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小説- 1 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 11:28:23
- いいのが思いついたんで書きたいんだけど誰か読んでくれる人はいるかい?
つまんないかもしれないけど、頑張るんで
- 2 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 11:28:53
- よむよ
- 3 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 11:29:45
- 面白ければ読む
面白くなければ読まない
- 4 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 11:32:46
- じゃあとりあえず人物紹介
新しい人でてきたときにはそのたび人物紹介します
ああ、あとGGあんま関係ないです
とはいってもでてきますが、主役はGGに関係ないです。
- 5 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 11:32:47
- 面白いかどうかなんて読まないと分かんないよ
- 6 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 11:34:02
- ごめん都合上GGキャラは出しません
- 7 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 11:36:38
- 人物紹介
・梅宮 (主人公。中3の14歳。ギルティ好きでゲーセンにはちょくちょく行ってます。
話には全く関係ありませんが。今夏休み)
・父 (桑原の親)
・母 (上に同じ)
- 8 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 11:39:25
- 桑原の親?誰だよw
- 9 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 11:39:46
- 正直スマンカッタ
- 10 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 11:40:48
- ・山田君(主人公の親友)
- 11 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 11:45:52
- 続きはどうした
- 12 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 11:49:14
- 第一話
日常というのは突然壊れるものなのかもしれない
家のインターホンが鳴る。でてみると、山田君らしい
ガチャッ
梅宮「山田君?どうしたの?」
山田(次から山)「梅宮、死んでくれ・・・」
日本刀のようなものを振り回す山田。というか斬りつけてくる。
梅宮(次から梅)「や、山田君?」
山「・・・」
構わず斬りつけてくる山田。
梅「(急にどうしたんだ?とりあえず・・・)」
ガスッ
梅宮は少林寺拳法を4歳から習い続けていて、護身術に長けていた
気絶する山田。
梅「・・・山田君の家の前まで運んでいくか。」
- 13 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 11:50:21
- >>11今書いてます(´・ω・)
あと出かけたりするんで今日一日で終わるかどうかわからないです。
- 14 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 12:13:16
- 今日一日で終わらなくても、毎日少しずつ載せればいいじゃない
- 15 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 12:22:26
- 家に帰って親にこのことをいってみる梅宮
梅「きょうさー。山田君がいきなり斬りつけてきたんだけどさ。
何だったんだろうな、あれ。」
父「ふーん」
梅「フーンじゃなくて本当にあったんだよ!」
プルルル プルルル
電話が鳴った。手に取る梅宮
梅「はいもしもし」
?「梅宮さんのおたくですかね?」
なんかとんがった声。聞いたことない。
あえていうなら・・・ドラゴンボールのフリーザみたいな
梅「はいそうですが」
?「ある人のために私と一緒に来てもらいたいんですが」
梅「誰ですか?ある人って。それも教えずにっていうのは非常識なんじゃ?」
?「それは言えませんねぇ・・・さっさと来てもらわなければこっちから行って
無理矢理にでも来てもらいますよ」
梅「そうですか」
と言い電話を切って受話器を戻す。
梅「いま〜〜〜ていう電話があったんだけど」
母「ほっときなさいいたずらでしょ。」
梅「やっぱそうかな・・・?」
そして次の日・・・・ゲーセン行って家に帰ってきた。6時だ。
梅「中学生は6時までしかいられないんだよな〜。」
父と母がご飯を食べている。
梅「僕もご飯たべるー」
そして飯をくっている途中、インターホンが鳴った。
はいもしm
ドガン!という音と共に家のドアが吹っ飛んだ
梅「・・・誰だよ」
玄関の前にいたのは白い体の生物1体と黒い生物30体ほど
その生物たちを見て、父が
父「こっちだ!」
逃げるらしい。確かに逃げたほうがいかも
裏口からでて、生物たちが家の中に入ってくる間に車に乗って逃げる。
梅「なんかわからないけどよかったね」
父「ああ、そうだな」
母「・・・」
それにしても父の迅速な対応には驚いた。
もしかして前もこんなことが・・・?
- 16 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 12:24:54
- できるなら台詞前の梅とか山ってのははずした方がいい。
よほど下手じゃなければ場の流れと喋りでわかるから。
- 17 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 12:27:00
- 了解しました
- 18 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 12:45:13
- もうちょい描写とか詳しく細かく書いたほうがいいと思う。
携帯ゲームのRPGと同じぐらい話の展開速い&つながりがない。
例えば
初日に山田に襲われる>家に運ぶ>そこで家族とのやりとりや山田の家について一切触れていない。どこにどのように山田を置いたのか謎。
次の日の学校も山田は登校していないのか?同じ学校の生徒かどうかも不明。
あと細かいところで
「家のインターホンが鳴る。でてみると、山田君らしい」
仮にも親友が家にきて「らしい」と言うのはおかしい。親友という間柄ならばある程度は声でわかると
思われるので、「山田君のようだ」や「山田君だ」とか
もう少し強い表現でもいいかな〜とかオモタ。
まぁ、さらっと聞き流してくれぃ。続きまっとる
- 19 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 12:47:25
- なるほど・・・頑張って細かく書いてみます。
「まっとる」ってかかれると凄くうれしいです(´∀`)がんばりますね
- 20 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 13:19:31
- 山田君は同じ学校の生徒で、二日目は学校は休んだという設定です
本編
車の中。運転手は父だ。
「どこむかってんの?」
「俺の父親・・・つまりおじいちゃんの家だ。」
「そうか・・・」
おじいちゃんの家は、車で行けば一時間ほどでつく。
だが、やはりそうはいかなかった。
向かう途中、道の真ん中に山田君が立っていた。武器は持ってない。
手を広げていくさきを邪魔している。父もブレーキをかけた。
外にでて話をしてみる。
「山田君?」
「・・・」
「いきなりどうしたんだよ!?理由があるなら話してくれよ!」
「母親が・・・」
「母親がどうしたの?」
「変な生物に捕らわれた。返してほしいならおまえを殺せって。」
「・・・変な生物ってのの特徴は?」
「白い・・・とんがった声で、凄い力を持ったやつだ。」
「・・・奴らのアジトはわかる?」
「奴らのアジトはわかんねえ。すまん」
「OK.とりあえず車に乗らないか?山田君の母親のことも車のなかで考えようよ」
「ああ・・・」
「父さん、あの生物のアジトってわかるかな?山田君の親が捕まってるって言うんだけど」
「わからない。。。山田君の親が捕らわれてるのか。大変だな。助けに行くのか?」
「・・・それはまだきめてない・・・山田君には悪いけど。」
「そうか。とりあえず俺の父さんの家に行こう。」
「はい、わかりました」
「よし!でもとりあえず俺の父さんの家に行こう。」
「わかった」
- 21 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 13:19:56
- ごめwww修正中に送信しちゃったorz忘れてくれ
- 22 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 13:21:19
- >山田君は同じ学校の生徒で、二日目は学校は休んだという設定です
ちょwww夏休みはどうしたwwwwwww
- 23 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 13:22:01
- 修正版orz
車の中。運転手は父だ。
「どこむかってんの?」
「俺の父親・・・つまりおじいちゃんの家だ。」
「そうか・・・」
おじいちゃんの家は、車で行けば一時間ほどでつく。
だが、やはりそうはいかなかった。
向かう途中、道の真ん中に山田君が立っていた。武器は持ってない。
手を広げていくさきを邪魔している。父もブレーキをかけた。
外にでて話をしてみる。
「山田君?」
「・・・」
「いきなりどうしたんだよ!?理由があるなら話してくれよ!」
「母親が・・・」
「母親がどうしたの?」
「変な生物に捕らわれた。返してほしいならおまえを殺せって。」
「・・・変な生物ってのの特徴は?」
「白い・・・とんがった声で、凄い力を持ったやつだ。」
「・・・奴らのアジトはわかる?」
「奴らのアジトはわかんねえ。すまん」
「OK.とりあえず車に乗らないか?山田君の母親のことも車のなかで考えようよ」
「ああ・・・」
「父さん、あの生物のアジトってわかるかな?山田君の親が捕まってるって言うんだけど」
「わからない。。。山田君の親が捕らわれてるのか。大変だな。助けに行くのか?」
「・・・それはまだきめてない・・・山田君には悪いけど。」
「そうか。・・・とりあえず俺の父さんの家に行こう。いろんなものがある。」
「わかった。山田君、いい?」
「・・・・ああ。」
「よし、むかうぞ。」
- 24 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 13:23:28
- >>22ごめんね、バカでごめんね。
「、」の後ろは忘れてください
- 25 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 13:23:48
- 部活とか何かで特別に学校行ってるのかとオモタw
- 26 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 13:27:06
- 小説っつーかこういうの書いたの初めて?違ったならスマソ
とにかくガンガレ!
- 27 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 13:27:27
- 学生とかの設定は忘れてもらっても結構かと思われますorz
あんま関係ないんで
- 28 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 13:28:25
- >>26わりかしはじめてです。
案外難しくてなんかおかしくなっちゃってますが大目に見てやってください(´・ω・`)
- 29 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 13:31:30
- がんがれ!
- 30 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 13:33:02
- 応援ありがとうです。・゚・(ノ∀`)・゚・。
- 31 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 14:02:44
- 祖父の家に向かう車。時刻は7時。夏なのでまだ明るい。
時がたつにつれて、黒くなり消えていく風景。
梅宮はそれを凝視していた。山田は眠っている。
母が捕らわれてから、精神が休める暇がなかったのだろう。
梅宮が風景をみていると、急に目の前が真っ暗になった。
「これは・・・?」
奴らの罠か、それとも・・・いや、「それとも」はないだろう。
これは奴らの罠だ。罠と言うよりも、力か何かか。
などと考えているうちに、今度は目の前が真っ白になった。
気づけば、そこは道端だった。暗くなる前に走っていたところだ。
「親や山田君は・・?」
おそらく、あの生物に連れて行かれたのだろう。
何故僕は連れて行かれなかったのか・・・?親が守ってくれたのか。
そう信じることにした。
これでいよいよ奴らのアジトに行かざるを得なくなった。
だがアジトはわからない。
「(父さんはやたらじいちゃんの家に行くことを薦めていたよな・・・もしかしたら
何かあるのかな?行くところも見あたらない・・・とりあえずじいちゃんの家に行こう)
梅宮は祖父の家に向かった。
- 32 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 15:20:32
- 携帯ゲームのRPGw>>18上手いこと言うねw
まさにそんな感じ。もう少し丁寧に細かく書いてもいいんじゃないか?
あと「精神が休める暇」はちょっと違和感がある。「精神を休める暇」もしくは「精神が休まる暇」
の方がいいとオモ。
その他は・・・まあ続きに期待しようか。批判してるけど楽しみにもしてるからな!がんばれ
- 33 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 15:52:47
- 何気にファン多いぽいねwガンガレ!
- 34 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 20:31:52
- 丁寧か・・・どう変えていけばいいかわからないんだよなぁ・・・
とりあえず意識してみますんでよろしくです
- 35 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 21:30:12
- ああついでに
主人公の名前は政志です
- 36 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 21:43:17
- 書かれているのが必要最低限で事務的な感じがするんだよなぁ。だから繋がりも薄く感じる。
例えば後半冒頭で
「親や山田君は・・?」
おそらく、あの生物に連れて行かれたのだろう。
わざとかもしれないけど、息子なんだから親を一まとめにするのはどうかと。
そしていきなり>おそらく〜はちょっと飛んでないか?補助の一文でも付け加えるべき。
辺りを見回してみるが人影は見当たらない。
「…父さん?母さん?山田君?」
呼びかけてみるが返事はない。おそらく、あの生物に連れて行かれたのだろう。
こんな感じで。手間かもしれないけど、こういうのは必要だと思う。
勝手に注文つけるだけの素人の意見でした。無視してくれて構いません。
ガンバレ>>1!
- 37 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 21:49:05
- なるほど・・・勉強になりますです。小説家目指してる訳じゃないですがw
読み返すとおかしすぎますねorz
つぎはたくさん読み返してから書き込みます(`・ω・´)
- 38 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 22:21:58
- 祖父の家に向かう梅宮。
移動手段は、やはり電車だ。幸い祖父の家は駅の近くにある。
だが近くの駅までは歩くしかなかった。
大きな橋だ。
車が獣のように走る道路の端を延々と歩いていった。
橋の下に川が広がり、電灯の光が反射していた。
駅に着いて、切符をかい電車に乗る。
電車の中には仕事帰りの人らしい人が何人かいた。
こうして夜に一人で電車に乗るのははじめてだ。いつもは友達、山田君や
親がいる。何か寂しい風景だった。
だがその時間もすぐに過ぎ、祖父の家の最寄りの駅に着いた。
あたりは暗い。見たこともない暗さだ。
地元の暗さはもう見飽きた。この新しい暗さは・・・新鮮、とでも言うのだろうか。
大きな車道の横を5分ほど歩くと、祖父の家に着いた。
祖父の家には毎年一回はいってるので、迷うことはなかったが、夜歩くのは
はじめてだった。
ピンポーン
「おじゃまするよー」
「おお政志か。まああがんなさい」
変わらない祖父の家。懐かしいような香りがする。
「飯、くうか?」
「じゃあいただきます」
やっと一服できた。
「(ああ、ゲーセンいきてぇ)」
などと思ってしまうがそんな状況ではない。
「どうしたんだ?そんな張りつめた顔して。」
そう祖父が言ったので、山田君が斬りつけようとしてきたことから今の状況まで全てを話した。
「・・・おまえもか。」
「おまえもか、ってことはやっぱ父さんもこういうことがあったの?」
「ああ。あん時は大変だったな」
「何かその時に使ったものとかある?」
正直、この「その時使った品」を探しだすのが祖父の家に来た理由の一つでもあった。
「ああ。これだ。」
といって黒い、小さな箱を台所の奥から持ってきた。
「(・・・父はこれを渡したかったのだろうか)」
開けてみた。・・・半分錆び付いている鋭利なナイフ。
それと、古びた地図。
「これは・・・?」
「その地図は、俺にもなにかわからねえ。ただ、おまえの父親が大事そうに持ってた地図だ。
きっと何かの鍵になるものだと思うぜ。」
「・・・ああ、ありがとう。それで、今日とめてもらっていいかな?」
「いいぜ。布団は二階にあるから。」
「ありがとう」
その夜、梅宮は祖父にもらった品を改めて見てみた。
ナイフは、特に特徴はない。「梅宮」と名前が書いてあることくらいだ。
地図は・・・なんだろう。テレビアニメなどで見る宝の地図のようなもの。
建物と道路は詳しく書いてあり、中心に「×」が粗末にかかれている。
そんなところだった。地図に書かれてるのがどこかはわからないが、祖父の家に保管されてるあたり
ここの近くなのだろう。だが特定はできない。
「明日はどこへ行こう・・・」
とりあえず家に帰ってみようか。あいつらが何か残してるかもしれない。
- 39 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 22:33:59
- 続きキタage。>>1ガンバレ!
- 40 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 22:35:17
- 応援どうもです。・゚・(ノ∀`)・゚・。
今日は疲れたんで続きはあしたかくかもです。
- 41 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/23(火) 23:12:11
- 姉が手を振っている。
駅前は人混みが激しく、なかなか思うように進めない。
そんな中でもすぐに姉を見つけることが出来たのは偶然というわけでもない。
黒いワンピースに白のブラウス。それらはすらりと身体に馴染むように着こなされており
女性的なラインを強調している。女なら誰もが羨むような細さが身長をより高く際立たせている。
あらかじめ場所を決めてあれば見つけるのには苦労しない。少なくとも携帯を使って確認したこと
は未だに無い。
「遅い!けど、まぁいつもに比べたらマシか」
淡い栗のような色をした髪が風になびき、隙間から顔を覗くとそこにはにっこりと
笑みが浮かべられている。
「まだ始まるまで時間あるんだからいいだろ、これくらい」
すっと歩道に歩き出そうとすると、頬の辺りにぎゅっと痛みが生じた。
「いて」
思わず声が出た。振り返ると仏頂面を無理に作ったような姉の顔があった。
仏頂面をしてもきらきらと輝く瞳には僕の顔が鮮明に映っている。
身長が大体同じくらいなのである。
「生意気。そんな態度じゃおごんないよ、全く」
「すみませんでした、勘弁してください」
「よし、それでいい」
反省は特にしていないがそれで満足したのだろう。
ふっと、頬から白く細長い指が離れる。その繊細な指から今の痛みを与えていた
とはとても思えない。だが、その繊細な指はさらにひどい痛みを彼女自身に与えた
こともある。
そう思うと、この東京のねちねちとした暑さでも少し寒気がしてくる。
「じゃ、行こっか」
「はいはい」
やる気のない返事を返し、姉の横に並んで歩道を歩く。
今日は特にこれといって何かがあったわけではない。
だが、その何も無い日が、姉には耐えられないほど苦痛であり、寂しい。その
寂しさの反動は誰よりも大きい。
その反動はかつて姉の命を何度も危機に晒していた。
僕はそれらの経験を思い出すと、また寒気がしてきた。ぶるっと体が震える。
「大丈夫?冷房で冷えすぎたんじゃない?」
歩きながら姉が心配してくる。その表情は至って普通のものである。
「あぁ、大丈夫、ちょっと身震いしただけだし」
そう言って、人ごみの中、さっさと横に並んで歩いていく。
姉も僕もこういった人ごみで話すことはあまり好まない。
ちらりと横を見ると、そこには自分と血が繋がっているものとは思えないほど
整った、綺麗な横顔があった。一言で言えば美人である。
姉は数ヶ月前からモデルで稼いだお金を資金に独り暮らしを始めている。
今もなお生活費はそのモデルから出てるのだろう。だが、その間の詳しいことは
僕には分からない。分からないが
(多分、今日ベッドの上で知ることになるんだろうな)
これから起こることは僕には確実に分かっていた。
続きいるようなら書くけど?いらねーか。1に感化されて書いてみた。
- 42 名前: 1 投稿日: 2005/08/23(火) 23:29:24
- すごいですなぁ・・(´-`)僕よりも全然うまいです。
つづき期待してます(・∀・)
- 43 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 00:30:06
- >>1
ありがと。1の続きには俺も期待してるんで頑張ってね。
次は三日後辺りに適当に書きます。
誰か人物の名前考えて頂ければ、スゲー有難いです。
名前が一番難しいと思うのは俺だけかな・・・
- 44 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 00:30:38
- だぁー・・・あげちった。自爆
- 45 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 00:33:58
- 名前は難しいな、センスが問われる。>>41もガンバレ
- 46 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 09:46:02
- 二人ともガンガレw何気に良スレage
- 47 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 12:05:02
- >>31
親って言うのは母親だろ?なんで子供が親が助けてくれたのかとか言うかな?お母さんとかそんな感じでよくないかな?
- 48 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 12:13:16
- ごめん…前の人が言ってたね…頑張って。
あぁ、あと38だけど祖父の口調がどうもおかしいと思う。「いいぜ」とか「わかんねぇ」とかって口調が気になった。
- 49 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 12:16:58
- >>48了解しました。祖父の方はそういう人間だと思ってください(´・ω・`)
- 50 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/24(水) 21:52:15
- 今日は続きないのか?
- 51 名前: 1 投稿日: 2005/08/24(水) 22:54:23
- 明日書きます
ちょっと今日はいろいろあって疲れたんで(´・ω・`)
すみません
- 52 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/25(木) 17:41:15
- 「じゃあ、ありがとうございましたー」
「ああ。気をつけてな」
祖父の家を後にした。来た道と同じ道をたどって駅に向かう。
今の時刻は午前五時。早朝だ。それだけあって、道路端を歩く人は全然いない。
道路を走る車も昨日の夜に比べると全然少ない。まるで違う場所のようだ。
駅に着いた。やはり人はほとんどいない。こんな光景はあまり見れない。
何かすがすがしい気分だ。
地元の駅に着き、電車を降りて自宅に向かう。
いま自分の家はどうなっているのだろうか?
そんな好奇心とも何とも言えない気持ちが頭の中を駆け回っていた。
やっと着いた。・・・家は、何にも変わっていなかった。外見だけは。
中に入ってみた。めちゃめちゃに荒らされている。
冷蔵庫・・・中のものが散乱していて、扉も開けっ放し。
机は、何等分かされて倒れている。上に置いてあったものも散乱している。
自分の部屋に入る。やはり酷く散らかっている。
机の中なども荒らされている。
父の部屋・・・散らかっているが、その中に何か半透明の紙切れが落ちている。
あいつらが落としたのだろうか。それとも父の持ち物なのか。
手にとってよく見てみる。・・・何かに似ている・・・
真ん中にかかれた×印。これは…昨日もらった地図にそっくりだ。
大きさも同じような感じ・・・重ねてみる。
やはり大きさも同じだ。
「・・・あれ?」
この地図は・・・見たことがある。
紛れもない地元・・・ここだ。
どうやらこの半透明の地図はパソコンでいう「アップデートファイル」
のようなものみたいだ。祖父の家にあった地図が父のものだということからして、
この半透明の地図は父のものだろう。
でも、何故こんなものを・・・?もしかしてこの事件が起こることをわかっていたのか?
そしてこの地図が示す×印の地点・・・ここは立ち入り禁止とされている大きな塔だ。
「明日はここに行ってみるか・・・」
そんなことを考えながら父の部屋を出て、母の部屋もみてみたが
特に荒らされていること以外変わったことはなかった。
時刻はもう午後6時。
自分の部屋を整理して、家に残ってるインスタント食品を食べて寝ることにした。
やはり緊張のためかよくは眠れなかったが、少しは気休めになった。
- 53 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/25(木) 19:11:23
- …>>1は中学生か高校生か?本はどれくらい読んでる?どんなジャンルと作家が好きなんだ?
今書いている小説のジャンルは何のつもりなんだ?基本設定は考えているか?後先の展開を考えているか?
ご都合主義に走りすぎてないか?それなりの伏線は張っているか?それを回収する気はあるか?
最後に…自分で読み返してそれなりに納得できるレベルの内容を書けたか?
正直に言って、応援はしているし続きも期待しているが、続きがきて「続きGJ!」とは言えない。
自分で考えて、それを文にして、このスレに晒すってのはすごいと思うけどね。
自分で貶しといてなんだがめげずにガンバレ>>1。俺は多分最後まで読むから。
- 54 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/25(木) 19:13:22
- 書いてるときも思ったがメチャクチャ偉そうだな俺…スマソorz
- 55 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/26(金) 22:16:13
- よーし、ドラゴン桜見て風呂入ったら書き始めようっと。
・・・名前は自分で考えるのか。まぁ、そりゃそうだな
- 56 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/27(土) 21:08:45
- 続きは?
- 57 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/28(日) 17:10:17
- >>41の続きです。なんだかめんどくて寝落ちしてて、昨日は友達に呼ばれてしまい
そのまま寝落ち。とりあえず今暇あったんで急いで書きました。
↓本文。(wordに貼ると読みやすいかも)
「大人二枚です」
姉がそう窓口に告げ、お金を払う
僕の位置からでは窓口から手が伸びてきているようでなんとも奇妙な感じであった。姉がすっと横に移動すると、すぐに列が間を詰めた。
「やっぱり土曜日だと結構混むね」
姉には特に並ぶのが苦ではなかったらしく
「ま、しょうがないでしょ」
と、反応は簡単なものだった。
姉は比較的自由に休みが取れるが、僕がそうそう時間を取れないのである。
チケットは大人二枚であったが、それは姉の見栄のようなもので僕はまだ学生、高校生である。商売とは現金なもので安くするのには証明の必要があるが、高く払う分には特に正当性を証明しようとはしない。社会なんてそんなものなのだろう。
僕だってそうする。皆そうする。でも、ボランティアとかはしないのかも。
「ねぇ何かいる?」
「あっ、んと、じゃあポップコーンでいいや」
咄嗟に返事を返す。気づいたら売店に来ていたようだ。
土曜日で映画館内も賑わってはいたが、僕らの見るものはややブームの過ぎ去ったものである。1週間ほど前に急に姉から電話が家に着た時に、とりあえずこれで、と適当に決めたものだ。席もまばらで、大体どの角度の席も自由に選べた。
「こっち、こっち」
急かすように姉が席に走り寄り、手を招く。
「早く早く」
大体急ぐなら飲食物など買っていないで先に席を確保すれば良い。そうしなかったのは席が空いているというなんとなくの確信が僕にも姉にもあったからだろう。
「そんなに急ぐ必要ないから」
嘆息混じりに呆れて返事を返し、小走り気味に姉の横の席に座る。最前列からは4列ほど後ろの中央の席であった。目の前には通路があり、足が自由に伸ばせる。姉は脚がすらっと伸びており、自由に脚が伸ばせるこういった席にいつも好んで座る。
「トイレ行って来るから席見といてね」
姉はそう言い、席に荷物を残し、さっさか歩いていく。別に急いでいるわけではなく、ただ歩幅が広いからそう見えるのだろう。
「忙しい人だな」
ふうっ、と息をつき、アツアツのポップコーンをほおばる。
映画館のポップコーンはやけに塩気が強い。社会の匂いである。
高校を受験した時もこういうつまらない事をいちいち気にしたものだ。受験生はもしかしたら社会の冷たさに敏感になるのかもしれない。
ジュースがやけにおいしい。姉のものだ。
「そういえば真咲って予備校とか行ってないの?」
上映まで残り数分というとこだが、会話はそんなことは気にしない。ブザーはその為にあるのだろう。
「あー、別に今の目標なら行く必要もないし。学校の勉強だけで十分だと思うから行ってないよ。先生もそう言っていたし」
半分嘘である。
「ふーん、まぁ、昔から案外優秀だったからね、真咲は」
「無駄に欲がないからそう見えるだけだよ」
確かに先生には十分とは言われている。だが、先生にはさらに上の大学を目指せとも強く言われている。親も予備校に通っても別に構わない、といった具合である。だが、そういった上位のクラスに集まれば、僕はその一部になってしまうだけである。僕は難しい問題とかには興味が無い。そういうのは一部の人が頑張って解いてくれればいい。
僕はそういった考えを見て、自分の中に刺激を加えられれば良いと思っている人間だ。
「無駄に欲がない・・・ねぇ。昔、私の部屋で何していたんだか」
「・・・はいはい」
赤面しているのは自分でも分かるが止めようもない。
おそらく、姉が言っているのは初めて僕が彼女と眠った次の日のことだろう。
まだ若さに幼さが残るあの頃では、しょうがなかったのだと思う。
が、今、目の前でにやにやしているこの姉、静流はそんなことは知らない。知らないのだ。
「ま、無駄に欲がないのはホントにいい事だけどね」
姉がふっと呟く。その視線は今、何も映ってないスクリーンに向けられている。
そのいつもの美しい横顔に突如帯びている深い愁いの色に、真咲は懐かしむべき心地の良さを感じていた。
ブザーが鳴る。
静流ははっと、スクリーンに映っている映像に焦点を合わした。
ちらりと目を横に向けると、真咲は既にその映像に焦点を合わしていたようだった。
続きは今日明日・・・かなぁ。1君は死んでないよね??
- 58 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/28(日) 21:13:16
- >>57の続き。
日も暮れると、街にはさらに人が増える。帰路につく人、買い物をする人、食事をする人、これから遊ぶ人、飲みに行く人、なんとなく歩いている人、壁際で誰かを待っている人、音楽をかき鳴らす人、もしかしたらこれから想像もつかないようなことをする人もいるかもしれない。このような光景はここ数年で飛躍的に多く見るようになった。
私達は、その中でちょうど、これから食事をする人にあたる。
映画は正直駄作であった。部分部分で、深いものを感じるシーンもあったが、全体を通して何かを訴えてくるものではなく、間に合わせのようなマンネリとした映画であった。世間がいくらブームになったとはいえ、そう感じるものはしょうがない。それが私の持つ感性である。
この後に真咲と少し話をして、それでこの映画は私の中では完全に終わってしまうだろう。
「いてっ・・・待てよ、そこのわけえの!」
この人の流れだ。しょうがないこととは思うが、後ろの方で起きている喧騒が、この街をより騒がしいものとさせている。
だが、それを気にして歩みをやめるものはなかなかいない。大体がその周りを避けて自らの目的に沿って行動をする。私もそのクチだ。
隣を見やると、ちらりと振り返っている真咲の姿があった。だが、大して、興味があったわけでもなかったらしく、こちらをふっと見て、黙って私の後についてきている。
じっと、その横顔を見ると、鼻のラインがすっとしており、そこそこ整った顔立ちをしているのが分かる。短く、細く整った黒い短髪が、その顔立ちを涼しげにしている。体格はがっしりとしているわけではないが、それでも決して情けなくはなく、TシャツにGパンという簡単でくたびれたようなラフな格好がよく似合っている。それに夏を意識したような小物を腕に身につけており、それなりに洒落て見える。
身長は決して低くはないが、自分よりやや高いくらいである。そんなに高いという印象は受けない。世間では高いと認識するのかもしれない。私はそう認識しない。
真咲は確かに優秀だと思う。言ったことはないが、こういった人ごみで話す事は、私は好きではない。真咲は気づいたら、人ごみの中では私にあまり話し掛けなくなっていた。もともとそういう性格なのかもしれないが。他にもそういった、私の好むこと、好まないことを良く読み取っていると思う。少なくとも、あまり不愉快にさせられたことはない。
遅刻は確かに癖が悪いが、私は待つのは嫌いではない。
人の流れをやや強引に押しやって、イタリアンな雰囲気の看板の下にある階段へと入り、降りていく。中は看板と同じ雰囲気を持つ、そのままのイタリアンな店である。
「さっきの女の人大丈夫だったのかな、いかにもって感じのおっさんだったからなぁ」
階段を降りた辺りで、ちょっとした列が出来ている。
「あらら、女の人だとやっぱ心配?」
からかうようにそう言うと、真咲の眉がわずかに釣り上がる。
「まぁ・・・ね、世の中かよわい人だっているし」
「へぇ・・かよわい人だって、じゃあかよわくないのは誰なのかな」
さらにからかおうと、真咲の目を真っ直ぐ見る、が、その目は予想していた瞳の動きをせず、ただこちらをすっと見据えている。
「・・もしかしたら、皆かよわいのかもね。女の人も。あのおっさんも」
思わず、吹き出すように笑ってしまった。
時々、真咲は突拍子もないことを言う。
これが、私がはっきりと真咲を優秀と思えない理由なのかもしれない。
しかし、疲れた時に私はひどくこういった真咲を思い出し、会いたくなる。
それは今までずっとそうだったような気もする。別に優秀さを求めて真咲に会っているわけではないことは静流にもわかっていた。
「まだかかりそうだから、トイレ行ってくる」
真咲がすっと移動する。
一人になり、静流はふと思い起こす。
(そういえば、何で今日、真咲を家に泊めようと思ってたんだっけ・・?ちょうど暇がしばらく続くから久々に会って・・・。ついでに受験疲れした体に色々奢ってやろうと思ってはいたけど、別に泊める必要はないよね)
静流はしばし考え込んだが、特に深くは考えなかった。
泊まるなら泊まるでそれだけの話だ。
段々と真咲の姿が店内へと溶け込んでいく。
独りで暮らすようになってからだったか、後だったか。真咲は静流の身長を追い抜いている。それがいつだったかすらもはっきりと思い出せない。
真咲が静流に追いつくまでに、深く、深く傷を負った。
ただ、真咲に会いたい。それだけが理由であり、私の生きるすべてなのである。
- 59 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/28(日) 22:21:36
- 続きGJ。所々に違和感を感じるが面白い。
- 60 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/29(月) 17:39:57
- >>59
違和感部分を適当でも言ってくれると助かるし、嬉しいです。
今後、直せる部分なら意識して直していきます。
今日の夜にでもまたちょこちょこ進めます。触発されて書き始めたとはいえ、一応
微妙にテーマは設けてあるんで少しでも面白いと感じてもらえれば幸いです。
あらかじめ設定してたわけじゃないから、やや強引ですが。
1君の続きまだかのう・・・。全体の話を見る事に結構期待してるんだけども。
- 61 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/29(月) 20:45:47
- >>57の最後でそれまで真咲視点だったのが急に静流視点になったこと。
それまでの流れからみれば弟が姉を覗くのが自然なんでちょいと混乱。
> 隣を見やると、ちらりと振り返っている真咲の姿があった。だが、大して、興味があったわけでもなかったらしく、こちらをふっと見て、黙って私の後についてきている。
隣にいるんだから後についてきているって表現はどうかと。「私についてきている」でよくね?
>独りで暮らすようになってからだったか、後だったか
これ同じ意味だよな?
>僕だってそうする。皆そうする
JOJO?本来は「誰だってそーする。おれもそーする」。中途半端にネタ仕込むなら止めといた方がいい。
ぐらいかな。続きがんばって。
>>1来ないね…言い過ぎたか。
- 62 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/29(月) 21:31:45
- うん。書いたらやっぱ読み返さないと駄目ですね(笑
次から一回くらいは読み返します。
あぁ、>>57の最後だけちょい解説したい。
ブザーに会話の制止、つまり、会話→映画って感じにする力が
あると考えてるんですよ。弟はふと姉のスクリーンへの視点を見て、そのまま
空気読んで、映画の世界に入ってた。で、そっから姉だけがまだ世界が
会話の中。つまりブザーで今までの主観が消えて、姉だけ残されたことにしてる
つもりです・・・・が、まぁ僕がさっさか話進めたいがために、言葉不足ですね。
はい、言い訳です、ごめんなさい。
後、JOJOじゃないっすよ、ちょっとしたキャラへの味付けのつもりでした。
レスどうもです。ホント助かります。
さて・・・書くか。
1君は夏休みの宿題にでも追われてるかと予想してみる。
- 63 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/29(月) 23:37:57
- >>1はもう飽きたんじゃねー?所詮自己満足だし。
>>41はガンガレGJ
- 64 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/30(火) 00:41:58
- 恐らく、姉は今回の映画に面白くは思っていないだろう。
それは映画を見ている間にも思ったし、話している間の仕草や話し方でよく分かった。なにより、その話題は料理が運ばれてくる頃には既に完全に消化されていた。
店内は落ち着いた雰囲気で、明かりはうっすらとレンガ色の壁を照らし、それがそのまま店の色となっている。辺りにぽつぽつと置いてある観葉植物の色がとても良く馴染む。
僕らの席は店内の端にあり、そういった様子がよく見渡せる。店員だけがあわただしく動いている。それは僕らの片付いた食器を片付ける暇がないほど忙しいのであろう。
姉はそんなことは気にした様子もなく、食後のコーヒーを飲んでいる。
冷房はあまり効いておらず、姉は白いブラウスを椅子にかけている。
肩から綺麗に伸びる白く細長い腕は艶かしく、しかし、優雅に店の雰囲気に溶け込む。その雰囲気に店員は存在していなくても不思議ではない。むしろ自然である。
「この店、結構うまかったね」
僕が食べたのは当店お薦めメニューと、並んでいる間にじっと見ていた看板に書いてあったもので、貝が主に入った店独自のパスタである。変に水分が多くなく、サッパリとしており、僕はおいしいと感じた。少なくともファミレスに出るものよりは数段上である。
「まーね。・・コーヒーは不味かったけど」
姉はそう言うが、カップの中はもう空である。
僕は店では特に飲み物を頼んだりはしない。飲み物は大抵どこも無駄に高いからだ。水で十分である。
「じゃ、もう出よっか」
席を立ち、ブラウスに手をかける。黒いワンピースは、より艶かしく体のラインを誇張している。隣に座っている女の人達も思わず見とれていたようだ。さっきからチラチラ見ていたからもしかすると雑誌とかで見たことがあったのかもしれない。
伝票を持ち、レジへと向かう。僕は会計の様子をただ見ているだけだ。
先までの艶かしい感じは白いブラウスで見事に、単に女性的な感じとなっている。
レジに額が現われる。
自分の懐を削るなら、まずこんなところへは来ない。僕は3年になるまでアルバイトをしていたが、二〜三時間で一皿のパスタは割にあっていない。
↓続き
- 65 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/30(火) 00:42:37
- 空は暗くなっていたが、辺りは眩しい。ハイカラな光があちらこちらで人を招く。
「どっか寄りたい所ある?」
人通りの比較的少ない路地に入り、姉が尋ねてくる。
「別にないかな」
欲しいCDはあったが、別に今でなくても良い。
「それに姉ちゃんの家って結構遠いし、そろそろ向かっても良いと思うけど」
ここから電車で恐らく1〜2時間かかる。無駄に乗り換えが多いのだ。
「あれ、言ってなかった?車で来たから1時間もかからないけど」
「え?」
そういえば姉は高校卒業する頃には免許を取っていた。その記憶は確かにある。しかし、気になる事が一つあった。
「運転大丈夫なの?」
姉が免許を取ってから運転したところを僕は一度としてみたことがない。少なくとも姉が家にいた時は一度も運転していないはずだ。
「大丈夫よ、最近は結構乗ってるから。じゃ、特に用もないなら、うちに向かう?」
「う、うん」
そのまま細い路地を通り、駅から来た道とは違う方向へと歩く。
夏に入ってすぐだったか。僕は部活の先輩の車に乗った。それまでは運転などは誰でも良いと思っていたし、特にそれで心配することはないと思っていた。
だが、先輩に、世の中には事故を起こす人がいる、ということを再認識させられた。
そんな事情は知らず、姉はすっすっと目的地に向かって歩いている。
僕はただ、それにおびえながらついていくだけだ。
「でも、車なんていつ買ったの?」
ふと気になり、質問をする。
モデルとはいえ、一人暮らしをしつつ、そんなに収入があるものなのだろうか。
だが、仕送りをしているという話を親から聞いた事もないし、もらう必要がないくらい、お金は稼げているのかもしれない。少なくとも僕に映画や二〜三時間で一杯のパスタを奢るほどの余裕はあるのだろう。
それに今のところ、姉の表情からは経済的な苦しみは特に感じられなかった。
「ん、一ヶ月くらい前かな。仕事先で車が欲しいって話したら、良い車あるよって言われて、そのまま買っちゃった」
「へー・・・って一ヶ月前!?」
思わず声が大きくなる。恐らく今日の会話で一番感情がこもっていたかもしれない。
「そうだけど、それがどうかした?」
「え、いや、姉ちゃん免許取ってから運転全くしてないよね・・・それで車買ってから、まだ一ヶ月でしょ?」
姉がにやにやとした顔でこちらを見てくる。
「へー、優秀な真咲君でもビビルことってあるの。ま、大丈夫だって。事故なんてそうそう起きるものじゃないし。あ、じゃあついでに高速でも乗る?」
「いやいや!まっすぐ家に行こう。うん、お願いします、勘弁してください」
半ば涙目になっていたかもしれない、が、その苦労は報われた。
「はいはい、じゃあそうします。ふふ」
その笑いはやや怪しいものだったがとりあえず大丈夫だろう。姉、静流はからかうのは好きだが、意地の悪い事は出来ない。
姉はさらに調子よく歩いている。
(事故なんてそうそう起きるものじゃないから。それに高速じゃ事故なんて絶対におきねえよ、ま、大丈夫だって)
先輩はそう言って、僕を、いや、僕たち後輩を事故に巻き込もうとした。
上手く後続の車がかわしてくれたから良かったものの、あのまま激突していたら、間違いなく即死であっただろう。
背筋がぶるっとする。夏の夜は決して気持ちよくない。
本当は人物増やしていこうとも思ったけど、なるべく簡単に終わらせたいから省きました。
書くのは好きなんですけど、どうせ書くならファンタジーにでもすりゃ良かった。
バトル書きたい(笑
- 66 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/30(火) 01:00:49
- >>63
ARIGATO。反応あるとちょいやる気出ます(`・ω・´)フォォ
続きは明日・・・かな
- 67 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/30(火) 02:10:23
- >>41GJ。なんか真咲は急にキャラ変わるね
続きガンガレ!
- 68 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/30(火) 23:06:55
- 「運転中はなるべく声かけないでね」
車に乗る直前に言われた姉の言葉。
もちろん、僕はそれに忠実に従っていた。
だが、気分は乗る前とは違い、大分落ち着いている。
車内のなかで柔らかくあたかも遠くのほうで溶けている音楽。窓に映るゆるやかに流れる景色。姉も特に緊張した様子はなく車内と同様のリラックスした様子で運転を楽しんでいるようだ。
姉は至って安全運転であった。しかし、それはガチガチなものではなく、こちらを心配させるような仕草は全くない。
先ほどまで、ドクドクと鼓動を強くしていた心臓も今では程よくリズムを打っている。
もしかしたら姉は運転が上手いのかもしれない。それに、しっかりとルールをわきまえた運転だ。思えば、あの先輩が単に異常だったのかもしれない。
少し感情的になりすぎていた自分に今更ながらに少し恥ずかしくなった。
だからといって、これで僕の持つ車への価値観が変わったわけではない。実際にあのような運転もあったし、こういう運転もある。物事は簡単には決まらない。
それに恐怖は圧倒的に判断を優先させて決める。僕は本能の選択により、今、運転席の後部座席に乗っている。生存率が一番高い選択だ。
姉は僕のその判断に半ば呆れていたが、それにより姉はいつも以上の意識を安全に働かせるだろう。恥ずかしいが後悔はしてない。それは今後もずっとそうだろう。
車内は気持ちの良い音楽が続けて流れており、景色も決して早くない。
ゆっくりと、ゆっくりと、確実に目的地へと向かっている。
建物の明かりはまだどこもついている。
姉は黙々と運転している。
「先に降りてくれる?多分後ろからだと出にくいと思うから」
音を立てて扉を閉める。地下ではあるが、照明のおかげで視界ははっきりしている。
マンション内のパーキングはさほど広くはないようだった。それでも先ほど窓から見たマンションの外観からは高級な場所であることは明らかである。
姉は一ヶ月ではあるものの慣れた感じで車を綺麗に停めた。結構乗っているというより、頻繁に乗っているのかもしれない。
乗る前には気にする余裕がなかったが、今、乗っていた車を改めて見ると確かに悪くない。ピンクというより、桜のような淡い色で、形も角張っておらず、丸すぎでもない。それにそんな気取った車ではなく、扱いやすそうであった。ナンバープレートの上にはデミオと横文字で書かれたプレートが貼ってあった。
片腕に小さな革のバッグを抱え、車から姉が出てくる。姉ならもっと気取った車でも馴染むだろうが、逆にこういう車でもしっくりくる。顔立ちは美人とも可愛いともいえるからだ。
「どうだったかな、私の運転は。恐かった?」
姉が面白そうに尋ねてくる。だが、僕ももう落ち着いている。
「別に、普通だったと思うよ」
簡単に答える。
「へー、そう。・・・まぁうちはほとんどお父さんの仕事用だったし、乗る機会も少なかったから。不安になってもしょうがないか」
「ん、ま、そんな感じ。案外大丈夫だった」
勝手な解釈だったが面倒なのでそういうことにしておいた。
確かに僕の家の車は大抵親父が独占していた。その影響もあって、姉が免許を取っても運転する機会がなかったのだろう。親父はいつも忙しい。
「ねえ」
「ん?」
身体に負荷がかかる。エレベーターが一定の速度で上昇している。
「姉ちゃんってこんなお金あったの?」
壁にはボタンが二列ほど並んでいる。
「4月に入るころには仕事も増えてきたからね。それに、事務所の関係もあるし。このマンションがそのまんまってことにはならないかな」
「へー」
8という数字についたランプが消えるとエレベーターの重々しい扉が用意に開く。
「こっちよ」
エレベーターを出ると、通路が二方向に伸びている。
姉を追って右の通路を渡る。
「八階でも結構高いね」
通路から下を見ると、相当の高さであった。だが、建物自体はそれ以上に伸びている。
「そうかもね、私はもう慣れちゃったけど」
姉が通路の一番端まで来ると、革のバッグから鍵を取り出す。
ピッと、鍵を押し、それから鍵をひねる。
「先に入って」
そう言い、姉は扉を支える。
「オートロックだから、勝手に閉まるの、電気はそこの押せばつくから」
中は真っ暗だったが、壁のボタンに触れるだけで、室内は一気に活気づいた。
「ソファーで適当にくつろいでいていいから」
ブラウスをかけ、適当に荷物を整理すると、姉はおそらくバスルームのあるドアへと入って行った。
僕はただただ部屋の高級感にとまどうだけだ。
- 69 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/31(水) 01:49:27
- 続きGJ!
- 70 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/01(木) 01:54:40
- 散々批判した手前、自分がどんなもんかと思って>>1の文を自分なりにいじってみた。
おかしい所、こうした方がいいって所があったら突っ込みヨロ。
ちなみに山田を勝手に優って名前にし、設定もちょこちょこ変えてる。
穏やかな日常というものは、ある日突然崩れるものかもしれない
今は夏休み。気温は30℃を越え、蝉の鳴き声がうるさい。でもそんなの毎年のことで、今更気にするようなことでもない。
扇風機に当たり、暑さに耐えながらやりたくもない宿題をやっていると、突然インターホンが鳴った。
両親は買い物に出かけていて、今家には自分しかいない。
「めんどくさいな…」
ぼやきつつも玄関に向かいドアを開ける。そこには優が立っていた。手にはなぜか金属バットを持っている。
「オス、優。どうかしたか?」
「…………」
答えはない。
「なんか用か?つかなんでバットなんか持ってんだ?」
「…………」
相変わらず答えはない。わけがわからない。何の用なんだ?表情もいつもと違って暗く見える。
「なんか用があるならとりあえず中に入れよ。今誰もいないしさ」
「…………」
…いい加減こっちもイラついてきた。これだけ言ってまだ何もだんまりってのはどういうつもりだ。
「おい、いい加減にしろよ。こっちは宿題やんので忙しいんだからな!用がないんならさっさと帰れよ」
ホントに何のつもりなんだこいつは。いつもならこんな静かな奴じゃないのに。
まだ優は突っ立ったままだ。一体いつまでこうしているつもりだこいつは。
「………ごめん」
「は?」
「ごめん。………帰る」
そう言って優は俺に背を向けて歩き出した。バットを持ち上げる気はないのか、地面とこすれてカラカラと音がする。
全くわけがわからない。なんだったんだ一体。
- 71 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/01(木) 01:55:30
- 夕方にもなると、暑さも和らぎ大分涼しくなった。先ほど親が帰ってきて、晩御飯の準備をしている。
「よっしゃ、今日の分のノルマ達成!偉いぞ俺。がんばった俺」
自分で自分を褒めてやる。一応自分で立てている計画分のノルマはこなした。本当はやりたくはないが、宿題を出さないと罰が怖いのだ。
去年出さなかったら散々な目にあった。夏休みの分の倍の量の宿題を出され、放課後に居残りして毎日解かされた。
運動場から聞こえてくる部活をやっている生徒の声を聞きながら、優と二人寂しく居残ってたもんだ。
「そういやあいつ何かおかしかったな」
昼に訪ねてきた優を思い出す。いや、宿題をやってる最中もずっと気にはなっていた。
優とは家が近所で、幼馴染と言える。しかも小・中・高とずっと同じクラスだ。腐れ縁にもほどがある。
いつもうるさいほどに明るく、クラスの人気者だ。あいつが落ち込んでいるの見たことはほとんどない。
「あいつの親父さんが死んで以来…か?」
記憶を辿ってみると、どうにもそうらしい。まだ小学校低学年の頃だったか、優の父親は交通事故で亡くなった。
それ以来母一人子一人で暮らしている。優がやけに明るくなったのもその頃からだったか。
その明るさは本当の明るさなのか、寂しさを紛らわすための明るさなのか。長い付き合いの自分でもよくわからない。
とにかくいつも明るかった優が今日はやけに落ち込んでいた、様に見えた。とすると何かヒドイことでもあったのだろうか。
もしそうなら昼間の自分の態度は少し冷たかったんじゃないのか?いやでも何か言われなきゃわかんないし…。
「ご飯できたわよー」
階下から母親の呼ぶ声が聞こえる。まあいいや、考えるの止めよう。
「明日にでも会ってみるか」
俺はそう決めると階段を降りていった。
プルルル プルルル
晩御飯を食べていると電話が鳴った。
「政志、母さん今手が離せないから出てちょうだい」
「はいはい」
口に含んでいるものを無理矢理飲み込んで、受話器を手に取る。
「はいもしもし」
「梅宮さんのおたくですか?」
「はいそうですが、どちら様でしょうか」
名を名乗らないとは親の教育が行き届いてない奴だな…。
「ひょっとして政志さんですか?」
「…はい、そうですけど。すみません、そちらはどなた様ですか」
耐えろ俺。こういう失礼な奴はたまにいる。
「あ〜やっぱり政志さんですか!いやー成長なされましたね」
…いた電決定。親戚にこんな狂った奴はいない。
「切ります」
と言って受話器を置こうとした…
「あー!ちょっと待ってください。最後に一言だけ」
最後なら聞いてやる。こいつ何を言うつもりだ?
「すいません、掛け間違えました」
「はあ?ちょっと待て!お前っ」
ツーツーツー
なんかわからんが敗北感…。今日はわけのわからないことが起こりすぎる。
「なんだったの?今の電話」
「あー多分いたづら電話」
母さんに話すことでもないだろう。晩飯の残りを食うか…。
- 72 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/01(木) 02:04:23
- OK。自分で読み返して結論が出た。俺ダメすぎwww
書いたときはこんなもんかって思ってたが晒してみるとダメさがわかるなw
今後は応援だけにしとこう。
てことでガンバレ>>41!
- 73 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/01(木) 19:35:16
- 続きは明日で。
多分、後3〜6回晒せば完結します。
このスレが落ちない限りは大丈夫。
- 74 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/02(金) 23:30:09
- 続きが気になる文章ですな
- 75 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/03(土) 13:33:21
- つ>>68の続き
(それにしても・・・)
とにかく広いことに真咲は感嘆していた。
リビングは一般のマンションの二倍はあるか、それ以上といったところか。キッチンもそこに内蔵されている。一人で暮らすのに果たしてこんなに広さが必要なのかはわからない。部屋には伸び伸びと家具が置かれている。部屋の色合いがぼうっと、落ち着いた膨張色で整っており、部屋をさらに広く、優雅に見せている。
恐らく今、姉は玄関からこのリビングへの通路にある、二つのドア、そこの玄関側の中でシャワーを浴びているのだろう。
「・・立っていてもしょうがないよな」
どさっとソファーの上に座る。ソファーは優しく肌のように包んでくれる。
真咲は円形の透明なテーブルの上にあるリモコンを探り、電源を入れ、適当にチャンネルを回した。
横に伸びたワイドな液晶に転々と映像が映し出される。
クイズ番組、バラエティー、ドラマ・・・だが、結局はどれも特に気に入らず液晶にはよく分からないドラマが淡々と映し出されている。真咲はその音声だけを耳に感じ、そこら辺に置いてあった女性雑誌を手に取っていた。だが、どれも意識には触れていない。
広さは静かさを誇張し、静かさは不安をあおる。
数ヶ月。それはあっという間であった。夏休みは学生にそう思わせるほど圧倒的であり、安らぎ、休める。
僕らが休む中、彼女はずっと休めない。
僕らがただ子供だからだとしても、彼女には子供だからという理由はずっと許されなかった。ずっと、ずっと。
だから疲れを誰かが引き受ける。それだけのことだ。
ドラマは心地の良い音楽を流し、心地の良い台詞で声をかけてくる。
それは耳が、脳がそう捉えるだけで心には何も響かない。染み渡らない。休まらない。
彼女はもっとそう感じるだろう。
「早く、会いたいな」
皆があっという間と感じた分、彼女はただ待ち望んでいたはずだ。
「あー、さっぱりした。って、うわっ」
姉は部屋に入るなり、素っ頓狂な声を出す。
「今日だったんだ、せっかく毎週見てたのに、もう」
恐らくドラマのことだろう。ベッドにごろんと転がり、テレビを凝視している。
無造作に寝転んだ為に、ピンクのパジャマがねじれて、体のラインがやけに艶かしくくっきりとあらわれる。ラインだけなら綺麗に感じるだけだが、非常に薄手の生地で出来ており上着は半そでのため、肌が綺麗に露出されている。またボタンで着るものらしく、胸元がひどく妖しい。
「じゃあ、俺もシャワー浴びてきていい?」
「シャワーってかお湯張ってあるから。別に浸かってもいいよ」
応答はしているが、完全に意識はテレビに向いている。
「分かった。俺の荷物どこ?」
どうせいつかは行く日もあるだろうと、家族のちょっとした衣類や、生活用具も姉が引っ越す時に同時に宅配してあった。
「洗濯機の上に置いてあるからそれ使って、タオルもあるから。後、バスタオルはこれね」
そう言うと、姉が頭に巻きつけていた大きなタオルを包んで投げてよこした。
「これかよ・・・」
ぼそっと呟く。
「いいじゃない、別に。バスタオル新しく出すのも面倒だし」
「はいはい」
バスタオルを肩にかけ、風呂へと向かう。肩からはやけに良い匂いがした。
(そういえば・・いつの間に風呂沸いてたんだ?)
中はまだ熱気が残っており、むわっ、としていた。だが、先に似た匂いが漂っているため、そこまで不快じゃない。そして、
「なるほどね」
思わず声に出る。風呂場には自動でお湯の温度を維持する機械がついていた。名前は忘れたが、聞いたことはあった。実際に見るのは初めてだ。
(ほんと、どれだけ稼いでるんだろう・・・)
うちはガス代、電気代などに特に口やかましいほうの家庭だったはずだったのだ。
>>72今読んでみたけど、読みやすくて良いと思う。こういう書き方だと主人公が
自由度高くて良いよね。ただ擬音とかは気をつけないとお笑いっぽくなるから要注意。
俺一人なのも辛いから続けてくれると嬉しい。慣れてくると思うし。1はマダ?
- 76 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/03(土) 17:15:47
- 続きGJ。応援だけするとか言っといていきなり聞きたいことが…
>結局はどれも特に気に入らず液晶にはよく分からないドラマが淡々と映し出されている
これ液晶であってる?真咲じゃないかと思うんだけど
- 77 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/03(土) 20:59:15
- あ、テレビの液晶画面ってことです。液晶じゃ言葉足らずでした。
スマソ。
- 78 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/03(土) 21:00:07
- あ、続きは月曜以降になりそうです。書き忘れスマセン
- 79 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/07(水) 12:48:24
- 続きまだ?
- 80 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/08(木) 11:04:20
- >>75の続きです。遅れてすいません
毎週見ていたドラマだったが一度見逃すだけで、興味は薄れている。静流はなんとなく、そう感じた。
(結局はマンネリなのよね)
多くのドラマは旬の俳優が旬の恋を演じる。これもその旬の一つに過ぎない。それは見る前から分かっていた。だが、静流はそれを毎週楽しみにしていた。
だが、それは毎週という慣例的な楽しみでしかなく、一度、その習慣を怠るとなんだか面倒になってきた。親しみが薄れたように感じる。
「何か・・・疲れたな」
ふっと声がもれる。
客人とはいえ、それは弟の真咲だ。今更気を遣う相手でもない。
ごろんとうつ伏せ、ふっくらとした枕に顔を深く沈める。
(思えば久々の休みなんだっけ)
一人暮らしを始めてから、忙しくなったのは仕事だけではない。自分だけで気軽かと思った一人暮らしには家の面倒が必要なのである。合間に休みがぽつぽつあってもそれは家の面倒や、友達の誘いですぐになくなる。
ただ、一人暮らしを始めてから、静流の身体に激しく幸せを覚えたのも事実である。しかしながら、肉体はひどく休まらない。
そして、今回はようやくの連休なのである。休みが上手い具合に重なっただけだが、それはひどく嬉しかった。
(確か、その時だったかな、真咲が家に来るって話になったのは)
連休が決まり、気持ちが楽になった感じがして家に久々に電話したら、真咲が出た。
(私の家に行ってみたいって言ったんだっけな・・・)
ふっと会話の流れを思い出す。
だが、それはすぐに途切れた。
(・・・あれ?私が誘ったんだっけ)
目の前は真っ暗で、意識だけが世界を構成している。
その意識は今、一つのことを再現しようと頑張って世界を曲げているが、うまくまとまらない。
(・・・すっきりしないな)
苛立ちを感じる中、それとは違った、落ち着かない気持ちが世界に介在していたことに静流はまだ気づいていなかった。
入るときには違和感だった熱気も出るときには体に馴染む。バスタオルはまだ少し湿気を帯びているが、気にはならない。それよりもバスタオルからの匂いが心地よく、さらに体を気持ちの良いものとさせている。乾いた服がひんやりと肌に馴染む。
タオルを洗面所に適当にかけ、衣類を全て畳む。明日の帰りも着るために真咲は気持ち、丁寧に畳んだ。
鏡のまえの洗面道具に未開封の歯ブラシを見つけると、真咲はそれを破り、しゃかしゃかと歯を磨き始めた。
ドアを開けると冷房の風がスーッと冷たく肌を撫でた。
「風呂ってあのままでいいの?」
リビングに向かって声をかける。返事はなく、ベッドの上に見える細い脚がぶらぶらと動いている。
おそらくはこのままでいいのだろう。そう判断して真咲はリビングへとひたひた歩く。
「あれ?」
思わず足をとめる。
てっきりドラマのラストに集中しているのだろうと思っていたが、姉はベッドにうつぶせていた。
「ドラマ見ないの?」
「ん、何か疲れたみたい」
姉の声には力が無く、半ば寝ているようであった。
「俺どこで寝ればいい?」
先に力尽かれても困るので、まだ眠たくはないがそう尋ねる。
「ん、そこの押入れに入ってるから適当にしていいよ」
足がそこを示す。ドラマはちょうど終わり、エンディングが流れ始めている。
「ソファーで寝てもいい?」
押入れを見ると、布団はカバーに入っており、出すのが面倒であった。
「ん、任した」
なんとも脱力する声が返ってくる。
押入れからタオルケットのようなものを出し、ソファーにかける。
姉はもう寝る態勢に入っているためにこれ以上は質問しない。壁にあるスイッチをいじり、電気を弱め、リモコンでテレビの音量を下げる。
キッチンに入り、冷蔵庫を開ける。中は綺麗に片付いており、何が入っているかが一目瞭然である。姉はよく母の手伝いをしていた。それはよく知っている。
ペットボトルに入った水を取り出し、棚から出したプラスチックのコップに注ぐ。
ぐいっと飲み、それを三回ほど繰り返す。気分はよりさっぱりとした。
姉は後、数分もすれば完全に寝てしまうだろう。
僕は寝ずに、彼女を起こさなくてはならない。
コップと水をそのままテーブルに運び、携帯を広げ、ソファーに寝転ぶ。
真咲は次第に気分が高揚するのを感じている。
- 81 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/08(木) 11:06:04
- あ、読み返すの忘れてた。文章、少しクドいな。ごめんなさい。
- 82 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/08(木) 15:51:31
- >>41GJ。文章はそれほど気にはならないから大丈夫
- 83 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/08(木) 21:29:20
- >>80の続きです。
部屋は静かである。
だが、先ほど感じた静かさとは違い、この静かさには余裕がある。
感情には干渉しなく、ただあるだけだ。
今、世界には闇が深く溶け込み、一切の干渉を許さない。活動はすぐに闇に知れ、響く。無意識な呼吸のみがこの世界で許されている。
(そろそろかな)
人が世界を認知し、世界は人を拘束する。この世界を認知しているのはマンションの住人を始めとし、この場所では主に姉がウェイトを占める。
真咲はのっそりと動き、タオルケットをソファーの隅に追いやる。
たったそれだけのことだったが、闇はその音をしっかりと響かせる。
騒ぐ闇を完全に無視し、シャッとベランダのカーテンを勢いよく開ける。
真咲のいる世界は一変する。
淡い光がうっすらと、しかし、はっきりと部屋を照らす。先ほどまでは高級感漂う真っ白でただ優雅なだけの部屋だったが、今では青白く、広さや高級感がさらに神秘的に見えている。
光は部屋の半分以上を照らしており、神秘的に輝かせている。
神秘的な光を浴びて、むくり、と静流がベッドの上に起き上がる。その眼差しはただ真咲の先を見つめている。
「ちょっと乱暴だったかな」
声を出す。
真咲は静流をじっと見つめる。
静流の焦点が徐々に真咲に定まっていく。
「マ・・・サキ?」
静流は枕を抱きしめ、疑うようにこちらを見ている。
真咲が徐々にベッドに、静流へと近づいていく。
静流の目には今にも流れ出すくらいの涙が溜まっている。
「うん」
返事をし、静流の横に座る。枕を掴み、横にどける。
枕に隠れていた顔が改めて確認される。
色白の肌は神秘的な光を浴びて、蒼白に、艶かしく、かよわく映っている。
鼻はすっと、自然に高い。顔のどの部分よりも先に光を浴びる。
唇はそこにだけ血が通っているように赤く、綺麗に膨れている。何よりも色っぽい。
肩にかかるか、かからないかくらいに真っ直ぐ伸びた淡い栗色の髪は、寝起きでも全く乱れてはいない。
それらを綺麗にレイアウトしている顔はそれのみでも美しい輪郭をしている。
瞳はその中でも別の生き物のように際立っている。凛々と、時には鋭く、時には可愛く、時には切なく、そう思わせられる不思議な輝きを持っている。
「・・マサキ!」
目の前にあった唇が動き、瞳が近づく。すっと衝突を避け、顔を横にそらすが、その肌は、指は、香りは優しく身体を抱いてくる。優しく息を吹きかけてくる。
心臓が激しく動く。
「会いたかった、会いたかった!」
静流は言葉を重ねるたびに身体も強く、強く重ねてくる。
髪を撫でると、とてもしっとりとしている。
「俺も、会いたかったよ、シズル」
真咲の口調はあたかも同じくらいの年齢の子にかけるような声であった。そのなかでも出来るだけ優しい声をかけ、彼女をゆっくりと横にたおす。
「姉さんはいつも自由なんだ。自由に任せすぎなんだ・・」
柔らかく呟き、唇を重ねる。
マサキもシズルも求め合うように身体を動かす。
待っていた、待っていたのだ。姉さんだけがそれを知らない。
この続きなんですが
ちょいエロくするか、それとなく済ましてしまうか悩み中。
明日の夜くらいまでに特に要望無かったら楽なほう選んじゃいます。
- 84 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/09(金) 19:49:41
- 楽な方でいいよ。続きガンバレ
- 85 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/11(日) 22:19:58
- >>83の続きです
いつからだろう、僕は彼女とこうして会っている。こういう形でしか会えない。
僕は彼女と会う時だけは全てに素直になれる。
だからこそ、純粋に感じることが出来る。それは気持ちの良いものも、悲しいものも、両方を純粋に感じることが出来る。
彼女こそが僕の知る限り、最も人間らしい人間であり、女性である。僕は彼女以外を愛そうとも思わない。
「気持ちいい?」
彼女は言葉を考えない。思ったことをそのまま口にする。やりたいことを思うようにやる。僕はそれを拒まない。僕がそれを拒んでしまったら、誰が彼女を認めるというのだろうか。世界は彼女を知らない。知っているのは僕だけである。
「ああ。・・・あったかい」
肌は白く、透き通り、艶かしい。そして、芯から伝わってくる熱は暖かい。
その熱は求めれば求めるほど、気持ちよく、心地よい。体は、もはやそれを無意識に求めて動いている。僕はそれを止めようとも思わないし、彼女も拒まない。
彼女は細い。それは見た目からも分かる。しかし、求める所にはしっかりと肉がついている。それは無駄ではなく、満足のいくものだ。
まさぐるように彼女の肉を触り、彼女の骨を暖める。
彼女は、細い指で、僕を摩擦している。それは肌であり、骨であり、最も気持ちの良い所でもある。気分は高揚するが、まだピークには達さない。既に2回、達しているのだ。
「マサキ、少し・・話、してもいいかな?」
ぎゅっと、強く抱きつかれる。
「その為に来たんだろ、俺は」
頭を撫で、そう言う。考える必要は無い。
拒む必要が無い。今まで一度たりとも拒んだ事は無い。
抱きしめあい、互いを感じきらず、感じながらの状態で、話をする。
僕はこの状態で死ぬならば本望とさえ思っている。
アダムとイブは何故、果実を手にしたのか。全く分からない。
「いつからだったかな?この女が中学生になってからかな、マサキとこうするようになったのは」
この女は、今は夢でも見ているのだろう。
「んっと・・・シズルに俺が気づいたのがそのくらいだな。こうするようになったのは・・・中学に俺が入ってからだな。忘れたくても忘れられないって・・・」
それはあまりの快感で、中学生になりたての自分ではよく整理しきれず、翌朝に体調が悪いと言い、学校を休んでしまったほどだ。
そして、姉が学校へ行き、親が買い物に行った時に僕は姉の部屋に入った。ベッドの上でその夜を思い出し快感を味わおうとしていた。匂いはまだ残っていた。
その時に、姉が帰ってきた。正確には忘れ物を取りに来た。俺はあまりにも幼く、迂闊だった。昼休みを用いて家に忘れ物を取りに来るという考えはまだ僕にはなかった。したことがなかったのだ。
まだその時には衣類を外す段階まではいっておらず、本当に見苦しい所は見られてはいなかった。
だが、勿論それから当分は姉に一切逆らうことは出来なかった。ある種、そういった性格の姉であったから救われた部分もあったのかもしれない。それで気まずくされたら日常がやりづらかっただろう。
そう聞けばよく出来た姉に思えるが、そういうだけの理由ではない。今ならそう思える。その日はそういう気分でなくてはおかしいのだ。そういう機能の人間なのだから。そして、彼女はそういう機能のもとで生きているのだから。
「あの頃は、私、何度もこの女を殺したいって思った。だって、この女には自覚が無い。そういうことになったのが、そもそもどういうことからか分かってないんだもん」
顔を胸に沈め呟く。少し、くすぐったかった。
「・・・マサキがいなかったら、ここまで生きられなかったと思う。私も、この女も」
「そうかもね」
僕は話をしていて、少し疑問を抱いた。
「どうしたの?話って、そういうことじゃないだろ?」
思わず言葉にする。
シズルの言葉が少し詰まる。それは体の、息の微妙な変化から分かる。
彼女とは今までに幾度となく会い、体を重ね、言葉を交わしてきた。
だが、その言葉には機能の枷があり、今までにあった話とは、そういったことであった。彼女は数ヶ月を一人で送っていた。話とはそういうことであるはずなのだ。
「・・・ねぇ、マサキ」
首筋に吐息が漏れる。
「もう一回、しよ?」
「ああ」
僕は勿論拒まない。彼女の唇は柔らかいし温かい。口は優しく僕を受け入れる。
ただ、僕の心にはいつもとは違うわだかまりが出来ている。しかしながら僕の意識は、体は、全ては、それを押しやり、彼女を愛することに夢中であった。
続きは火曜くらい
- 86 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/12(月) 11:13:09
- がんばれ〜
- 87 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/14(水) 19:40:53
- 続きは?
- 88 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/15(木) 20:20:47
- ごめん、予定が色々入って、マッタリ書いてる暇ありませんでした・・・。
とりあえず、日曜の夜までにでも完成させて一気に貼ります。
適当に始めたとは言え、未消化は気分わるいので。
- 89 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/18(日) 19:14:16
- 無理ぽ・・・。
- 90 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/18(日) 19:55:54
- 今日中には終わらないのか
- 91 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/19(月) 19:11:44
- 続きは?
- 92 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/20(火) 21:37:16
- 無理ぽってもしかして収拾つかないって意味?
それとも単に時間がなくて書けないって意味?
- 93 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/20(火) 23:16:35
- 時間が無い方です・・・。
ごめん。こんな駄作でも続きを待って頂けるなら
10月入るまでには何とかのせます・・・。
- 94 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/18(火) 23:30:20
- テス
- 95 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/30(日) 09:33:26
- age
- 96 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/30(日) 23:27:49
- 最近少し暇つぶしに書いてるんだけど、読む人いるか?
ポツポツいるようなら時々晒すけれども。
- 97 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/30(日) 23:28:23
- 一応ageとくか
- 98 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/31(月) 14:27:44
- 晒されれば読むよ
- 99 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/01(火) 00:03:19
- 一段落つくとこまで書いたら晒すわ。
- 100 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/07(月) 17:31:51
- 100
- 101 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/07(月) 18:51:06
- 新規参入
今日人生で最初の恋をした
これまで家族以外の人間とはほとんど会話をしたことがなかった。
友達と呼べる人間も1人も思い当たらない。取り立てて成績が良いわけ
でもなければ運動も人並み程度、見た目にも何の特徴もないおれに興味
を持つ人間なんていなかったしそれでかまわないと思っていた。学校と
家との往復も苦痛というほどでもない。16年そんな生活だった。
今日は朝から体調は悪かったがそんなに辛いというわけでもなかったので
学校にいった。しかし3時間目の授業中に嘔吐。幸いトイレに駆け込んだので
教室で大騒ぎになることこそなかったがとても授業は受けられない
ということで保健室にいくことになった。そのとき付き添いに保険委員の女子
が一緒についてきた。断る元気もなかった。
一度も話したことのない女子と二人で保健室に
行くことは気まずいが、それも保健室までの辛抱だ。同学年の女子よりは
保健の先生のほうが気は楽だ、と思ったら誰もいない。すぐに帰ってくる
だろうからさっさと女子を教室に返したかった。
「もういいよ」
といったのだが女子は
「先生が帰ってくるまではみてる」
などといってきた。
「もういいから・・・」
といった瞬間にまた吐き気を催した。なんとか押しとどめたがすぐに
流しで吐いた。こんな所を見せられてさぞ女子は不快だろう。そんなこと
を考えながらゼーゼーいっていると
「大丈夫?」
といいながら背中をさすってきた。正直驚いた。こんなことは人生で一度
もなかった。落ち着いてからはベッドで横になっている俺を彼女はずっと
見ていてくれた。保健医がもどってきて彼女が教室へと戻ろうとしたとき
「ありがとう」
という言葉が俺の口から出てきていた。こんなに自然に感謝の言葉が
出たことはなかった。
「どういたしまして」
と彼女は言って保健室を出て行った。
- 102 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/07(月) 19:03:00
- 101の続き
体調はしばらくして良くなったがそれから家に着くまで頭はうまく
働かなかった。ときどき保健室の映像がフラッシュバックしてくる。
今自分がどういう状況なのかは大体わかっている。思春期の若者なら誰でも
一度は経験する恋というやつだ。自分には縁がないと思っていたけれど
顔も良く知らない相手を好きになるとは思わなかった。しかもほんの少し
やさしくされた程度で。とりあえずあの女子のことを詳しく知りたいと
思った。明日学校に行くのが少しだけ待ち遠しく感じる。
- 103 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/07(月) 19:14:42
- 102の続き
一日中あの女子のことを見ていた気がする。
彼女の名前は並木。下はわからなかった。
よくしゃべるタイプではないようだ。勉強はわりとできるようだ。
宿題の答えを周りの連中に見せてた。おとなしい秀才タイプと
いった感じだ。顔は正直よくわからない。多分中の上といったところか。
身長はふつうか少し低めに見える。ストーカーみたいなことやってるな、
と家に帰ってから気づく。
- 104 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/07(月) 19:35:06
- 103の続き
2週間ほどして恋はうまくいかないなと確信する。並木さんは俺とは
かけ離れた世界の人間だった。彼女はかなりの美人だった。
性格もよく学校での成績も良い。目立たなくてもみんなに信頼されている。
俺とは正反対の人間だった。高嶺の花というやつだ。あきらめるしかない。
2日後の夜、悪夢を見た。
夢の中で並木さんと同じクラスの男が楽しそうに下校していた。
男の方は佐々木だった。サッカー部で学級委員、発言力もあり面白い
クラスの人気者だ。
誰が見てもお似合いのカップルだ。
二人が歩いていると一人の男がからんできた。俺だった。
身の程知らずにも夢の中の俺は佐々木に殴りかかっていった。
並木さんが悲鳴を上げた。そんなことは気にも留めず俺は佐々木を殴り
続けていた。しばらくして俺が満足したのか立ち去っていった。並木さんは
泣いていて佐々木は血まみれになっていた。
- 105 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/07(月) 19:52:04
- 104の続き
目が覚めたのは夜中の3時だった。汗が全身から噴き出していた。どうして
佐々木は俺を殴らなかったのか。まともにやれば絶対に勝てたのに。女の前
だったからなのか、それともほかに理由があったのか。そもそも
夢なのだから深く考えてもしかたないのはわかっていた。
ただ夢の中の俺は恐ろしいほどに惨めだった。佐々木が殴り返さなかった
こともあって俺は一人嫉妬に狂う哀れな人間だった。
- 106 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/07(月) 20:27:50
- 105の続き
夢の中の俺が憎い。なんの落ち度も無い人に殴りかかって、
並木さんを悲しませて、人を不幸にするだけの自分がたまらなく憎かった。
でも、これからも並木さんに想いを伝えられそうもない自分は
それ以上に許せなかった。もし彼女が誰かと付き合えば、俺はきっと
嫉妬に狂ってしまう。そんなのは死んでも嫌だった。
でも、俺にはそれを止めるための手段は何一つなかった。
ただ彼女が誰の物にもならないようにと願うことくらいしかできない。
涙が出てきて止まらなくなった。物音一つしない闇の中で朝がくるまで
すすり泣いていた。
- 107 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/09(水) 01:30:19
- まあがんばれ
- 108 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/09(水) 17:25:54
- >>98
そういえば言い忘れてたが
種死の世界観を再利用したもの書いてるわけだが・・・
種死見てないとあんま面白くないかも
種死よりはマシな話にはしてるつもり
- 109 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/09(水) 20:31:39
- >>108
問題ない
- 110 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/21(月) 15:11:49
_.. - .._
_.. - ,ニ-冖 ⌒ 冖-ニ - _
/ ノ´,. .‐.: : : ̄: :、:‐. 、`ヽ \
/ //: :./: : : : : : :l: : : :.\ヽ \
< ヽ/: : : :/: : : : : : /: :.l: : :、: : :ヽ/ >
丶、/: : : ::/: : : : ::::〃:/:.|:: : :.l: : : :.', /
l:l: :-:、l.: :::::::://://:∧:::._;l:-!: l:.|!
,l:l: : : ::|><__/ ' / '_,. へ:.|: l: :|::!l
l:.|:|: : : ::lz=ュ ′ z=ュ.リ:://: l
l: :Nヽ: : :ヽ ' /:://: : :.l
l: : /il ヽ、ヽヽ /二ヽ / '// ̄`ヽ!
l: / il li、`` | | /' li:. ヽ
l:/ il li `丶、ヽ-- ,' ィ .il li::. ヽ
,/ il.※.li ,.ィ`不ヽ、 il.※.li::::::.. ヽ
. // .:il li // //'{l:l ヾ、il li\::::::... l、
/ l/ ..::::il li ヽヽ//l>ィll:l__,ノイ li:::::::丶、:::::::...l \
|: l:::. ..:::::::::il.※.li `イl:l. {.l:「´ il.※.li:\:::::::. `` ┘ \
l:: l::::::_:::-:':´il li {l:l,><{ l:l il li\_l\::::. .::/
/,l:::.  ̄ ::::::il li、,.、,、,、{.l:ト、イ.l:l、,、,il li::::::::l:::::ヽ::. .::::/` 丶、
,. '"´,.-l::::::::::::::::::::::/il.※.li、,、,、,、,、l:l::::::::{_l:l,、,、il.※.li、:::::::l:::::::..........:::::/ニ、ヽ、
- 111 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/23(水) 01:36:02
- ちょっと書いたから晒します。ついでにage。
適当に書いてるから多少の間違いなどは気にせず読んで下さい。
つまんないようだったら言って。もう書かないので。
もし一人でも読みたいっていう人がいれば書きます。
では、適当に書いた種死の未来の話。ちなみに全員死んでるくらい未来の話。
更新は不定期。
- 112 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/23(水) 01:37:20
- 「・・ナト・・・ミナト!!」
はっと目を覚ます。
辺りからは笑い声が聞こえ、ガバッと身を起こすと、そこにはキッと睨みつける教師の顔が映っている。窓から刺し込む光がやけに眩しい。
「お前は、さっき来たばかりでよくそんなに熟睡できるな」
頭がぼうっとする。どうやら結構熟睡していたようだった。体が妙にだるい。
「あ、えーと・・・すみません」
適当に笑顔をつくろって謝る。
「まぁ、いい。体調は崩さないようにしておけよ、学校の期待も大きいんだからな」
教師はふぅとため息をつき、出席の続きを取り始めたようだ。
ほっと息をつくと後ろからツンツンとペンでつつかれる。
「ミナト君は今日もアレに没頭してきたのかな?」
振り向くとやけにニヤニヤした顔が映っている。
「うん、大分理想通りになってきたかな、今度の大会には間に合いそうだよ」
そう聞くと金髪の髪を散らした男は納得したようにうなずく。
「そうかそうか、いよいよミナト君も公式デビューか、俺にも実力があればなー」
「ガズも頑張れば出来るよ、きっと」
「俺は出来ても数年後だろうな、大人に混じっては出来ねえよ」
腕を組み、ふうっ、と息をつき、ガズの顔がそこに沈む。
「当たり前でしょ、ミナトは特別なんだから」
「はいはい、いちいちジェンに言われなくても自覚してるよ。ミナト君は特別ですからね」
隣から割り込むようにジェンが会話に入ってくる。うっすらと茶色い髪がサラリと肩まで伸びており、それに包まれた小さい顔から凛々とした大きい瞳がいたずらげに光る。
ガズは対照的に毒つくような生気の無い顔になっている。
「ジェン、そこまで言わなくても・・・ガズが実力あるのは本当だよ」
姿勢をジェンの方に向け、ミナトが確かめるようにジェンを見る。
だが、ジェンはいたずらな様子のままであった。
「ミナトがそういうこと軽軽しく言うと、本気にしちゃう馬鹿がドンドン出てくるわよ」
「馬鹿って俺の事か・・・」
うるうるとガズが表情を哀しいものにしている。
「あ、もう授業始まるよ」
ころっと表情を変えたジェンがそう言うと、教師は既に黒板にチョークを走らせていた。
今の授業の内容は聞かずとも分かっている。
だからというわけでもなく、ミナトはいつものように寝ている。
ラクス・クライン。世界を平和な形へと導いた偉大なる指導者。
キラ・ヤマト。歴代で最強とされるコーディネーター、その力は単体で一国の軍事力すら凌駕するものであったと史実には記されている。
世界は彼らを台頭として平和になった。
と、いうよりも世界は綺麗に統一された。
コーディネータと地球人はそれぞれが独立して暮らす国、そして共存して暮らす国、この大別して3国の形で暮らしている。もう少し付け足すと、宗教により分けられている国もある。そこはもはやコーディネーターや地球人の区別もないもう一つの共存の形である。
そして、その中でも最も大国であるオーブ。
ここではコーディネーターと地球人が共存する形の国で、唯一軍事力を許されている。
かつて、旧ザフト軍、デュランダル議長による、コーディネーター全体の方針、デスティニープランに対して、たった2機の戦艦と数機の機体で阻止した彼ら。
ラクス・クラインはその後に表立って活動を行い、そのカリスマ性で世界各国の軍事力を無くした。そしてただ一国、オーブにのみ不穏な動きに対し鎮圧出来るようにと軍事力の所持を認めさせた。
最初は大きな反対もあったが、世界が平和なまま循環するようになると、段々と軍事力への非難は減り、その非難の関心はより人類が生存を快適にしていくためのものへと向けられた。
ただ、専門家の中には、それらは真なる平和では無いと説く者もいるようだ。しかしながら、そういった主張をすることが許されている事も平和の事実に入るのかもしれない。
以上が大まかな連邦とザフトによる戦争の歴史であり、それ以降、それに匹敵する規模の戦争はどこでも起こっていない。
それはこのナチュラルのみが住む国、ガストも同様である。
ミナトの知ることはそれくらいであり、またそれ以上の関心もない。
それに彼の関心は全く違うことにある。それに比べれば、歴史などはどうでもいいことであった。
- 113 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/23(水) 01:38:08
- 放課後、ミナトは帰りのHRが終わるなり、すぐに教室を飛び出していた。
駐車場へと向かい、バイクにとまたがると、後ろからガズとジェンが来ていた。
「ったく、ミナト君はアレになると行動が早いっつうの」
ガズもメットを着け、同様にバイクにまたがる。
「じゃ、今日もよろしくね、ミナト」
そう言うと、ジェンはミナトのバイクの後ろに横向きに座る。さすがにまたがりはしないようだ。
「うん、じゃあ気をつけてね」
そう言い、黒く無造作に散った髪をメットで上から強引に押し付ける。ミナトの穏やかな目つきは急に鋭利な刃物のようにシャープになる。
「よっしゃぁぁ、飛ばすぜ!しっかり捕まっていろよジェン!!」
急に口調が変わり、アクセルを全開に回す。
「――――――――っ!」
ジェンは何かを叫んでいるようだったがよく聞こえない。茶色の整った髪が綺麗にたなびいている。ミナトはひたすらに自分の家へと急ぐべく最速、最短の道を選んでいた。
「いつもいつも乗り物の上じゃ元気な事で・・・。ったく、少しは待ってくれても良いとは思うぜ、俺は」
ガズは一人毒づき、ミナトのはるか後ろをなぞるように走っていた。
「あ、ガズ。今日は大分遅かったわね」
「あんだけ離されると追いつく気も失せるってもんだ。そ、れ、に、途中で差し入れ買ってきてたのよ、ほらっ」
ガサッと地面に袋が広がるとそこにはパンと飲み物が入っていた。
「ガズは相変わらず気だけはきくわね」
メットを外し、無造作に跳ねた金色の髪を手で描きたてると呆れるようにガズは声を出す。
「素直にありがとうくらい言えないのか、お前は」
そうジェンに言い放ち、ガズはミナトへと近づく。
「あ、ガズ。ちょうど良かった。ちょっとここ持っていてくれない?」
大きな人型の機械の中から声が聞こえるとニュッと手が伸びてきた。そこには伸縮性のあるチューブのようなものが握られている。
「ああ、いいけど、もう調整って終わったんじゃないのか」
ミナトの持っていたチューブを受け持ち、工具箱をいじりまわすミナトに声をかける。
「んー、もう少しエネルギーのバランサーを細かくしたくてさ。動きは良くても長時間になったときを考えるともう少し平均化したくてね」
「ふーん、まぁ、大会の種目内容は毎年ランダムだからな、念には念をってか」
「うん。相手に大人もいるからね。ジュニアの時みたいな曖昧な調整は少しでも無くさないと・・・」
ミナトはカチャカチャと機械をいじっている。
「今までので、曖昧な調整だったの、お前」
「それだけあんたが曖昧なんでしょー」
横からジェンが寄ってくる。手にはしっかりと食いかけのパンが握られていた。
「・・・まぁ俺が曖昧ってことは否定しないけど。んー、一応言っておくと、そもそもこんなFMM(ファイティングモビルマシーン)の細かいカスタマイズ出きるのは専門の技師くらいなもんだから俺は出来なくてもいいの」
「そうだったの?あんま詳しい事は知らないわよ、私、パイロット学生じゃないから」
もぐもぐとパンを食べる音が少しウザったい。
「えっとな・・・俺達みたいな学生パイロットは基本的な市販のパーツの付け替えするだけで十分なの、基本は操縦なんだから。その点に関しては俺は、この年齢にしては優秀なほうなの、分かる?」
ジェンはよく聞いてないようだったが、無視するようにガズは話を続ける。
「ところがどっこい、我らがミナト君は操縦だけじゃなくてカスタマイズも出きる。それもプロ並にだ。本来、プロのカスタマイズなんて、個人レベルじゃとても払えきれない費用が必要なんだけどな。ま、言うなれば、文武両道ってとこだ。少し違う気もするけどな」
ガズが流暢に話すが、気にする様子も無く、ミナトは淡々と機械の作業に集中している。
「ふーん」
ジェンは特に興味も無くなったらしく、ミナトをじっと見ている。
「FMMに乗ってる時は凄いって思うんだけど・・・こういう作業じゃあたしにはよく分かんないかな」
「ま、とにかく、ミナト君は歴代最年少だけれども、大人のFMM乗りにも引けは取らないってこと。それどころか、一流のプロも喰うかもしれん逸材だからね」
ふっと息を漏らし、ミナトが立ち上がる。
「ありがとう、ガズ。もういいよ」
「お、もういいのか」
すっと手に持っていたケーブルを離すと、シュルシュルと中に巻き込まれる。
「後は毎日慣らしていって、1週間後に調子をピークにすることかな」
「もう1週間後か・・・お前の夢だったからな、ガスト国のMMチャンプになるのは」
袋の中の飲み物を取り出し、どさっと地面に座る。ゴクッと喉を口潤すと黒い髪をかきあげ、ミナトの眼は人型の機械、FMMをじっと見つめていた。
- 114 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/23(水) 01:38:46
- MM(モビルマシーン)。
大戦後、戦闘用に用いられた技術は、世界の復興、発展の為へと向けられた。その時にそういった人間の生活を支えていける人型高度機械を総称してMMと言うようになった。
しかし、大体の復興のようなものが終わると、その高度な技術は暇を持て余すことになった。そんな中で、MMの技術の結晶をぶつけあう競技が始まった。
それがFMM(ファイティングモビルマシ―ン)である。
内容は簡単に言うと、色々な条件のもとに階級を設け、その上で、半ば戦闘用だがあくまで種目用のMMを使って対戦をするというものである。
その発祥の地こそが、ここガストである。
正確にはガスト内の大型企業NIL(ニル)社が火付け役となっており、長らく平和に浸かっていた人々はこれに燃えた。
パイロットのテクニック、肉体能力、機械の設計、カスタマイズなど様々な要素が必要となるこのFMMは人々の心を魅了したのだ。
そしてそれはガストだけで留まらず、世界へと広まり流行した。結果、4年に一回、世界規模での大会も開かれる事となる。この世界最強のFMM乗りには歴代の最強の戦士、キラ・ヤマトを冠した称号、FREEDOMが与えられる。
ただ、悲しい事に、ガストは発祥の地でありながらナチュラルのみの国であり、他国のコーディネーターに勝てないジレンマに陥る。
さらに世界最高にして唯一軍事力を許された大国オーブは圧倒的な力を誇った。
周辺の国々は毎回の大会で打倒オーブを目標に頑張っていた。
大会に優勝すると、次の大会の開催地がその優勝国になり、その大会の間の経済的効果は数国の国家予算にも跳ね上がると言う。さらに、FREEDOMの称号を得た者は英雄として世界で最も尊敬される存在となる。いわば国家の名誉がかかるほどのものとなったのだ。
ミナト・アークもまた英雄を目指さんとする一人の若者であった。
その為の大きな一歩である、ガスト国内最高の大会、FOG(ファイティングオブガスト)にかける意気込みは物凄いものとなっており、日々高まる昂揚感を抑えるのに困難していた。
(後・・・3日)
ごろんとベッドで寝返りを打ち、眼を瞑るが一向に眠気は訪れず、身体中に熱いものが漲っているのをミナトは感じていた。
- 115 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/24(木) 09:46:33
- G+W+Xを足して3で割ったような感じだな
まだおもろいorつまんねの判断はできないんで続きヨロ
- 116 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/24(木) 09:51:17
- >G+W+Xを足して
アホ丸出し俺OTL
ごめんねこんなやつが勝手に批評して
- 117 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/25(金) 11:57:58
- 結構面白いと思ってる俺ガイル
そのまま頑張ってくれ
- 118 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/27(日) 14:50:11
- 一週間に一回は更新できるよう頑張ります。
- 119 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/01(木) 23:49:11
- 「・・・ナト、朝よー。起きたら下に来なさい」
あやふやな意識の中、階下からの声に目を覚まされる。
気だるげな身体を引き起こし、頭をぼさぼさと掻き、肌着を脱ぐ。ベッドで温まった肌が外気との温度差にびくっと震える。一時の寒さを堪え、寝る前に用意しておいたベッドの淵に置いてある黒いシャツを急いで着る。胸元までかけてある毛布を剥ぎ取り、ベッドから降りる。地面はひんやりと足に冷たさを伝える。
窓の前に立ち勢いよくカーテンを開けるとあまりの眩しさに一瞬目がくらむ。が、すぐに明るさに慣れると窓の近くに吊るしてあるハンガーからジャケットとGパンを取り、身につける。服はタイトで眠たげな身体にビシリと姿勢を強要する。ぐっと全身を伸ばすと身体のほうも服にしっくりと馴染む。
「朝飯、朝飯、と」
部屋をぐるりと一望してからミナトは一階のリビングへと向かった。
比較的、ミナトは朝に強い方である。
一階へ降りると既に朝食が用意してあった。ミナトの母、ジジェは朝食を作り終えてからミナトを起こす、それは昔から変わらない。それをよく知っているミナトは自然と朝に強い体質となっていた。
「あ、母さん、今日はちょっと学校休むから」
焼きたてのパンをサクリとかじり、思い出したようにジジェに声をかける。ジジェは台所でまだ作業をしているようだった。ミナトからは後ろ姿だけで、顔は見えなく、ウェーブがかった長く黒い髪をゴムのようなものでまとめているのが見えた。毎朝の光景である。
「あらそう」
ジジェはこちらを振り向く事もなく、あっさりと返事した。
「うん、大会ももう明後日だから今日と明日でFMMによく馴染んでおきたいんだ」
一応、理由をちゃんと説明するが、元々気にしていないのか返事はまたもさっぱりしていた。
「別に良いわよ、学校の方にも是非そうしてくれって随分前から言われてたし」
ミナトの母であるジジェの教育方針はどちらかといえば放任主義な風潮があり、あまりミナトに口やかましい事は言わない。
おそらく学校には1ヶ月以上前からそういうことを言われていたはずである。ミナト自身が1ヶ月前には直接学校にそう言われていたのである。親にそういう連絡がいかないわけもないだろう。だが、ジジェはミナトからそういう話が振られない以上は自分から息子へ休むように言ったりはしない。そういう性格なのだ。
「晩飯までには帰ってきなさいね」
「うん、ボーグ海岸の方で適当に動いてくるだけだから」
ただジジェはうるさくはないものの、心配性な節もあり、ミナトはそういったジジェの性格を分かる歳になってからは行き先などの連絡を欠かさないようになった。
ミナトは何とはなしに返事をしたが、内心では気をつけようが無いだろと突っ込みをいれていた。
- 120 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/01(木) 23:50:06
- 用件も伝え終えて、空気が静かになると、思い出したようにミナトはテレビをつけた。毎朝ニュースを見るのがミナトのちょっとした日課になっている。
それにこの番組のアナウンサー、リーネは少し可愛く、密かに気に入っていたりもした。
ただ、こういった話をするとガズは喜ぶがジェンが酷く不機嫌になるためにリーネの話題はミナトの心の内だけのことであった。
じーっと報道を見ていると、ジジェが台所の用事を済ませたらしく、ミナトの前に座った。テーブルには新しくサラダが置かれている。
「そういえば昨日の晩に脱獄があったみたいよ」
「脱獄?」
話を振られるが、内容があまり聞きなれないもので思わず反すうしてしまった。
「多分今流れてくると思うけど」
そうジジェがそう言った矢先にテレビに映っているリーネは脱獄の事件について説明を始めていた。どうやら、無期懲役囚が警備員数名を殺しつつ逃走したというものだ。
あらかた説明が済むと、何やら専門家やら評論家やらがたくさんテレビに映りだした。だが、大事になるのは仕方のないことではあった。
「よく脱獄できたね」
「ちょっと恐いわね、まあ、ここは刑務所から大分離れているから大丈夫だろうけど」
ジジェの顔は何やら少しこわばった感じでもあった。
「仮に脱獄したならもう国内に残ってないでしょ、多分相当計画されてたんじゃないかな?もうとっくに海外だよ」
そう言うミナトの発言には一応の裏づけがあった。
ガスト国はFMMでも有名だが、世界有数のセキュリティを誇る刑務所があることでも有名であった。FMM乗りというのは時にしてひどく犯罪に関わっている場合が多かったりもする。それは近年FMM問題の大きな要因となっているのだが、特にガスト国は発祥というだけあり、根強い悪の脈のようなものがあるらしい。その為にガスト国では自然と取り締まりも厳しくなった。その結果の一つが刑務所である。脱獄などはとても難しいはすなのである。またそこの脱獄ともなれば多少なりとも国の権威に関わる事である。評論家やらが朝っぱらからのさばるのは必然であった。
「ま、一応気をつけてね」
「うん」
ミナトは何とはなしに返事をしたが、内心では気をつけようが無いだろと突っ込みをいれていた。
- 121 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/01(木) 23:51:08
- あ、>>119の最後の一行は間違いです。
- 122 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/01(木) 23:52:31
- 「それじゃ行ってきます」
リビングにいるジジェに聞こえるように大きい声でそう言い、ミナトは家を出た。
天気は良く、清々しい気分になれた。
時間帯を少しずらしたために登校する学生などもいなく、伸び伸びと工場まで歩く。
ミナトの父親、アーレイは既にこの世にいない。そして彼は有名なFMM乗りであった。その為に彼はプライベートで自らの工場を所持しており、彼亡き後はミナトが工場を使用していた。とは言え、アーレイが死んだのはミナトが幼い頃であり、父のことはよく覚えていない。物心つく頃からジジェと二人暮しであり、工場も昔からミナト自身の物であった。
「有名ってもな・・・どんだけ有名だったんだろ」
大会の事等を考える度、自然と同じFMM乗りである父のことを考えることは多かった。
ただ、ジジェや学校の先生などはアーレイを有名なFMM乗りだったと言うが、ミナトはそれ以外のところからアーレイの話を聞いた事はなかった。過去の記録などを見ても父の名は無く、果たしてそれで有名と言えるのだろうか。ただ、わざわざそんな嘘をつく必要もないだろうからおそらく一部の間で有名だったのだろうとミナトは解釈している。
「ま、父さんは父さんで僕は僕だ」
気がつくと既にミナトは工場についていた。元々家からは近く、距離もない。
工場の入り口にあるモニターにすっと指を当てるとシャッターが豪快な音を立てて開く。少しやかましいが、特に苦情もないのでミナトは治そうとはしなかった。
中へ入ると油や金属の匂いが充満している。ミナトはこの匂いがとても好きであった。そして再度、自動的に閉まるシャッターのやかましい音も好きであった。
「さーてと、昨日の調整でどれだけ効果があったかな」
学校には随分前から来なくても良いとは言われていた。恐らく最年少のミナトが結果を残せばそれがそのままミナトの通っている学校、スカナスクールの評価に繋がるからであろう。FMM関連の学校は多数ある。もしもミナトが結果を残せばスカナの来年度の入学者は増えるであろう。そういうことなのである。
ミナトは別にそれが気に入らなかったわけではなかった。それにFMMをずっと調整していられるというのも悪い話では無いと思っていた。
ただ、まだ16である。学校という環境が嫌いではなくむしろ好きであり、そこまで根詰めなくてもFMMの方は大体自分の望むように動けている。むしろ問題は相手がどれくらいかという事を知ることのみだと考えていた。その為に、学校にも通っていた。
だが、大会も2日前になり、やっとかなくてはいけない事が出来た。
「今日明日でセイヴァスを完全にならしとかないとね」
ミナトのFMMの名前がセイヴァスである。意味は無い。父の工場を過去に漁った時に出てきた古い資料の中に書いてあった文字、セイヴァス。なんとなく気に入ったのでそのまま使っているだけだ。
セイヴァスの足の部分にあるハッチを開き、中にあるスイッチを押すと、胸部からリフトが降りて来る。ハッチを閉じてリフトに乗ると数秒後にリフトがそのままコックピットへと移動する。段差を登り、椅子に座ると、ミナトは両脇に伸びたキーボードのような入力機械を手前に持ってくる。
カタカタとデータを打ち込むとコックピット内部の壁に外部の映像が360度映る。
「さーて、行くぜセイヴァス!」
上を見やると天井が開き、青い空が綺麗に広がっている。
ぐっと身体に負担がかかると次の瞬間には辺りに白い雲が漂っていた。
椅子の下の方を見やるとこまごまとした綺麗な町並みが見え、その中に先ほどまでいた工場の天井が閉まっていくのを確認する。
辺りの雲を再度一望するとミナトは足元のペダルを踏み、ボーグ海岸へと向かった。
- 123 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/01(木) 23:53:57
- 「あー疲れたぁ」
両腕をあげて、ぐっと身体を伸ばす。そして席を立ち、もう一度同じ事をする。
「今日は結局ミナト来なかったなー」
ジェンが少しつまらなそうにして呟く。
「しょうがないだろ、もう2日前だぜ?これまで普通に来ていたのがそもそもありえない話だよな」
ガズとジェンが話しているうちに教室も段々と騒がしくなってくる。中には颯爽と帰っているものもいるようだった。
「言われてみればたしかにそうかもね。ガズなんて資格試験の時になると意味も無く2週間くらい前から休むし」
がくっ、とガズの肩が落ちる。
「意味も無くって・・・それだけFMMに馴染むには時間がかかるんだよ」
どさっと机の上に座り、ジェンを見る。うっすらと茶色い髪は額で綺麗に分けられており、顔に凛々と映る可愛らしい瞳がより際立つ。
「馴染むっていっても、要は動かせるかどうかでしょ?何の為に普段から授業受けてるのよ、操縦なんて数日くらいで馴染みなさいよ」
いつものことながら顔からはとても想像できない毒々しい口調であった。
「無茶苦茶いうなよ・・・FMMを動かすことはそりゃ俺にだって簡単だ。ただ、その動きのバリエーションや正確さ、速度とかその他色々。馴染むっていうのはそういうことをより追求していくってことだ。」
「うん」
返事は良いがジェンはよく分かっていないようだった。これもいつもながらではあった。
「そしてだ。FMMの公式に出るような力になれるのはライセンスのSクラスを取得してからになるんだが、このSクラスを受かるには最低でも半年はFMMに付きっ切りにならないといけない。大体の学生はこれを卒業してから受けていく。というより受からない。Sの試験内容は総合的なものの経験だから、学校では面倒見切れないってとこもあるんだろうな。学校はSの前のAを取れば卒業は出来てしまう。だからこそプロっていうのは、大人ばかりなんだ。」
「じゃあさ、ミナトってば2日なんかで大会は大丈夫なの?」
「そこがあいつの神がかったところだ。あいつは在学中に、しかも今回みたく2日前に慣らし始めただけでSに合格するほど飛びぬけた技術を持ってるわけだ。ちなみに俺は2週間以上前から馴染ませてBランクに不合格・・・」
「ふーん。ま、ミナトと違って才能が無いんだからしょうがないじゃない」
ケラケラと笑うジェンにすかさずガズは突っ込む。
「あのなぁ、16でCランク取れてるのも十分凄いの!大体学校の卒業平均年齢が23だぞ。俺には後7年ある。その間にSだって取れるさ」
「うん、頑張ってね」
やけににっこりと可愛らしい声が発せられる。
「・・・お前、微塵もそう思ってないだろ」
「うん」
再びがくっ、と肩が落ちる。
「・・・とにかく、ミナトは別格中の別格ってことだ。既にガストの歴史に名を残してるくらいだからな。今度の大会次第じゃ英雄にもなれるかもしれん」
「英雄って、英雄ガドルみたいな?」
「うむ、近い将来なるかもしれん」
「やっぱミナトはあたしの見込んだだけあるわね」
「たしかにお前に見込まれるだけでも歴史に残るようなもんだからな」
ぎゅっと尻に激痛が走る。
「帰りにでもミナトの家寄ってみようか?」
「お、お前・・・渾身の力込めて平然と会話するなよな」
「あら?もう少し力入れて欲しかったの?」
すかさず手を捻りあげる。
「ぎゃああああああああ」
思わず悲鳴が出てしまう。教室の学生達が一挙にこちらを見るが、その声の主を見るなりすぐに興味を無くしたように元の姿勢へと戻っていく。
「とりあえず、私はミナトの家寄ってみるから。あんたも来るなら差し入れ買ってから来なさいよ」
そう言い残しジェンはスタスタと教室を去っていった。
「・・・なんでこの学校は科目が違う生徒を同じクラスにするかな」
ジェンは医療専攻、ガズとミナトはFMM専攻。だが、この技術専門学校スカナスクールは通常の学校で学ぶ単位も卒業に必要な条件としており、その必修クラスは専攻内容を問わずぐちゃぐちゃに編成しているのだった。
突然、ぽんっと肩を叩かれる。ガズが振り返るとそこには青い髪の男が立っていた。
「あいつとまともに会話できてるだけでも十分お前も凄いぞ」
「おお、分かってくれるか、ヒュイ」
このヒュイも医療専攻の学生なのだが、最近少し話したところ、専攻のクラスの方ではミナトなどの雨避けが無いためにガズ以上の扱いを受けているらしく、ガズとヒュイには謎の友情が芽生えていたのだった。
- 124 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/01(木) 23:55:40
- これ完結まで結構長くなりそうだけど・・・大丈夫?
- 125 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/02(金) 18:45:33
- 問題ない。面白いからがんばれ
ところで名前はMSからもじってる?
ディジェとかリ・ガズィとか
- 126 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/08(木) 22:54:56
- そう言われると嬉しいから頑張ってみます。
明日には続き貼れるようにしよう。
もう一個の小説スレみたいの見たら酷く叩かれてるの見て
少しこえーと思った(´・ω・`)
- 127 名前: akira 投稿日: 2005/12/15(木) 11:42:13
- 契━━(漓㞍)━━!!!
http://noma−neko.com
こんなサイトがあったなんて
『のまねこどっとこむ』
ブラックメールだよ。
相手が回答してきた時にはテンションぶちアゲだyo
- 128 名前: akira 投稿日: 2005/12/15(木) 12:04:29
- 契━━(漓㞍)━━!!!
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こんなサイトがあったなんて
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相手が回答してきた時にはテンションぶちアゲだyo
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