わない。
けれどきっと、僕が一番ドクオの事をわかって上げられると確信に近い思いもあった。
( ^ω^)「こういう時、やって欲しい事は人類共通だおね」
幸いな事に、パスワードはかかっていなかった。
- 127 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:29:14 ID:ogVCEywo0
-
本当はハードディスクの中身を見ずに消すのが一番良い。
パソコン自体を物理的に破壊してしまう等の手段を取って。
けれどそれは、残されたドクオの思い出も消す事でもあり、その事を知ればドクオのお母さんも悲しむだろう。
それにこの中には写真や日記など、ドクオの思い出が綴られた何かがあるかもしれない。
それをドクオのお母さんに見せてあげれば、空いてしまったドクオとの関係の穴埋めに少しはなるだろうか。
( ^ω^)「やっぱハードディスクの中身も綺麗に整理されてるお」
残ね──幸運な事に、アウアウなファイルはハードディスクの中には存在しなかった。
死期を悟ったドクオが処分したのか、元から興味なかったのかは定かではないが。
でも、後者ではない気がする。
僕とドクオは似ているから。
( ^ω^)「お、日記っぽいファイル発見」
ざっと閲覧してみたが、日々の何でもない様な事が書かれた、文字通り日記と呼べるファイルのようだ。
これが痛々しいポエムの類であったら、見なかった事にして消すつもりだった。
これをドクオのお母さんに見せてあげれば、少しは喜んでくれるかもしれない。
- 128 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:30:44 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^)「他には……お? これは……」
日記とは別のフォルダに、いくつかのテキストファイルが保存されていた。
そのファイル名は……
( ^ω^)「youdesu01.txt ……ようです? ひょっとして……」
ようです。
何の変哲もない、特に意味があるとは思えない言葉ではあるが、奇しくも僕はそれに心当たりがあった。
( ^ω^)「ひょっとして、ブーン系小説かお?」
ブーン系小説。
広大なネットの片隅で、細々と運営されている、いわゆるネット小説だ。
運営されているといっても、これといった運営機関があるわけではなく、
個々人が自由に参加して活動する、小さいながらもそれなりに歴史のあるコミュニティだ。
何でそんなマイナーなコミュニティを僕が知っているかといえば、答えは簡単だ。
僕もそのブーン系小説に関わっているからだ。
- 129 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:32:08 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^)「もしかして、ドクオも……」
ドクオも、ブーン系小説を書いていたのだろうか。
かくいう僕も、いくつかの作品を書いた事がある。
けれども、何作か書いた後、僕には書くよりも読むほうが性にあっていると理解し、以降は読者専門だ。
そういう楽しみ方もブーン系小説ではメジャーなものだ。
( ^ω^)「1、2、3……結構な数のファイルがあるお」
ここにあるようですという名のファイルは、その原稿なのかもしれない。
まず原稿をテキストファイルなり、携帯電話なりに書き溜めておいて、
スレッド形式の掲示板に1レスずつ貼っていく、投下するのが一般的なブーン系小説の形式だ。
( ^ω^)「この数、現行でも持っていたのかお?」
現行、いわゆる連載作品の事だ。
一のスレッドに短い話を書いて投下する短編と違い、長期間に渡り続き物を書いて行く現行を持つ事は、
多分に困難を極める。
そんな中、これだけのファイルを有しているドクオは、中々の実力ある作者だったのではないだろうか。
- 130 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:34:03 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^)「……あれ、そういえば」
ブーン系には数多の作品が存在し、それぞれに違った面白さがあり、僕を長年に渡り楽しませてくれていた。
そんな中、僕が今一番注目している作品に、
『( ・□・)ブーンはあるフランスベッドで競歩するようです』、通称『ある歩』という名前の現行がある。
しかし残念ながら最近、この作品は投下されていない。
ただそれは、投下がなく自然消滅、いわゆる逃亡したからというわけではない。
『ある歩』の最新話投下後に、作者から一つのアナウンスがあったのだ。
病気の療養でしばらく投下出来ない、と。
( ^ω^)「ドクオ……」
僕はある確信に近い思いを抱き、一つのファイルにマウスを合わせる。
フォルダの中にある、一番新しいファイルに。
( ^ω^)「ドクオ……君の思いは僕がきっと──」
僕は意を決し、ファイルを開いた。
( ^ω^) カチッ
- 131 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:36:07 ID:ogVCEywo0
-
残念! キューちゃんのおっぱいでした〜!
│││ O O ヽ
│││\|/ 丶―― |
O│││/|\ 丿 O
/t 。
/゜ \
./゜ .ヽ、
| 。 \
」 ]( ..l、
)、 ./qx 」k /"゚lk .l(
)( ),,4R]! f )、 |ll(| __/
h。 ゚Y「゜ / .ヽ、 ^^^ ,,。.-^
.\.。,,,,______,,/゜ .\.。.。v-'^^^
おちんちんびろーん
ヽ('A`)ノ
( ) ゛
゛/ω\
- 132 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:37:02 ID:ogVCEywo0
-
( ^ω^) カチッ
僕はそっとファイルを閉じた。
- 133 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:38:29 ID:ogVCEywo0
-
その後、他のファイルを開き、一瞥しては閉じるという作業を繰り返した後、ある結論に達した。
( ^ω^)「うん、見なかった事にしよう」
僕はフォルダ内にあった全てのようですファイルを削除した。
決して誤解してもらっては困るのだが、このような意味不明な作品、いわゆるクソスレが悪いわけではない。
これはこれで需要がある物なのだ。
しかし……
( ^ω^)「親が見たら確実に泣くお」
それも、悪い意味で。
だから僕は、全てのファイルを消去し、ドクオの部屋を後にした。
その手には、何も持つ事はなく。
- 134 :( ^ω^)は友の生きた証を知るようです:2011/09/03(土) 00:40:03 ID:ogVCEywo0
-
ドクオの思いを受け取った僕は、その日の夜、生まれて初めてクソスレを立てて投下した。
ドクオへの手向けとして。
奇しくも『ある歩』はその日、作者が快癒して最新話が投下されていた。
( ^ω^)「『ある歩』、やっぱおもすれー」
僕はこれからも、ドクオの分までブーン系小説を楽しんでいこうと思う。
僕がブーン系小説を読み続ける限り、ドクオの事はきっと忘れないだろうから。
忘れたくても忘れられない、鮮烈な思い出を僕に残してくれたクソスレの記憶と共に。
( ^ω^)「あ、クソスレなのに意外と伸びたお」
( ^ω^)は友の生きた証を知るようです おしまい
- 135 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 00:44:06 ID:ogVCEywo0
-
お題
ブーン系小説
友だち
あとがき お題が、こう、漠然というか広義すぎると却って話が思い付かないものですね。
全てはオチというか、ファイルを開くとこの為のお話でした。
苦情とかそういうの何かあったらお気軽にどうぞ。全力で聞き流します。
以下、>>118 からの続き……の前に再び短編お題募集
短編お題
安価
>>136
>>137
>>138
- 136 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 01:55:46 ID:Qe07JUs60
- 台風
- 137 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 09:39:44 ID:Zh1MI4VsO
- たんす
- 138 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 11:22:21 ID:qFZVWp8.0
- GD-ROM
- 139 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 13:05:29 ID:b9Fae5M.O
- 乙乙
テンポの良い軽い調子の短編、しっとりとした調子短編と上手く書き分けるね。
確かに、クソスレネタ書いたメモなんか家族に見られたら死ねるwww
- 140 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:19:12 ID:9KN/jPlA0
-
( ^ω^)「えっと……あれ……なんて名前だっけ?」
_
( ゚∀゚)「おいおい、ボケるにはまだ早い年だろ?」
( ^ω^)「うるせーお、ちょっとド忘れした……」
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「ん? どうした?」
( ^ω^)「……あれ、ホントに思い出せねえお」
_
( ゚∀゚)「何だよ、それwww」
_
( ゚∀゚)「まさか、かわい子ちゃんの前で舞い上がっちゃって、何話したか全く覚えてないってオチか?」
そんなはずはない。
確かにちょっと雰囲気に飲まれはしたが、そんな浮き足立っていた覚えはなかった。
それに、何を話したかはちゃんと覚えている。
- 141 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:24:39 ID:9KN/jPlA0
-
( ^ω^)「いきなり話しかけられて……手羽先……昔の話をして、でも覚えてなくて……」
_
( ゚∀゚)「あ? 話の中身は事は覚えてるのか?」
( ^ω^)「自己紹介して……脱線して……ジョルジュが使えなくて……」
_
( ゚∀゚)「名前も聞いたと。つーか、使えないって何だよ」
僕は口を挟んで来るジョルジュを無視し、あの場で彼女と話した内容を頭から上げて行く。
自分に言い聞かせるよう、口に出して。
( ^ω^)「近況を話して……酔って……彼女もニートで……選ばれし者で……そして……」
_
( ゚∀゚)「そして?」
( ^ω^)「僕が魔王だお」
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
- 142 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:30:35 ID:9KN/jPlA0
- _
( ゚∀゚)「な……」
( ^ω^)「……」
_
( ;∀;)「なんだそりゃwwww」
_
( ;∀;)「選ばれし者にwww魔王wwwwって」
最後まで話の道筋を辿った僕に、笑いを抑えきれず、腹を抱えて転げ回るジョルジュ。
その反応はまあ、仕方がないものかもしれない。
酒宴の席の片隅で、何を熱心に話しているかと思えば、何とも痛々しい厨二話だ。
僕だって自分で話してて、馬鹿らしいと笑い飛ばしたくなる内容だと思う。
しかし、僕は全く笑えない。
( ^ω^)「実際、そんな感じの話をしてたお」
( ^ω^)「酔って寝てたけど、ちゃんと話した内容は覚えてるみたいだお」
- 143 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:37:39 ID:9KN/jPlA0
- _
( ;∀;)「まあ、こんな馬鹿みたいな話、忘れたくてもなかなか忘れられねえよwww」
( ^ω^)「僕もそう思うお。」
( ^ω^)「……でも一つだけ、思い出せない事があるお」
_
( ;∀;)「何だよ、魔王様のソウルネームか?www」
( ^ω^)「近いお」
_
( ;∀;)「あ?」
( ^ω^)「魔王じゃなくて、選ばれし者の……彼女の名前だお」
_
( ゚∀゚)「……」
僕の言葉に、ぴたりと笑うのを止めたジョルジュは、僕の顔をじっと見詰める。
_
( ゚∀゚)「話のインパクトが強すぎて、忘れちまったんじゃねえの?」
人見知りの僕が、親しくもない人の名前をまともに呼べたとは思えないし、とジョルジュは続ける。
- 144 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:44:33 ID:9KN/jPlA0
-
( ^ω^)「いや、何回かは名前で呼んだ覚えはあるお」
今になって思えば、それも不思議なことかもしれない。
ジョルジュが言う様に、僕の性格を考えれば、僕の中では初対面の、
それも女性を気軽に名前で呼ぶというのは想像出来ない。
精々呼べて名字止まりではないだろうか。
( ^ω^)「やっぱり変だお……」
_
( ゚∀゚)「本当に名前聞いたのか?」
_
( ゚∀゚)「向こうはお前の事知ってて、お前は忘れてたから適当に話を合わせたとかじゃないのか?」
( ^ω^)「いや、確かに聞いたお」
その事は覚えている。
そして自分が彼女の事を名前で呼んだ事も。
だのに何故……
- 145 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:49:25 ID:9KN/jPlA0
-
( ^ω^)「何故、肝心の名前だけが思い出せないんだお?」
_
( ゚∀゚)「……あの時お前、酔っ払って寝ちまったから、それで忘れたんじゃないのか?」
( ^ω^)「彼女の名前だけを? それは不自然だお」
_
( ゚∀゚)「でも、実際に忘れてる」
酔った話だからそういう事もあるだろうと、ジョルジュは僕を諭すように言う。
先ほどまでの冗談めかした口調は微塵も感じられない。
恐らく僕は相当深刻な顔をしていたのだろう。
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「まあ、いいじゃねえか。久しぶりに外に出て、人と話して気疲れでもしたんだろうさ」
( ^ω^)「……かもしれんね」
どう見ても納得したと思えない返事をした僕に、ジョルジュは表情を曇らせる。
また余計な責任を感じているのだろうと気付いた僕は、ジョルジュにある頼み事をすることにした。
- 146 :名も無きAAのようです:2011/09/03(土) 23:56:18 ID:9KN/jPlA0
-
( ^ω^)「ジョルジュ、同窓会の幹事の誰かに連絡取れるかお?」
_
( ゚∀゚)「その手があったか!」
ジョルジュは指をパチンと鳴らし、ズボンから携帯電話を取り出す。
その言葉だけで僕が何をして欲しいのか、すぐに察してくれたらしい。
こういう時はいっそ頼った方が、ジョルジュも気が晴れるだろうと考えての事だが、その目論見は奏功したようだ。
_
( ゚∀゚)「チッ、留守電か。……あー、ジョルジュです、至急、折り返し電話くんね?」
( ^ω^)「そんな急ぐ話でもないから、暇な時にでもって言っておけお」
_
( ゚∀゚)「いいんだよ、善は急げって言うし──って、お前、何やってんの?」
押入れの戸を開け、何かを探す僕の方にジョルジュが疑問を投げかける。
( ^ω^)「探し物だお」
電話が繋がったのか、更に続くであろうはずだったジョルジュの質問の言葉はない。
僕は乱雑に積み上げられた段ボールの箱の一つを取り出し、中身を確認する。
- 147 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:02:57 ID:kYfblMr20
- _
( ゚∀゚)「──で────いねえの?」
ガサゴソと物を漁る音でジョルジュの電話の内容はよく聞き取れないが、簡単にはわからないかもしれない。
( ^ω^)「この箱じゃないか」
箱の中に、目的の物は見当たらなかった。
自分で片付けたはずだが、どの箱だったかまるで思い当たらない。
面倒でも一つ一つ調べるしかないようだ。
僕は押入れから引っ張り出した段ボール箱を部屋の隅に押し流し、また別の段ボール箱を取り出す。
( ^ω^)「これは……中学の頃のものかお」
この箱でもない。
一応ざっと中を確認してみたが、やはりこの箱には入っていなかった。
再び段ボール箱を滑らせる様にして部屋の隅に押しやり、新たな段ボール箱を取り出す。
そんな作業を何度か繰り返した後、僕はようやく目的の物を探し出す事が出来た。
- 148 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:09:14 ID:kYfblMr20
- _
( ゚∀゚)「何探してたんだ?」
( ^ω^)「これだお」
_
( ゚∀゚)「卒業アルバムか。お前にしては冴えてるじゃねえか」
ジョルジュは一瞥しただけでそれが何なのか、すぐにわかったようだ。
受け取ってから一度も中を開いた事のない僕と違い、見慣れた物なのかもしれない。
( ^ω^)「そっちはどうだお?」
_
( ゚∀゚)「連絡待ちだな。何人かには連絡付いたんだが、肝心の出欠名簿持ったやつが捕まんなくてな」
( ^ω^)「じゃあ、まずはこっちから見てみるお」
_
( ゚∀゚)「おk」
僕は床の上にアルバムを置き、ページを開いた。
密閉されていた所為か、年月を経た割には真新しい本の匂いがした。
_
( ゚∀゚)「まずはクラス写真だな」
僕は頷き、パラパラとページを進める。
- 149 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:15:24 ID:kYfblMr20
- _
( ゚∀゚)「ここだここだ。どれどれ……」
( ^ω^)「……」
僕は無言で居並ぶ名前を目で追う。
人の顔を覚えるのが得意とはいえない僕の記憶では、写真はあまり参考にならない可能性が高い。
今と昔でどのくらい彼女が様変わりしているのかも定かではないし。
それならば恐らく聞いたはずの、彼女の名前を探す方が効率的だ。
写真は彼女の顔は見たジョルジュに任せることにする。
ずっと見ていたわけではないだろうけど、それでも僕よりはマシな気もする。
_
( ゚∀゚)「うーん……」
( ^ω^)「どうだお?」
時間にして、ゆうに五分はアルバムとにらめっこしていたが、どれもピンと来る名前ではない。
ジョルジュも同様らしく、僕の問いにゆっくりと首を振って返す。
_
( ゚∀゚)「おかしいな……同窓会なんだから、この中にいるはずなんだが……」
普通に考えればジョルジュの言う様に、この中の誰かのはずでなければならない。
小学校の、それもこのクラスの同窓会だったのだから。
_,
( ゚∀゚)「こいつは……違うよな……こいつ……も違うな……」
- 150 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:24:26 ID:kYfblMr20
-
( ^ω^)「……」
眉根を寄せ考え込むジョルジュを尻目に、僕は少し冷めて来ていた。
考えてみれば、もう二度と会うかどうかもわからない人の事を調べてもしょうがないのではないかと思い始めていたのだ。
不思議な体験ではあったが、これといって損も得もない話だ。
そこまでして考える必要もないのではないかと思う。
しかし同時に、心のどこかに引っかかりを覚えているのも事実だ。
それは久しく忘れていた、僕の心を支配する諦めの感情とは正反対の思い。
そんな相反する思いを摺合せ、僕はジョルジュに一つの提案をする事にした。
( ^ω^)「1 確かあの日、学年全部のクラスが同窓会やってたんだおね?
2 あの日、たまたま他の学校の同窓会が近くでやってたりとか……
3 天狗じゃ、天狗の仕業じゃ。
4 もういいお。 そんな事よりゲームでもやるお 」
安価
>>151
- 151 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 00:59:36 ID:ddD5GDi60
- 4
- 152 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 01:44:25 ID:kYfblMr20
-
( ^ω^)「もういいお。 そんな事よりゲームでもやるお」
僕はアルバムを閉じ、両手で持ち上げてジョルジュにそう伝えた。
_
( ゚∀゚)「おいおい、いいのか?」
( ^ω^)「別にいいお」
彼女の名前を知ったところで、今後二度と会わない可能性の方が高いと主張する。
_
( ゚∀゚)「そりゃそうかも知れないが、ぶっちゃけ、気になってんだろ?」
珍しく率先して卒業アルバムを探し出したりした事が、ジョルジュにそう判断させたのだろう。
実際、こんな不思議な事が気になっていないはずがないので、それは間違いではない。
( ^ω^)「そうだけど、それ以上に……」
_
( ゚∀゚)「それ以上に?」
( ^ω^)「めんどくさそう」
僕はそういうと同時に、卒業アルバムをベッドの上に放り投げた。
_
( ゚∀゚)「……まあ、否定はしないな」
- 153 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 02:16:24 ID:kYfblMr20
-
人が何でも平等に生まれて来るものではない事はわかっているが、それを羨ましく思う事は賎しい事なのだろうか。
憧れを抱ける内はまだ健全なのだろうと僕は思う。
いつかそれが決して届かぬことに気付いて、全てを諦めしまう日が来るよりはいいのだと。
_
( ゚∀゚)「どうした?」
( ^ω^)「……何でもないお」
_
( ゚∀゚)「んじゃ、これやろうぜ」
そう言って僕のゲーム箱からジョルジュが取り出したのは……
1 超AAバスターズという冒険アクションゲームだった。
2 街頭歯車王という格闘ゲームだった。
3 牛姫さまというシューティングゲームだった
4 僕が見た事もない真っ黒なカートリッジだった。
安価
>>154
- 154 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 02:23:33 ID:kYfblMr20
- −※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
YATTIMATTA
(^ω^;)
V ノ>
││
┛┗
やべえ、1レス抜かしたんで >>153 は取り敢えず見なかった事にして
投下し直し
以下>>152の続き
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 155 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 02:26:33 ID:kYfblMr20
-
現状、最大の手がかりであった卒業アルバムからは何の手がかりも得られなかった。
この状態で、闇雲に調べた所で何かがわかるとは思い難い。
ジョルジュに僕の考えを説明し、ひとまず調査は切り上げようと提案した。
本当は終了しようと言いたかったのだが、電話してもらった件もあり、
その答えも聞かずに打ち切ってしまうのも申し訳のない話だ。
それに多分、めぼしい情報は出て来ないだろうという予感もあったから、
調査の終了を提案するのはその時でいいだろう。
( ^ω^)「じゃあ、ゲームでもやるお」
_
( ゚∀゚)「んー、お前の家、古くせえゲームしかないからな」
( ^ω^)「僕のコレクションにケチつけんなお」
_
( ゚∀゚)「ま、たまにはいいか」
どちらかといえばアウトドア派のジョルジュではあるが、僕に付き合う内にそこそこゲームの腕はあがっていた。
反面、インドア派でプレイ時間も長い僕は、ジョルジュとそう変わらぬ腕しかない。
この辺りが何でも卒なくこなすジョルジュと、何でも大して出来ない僕との明確な差なのだろう。
- 156 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 02:27:40 ID:kYfblMr20
-
人が何でも平等に生まれて来るものではない事はわかっているが、それを羨ましく思う事は賎しい事なのだろうか。
憧れを抱ける内はまだ健全なのだろうと僕は思う。
いつかそれが決して届かぬことに気付いて、全てを諦めしまう日が来るよりはいいのだと。
_
( ゚∀゚)「どうした?」
( ^ω^)「……何でもないお」
_
( ゚∀゚)「んじゃ、これやろうぜ」
そう言って僕のゲーム箱からジョルジュが取り出したのは……
1 超AAバスターズという冒険アクションゲームだった。
2 街頭歯車王という格闘ゲームだった。
3 牛姫さまというシューティングゲームだった
4 僕が見た事もない真っ黒なカートリッジだった。
安価
>>157
- 157 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 06:20:08 ID:oOydv7vMO
- 4
- 158 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 13:27:28 ID:XWnTh5tU0
- 連日よく続くな
なかなか面白い
- 159 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 20:06:54 ID:zbwLWZ.k0
- こっからRPG的になったら色々と終わるだろうがな
- 160 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:16:59 ID:UF/VPXxs0
-
そう言って僕のゲーム箱からジョルジュが取り出したのは、僕が見た事もない真っ黒なカートリッジだった。
( ^ω^)「……何だお、それ?」
_
( ゚∀゚)「何だって言われても、この中にあったんだからお前が知ってんじゃねえの?」
ジョルジュはゲーム箱を指差して言うが、僕にはそのカートリッジに見覚えはない。
僕はジョルジュからそれを受け取り観察してみる。
( ^ω^)「シールも何もないおね」
一度は貼ってあったのか、シールを剥がした後は残っている。
流石にそのわずかな破片から、これが何のゲームなのか判断する事は出来ない。
_
( ゚∀゚)「動かしてみた方が早いんじゃねえの?」
( ^ω^)「うーん……」
一応、僕の持つゲーム機に対応した端子は付いていたので動かす事は出来そうだ。
見た感じだいぶ古そうなので、動くかどうかは定かではないが。
- 161 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:23:12 ID:UF/VPXxs0
-
( ^ω^)「やっぱり見覚えないんだおね」
_
( ゚∀゚)「忘れてるだけじゃね?」
さっきの話みたいに、とジョルジュは言う。
そう言われると返す言葉もないが、むしろさっきの話を前提に置くと、これがより一層奇妙なものに見えてくる。
( ^ω^)「何だかやな予感がするお」
_
( ゚∀゚)「やな予感ねえ……。確かに、お前が忘れてるんじゃなきゃ、これは怪しさ大爆発の逸品だな」
( ^ω^)「それか、ジョルジュが僕を引っ掛ける為にこっそり仕込んだか」
_
( ゚∀゚)「んな暇な事しねえよ」
( ^ω^)「僕もそう思うお」
わざわざ一世代前のゲーム機のソフトを買って来て、加工して持ち込むなんて手の込んだ事を、
ジョルジュがやるとも思えない。
他にこの部屋に入るのは親ぐらいだろうが、僕はほとんど部屋の中にいるし、仕込むのは難しいのではないだろうか。
そもそも親の線はジョルジュ以上にそれをやる意味がわからないし、考え難いと思う。
- 162 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:30:15 ID:UF/VPXxs0
-
ただ時間に関しては、二週間前に同窓会に出席してこの部屋を長時間空けた時もあるから、
仕込もうと思えばどうにか出来た可能性はある。
しかし、あれから何度かゲームはやってるから、ゲーム箱の中も見てはいる。
その時はこの謎のゲームの存在は確認していない。
と言っても、箱の中をじっくり確認したわけでもないから、ずっと箱の中に入っていたとしても気付かなかったかもしれない。
_
( ゚∀゚)「もう、スパッと立ち上げてみた方が早いだろ」
( ^ω^)「それでハードが壊れたら、ジョルジュが責任取ってくれるのかお?」
_
( ゚∀゚)「……うん、壊れたらやだな」
( ^ω^)「やだお。でも、ちょっと立ち上げてみたい僕もいるお」
ゲーム機本体を壊すようなプログラムを流すソフトなんて、コンシューマゲーム機では聞いた事もない。
CD等のディスクならまだしも、基板の入ったカートリッジソフトを個人が作るのはかなり難しいだろう。
そういった点を考えると、やはりただのシールが外れたソフトだと思うのが正しいのではないだろうか。
_
( ゚∀゚)「その辺はよくわかんねーけど、壊れる心配はなさそうって事か」
- 163 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:37:28 ID:UF/VPXxs0
-
( ^ω^)「多分」
_
( ゚∀゚)「じゃあ、点けて……」
( ^ω^)「まだ別の問題があるお」
_
( ゚∀゚)「何だよ?」
( ^ω^)「いつ、誰が、何の目的でこれを僕の部屋に置いたのかだお」
_
( ゚∀゚)「たまたま紛れ込んだ……なわきゃねえな」
偶然紛れ込むような事は当然考えられない。
となると誰かが持ち込んだことになるのだが、その誰かも思い当たらない。
( ^ω^)「ひょっとしたら誰も持ち込んでいない可能性もあるお」
_
( ゚∀゚)「何だそれ? まさかこのゲームが勝手にお前の部屋の中に入って来たとでも?」
( ^ω^)「そうだお」
_
( ゚∀゚)「……えっと、どういう事?」
- 164 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:45:13 ID:UF/VPXxs0
-
( ^ω^)「こういう都市伝説を聞いた事はないかお?」
_
( ゚∀゚)「都市伝説?」
( ^ω^)「呪いのゲーム」
_
(;゚∀゚)「呪いの……ゲーム……?」
( ^ω^)b
ある日気付くと、いつの間にかそのゲームは部屋の中に落ちていた。
不審に思った部屋の住人だが、折角だからとそのゲームを起動させてみた。
しかし、画面には何も映らない。
壊れているのだろうと結論付け、ゲーム機の電源を切りカートリッジを抜こうとしたが抜けなかった。
どうにか抜こうと悪戦苦闘していると、突然部屋の電気が消え、辺りは闇に包まれた。
慌てふためく住人は、立ち上がり、電気のブレーカーの元に走ろうとするが、新たな異変に気付く。
電気が消えた部屋で何故か起動しているゲーム機。
そして……
- 165 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 22:53:11 ID:UF/VPXxs0
-
( ^ω^)「不意に点灯するテレビ。映し出される真っ暗な画面。それが突然揺れだして……」
_
(;゚∀゚) ゴクリ……
( ^ω^)「……てなところでおもむろにこのカートリッジをゲーム機に差し込んでみる」
_
(;゚∀゚)「うぉぉぉぉぉい!? 何やってんの、お前!!!」
話を中断し、手に持っていたゲームのカートリッジをゲーム機に差し込もうとすると、恐ろしい勢いでジョルジュが僕の腕を掴む。
( ^ω^)「何すんだお、離せお」
_
(;゚∀゚)「何すんだじゃねえよ! お前、今何しようとした?」
( ^ω^)「何って、このゲームやってみようかと……」
_
(;゚∀゚)「何でだよ! 何で今の話の流れで点けようとすんの?」
( ^ω^)「いや、これが何なのか調べるためには結局試すしかないんだし……って、いてえから離せお。力入れ過ぎだお」
- 166 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:01:15 ID:UF/VPXxs0
-
ほんの冗談のつもりだったのだが、ジョルジュは全力で僕を止めにかかって来ている。
その力の入り様は半端なものではない。
何とか宥めすかし、その手を外させることに成功したが、ゲームは取り上げられてしまった。
( ^ω^)「軽い冗談だったのに」
_
(;゚∀゚)「冗談で済むか。あんな話した直後にふざけた事するんじゃねえよ」
ジョルジュは頬に汗を浮かべ、鼻息荒く怒鳴る。
ジョルジュがこんな話一つ、それもまだオチまで言っていない物に、いささか大袈裟な反応を見せるのには理由がある。
勝気な性格で、腕力もあるジョルジュではあるが、この手の怖い話は大の苦手だったりするのだ。
( ^ω^)「で、話のオチなんだけど」
_
(;∩∀∩)「もういい、聞きたくない!」
ジョルジュは顔を両手で多い、聞きたくないという素振りをする。
しかし、聞きたくないなら抑えるのは耳な気がするが、混乱しているのか怖いもの聞きたさ(?)なのか定かではない。
僕はそんなジョルジュにかまう事無く、話のオチを告げる。
- 167 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:08:09 ID:UF/VPXxs0
-
( ^ω^)「ウソだお」
_
(;゚∀゚)「……は?」
( ^ω^)「だからウソ、都市伝説自体、僕が今適当にでっち上げたウソだお」
外は優れない空模様で、カーテンは閉め、電気は点けているが、いささか怪談には遅い季節な上、まだ日のある時間帯だ。
怪談話をするにはあまり適さない雰囲気にも関わらず、
ジョルジュにはだいぶ効果的だった様だ。
_
(;゚∀゚)「……」
ぽかんとした表情で、僕の方をじっと見詰めるジョルジュ。
やがてようやく僕の言葉の意味を察したのか、恨みがましい目を向ける。
_
(;゚∀゚)「……お前なあ」
( ^ω^)「冷静に考えればわかるお。何だお、呪いのゲームって。明らかに呪いのビデオのパクりだお」
_
(;゚∀゚)「いや、響き的にあってもおかしくなさそうじゃねえか」
( ^ω^)「ねえお。簡単に騙されんなお」
僕は少し意地の悪い笑みを浮かべ、ジョルジュの方へ手を差し出す。
- 168 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:13:44 ID:UF/VPXxs0
- _
( ゚∀゚)「何だ? 仲直りの握手か?」
( ^ω^)「ちげえお。ゲームを渡せって事だお」
_
( ゚∀゚)「いいけど、何するんだ?」
( ^ω^)「無論、点けてみるに決まってるお」
_
( ゚∀゚)「……あんな話の後にかよ」
( ^ω^)「あれはウソだって言ったお?」
_
( ゚∀゚)「……だよな。何もねえよな」
( ^ω^)「ないから渡せお」
_
( ゚∀゚)「うん、渡す。渡すよ……渡そうかな……いや、やっぱり……」
(;^ω^)「いいから渡せお」
僕は半ば強引にジョルジュから謎のゲームを奪い取る。
少しからかいが過ぎたかもしれない。
- 169 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:19:33 ID:UF/VPXxs0
-
( ^ω^)「んじゃ、セットして……ジョルジュ、帰ろうとすんなお」
_
(∀゚ )「してねえし。ちょっとトイレにだな……」
( ^ω^)「はいはい。電源入れるお」
かちりという硬質な音が響く。
しかし、通電したような様子は見られず、テレビの画面にも変化はない。
( ^ω^)「壊れてるのかおね」
_
( ゚∀゚)「だろうな。……ところでそれ、ゲーム機から抜ける?」
( ^ω^)「当たり前だお。何をビビって……」
_
( ゚∀゚)「……内藤君?」
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「いや、もう、そういう冗談はいいから」
- 170 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:27:32 ID:UF/VPXxs0
-
抜けない。
それはがっちりと嵌ってしまい、イジェクトレバーを押そうが、無理やり引っこ抜こうとしようが微動だにしない。
あまりに不可解な話ではあるが、今、目の前でそれは起きている。
( ^ω^) ガチャガチャ
_
(;゚∀゚)「おいおい、もうわかったからさ……そんな抜けないふりなんかしなくていいよ」
僕はジョルジュの言葉には答えず、何とかカートリッジを外そうとするが外れる気配はない
何となく嫌な予感が僕の中で膨れ上がった瞬間、不意に部屋の電気が消えた。
_
(; ∀ ) ヒッ!?
(;^ω^)「……これは駄目かもわからんね」
僕はカートリッジを外すのを諦め、大きく息を吐く。
色々な可能性を頭の中で推測してみたが、最悪の答えしか思い浮かばない。
_
(; ∀ )「で、仕掛け人は誰よ?」
- 171 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:48:21 ID:UF/VPXxs0
-
(;^ω^)「……こういう話知ってるかお?」
_
(; ∀ )「どんな話?」
(;^ω^)「心霊スポットとかで、それっぽい怖い話すると霊とか呼んじゃったりする事があるんだってお」
_
(; ∀ )「ふーん。それで、ここは何の心霊スポットなの?」
(;^ω^)「えーと、妖怪ヒキコモリーノとか、生霊ドロップアウツとか?」
_
(; ∀ )「うわあ、退治してえ……」
軽口を叩きながらも、僕らの目はある一点に注視されている。
先の僕の話をなぞるなら、この先起こるであろう変化のある場所に。
(;^ω^)「ゲーム機、そしてテレビ……」
_
(; ∀ )「なあ……」
(;^ω^)「謝罪しろと言うのなら、全力で謝らない事もないお」
_
(; ∀ )「それは後でたっぷりしてもらうとしてだな……」
(;^ω^)「後でって、まだ諦めてはいないんだおね」
_
(; ∀ )「当たり前だろ。俺、故郷に帰ったらあの子に告白するんだ」
- 172 :名も無きAAのようです:2011/09/04(日) 23:56:52 ID:UF/VPXxs0
-
(;^ω^)「わざわざ死亡フラグ立てんなお。つーか意外と余裕あるおね」
余裕はあるというよりは錯乱しているだけかもしれない。
というか、こんな馬鹿なやり取りをしてる暇があるならさっさと逃げるなりなんなりすれば良かったのではと思う。
そんな事を考えていると、いつの間にかゲーム機の電源は点いており、短い音とともにテレビが点灯した。
_
(; ∀ )「……で、さっきの話、結局オチってどんなのだったの? 何が出て来んの?」
(;^ω^)「あれは……」
さっきの話は都市伝説でもなんでもなく、僕のでっちあげだ。
しかしながら、今のこの状況は明らかに僕の話をなぞっている。
ジョルジュが言う所の話のオチは、ウソの話とはいえ一応考えてはいた。
しかしそれを口にすると、それが本当に起きそうな雰囲気である。
この一言次第では取り返しのつかない事態になるかもしれない。
(;^ω^)「1 そりゃあれのパクりだから、出てくるものといえば悪霊的なものだお。
2 僕的には、魔王らしく眷属の一人でも召還したいとこだお。
3 テレビの中から女の子が出て来て、ドッキン、ウフフのラブストーリーが始まるお。
4 あいつだよ、あいつ、ほら、えーっと…… 」
選択肢安価
>>173
♀AA安価
>>174
- 173 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 00:49:27 ID:QngzJv7o0
- 4
- 174 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 00:55:33 ID:T8oXWQ/s0
- ∬´_ゝ`)
- 175 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 23:44:07 ID:cGZny6O.0
-
(;^ω^)「あいつだよ、あいつ、ほら、えーっと……」
ヤバいものを想像をしないように、必死に取り繕おうとするが、何も思い付かない。
もたもたしている間に、画面の揺れは一層大きくなり、最早手遅れになりつつある。
(;^ω^)「あ……えっと、その……」
気が焦るばかりで、まともな言葉が口を吐く事はない。
それでも、何とかしなければという気持ちが僕を突き動かす。
(;^ω^)「何でもいいから出て来んなお!」
気付けば僕はテレビに怒鳴りつけていた。
(;^ω^)「お……?」
その瞬間、画面の揺れは収まり、部屋の電気も点いた。
まるで何事もなかったかのように、僕の部屋は日常へと回帰する。
(;^ω^)「何が……」
僕は狐につままれた様な、わけのわからない心境でジョルジュの方を見る。
- 176 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 23:53:29 ID:cGZny6O.0
- _
( ∀ )
(;^ω^)「……ジョルジュさん?」
_
( ∀ )
(;^ω^)「返事がない。ただの屍のようだお」
屍、というのは冗談だが、どうやら気絶したらしい。
怖い話嫌いのジョルジュには、少々酷な体験だったようだ。
(;^ω^)「……一体何だったんだお?」
< ピンポーン♪
(;゚ω゚)「うぉっ!?」
原因を探ろうと、立ち上がりかけたその瞬間、玄関からチャイムの音が鳴った。
あまりのタイミングの良さに心臓が止まるかと思うほど驚きはしたものの、何とか部屋を出て玄関へ向かった。
(;^ω^)「ったく、こんな時にどちらさまですかお」
- 177 :名も無きAAのようです:2011/09/05(月) 23:59:38 ID:cGZny6O.0
-
∬;´_ゝ`)「こんにちは、突然すみません」
( ^ω^)「お?」
ドアを開けると、そこには作業着のようなものを身に着けている見慣れぬ女性の姿があった。
何だか浮かない顔をしているが、何かあったのだろうか。
∬;´_ゝ`)「先ほど、こちらのお宅も停電なされませんでしたか?」
(;^ω^)「停電?」
∬;´_ゝ`)「あれ? してないはずはないんですけども、その……」
その女性が言うには、この近くで電気工事をしていたのだが、
作業中のミスでこの近辺が短い時間ではあるが停電したので、一軒一軒説明と謝罪をして回っている最中との事だ。
(;^ω^)「ああ、はい、確かに電気は消えましたが……」
∬;´_ゝ`)「ですよね。誠に申し訳ございませんでした」
(;^ω^)「いえ、特に被害はありませんでしたので、お気になさらず……」
- 178 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:08:08 ID:lq/lW4pY0
-
平謝りする女性に気にしていない旨を告げ、お引取り願う。
僕は部屋に戻りながら、さっきの事を考えていた。
( ^ω^)「電気が消えたのは停電という事で辻褄は合うお」
しかし、いくつか腑に落ちない点が残っている。
一つは、ゲームのカートリッジがゲーム機から抜けなかった事。
これで抜けなかったらちょっと面白いかなという様な事は考えはしたものの、あれは本気で抜こうとして抜けなかった。
次に、停電中にも関わらずゲーム機とテレビの電源が点いた事。
( ^ω^)「そして最後に、テレビの画面が揺れた事……」
どれも簡単に説明のつく事ではない。
全て見間違いで済ませるには、少々無理がある。
部屋に戻ると、ジョルジュはまだ気絶していた。
ベッドに寝かせてやろうかと考えもしたが、重そうなので止めておいた。
ひとまずジョルジュは放置し、異変の元を調べる事にする」
- 179 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:17:40 ID:lq/lW4pY0
-
( ^ω^)「まずはゲーム機だけど……」
この落ち着いた状況だと簡単にカートリッジが抜けそうだと考えていたら、案の定あっさりと抜けてしまった。
試しにもう一度刺して電源を入れたが、何も起きない。
カートリッジもまた簡単に抜けた。
( ^ω^)「テレビにも細工はないおね」
テレビの液晶画面を触ってみたが、液晶画面の独特の手触りがあるだけで、さっきの様に揺れられる弛みは無さそうだ。
( ^ω^)「異常なし、と」
ざっと調べた所で、特に怪しい点はないという事がわかった。
状況の再現も出来ないし、この場でこれ以上打てる手は思い付かない。
( ^ω^)「さっきと今で何かが違うのかお?」
何となく口に出してみたが、違いは多々あると思う。
さっきは怖い話をして何か起こりそうな雰囲気はばっちりだったし、ジョルジュも健在だった。
僕自身も、何か起こったら面白いだろうなと考えていたし。
- 180 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:24:34 ID:lq/lW4pY0
-
今は冷静に分析しようとしているから、色々な点を懐疑的に見ている。
(;^ω^)「うーん……何か引っかかるものはあるんだけど……」
何かを見落としているのか、それとも見ていながらも気付いていないのか、
どっちにしろ現状ではよくわからないと結論付けた。
( ^ω^)「でも、何かが起きた事は事実なんだおね」
でなければ、僕の隣で気絶しているジョルジュの立場がない。
まさか二人して幻覚を見たというような事もないだろう。
それはそれで怖いものもあるが。
( ^ω^)「それに、こいつがあるお」
僕は真っ黒なゲームのカートリッジを眼前に掲げる。
二度目の異変は起こらなかったが、これ自体がどこから来たのかという謎はまだ解けていない。
- 181 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:35:29 ID:lq/lW4pY0
-
先にジョルジュに話した様に、これに心当たりはなく、僕が持ち込んだという事は有り得ない。
持ち込んだ記憶を消されでもしていない限りの話だが。
( ^ω^)「調べるならこれだおね」
とにかく、現状で唯一はっきりとした形を持った手がかりはこれしかないのだ。
このゲームについて調べていけば何かわかるかもしれない。
となるとまずは……
1 調査の基本はインターネット。呪いのゲームっぽい話がないか調べてみよう。
2 このゲームが何なのか、ゲームショップにでも持ち込んでみよう。
3 呪い……この漢字をばらすとロ兄……つまり……
4 呪いのゲーム、つまり呪いということなら神社でお払いしてもらおう。
安価
>>182
- 182 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:40:03 ID:xCGxLd2wO
- 3
- 183 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 00:59:22 ID:lq/lW4pY0
-
呪い……この漢字をばらすとロ兄……つまり……
( ^ω^)「ロリコンで兄のあの男に相談してみるかお」
などと勢いで言ってみたが、ぶっちゃけ何の解決策にもなってない気がする。
ただ、誰かと相談するというのはいい手だと思う。
ずっと一人で考えているよりは、違う角度からの意見も聞けていいのではないだろうか。
ヒキニートの僕ではあるが、ジョルジュ以外の知り合いがいないわけでもない。
その中で相談事の出来る友達となると、かなり限定されてしまうが、少なくとも……
_
( ∀ ) チーン
( ^ω^)「この件に関しては、ジョルジュよりは頼りになるおね」
僕は未だに目を覚ます様子のないジョルジュを見て、大きくため息をついた。
第二章 了
つづく・・・
- 184 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 01:13:56 ID:lq/lW4pY0
- −※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
以上で( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第二章終了。
正直、これは選らばんだろう的投げやりさで入れた選択肢ばかり選ばれてワロス。
だがそれが良い。
現在のフラグ状況
J + 2 S + 2 G + 5 F + 3 B + 0
何が何のフラグかは想像にお任せします。
メインフラグがちっとも踏まれず、このままだとlw´‐ _‐ノvの影が薄い話になりそうです。
- 185 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 01:15:25 ID:lq/lW4pY0
-
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第三章を読む
2 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>186
ロ兄の♂AA
>>187
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 186 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 01:47:48 ID:4IK/0tyA0
- 1
- 187 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 08:06:36 ID:Xo6tF7k.O
- (´<_` )
- 188 : ◆yuyu.LWrUA:2011/09/06(火) 14:29:35 ID:GkhmjGR.O
- まとめがつくころかしら支援
- 189 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 23:12:10 ID:m2x/mdHQ0
-
数日後、僕はまだ日の高い中、コンビニのビニール袋を片手に提げて外を歩いていた。
まだ夏が色濃く残る秋の初めの空は、久しくインドア派であった僕には厳しいものがある。
( ^ω^)「だりぃ……やっぱ帰るかお」
そう幾度となく思い、口に出す事もしばしばではあったが、先方との約束があり、それもこちらから取り付けたものだ。
流石に行かねばならないと思うくらいの良識はまだ持ち合わせている。
電車を乗り継ぎ、あまり馴染みのない街に降り立ち、また歩く。
二十分ほどの時を経て、ようやく友人の家が見えて来た。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第三章
.
- 190 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 23:18:58 ID:m2x/mdHQ0
-
(´<_` )「よく来たな。上がれよ」
( ^ω^)「お邪魔しますお」
門扉をくぐり、玄関のチャイムを鳴らすと、僕の数少ない友人の一人、流石弟者が迎え入れてくれた。
大体の訪問時間は告げていたから、恐らくすぐ出迎えられるように待っていてくれたのだろう。
几帳面、言い過ぎれば少し神経質な彼らしい事だ。
( ^ω^)「急にすまんかったお」
(´<_` )「全くだ……と、言いたい所だが気にするな」
(´<_` )「急にといっても、ちゃんとアポイントを取ったんだしな」
(´<_` )「しかし、そういうちゃんとした手順を踏んだ事もそうだが」
(´<_` )「お前がわざわざ外に出て俺に会いに来るというのも珍しい話だな」
( ^ω^)「うん、電話でも言ったけど、ちょっと相談があるんだお」
(´<_` )「俺にか? それも珍しい話だな」
- 191 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 23:26:41 ID:m2x/mdHQ0
-
弟者に電話で話した時には、相談がある事しか告げていない。
言葉で説明するとややこしい事になりそうだったので、実物を見せた方が早いと考えたのだ。
無論、心霊現象自体は起こすつもりはないが、僕にその気がなくても弟者が起こそうとするかもしれない。
(´<_` )「まあいい。ともかく、部屋に行こうか」
( ^ω^)「おk」
(´<_` )「そういえばお前一人か? てっきりジョルジュも一緒なのかと」
( ^ω^)「あいつは足手まといになるから置いてきたお」
(´<_` )「人生の足手まといが何を言う」
弟者はジョルジュに比べると、若干以上口は悪いが、根は悪いやつではない。
きつい言い方も当人には悪気はないのだが、あまり豊かとは言い難い表情が高圧的な雰囲気を醸し出した事もあり、
何かと誤解されやすくもあった。
- 192 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 23:35:47 ID:m2x/mdHQ0
-
そういった事もあり、友人があまり出来ず、本人もそれを気にしないというある種の孤立した立場にいたのだ。
僕も高校時代の同級生であった事を除けば大した接点はなかったのだが、ふとした切っ掛けで話が合う事がわかり、
友人としての付き合いが今も続いている。
( ^ω^)「いや、実際今回の相談に関してはジョルジュは完全に足手まといなんだお」
ジョルジュの苦手分野の話だからと弟者に説明する。
(´<_` )「ほう、ジョルジュの苦手分野という事は……」
( ^ω^)「うん、弟者の得意分野だお」
今回、僕が弟者に相談したのは、弟者がこの手のオカルト話のマニアだからだ。
普段の言動からは合理的なリアリストみたいな印象を受ける弟者なので、それを知った時は僕も驚いた。
そもそも僕と仲が良くなった話の切っ掛けがオカルトの話だ。
僕自身はそれほど好きでもなかったのだが、ネットで知られているような噂話は一通り知ってたりする。
怖がりのジョルジュをからかう為に、率先して調べた事が幸いしたのかもしれない。
(´<_,` )「俄然やる気出て来たわ。飲み物用意するから部屋で待ってろ」
珍しくはっきりと笑みを浮かべた弟者は、僕を二階の弟者の部屋に案内し、再び階下に戻って行った。
僕は数えるほどしか来た事のない、弟者の部屋のドアを開く。
- 193 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 23:43:50 ID:m2x/mdHQ0
-
( ^ω^)「失礼するお」
部屋の中は几帳面な弟者らしくきちんと整理されていて、以前来た時と大きく変わった様子はない。
全体的に黒を基調とした、どこか堅苦しい印象を受ける。
一面の壁に備え付けられた本棚に並ぶ、漫画以外の本が近寄り難い空気を放っている。
そしてベッドの側に備え付けられたコンポから聞こえてくる、
○○森森という無駄に陽気な子供の声が逆に狂気を感じさせ、この部屋の異質さを際立たせていた。
……等と初めてこの部屋に来る人は思うのかもしれないが、弟者の事を知っている僕は、
最後の一点だけは間違っている事がわかる。
あの音楽は狂気の演出などではなく、単に弟者の趣味だ。
( ^ω^)「まあ、ロリコンですからね」
色々と台無しだと思うが、本人がいいのならそれでいいのではないだろうか。
(´<_` )「適当に座ってくれよ」
立ったまま部屋を眺めていたら、いつの間にか弟者が戻って来ていた。
弟者は部屋の中央に置かれた折りたたみ式のテーブルの上に、炭酸であろう飲み物が入ったコップを並べる。
- 194 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 23:52:21 ID:m2x/mdHQ0
-
( ^ω^)「おっと、そうだ。これは手土産だお」
座ろうとしてその手にあったものに気付いた僕は、コンビニの袋からお菓子を取り出し、弟者に手渡した。
(´<_` )「重ね重ね珍しいな。お前が手土産とか……おい、これは?」
( ^ω^)「他意はないお」
受け取ったお菓子、ホワイトロリータを手に僕を睨む弟者。
別に嫌がらせをするつもりはなく、弟者への手土産をと考えた時、真っ先にこれが目に付いただけだ。
(´<_` )「まあいい。美味いしな、ホワイトロリータ」
( ^ω^)「美味いお、ホワイトロリータ」
僕らは向かい合うようにテーブルを挟んで座る。
まずは飲み物を一口頂き、回りくどい話は抜きで本題を語り始める。
< マルマル モリモリ 〜♪
( ^ω^)「事の始めはジョルジュが僕の部屋で不審なものを見つけた所から始まるお」
- 195 :名も無きAAのようです:2011/09/06(火) 23:57:18 ID:m2x/mdHQ0
-
< ツルツル テカテカ アシタモ〜♪
( ^ω^)「見た事のない、真っ黒なゲームカートリッジが……あの、CD止めていいかお?」
いささか所か粉微塵に雰囲気をぶち壊すBGMに乗せてオカルト体験を語るのは、僕には高いハードルだ。
僕は、いい歌なのになと不服そうな顔をした弟者を無視し、自分でCDを止めた。
いい悪いの問題ではなく、雰囲気に合う合わないの問題なのだ。
( ^ω^)「……続けるお」
僕は数日前に僕の部屋で起こった事をありのまま弟者に話した。
こうやって改めて話してみると、やはり異常な体験だったと思う。
(´<_` )「……なるほどな」
( ^ω^)「信じられないかもしれないけど、ホントの事だお」
(´<_` )「いや、信じているさ。お前はウソを……よく吐くけど」
( ^ω^)「失礼な」
(´<_` )「わざわざ俺の家に来るという面倒な事をしてまでウソを吐くとは思えないしな」
- 196 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 00:08:25 ID:JW5snOAo0
-
僕の性格よりはニートとしての資質が信じさせる要因になった事には少々納得いかないが、
弟者は僕の話を信じてくれるらしい。
まあ、弟者なら信じてくれると思ったから相談相手に選んだのだが。
それに、一応の証拠もあることだし。
(´<_`*)「つーか羨ましいわ。マジで」
顔を紅潮させ、自分も体験したかったと言う弟者。
どうやら僕の話は弟者の好みにジャストフィットしたらしい。
(;^ω^)「ああいう話は聞くだけにしとく方が懸命だと切実に思ったお」
数々のオカルト話を聞いてきてはいたが、聞くのと体験するのとでは大違いだ。
起きている最中はそうでもなかったが、時間が経ち、冷静な目で振り返ると恐怖は膨れ上がった。
ちなみに、ジョルジュには停電があった事を説明し、後は見間違いだろうと強引に言い包めた。
簡単に抜けるあのゲームカートリッジを見せた時は、割と本気で殴られそうになったけども。
(´<_` )「しかし、呪いのゲームか……話としてはありがちだな」
( ^ω^)「あの場で簡単にでっち上げられるぐらいは、よくあるような形式の話だったと思うお」
- 197 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 00:15:51 ID:JW5snOAo0
-
(´<_` )「ふむ……、色々と考えるべき点はあるが」
ゲームの進入経路、起きた事象の分析、出て来ようとした何か、現象が止まった理由。
弟者はつらつらと気になった点を上げていく。
(´<_` )「個人的に一番気になる点はやはり、お前の話だな」
( ^ω^)「僕の話?」
(´<_` )「お前のでっち上げた話がその場で再現された事さ」
( ^ω^)「ありがちな話だし、たまたま符合しただけかもしれないお」
(´<_` )「そうだな。しかし、止めたのもお前なんだろ?」
( ^ω^)「え?」
弟者が何を言っているのか、僕はすぐには理解出来なかった。
しかし確かに、あの話を止めたのは僕であった事に気付く。
( ^ω^)「……出て来るな、そう言ったお」
- 198 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 00:24:09 ID:JW5snOAo0
-
僕の言葉に、弟者は正解だとでも言う様に大きく頷く。
自分では気付かなかったが、確かにあの現象は僕の話を最後までなぞっていた。
抜けないと面白いと思ったのは僕で、電気が消えたのは偶然、ゲーム機の電源、テレビの揺れと起こると思ったのも僕だ。
そして何かが出てくると思い、しかしそれが恐ろしい事に繋がると恐怖した僕がそれを止めた。
(´<_` )「根拠のない推論だがな」
( ^ω^)「いや、そう言われると確かに頷ける話だお」
冷静で頭もいい弟者はやはり相談相手として相応しかったようだ。
僕が気付かなかった点をあっさりと指摘してみせた。
頼りになる男だ。
ロリコンだけど。
(´<_` )「……何か言ったか?」
- 199 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 00:31:00 ID:JW5snOAo0
-
( ^ω^)「何も言ってないお。 それよりホワイトロリータ食うお」
わずかに口から漏れた呟きを、耳聡く拾う弟者。
僕は空惚け、手土産に渡したお貸しを自分で開ける。
(´<_` )「言霊だな」
( ^ω^)「言霊って、あの?」
お菓子には手を伸ばさず、弟者はこの件に関しての自分の考えを披露する。
(´<_` )「ああ、言葉の力ってやつさ」
( ^ω^)「プラシーボ的な」
(´<_` )「まあ、間違いではないが……」
言霊という言葉は事は知ってはいる。
あの時ジョルジュに話した、心霊スポットでの例がそれに当たるだろう。
言葉が現実の事象に対し、何らかの影響を与えるという考えだ。
良い言葉を発すると良い事が起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こると言われる。
- 200 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 00:57:32 ID:JW5snOAo0
-
(´<_` )「厳密には言霊と言えるのかわからないが、要はお前がそう思ったからそうなったって事だな」
いつの間にか特殊能力者にでもなったかと冗談交じりに言う弟者だが、僕には笑えない話であった。
(´<_` )「……何か心当たりでもあるのか?」
そんな僕の表情に気付いたのか、弟者が真面目な顔で聞いてくる。
( ^ω^)「……」
弟者が言うところの特殊能力者、本人は冗談で言ったのだろうが、それに近い話は二週間ほど前に聞いた。
能力がどうのこうのという話ではなかったが、彼女が言った言葉を額面通り受け取るなら、
僕に何かしらの能力があっても不思議ではないかもしれない。
それとは別に、僕の手元にはあのゲームがある。
このゲーム自体が何らかの能力を有している事も考えられる。
しかし、どちらにしろ、これ以上話すと確実に弟者を巻き込んでしまう事になるだろう。
あの時の恐怖を思い出すと、誰かを巻き込む事には抵抗がある。
だから、最初からあのゲームを見せて、弟者に説明するという事をしなかったのだ。
ジョルジュを言い包めたのも同じ理由である。
- 201 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 01:21:05 ID:JW5snOAo0
-
どちらの話にせよ、話せば弟者は確実に食いついて来そうではある。
ジョルジュにしても同じだ。
弟者はオカルト話への興味、ジョルジュは僕が放って置けなくて。
それぞれ理由は違えど、協力してくれるのだろう。
だからといって安易に頼るのは考えものなのだが。
特に、原因が僕自身にあった場合は。
しばらく考えた後、僕は……。
( ^ω^)「1 実は二週間ほど前、小学校の同窓会に行ったんだお
2 実はあの時の謎のゲームが今ここにあるんだお
3 そういえば兄者は今日はいないのかお?
4 取り敢えずホワイトロリータ食えお 」
安価
>>202
- 202 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 01:40:32 ID:GdiBihocO
- 2
- 203 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 23:02:40 ID:qAqkwYyA0
-
( ^ω^)「実はあの時の謎のゲームが今ここにあるんだお」
悩んだが、今考えるべきはあのゲームの方であろう。
僕自身に原因があるなら、あのゲーム関係なく、いつだっておかしな現象が起きる可能性があるという事だ。
しかしながらあれ以来、特別な事は起こっていない。
僕自身が起こそうとしていないという事もあるが、やはり原因はあのゲームにあると見る方が自然である。
(´<_`*)彡「マジか!」
(;^ω^)「ちょ、ちけえお。食い付き過ぎだろ、常考」
謎のゲームがまだ僕の手にある事を告げた瞬間、まさに食い付くかの様に弟者は僕に詰め寄った。
曰く付きの品が見られる事が相当嬉しいらしい。
(´<_`*)「で、どれだ? どんなのだ? 早く出せよ」
(;^ω^)「ちょっと落ち着けお」
あるとは言っても、あの後は何も起こらなかった品だ。
既にただのゲーム壊れたゲームになっているかもしれない。
- 204 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 23:11:32 ID:qAqkwYyA0
-
逆にまだ曰く付きのままで、危険がある可能性も残っている。
(´<_`*)「だろうな」
(´<_`*)「しかし、そんな貴重な一品を前にしたら危険だろうが何だろうが見ないわけにはいかないだろ?」
(;^ω^)「まあ、この話をすればそんな反応をするのはわかってたけどさ……」
正直な所、またこれを使って心霊現象を起こすとか勘弁願いたい話だ。
手っ取り早く調べるならその方が早かったとしても、小心者の僕としては危険はなるべく避けたい。
(´<_` )「待て待て、確かに危険な可能性もある」
(´<_` )「しかしだな、俺の仮説を元に推察するとだな、危険は避けられるかもしれない」
弟者の仮説、僕がそう考えたからそうなったという話を正しいとすると、そう考えなければ起こらないという事だ。
危険のない想像をすれば、何も問題はないという事になる。
それ所か、かなり夢のアイテム化するかもしれない。
(´<_` )「呪いではなく想像の具現化と考えると、夢が広がりまくるぞ?」
- 205 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 23:20:08 ID:qAqkwYyA0
-
(;^ω^)「そんな虫のいい話はがあるとは思えないお」
弟者の言う事もわかるが、それはちょっと話が飛躍し過ぎだと思う。
僕にはこの黒いゲームがそんないいものだとは思えない。
根拠のない勘の様なものだが。
恐怖体験に遭遇してしまった経験がそう言わせているだけなのかもしれない。
(´<_` )「それも動かしてみればわかる話さ」
( ^ω^)「やっぱ動かす気満々なんだおね」
動かす事には賛成したくないのだが、ここまで話をして見せないわけにもいかないので、
僕はポケットに入れていた例のゲームを取り出す。
(´<_`;)「ポケットに直入れかよ」
弟者は僕の扱いが雑なのが気に入らない様だ。
そう言われてもどう扱えば最適かわからなかったし、仰々しく梱包するのは面倒だったから仕方がない。
- 206 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 23:31:09 ID:GdiBihocO
- 投下来た、絶倫だな
文章もストーリーもクオリティ高いし
④
- 207 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 23:32:18 ID:qAqkwYyA0
-
(´<_`*)「これが呪いの、いや、夢のゲームか」
( ^ω^)「だから、夢のゲームかどうかはまだわかんないお」
弟者は僕からゲームを恭しい態度で受け取ると、学習机のから虫眼鏡を取り出し、早速調べ始めた。
(´<_` )「ふーん、外見上は普通のゲームと変わらないように見えるな」
( ^ω^)「市販のプラスチック製のケースと変わらないように見るお」
(´<_` )「ネジはと……特殊ドライバーが必要か」
( ^ω^)「普通のゲームも大体そうだお」
(´<_` )「シールの残骸、端子、やはり外見上はシールを剥がしただけの市販のゲームと変わらない様だな」
弟者も外見からは僕と同じ結論に達した様だ。
多分、外見からではこれ以上詳しい事はわからないのではないだろうか。
(;^ω^)「結局、動かすかバラすしか調べようがないのかおね」
- 208 :名も無きAAのようです:2011/09/07(水) 23:41:11 ID:qAqkwYyA0
-
(´<_` )「バラすのはなぁ……」
僕の呟きに弟者は難色を示した。
技術的にも呪術的にも難しいと弟者は言う。
( ^ω^)「技術的はともかく、呪術的ってどういうことだお?」
(´<_` )「この手のアイテムは、何かしらを封じて効果を発揮するものがほとんどだからな」
バラしてしまえば、効果がなくなる場合が多々あり、また逆に、
バラす事で余計なものを解き放つ可能性があったりするかもしれないとの事だ。
(´<_` )「どちらにしろ、お勧めは出来ないな」
(;^ω^)「無効化されるならそれはそれでいいんだけど、ヤバい事態を引き起こすのは勘弁だお」
(´<_,`*)「じゃあやはり、遺憾ながら動かすしか調べようはなさそうだな」
(;^ω^)「満面の笑みを浮かべて言うなお。全然遺憾に思ってねえだろ」
やはりそういう流れになってしまうのか。
- 209 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 00:00:48 ID:00D3nO6s0
-
ここは覚悟を決めて起動させてみるか。
それとも、他の線から調べてみるべきか。
外見からはわからなかったが、ネットの情報や噂などまだ調べられる余地はある。
他に思いつくのは、バラさなくても内部を調べる方法だが、これはちょっと現実的には難しいか。
何らかの研究機関に、大学でもいいが、コネでもあれば可能性はあるかもしれない。
(´<_`*)「よし、早速……」
どうやら悠長に考えている時間はなさそうだ。
弟者は今にもゲームを起動させかねない。
僕は……
( ^ω^)「1 ちょっと待ってくれお。もう少しネットで調べてみないかお?
2 てか弟者、そのゲーム起動させるゲーム機持ってたかお?
3 その前に、弟者の知り合いにも意見を聞いてみないかお?
4 おk、やってみるしかなさそうだおね 」
安価
>>210
- 210 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 00:04:20 ID:7aDnEFpgO
- 3
- 211 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 00:21:49 ID:00D3nO6s0
- 知り合いのAA
>>212
- 212 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 00:33:06 ID:IpLTmcTg0
- (゚、゚トソン
- 213 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 23:31:19 ID:3EG.ceOM0
-
( ^ω^)「その前に、弟者の知り合いにも意見を聞いてみないかお?」
咄嗟にそんな提案を口に出していた。
(´<_` )「知り合い? 誰の事だ?」
( ^ω^)「ほら、前に弟者が話してた事あったお?」
あれはもう、半年ほど前の事であろうか。
弟者が僕の家に来た時に、弟者が通う大学の話を聞いた。
確かその時、同じクラスの友だちにすごいやつがいるみたいな事を言っていた覚えがある。
(´<_` )「……あいつか」
( ^ω^)「お?」
僕の言葉に弟者は眉をひそめる。
(´<_` )「そういえばお前にあいつの話はしたっけな……よく覚えてたな」
- 214 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 23:34:20 ID:3EG.ceOM0
-
( ^ω^)「そのくらいは覚えてるお」
あの時の話は特に深い意味はない、世間話の様な物だったが、珍しく僕はその事を覚えていた。
( ^ω^)「確か、調査や分析が得意な人って聞いた覚えがあるお」
(´<_` )「うん、そうだな。あいつは頭が切れるやつだ。その点は俺も一目置いている」
(´<_` )「だがあいつは、オカルト否定派だ。この件には向かない」
( ^ω^)「趣味が合わないってやつかお」
(´<_` )「まあな。人間的には嫌いじゃないんだが、趣味だけはとことん合わないな」
なるほど、弟者が少し機嫌を損ねたように見えたのは多分、その話でその友人と口論でもしたのだろう。
こういったオカルト話を信じない人間は少ないわけではないし、
弟者も万人に理解される趣味ではないとわかっているはずだが、その友人とはかなり激しくやりあったのかもしれない。
(´<_` )「この件にわざわざあいつの手を借りる必要はないさ」
- 215 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 23:43:11 ID:3EG.ceOM0
-
( ^ω^)「でも、逆にチャンスかもしれないお」
(´<_` )「チャンス? どういうことだ?」
( ^ω^)「このゲーム、そんじょそこらのインチキアイテムじゃないお」
( ^ω^)「これを見せれば、その人も考えを改めるかもしれないお」
(´<_` )「それはまあ、そうかもしれないが……」
その程度の理由で、わざわざ関係ない人間を呼ぶ必要はないんじゃないかと弟者は言う。
確かに弟者の言う様に、僕の主張はこの件に関係ない他人を呼ぶには弱い物だと思う。
しかし僕は、その弟者の友だちに期待している点がある。
ずばり言うと、心霊現象を起こさない為だ。
弟者の友人がオカルト嫌いだったのは計算外だったが、それならそれで科学的な側面、
そこまで行かずとも常識的な面から見た意見を出してもらうのも有用じゃないかと考えている。
やはり十分な調査もしない内にこのゲームを再び動かすのは怖いものがある。
- 216 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 23:51:15 ID:3EG.ceOM0
-
関係ない人間を巻き込むのは本意ではないが、心霊現象を起こさない前提ならば危険もないだろう。
一つ問題があるとすれば、これが本当に心霊現象を引き起こせる怪しいゲームであるという点ではあるが、
そこは何とか誤魔化そう。
僕はどちらかと言えばこのゲーム自体の謎より、
僕の家にあった理由とかそういう物を知るべきなんじゃないかと考え始めていた。
( ^ω^)「オカルトが本当にあるものだと証明できるかもしれないお」
(´<_` )「……そうだな、……うん、悪くない」
( ^ω^)(計算通り!)
弟者はいわく付きのゲームを前にして、浮き足立っていたのだろう。
案外簡単に僕の口車に乗り、友人に電話をする所まで漕ぎ付けられた。
ここまでは僕の計算通りの展開だったのだが、それから約一時間後、
訪れた弟者の友人が女性だったのは全く予期していない事だった。
- 217 :名も無きAAのようです:2011/09/08(木) 23:58:42 ID:3EG.ceOM0
-
(゚、゚トソン「突然呼び出されて来てみれば……一体何事です?」
(´<_` )「何、この間の話の続きさ」
( ^ω^)「その前に自己紹介ぐらいさせてくれお」
( ^ω^)「僕は内藤ホライゾンですお。弟者の高校時代のクラスメイトですお」
(゚、゚トソン「ご丁寧にどうも。都村トソンと申します。彼、流石君の大学のクラスメイトです」
堅苦しい挨拶の後、弟者から呼び出された理由の説明を聞く都村さんを僕はそっと盗み見る。
その愛想を感じない様からは、一見して小柄な男性のようにも見えた。
しかしそれは流石に失礼なので、中性的な印象とでも言うべき所か。
物静かな感じの雰囲気は、どこか弟者に似ているかもしれない。
どこかムッとしている様にも見える都村さんだが、実際はそう機嫌が悪いというわけでもないのだろう。
いきなり呼び出されて弟者の家に来る所や、道案内なしに来れる所からも、弟者との関係は悪い物ではないはずだ。
それ以上邪推するつもりはないが。
(゚、゚トソン「それで、内藤さんでしたね」
- 218 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 00:07:38 ID:XJIucLGE0
-
( ^ω^)「はいですお」
弟者から説明を聞き終わった都村さんは僕の方へ向き直り、どことなくかわいそうな物を見る目を向ける。
(゚、゚トソン「何か幻覚作用を引き起こす物を摂取されたりはなされませんでしたか?」
( ^ω^)「……ああ」
その眼差しの意味がわかった僕は、弟者の方へ顔を向ける。
僕の視線に気付いた弟者は、大きく首を振って答えた。
( ^ω^)「あの時は昼にインスタントラーメンを食べたぐらいで、あとは何も食べてませんお」
( ^ω^)「それから友人と馬鹿話をしてたぐらいで、おかしな行動は何もしてないですお」
(゚、゚トソン「確かお話では、その時間帯に近くで工事があってたとか」
( ^ω^)「やってたのは電気工事で、ガス漏れしたとかそういった事件はありませんでしたお」
それからも都村さんは僕に質問を次々とぶつけて来た。
初対面なのに遠慮がないなと思いはしたが、どれも的確に僕の話の怪しい所を突いて来るのは流石だ。
質問の意図がわかりやすく、論理的に突き崩すならこういう質問が最適だろうと思わせてくれる。
- 219 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 00:15:22 ID:XJIucLGE0
-
ただ残念ながらあの日起こった事は事実で、僕の記憶もはっきりしているから明確に答えられてしまうが。
(゚、゚トソン「なるほど、話に矛盾はないようですね……」
( ^ω^)「残念ながら……」
(´<_`*)「だから電話でも言っただろ、この話はマジなんだって」
ようやく質問が一区切り着いた所で、弟者が勝ち誇ったような顔で割って入る。
ドヤ顔うぜえと思ったが、同じような感想を都村さんも抱いていたのかもしれない。
すぐさま弟者に真っ向から反論する。
(゚、゚トソン「いえ、まだ話に矛盾がないと言うことがわかっただけで、実際に現象が起きたという証明にはなっておりません」
(´<_` )「お前は相変わらず頭が固いな……」
(゚、゚トソン「これが良識ある一般人の普通の反応だと思いますが?」
(´<_` )「お前がどう言おうと心霊現象が起きたのは事実だ」
(゚、゚トソン「それを目撃したのは彼だけで、その正当性も証明されたわけではありません」
- 220 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 00:22:46 ID:XJIucLGE0
-
一応、ジョルジュも目撃しているから正しくは二人なのだが、途中で気絶したジョルジュの話を持ち出しても、
見間違いと一蹴されるだけだと思う。
そもそも、僕は心霊現象の有無を論じたいわけではなく、このゲームをもう少し別の視点から調べて欲しいだけだから、
この話を引き伸ばす理由はない。
( ^ω^)「そういう訳で、ここに実物が──」
(´<_`#)「だから都市伝説という概念が存在する以上、心霊現象もまた然りなんだよ!」
(゚、゚#トソン「所詮は噂の類です。語り手が真実と信じるからこそ成り立っているだけで、その実は定かではないのです!」
( ^ω^)
(´<_`#)「ちゃんとした学問として研究もされているんだぞ? そもそもだな、ブルンヴァンの──」
(゚、゚#トソン「それを真実をと錯覚させる土壌があってこそ成り立つ物であり、ある意味風評的な効果を目的とした──」
( ^ω^)「えっと……」
- 221 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 00:31:45 ID:XJIucLGE0
-
(´<_`#)「口裂け女も人面犬も紫の鏡も存在する──」
(゚、゚#トソン「カシマさんもテケテケもさとるくんも噂が一人歩きした結果──」
ちょっと考え事をしている間に、二人の間で口論が加速度的にヒートアップしていた。
僕の提案は彼らの言葉にむなしくかき消される。
拳を固め、相手を睨みつけながら言い合うその姿は、ちょっとした口喧嘩と言うよりは完全に論争レベルのそれだ。
僕が知る普段の弟者からは想像もつかない姿である。
( ^ω^)「どうしてこうなった……。つーか、都村さん、意外と都市伝説に詳しいおね」
ポツリと呟く僕の言葉は、やはり全く彼らに届く気配はない。
取り敢えず、論争が収まるまでのんびりしようと決め、ホワイトロリータに手を伸ばす。
( ^ω^)「美味いお。個人的にはルーベラ一押しだけど、たまにはホワイトロリータもいいお」
(´<_`#)「#$%&♂♀℃¥$¢£%#&*@§!」
(゚、゚#トソン「──ッ! ────ッ! ──────ッ!!!」
( ^ω^)「相変わらず文字ばっかの本だらけだお。たまにある漫画は心霊漫画というトラップ」
僕は彼らの論争をBGMに、弟者の部屋を漁り始める。
彼らが何を言っているのか僕にはほとんど理解出来ないので、止めようとか口出ししようとか言う発想はない。
そもそも作者は都市伝説とか詳しくないし、怖いのは苦手なのでこれ以上書くとボロが出そうなのでぼかす事に決めた。
- 222 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 00:40:23 ID:XJIucLGE0
-
(´<_`#)「!!!」
(゚、゚#トソン「!!」
( ^ω^)「お、この漫画、新しい巻出てたのかお。つーかまだ続いてたんだおね」
結局、彼らの口論は収まる気配を全く見せる事はなかった。
どうやら僕の考えは思いっきり裏目に出たようだ。
僕はホワイトロリータを食べ尽くし、漫画の新刊を読み尽くして帰路に着いた。
一応、挨拶はして部屋を出たけど未だ論争中の彼らからの反応はなかった。
何と言うか徒労感満載だ。
( ^ω^)「……そういうケースもある」
僕は人生の虚しさを噛み締めつつ、家へと帰り着いた。
第三章 了
つづく・・・
- 223 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 00:45:18 ID:XJIucLGE0
-
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第三章終了。
今回はちょっと短めで続く。
現在のフラグ状況
J + 4 S + 3 G + 5 F + 4 B + 0
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第四章を読む ※選択の場合、追加安価有り
2 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>224
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 224 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 01:03:45 ID:unLaZ1ac0
- 2
ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです
- 225 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 01:29:56 ID:PO6rcqI60
- 乙
次はロマネスクか……
北石照代
- 226 :名も無きAAのようです:2011/09/09(金) 23:54:58 ID:q0sVNBII0
- −※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
L(^ω^)┘
ヽ ノ
ノ ┐
┗ ┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 227 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/09(金) 23:58:21 ID:q0sVNBII0
-
< ピンポーン♪
( ^ω^)「お? 誰か来たのかお?」
< ピンポピンポピンポーン♪
( ^ω^)「……あいつかお」
僕には多くの友人がいる。
そう発言すると、良き人生を送ってきた結果だと、人は羨むのだろう。
< ピンポピンポピンポピンポピンポピンポーン♪
(#^ω^)「うるせえお! 少しは待ちやがれお」
ガチャリ
(*´・ω・`)「やあ、ブーン。早速だけどこれを見てもらえるかな? これはねえ、ある都市に伝わる──」
( ^ω^)「わかったから帰れお」
しかしその友人の多くが変わった人間である事を知れば、人はどういった言葉を僕にかけてくれるだろうか。
( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです
- 228 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:01:09 ID:sR2jCKPc0
-
( ^ω^)「で、今日は何の用だお?」
(´・ω・`)「何の用って、さっきも言ったじゃないか」
麗らかな午後の一時を切り裂き、何の前触れもなく我が家を訪れたこの男の名前はショボン。
誠に遺憾ながら僕の友人の一人である。
( ^ω^)「聞いてなかったお」
正確には聞く気がなかったのだが。
僕は視線を読んでいた文庫本に戻し、興味がない事をアピールする。
しかし、このショボンという男は僕の友人の例のご多分に漏れず、変わった男だ。
この程度でめげる事もなければ、空気を読む事もしない。
(´・ω・`)「何だ、聞こえてなかったのか。じゃあ、もう一度説明するね」
( ^ω^)「しなくていいから帰れお」
(´・ω・`)「こないだ僕が山陰の方に旅行に行ったの知ってるよね」
( ^ω^)「聞いちゃいねえし」
- 229 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:03:50 ID:sR2jCKPc0
-
ショボンは僕の制止を全く受け入れる気はないようで、つらつらと先日行って来たという旅行の話をし出す。
旅行の話自体はそれなりに面白く、ショボン自体も話し下手ではないので聞いていてつまらなくはないのだが、
恐らくは話のオチに出て来るのであろう物を考えると陰鬱な気分になる。
(´・ω・`)「で、その旧家を探索した時に出て来たのがこれさ!」
( ^ω^)「……」
宣言する様に高らかと右手を挙げるショボン。
その手に光るのは銀色の円盤。
(´・ω・`)「あれ? 無反応?」
( ^ω^)「……お前さ、山陰に旅行行ったんだおね?」
(´・ω・`)「うん、そうだよ」
( ^ω^)「風光明媚な各所を巡り、季節のグルメも堪能して来た」
(´・ω・`)「残暑とは無縁の涼しくていい場所だったよ。君も来れば良かったのに」
( ^ω^)「生憎、仕事があってね」
- 230 :名も無きAAのようです:2011/09/10(土) 00:05:48 ID:rVIR0SosO
- 今日も来てた④
- 231 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:06:49 ID:sR2jCKPc0
-
(´・ω・`)「そりゃ残念」
( ^ω^)「……で、だ。今の季節、山陰といえば秋の味覚が食べ頃。お土産にフルーツとか最適だおね」
(´・ω・`)「梨が美味しかったよ」
( ^ω^)「それ買って来いお。何で旅の土産がCDなんだお」
(´・ω・`)「チッチッチ。これはCDじゃなくてGDさ」
( ^ω^)「GD? 何だっけ……てか、どっちでも一緒だお。何でそんなものを土産に持って来たんだお」
(´・ω・`)「フフフ、これをただのGDと思ってもらっちゃあ困るね」
( ^ω^)「……ただのGDでいいから帰れお」
(´・ω・`)「山陰といえばかの有名なロードがあるくらい、恐ろしく怪奇的な所なんだ」
( ^ω^)「聞く耳持てよ。つーか失礼な事言うなお。山陰は普通に穏やかな所だからな?」
(´・ω・`)「当然これも、そんな山陰に伝わる逸品がこちら」
- 232 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:09:39 ID:sR2jCKPc0
-
(´・ω・`)「その名も呪いのGD-ROMさ!」
( ^ω^)「ふーん……」
立ち上がり、僕に円盤を突きつけ勝ち誇ったように言い放つショボン。
対照的に僕は、乾いた返事をするだけだった。
(´・ω・`)「何、その淡白さ。折角君を驚かそうとわざわざいわく付きの品を探し出して持って来たのに」
( ^ω^)「いや、大体読めてたし」
先に述べた様に、僕にはこのオチが読めていた。
どうせまた得体の知れない変な物を持ち込んで来たのだろうと。
(;´・ω・`)「僕がGDを持って来るのをかい? まさか君、千里眼に目覚めたとか……」
( ^ω^)「GDかどうかはわからんが、どうせくだらないものを持って来たのだろうと」
(´・ω・`)「くだらないとはなんだい? これはね、さる旧家に何百年も前から伝わるいわく付きの逸品でだね」
- 233 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:11:33 ID:sR2jCKPc0
-
( ^ω^)「数々の不幸を呼び、度重なる火災の際にも焼けずに残った怪しげなものなんだお? さっき聞いたお」
(*´・ω・`)「だったらこれのすごさがわかるだろ? この世に二つとない、貴重なものだという事が!」
頬を染め、興奮気味のショボンに気付かれないように僕は深いため息をついた。
僕の友人であるショボンの変わった所、それは重度のオカルトマニアであるという事だ。
こうやって、事あるごとに僕の所に怪しい品を持ち込んでくる。
(*´・ω・`)「見てみなよ、この光沢。とても何百年も経たとは思えない逸品だよ」
等というショボンではあるが、GDがここ十年ぐらいの間に作られたゲーム機のメディアである事に気付いているのだろうか。
GDが何なのかは僕もさっき思い出したのだが、少なくとも百年以上も前ならGDどころかCDすらない時代だ。
またいつもの様に騙されたのだろうと僕は呆れるしかなかった。
(*´・ω・`)「というわけで、早速これを動かしてみようと思うんだが」
( ^ω^)「どうやって?」
- 234 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:14:05 ID:sR2jCKPc0
-
(´・ω・`)「え?」
( ^ω^)「そのGDをどうやって動かすんだお?」
(´・ω・`)「そりゃ、そこのCDコンポに入れて……あれ?」
ようやくショボンも僕が言わんとせん事に気付いたのか、黙り込んで何事かを考え始めた。
(´・ω・`)「……GDって、どうやって動かすの?」
( ^ω^)「いくつかあるだろうけど、僕が知っているのはドリームキャストというゲームのソフトとして使われてたお」
ようやく捻り出した結論が他力本願とはどうしようもないが、僕は努めて事務的に回答を示す。
(´・ω・`)「ああ、ゲームの。じゃあ……」
( ^ω^)「けれどそれは一世代前のハードで、現在は生産中止。当然、僕も持ってないお」
遠回しに諦めろという意味合いを込めて、僕は淡々と事実を伝える。
- 235 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:16:30 ID:sR2jCKPc0
-
(´・ω・`)「生産中止……」
再び考え込むショボンを放置し、僕は再び文庫本を読み始める。
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)
それからしばらくの後、ショボンは唐突にまた来るという言葉を残し、部屋から去っていった。
たまの休日で、特に用事もないという麗らかな午後の時間を、僕はようやく取り戻せたようだ。
しかしそれは……
( ^ω^)「これで諦めてくれれば御の字だけど……」
多分一時的なものなのだろうなと、僕はまた大きなため息をついた。
- 236 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:20:37 ID:sR2jCKPc0
-
(*´・ω・`)「見つけて来たよ! 呪いのドリームキャスト!」
( ^ω^)「予想外です」
それから一週間後、ある意味予想通りの展開でショボンが再び僕の部屋を訪れて来た。
どうにかしてハードを探し出してくるのだろうなとは予想していたが、
まさかハードの方もいわく付きの物を見つけて来るとは。
ショボンは呪いのドリームキャストを入手するまで冒険譚を存分に語った後、
早速呪いのGDを呪いのドリームキャストに嵌め込んだ。
(*´・ω・`)「いよいよだよ、wktkするね」
( ^ω^)「……これって、実際に呪いが起きたとしてもどっちのかわからんおね」
どうせ何も起こるはずはないと高を括っている僕は、適当に相槌を返す。
(*´・ω・`)「そんなの起こってみればわかるさ。スイッチオン!」
シュゴーという独特のやかましい排気音がする。
どうやら起動には成功したようだ。
- 237 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:24:47 ID:sR2jCKPc0
-
ショボンの話を鵜呑みにすると、どちらも数百年前からある品という事だから、
相当丈夫なんだなというどうでもいい感想を抱く。
( ^ω^)「……真っ暗だおね」
(*´・ω・`)「ここからここから」
起動には成功したが、画面は真っ暗なままだ。
メーカーのロゴすら出て来ないところを見ると、恐らく壊れているのだろう。
やはり偽者を掴まされたのに違いない。
ただでさえ、向こうとネタのかぶっているこの話を引っ張る意義はないのだ。
この辺で話を締めてしまおう。
(*´・ω・`)「あ! キタ────!!!」
( ^ω^)「マジかお……」
メタ的な思いに身を馳せていると、まさかの出来事が起こる。
真っ暗だった画面が怪しく揺れ動き始めた。
- 238 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:27:19 ID:sR2jCKPc0
-
( ^ω^)「で、どっちがどういう呪いなんだお?」
(*´・ω・`)「えっと、確かね……」
嬉しそうなショボンだが、これから呪われるという事を自覚しているのだろうか。
かく言う僕自身も、未だ眉唾物で信じられず、どこか楽観的な気持ちもあった。
(*´・ω・`)「GDの方が、見たら十三日後に死ぬ呪いで」
( ^ω^)「へヴィな呪いだおね」
(*´・ω・`)「ドリームキャストの方は不明」
( ^ω^)「さいですか」
どちらにしろ、あまり好ましくない展開になりそうだ。
その間にも段々と画面の揺れは大きくなり、いかにも準備万端という様なタイミングで唐突に揺れはピタリと止まった。
( ^ω^)「不発……じゃねえおね、流れ的に」
(*´・ω・`)「さあ、どっちが出てくるのかな?」
- 239 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:29:38 ID:sR2jCKPc0
-
じっと画面を見詰める僕とショボン。
そして、真っ暗な画面に映し出される二つの人影。
|| 川д川 (゜д゜@ ||
( ^ω^)「え?」
(´・ω・`)「あれ?」
ぽかんとした顔で画面を見詰めていたショボンが、僕の方へ顔を向けた。
見返す僕の顔も似たような顔をしていたと思われる。
(´・ω・`)「どういう事?」
( ^ω^)「どうもこうも、多分、二つとも呪いが発動したんじゃないかお?」
不明であるドリームキャストの呪いが、二人を呼び出す物かも知れないが、僕の見立てではそれはない気がする。
- 240 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:31:04 ID:sR2jCKPc0
-
( ^ω^)「多分左がGDで、右がドリームキャストだお」
(´・ω・`)「どうしてわかるの?」
( ^ω^)「右側の渦巻き模様に見覚えがあるお」
そういって僕は、ドリームキャストの本体を指差す。
そこにはオレンジの渦巻きが中央に描かれている。
(´・ω・`)「なるほど」
ウァー ボァー セガター サンシロー セガター サンシロー
|| 川д川 (゜д゜@ ||
そんな事を話している内にも、人影はどちらもこちらに近付いて来る。
低い唸り声を上げる左側の人影に対し、右側のは何だか歌声にも聞こえた。
- 241 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:33:10 ID:sR2jCKPc0
-
グォォォォ セガナンテダセーヨナー
|| 川д川 (゜д゜@ ||
( ^ω^)(´・ω・`)
ウォ…オ? タッキー…?
||川д川(゜д゜@||
( ^ω^)(´・ω・`)
ほとんど同じ速度で画面の置くから近付いて来た二人は、画面から出て来る直前で鉢合わせした様だ。
そこまで気付かなかったのもあれだが、向こうもまさか二体同時に呼び出されるのは想定外だったのかもしれない。
ギャォー!? セーガー!?
||川#д川(゜д゚#@||
- 242 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:34:51 ID:sR2jCKPc0
-
(´・ω・`)「何かケンカしてない?」
( ^ω^)「……みたいだおね」
ノロマース!! イサオー!!
||川#д川(゜д゚#@||
( ^ω^)「……取り敢えず、電源切っていいかお?」
(´・ω・`)「うん、いいんじゃない?」
僕はドリームキャストの電源を切った。
ひょっとしたら電源が切れないかもしれないと思いはしたが、やけにあっさりと消せてしまった。
ケンカに夢中でそれ所じゃなかったのかもしれない、
人影は二体とも跡形もなく消え去った。
.
- 243 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:36:27 ID:sR2jCKPc0
-
───────────
─────
─
( ^ω^)「……てな事がこないだあったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ふーん……」
それから数日後、僕の部屋には友人の一人であるツンが訪れていた。
彼女は僕の友人の中では数少ない、比較的まともな人間である。
( ^ω^)「ショボンは相変わらず変なやつだお」
ξ゚⊿゚)ξ「それで、ひょっとしてここにおいてあるのがそのゲーム機なの?」
( ^ω^)「そうだお。割と面白かったから置いてるお」
その後、再びドリームキャストを起動させると、またあの二人の人影が出現し、
近付いてはケンカするという事が繰り返された。
- 244 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:39:02 ID:sR2jCKPc0
-
見た感じ、GD側の人影の方が強そうに見えたのだが、流石に二人とも呪いの体現者だけはあり、その力は互角。
手に汗握る激しい戦いっぷりは見ていて飽きない。
ドリームキャスト側が崩撃雲身双虎掌を決めた時には思わず歓声を上げていた。
たまに点けてみて、その戦いを堪能し、勝負がつく前に電源を切ると言う事を繰り返している。
ショボンは心霊現象が実際起こった事に満足し、この二品を快く僕に譲ってくれた。
今頃はまた違ういわく付きの品を捜し求めているのだろう。
( ^ω^)「全く、よく飽きないもんだおね。ショボンの変な趣味には付き合いきれんお」
( ^ω^)「どうして僕の周りには変人ばっか集まるんだろうおね? いや、ツンは例外だけどさ」
そう大袈裟に嘆いてみせる僕に、ツンは神妙な顔付きで口を開く。
ξ゚⊿゚)ξ「……こんな言葉知ってる?」
( ^ω^)「?」
- 245 :( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです:2011/09/10(土) 00:40:21 ID:sR2jCKPc0
-
ξ゚⊿゚)ξ「類は友を呼ぶ」
( ^ω^)「……僕は普通だお」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「違うお、全然違うお」
僕はじっと僕を見詰めるツンから視線を逸らし、窓の外を眺めた。
そんはずはないと自分に言い聞かせて。
彼らは僕が好んで招き入れたわけじゃない。
僕が生来の聞き上手なだけで、気付いたらいつの間にかショボンのような変な友人達が、
僕の部屋を訪れるようになっていただけだ
きっと違うはずだと。
< ピンポーン♪
(#^ω^)「だー! 今度は誰だお! いちいち僕を巻き込むなお!」
そしてまた訪れる、変わった友人達。
僕は律儀にそれを迎え入れ、今日もまたおかしな出来事に付き合わされる事になるのだ。
( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです おしまい
- 246 :名も無きAAのようです:2011/09/10(土) 00:42:12 ID:sR2jCKPc0
-
お題
GD-ROM
あとがき 前回もらった三つのお題のうち、真っ先に思い浮かんだのが呪いのGD-ROMネタで
書き始めてたんだけど、本編の方まで呪いのゲーム方向に流れてまさかのネタかぶり。
引き出しの無さを嘆くばかり。
やっつけ感満載の仕上がりです。
まあ、GD-ROMで話作ろうとしたら、他に思い付かなかったんだけども。
ドリキャスって@だったよなーと(゜д゜@出したら、実は渦巻きだったという。
次は多分、昨日もらったタイトル題で書くはず。
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 247 :名も無きAAのようです:2011/09/10(土) 01:01:30 ID:4f4xfQgE0
- 乙乙
- 248 :名も無きAAのようです:2011/09/10(土) 07:46:25 ID:HOdaQSLE0
- 乙
ワロタwww
@のゲーム機といえばピピン……
- 249 :名も無きAAのようです:2011/09/10(土) 13:39:58 ID:2FZtnpNo0
- 乙お
安定の読みやすさ
- 250 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:36:27 ID:JTw6OOIc0
-
( ФωФ)ノ「ヘイ、そこの彼女達! 我輩と熱海まで熱々チュッチュとランデブーしないかい?」
エーナニアレ? キモーイ
从'、'从ζ(゚、゚*ζ
( ФωФ)ノ「ヘイ、プリチーガール! 我輩と熱海の臥す都でディナーなんてどう?」
(゚、゚トソン... スタスタスタ
( ФωФ)ノ「YOH YOH バンビーナ! 我輩と熱海でモーニングコーヒー飲もうZE!」
ウザッ
o川*゚、゚)o
( ФωФ)ノ「そこのハクいパリジェンヌ! 我輩と熱海で──」
ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです
- 251 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:37:59 ID:JTw6OOIc0
-
<ファミレス・臥す都>
( ФωФ)「えー、というわけで第三百十八回、黄昏に集う戦士の会の反省会を行いまーす」
\パチパチパチ パチ…パチ チーン/
(’e’) ( ・∀・) / ,' 3
(*ФωФ)「いやー、今日は惜しかったであるなあ」
( ФωФ)「最後に声かけた子は、もう少しで惚れさせられたのに」
(’e’)「あげぽよ〜」
( ・∀・)「……」
( ФωФ)「急に両親が危篤なんて電話かかって来たら、あの子も帰るしかなかろうしな」
(’e’)「さげぽよ〜」
( ・∀・)「……」
- 252 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:40:11 ID:JTw6OOIc0
-
(*ФωФ)「この調子だと、来週辺りは我輩、ナンパ成功しちゃうかも知れぬな」
(’e’)「あげぽよ〜」
(*ФωФ)「セントもそう思うであるか? よし、今日は前祝いである。デザートも頼んじゃおっかな!」
( ФωФ)「早速注文するのである」
( ・∀・)「……」
( ФωФ)「我輩、ハンバーグセットにドリンクバー、それとチョコレートパフェを食後にお願いするである」
(’e’)「ぽてまよ〜」
( ФωФ)「おお、大盛りポテトもいいな。それも頼んじゃうかな? かなかな?」
( ・∀・)「……」
( ФωФ)「む……、モララーは何も頼まぬのであるか?」
( ・∀・)「……もう止めようぜ」
- 253 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:41:52 ID:JTw6OOIc0
-
( ФωФ)「そ、そうか? やはり大盛りポテトまでは頼みすぎかであるか?」
( ・∀・)「その話じゃねえよ」
( ・∀・)「もう、この集まり自体を止めようって言ったんだ」
(;ФωФ)「な、何だと……」
(;ФωФ)「ど、どういうことであるか、モララー」
( ・∀・)「どうもこうもねえよ。もういいだろ、こんなくだらない集まりはさ」
(;ФωФ)「くだらないとは何であるか! 我々黄昏に集う戦士の会は崇高な志の元に集まった……」
( ・∀・)「あのさ、杉浦」
(;ФωФ)「ぬ?」
( ・∀・)「お前いくつだよ」
( ФωФ)「いくつって、まだナウなヤングの三十飛んで五歳であるが?」
- 254 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:43:44 ID:JTw6OOIc0
-
( ・∀・)「三十五は世間的にはナウくもヤングでもねえよ。ただのオッサンだ」
(;ФωФ)「お、オッサンじゃないもん! まだ若いもん!」
(’e’)「はげぽよ〜」
(;ФωФ)「ま、まだハゲてねえし!」
(;ФωФ)「こないだ、電気の検針のおばちゃんに年齢教えたら、意外とお若いんですねと言われたもん!」
( ・∀・)「それ、もっと年寄りだって思われてたって事じゃねえか」
(;ФωФ)「な、何が気に入らぬだモララーよ」
(;ФωФ)「唯一のナンパ成功記録保持者のお前に抜けられたら、黄昏に集う戦士の会は大幅な戦力ダウンではないか!」
(’e’)「だめぽよ〜」
( ・∀・)「成功ね……。成功はしたが、お前らの前に連れてったら苦笑いでフェードアウトしてったけどな」
(;ФωФ)「そ、それはたまたまあの女子の趣味が……」
( ・∀・)「前から言いたかったんけどさ杉浦、お前さ」
- 255 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:46:58 ID:JTw6OOIc0
-
( ・∀・)「何でいつも熱海押しなの?」
( ・∀・)「何かに付けて熱海の〜ってフレーズで女の子誘うだろ?」
( ФωФ)「そりゃ、ハネムーンといえば熱海ではないか」
(;・∀・)「ハネムーン? 何でそんな大袈裟な話になってんの?」
( ФωФ)「日本男児たるもの、中途半端な気持ちでナンパするなどもっての外である」
(’e’)「きみがよ〜」
(;・∀・)「いや、そんな硬派を気取られても、やろうとしてる事はナンパだからね?」
(;・∀・)「ていうかハネムーンに熱海っていつの時代の発想だよ」
( ФωФ)「宮崎とどちらが良いか迷ったが、如何せん宮崎は遠過ぎるでな」
(;・∀・)「それもまた古いな。熱海も十分に遠いし」
- 256 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:49:59 ID:JTw6OOIc0
-
( ・∀・)「とにかく、お前のセンスは古過ぎるんだよ。あんなんでナンパ成功するわけないだろ」
(;ФωФ)「そ、そんな事は……」
( ・∀・)「現にこの毎週一回の集い、第三百十八回に至るまで成功回数ゼロじゃねえか!」
(;ФωФ)ガーン!
( ・∀・)「つーわけで、俺は抜けさせてもらうからな」
(;ФωФ)「な、何故だモララー! 我輩たちはこれまでずっと一緒に切磋琢磨してきた仲間じゃないか!」
(;ФωФ)「お前まさか、誰かに騙されて……ネットの書き込みは簡単に信用してはならんぞ!」
(’e’)「ねとうよ〜」
(;ФωФ)「18歳JKは大体四、五歳サバ読んでるからな!」
( ・∀・)「……そんなんじゃねえよ」
(;ФωФ)「ならば何故だ!」
- 257 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:51:07 ID:JTw6OOIc0
-
( ・∀・)「俺もお前と同い年なんだぞ。先の事も考える」
(;ФωФ)「それがあやふやな未来より刹那の今を生きる、キリギリス・モララーと呼ばれたお前の言葉か!」
(;ФωФ)「第百回目の反省会の時、いつか共にナンパ成功させて魔法使いを卒業しようと誓った言葉を忘れたのか!」
(;ФωФ)「あの熱く激しいお前はどこへ行ってしまったんだ!」
( ・∀・)「……そんな者は最初っからいなかったんだよ」
(;ФωФ)「モララー……」
( ・∀・)「……」
( ФωФ)「……わかった」
( ・∀・)「……すまねえな」
( ФωФ)「お前の決心がそれほど固いものであるなら、我輩はもう、何も言えぬ」
( ・∀・)「ああ……」
- 258 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:53:18 ID:JTw6OOIc0
-
( ФωФ)「ただこれだけは言わせてくれ」
( ФωФ)「お前と共にナンパに勤しんだ時間、我輩はとても楽しかったのである」
( ∀ )「……」
( ФωФ)「お前が本心からそう思っているのであれば。我輩は受け入れよう
( ∀ )
( ФωФ)「では、息災であれよ」
(’e’)「あばよ〜」
( ∀ )「……俺も」
( ФωФ)「ぬ?」
( ∀ )「……俺も楽しかったさ」
(*ФωФ)「……そうか。良かったのである」
- 259 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:55:14 ID:JTw6OOIc0
-
( ・∀・)「……すまねえ、やっぱ俺にはお前に嘘をついたまま去る事は出来そうにねえようだ」
( ФωФ)「む? どういうことであるか?」
( ・∀・)「ここを辞める、本当の理由さ」
( ФωФ)「本当の……理由?」
( ・∀・)「……実は俺、再来月に結婚する」
(;ФωФ)「な、なんだと……?」
(’e’)「しねよ〜」
(;ФωФ)「ま、まさかお前、我輩たちと一緒じゃナンパ成功しないからって一人で……」
( ・∀・)「いや、見合いだ」
(;ФωФ)「見合いだと!? そんな夢も希望もない出来レースに乗るお前ではなかっただろ!」
(;・∀・)「いや、見合いは別に出来レースじゃないけどさ」
- 260 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:57:26 ID:JTw6OOIc0
-
( ・∀・)「田舎の両親が熱心に勧めて来てな。断りきれなくって……」
(’e’)「ふつうかよ〜」
(;・∀・)「うん、確かに大した理由じゃないけどさ。つーか、セント、段々口悪くなって来たな」
( ・∀・)「とにかく、こんな俺にも背負うものが出来るんだ」
( ・∀・)「いつまでも馬鹿やってられねえんだよ……」
(’e’)「おとこはつらいよ〜」
( ФωФ)「モララー」
( ・∀・)「すまない。お前らを裏切る事になっちまって」
( ФωФ)「おめでとう」
( ・∀・)「杉浦……」
- 261 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/10(土) 23:59:30 ID:JTw6OOIc0
-
( ФωФ)「そういうめでたい事なら先に言うのである」
( ・∀・)「けど、俺は……ナンパから逃げて……」
( ФωФ)「確かに、お前は街頭でのナンパで本懐は成し遂げられなかった」
( ФωФ)「しかし、見合いの席でナンパに成功し、結婚に漕ぎ着けた。それで良いではないか」
( ・∀・)「杉浦……いや、見合いはナンパじゃないけどさ」
( ФωФ)「とにかく、結婚おめでとう。我輩是非、友人代表としてスピーチに行くのである」
( ・∀・)「あ、それは大学時代の友人にもう頼んであるから」
(´ФωФ)
(’e’)「くよくよ〜」
- 262 :ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです:2011/09/11(日) 00:00:51 ID:hjEi7Nnk0
-
( ・∀・)「じゃあな、杉浦。お前もいい人見つけろよ」
( ФωФ)「ああ、達者でな」
<カランカラーン アリガトーゴザイマシター
( ФωФ)「……ふぅ」
( ФωФ)「モララーが結婚か……」
( ФωФ)「我輩もいつか結婚出来るであろうか?
\バヨエーン/
(’e’)(+ ::)「ぷよぷよ〜」
( ФωФ)「そうであるか……荒巻さんはどう思われますか?」
/ ,' 3 フガ……
(´ФωФ)「……うん、まずはまともに会話になる仲間を探そっかな」
ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです おしまい
- 263 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 00:02:58 ID:hjEi7Nnk0
-
Intermission
(^ω^ )ヽ
/ ヽ ノ―┓
└┓
オチが締まらないのは仕様。
今一つ弾け切れないのも仕様。
総合短編レベルの長さとはいえ、一日、二日でネタ出して書き上げるのはしんどい。
やはりネタが思い付いた時に書くのが楽でいいですな。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第四章を読む
2 ○○(※自由記述)というタイトルで○○というジャンルの短編を書く
安価
>>264
- 264 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 01:28:52 ID:HeoHt/W.0
- 1
- 265 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 02:11:19 ID:rf3AE/1QO
- 今日も来てた
今から読む
- 266 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 02:41:25 ID:.egkFbU20
-
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第四章
.
1 翌日、ジョルジュからの電話があった。
2 翌日、弟者からの電話があった。
3 翌日、謎の着信があった。 ※書き込みの時間末尾の数値が奇数で『呪い』偶数で『祝い』
4 特に用事もなかったので、外を出歩く事にした。
5 自由記述(行動)
安価
>>267
- 267 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 02:46:23 ID:gnW9ocMI0
- 3だあ!
- 268 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 21:53:50 ID:Lb0GGi0w0
- 呪いか・・・期待
- 269 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 22:35:42 ID:rf3AE/1QO
- >>1
『ちょいといっぷく』というサイト知ってる
覗いてみたらいいことあるかもよ
- 270 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 23:33:05 ID:AqDGUDU.0
-
翌日、謎の着信があった。
( ^ω^)つ【】「非通知? 誰だお?」
出るべきか少し悩んだが、僕は出た方が良いのだろうなという結論に達していた。
現状を考えれば理由は必然的に付く。
( ^ω^)】「もしもし?」
【】<「──ザザ────ザー──」
相手は電話から離れた位置にいるのか、やけに音が遠い。
電波状況も悪いらしく、ほぼノイズしか聞き取れない。
今の携帯電話の電波事情を考えると、こんな町中でここまで悪い電波状態はそうそうないだろう。
( ^ω^)】「……いたずらかお?」
【】<「──ザ-ザザ────ザザー──も────」
( ^ω^)】「も?」
- 271 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 23:39:46 ID:AqDGUDU.0
-
諦めて電話を切ろうとした僕の耳に、ようやく聞き取れる言葉が届いた。
ノイズまみれで聞き取り辛いが、誰かが何かをしゃべっているらしい事はわかった。
【】<「──ザ-─も─ザザー──ち────」
( ^ω^)】「……」
【】<「─ザザ-─も─ザザー──ち─ら──ザザー─ザザザ──く─ザ--------」
( ^ω^)】「も・ち・ら・く?」
何とかそれだけ解析したが、それ以上の言葉はノイズがひどすぎてわからない。
それだけしか言っていないのかもしれないが、判断は付かなかった。
僕は諦めて電話を切る。
( ^ω^)「もちらく……」
再度聞き取れた言葉を口にするが、心当たりのある言葉ではない。
念のため、辞書も引いてみたが該当する言葉は見当たらなかった。
- 272 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 23:48:06 ID:AqDGUDU.0
-
( ^ω^)「何かの呪文かお?」
色々な可能性を想像してみたが、流石にこれだけでは見当のつけようもない。
それに、この言葉以前に考えなければならないこともある。
まず、あの電話が何だったのかという事。
電話の相手にしろ目的にしろ、謎の言葉よりも更に、僕にはわかりようのない話だ。
ただ、多少の思い当たる余地はないでもない。
それが得体の知れない非通知の電話に出た理由でもあるのだが。
( ^ω^)「最近、僕の周りで奇妙な事が起こりすぎてるおね」
同窓会での話した人の名前を覚えていなかったり、呪いのゲームに謎の電話と明らかに不自然だ。
何かしら僕に、もしく僕の周りの誰かに何か異常な事態があったと見るべきなのだろう。
この調子で行けば、また何か奇妙な事が起こる気がする。
予感というよりは、最早確信に近い思いだ。
- 273 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 23:48:32 ID:Ibp08dl60
- 支援
- 274 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 23:56:14 ID:AqDGUDU.0
-
( ^ω^)「……どうするかお」
選択肢はそう多くない。
僕自身の好みから行けば、放置してニート生活を満喫するというのが一番理想だ。
だが、そういう訳にもいかないのだろう。
あのゲームの例を考えれば、事は僕だけの問題ではない。
誰かを巻き込んでしまう可能性がある。
いくら他人との接触は少ない僕とはいえ、ゼロではないのだ。
僕自身はどうでもいいとしても、僕の事を心配してくれたりしているお人好しは巻き込みたくない。
そう考えると、やっぱり弟者の所でゲームを起動しなくて良かったと思う。
差し当たってを考える上で誰かの意見は聞きたくもあるが、深い所で関わらせるのは避けるべきだろう。
( ^ω^)「自力で何とかするお」
僕はそう結論付け、立ち上がる。
- 275 :名も無きAAのようです:2011/09/11(日) 23:57:27 ID:al3cCSIo0
- 俺も支援
- 276 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 00:04:15 ID:vnoHoJxs0
-
( ^ω^)「……具体的な案が何もない件」
勢いで立ち上がりはしたが、これから何をするのかは何も決まっていない。
いくつか思い付く事はあるが、それが最善手かどうかはわからない。
( ^ω^)「ま、とにかく思い付く所からしらみ潰しに当たって行くかお」
どうせ気ままなニートの身。
時間だけは存分にあるのだ。
何でもやってみようという結論に達した。
( ^ω^)「……何だかおかしな話だおね」
僕は不意に、笑い出したい気分になっていた。
実際に微笑んでしまっていたかもしれない。
( ^ω^)「全てがどうでもいいって思ってたはずの僕はどこへ行っちゃったんだろうおね」
僕にしては前向きの珍しい考えが湧き出てくる事が不思議でしょうがなかった。
選べる選択肢の中には、自堕落なニート生活を続けるというものもあったというのに。
- 277 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 00:13:00 ID:QsXj5Sus0
- 支援
- 278 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 00:13:54 ID:vnoHoJxs0
-
( ^ω^)「ああ、そういえば言われたおね、現状に満足していないって」
同窓会の時、名も知らぬ彼女に言われたこの言葉。
僕の答えはだいぶ茶化したものだったけど、彼女には見透かされていたのかもしれない。
僕が本当はどうしたかったのかを。
心の奥底にある後悔を。
( ^ω^)「あの時の僕がこんな気持ちになれていたなら、今頃僕は……」
ふと僕は、今のヒキニート生活の発端となったあの事を思い出していた。
あの時僕が、などと仮定の話を今さらしてもどうしようもない事だけど。
( ^ω^)「今はその話はいいお。でも……」
この件が終わったら、少しは変われるかもしれない。
漠然とだが、僕はそう感じていた。
- 279 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 00:26:42 ID:vnoHoJxs0
-
( ^ω^)「しかし、今度は電話かお」
僕は横道にそれ過ぎていた思考を戻し、さっきの電話について考えていた。
( ^ω^)「あれが呪いのゲームだとすると、さしずめ今度のは呪いの電話というところかお」
呪いのゲーム同様、呪いの電話という響きもありがちなものに聞こえる。
呪いの電話で真っ先に思いつくものといえば、
( ^ω^)「やっぱりメリーさんかおね」
メリーさん。
有名な都市伝説の一つだ。
最初にど電話でこどこにいると居場所を告げて、その後、着信があるたびどんどん近付いて来るあれだ。
ただ僕は、最後にすぐ後ろまで接近された時どうなるのか覚えてない。
色々とギャグにされてたネタの方が面白くて覚えてるくらいなので、あんまり恐怖を感じない。
( ^ω^)「高層マンションで息切れするパターンとか、屋上で外に背を向けて立つやつとか」
( ^ω^)「私メリーさん。今、こやりの上でアルペン踊りを踊ってるの、とか」
余談だが、僕は昔、こやりを子ヤギだと思っていて、メリーさんはなんて鬼畜なのだろうと誤解していた。
アルペン踊りがどんな激しいダンスかは知らないけれど。
- 280 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 00:40:39 ID:vnoHoJxs0
-
それはともかく、呪いの電話だが、さっきの感じだとメリーさんっぽくはなかったと思う。
どちらかといえば、ジョルジュに話した呪いのゲームの元ネタの呪いのあれっぽい感じだ。
流石に携帯電話からは出てはこないだろうけども。
( ^ω^)「うーん……、もう少し考えるべき点を絞るかお」
誰が電話をかけてきたのか。
目的は何なのか。
もちらくという謎の言葉は何なのか。
( ^ω^)「先の二つはこれまでの全部の事に当てはまるおね」
呪いのゲームについても、それから彼女の名前を忘れた事についても、理由やその先にいる誰かはわかっていない。
名前忘れた件については、当然彼女の存在がもっとも疑わしいものにはなるのだが、やはり理由、意味がわからない。
( ^ω^)「この謎の言葉が一番具体的な取っ掛かりかもしれんね」
聞き取れた部分だけを解析してみてもいいかもしれない。
辞書には載っていない言葉ではあったが、何かしらの場面で意味を持つ言葉である可能性もある。
- 281 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 00:56:22 ID:vnoHoJxs0
-
( ^ω^)「ま、とにかく何か試してみるお」
単なる調査や考え事なら誰かに手伝ってもらうのもありかと思うがどうしよう。
そういえば、ジョルジュに同窓会の幹事からの連絡の話もまだどうなったか聞いていない。
先にそっちを聞いてみるのもありかもしれない。
それと、一応弟者に昨日の件を謝罪しておく必要もあるだろうか。
むしろこっちが謝罪して欲しいぐらいの無駄足を踏まされた気もするが、
あの時の弟者が示した考え方自体は念頭に置いておいてもいいかもしれない。
僕は……
1 まずはジョルジュに電話で同窓会の件がどうなった聞いてみる事にした。
2 謎の言葉について考える事にした。
3 ふと思い立って、謎の電話にリダイヤルしてみる事にした。
4 取り敢えず弟者に電話してみた。
5 弟者の話を思い出し、自分自身の番号に電話をかけてみる事にした。
安価
>>282
- 282 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 01:14:48 ID:QsXj5Sus0
- 2
- 283 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 01:32:38 ID:vnoHoJxs0
-
謎の言葉について考える事にした。
( ^ω^)「一番調べやすそうだしね」
この手の謎の言葉、いわゆる暗号のようなものはある程度決まった考え方がある。
あまり暗号に詳しいわけではないが、何かの法則性に基づいて言葉を置き換えたり、単純に並べ替えたりと、
やれる事は僕の知識でもいくつかは思い付く。
( ^ω^)「もちらく……これをこうすると……」
僕は……
1 謎の言葉を漢字に置き換えてみた。
2 謎の言葉をアルファベットに置き換えてみた。
3 謎の言葉を携帯電話のキーに当てはめてみた。
4 謎の言葉を意味が通るように並べ替えてみた。
5 暗号の基本といえば“たぬき”だ。
安価
>>284
- 284 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 01:54:12 ID:mDM06MPIO
- >>283
4
- 285 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 02:09:47 ID:vnoHoJxs0
-
謎の言葉を意味が通るように並べ替えてみた。
( ^ω^)「短い言葉だから、まずは全パターン書き出してみるかお」
もちらく もちくら もらちく もらくち もくちら もくらち
ちもらく ちもくら ちらもく ちらくも ちくもら ちくらも
らもちく らもくち らちもく らちくも らくもち らくちも
くもちら くもらち くちもら くちらも くらもち くらちも
( ^ω^)「この二十四パターンだおね」
この中に何かを連想させるような怪しいものはあるだろうか。
1 ○○(※二十四パターンから選択)が○○だ(※理由、または連想させるものを自由記述)
2 これはどうも違うようなので、>>283の○番を選び直す
安価
>>286
- 286 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 02:40:23 ID:mL9D7jo20
- 2
- 287 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 09:29:19 ID:H7nEL2HYO
- >>286
それだと足りなくないか?
○番まで書かないと
選び直しの番号 3
余計なお世話ならスルーしてくれ
- 288 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 23:34:20 ID:hH17hr360
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
┌(^ω^)┘
ヽ ノ┐
┏┘ ┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 289 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:36:41 ID:hH17hr360
-
〜 内藤の部屋 〜
( ^ω^)「うー……寒」
( ^ω^)「だいぶ涼しくなってきたおね。もうすぐこたつの準備でもするかお」
ブルブル
;;( ^ω^);;「お?」
( ^ω^)「……寒いとトイレが近くなっていかんおね」
( ^ω^) ヨッコラセックス
三( ^ω^) ウー、トイレ、トイレ
ヨロッ
Σ( ^ω^) オッ?
(;^ω^)(しまった!? トイレに急ぐあまりよろけてバランスを崩した!)
(;^ω^)(よろけた角度から計算すると、このままではたんすの角に脚の小指をぶつける事は必至!)
( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか回避するようです
- 290 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:38:05 ID:hH17hr360
-
(;^ω^)(それは何としても避けねば!)
(;^ω^)(よろけた左脚は使い物にならない!)
(;^ω^)(ここは右脚を……)
(;^ω^)(クッ……右脚は歩行に蹴り出したばかりで軌道を変えられない!)
(;^ω^)(それならば左腕でたんすを……)
(#゚ω゚)⊃(殴る!!!)
ドゴォッ!
(;^ω^)(クッ……流石はたんす、恐ろしい硬度だ!)
(;^ω^)(左腕はもう使えない……)
- 291 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:40:10 ID:hH17hr360
-
(;^ω^)(しかし、その反動で上体が後方にのけぞる!)
(;^ω^)(左腕がその身を賭して切り開いた活路!)
(;^ω^)(無駄にはしない!)
(;^ω^)(この勢いを利用し、身を捻り……)
グキッ!
(;゚ω゚)(なん……だと……!?)
(;゚ω゚)(左脚を……軸脚を捻った!)
(;゚ω゚)(このままでは体重を支えきれず後方に転倒してしまう!)
- 292 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:41:33 ID:hH17hr360
-
(;゚ω゚)(後方には座すのはテーブル!)
(;゚ω゚)(このまま倒れれば後頭部を強打!)
(;゚ω゚)(下手すれば生命の危険すらも有り得る!)
(;゚ω゚)(ならば!)
(;゚ω゚)(体全体を捻り、うつぶせに倒れて右腕で激突を防ぐしかない!)
彡( ゚ω)セイッ!
( )彡
彡(ω゚ )
- 293 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:42:57 ID:hH17hr360
-
( ゚ω゚;)(しまった! 勢いが付き過ぎて一回転してしまった!)
( ゚ω゚;)(このままでは後頭部を強打!)
( ゚ω゚;)(ここは唯一残された右腕!)
( ゚ω゚;)(お前に全てを賭ける!)
⊂( ゚ω゚;) ウォラァッ!
(;゚ω゚)(渾身のバックブロー!)
(;^ω^)(クッ……右腕も逝ったか……)
(;^ω^)(だがバックブローの反動で、身体には逆のベクトルが加わる!)
(;^ω^)(後方に成す術なく倒れるだけだった我が身は、今や前方につんのめる様によろけている)
(;^ω^) !!!
(;^ω^)(不覚!)
(;^ω^)(最初の体勢に戻ってしまった!)
- 294 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:44:54 ID:hH17hr360
-
(;^ω^)(このままではたんすに脚の小指をぶつける事必定!)
(;^ω^)(チェックメイトか……)
(;^ω^)(いや、ここで諦めては我が身を守る為に逝ってしまった左腕と右腕に申し訳が立たぬ!)
(;^ω^)(まだ何か手はあるはずだ!)
(;^ω^)(考えよ、我が頭脳!)
(;^ω^)(何か……何か……)
(;^ω^) !!!
(;^ω^)(頭脳!)
(;^ω^)(そうだ! まだ頭がある!)
(;^ω^)(腹筋の要領でたんすに頭突きをかませば、その反動でたんすの角に脚の小指をぶつけるのは避けられる!)
- 295 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:47:18 ID:hH17hr360
-
(;^ω^)(しかし敵は四十年は齢を経た歴戦の勇士!)
(;^ω^)(超人硬度で言えば4.5! 鉄の硬度を誇る!)
(;^ω^)(勝てるのか、その半分しか生きていない若輩者の我が……)
(;^ω^)(クッ……こうして悩んでいる間にも死へのタイムリミットが刻一刻と迫って来る!)
(;^ω^)(何故だろう。これまでの人生の思い出が、まるでスローモーションの様に再生されていく)
(; ω )(こうして改めて見てみると、案外悪い人生じゃなかったのかもしれないな……)
(; ω )(……そうだ、我は存分に生きた)
(; ω )(もう、ゴールしてもいいよな、親父……)
(; ω )(……親父?)
- 296 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:49:19 ID:hH17hr360
-
(; ω )(そうだ、あれは親父の最後の言葉だった)
(; ω )(何事も真っ直ぐに、直向に生きた親父の最後の言葉!)
(;^ω^)(成せば成る!)
(;^ω^)(目の前に壁があるならぶち抜いて進め!)
(;^ω^)(……ならば我の取るべき道はただ一つ!)
(#゚ω゚)(我の頭とたんす!)
(#゚ω゚)(どちらが硬いか勝負だ!)
(#゚ω゚)(いっけえええええええええ!!!)
- 297 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:51:19 ID:hH17hr360
-
(#゚ω゚)(なっ────!?)
(#゚ω゚)(たんすがこちらに倒れてくるだと!?)
(#゚ω゚)(……そうか、先の左腕の一撃で、たんすにもダメージが)
(;゚ω゚)(クッ……この状況はまずい!)
(;゚ω゚)(ただでさえ強固な装甲を誇るたんす!)
(;゚ω゚)(重力加速度という後押しを受け、その威力は跳ね上がる!)
(;゚ω゚)(ヤバイ! 避けねば死ぬ!)
(;゚ω゚)(だが我に残された手はもう……)
(; ω )(今度こそ万事休すか……)
(; ω )(……)
- 298 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:53:31 ID:hH17hr360
-
( ω )(穏やかな時だ……)
( ω )(迫り来る死が、我の全ての罪を洗い流してくれるようだ)、
( ω )(このまま、ここで生命を終えるのもまた一興か)
( ω )(我は、存分に生きたよな)
( ω )(すまぬ、左腕に右腕よ)
( ω )(お主らの犠牲を活かす事は我には出来なんだ)
( ω )(右脚……お前が存分に使えたら……いや、過ぎた事は言うまい)
( ω )(お前は前に踏み出したのだ)
( ω )(それは人として大切な事。お前を責める謂れはない)
- 299 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:55:18 ID:hH17hr360
-
( ω )(そして左脚よ)
( ω )(元はといえばお前の失態がこの事態を招いてしまった)
( ω )(だがそれも、元を正せば我の不徳の致す所)
( ω )(全ての責は我自身にある)
( ω )(許せよ、不甲斐ない我を……)
( ω )(……左脚?)
( ω )(まだ……動く……?)
( ω )(捻った痺れが消えている!?)
( ω )(左脚……お前は……)
( ^ω^)(……まだやれるという事か!)
- 300 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:56:24 ID:hH17hr360
-
(;^ω^)(だが、我が頭とたんすの激突まで残りわずか!)
(;^ω^)(間に合うのか?)
( ^ω^)(……いや、満身創痍の左脚がくれたこのチャンス)
(#゚ω゚)(必ず間に合わせてみせる!!!)
( ω )(行くぞ!)
(#゚ω゚)(残された全ての我が力!)
(#゚ω゚)(この左脚に込めて!!!)
(#゚ω゚)(大地を蹴り、今ここに飛翔せん!!!!!)
(#゚ω゚) I Can Fly──────────!!!!!!!!!!
- 301 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:57:35 ID:hH17hr360
-
ガシャーン!
.
- 302 :( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか(ry:2011/09/12(月) 23:58:27 ID:hH17hr360
-
〜 天国の門 〜
⊂⊃
('A`)「えー、次はと……内藤ホライゾン、享年二十歳と」
( ^ω^)
⊂⊃
('A`)「まだ若いねえ。何で死んじゃったの? えっと、記録では……」
⊂⊃
('A`)「たんすの角に脚の小指をぶつけるのを回避しようとして……」
⊂⊃
('A`)「マンションの窓をぶち破り、十階の部屋から転落死、と……」
( ^ω^)
⊂⊃
('A`)「……何で?」
( ^ω^)「……まあ、何かノリで?」
( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか回避するようです おしまい
- 303 :名も無きAAのようです:2011/09/12(月) 23:59:40 ID:hH17hr360
-
お題
たんす
あとがき な ん だ こ れ ?
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようですの続きは >>286 >>287 の2つの安価数字を
使わせてもらって、2の3を選んだという事にします。
わざわざ補足ありがとうです。
以下 >>285からの続き
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 304 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 00:03:48 ID:ZXJ63.eA0
-
( ^ω^)「うーん……これは何か違うかもしれんね」
並べ替えてみた所、いくつか気になる言葉はあったが、どれも決め手にかける。
漢字にすると『地区』や『拉致』、『倉』等、それっぽい言葉も浮かびあがるが、
今回の件でそれらの言葉から連想されるものは今の所なかったのではないだろうか。
『倉持』の様に人名とも取れるものもあるが、これもまた該当者が思い当たらない。
( ^ω^)「この考え方は一度捨てて、別の方向から考えてみるお」
次に僕が着目したのは携帯電話のキーだ。
携帯電話の文字入力は、数字キーを指定回数押す事で入力出来る。
それを逆に考えれば、文字から押した数字のキーの回数がわかるのだ。
( ^ω^)「まず、『も』は『7』を五回だお」
- 305 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 00:11:22 ID:ZXJ63.eA0
-
同様に考えて
『ち』は『4』を2回。
『ら』は『9』を1回。
『く』は『2』を3回。
( ^ω^)「それを並べると……」
77777449222
( ^ω^)「……」
僕は出来上がった数字をじっと見詰める。
思った以上にわけのわからない数字だというのが素直な感想だ。
( ^ω^)「これも何か違う気がするお」
桁だけ見れば携帯の電話番号と考える事も出来るが、並びがありえないほど変だ。
それとも、何かの暗証番号みたいなものだろうか。
( ^ω^)「うーん……根本的な所で何かおかしい気がするお」
- 306 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 00:17:16 ID:ZXJ63.eA0
-
そもそも、何故携帯のキーに変換してみようとしたのかを考え直してみる。
答えは簡単で、今時電話をかけるなら携帯からだろうという安易な発想からだ。
しかしこれを呪いの電話だとするなら、向こうは今時もへったくれない悪霊みたいなものなのだ。
携帯電話云々の発想は間違っているかもしれない。
そもそも、音声だった物を文字として解読しようとしているのがおかしいと言われたらそれまでだが。
( ^ω^)「でも、こういう可能性もあるおね」
僕が思う可能性、これが呪いの電話ではないとしたらというものだ。
例えば悪霊などではなく、理性的な人間がこれを行っているとしたら?
掠れた声もひどいノイズも仕組まれたものだとしたら?
やはりあの言葉に何かしらの意味を持たせている事は考えられる。
( ^ω^)「ま、今は暗号の可能性の方を追求してみるかお」
理屈ではない呪いの方は考えた所で答えは出ない可能性が大きいし。
- 307 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 00:25:01 ID:ZXJ63.eA0
-
( ^ω^)「それでも文字として解読するとしたら、他に考えられるのは……」
仮にキーに変換するという考えを維持するとしたら、次に考慮するのは向こうの端末だ。
しかし、固定電話なら数字しかないのでキーという概念は適用出来ない。
( ^ω^)「これも違ったかもしれんね」
発想の方向はあっている気がしたのだが、解読は出来なかった。
ここは潔く別の方法を試すべきか、それとも……
( ^ω^)「「1 うん、これも間違いだお。別の方法を試すお
2 いや、まだ電話といえばあれがあるお
3 てか、いつから推理ゲームになってたんだお 」
安価
>>308
- 308 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 01:08:32 ID:twF4W7U60
- 2
- 309 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 13:20:31 ID:uV/o4FVAO
- 乙
たんすwwww
長編と短編の落差が激しいな
- 310 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 18:27:09 ID:wezC1Mqo0
- 長編の方がどんどん微妙になっていくな
しかし短編が面白いから見逃せない
- 311 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 23:52:43 ID:imGEtJ6g0
-
( ^ω^)「いや、まだ電話といえばあれがあるお」
昔は電話といえば固定電話しかなかったが、今の時代携帯電話もあるし、他にもかけられる電話がある。
それは……
( ^ω^)「ずばりPCだお」
PCならば暗号をキーに対応させて考えるのは適しているだろう。
僕はPCに向かい、電源を入れてメモ帳を起動する。
そして早速例の言葉を入力してみる事にした。
( ^ω^)「motiraku……うん、ローマ字入力だと変わんないおね」
( ^ω^)「じゃあ、ひらがな入力なら……」
( ^ω^)「『も』は『m』、『ち』は『a』……」
( ^ω^)「『ら』『o』、『く』『h』……これは……」
- 312 :名も無きAAのようです:2011/09/13(火) 23:59:07 ID:imGEtJ6g0
-
『maoh』
ようやくそれらしい言葉が浮かび上がった。
しかもこの言葉は僕もはっきりと聞き覚えがある。
( ^ω^)「『maoh』、『魔王』って事かお……」
聞き覚えがある所か今回の件の発端とも言える、最初に体験した不思議な事で耳にした言葉だ。
( ^ω^)「偶然……と考えるには出来すぎていると見るべきだおね」
やはり僕は発端を、彼女の名前を思い出さねばならぬようだ。
だいぶ回り道をした気もするが、結局はそこに、彼女に繋がった。
安価と書いて無意識に僕は彼女に繋がる道を避けていたが、本当はわかっていたのかもしれない。
ここ最近の不可解な事が起こり始めた原因が彼女にある事に。
その事に対する得体の知れない思いが、答えから目を逸らさせていたのだ。
( ^ω^)「結局、彼女を探さないと始まらないし終らないという事かおね」
- 313 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 00:07:53 ID:6lRRTt0Q0
-
今更ここで引き返すわけにも行かないのだろう。
引き返せば、また先ほどの電話のような不可解な事象が起こり続けるだけだ。
僕はそれを止めねばならない。
( ^ω^)「まずはジョルジュに電話だお」
僕は携帯電話を手に取り、ジョルジュに電話をかけた。
幸い、大学の授業は休み時間だったようで、すぐにジョルジュは電話に出てくれた。
【】<「おう、ブーン、どうした? この時間にお前から電話なんて珍しいじゃねえか」
( ^ω^)】「おいすー。ちょっと聞きたい事があったんだお」
僕は以前連絡を取ってもらった、同窓会の幹事の話がどうなっているか尋ねる。
【】<「今日この後名簿借りられる事になってるから、受け取ったらお前の家に行くわ」
( ^ω^)】「サンクス。頼むお」
【】<「……」
- 314 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 00:16:45 ID:6lRRTt0Q0
-
( ^ω^)】「どうしたお?」
【】<「いや、捻りも何もなしに礼を言われると何か調子狂うと言うか……」
( ^ω^)】「ならば礼は言わん。とっとと持って来やがれお」
僕はそう言い放つと電話を一方的に切った。
あまり真面目な態度で接すると逆に心配されそうなので、ジョルジュにはもう少しいい加減に振舞う必要があるだろう。
名簿は持って来てもらうが、それ以降の彼女の事についての相談はどうするべきか。
( ^ω^)「名簿はジョルジュも見るおね、きっと」
本来なら自分だけで何とかしようと思っていたのだが、いっそ全て話して協力を仰いだ方がいい気もする。
勿論、危険のない範囲で。
( ^ω^)「とはいえ、どう考えても僕よりジョルジュの方が荒事向きなんだおね」
僕がこの調査で危険な場面にぶち当たったら、きっとジョルジュは助けてくれるのだろう。
調査の事を話していようがいまいがだ。
ならばちゃんと話しておくのが筋かもしれない。
- 315 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 00:23:47 ID:6lRRTt0Q0
-
どうするべきなのか決められないまま時間は過ぎ、大学の授業を終えたジョルジュが家に来た。
_
( ゚∀゚)「よう、久しぶり」
( ^ω^)「数日前に会ったばっかだお」
僕はジョルジュを部屋に招き入れ、早速名簿を受け取った。
_
( ゚∀゚)「飲み物は出ないの?」
( ^ω^)「多分冷蔵庫に何か入ってるお」
_
( ゚∀゚)「セルフサービスだと……?」
( ^ω^)「ついでに僕の分も頼むお」
勝手知ったるなんとやらで、ジョルジュは僕の分の飲み物も手に部屋に戻って来た。
( ^ω^)「麦茶しかなかったのかお?」
_
( ゚∀゚)「それを俺に言うなよ」
- 316 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 00:33:38 ID:6lRRTt0Q0
-
ジョルジュが飲み物を取りに行っている間に、名簿をざっと眺めてみたが、何となく見覚えのある名前しかない。
顔はすぐに思い浮かばないが、思い出も何もないのに意外と覚えているものだと妙な部分で感心した。
_
( ゚∀゚)「で、どうよ?」
( ^ω^)「聞くまでもなくわかってるお?」
この名簿の中に彼女の名はない。
それは既に名簿を見たジョルジュもわかっているはずだ。
_
( ゚∀゚)「まあな。そこに乗ってるやつらの顔は全員わかるからな」
( ^ω^)「期待はずれだおね」
_
( ゚∀゚)「当てが外れたな」
簡単にわかるとは思っていなかったが、全くヒントがないというのも想定外だった。
何かしらの痕跡ぐらいはあるとよかったのだが。
_
( ゚∀゚)「ちなみに、会費はちゃんと足りてたそうだ」
- 317 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 00:40:00 ID:6lRRTt0Q0
-
( ^ω^)「この名簿分って事かお?」
_
( ゚∀゚)「いや、名簿プラス一だな」
どうやらあの日ちゃんと出席人数を数えてた人間はいたらしい。
名簿の人数ではなく、実際にいた人数で支払いやら何やら対応したようだ。
後日確認した時、名簿の人数が一人少ない事には気付いていたらしいが、
誰かが書き忘れたのだろうとそれほど問題にしなかったという事だ。
( ^ω^)「……って事は、彼女の姿は僕ら以外も見たって事かお」
_
( ゚∀゚)「ああ、それも確認した。お前と話していた女の姿を見たやつはいた」
当然、そいつも彼女の事はわからなかったらしいとジョルジュは続ける。
( ^ω^)「知らない人間がいて気にしなかったのかお」
_
( ゚∀゚)「知らないんじゃなくて、忘れていると判断したんだろうな」
知っている人間と、この場合は僕の事のようだが、自然に話している人間なら同級生なのだろうと判断されたようだ。
- 318 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 00:50:20 ID:6lRRTt0Q0
-
( ^ω^)「ったく、適当に判断すんなお」
_
( ゚∀゚)「他人の所為にすんなよ。お前が覚えていれば話は早かったんだから」
ジョルジュはそう言うが、名前だけ覚えていても簡単に探せるとは思えない。
精々知っている人がいないか聞いて回れるぐらいだろう。
( ^ω^)「住所か何かあればよかったのに」
僕はその手にあった名簿をひらひらと振り、ジョルジュに返す。
_
( ゚∀゚)「そうだな。しかし何とも妙な話だ」
( ^ω^)「……まあ、妙なのは最初からだお」
少し言い淀んでしまった僕に、ジョルジュが意味ありげな視線を向けてくる。
多分一度はもういいと投げ出した件を、再び熱心に調べだした事で何かあったのだと察しているのだろう。
妙に積極的に動いたのもまずかった。
_
( ゚∀゚)「……で、あれから何があった?」
( ^ω^)「特に何も……と言っても信用しないおね」
- 319 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 00:58:11 ID:6lRRTt0Q0
- _
( ゚∀゚)「ああ、ウソだろうからな」
そう言い切るジョルジュに、僕はため息で答える。
付き合いが長いというのも考え物だ。
( ^ω^)「その分だと、弟者とも話したのかお?」
_
( ゚∀゚)「向こうから電話あったよ」
弟者に口止めすべきだったかと後悔したが、ああいう別れ方をしたのでは口止めも何もする暇はなかったから仕方がない。
それ以前に一人で行ったのもまた妙に心配させてしまったかもしれない。
一応、心霊現象の話なのでジョルジュを伴わない理由にはなってたと思うが、考えが甘かったか。
( ^ω^)「話すだけは話すお」
どう判断するかは任せると前置きし、僕はあの呪いのゲーム騒動以降にあった事をジョルジュに説明した。
_
(;゚∀゚)「あー、あれやっぱ見間違いじゃなかったのか」
( ^ω^)「正直すまんかった」
- 320 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 01:07:01 ID:6lRRTt0Q0
-
自分が既に心霊現象に遭遇していた事は、その手の事象が苦手なジョルジュにとってショックは大きかったようだ。
ジョルジュは身震いしをして、その後何かを振り払うように首を大きく振った。
( ^ω^)「それで電話の言葉を解読した結果、彼女の存在に戻って来たって話だお」
_
( ゚∀゚)「なるほどな、それで名簿か」
ジョルジュに全てを話した僕は、少し気分が軽くなった気がした。
何でも話せる人間がいるという事は、きっととても素晴らしい事なんだろうなと不意にそう思った。
_
( ゚∀゚)「んで、どうするつもりなんだ?」
( ^ω^)「んー……、解決しないとのんびりヒキニートの生活には戻れなさそうなんだおね」
_
( ゚∀゚)「そこに戻る必要はねえが、確かにまだまだ何か起きそうな流れだな」
( ^ω^)「というわけで、ジョルジュはしばらくここには来ない方がいいお」
何か起こるとしたら僕の周りであろう。
心霊現象が苦手なジョルジュがわざわざ巻き込まれる必要はない。
- 321 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 01:15:38 ID:6lRRTt0Q0
-
( ^ω^)「調べ物とかそういうので手伝ってくれお」
_
( ゚∀゚)「だが断る」
僕は半ば予期していたジョルジュの断りの言葉。
僕は上目遣いで両手の肘を曲げ、いわゆるお化けの手の真似をしてジョルジュに言う。
( ^ω^)「……怖い話だお?」
∪ ∪
_
( ゚∀゚)「ああ、怖そうな話だな。……でもな」
_
( ゚∀゚)b「ダチを見捨てて、部屋に閉じ篭って布団被って隠れてるなんて俺には出来ねえよ」
( ^ω^)「ジョルジュ……」
_
(*゚∀゚)「べ、別にあんたの事が心配だとかそういうのじゃないんだからね!」
( ^ω^)「それは色んな意味でないわー」
それからしばらくして、ジョルジュはまた明日も来ると言い残して家に帰った。
結局僕はジョルジュの協力を断り切れなかったが、それを少し嬉しく感じていたのも事実だ。
- 322 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 01:24:47 ID:6lRRTt0Q0
-
ひとまずジョルジュにはその人脈を生かしてもらって情報を集めてもらおうと思う。
噂の類や彼女自身の情報など、何かわかるかもしれない。
今は些細な事でもいいから情報が欲しい所だ。
( ^ω^)「で、僕自身はどうするべきかおね」
何かしら次の怪異が起こるのを待つべきか。
それとも、自分から動くべきか。
( ^ω^)「その前に考えられる事もいくつかあるおね」
その際たるは僕自身の事で、何故僕がこんな事態に巻き込まれたのかもわかっていない。
僕でなければならなかったのか、それともたまたまなのか。
過去の僕の行動が今回の件をを引き起こしている可能性もあるのだ。
僕は……
1 外に出れば何かヒントにぶち当たるかもしれないと考えた。
2 次の怪異を待つ方が確実だと考えた。
3 過去の僕の行動、漠然とだがそこにヒントがあると考えた。
4 彼女の話のあの点が妙に気になっていた。
5 毒を食らわば皿まで、弟者も巻き込もうと再度出向く事にした。
安価
>>323
- 323 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 02:00:01 ID:iiEaeBloO
- 3で。
- 324 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 23:46:39 ID:8k0o3eok0
-
過去の僕の行動、漠然とだがそこにヒントがあると考えた。
( ^ω^)「何かしら、僕が選ばれた原因はきっとあるはずだお」
たとえそれが偶然だったとしても、偶然僕が何かをしたからこうなってしまったと考える方が筋が通る。
それと知らず、何かのスイッチを押してしまったという事かもしれない。
(;^ω^)「……と言っても、ヒキニートが自分以外に影響を与える行動って何だお?」
引き篭もって以降の行動を振り返ってみると、驚くほど非生産的な活動しかしていない。
現実から逃げたようなものなのだから、ある意味当然と言えば当然だが。
この時期の出来事がきっかけで何かしようとする人間がいるとしたら、ごく近しい人間しかいないだろう。
親かジョルジュがぐらいまで絞れる。
( ^ω^)「これはあんまり現実的な考えじゃないおね」
理由は思い付かない事もないが、彼らならこんな周りくどい手を取る必要はないと思う。
呪いという柄でもなさそうだし。
となると思い当たるのは、やはり彼女に接触した時だ。
- 325 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 23:49:54 ID:8k0o3eok0
-
( ^ω^)「あの同窓会の日か、それとももっとずっと昔の小学校の話だおね」
今回の件が彼女に起因するとめぼしを付けて考えている現状、この点を外して考える理由はない。
このどちらかに何らかの原因があるはずだ。
(;^ω^)「でも、彼女は僕の同級生ではないんだおね」
名簿にその名はなく、卒業アルバムにもその姿はない。
そしてあの日彼女を見た誰もが彼女の事は知らなかった。
となるとずっと昔の小学校の事は考えてもわからない可能性が大きい。
( ^ω^)「……ただ、学校以外で会った事があったなら、話は変わってくるんだけど」
同じクラスではなかったが、年齢的には同級なのかも知れない。
それならば、他の同級生が彼女の事を知らず、彼女が僕の事を知っている事も機会的な話では納得がいく。
僕が彼女の事を忘れているのは、よくわからない事だけど。
(;^ω^)「やっぱ色々と不自然だおね」
彼女は昔の僕の事を知っている体で話をしていた。
彼女が語った、昔も退屈だったのかという質問は、昔の僕の姿を見たからこそ出るものだと思う。
- 326 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 23:51:24 ID:9afhMqow0
-
一見、普通の女の子の日記ですが、
ある事をした後に更新しています。かなり中毒性が高いので注意が必要かもしれないです。
ttp://prof9pop.web.fc2.com/hrk/
- 327 :名も無きAAのようです:2011/09/14(水) 23:59:45 ID:8k0o3eok0
-
( ^ω^)「またこのページかお……そういえば、彼女はジョルジュの事も知っていたお」
僕はまた踏んでしまったスパムページを閉じ、思考の道筋を戻す。
すっかり失念していたが、彼女はジョルジュの事も知っている風であった。
しかし、ジョルジュ自身は彼女の事を知らないという。
人付き合いの上手いジョルジュが名前から顔まで忘れているという事は考え難い。
そこから導き出される答えは……
( ^ω^)「僕から聞いた、または僕と一緒にジョルジュの事を見た、とかかお?」
それが現段階では一番しっくり来る答えだ。
僕と同じように何らかの理由で忘れている可能性もあるのだが、可能性を挙げ続けるときりがないので、
今は考え方の方向を浮かんだ物に絞って行く事にする。
それに僕には何となくこの答えが正解な気がしていた。
それはあの同窓会の日、僕自身が感じた事に因る。
( ^ω^)「あの時、遠巻きにジョルジュ達を見ていた感じは覚えがあったお」
賑やかな人の輪を外から眺めていた僕の姿は、よくある日常の一風景だった。
ただ昔、僕は一人でそうしていたはずだったのだが、あの同窓会の時の彼女が側にいた感じはごく自然なものだった。
- 328 :名も無きAAのようです:2011/09/15(木) 00:08:10 ID:17Az48RA0
-
( ^ω^)「やっぱり僕は彼女を知ってるのかもしれんお」
ならばどうして忘れてしまったのか。
( ω )「そんなの、知らないお……」
力なく呟いた僕を、何とも言えないもどかしい思いがを包む。
いつか感じた喪失感によく似たその思いは、ひどい頭痛を伴って来た。
( ω )「僕が忘れたかったからかお?」
( ω )「それとも、彼女が忘れさせたのかお?」
そう問いかけてみても、答えが返る事はない。
ここは僕の部屋で、今ここには僕しかいない。
誰も答えてくれる人はいないのだから、当たり前の事だ。
( ω )「わけがわからないお……」
僕は目を閉じたまま、ベッドに倒れこんだ。
- 329 :名も無きAAのようです:2011/09/15(木) 00:19:03 ID:17Az48RA0
-
考え過ぎて知恵熱でも出たのだろうか。
l v
鈍痛が断続的に僕を襲う。
( ω )「何だか疲れたお……」
本格的に痛み出した頭に、僕はこれ以上考えるのを止める。
そのまま全身の力を抜き、少しでも苦痛から逃れられるよう意識を拡散させた。
やがて僕は、誘われるように深い眠りの底に沈んでいった。
第四章 了
つづく・・・
- 330 :名も無きAAのようです:2011/09/15(木) 00:23:14 ID:17Az48RA0
-
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第四章終了。
多分、フラグによるルートは固定されたと思う、という事にしておく。
現在のフラグ状況
J + 4 S + 7 G + 5 F + 6 B + 0
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです をそろそろ終らせる。(第五章で最終章にする)
2 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです はもう少し続く。
3 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>331
- 331 :名も無きAAのようです:2011/09/15(木) 00:56:29 ID:t4uM9NF60
- 3 |::━◎┥AA生物化計画のようです
- 332 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:41:59 ID:9h4jMiQ60
-
┌──┐
∪ |::━◎┥∪
V| |V
|:日 日:|
└┬┬┘
亠亠
(`・ω・´)「あまーいあめちゃん歯車王、略してAA歯車王。皆も知っているように、これが我が社の主力商品だ」
(`・ω・´)つ○ 「この商品はメカ的なデザインが好評を博しており、中身の飴も日持ちがいい」
つ |::━◎┥ ̄ パカッ
(`・ω・´)「だが主力商品とはいえ、売り上げ的にはまだまだで、色々と改善の余地はある」
(`・ω・´)「特に、飴の日持ちの良さが災いして、一人の客が買ってくれる個数が少なく、商品の回転率が低い」
(`・ω・´)「その点を考慮して、生菓子的な何かの要素を足し、回転率を上げた派生商品を売り出したいと思う」
(`・ω・´)「よって、次の会議の時までにアイデアを考えて来て欲しい」
\ ワ カ リ マ シ ター /
('A`)(-@∀@)ζ(゚ー゚*ζ
|::━◎┥AA生物化計画のようです
- 333 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:42:56 ID:9h4jMiQ60
-
〜 一週間後 〜
(`・ω・´)「では、本日の会議を始める」
(`・ω・´)「まずは前回の議題、AA歯車王についてだが、皆アイデアは考えてきてくれたかな?」
\ バ ッ チ リ テ ゙ ー ス /
('A`)(-@∀@)ζ(゚ー゚*ζ
(`・ω・´)「それは頼もしいな」
(`・ω・´)「ではまずドクオ君からお願いしようか」
('A`)「はい」
('A`)「まず私はあまーいあめちゃん、略してAAを生物にするという言葉で真っ先に思い付いた事があります」
(`・ω・´)「ほう、それはなんだね?」
('A`)「生物と言えばずばり、刺身です!」
- 334 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:46:35 ID:9h4jMiQ60
-
(;`・ω・´)「え? 刺身って、あの魚の?」
('A`)「はい、一般的には魚を使いますが、今回は飴を刺身にしてみました」
(;`・ω・´)「いや、刺身にしてみましたって、飴自体そのまま食べるものなのに」
('A`)つ○ 「まず、このAAですが、これを刺身の様にスライスします」
つ |::━◎┥ ̄ パカッ
('A`)つ(|[][]|)「で、スライスしたものがこちらです」
(;`・ω・´)「単なる切った飴にしか見えないね」
('A`)「いえいえ、これのすごい所はそれだけじゃありませんよ」
('A`)つ[]「お一つどうぞ」
(`・ω・´)つ[]「うむ、では……」
(`・ω・´)パクッ
(`・ω・´)「む……この口の中に広がる夏の魚市場のような独特の風を感じるこの味は──」
- 335 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:48:15 ID:9h4jMiQ60
-
(`゚ω゚´)「生臭い!」
('A`)「どうです? 刺身という事で鯖をモチーフとしたフレーバーを開発してみましたんですが」
(;`・ω・´)「どうもこうも、生臭い以外の感想はないよ。てか、鯖なの? 鯖味の飴って……」
('A`)「駄目でしたでしょうか?」
ζ(゚、゚*ζ「やはり生物=刺身という考え方は少し安直過ぎると思いますね」
('A`)「それはそうかもしれませんね」
(;`・ω・´)「それ以前に味が駄目だけどね」
(-@∀@)「鯖味なんて気持ち悪すぎますよ」
('A`)「黙れ眼鏡」
(;-@∀@)「え?」
(`・ω・´)「それじゃあ、ドクオ君の案は残念ながら不採用という事で、次は……」
- 336 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:49:51 ID:9h4jMiQ60
-
(-@∀@)ノ「はい、次は私が」
(`・ω・´)「じゃあ眼鏡、頼んだ」
(;-@∀@)「いや、眼鏡じゃなくてアサピーですからね?」
ボソッ
ζ(゚、゚*ζ「いいからさっさとしろよ眼鏡」
(;-@∀@)「えっと……そ、その、私はですね、その生という事で鮮度の高い食料品を模す事を思い付きました」
(`・ω・´)「さっきから思うってるんだけど、君たち生菓子の意味を勘違いしてないかな?」
(-@∀@)「大丈夫です。ドクオ君の様に生=刺身という様な安易な発想はしておりません」
ボソッ
('A`)「眼鏡うぜえ」
(;-@∀@)「そ、それでですね、私が考えたのはずばり、生と言えば生肉です!」
(;`・ω・´)「いや、発想が刺身と一緒だよね? どこが違うの?」
- 337 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:52:09 ID:9h4jMiQ60
-
(-@∀@)「実は生肉味にしたのには理由があります」
(`・ω・´)「ほう、それはなんだね?」
(-@∀@)「昨今は食中毒等の問題から、生肉を食べる事が難しくなりつつあります」
(-@∀@)つ○ 「ですがこの飴ならその点は心配無用」
つ |::━◎┥ ̄ パカッ
(-@∀@)「なんせ飴ですから、食中毒の心配はいりません」
(`・ω・´)「そりゃそうかもしれないけど、てかやっぱりこれも生肉味なの?
(-@∀@)つ○「どうぞ、お試しください」
(`・ω・´)つ[]「正直悪い予感しかしないんだけど……」
(`・ω・´)パクッ
(`・ω・´)「む……この口の中に広がる夏の肉市場のような独特の風を感じるこの味は──」
- 338 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:53:34 ID:9h4jMiQ60
-
(`゚ω゚´)「生臭い!」
(-@∀@)「どうです? これならご飯に混ぜてユッケ丼としても楽しむ事が出来ると思うのですが」
ボソッ
('A`)「どうですじゃねえよクソ眼鏡」
ボソッ
ζ(゚、゚*ζ「発想同じじゃねえか眼鏡」
(;-@∀@)「え、えっと……」
(;`・ω・´)「まあ、これも味が駄目だね。よって眼鏡君のも不採用で」
(;-@∀@)「あの、眼鏡君ではなくてアサピーですけど」
(`・ω・´)「じゃあ、次はデレさん、お願い出来るかな?」
(;-@∀@)「無視された……」
ζ(゚ー゚*ζつ 「眼鏡死ね。はい! 私のアイデアはこれです!」
つ |::━◎┥ ̄ パカッ
(;-@∀@)「え……死……?」
- 339 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:55:39 ID:9h4jMiQ60
-
(`・ω・´)('A`)ζ(゚ー゚*ζ(-品∀品)
(`・ω・´)「これは?」
('A`)「ひょっとして私達の顔ですかね?」」
ζ(゚ー゚*ζ「はい、その通りです」
ζ(゚ー゚*ζ「今回は私たちの顔に似せて作りましたが」
ζ(゚ー゚*ζ「お客様の要望にあわせて作れば、色々と販路が開けるのではないかとないかと思います」
(`・ω・´)「なるほど、考えたね」
('A`)「私達に結構似てますね、これ」
(;-@∀@)「僕、あんな眼鏡かけてましたっけ?」
ζ(゚ー゚*ζ「黙れ眼鏡」
(;-@∀@)「……はい」
- 340 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:56:55 ID:9h4jMiQ60
-
(`・ω・´)「発想は悪くないんだけど、僕の提案した生菓子要素は汲んでくれなかったんだね」
(`・ω・´)「まあ、これなら一考の価値はあるからいいんだけど」
ζ(゚、゚*ζ「その点もちゃんと考えてありますよ?」
(`・ω・´)「ほう、それはなんだね?」
ζ(゚ー゚*ζ「生という事で、ずばり生首飴です!」
(;`・ω・´)「いや、全然僕の言った事理解してないよね?」
(;`・ω・´)「生が付けば何でも許されるって事じゃないからね?」
ζ(゚ー゚*ζ「生首という事で、断末魔バージョンなど、バリエーション豊かにそろえています!」
(`゚ω゚´)(゚A゚)ζ(-、-*ζ(※※※)
- 341 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:58:23 ID:9h4jMiQ60
-
(;`・ω・´)「グロッ! てか、僕の話ちゃんと聞いてる?」
(;-@∀@)「僕の顔が完全に放送禁止状態だ……」
ζ(゚ー゚*ζ「それは元からだろうが」
(;-@∀@)「……」
(;`・ω・´)「と、とにかく、そういう路線はいらないから」
ζ(゚、゚*ζ「えー、折角皆さんの表情を観察して作ったのにー」
(;`・ω・´)「いや、あんな表情して……ひょっとして会社の冷蔵庫の麦茶、麺つゆに変えたのデレさん?」
ζ(゚、゚*ζ プイッ
(;`・ω・´)つ(`゚ω゚´)「……そうなんだね。うん、あれ飲んだ時、確かにこんな顔したかもね」
(`・ω・´)「しかし、あれだね、皆揃いもそろって生菓子というものを履き違えているようだね」
\ ス ミ マ セ ー ン /
('A`)(-@∀@)ζ(゚ー゚*ζ
- 342 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 00:59:50 ID:9h4jMiQ60
-
(`・ω・´)「仕方がない。今回は私のアイデアで何とか乗り切ろう」
('A`)「社長自らですか?」
(`・ω・´)「うむ、こんな事もあろうかと密かに考えておいたのだよ」
(`・ω・´)「それがこれだ!」
\ ド ハ ゙ ー ン !/
ミ ──彡
W |::━◎┥W
V|,,,,,,,,,,,,,,,|V
|:日 日:|
彡┬┬ミ
.>亠亠<
('A`)(-@∀@)ζ(゚、゚*ζ
- 343 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 01:00:37 ID:9h4jMiQ60
-
(`・ω・´)「どうだい、この生物感溢れるデザイン!」
バイオ
(`・ω・´)「名づけて、怒りのAA・生物歯車王だ!」
('A`)「えっと……社長?」
(`・ω・´)「何かね?」
('A`)「生菓子は?」
(`・ω・´)「……」
オ シ マ イ
ミ ──彡
W |::━◎┥W┫二二フ バイオブレード
V|,,,,,,,,,,,,,,,|V
|:日 日:|
彡┬┬ミ
.>亠亠<
('A`)(※※※)ζ(゚、゚*ζ
- 344 :|::━◎┥AA生物化計画のようです:2011/09/16(金) 01:02:53 ID:9h4jMiQ60
-
Intermission
ヽ(^ω^)/
ヽ ノ
/ >
┛ ┗
あふれ出るやっつけ感。
流れが弁当屋と一緒。
変化をつける為に入れた眼鏡の意味も不明。
うん、ドンマイ。あとRXは観た事ない。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです をそろそろ終らせる。(第五章で最終章にする)
2 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです はもう少し続く。
3 ○○(※自由記述)というタイトルで○○というジャンルの短編を書く
安価
>>345
- 345 :名も無きAAのようです:2011/09/16(金) 01:29:53 ID:0ZAPzs42O
- >>344
2
短編面白い、よく短時間で思いつくな
- 346 :名も無きAAのようです:2011/09/16(金) 13:34:48 ID:wVPoDPrw0
- テンポ良いし、タイトル題もらって1日で書き上げてこれなら十分なんじゃないかな
乙
連載の方も話が動きそうな感じだな
- 347 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 00:17:08 ID:AZC19Rss0
-
予感はあった。
lw´‐ _‐ノv「ぐっど いぶにん」
誘われる様に眠りの淵に吸い込まれた僕が目を開いた瞬間、捜し求めていた彼女の顔がそこにあった。
( ^ω^)「……これは夢だお」
lw´‐ _‐ノv「ざっつ らいと」
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第五章
.
- 348 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 00:21:22 ID:AZC19Rss0
-
( ^ω^)「やっぱそうかお」
これが夢である事をあっさりと認めた彼女に、僕は満足して再び眠りに着こうとする。
夢の中でまた寝ようとするのもおかしな話だ。
この場合は起きようとした方が夢から覚めるのかもしれないが、僕はもう少し眠りたい。
lw´‐ _‐ノv「おやおや、冷たいお人だね」
( ^ω^)「基礎体温は低いお」
夢の中でまで彼女のよくわからない話に付き合う必要はない。
僕は目を閉じ、眠る体勢を維持する。
lw´‐ _‐ノv「君は私に聞きたい事が山ほどあるのではないのかね?」
( -ω-)「あるけど、今の君にじゃないお」
今の君、夢の中の彼女は、所詮僕が作り出した虚像だ。
僕の記憶とイメージで作り出されている。
- 349 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 00:27:24 ID:AZC19Rss0
-
だから目の前の彼女は、僕の知り得る範囲内でしか物を知らないし、
僕のイメージする彼女ならこう話すという態度で話して来るだけなのだ。
lw´‐ _‐ノv「ふむ、君はそう考える、と」
lw´‐ _‐ノv「しかし、そうでない可能性も無きにしも非ず、ではないかね?」
彼女が言う、そうでない可能性。
それは彼女が何らかの方法で僕の夢に介入、またはこの夢自身が彼女が作りだした物だという事だろう。
これまでの事を考えれば、ないとは言い切れない事ではあるがどうだろうか。
( -ω-)「なら君の名前を教えてくれお」
lw´‐ _‐ノv「ふむ、それは秘密としておこうか」
( -ω-)「はい、解散。やっぱ僕の夢だお」
僕が知らないのだ。
僕の夢が答えてくれるはずもない。
- 350 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 00:36:41 ID:AZC19Rss0
-
lw´‐ _‐ノv「あくまで夢と言い張るのかね」
( -ω-)「さっき自分で正解だって言ったお?」
lw´‐ _‐ノv「うむ、言ったな」
途切れる会話。
話はここで終わりだ。
これ以上話す事はない。
彼女の事は明日、目が覚めてからまた考えよう。
lw´‐ _‐ノv「どこまでが夢でどこからが現実なのだろうね」
( -ω-)「胡蝶の夢かお」
lw´‐ _‐ノv「君は意外と博識だな」
( -ω-)「ヒキニートの癖に、かお?」
無視すればいいものを、なかなか眠れない僕は律儀に答えてしまう。
- 351 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 00:43:43 ID:AZC19Rss0
-
lw´‐ _‐ノv「いや、意外でもないな。昔の君は読書家だった」
( -ω-)「そういう時代もあったおね」
僕自身の事なら、僕が作り出した彼女が知っていても不思議はない。
ある意味これは自分との対話なのだと、ふとそんな事を思った。
lw´‐ _‐ノv「これが夢なら、ここでの会話は無意味な事だと思うかね?」
( -ω-)「起きた時に忘れてしまうなら無意味だお」
僕自身との対話、自分を見つめ直すという意味では全くの無駄という事はない。
考える行為は何かしらを生み出す。
だが、それを全て忘れてしまうのなら、自分にとって何の意味も持たない。
夢を覚えている事はないわけでもないが、この夢はきっと忘れるだろうと僕は考えていた。
僕自身が忘れるのか、彼女が忘れさせるのかはわからないが。
lw´‐ _‐ノv「現実では思い出せないだけで、君自身の中には残るとしても?」
( -ω-)「意味がわからんお」
- 352 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 00:51:14 ID:AZC19Rss0
-
現実で思い出さない事に何の意味があるのか。
毎回この夢を見せられて、前回の夢の続きから話を続けてくれるというのか。
lw´‐ _‐ノv「夢の中ぐらい、現実を忘れて楽しい時間を過ごせば良いじゃないか」
( -ω-)「だったらもっと楽しい夢を見せてくれお」
いつまで経っても眠る事も出来なければ、目が覚める事もない。
律儀に彼女に答え続ける僕の所為かもしれないが、いささか不自然でもある。
( ^ω^)「ひょっとしてこれも呪いとかいうのかお?」
lw´‐ _‐ノv「答えは君の中に」
眠るのを諦め、目を開いた僕の前には依然として彼女の姿がある。
声がしているのだから当然だが、僕は眼前の彼女の姿にどこか違和感を覚えた。
( ^ω^)「今までの呪いも君がやったのかお?」
lw´‐ _‐ノv「質問しても無駄じゃなかったのかね?」
( ^ω^)「まあ、そうだおね……」
- 353 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 01:00:53 ID:AZC19Rss0
-
色々と話をしてくるが、肝心な事に答えてくれる気はないらしい。
どうせ起きたら忘れるのなら教えてくれてもいいような気もするが、どうせ忘れるのなら聞いても意味はない気もする。
lw´‐ _‐ノv「すまないな」
( ^ω^)「何で君が謝るんだお?」
lw´‐ _‐ノv「君がずっと不機嫌そうだからね。そしてそれは私の所為だから」
( ^ω^)「明晰夢はあまり好きじゃないんだお」
ただそれだけだと僕は言う。
先に彼女が言ったように、夢の中ぐらい夢だと気付かずに楽しみたいと思うから。
分析してみる夢も時に面白い事もあるが、知らずに楽しめる方が楽だ。
lw´‐ _‐ノv「騙すなら最後まで騙し続けろと」
( ^ω^)「ちょっと違う気もするけど、遠からずだお」
いつの間にかまた彼女のペースで話に付き合わされている自分がいる。
しかしそれは僕に、どこか懐かしい何かを感じさせていた。
- 354 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 01:09:29 ID:AZC19Rss0
-
( ^ω^)「ひょっとして僕自身は覚えているのかお?」
lw´‐ _‐ノv「それを私に聞くのかね?」
( ^ω^)「僕の夢だから、自問自答の様なものだお」
夢であるはずなのだが、目の前の彼女ははっきりとした意思を持っているようにも感じられた。
それが何によるものか、僕には本当の所はわからない。
しかし、先ほどから何度となく感じている違和が彼女のどこかにある。
それは……
1 この夢自体だ
2 彼女の持ち出す話題だ。
3 彼女の服装だ。
4 彼女にある懐かしさだ。
安価
>>355
- 355 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 01:11:14 ID:givpg5FoO
- 来てたか!
安価なら4
- 356 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 23:43:32 ID:BbXYr1i60
-
それは彼女にある懐かしさだ。
( ^ω^)「多分、僕は君の事を知っているんだおね」
lw´‐ _‐ノv「そう思う根拠は?」
( ^ω^)「でも、思い出せない」
僕は彼女の質問には答えず、自分の考えを述べる。
根拠は特にない。
でも、感覚的にはある。
( ^ω^)「名前も顔も、昔あったはずの思い出の一つも」
それは悲しい事なのか、それとも喜ばしい、僕が望んだ事なのだろうか。
( ^ω^)「人間は忘れていく生き物なんだお」
lw´‐ _‐ノv「それ自体は悪い事ではなかろう」
( ^ω^)「そうだおね」
- 357 :名も無きAAのようです:2011/09/17(土) 23:56:27 ID:BbXYr1i60
-
いつまでも記憶が鮮明に残るとしたら、人間はきっと生きていけない。
悲しみの記憶がずっと残ればそれに押し潰され、喜びの記憶が残ればそれにずっと溺れて、そこで止まってしまう。
( ^ω^)「僕はきっと過去の事をいつまでも引きずるタイプなんだお」
lw´‐ _‐ノv「前日のちょっとした事で、次の日にも恨み言を言ったりな」
僕は彼女の言葉に頷き、その内容には触れずに言いたい事だけを述べる。
( ^ω^)「つまり僕は記憶力はいい方なんだお」
( ^ω^)「だのに忘れてる、と」
色々と考えてみても、結局行き着くのはこの不自然な状況だ。
僕はじっと彼女の方を見詰める。
この状況を作り出した本人を。
lw´‐ _‐ノv「君の答えは出たという事か」
- 358 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:03:06 ID:RCIL7/sU0
-
( ^ω^)「まあ、推測だけど僕自身の答えはもう決まってるお」
彼女が何なのか、はっきりとした所はわかっていない。
それどころか本当に実在するのかどうかも定かではない。
何故なら、それを示す証拠が何もないのだ。
あの同窓会での目撃証言は僕以外からもありはするのだが、あれが彼女本人だったという証拠ではないのだ。
理由はわからないが、誰か別人が彼女のふりをして来ていたのかもしれない。
その誰かがそうする理由はともかく、実際そうであった時それを見破る術はないのだ。
結局僕にある証拠らしきものは、彼女自身の証言と僕のおぼろげな記憶だけ。
その記憶も、懐かしさを感じるといったような、甚だ頼りないものだ。
( ^ω^)「僕はあんまりいい想い出は持ってないお」
( ^ω^)「持ってないけど、それでも全部思い出せないというのは何だか嫌な感じだお」
- 359 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:11:05 ID:RCIL7/sU0
-
僕は知りたいと思う。
この懐かしさの正体を。
忘れてしまった僕の想い出を。
( ^ω^)「それとは別に、僕が何らかの不思議な事象に遭遇したのも事実なんだおね」
彼女が実在するか否か、そういう事に関係なく、僕は現在何か不思議な事に巻き込まれている。
( ^ω^)「色々と引っかかる事はあるんだけど、僕はそろそろ自分の答えに基づいて動くつもりだお」
そうでなければ、助けてくれる事を約束してくれたジョルジュにも申し訳が立たない。
今更そんな思いが自分に湧いたのは少し以外だったかもしれないが、僕はやはりこの生温い今が気に入っていたのだろう。
lw´‐ _‐ノv「それが君の答えかね?」
( ^ω^)「いや、これはまだ答えじゃないお」
つらつらと並び立てては見たが、これは今思っている事をそのまま述べただけで、答えに繋がる前置きのようなものだ。
本当に告げたい答えは単純で、そしてこれからの方向を決定付けるものだ。
口にだしたらそれはきっと、もう、変え様のない事実となる。
- 360 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:20:45 ID:RCIL7/sU0
-
( ^ω^)「君は僕の事を知っているお」
lw´‐ _‐ノv「うむ」
( ^ω^)「僕は君の事を知らない」
lw´‐ _‐ノv「うむ」
( ^ω^)「いや、忘れてるんだおね」
lw´‐ _‐ノv「ほう」
( ^ω^)「本当は知っているはずなんだお」
lw´‐ _‐ノv「それはつまりどういう事かね?」
( ^ω^)「君は……
1 実在する
2 実在しない
安価
>>361
- 361 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:23:43 ID:C/VZ7NGUO
- 1で
何か重要そうだな……
- 362 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:26:18 ID:RCIL7/sU0
-
( ^ω^)「君は実在する、そういう事だお」
.
- 363 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:26:21 ID:5464p.JI0
- 支援
- 364 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:32:05 ID:RCIL7/sU0
-
lw´‐ _‐ノv「……君は今、その言葉をわかった上で口にしたのかね?」
( ^ω^)「多分、質問の意味も答えもわかった上でだと思うお」
( ^ω^)「僕は魔王だから。そういう事だお?」
lw´‐ _‐ノv「君はこの夢で、自分の中で終らせる気はないという事か」
( ^ω^)「そうなるおね」
lw´‐ _‐ノv「ふむ、では君の訪問を私は待つ事にするのが筋というものか」
( ^ω^)「魔王が勇者を探して乗り込むのは逆な気がするお」
lw´‐ _‐ノv「なに、話の発端としてはまずは魔王が軍勢を率いて各地に侵攻を始めるのがテンプレートではないか」
( ^ω^)「軍勢、いても一人ぐらいだお」
( ^ω^)「一応、全く役に立たなかったオカルトマニアも入れたとしても二人だお」
lw´‐ _‐ノv「あれも役に立たなかったわけでもあるまい」
- 365 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 00:40:33 ID:RCIL7/sU0
-
( ^ω^)「まあ、そうだおね」
( ^ω^)「あれは正解に近かったお」
lw´‐ _‐ノv「うむ、言霊だな」
( ^ω^)「君が言った魔王という言葉」
( ^ω^)「それを言わせた魔王の言葉、いや、力と言うべきかお」
( ^ω^)「結局、僕自身が作り出したものなんだおね」
( ^ω^)「全て」
( ^ω^)「ひょっとしたら、こっちが本当の世界だったのかお?」
( ^ω^)「このだだっ広い、空と大地以外何もない空間が」
( ^ω^)「だから胡蝶の話だったのかお?」
lw´‐ _‐ノv「今更それを知っても詮無き事だ」
- 366 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 01:09:43 ID:RCIL7/sU0
-
( ^ω^)「だおね。もう僕が決めた方が本当の世界になってるお」
僕は言いたい事を一通り言い終えると、再び目を閉じた。
lw´‐ _‐ノv「発端を知らず答えを決めるか」
( -ω-)「最後にはわかるお」
どうせ目が覚めれば忘れてしまう事だ。
ここで至った結論も、彼女のいう僕の中には存在するのかもしれないが、それを思い出せはしないのだろう。
lw´‐ _‐ノv「ふむ、君がそれでいいなら最早私は何も言うまい」
( -ω-)「どうせ必要な事はいわないし、どうでもいい事は言うんだお」
lw´‐ _‐ノv「よくわかってるじゃないか」
( -ω-)「いい加減慣れたお」
段々と意識が薄れていく。
ようやく開放してくれるらしい。
- 367 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 01:25:35 ID:RCIL7/sU0
-
lw´‐ _‐ノv「最後に何か聞いておくことはないかね?」
( -ω-)「な──」
lw´‐ _‐ノv「今なら一つ、覚えておく事が出来るぞ?」
ない。
そう答えようとした僕は彼女の言葉に口をつぐむ。
これまでの事を考えれば、随分とサービスのいい事だ。
何か裏でもあるのか、それとも言葉通りなのか。
僕は深く沈んでいく意識の中で、咄嗟に思い浮かんだ言葉を投げつける。
( -ω-)「1 君の名前は?
2 君はどこにいる?
3 聞くだけ無駄だお
4 君から僕に言う事はないのかお? 」
安価
>>368
- 368 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 03:16:26 ID:lMtZfBa.0
- 4
- 369 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 23:19:06 ID:Cqhms9CY0
-
lw´‐ _‐ノv「それはどちらかと言えば外れの部類の選択肢だな」
( -ω-)「何を……」
朦朧とする意識の中で、彼女の声が僕の頭の中に響く。
言葉の意味を考える事は叶わず、ただそのままを受け止める。
lw´‐ _‐ノv「取り敢えず君の言う、懐かしさを求めたまえ」
( -ω-)「……」
lw´‐ _‐ノv「では、再会を祈ろう」
その言葉を最後に僕の意識は完全に失われた。
第五章 了
つづく・・・
- 370 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 23:23:08 ID:Cqhms9CY0
-
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第五章終了。
フラグと答えと方向確認回。
最終的なエンド方向は多分決定。
今後の選択次第で多少は差分範囲で変わる。
現在のフラグ状況
J + 4 S + 9 G + 5 F + 7 B + 0
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第六章を読む
2 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>371
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 371 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 23:28:31 ID:5464p.JI0
- 2
短編も面白い
- 372 :名も無きAAのようです:2011/09/18(日) 23:34:16 ID:Cqhms9CY0
- >>371
すまぬ、何かタイトル題をおくれ
- 373 :名も無きAAのようです:2011/09/19(月) 02:31:10 ID:u6YvXqrY0
- >>371 がいないようなので
タイトル題
安価
>>374
- 374 :名も無きAAのようです:2011/09/19(月) 02:49:10 ID:CgtZxaD2O
- ( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです
- 375 :名も無きAAのようです:2011/09/19(月) 23:19:05 ID:HTdymsO.0
- −※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
(^ω^)
人 人
││
┛┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 376 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:22:50 ID:HTdymsO.0
-
(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです
【TV】<「時刻は九時になりました。続きまして、台風情報です」
パリパリ
○ζ(゚ー゚*ζ
【TV】<「本日未明、進路を東よりに変えました台風は速度を上げ、関東地方に強い風雨を……」
({ζ(゚、゚*ζ「ありゃー、台風直撃コースだね」
パリパリ
({ζ(゚、゚*ζ「学校行ったツンちゃんは大丈夫かしらね?」
(∪^ω^)『おはわんおだお、デレママさん!』
ζ(゚ー゚*ζ「あ、おはよう、わんおちゃん。せんべい食べる?」
- 377 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:24:06 ID:HTdymsO.0
-
(∪^ω^)○『お? これなんだお? 食べられるのかお?』
ζ(゚ー゚*ζ「なーんてね。唐辛子せんべいなんて、わんわんおちゃんが食べるわけないよね」
クンクンオ
(∪^ω^)"○
ζ(^ー^*ζ「犬なんだから、匂いで食べられないってわかるだろうし」
パクッ!
(∪^ω^)})
ζ(゚、゚*ζ「あ……」
(∪^ω^)})
ヒャンヒャンオ!
(∪TωT)『か、辛いお!』
ζ(゚、゚;ζ「あちゃー、取り敢えずお水飲もうか」
ペロペロオ
(∪TωT)[お水]
- 378 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:25:43 ID:HTdymsO.0
-
(∪TωT)『デレママさんひどいお……』
ζ(゚ー゚*ζ「よしよし、ごめんね、わんおちゃん」
(∪*^ω^)『お! なでなで気持ちいお!』
ζ(゚、゚*ζ「しっかし、何と言うかわんおわんおちゃんって……」
ζ(-、-;ζ「お馬鹿だよねー」
(∪^ω^)○『お、何か赤いのが落ちてるお!』
クンクンオ
(∪^ω^)"○
ζ(゚ー゚;ζ「ペットは飼い主に似るっていうけど、一体誰に似たのやら」
パクッ!
(∪^ω^)})
ζ(゚、゚*ζ「あ……」
- 379 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:27:33 ID:HTdymsO.0
-
ヒャンヒャンオ!
(∪TωT)『辛いお!』
○⊂ζ(-、-;ζ「はい、お水。それと、これは回収します」
ペロペロオ
(∪TωT)[お水]
< ビュー ゴー
ガラガラガラ
⊂ζ(゚、゚*ζ「あー、本格的に風が強くなってきたね」
(∪^ω^)『お? お外行くのかお? お散歩かお!』
彡ピシャン!
ζ(゚、゚*ζ「あー、わんおちゃんは出ちゃ駄目よ。危ないからね」
(∪;^ω^)『お!? 窓閉まっちゃったお? 置いていかれたお!』
(∪TωT)『デレママしゃーん。僕もお散歩連れてっておー!』
- 380 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:31:26 ID:HTdymsO.0
- ガラガラガラ
⊂ζ(゚、゚*ζ「ふう、雨も降り出して来たか」
(∪*^ω^)『お! デレママさん、おかえりだお! 今度は僕も散歩連れてってお!』
ζ(゚ー゚*ζ「あー、駄目駄目。今外は雨ですよー」
⊃∪^ω^) ヒョイ
ζ(゚、゚*ζ「コラ、暴れないの」
⊃∪>ω<)ノシ オサンポ! オサンポ!
ζ(゚ー゚*ζ「はい、わんおちゃん、朝ごはんですよー」
(∪*^ω^)『ごはんだおー』
モグモグオ!
(∪*^ω^)『おいしいお! おいしいお!』
ζ(゚、゚*ζ「ふう。わんおちゃんはこれで良しと」
ζ(゚、゚*ζ「ツンちゃんはどうしてるかなー」
ζ(゚ー゚*ζ「ひょっとして、小学校お休みになったかもね」
- 381 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:34:12 ID:HTdymsO.0
-
ζ(゚、゚*ζ「ちょっと電話して聞いてみましょうか」
【ζ(゚ー゚*ζ「あ、もしもし、VIP小学校でしょうか……ええ……はい……」
(∪*^ω^)『おいしかったお! ごちそうさまだお!』
【ζ(゚、゚*ζ「そうですか……はい……わかりました……」
(∪*^ω^)『しあわせだおー……お?』
ζ(゚、゚*ζ「ツンちゃんもう帰っちゃったのかー」
(∪^ω^)『どうしたんだお、デレママさん?』
ζ(゚ー゚*ζ「んー? わんおちゃん、もうご飯食べちゃった?」
(∪^ω^)『さっきツンちゃんって言ってたお。ツンちゃんどうしたんだお?』
ζ(゚ー゚*ζ「うーん、おかわりはあげられないなー。最近食べさせ過ぎだってツンちゃんに怒られちゃったからねー」
(∪^ω^)『ツンちゃんどこだお? ツンちゃんは?』
- 382 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:35:26 ID:HTdymsO.0
-
ζ(゚、゚*ζ「それにしてもツンちゃん、大丈夫かな?」
(∪^ω^)『ツンちゃん! ツンちゃん!』
ζ(゚、゚*ζ「だいぶ雨が強くなって来たけど、無事に帰れるかしら?」
(∪;^ω^)『お? ツンちゃん大変なのかお?』
ζ(゚、゚*ζ「うーん、迎えに行くにも車ないしなー」
グルグルオ
(∪*^ω^)『お迎え行くのかお? ツンちゃんお迎えかお?』
ζ(゚ー゚*ζ「んー? どうしたのかな、わんおちゃん、さっきからグルグル走り回って?」
グルグルオ
(^ω^*∪)『お迎え! お迎え!』
ζ(゚ー゚*ζ「お外行きたいのかな?」
グルグルオ
(∪*^ω^)『ツンちゃんお迎え!』
- 383 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:37:14 ID:HTdymsO.0
-
ζ(^ー^*ζ「じゃあ、ちょっとツンちゃんのお迎えに行って来てくれるかな?」
ピョンピョンオ!
(∪*^ω^)『はいお! お迎え行くお!』
ζ(゚ー゚*ζ「なんてね。台風でお外は危ないから駄目だよー」
(∪^ω^)『お?』
ζ(゚、゚*ζ「さて、ツンちゃん帰って来たらずぶ濡れだろうから、お風呂でも沸かしておきますか」
(∪^ω^)『ツンちゃんのお迎えは? お迎えは行かないのかお?』
ζ(゚ー゚*ζ「駄目駄目、わんおちゃんはここで大人しく……」
(∪^ω^)『お風呂の窓開いてるお!』
ζ(゚、゚*ζ「あ……」
- 384 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:39:48 ID:HTdymsO.0
- ピョンオ!
彡(∪^ω^)
ζ(゚、゚;ζ「ちょ、わんわんおちゃん!?」
(∪;^ω^)『お外雨だお。風強いお。怖いお』
ζ(゚ー゚*ζ「ほらー、今日はお外に出られるお天気じゃないでしょ?」
(∪´ω`)『はいお』
ζ(^ー^*ζ「さ、こっちにいらっしゃい」
(∪´ω`)『おー』
ツルッ
彡(∪´ω`)"『お?』
ζ(゚、゚;ζ「あ……外に……」
ピューッ!
三(゚ω゚∪)『風で飛ばされるおー!?』
ζ(゚、゚;ζ「わ、わんおちゃん!?」
ピューッ!
三三三(TωT∪)『助けておー! デレママしゃーん!!!』
- 385 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:41:59 ID:HTdymsO.0
-
───────────
─────
─
从;'д'从「ふぇ〜、すごい雨だよー──モガッ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「わたちゃん、口空けると雨が入るから気を付けて」
从;'ー'从「うん、気を付けるよー」
ξ;゚⊿゚)ξ「この風だと傘は使えないし、合羽だけが頼りだわ」
从;'ー'从「飛ばされそうなくらい風強いねー」
ξ;゚⊿゚)ξ「飛んで来るものに気を付けてよ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「わたちゃん、運動神経鈍いんだから」
从;'ー'从「いくら私でも、そんな鈍臭くないから大丈b──」
- 386 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:44:46 ID:HTdymsO.0
- ピュー
三(TωT∪))д'从 モギュア!?
ξ;゚⊿゚)ξ「わたちゃーん!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「言ったそばから……大丈夫?」
从;'ー'从「だ、大丈夫だよー。何か柔らかいものだったし……あれ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ……」
从;'ー'从
つTωT∪) キューンオ
ξ;゚⊿゚)ξ「わんわんおじゃないの!? 何であんたが?」
从;'ー'从「あー、やっぱりツンちゃん家のわんわんおちゃんだー」
(∪´ω`)『お?』
ξ;゚⊿゚)ξ
- 387 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:47:15 ID:HTdymsO.0
-
(∪*^ω^)『ツンちゃんだおー!!!』
グルグルオ! ピョンピョンオ!
(∪*^ω^)『ツンちゃん! ツンちゃん!』
ξ;゚⊿゚)ξ「こら、回るな飛ぶな!」
グルグルオ! ピョンピョンオ!
(^ω^*∪)『おかえりツンちゃん! お迎えツンちゃん!』
ξ;゚⊿゚)ξ「いいから落ち着きなさい、そんなに跳ねてると──」
フワッ
彡(∪^ω^)『お?』
ピューッ!
三(TωT∪)『また飛ばされるおー!? ツンちゃんー!!!』
三ξ;゚⊿゚)ξ「何やってんのよ! バカー!!!」
三从;'ー'从「ふええー!? 追いかけなきゃ」
- 388 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:49:09 ID:HTdymsO.0
-
───────────
─────
─
ξ#゚⊿゚)ξ「全く……」
つ∪TωT) キューンオ
ζ(゚、゚;ζ「ごめんねー、ツンちゃん、わんおちゃんが勝手に出てっちゃって……」
ξ#゚⊿゚)ξ「いいから、タオル頂戴!」
(∪TωT) コワカッタオー
ζ(゚ー゚*ζ「あ、お風呂沸いてるから入りなさい」
ζ(^ー^*ζ「ゆうちゃんも、お家の方には電話しておくから、台風が収まるまではここにいましょうね」
ホンミョウ ワタナベユウ デース
从'ー'从「ありがとうございまーす」
───────────
─────
─
- 389 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:52:30 ID:HTdymsO.0
-
从*'ー'从「お風呂ポッカポカだったよー」
ζ(゚、゚*ζ「あ、ゆうちゃんにはツンちゃんの服、ちょっと窮屈だったかな?」
ζ(゚ー゚*ζ「主に胸の辺りが」
ξ#゚⊿゚)ξ「お母さん? ちょっとこっちにいらっしゃってくださいますか?」
ζ(゚ー゚;ζ「あ、そうそう、お昼ご飯の準備しなくちゃね」
ζ(^ー^*ζ「ゆうちゃん、ゆっくりしていってね」
从'ー'从「はーい、ありがとうございまーす」
从'ー'从「あ……」
(∪´ω`)『台風怖いおー。風怖いおー。雨怖いおー』
从'ー'从「わんおちゃん、ぐったりしてるねー」
- 390 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:55:29 ID:HTdymsO.0
-
从^ー^从「よしよし」
(∪*^ω^)『お! なでなで気持ちいお!』
パリポリ
ξ#゚⊿゚)ξつ○「全く、お母さんったら……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、わたちゃんもおせんべい食べる?」
从'ー'从「うん、食べるよー」
从'ー'从つ○「あ、これ辛いやつだよね」
(∪^ω^)『お? それ何だお?」
从'ー'从「ん? わんおちゃんも食べるの?」
クンクンオ
(∪^ω^)"○
- 391 :名も無きAAのようです:2011/09/19(月) 23:57:03 ID:nWTNrQnAO
- わんわんお可愛い
- 392 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/19(月) 23:57:17 ID:HTdymsO.0
-
ξ゚⊿゚)ξ「流石に辛いのは無理でしょ」
从^ー^从「だよねー」
パクッ!
(∪^ω^)})
ξ゚⊿゚)ξ从'、'从「あ……」
ヒャンヒャンオ!
(∪TωT)『辛いお!』
ξ;-⊿-)ξ「こいつは……」
ヒャンヒャンオ!
(∪TωT)『辛いお! お水ちょうだいお!』
(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです おしまい
- 393 :(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです:2011/09/20(火) 00:02:04 ID:9j2sJ/2g0
-
お題
台風
あとがき まず、台風に立ち向かってない。
意図してほのぼのを書くのは難しいなあ。
ある程度キャラとか決まった舞台上でお題話やるなら、まだ楽なんだけどね。
難しいというか、自分の中に何となく違和感があるような感じかな。
コレジャナイ感。
お馬鹿(∪^ω^)は大好きだけども。
从'ー'从は子供設定で名字呼びだと、不自然なので名前を付けた
渡辺『木綿』と書い『ゆう』と読ませれば、名字からも名前からも『わたちゃん』
ってあだ名が付けられるという小ネタ。
ちなみに、実際に『木綿子』って名前の子が昔同級生にいたから名前にも使える漢字なのでしょう。
次はタイトル題のやつ書く予定……の前に全部消化した短編お題を再度募集。
短編お題
安価
>>394
>>395
>>396
- 394 :名も無きAAのようです:2011/09/20(火) 00:08:30 ID:6.9N3A5YO
- 乙乙。和んだ
お題:拾い物
- 395 :名も無きAAのようです:2011/09/20(火) 00:10:46 ID:4qAZkjQM0
- 乙
お題 厨二
- 396 :名も無きAAのようです:2011/09/20(火) 10:39:05 ID:qPiHsVC2O
- お題 昼ドラ
- 397 :名も無きAAのようです:2011/09/20(火) 20:16:19 ID:6pwLlA8.O
- わんおで続きもの書いて欲しい
- 398 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:46:39 ID:F6Tg5pNA0
-
( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです
( ^ω^)ノ「おいすー、遊びに来たお」
('A`)「おう、ブーンよく来たな」
('A`)「まあ、上がれよ」
( ^ω^)「おじゃまするお」
('A`)「……あれ? お前、何かいつもと違わね?」
( ^ω^)「お?」
('A`)「ほら、何となくいつもと違ってシュッとしてるというか」
- 399 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:48:26 ID:F6Tg5pNA0
-
いつもの
( ^ω^)
('A`)('A` 約1.8ドクオ
今日の
( ^ω^)
('A`)('A 約1.6ドクオ
('A`)「な?」
( ^ω^)「流石ドクオ。よく気付いたおね」
( ^ω^)「実は僕、今日はエキセントリックなんだお!」
('A`)「は?」
- 400 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:50:15 ID:F6Tg5pNA0
-
( ^ω^)「だから、今日の僕はエキセントリックなんだお!」
('A`)「いや、意味わかんねえよ」
('A`)「二度言われた所で全くわかんねえ」
('A`)「何だよ、エキセントリックって?」
( ^ω^)「見ての通りだお!」
('A`)「いや、だから見てもエキセントリックが何なのかわかんねえし」
('A`)「何かいつもより細いなって事しか」
( ^ω^)「うーん、じゃあ、実際に試してみた方が早いお」
('A`)「試す? エキセントリックで何か出来るのか?」
( ^ω^)「じゃあ、行くお」
- 401 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:51:41 ID:F6Tg5pNA0
-
ギャーッ!
エキセントリックサンダー!
\○/ 〇
\ |//)〜〜〜
\ 〜〜<<〜〜〜
解説しよう、エキセントリックサンダーとは
屈んだ状態で身体中から放電し、触れた相手を感電させる技で、
電撃は体を覆うように発生するため判定が強いが、足元を狙われると弱い。
- 402 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:53:18 ID:F6Tg5pNA0
-
( A ) ブスブス……
( ^ω^)「どうだったお?」
(#'A`)「どうだったお? じゃねえよ!」
(#'A`)「何だよ、エキセントリックサンダーって!」
(#'A`)「つーかそれ、エレクトリックサンダーじゃねえか!」
(#'A`)「ストⅡのブランカの技だろ!」
( ^ω^)「まあまあ、丁度いいからストⅡでもやるお」
(#'A`)「何が丁度いいかわからんが、いいだろう、受けて立ってやる!」
- 403 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:54:28 ID:F6Tg5pNA0
-
───────────
─────
─
(#'A`)「お前、何でブランカばっかしか使わねえんだよ」
( ^ω^)「エキセントリック的にブランカだお」
(#'A`)「意味わかんねえっつーの!」
(#'A`)「俺のザンギエフをボコボコにしやがって」
( ^ω^)「弱パンでローリングカウンターダメージ取れるからまだマシだお」
( ^ω^)「ダイヤグラム7:3ぐらいだし」
('A`)「まあ、ガイル使われるよりマシだけどな。9:1だし」
- 404 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:55:44 ID:F6Tg5pNA0
-
('A`)「……って、そうじゃねえだろ!」
('A`)「結局、エキセントリックって何だったんだよ!」
( ^ω^)「それはそれはエキセントリックな事だお」
('A`)「だからわかんねえって言ってんだろうが!」
( ^ω^)「うーん、じゃあ、実際に試してみた方が早いお」
('A`)「嫌だよ! もう電撃は食らいたくねえよ」
( ^ω^)「大丈夫だお。さっきのとは違うエキセントリックだお」
('A`)「ホントか?」
( ^ω^)「ホントだお」
('A`)「ならいいけどさ」
( ^ω^)「じゃあ、行くお」
- 405 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/20(火) 23:57:59 ID:F6Tg5pNA0
-
ギャーッ! \\
) エキセントリックサンダー!
\○/ 〇
\ |/ <)〜〜〜
\ 〜〜〜〜〜〜〜
解説しよう、エキセントリックサンダーとは
腕をすり合わせる摩擦により電気を発生、コンピュータを狂わせる技だ。
- 406 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/21(水) 00:00:49 ID:wY/K.Bbs0
-
( A ) ブスブス……
( ^ω^)「どうだったお?」
(#'A`)「どうだったお? じゃねえよ!」
(#'A`)「一緒じゃねえか、エキセントリックサンダーって!」
( ^ω^)「さっきのとはエキセントリックに違うお」
(#'A`)「確かに、さっきのブランカに対して今度のはゲームセンター嵐だけども」
(#'A`)「結局電撃には変わりねえじゃねえか!」
( ^ω^)「エキセントリック的に」
(#'A`)「意味わかんねえよ」
- 407 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/21(水) 00:02:02 ID:wY/K.Bbs0
-
(#'A`)「そもそも誰がゲームセンター嵐ネタわかるんだよ!」
( ^ω^)「エキセントリック加齢臭」
(#'A`)「だから意味わかんねえっての!」
(#'A`)「しかも俺のスーファミぶっ壊れてるじゃねえか!」
( ^ω^)「ちゃんとコンピュータを狂わせる技だってエキセントリックに解説したお」
(#'A`)「ふざけんなよ!」
(#'A`)「エキセントリック、エキセントリックって今日のお前、全く意味わかんねえよ!」
(#'A`)「大体、エキセントリックならエキセントリック少年ボーイとかもっとわかりやすいネタ持って来いよ」
( ^ω^)「あれって、少年とボーイのかぶりが指摘されるけど、そもそもやってる人達が少年でもボーイでもないという」
(#'A`)「何でそこだけ普通に突っ込むんだよ!」
(#'A`)「ボケるならそのままボケ倒せよ!」
- 408 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/21(水) 00:04:29 ID:wY/K.Bbs0
-
( ^ω^)「エキセントリックだからだお」
(#'A`)「意味わかんねえよ!」
(#'A`)「もう、帰れ! このエキセントリック野郎!」
( ^ω^)「わかったお」
( ^ω^)「でも、最後に一つドクオに言っておく事があるお」
('A`)「何だよ」
( ^ω^)「実は僕、ドクオの生き別れのお兄さんだったんだお」
('A`)「だから意味わかんねえーっつーの!」
( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです おしまい
- 409 :( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです:2011/09/21(水) 00:05:30 ID:wY/K.Bbs0
-
Intermission
ヽ ノ
( ^ω^)
ヽ ノ-┛
┏┘
The・やっつけ。
シュールやカオスは無理臭いなと思う。
理性が邪魔をする。
多分、このスレの短編の中で一番時間かかってないと思う。
オチてないしね。
エレクトリックサンダー×2の解説はwikipedia から引用。
エレクトリックサンダー・ブランカAAは拾い物。
エレクトリックサンダー・嵐のAAはブランカ改変。
('A`)単位は創作板の雑談スレ?で見たやつから
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第六章を読む
2 ○○(※自由記述)というタイトルで○○というジャンルの短編を書く
安価
>>410
- 410 :名も無きAAのようです:2011/09/21(水) 01:40:41 ID:ml7dyooY0
- 1で
- 411 :名も無きAAのようです:2011/09/21(水) 02:04:21 ID:wY/K.Bbs0
-
( ^ω^)「朝だおね……」
新しい朝が来た。
ごく普通の朝が。
( ^ω^)「何だったっけお?」
何かの夢を見た覚えはある。
ひどく懐かしい夢だった気もする。
僕の今に大きく影響を及ぼした、そんな夢だったような。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第六章
.
- 412 :名も無きAAのようです:2011/09/21(水) 02:06:30 ID:wY/K.Bbs0
-
( ^ω^)「……思い出せないお」
僕はそれ以上夢の内容を思い出す事を諦め、ベッドから起き上がる。
時計を見ると時刻は朝の六時前。
普段の僕からすれば早すぎる目覚めだ。
( ^ω^)「まあ、昨日は随分と早寝だったからね」
まだ日のあるうちに寝てしまった事を考えると、かなり長い時間眠っていた事になる。
その所為か、身体に若干のだるさは感じるが、疲労感はない。
( ^ω^)「さて、どうするかお」
何をするにしても早すぎる時間だ。
と言っても、特に何もする事は思いつかないのだが。
( ^ω^)「ラジオ体操でもするかお」
勿論冗談だが、早起きと言えばラジオ体操というイメージが未だに残っている事を考えると、
幼少期の刷り込みはかなり効果が高いものなのだと実感する。
- 413 :名も無きAAのようです:2011/09/21(水) 02:10:35 ID:wY/K.Bbs0
-
僕は階下に降り、パンやジュース等の適当な朝食を仕入れて戻って来る。
親はまだ眠っているだろうから、起こさぬように静かに行動する事は心がけた。
取り敢えずは朝食を取る。
それが僕の見つけたやるべき事だ。
一応、他にも彼女の手がかりを探すというやるべき事もあるのだが、流石に朝も早すぎて色々と不都合だ。
まずは腹ごしらえをしておく事にする。
【TV】<「円相場の動向は以前……」
( ^ω^)
【TV】<「残暑は未だ続き……作物の……」
( ^ω^)
【TV】<「生活保護の……民国での……」
( ^ω^)「相変わらず、息の詰まるようなニュースばかりだおね」
- 414 :名も無きAAのようです:2011/09/21(水) 02:12:09 ID:wY/K.Bbs0
-
朝食を取りながら聴いていたニュース番組では、依然として暗いニュースばかりが報道される。
何でこうも閉塞感に満ちた世界になったのだろうか。
僕が子供の頃は、未来はもっと希望に溢れていた記憶がある。
( ^ω^)「それ自体が勘違いで、本当は昔っから未来はろくなものじゃなかったのかもしれないけどね」
単に昔の僕が無知だっただけなのかもしれない。
あの頃から未来は、こんな風にしぼんで行くだけの先のないものだったのかもしれないのだ。
( ^ω^)「……今日はなんだか昔の事ばかり思いだすおね」
早く起きた事が子供の頃の体験を思い出させているのだろうか。
何となく、落ち着かない気分ではあるが、同時にそれを悪くないと感じている自分がいる。
( ^ω^)「待ちに待ってた遠足の日の朝みたいな感じ?」
そう喩えてみたが、遠足をを待ち望んでいた事自体あっただろうか?
行事はその全てが億劫だと考えていたような気もする。
- 415 :名も無きAAのようです:2011/09/21(水) 02:13:26 ID:wY/K.Bbs0
-
( ^ω^)「いや、あれだけは楽しみだった覚えがあるお」
そんな僕が楽しみだと考えていた行事。
小学生時代の僕を考えてみれば、そんなものはなかった気もするが、何かが僕の中に引っかかっている。
他の皆はそれほど楽しみにはしていなかったが、僕はそれほど嫌いじゃなかった行事。
それは何だっただろうか。
( ^ω^)「1 確か写生大会じゃなかったかお?
2 確かマラソン大会じゃなかったかお?
3 確か芋ほりじゃなかったかお?
4 確か史跡巡りじゃなかったかお 」
安価
>>416
- 416 :名も無きAAのようです:2011/09/21(水) 08:45:06 ID:INB9q2NYO
- 1で
- 417 :名も無きAAのようです:2011/09/22(木) 00:16:57 ID:9Nmh6UOc0
-
( ^ω^)「確か写生大会じゃなかったかお?」
美術、いや、小学校だから図工か。
普段は一時間の授業なのだが、年に数回、丸一日かけて外で絵を描く日があった。
弁当も持参なので、ちょっとした遠足のようなものに近かったのかもしれない。
ただ、図工の時間の一環ではあるので、遠足といっても絵は描かねばならぬし、
その間は同じ場所でずっと座ってる事になるので、当時の遊びたい盛りの子供達にはあまり人気がなかった。
( ^ω^)「そういえば僕、昔は絵を描くのは嫌いじゃなかったおね」
大多数が退屈そうに絵を描く中、僕は真面目に画用紙に向かっていた覚えがある。
上手下手で言えば、そう上手い方ではなかったが、一度何かの賞をもらった事もあった。
( ^ω^)「賞といっても、佳作だったけどね」
その道を志すには到底足りず、結局の所その思い出は僕の今に何も影響を及ぼさなかったと言える。
- 418 :名も無きAAのようです:2011/09/22(木) 00:23:51 ID:9Nmh6UOc0
-
( ^ω^)「写生大会の日の朝は、こんな気持ちだったんだろうかおね?」
そんな気もしたが、実際にそうだったかはもう、確かめ様もない。
早起きはした覚えはないが、やはりどこか楽しげな気分だったと思う。
( ^ω^)「今日が楽しい日になるだろうって思う事は、今となっては皆無だおね」
ひどく寂しい自虐の呟きを口にし、僕は視線をテレビに向ける。
丁度流れていた天気予報によると、今日は快晴らしい。
長らく続いた残暑もだいぶ緩和され、ようやく秋らしい空気になるようだ。
( ^ω^)「絶好の行楽日和ってとこだおね」
奇しくも今日は土曜日。
ヒキニートである僕には何曜日であろうが関係ないが、僕以外の健全な人生を送っている方々も、
今日は休みの所は多々あるだろう。
例えば大学なんかも今日は休みのはずだ。
( ^ω^)「まあ、ヒキニートが行楽もへったくれもあったもんじゃないんですけどNE」
- 419 :名も無きAAのようです:2011/09/22(木) 00:30:04 ID:9Nmh6UOc0
-
好んで外に出てしまうと、ヒキニートのアイデンティティが揺らいでしまう。
とはいっても、ここ最近は同窓会に出たり弟者の家に行ったりと、割とヒキニートも脱却気味ではあるのだが。
( ^ω^)「……というか、なんで僕は出かける前提で考えてるんだお?」
冷静に考えてみればおかしな話だ。
たまの早起きぐらいでこんな風に考えている自分はどうかしていると思う。
( ^ω^)「子供じゃあるまいし」
そう口にはしてみたものの、どうも思考が子供化したような感じがするというのが一番説明としてしっくり来る。
多分、内容を思い出せないあの夢の所為じゃないかと思う。
理由はないけれど、何故かそう思ってしまう。
( ^ω^)「何だか懐かしい感覚……か」
僕は立ち上がり、押入れの方へと向かう。
( ^ω^)「どこに閉まってあったっかお……」
ほんの数日前に中身を漁ったばかりだが、卒業アルバム以外は特に見る事もなく、再び仕舞い込んでいた。
- 420 :名も無きAAのようです:2011/09/22(木) 00:44:14 ID:9Nmh6UOc0
-
( ^ω^)「お、この辺だおね」
卒業アルバムが入っていた箱のそばの段ボール箱。
その中に小学生時代の色々な物が仕舞ってあった。
( ^ω^)「あったお」
いくつかの画用紙に描かれた絵に古びた写生道具。
律儀にちゃんと取ってあった事が驚きだが、僕自身がそうした覚えはない。
多分親が仕舞っておいてくれたのだろう。
( ^ω^)「……下手な絵だおね」
どこかの池であろう風景。
鮮やかではない青で描かれた水面、くすんだ緑の木、曇りがちの空。
( ^ω^)「もうちょっと美化して描けばいいものを」
写生、景色をそのまま描くものなのだから、これはこれで正しいのだろうが、何だか陰気な感じで気が滅入る。
そんな子供だったのだろうという事で納得は出来るが。
僕は当時どんな顔でこの絵を描いていたのだろうか。
- 421 :名も無きAAのようです:2011/09/22(木) 00:55:14 ID:9Nmh6UOc0
-
( ^ω^)「この池は見覚えあるお」
絵の中の風景自体がどこなのかは覚えていた。
ここ最近、彼女絡みで自分の記憶に自信が持てなくなっていた部分もあったが、
どうやらこの絵に関しては大丈夫な様だった。
( ^ω^)「確か、小学校から徒歩三十分程度で行けたはずだお」
ここから小学校まで二十分弱。
合わせても一時間以内で行ける距離だ。
( ^ω^)「こっちも開けてみるかお……流石に絵の具は使えそうもないおね」
カチカチに固まってしまった赤や青の絵の具。
こうなるのはわかっていただろうから、絵の具は処分しても良かったんじゃないかと思う。
( ^ω^)「ビリジアンとかセルリアンブルーとか、青緑とか水色でいいじゃないかと思うお」
絵の具は使えそうもないので、再び段ボール箱に仕舞い込んだ。
ゴミ箱に放り込まなかった理由はわからない。
分別が面倒だと考えたのかもしれない。
- 422 :名も無きAAのようです:2011/09/22(木) 01:01:42 ID:9Nmh6UOc0
-
( ^ω^)「鉛筆だけでもいいおね」
何がいいのかわかってはいるのだが、どうも自分の思考の異常に付いていけず、流されている様な感じだ。
僕は鉛筆を手に取り、机の上の筆箱に収める。
小型のプラスチック製の鉛筆削りも出てきたから、それも一緒に入れた。
( ^ω^)「紙は……と……」
流石にまっさらな画用紙は箱の中にはない。
代わりにクロッキー徴が出てきたが、まだ使っていないページが多数あったので、それを使う事にする。
( ^ω^)「これで準備完了」
何の準備だと自分に問い質すのも馬鹿馬鹿しい話だ。
しかし、僕は何かに促されるように写生の準備を済ませていた。
( ^ω^)「……まだ時間は早すぎるおね」
ここまで準備したのだ。
折角だから時間も小学校の時と合わせて、もう少し経ってからにしようと思う。
- 423 :名も無きAAのようです:2011/09/22(木) 13:09:27 ID:f5MpMvQE0
- 今日は安価なしか
支援と乙
- 424 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 00:10:38 ID:QeB4KdvM0
-
( ^ω^)「あとは……」
準備自体は完了したのだが、再現するならもう二点ほど追加したいものがある。
( ^ω^)「弁当は買えばいいおね」
自分で作るのは少々無理がある。
この年になって料理の一つも出来ないという不甲斐ない身は、実家住まい故の事か。
一人暮らしをしたとしても、僕の事だから自炊はやらない気もするが。
( ^ω^)「で、と……」
僕は携帯電話を手に取り、ディスプレイに目を落とす。
再現するなら人手は欲しい所ではある。
気分的なものだしそんなに大量にはいらないので、一人ぐらいで十分だ。
( ^ω^)「誘えば喜んで来そうな気はするおね」
土曜日、休みの日にわざわざこんな酔狂な事に付き合わせるのもどうかと思う。
- 425 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 00:17:59 ID:QeB4KdvM0
-
しかし、先日協力を約束してくれたばかりだし、この僕の行動は恐らく彼女絡みだろうから、
連絡しないわけにもいかない。
( ^ω^)「ああ、そうかもしれんね」
ここでようやく、昨夜の思い出さなかった夢が彼女絡みだったという事に気付いた。
無意識に流していたが、そう考えれば色々と頷ける部分はある。
思い出せない中身も、突然感じた郷愁も。
( ^ω^)「さしずめ呪いの夢ってとこかおね」
( ^ω^)「何か呪いの夢というのは怖いようで怖くない様な……」
呪いという仰々しい冠詞が付いた所で中身を忘れてしまう夢なら怖がり様がない。
忘れている間に水面下で徐々に何かが進行していくタイプなら怖いだろうが、それに気付くのは最後の瞬間だろうから、
やっぱり怖がり難いと思う。
無論、彼女とは一切関係ない、ただの夢を見た可能性もあるのだが、今はその可能性は捨てておく事にする。
そうでなければ、今の僕の妙な胸の詰まりの様なもどかしい感覚の説明が付かないし。
- 426 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 00:25:40 ID:QeB4KdvM0
-
( ^ω^)つ】「取り敢えず、嫌がらせついでに電話してみるかお」
準備に多少時間を取られたとはいえ、時刻はまだ朝の七時前だ。
休日の朝に早く起こされるのは腹立たしい事だろう。
僕なら確実に電話をシカトする自信はある。
( ^ω^)】 プルルー プルルー
( ^ω^)】ガチャ
【】<「はぁーい! 私ジョルちゃん、お電話ありがとう!」
( ^ω^)】
【】<「いっぱいお話しましょうね!」
( ^ω^)】
- 427 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 00:32:17 ID:QeB4KdvM0
-
【】<「え? スリーサイズ? それはちょっとぉ……」
( ^ω^)】
【】<「で・も! あなたが──」
( ^ω^)
つ】 ピッ
( ^ω^)「何であんなにテンション高いんだお……」
思わず電話を切ってしまったが、対処としては間違っていないはずだ。
こんな朝っぱらからあのテンションは想定外だった。
徹夜でもしたのだろうか等と考えていると、ジョルジュから折り返し電話があった。
【】<「何で電話切ったん?」
( ^ω^)】「ウザかったから、つい」
【】<「もう少しオブラートに包めよ……」
- 428 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 00:40:59 ID:QeB4KdvM0
-
( ^ω^)】「何で朝からそんなに元気なんだお」
【】<「え? 別に普通だけど?」
聞く所によると、ジョルジュは毎日朝七時前には起きているという事だ。
何とも健康的な生活を送っているものだ。
だったとしてもあのテンションは高すぎると思うのだが、それは言わないでおく事にした。
( ^ω^)】「イメージ的にもっと自堕落な生活を送ってると思ってたお」
【】<「お前にだけは言われたくねえな」
( ^ω^)】「そんなことよりジョルジュ、今日は暇かお?」
【】<「暇って言うか、あの件絡みで人に会う予定だったが……」
( ^ω^)】「じゃあ、いいお」
【】<「いや、そういう振り方したなら用件ぐらい言えよ。気になるだろうが」
- 429 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 00:47:09 ID:QeB4KdvM0
-
一応、断りの電話を入れたという大義名分を得た事で話を済ませようと思ったのだが、
ジョルジュはしつこく食い下がってきた。
勘が良いのか僕の聞き方がよくなかったのかわからないが、
僕がこんな時間に電話した事自体が大事に捕らえられてる可能性もある。
( ^ω^)】「大した事じゃないお。ちょっと写生に行こうかと考えてただけだお」
【】<「え……ふ、風俗?」
( ^ω^)】「ベタだおね。取り敢えず氏ねお」
僕は覚えていない夢の事、何となく感じた郷愁のままに絵を探した事等をジョルジュに説明する。
【】<「それも呪い……だと?」
( ^ω^)】「そうと決まったわけじゃないお」
何となくそんな気がするだけだとジョルジュに言う。
実際、明確な証拠は何もない話で、僕のこの感覚に従っているだけなのだ。
- 430 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 00:55:15 ID:QeB4KdvM0
-
【】<「おk、わかった、俺も行こう」
( ^ω^)】「来んなお」
【】<「つめてえ!」
【】<「つーか、さっきのは誘いの電話だったんだろうが」
( ^ω^)】「ジョルジュは別口で情報集めようとしてたんだお?」
【】<「まあ、そうなんだが……」
( ^ω^)】「そっちそっちで頼むお」
【】<「うーん……でもなぁ……」
( ^ω^)】「こっちはほとんど思い付きのようなもんだから、気にする事はないお」
【】<「よし、わかった。俺が会う予定だったやつも連れてそっちに合流するわ」
( ^ω^)】「しなくていいお」
【】<「つめてえ!」
- 431 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 01:09:44 ID:QeB4KdvM0
-
結局僕はジョルジュの押しに負け、現地で合流する事になった。
僕の身を心配して言ってくれているジョルジュの言葉を蔑ろにする事は出来なかった。
( ^ω^)「さてと……」
約束の時間まではまだ数時間ある。
これ以上用意するものもなかったのだが、折角だから何か食料でも仕入れておこうか。
( ^ω^)「弁当以外、要はおやつだお」
僕はまた階下に降り、台所を漁ってみる。
都合よくバナナがあったので、それを頂く事にした。
あとはパンの耳があったのでそれももって行く事にする。
目的地は池だし、魚や水鳥、ジョルジュのエサとして使ってもいいだろう。
そんなこんなで僕は出かける準備を済ませ、適当に時間を潰した後、目的地に向かった。
池に着くとそこには既にジョルジュの姿があり、その隣に一つの人影もある。
あれは……
1 弟者であった。
2 僕の知らない○○(※AA指定)であった。
安価
>>432
- 432 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 08:59:36 ID:5cpwSoOs0
- 1
- 433 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 23:26:29 ID:NlyXFU.g0
- _
( ゚∀゚)(´<_` )
そこにいたのは弟者であった。
_
( ゚∀゚)「よう、ちゃんと時間通りに来たな。偉い偉い」
( ^ω^)「ジョルジュ……それは?」
僕は、それ、と弟者の方を指差す。
_
( ゚∀゚)「ん、弟者がどうかしたか? 例の件で今日会う予定だったが連れて来るって朝言っただろ?」
( ^ω^)「それはわかってるお」
状況を考えれば、弟者がここにいるのはジョルジュが連れて来たからだろうし、連れてくる理由も聞いていた。
だが僕が聞きたいのはそんな事ではないのだ。
( ^ω^)「何でこいつ、こんなフル装備なんだお?」
(´<_` )「ん、俺か? 何でと言われても写生すると聞いたからな。ちゃんと準備して来ただけだが」
- 434 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 23:43:55 ID:NlyXFU.g0
-
大き目のバッグを背負い、右手にはプラスチック製のバケツを持ち、肩と首に紐をかけ、画板を斜めに装着している弟者。
どこからどう見ても絵を描く為の姿である事はわかるのだが、そんな大袈裟な準備は必要なかった。
( ^ω^)「ジョルジュ?」
_
( ゚∀゚)「いや、俺はありのままのお前の話を伝えただけなんだがな……」
何をしに行くかは伝えたが、何を準備しろとは一言も伝えてないらしい。
つまりこれは、弟者が自主的に考えた結果という事か。
( ^ω^)「まあ、弟者の趣味が若干ずれてるのはわかってたけどさ……」
そもそも、別に絵を描く所まで付き合ってもらう必要もなかったのだが。
_
( ゚∀゚)「この格好で駅から出て来た時には全力で他人のふりをさせてもらった」
( ^ω^)「その時点で撒いておけお」
(´<_` )「お前らな……さっきから聞いてると随分な言い草だが、俺は何も間違ってないぞ?」
- 435 :名も無きAAのようです:2011/09/23(金) 23:51:44 ID:NlyXFU.g0
-
(´<_` )「物事を行うにはそれ相応の準備をする必要がある」
(´<_` )「俺は万全を期すタイプなんだよ」
_
( ゚∀゚)「形から入るタイプって感じだな」
力説する弟者と、それをからかうジョルジュ。
弟者が真面目な人間だというのは知っていたし、多少ずれた所があるのも知ってはいたが、
ぶっちゃけあまり一緒にいたくない格好だ。
(´<_` )「で、どこで描くんだ? この辺か? それとも向こうの公園辺りか?」
_
( ゚∀゚)「何でお前、そんなに張り切ってんだよ」
弟者は僕やジョルジュとは別の小学校だったから、この池にも、ここでの写生大会にも馴染みがない。
だのに一番張り切っているのは謎だが、そのもの珍しさ故なのかもしれない。
それか本来の目的も伝えてあるはずなので、オカルトマニアの弟者としては張り切るのも当然とも言えるか。
僕の本来の目的、懐かしさに導かれるようにこの場に来た意味。
彼女の手がかりを探す為だ。
- 436 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 00:11:29 ID:NWzWkgI60
-
( ^ω^)「こないだは悪かったお。それと、今日も」
(´<_` )「ああ、いや、こないだはどっちかと言うと俺の方が悪かったかなと。すまんな」
先日僕が訪れた時、つい熱くなって僕を放っておいて議論に興じた事は弟者も気にしていた様だ。
仲良き事は美しきかなと、僕は生暖かい視線を贈る。
(´<_`;)「いや、あいつはそういうんじゃなくてだな……」
もっとも適した言葉は論敵だと弟者は言うが、ああやって遠慮なく本気で議論できる相手がいる事は良い事だと思う。
( ^ω^)「で、ジョルジュから話は聞いたんだおね?」
(´<_` )「一応な。お前が厄介ごとに巻き込まれてるとか」
僕に付き合うことで危険があるかもしれないという事は弟者も理解しているという。
むしろ望む所だと、目を輝かせていたのを見ると、流石オカルトマニアといった所か。
( ^ω^)「ありがとだお。全部終ったらあのゲームは弟者にやるお」
(´<_` )「その時は効力なくなってそうだがな」
- 437 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 00:17:25 ID:NWzWkgI60
-
(´<_` )「いや、礼はいらん。俺を存分に巻き込んでくれることがある意味礼のようなもんだしな」
_
(;゚∀゚)「こいつの趣味だけは一生理解出来ない気がするわ」
どちらかと言えば、僕もジョルジュと同意見なのだが、こういう場合は頼もしいとも言える。
( ^ω^)「んじゃ、取り敢えず適当にぶらついて良さそうな場所を探すお」
_
( ゚∀゚)「うし、行くか」
(´<_` )「ちょっと待った」
( ^ω^)「何だお?」
(´<_` )「今日ここに来たのって、小学生時代の再現のようなものなんだよな?」
( ^ω^)「そうだお。時間帯と、季節も確かこの時期にも来た事があったはずだお」
(´<_` )「だったらなるべく再現出来るものは再現した方がいいな」
なるべくその状況を再現した方が、心霊現象は起こしやすいものだと弟者は言う。
心霊現象を起こしたいわけじゃないのだが、昔を思い出すという意味では弟者の言う事も一理あるかもしれない。
- 438 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 00:24:14 ID:NWzWkgI60
-
ただ、その場合は問題点が一つ。
_
( ゚∀゚)「再現はお前の行動だけでいいんじゃないか?」
すぐさまその問題点に気付いたのか、ジョルジュが口を挟む。
確かこういうイベント事は僕はほとんど一人で行動していたから、再現するとなるとジョルジュとは別行動になってしまう。
もっとも、この場には当時いなかった弟者もいるし、あくまで今回の事は僕に起因するはずだ。
僕自身の行動を皆でなぞれば良いと思う。
( ^ω^)「そうするかおね」
僕は頷き、池に沿って歩き出す。
ジョルジュと弟者はそれを追ってついて来るが、正直弟者とはちょっと距離を取りたくもある。
すでに画板は腹に押し当てて斜めにセットされ、時折鉛筆を目の前にかざしてそれっぽい仕草を繰り返しているその姿は、
何というか休日の爽やかな朝にそぐわなく思える。
( ^ω^)「どこかで撒くかお……
(´<_` )「おい、何か今こっそり不穏なこと口走らなかったか?」
- 439 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 00:31:31 ID:NWzWkgI60
-
ぽつりとつぶやいた言葉を弟者は耳聡く拾う。
周りが静かなので聞こえてしまった様だ。
( ^ω^)「静か?」
ふと僕はそこにある違和感に気付いた。
( ^ω^)「……今日は休日だおね?」
_
( ゚∀゚)「土曜だから、そうじゃない人間もそれなりにいるだろ」
僕は足を止め、周囲を見渡した。
そう大きな池ではないが、公園も併設され、朝の散歩コースとしてはそこそこ賑わっていてもおかしくない。
交通量の少ない通りのそばだし、若奥様達が子供を遊ばせる場所としては良い環境だ。
休日ともなれば若いお父さんと一緒に子供が走り回っていてもおかしくない。
(´<_` )「少し静か過ぎるな」
どうやら弟者は僕の質問の意図に気付いたようで、僕と同じように周囲を見渡す。
そこには人っ子一人見当たらない。
- 440 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 03:17:58 ID:B.cNPyX6O
- 支援、今日はここまでかな
読ませる文章なのにブーンの発言箇所で
ところどころ笑ってしまう
- 441 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 23:42:08 ID:bsOQkyE60
- _
( ゚∀゚)「ここって、こんなに寂れてたっけ?」
僕の小学生時代からある公園だ。
最近出来たというわけでもないから、所々施設は老朽化していて年季を経た印象は受ける。
しかしそれとは別の寂れ方をしているような気がする。
具体的に言えば人の気配が全くしない。
( ^ω^)「人気がなさ過ぎるおね」
どうやら早くも当たりを引いたのかもしれない。
思い出を辿る間もないほどの急展開に、僕はため息をついた。
_
(;゚∀゚)「えーっと……内藤さん?」
僕と弟者の様子で状況に気付いたのか、僕の顔を覗き込み、恐る恐る尋ねるジョルジュ。
僕自身は、またか、といったようなどこか達観したような感想を抱いているが、
怖い話が苦手なジョルジュには何度も心霊現象に会うような自体は笑い事ではないのだろう。
その可能性がある事はわかっていて僕に協力する事を決めたはずだが、
どこかでそう何度も起こるはずはないと高を括っていた部分があったのかもしれない。
- 442 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 23:48:22 ID:bsOQkyE60
-
( ^ω^)「ジョルジュ」
_
(;゚∀゚)「何だよ」
( ^ω^)「何かごめん」
_
(;゚∀゚)「謝んなよ。何か起こる事確定みてえじゃねえか」
( ^ω^)「みたい、と言うよりは……」
(´<_`*)「確実に起こるな、これは」
_
(;゚∀゚)「何でお前、そんなに嬉しそうなんだよ」
( ^ω^)「多分、彼は嬉しいんでしょうお」
対照的な反応を見せる二人を前に、僕はこれからの事を考えていた。
何か起こるのであろう事はわかっていたが、実際には何が起こるのだろうか。
出来れば危険なのは勘弁願いたいのだが、池や公園で起こる心霊現象といえば何があるだろうか。
- 443 :名も無きAAのようです:2011/09/24(土) 23:55:31 ID:bsOQkyE60
-
( ^ω^)「弟者、こういった所で起こる心霊現象っていったら何があるかお?」
(´<_` )「そうだな……、池や公園限定というのはそうないが」
(´<_` )「水関係なら色々思い付く」
_
(;゚∀゚)「引きずり込まれるとかか?」
(´<_` )「ああ、そういうのもあるが、奇妙な水棲生物なんかの話もよくあるだろ?」
( ^ω^)「河童とかかお?」
(´<_` )「そうそう。他にも大蛇や人魚、半漁人とか色々な」
_
(*゚∀゚)「人魚!」
( ^ω^)「西洋風は何かイメージにそぐわないおね」
(´<_` )「呪いってイメージにか? 一応、西洋にもそういう概念はあるんだがな」
- 444 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 00:04:43 ID:UNTBTeTU0
-
(´<_` )「しかし、言っている意味はわからん事もない」
この辺りの風景はどう見ても日本のそれであるから、西洋的な妖怪は似合わないと思う。
弟者もその点は同意見な様で、風情は必要だと主張する。
妖怪に風情というのもどうかと思うが。
(´<_` )「日本的な水妖だと、まずはお前が挙げた河童だろうな」
(´<_` )「他は水虎、濃ヶ池、船幽霊……はちょっと違うな」
(´<_` )「だが河童以外はマイナーだな」
_
( ゚∀゚)「そのマイナーなのをさらっと挙げられるお前が嫌だ」
( ^ω^)「僕的には、釣り上げられる怪獣の赤ん坊という、湖のひみつが思い浮かんだお」
(´<_`;)「そのネタわかるやついるのか?」
色々と挙げてはみたが、その手の生き物関係は若干呪いとは方向性が違う気がする。
僕の置かれた状況的に何かしら出て来てもおかしくはないのだが、日は高いし、池は狭いしで雰囲気は出ていない。
- 445 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 00:10:29 ID:UNTBTeTU0
-
( ^ω^)「まあ、取り敢えず絵を描いてた場所に行ってみるお」
僕の言葉に二人は頷く。
警戒はするが、ここで立ち止まっていても仕方がないので先に進む事にした。
( ^ω^)「確かこの辺だったはずだお」
それから五分ほど歩き、目的の場所に辿り着いた。
ここに着くまで誰ともすれ違わなかったのは、想定の範囲内かもしれない。
小学生時代、何度かこの場所に来ているので、絵を描いた場所は複数あるが、今日来たのは今朝見た絵の場所だ。
多分、あれを描いたのはこの季節だったはずだと記憶している。
(´<_`*)「ほう……」
_
(;゚∀゚)「ここかよ……」
僕の指し示した場所に、二人は対照的な反応を見せる。
これといって特徴のない池に沿った道の端、街路樹のそばに座って描いていたはずだ。
- 446 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 00:21:41 ID:UNTBTeTU0
- _
(;゚∀゚)「いや、特徴ないって……俺には十分すぎるほどあるように見えるんだが」
( ^ω^)「池以外は木と水草ぐらいしかないお?」
_
(;゚∀゚)「その木がまず問題だよな」
(´<_`*)「柳とはまたいかにも風情がある」
_
(;゚∀゚)「んで、これ、水草とは言わないだろ」
( ^ω^)「水の中から生えている草だから、水草でいいんじゃないかお?」
_
(;゚∀゚)「何か違うだろ。何だっけ、これ? 蒲とかそういうのだろ? やたらと背の高い」
蒲かどうかは知らないが、いわゆる水中に生える水草とは違う、その手の植物だ。
葉の枯れた薄い茶色の棒状の物が水中から伸び、視界を埋め尽くす。
_
(;゚∀゚)「かろうじて池は見えるけどさ、何でこんなとこで描いてたんだよ」
( ^ω^)「そんなの僕が聞きたいお」
- 447 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 00:27:47 ID:UNTBTeTU0
-
理由は何となく覚えているが、今は言う必要はないだろう。
多分、人目を避けたかったとかそういう理由だ。
サボろうとか思っていたわけじゃなく、ただ静かに描くために。
(´<_` )「なかなか良い場所じゃないか」
_
(;゚∀゚)「お前の趣味には同意しかねるって言ってんだろ」
尚も言い争う二人にはかまわず、僕は池の淵に腰掛ける。
草の上に尻を着けた時、ズボンが汚れるのだろうなと少し気にしてしまった。
子供の頃はきっとそんな事は一切気にしてなかったと思う。
( ^ω^)(視線も高いおね……)
座ってから見た景色は、あの絵の中の風景と少し違うと感じたが、すぐにそれは自分自身の所為だという事に気付いた。
僕は両手を斜め後ろに伸ばして地面に着け、体を後ろに倒して視線を下げて見た。
( ^ω^)「こんな感じかおね」
これで絵の中の風景にだいぶ近くなったが、まだどこか違う様な気もする。
単に気持ちの問題なのかもしれない。
- 448 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 00:37:15 ID:UNTBTeTU0
-
(´<_` )「ふむ、この辺りの風景は味わい深いものがあるな」
いつの間にか僕の隣に弟者が座って絵筆を構えていた。
肩膝を立て、絵筆を縦に構える姿はどこか間違っている印象を受ける。
( ^ω^)「つーか何でベレー帽被ってんだお」
(´<_` )「画家といえばベレー帽だろ」
_
( ゚∀゚)「やっぱお前、形から入るタイプだろ」
僕らのツッコミはどこ吹く風と、弟者は早速画板に画用紙を広げ、下書きを始める。
鉛筆で描くのならさっきの絵筆は何だったのかと問い詰めたいが、恐らく無駄なので放置する事に決めた。
(´<_` )「で、お前は描かないのか?」
_
( ゚∀゚)「別に絵を描きに来たわけじゃねえし」
あくまで僕の付き添いだと言うジョルジュ。
僕としてはそれで良いのだが、なぜか弟者はジョルジュにも絵を描くように勧め始める。
(´<_` )「そんな事もあろうかと、鉛筆や画用紙は余分に持って来てあるぞ」
- 449 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 02:14:53 ID:UNTBTeTU0
-
(´<_` )「残念ながら画板はないが」
_
( ゚∀゚)「別にいいっての」
(´<_` )「他にも釣竿もあるが」
_
( ゚∀゚)「何でそんなもんまであんだよ」
どれだけ準備万端なのか、弟者はバッグの中から折り畳み式の釣竿を取り出す。
オカルト好きだけでなくアウトドア好きだったのは知らなかった。
とはいえ、弟者は本来リア充寄りなので、そういう趣味も持ち合わせているのだろう。
ロリコンだけども。
(´<_` )「じゃあ、フリスビー投げるから取って来るか?」
_
( ゚∀゚)「俺は犬かよ」
尚も色々と勧めている弟者に便乗し、僕もジョルジュに提案してみる事にした。
( ^ω^)「1 ジョルジュも絵を描くといいお
2 ここで釣りすると面白いのが釣れるかもしれないお
3 いっそ泳いでみるかお?
4 自由行動でいいんじゃないかお? 」
安価
>>450
- 450 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 12:19:28 ID:uIDgCzoY0
- 3
- 451 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 23:00:01 ID:8Dm81Umw0
-
( ^ω^)「いっそ泳いでみるかお?」
_
( ゚∀゚)「お前はお前で、何でそんなさらっとひでえ事言うんだよ」
( ^ω^)「僕としてはジョルジュの事を考えて言ったつもりだお」
_
( ゚∀゚)「どこがだよ」
現在の状況は、何か出そうな雰囲気である。
恐らくこのまま黙々と絵を描いていると何かが起こる事は必至だ。
( ^ω^)「これまでの傾向からして、起こるとしたらベタな何かだと思うお」
柳の木から何かが垂れて来るとか、水の中から這い出てくるとか、そんなベタなもの。
_
(;゚∀゚)「オーソドックスなのは地味に怖いよな」
( ^ω^)「でもそれは、このまま何もしなかったら、だお」
_
( ゚∀゚)「どういう事だ?」
- 452 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 23:11:47 ID:8Dm81Umw0
-
柳の下に陣取り、池の方に向けて座る。
これでは如何にも柳からも池からも出てきて下さいと言わんばかりの布陣だ。
_
( ゚∀゚)「確かに」
_
( ゚∀゚)「けど、何でそこで泳ぎが出て来るんだ?」
( ^ω^)「このオーソドックスな状況を崩す為だお」
この如何にもな状況、それを崩せば起こるものも起こらなくなってしまう。
例えば誰かが賑やかに泳いでいたら、池からひっそりと何かが浮かび上がってくるなんて状況は起こらないかもしれない。
_
( ゚∀゚)「なるほど……それなら大丈夫かも……」
(´<_` )「その場合は、その泳いでるやつが池に引きずりこまれるシチュエーションが出来そうだけどな」
( ^ω^)「ジョーズとか出るかもしれんおね」
_
(;゚∀゚)「駄目じゃん!」
折角僕が適当にでっち上げてジョルジュを丸め込もうとしていたのに、あっさりと弟者が水を指してくれた。
思わず僕も乗っちゃったけど。
- 453 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 23:17:41 ID:8Dm81Umw0
-
( ^ω^)「まあ、でも、まだ夏は終ったばかりだし、泳ぐと気持ちいいかもしれんお」
_
(;゚∀゚)「今日はだいぶ涼しい、秋らしい日になってんだろうが」
_
(;゚∀゚)「何でそんなに俺を泳がせたいんだよ」
( ^ω^)「ちょっと場を和ませたかっただけだお」
不満顔でぶつぶつと文句を言うジョルジュに、僕は冗談だと告げる。
大体、彼女の手がかりを探しに、何かを起こしに来ているのに、その何かを起こさなくする必要はないのだし。
_
(;゚∀゚)「だよなぁ……。結局は何か起こんなきゃ話にならねえんだよな」
( ^ω^)「そういえばジョルジュはその件で弟者に相談に行こうとしていたんだおね?」
なし崩し的に弟者もこの場に来る事になったが、ジョルジュはどこまで弟者に話したのか。
先の弟者の言では、僕が厄介ごとに、
それも心霊現象に関わる物に巻き込まれているという所までは理解している様ではあった。
_
( ゚∀゚)「ああ、そうだった。電話ではなんだったから、簡単な説明だけで詳しくは会ってからって思ってたんだっけ」
- 454 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 23:27:17 ID:8Dm81Umw0
-
( ^ω^)「じゃあ、発端の話とかはまだなんだおね」
(´<_` )「発端? あれはお前の家に呪いのゲームが現れてから始まったんじゃなかったのか?」
弟者の家に行った時、結局その事は話せず仕舞いで帰って来てしまった。
話す順番を間違ったというか、予想以上に弟者が呪いのゲームの実物に食い付いた上に、妙な論争が発生してしまった故にだ。
( ^ω^)「元々は僕が同窓会で一人の女性に会った事から話は始まってるんだお」
僕は、部分的には自分の推量も含んでいると前置きし、これまであった事を弟者に説明する。
弟者は終始無言で僕の話を聞き入っていた。
( ^ω^)「というわけで、今日は見た覚えはあるけど中身は覚えていない夢に導かれてここに来たんだお」
_
( ゚∀゚)「改めて聞くと、何とも変な話だよな」
( ^ω^)「それぞれの繋がりと、そもそもの目的がよくわからんおね」
僕の言葉に、ジョルジュは大きく頷く。
彼女の目的、それが全く見えて来ないのが一番のネックだという僕の考えにジョルジュも同意見らしい。
- 455 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 23:35:25 ID:8Dm81Umw0
-
( <_ )「……」
( ^ω^)「弟者?」
僕の話の後、俯いて何事かを考えていた様だった弟者が全く動く気配がない。
不審に思った僕は、弟者に声をかけてみた。
( <_ )「……す」
_
( ゚∀゚)「す?」
(´<_`*)「素晴らしい!」
( ^ω^)「……ああ」
(´<_`*)「何だその素敵な出会いは!
(´<_`*)「目撃者多数なのに誰もその名前を知らないとは、素晴らしくミステリアスじゃないか!」
_
(;゚∀゚)「いや、そんないいもんじゃ……」
- 456 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 23:51:52 ID:8Dm81Umw0
-
(´<_`*)「で、ブーンは話の細部は覚えているのに、肝心な部分だけを忘れてると」
( ^ω^)「うん、まあ……」
(´<_`*)「snog?」
( ^ω^)「それ、なんてオカルトゲー? そんな略語はねえお」
(´<_`三´_>`)「うおおおおお、テンション上がって来た!」
どうやら弟者は僕の話がいたくお気に召したらしい。
オカルトマニアの弟者からすれば、垂涎もののシチュエーションなのかもしれないが、僕にはその良さは到底理解出来ない。
_
( ゚∀゚)「……悪い、相談相手間違った」
( ^ω^)「仕方ないお。僕も一度は相談相手に選んだぐらいだし」
これまでの付き合いで一度も見たことないようなテンションで騒ぐ弟者を余所に、僕とジョルジュと反省会を始めていた。
"(´<_`三´_>`)"「うおおおおおおおおおお!!!」
( ^ω^)(うるせえ……)
- 457 :名も無きAAのようです:2011/09/25(日) 23:59:30 ID:8Dm81Umw0
-
それから約十分後、やっと落ち着いてきた弟者に今後の相談をする事にした。
高いテンションがウザい事この上ないが、弟者のオカルト知識自体は当てに出来る。
(´<_` )「今日ここに来たのは、具体的な当てがあってというわけじゃないんだったな」
( ^ω^)「どちらかと言えば思い付きの類と、他に当てがないからだお」
(´<_` )「だったら待つしかないか」
_
( ゚∀゚)「うわ、役に立たねえ」
(´<_` )「馬鹿、ブーンは既に彼女の呪いの一環の中にいるんだぞ?」
(´<_` )「その彼女に導かれて来たのなら、必ず向こうからアプローチがあるはずだ」
先も述べたように、半分は思い付きの様なものなので、待つだけで何とかなるかどうかは難しい所かもしれない。
加えて、弟者が言う様な、彼女に何かしらの意図があるかどうかも定かではない。
( ^ω^)「他にやる事もないし、しばらく絵を描いてみるかお」
(´<_` )「うむ」
- 458 :名も無きAAのようです:2011/09/26(月) 00:06:24 ID:2pvRHDNY0
- _
( ゚∀゚)「……俺は?」
( ^ω^)「泳ぐかお?」
_
( ゚∀゚)「嫌に決まってんだろうが」
(´<_` )「暇なら適当に散策でもして来い」
_
( ゚∀゚)「じゃあ、そうす──」
(´<_` )「ただこういった場合、一人別行動取ったやつが何かに巻き込まれてってシチュエーションが……」
_
(;゚∀゚)「止めとくわ。お前らが描いてるのを見てるよ」
あまり冗談になっていない弟者の言葉に、ジョルジュは地面に座り込む。
心なしか、こちらに身を寄せてくるのが若干気持ち悪い。
( ^ω^)「じっと見られてると描きづれえお」
_
( ゚∀゚)「ケチケチすんなよ。おお、何か上手そうに見えるな」
( ^ω^)「こういうのは下描きの段階では大体上手そうに見えるもんだお」
- 459 :名も無きAAのようです:2011/09/26(月) 00:17:04 ID:2pvRHDNY0
- _
( ゚∀゚)「そうか? あっち見てるとそうは思えないんだけど」
( ^ω^)「あっち?」
僕はジョルジュがあっちと指差した方、弟者の絵を後ろからこっそり覗き込んでみる。
( ^ω^)「うわ……」
思わず驚愕の声が漏れるほど弟者の絵は凄まじかった。
歪な線の重なり合わせで出来ている池から、妙に太い例の水草らしきものが生えている。
多分、柳と思われる木には真四角な葉っぱらしきものが刺さっていた。
見ていると何か不安な気持ちになる絵だ。
( ^ω^)「何、この画伯?」
そんな僕の呟きも、当の本人は全く耳に入らないくらい集中している様だ。
一心不乱に鉛筆を動かし、時折視線を上げて鉛筆を目の前にかざしてはまた画用紙に向かっている。
- 460 :名も無きAAのようです:2011/09/26(月) 00:25:55 ID:2pvRHDNY0
- _
( ゚∀゚)「な? 下描きでも駄目なもんは駄目だろ?」
( ^ω^)「だおね」
ジョルジョの言葉には頷いたが、実はこれでもまだマシな方なのかもしれない。
これに色が付いたら、一体どんな事になるのやら。
( ^ω^)「これが呪いの絵画というオチは勘弁願いたいお」
_
( ゚∀゚)「無いとも言い切れないのが嫌だな」
僕は苦笑いを返し、自分の絵の方に向かった。
何となく、自分が描いた物にしては上手いような気がしたのは弟者の絵のお陰かもしれない。
ただ、しばらく描いてはいないとはいえ、小学生時代よりは上手くなっているはずだ。
( ^ω^)(でもきっと、昔よりは余計な事を考えて描いてるおね……)
今の弟者ほどではないが、当時の僕も一心に絵を描いていた覚えがある。
今になって思えば、絵を描く事はやはり好きだったのかもしれない。
そうでなければ、覚えて無い夢が写生大会の事を思い出させてくれるとは思い難い。
- 461 :名も無きAAのようです:2011/09/26(月) 00:44:20 ID:D8zp6MAUO
- 弟者wwwwwwwww
- 462 :名も無きAAのようです:2011/09/26(月) 08:43:57 ID:B0YDc0yI0
- どんだけひどいんだよwww
- 463 :名も無きAAのようです:2011/09/26(月) 23:22:45 ID:6O5Q2o5c0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
ヽ /
(^ω^)┏
┌ヽ ノ┘
┛
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 464 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:24:13 ID:6O5Q2o5c0
-
「駄目よ──こんな所で──」
「ああ───るよ……でも、辛いな───」
「それは言わないで」
「すまない」
「ううん───それにもう少しの辛抱───」
「そうだね──あれが──れば───必ず───」
「ええ、愛してるわ」
「僕もだよ」
__
|
(゚、|
.| つ
|
(゚、゚トソンかせいふはみたようです
- 465 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:25:58 ID:6O5Q2o5c0
-
〜 数日後 〜
コンコン
∩(゚、゚トソン「旦那様、朝食のご用意が整いました」
(゚、゚トソン
コンコン
∩(゚、゚トソン「旦那様?」
(゚、゚トソン
ガチャリ
⊂(゚、゚トソン「失礼します」
(゚、゚トソン「旦那様、朝食のご用意が……」
(゚、-トソン「これは……」
- 466 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:27:03 ID:6O5Q2o5c0
-
〜 応接室 〜
(;´∀`)「いない? どういう事モナか?」
(゚、゚トソン「言葉通りです、旦那様の次女の夫でいらっしゃるモナー様」
(;´∀`)「いないじゃすまないんだモナ! どこに行ったんだモナか?」
(゚、゚トソン「それは私の方も申し付かっておりませんので」
(゚、゚トソン「それにそもそも……」
(#´∀`)「何でこの家の事を一手に預かってるお前が知らないモナか!」
( ・∀・)「まあまあ、落ち着きなよ義兄さん」
(゚、゚トソン「旦那様の三女の夫でいらっしゃるモララー様、お出ででしたか」
( ・∀・)「お義父さんに呼ばれたんでね」
- 467 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:29:07 ID:6O5Q2o5c0
-
(゚、゚トソン「旦那様が、でらっしゃいますか?」
( ・∀・)「ああ、そうだが? 何かおかしいかい?」
(*゚∀゚)「ああ、おかしいねえ」
(゚、゚トソン「旦那様の次女のつー様、その件は……」
(*゚∀゚)「いいっていいって。こいつにははっきり言っておくべきだろ」
(*゚∀゚)「お父様はあんたの事、全く信用して無いし、嫌ってた」
(*゚∀゚)「だからあんたが呼ばれる事はおかしいってさ」
( ・∀・)「まあ、気に入られてなかった事は認めますがね」
( ・∀・)「そんな僕でも、一応この荒巻コンツェルンの中じゃ一番業績を上げてますから」
( ・∀・)「お義姉さんのとこと事は違いましてね」
(#´∀`)「モナ!?」
- 468 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:31:12 ID:6O5Q2o5c0
-
(*゚∀゚)「はっ、言うねえ……」
( ・∀・)「そういったわけで、仕事の兼ね合いで好きじゃなくても話さなきゃならない事もあるもんでしょう?」
(*゚∀゚)「ふーん……まあ、そういう事にしといてやるよ」
( -∀-)「そりゃどうも」
(#´∀`)「それで、お義父さんはどこモナ?」
(゚、゚トソン「ですから、私共には何もおっしゃらずに……」
(#´∀`)「それはさっき聞いたモナ!」
(#´∀`)「モナが聞きたいのは、どこに行ったかの手がかりはないモナかって事モナ」
(#゚;;-゚)「モナモナうるさいと思ったら……また今日も来てたんですね、モナー義兄様」」
(゚、゚トソン「おはようございます、旦那様の四女のでぃ様」
(#゚;;-゚)「おはよう、トソンさん」
- 469 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:33:05 ID:6O5Q2o5c0
-
(#゚;;-゚)「さっきからなんでいちいち、名前の前に立場をつけて呼んでるの?」
(゚、゚トソン「尺という大人の都合です、旦那様のお子様のうち唯一未婚の年若いでぃ様」
( ・∀・)「やあ、でぃちゃん、ご機嫌麗しゅう」
(#゚;;-゚)「おはようございます、モララーさん」
(*゚∀゚)「ところであんた、お父様から何か聞いてない?」
( ´∀`)「そ、そうモナ、ずっとこの家にいたでぃちゃんなら何か聞いてるんじゃないかモナ?」
(#゚;;-゚)「お父様から? 特には何も……」
(;´∀`)「何もないモナか? ほら、今日はどこかへ出かけるとか、誰かと会うとか」
(;#゚;;-゚)「ちょ、離してください。私は何も……」
サッ
(;#゚;;-゚( ・∀・)「失礼、義兄さん、レディにいきなり掴みかかるのはどうかと思いますよ?」
- 470 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:34:29 ID:6O5Q2o5c0
-
(;´∀`)「しかし──」
( ・∀・)「彼女は何も聞いていないと言ってますし、この状況から我々は別の可能性も考えねばならない」
(;´∀`)「別の可能性?」
( ・∀・)「都村君、君は昨夜から今朝にかけて、お義父さんが出て行く所に気付かなかった、そうだね?」
(゚、゚トソン「はい。そもそも私の私室は旦那様の部屋と離れておりますし、気付き様もないのですが」
(゚、゚トソン「ただ、それに関しては他の者の証言があります」
(*‘ω‘ *) 「ちんぽっぽいん!」
( ´∀`)「おお、ちんぽっぽ、お前はここで働いていたんだったな」
(*‘ω‘ *) 「ちんぽぽっぽいん!」
( ´∀`)「ちゃんと勤めているか? 紹介した私の顔を潰すような真似はしてないだろうな?」
(*゚∀゚)「そういう思い出話は後でやんな」
(*‘ω‘ *) 「ちんちんぽいん!」
- 471 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:37:19 ID:6O5Q2o5c0
-
(゚、゚トソン「守衛のちんぽっぽによると、旦那様が出かけた姿は目撃されておりません」
(;´∀`)「な、何だってモナ?」
(*‘ω‘ *) 「ぽっぽっちん!」
(゚、゚トソン「旦那様の車は残されており、その他の車もちゃんとあるとの事です」
(;´∀`)「な、ならお義父さんは……」
( ・∀・)「この家の中にいるか……」
(*゚∀゚)「守衛の目を掻い潜って誰かに連れ去られた、ってとこかね」
(#*‘ω‘ *) 「ちんちんぽっぽ!」
(゚、゚トソン「旦那様が連れ去られたわけはない。出口は二十四時間体勢で監視されているし、カメラも設置されている」
(゚、゚トソン「昨晩は夜九時以降、誰の出入りもなかったとちんっぽっぽは申しております」
( ・∀・)「ふむ……その線はひとまずおいておくとして、昨夜お義父さんは何時ごろお休みだったのかな?」
- 472 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:39:41 ID:6O5Q2o5c0
-
(゚、゚トソン「最近、体調が優れないとの事で、床に着かれるのはだいぶ早くなっておりました」
(゚、゚トソン「昨夜も十時ごろにはお休みだったはずです」
(゚、゚トソン「一応、確認いたしましたが、ベッドに就寝された形跡はありました」
(*゚∀゚)「へえ、よく観察してるねえ。まるで聞かれる事がわかってたみたいだね」
(゚、゚トソン「仕事ですので。様々な可能性を考慮した結果です」
(*゚∀゚)「でぃ、あんたはお父さんが何時に寝たのか覚えてるかい?」
(#゚;;-゚)「……」
(*゚∀゚)「でぃ?」
( ・∀・)「でぃちゃん?」
(#゚;;-゚)「え? あ、はい、なんでしょう?」
( ・∀・)「お義姉さんが聞いてるよ、お義父さんが昨日何時に就寝なされたのかって」
- 473 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:41:33 ID:6O5Q2o5c0
-
(#゚;;-゚)「あ、はい。先ほどのトソンさんの説明で間違ってないです」
(#゚;;-゚)「私もお父様がご就寝なさると言って部屋にお戻りになられる姿は見ました」
(*゚∀゚)「ふーん……」
( ・∀・)「それで、何を考えていたのかな?」
(#゚;;-゚)「え?」
( ・∀・)「いや、ほら、お儀姉さんの質問が聞こえないほど何かを考えていたみたいだったし」
(#゚;;-゚)「あ、はい、その昨夜の話です」
(;´∀`)「さ、昨夜やっぱり何かあったモナか?」
(;#゚;;-゚)「い、いえ、その、お父様に何かあったという話ではなく、その……」
(#゚;;-゚)「昨夜の夜九時以降、誰も人の出入りがなかったという話が引っかかって」
( ・∀・)「と言うと?」
- 474 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:43:10 ID:6O5Q2o5c0
-
(#゚;;-゚)「昨夜私、何だか寝付けなくて、夜中に屋敷の敷地の外に散歩に出たのです。」
(;*‘ω‘ *) ドッキンポ!
( ・∀・)「それは何時ごろだい?」
(#゚;;-゚)「多分、十二時は過ぎていたかと」
( ・∀・)「あまり遅い時間に一人出歩くのは感心しないね。しかし……」
(*゚∀゚)「そうなって来ると、さっきのこいつの話が気になるねえ?」
(;;;*‘ω‘ *)
(#´∀`)「どういう事モナか!?」
(;;;;;*‘ω‘ *) 「……ぽ」
(゚、゚トソン「実は昨夜、コンピュータに不具合があって、三十分ほどカメラに記録されていない時間があったそうです」
(#´∀`)「な、何でそれを黙ってたモナ!!」
- 475 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:45:50 ID:6O5Q2o5c0
-
(;;;;;;;*‘ω‘ *) 「……ぽ」
(゚、゚トソン「この事が発覚すれば自分の責任問題になる事は必死」
(゚、゚トソン「加えてこの間にもし旦那様の身に何かあったとしたら、責任問題だけでは済む話ではない」
(゚、゚トソン「その証拠を隠滅しようとデータの改ざんを加えたとの事です」
(#´∀`)「き、貴様! 自分が何をしたのかわかってるのか!!!」
(;;;;;;;;;*‘ω‘ *) 「ぽっ!?」
( ・∀・)「ちょっとお待ちください、義兄さん」
(#´∀`)「邪魔をするな! こいつの所為で──」
( ・∀・)「ちんっぽっぽ君だったね。本当にそれだけかな?」
(;*‘ω‘ *) 「ぽ?」
- 476 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:47:44 ID:6O5Q2o5c0
-
( ・∀・)「カメラの不具合があった。その証拠を隠滅した。本当にそれだけか、って聞いてるんだよ」
(;*‘ω‘ *) 「ぽー?」
( ・∀・)「わからないかな?」
( ・∀・)「カメラの不具合は何故起こったのか。その不具合の間、君は何をしていたのか」
( ・∀・)「それらを繋ぎ合せれば、答えは見えて来るんじゃないかな?」
( ´∀`)「答えモナ?」
( ・∀・)「ええ、答えですよ、義兄さん」
( ・∀・)「時に義兄さん、貴方は何故今日、それもこんな朝早くにこちらにお越しになられたのですか?」
(;´∀`)「そ、それはモナ……」
( ・∀・)「お答えは結構。存じ上げておりますので」
- 477 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:51:04 ID:6O5Q2o5c0
-
( ・∀・)「ずばり金策、そういう事でよろしいですね?」
(;´∀`)「モ、モナ……」
(*゚∀゚) チッ
( ・∀・)「現在、荒巻コンチェルンの主要三部門の内、唯一業績不振である荒巻製鋼」
(;´∀`)「そ、それはそうモナが、それは……」
( ・∀・)「業績不振だけで済むならまだ良かった」
(;;;´∀`)
( ・∀・)「不振を挽回しようと手を伸ばした分野で悉く赤字を叩き出し、荒巻製鋼自体の存続が厳しくなってしまった」
(;;;;;´∀`)
( ・∀・)「その補填をお父様に頼みに来た。違いますか?」
(;;;;;;;´∀`)「そ、その通りモナが……それが今、何の関係があるモナか?」
- 478 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:56:54 ID:6O5Q2o5c0
-
( ・∀・)「義兄さん、昨日もここに金策に来られたんですよね?」
(;´∀`)" コクッ
( ・∀・)「そしてお義父さんにこっぴどく追い返された」
(;´∀`)" …コクッ
( ・∀・)「だのに今日もここに来ている。どうやら荒巻製鋼は噂以上に危ういみたいですね」
(;´∀`)「……」
( ・∀・)「ひょっとしたら、今週中にでも不渡り、倒産なんて流れが……」
(#*゚∀゚)「いい加減にしときな! 今その話は関係ないだろ!」
( ・∀・)「関係ないね……それはどうでしょうか?」
(#*゚∀゚)「あん?」
- 479 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/26(月) 23:58:35 ID:6O5Q2o5c0
-
( ・∀・)「金の融通を断られ、進退窮まった人間が、何をしでかしたんでしょうかねという話ですよ」
(;´∀`)「な、何の話モナ……」
( ・∀・)「ちんぽっぽ君は貴方の遠縁の人間らしいですね」
( ・∀・)「しかも幼い頃から目をかけて、この屋敷の警備員に推薦したのも貴方だ」
(;´∀`)「そ、それがどうしたモナ……」
( ・∀・)「ちんぽっぽ君にとって貴方は、大恩人とも言える」
(;´∀`)「だからそれがどうしたモナ! 言いたい事があったらはっきり言えばいいモナ!」
( ・∀・)「はっきりね。いいでしょう」
( ・∀・)「ちんっぽっぽ君にとっては大恩人の貴方、モナー義兄さん」
( ・∀・)「そんな貴方の頼みを、ちんぽっぽ君は断りきれるでしょうかね」
( ・∀・)「たとえそれが……」
- 480 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:00:28 ID:xBfYyU8Y0
-
( ・∀・)「犯罪であったとしてもね」
\ テンテンテ-ン♪ テンテンテェーン♪/
\ /
\ (*‘ω‘ *;) /
( ・∀・)b \ /
\∧∧∧∧/
< ジ > (´∀`;)
< ャ >
─────────< | >──────────
< ン >
/∨∨∨∨\
(#゚;;-゚) / \ (゚∀゚*;)
/ \
/ (゚、゚トソン \
/ つ旦⊂ \
/ \
- 481 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:03:13 ID:xBfYyU8Y0
-
〜 その後、色々あって断崖絶壁へ 〜
(;・∀・)「何故君は、僕が犯人だと気付いたんだい?」
(゚、゚トソン「きっかけは些細な事でした。あの時(以下省略」
(;・∀・)「フフ、まさかそんな事でばれるとは(以下省略」
(゚、゚トソン「実は言うとそれだけではありません」
(゚、゚トソン「動機の線で辿って、貴方に辿り付いた部分も大きいのです」
(;・∀・)「ば、馬鹿な!? それこそ君が知るはずのないものだ!」
(゚、゚トソン「いいえ、私は存じ上げておりました」
(゚、゚トソン「あの日、モララー様がでぃお嬢様に会われるのをみておりましたので」
(;・∀・)「!?」
- 482 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:05:21 ID:xBfYyU8Y0
-
(;・∀・)「し、しかし、あの日は彼女の部屋で……誰も……ハッ」
(;・∀・)「まさか……君は……?」
(゚、-トソン「……はい、私には診えておりました」
チ カ ラ
(゚、邪トソン「私の、この邪鬼眼で全て」
(;・∀・)「それが伝説の邪鬼眼……君があの……」
マ ナ
(゚、邪トソン「はい、我が真の名を知る者はこう呼びます」
テラーホールド
(゚、邪トソン「枷畏怖・都村トソンと」
テラーホールド タ ゙ー ク イ ン タ ゙ー ク デ ビ リ ッ シ ュ エ ン ヘ ゚ ラー
(;・∀・)「枷畏怖。その力、闇よりも深い闇より出で、全ての恐怖を束ねる漆黒の王……」
- 483 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:08:37 ID:xBfYyU8Y0
-
(;・∀・)「まさか君がそんな大物だったとはね」
(;・∀・)「何でこんな所にいるんだい?」
(゚、-トソン「荒巻様には大恩がございまして」
( ・∀・)「そうか……」
( ・∀・)「じゃあ、僕の負けだな。流石に君が相手では分が悪い」
(・∀・ )「悪は潔く滅びるとしよう」
(゚、-トソン「悪……ですか……」
( ・∀・)「ああ、そうそう。お義父さんはでぃちゃんの部屋のクローゼットの中だよ」
( ・∀・)「大丈夫、生命の危険もない」
(゚、-トソン「それも存じ上げておりました」
( ・∀・)「……流石だね」
- 484 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:09:43 ID:xBfYyU8Y0
-
( ・∀・)「でも、なら何でもっと早く僕を捕まえなかったんだい?」
( ・∀・)「正体を隠したかったのかもしれないが、色々とやりようがあったんじゃないかな?」
(゚、-トソン「それは……」
(゚、゚トソン「貴方が……いえ、人を愛する事が悪なのでしょうか?」
( ・∀・)「……この国では悪だよ」
( ・∀・)「僕が、彼女を……でぃちゃんを愛する事はね……」
(゚、゚トソン「でも、お互いに愛し合われていたのでしょう?」
( ・∀・)「ああ、そうだ」
( ・∀・)「妻を亡くして、失意の底にいた僕を救ってくれたのが彼女だった」
( ・∀・)「そんな彼女、いつしか愛するようになったのは必然の流れかもしれない」
(゚、゚トソン「それなら……」
( ・∀・)「でもね、それは一言で片付けられるんだ」
- 485 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:11:21 ID:xBfYyU8Y0
-
【( ・∀・)】< ロリコンってね
パリパリ
({ζ(゚、゚*ζ
(∪-ω-) グーグーオ
【( ・∀・)】< 僕はもう行かなきゃ
【(゚、゚トソン】< 止めても無駄なのでしょうね。
【( ・∀・)】< この国には、僕のような人間が生きる場所はないんだよ。だから……
パリパリ
({ζ(゚、゚*ζ
(∪-ω-) グーグーオ
- 486 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:12:45 ID:xBfYyU8Y0
-
< ただいまー
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ツンちゃん帰って来た。おかえりー」
ξ゚⊿゚)ξ「ただいま、お母さん」
(∪-ω-) グーグーオ
○⊂ζ(゚ー゚*ζ「あ、おせんべい食べる?」
ξ゚⊿゚)ξ「また辛いやつ? 好きよねえ」
ξ゚⊿゚)ξ「テレビ何観てたの?」
ζ(゚ー゚*ζ「お昼のドラマだよ」
テラーホールド ソー ラブ ヤング アンチエイジング ボーン トラジディー サッド フェイト ロンド
ζ(゚ー゚*ζ「枷畏怖は診た! 愛と青春の年の差カップルに生まれた悲劇と忌まわしき宿命の輪舞」
ξ;゚⊿゚)ξ「何、その頭の悪さ大爆発なネーミングのドラマは……」
ζ(゚、゚*ζ「えー、最近世の若奥様の間で流行ってんだよ?」
- 487 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:14:41 ID:xBfYyU8Y0
-
ζ(゚、゚*ζ「VFXとかすごいんだから」
ξ;゚⊿゚)ξ「それ、力の入れ所間違ってない?」
ξ゚⊿゚)ξ「そんな事より、外はだいぶ涼しくなってきたから、長袖出しといてくれない?」
ζ(゚ー゚*ζ「はーい、りょうかーい。これ観終わってからね」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、忘れないでよ」
(∪-ω-) グーグーオ
ξ゚⊿゚)ξ「……こいつは、ご主人様が帰って来たのに全く起きる気配ないわね」
(∪-ω-) グーグーオ
ξ゚⊿゚)ξつ○ ソッ…
グーグーオ
(∪-ω-)○
- 488 :(゚、゚トソンかせいふはみたようです:2011/09/27(火) 00:16:20 ID:xBfYyU8Y0
-
スン
(∪-ω-)○
ヘブチッ!
(∪>ω<)彡○
ξ゚ー゚)ξ プッ…
ζ(゚、゚*ζ「あー、ツンちゃん、わんおちゃんをいじめないの」
ξ゚⊿゚)ξ「いじめてないわよ。ただのスキンシップよ、スキンシップ」
ヒャンヒャンオ
(∪>ω<)『なんだお!? お鼻がむずむずするお! なんだお!?』
ξ゚ー゚)ξ(∪>ω<)ζ(゚、゚*ζ
【(゚、゚トソン】< ラ・ヨダソウ・スティアーナ。
【(∀・ )】< ラ・ヨダソウ・スティアーナ。……ありがとう。
(゚、゚トソンかせいふはみたようです おしまい
- 489 :名も無きAAのようです:2011/09/27(火) 00:17:28 ID:xBfYyU8Y0
-
お題
厨二
昼ドラ
あとがき 色々とあれな出来。
個人的には嫌いじゃない。
前半を真面目に書き過ぎて、断崖絶壁にたどり着くまで何レスかかるかわからなかったので端折る。
しかし、そもそも断崖絶壁は昼ドラじゃなくて二時間サスペンスドラマだよね。
一応、( ・∀・)(#゚;;-゚)の関係はそれとなく匂わせて、伏線っぽく色々敷いてあります。
最後、全投げだとしても。
(∪^ω^)達は前の短編と同じキャラです。
新規で設定するのも面倒なので流用。
以下 >>460からの続き
- 490 :名も無きAAのようです:2011/09/27(火) 10:26:08 ID:.PvuziTo0
- そうかそうか
- 491 :名も無きAAのようです:2011/09/27(火) 12:29:57 ID:nUyWqA.c0
- 乙
サスペンス+邪気眼とか新ジャンルすぎるな
- 492 :名も無きAAのようです:2011/09/27(火) 12:47:14 ID:DYIv3NH2O
- 乙乙
サスペンスのままではしょった部分も見てみたいと思ったり
- 493 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 00:11:01 ID:vCRsZPfM0
-
( ^ω^)(いや、余計な事ではないおね)
考えているのは、多分必要な事なのだ。
今を生きる為に、生活して行くために。
子供の頃は知らなかった事、考えなくても良かった事を、今は考えなければならない。
( ^ω^)(まあ、今の僕はあんまり考えてないんだけどNE)
ヒキニートである僕は、その余計に考える事から逃げてるとも言える。
でも、逃げ切れなかったから、時々こうやって考えてしまうのだろう。
いつかは終ると知っているこの時を、僕はきっと恐れているのだ。
_
( ゚∀゚)「釣れねえ」
考えながらでも筆は動く。
いつの間にか全体の構図は取り終わり、雑ながらも僕の絵は下描きが終っていた。
一体どのくらい没頭していたのかわからないが、いつの間にかジョルジュが少し離れた場所で釣りをしている事に気付く。
- 494 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 00:16:31 ID:vCRsZPfM0
-
( ^ω^)「何やってんだお?」
_
( ゚∀゚)「見ての通りだよ」
そう言ってジョルジュは釣り竿を振り、糸を引っ張り上げる。
その先端の釣り針には、白い塊が付いていた。
( ^ω^)「練り餌かお」
_
( ゚∀゚)「詳しくは知らん。弟者が用意してた餌だ」
ジョルジュは再び竿を振り、針を池に投げ込む。
( ^ω^)「釣れるのかお……という以前に、ここって釣っていいのかお?」
_
( ゚∀゚)「いいらしいぜ、弟者の話だと」
(´<_` )「ここはただの池だからな。公園の敷地内だと駄目だったはずだが」
僕達の声が届いたのか、画伯がジョルジュの話を補足する。
僕達の声が聞こえたという事は、絵が一段落着いたのだろうか。
あまり率先して確認したくはないので、その事には触れずにいた。
- 495 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 00:26:25 ID:vCRsZPfM0
- _
( ゚∀゚)「まあ、釣ってもいいとしても、全然釣れないんだけどさ」
( ^ω^)「腕の問題じゃないかお?」
(´<_` )「確かに、ジョルジュが黙って釣りをしてる姿は想像出来ないな」
_
( ゚∀゚)「人を落ち着きのないガキンチョみたいな扱いすんじゃねえよ」
_
( ゚∀゚)「これ、餌が悪いんじゃね? この白いの、何なんだよ?」
(´<_` )「小麦粉の塊だ」
_
( ゚∀゚)「小麦……魚って小麦食うの?」
( ^ω^)「食わなさそうだおね」
画伯の説明だと、水で溶いた小麦粉を練ったものらしい。
材料はそれだけのようだ。
_
( ゚∀゚)「つーかそれ、うどんじゃねえか」
( ^ω^)「うどんは塩も使うお」
- 496 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 00:33:35 ID:vCRsZPfM0
-
その辺は些細な違いで、確かにこれは練り餌というよりはうどんだ。
本来練り餌は米、麦の粉やサツマイモなどを煮て練り固めたもので、更に魚粉などで香り付けをするものである。
(´<_` )「本来はな。これはいわゆる子供用の練り餌だ」
画伯の説明だと、本来の練り餌の様に手の込んだものは子供の頃に用意するのは難しかったから、
どの家にでもある小麦粉で代用していたとの事だ。
一応、今回の集まりである昔を再現するという試みを意識して用意したらしい。
(´<_` )「さっきから画伯画伯って、誰の事だ?」
( ^ω^)「気にすんなお」
_
( ゚∀゚)「で、この小麦粉で魚は釣れるのか?」
(´<_` )「たまーにな。間の抜けた魚が引っかかってくれる」
_
( ゚∀゚)「何か期待出来そうもねえ話だな」
(´<_` )「子供の釣りなんて雰囲気を楽しんでたようなもんだからな」
- 497 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 00:39:36 ID:2ZiEbwX.0
- 画伯wwwwww
- 498 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 00:42:05 ID:vCRsZPfM0
-
(´<_` )「こんな池で魚を釣っても処分に困るだろ」
_
( ゚∀゚)「食えばいいじゃん」
(´<_` )「食用になる魚がこんな町中の池にいるか」
( ^ω^)「河口辺りか、渓流の方に行かなきゃいなさそうだおね」
僕らの説明にジョルジュは納得して頷いたようだが、まだ不満があるらしい。
何と言うか、弟者が見立てた様に、ジョルジュに釣りは向いてない気がする。
_
( ゚∀゚)「うーん、食える食えないは置いといても、やっぱり釣れない釣りはつまんなくね?」
(´<_` )「餌が気に入らんなら、その辺でミミズでも捕まえて来い」
_
(;゚∀゚)「うぇ、ミミズとか触れねえよ」
(´<_`;)「お前、意外と軟弱なんだな……」
- 499 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 00:52:56 ID:vCRsZPfM0
-
( ^ω^)「でもジョルジュ、昔はミミズとか捕まえてなかったかお?」
_
(;゚∀゚)「あー、ガキの頃はな」
_
(;゚∀゚)「でも、ある時期から駄目になったな。虫とかも」
ある時期とは言ったが、その時期がいつかはわからないとジョルジュは言う。
気付いたらいつの間にか駄目になっていたらしい。
昔はミミズどころか蛇とかも捕まえていたはずだが、随分と変わったものだと思う。
(´<_` )「大人になったら、というのはよく聞く話ではあるな」
( ^ω^)「子供は怖いもの知らずってことかおね」
_
( ゚∀゚)「何も考えてなかっただけかもしれねーな」
(´<_` )「それなら、今も考えてなさそうだから触れそうなもんだがな」
_
( ゚∀゚)「うるせえよベレー帽」
- 500 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 01:02:22 ID:vCRsZPfM0
-
それからも僕と弟者は絵を描き、ジョルジュは釣りをし、時折無駄話をして過ごした。
話題が子供の頃の事ばかりになるのは、この場の空気がそうさせたのか、それとも彼女の手による物だろうか。
どちらにしろ、僕らは随分と話をしたと思う。
特に弟者とは高校からの付き合いなので、子供の頃の姿は全く知らなかったから興味深かった。
弟者が昔からちょっと変わっていたのだろうという事は、話を聞いただけでも理解出来た。
( ^ω^)「ふぅ……」
僕は鉛筆を置き、少し距離を空けて絵の全体を眺めてみる。
思ったよりだいぶ上手く描けている事に自分でも驚いた。
_
( ゚∀゚)「普通にうめえな」
( ^ω^)「……ありがとだお」
普段の様に軽口で返そうとしたのだが、口を吐いたのは礼の言葉だった。
その理由は何となくわかるけど、わざわざ確かめるまでもない。
- 501 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 01:08:07 ID:vCRsZPfM0
-
( ^ω^)「そっちの釣果はどうだお?」
_
( ゚∀゚)「上手に屏風に絵を描いたってとこかな」
( ^ω^)「聞くまでもなかったおね」
ジョルジュは全く引く様子のない釣竿を地面に置き、大きく伸びをする。
僕もそれに倣うよう、両手を組み、頭上へと伸ばした。
( ^ω^)「意外と凝ってるおね」
_
( ゚∀゚)「そりゃずっと同じ姿勢で描き続けてりゃな」
それほど長い時間描いていたつもりはないのだが、日はもう下りに入っている。
お昼はとっくに過ぎていたようだ。
( ^ω^)「飯にするかお」
_
( ゚∀゚)「いいねえ」
僕は弟者にその旨を告げようと視線を向けたが、
まず紫とか黄土色とか毒々しい元は白い紙だったものが目に飛び込んできたので、そっと視線を逸らした。
- 502 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 01:15:00 ID:vCRsZPfM0
-
( ^ω^)「外で冷えたお弁当ってのも随分久しぶりな気がするお」
_
( ゚∀゚)「だな」
ジョルジュは同意を示し、僕の方に歩み寄ると、手の平を上に向け右手を伸ばして来た。
それが何を意味するのか、さほど考えるまでもなく答えが思い当たる。
( ^ω^)「……ジョルジュ?」
_
( ゚∀゚)「配給制じゃねえの?」
( ^ω^)「……荷物少ねえなとは思ってたけどさ」
ほぼ手ぶら同然で来ていたジョルジュは、当然の様に昼食の類も持ち合わせてなかったらしい。
わざとなのか天然なのかはわからないが、その辺で適当に買って来いというのも付き合ってもらっていて忍びない。
僕は……
1 そっと弁当を差し出した。
2 そっとバナナを差し出した。
3 そっとパンの耳を差し出した。
4 そっと弟者の方を指差した。
5 ※自由記述
安価
>>503
- 503 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 01:19:54 ID:2ZiEbwX.0
- 3
- 504 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 13:44:35 ID:WoE/aCUQ0
- 乙言うタイミングが難しい話だ
続きにwktkしてる
支援
- 505 :名も無きAAのようです:2011/09/28(水) 19:11:47 ID:0oBIs4tcO
- 確かにだけど見てる人は大分多いはず。毎日おつです&楽しみにしています。
- 506 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 00:32:35 ID:uKXHdaqA0
-
僕はそっとパンの耳を差し出した。
_
( ゚∀゚)「何これ?」
( ^ω^)「見ての通り、パンの外殻だお」
_
( ゚∀゚)「耳って言えよ。何か剥ぎ取ったような言い方すんなよ」
僕はジョルジュにビニール袋に詰めたパンの耳を手渡すと、自分の弁当を取り出し、地面に座る。
_
( ゚∀゚)「いや、そうじゃなくてだな」
( ^ω^)「何か問題あったかお?」
_
( ゚∀゚)「問題つーか、配給これだけなのとか、何でパンの耳なのとか、自分だけ弁当食いやがってとか」
_
( ゚∀゚)「色々と思う所はある」
おおよそ、弁当としてパンの耳を渡されたら誰でも言いそうな不満を並び立てるジョルジュ。
そもそもの前提として、自分が弁当持って来てないのが悪いという事を完全に無視している。
- 507 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 00:41:12 ID:uKXHdaqA0
-
( ^ω^)「配給じゃなくて慈悲だお」
_
( ゚∀゚)「もうちょっと高級なお慈悲を頂けませんかね」
( ^ω^)「他にあげられるものを持ってないお」
バナナもあるが、あれは僕のおやつなのでその存在を容易く明かす事はしない。
遠足とかで外で食べるバナナは格別なのだ。
_
( ゚∀゚)「大体、何でパンの耳なんか持って来てんだよ」
( ^ω^)「池だし、魚とか鳥とかジョルジュとかにあげてもいいかなって思っての事だお」
_
( ゚∀゚)「“とか”の繋ぎがおかしいと思うんだ、うん」
( ^ω^)「他にはあれだお、絵を描く時の消しゴム代わりに使うとか」
_
( ゚∀゚)「妙に本格的だけど、お前普通に消しゴム使ってたよな」
なかなかパンの耳の存在に納得がいかないらしいジョルジュ。
その眼は僕の手にある弁当に注視されている所を見ると、半分分けろとでも言いたいようだ。
- 508 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 00:47:10 ID:uKXHdaqA0
-
だがしかし、育ち盛りの僕は分ける気はない。
如何にジョルジュが友達であろうと、それとこれはまた別の話である。
( ^ω^)「あ、いい事考えたお。それを餌に魚を釣って食べれば万事解決だお」
_
( ゚∀゚)「ナイスアイデア!」
_
( ゚∀゚)「あ、でも火がねえな……」
(´<_` )「火ならあるぞ。ほれ」
どこから話を聞いていたのか、弟者がジョルジュに火、チャッカマン的なやつを差し出す。
_
( ゚∀゚)「おお、これで焼き魚が食える」
随分と気の早い発言をするジョルジュだが、まずは釣ってからの話だ。
ただそれ以前にも色々と問題がある。
最初に話したように、食べられる魚がいるのかとか、ここで火を焚いていいのかとか。
- 509 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 00:53:12 ID:uKXHdaqA0
- _
( ゚∀゚)「何とかなんじゃね? 人もいねえしよ」
ここに来てから数時間は経過したが、相変わらず僕ら以外の姿は誰一人として確認出来ない。
その時点でおかしな状況なのだが、それ以上のおかしな事が起こらないのも不気味といえば不気味だ。
その異常さにジョルジュも気付いているはずなのだが、敢えて深く考えないようにしているのかもしれない。
考えると怖いだろうから。
_
( ゚∀゚)「よし、じゃあ、いっちょやってみっか」
ジョルジュは早速餌を練り餌からパンの耳に変え、釣りにかかる。
( ^ω^)「冗談だったのに」
(´<_` )「その辺に買いに行けば済む話だからな」
僕は弟者と顔を見合わせ、肩をすくめた。
何でジョルジュがあんなに釣りに乗り気なのかわからないが、流石に現地調達は冗談のつもりでしか言ってない。
弟者が言う様に買いに行けば済む話なのだ。
ここから十分も歩けば、適当なコンビニぐらいあったはずだ。
- 510 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:00:36 ID:uKXHdaqA0
-
( ^ω^)「てか弟者、あれだけ準備万端だったんだから……」
(´<_` )「ああ、弁当もたんと用意してるぞ」
予想はしていたが、弟者は弁当も多めに持って来ていたようだ。
バッグからレジャーシートを取り出して広げ、その上に五段重ねの重箱を置く。
どこにそれだけの量が入っていたのかというツッコミは無粋だろうか。
( ^ω^)「それを途中で言ってくれれば良かったのに」
(´<_` )「いや、まあ、その……放って置いた方が何か面白かったし」
( ^ω^)「それは僕も同意するお」
弟者の指し示すまま、僕はレジャーシートの上に座る。
どうせ一人では食べ切れないからと、弟者は僕に紙皿と割り箸を手渡す。
(´<_` )「さあ、遠慮せず食ってくれよ」
- 511 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:09:19 ID:uKXHdaqA0
-
弟者は重箱の蓋を開け、上から段を外してレジャーシートの上に並べて行く。
一つの重には大量のおにぎりが所狭しと詰められ、その他の重にも大量の色取り取りのおかずが詰められていた。
( ^ω^)「気合入り過ぎじゃね?」
思わずよだれが垂れそうなほど美味しそうな弁当だ。
このよくわからない写生会にここまでの物を用意して来るとは、力の入れ所を明らかに見誤っているのではなかろうか。
( ^ω^)「つーかさ、ジョルジュから話し聞いてから、そんなに時間なかったはずだお?」
(´<_` )「家族総出で準備したからな」
弟者の家は今の時代にしては珍しく家族が多い。
父母に姉や兄、それに妹と、皆でやれば確かに間に合うかもしれないが、何故そこまでしてという思いは浮かぶ。
(´<_` )「半分ぐらいは昨晩の残りだから、そこまで大変だったわけでもないぞ」
( ^ω^)「普段からいいもん食ってんだおね」
(´<_` )「それと、こういうイベント的な集まりは、楽しくやるというのがうちの家訓みたいなもんだからな」
- 512 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:16:04 ID:uKXHdaqA0
-
友達と公園で絵を描くという話をしたら、それならばという流れでこの弁当が用意されたという。
( ^ω^)「何と言うか、すごくいい家庭だおね」
(´<_` )「ああ、俺も気に入ってる。さあ、話はこの辺にして食べようか」
( ^ω^)「いただきますお」
僕はおにぎりを手に取り、箸でから揚げを掴み、その両方を口いっぱいに頬張る。
空腹だった事もあり、両方ともものすごく美味かったが、冷えたおにぎりからは何だか懐かしい味も感じた。
( ^ω^)「遠足のお昼って感じだお。こんな豪華なのはなかったけど」
(´<_` )「冷えたおにぎりと、しんなりした海苔の食感がいかにも外での食事って感じだよな」
( ^ω^)「たまにはこういうのもいいもんだお」
(´<_` )「そうだな。……って、そういやジョルジュはいいのか?」
( ^ω^)「いや、流石に何も言わなくても気付くお?」
- 513 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:21:10 ID:uKXHdaqA0
-
釣りをしているジョルジュから多少離れているとはいえ、僕らが何をしているか目を向ければわかる距離だ。
こちらに来ない所をみると、ジョルジュは随分と釣りに集中しているらしい。
これまでほとんど釣りをした事がないと言っていたジョルジュだが、釣りが気に入ったのだろうか。
(´<_` )「練り餌をパンの耳に変えた所で、魚は釣れんだろ」
( ^ω^)「簡単に水中で剥がれ落ちそうだおね、パンの耳」
すぐにこちらに飛んでくると思っていたジョルジュは、予想外に粘っている。
これだけの量の弁当を二人で食べ切れるとは思えないし、僕はジョルジュを呼びに行く事にする。
( ^ω^)「ジョルジュ、もう釣りはいいからご飯に──」
_
(*゚∀゚)「キタ─────!!!」
( ^ω^)「お?」
突如奇声を上げるジョルジュ。
その視線の向く先に目を向ければ、水面に上がる水飛沫が一つ。
(;^ω^)「マジかお……」
まさかの食い付きに、僕はジョルジュに声をかけようと片手を挙げた姿勢のまま、水面の動きに見取れてしまう。
- 514 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:29:14 ID:uKXHdaqA0
- _
(*゚∀゚)「来たよ来たよ、この引き、大物だ!」
(´<_`;)「おいおい、ホントかよ」
僕とジョルジュの様子に、何が起こったのか察した弟者が駆けつける。
その顔には信じられないという表情がありありと浮かんでいた。
( ^ω^)「仕込んでるわけもないし、本当なんだろうおね」
魚がいないわけでもないし、釣れる可能性もゼロではなかったのだが、実際にかかってみるとやはり驚いてしまう。
あの餌と明らかにド素人のジョルジュの腕で釣れるわけがないと、僕と弟者は先ほどまで決め込んでいたのだし。
_
(*゚∀゚)「さてさて、どんな魚が釣れたのかねえ……」
嬉々として竿を引くジョルジュ。
釣りの醍醐味ともいえるこの瞬間が楽しくないわけはないだろう。
(´<_` )「……魚かな?」
_
(*゚∀゚)「あ? 魚以外に何が釣れるってんだよ」
- 515 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:35:11 ID:uKXHdaqA0
-
( ^ω^)「ベタに長靴とか」
_
(:゚∀゚)「むしろそれ釣る方がすげえよな」
僕らのやり取りには加わらず、神妙な顔付きで何事かを考え込む弟者。
その間にも水飛沫はどんどん岸に近付いて来る。
(´<_` )「いや、何だか平和で何も起こらないから失念しているのかもしれないが……」
( ^ω^)「あ……」
弟者が何を言いたいのか、皆まで言われずとも僕は気付いてしまった。
長閑過ぎて忘れそうになっていたが、一応僕らは怪奇現象の最中にあるはずだ。
_
(:゚∀゚)「……魚だよな?」
( ^ω^)「かもしれないし……」
(´<_` )「そうじゃないかもしれない」
僕らの言葉に、竿を引くジョルジュの手が緩む。
- 516 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:38:16 ID:xOCK8kXAO
- 支援
- 517 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 01:45:34 ID:uKXHdaqA0
-
果たしてこのまま釣り上げてもいいのだろうか。
_
(:゚∀゚)「魚じゃなくても亀とかそういうのだったり……」
( ^ω^)「ただし、首が四つある、とか?」
_
(:゚∀゚)「こええよ! 変な喩えすんじゃねえ!」
_
(:゚∀゚)「どうしよう? これ、逃がしちまった方が……」
+(´<_`*)「釣ーれ! 釣ーれ!」
_
(:゚∀゚)「だー、オカルトマニアの目が途端に輝き出しやがった!」
もう水飛沫はすぐそこまで来ており、あまり迷っている時間もない。
どうするべきなのか、僕は咄嗟に思い付いた答えを口にする。
( ^ω^)「1 何か起こるなら好都合だお。釣り上げろお!
2 取り敢えず釣ってから考えるお
3 バナナあげるから魚は諦めろお
4 ジョルジュ、あとは任せたお! 」
安価
>>518
- 518 :高森雪 ◆1mT.SL.HtU:2011/09/29(木) 02:43:47 ID:mVJvT.wQ0
- 2
- 519 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 02:44:45 ID:mVJvT.wQ0
- コテ消し忘れた……
- 520 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 23:41:43 ID:G7SakK9Y0
-
( ^ω^)「取り敢えず釣ってから考えるお」
_
(:゚∀゚)「すっげえアバウト!」
そうは言うが、結局の所釣り上げない事には話は進まない。
何かを起こしに来ている以上、変化を避けても仕方ないのだ。
+(´<_`*)「釣ーれ! あ、それ! 釣ーれ!」
_
(:゚∀゚)「それはそうなんだが……弟者うるせえ!」
_
(:゚∀゚)「釣ったらいきなり……がぶり! 何て事はねえよな?」
( ^ω^)「大丈夫だお」
_
(:゚∀゚)「ホントか?」
( ^ω^)「その時はちゃんと骨は拾ってやるから安心しろお」
_
(:゚∀゚)「安心出来NEEEEEEEEEEEE!!!」
- 521 :名も無きAAのようです:2011/09/29(木) 23:55:00 ID:G7SakK9Y0
- _
(:゚∀゚)「つーか駄目じゃん! 俺死んじゃう前提じゃん!」
( ^ω^)σ「ジョルジュ」
_
(:゚∀゚)「あ?」
等と冗談を言っているうちに、水飛沫はもう目と鼻の先である。
覚悟を決めたのか反射的にかはわからないが、ジョルジュは竿を引き、何かを釣り上げた。
_
(:>∀<)「ド畜生ぉぉぉぉぉ!!!」
(´<_` )「あ……」
( ^ω^)「お……」
水音を上げ、空を舞うそれに、僕と弟者は間の抜けた声を漏らしていた。
第六章 了
つづく・・・
- 522 :名も無きAAのようです:2011/09/30(金) 00:07:15 ID:29RdnD1s0
-
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第六章終了。
切り所がなく長くなった。
少しギャグ寄りな発言が目立つのはフラグの結果。
わかり辛いかもしれませんが、五章の夢の話は全く覚えていない事になってます。
やっとスレの半分到達。
埋まるまでには話をまとめたい所。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第七章を読む ※追加安価有り
2 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>523
- 523 :名も無きAAのようです:2011/09/30(金) 02:19:36 ID:3Yxx9Seg0
- 2 ( ^ω^)キンタマ刑事のようです
- 524 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:12:55 ID:LTYXXnGs0
-
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
('A`)(はあ……深夜のコンビニは暇だな……)
('A`)(その分楽でいいけど……)
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
( ^ω^)
('A`)(お、今日も来たよ)
( ^ω^) スタスタ
('A`)(キンタマ刑事)
( ^ω^)キンタマ刑事のようです
- 525 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:13:51 ID:LTYXXnGs0
-
('A`)(勿論、キンタマ刑事なんて名前の人間はいない)
('A`)(よくあるコンビニの店員が常連にあだ名をを付けるそれだ)
('A`)(いつもよれよれのコート)
( ^ω^) スタスタ
('A`)(ふっくらとしたキンタマフェイスで愛嬌はあるが、その実、目の奥は笑っていない)
( ^ω^)サッサ
('A`)(そして極め付けに……)
( ^ω^)つ スッ
('A`) ピッ ピッ
('A`)「二点で二百十円になります」
('A`) ガサガサ
( ^ω^)つ スッ
- 526 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:16:11 ID:LTYXXnGs0
-
('A`)「二百十円丁度お預かりします」
('A`)「レシートは……」
( ^ω^)ノシ
('A`)「ありがとうございましたー」
( ^ω^) スタスタ
< ピロリロリロ♪
('A`)「買って行くものがいつもアンパンと牛乳とくれば、そりゃあ刑事ってあだ名もつけるさ」
('A`)「何なんだろうな、毎日毎日」
('A`)「張り込みでもしてんのか?」
('A`)「にしてもベタ過ぎだよな、アンパンと牛乳って」
('A`)「まあ、何にせよ、あんまりいい人生送ってないんだろうな」
- 527 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:17:34 ID:LTYXXnGs0
-
('A`)「こんな夜中に出歩いて、いつもどこか疲れた雰囲気で」
('A`)「はあ……」
('A`)「ああはならないようにしねえとな……」
('A`)「でも、今は就職厳しいよな」
('A`)「俺ももう、今年から大学三年生だしな」
('A`)「進路の事も考えないとな……」
('A`)「いっそこのまま、コンビニ夜勤でいいかと思う事もあるけど)
('A`)「それはやっぱまずいよな……」
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
('A`)「ふぅ……」
('A`)「……さて、仕事仕事」
- 528 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:20:12 ID:LTYXXnGs0
-
〜 翌日 〜
('A`) ピッ ピッ
('A`)「二点で二百十円になります」
('A`) ガサガサ
( ^ω^)つ スッ
('A`)「二百十円丁度お預かりします」
('A`)「レシートは……」
( ^ω^)ノシ
('A`)「ありがとうございましたー」
(^ω^ ) スタスタ
< ピロリロリロ♪
- 529 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:24:26 ID:LTYXXnGs0
-
('A`)「今日もか」
('A`)「時間は多少前後するけど、大体この時間帯だよな」
('A`)「ホント、何の仕事してんのか気になるわ」
('A`)「まあ、変な好奇心は持たないけどね」
('A`)「この辺も寂れているとはいえ、繁華街の一部だし」
('A`)「ヤバい筋の人達もいるわけだし」
('A`)「見た所、そういう関係の下働きって雰囲気だよな」
('A`)「大変そうだな……」
('A`)「仕事なんだから大変なのは当たり前なんだろうけど」
('A`)「この時間のコンビニの仕事経験しちゃうと、どんな仕事もすげえ大変に見えそうでちょっと怖いな」
- 530 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:25:38 ID:LTYXXnGs0
-
('A`)「この仕事だって、他の人から見れば大変そうに見えるのかな」
('A`)「こんな時間まで起きてるって事で、大変に思われるのか」
('A`)「明日は講義午後からだし、大変でもなんでもないんだけどな」
('A`)「他の人と生活時間帯が合わなくなるだけで」
('A`)「合わせたい人もいないしな」
('A`)「ハハ……」
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
('A`)「ふぅ……」
('A`)「……さて、仕事仕事」
- 531 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:28:00 ID:LTYXXnGs0
-
〜 更に翌日 〜
('A`)「二百十円丁度お預かりします」
('A`)「レシートは……」
( ^ω^)ノシ
('A`)「ありがとうございましたー」
(^ω^ ) スタスタ
< ピロリロリロ♪
〜 更に更に翌日 〜
('A`)「ありがとうございましたー」
(^ω^ ) スタスタ
< ピロリロリロ♪
- 532 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:30:01 ID:LTYXXnGs0
-
('A`)「毎日毎日よく飽きないもんだな」
('A`)「ここ最近、俺がシフトに入ってる時は毎日見かけるな」
('A`)「きっと俺が出てない時も来てるんだろうな」
('A`)「ルーチンワークか……」
('A`)「同じ事の繰り返しの毎日なんて、馬鹿らしいよな」
('A`)「そんな仕事には就きたくねえな……」
('A`)「まあ、コンビニの夜勤も似たようなもんだが」
('A`)「はあ……」
('A`)「就職、どうしようかな……」
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
('A`)「ふぅ……」
('A`)「……さて、仕事仕事」
- 533 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:32:33 ID:LTYXXnGs0
-
〜 数日後 〜
('A`)「久しぶりのバイトだ」
('A`)「が、相変わらず暇だ……」
('A`)「世は押し並べて事もなく、か」
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
(・∀ ・)
('A`)(一見さんか? 見覚えない客だ……)
('A`)(この店、幹線道路からは外れてるし、新しい客はあんまりこねえんだよな)
('A`)(まあ、ゼロじゃないけどさ)
- 534 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:35:23 ID:LTYXXnGs0
-
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
( ^ω^)
('A`)(おお、今日もキンタマ刑事さんのお出ましか)
('A`)(まだこの時間帯に来るんだな)('A`)「」
( ^ω^) スタスタ
('A`)(またアンパンと牛乳なのか……)
('A`)(変わらねえな……毎日毎日)
('A`)(代り映えのしない毎日か……)
(・∀ ・)
('A`)「──っと、いらっしゃいま……」
- 535 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:37:29 ID:LTYXXnGs0
-
(・∀ ・)つ|ニフ「金を出せ」
('A`)「へ?」
(・∀ ・)つ|ニフ「金を出せつってんだろ! これが見えねえのか、あん?」
(;'A`)「えっと……」
(;'A`)(何だこれ……え、何?)
(;'A`)(ご、強盗? こんなとこに? え……でも……)
(#・∀ ・)つ|ニフ「さっさとしやがれ、切られねえとわかんねえのか?」
(;'A`) ヒ、ヒィィ!?
(;'A`)(え、あ、こ、こんな時には……通報! って、目の前にナイフ持った男いるじゃん!)
(;'A`)(そんなことしたら刺されるっての!)
(;'A`)(カ、カラーボール……は逃げるやつにぶつけるんだろ! 強盗撃退用の武器じゃねえよ!)
- 536 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:40:07 ID:LTYXXnGs0
-
(;'A`)「あ……う……」
(#・∀ ・)つ|ニフ「てめえ、マジで切られてみねえとわかんねえようだな、このクソ店員が!」
(;'A`) アババババ…
「あの……」
クルッ
(・∀ ・#)「ああん?」
( ^ω^)「すみません、急いでるんで、お取り込み中ならレジ先にいいですかお?」
(;'A`)(キンタマ刑事!?)
(・∀ ・#)「おめえ馬鹿か? これが見えねえのか? つーかのんびり買い物してんじゃ……」
( ^ω^)σ「あ……、店員さんが」
クルッ
(#・∀ ・)「あ? クソ店員、てめえ! 通報しやがったら……」
- 537 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:41:25 ID:LTYXXnGs0
-
(;'A`)「ヒィィ!? 俺は何も」
( ^ω^)+ キラン
!?
(;'A`)(#・∀ ・)
セイヤー! ドゴォォン!
(#^ω^)つ(#.A .) グェッ!?
(;'A`)「へ……」
(#^ω^)「犯人確保。強盗の現行犯、逮捕する」(;.A .) チーン
(;'A`)(今の……何だ……あいつを投げたのか?)
(;'A`)(あれ確か、柔道の技だよな……あ、手錠……本物!?)
( ^ω^)】「もしもし……至急パトカーを……犯人は……」
- 538 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:43:29 ID:LTYXXnGs0
-
(;'A`)(すげえ……キンタマ刑事本物かよ……)
( ^ω^)「すみません、怖い思いをさせてしまって」
(;'A`)「え、あ、いや……」
( ^ω^)「刃物が貴方の方に向いていたので、注意を引くためにあんな事を……」
(;'A`)「い、いや、こちらこそ、すみません、助かりました、ありがとうございます!」
( ^ω^)「礼は結構ですよ。これが仕事ですしね」
(;'A`)「あ、はい、そ、そうですね」
( ^ω^)「どこもお怪我はありませんか? 何だったら、店長に連絡を入れて変わりの人を寄越すよう連絡を……」
(;'A`)「だ、大丈夫です。怪我はないですし、仕事もやれます」
( ^ω^)「それは良かった」
( ^ω^)「すぐ交番から警官が来ますので、犯人はそれで護送します」
(;'A`)「は、はい」
(;'A`)(意外と饒舌だな、キンタマ刑事……)
- 539 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:47:04 ID:LTYXXnGs0
-
( ^ω^)「数点、彼らから貴方に質問があるかもしれませんが……」
( ^ω^)「面倒ならあの刑事に聞けばわかると言ってくれてもかまいませんので」
(;'A`)「大丈夫です。警官に協力するのも市民の義務ですので!」
( ^ω^)「ハハ、ありがとうございます。おっと、もう来たようですね」
( ^ω^)「それでは私はこれで」
(;'A`)「え、もう行かれるのですか?」
( ^ω^)「実は急ぎの用事があるのは本当だったんですよ。大丈夫です、彼らに声はかけておきますので」
(;'A`)「あ、はい、どうも……」
ビシッ
( ^ω^)ゝ「それでは、ご協力ありがとうございました」
(;'A`)ゝ「こ、こちらこそ、どうも……」
- 540 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:48:08 ID:LTYXXnGs0
-
(^ω^ )スタスタ
(^ω^ )ピタッ
(;'A`)「?」
(;^ω^)「あの……こんな時でなんなんですが……」
(;'A`)「はい?」
(;^ω^)つ スッ 「これ、レジお願いできますか?」
(;'A`)
(;^ω^)
(*'A`) プッ…
(*'A`)「はい、毎度お買い上げありがとうございます」
< ピロリロリロ♪
- 541 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:50:19 ID:LTYXXnGs0
-
〜 一週間後 〜
< ピロリロリロ♪
('A`)「ありがとうございましたー」
('A`)「ふぅ……」
('A`)「今日も暇だな……」
('A`)「……」
('A`)「あれから一週間か……」
('A`)「まさか俺があんな事件に出くわすとはね……」
('A`)「……」
- 542 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:52:00 ID:LTYXXnGs0
-
あれから一週間、あの日以来キンタマ刑事は姿を見せていない。
色々と聞きたい事もあったが、何よりちゃんとしたお礼が言いたかった。
けれどそれも叶わぬのだろう。
多分、彼はもうこのコンビニには来ない。
予感とかではなく、確信だ。
あの事件は新聞の地方欄に小さく乗った。
犯人はまだ十代で、随分と若かった。
そんな人間が、あんな犯罪を犯さなければならない世の中ってどうなんだと、柄にもない事を考える。
そんなガキにビビってた事はさておき。
そして、あの事件が載った同じ新聞に、興味深い記事が載っていた。
逃亡中の殺人犯が、このコンビニの近くのアパートで逮捕されたらしい。
長年犯人を追い続けていた、一人の刑事の努力が実を結んだという話だ。
あの日彼が急いでいた理由と、もうこのコンビニに来ない理由がこれなのだろう。
- 543 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:53:30 ID:LTYXXnGs0
-
< ピロリロリロ♪
('A`)「いらっしゃいませー」
('A`)「ふぅ……」
('A`)「結局、俺に何かあったってわけでもないんだよな」
('A`)「事件に巻き込まれはしたけど、特に何もしてないし」
('A`)「俺はまたこうやって暇な深夜のコンビニバイトに勤しむだけだし」
('A`)「……でも、ちょっとは変わったかな」
('A`)「ちょっと身体鍛えよう、とか」
('A`)「防犯グッズの使い方を覚えよう、とか」
('A`)「就職、少しは真面目に考えよう、とかね」
- 544 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 00:57:30 ID:LTYXXnGs0
-
こうして俺は、今日もコンビニの夜勤に勤しむ。
相変わらずであること、暇で、平和であることの喜びをかみしめて。
しかし、このままだらだらとここで生きていくのも悪くない。
そう思っていた俺はもういない。
人はやりたいことを見つけ、やりたいことをやるために努力するものだ。
俺はあの人の生き方を知り、そう考えるようになった。
この話に特にオチはない。
人生なんてそんなもんだ。いつもいつも、綺麗に納得出来て終わるわけじゃあないんだ。
だが俺は、あの日のことをきっと忘れないだろう。
不器用に実直に、自分の務めをきっちりと果たしたあの人の事を。
キンタマ刑事の事を。
< ピロリロリロ♪
('A`)「ありがとうございましたー」
( ^ω^)キンタマ刑事のようです おしまい
- 545 :名も無きAAのようです:2011/10/01(土) 00:59:38 ID:X.7z9XKc0
- イイハナシダナー
- 546 :( ^ω^)キンタマ刑事のようです:2011/10/01(土) 01:03:05 ID:LTYXXnGs0
-
Intermission
( ^ω^)
ノヽ 丿ヽ
┏┘)
┗
ギャグにするしかないようなタイトルだったので、敢えてギャグは避けました。
端折った部分が目立って薄っぺらく見え、オチもないというちょっと雑な感じで。
独白的な淡々とした感じを出したかったのですが、どうでしょうねえ。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第七章を読む ※追加安価有り
3 ○○(※自由記述)というタイトルで○○(※自由記述)というジャンルの短編を書く
安価
>>547
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 547 :名も無きAAのようです:2011/10/01(土) 01:08:35 ID:X.7z9XKc0
- 1
- 548 :名も無きAAのようです:2011/10/01(土) 01:34:21 ID:LTYXXnGs0
- 追加安価
適当なAA
安価
>>549
- 549 :名も無きAAのようです:2011/10/01(土) 02:51:40 ID:X.7z9XKc0
- (・3・)
- 550 :名も無きAAのようです:2011/10/01(土) 23:16:13 ID:gQxoWRyU0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
( ^ω^)
_人 ノ>
/ │
┛ ┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 551 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:19:59 ID:gQxoWRyU0
-
〜 はじまりの洞窟 〜
('A`)つ□「お、薬草発見。まあ、最初の洞窟ならこんなもんだろうな」
('A`)「さて、探索はこれくらいにしてそろそろ帰るかな」
('A`)「おーいブーン、そろそろ帰るぞー」
<「わかったおー」
('A`)「そっちは何かめぼしいものは見付かったかー?」
テレレレーン!
┃
┃
╋
( ^ω^)ノ 「伝説の剣を拾ったお」
(;'A`) 工エエェェ!?
- 552 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:20:54 ID:gQxoWRyU0
-
┏━━━━━━━━┓
┃ドクオ ブーン. ┃
┃HP: 33 HP: 39 ┃
┃MP: 0 MP: 0 ┃
┃LV 5:し LV 5:あ. ┃
┗━━━━━━━━┛
┃
┃ /⌒ヽ
(;'A`)ノ ╋(^ω^ )
( ) ⊂( ⊂ i
| | し−J
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです. ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 553 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:23:13 ID:gQxoWRyU0
-
('A`)「なあ、ブーンよ」
( ^ω^)「なんだお?」
('A`)「ここがどこか知ってるか?」
( ^ω^)「はじまりの洞窟だお」
('A`)「そうだ。俺たちが住んでいる町から徒歩二十分」
('A`)「ほどほどの距離と草原よりは少し強いモンスターが出る、駆け出しの冒険者御用達の場所だ」
( ^ω^)「うんだお」
('A`)「そして俺達は十六歳になったので、先週から冒険者を始めたペーぺーもペーペー、ぺらんぺらんのルーキーだ」
( ^ω^)「レベルでいうと五ぐらいだお」
('A`)「ああ、いつかはこの世を支配する魔王を倒す、そんな密かな野望を胸に秘めて旅に出たばっかりだ」
( ^ω^)「僕は世界中の美味いものを食べるために冒険者になったんだお」
- 554 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:25:55 ID:gQxoWRyU0
-
(;'A`)「え、そうだったの? 昔一緒に魔王を倒そうって約束したじゃん」
( ^ω^)「美味いものを食べるついでに倒すお」
(;'A`)「魔王討伐をついでにすんなよ! 何その、観光の途中でたまたまイベントやってたから参加しましたなノリは」
('A`)「いや、今はそんなことよりだ」
('A`)「お前が拾ったそれについて考えなきゃならん」
( ^ω^)「どれだお?」
('A`)「その剣だよ。何だよ、伝説の剣って! 何でそんなすごそうな剣がこんなしょぼい洞窟に落ちてんだよ!」
( ^ω^)「そんな事言われても、落ちてたものはしょうがないお」
('A`)「しょうがないって……お前、そんなもん最初に拾ったら、今後出てくる武器はどうなるんだよ」
('A`)「伝説の剣っていたら、名前の響きからして最強クラスの武器だろ」
('A`)「武器屋行っても、出て来る武器出て来る武器、数値の横に↓が付いてて買う必要なくなるんだぞ?」
- 555 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:27:59 ID:gQxoWRyU0
-
('A`)「武器屋の商売あがったりだろ!」
( ^ω^)「そんな事言われても、弱い武器しか売ってない武器屋が悪いお」
('A`)「お前……武器屋がどんな思いで武器を仕入れているのか知っての事か」
('A`)「モンスターがいたる所に蔓延るこの時代」
('A`)「時にモンスターと戦い、時に命からがら逃げ、そんな危険を冒して武器を仕入れているんだぞ?」
('A`)「この武器を使ってこの世界を平和にしてもらいたい」
('A`)「そんな思いが詰まった武器屋の武器が悪いなんて、よくそんな事が言えたな!」
( ^ω^)「だったら冒険者に武器配って世界を平和にしてもらえばいいお」
('A`)「まあ、そこは商売だから、ねえ?」
('A`)「お金ないとご飯食べられないし」
- 556 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:31:16 ID:gQxoWRyU0
-
('A`)「そんなことよりもだ」
('A`)「その剣、本物なのか?」
('A`)「いくらなんでも、こんなしょぼい所に伝説の剣が落ちてるなんてあるわけないだろ」
( ^ω^)「うーん、でも、すごくカッコいい剣だお」
('A`)「レプリカか何かじゃないか?」
('A`)「装飾用に飾りが施されてる感じだし」
('A`)「伝説の剣なら程よく使い込まれてそうじゃないか」
( ^ω^)「まあ、使ってみればわかるお」
('A`)「それもそうだな。じゃあ、その辺のモンスターに」
- 557 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:32:56 ID:gQxoWRyU0
-
┏━━━━━━━━┓
┃ドクオ ブーン. ┃
┃HP: . 1 HP: 39 ┃
┃MP: 0 MP: 0 ┃
┃LV 5:し LV 5:あ. ┃
┗━━━━━━━━┛
。° 。
从从从从从 。
バリバリ ノ。 人. ┃
< ギャァァァァ’,, `> ┃ /⌒ヽ
) (゚A゚)’,;∴.<バリバリ ╋(^ω^ )
) ,~ |キ|~ ;’ .> ⊂( ⊂ i
<.  ̄ < >  ̄, < し−J
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ブーンは伝説の剣を使った ┃
┃ 剣から稲妻がほとばしる! ┃
┃ ドクオに32ダメージを与えた. ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 558 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:35:24 ID:gQxoWRyU0
- ブスブス…
( A )「お、おま……」
( ^ω^)「稲妻出たお。本物だお」
ドクオは薬草を使った
ドクオの体力が回復した
(#'A`)「お前、何してくれてんの!」
( ^ω^)「使ってみればわかるって言ったお?」
(#'A`)「言ったな、そして俺も同意したよ」
(#'A`)「でも、何で俺に使うんだよ!」
(#'A`)「危うく死ぬとこだったじゃねえか!」
( ^ω^)「使うってやったら勝手に決まったお」
('A`)「俺一人しかいなかったからか? つーか普通、対象決められるだろ」
- 559 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:38:32 ID:gQxoWRyU0
-
( ^ω^)「うーん、ボタン連打しちゃったかもしれんお」
('A`)「あー、あるあるwwww」
(#'A`)「じゃねえよ! 何だよ、ボタンって! ゲームじゃねえんだぞ、これは」
( ^ω^)「でも、使ってみてちょっと思ったお」
('A`)「何をだよ」
( ^ω^)「これは伝説の剣じゃないかもしれんお」
('A`)「ん? どうしてだ? 稲妻も出たし、むしろ俺は本物かと思い始めたぞ?」
( ^ω^)「その稲妻が、伝説の剣にしては弱すぎないかお?」
( ^ω^)「伝説の剣ならドクオごとき、塵一つ残さず消し去れてもいいくらいのはずだお」
(;'A`)「嫌な言い方すんなよ。つーかそう思ってるものを俺に使うお前って……」
( ^ω^)「これは偽物かもしれないお」
('A`)「うーん、でもまあ、偽者だとしてもそこそこの武器みたいだし、しばらくはそれ使ってもいいんじゃないか?」
- 560 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:44:17 ID:gQxoWRyU0
-
('A`)「売ってもいいし、掘り出し物には違いないだろ」
( ^ω^)「これは売らないお」
('A`)「そうか? それでもいい……」
( ^ω^)「これは拾い物だし、多分どこかに落とした人がいるはずだから交番に届けるお」
(;'A`) 工エエェェ!?
(;'A`) 「交番ってお前、トレジャーハント全否定する発言を……」
( ^ω^)「落し物は交番に届けろって、お母さんに言われたお」
(;'A`) 「そりゃ言われたけどさ」
( ^ω^)「学校でも習ったお」
(;'A`) 「そりゃ習ったけどもさ……わかったよ、交番に届ければいいだろ、もう!」
(*'A`) 「あ、でもその前に伝説の剣がどんなもんかちょっとだけ触らせてくんない?」
( ^ω^)つ「いいお」
(*'A`) つ「サンキュー。どれどれ……」
- 561 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:47:00 ID:gQxoWRyU0
-
┏━━━━━━━━┓
┃ドクオ ブーン. ┃
┃HP: . 1 HP: 39 ┃
┃MP: 0 MP: 0 ┃
┃LV 5:し LV 5:あ. ┃
┗━━━━━━━━┛
。° 。
从从从从从 。
バリバリ ノ。 人.
< ┃ギャァァァァ’,, `> /⌒ヽ
).╋ (゚A゚)’,;∴.<.バリバリ (^ω^ )
) ,~ |キ|~ ;’ .> ⊂( ⊂ i
<.  ̄ < >  ̄, < し−J
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ブーンは伝説の剣を装備した ┃
┃ 伝説の剣は選ばれし者にしか装備できない! ┃
┃ ドクオは32ダメージを受けた ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 562 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:49:11 ID:gQxoWRyU0
- ブスブス…
( A )「ど、ど、ど……」
( ^ω^)「大丈夫かお、ドクオ?」
ドクオは薬草を使った
ドクオの体力が回復した
(;'A`)「どういう事だよ、これは?」
(;'A`)「何だよ、選ばれし者って? 何でお前大丈夫なわけ?」
( ^ω^)「どうやら僕は選ばれし者だったみたいだおね」
(;'A`)「お前、いつの間にそんなすごい者になってたんだよ」
( ^ω^)「うーん、ちょっとよくわかんないお」
('A`)「そうだよな。そんなもんに心当たりなんてあるわけないよな」
( ^ω^)「あ、ひょっとしたらあれかもしれんお」
- 563 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:51:29 ID:gQxoWRyU0
-
〜 回想 〜
J( 'ー`)し「おきなさい。 おきなさい わたしの かわいい ブーンや……」
J( 'ー`)し「おはよう ブーン。 もう あさですよ」
J( 'ー`)し「きょうは とても たいせつなひ。 ブーンが はじめて おしろに いくひ だったでしょ」
J( 'ー`)し「このひのために おまえを ゆうかんな おとこのこ として そだてたつもりです」
J( 'ー`)し「さあ カーチャンに ついて いらっしゃい」
J( 'ー`)し「ここから まっすぐいくと おしろ です」
J( 'ー`)し「おうさまに ちゃんと あいさつ するのですよ。 さあ いってらっしゃい」
- 564 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:53:04 ID:gQxoWRyU0
-
( ^ω^)「……という話があったんだお」
(;'A`)「ひょっとしなくてもそれだよ!」
(;'A`)「めっちゃ心当たりあるじゃん! めっちゃ選ばれし者じゃん!」
(;'A`)「ていうかお前勇者じゃん!」
( ^ω^)「違うお、僕は遊び人だお」
(;'A`)「いや、勇者だろ……って、ステータスに『あ』って書いてあるよ!」
┏━━━━━━━━┓
┃ドクオ ブーン. ┃
┃HP: 33 HP: 39 ┃
┃MP: 0 MP: 0 ┃
┃LV 5:し LV 5:あ. ┃
┗━━━━━━━━┛
(;'A`)「何で勇者が遊び人やってんだよ!」
( ^ω^)「心は純粋に遊び人だお」
- 565 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:56:05 ID:gQxoWRyU0
-
(;'A`)「意味わかんねえよ! ちゃんと勇者として魔王倒しに行けよ!」
( ^ω^)「ちゃんと食べ歩きのついでに倒すお」
(;'A`)「だからついでにすんなよ!」
( ^ω^)「待ってるお、デパ地下の限定プリン! 老舗の出来立て最中! 魔王城の魔王!」
(;'A`)「魔王をスイーツ(笑)と並べんなよ!」
( ^ω^)「順番待ちのない魔王城は一番最後でいいお」
(;'A`)「行列の出来る魔王城は何か嫌だな……」
( ^ω^)「でも一説に、魔王城では魔王城限定のお土産をくれるって話だお」
('A`)「マジで? 随分気前のいい魔王だな」
( ^ω^)「何でも、メイドの土産っていう夢が広がりんぐなお土産らしいお」
(;'A`)「それもらっちゃ駄目ー! それ多分、メイドじゃなくて冥土だから! 死んじゃうから!」
- 566 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/01(土) 23:58:20 ID:gQxoWRyU0
-
(;'A`)「はあ……」
(;'A`)「もういいや、何か疲れたから今日は帰ろう」
( ^ω^)「そうだおね」
('A`)「その剣はお前が持ってろよ。お前が勇者ならそれはお前のもんだろ」
( ^ω^)「そうなるのかおね。仕方ないお」
( ^ω^)「あ、そうだ、落としちゃった時のために名前書いておくお」
(;'A`)「止めて、伝説の剣が一気に小学生の持ち物みたいになっちゃうから!」
('A`)(……けど、これで俺も勇者様のパーティーなんだよな)
('A`)(もともと魔王を倒すのが俺の目的だし、ラッキーといえばラッキーか)
( ^ω^)「お? あそこにも何か落ちてるお?」
('A`)(しかし、こいつが勇者だと、苦労しそうだがな……)
- 567 :( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです:2011/10/02(日) 00:00:16 ID:j7nPUub60
-
┏━━━━━━━━┓
┃ドクオ ブーン. ┃
┃HP: 33 HP: 39 ┃
┃MP: 0 MP: 0 ┃
┃LV 5:し LV 5:あ. ┃
┗━━━━━━━━┛
エエエエエ テレレレーン!
/⌒ヽ
(;'A`)ノ ◎(^ω^ )
( ) ⊂( ⊂ i
| | し−J
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ブーンは伝説の盾を拾った ┃
┃(;'A`)「またかよ!!!」. ┃
┃ ┃
┃ ( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです. おしまい. ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 568 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 00:03:45 ID:j7nPUub60
-
お題
拾い物
あとがき ありがち感は拭えないけど、この手のベタな話は結構好き。
書いてて楽しくもある。
勇者の旅立ちと言えばDQⅢをまず思い出すなぁ。
全体的な雰囲気はDQ準拠だけど、効果音だけはゼルダ。
J( 'ー`)しのセリフはドラクエ3のオープニングそのまま。
次は >>521 の続き、魔王を倒すつもりはなかったの予定……の前に
全部消化した短編お題をまた募集。
短編お題
安価
>>569
>>570
>>571
- 569 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 01:11:21 ID:hvGu.16w0
- 親譲りの無鉄砲
- 570 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 01:39:35 ID:mA983RUI0
- なんでやねん!!なんでやねん!!
- 571 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 03:46:25 ID:Hx.Nbr72O
- 逃亡
- 572 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 11:02:46 ID:H3cPU.SkO
- スイーツワロタwww
乙
- 573 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 23:43:56 ID:kBTkB.qg0
-
ピチピチ
E(・3・)ヨ
_
(:゚∀゚)「え? 何これ?」
( ^ω^)「魚?」
(´<_` )「魚だな」
激闘の末、ジョルジュが釣り上げたのは、少し下唇が出た以外はごく普通の魚だった。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第七章
.
- 574 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 23:44:42 ID:kBTkB.qg0
- _ ピチピチ
(:゚∀゚)σ「いや、こんな魚いるか?」E(・3・)ヨ
( ^ω^)「新種かお?」
(´<_` )「いや、ぼるじょあブナだ。この辺では少し珍しいかな」
釣り上げた魚を囲み、僕とジョルジュは眉根を寄せるが、弟者がこの魚が何か知っているらしい。
一見すると奇妙な面構えに見えるが、魚と呼べる範囲内だ。
_
( ゚∀゚)「聞いた事ねえ名前だな」
(´<_` )「本来はもっと北の方の魚だからな」
(´<_` )「天然記念物とまではいかずとも、そうどこにでもいる魚じゃない」
ピチピチ
( ^ω^)「変な顔だおね」E(・3・)ヨ
(´<_` )「食べ物の少ない環境に適応し、下唇が発達したらしいからな」
(´<_` )「水中の石に付着した苔を削り取るのに適するように」
- 575 :名も無きAAのようです:2011/10/02(日) 23:52:28 ID:kBTkB.qg0
- _
( ゚∀゚)「お前、魚にも詳しいんだな」
(´<_` )「全般に詳しいわけじゃないがな」
ピチピチ
(´<_` )「こういった珍魚なら、そこそこは知ってる」E(・3・)ヨ
_
(;゚∀゚)「ああ、趣味の守備範囲内ってとこか」
(´<_` )「そんな感じだ」
普通、とは言い切れないが、思ったよりはまともな釣果に少し気が抜けてしまった。
何が起こるかと身構えていたのに、肩透かしを食らった気分だ。
( ^ω^)「で、これどうすんだお?」
_
( ゚∀゚)「どうするって……こんなの逃がす以外にどうしようもねえんじゃね?」
(´<_` )「一応、食用魚だぞ?」
_ ピチピチ
(;゚∀゚)「この面で?」E(・3・)ヨ
- 576 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 00:09:29 ID:v6.wJl820
-
( ^ω^)「食べるのかお?」
_
(;゚∀゚)「うーん、ちょっとなあ……」
_
(;゚∀゚)「でも、こいつ以外食うもんねえしな……」
葛藤するジョルジュに、僕と弟者は顔を見合わせる。
僕らが弁当を広げてる様に気付かぬほど、ジョルジュは釣りに没頭していたらしい。
( ^ω^)「それ食べなくても、バナナあげるお」
_
(*゚∀゚)「マジで!?」
(´<_`;)「いや、普通に弁当やるから食えよ」
弟者が指差した方向に顔を向けたジョルジュは、ようやくその存在に気付いたようだ。
僕はジョルジュから拳が突き出される前に、その場から避難した。
_
(#゚∀゚)「あんなにあるなら言えよ!」
- 577 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 00:17:44 ID:v6.wJl820
-
( ^ω^)「いや、流石に気付くだろうと思って……」
猛るジョルジュをなだめ、僕は再び魚に目を向ける。
ピチピチ
( ^ω^)「じゃあ、こいつは逃がすのかお?」E(・3・)ヨ
_
( ゚∀゚)「いや、持って帰るよ。食えるんだろ?」
( ^ω^)「マジかお……」
さっきは食べるのに抵抗があるみたいな言い方だったが、昼食の問題が解決して、
冷静に考える余裕が出てきたのだろうか。
だったら逃がせばいいのにと思わなくもないが、食べられる魚なら持って帰っても問題はなさそうだ。
ジョルジュは弟者から魚篭受け取り、魚を入れて池に沈めた。
( ^ω^)「つーかホント、何でも持って来てるおね」
(´<_` )「釣竿があるんだから、魚篭ぐらいは持って来てるさ」
- 578 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 00:31:20 ID:v6.wJl820
-
ここまで来ると用意がいいを通り越していると思うが、便利ではあるので気にしない事にした。
_
( ゚∀゚)「さあ、飯だ飯だ。ちゃんと俺の分、残してるだろうな?」
(´<_` )「心配しなくても十分にある」
( ^ω^)「その前に手を洗って来いお」
僕達は和やかに昼食を済ませ、午後からも午前中と同じくそれぞれが思い思いに活動した。
僕と弟者は絵を描き、ジョルジュは釣りをするといった具合だ。
最初は適当な気持ちで書き始めた絵だが、妙に真面目に取り組んでいる自分がいる事に気付く。
時間を忘れるほど描き続け、弟者の絵が視界に入っては現実に戻されるという流れを繰り返した。
( ^ω^)「ふぅ……」
_
( ゚∀゚)「描き上がったのか?」
( ^ω^)「うん、まあ……鉛筆描きだけど」
僕の絵を覗き込むジョルジュ。
何度か頷いた後、また褒めてくれた。
- 579 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 00:43:50 ID:v6.wJl820
- _
( ゚∀゚)「そういやお前、昔絵で何か賞もらってたよな」
( ^ω^)「よくそんなこと覚えてたおね」
賞といっても佳作だ。
取った本人ですら忘れかけてたそれを、よく覚えていたものだと驚いた。
_
( ゚∀゚)「ぶっちゃけ、ついさっきまで忘れてたけど、その絵見てたら思い出したわ」
勿論、昔見た絵より今の絵の方が上手いんだろうけどと、律儀にフォローを入れるジョルジュ。
ここに来る前は小学生時代よりは上手くなっているはずと考えていたが、実際の所はどうなのか自分ではわからない。
( ^ω^)「これには昔の面影が残ってるのかおね?」
_
( ゚∀゚)「ああ、多分な。何だか懐かしい気がするし」
懐かしいという気持ちに連れられる様に来た、今回の遠出、というには近い場所だが、
存外楽しいものになった。
何というか、自分自身が素直にそう思えたのが一番不思議な感じだ。
- 580 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 11:45:31 ID:RzDjayRE0
- 続きにwktk
支援
- 581 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 22:51:34 ID:6Od8sovI0
-
(´<_` )「ふむ、なかなか上手いじゃないか」
いつの間にか僕の背後に立ち、絵を覗き込んでいた弟者が感想を述べる。
( ^ω^)「サンクスだお。弟者はもう……やっぱなんでもないお」
描けたのか、そう聞こうとしたのだが、聞くとそのまま弟者の絵を見なければならない流れになりそうなので、
そこで言葉を濁した。
(´<_`*)「ああ、描けているぞ。ちゃんと色まで塗ってな」
(^ω^ )「ふーん、そうなんだー、すごいおー」
言いかけの言葉で察したのか、最初から見せる気満々だったのか、どちらかと言えば後者のような気がするが、
そそくさとジョルジュの方へ逃げようとした僕を弟者はがっちりと捕まえる。
(^ω^ )「ジョルジュはどれだけ釣れたのかおね」
(´<_`*)「ほら、どうだ、この絵? なかなかのもんだろ?」
なおも逃げようと試みる僕の目の前に、一枚の衝撃映像が突きつけられる。
僕の頭は瞬時にそれを理解する事を拒み、これまで受けてきた情操教育が無にならぬよう心を閉ざす事に成功した。
- 582 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 22:56:38 ID:6Od8sovI0
-
( ^ω^)「いい絵の具だお」
(´<_`*)「だろ、いい色が出てるだろ?」
わずかに視線を掠めたショッキングピンクを褒めた所、画伯は都合のいい様に誤解してくれた。
画伯は僕を解放し、今度はジョルジュに絵を見せに走る。
(´<_`*)「どうだ、ジョルジュ、この出来栄え?」
_
( ゚∀゚)「……夢の島?」
(´<_`*)「ああ、確かに夢に溢れる景色がここに切り取られて存在しているな」
多分、ジョルジュの言葉は廃棄処理的な意味での夢の島だったと思うのだが、
画伯はまたも自分の都合のいい様に解釈する。
あの絵を直視して平然と答えたジョルジュといい、どちらもすごいと言わざるを得ない。
かなり駄目な意味でだけども。
( ^ω^)「ジョルジュの方の釣果はどうだお?」
さっさと画伯の話題は流し、ジョルジュの方に話を向ける。
あれから、意外にも何匹か釣れている様だったが、何匹ぐらい釣ったのだろうか。
- 583 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:05:18 ID:6Od8sovI0
- _
( ゚∀゚)「おう、上々だぞ」
( ^ω^)「ほう、こんなとこでも意外と釣れるもんなんだおね」
_
( ゚∀゚)「釣れたな。餌が良かったのか?」
( ^ω^)「パンの耳すげえ」
そんなわけはないと思うのだが、実際に釣った本人がそう言うのならそうかもしれない。
練り餌の時は全く釣れなかったのだし。
てっきり腕のお陰と自慢でもするのかと思ったが、妙に謙虚だ。
一見平気そうに見えたが、画伯の絵でそれなりにダメージを負っているのかもしれない。
_
( ゚∀゚)「ほれ、こんだけ釣れた」
そんな事を考えていたら、ジョルジュは既に池の中から魚篭を引き上げていた。
- 584 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:07:24 ID:6Od8sovI0
-
ピチピチ ピチピチ ピチピチ ピチピチ
E(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨ
ピチピチ ピチピチ ピチピチ ピチピチ
E(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨ
ピチピチ ピチピチ ピチピチ ピチピチ
E(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨ
ピチピチ ピチピチ ピチピチ ピチピチ
E(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨ
ピチピチ ピチピチ ピチピチ ピチピチ
E(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨE(・3・)ヨ
( ^ω^)
_
( ゚∀゚)「どうだ、すげーだろ?」
( ^ω^)「気持ち悪!」
_
( ゚∀゚)「お前……人が折角釣った魚を……」
- 585 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:12:51 ID:6Od8sovI0
-
魚篭の中にはびっしりとあのぼるじょあブナが詰まっていた。
思わず固まってしまったが、改めて冷静に見ても気持ち悪い以外の感想が浮かんでこない。
( ^ω^)「いや、実際気持ち悪いお?」
_
( ゚∀゚)「うん、まあな」
( ^ω^)「てか、何でこればっか釣れたんだお?」
_
( ゚∀゚)「知らねえよ。これしかいないんじゃないの、この池?」
普通に考えれば、そんな事はないはずだ。
弟者の話だと、ぼるじょあブナがここにいる事が珍しいという事だった。
(´<_` )「ほう、これはこれは……」
その弟者は、どこか嬉しそうな顔でぼるじょあブナを眺めている。
( ^ω^)「これも何かしらの怪異って事かお?」
(´<_`*)「じゃないのかな? いいねえ、このわけのわからなさ」
- 586 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:19:13 ID:6Od8sovI0
-
やはりそう考えるのが妥当な所か。
弟者ほどには前向きに喜べないが、一応僕も何かしらを起こしにここに来ているのだ。
この展開は望む所と考えるべきだ。
( ^ω^)「で、具体的には何が起きるのかおね」
(´<_` )「それは予測出来ないな。だがその方が面白い」
_
( ゚∀゚)「で、こいつらどうする?」
僕と弟者の会話を聞いていないのか、それとも聞いていないふりをしているのか、ジョルジュは気にする事無く、
ぼるじょあブナの処遇を考えているようだ。
( ^ω^)「どうするも何も、食べるから逃がさなかったんじゃないのかお?」
_
( ゚∀゚)「そのつもりだったけど、ちょっと多すぎるよな。お前もいるか?」
( ^ω^)「いらないお。つーかそもそも、ジョルジュはこれ、調理出来るのかお?」
_
( ゚∀゚)「これ、どう調理すんの?」
(´<_` )「小ぶりの魚だから、一般的には素揚げとか、から揚げとかかな」
- 587 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:26:27 ID:6Od8sovI0
- _
( ゚∀゚)「そのくらいなら出来るかな」
(´<_` )「しばらく洗面器とかに泳がせておいて、泥吐かせた方がいいかもな」
< …テ……
( ^ω^)「ジョルジュ、料理出来たのかお」
_
( ゚∀゚)「一人暮らししてれば少しはな。揚げ物はやった事ないけど」
( ^ω^)「思いっきり調理法、揚げ物なんですけど?」
< …イ……
_
( ゚∀゚)「油に放り込むだけだろ? 楽勝楽勝」
( ^ω^)「火事は起こすなお」
< オ……ケ…
- 588 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:32:32 ID:6Od8sovI0
- _
( ゚∀゚)「……ねえ、内藤さん?」
( ^ω^)「何ですかお、長岡さん?」
< …イ…ケ…
_
( ゚∀゚)「さっきから、何かお聞こえになってたりなさりませんでしょうか?」
( ^ω^)「お気の所為ではないのでしょうかおね」
< オイ…ケ…
_
(;゚∀゚)「いや、めっちゃ聞こえてるよ! 何かどこかでぼそぼそ言ってるし!」
( ^ω^)「みたいだおね」
僕の空耳かと思い、スルーしていたのだが、どうやらそうではなかったらしい。
はっきりとジョルジュにも聞こえているようだ。
- 589 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:39:03 ID:6Od8sovI0
-
多分池の方からだと思うが、かすれた低い声が聞こえて来る。
(´<_` )「……そうか、これがあったか」
そんな中、弟者は一人納得したような顔でしきりに頷いている。
( ^ω^)「心当たりがあるのかお?」
(´<_` )「ああ、有名なやつだよ」
_
(;゚∀゚)「やっぱそっち方面か」
(´<_` )「置いてけ堀って聞いた事ないか?」
_
(;゚∀゚)「置いてけ堀?」
( ^ω^)「置いてけ堀……ああ」
弟者が言う置いてけ堀に、僕は心当たりがあった。
- 590 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:47:12 ID:6Od8sovI0
-
( ^ω^)「お堀で魚釣った帰りに、どこからともなく置いてけ〜って言葉が聞こえてくるっていう」
(´<_` )「そう、その置いてけ堀だ」
確かにこれは有名な話だ。
僕の記憶では、国語の教科書にも載っていた覚えがある。
( ^ω^)(教科書……)
僕の記憶が正しければ、載っていたのは多分、小学生の教科書だったはず。
ここに来て、妙に懐かしさと繋がる怪異が出て来たものだと思う。
< オイテケー…
_
(;゚∀゚)「で、どうすんだよ?」
(´<_`*)「さて、どうしようか?」
_
(;゚∀゚)「何でお前、そんなに楽しそうなんだよ!」
- 591 :名も無きAAのようです:2011/10/03(月) 23:54:46 ID:6Od8sovI0
-
( ^ω^)「まあ、彼にとっては楽しい事なのでしょうね」
_
(;゚∀゚)「お前もお前で他人事みたいに言うなよ!」
他人事には思っていないというか、僕が中心にいる事は忘れてはいない。
しかし、ジョルジュは自分が魚を釣ったという直接的な原因があるからか、
自分が一番危険なのではと考えでもしているのだろう。
< オイテケー…オイテケー…
( ^ω^)「でも、置いてけ堀ってそんな怖いオチないおね?」
僕が覚えている範囲だと、無視して帰ったら魚がなくなったとか、魚篭置いて逃げて、
戻って来たら魚篭の中の魚がいなくなっていたとか、精々その程度のオチしかなかったはずだ。
_
(;゚∀゚)「その程度なら確かに……」
(´<_`*)「水の中に引きずり込まれるってパターンも存在するぞ」
_
(;゚∀゚)「だから嬉しそうに言うなよ! つーか怖いオチあるじゃん!」
- 592 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 00:02:56 ID:sXD2ImiA0
-
そのオチは知らなかったが、マニアが言うのなら間違いはないのだろう。
意外とデンジャラスな話なのに教科書に載っていたとか、文科省もなかなかやってくれる。
< オイテケー…オイテケー…
_
(;゚∀゚)「おい、どうすんだよ? 段々近付いてるっぽいぞ?」
_
(´<_`*)「勿論、一部始終を観察するに(;゚∀゚)「お前は黙ってろ!」
そろそろ余裕がなくなって来たジョルジュに、僕はどうするべきか、今の自分の考えを伝える。
( ^ω^)「1 ここで待ち構えるからその魚篭貸せお
2 逆転の発想で、持ち帰らずにここで食べてみるのはどうだろうかお?
3 逆転の発想で、もってけーと歌いつつ魚をぶつけてみるのはどうだろうかお?
4 ジョルジュ、あとは任せたお! 置いてけ堀だけに置いてけぼり 」
安価
>>598
- 593 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 00:04:21 ID:sXD2ImiA0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
ノ
─(^ω^)
ヽ ノ
∠┓\
┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 594 :( ◆s6bK4yHxh2:2011/10/04(火) 00:05:38 ID:sXD2ImiA0
-
(#`ω´)「僕が読んでる現行がもう、ニヶ月も投下ないお!」
(#`ω´)「最近読み始めてすごくwktkしてたのに、こんなのないお!」
(#`ω´)「他にもあの現行もあの現行もぜんぜん投下ないんだお!」
(#`ω´)「だいたい、ブーン系は逃亡多過ぎるんだお!」
(#`ω´)「逃亡する作者は許せないお!」
(#`ω´)つ┫ニニフ「この逃亡作者だけ斬れる刀で僕がぶった斬ってやるお!!!」
(#`ω´)ブーンが逃亡作者を斬るようです
ピコーン!
ξ
(#`ω´)「む! 早速僕の逃亡作者レーダーに反応があったお!」
(#`ω´)つ┫ニニフ「そこだお!!!」
- 595 :(シャープ`ω´)ブーンが逃亡作者を斬るようです:2011/10/04(火) 00:06:52 ID:sXD2ImiA0
-
ギャーッ!!
( ^ω^) スパーン!
/ / /ヽ
| | / /| |
| | / / | |
∪ ./ ,イ ∪
| / /|| |
|/ / || |
| || |
(_)_)
(^ω^)ブーンが逃亡作者を斬るようです おしまい
- 596 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 00:07:58 ID:sXD2ImiA0
-
お題
逃亡
あとがき フ ィ ク シ ョ ン だ よ!
しかし、大文字シャープまでトリップキー扱いになるとは思わなんだ。
以下、何事もなかったかのように >>592 の続き。
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 597 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 00:31:21 ID:HHs9hc2.0
- 乙
まさかの自刃wwwwwwwww
- 598 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 12:42:58 ID:kMWTLDfk0
- 3
- 599 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 13:15:53 ID:8sdd/.lI0
- 乙
すまねえ……もう少しで投下するから……
- 600 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 14:20:17 ID:F3rZFlzMO
- wktk
- 601 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 18:49:46 ID:S58rAj6U0
- 乙
つり目のブーン可愛いな
- 602 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 23:27:41 ID:vanoO.Ys0
-
( ^ω^)「逆転の発想で、持ち帰らずにここで食べてみるのはどうだろうかお?」
_
(;゚∀゚)「それだ! ってどれだ!? 何だっけ、それ?」
どの変が逆転なのかよくわからない、ふと思い浮かんだ言葉が口を吐いていた。
僕以上に混乱しているジョルジュは、一旦は同意しながらも、どうしていいのかよくわからないでいるようだ。
まあ、言った僕自身もよくわかっていないというか、その場で思い付いて書き加えたものが、
安価と書いて無意識に選ばれたのだから仕方がない。
( ^ω^)「あれだお、某銀河の妖精の歌」
_
(;゚∀゚)「ああ、なるほどね……って、それ、何か効果あんのか?」
( ^ω^)「そんな事僕に聞かれても……」
_
(;゚∀゚)「前が言ったんじゃねえか!」
< オイテケー…オイテケー…オイテケー…
置いてけと言われたから、持って行けと返すのはあながち間違いではない気がする。
歌う必要があるかどうかはさておき。
- 603 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 23:34:54 ID:vanoO.Ys0
-
( ^ω^)「向こうは妖怪みたいなもんだし、妖精なら魔を払ってくれそうじゃないかお?」
_
(;゚∀゚)「何かすげー適当に言ってる気がしてならないんだが」
首を捻りながら言う僕の言葉を、ジョルジュは信用がならないらしい。
まあ、こんないい加減な発言を無条件に信用する方がかなり駄目だと思うが。
< オイテケー…オイテケー…オイテケー…
_
(;゚∀゚)「弟者はどう思う?」
(´<_` )「そうだな……一つだけ言わせてもらうなら」
_
(;゚∀゚)「なら?」
キラッ☆彡
(´<_` )ゞ「俺は緑の方がいいな」
_
(;゚∀゚)「ロリコンは黙ってろ!」
( ^ω^)「緑うぜえ」
(´<_` )「ババアよりマシだろ」
- 604 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 23:42:47 ID:vanoO.Ys0
- _
(;゚∀゚)「お前ら……」
僕と弟者が不毛な、しかし譲れない争いを繰り広げているのをジョルジュが恨みがましい目で見て来る。
そろそろ本気でキレられそうだから、冗談はこのくらいにしようかと思う。
( ^ω^)「魚逃がせばいいと思うお」
(´<_` )「おいおい、折角面白くなって来たってのに、それはないんじゃないか?」
_
( ゚∀゚)「面白い面白くないは置いといて、お前はそれでいいのか?」
真面目に僕が安全策を提案すると、意外にもジョルジュがそれを止めようとする。
確かに、何かを起こしには来ているのだが、友達を危険に晒してまでやるべき事ではないと思っている。
( ^ω^)「このままだとジョルジュが危なそうだから、ここは逃げとくお」
_
( ゚∀゚)「……」
(´<_` )「……うむ、仕方ないか」
僕の提案に、弟者もすんなりと同意する。
その辺りは流石、腐っても常識人という所か。
- 605 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 23:48:37 ID:vanoO.Ys0
-
オカルトマニアでもロリコンでも画伯でも緑好きでも、
友達を危険に晒してまで自分の楽しみを追求したりしないのだろう。
(´<_` )「何か言ったか?」
( ^ω^)「何にも言ってないお」
_
( ゚∀゚)「……よし」
( ^ω^)「お?」
_
( ゚∀゚)「わかった、最後まで見定めてやろうじゃねえか」
( ^ω^)「ジョルジュ……」
_
( ゚∀゚)「友達にそこまで言ってもらってんのに、ここで逃げたら男が廃るってもんだ」
< オイテケー…オイテケー…オイテケー…オイテケー…
( ^ω^)「危険かもしれないお?」
_
( ゚∀゚)b「荒事は俺の方が向いてるし、お前にやらせるよりはマシだろ?」
- 606 :名も無きAAのようです:2011/10/04(火) 23:55:09 ID:vanoO.Ys0
-
親指を立て、力強く頷くジョルジュを、僕は何も言えずにただ見詰めていた。
どうしてジョルジュがここまでしてくれるのか、僕にはわからない。
友達なら当然だとジョルジュは言うのだが、僕がジョルジュの立場なら果たして同じ言葉が言えるだろうか。
( ^ω^)(言えないおね……)
それは多分、ジョルジュがいいやつで、僕がそうでもないという単純な話。
僕が言えるとしたら、どうでもいいという投げやりの気持ちの延長から。
_
( ゚∀゚)「んじゃ、行くぜ!」
( ^ω^)「わかった……お?」
神妙な面持ちで頷きかけた僕は、ジョルジュの言葉にある違和感に気付き視線を上げる。
ピチピチ
_ E(・3・)ヨ
( ゚∀゚)∩
そこには何故か、一匹のぼるじょあブナを取り出したジョルジュの姿があった。
- 607 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 00:01:38 ID:o99w4Pb.0
-
( ^ω^)「……長岡さん?」
< オイテケー…オイテケー…オイテケー…オイテケー…
ピチピチ
_ E(・3・)ヨ
(#゚∀゚)∩「置いてけ置いてけ、うるせえんだよ!」
ピチピチ
_ E(・3・)ヨ
(#゚∀゚)∩「そんなに欲しいなら、持って行きやがれぇぇぇぇ!」
モッテッケー! ブンッ!
(#゚∀゚)つ 三E(・3・)ヨ
( ^ω^)「結局投げるのかお」
- 608 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 00:10:07 ID:o99w4Pb.0
-
勢いよく池に向かってぼるじょあブナを投げつけるジョルジュ。
ちゃんと歌も忘れない辺り、律儀な男である。
投げ付けられたぼるじょあブナは水飛沫を上げ、着水というには些か派手に水面に激突する。
動物愛護団体に怒られそうな光景だが、元がキモい魚なのであまり罪悪感は沸かない。
_
(#゚∀゚)「どうだ、この野郎!」
( ^ω^)「いや、そんな物理攻撃が聞くわけないお?」
提案しておいてこの言い草はひどいかもしれないが、置いてけ堀のような正体不明の現象に、
魚をぶつけるという力技が通じるとは到底思えない。
なら提案するなよと言われそうだが、それを僕に言われても困る。
< オイテケ〜…オイテケー…オイテケー…オイテケー…
( ^ω^)「ほら……」
案の定、先ほど変わらない声を響かせる置いてけ堀。
これ以上は無駄だろうし、待つと決めたなら大人しく待つ方が懸命だと思える。
- 609 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 00:19:43 ID:o99w4Pb.0
- _
(#゚∀゚)「ちぃ、次は連打を食らえ!」
( ^ω^)「いや、そこは諦めてけお」
< オイテケー…オイテケー…オイテケー…オイテケー…
モッテッケー! リューセー クダイテー デート!
(#゚∀゚)つ 三E(・3・)ヨ 三E(・3・)ヨ 三E(・3・)ヨ
自棄を起こしたかのように、次々とぼるじょあフナを池に投げ込むジョルジュ。
熱唱しながら魚を池に投げ込む姿は、最早こっちの方が怪奇現象だ。
若干歌詞を間違ってるのもまた趣き深い。
( ^ω^)「どうしたもんかおね?」
困ったというよりは呆れたような気分で弟者の方に目を向ける。
しかし視線の先には、先ほどまでそこにいたはずの弟者の姿はなかった。
( ^ω^)「弟者?」
- 610 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 00:27:28 ID:o99w4Pb.0
- (#゚∀゚)「ならばダブルスで行くぞ!」
+(´<_` )「心得た!」
( ^ω^)
< オイテケ〜…オイテケー…オイテケ〜v…オイテケー…
_トンデッケー!
(#゚∀゚)つ 三E(・3・)ヨ 三E(・3・)ヨ 三E(・3・)ヨ
アーオイデンリュー!
( ´_>`)つ 三E(・3・)ヨ 三E(・3・)ヨ 三E(・3・)ヨ
( ^ω^)「……何してんの?」
弟者はいつの間にかジョルジュと並んでぼるじょあブナを池に投げ込んでいる。
何をしてるのかと問い詰めたい所ではあるが、弟者としては、
こっちの方が面白そうな事になりそうだとかで悪乗りしてるのだろう。
取り敢えず緑うぜえ。
- 611 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 00:38:15 ID:o99w4Pb.0
-
( ^ω^)「はあ……」
何だか妙に疲れた僕は、座り込んでその異様な様を大人しく見ている事にした。
_ ドリャァァァ!
(#゚∀゚)つ 三E(・3・)ヨ
< オ…テケ〜…オイテケー…オイテケ〜…オイテケーvv…
キラッ!
( ´_>`)つ 三E(・3・)ヨ
< オイテケー…オイ〜ケー…オvvテケー…オイテケー…
( ^ω^)「お?」
全く無駄と思っていた行為であるが、よくよく聞いていると、わずかに置いてけ堀の声が掠れている気がする。
ぼるじょあブナの着水音で聞き取り辛いので、気の所為かも知れないが。
- 612 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 00:50:00 ID:o99w4Pb.0
- _ ダラッシャァァァ!
(#゚∀゚)つ 三E(・3・)ヨ
< オイテケー…オイ…アブネ!?…オイテケー…オイテケー…
( ^ω^)「おい、今はっきり『危ね!?』って聞こえたぞ?」
気の所為かと思っていたが、今確かに人の声らしきものが聞こえた。
置いてけ堀自体が人の声のようなものではあるが、それとは違うどこかしら感情のこもった声だ。
( ´_>`)「幽霊の正体見たり、枯れ尾花というやつかな」
( ^ω^)「弟者……」
_
( ゚∀゚)「ブーン」
( ^ω^)「ジョルジュ……」
二人もそれに気付いたのか、魚を投げるのを止め、僕の方に歩み寄る。
僕のそばまで来たジョルジュが、その手にあった銀色の輝く物体を僕に差し出した。
- 613 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 00:57:21 ID:o99w4Pb.0
- _ スッ
( ゚∀゚)つE(・3・)ヨ
コクッ
( ^ω^)"
僕はそれを受け取り、大きく振りかぶる。
ピチピチ
E(・3・)ヨ
( ^ω^)∩
そして、それを力の限り池に叩き込んだ。
モッテッケー! ブォン!
(#^ω^)つ 三E(・3・)ヨ
適当なAA(※既出未出問わず)
>>614
- 614 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 08:00:09 ID:QS5NxMrwO
- 川 ゚ -゚)
- 615 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 13:42:17 ID:zFx59WFE0
- クーか
期待支援
- 616 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:05:37 ID:6aCzYaDs0
-
渾身の力を込めてぼるじょあブナを投げ付けた瞬間、一際大きな水飛沫が池から立ち上る。
その中心に立つ一つの影が、思い切り腕を振り下ろした体勢の僕から真正面に見て取れた。
川# - )「貴様らいい加減に──」
( ^ω^)「あ……」
ゲホアッ!? ボグシャァッ!
‘。・. ノ( д(#E(・3・)ヨ三
運動神経が良いとは言い難い、僕が放ったぼるじょあブナは、僕の真正面に出て来た人影に不運にも直撃した。
人影は背中から倒れ、再び水中に沈む。
魚だし、大したダメージはないだろうが、自分がやられたら精神的に嫌な一撃だと思う。
_
(;゚∀゚)(*´_>`)(;^ω^)「えっと……」
- 617 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:18:36 ID:6aCzYaDs0
-
どう反応していいのかわからず、僕らは思わず顔を見合わせる。
約一名、楽しそうな顔をしているのもいたが、僕はこの状況に戸惑っていた。
_
(;゚∀゚)「おい、今の……」
(;^ω^)「置いてけ堀の声も止まっちゃったし、多分……」
僕は頷き、続くであろうはずであったジョルジュの疑問の言葉をを省く。
状況から考えるに、今の人影が置いてけ堀なのだろう。
_
(;゚∀゚)「やっぱそうだよな……」
( ´_>`)「置いてけ堀の正体が人……とは限らないが人型だったな」
弟者の説明では、置いてけ堀は古くからある話ではあるが、その正体ははっきりとわかっていないという。
妖怪に分類される事が多いのだが、明確にその姿が書かれているものはまずないらしい。
(;^ω^)「お?」
池は相変わらず静かなままだが、水中に何かが蠢いている。
具体的には影がゆっくりとこちらに近付いて来ているのだ。
- 618 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:26:27 ID:6aCzYaDs0
-
これは本格的にヤバそうだなと思いはしたが、対策を考えるような暇もなく、再び水中から人影が姿を現す。
川# )
俯き気味な上、長い黒髪に隠れて顔はよく見えないが、どうやら女性の様だ。
色白の肌が寒色の着物姿と相俟って、それっぽい雰囲気を存分に醸し出している。
_
(;゚∀゚) ゴクリ…
(;^ω^)
(*´_>`)
その挙動を見守るが、女性は僕らからわずか一、ニメートルの距離に浮上したまま、微動だにしない。
いや、よく見るとわずかながらその肩が震えている様だ。
川# )
水浴びには少々遅い季節だったんじゃないかと余計な心配をしていると、唐突に女性が顔を上げた。
- 619 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:32:20 ID:6aCzYaDs0
-
クワッ
川#`゚益゚)
そこには般若がいた。
(;^ω^)「怖っ!」
ギロッ
川#゚益゚')「あ?」
思わず漏れてしまった僕の呟きに、般若は耳聡く反応する。
その眼光は鋭く、思わず目を背けてしまう。
_
(;゚∀゚)「おい、何かめっちゃ怒ってらっしゃいませんかね?」
(;^ω^)「どう見ても怒ってるお」
ひそひそと話す僕らをじっと睨み付けて来る般若。
ぶち切れた市松人形みたいな顔とはこういう顔を指すのだなと、僕は若干現実から逃避していた。
そんな中、後方からパシャパシャと場違いな機械音が響いて来るのは、マニアが写メでも撮っているのだろう。
- 620 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:40:33 ID:6aCzYaDs0
-
川#`゚益゚)「おい、そこの眉毛」
_
(;゚∀゚)「えっと……?」
(;^ω^)「お?」
川#`゚益゚)「お前だお前、今なんつった?」
戸惑う僕らに、ぶち切れ市松は苛立たしげにジョルジュを指差す。
_
(;゚∀゚)「あ、はい、その……何かお怒りでらっしゃるのではと……」
川#`゚益゚)「『お怒りでらっしゃる』だ?」
ジョルジュの言葉を遮り、溢れ出る怒気を隠そうともせずにジョルジュを睨み付けるお市さん。
その剣幕にジョルジュは言葉を飲み込み、半歩下がる。
どうでもいいが、お市さんという呼び方が一番妖怪と言うか幽霊っぽいので、仮にお市さんと呼ぶ事にする。
川#`゚益゚)「怒ってらっしゃるからっしゃらないかで言えば、怒ってらっしゃるに決まっとろうがァッ!」
激昂し、雄叫びを上げるお市さん。
僕はその隙に数歩下がり、その結果必然的にジョルジュが最前面に立つ事になる。
- 621 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:46:41 ID:Yh.uzJwc0
- クールとは程遠い状況にwww
- 622 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:47:12 ID:6aCzYaDs0
- _
(;゚∀゚)「ですよねー」
川#`゚益゚)「で、お前ら何やってんの?」
_
(;゚∀゚)「な、何って……投擲?」
川#`゚益゚)「何で置いてけ堀に魚投げつけてくるとか、アグレッシブな事してんの?」
_
(;゚∀゚)「それはえっと……何かノリで?」
川#`゚益゚)「ノリで魚投げ付けんじゃねえよォォォォォッ!」
更に激昂するお市さん。
最早般若どころの迫力ではない。
川#`゚益゚)「お前らさあ、人が折角それっぽい雰囲気出してさ、呼びかけてんのによォ?」
川#`゚益゚)「しばらく気付かねえは、気付いたら気付いたで魚投げてくるわ」
川#`゚益゚)「お前達一体何なの?」
- 623 :名も無きAAのようです:2011/10/05(水) 23:57:17 ID:6aCzYaDs0
- _
(;゚∀゚)「何なのと言われましても……ねぇ?」
同意を求めるように顔を横に向けるジョルジュ。
しかし残念ながら既に僕はその位地にはいない。
_
(;゚∀゚) イネエ!?
川#`゚益゚)「もっとさあ、あるだろ、何かさ?」
_
(;゚∀゚)「えっと、はい……何かとはその、何でしょう?」
川#`゚益゚)「風情っていうの? 怖がり方とかさ、反応とか」
川#`゚益゚)「こう、ヒュードローって音が鳴ったってうらめしやって感じのさ」
_
(;゚∀゚)「はぁ……、いや僕は結構怖かったんですけどね……その、怖すぎて逆に行っちゃったみたいな……」
川#`゚益゚)「別に立ち向かって来るのはいいんだよ」
川#`゚益゚)「昔も怖がらないで向かって来たやつも何人かはいたんだし」
川#`゚益゚)「姿の見えない得体の知れない声が聞こえてきたら、攻撃するやつもいるだろうさ」
- 624 :名も無きAAのようです:2011/10/06(木) 00:07:37 ID:ST/hzYpo0
- _
(;゚∀゚)「ええ、まあ……」
川#`゚益゚)「でもさ……」
川#`゚益゚)「何で魚なん?」
_
(;゚∀゚)「何でと仰られても……そこに魚があったからとしか……」
川#`゚益゚)「投げるなら他にも石とかあるやん?」
川#`゚益゚)「どう考えても石の方が強そうやろ?」
川#`゚益゚)「硬いし投げやすいし」
川#`゚益゚)「何で魚なん?」
_
(;゚∀゚)「だからその……ノリ?」
川#`゚益゚)「ふざけんじゃねェェェェェッ!」
_
(;゚∀゚) ヒィィッ!?
- 625 :名も無きAAのようです:2011/10/06(木) 00:30:59 ID:ST/hzYpo0
-
響く怒号に後退るジョルジュ。
怖いのは怖いのだが、どちらかと言えば怪異の怖さというよりは、
カミナリおじさんの家にボールを打ち込んでしまった野球少年の怖さに近いかもしれない。
( ^ω^)「どうしようかおね?」
ジョルジュから少し距離を空けた僕は、視線はジョルジュの方に向けたまま弟者に相談を持ちかける。
何とも馬鹿馬鹿しい事で怒られているので信憑性が薄れるが、
お市さんの言動を拾う限りでは彼女は確実に怪異な存在であろう。
水の中で寒くないのかとか考えたが、服や髪は濡れた様子もないし。
( ´_>`) ジーッ
つ【】
( ^ω^)「……お前、何やってんの?」
返事がないと思って弟者の方を見てみると、弟者は携帯電話をお市さんへ向けていた。
写メの後はムービーを撮るつもりらしい。
間違いなくこの状況を一番楽しんでいるのはこの男だ。
- 626 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 00:16:07 ID:rnEPzf7U0
-
( ^ω^)「てか、写真撮れたのかお?」
お市さんが怪異な存在なら、普通のカメラで写真が撮れるのか疑わしい所だ。
逆に言えば写真に写らないなら怪異である事が確定のようなものだが。
(;´_>`)「駄目だった。だから動画に切り替えたんだが……」
川#`゚益゚)「面白いやつが来るからと言われて来てみれば、頭がおかしいって意味で面白い事この上ないと来た」
_
(;゚∀゚)「アハハ……何かすんません」
( ^ω^)(……ん?)
未だ背後ではぐちぐちと恨み言が綴られているが、その中に気になる言葉があった。
川#`゚益゚)「大体、お前ら……」
( ´_>`) ジーッ
つ【】
- 627 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 00:23:11 ID:rnEPzf7U0
- クルッ
川#゚益゚')「ん?」
( ´_>`) ジーッ
つ【】
パッ
川 ゚ -゚)
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「おい、そこ、撮るなら撮るとちゃんと断れよ」
(;´_>`)「あ、はい、すみません」
<川 ゚ -゚)「撮るならもっとあの辺、そうそう、その角度からで頼む」
ノ
弟者がムービーを撮っている事に気付くと、お市さんは撮影方法に注文を付け出した。
カメラ映りを気にする怪異ってどうなんだろう。
そもそも、ちゃんと撮れてない可能性が大きいというのに。
- 628 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 00:30:32 ID:rnEPzf7U0
-
( ^ω^)「撮れてるかお?」
(;´_>`)「駄目だ……」
小声で弟者に聞いてみたが、やはり撮れてないらしい。
目に見えて落胆する弟者だが、弟者のお陰でお市さんがクールダウンしてくれたようなので助かった。
その顔も般若から普通の、というよりかなり美人と言ってもよい顔に変わっている。
( ^ω^)「あの、今お時間よろしいですか?」
川 ゚ -゚)「何だその、怪しげな路上キャッチセールスみたいな誘い文句は」
何と言うか、カメラの件といい、妙に世慣れた怪異である。
ただまあ、その方が色々と話が早そうなので、その点は気にしないでおこうと思う。
( ^ω^)「いや、ちょっと質問が」
川 ゚ -゚)「ふむ、いいだろう、こちらもいくつか聞きたい事はあるしな」
僕達はまず簡単な自己紹介をした。
ここに来た理由から話すと長くなりそうなので、
ひとまず彼女がどの程度関わっているのかを知るまでは当面の目的は黙っておく事にする。
- 629 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 00:43:52 ID:rnEPzf7U0
-
( ^ω^)「あなたは置いてけ堀さん、という事でよろしいんですかおね?」
川 ゚ -゚)「いや、私の本名は沙緒クールという」
川 ゚ -゚)「置いてけ堀は人間が付けた名前だし、そもそも……まあ、これはいいか」
( ^ω^)「では、クールさんとお呼びしていいですかおね」
川 ゚ -゚)「うむ、クーでかまわんぞ。あと敬語もいらん」
先ほどまでの怒りはどこへやら、極めて理性的に応対してくれるクー。
僕はこれ幸いと早速先ほど気になった事を聞いてみる。
( ^ω^)「さっき、僕らの事を誰かから聞いたみたいな言い方してましたが、それって誰から聞いたんですかお?」
川 ゚ -゚)「なかなか耳がいいな。だがしかし、それは言えない」
( ^ω^)「どうしてですかお?」
川 ゚ -゚)「そういう約束だからさ」
- 630 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 00:50:53 ID:rnEPzf7U0
-
簡単に聞き出せるとは思っていなかったが、やはり、いきなり答えをくれるような事はないらしい。
これから初対面の人から色々と聞きださねばならないという、
人生のイージーモードを常々願う僕にとっては高いハードルがそびえ立つ。
( ^ω^)「ええっと……」
(*´_>`)「置いてけ堀って、どんな目的があるんですか?」
案の定、言葉に詰まる僕に変わり、弟者が質問をしてくれる。
ただ、恐らく僕への助け舟というよりは、自分の興味全開の質問をする辺りは流石だ。
まあ、僕も少し興味がなくもない質問ではある。
川 ゚ -゚)「あれか……、あれはな……」
(*´_>`)「やっぱりあれですかね、守護的な意味合いとかのものだったり、九十九神の亜種で、自分の……」
川 ゚ -゚)「特に意味はない」
(;´_>`)「無いの!?」
- 631 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 00:58:35 ID:rnEPzf7U0
-
川 ゚ -゚)「正しくは、よく知らないだけなんだがな」
( ^ω^)「知らない?」
川 ゚ -゚)「うむ、何故なら私は置いてけ堀ではないからな」
( ^ω^)「へ?」
ここに来て、これまでの話を全て引っくり返す発言をするクー。
ならば何故置いてけ堀を名乗ったのだろうか。
川 ゚ -゚)「いや、別に私は置いてけ堀だと名乗った覚えはないぞ?」
置いてけ堀は人間が名づけたものとは言ったが、自分が置いてけ堀ではないという事らしい。
となれば彼女は何者なのかという話が出てくるのだが、もう一つ気になる事もある。
( ^ω^)「じゃあ、何で『置いてけ〜置いてけ〜』って言ってたんだお?」
川 ゚ -゚)「……」
( ^ω^)「……」
- 632 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 01:05:33 ID:rnEPzf7U0
-
川 ゚ -゚)「……何かノリで?」
_
(;゚∀゚)「うぉぉぉい!」
ひとしきり首を傾げ、ぼつりと呟くように答えたクー。
この発言には、先ほど同じ答えをして散々責められたジョルジュは納得がいかないようだ。
当然と言えば当然だろうけども。
川 ゚ -゚)「いや、何か期待されてる感じだったしさ、その演出的に?」
川 ゚ -゚)「あれが一番雰囲気に合ってるかなって」
( ^ω^)「確かにそれっぽくはありましたお」
川*゚ -゚)「だろ?」
僕の言葉に嬉しそうな顔を見せるクー。
何だかひどく無駄な時間を費やした気もするが、結果的にはこうやって怪異であるクーと遭遇出来たのだから、
良しとしておくべきか。
- 633 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 23:00:14 ID:aNv0Eu120
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
( ^ω^)
ノヽ 丿ヽ
┏┘)
┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 634 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:01:30 ID:aNv0Eu120
-
( ^ω^)なんでやねん劇場のようです
〜 パンが好きだお 〜
_
. (⌒⌒⌒).) /⌒ヽ
| |:|. (^ω^ ) ぉ?
──| |:|‐─○──○──
 ̄ ̄ ̄~
_
(⌒⌒⌒).)
| (;;;;,,,.. |:| ムギュ
(つ___と)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
- 635 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:03:25 ID:aNv0Eu120
-
_
(⌒⌒⌒).) /⌒ヽ
(^ω^ )) ( ) ……
──| :::|:|‐─○──○──
 ̄ ̄ ̄~
_
(⌒⌒⌒).) /⌒ヽ
( ^ω^ )) ( )
──| :::|:|‐─○──○──
 ̄ ̄ ̄~
.
- 636 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:05:48 ID:aNv0Eu120
-
〜 荒ぶる鷹のポーズ 〜
へ( ^ω^)ヘ <荒ぶる鷹のポーズ!
ヽ ノへ
/ ┗
┗
へ( ^ω^)− <ちょっとだけ荒ぶる鷹のポーズ!
ヽ ノ
/ \
┗ ┗
.
- 637 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 23:06:30 ID:SPXXjXbk0
- ( ^ω^)支援
- 638 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:07:27 ID:aNv0Eu120
-
−( ^ω^)− <セーフ!
ヽ ノ
/ \
┗ ┗
\( ^ω^) <アウト!
ヽ ノ>
/ \
┗ ┗
.
- 639 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:08:39 ID:aNv0Eu120
-
( ^ω^) <よよいの!
ヽ∞ノ
/ \
┗ ┗
┓┏
x
( ^ω^) <ヨガのポーズ
ヽ∞ノ
.
- 640 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:10:36 ID:aNv0Eu120
-
〜 ブーン小説テンプレ 〜
【AAテンプレその1】
( ^ω^) ブーン ξ゚ω゚)ξ ブンデレ ('ω`) ブクオ 川 ゚ω゚) 素直ブール ζ(゚ω゚*ζ ブレデレ
_
( ゚ω゚)o彡゚ ブョルジュ長岡 ノパω゚) 素直ブート (´^ω^`) ブョボーン (`^ω^´) ブャキン
( ´ω`) ブナー ( ・ω・) ブララー (,,゚ω゚) ブコ猫 (*゚ω゚) ブぃ (*゚ω゚) ブー (#゚;;ω゚) でブ
/ ,' ω 荒巻ブカルチノフ ミ,,゚ω゚彡 ブサギコ ( ´_ω`) 兄ブ (´ω_` ) 弟ブ
(*^ω^*) ブんぽっぽ ( >ω<) ブかんないんです=ブロード ( <●>ω<●>) ブかってます
<ヽ`ω´> ブダー J( 'ω`)し ブーチャン ( ^ω^)9m ブギャー≠ブカラ? *(‘ω‘)* ブリカル沢近 川ω川 ブ子
(・ω ・) 斉藤ブたんき (-ω-) ブッキー ( ´ω`) ブラネーヨ (=^ω^) ノブょ ( ゚ω゚ ) ブっちみんな
从'ω'从 渡ブさん ('ω`*川 ブス伊藤 从 ゚ω从 ブインリッヒ高岡
( ↑ω↑) 杉浦ブマネスク ( ω) ブコーズ ( ゚ω゚) ブックル lw´‐ω‐ノv 素直ブュール
- 641 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:12:15 ID:aNv0Eu120
-
〜 動けお 〜
バン バン
/⌒ヽ
バン∩ ^ω^)フリーズしたお。
/_ミつ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
バンバンバンバンバンバンバンバンバン゙ン
バンバン /⌒ヽ バンバンバンバンバン
バンバン∩#^ω^)動けお
/_ミつ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
.
- 642 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:14:06 ID:aNv0Eu120
-
/⌒ヽ
( ^ω^)
/_ つ / ̄ ̄ ̄/__
/___/
│ │ ニョキッ
┛ ┗
/⌒ヽ スタコラサッサ
( ^ω^)
/_ つ つ__/ ̄ ̄ ̄/
/___/
三┏ ─┘ >
┗
.
- 643 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:16:14 ID:aNv0Eu120
-
/⌒ヽ
( ^ω^)
/_ つ つ__
/⌒ヽ
( ^ω^ )
/_ つ つ__
.
- 644 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:18:58 ID:aNv0Eu120
-
〜 ブーン小説テンプレ その2 〜
【AAテンプレその2】
\(^ω^)/人生ブワタ | ^ω^ | ブーブくん | ^ω^ | いとこのブうたろう /^ω^\ ブッジサーン
ωωω
ω#_、_ω _、_
( ω`) 母ブ ( ,_ω` )y━・~ ブ澤さん(おじブ) ∬´_ω`) 姉ブ l从・ω・ノ!リ人 妹ブ o川*゚ω゚)o 素直ブュート
彡⌒ミ
( ´_ω`)父ブ / ゚ω。 / 鈴木ブイオード |;;;;| ,'ωノVi ,ココつ 榊原ブリントン (-@ω@)ブサピー ( ,'ω ) 中嶋ブルケン
ブセ*゚ω゚)リ ブセリ (゚ω゚ブソン 与謝ブソン (´・_ω・`) 盛岡ブミタス ( ・ω・) ブるじょあ (゜ω゜)田中ブセイドン
<_プω゚)フ ブクストプラズマン ,(・)ω(・), ブャーミン松中 (ω^^ω)ブルタスニムは瀬川 ( ω) ブアフォー
( `ω´)ブナー (‘_ω’) ブィレンクト ( ・ω・)ブーブ ハハ ロωロ)ハ ブローさん 【ω 】ω゚) 棺桶死ブサム
(’ω’) ブントジョーンズ |(●),ω 、(●)、| ブディクール ( ^ω^) 西川ブライズン
('(゚ω゚∩ ブおるよ 爪'ω`)y‐ ブォックス ▼・ω・▼ ブーグル (・(ω)・) ブマー ⌒*リ´・ω・リ ブリ
- 645 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:21:05 ID:aNv0Eu120
-
【AAテンプレその3】
。
| もやし
.
- 646 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 23:24:10 ID:vTLmjsxA0
- !?
- 647 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:24:31 ID:aNv0Eu120
-
〜 パンが好きだお その2 〜
_
. (⌒⌒⌒).) /⌒ヽ
| |:|. (^ω^ ) ぉ?
──| |:|‐─○──○──
 ̄ ̄ ̄~
_
(⌒⌒⌒).)
| (;;;;,,,.. |:| ムギュ
(つ___と)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
- 648 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:25:47 ID:aNv0Eu120
-
_
(⌒⌒⌒).) /⌒ヽ
| ...|:| 以゚益゚´以 ……
──| :::|:|‐─○──○──
 ̄ ̄ ̄~
_
(⌒⌒⌒).) / ⌒ヽ
| ...|:| 以`゚益゚´以
──| :::|:|‐─○──○──
 ̄ ̄ ̄~
.
- 649 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:27:23 ID:aNv0Eu120
-
〜 メトロノーム 〜
/⌒ヽ
. ( ^ω^)
. ( ∪ ∪ †
と_)_) .△
おっ おっ おっ カッチン
/⌒ ≡ ⌒ヽ カッチン
. (^ω^ ≡^ω^)彡 ミ
. ( ∪ ∪ \†/
と_)_) .△
.
- 650 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:31:50 ID:aNv0Eu120
-
/⌒ヽ ピタッ
. ( ^ω^)
. ( ∪ ∪ †
と_)_) .△
おっ おっ おっ カッチン
/⌒ ≡ ⌒ヽ カッチン
. (^ω^ ≡^ω^)彡 ミ
. ( ∪ ∪ \†/
と_)_) .△
.
- 651 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:33:08 ID:aNv0Eu120
-
/⌒ヽ ピタッ
. ( ^ω^)
. ( ∪ ∪ †
と_)_) .△
おっ カッチン
/⌒ヽ
. (^ω^ )彡
. ( ∪ ∪ \†
と_)_) .△
.
- 652 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:35:15 ID:aNv0Eu120
-
おっ カッチン
/⌒ヽ
. ( ^ω^)彡
. ( ∪ ∪ †/
と_)_) .△
おっ おっ おっ カッチン
/⌒ ≡ ⌒ヽ カッチン
. (^ω^ ≡^ω^)彡 ミ
. ( ∪ ∪ \†/
と_)_) .△
.
- 653 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:37:15 ID:aNv0Eu120
-
/⌒ヽ ピタッ
. ( ^ω^)
. ( ∪ ∪ †
と_)_) .△
/⌒ヽ
. ( ^ω^)
. ( ∪ ∪ †
と_)_) .△
.
- 654 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:46:32 ID:aNv0Eu120
-
/⌒ヽ
. ( ^ω^)
. ( ∪ ∪ † ゴゴゴゴ…
と_)_). ;;.△;;
/⌒ヽ †
. ( ^ω^) △ シュゴォォォー
. ( ∪ ∪. |||
と_)_). ~~
.
- 655 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:49:05 ID:aNv0Eu120
- ||| シュゴォォォー
. ~~
/⌒ヽ
. ( ^ω^)
. ( ∪ ∪
と_)_)
/⌒ヽ
. ( ^ω^ )
. ( ∪ ∪
と_)_)
.
- 656 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:51:32 ID:aNv0Eu120
-
/⌒ヽ
. ::( ^ω^ );; ゴゴゴゴ…
. ;; ( ∪ ∪ ;;
;;と_)_) ;;
/⌒ヽ
. ( ^ω^ )
. ( ∪ ∪ シュゴォォォー
と_)_)
| | | | |
~~~~~~~
.
- 657 :( ^ω^)なんでやねん劇場のようです:2011/10/07(金) 23:54:19 ID:aNv0Eu120
- と_)_) シュゴォォォー
| | | | |
~~~~~~~
( ^ω^)なんでやねん劇場のようです おしまい
- 658 :名も無きAAのようです:2011/10/07(金) 23:55:13 ID:FFQleNC20
- なんでやねん
- 659 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 00:03:37 ID:6zDULSu20
- 乙
- 660 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 00:04:15 ID:6OTGGhLU0
-
お題
なんでやねん!!なんでやねん!!
あとがき シュールベタ的なノリで。
割とメジャーなAA改変もの。
AA改変技術低いのに、我ながら無茶だなと思う。
ちょっとお題とは離れてるかもしれないけど、お題的な感想を抱いてくれるといいな
という変化球で消化。
パソコン叩くやつは似た様なネタがあったかもしれない。
『どうしてこうなった』とも近くなったか。
あと、ペニサスは別に嫌いじゃありません。
以下 >>632 からの続き
- 661 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 00:16:08 ID:v.Bok7AU0
- 乙
ブス伊藤に今気付いたわwwwwwwwww
- 662 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 00:19:59 ID:yXi81xpEO
- 乙
テンプレ3は卑怯だwwww
- 663 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 01:34:00 ID:6OTGGhLU0
-
( ^ω^)「で、僕らを脅かしてどうするつもりだったんだお?」
川 ゚ -゚)「いや、特に何も」
そこに人がいるから脅かす、ただそれだけだとクーは言う。
それが怪異としての矜持なのか、単にクーの性格の問題かはわからないが、
何かしらの明確な意図があったわけではないらしい。
_
(;゚∀゚)「なあ、こいつ馬鹿だろ?」
( ^ω^)「沈められたくなかったら黙っとけお」
胡散臭さはあるものの、その異質さからクーは確実に人ではないのであろう。
あまり怒らせたい相手ではないと思う。
川 ゚ -゚)「質問はそれだけか?」
( ^ω^)「いや、まだ色々あるお」
僕がクーに聞きたい事。
本命は彼女の事なのだが、クー自身の事も聞いておくべきかもしれない。
- 664 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 01:43:24 ID:6OTGGhLU0
-
彼女の名前こそ覚えていないが、姿形は覚えているので、クーが彼女でない事はわかるが、
何かしらの関係があるのはその言動から推測出来る。
それに、姿形を変えられるのであれば、クーが彼女である可能性もないとは言えない。
何よりまず、彼女が本当は何なのか聞く必要があるかもしれない。
簡単に答えてくれるとは限らないが、今の空気は比較的友好的に感じるので聞く分には構わないだろう。
僕は取り敢えずこの事を聞く事にした。
( ^ω^)「1 置いてけ堀じゃないとしたら、クーは本当は何なんだお?
2 クーはその約束した人とどういう関係なんだお?
_ 3 結局クーは何をしに来たんだお? 」
( ゚∀゚) 「4 何カップ?」
安価
>>665
- 665 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 01:50:48 ID:5He1WoJ60
- 4
- 666 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 02:20:35 ID:J.YEGXIg0
- これは4しかないもんな
- 667 :名も無きAAのようです:2011/10/08(土) 19:46:04 ID:XMDgePtg0
- _ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂彡
- 668 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 00:44:46 ID:ZM1uw6dE0
- _
( ^ω^)「( ゚∀゚)「何カップ?」
しかし、僕の質問を遮るように違う質問をかぶせてくるジョルジュ。
しかもどうでもいいというか、またクーを怒らせるような質問だ。
川 ゚ -゚)「ワールドカップ」
だが、クーはさほど怒った様子は見せず、冗談で切り返してくる。
そのセンスはナウなヤングにバカ受けしない、古臭いものではあるが。
_ ∩
(*゚∀゚)彡「ワールドクラスおっぱい! おっぱい!」
何故かその答えがツボにはまったらしいジョルジュ。
そういえばこいつは巨乳フェチだった事を思い出す。
その執着ぶりは、一部で乳魔人と呼ばれてるとか何とか。
<川 ゚ -゚)
ノ
クーはまんざらでもない様子でポーズを決めるが、それもやはりどこか古臭い。
万が一聞こえたら怖そうので、口には出さずに思うに留める。
- 669 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 00:46:28 ID:ZM1uw6dE0
-
ただ、クーの胸はあまり胸が目立たない着物の上からでも、その存在感を十分に誇示している。
これならジョルジュの好みにストライクであろう。
_
(*゚∀゚)
⊂彡
対照的に全く胸の話題には興味は示さず、怪異という一点の部分だけに食いついている弟者は流石、
ロリコンの面目躍如といった所か。
( ´_>`) ジーッ
つ【】
きっと内心は、ババァ乙とでも思っているのだろう。
( ´_>`)「……何か言ったか?」
( ^ω^)「何にも言ってないお」
- 670 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 00:54:06 ID:ZM1uw6dE0
- _ ∩
(*゚∀゚)彡「おっぱい! おっぱい! おっぱいぱい!」
⊂彡
先ほどまでのいびられて憔悴していた時とは打って変わって、生き生きとした表情で腕を振るジョルジュ。
元気になって良かったと思うと同時に、これ以上話を脱線させられると困るのもまた事実。
そろそろ終わる方向に話を導きたいのに、一向に本命を選ばない神の声という安価が少し憎らしかったりなんだり。
そういった事情もあり、僕は話を円滑に進める為の行動を取る必要があるのだ。
( ^ω^)「おっと、足が滑った」
_
(;゚∀゚)「ちょ、おまッ!?」
不運にも滑らせて仕舞った僕の前蹴り、もとい前足を背中に食らい、池の方によろけるジョルジュ。
( ^ω^)「待ってろ、今助けるおー(棒」
_
(;゚∀゚)「何か嘘くせー!」
そう言いながらも身体を半回転させ、僕の方へ手を伸ばすジョルジュ。
- 671 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 01:02:17 ID:ZM1uw6dE0
-
僕はその手を掴むふりをしてジョルジュの首にラリアートをかます。
_
(;゚∀゚) ゲホァッ!?
体勢の崩れていたジョルジュは宙を舞い、そのまま池にダイビング。
盛大な水飛沫を上げ、水中に消えて行った。
アチャー
( ^ω^)ヾ「手が滑っちゃったお!」
川 ゚ -゚)「お前、意外と容赦ないな……」
僕の完全犯罪、もとい、不運な事故に呆れた顔を向けるクー。
ジョルジュは犠牲になったのだ、等と一人万感の思いに耽るふりをしていると、クーは僕に背を向けた。
川 ゚ -゚)「まあ、丁度いいか」
( ^ω^)「お?」
- 672 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 01:08:05 ID:ZM1uw6dE0
-
( ^ω^)「……つか、ジョルジュが浮かんで来ない件」
池に落ちた最初の水飛沫以降、水面に何の動きもない。
岸近くだし、深さはないはずなのに、ジョルジュはどこかへ消えてしまった。
川 ゚ -゚)「そりゃまあ、そういう池だからな」
( ^ω^)「……ひょっとして僕、やらかしちゃったかお?」
ギャグパートでは死なないだろうと軽い気持ちでとんでもない事をしてしまったかもしれないと、
僕が後悔するより早く、極めて何でもない様な口調でクーは言う。
川 ゚ -゚)「案ずるな、しばし待て」
クーはゆっくりと水面を歩き、ジョルジュが沈んだ場所に自分も沈んで行く。
立ったまま、エレベーターに乗っているかの如く、ほとんど水飛沫を上げずに沈む姿は異様だ。
( ^ω^)「何なんだおね?」
(|ii´_>`) ドヨーン
( ^ω^)「……何でそんな落ち込んでんだお?」
- 673 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 01:23:27 ID:ZM1uw6dE0
-
(|ii´_>`)つ【】
僕の問いに無言で携帯を指す弟者。
どうやらムービーも駄目だったらしい。
( ^ω^)「目の前にクーという怪異がいるんだし、記録に残さなくても記憶に残ればいいんじゃないかお?」
正直、そこまで露骨に落ち込む必要はないと思うのだが、マニアの思考は僕にはきっと理解できない。
(|ii´_>`)「……なあ、心霊写真って、こう、何か憧れないか?」
( ^ω^)「憧れないお」
やはり僕に理解出来ぬ範疇で悩んでいる弟者。
そう言えばこいつの家には、心霊写真の本とかいっぱいあった事を思い出す。
(*´_>`)「一度でいいから、あんな雑誌に載る写真を撮ってみたいんだよ」
( ^ω^)「ふーん」
弟者の話に全く興味のあるようには聞こえない返事をし、僕は視線を池に戻す。
水面は穏やかで、波一つ立っていない。
- 674 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 21:57:21 ID:pNz0hb860
-
( ´_>`)「仕方ない、別のカメラを試すか」
後方から聞こえてくる声に、ツッコミたい衝動を抑え、視線を池に固定する。
よく考えなくてもあれほど荷物を持って来ていた弟者が、
怪異の起こるかもしれない現場に携帯しか撮影器具を持って来ていないわけはないだろうと思う。
( ^ω^)「お?」
それからさほどの間をおかず、水面がにわかに泡立ち始めた。
入浴剤でも放り込んだのかの如く、いささか過剰な泡沫の中心に一つの影が浮かび上がる。
川 ゚ -゚)
言うまでもなくその影はクーで、腰辺りまでしか見えないぐらい浮かんだ位置で池の中からこちらを見ている。
( ^ω^)「クー、ジョルジュは……」
川 ゚ -゚)∩ スッ
クーは片手を挙げ、僕の言葉を制し、咳払いを一つする。
僕は大人しく口をつぐみ、クーの行動を見守る事にした。
- 675 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 23:01:38 ID:pNz0hb860
-
川 ゚ -゚)「……っと、そういえばお前の職業は何だ?」
( ^ω^)「ありませんお」
川 ゚ -゚)「学生ということか」
( ^ω^)「学生でもありませんお」
川 ゚ -゚)「じゃあ……、いいか、適当で」
川 ゚ -゚)ヽ コホン
川 ゚ -゚)「旅人よ」
川 ゚ -゚)「お前が落としたのは、この金のジョルジュか?」
⊃(金゚∀゚)
( ^ω^)
- 676 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 23:10:52 ID:pNz0hb860
-
川 ゚ -゚)「それとも、この銀のジョルジュか?」
⊃(銀゚∀゚)
( ^ω^)
そう来たか。
クーの正体は、いわゆる金の斧、銀の斧の寓話の女神か何かと言うことだろう。
あの話は確か、ヘルメスとかの神様が湖から出てくるのが元々のお話だったはずだが、
時代を経てもっと抽象的な存在になってはいたから、正確なところはわからない。
川 ゚ -゚)「さあ、どっちだ」
_ _
(金゚∀゚)(銀゚∀゚)
僕は突き出される二つの輝かしいジョルジュを前に頭をひねる。
この話の正しい答えは知っているのだが、物が物だけに正解していいものかわからない。
- 677 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 23:22:06 ID:pNz0hb860
-
( ^ω^)「あの、質問いいかお?」
川 ゚ -゚)「かまわんぞ」
( ^ω^)「これはまだ答えとカウントしないでくださいお」
川 ゚ -゚)「うむ」
( ^ω^)「ぶっちゃけ、金と銀のジョルジュはいらないんですが……」
川 ゚ -゚)「まだ誰もこれをやるとは言ってないぞ?」
( ^ω^)「そうなんですけど、その……万が一、一番いいジョルジュをくれるとしても、普通のやつが……」
川 ゚ -゚)「ん? 金と銀は気に入らんか?」
( ^ω^)「そういう問題じゃなくてですお」
川 ゚ -゚)「こんなに活きが良いのに」
- 678 :名も無きAAのようです:2011/10/09(日) 23:40:42 ID:pNz0hb860
-
_ ∩ ゴールデン _ ∩ いぶし銀
(金゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい! (銀゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
( ⊂彡 ( ⊂彡
| | | |
し ⌒J し ⌒J
( ^ω^)「いらNEEEEEEEEE!!!」
神々しく輝きながら腕を振るジョルジュ金とジョルジュ銀。
中身は変わらずジョルジュで安心はしたが、やはり光り輝く友人は何か嫌だ。
川 ゚ -゚)「では、こういうのならどうだ?」
つ( ゚∀゚)
( ^ω^)「お、普通のジョル──」
_
( ゚∀゚)+「やあ、僕は綺麗なジョルジュだよ!」
( ^ω^)
- 679 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 00:04:47 ID:mj70okm.0
- _
( ゚∀゚)+「全く、昼間っからおっぱいなんて下品だね」
_
( ゚∀゚)+「紳士はそんな事は口にしないんだ」
_
( ゚∀゚)+「女性の胸は慈愛の象徴だからね」
_
( ゚∀゚)+「こう、慈しむ様に、感謝を込めて」
_ ∩ Love & peace
+ ( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
( ^ω^)「うっZEEEEEEEE!!!」
( ^ω^)「つーか、結局おっぱい言うとるがな」
- 680 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 00:14:35 ID:mj70okm.0
-
川 ゚ -゚)「これも気に入らんか」
( ^ω^)" コクコク
思わず似非関西弁になるくらいうざいジョルジュを戻してもらい、僕は再び考える。
何かしら答えないと話が先に進まないとは思うが、
ここは強引にでも普通のジョルジュを返してもらった方が個人的には面倒臭くなくてよい。
川 ゚ -゚)「さて、そろそろ答えを聞こうか?」
僕はクーに向かい、自分の答えを口にする。
( ^ω^)「1 普通のジョルジュだけ返してくださいお
2 普通のジョルジュですお
3 ジョルジュ、そろそろ出て来いお
4 これって、ただのくちばしを落とすと、金や銀のエンゼルマークがつくんですかおね? 」
安価
>>681
- 681 :あ:2011/10/10(月) 01:12:20 ID:k1i1URrAO
- 初遭遇!
安価なら1で
- 682 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:26:59 ID:4t4IXmqc0
-
( ^ω^)「普通のジョルジュだけ返してくださいお」
川 ゚ -゚)「返せとは随分な言い草だな?」
自分はただ落とされたものを拾っただけで、盗んだわけではないと言うクー。
確かにその通りである。
話の結末を知ってるだけに、少し性急な物言いをしてしまったのは僕のミスであろう。
( ^ω^)「すみません、失言は謝りますお」
川 ゚ -゚)「まあ、いいさ。お前が言わんとせん事もわかっちゃいるしな」
クーはそれだけ話の認知度が高いという事だと、満足げな口調で続ける。
クーの様に、自分が怪異な存在である事を認知しているというのも、何だか不思議なものだ。
川 ゚ -゚)「ほれ、無印ジョルジュだ」
つ( ゚∀゚)
( ^ω^)「助かりますお」
意外、といっては失礼だが、特にごねられる事もなく、すんなりと普通のジョルジュを差し出してくれる。
僕は手を伸ばし、ジョルジュを引き取ろうとする。
- 683 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:48:44 ID:4t4IXmqc0
-
( ^ω^)つ「ジョルジュ」
川 ゚ -゚)
つ( ゚∀゚) ! ⊂(^ω^ )
川 ゚ -゚)
つ ..( ゚∀゚) ⊂(^ω^ )
川 ゚ -゚) ピタッ
つ .( ゚∀゚) ⊂(^ω^ )
川#゚ -゚) ムニュッ
つ ((゚∀゚*) ⊂(^ω^ )
派手な水音と、高い水飛沫が舞い上がる。
再び沈んで行くジョルジュを、僕は頭を抱えながら見送った。
- 684 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 22:59:00 ID:4t4IXmqc0
-
川#゚ -゚)「で、お前が落としたのはどいつだ?」
つ(##∀#)(銀゚∀゚)(金゚∀゚)( ゚∀゚)+
( ^ω^)「いや、まあ、僕が落としたわけじゃないんですけども……」
川#゚ -゚)「ど・い・つ・だ?」
( ^ω^)「すいません、その端の汚いジョルジュで」
川#゚ -゚)「ほらよ、正直者が!」
⊂彡 三(##∀#)
ものすごい勢いで岸に投げつけられるジョルジュを避け、僕は先ほど聞けなかった質問を口にする。
背後で激突音がした気がするのは気の所為という事にしておく。
( ^ω^)「クーは結局ここに何しに来たんだお?」
川 ゚ -゚)「暇つぶし」
( ^ω^)「暇……」
- 685 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:06:59 ID:yucx3P3Y0
- ぶれねえジョルジュ……
クー災難だったなwwwwww
- 686 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:08:32 ID:4t4IXmqc0
-
何とも適当過ぎる理由に、僕は何とも言い難い視線を向ける。
泉の女神的な人に暇つぶしで絡まれるのは、正直な所勘弁願いたい。
そんな僕の視線を、不満か何かと勘違いしたのか、クーは人差し指を立てて言う。
川 ゚ -゚)b「冒険に役立つアイテムを与えるイベントとしては、私のような存在はよく有るだろ?」
( ^ω^)「冒険って……」
確かに、勇者と魔王のお話で、現在、冒険といえば冒険の最中ではあるが、
どちらかといえばアイテムをもらうのは勇者、彼女の側である。
川 ゚ -゚)「もらえるものはもらっておいた方が得だと思うがな」
( ^ω^)「そうかもしれませんけど」
川 ゚ -゚)「じゃあ、この金の……」
つ(金゚∀゚)
( ^ω^)「いりませんお」
- 687 :名も無きAAのようです:2011/10/10(月) 23:33:30 ID:4t4IXmqc0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
ヽ ノ
(^ω^ )
┗-ヽ ノ
└┓
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 688 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/10(月) 23:39:48 ID:4t4IXmqc0
-
西暦30xx年
度重なる戦争の末、世界は滅びた。
しかし人は、この滅びた世界でも逞しく生きている。
国はなくまた法もないこの世界で。
人は生きるために銃を取り、生きる為に引き鉄を引く。
この世界で生きる事、それは強くある事。
ただそれだけが、この世界で生きる証。
これは、そんな世界を生き抜く一人の男の物語である。
( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです
- 689 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/10(月) 23:45:28 ID:4t4IXmqc0
-
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「ふぅ……」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「次の町まで後どのくらいかおね」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「水は……何とか持つかお」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「食料が少し心許無いけど、仕方ないおね、こんな時代だし」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「何とか今日中に着きたいとこだお」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「しかし前の町の人の話だと、一週間以内に着けるって話だったけど」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「もう一週間は過ぎたおね……」
- 690 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/10(月) 23:46:49 ID:4t4IXmqc0
-
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「まさかここまで来て、方角を間違ってるって事はないおね……」
< ガサッ
/ ̄ ̄\ スッ
|/ω~~ノ/∩「……」
< シーン…
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/∩「……風か? いや……これは……」
/ ̄ ̄\ パン!
|/ω~~ノ/∩ 弾三 ━┓
/ ̄ ̄\ サッ
|/ω~~ノ/ 彡
- 691 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/10(月) 23:57:28 ID:4t4IXmqc0
-
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「いきなりだおね」
< ジュウダンヲヨケタ!?
/ ̄ ̄\ スッ
|/ω~~ノ/∩「そこの……死にたくなかったら姿を見せるお」
(* ) チッ…
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/∩「挨拶にしては鉛弾は少々無粋なんじゃないのかお?」
(*゚∀゚)┏━「うるせー、いいから水と食いもん置いて行きやがれ。そうすりゃ生命は助けてやる」
つ
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「子供かお……」
(*゚∀゚)┏━「子供じゃない! アタシにはちゃんと、つーって名前がある!」
つ
- 692 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:01:31 ID:Jm.7LMuE0
-
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「悪い事は言わんお。その物騒なものは仕舞って、早くお母さんの所へ帰るんだお」
(*゚∀゚)┏━「カーチャンなんか顔も知らねえよ! 無駄口叩いてないで、さっさと言う通りにしやがれ」
つ
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「そりゃ、悪い事言ったおね、すまんお。けど、そういうのはせめて一人前になってからやるもんだお」
(*゚∀゚)┏━「あん? アタシは十分に一人前だよ! アタシは今までもこうやって生きてきたんだ」
つ
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「子供までが銃を取らなきゃ生きていけない、何とも悲しい時代だおね」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「けど、君はまだ一人前には程遠いお」
(*゚∀゚)┏━「うるせえ! いいから水と食料を置いてけよ!」
つ
- 693 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:03:51 ID:Jm.7LMuE0
- ダッ!
/ ̄ ̄\
三|/ω~~ノ/「一人前を気取るなら、せめて自分の身を守れるようになってからにするお」
ダッ!
/ ̄ ̄\
三|/ω~~ノ/ ━┓(゚∀゚*;) ( )三
(;*゚∀゚)┏━「て、てめえ! 撃つぞ! 撃つからな!」
つ
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「逃げろ! 後ろだ!」
(;*゚∀゚)「え!? あっ──!?」
( ∵)「チッ、ガキか……」
┏(;*゚∀゚) グッ!?
- 694 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:09:02 ID:Jm.7LMuE0
-
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「……」
( ∵)「おい、そこのフード野郎。お前、この辺のもんじゃねえな?」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「ああ、旅人だお」
( ∵)「そうか、なら教えといてやろう。この辺りは俺の縄張りだ」
( ∵)「死にたくなけりゃ下手な事はすんじゃねえぞ」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「その子をどうするんだお?」
( ∵)「どうしようが俺の勝手だ」
┏(;*゚∀゚)
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「その子はあんたに関係ないお?」
- 695 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:10:21 ID:Jm.7LMuE0
-
( ∵)「いいや、それが関係ありありだ」
( ∵)「最近、俺の縄張りを荒らす馬鹿なやつがいてな」
( ∵)「どんなやつかと網を張ってみれば、引っかかったのはこんなガキだ」
(;*゚∀゚)「放しやがれ、畜生!」
( ∵)「黙れ、クソガキ。この場でバラされたくなかったら静かにしてろ!」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「子供のやった事だお? 放してやってくれないかお?」
( ∵)「おいおい、お前馬鹿か?」
( ∵)「こんな時代に他人の心配とは恐れいった」
( ∵)「生きる為にはガキだろうがジジイだろうが、邪魔なもんは排除するのが当然だろ」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「力無いものが、ただそれだけの理由で虐げられるような事はあってはならないお」
- 696 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:14:30 ID:Jm.7LMuE0
-
( ∵)「お前、本物の馬鹿だな」
( ∵)「大体、力ならこのガキも持っているだろ」
(;*゚∀゚)「……」
( ∵)「銃という力の象徴をな」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「それは確かにその通りだお。でも……」
( ∵)「でも?」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「銃だけが、人の力じゃないんだお」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「その子はまだ子供で、人の持つ本当の力というものがわかっていない」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「学び、経験し、知恵を使い、心を知る」
- 697 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:16:41 ID:Jm.7LMuE0
-
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「人は生きて行く事で、多くの力を得るんだお」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「銃なんて、人間にとって無用な力なんだお」
( ∵)「……クックック、お前坊主か何かか? 馬鹿馬鹿しすぎて笑えるぜ」
(;*゚∀゚)「生きて行く……」
( ∵)「いいぜ、なら見せてみろよ、人の力ってやつをよ?」
/ ̄ ̄\
|/ω^~ノ/「……わかったお」
( ∵)「しばらく大人しくしてろよ、クソガキ」
(;*゚∀゚)「クソッ! この縄を解けよ、能面野郎!」
( ∵)┏「行くぜ、フード野郎!」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「来いお」
- 698 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:19:29 ID:Jm.7LMuE0
-
ダッ!
/ ̄ ̄\
三|/ω~~ノ/ ┓(∵ )
( ∵)┏「おいおい、正面から向かって来るとは、よっぽど的になりてえようだな」
ダッ!
/ ̄ ̄\ パンッ! パンッ!
三|/ω~~ノ/ 弾三 弾三 ┓(∵ )
ドスッ!
/ ̄ ̄\
三| ○ 弾三 ┓(∵ )
( ∵)┏「口だけかよ。呆気なさ過ぎ……チッ」
- 699 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:21:11 ID:Jm.7LMuE0
-
( ^ω^)「……」
( ∵)┏「マントだけか。素早い奴だ……が、お前、丸腰か?」
(;*゚∀゚)「え!?」
( ^ω^)「……」
(;*゚∀゚)「ホントだ、何で銃の一つも持ってないんだよ!」
( ^ω^)「銃は無用なものだお」
(;*゚∀゚)「馬鹿! 素手で銃に敵うわけないだろ! 逃げろよ!」
( ^ω^)「お? 僕の心配をしてくるのかお?」
(;*゚∀゚)「バッ……そんなんじゃねえよ! いいから逃げろよ! アタシに構うな!」
( ^ω^)「大丈夫だお。この程度の相手を倒すのに、銃なんかいらないお」
( ∵)┏「ハッ、大した自信だな。これだけ空いた距離で、素手で何が出来る?」
- 700 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:25:19 ID:Jm.7LMuE0
- 。。 スッ…
( ^ω^)∩「……銃は使わないとは言ったけど、別に素手とは言ってないお」
( ∵)┏「何だそりゃ?」
。。
( ^ω^)∩「見ての通り、その辺に落ちてる石ころだお」
( ∵)┏「ほう。で、それで何をするつもりなんだ?」
。。
( ^ω^)∩「お前を倒すくらいこの石ころで十分だって事だお」
( ∵)┏「クックック……そりゃ面白い……」
(#∵)┏「なら、やってみろや!」
ブンッ! パンッ!
( ^ω^)⊃ 三○ 弾三 ┓(∵#)
- 701 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:26:34 ID:Jm.7LMuE0
- グシャッ! !!!
( ^ω^)⊃ ‘。・.‘. 三○ ┓(∵;)
グワァァァ!
(∵(#○三
(;*゚∀゚)「なっ!? 石が銃弾を!?」
( ^ω^)「我が両親より譲り受けた秘伝、無鉄砲」
( ^ω^)「砕けぬ悪は存在しないお」
(;*゚∀゚)「すげぇ……」
( ^ω^)「さてと……」
バサッ
( ^ω^)つ(;*゚∀゚)
(*゚∀゚)「あ、ありがとう……」
( ^ω^)「これに懲りて、危ない事は止めるんだお」
- 702 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:30:25 ID:Jm.7LMuE0
-
(*゚∀゚)「けど、そうでもしなきゃ生きて……」
( ^ω^)「君の町にも教会ぐらいはあるお? そこを頼るんだお」
(*゚∀゚)「でも……」
( ^ω^)「人は助け合って生きるもんだお。大丈夫」
(*゚∀゚)「……わかった、そうするよ」
( ^ω^)つ/\「じゃあ、僕は行くお」
(*゚∀゚)「もう行っちゃうの? 町でゆっくりしていけば、ううん、あの町にあんたも住めば……」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「僕は旅人だお。一所には止まれない、風のようなもんだお」
(*゚∀゚)「じゃあせめて、あんたの名前、教えてくれよ」
- 703 :( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです:2011/10/11(火) 00:33:28 ID:Jm.7LMuE0
-
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「ブーン。無鉄砲のブーンだお」
(*゚∀゚)「ブーン……」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「それじゃあ、バイバイだお」
(*゚∀゚)「ブーン……また、会えるかな」
/ ̄ ̄\
|/ω~~ノ/「風が巡ればきっと……」
(*゚∀゚)ノシ「ブーン! またなー!」
/ ̄ ̄\ スッ
| |ノ
( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです おしまい
- 704 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 00:37:39 ID:Jm.7LMuE0
-
お題
親譲りの無鉄砲
あとがき サメター ハートジャ アイセヤーシーナーイ♪ マチツーヅヅーケーテモー ヨアケーハコーナーイー♪
分類的にはギャグのつもりで書いてみたけど、何だか中途半端。
地の分無しで戦闘描写をやると、大型AAとかちゃんとしたAA使わないとギャグにしか見えないので。
いっそガンマン的な名称をガン○ァイターとして出そうかと思ったりしてた。
最後主題歌にしたり、ナレーション的語りを入れようとも考えたけど、面倒なんで止めた。
全体的に説明と描写端折って短くした感じ。
総合的に見ると、結論はひどいやっつけ。
次は >>686 の続き、魔王を倒すつもりはなかったの予定……の前に
全部消化した短編お題をまた募集。
短編お題
安価
>>705
>>706
>>707
- 705 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 00:42:04 ID:9MNRZOWA0
- ハリウッド映画
- 706 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 00:43:12 ID:5QYicFZI0
- |;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ ポリフェノールおじさん登場
- 707 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 01:28:18 ID:Kx57Xd2w0
- 踵
- 708 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 23:30:56 ID:P1eIDwUs0
-
川 ゚ -゚)「冗談だ」
色々と脱線し過ぎたが、まだクーに聞くべき事は残されている。
というより、一番の目的をまだ聞いていない。
( ^ω^)「まだ聞いてもいいかお?」
川 ゚ -゚)「構わないが、そろそろこちらにも質問権をくれると有り難いな」
そういえばクーも聞きたい事があると言っていた。
こちらばかり質問するのもよろしくない。
ただ、怪異であるクーが僕なんかに聞きたい事があるのか疑問ではあるが。
川 ゚ -゚)「なに、お前と似たような質問さ」
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「お前はここに何をしに来たんだ?」
( ^ω^)「それは……」
- 709 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 23:39:56 ID:P1eIDwUs0
-
写生に来た。
具体的にやった事を挙げればそうなるが、クーが聞きたいのはそういう事ではないのだろう。
クーが言う、似たような質問、事情をわかっててここに来た理由。
どういう目的でここに来たのか。
( ^ω^)「彼女の事を知る為にだお」
川 ゚ -゚)「それが模範解答だろうな」
( ^ω^)「模範も何も、それ以外ないお」
川 ゚ -゚)「そうか?」
首を傾げ、僕の心内を探るような目で見詰めるクー。
クーがどう思おうと僕がここに来た理由はそれ以外ない。
それは揺るぎない点だ。
その理由がなければ、わざわざこんな所に写生に来るほど僕は外向的ではない。
- 710 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 23:47:49 ID:P1eIDwUs0
-
川 ゚ -゚)「何故この場所を選んだ?」
( ^ω^)「たまたま?」
覚えていない夢から感じた、懐かしさに引かれるようにこの場所を思い出した。
ただそれだけの事だ。
ジョルジュや弟者も同行する事になったりと、想定外の事も多々あったが、それなりに楽しかった。
川 ゚ -゚)「楽しかった、か」
( ^ω^)「ジョルジュがウザかったり、弟者が画伯だったり、頭を抱える事も色々あったけど」
川 ゚ -゚)
( ^ω^)「何だかんだで楽しかったですお」
川 ゚ ー゚)「……そうか」
僕の答えに、口の端をわずかに上げ、どこか満足そうな顔をするクー。
クーがそういう顔をする意味は僕にはわからないのだが、何となく僕も嬉しかった。
- 711 :名も無きAAのようです:2011/10/11(火) 23:57:48 ID:P1eIDwUs0
-
( ^ω^)「こう、純粋に楽しいと思ったのは随分久しぶりな気がするお」
川 ゚ -゚)「そりゃ、楽しもうとしていなかったからだろ」
ずっと部屋に篭り、狭い世界に閉じ篭っていれば楽しいものも何も見えないだろうとクーは言う。
同時に、悲しいものや辛いものも見なくていいのだが、それを正論ぶってかざす気はない。
そんな事は当たり前なのだから。
( ^ω^)「やっぱり、僕の生き方は否定されるべきものだおね」
川 ゚ -゚)「それは他人がとやかく言うものではないさ」
川 ゚ -゚)「ただ、自分がそう思うならそうなのだろう」
クーは僕の言葉をばさばさと斬り捨てて行く。
普段ならきっと萎縮してしまうはずの僕だが、今日はそれが少し心地良かった。
( ^ω^)「少しだけ、軽くなれた気がするお」
- 712 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 00:05:22 ID:ADyK0WF60
-
川 ゚ -゚)「何も考えないのはただの馬鹿だが、考えすぎるのも良くはないな」
( ^ω^)「そうだおね」
川 ゚ -゚)「一人で抱え込んでしまうのもな」
( -ω-)「……」
僕は、クーの言葉から顔を背けるように目を閉じる。
僕は今日、いや、それ以前もだがこの件は自分一人で何とかしようと考えていた。
それがいつの間にかジョルジュや弟者を頼り、この場にも共に来てもらっている。
友達を頼る事なんて、ごく普通の事だと誰もが思うことだろう。
けれど僕にとって、それは普通ではなかったはずのもの。
それが普通だったら、僕はもっと、違う道を歩んでいたのかもしれない。
川 ゚ -゚)「何でも一人で出来るのはいい事だがな。しかし……」
( ^ω^)「何でもは一人じゃ無理だおね」
- 713 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 00:13:00 ID:ADyK0WF60
-
僕は閉じていた目を開け、振り返る。
一人ではきっと、今日が楽しいとは思えなかったと思う。
僕はそこにいる、友達の姿を真っ直ぐに見詰めた。
( ^ω^)
チーン∩ ┌┐ ._
(##∀#)彡 (*´_>[_|_((_)
⊂彡 ( ∩
( ^ω^)「……」
ぐったりしながらも機械仕掛けの様に腕を振り続けるジョルジュ。
どこから取り出したのが突っ込むのも面倒臭い、巨大なカメラを抱える弟者。
彼らがいなければ、今日の僕のこの気持ちはなかったはずだ……が……
- 714 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 00:19:57 ID:ADyK0WF60
-
川 ゚ -゚)「まあ、もう少し友達は選べよと思わなくもないがな」
( ^ω^)" コクッ
僕はクーの言葉に、深く頷いて答える。
何だか色々台無しな友達ではあるが、それでも僕は、彼らのお陰でここにいるのだと思う。
( ^ω^)「クーから聞きたい事は、それだけでいいのかお?」
川 ゚ -゚)「そうだな。先の流れに一通り集約されたな」
( ^ω^)「結局、クーはお助けキャラみたいなもんかお?」
こんなゲーム的な表現でわかるのかは定かではないが、クーの行動、というより今日の行動、
イベントはそう考えるとしっくり来る。
川 ゚ -゚)「そう言わなかったか? 冒険の手助けをする、と」
( ^ω^)「そんな感じの事言ってたおね」
結局、僕は彼女の掌で踊らされている。
そんな言葉が思い浮かんだが、それはきっと最初からそうなのだろう。
- 715 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 00:29:17 ID:ADyK0WF60
-
だとしても僕は、その手に乗り、彼女と再び会わなければならない。
会ってどうするのかはわからないが、それがこの話を終らせる術だという事はわかっている。
穏やかで楽しい日々は、いつまでも続いて欲しいけれど、それが ならば、僕は……
( ^ω^)(それが……何だお?)
思考の最中、思い浮かんだ言葉の一部が不自然に掻き消えた。
それが何なのか、再び同じ思考辿ってみてもやはりその部分だけ綺麗さっぱり抜け落ちてしまう。
( ^ω^)「……」
川 ゚ -゚)「どうかしたか?」
( ^ω^)「お、あ、いや、ちょっと……何でもないお」
いつの間にか僕の顔を覗き込む様に近くまで来ていたクーに、少し後退る。
考えていた事を誤魔化すつもりはないのだが、僕の思考の中の話な上、消えてしまう言葉の事なので、
聞こうにも聞き様がない。
川 ゚ -゚)「そうか……では……」
- 716 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 00:38:35 ID:ADyK0WF60
-
川 ゚ -゚)「これが最後の質問だ」
( ^ω^)「お……」
川 ゚ -゚)「お前が最後に私に聞いておくべき事、それは何だ?」
クーは僕をじっと見据え、答える様促してくる。
もう少し聞きたい事もあったのだが、最後といわれては仕方がない。
これがクーとの話の終わりなのだろう。
多分、そう決められたものだ。
( ^ω^)「そうだおね、僕が最後にクーに聞くべき事は……」
( ^ω^)「1 やっぱり彼女の名前だおね
2 彼女の居場所だお
3 クーと僕も、昔会った事があったのかお?
4 クーは楽しかったかお? 」
安価
>>717
- 717 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 01:10:14 ID:eHLKEI5gO
- 2
- 718 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 13:36:53 ID:0ZqtnNDE0
- 支援す
- 719 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 23:07:44 ID:HQjueml60
-
( ^ω^)「彼女の居場所だお」
クーは彼女、約束した人が誰かは教えられないと言った。
しかし、居場所ならどうだろうか。
川 ゚ -゚)「聞いてどうする?」
( ^ω^)「どうするって、そりゃ……」
彼女に会う。ただそれだけの事だ。
ただ、クーが聞きたいのはそういう事じゃないのかもしれない。
( ^ω^)「会って、どうするかはまだわかんないけど」
川 ゚ -゚)「わからない、か……」
どこか含みのある顔で、曖昧に頷くクー。
その顔の意味があまりいい物ではなさそうなのは、何となくわかる。
( ^ω^)「クーはどこまで知ってるんだお?」
- 720 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 23:15:20 ID:HQjueml60
-
川 ゚ -゚)「多くは知らんさ。そういう風に位置付けられている」
( ^ω^)「位置付け……?」
川 ゚ -゚)「私の事は気にするな。いずれわかる……という言い方も少し変なのだが」
意味深な物言いをするクーだが、その事に付いて詳しく答えてくれる気はないようだ。
答えるだけ無駄な事だからとクーは続ける。
川 ゚ -゚)「何にせよ、話の終わりにわかる事だ」
( ^ω^)「そういう事にしておきますお」
そこに食い下がっても無駄な様なので、僕は大人しく引き下がる。
彼女に会えばわかる。
その言葉には僕も同意するから。
川 ゚ -゚)「で、居場所だったな」
( ^ω^)" コクッ
- 721 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 23:22:24 ID:HQjueml60
-
川 ゚ -゚)「知らん」
(;^ω^)「……さも意味ありげに引っ張っておいて、答えがそれはないと思うお」
川 ゚ -゚)「知らんものは知らん……が」
( ^ω^)「が?」
川 ゚ -゚)「おまえ自身は知っているはずだ」
( ^ω^)「僕自身……」
しばし考えてみるが、僕には思い当たる場所はない。
首を傾げ、クーの方を見るが、クーは知らないとばかりに首を振るだけだ。
( ^ω^)「せめてヒントを」
川 ゚ -゚)「早いな。もう少し考えようとは思わんのか?」
( ^ω^)「全く思い浮かばないもんで」
川 ゚ -゚)「お前あれだろ、ゲームとかすぐネットに頼る口だろ?」
- 722 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 23:29:51 ID:HQjueml60
-
俗な事を口走るクーを見ていると、やはりクーが怪異な存在とは思い難いものがある。
ちなみに僕は、すぐにネット見て調べるような事はしない。
詰まって二進も三進も行かなくなったら調べるタイプだ。
( ^ω^)「最善は尽くしましたお」
つまり現状は既にそういう状態という事だ。
元々、ノーヒント続きでここまで来ている。
ここでようやく当たりを引けたような物なのだ。
場当たり的というか何と言うか、無意識に彼女に繋がる道を、ことごとく避けていた様にも思える。
思うがまま、全ては本能に従った結果かもしれない。
川 ゚ -゚)「それで正解だよ」
( ^ω^)「お?」
川 ゚ -゚)「答えがお前が知っていると言っただろ?」
- 723 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 23:38:02 ID:HQjueml60
-
川 ゚ -゚)「だから、お前が思う場所が答え、あいつの居場所さ」
( ^ω^)「お……」
突き放された様で諭された様な、しかし、最終的にはヒントをくれたらしい。
あまり感情の篭っていない、冷たい物言いをするクーはだが、意外と世話焼きなのかもしれない。
ともかく僕はクーの言葉に従い、答えは自分で決める事にしよう。
川 ゚ -゚)「そんな所か」
( ^ω^)「そんな所だおね」
それがクーとの話の終わりの合図だったらしい。
クーはゆっくりと後方に下がり、宙を浮いて池の上に出る。
川 ゚ -゚)「それでは、旅人よ。良き道行を」
両手を広げ、少し芝居がかった口調でクーは祝福の言葉を述べる。
それが女神としての所作なのだろう。
なかなか堂に入ったものだ。
- 724 :名も無きAAのようです:2011/10/12(水) 23:49:08 ID:HQjueml60
-
( ^ω^)「助かったお、ありがとだお」
それに対し、僕は極めて軽い調子で礼を述べる。
軽んじているわけではなく、自然体で接する事を望んだクーへの僕なりの敬意だ。
あまり形式ばった言い方はウソ臭く聞こえるし。
川 ゚ ー゚)「お前の進む道に、希望の有らん事を」
わずかに笑顔を見せ、クーは池の中に消えて行く。
僕は笑顔でそれを見送った。
それはごく自然に浮かんだ笑顔だった。
( ^ω^)「さてと……」
道は開けた。
( ^ω^)「……と思う、多分」
後は自分次第という、如何せん、アバウトな答えが今回得たものだ。
それをどう生かすかは、僕次第という事らしい。
- 725 :名も無きAAのようです:2011/10/13(木) 00:03:33 ID:k4FGe9Fg0
-
( ^ω^)「て、事らしいんだけど、どう思うかお?」
僕は振り返り、この場に共に来てくれた友達の方へ視線を向ける。
_
( ゚∀゚)「ごめん、ぶっちゃけ今意識戻ったから聞いてない」
( ´_>`)「今、映像確認してんだから話しかけんな」
( ^ω^)「……」
友達は選べ、そう言ったクーの言葉が何故か僕の中で響いた様な気がした。
いや、感謝はしてるけどね。
でも、何かこう……
( ^ω^)「……空気嫁お」
そう思わざるを得ない、残念な友達の姿であった。
第七章 了
つづく・・・
- 726 :名も無きAAのようです:2011/10/13(木) 00:24:29 ID:k4FGe9Fg0
-
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第七章終了。
決めていた道筋を破棄して、大まかな結末だけ残してフィーリングで書いてるので色々と落差が激しいと思う。
正直迷走しているけど、次かその次の章、このスレ内で終らせたい。
ちょっとリアの方が忙しくなりそうなのもあるので。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第八章を読む
2 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>727
- 727 :名も無きAAのようです:2011/10/13(木) 00:35:09 ID:poFvFWugO
- 1
- 728 :名も無きAAのようです:2011/10/13(木) 01:50:31 ID:kcWkEwNgO
- 乙乙乙
- 729 :名も無きAAのようです:2011/10/13(木) 07:25:34 ID:7yy2z8wY0
- おう
乙
- 730 :名も無きAAのようです:2011/10/13(木) 23:45:11 ID:UUmatVK20
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
_( ^ω^)_
ヽ ノ
/ /
┗ ┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 731 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:47:05 ID:UUmatVK20
-
( ^ω^)「……」
\ ワイワイ キャッキャッ ワー /
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
昼下がりの公園。
楽しげに走り回る子供達の声が響く中、私は公園のベンチに座っている。
透き通るような青空、麗らかな午後の日差し、満ちる秋の香り、穏やかな時がここにある。
( ^ω^)「……」
しかしながら、私の心は冬の曇り空の様に、灰に染まったまま重く沈んでいる。
何故なら……
( ´ω`)「リストラか……」
( ^ω^)ある公園での出来事のようです
- 732 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:49:15 ID:UUmatVK20
-
( ´ω`)「はぁ……」
\ツギナニスル? オウタウタウンデス! オー/
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
( ´ω`)「リストラされたサラリーマンが公園のベンチに座っているとか」
そんなものはドラマか漫画の世界の話だと思っていたが、
実際に自分がその憂き目に会うとは思ってもいなかった。
( ´ω`)「他に行くところもないんだおね」
小遣い制の身の上、どこかで時間を潰すのにもあまりお金のかかる場所にはいられない。
それ以前に、今後を考えれば、なるべく節約を心掛けねばとも思う。
\ナニウタウ? アレウタウンデス!! オー/
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
- 733 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:50:13 ID:UUmatVK20
-
( ´ω`)「今後か……」
勤続二十一年、約人生の半分の時を過ごした会社を首になった。
解雇を通告された時は、ショックで目の前が真っ暗になったが、覚悟もしていた。
解雇理由も納得は出来る。
会社の業績が上がらず、会社どころか業界全体が急速に萎んで行く今、
人を減らし、規模を縮小する以外に会社が生き残る手段はなかった。
( ´ω`)「土下座までされたら食い下がれるもんじゃないお……」
社長に涙ながらに頭を下げられたら、解雇を受け入れる以外に私が選べる道はなかった。
私は会社も、そこに勤めている人達も好きだったからこそ、止める道を選んだのだ。
ヽノハ*゚⊿゚)ノ「なんでもかんでもみんな〜♪」
( ´ω`)「……子供は無邪気でいいおね」
楽しそうに歌う子供の声が、今の私にはひどく辛い。
私にも妻と子供がいる。
二人の将来を考えれば、私の選択は褒められたものではない。
- 734 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:52:15 ID:UUmatVK20
-
( ´ω`)「……何て言おうかおね」
まだ妻達にはリストラされた事は話していない。
話せばきっと理解してくれると信じてはいても、私の意気地のなさが告げる事を躊躇わせている。
黙っていても、いずれは発覚してしまうだろう。
そうなる前に話すべきなのだが、笑顔で、今日もがんばってとお弁当を渡してくれる妻の顔を見ると、
言い出せずに家を出てしまう。
ノハ*゚⊿゚)ノ"「おどりをおどっているよ〜♪」
( ´ω`)「どうしてこうなっちゃったんだおね……」
私も子供の頃は、あんな風に無邪気に走り回っていた。
そんな私も大人になり、働き始め、いつしかそれだけが私の人生の大半を占める様になっていた。
会社と家の往復。
たまの休みは寝てばかりで、家族サービスは年に何度出来ていただろうか。
その私の大半を占めていたものがなくなった今、これからどう生きればいいのだろう。
- 735 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:53:59 ID:UUmatVK20
-
∩ノハ*゚⊿゚)∩「おなべのなかから ボワっと〜♪」
( ´ω`)「いっそボワっと消えたいお……」
短絡的な思いに支配された事もあった。
雀の涙ほどの退職金と、生命保険をあわせれば、娘が大学を出るくらいまでの貯えにはなる。
だから私は……
ヽノハ*゚⊿゚)ノ「ポリフェノールおじさんと〜じょ〜♪」
( ´ω`)「……」
あれ……?
今、歌の歌詞おかしくなかった?
\イツダーッテ! ワスレナーイ! エジソンハー!/
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
- 736 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:55:23 ID:UUmatVK20
-
子供達が歌っていた歌は、普段テレビを見ない、流行に疎い私でも知っている有名な歌だ。
子供向けの歌で、歌詞も簡単で、私でも覚えているくらいだ。
\ピ-ヒャラ ピ-ヒャラ パッパパラパー!/
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
( ´ω`)「あってるおね?」
子供達の歌はサビの部分に差し掛かり、やはりその歌詞はあの歌に間違いないようだ。
では先ほど聞こえてきた歌詞は何だったのか、その疑問拭い去る事は出来ない。
\ピ-ヒャラ ピ-ヒャラ オーナカガヘッタヨー!/
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
( ´ω`)「まさかもう一回歌ってくれって、見ず知らずの子供に声はかけられないおね……」
疑問は尽きないが、今はそんな事を気にしている時でもない。
先の歌は多分、私の聞き間違いなのだろう。
私は、私自身の今後をどうするべきかを考えねばならない。
- 737 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:56:24 ID:UUmatVK20
-
( ´ω`)「ちゃんと話して、新しい就職先を探すのが一番真っ当な道だおね……」
それがまず真っ先に思い浮かぶ道で、ごく当たり前の道のはずだ。
しかし昨今の不況で、企業の人材募集は少ない。
年の事も考えれば、かなり難しい道となる。
\ウタッター! モッカイナンデス!! オー/
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
( ´ω`)「あっても、警備員とか深夜の仕事だったりが多いおね」
体力的にも辛いが、今より更に家族との時間があわなくなってしまう。
これまではそれなりの収入もあり、妻にも納得してもらえていたと思うが、収入も減り、
共に過ごす時間もないとなると、どう思うだろうか。
∩ノハ*゚⊿゚)∩「おなべのなかから ボワっと〜♪」
( ´ω`)「最悪、別れる事になるのかおね……」
- 738 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/13(木) 23:58:26 ID:UUmatVK20
-
私の忙しさをこれまでは理解はしてくれていたのだが、同時に寂しがってもいた。
それなりに年は重ねたが、良くも悪くも子供のような所がある人だ。
今以上に共にいる時間がないとなると、妻は……。
ヽノハ*゚⊿゚)ノ「ポリフェノールおじさんと〜じょ〜♪」
( ゚ω゚)「聞き間違いじゃねぇぇぇぇッ!」
⊂ノハ;゚⊿゚) ビクゥッ!?
⊂
(;^ω^)「あ……、ごめんお、驚かせて。独り言だから気にしないで歌っててお」
ノハ*゚⊿゚)" コクコク
(;^ω^)「ふぅ……」
またも聞こえてきた謎の歌詞に、私は思わず突っ込んでしまっていた。
悪い事に、それが子供に聞こえたようで驚かせてしまったらしい。
- 739 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/14(金) 00:00:14 ID:ynec5IqU0
-
ただでさえ、真昼の公園に居座る怪しい中年という位置付けなのに、
これでは不審者感が増してしまう。
生来のツッコミ体質が災いしたようだ。
(;-ω-)(落ち着け……be cool だお……)
しかし、あの歌詞は何だったのか。
確かあの部分は『インチキおじさん』だったと記憶していたが。
\ナンデモカンデモミンナー オードリヲオドッテ /
ヽ(*・∀・) (*><) ノハ*゚⊿゚)ノ
( ^ω^)「誰だお、『ポリフェノールおじさん』って……」
何だその、怪しい名前のおじさんは。
冷静に考えれば、インチキおじさんの方が何百倍も怪しそうだが、ポリフェノールおじさんもなかなかのものだ。
( ^ω^)「ポリフェノールなんて、ワインに入ってるイメージしないお」
- 740 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/14(金) 00:02:26 ID:ynec5IqU0
-
だのにそれがおじさんである。
どちらかと言えば、ポリフェノールには女性的なイメージがあった。
その話題が、女性の美容に対するものだったりと、私が生涯で気にした事は一度もないくらいのものだ。
( ^ω^)「あとはコーヒーとかにも入ってるんだっけ?」
何にせよ、私にとっては馴染みのあるものではない。
人名としても少々おかしいのではないか。
ひょっとしたら、そんな名前の芸能人でもいるのかもしれない。
その辺の事情に疎い私ではイメージは湧かないが、芸名としてはいささか語呂が悪いように感じる。
そもそも、あの歌詞だってどう考えても歌い辛そうだ。
ヽノハ*゚⊿゚)ノ「ポリフェノールおじさんと〜じょ〜♪」
明らかに、歌う時早口になっているじゃないか。
( ^ω^)「まあ、そんなやついねーおね」
- 741 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/14(金) 00:04:12 ID:ynec5IqU0
-
|;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ「やあ、ポリフェノールおじさんだよ」
( ゚ω゚)「ポリフェノールおじさんいたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
|;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ「ワイン、飲んでるかーい」
( ゚ω゚)「やっぱりワインだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
|;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ「ルネッサーンス」
( ゚ω゚)「何か芸能人っぽいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
|;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ「実は未成年」
( ゚ω゚)「おじさんじゃなかったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
テチョウ
( ・∀・) ( ><)■「ポリフェノールおじさんこと、頬理笛乗、未成年の飲酒で逮捕するんです」
( ゚ω゚)「色々ありすぎてツッコミ追いつかねえけど、ポリフェノールおじさん捕まったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
- 742 :( ^ω^)ある公園での出来事のようです:2011/10/14(金) 00:09:05 ID:ynec5IqU0
-
< ピーポー ピーポー ピーポー
( ^ω^)「……」
嵐のような時間が瞬く間に過ぎ去った。
起こった事を整理すると、最近この辺りに出る不審者、ポリフェノールおじさんこと本名、頬理笛乗を捕まえる為、
警官が子供に変装して囮捜査をしていたらしい。
\ ワー /
ヽノハ*゚⊿゚)ノ
女の子だけは本当に子供だったようだが。
( ^ω^)「まあ、何にせよ……」
ヽ( ^ω^)ノ「私もがんばるか」
家族に全てを話し、明日からちゃんと仕事を探そう。
人生どんなことがあるのかわからないのだ。
今日みたいに、私の想像も付かぬ出来事が起こる事だってある。
だから私は、生きて行こうと思う。
( ^ω^)ある公園での出来事のようです おしまい
- 743 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 00:21:07 ID:ynec5IqU0
-
お題
|;;;;;;;|:::: (へ) ,(へ) |シ ポリフェノールおじさん登場
あとがき 某Jの付く団体が怖いお話ですね。
完全に一発ネタ。
流れとか雰囲気とか ( ^ω^)は友の生きた証を知るようです と同じ感じだね。
オチが少々強引にいい話風に〆る辺りとか。
こういうのは好きだけど。
以下、>>725 の続き……の前に、500レスぐらいでやろうと思って忘れてた目次的な整理。
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 744 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 00:23:27 ID:ynec5IqU0
-
●連載
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです
第一章
>>16-32 >>48-83
第二章
>>111-118 >>140-183
第三章
>>189-222
第四章
>>266-285 >>304-329
第五章
>>347-369
第六章
>>411-460 >>493-521
第七章
>>573-592 >>602-632 >>663-686 >>708-725
●短編
( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです
>>34-46
lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2Uのようです
>>87-104
( ^ω^)は友の生きた証を知るようです
>>121-134
- 745 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 00:24:28 ID:ynec5IqU0
-
●短編
( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです
>>227-245
ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです
>>250-262
( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか回避するようです
>>289-302
|::━◎┥AA生物化計画のようです
>>332-343
(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです
>>376-392
( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです
>>398-408
(゚、゚トソンかせいふはみたようです
>>464-488
( ^ω^)キンタマ刑事のようです
>>524-544
( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです
>>551-567
(#`ω´)ブーンが逃亡作者を斬るようです
>>594-595
( ^ω^)なんでやねん劇場のようです
>>634-657
( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです
>>688-703
( ^ω^)ある公園での出来事のようです
>>731-742
- 746 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 00:37:47 ID:WlNlJpsUO
- Jのつく団体は歌詞使った作品があると、まとめサイトの中の人に直接使用料を請求するらしいな
やる夫スレのまとめサイトの一つで、そんな事件があったそうだ
- 747 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 00:46:40 ID:Q80QEuJA0
- 乙
今後も期待
- 748 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 07:18:21 ID:4gIJEfc60
- 乙
ヒートかわいい
- 749 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 20:44:18 ID:GHDMJCM6O
- 乙乙
いい落差だ
もう、かなりの数の短編書いてるんだな
- 750 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:33:26 ID:wEXc9gOk0
-
( ^ω^)「彼女の居場所……か」
あの池での出来事の後、特に何事もなく普通に帰宅した翌朝の事だ。
夢を見る事もなく、何かの怪異が起きる事もなく、ごく普通に目覚めた僕は、
横になったままこれからやるべき事を考える。
昨日は何だかんだで疲れていたので、その辺は保留で寝てしまった。
だから今日、僕は僕自身の進む道を決めなければならない。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 第八章
.
- 751 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:39:02 ID:wEXc9gOk0
-
( ^ω^)「進む道かねえ……」
とは言ったものの、彼女との思い出について特に思い当たる事がないから、これまで迷走して来たようなものだ。
すぐには思い付くものではない。
これはと思って出向いたあの池も、彼女との思い出は何も喚起される事はなかった。
( ^ω^)「クーは僕の中に答えがあるみたいな事を言ってはいたけど……」
身体を起こし、しばし考えてみてもやはり何も思い浮かばない。
今思えば、あの時クーは最大級のヒントをくれた様に思えたが、冷静に考えてみると、
( ^ω^)「これって、ノーヒントと同じことじゃないかお?」
そういう結論に達した僕は、再びベッドに身体を横たえた。
いざ動こうとし勢い込んでみたら、やる事が特にないという空回った僕は、早くもやる気が薄れ掛けて来た。
既に、また相手の出方待ちの方が楽かもしれないと考え始めている。
( ^ω^)「それじゃあ話が終んないみたいなんですけどね」
- 752 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:49:47 ID:wEXc9gOk0
-
自分で動かなければ始まりも終わりもしない。
そういう事らしい。
( ^ω^)「ん……じゃあ、そもそもの始まりはどうなるんだお?」
今の話をを前提に考えると、どこかで僕が話を始めたという事なのだろうか。
それとも、始まりは別の原因があり、それに巻き込まれた結果、自分で終らせねばならないという事だろうか。
( ^ω^)「発端は自体はあの同窓会だろうけど……」
あれ以降、不可思議な事が起こるようになったのだし、そう考えるのが普通であろう。
それ以前の可能性もあるのだが、今は思い当たる点もないし、その方向では考えない方がいい。
手を広げ過ぎては多分、答えが見付からない気がする。
( ^ω^)「発端はあの同窓会で彼女にあった事とすると……」
そこで考える必要があるのは、彼女自体の発端だ。
彼女自体の発端、この場合は過去に僕がどこで彼女と会ったかと考えるべきか。
これがわかれば、道は開ける気がする。
- 753 :名も無きAAのようです:2011/10/14(金) 23:57:49 ID:wEXc9gOk0
-
( ^ω^)「現状でわかってるのは……」
接点は小学生時代にあった。
僕のブーンというあだ名も知っているようだった。
彼女はジョルジュの事も知っていた。
同じ小学校の生徒ではない。
( ^ω^)「こんなとこかお」
彼女の自己申告による職業等は省かせてもらった。
その辺は僕との接点とは関係なさそうだし。
( ^ω^)「何というか、意外と少ないおね……」
こんなものかとも思えるが、色々と調べ、振り回された割には少ないかもしれない。
どうにも無駄な事をし過ぎた気がする。
( ^ω^)「でも、そうなると調べる点は自ずと見えて来るおね」
選択肢は少ないが、少ないからこそやるべき事も見えて来る。
- 754 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:03:40 ID:/zmx1mPQ0
-
( ^ω^)「僕が小学生時代、行った事のある場所だお」
考え付く条件から、一先ず範囲を定めてみたが、これだとまだ広過ぎる。
あまり活動的な人間ではない僕とはいえ、小学生時代の全てだと、その範囲はそれなりにはある。
( ^ω^)「まず、学校関係は範囲から削れるおね」
彼女とは同じ小学校ではない。
その条件を加味すると、小学校の敷地内、学校内は省けそうだ。
写生会のように、外に出向くものだったら関わりはあるかも知れないので、こちらは残しておくべきだろう。
( ^ω^)「親戚とか家族とかのベタなオチはないはずだけど……」
そういった関係性なら、もう少し違った情報があってもいいはずだ。
不可思議な状況を受け入れた今、そうであっても驚きはしないが、いとこの名前や顔は全て思い浮かぶし、違うと思える。
( ^ω^)「だとしたら、やっぱり学校終ってからの時間だおね」
放課後、学校が終ってから僕が行動していた範囲。
この部分で接点があったと考えるのが一番自然な気がする。
- 755 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:10:07 ID:/zmx1mPQ0
-
通学路で会ったとか、公園で会ったとか、色々と有り得そうな場所はある。
通学路なら朝の時間もあるかも知れないが、昔から朝が弱かった僕が、朝から誰かと遊んでいたとは思えない。
( ^ω^)「それに、あの時浮かんだあの感じは放課後のそれだおね」
あの同窓会の時に感じた、遠くから人の輪を眺めている感覚。
あれは放課後の、遊んでいる時の感覚だったと思う。
( ^ω^)「あの頃の僕は、何をやってたんだろうかおね」
ジョルジュに引っ張られ、遊びに付き合いはするものの、ジョルジュ以外とはほとんど話せず、
ジョルジュの周りに人の輪が出来ると遠くから見ていた。
それから年月を経て、最初から付き合わないという術を覚えた僕は、人の輪を見ることすらなくなったけども。
それが良かったのか悪かったのかわからない。
( ^ω^)「……と、昨日までは思っていたんだおね」
それが悪かったのだと、僕は昨日はっきりと気付いたんだと思う。
昨日の時間が楽しいと思えた時に。
( ^ω^)「最初から諦めていれば、夢を見なければ楽だって、そう思っていたお」
- 756 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:23:06 ID:/zmx1mPQ0
-
それが間違いだと、気付いた僕はここから抜け出さなければならない。
( ^ω^)「……抜け出す?」
どこから?
( ^ω^)「ここから……」
ここはどこ?
( ^ω^)「僕の部屋……いや、僕の……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……お?」
いつまで経っても、形を成した言葉が口をつく事はなかった。
昨日も感じた、思考の最中に、思い浮かんだ言葉の一部が不自然に消えるようなこの感覚。
- 757 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:29:35 ID:/zmx1mPQ0
-
( ^ω^)「それが多分、答えに繋がる何かなのかおね?」
僕は問い掛けるように、誰もいない中空に視線を向ける。
当然、誰からの返事もない。
( ^ω^)「ま、今はいいお。それより具体的な場所だおね」
彼女の居場所、僕が彼女と出会った場所。
今の成長した僕の脚なら、小学生時代の放課後に回った場所を一通り見て回るのはそれほど難しくもない。
とにかく動いて、手当たり次第見て回るのも一つの手だ。
しかし同時に、ここと決めてかからないと、彼女は姿を現さない様な予感もある。
僕がそこに向かう理由を、彼女がそこにいる理由を、明確に見付けないといけないのかもしれない。
( ^ω^)「候補の場所自体は、ジョルジュも知ってるおね」
僕はジョルジュに連れられて行ったのがほとんどなので、
むしろ僕よりジョルジュの方がそれらの場所に詳しいかもしれない。
ジョルジュに聞いてみるのも手だろう。
今更頼るのを遠慮するのも逆に失礼な話だと思う。
- 758 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 00:42:47 ID:/zmx1mPQ0
-
昨日のような有様なら、逆に足を引っ張ってくれそうな悪い予感もなくはないが。
( ^ω^)「あと、それらの場所のいわく付きの度合いとか、弟者なら知ってそうだおね」
弟者はこの辺りで遊んだ覚えはないかもしれないが、場所自体の情報は弟者は知っているだろう。
何かしらのいわく付きの場所なら、今回の件の原因に繋がる何かを見つけられるかもしれない。
弟者にも頼っていいだろう。
あれもあれで場を掻き回しそうな不安はあるが。
さて、僕はどうするべきだろうか。
ここは……
1 僕自身の問題だ。ここは一人で場当たり的に周ってみよう。
2 僕自身の問題だ。まずは場所の見当をつけよう。
3 ジョルジュに電話するか。
4 弟者に電話するか。
5 ジョルジュと弟者、二人に電話するか。
安価
>>759
- 759 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 02:53:14 ID:2DFK5D0s0
- 5
- 760 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 22:57:57 ID:ZmzCsc2w0
-
ここはジョルジュと弟者、二人に電話するか。
( ^ω^)「ここまで来てハブってのは、流石に駄目だおね」
最初、自分一人で片付けるつもりの話ではあったが、結局二人には色々と頼ってしまった。
そしてそれが、悪い事ではないと気付いてしまった以上、僕は二人に頼るべきなのだろし、何より、
( ^ω^)「僕自身が頼りたいと思ってるんだおね」
それもきっと、僕が得た答えの一つ。
だから僕は、この選択をきっと悔やむ事はない。
( ^ω^)】 プルルー プルルー
( ^ω^)】ガチャ
( ^ω^)】「おいすー、ジョルジュ、もう起きてたかお?」
【】<「よう、早いな。今日はどうするんだ?」
( ^ω^)】「行きたい所があるお」
- 761 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:13:43 ID:ZmzCsc2w0
-
【】<「今度はどこだ?」
( ^ω^)】「それをジョルジュにも探して欲しいんだお」
【】<「何だそりゃ?
( ^ω^)】「斯く斯く云々」
【】<「把握。朝食食ったら向かうわ」
( ^ω^)】「サンクス、待ってるお」
僕はジョルジュに電話し、現状考えていることを説明し、場所の選定を一緒に考えて欲しい事を伝えた。
今日は世間的には日曜日、大学も休みだから都合も良い。
( ^ω^)「あとは弟者か……」
携帯電話のアドレス帳を開き、弟者の名前を呼び出した所で手が止まる。
弟者にも手伝ってもらおうと考えていたのだが、果たして今日は手伝ってくれるかどうか。
昨日は弟者の念願の怪異に遭遇は出来たものの、結局写真や映像は撮れなかった様だ。
その事でひどく落ち込んでいたから、また今日も手伝ってくれるとは限らない。
- 762 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:19:57 ID:ZmzCsc2w0
-
ポジティブに考えれば、昨日駄目だったから今度こそと、張り切って手伝ってくれる可能性もあるが、
弟者に張り切られると若干ウザいという事が昨日わかった。
( ^ω^)「あのお弁当みたいな方向の張り切りなら大歓迎なんだけどね」
前回駄目だったからと、今回は更に巨大な撮影器具でも持ち込んで来そうである。
( ^ω^)「まあ、とにかく電話してみるかお」
( ^ω^)】 プルルー プルルー
( ^ω^)】ガチャ
( ^ω^)】「あ、弟者? おいすー」
【】<「いやぁ、これはこれは我が心の友、ブーンじゃないか!」
( ^ω^)】
予想に反してひどく上機嫌な弟者の声に、一瞬僕は言葉に詰まった。
しかしすぐに気を取り直し、用件を告げる事にする。
- 763 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:26:17 ID:ZmzCsc2w0
-
( ^ω^)】「今電話大丈夫かお?」
【】<「君からの電話ならエブリタイム、オールオッケーに決まってるだろ、心の友よ」
(;^ω^)】「……ええっと」
上機嫌を通り越して、若干ウザいテンションの弟者。
用件を告げる前に、まずこのテンションの正体を知っておくべきかも知れない。
( ^ω^)】「何でそんなに朝から上機嫌なんだお?」
【】<「何でって、そりゃあ、君、昨日あんな素敵な映像が撮れたからに決まってるじゃないか!」
( ^ω^)】「お? でも、昨日、クーの姿は撮れなかったって言ってたお?」
【】<「ああ、残念ながらあの女神様の映像は撮れなかった。しかし!」
( ^ω^)】「しかし?」
【】<「宙に浮いて腕を振りまくる、謎の金と銀の像の映像はばっちり撮れてたんだよ!」
- 764 :名も無きAAのようです:2011/10/15(土) 23:33:50 ID:ZmzCsc2w0
-
( ^ω^)】「……謎って、ジョルジュじゃねえかお」
【】<「だとしても、普通の人から見れば謎の金の像にしか見えないさ」
【】<「それに、あの時のあれはジョルジュにしてジョルジュではない存在には違いないだろ?」
( ^ω^)】「まあ、そうだおね。増えてたし」
【】<「あれが怪異である事は紛う事無き事実!」
【】<「よって私は長年の夢である、怪異の存在を映す事に成功したという事なのだよ!」
【】<「わかるかい、心の友よ、この歓喜に満ちた私の気持ちが?」
( ^ω^)】「うん、わかった。わかったから暇なら僕の家に来てくれお。じゃあ」
( ^ω^)
つ】 ピッ
( ^ω^)「……はぁ」
灘か妙に疲れたので、用件だけを告げて電話を切る事にした。
まあ、来てくれてもくれなくてもいいかと思う。
あのテンションのままなら来ない方が助かるような気がするが。
- 765 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:09:47 ID:KSDC5BIk0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
(^ω^)
―ヽ ノ>
< \
┛ ┛
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 766 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:10:59 ID:KSDC5BIk0
-
──── It has been done suddenly. ────
(それは突然やって来た)
【TV】< Bedding was blown away.
( ФωФ) HAHAHA! TV is interesting.
(テレビ面白いのである)
──── Peaceful every day… ────
(平和な日常が…)
( ФωФ) Oh! W.C W.C
(うー、トイレトイレ)
──── It changes to a battlefield in an instant. ────
(一瞬で戦場へと変わる)
Σ(;ФωФ) What? Slip!?
(ぬお? よろけたのである!?)
- 767 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:13:04 ID:gZvyqChI0
- > ( ФωФ) Oh! W.C W.C
> (うー、トイレトイレ)
N| "゚'` {"゚`lリ+
- 768 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:14:35 ID:KSDC5BIk0
-
──── The mighty wall which bars. ────
(立ちふさがる強大な壁)
┌───────┐
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
└───────┘
──── Wardrobe!!! ────
(たんす!!!)
(;ФωФ) My leg finger hit wardrobe
(このままではたんすの角に脚の小指をぶつける事は必至である)
(;ФωФ) I dodge!
(それは何としても避けるのである!)
- 769 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:15:51 ID:KSDC5BIk0
-
──── Looming terror ────
(迫り来る恐怖)
┌───────┐
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
└───────┘
(;ФωФ) Shit! Left leg no use!
(よろけた左脚は使い物にならない!)
(;ФωФ) Now right leg…
(ここは右脚を……)
- 770 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:17:07 ID:KSDC5BIk0
-
──── Free action which breathes out and which is not ────
(息吐く暇のないアクション)
┌───────┐
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
└───────┘
(;ФωФ) But,left arm…
(それならば左腕でたんすを……)
(#ФωФ)⊃ Punch!!!
(殴る!!!)
- 771 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:18:08 ID:KSDC5BIk0
-
──── It is despair that it is in the end. ────
(その果てにあるのは絶望か)
┌───────┐
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
└───────┘
(#ФωФ) Wardrobe has come!?
(たんすがこちらに倒れてくるだと!?)
(; ω ) Now I am dead…
(今度こそ万事休すか……)
- 772 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:19:21 ID:KSDC5BIk0
-
──── Or hope. ────
(はたまた希望か)
┌───────┐
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
├───────┤
│ ○. │
└───────┘
( ω ) Left leg……? No!
(……左脚? ……いや!)
( ФωФ) Heel!!!
(踵!)
- 773 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:20:33 ID:gZvyqChI0
- 状況どんどん悪くなってねーかwww
- 774 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:22:32 ID:KSDC5BIk0
-
──── The earnest way out to find out ────
(見出す一筋の光明)
( ФωФ) Heel is so hard!
(強固な硬度を誇る踵ならばあるいは!)
──── and… ────
(そして…)
(#ФωФ) Wardrobe win or I win!
(貴様と我輩! どちらが上か勝負である!)
──── The climax of a shock ────
(衝撃のクライマックス)
(#ФωФ) Soulful left heel kick eat!
(食らえ! 我が魂の踵の一撃を!)
- 775 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:24:09 ID:KSDC5BIk0
-
‡〓〓 It avoids throwing the little finger of a leg at the angle of a wardrobe somehow 〓〓〓‡
‡〓〓それは、衣装の角度に脚の小指をなんとかして投げつけないようにします(邦題)〓〓〓‡
(#ФωФ) I Can Fly──────────!!!!!!!!!!
(空も飛べるはず!!!!!!!!!!)
──── Coming soon! ────
(近日公開)
- 776 :( ФωФ)それは、衣装の角度に(ry(邦題)ようです:2011/10/16(日) 00:28:26 ID:KSDC5BIk0
-
〜 天国 〜
【TV】< Coming soon!
⊂⊃
( ^ω^)
⊂⊃
('A`)「……いや、こないださ、自殺しようとして臨死体験したやつがいてさ」
⊂⊃
('A`)「説得する時につい話しちゃったのよ。世の中にはこんな事で生命を落としたやつもいるって」
⊂⊃
('A`)「だから自殺なんて馬鹿な事はやめろって。生きてるって素晴らしいじゃないかと」
⊂⊃
('A`)「……どうやらそいつ、映画監督だったみたいだね、ハハ……」
⊂⊃
('A`)「でも、流石映画監督だよね。俺の話をアレンジして独自要素組み込んでたり……」
⊂⊃
( ^ω^)
⊂⊃
('A`)「……ごめん」
⊂⊃
( ^ω^)「……いいお」
( ФωФ)それは、衣装の角度に脚の小指をなんとかして投げつけないようにします(邦題)ようです おしまい
- 777 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:30:21 ID:KSDC5BIk0
-
お題
ハリウッド映画
踵
あとがき ハリウッド映画で真っ先に浮かぶのはCMとかの予告編という。
それにお馬鹿翻訳ネタをプラス。
ここで書いたので一番馬鹿馬鹿しい話、
( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか回避するようです をそんな風にアレンジ。
ナレーションの英語は翻訳ソフト、台詞は俺の適当英語という構成。
やっちゃった感しか残らないけど、ある意味書き終わって清々しい気持ちに溢れる。
大袈裟でアメリカンな感じが、たんすAAで伝われば幸いです。
タイトルも前のタイトルの翻訳。
次は >>764 の続き、魔王を倒すつもりはなかったの予定……の前に
全部消化した短編お題を募集。
スレの残量的に最後の募集かな? ので、今回は5つ募集。
短編お題
安価
>>778
>>779
>>780
>>781
>>782
- 778 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:30:22 ID:gZvyqChI0
- 乙
ドクオ箪笥に何して死んだんだwww
- 779 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:33:34 ID:gZvyqChI0
- あ、ごめん
お題>>778の分も合わせて
図鑑
悪魔召喚プログラム
- 780 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:34:14 ID:iMze9uok0
- 乙
ワロタwwwwww
お題「自演」
- 781 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 00:52:10 ID:l3tiqWP60
- お題「文字化け」
- 782 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 02:06:09 ID:VVD609pc0
- スターウォーズ
- 783 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 14:10:20 ID:KsmIlAJc0
- たんすwwww
乙
- 784 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 23:43:48 ID:zWLwTwbY0
-
───────────
─────
─
_
( ゚∀゚)「お母さん、ジュースまだー?」
( ^ω^)「当店はセルフービスになっておりますと前も言っただろうが、馬鹿息子めが」
それから一時間もせずにジョルジュが僕の家を訪ねて来た。
もう少し時間がかかると思っていたが、相変わらず腰が軽い。
それだけ本気で取り組んでくれてるのだと思うと、感謝したい気持ちだが、飲み物はセルフサービスで維持する。
変に僕がやさしいと、それだけ引け目を感じていると取られてしまうだろうから。
_
( ゚∀゚)「まあ、そう言うと思って、あらかじめ買って来たよ」
( ^ω^)⊃「ジョルジュにしては気がきくおね」
_
( ゚∀゚)「……何、その手?」
( ^ω^)⊃「当然、僕の分も買って来てくれたんだお?」
- 785 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 23:49:29 ID:zWLwTwbY0
- _
( ゚∀゚)「欲しいの?」
( ^ω^)⊃「もらえるものはもらっておくのが我が家の家訓だお」
_ ゴソゴソ
(∀゚ )「仕方ねえな、ちょっと待っ……」
( ^ω^)「やっぱいらないお」
ジョルジュがそのカバンという名の魔窟を漁り始めた時点で、もらうのは危険だという事を思い出した。
ちょっとカバンの中身が見えたが、相変わらずのゴミボックスな有様だ。
_
( ゚∀゚)つ[]「何でだよ! いいから受けとれよ!」
( ^ω^)「来がけに買って来たなら、カバンじゃなくてビニール袋とかに入れて持って来ればいいのに」
_
( ゚∀゚)つ[]「エコを考えりゃ、ビニール袋はもらえねえよ」
( ^ω^)「エコとかお前の口から聞くとは思わなかったお」
いらないと拒否の姿勢を見せたのに、なおも僕に缶ジュースを押し付けてくるジョルジュ。
ここに来る途中で買って来たのなら、カバンの中の滞在時間も短いだろうという計算の元、
僕は渋々ながらそれを受け取った。
- 786 :名も無きAAのようです:2011/10/16(日) 23:55:57 ID:zWLwTwbY0
-
( ^ω^)つ[]「……飲み物?」
_
( ゚∀゚)つ[]「汁粉は飲み物だろ?」
( ^ω^)つ[]「そうだけども……何でわざわざこんなものを……」
_
( ゚∀゚)つ[]「美味いからに決まってるだろ?」
( ^ω^)つ[]「ああ、そうですかお……」
嫌がらせなのかと思ったが、ジョルジュは純粋に汁粉が好きらしい。
冬場の寒いときに飲む暖かい汁粉は嫌いではないが、この寒暖が中途半端な時期に飲む、
これまた中途半端な温度の汁粉は微妙だと思う。
( ^ω^)「で、早速だけど」
_
( ゚∀゚)「ああ、場所がどうとかって話だったな」
( ^ω^)「ジョルジュは昔、遊んでた場所で印象深い場所はあるかお?」
- 787 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:03:58 ID:EI3Vlkog0
- _
( ゚∀゚)「うーん、そうだな……すぐには思い浮かばねえな」
_
( ゚∀゚)「つーか、あんまり場所のバリエーションは無かったよな?」
( ^ω^)「だおね。精々、公園とか帰り道で何かやってたりとかだったおね」
_
( ゚∀゚)「遊び自体もなあ、走ったり駆けたりランニングしたりぐらいだったし」
( ^ω^)「走ったのしか覚えてねえのかお。そこは流石にもう少しあったお?」
この辺りは、世間一般の基準で分類すれば田舎の方であろう。
大学はあるが、高台の町中から離れた場所にあるし、
小学校の周辺は田んぼや畑が目立つ様な所だった。
今時の子供の様に、わざわざ公園に集まって携帯ゲームという様なハイテクな遊びはしていない。
ジョルジュが言う様に、主に走り回るような遊びばかりだった。
_
( ゚∀゚)「鬼ごっこに缶蹴り、かくれんぼに影踏みに三歩当てとか」
( ^ω^)「多分、三歩当て辺りはローカル過ぎて伝わらないと思うけどスルーするお」
- 788 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:10:24 ID:EI3Vlkog0
- _
( ゚∀゚)「球技はあんまりやってねえよな」
( ^ω^)「それは場所が必要だったしね。あと人数も。三歩当て以外は」
思いつく限りの事を二人で挙げてみたが、どれもこれも今一つピンと来ない。
この分だと当初の候補の一つである、総当りで探すしか手は無いのかもしれない。
( ^ω^)「もう少し何か、いわくありげな場所に行ったりしなかったかおね?」
_
( ゚∀゚)「ねえと思うな」
( ^ω^)「そうかお?」
_
( ゚∀゚)「うん、俺が避けてたし」
( ^ω^)「あの頃からそういう怖いの苦手なんだったのかお?」
_
( ゚∀゚)「むしろあの頃苦手じゃなきゃ、今も苦手じゃないと思う」
( ^ω^)「それもそうだおね」
- 789 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:17:08 ID:EI3Vlkog0
- _
( ゚∀゚)「どうする? 適当に探すか? 何なら、昔遊んでたやつにも聞いてみるが?」
あの当時僕やジョルジュ、というよりジョルジュと遊んでた誰かが何か覚えているかもしれない。
その可能性は無いわけではないが、当事者の僕が覚えていないような事を、
これまで全く話に関わりもしなかった誰かが覚えているのはあまり考え難いとも思う。
_
( ゚∀゚)「そういや、画伯はどうしたの?」
( ^ω^)「画伯……ああ、弟者なら一応電話はしたけど──」
< ピンポーン♪
( ^ω^)⊃「噂をすれば、かお?」
_
( ゚∀゚)「その手は何だよ、ってか、自分で迎えに行けよ」
( ^ω^)「いや、何かワンクッション置きたいんで」
_
( ゚∀゚)「どういう意味?」
- 790 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 00:26:54 ID:EI3Vlkog0
-
( ^ω^)「会えばきっとわかりますお」
_
( ゚∀゚)「……よくわかんねえけど、仕方ねえ、ちょっと行ってくるか」
いぶかしみながらもジョルジュは僕の言葉に従い、弟者を迎えに階下に降りる。
これで違う人だったらどうしようというのもあるが、勝手知ったる人の家、
ジョルジュなら何とかするだろう。
< オウ、オトウトジャ、アガレヨ
< オオ! ココロノトモ、イヤ、ゴシンタイヨ!
< ア? ゴシン……ナニ?
( ^ω^)「……南無」
それから程なくして、ジョルジュを褒め称える弟者の声と、気持ち悪がるジョルジュの声が聞こえて来たが、
僕は部屋の扉を閉め、音を遮る事に決めた。
ズズ…
( ^ω^)[]「汁粉微妙」
- 791 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 07:19:20 ID:ijCxTKHQ0
- 御神体扱いwwwwww
- 792 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 07:33:20 ID:4GQpaqu20
- 弟者はトソンを論破できたのだろうか
- 793 :名も無きAAのようです:2011/10/17(月) 15:47:18 ID:.D/5Tric0
- オトジャじゃないのか
- 794 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:35:17 ID:6viJOcgU0
-
───────────
─────
─
(*´_>`)「それで、俺は何をすればいいんだ、心の友よ?」
( ^ω^)「取り敢えず、この町のいわく有り気なスポットを教えて欲しいお」
_
(;゚∀゚)「あと、その気持ち悪い呼び方止めろ」
( ´_>`)「呼び方といえば俺の名も、オトウトジャじゃなくてオトジャだからな」
_
(;゚∀゚)「し、知ってるっつーの! わ、わざと間違えたんだし?」
時間にして十分以上は経っただろうか。
えらく疲れ果てた様に見えるジョルジュが、弟者を連れて僕の部屋に戻って来た。
対照的にやたらと上機嫌な弟者だが、今朝の話の通りらしい。
僕のみならず御神体ことジョルジュもいることで、更にご機嫌らしい。
(*´_>`)「そんな事ならお安い御用だ」
昨日と同じく、大き目のバッグから一冊のファイルを取り出す。
用意のいい弟者だが、来いとだけしか伝えていなかったのにこれがあるという事は、
常に携帯しているのだろうか。
- 795 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:40:24 ID:6viJOcgU0
-
( ^ω^)「そういうファイルがあるって事は、この町はそんな場所が多いのかお?」
( ´_>`)「いや、数は大した事無い。というより少ないというべきかな」
_
( ゚∀゚)「なら何で、そんなにファイルが厚いんだよ」
( ´_>`)「俺の調査や注釈が入ってるからだ。読むか?」
_
( ゚∀゚)「遠慮しとく」
僕は弟者からファイルを受け取り、頭の方にあった目次に目を通す。
なるほど、確かに場所は少ないようだ。
( ^ω^)「ジョルジュ、この中から何か思い当たる場所ないかお?」
_
(;゚∀゚)「やっぱ、俺も見なきゃなんねえのか……」
僕は眉を潜めたジョルジュにファイルを手渡し、目次の項を指差す。
僕自身、気になる場所もありはしたが、まずはジョルジュの話を聞こうと思う。
- 796 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:46:36 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「えーっと最初は……ああ、ここか」
( ^ω^)「町外れの廃墟、ってか単に空き家だおね」
_
( ゚∀゚)「幽霊屋敷とか言われてたな。行った事はねえが」
( ^ω^)「ないおね。しかし、僕らが子供の頃からずっと空き家だおね、あそこ」
( ´_>`)「持ち主は夜逃げ。差し押さえられたがその差し押さえたとこもごたごたがあって放置」
( ´_>`)「そのまま今に至るってとこだな」
弟者はファイルの情報は大よそ頭に入っているらしく、解説を入れてくれる。
助かるし、すごい記憶力だが、使い所を間違っている感が否めないのは何故だろうか。
(*´_>`)「夜の散策にはお勧めのスポットだ」
_
(;゚∀゚)「ぜってー行かねえよ」
( ^ω^)「空き家か……」
- 797 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 00:52:15 ID:6viJOcgU0
-
昔の僕らとの接点は無いが、こういったいわく付きで、しかも人が来ない場所なら隠れるには都合のいい場所だ。
彼女がここにいる可能性はないとは言い切れない。
しかし、実際にその空き家の詳細が書かれたページを見ても、喚起されるものはない。
( ^ω^)「でもやっぱ、僕らとの接点がない場所は外れかおね?」
( ´_>`)「昨日、当たりを引いた経緯を考えれば、やはりお前がピンと来る場所だと思うな」
_
( ゚∀゚)「俺もそう思う」
( ^ω^)「うーん、じゃあこれは無しで次見るかお」
_
( ゚∀゚)「次は……これは交差点か?」
( ´_>`)「そうだ。三丁目三番地の交差点。通称、衝突交差点」
( ^ω^)「あ、それ聞いたことあるお。確かこの町で一番事故が多い場所だおね」
( ´_>`)「流石心の友と書いて心友、よく知ってるな。正解だ」
( ^ω^)「その称号は僕には分不相応なのでジョルジュに譲るお」
_
(;゚∀゚)「いらねえよ。つーか、そんな場所があんのかよ……」
- 798 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:01:02 ID:6viJOcgU0
-
( ^ω^)「大して視界が悪いわけでもないのに、何故か事故が多いんだったおね」
( ´_>`)「そうだ。不思議とな、事故がよく起こるらしい」
_
(;゚∀゚)「うへえ、気味悪いな。しかも実害あるしで最悪だ」
露骨に嫌な顔をするジョルジュ。
確かに、事故ともなると怖いだけじゃなく、実際の被害も大きいわけだから笑えない話だ。
( ^ω^)「原因はわからず仕舞いかお?」
( ´_>`)「それらしい考察はいくつか挙がってる」
( ´_>`)「日の差し具合であったり、道路の歪みであったり、科学的な根拠はあるんだが決め手に欠けている」
( ´_>`)「まあ、だからここがこの町一の心霊スポットだと思っていたよ」
( ^ω^)「思っていた? 過去形かお」
(*´_>`)「そりゃ一番は、昨日のあの池が入って来たからな」
( ^ω^)「なるほど」
- 799 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:09:23 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「てかさ、科学的根拠って、お前、そういう調査もやったのかよ」
_,
( ´_>`)「いや、それは俺がやったわけじゃない……」
ジョルジュの質問に、声のトーンを落とし、難しい顔をしてみせる弟者。
その眉間に寄せた皺に、僕は一つ思い当たる事があった。
( ^ω^)「こないだの彼女さんかお」
_
( ゚∀゚)「彼女……だと……?」
( ´_>`)「誰が彼女だ、誰が。都村は宿敵と書いてライバルだ」
彼女の件は否定する弟者だが、やはりそういった現実的な事を調べたのは、
僕が弟者の家で会った女性、都村さんらしい。
_
( ゚∀゚)「お前……俺に内緒で彼女とラブラブチュッチュしてやがったのか……」
( ´_>`)「だから彼女じゃないし、ラブラブチュッチュもしてなければ、お前に断る義理も無い」
- 800 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:16:17 ID:6viJOcgU0
-
( ^ω^)「結局、あの後どうしたんだお?」
あの日、僕が弟者の家に行った時、僕は話の結末を見ずに帰って来た。
あの論争は決着がしたのだろうか。
( ´_>`)「いや、平行線だった」
( ^ω^)「ですよねー」
( ´_>`)「いつの間にか暗くなって、親も帰ってきたし、飯食わせて送って帰した」
_
( ゚∀゚)「それ、もう彼女だろ」
( ´_>`)「違うよ。全然違うよ」
冷静なジョルジュの一言に僕も同意するが、事実を認めようとしない弟者。
怪異という浪漫を認めない都村さんとは、決して相入れる事はないと弟者は言う。
(;´_>`)「てか、今俺の話はいいだろ? ブーンの思い出の心霊スポットを探すぞ」
( ^ω^)「別に思い出の心霊スポットがあるわけじゃないんスけどね」
- 801 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:23:48 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「わかった。しかし、弟者、これだけは聞いておきたい」
( ´_>`)「何だ?」
_
( ゚∀゚)「その子、巨乳?」
( ´_>`)「皆無だな」
_
( ゚∀゚)「じゃあいいや」
(;´_>`)「そうか……」
( ^ω^)「ジョルジュはわかりやすくていいおね」
(;´_>`)「そういう問題か?」
なんだか納得の行かないような顔をしていた弟者だが、これ以上根掘り葉掘り聞かれるよりはマシと判断したのか、
話を元の流れに戻す。
( ´_>`)「ここを知ってるって事は、昔この辺りで遊んでたのか?」
_
( ゚∀゚)「いや、交差点じゃ遊ばねえだろ」
- 802 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:29:50 ID:6viJOcgU0
-
( ^ω^)「でも、よく通ったお」
_
(;゚∀゚)「マジ?」
( ^ω^)「マジ。しかも、事故った車も見た事もあったお」
_
(;゚∀゚)「うっそーん? 俺、全然覚えてねえよ」
この交差点で遊んだ事はないが、この場所を通った事は何度もあった。
学校からは少し離れているが、当時、この交差点を通って川の方に遊びに行っていた。
_
(;゚∀゚)「ああ、あそこか。確かに通ってたわ……」
とはいえ、この場所自体に何か思い出があるわけでもない。
事故だって、現場を見たわけではなく、ぶつかった車が止まっているのを見た程度だ。
ここで誰が知り合いが事故にあった記憶もない。
( ´_>`)「ここである可能性はゼロじゃないが、ひとまず保留ってとこか」
( ^ω^)「そうするかお」
- 803 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:41:17 ID:6viJOcgU0
-
そう結論付け、ファイルのページを捲る。
次のページには、古めかしい建物の写真があった。
_
( ゚∀゚)「これ、どこだっけ?」
( ^ω^)「何となく見覚えあるお」
写真の木造の建物は、普通の家とはどこか違う趣を感じさせる。
豪華というわけではないが、格式ばった造りとでも言うのだろうか。
( ^ω^)「……神社?」
その建物には確かに見覚えがあった。
多分、行った事がある場所だ。
名前は確か……
( ^ω^)「砂子(いさご)神社だったかお?」
- 804 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:48:39 ID:6viJOcgU0
-
( ´_>`)「正解だ。流石心友」
( ^ω^)「お前の家族になったみたいな言い方は止めろ」
確かこの神社は幽霊屋敷とは反対の町外れ、山の方にある神社だったはずだ。
学校から距離がそれなりにあったから、頻繁に行った覚えはないが、土日とかにやる事がない時は何度か行ったと思う。
_
( ゚∀゚)「そうだっけ?」
( ^ω^)「ジョルジュ……お前、さっきから全然覚えてないおね」
_
(;゚∀゚)「普通、日常の細かい事なんてあんま覚えてねえもんだろ? 誰がいたかくらいは覚えてるけど……」
僕も当時何をやっていたか、細部までは覚えていないが、どこに行ったかぐらいは漠然と覚えている。
ひょっとしたらジョルジュと僕では見ていたものが違うのかもしれない。
ジョルジュは一緒にいた友達の事を見ており、僕は景色を見ていた。
( ^ω^)「で、ここはどんないわくがあるのかお?」
- 805 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 01:54:50 ID:6viJOcgU0
-
( ´_>`)「単にこの町で一番古い建物ってだけで、特にはないな」
( ^ω^)「ないのかお」
神社としてはいたって標準的な構成で、特に何かあるわけではないと弟者は言う。
名前の由来ぐらいはあるようだが、それも大したことがないのではという事らしい。
_
( ゚∀゚)「大したことがないらしい?」
( ´_>`)「よくわかってないからな」
( ^ω^)「伝承とかそういうのもないと」
( ´_>`)「ないな。本当の所はわからんが、少なくとも表には何も出されていない」
町の歴史をまとめたような本でも、その辺りの詳しい記載はない。
だから、今後大学での研究のテーマに砂子神社の事を取り上げる予定だという事だ。
( ´_>`)「直接関係者に聞くしか調べる手はなさそうだからな」
- 806 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 02:03:41 ID:6viJOcgU0
- _
( ゚∀゚)「そういや弟者、専攻は民俗学だっけ」
( ´_>`)「大学の研究という名目があれば、協力は得られると踏んでるよ」
_
( ゚∀゚)「真面目に大学生やってんだな」
( ´_>`)「趣味の延長でもあるからな」
根は真面目な弟者だ。
言葉通り趣味の一部として学業に取り組んでいても、やるべき事はしっかりやっているのだろう。
その言葉はどこか自信に溢れ、そして楽しそうでもある。
( ´_>`)「……っと、少し話がそれたな」
( ^ω^)「そもそも、砂子ってどういう意味だお」
( ´_>`)「小さな砂とか石とかで、特に深い意味も裏の意味もないはずだ」
( ^ω^)「そうなのかお」
_
( ゚∀゚)「……何か気になる事あるか? 聞き覚えあるとか」
( ^ω^)「そうだおね……」
- 807 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 02:11:30 ID:6viJOcgU0
-
僕がこの神社に行った事があるのは確かだ。
ただ、問題はここで何をしていたのかを覚えていない。
先にも言ったように、僕はあまり人を見ていたわけではないから、そういった事は覚えていないのだろうか。
放課後にしていた遊びの種類はいくつか覚えているが、そのどれを神社でやっていたかまではわからない。
この辺はジョルジュの方が覚えてそいうだが、一連の反応を見る限り、あまり期待は出来ないかもしれない。
( ^ω^)「1 一つ気になる事があるお
2 ジョルジュ、ここで僕たち何してたっけかお?
3 いや、ここは違うと思うお
4 ここよりさっきの交差点の方が気になる事があるお 」
安価
>>808
- 808 :名も無きAAのようです:2011/10/18(火) 06:38:22 ID:1zvEgfnEO
- 4
- 809 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:09:26 ID:EcnDsg0M0
-
( ^ω^)「ここよりさっきの交差点の方が気になる事があるお」
( ´_>`)「何か思い出したのか?」
( ^ω^)「いや、どっちかと言えば消去法だお」
神社の方は、大して何もなかった気がする。
そう頻繁に行ったわけでもないし、神社の境内で出来た遊びはそう多くもないだろう。
神社を管理する人もいただろうから、あの世代特有の無茶な遊びもしてないはずだ。
もっとも、そういう無茶な遊びに僕が加わる事はまずなかったが。
_
( ゚∀゚)「じゃあ、神社はスルーで次行くか」
( ^ω^)「そうするお」
_
( ゚∀゚)「えっと……次は……昨日の池じゃねえか」
(*´_>`)「あの池を足さないわけには行かないだろう。そもそもあの池は……」
_
( ゚∀゚)「ここはパスでいいよな?」
( ^ω^)「いいお」
- 810 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:18:28 ID:EcnDsg0M0
-
あの池の名前や由来を大袈裟な身振りで語る弟者を無視し、ジョルジュはページを捲る。
しかし、何故かページを開いたジョルジュの動きがぴたりと止まった。
_
( ゚∀゚)
( ^ω^)「ジョルジュ?」
僕はジョルジュに声をかけつつ、その手からファイルを抜き取り目を通す。
そこに映っていたのは、
(;^ω^)「長岡邸……どう見てもジョルジュのアパートだおね」
_
(;゚∀゚)「え? あ? え? 俺の部屋って、心霊スポットだったの? ちょ……、え?」
長岡邸と銘打たれてはいるものの、ジョルジュが持っている物件というわけではない。
正式名称はアパートVIPの二〇四号、ジョルジュが現在住んでいる部屋がいわくありげな場所として、
弟者のファイルに記載されているのだ。
_
(;゚∀゚)「え? 俺、そんな部屋に住んでたの? え、マジで?」
この手の話が苦手なジョルジュにはこれはさぞショッキングな事であろう。
目に見えて狼狽した様子で弟者を問い詰める。
- 811 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:22:20 ID:3S/mPod2O
- くる頃だと思ってた
④
- 812 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:26:32 ID:EcnDsg0M0
- _
(;゚∀゚)「おい、弟者! この部屋で何があったんだ?」
( ´_>`)「何って、それは……」
_
(;゚∀゚)「それは?」
(*´_>`)b「御神体の安置所に決まってるだろ」
( ^ω^)「ああ……」
_
(;゚∀゚)「は?」
現在ジョルジュが住んでいる部屋で、過去に自殺か何かあったのかと思えば何の事はない。
ジョルジュ自身が弟者にとっての怪異という認識になっているようだ。
_
(;゚∀゚)「お前なぁ……冗談にしては度が過ぎるぞ?」
( ´_>`)「冗……談……?」
( ^ω^)「残念ながら彼は大真面目なようです」
- 813 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:33:33 ID:EcnDsg0M0
-
ひどく疲れ果てた顔で突っ伏すジョルジュは放置し、僕は更にファイルを読み進める。
流石に昨日の今日で写真は撮れなかったのか、ジョルジュの部屋に関しては文章がほとんどだった。
それでも、恐らく今朝にでも撮ったと思われるジョルジュの部屋の外観の写真がある辺りは流石と言える。
(*´_>`)「というわけで、今度室内の取材をさせて頂いてもよろしいでしょうかね?」
_
(;゚∀゚)「良くねーよ!」
このページはこれ以上見ても無駄と思われるので、飛ばして先を見たが、以降のページは何も書かれていないない。
という事は、池とジョルジュの部屋を除くと、この町のいわくありげなスポットは三ヶ所しかないという事か。
( ^ω^)「うーん、じゃあ、弟者のファイルからだと場所はあの交差点ぐらいだおね」
あとはいわくの有る無し関係なく、僕ないしジョルジュが気になる場所ぐらいだろう。
( ^ω^)「何かあるかお、御神体?」
_
(;゚∀゚)「お前まで御神体と呼ぶな。つーかさ、何で俺、御神体扱いされてんの?」
( ^ω^)「そりゃあ……」
- 814 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:44:51 ID:EcnDsg0M0
-
そこでふと僕はある事に気付く。
ジョルジュはひょっとして、弟者から自分が撮影されていた事は聞いていないのかもしれない。
あの金銀だった時のジョルジュの意識はどうなっていたのかと、単純な知的好奇心の上での気になる部分もあるが、
今はそんなことを考えている時でもない気がするのでこの話は流す事に決めた。
( ^ω^)「昨日のジョルジュさんの活躍を、弟者がいたく気に入ったんではないでしょうかおね」
_
(;゚∀゚)「すげえ白々しく聞こえるんだが、お前ら俺に何か隠してねえよな?」
( ^ω^)「それは置いといて、ジョルジュはあの交差点以外に気になる場所はあるかお?」
_
( ゚∀゚)「置いとくなよ、と言いたいとこだが、そうだなあ……ぶっちゃけるとねえな」
( ^ω^)「ジョルジュって、全然使えねえおね」
_
( ゚∀゚)「親友が相変わらずツン一択だよ」
そうは言ったものの、僕もこの交差点以外には何も思い当たらないので、ジョルジュの事を言えた義理ではない。
ここは候補がゼロでないだけマシと思うべきだろう。
- 815 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:49:47 ID:EcnDsg0M0
- _
( ゚∀゚)「じゃあ、早速行ってみっか?」
( ^ω^)「今回はあんまり気軽に行きたい場所ではないお」
事故の多発地帯という、明確に危険がある場所だけに、何かしらの準備は必要ではなかろうか。
歩行者の身での交通事故に対する備えなんて、すぐには思い付かないが。
_
(;゚∀゚)「そうだな、今回はちょっち危険かもな」
( ´_>`)「防弾チョッキでもあればいいんだがな」
_
( ゚∀゚)「それ、何か方向性が違わねえか?」
( ^ω^)「じゃあ、ジョルジュなら交通事故に備えて何持って行くんだお?」
_
( ゚∀゚)「そうだな……エアバッグとか?」
( ^ω^)「どこに付けんだお」
_
( ゚∀゚)「おでこにでも貼っとけば良くね?」
( ^ω^)「緩衝材でも巻いとけお」
- 816 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 00:57:13 ID:EcnDsg0M0
-
根本的に間違っているジョルジュの意見を真に受けても仕方がないのだが、他にこれといった妙案も思い付かない。
この場所は避けた方が良いのかもしれないが、本当に避けても良いのか気になる事がある。
( ^ω^)(さっき僕は、何でこの場所が気になったんだお……)
神社の話の時、僕にはこの交差点の方が気になるという言葉が口を吐いていた。
明確にこれと意識したわけではないのだが、何かが気になったのだ。
それはほんの些細な事なのかもしれない。
しかし、今はその点を見逃すべきではない気がしている。
僕が気になる点、それは……
1 実際に科学的な見地から見て何もないのに、明確に怪しい事が起こっている事だ。
2 その交差点のある場所だ。
3 その交差点の写真だ。
4 その交差点の話が広まった時期だ。
安価
>>817
- 817 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 01:07:17 ID:0Ik7Pqmc0
- 3
- 818 :名も無きAAのようです:2011/10/19(水) 13:26:25 ID:reh.rm3I0
- 続きに期待
支援
- 819 :<^ω^;削除>:<^ω^;削除>
- <^ω^;削除>
- 820 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 15:56:36 ID:9M9eym5Q0
-
僕が気になる点、それはその交差点の写真だ。
( ^ω^)「弟者、この写真はどうやって手に入れたんだお?」
( ´_>`)「新しいものは自分で撮ったが、古いものはネットで拾ったり、町内史からのコピーだったりだな」
( ^ω^)「町内史?」
( ´_>`)「言葉通り、町の歴史を編纂したものさ。商工会主体でそう本格的なものでもないが」
僕は弟者の説明に礼を述べ、再び写真に目を落とす。
新しい写真は、交差点のそれぞれの道から交差点を撮った物や近くのビル、と言っても三、四階程度の低い建物だが、
そこから撮ったもの等で、何か不思議なものが写り込んでいるような事もない。
( ^ω^)「で、こっちが古い写真だおね」
色褪せるほど古い写真というわけではない。
精々十年前ぐらいの写真のようだ。
( ´_>`)「そのくらい前だな。確かその頃に町の保存会が発足されたとかいう話だった」
( ^ω^)「なるほど」
- 821 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 16:03:20 ID:9M9eym5Q0
- _
( ゚∀゚)「ああ、思い出した思い出した」
( ^ω^)「前世の記憶をかお?」
_
( ゚∀゚)「ちげえよ、商工会議所だよ」
( ^ω^)「お?」
_
( ゚∀゚)「ほら、俺らが五年か六年の頃、新しく商工会議所が出来ただろ?」
_
( ゚∀゚)「それがこの交差点のすぐそばにあって、見に行ったじゃねえか」
( ^ω^)「そうだっけかお?」
_
( ゚∀゚)「確か、茂良の親父さんが会長になるとかいう話でさ?」
( ^ω^)「そういえばそんな事あったような……」
ジョルジュが言う茂良なる人物の顔は思い出さないが、確かにそんな事があったような記憶はある。
土曜だったか、学校が終ってからこの交差点付近に来たと思う。
- 822 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 20:27:05 ID:O6eX38H60
-
(*´_>`)「それで、その時お前達が何かやらかしたから、ここはこんな心霊スポットになったのか?」
_
(;゚∀゚)「何もしてねえよ。新しい建物見て、茂良の親父さんにお菓子もらったぐらいだ」
ジョルジュにしてはやけにちゃんと思えているようだが、その記憶は間違いではない気がする。
言われてみればそんなことがあった事を思い出す。
しかし……
( ^ω^)「それだけじゃなかったお」
_
( ゚∀゚)「そうだっけ?」
(*´_>`)「開けちゃいけない禁断の扉を開けたのか?」
_
(:゚∀゚)「だからそういう話じゃねえっつーの!」
僕はじゃれ合うジョルジュと弟者は無視し、ファイルから一枚の写真を抜き出す。
交差点の横断歩道を渡る歩行者の写真。
小さな人影は、顔までは判別出来ないが多分その背丈から子供であろう事がわかる。
- 823 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 20:42:33 ID:O6eX38H60
-
( ^ω^)「これ、多分ジョルジュだおね」
_
(:゚∀゚)「は?」
僕はその写真の先頭の子を指差し、ジョルジュに見せる。
_,
( ゚∀゚)「そう? 俺にはよくわかんねえんだけど?」
( ^ω^)「ほら、この手は多分ジョルジュだお」
写真の中の子は、左手を高く振り上げていた。
昔から事ある毎にジョルジュはよく腕を振っていたし、間違いないだろう。
(*´_>`)「この頃から御神体のポーズを取っていたのか」
_
(:゚∀゚)「何だよ、御神体のポーズって! しかし、確かにこれは俺っぽいな……」
ジョルジュは僕の手から写真を取り上げ、眉間に皺を寄せて凝視する。
_,
( ゚∀゚)「となると、これが茂良で、こっちが高知か? んで衣陽、頬理……」
- 824 :名も無きAAのようです:2011/10/20(木) 22:57:28 ID:O6eX38H60
- _
( ゚∀゚)「で、最後尾が……」
次々と挙げられる名前はどれも聞き覚えがあった。
顔までは思い浮かばないものの、子供の頃の記憶は案外馬鹿にならないようだ。
僕の記憶力はそう悪くはないらしい。
_
( ゚∀゚)「ブーン、だな」
( ^ω^)「そうなるおね」
他の子供達からは少し空いた位置、写真の端の方に写る子供。
それが僕だ。
猫背気味に俯いて前を見ずに歩いているその姿は、あまり子供らしくない。
十年ほど前の写真に、当時の僕の立ち位置が鮮明に記録されていた。
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「……俺、いっつも前しか見てなかったよな」
( ^ω^)「それがジョルジュだし、ジョルジュはそれでいいんだお」
- 825 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 00:06:43 ID:UJCDiM4M0
-
無言で写真を見詰める僕を慮ったのか、悔いたような言葉を向けてくるジョルジュ。
しかし、返した僕の言葉に嘘はない。
当時、ジョルジュを恨んだ事も羨んだ事もないと思う。
僕は僕の立ち位置で満足していたはずだ。
_
( ゚∀゚)「けどさ……」
( ^ω^)「その話はまた今度にするお。今は他にやることがあるお」
_
( ゚∀゚)「……だな。わかった、この話はまた今度だ」
僕は写真の中の僕をじっくりと見る。
これといって不思議な所は見当たらないような気がする。
_
( ゚∀゚)「この写真、何の為に撮られたんだ?」
( ^ω^)「町内史用、とはこの時点では考え難いかおね」
どちらかといえばスナップ写真の様な写真だ。
記録に残す為というよりは、町の中の風景として撮られた様な印象を受ける。
- 826 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 00:12:34 ID:UJCDiM4M0
-
( ^ω^)「商工会のパンフレットとかそんな感じかお?」
( ´_>`)「ちょっといいか?」
( ^ω^)「何だお?」
学区の違いから、子供の頃、この交差点にこの写真にも馴染みのなかった弟者は空気を読んでか口を閉ざしていたようだ。
しかし、先の僕とジョルジュのやり取りで気になる所があったという。
( ´_>`)「お前達が遊びに行く時、いつも最後尾はブーンだったのか?」
( ^ω^)「そうだお。たまにジョルジュが並走して来る事はあったけど、基本的に僕が最後だったお」
( ´_>`)「……じゃあ、この写真のこの位置」
( ^ω^)「お?」
弟者が写真のある一点を指し示す。
写真の端、僕より更に後方に位置するその場所。
- 827 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 01:11:16 ID:YPpeN.0w0
- 気になる
- 828 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 23:30:08 ID:c46uqPys0
-
( ´_>`)「これは誰の手だ?」
( ^ω^)「手……?」
僕はもう一度目を凝らして写真を見る。
写真の中の僕の後ろにある小さな何か。
( ^ω^)「手……だおね」
_
(;゚∀゚)「おいおい、本物の心霊写真来ちゃったの?」
(*´_>`)「ktkr!」
( ^ω^)「いや……心霊写真じゃないんじゃないかお?」
写真の中のその手は、僕を引きずり込もうと伸ばしているような感じではなく、単に歩いている時の手の動きに見える。
普通に考えれば、僕の後ろを誰かが歩いていると見るべきだ。
( ´_>`)「でも、ブーンが最後尾だったんだろ?」
( ^ω^)「別にこの手が僕達と関係ある人の手とは限らないお」
- 829 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 23:38:18 ID:c46uqPys0
-
たまたま僕の背後を歩いていた人の手が写っただけと考える出来る。
高さからや大きさ考えると、僕達と同年代の子供の手のようだが、それも偶然と考えても特に不自然な点はない。
町中だし、人通りはそこそこあった。
( ´_>`)「浪漫がない見解だな」
_
( ゚∀゚)「そもそも、心霊写真に浪漫は感じねえよ」
( ´_>`)「これはこれは、生きた心霊写真が何を仰る」
_
(;゚∀゚)「誰が心霊写真だ。つーか、やっぱお前、何か俺にしでかしただろ?」
騒ぐ二人を余所に、僕は写真を見ながら考える。
現実的な考えを示しはしたものの、それでは彼女に辿り着けない気もしていた。
( ^ω^)(この位置関係……)
この写真が心霊写真ではなく、誰かの手が写り込んでいるだけとして、更にこの手が僕と無関係ではないとしたら?
( ^ω^)(この手は彼女の手、という事になるのかおね)
- 830 :名も無きAAのようです:2011/10/21(金) 23:50:02 ID:c46uqPys0
-
( ^ω^)「ジョルジュ、この写真が撮られた日、僕達どこに向かってたか覚えてるかお?」
_
( ゚∀゚)「わかんねえ」
( ^ω^)「……ハァ」
_
(;゚∀゚)「いや、だってこれ撮られたのがいつかもわかんねえじゃん?」
_
(;゚∀゚)「茂良の親父さんに会った日以外もここ通ってんだし」
( ^ω^)「じゃあ、茂良のお父さんに会った日はどこ行ったか覚えてるかお?」
_
( ゚∀゚)「それなら……」
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
_
(;゚∀゚)「……どこだっけ?」
( ^ω^)「……使えねえな」
_
(;゚∀゚)「親友の視線が絶対零度だよ」
- 831 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:05:34 ID:361xwyjs0
- ブーンも覚えてないのにボロクソ言い過ぎだろwwwwww
- 832 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:06:28 ID:Yd.mORe20
-
ジョルジュにはああ言ったが、僕もはっきり覚えているわけではない。
ただ、先ほども挙げたように、この交差点を通る時は川の方へ遊びに行く事は多かったが。
( ^ω^)「でも、服装からして川に遊びに行く季節じゃないおね」
( ´_>`)「丁度今頃か、もう少し寒い季節かな」
写真の中の僕達はジョルジュ以外一律長袖の服を着ていた。
もう衣替えは済んだぐらいの季節なのだろう。
( ´_>`)「川遊びには向かない頃だろうな」
_
( ゚∀゚)「あれ? 俺、そんな季節のはずの昨日泳げって言われたり、池に落とされた気が」
( ^ω^)「ジョルジュは冬でも泳いで平気だお」
_
(;゚∀゚)「そうなの? って、平気じゃねえよ!」
子供の頃のジョルジュは、冬でも半袖短パンという頭の悪い出立ちだった。
多分、風邪は引かないタイプなのだろう。
( ´_>`)「じゃあ、どこで遊んでいたんだ?」
- 833 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:11:51 ID:Yd.mORe20
-
( ^ω^)「そうだおね……」
思い付く場所はいくつかある。
どれが正解なのかわからないが、ここは直感に頼るべきか。
弟者が言っていた言葉を考えると、それが正解に繋がるかもしれない。
ただ、この交差点自体も少し気にはなっている。
この手の存在が、ここに誰かが、彼女がいたことを示しているかもしれないのだ。
それらを踏まえて、僕が向かうべき場所、それは……
( ^ω^)「1 学校……じゃないかお?
2 山の方……じゃないかお?
3 やっぱり神社かもしれないお
4 今はこの交差点に行ってみるお 」
安価
>>834
- 834 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 00:17:16 ID:ssFQ7YhwO
- ここは2でどうだろうか
- 835 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 02:05:56 ID:eTzx.8GM0
- 神社にしたいんだろうな
- 836 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 23:38:59 ID:N0Hqvk9o0
-
( ^ω^)「山の方……じゃないかお?」
_
( ゚∀゚)「山……?」
( ´_>`)「山? どこの山だ?」
( ^ω^)「VIP山だお」
_
( ゚∀゚)「VIP山……あ、そうか!」
山の名前を聞いてようやく思い出したらしいジョルジュ。
どうして忘れていたのかが不自然なほど、ここはあの頃の僕らにとって馴染みのあった場所だ。
_
( ゚∀゚)「VIP山の秘密基地!」
( ^ω^)「それだお」
秘密基地、そう書くと大層な響きだが、何の事はない、ただの子供の溜まり場だ。
基地と呼んではいるが、それに順ずるようなごっこ遊び的なチームを作ったり等はしていない。
VIP山の登山コースから少し外れた場所に、たまたま見つけた洞窟というには小さ過ぎる、
山の斜面にある窪みが僕らの秘密基地だった。
- 837 :名も無きAAのようです:2011/10/22(土) 23:59:57 ID:N0Hqvk9o0
- _
( ゚∀゚)「懐かしいな。よくお菓子とか持ち寄ってだべってたな」
( ^ω^)「しょぼいとこだったけど、ギリギリ雨は凌げたおね」
子供が五人ぐらい座れる程度の幅に、奥行きもほとんどない場所だったので、
物を持ち込んで基地らしく仕上げたりもしていなかっし、何かのコピペの如く浮浪者に場所を奪われる事もなかった。
( ´_>`)「山の秘密基地……」
_
( ゚∀゚)「何か気になる事あんのか?」
( ^ω^)「あの山にも何かいわくがあったのかお?」
僕らが秘密基地の話をしている間、ずっと難しい顔で何かを考えていた弟者が意味ありげに呟く。
弟者ファイルにはこの山の事は載っていなかったが、何か気になる事でもあるのだろうか。
(*´_>`)「めんm( ^ω^)「それ以上口を開くな、このロリコンが」
まあ確かに、山の秘密基地で、子供の頃の思い出で、幽霊、とはちょっと違うがそれらしきものなら連想する話だが、
僕らの集まりは男ばっかりだったからそれはない。
- 838 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 00:13:00 ID:3J724CV20
- 幼女のコスプレする野郎とか見たくないです
- 839 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 00:29:59 ID:UfgxADPk0
- _
( ゚∀゚)「だよな……例の女がいた記憶はないな」
誰かが男装していたなら話は違って来るが、その可能性はないだろう。
当時一緒にいた連中は、今でもジョルジュが連絡先を知っているくらいは付き合いがあるようなので、
誰かが女性だったら流石にこの年まで隠し通すのは無理だと思う。
( ^ω^)「でも、彼女はこの場にいた」
それでも僕はそう考える。
_
( ゚∀゚)「そう言い切れる理由は何だよ?」
( ^ω^)「勘だお」
_
( ゚∀゚)「勘かよ」
いい加減な根拠ではあるが、クーの言葉や僕の記憶を総合してみればそれであっているのではないかと思う。
僕の思うこの場所に、きっと彼女はいるはずだ。
僕の思い出と共に。
- 840 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 00:31:02 ID:UfgxADPk0
-
( ´_>`)「場所はわかったとして、これからどうする?」
_
( ゚∀゚)「どうするも何もねえさ」
( ^ω^)「ここに行ってみるお」
僕の言葉にジョルジュは力強く頷き、弟者は軽く笑みを浮かべた。
僕が何を言おうが、一緒に来るつもりなのだろう。
_
( ゚∀゚)「じゃあ、早速行こうぜ。善は急げだ」
今度は僕が頷き返し、立ち上がる。
全てを知るため、そして終らせるため、僕は足を踏み出した。
第八章 了
つづく・・・
- 841 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 00:33:46 ID:UfgxADPk0
-
Coffee Brake
(^ω^)
V ノ>
││
┛┗
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです の第八章終了。
だらだらと続いたお話も次で最後になります。
何とか残レス数で終るといいな。
以下、今後の選択
1 ( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 最終章を読む
2 ○○(※自由記述)というタイトルで短編を書く
安価
>>842
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 842 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 01:21:25 ID:V83fssYo0
- もちろん1
- 843 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 01:34:55 ID:UfgxADPk0
- _
( ゚∀゚)「おー、何か懐かしいな」
( ^ω^)「途中はだいぶ変わってたけど、この辺はあまり変ってないおね」」
長らく誰も足を踏み入れていなかったのか、この場に辿り着くまでの道は最早道と呼ぶのも怪しいほどに草が生い茂り、
道なき道となっていた。
しかしながらその草のカーテンを越えると、不自然なほどにぽっかりと空いた空間がそこにあった。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです 最終章
.
- 844 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 01:40:17 ID:UfgxADPk0
- _
( ゚∀゚)「……だよな、不自然だよな、この辺りだけ草が伸びていないのは」
(*´_>`)「どうやら当りらしいな。流石心友」
( ^ω^)「その呼び方は止めろお」
あれから僕らはすぐにVIP山の秘密基地に向かった。
子供の足で放課後に行ける場所だ。
僕の家からはから一時間もかからない。
特に準備する事もなく、手ぶらで来たが弟者だけは例の大き目のバッグを携帯している。
この場所に向かいはしたのだが、最初、VIP山の登山道に入った時点ではどこから脇に逸れるのか記憶が朧気だったが、
進むに連れ、段々と鮮明に思い出して来て無事、辿り着くことが出来た。
( ^ω^)「最近刈ったってわけじゃなさそうだおね」
僕はしゃがみ込み、背の低い草に手を這わせる。
ここに来るまでの途中の草の伸びからすれば、あまりに低過ぎる。
しかしながら葉に刈った後もなく、焼かれたりしたような後もなかった。
- 845 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 21:41:19 ID:JLVjBAgY0
-
( ´_>`)「舞台を整えてくれたと見るべきじゃないかな」
( ^ω^)「かもしれんお」
誰が、という主語は省く。
ここまで来てその存在を疑ってもしょうがないのだ。
_
( ゚∀゚)「ま、今更ビビっても仕方ねえ。行くぜ?」
僕と弟者はほぼ同時に頷き、先に進む。
少し高めの段差を上り、窪みの前に着いた。
_
( ゚∀゚)「誰もいないな」
( ^ω^)「静かなもんだお」
窪みの中は人の気配は勿論、物が散乱しているというような事もない。
僕らがいた当時は、ここで出したゴミは持ち帰っていたが、僕らが使わなくなって以降も綺麗に使われたか、
誰も使っていなかったかのどちらかなのだろう。
麓から近いとはいえ、登山コースからは離れた場所だ。
僕らが誰かに教えたという事でもなければ、誰にも知られる事無く、誰もここには来なかったかもしれない。
- 846 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 21:55:00 ID:JLVjBAgY0
- _
( ゚∀゚)「誰かが住んでいるという気配もねえ」
( ^ω^)「流石にここには誰も住んでないと思うお」
ここにいるとは言ったが、それはここに住んでいるという意味ではない。
そもそも彼女が普通の人間的な生活を必要としているのかがまずわからないが、多分不要なのではないかと思う。
それ以外の人、例えばホームレスが子供が整えた秘密基地に住み着くというどこかで聞いたような話もなさそうだ。
生活するにはここはいささか狭すぎるだろう。
(*´_>`)「で、どうやってその怪異を呼び出すんだ?」
( ^ω^)「さあ? どうするんだろうおね?」
首を捻る僕に弟者は眉を潜める。
最初に言ったように、ここに来たのは勘に因る。
これといった明確な根拠はないのだ。
どうすれば彼女が出てくるのか、僕にはわからない。
( ´_>`)「奥の壁に何か書いてあったりしないのか?」
( ^ω^)「少なくとも僕達は何も書いてないはずだお」
- 847 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 22:06:11 ID:JLVjBAgY0
-
( ´_>`)「ないな……足しとくか。かゆ……うま……」
( ^ω^)「余計な事すんなお」
_
( ゚∀゚)「取り敢えず呼んでみるか」
( ^ω^)「何を?」
_
( ゚∀゚)「そりゃ例の女の……名前?」
( ^ω^)「まあ、名前だおね。知らないけど」
_
( ゚∀゚)「知らねえな」
結局ここに至るまで、僕は彼女の名前を知ることが出来なかった。
一度は聞いたはずの名前だ。
正しくは、思い出せなかったと言うべきか。
_
( ゚∀゚)「しゃーない、呼ぶか」
( ^ω^)「だから何を……」
- 848 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 22:20:21 ID:JLVjBAgY0
- _
(∩゚∀゚)∩「ヘイ、彼女!」
( ^ω^)
_
(∩゚∀゚)∩「恥ずかしがってないで、出ておいでよ、ベイビー?」
そりゃ確かに、彼女としか名前のわからない人間を呼ぶのに彼女と呼びかけるのは間違ってはいないかもしれない。
しかし、呼びかけ方がいかにも馬鹿っぽいのは何故だろうか。
_
( ゚∀゚)「いや、“彼女”っていったら、頭に”ヘイ”とか付けたくならね?」
( ^ω^)「わかったから穴の奥に向かって呼んでてくれお。うるせえから」
_
( ゚∀゚)「ぶれる事無く冷てえ……」
僕はぼやくジョルジュを無視し、窪みの前に座ってみる。
窪みの前は少しだけスペースがあり、その先は段差のため、あまり広くはない。
あの当時、皆この辺りに座って話すことが多かった記憶がある。
( ^ω^)(皆……?)
その言葉は僕にはどこか違和感があった。
思い浮かんだ記憶の、皆の中に僕はいただろうか。
- 849 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 22:27:59 ID:JLVjBAgY0
-
( ^ω^)「僕はここにいたっけかお?」
_
( ゚∀゚)「何言ってんだ。お前もここに来てただろ?」
隣に座ったジョルジュが、僕の疑問に答える。
確かにここに辿り着く道は覚えていたし、この場所も見覚えがあった。
けれど、ここにこうして座っている僕の姿が思い浮かばない。
( ´_>`)「大人三人は流石に座れないか」
_
( ゚∀゚)「ここに並んで座るのは、子供だけでも結構ぎゅうぎゅうだったな」
_
( ゚∀゚)「それで落っこちたやつもいるし」
( ´_>`)「この高さなら落っこちてもどうって事はなさそうだな」
_
( ゚∀゚)「ふざけ合いの一環だったな」
ジョルジュが言うような場面も記憶にある。
そこに並ぶ子供達。
そして……
- 850 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 22:38:51 ID:JLVjBAgY0
-
( ^ω^)「僕はそれを見ていたお」
_
( ゚∀゚)「狭かったからな。この後の窪みの中から……あれ?」
( ^ω^)「そっちじゃなかった気がするお」
_
( ゚∀゚)「……何だこの感じ? 何か……」
ジョルジュが額を押さえ、考え込むように俯く。
一足先に答えが思い浮かんだ僕は、立ち上がり、段差を飛び降りた。
( ´_>`)「ブーン?」
( ^ω^)「そこにいてくれお」
振り返らずに弟者に告げ、僕は窪みから離れた草叢に腰を下ろした。
( ^ω^)「ここ……かお?」
下がった視線の眼前には、そびえ立つ緑の草木。
- 851 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:20:30 ID:UgyhsYy6O
- 支援
- 852 :名も無きAAのようです:2011/10/23(日) 23:58:19 ID:V5QMt.RU0
- 支援
- 853 :名も無きAAのようです:2011/10/25(火) 20:56:01 ID:zLYVqKFs0
- 支援
短編好き
- 854 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 11:35:36 ID:d4H1HNvIO
- 支援す
- 855 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:06:54 ID:6K5OA5gQ0
-
( ^ω^)「この風景……」
身体を倒し、背中を大地に預けると視界が青と白に染まる。
( ^ω^)「この空も……」
そして首を回し、斜め後方を見上げると、楽しそうに語る皆の姿が見える。
それらの光景が、僕の記憶を呼び起こす。
あの日見た景色、あの日聞いた声を。
( ^ω^)「そうだお、ここが僕のいた場所……そして──」
そしてここが──
( ^ω^)「僕が彼女と初めて話した場所だお」
lw´‐ _‐ノv「正解だ」
- 856 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:09:09 ID:6K5OA5gQ0
-
───────────
─────
─
( -ω-)「……」
僕は彼女の声を聞いた。
しかし僕の意識は、なぜか闇の中にある。
これは何だ?
これは……
( ^ω^)「夢かお?」
lw´‐ _‐ノv「またも正解だ」
( ^ω^)「お?」
目を開けた僕の前に、捜し求めていた彼女がいた。
しかしこれは夢だ。
- 857 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:19:35 ID:gvWS1V3E0
- きたか
- 858 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:20:34 ID:6K5OA5gQ0
-
何故夢に、いや、何故僕は夢を見ている。
lw´‐ _‐ノv「記憶の混濁があるようだが、今の君は覚えていると思うぞ?」
( ^ω^)「今の僕? 覚えて……」
僕は思い起こす。
夢の始まりを。
全ての発端を。
( ^ω^)「この世界は僕の夢……」
lw´‐ _‐ノv「そうだ、魔王よ」
( ^ω^)「この世界は僕が作った偽りの世界」
lw´‐ _‐ノv「ようやくそこに辿り着いたな」
( ^ω^)「どういう事だお?」
- 859 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:25:58 ID:91uBAhgEO
- 毎日来てたから、3日空いただけなのに
久しぶりな感じがする
支援です
- 860 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:26:14 ID:6K5OA5gQ0
-
lw´‐ _‐ノv「君はこの夢を何度も見ている」
( ^ω^)「……」
lw´‐ _‐ノv「夢の中で見る夢、それは現実との端境でもある」
( ^ω^)「現実? でも、ここは……」
lw´‐ _‐ノv「君はこの夢の中で何度も答えに近付いた」
lw´‐ _‐ノv「しかしながら、本当の答えを得る事は出来なかった。何故だかわかるかね?」
( ^ω^)「全体的にまだ状況が掴めてないお」
lw´‐ _‐ノv「思い出したまえ。君が答えを得るために」
( ^ω^)「思い出す……何をだお?」
lw´‐ _‐ノv「君の名は?」
( ^ω^)「内藤ホライゾン。ブーンと呼ばれたりもしてたお」
- 861 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:33:37 ID:6K5OA5gQ0
-
lw´‐ _‐ノv「君の職業は?」
( ^ω^)「高卒ニート……いや……魔王?」
lw´‐ _‐ノv「どちらも不正解だ」
( ^ω^)「不正解? 魔王はともかく、ニートは間違ってないお?」
lw´‐ _‐ノv「いや、不正解だよ。将来的にはわからないがね」
( ^ω^)「え? だって僕は、受験に……あれ? 受験?」
lw´‐ _‐ノv「どこかの入試を受けたかい?」
( ^ω^)「いや、僕はあの事件で……あの事件? 僕はニートで……いや……」
lw´‐ _‐ノv「落ち着いて考えたまえ。君はもう、思い出しているはずだ」
( ^ω^)「僕は……」
lw´‐ _‐ノv「……と、ここで本来なら選ぶべき道が示されるのだが、君の答えはもう出ている」
lw´‐ _‐ノv「自力で思い出したまえ」
- 862 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:46:31 ID:6K5OA5gQ0
-
再び世界が闇に閉ざされる。
世界、それは僕が作った世界。
それが僕の魔王としての力。
僕だけに及ぶ、魔王の力。
( ^ω^)「僕の名は内藤ホライゾン。親しい人はブーンと呼ぶお」
もっとも、僕の事をそう呼ぶ人間は今はもういない。
昔はいたのだが、年を経るに連れ、あだ名で呼ぶ人はいなくなった。
年をとってもあだ名で呼び合う間柄の人達もいるが、僕の場合はそうじゃなかった。
理由は簡単な話だ。
親しい友人がいなかったからだ。
( ^ω^)「僕は一人でいるのが好きだったんだお」
幼い頃、僕は父親を亡くした。
女で一つで育ててくれた母親には感謝している。
母が僕に構う時間がなくなってしまう理由も理解していた。
だから僕は一人でいるのが好きだと言った。
- 863 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 22:53:41 ID:6K5OA5gQ0
- _
( ゚∀゚)「お前も来るか?」
家が近くだったジョルジュは、遊びに行く時僕も誘ってくれた。
本人の性格もあったのだろうが、多分、親から僕の家の事情も聞かされていたのだろう。
どこか哀れみの感じる眼差しだった。
無言で僕は頷き、彼とその友達と一緒に行動した。
でも、一定以上の距離は常に空けていた。
. _
(゚∀゚ ) (^ω^ )
僕は一人でいるのが好きなのだから。
lw´‐ _‐ノv「それは嘘なのだろう?」
( ^ω^)「嘘じゃないお」
彼女は誰だろう。
僕には彼女が誰かわからない。
けれど確かに、僕の思い出の中に彼女はいる。
- 864 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 23:00:15 ID:6K5OA5gQ0
-
lw´‐ _‐ノv「君は一人でいるのが嫌だった」
( ^ω^)「そんな事はないお」
彼女はいた。
嘘ではない。
僕は一人でいるのが好きだった。
嘘ではない。
lw´‐ _‐ノv「いや、嘘だ」
( ^ω^)「嘘じゃないお」
僕は一人で平気だった。
lw´‐ _‐ノv「ならばどうして、ここに一人で来なかった?」
( ^ω^)「それは……」
僕は一人で……
- 865 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 23:14:27 ID:gvWS1V3E0
- どう転がるのかまったく読めねえ
- 866 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 23:19:32 ID:6K5OA5gQ0
-
( ゚∀゚)b「ダチを見捨てて、部屋に閉じ篭って布団被って隠れてるなんて俺には出来ねえよ」
僕は一人で……
(´<_` )「一応な。お前が厄介ごとに巻き込まれてるとか」
一人で……?
lw´‐ _‐ノv「君は一人じゃない。それを望んだ」
( ^ω^)「僕が……望んだ?」
僕は……一人が……
( ^ω^)「僕が望んで……ここに彼らを……」
- 867 :名も無きAAのようです:2011/10/27(木) 23:58:03 ID:91uBAhgEO
- ここまで淡々と進んできたのに
一気に佳境にきた感じ
④
- 868 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 00:35:56 ID:N/MTGfjg0
- 支援
- 869 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 22:28:51 ID:5WtvGzwI0
-
lw´‐ _‐ノv「それが君の答え」
( ^ω^)「それが僕の答え?」
lw´‐ _‐ノv「君が作った世界の答え」
( ^ω^)「僕が作った世界の答え?」
lw´‐ _‐ノv「君は答えを得た」
僕の答え、それは……
( ^ω^)「僕は……友達が……」
言葉の先が続かない。
それが答えだというのに。
lw´‐ _‐ノv「まだ夢を見ていたいか?」
- 870 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 22:41:36 ID:5WtvGzwI0
-
( ^ω^)「夢……」
これは夢。
何度も見た僕の夢。
lw´‐ _‐ノv「何度も繰り返す、君の夢だ」
何度も繰り返す、僕の夢。
何度でも、繰り返す──
( ^ω^)「違うお」
繰り返す──
( ^ω^)「夢はいつかは終わるものなんだお」
繰り返しはいつか終わる。
いつまでも続いて欲しいと思う世界も、いつか終わるものである事を僕は理解していた。
それに気付いた僕は……
- 871 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 22:48:15 ID:5WtvGzwI0
-
lw´‐ _‐ノv「ならばどうする?」
( ^ω^)「答えを出す、そして終らせるお」
僕の言葉に彼女は満足気に頷いた。
僕は一歩前に足を踏み出す。
( ^ω^)「終らせていいんだおね?」
この夢が終れば、世界は元の形に還る。
正しくは、僕が帰るだけなのだから、この世界を構成する人や物が消えても、元の世界は揺らぐ事はない。
揺らぐ事はないが……
lw´‐ _‐ノv「君の世界だ。好きにすると良い」
( ^ω^)「君はどうなるんだお?」
lw´‐ _‐ノv「それを君が知る必要はない」
- 872 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 22:56:03 ID:5WtvGzwI0
-
( ^ω^)「……けど」
lw´‐ _‐ノv「……が、その答えも既に貰っている」
( ^ω^)「貰っている? それは……」
lw´‐ _‐ノv「縁があればまた会えるかもしれんな」
( ^ω^)「そうなのかお?」
lw´‐ _‐ノv「ま、会わぬに越した事はないと思うが……もし万が一、覚えていたら尋ねて来たまえ」
lw´‐ _‐ノv「今度は魔王としてではなく、な」
( ^ω^)「昔の友人として、かお?」
lw´‐ _‐ノv フッ…
僕の言葉に彼女は答える事無く、彼女はゆっくりと消えて逝く。
彼女がわずかに微笑んでいた様に見えたのは、僕の目の錯覚ではないはずだ。
- 873 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 22:59:45 ID:ZEsfj8lQ0
- お、いいね
- 874 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 23:03:10 ID:5WtvGzwI0
-
( ^ω^)「さてと……」
段々と崩れて行く世界。
このまま答えを出せなければ、世界はまた、あの日の姿を作り出すのだろう。
繰り返しの発端、あの日の姿まで。
( ^ω^)「正直な所、よくわかってない部分も多いけど……」
( ^ω^)「僕がどうするべきかはわかってるつもりだお」
正しくは、僕がどうしたいかだ。
ずっと思い続けていながら、心の奥底に沈めていたもの。
夢の中ですら、引っ張り出すのに苦労したこの気持ち。
僕は……
- 875 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 23:10:48 ID:5WtvGzwI0
-
( ^ω^)「一人でいるのが嫌だったお」
だから……
( ^ω^)「僕は友達が欲しかったお」
僕の言葉は、崩れ逝く世界中に響き渡る。
それがこの世界の最後の音となり、僕の意識は光の中に溶け込む様に包まれていった。
───────────
─────
─
最終章 了
そして・・・
- 876 :名も無きAAのようです:2011/10/28(金) 23:35:36 ID:oBrTXKP60
- 支援
- 877 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 00:08:38 ID:1DQwKHKg0
-
( ^ω^)「退屈だお……」
目が覚めた僕が最初に見たものは、見知らぬ白い天井だった。
白い布団、白いベッド、何だかよくわからない機械。
そして混乱と動揺の、わずかに歓喜の入り混じった人々の声。
( ^ω^)「まだ午前中かお」
目覚めてから二週間あまりが経過した。
元々、身体の方は完治していたらしいのだから、もうここに寝ている必要はない気がするのだが、
未だに検査検査と面倒な事である。
( ^ω^)「身体が鈍って仕方ないお」
鈍る鈍らない以前の問題として、長期間眠り続けていた身体はしばらくまともに歩けない状態だった。
リハビリやら食事やらで、ようやく歩けるようになったのがここ数日の事だ。
医者の話では、かなり回復が早い、というか思ったより筋肉が落ちていなかったとの事だ。
元々そんな鍛えてもいなかったが、落ちなかった原因は他にあるのかもしれない。
( ^ω^)「抜け出すかお……」
- 878 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 00:14:20 ID:1DQwKHKg0
-
窓の外を見ると、どこか霞んだ様な青い空が広がっている。
あの日の季節と真反対のこの時期、気候的には似たようなものだが、
向かう先が寒いか暑いかでだいぶ違ってくるのかもしれない。
( ^ω^)「どっちにせよ、絶好の行楽日和だおね」
世間的には今日は土曜日。
そろそろ花見の客で賑わう頃だろうか。
( ^ω^)「よし」
僕は意を決し立ち上がる。
ベッドから抜け出し、服をジャージに着替える。
リハビリ用の服だが、他に服もなく、寝巻きで出るわけにもいかないので仕方がない。
( ^ω^)「しばらく看護士さんは来ないはずだお」
看護士さんが回ってくる時間帯は把握している。
目覚めて以降、比較的優等生な患者を演じていた僕だ。
突発的に見回りが来る事もないだろう。
- 879 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 00:26:59 ID:1DQwKHKg0
-
( ^ω^)「さて、行くかお」
僕はそっと入り口のドアに手をかける。
誰も来ないとは思うが、万が一誰かに見付かるような事態が起こらないとは言えない。
僕はドアノブをゆっくりと回……そうとしたが、それよりも先に鳴らされたノックの音で慌てて手を引っ込めた。
(;^ω^)「ヤバ……」
まさかの事態に僕は急いでベッドに戻ろうとするが、どう考えても間に合わない。
ならばいっそ、ドアが開いたと同時に突破して抜け出すかと逡巡している内に、ドアはゆっくりと開かれた。
_
( ゚∀゚)「失礼しま……す?」
(;^ω^)「あ……ども……」
───────────
─────
─
- 880 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 05:28:18 ID:eHEESQWM0
- いったいどうなってしまうんだ!おかあさんごはんおかわり!
- 881 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 22:32:18 ID:BGquc6rk0
- _
( ゚∀゚)「手……貸そうか?」
( ^ω^)「あ、いや、大丈夫……ですお……」
僕達二人はバスを降り、歩き出す。
ごく最近来た覚えのある場所だが、実際はどのくらいぶりだろうか。
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「……」
僕らは無言で歩く。
今は特に話す事はない。
僕からは。
_
( ゚∀゚)「……その」
でも多分、彼には話したい事があるのはわかっていた。
それが言い辛い物だという事も。
普段の活発な彼からは想像も付かないほどの静かなその姿で。
- 882 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 22:34:25 ID:bPt9G4yw0
- ジョルジュどう出るか
- 883 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 22:39:09 ID:BGquc6rk0
- _
( ゚∀゚)「もう、歩けるようになったんだな」
_
( ゚∀゚)「医者の見立てだと、1ヶ月ぐらいはリハビリが必要だとかいう話だったけど……」
その話を知っているという事は、彼は今日より以前にも病院に来ていたのだろう。
それも僕が目覚めてから今日までの間に。
( ^ω^)「思ったより筋肉が落ちてなかったお陰ですお」
_
( ゚∀゚)「そうか……」
( ^ω^)「……」
僕達は再び無言で歩く。
ぎこちない言葉のやり取りは、夢の中の彼との関係性に浸っていた僕には少し寂しい。
だから無言で歩く。
ただひたすら、目的の場所に向かって。
(;^ω^)「……フゥ」
- 884 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 22:46:39 ID:BGquc6rk0
-
歩けるようになったとはいえ、登り坂はまだ少し堪えるようだ。
その姿に気付いたのか、彼は再び同じ事を尋ねてくる。
_
( ゚∀゚)「手……貸そうか?」
( ^ω^)「大丈夫ですお……もう少しですしね」
登山道を外れ、道というにはいささか頼りない、細いスペースを歩く。
僕が何も言わずともこの道に入った所を見ると、彼もこの場所の事はまだ覚えていたらしい。
_
( ゚∀゚)「……あの」
_
( ゚∀゚)「何で急にこんな場所に行こうと思ったんだ?」
彼は当然といえば当然浮かぶはずの疑問を、ここに来て口にした。
これまで何も聞かずに付き合ってくれたのは、きっと彼は責任を感じているからなのだろう。
彼に責任はないというのに。
( ^ω^)「何となく……じゃ、説得力ありませんおね」
_
( ゚∀゚)" コクッ
- 885 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 22:50:43 ID:bPt9G4yw0
- 結局現実だとどういう関係なんだろ
- 886 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 22:56:41 ID:BGquc6rk0
-
( ^ω^)「話せば長くなりますので……それは追々」
それから程なくして、僕らは目的の場所に辿り着いた。
_
( ゚∀゚)「……変わってないんだな」
夢で見た最後の場所、子供の頃の秘密基地があった場所は、夢と同じく、昔のままの姿を呈していた。
( ^ω^)「本当に、変わってないおね」
昔の記憶、夢で見た記憶、そのどちらとも重なる風景が眼前に広がっていた。
僕はそれを、じっと見続けていた。
_
( ゚∀゚)「あのさ……」
( ^ω^)「お?」
_
( -∀-)「すまねえ」
( ^ω^)「……」
- 887 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 23:00:49 ID:VCIK8OQAO
- 今回で終わりなのかな……
短編だけでも書いてほしいな
支援
- 888 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 23:09:46 ID:bPt9G4yw0
- やっぱり他人行儀だと違和感があるなこの二人は
- 889 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 23:15:45 ID:BGquc6rk0
-
彼は突然僕に向かって頭を下げた。
地面に着かんばかりの勢いで深く。
_
( -∀-)「お前には謝っても謝り切れねえ。俺があんな事を……」
( ^ω^)「夢を見ていたお」
_
( ゚∀゚)「え?」
( ^ω^)「僕はずっと、夢を見ていたんだお」
( ^ω^)「何度も何度も同じ夢を」
_
( ゚∀゚)「同じ……夢?」
( ^ω^)「平和で代わり映えのしない夢」
( ^ω^)「何もない、でも穏やかで生温い、生きるには易い夢を」
_
( ゚∀゚)「それが……」
- 890 :名も無きAAのようです:2011/10/29(土) 23:36:31 ID:BGquc6rk0
-
( ^ω^)「でも、僕は気付いたんだお」
( ^ω^)「これが夢で、偽りの世界だという事に」
( ^ω^)「自分に都合のいい世界に、閉じ篭っているだけだった事に」
_
( ゚∀゚)「それが俺のした事と何の関係がある?」
_
( ゚∀゚)「俺がお前を無理に誘わなければ、お前は……」
( ^ω^)「それは長岡君の所為じゃないお」
_
( ゚∀゚)「いや、俺が同窓会の幹事だったから、人集めなきゃなんねえからって、お前を無理に誘ったからだ」
( ^ω^)「結果的に了承したのは僕の意思だお」
_
( ゚∀゚)「けど、お前、同窓会に出席する途中で……」
( ^ω^)「僕があの交差点で事故にあったのは、たまたま運が悪かっただけだお」
( ^ω^)「僕の不注意と、相手の運転手の不注意だお」
- 891 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 00:05:15 ID:9W4cwzlE0
- _
( ゚∀゚)「だったとしても、お前はそれで長い時間を……」
( ^ω^)「僕が半年間目が覚めなかったのも、たまたま打ち所が悪かったのと」
( ^ω^)「僕が夢に溺れていたからだお」
_
( ゚∀゚)「何だよ、さっきから夢って……俺はそんな事よりお前の将来を滅茶苦茶にした事を……」
( ^ω^)「別に滅茶苦茶にはなってないお?」
( ^ω^)「確かに、事故にあって大学受験は出来なかったけど、受験しても落ちたかもしれないんだお?」
( ^ω^)「そう考えれば大した事ないお」
_
( ゚∀゚)「お前が落ちるわけないだろ?」
_
( ゚∀゚)「お前は昔から、勉強も運動もそつなくこなしてた」
_
( ゚∀゚)「何でも一人で、誰にも頼らずに……」
( ^ω^)「僕は、嫌な奴だったおね」
_
( ゚∀゚)「え?」
- 892 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 00:56:58 ID:2k4mgUpsO
- 今回の分は終わりかな?
支援
- 893 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 06:28:04 ID:uaK9kl620
- 優秀だったのかブーン
- 894 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 22:59:21 ID:znnzjz3A0
-
( ^ω^)「昔から、長岡君が色々と誘って来てくれても、興味ないって仕草で、渋々付き合うような感じで」
_
( ゚∀゚)「それは、俺が無理矢理……俺、ガキ大将みたいな立場だったし、従わない奴がいると気に食わないみたいな……」
( ^ω^)「それだけじゃないおね?」
_
( ゚∀゚)「……」
( ^ω^)「僕の境遇を知ってて、親御さんからも構ってあげろと言われてたんだお?」
_
( ゚∀゚)「……それもあったけど、でも」
_
( ゚∀゚)「お前、迷惑だったんだろ?」
( ^ω^)「そう思ってたお」
_
( ゚∀゚)「なら、やっぱり……」
( ^ω^)「そう思ってた、けど、どうやら違ったみたいだお」
_
( ゚∀゚)「は?」
- 895 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:00:23 ID:2rk/S1W.0
- 支援だ!
- 896 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:07:05 ID:2k4mgUpsO
- キター、待ってた!
支援
- 897 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:09:21 ID:znnzjz3A0
-
( ^ω^)「結論を先に言うと、僕は誘ってもらえて嬉しかったんだお」
_
( ゚∀゚)「え、いや、でも……いつも仏頂面で……」
( ^ω^)「それは多分、どういう顔していいかわからなかっただけだお」
_
( ゚∀゚)「何だそりゃ……」
( ^ω^)「夢で僕はそれがわかったお」
( ^ω^)「そしてそれが、僕の答えだったんだお」
_
( ゚∀゚)「答え?」
( ^ω^)「まあ、そこは気にしないでくれていいお」
( ^ω^)「僕自身の問題だったお」
_
( ゚∀゚)「なあ、夢ってどんな夢だったんだ?」
( ^ω^)「さっきもちょと言ったけど、一言で言うと何でもない夢だお」
- 898 :名も無きAAのようです:2011/10/30(日) 23:36:05 ID:9YZuxYpQO
- もう終わるのか…
ジョルジュが他人なのが寂しいな
仲良しなブーンとジョルジュを見てきたから切ない…
- 899 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 00:54:50 ID:NAI5qgNU0
- _
( ゚∀゚)「で、それを繰り返し見ていた」
_
( ゚∀゚)「それは何の意味が……って、まあ、それをお前に聞いてもわかんないだよな」
_
( ゚∀゚)「夢なんて自分の意思で見るもんじゃねえし」
( ^ω^)「そこなんだけど、どうやらその夢は僕自身が僕に見せてたみたいなんだおね」
_
( ゚∀゚)「どういうことだ?」
_
(;゚∀゚)「つーか、俺頭悪いし、そういうわけわかんねえ話は……」
( ^ω^)「そういうオカルトチックな苦手なんだおね」
_
(;゚∀゚)「ああ、ってか、知ってたっけ、俺がそういうの苦手だって?」
( ^ω^)「それは見てればわかったお」
( ^ω^)「つーか、中学の修学旅行の時とかも、そういう話が始まりそうな雰囲気になるとぶち壊してたお?」
- 900 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 07:15:28 ID:a.zHCQTc0
- クライマックスか
- 901 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 21:42:23 ID:c/Xg2huc0
- _
(;゚∀゚)「うぇ、それ、気付いてたのかよ?」
( ^ω^)「多分、気付いてる人もいたと思うお。結構わかりやすかったし」
_
(;゚∀゚)「マジかよ……カッコわりー」
( ^ω^)「まあ、今はそこはどうでもいい事だお」
_
(;゚∀゚)「俺にとっちゃ、あんまりどうでも良くねえんだが」
( ^ω^)「で、その夢の話だお」
_
(;゚∀゚)「スルーかよ。いいけどさ……」
( ^ω^)「繰り返しの夢、繰り返される平和な話」
( ^ω^)「僕はそれに浸っていたお」
( ^ω^)「居心地のいい場所に、ずっといたかったお」
_
( ゚∀゚)「それは誰もが思う事なんじゃねえか? それを夢見る事は悪い事じゃねえ」
- 902 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 21:57:10 ID:c/Xg2huc0
-
( ^ω^)「夢の中の僕は高校卒業してて、でも受験失敗しててニートで」
_
(;゚∀゚)「それ、若干居心地悪くねえか?」
( ^ω^)「自分の部屋に篭り切りで、毎日テレビ観たりゲームしたりネット見たり」
( ^ω^)「食べて寝て、そんな引き篭もりな毎日だったお」
_
( ゚∀゚)「そりゃ楽そうだ」
( ^ω^)「でも、そんな引き篭もりの僕を訪ねて来る人もいたんだお」
_
( ゚∀゚)「物好きなやつもいたもんだな」
( ^ω^)「それが長岡君、君だお」
_
( ゚∀゚)「俺……?」
( ^ω^)「夢の中で大学生になっていた君は、暇があれば僕の家を訪ねて来てくれてたお」
- 903 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 22:31:49 ID:c/Xg2huc0
-
( ^ω^)「特に理由が無くても、僕の家に来て馬鹿話してテレビ見たりゲームしたりして緩く過ごしてたお」
_
( ゚∀゚)「……夢の中では俺はお前の友達になれてたのか?」
( ^ω^)「僕は親友だと思ってたお」
_
( ゚∀゚)「そっか……」
( ^ω^)「……」
_
( ゚∀゚)「夢とはいえ、何かちょっと嬉しい……かな」
そう言って、少し微笑んでくれたジョルジュに、僕も微笑み返せた。
僕の語る夢の中身は、さして重要じゃない。
僕の夢の中に、彼がいた事がきっと大切なのだ。
だから僕は、あの夢を抜け出せたのだと思う。
偽りの中での友情に溺れなくとも、きっと彼は本当の世界でも応えてくれると信じて。
- 904 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 23:14:25 ID:AET3c5boO
- 支援だ
- 905 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 23:45:58 ID:c/Xg2huc0
-
( ^ω^)「正直な所、色々とわからないことだらけなんだお」
繰り返す夢、それが僕の力だという。
魔王、彼女はそう言った。
_
( ゚∀゚)「彼……女……?」
( ^ω^)「魔王より先にそっちに食いつくんだおね。LOVERではなくてSHEの彼女だお」
_
( ゚∀゚)「それって誰なんだ?」
( ^ω^)「わかんないお」
僕は彼女の事を思い出せなかった。
それが僕の無意識かの選択の結果なのだから、今更どうこう言っても仕方がない。
_
( ゚∀゚)「何だそりゃ」
( ^ω^)「僕がもっと上手く立ち回ってれば、わかったかもしれないって事だお」
それでも、ここに来れば何かわかるかもしれないと思ったのだが、どうやら外してしまったようだ。
- 906 :名も無きAAのようです:2011/10/31(月) 23:54:06 ID:c/Xg2huc0
- _
( ゚∀゚)「なるほど、ここで昔あった女の子がそいつって事か」
( ^ω^)「何か覚えてるかお?」
_
( ゚∀゚)「いや、全く」
( ^ω^)「使えねえーな」
_
(;゚∀゚)「ひでえ」
いつしか僕らはお互い随分と雑な言葉遣いになっていた。
あの夢の中の様に。
( ^ω^)「まあ、それはまた今度調べてみるお」
_
( ゚∀゚)「おう、がんばれよ」
( ^ω^)「いや、手伝えお」
_
(;゚∀゚)「何でだよ。俺がそういう話苦手だって知ってるんだろ?」
- 907 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:02:38 ID:Ufsn/OhY0
- _
( ゚∀゚)「まあ、いいけどさ。……親友の頼みだしな」
( ^ω^)「そりゃ助かるお」
_
(;゚∀゚)「反応薄! 折角、恥ずかしいの我慢して臭い台詞言ってみたのに」
( ^ω^)「照れてるだけだお」
_
(;゚∀゚)「自分で言われるとすげえ嘘っぽく聞こえるんだが」
( ^ω^)「とにかく、頼むお、ジョルジュ」
_
( ゚∀゚)∩「おう、任せろ」
僕は掲げられたジョルジュの手に自分の手を勢い良く重ね合わせる。
パチンという高い音が、花咲く季節に響き渡った。
_
( ゚∀゚)「じゃあ、取り敢えず今日は病院戻るか」
( ^ω^)「そうだおね」
- 908 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:10:13 ID:Ufsn/OhY0
- _
( ゚∀゚)「しかし、黙って抜け出して来たし、帰ったら怒られそうだな」
( ^ω^)「ジョルジュに無理矢理連れ出されたって言うから大丈夫だお」
_
(;゚∀゚)「そういうの、本当っぽく聞こえるから止めろよ……」
( ^ω^)「善処するお」
_
(;゚∀゚)「おい、俺の目を見て言えよ」
僕らは並んで歩き出す。
僕はもう、昔の様にジョルジュの背を追う事はない。
目に映る友達の横顔に、僕は自然と笑みが浮かんでいた。
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです ジョルジュ 夢 ルート END
.
- 909 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:13:55 ID:2K7yAzVc0
- 乙
他のルートも楽しみ
- 910 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:32:10 ID:AjpGb5Z2O
- 毎夜に更新されているこのスレを毎朝見るのが楽しみだったよおつつ!
しかし、シュールート見れなかったのが未練だぜ・・・
- 911 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:36:07 ID:ox8EIC8c0
- 乙!!
これはこれで良さそうだけど、トゥルーエンドじゃないっぽいな
- 912 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:44:10 ID:Ufsn/OhY0
-
Ending
(^ω^)
V∞ノ>
││
┛┗
取り敢えずこれで、( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです はおしまいです。
不明な点が多々あり、投げっぱなしたような印象を受けるかもしれませんが、全ては選択の結果という事で。
設定考えてなかったから投げたわけじゃないよ。
ないよ!
まあ、質問とかあれば、このスレらしく安価次第で受け付けようかと。
1 質問がある
2 質問なんかないから終っていいよ、お疲れさん
安価
>>913
- 913 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:44:50 ID:Ufsn/OhY0
- 2で!
- 914 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:46:33 ID:Ufsn/OhY0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
(^ω^)
<( />
/ │
┛ ┗
※ここから、先ほどまでの話とは全く関係ないお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 915 :(怒`ω´)ブーンが自演作者を滅多斬るようです:2011/11/01(火) 00:47:17 ID:Ufsn/OhY0
-
(#`ω´)「自分で自分の作品に乙なんて書いて恥ずかしくないのかお!」
(#`ω´)「PCと携帯使い分ければバレないと思ってやりたい放題かお!」
(#`ω´)「面白いもの書いたんなら、そんな事せずに胸を張れお!」
(#`ω´)「自演で安価取ったりなんて言語道断だお!」
(#`ω´)「自演する作者は許せないお!」
(#`ω´)つ┫ニニニフ「この自演作者だけ斬れる刀で僕が滅多斬ってやるお!!!」
(怒`ω´)ブーンが自演作者を滅多斬るようです
ピコーン!
┳
(#`ω´)「む! 早速僕の自演作者センサーに反応があったお!」
(#`ω´)つ┫ニニニフ「そこだお!!!」
- 916 :(怒`ω´)ブーンが自演作者を滅多斬るようです:2011/11/01(火) 00:48:16 ID:Ufsn/OhY0
-
ギャァァァ!!!
( ヽ ( ^ω^) ノ )
\ \ _/ /_ ___//
\  ̄\ \>>913 / / /
 ̄ ̄| \ \ / / | ̄ ̄
| \ \/ / |
|____\ /____|
___ _ スパーン!
| / /\\|
| / / \____
( / / ____ )
/ / / /
/ / __//
// ( /
// )/
__// し′
( /
) /
し′
(^ω^)ブーンが自演作者を滅多斬るようです おしまい
- 917 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 00:48:58 ID:Ufsn/OhY0
-
お題
自演
あとがき 様式美
ネタですからね?
最初、1000近くまで自演乙で埋めてやろうかと思ったけど、めんどくさいので短縮。
最初の方に言いましたが、このスレは練習と実験的な意味合いを含んでいましたが、
一応、このスレでやりたかった事は、やれた気がするので満足です。
安価続き物はシリアス風にやると色々めんどくさい事もわかりました。
全体的な反応を見る限り、長編より短編の方が自分には向いてるのかなという事も。
目標の一つであった、毎日ちょっとずつ投下はリア事情で途切れることもあって断念しましたが。
取り敢えず今後は1000行くまでに残りの短編お題を消化するつもりです。
1000までにし切れなかったら多分、総合にお題短編として投下しようかと。
今後は毎日投下はないと思いますが、出来次第という事で。
お付き合い下さった方々に感謝です。乙。
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 918 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 01:09:56 ID:2K7yAzVc0
- 乙
面白かったよ。
次も楽しみにしてます
- 919 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 01:34:12 ID:aXu6K.0kO
- 時々しか支援はしなかったけど
最初から最後までと短編も面白かったよ
安価だして翌日というのもありかと思った
ただVIPではできないとは思うけど
ちなみに安価最後のやつ以外は全部とれたんだけど
最初のやつだけとらしてもらいました
ところでフラグのアルファベットの意味はなんだったの?
- 920 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 01:46:03 ID:hX2IdZpkO
- 乙乙!
投下ペースもクオリティも凄かった
- 921 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 01:54:09 ID:1js/xBwg0
- 乙
- 922 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 07:20:05 ID:yvqG56hM0
- 乙
いやあ安価は強敵でしたね
- 923 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 13:19:50 ID:dovV6Z6MO
- 乙
自演で余韻ぶち壊すなwww
- 924 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 20:42:21 ID:ioHfEjx2C
- 遅ればせながら乙!
魔王も短編も大好きだ
どうせなら違うルートも読んでみたかったな
やっぱ書く予定はなし?
- 925 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 22:29:19 ID:EPbFBmrI0
- >>919
最終フラグ状況
J + 18 S + 12 G + 12 F + 10 B + 0
J:ジョルジュ S:シュール G:ギャグ F:不思議 B:バッド
ルートは
シュール・現実
シュール・夢
ジョルジュ・現実
ジョルジュ・夢
ギャグ
バッドエンド
こんな感じの予定でした。
選択肢的にシュールフラグが一番立つ量が多い(はずだった)ので、JとSは多いフラグの方に行くのではなく
Jのフラグが一定量越えたらそのルートに行く感じで考えてました。
最終的にJが極端に高くなったのはジョルジュルートに入った影響が大きいです。
Fの量が現実と夢の境目。
Gが極端に増えるとギャグに行く予定で、ある一定量越えると文中のギャグ的なノリやメタを出すつもりでした。
一応意識して書いてたつもりですが、若干分岐判断が曖昧になったかなと思います。
>>924
今のところ書く予定はないです、すみません。
書くにしても序盤どうするか(同じ展開、話をやるのか)とか色々問題がありますので、考えないと駄目そうです。
- 926 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 22:54:14 ID:EPbFBmrI0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
ノ
( ^ω^)
( (7
< \
┛ ┓
※例によって例の如くでお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 927 :( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです:2011/11/01(火) 22:55:29 ID:EPbFBmrI0
-
('A`)「あー寒い……」
('A`)「まだ秋だってのに、すっかり冬の寒さだな」
('A`)「学校行くのだりいな……」
< オーイ ドクオー
('A`)「ん? あの声はブーンか。寒いのに元気な事だな……」
( ^A^)「おはようだお! ドクオ!」
(゚A゚)「って、誰だぁぁぁぁぁッ!?」
( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです
- 928 :( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです:2011/11/01(火) 22:56:48 ID:EPbFBmrI0
-
( ^A^)「誰って、ドクオ何言ってんだお? 僕だお、ブーンだお」
(;'A`)「いやいやいや、ブーンってお前、その顔は何だ?」
( ^A^)「顔の話はドクオにだけは言われたくないお。毎朝そのひどい顔見せられる僕の身にもなってみろお」
(;'A`)「そういう話じゃねえよ、ってか、お前いつもそんな風に思ってたの? 割とショックなんですけど」
(;'A`)「いや、だからさ、その鼻?口?は何だよ!」
('ω`)「いつものこんな感じのはどうしたんだ?」
( ^A^)「ドクオきめえwww」
(;'A`)「今のお前に言われたくないよ! そうじゃなくて何かいつもと違うだろって話だ」
( ^A^)「ああ、この鼻?口?の事かお?」
(;'A`)「お前もそれが鼻か口か把握してないのかよ……」
( ^A^)「今ちょっと文字化けが流行ってるみたいで、僕もかかっちゃったみたいなんだお」
- 929 :( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです:2011/11/01(火) 22:58:12 ID:EPbFBmrI0
-
(;'A`)「文字化け!? 顔なのに文字って何? てか、流行ってるってなんなの? 病気なの?」
( ^A^)「疑問符多いお。一遍にいっぱい質問すんなお」
< オーイ ドクオー ブーン
('A`)「あの声はショボン! 助かった。博識なあいつならこの文字化けの事を的確に説明してくれるだろ」
(´・A・`)「やあ、おはよう二人とも。相変わらず朝から騒がしいね」
(゚A゚)「ショボォォォォンッ!?」
(´・A・`)「どうしたんだい、ドクオ? 変な顔して」
( ^A^)「変なのは元からだお」
(;'A`)「そういう意味じゃねえだろ!」
(;'A`)「って、ショボン、お前もかよ!」
- 930 :( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです:2011/11/01(火) 22:59:26 ID:EPbFBmrI0
-
(´・A・`)「ああ、これ? 僕も文字化けにかかっちゃってね、参ったよ」
(;'A`)「かかったって、文字化けってやっぱ病気なのか?」
< サンバカガ アサカラサワガシイワネ
< ソウイッテヤルナ ナカガヨイノガ アイツラノイイトコロダ
('A`)「あの声はツンとクー! 何だか嫌な予感しかしないが振り返ってみるぞ」
ξ゚A゚)ξ「おはよう、三人とも。急がないと遅刻するわよ?」
(゚A゚)「やっぱり文字化けしてるぅぅぅぅぅッ!」
A ゚ -゚)「おはよう、皆。何、まだ大丈夫だ、ここからなら走れば余裕で間に合う」
(゚A゚)「こっちもぉぉぉぉって、何か想定外の位置だぁぁぁぁぁッ!」
- 931 :( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです:2011/11/01(火) 23:00:51 ID:EPbFBmrI0
-
ξ゚A゚)ξ「何よドクオ、急に叫びだして」
(´・A・`)「何か今日は朝からずっとこんな調子なんだ」
( ^A^)「変なんだお」
A ゚ -゚)「変ならむしろ普通じゃないか」
ξ゚A゚)ξ「それもそうね」
(´・A・`)「それもそうだね」
( ^A^)「それもそうだお」
(;'A`)「だから変じゃねえよ! 変なのはお前らの方だろうが!」
(;'A`)「何なんだよ、一体!」
(;'A`)「文字化けって一体何なんだよぉぉぉぉぉッ!!!」
- 932 :( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです:2011/11/01(火) 23:02:02 ID:EPbFBmrI0
- ○
o
゚
('A`)「……って夢を見たんだ」
( ^ω^)(´・ω・`)ξ゚⊿゚)ξ川 ゚ -゚)
( ^ω^)「ドクオ……」
('A`)「何だ?」
( ^ω^)「多分ドクオ不細工なのは、“A”だけの所為じゃないと思うお」
('A`)「……うん、知ってる」
( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです おしまい
- 933 :名も無きAAのようです:2011/11/01(火) 23:05:14 ID:EPbFBmrI0
-
お題
文字化け
あとがき ベタかな?
うん、、ベタだね。
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 934 :名も無きAAのようです:2011/11/02(水) 00:42:44 ID:tksuI4goO
- ちょっと詰めれば5レスに投下できたんじゃない
締め切り後に書いた作品かな
今度は100〜200レスぐらいの読み切りの短編書いて欲しい
- 935 :名も無きAAのようです:2011/11/02(水) 00:45:56 ID:jeEY0cI.0
- 乙
- 936 :名も無きAAのようです:2011/11/02(水) 13:19:17 ID:I2T68.5s0
- 完結したのか
乙
まとめ死んでるっぽいのが残念だ
- 937 :名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:42:43 ID:L15Gt5dg0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
( ^ω^)
V ノ>
/ /
┛┗
※例によって例の如くでお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 938 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:44:48 ID:L15Gt5dg0
-
〜強襲揚陸艦クレイドル・ブリッジ〜
(゚、゚;トソン「本艦単艦で任務続行は無謀です!」
ブリッジ内に副艦長であるトソンの驚愕と若干の怒気を含んだ声が響き渡る。
( ゚д゚ )「正しくは、任務変更となるわけだから、続行というよりは新規という扱いになるな」
対する艦長であるミルナの返答は至極落ち着いたものであった。
艦長、副艦長として過ごした期間はまだそう長くはないはずだが、
ミルナはトソンがこの作戦に反対するであろう事は予測出来ていた。
(゚、゚#トソン「そういう話ではありません!」
話の論点をずらしたミルナの言葉に、先ほどよりは怒気を顕にしてトソンは詰め寄る。
. _
【( ゚∀゚)】「そんなに眉間に皺寄せてると小皺が増えるぜ、中尉殿」
(゚д゚#トソン「うるさいですよ、ジョルジュ少尉。その眉毛毟りますよ?」
- 939 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:45:48 ID:L15Gt5dg0
-
二人の話に割って入るように、ジョルジュと呼ばれた男の顔がブリッジのモニターに映し出された。
. _
【( ゚∀゚)】「おー怖」
(゚、゚#トソン「何の用ですか? 現在ブリーフィング中なので後にしてもらえると助かるのですが?」
. _
【( ゚∀゚)】「なーに、そのブリーフィングについての話さ」
(゚、゚トソン「……どういう事です?」
ジョルジュの言葉にトソンはジョルジュではなくミルナの方を向く。
ブリーフィングとは言ったが、まだ自分とミルナとの間での話でしかなかったことだ。
何故戦闘機のパイロットであるジョルジュがその話を知っているのか問い質す目でミルナを見る。
【(,,゚Д゚)】「ジョルジュ、余計な茶々を入れるな。話が進まん」
(゚、゚トソン「ギコ大尉、あなたはこれから艦長が行おうとされている作戦の事を……」
ジョルジュを押しのけるように、この艦の戦闘機隊の隊長であるギコの顔がモニターに映し出された。
どこかへらへらした印象のあったジョルジュとは対照的に、精悍で強面な印象を受ける。
- 940 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:46:35 ID:L15Gt5dg0
-
【(,,゚Д゚)】「ああ、知っている。というより、こちらから提案したものだからな」
(゚、゚;トソン「なっ……無謀すぎます!」
【(,,゚Д゚)】「状況をよく見てみろ、トソン中尉」
【(,,゚Д゚)】「今回の作戦はこのクレイドルを始め数艦が囮となり、その隙に帝国の移動要塞に奇襲をかけるというものだった」
【(,,゚Д゚)】「しかし作戦は看破され、奇襲部隊は壊滅。現在、本隊が帝国の攻撃を受けている」
(゚、゚トソン「はい、ですから我々は一刻も早く本隊の救援に向かうべき……」
【( ^Д^)】「それじゃあ勝てねえでしょうが」
(゚、゚トソン「既にこの戦いは我々の負けですよ、プギャー少尉。後は被害を如何に最小に止めるかです」
【(´・ω・`)】「正論ですが、僕達はまだ負けたとは思ってないんですよね」
(゚、゚トソン「常に冷静沈着な貴方の言葉とは思えませんよ、ショボン曹長。ここからどうやって巻き返すつもりです?」
【( ^ω^)】「それがクレイドル単艦による、移動要塞デススター強襲作戦ですお」
- 941 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:47:47 ID:L15Gt5dg0
-
(-、-トソン「ブーン伍長……貴方まで……」
次々とモニターに映し出される戦闘機パイロットの面々に、トソンは頭を抱える。
既に彼らはこの無謀な作戦をやる気なのだと。
. _
【( ゚∀゚)】「やる気も何も、もともとこっちから提案したもんだしな」
【( ^Д^)】「後は許可を貰うだけっスよ」
【(´・ω・`)】「まあ、許可が出なくても我々だけで実行するつもりですが」
(-、-;トソン「何故その様な無茶を……」
【( ^ω^)】「無茶でもやるしかないんですお!」
(゚、゚トソン「ブーン伍長」
【( ^ω^)】「ここであの移動要塞を叩かなければ、地球は危機に陥ってしまいますお」
【( ^ω^)】「そうしたら僕の大切な人達が戦火に晒されるんですお」
【( ^ω^)】「それだけは断固として阻止しなければならないんですお!」
- 942 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:49:11 ID:L15Gt5dg0
-
(゚、゚トソン「それは……」
それは確かに正論で、これ以上の侵攻を許すと、戦火は地球へ広がるだろう。
ブーンに限らず、自分やその他の乗員達にも地球には守りたい人達がいるのだ。
ここで止めたいと思うのは、皆の共通の思いだ。
(-、-トソン「守りたい人ですか……それは地球に思い人がいるという事ですね」
【(;^ω^)】「え、あ、その……それはその……家族とか……」
(-、-トソン「とか?」
【(;^ω^)】「えっと……その……彼女とか……」
【(#^Д^)】「お前彼女いたのかよ! 初耳だぞ?」
_
【(#゚∀゚)】「新人の癖に生意気だぞ! 氏ねよ!」
【(;^ω^)】「え、いや、その……」
- 943 :名も無きAAのようです:2011/11/04(金) 23:49:11 ID:QO3VGFsoO
- しえん
- 944 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:49:56 ID:L15Gt5dg0
-
【(#^Д^)】「ふざけんな! もげろ!」
_
【(#゚∀゚)】「ガキが色気づきやがって! 爆発しろ!」
【(´・ω・`)】「やれやれ、もてない男のひがみは見るに耐えないね」
【(#^Д^)】「うるせえ、ホモ野郎!」
【(´・ω・`)】「なんだとコラ? ……掘るぞてめえ」
【(;^Д^)】「すいませんしたッ!」
【(;^ω^)】「アウアウ……」
(゚ー゚トソン「フフ……」
【(,,゚Д゚)】「そのくらいにしておけ……で、作戦だが……」
ギコは淡々と作戦の説明を始める。
- 945 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:52:45 ID:L15Gt5dg0
-
現在、クレイドルを始め数艦は本隊とは別の宙域にあり、本隊とは分断された形だ。
敵戦力はほぼ全て本隊の方に向かっており、こちらが向かってこない限り、
こちらは無視を決め込んでいる様だ。
本隊を壊滅させれば、こちらは後でどうとでもなると判断したのだろう。
【(,,゚Д゚)】「普通に考えれば、その判断は正しい」
. _
【( ゚∀゚)】「けど、俺達は普通じゃねえ」
【( ^Д^)】「戦闘機の操縦の腕は天下一品、泣く子も黙るVIP小隊たあ俺達の事だ」
【(´・ω・`)】「まあ、その素行の悪さから本隊からは遠ざけられてるんだけどね」
. _
【( ゚∀゚)】「うるせえよ!」
【( ^Д^)】「余計な事言うんじゃねえよ!」
【(,,゚Д゚)】「お前ら俺の話の邪魔ばかりすんじゃねえよ。へし折るぞ?」
. _
【( ゚∀゚)ゝ】【( ^Д^)ゝ】【(´・ω・`)ゝ】「ラジャ!」
- 946 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:56:02 ID:L15Gt5dg0
-
【(,,゚Д゚)】「でまあ、作戦だが、作戦というほどのものはない」
【(,,゚Д゚)】「クレイドル単艦で離脱可能ラインまで突貫」
【(,,゚Д゚)】「その後俺たち五機を射出してクレイドルは後退」
【(,,゚Д゚)】「俺達がデススターのコアを一点爆撃で沈めるって寸法だ」
説明を終えたギコは満足げな顔で頷く。
ジョルジュやプギャーも同様の顔で笑顔を見せるが、聞かされたトソンを始め一部の顔は強張っている。
(゚、゚:トソン「何と言いますか……」
【(´・ω・`)】「頭の悪い作戦だな?」
(゚、゚:トソン「はい……あ、いや、その……」
【(,,゚Д゚)】「作戦はシンプルに限る」
【(´・ω・`)】「少々シンプル過ぎますけどね……しかしまあ、今はこれが最上でしょう」
- 947 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:56:50 ID:L15Gt5dg0
-
(゚、゚:トソン「そう……でしょうか?」
確かに、作戦としてはシンプルだが成功の可能性がないわけではないとは思う。
しかしながらかなり過酷な作戦だ。
特に戦闘機のパイロット達は死地に赴くに等しい。
. _
【( ゚∀゚)】「おいおい、中尉殿、あんま難しく考え過ぎだって」
【( ^Д^)】「何の勝算もなしに俺達がこんな作戦立てたりしねえって」
【(´・ω・`)】「立てたのは大尉と僕だけどね。まあ、シンプルだけど成功する作戦にはなってますよ」
【( ^ω^)】「僕達は必ずこの作戦を成功させますお!」
(゚、゚トソン「皆さん……」
パイロット達の顔は皆一様に自信に溢れていた。
そこに悲観の色は全くなく、彼らならばと思わせてくれる。
それはトソンの頭によぎる死の影を払拭するには十分なほどであった。
(゚、゚トソン「……わかりました、艦長」
- 948 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:57:41 ID:L15Gt5dg0
-
それまで全く口を挟まずにやり取りを見守っていたミルナは、力強く頷く。
( ゚д゚ )「ああ、……ただし若干の作戦の変更がある」
【( ^ω^)】「変更ですかお?」
( ゚д゚ )「クレイドル、及び、キャスケット級揚陸艦四艦は大尉達を射出した位置で待機」
【(,,゚Д゚)】「!」
( ゚д゚ )「そこで作戦の成功、及び大尉達の帰還を待つ」
【(,,゚Д゚)】「無謀です、ミルナ艦長」
【(,,゚Д゚)】「現状放置されているとはいえ、デススターに肉薄すれば向こうの迎撃艦隊が出てきます」
【(,,゚Д゚)】「止まるのは遠からず全滅を意味します」
( ゚д゚ )「なに、それまでに大尉達が作戦を成功させて帰還してくれればよい事だ」
【(,,゚Д゚)】「しかし……」
- 949 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/04(金) 23:58:33 ID:L15Gt5dg0
-
( ゚д゚ )「自信がないかね?」
. _
【( ゚∀゚)】「んなわきゃねえでしょうが!」
【( ^Д^)】「そんなの余裕っスよ」
( ゚д゚ )「ならば問題あるまい」
【(,,゚Д゚)】「……フッ。無茶なお人だ」
( ゚д゚ )「なに、君達ほどではないさ」
(゚、゚トソン「と言いますか、いつの間に他の艦に連絡を取ったのですか?」
( ゚д゚ )「向こうから取って来たよ。君達のやり取りを流していたらね」
(゚、゚;トソン「さらっと何してくれてるんですか……」
(゚、゚トソン「まあ、結果オーライでしょうけど」
【(´・ω・`)】「さて、それじゃあ早速準備に取りかかろうか」
- 950 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/05(土) 00:00:07 ID:WZe.lWD20
-
(゚、゚トソン「待ってください、最後に一つだけ……」
【( ^ω^)】「何ですかお?」
(゚、゚トソン「必ず皆で帰ってくる、それまでが作戦ですからね?」
【( ^ω^)ゝ】「了解ですお!」
. _
【( ゚∀゚)】「何か遠足みてえな言い方だな」
【( ^Д^)】「トソン中尉って先生みてえだしな」
【(,,゚Д゚)】「茶化すな馬鹿供」
【(,,゚Д゚)】「いいか、俺からも命令するぞ!」
【(,,゚Д゚)】「必ず作成を成功させる! そして……」
【(,,゚Д゚)】「全員で生きて帰るぞ!」
. _
【( ゚∀゚)ゝ】【( ^Д^)ゝ】【(´・ω・`)ゝ】【( ^ω^)ゝ】「ラジャ!」
- 951 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/05(土) 00:05:08 ID:WZe.lWD20
-
〜強襲揚陸艦クレイドル・戦闘機格納庫〜
_
( ゚∀゚)「うし、じゃあ行きますかね」
(´・ω・`)「機体の点検は済んでるね? 気を引き締めていかないとね」
( ^Д^)「ま、俺がちゃちゃっとあの星落としてやるけどな」
_
( ゚∀゚)「は? ドン亀プギャーちゃんが俺に敵うわけねえだろ? 落とすのは俺だ」
(#^Д^)「んだと、この早漏野郎が! 早いだけで何が出来るよ?」
_
(#゚∀゚)「あ? 何だと、コラもう一編言ってみろや?」
(,,゚Д゚)「そのくらいにしておけ、馬鹿共。殴るぞ」
_
( ゚∀゚(#)「出来れば殴る前に言ってください」
(^Д^(#)「すんませんした」
- 952 :( ^ω^)ブーンは星を撃つようです:2011/11/05(土) 00:05:59 ID:WZe.lWD20
-
(,,゚Д゚)「さて……行けるか?」
( ^ω^)「はいですお」
(,,゚Д゚)「……怖いか?」
( ^ω^)「少し……」
( ^ω^)「でも、僕達ならきっとやれる、そう思いますお」
(,,゚Д゚)「そうか……よし、行くぞお前ら!」
_
( ゚∀゚)ゝ( ^Д^)ゝ(´・ω・`)ゝ( ^ω^)ゝ「ラジャ!」
彼らは戦場の空へ飛び立つ。
数多の生命が散る戦場の空へと。
その胸に、揺るがぬ決意を秘めて。
守る為に、鋼鉄の翼を宇宙へ羽ばたかせる。
( ^ω^)ブーンは星を撃つようです おしまい
- 953 :名も無きAAのようです:2011/11/05(土) 00:10:27 ID:WZe.lWD20
-
お題
スターウォーズ
あとがき 場面切り取り型。
このスレの短編でシリアスっぽい路線は書いてなかったなあと、ふと思う。
お題に関してはまず映画のあれが思い浮かびましたが、1〜3しか観てないし、
1ぐらいしかまともに内容覚えてないので、星間戦争的な意味合いでスターウォーズと
まあ、デススターとかの辺りはまんま1っぽいですが。
独自用語も適当に。
残りお題二つ、今スレ内に終われそうかな。
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 954 :名も無きAAのようです:2011/11/05(土) 00:17:21 ID:227HvrpE0
- 乙
完全シリアスは珍しいな
- 955 :名も無きAAのようです:2011/11/05(土) 00:21:59 ID:CtJLEUCU0
- 乙
最高にシリアスな雰囲気(何故か変換できた)でした
- 956 :名も無きAAのようです:2011/11/05(土) 00:27:24 ID:UGiUTarI0
- 乙
- 957 :名も無きAAのようです:2011/11/06(日) 00:02:37 ID:nGxvUqlI0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
ヽ
(^ω^ )ノ
ヘヽ ノ┏
┛ V
※例によって例の如くでお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 958 :名も無きAAのようです:2011/11/06(日) 00:03:15 ID:JNIeJ6aY0
- 支援どすえ
- 959 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:03:29 ID:nGxvUqlI0
-
( ^ω^)「ついに……ついに完成したお!」
( ^ω^)「天才プログラマー内藤ホライゾン一世一代の最高傑作」
( ^ω^)「悪魔召喚プログラムの完成だお!」
( ^ω^)「これで悪魔を呼び出し、願いを叶えてもらうんだお」
( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです
( ^ω^)「それでは早速……」
/⌒ヽ
∩ ^ω^) カタカタカタ ポチッ!
/_ミつ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
- 960 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:04:45 ID:nGxvUqlI0
-
( ^ω^)「さあ、出て来るお、偉大なる悪魔よ!」
ボンッ!
γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
ゞ (. . ノ. .ノ .ノ
ゝ、、ゝ..... ..., , ノソ
( ^ω^)「成功だお! 流石天才プログラマーの僕だお!」
( ^ω^)「さあ、その姿を現せ、悪魔よ! クックック……」
バーン!
∩∩
o(・(エ)・)o
/ (
し――J
( ^ω^)「クックッ……あっれー?」
∩∩
.(・(エ)・)
- 961 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:05:50 ID:nGxvUqlI0
-
( ^ω^)「あ……クマ……?」
( ^ω^)「いや、僕は悪魔をを呼び出したんであって、クマを呼び出したわけじゃないお」
( ^ω^)「でも、どう見てもクマだおね……」
( ^ω^)「いやいや、この天才プログラマーの僕に間違いはないお。これは多分クマ型の悪魔だお」
∩∩
.(・(エ)・)「余を呼び出したのは汝か……」
( ^ω^)「あ、はい……えーっと、それでその、つかぬ事をお尋ねしたいのですが」
∩∩
.(・(エ)・)「何だ? 申してみよ」
( ^ω^)「貴方は悪魔ですおね?」
∩∩
.(・(エ)・)「然様、余は悪魔なり」
( ^ω^)「ですおね! 良かった、それでお名前は……」
∩∩
.(・(エ)・)「我が名は獣王クマ、今後ともよろしく」
( ^ω^)「やっぱクマじゃん!」
- 962 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:07:26 ID:nGxvUqlI0
- ∩∩
.(・(エ)・)「余は獣王クマ也。決してクマではない」
( ^ω^)「ホントかお? それにしては紛らわしい名前だけど」
( ^ω^)「まあいいお。僕としては願いさえ叶えてくれれば悪魔だろうがクマだろうがどっちでもいいし」
( ^ω^)「で、獣王クマよ。お前に叶えて欲しい願いがあるお」
∩∩
.(・(エ)・)「うむ、皆まで申さずとも汝の願い、わかっておる」
( ^ω^)「おお! 流石悪魔だお。僕の心を読むとかそういうの出来るのかお?」
∩∩
.(・(エ)・)「鮭だな」
( ^ω^)「こいつ、やっぱクマだわ」
∩∩
.(・(エ)・)「む? 鮭ではないと申すか?」
( ^ω^)「当たり前だお」
∩∩
.(・(エ)・)「では鮭十匹か」
( ^ω^)「数の問題じゃねえお」
- 963 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:09:09 ID:nGxvUqlI0
- ∩∩
.(・(エ)・)「人の子め……何と強欲な……」
( ^ω^)「つーか鮭以外の願いは叶えられないのかお?」
∩∩
.(・(エ)・)「そんなわけはなかろう。鱒やトラウトも出せるぞ」
( ^ω^)「鱒もトラウトも同じ意味だお。つーか鮭と変わんねーお」
∩∩
.(・(エ)・)「しかし、人の子よ。願いを叶えたくばそれ相応の対価が必要となるぞ?」
( ^ω^)「正直、お前に叶えてもらう願いはないけど、悪魔との契約となると確かにそうなるんだおね」
( ^ω^)「お前に願いを叶えてもらう場合、何が必要なんだお?」
∩∩
.(・(エ)・)「そんなものは決まっておろう」
∩∩
.(・(エ)・)「輝ける生命の奔流、生きとし生ける者の全ての力の源」
(;^ω^) ゴクリ…
- 964 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:09:55 ID:nGxvUqlI0
- ∩∩
.(・(エ)・)「黄金色に輝く甘い蜜だ」
( ^ω^)「ハチミツじゃねえか」
( ^ω^)「つーかお前、完璧にクマだろ」
∩∩
.(・(エ)・)「我が名は獣王クマ、今後ともよろしく」
( ^ω^)「よろしくしたくねえお。これっきりにしたいお」
∩∩
.(・(エ)・)「クッ……余の中の野生の本能が目覚める」
(;^ω^)「な、何だお、急に」
∩∩
.(・(エ)・)「この押さえ切れぬ衝動……」
∩∩
.(・(エ)・)「余の中に極寒の大地の子守唄が響き渡る」
( ^ω^)「冬眠だろ、それ」
- 965 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:11:19 ID:nGxvUqlI0
- ∩∩
.(・(エ)・) zzz
( ^ω^)「寝やがった」
∩∩
.(・(エ)・) zzz
( ^ω^)「……送り返すか」
/⌒ヽ
∩ ^ω^) カタカタカタ ポチッ!
/_ミつ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
( ^ω^)「やれやれ……」
( ^ω^)「……プログラム直すか」
- 966 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:12:10 ID:nGxvUqlI0
-
〜数日後〜
( ^ω^)「ついに……ついに完成したお!」
( ^ω^)「天才プログラマー内藤ホライゾン一世一代の最高傑作」
( ^ω^)「悪魔召喚プログラム2の完成だお!」
( ^ω^)「これで悪魔を呼び出し、今度こそ願いを叶えてもらうんだお」
( ^ω^)「それでは早速……」
/⌒ヽ
∩ ^ω^) カタカタカタ ポチッ!
/_ミつ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
- 967 :( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです:2011/11/06(日) 00:13:00 ID:nGxvUqlI0
-
ボンッ!
γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ
/ ( ⌒ ヽ )ヽ
( 、 , ヾ )
ゞ (. . ノ. .ノ .ノ
ゝ、、ゝ..... ..., , ノソ
( ^ω^)「さあ、その姿を現せ、悪魔よ!」
バーン!
∩∩
o(・(エ)・)o
/ 白. (
し――J
∩∩
.(・(エ)・)「我が名は白獣王シロクマ、今後ともよろしく」
( ^ω^)「あっれー?」
( ^ω^)があ、クマ?召喚プログラムを作ったようです おしまい
- 968 :名も無きAAのようです:2011/11/06(日) 00:15:06 ID:nGxvUqlI0
-
お題
悪魔召喚プログラム
あとがき ベッタベタ。
好きだけどね、ベタなのは。
てか、ベタと言うより親父ギャグの部類かもしれん。
これで残りお題一つ。
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
- 969 :名も無きAAのようです:2011/11/06(日) 00:43:20 ID:lqLEXwNI0
- 乙
- 970 :名も無きAAのようです:2011/11/06(日) 00:58:19 ID:rwBvPMgY0
- 乙
コッテコテの親父ギャグだな
- 971 :名も無きAAのようです:2011/11/06(日) 09:50:38 ID:545X2DeM0
- 自スレ立ててお題短編続けていこうぜ!
- 972 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 01:26:35 ID:ZLaKpstg0
-
−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−※−
Caution!
( ^ω^)
V ノ>
│\
┛ ┗
※例によって例の如くでお題短編です。
登場するAAに一切の関連性はございません。
独立した一個の短編だと思ってください。
- 973 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:27:37 ID:ZLaKpstg0
-
( ^ω^)「ふぅ……」
作業の手を止め、大きく息を吐く。
ふと時計に目をやると、時刻は二時を指している。
午後ではなく午前だ。
一般的な生活リズムの範囲で考えれば、だいぶ夜更かしの部類に入るだろう。
( ^ω^)「まあでも、その夜更かしの甲斐もあったおね」
昼食をとって以降、ずっと通しで作業をし続けた結果、もうすぐこの作業も終わりを迎えられそうだ。
今日はこれほど長く作業をするつもりもなかったのだが、没頭している内に時間はだいぶ経っていた。
( ^ω^)「しかし、改めてみると結構な数を書いたんだおね……」
僕は何とはなく、これまで編集し、図鑑に収めてきたそれを眺める。
- 974 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:29:25 ID:ZLaKpstg0
-
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃( ^ω^)「……弁当だけに、パクり?」 ┃
┃ ┃
┃ξ゚−゚)ξ「……」 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃( ^ω^)「落ち着いたケーキ」 ┃
┃ ┃
┃lw´‐ _‐ノv「おい、語尾がケーキになっとるぞ?」. ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃( ・∀・)「三十五は世間的にはナウくもヤングでもねえよ。ただのオッサンだ」. ┃
┃ ┃
┃(;ФωФ)「お、オッサンじゃないもん! まだ若いもん!」 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
( ^ω^)「懐かしいおね……」
- 975 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:31:51 ID:ZLaKpstg0
-
そこには絵と文章が羅列され、それぞれが独自の物語を形成していた。
それら全て、ここ数ヶ月僕が書き綴ったものだ。
( ^ω^)「それほどの量は書いたつもりはなかったんだけど……」
こうしてまとめてみると、それなりの量ではある。
元にしたテキストファイルも、資料用のAAや区分線を合わせて現段階で512KBの容量がある。
( ^ω^)「何とも切りのいい量だおね」
そう思ってしまうのはある種の職業病なのだが、今はその事は置いておこう。
( ^ω^)「こうして見返してみると、色々な事があったお」
色々な事、話の内容を考えている最中の事だけでなく、その時に起こった話に関係のない様々の事も、
僕の中では一まとめにして記憶されている。
ただ書き散らしただけではなく、それが生活の一部に繋がっていた事を実感させてくれる。
- 976 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:33:01 ID:ZLaKpstg0
-
┏━━━━━━━┓
┃ ミ ──彡 ┃
┃ W |::━◎┥W ┃
┃ V|,,,,,,,,,,,,,,,|V ┃
┃ |:日 日:| ┃
┃ 彡┬┬ミ. ┃
┃ .>亠亠< ┃
┗━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━┓
┃ξ#゚⊿゚)ξ「全く……」 ┃
┃つ∪TωT) キューンオ ┃
┗━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃ ┃
┃ ┃ /⌒ヽ ┃
┃ (;'A`)ノ ╋(^ω^ ) ┃
┃ ( ) ⊂( ⊂ i ┃
┃ | | し−J ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛
( ^ω^)「そうそう、こんなことも書いたおね……」
- 977 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:33:47 ID:ZLaKpstg0
-
僕はしばし、まとめたそれを読み耽る。
そう遠い昔の事ではないのだが、読めば蘇る記憶の奔流に、僕はただ身を預けた。
( ^ω^)「人は忘れて行く生き物なんだおね……」
思い起こされる記憶に、ふと僕はそんな事を思う。
それは至極当たり前の事で、人として時に必要な事。
けれどそれを、物寂しく思うのもまた当たり前の事なのだろう。
( ^ω^)「だからこそ、こうやって記録して残していくんだけどね」
誰しも、自分が行っている事に理由は欲するものだと思う。
それが世間一般的には何の価値を産まなくとも、自分自身の中でくらいは、意義を持ちたいと。
( ^ω^)「大袈裟だけど、少なくとも僕が生きた証の一部ではあるんだお」
僕は再びページを捲る。
自分の足跡を辿るために。
- 978 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:35:23 ID:ZLaKpstg0
-
┏━━━━━━━━━┓
┃┌───────┐┃
┃│ ○. │┃
┃├───────┤┃
┃│ ○. │┃
┃├───────┤┃
┃│ ○. │┃
┃├───────┤┃
┃│ ○. │┃
┃├───────┤┃
┃│ ○. │┃
┃└───────┘┃
┗━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━┓
┃ ギャーッ!! ┃
┃ ( ^ω^) スパーン! ┃
┃ / / /ヽ ┃
┃ | | / /| | ┃
┃ | | / / | | ┃
┃ ∪ ./ ,イ ∪. ┃
┃ | / /|| |. ┃
┃ |/ / || | ┃
┃ | || | ┃
┃ (_)_). ┃
┗━━━━━━━━━━┛
(;^ω^)「まあ、たまにこれ、ホントに意味あんのかってのも紛れてるけども」
- 979 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:36:13 ID:ZLaKpstg0
-
だったとしても、それが僕の残した足跡で、結果なのだ。
何一つ悔いはない。
( ^ω^)「それが今の僕に出来る精一杯の事だったんだお」
それが僕の結果。
それが僕自身。
そういう事なのだ。
( ^ω^)「これが僕自身の書いた話、僕のためのあるお話だお」
僕は僕の自身のためにこれを書き記した。
僕は僕の足跡を、自分自身に刻んだだけなのだ。
誰かのためではない。
これは僕のためのお話。
- 980 :( ^ω^)が図鑑を編纂するようです:2011/11/08(火) 01:38:31 ID:ZLaKpstg0
-
( ^ω^)「おっと、いつまでも読んでると寝る時間なくなっちゃうおね」
僕は図鑑を閉じ、机の隅に寄せ、思い出の旅から現実へと回帰する。
またいつかこれを開く時は来るだろう。
記録に止めたそれは、いつでも自由に開くことが出来る。
けれどそれは、既に開かずとも僕の中にあるのも確かだ。
僕の歩いた道は、僕自身が知っているのだから。
( ^ω^)「そろそろ休まないと明日に響くお」
おやすみ、またいつか。
僕はゆっくりと目を閉じ、また明日へと旅立って行く。
( ^ω^)が図鑑を編纂するようです おしまい
&
( ^ω^)ブーンは誰か(僕)のためのある話をするようです おしまい
- 981 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 01:41:30 ID:ZLaKpstg0
-
お題
図鑑
あとがき 図……鑑……?
何か図鑑というよりは製本とかそんな感じですが、AAが絵という事で図鑑と納得して欲しいかなと。
若干メタ的な総括なお話です。
一応、スレタイの意味はそういう裏の意味もありました。
能動的に書くネタが浮かばないというか、何か書きたいなーという意欲はあっても気力がなく、
若干飽きかけてもいたので、お題や安価で道を示唆してくれれば書けるかなと。
軽い気分転換のつもりでやるつもりでしたが、1000レスはなかなかしんどかったねと今更思う。
取り敢えずこれでこのスレでやる事はおしまい。
残りは最終段階の目次貼って、適当に埋まるでしょう。
その後しばらくして、過去ログ送りを依頼すると思います。
- 982 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 01:44:19 ID:ZLaKpstg0
-
◆目次的な◆
●連載
( ^ω^)ブーンは魔王を倒すつもりはなかったようです
第一章
>>16-32 >>48-83
第二章
>>111-118 >>140-183
第三章
>>189-222
第四章
>>266-285 >>304-329
第五章
>>347-369
第六章
>>411-460 >>493-521
第七章
>>573-592 >>602-632 >>663-686 >>708-725
第八章
>>750-764 >>784-840
最終章
>>843-908
- 983 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 01:44:59 ID:ZLaKpstg0
-
●短編
( ^ω^)ブーンはお弁当屋の店長のようです
>>34-46
lw´‐ _‐ノv HAIL or HELL 2Uのようです
>>87-104
( ^ω^)は友の生きた証を知るようです
>>121-134
( ^ω^)ブーンと変わった友人達のようです
>>227-245
ナンパ戦士杉浦の葛藤のようです
>>250-262
( ^ω^)ブーンはたんすの角に脚の小指をぶつけるのを何とか回避するようです
>>289-302
|::━◎┥AA生物化計画のようです
>>332-343
(∪^ω^)は台風に立ち向かうようです
>>376-392
( ^ω^)ブーンはエキセントリックなお兄さんのようです
>>398-408
(゚、゚トソンかせいふはみたようです
>>464-488
( ^ω^)キンタマ刑事のようです
>>524-544
( ^ω^)ブーンは伝説の剣を拾ったようです
>>551-567
- 984 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 01:45:44 ID:ZLaKpstg0
-
●短編
(#`ω´)ブーンが逃亡作者を斬るようです
>>594-595
( ^ω^)なんでやねん劇場のようです
>>634-657
( ^ω^)ブーンは無鉄砲に生きるようです
>>688-703
( ^ω^)ある公園での出来事のようです
>>731-742
( ФωФ)それは、衣装の角度に脚の小指をなんとかして投げつけないようにします(邦題)ようです
>>766-776
(怒`ω´)ブーンが自演作者を滅多斬るようです
>>915-916
( ^ω^)ブーンが文字化けしたようです
>>927-932
( ^ω^)ブーンは星を撃つようです
>>938-952
( ^ω^)が悪魔召喚プログラムを作ったようです
>>959-967
( ^ω^)が図鑑を編纂するようです
>>973-980
- 985 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 01:47:04 ID:ZLaKpstg0
-
まあ、そんな所で、お付き合い下さった方々に感謝、そして
乙
"/ ヽ"
┌-(^ω^) (^ω^)-┐
ヽ ノ-┛┗-ヽ ノ
└┓ ┏┘
┌-(^ω^)彡ミ(^ω^)-┐
ヽ ノ-┛┗-ヽ ノ
└┓ ┏┘
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 ̄>/
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- 986 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 01:52:33 ID:ok528TMg0
- 乙
また書いてください
- 987 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 02:09:42 ID:p0loEVcEO
- 短編も長編も書き慣れてる印象を受けたけど、最後も綺麗にまとめたな。
乙。
いいスレだったよ、終わってしまうのが残念なくらいに。
- 988 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 02:13:01 ID:eaQ6J8cEO
- 余韻を残し、センスのある
短編と最後の一言
乙でした
- 989 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 03:11:03 ID:UjDzZx9MO
- 乙
最後まで良かったよ
- 990 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 07:25:15 ID:QlPM4Oq20
- 乙
いい話だった
- 991 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 07:36:47 ID:dYyh.yvwO
- 乙乙
改めて見ると、すごい数だ
長編も短編も面白かった
- 992 :名も無きAAのようです:2011/11/08(火) 08:52:08 ID:iwXyHcMQ0
- 最高に乙!
不覚にも感動しちまったぜ
- 993 :名も無きAAのようです:2011/11/09(水) 13:23:54 ID:l.2fzEcU0
- 乙かれ
良かったよ
- 994 :名も無きAAのようです:2011/11/10(木) 03:29:42 ID:2ebktxbwO
- 29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/09(水) 22:39:32.57 ID:
結構この秋で完結した作品もあるな
ほとんど創作板だけど
あらチー、あな本、誰かのための話、思い出屋、塔
塔は短期集中って感じだった
誰かのための話は短編だけでも続けて欲しいな
可ってに天災です
総合案内所より
- 995 :名も無きAAのようです:2011/11/10(木) 22:06:08 ID:wfD4xrho0
-
( ^ω^)「スレの反応見ると、どうやら短編はまだ書いて欲しいみたいだお!」
( ^ω^)「これは是非、書くしかないお」
( ^ω^)「よし、気合入れて書くおー!」
・
・
・
アチャー
( ^ω^)ヾ「いっけね! 短編を書くつもりが間違ってタウンページを書いちゃったお!」
( ^ω^)短編物語のようです
- 996 :名も無きAAのようです:2011/11/10(木) 22:06:49 ID:wfD4xrho0
-
( ^ω^)「仕方ない、これで手当たり次第いたずら電話でもするお」
・
・
・
/⌒ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∩^ω^)< 死んでよしお!
□………(つ | \___________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
. いのちの電話 |
|
アチャー
( ^ω^)ヾ「いっけね! いたずら電話するつもりが間違っていのちの電話しちゃったお!」
- 997 :名も無きAAのようです:2011/11/10(木) 22:07:42 ID:wfD4xrho0
-
( ^ω^)「仕方ない、このままいのちの電話の相談員になって勤めを果たすお」
. .:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.:;:..;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;..:;:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;:. .
,:;:;:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. .:. ..:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;:.
.:;:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:... .. .. . . . . . . .. .. .. .. .. ...:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:;:.
.:;:;:;:;:;:.:.:.:.:.:.:... .. .. ...:.:.:.:.:.:.:;:;:;:;:;:.
.:;:;:;:;:;:.:.:.:.. .. .. ..:.:.:.:;:;:;:;:;.
.:;:;:;:;:.:.:.:... . . . ..:.:.:.:;:;:;:;:.
.:;:;:;:;.:.:.:.. . . . ..:.:.:;:;:.
:゜
.:;:;:;:;.:.:.:.. . ゚: . ..:.:.:;:;:.
.*:゜
゚・:。
.:;:;:.:.:.. . ..。:*゚ . .:.:;:.
゚・*:。..
: ゚:*.
.。 .:. .:。:・
. .. ... . .. ..... .. . . .:*. .:.:::.:..:.... . . . .. ..... .. . ... .. .
アチャー
( ^ω^)ヾ「いっけね! 相談員になるつもりが間違ってオーラロードが開かれてダンバインに乗っちゃったお!」
- 998 :名も無きAAのようです:2011/11/10(木) 22:08:28 ID:wfD4xrho0
-
( ^ω^)「仕方ない、このままバイストンウェルの平和を目指すお」
・
・
・
(#゚ω゚)「イトーイ! 貴様はその顔面で何を手に入れた!」
ィ'ト―-イ、
以#`゚益゚以「出番と、笑いだ!」
(#゚ω゚)「うぉぉぉぉ! ぐっ……シィラ・ラパーナ……浄化を!」
アチャー
(*゚一゚)ヾ「いっけない! 浄化するつもりが間違って点火しちゃった!」
- 999 :名も無きAAのようです:2011/11/10(木) 22:09:10 ID:wfD4xrho0
-
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ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
お し ま い
- 1000 :名も無きAAのようです:2011/11/10(木) 22:09:53 ID:wfD4xrho0
-
1 0 0 0 g e t
ヽ
(^ω^)-┐
┗-ヽ ノ
┏┘
反省はしていない
しかし謝罪はしないでもない
元ネタはわかる人だけわかればいい
そんなわけで今度こそ本当におしまい
色々と乙&THX
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