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あんこさんと一緒!
1 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 13:56
※注意

このスレは最近馬鹿みたいに増えてきた有名人とお話系スレではありません

2 名前: 1 投稿日: 2005/01/01(土) 13:57
ではどうぞ



ここは都内のとある病院。年末な上、外では雪が降っており院内には寂しげな雰囲気があった。

ピッピッピ

規則正しく動く医療用の機械。ドラマとかで見たままの形である。

その隣のベッドの上には端正な顔立ちの男が酸素マスクを付けたまま静かに横たわっていた。

「みずぴー…」

腰に変なベルトを巻き、大きな紙袋を手に下げた男が声をかける。

彼の名は健太郎。現存する数少ない仮面ライダーの一人で、彼がみずぴーと呼んだ男とは兄弟同然に育てられた。

「俺は行くよ」

「お前の仇を討ちに、あいつのところへ」

そう言って男は紙袋を椅子の上に置き静かに病室を出て行った。



ちなみに紙袋から覗いたその中身は何やらアニメのキャラクターの様な物が描いてある薄っぺらい大量の本だった。

3 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 13:58
やばいわらた

4 名前: 1 投稿日: 2005/01/01(土) 18:33
秋葉セガ━━━秋葉勢にとってのホームゲーセンとも言うべき店。そこに珍しい二人組が来ていた。

「あんこさんやんないの?」

「…あっ、いいです見てるだけで」

うわの空の男はあんこさんという。立川勢の心のオアシスとも言うべき癒し系高校生である。
もう一人の男はlocky。立川勢の影の支配者でGGXXというゲームでは全国屈指の腕前である。

「あんこさんさっきからずっとボーッとしてるよね。昨日の祭りで疲れてるのかな?」

ニヤニヤと笑みを浮かべながら対戦台に座りゲームを始めるlocky。

「そういうわけでもないんですけどね…」

あんこさんはダッフルコートのポケットに両手を突っ込みモゾモゾと動かしている。

ちなみに祭りとはコミケのことである。夢と情熱と欲望が混在する祭り、コミケット。

あんこさんは昨日まで秋葉勢の友人とともにコミケに参加していたのだった。



はぁはぁはぁ…

一方別の場所で雪の中を走り続ける男がいた。

(あいつはあそこにいるはずだ)

(久しぶりに来るって言ってたからな…)

[ようこそ秋葉原へ]と書かれたアーケードをくぐり男は走るのをやめた。

「着いた…」

そして確かな足取りで健太郎は秋葉セガへ向け歩き出したのであった。

5 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 19:12
けんちゃん文体変えた?

6 名前: 1 投稿日: 2005/01/01(土) 22:47
ふとあんこさんが後ろを見るとそこには健太郎がいた。

(来ましたか)

(意外と早かったなぁ…)

「すいません、ちょっと出てきますね」

「え?あんこさん?」

そう言うやいなやあんこさんは店の裏口へと走り出した。

lockyはポカンと口を空け見送るしか無かった。

(まぁ久しぶりの二桁連勝だし…ほっとくしかないクマー)

そうしてまたゲームに集中することにした。



(裏口…!)

「あんこ!待て!」

健太郎はいきなり店の奥へと駆け出したあんこさんを追う。


━━━

健太郎が店の裏口の戸を開け外に出るとあんこさんがそこに立っていた。

「ここなら誰も来ませんよ」

「あんこ…お前!」

あんこさんと健太郎は狭い路地で向かい合う形で対峙した。

健太郎の拳は硬く握られ顔は怒りに燃えている。

「そんな怖い顔しないでくださいよ^^」

「みずぴーをやったのはお前だな…」

そんな状況でもあんこさんはニヤニヤと冷静そのものであった。

そして、彼の両腕はさっきからずっとダッフルコートのポケットに突っ込まれたままであった。

この狭い路地ではもし健太郎に襲い掛かられたら避けることも防ぐこともできないだろう。


しかし、彼の両腕はダッフルコートのポケットに突っ込まれたままモゾモゾと動いていた。

7 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 22:49
糞スレ死ね

8 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 22:49
糞スレ死ね

9 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 22:49
糞スレ死ね

10 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 22:49
糞スレ死ね

11 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 22:49
糞スレ死ね

12 名前: 1 投稿日: 2005/01/01(土) 23:46
※注意 叩かれても完結するまで書くつもりです

13 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/01(土) 23:59
秋葉セガに裏口なんてないよw

14 名前: 1 投稿日: 2005/01/02(日) 00:01
所詮フィクションってことでどうか

15 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/02(日) 01:01
わろたw
てかlockyさんの日記の隠れファンなんで『クマー』とか最高w

16 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/02(日) 01:23
無ければ作るまで

17 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/02(日) 04:03
裏口って奥にあるエレベーターのことだと思ってた

18 名前: 1 投稿日: 2005/01/02(日) 23:52
「違うって言っても…聞いてくれないんでしょう?」

あんこさんは健太郎を挑発する様にニヤニヤと笑みを浮かべる。

「ああ。問答無用って事だ!ヘシン!」

オープンアップ

ベルトをいじると健太郎は一瞬でライダーへと変身した。

「変身までしちゃいますか^^;怖いなぁ」

「行くぞ!」

あんこさんへと疾走する健太郎。二人の距離は20mといったところ。
ライダー状態の健太郎なら一瞬で詰めれる距離である。

その一瞬の間にあんこさんは極めて緩やかな動作で右手をポケットから出し、手首だけを前にスッと差し出した。

キュン!

何かが風を切る音。
そして健太郎の耳の横を何かが通り過ぎた。ライダー状態で高まった動体視力でも捉えきれなかったソレは、

     ・・・・・・・・
健太郎にはシャープペンシルだったように見えた。


その直後、健太郎の背後でコンクリートが崩れるような音が聞こえた。

「…てめぇ」

「あは、外しちゃいました」

とても人外の者を相手にしているとは思えない爽やかな笑顔であんこさんは言った。

「でも…次は頭をぶち抜きますね」

そう言って左手もコートから出すあんこさん。
その左手に握られていたのはマイナスドライバー。

「何だ今のは…」

「なんでしょうねぇ」

殺気立った健太郎に対しあんこさんは笑顔で応えた。

━━━━

「何だ今のは…」

「なんでしょうねぇ」

あくまでも笑顔を崩さないあんこさんに対し、健太郎は動くことが出来ずにいた。
今までライダーとして数々の化け物を闇に葬ってきた健太郎であったが、
今のあんこさんに対し健太郎は今まで倒してきたどの化け物よりも恐怖を感じた。

(今の攻撃…みずぴーをやったのはこいつで間違いない)

健太郎は確信した。健太郎は百戦錬磨のライダーである。しかし水科と言う男はその健太郎の遥か上の存在だった。
初めて勝負を仕掛けた時から数百戦、健太郎は一度も水科に勝った事がないのである。
その水科に瀕死の重傷を負わせられる存在がいることなど健太郎は想像したことも無かった。

(何であんこが…いや、そんなことより)

(勝てるのか?俺は…)



健太郎は正直ビビッていた

19 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/04(火) 14:08
そこで大将軍登場

20 名前: 1 投稿日: 2005/01/04(火) 19:56
雪が降りしきる年末の秋葉原

年末セールで電機製品を買い込む者もいれば休みの暇を潰す為のエロゲーを買いに走る者もいた。
そんな秋葉原の路地裏では二人の男が対峙していた。

ゴクッ

自分が唾を飲み込む音が聞こえる。
さっきから足はガタガタと震え、冷や汗が止まらない。

初めてライダーとして化け物と闘った時以上の恐怖。

(これはもうだめかもわからんね)

健太郎は動けずにいた。

━━━

目の前の仮面ライダーが殺気を放っていてもあんこさんは冷静だった。

(すぐに仕掛けてこないって事は落ち着いてるってことなのかな?)

(それともビビッてるのかな?あの健太郎さんが、僕に…)

あんこさんは思わず笑い出しそうになるのを堪える。
軽蔑、憧れ、畏怖、嫉妬、あんこさんがかつて健太郎に抱いていた様々な感情が揺れる。

・・・

「俺って仮面ライダーなんだよねw」

かつて健太郎はあんこさんにそう言って変身してみせた。
その時あんこさんは心底感動した。ただのゲーマーだと思っていた男は人外の力を持っていた事に。
それから軽蔑は憧れに、憧れは畏怖に、畏怖はやがて嫉妬に。

何故、何故自分はただの人間なんだろう?

あんこさんは健太郎に会うたびにそう考えた。

そんな日々がしばらく続いた。

ある冬の寒い日にあんこさんはひょんな事から力を手に入れた。
ようやくただの人間であることから外れる事ができた。
初めて力を行使した時、あんこさんは心底感動した。

ようやくただの人間ではなくなった自分に

そしてあんこさんは健太郎の前に立つ。

・・・

(健太郎さんが動いた瞬間撃とう)

あんこさんがマイナスドライバーを握るその手は少し汗ばんで震えていた。

━━━

(みずぴー…)

病院で眠っている男の事を思い出す。


『やっぱり健太郎は 馬 鹿 だ な 』

『闘わなければ生き残れない!』

『リリカルまじかるっ☆』


すると体の震えと冷や汗が止まった。

(行くぞ…)

「行くぞ!あんこ!」

21 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/04(火) 20:21
こ…これはっ…?(汗)

22 名前: 1 投稿日: 2005/01/04(火) 20:28
ニヤ

23 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/04(火) 20:37
いやいや、そこなお方!w
ニヤ じゃないですよ、ニヤ じゃ(汗)

24 名前: 1 投稿日: 2005/01/04(火) 20:41
フ ィ ク シ ョ ン っ て こ と で ど う か

25 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/04(火) 20:44
一部ノンフィクションストーリー

26 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/04(火) 20:47
バカな…w
僕は殺人鬼なんかじゃありませんよ〜(>_<)

健太朗さんとガチった瞬間に死にますもん…

27 名前: 1 投稿日: 2005/01/04(火) 20:52
あんこさんの目的とかそこらへんは後々書くので気長に待っていただければ幸い

28 名前: 名無しカミーユ (tuOuorex) 投稿日: 2005/01/04(火) 21:15
 γ∧\ヽ)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ゝゝ゚ー゚ν <良スレageですよ^^
  「 ̄▼lつ  \_______
  U   l
   l⊃⊃

29 名前: 1 投稿日: 2005/01/04(火) 21:26
健太郎が声を上げる瞬間、
健太郎の右大腿二等筋に力が加わったのに反応しあんこさんは左手を下から掬い上げるように振りかぶった

(さよなら!)

キャ!

先の風切り音よりもさらに鋭い音。
あんこさんが放ったマイナスドライバーは一直線に健太郎の顔へと向かった。

━━━

「行くぞ!あんこ!」

地面を蹴りあんこさんへと駆ける健太郎。
前に跳躍しつつ全神経を研ぎ澄ましあんこさんの左手に集中する。

キャ!

(来た…って速い!)

慌てて両腕で顔をガードしようとする。

(間に合わ…)



「ぎゃおぉ!」

健太郎が死を覚悟した瞬間、何故か普段よく聞いていた声が聞こえた気がした
━━━

あんこさんが放ったマイナスドライバーは健太郎の頭を貫くことはなかった。
突如健太郎とあんこさんの間に現れた男に触れる直前、マイナスドライバーは物理法則では有り得ない動きで地面へ落ちたのだ。

「それがお前の<スキル>か?あんこ」

突然出現した男はあんこさんを見上げながら言った。

「えぇ…何か塩澤さんの<スキル>も凄そうですね^^;」

さっきまでの笑顔から一変し苦虫を噛み潰したような顔で呟くあんこさん。

「し、塩澤さん?」

突如目の前に現れた男、塩澤に驚く健太郎。


「よう」

場違いな程穏やかに返事をする塩澤。彼は普段から周りの事など気にしないのであった。

30 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/04(火) 22:07
塩澤カコイイ

31 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/04(火) 22:19
ぎゃあー…塩さん…

32 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/07(金) 22:24
何気に続きが気になりますヨ(・∀・)

33 名前: 1 投稿日: 2005/01/07(金) 23:47
今は話の整理中なんで明日の夜中にニ、三回更新ですよ(・∀・)

34 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/07(金) 23:49
1000まで続けないと駄目だよ

35 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/07(金) 23:49
(’A`)

36 名前: 1 投稿日: 2005/01/08(土) 00:22
1000まで話続けられるかな…

37 名前: 1 投稿日: 2005/01/09(日) 01:09
あんこさんは突然現れた塩澤に驚きを隠せずにいた。

(何処から出てきたんだ…突然出てくるなんてありえない)

あんこさんの驚きも無理はない。
何故ならここは細い路地裏で、あんこさんの後ろはビルの壁で囲まれているのである。
つまり塩澤は、あんこさんの視界から現れたはずなのに、あんこさんには見えなかった。

(おまけに僕の<高速>が直撃したはずなのにドライバーは地面に落ちた)

(分からないことが多すぎるなぁ…)

━━━

(助かった…)

心底ホッとする健太郎。

「な、何で塩澤さんが?」

そして当然の疑問を口にする。

「lockyに聞いたら裏口だって言ってたからな」

健太郎が聞きたいのはそんなことではなかった。彼はいつもこんな感じである。

「いや、そうじゃなくて…」

そう、彼が聞きたいのは
どうやっていきなり現れたのか?とか、なんでアレが直撃したはずなのに生きてるの?といった事である。

「なぁ、あんこ」

「…何ですか?」

塩澤は健太郎を無視しあんこさんに話しかける。
あんこさんはまた涼しげな顔に戻り、それに応えた。

「お前の<スキル>も結構なもんのようだが、俺の<スキル>を相手にするには役不足だ」

「…」

あんこさんは塩澤の言った言葉に息を呑んだ。それを確認し塩澤は話を続ける。

「お前は俺の<スキル>が何だか分かってない。もっと言うなら俺が見た感じお前の<スキル>は俺のに対して相性が悪い」

「それで?」

塩澤の次の言葉を聞いたあんこさんは再び普段の彼からは想像のつかない苦々しい表情になっていた。

「ここは一旦引いた方がお前のためだと思うぞ」

「それで、僕が、大人しく引くと思いますか?」

「引かねーんならお前はここでしばらく眠ってもらうことになる」

「それが塩澤さんにできますか?」

「ああできる。冬の屋外で寝るのは寒いぜ?俺と軍ちゃんでも毛布が必要なくらいだからな」

挑発するように言ったあんこさんに対し塩澤は確かに断言し、冗談を加えて応える。

「「…」」

そして少しの沈黙。

「なら…やってみせてくださいよ!」

あんこさんが声を張り上げた瞬間、塩澤に向かって無数の何かが撃ち出された。

38 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/09(日) 01:10
この野郎!糞スレはsage進行だって何回言やぁわかるんだ!空気嫁!

39 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/09(日) 02:54
>>38
クソはてめーだよ

40 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/11(火) 12:47
…面白くなってきましたね(・∀・)

41 名前: 1 投稿日: 2005/01/11(火) 20:37
健太郎に対していた時のような腕を振る動作は一切なく、あんこさんはポケットからそれらを出しただけ。

ジャッ!

シャープペンシル、ボールペン、カッター、錐、プラスドライバー。
日常生活で見慣れたそれら全てがありえない速度で塩澤へと向かう。

(これなら…!)

いくら謎の<スキル>を持つ塩澤でも自分の一斉攻撃は全て防ぐ事はできない。あんこさんはそう考えた。

「ふぅ」

しかし塩澤は自分へと向かってくるそれらを一瞥し、ため息をついただけ。
たったそれだけであんこさんが放った全ての武器はさっきと同じ動きで地面に落ちていた。

「なっ…」

「所詮お前の<スキル>はこんなもんだろ?」

自分の攻撃が全て無効化された事に驚きを隠せないあんこさんに塩澤は言い放つ。

「お前はハズレ引いたってわけだよ。そんで俺のは当たり。分かりやすいだろ?」

「…」

「じゃあ俺の番だ」

塩澤がそう言ってすぐ隣の壁に触れた瞬間、塩澤の姿があんこさんの視界から消えた。

「え?」

あんこさんには何が起こったか全く理解できなかった。何処だ?と辺りを見渡した直後に背中を強烈に打ちつけられた。

「げほっ」

咳き込んでよろめきながら後ろを振り返ると、そこには塩澤が上段蹴りを放ったままの姿勢で立っていた。
余裕の表情の塩澤とは対照的にあんこさんの顔には焦りがあった。
さっきまで健太郎の相手をしていた時とは何もかもが違いすぎる。

(姿を消せる<スキル>?…いや、それなら僕の<高速>は防げない)

「俺の<スキル>が何か分からないって顔だな」

「はぁ…はぁ…」

「教えてやるつもりはねぇよ」

そして再び塩澤の姿が消えた。

「仕舞いだ」

何処からか塩澤の声が聞こえた瞬間、あんこさんの延髄に衝撃が走った。

「ぐっ…ちくしょ…ぅ」

がくりと地面に膝をついて前のめりに倒れてしまう。
そしてあんこさんの意識は薄れていった。


深々と雪が降る冬の秋葉原の路地裏
あんこさんは負けた

ここが彼の始まり
長い、戦いの始まり

42 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/11(火) 20:42
>>1
GJ!

43 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/11(火) 21:46
塩澤さんかっけぇw
ところで1は高瀬さん?

44 名前: 1 投稿日: 2005/01/11(火) 22:38
「あんこさ〜ん。あんこさん何処クマー?」

秋葉セガの裏口から出てきた男は誰かをを捜しているようである。
彼の名はlocky。立川勢の影の支配者でGGXXというゲームでは全国屈指の腕前である。

「あんこs…何こんな路地裏で寝てるんですか!」

路地裏で倒れている青年に駆け寄り抱え起こす。
どうやら彼の意識はないようである。
慌てて彼の体を揺らすlocky。

「ちょ、洒落にならないよ!あんこさんってば!」

「…ぅぁ」

青年の意識が戻り小さな声を上げる。
路地裏に倒れていた青年の名はあんこさん。
ひょんなことから<スキル>と呼ばれる力を手に入れ、自分以外の<スキル>を持った人物との戦闘に敗れてしまったのである。

「うぅ…lockyさんですか」

「だ、大丈夫かクマー?」

どうでもいいがlockyには興奮すると語尾にクマーと付ける癖があった。

あんこさんは首筋に手を当てながらフラフラと立ち上がる。
しかしすぐによろめいて倒れそうになったのでlockyは慌てて肩を貸した。

「突然出ていったと思ったら…一体どうしたの?」

「あは…負けちゃいました」

そう言ったあんこさんの頬を涙が伝う。
彼は悔しかったのだ。
特別な力を手に入れても、ちっとも特別な存在になどなれていなかった事が。

そうして静かに泣くあんこさんをlockyは肩を貸して見守ることしかできなかった。

(こうしてると危ないカップルみたいだクマー…)

秋葉原の路地裏で泣く青年。彼こそはこの物語の主人公の一人、癒し系高校生あんこさんである。

45 名前: 1 投稿日: 2005/01/11(火) 22:40
色々な応援レスありがとうです
ちなみに俺は高瀬の雄太さんではありませんのであしからず

46 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/11(火) 22:42
ろきさまが出てるってことはボスさんも出るんだろうか…

47 名前: 1 投稿日: 2005/01/11(火) 23:07

雪の降る夕方の秋葉原を二人の男が歩いている。
小さい方の後ろをもう一人がついていっている格好だ。

「いい加減教えてくださいよ〜塩澤さん」

「しつけぇなお前」

小さい方の男の名は塩澤。様々なゲームのトップクラスの実力者で秋葉原最強の呼び声も高い男である。
さらに<スキル>と呼ばれる不思議な力を使える者の一人であり、今もその力で戦闘をしてきたばかりである。

「<スキル>ってのは一体何なんですか?俺それのせいで死にかけてるんですけど」

「俺が助けてやったからいいじゃねぇか」

塩澤に食い下がる男の名は健太郎。現存する数少ない仮面ライダーの一人で秋葉原屈指のダメ人間でもある。

「みずぴーも瀕死で入院してるし…」

「あ?水科が何でこの話に出てくるんだよ?」

塩澤は後ろを振り返り「頭おかしいんじゃないのこの人…」とでも言いたげな表情で健太郎を見た。
突然振り返った塩澤にビクッとなる健太郎。

「え、みずぴーが入院してるのはあんこのせいじゃ?」

「…水科が入院してるのは過労とインフルエンザのせいだろうが」

「は?」

「大体何であんこが水科襲うんだよ」

健太郎が何を言っているのか分からくなった塩澤はまたスタスタと歩きだしてしまった。
呆然と塩澤を見送り思考を巡らせてみる。

(ちょっと待て俺…)

(そういえば俺は何であんこがみずぴーをやったって…)

(確か…)

・・・

「みずぴーが入院したって!?」

「うん(・∀・)」

「何で!?」

「立川の癒し系高校生に襲われたらしいよ(・∀・)」

「あんこ!?」

「…(・∀・)」

「 許 さ ん 」

「いってらっしゃい(◕ฺ∀◕ฺ)ノシ」

健太郎は久しぶりに行った池袋のゲームセンターで水科が怪我をして入院した、と聞いた。
それを伝えたのは水科の友人で、妙に羽振りの良さそうな男前の男であった。

・・・

(あわわ…)

(俺騙されちゃった?)

健太郎は頭に血が上ると周りが見えなくなってしまうのだった。
そんな困ったさんな仮面ライダー。彼こそはこの物語のもう一人の主人公。初代秋葉のけんちゃんである。

48 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/12(水) 00:10
いい展開ですねこれ

49 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/13(木) 01:39
かっちゃん…騙したなんて酷…い…(>_<)w

しっかし、良くできてる話ですね…面白いなぁ(^_^;)

50 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/13(木) 19:00
age

51 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/18(火) 09:04
あがれ

52 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/20(木) 02:03
…お話の続きが…(>_<)
けんたろうさん的にはもう書く気が失せたから勝手に有効活用しろよって事なんでしょうか…_| ̄|○

53 名前: 1 投稿日: 2005/01/20(木) 21:35
「はっ…くしょん!」

いよいよ雪も本降りになってきた秋葉原を健太郎が歩いている。
雪の降る外で何時間もボーっとしていたせいで健太郎の体は冷え切ってしまっていた。

(とりあえず…)

(あんこに会って話を聞かないとダメだな)

健太郎の中にある様々な疑問

自分が水科を襲った犯人だと思わせ健太郎との勝負に応じたあんこさん、得体の知れない力である<スキル>
それを塩澤も持っていたこと…考えればキリが無かった。

それらをハッキリさせるにはもう一度あんこさんに会って話を聞くのが一番だと健太郎は考えた。

「う〜それにしても寒いな…今からあんこの所に行くのもなぁ…」

ぐ〜

健太郎の腹が情けない声を上げる。

(寒いしお腹も空いたから行くのは明日にしようかな…)

そうして健太郎の足は行きつけのラーメン屋へと向かっていた。
健太郎は面倒くさがりなのだった。


「…イタ」

そんな健太郎は自分を見つめる妖しげな気配になど気づきもしなかった。

54 名前: 1 投稿日: 2005/01/20(木) 21:56
健太郎が秋葉原にあるラーメン屋「じゃんがら」から出てきたのは夜の21時を軽く回った時間であった。

「替え玉二つも頼んだのは間違いだったかな」

腹の辺りをポンポンと叩いて自宅へと歩き始めた健太郎。
雪も止んだようで道路はうっすらと白くなっていた。

(ん?)

[ようこそ秋葉原へ]と書かれたアーケードをくぐった時に妙な違和感を感じて後ろを振り返った。
後ろには誰もいない。
しかし神経を研ぎ澄ますと僅かに視線を感じる。
それは健太郎にとってはずっと昔から感じてきた物に良く似ていた。
ライダーとして化け物と対峙した時の、あの何とも言えない生暖かい空気━━それによく似ていた。

「化け物退治は久しぶりだな」

「出て来いよ、相手になってやる」

そういってベルトに手を当てる。
健太郎は戦闘態勢に入り相手が現れるのを待つ。

ニ、三秒そうしていると30m程先のビルとビルの間から一人の男が現れた。

「ケンチャン…」

「え…健ちゃんか!?」

健太郎は驚きを隠せない。
路地の間から出てきた男、それは健太郎もよく知る人物である。

「ケンチャン…ケンチャン…」

男はうわ言の様に健太郎の名を呼びながらフラフラと健太郎の方へと向かってくる。


彼は柏に住んでいた頃は柏の健ちゃんと呼ばれた男、今は二代目秋葉の健ちゃんと呼ばれている男あった。

55 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/20(木) 22:00
柏の健ちゃんってトップブリーダー?

56 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/20(木) 22:47
この文体は健太郎じゃないよ
水科かゴドーだな

57 名前: ゴドー 投稿日: 2005/01/21(金) 02:18
ちがうね

58 名前: 投稿日: 2005/01/22(土) 00:28
残念ながら俺があんこに「さん」を付けることは無いぞ

59 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/22(土) 17:36
たしかにw

60 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/23(日) 07:47
なにこの良スレ。あぅんこさん頑張ってください。

61 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/23(日) 12:09
あぅんこさん頑張ってください

あ ぅ ん こ さん頑張ってください

62 名前: 黒酢 投稿日: 2005/01/24(月) 09:45
阿吽の呼吸

阿吽呼吸

あうんこ

あぅんこ

あ ぅ ん こ


ですよね?

63 名前: あんこ 投稿日: 2005/01/25(火) 12:43
そ…それは…違うかな…(笑)

ってか、あぅんこって…広まりすぎ…ですよねぇ?_| ̄|○

64 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/28(金) 03:10:58
スキルage

65 名前: 1 投稿日: 2005/01/28(金) 21:27:40
「ケ…ンチャン…」

「健ちゃん?どうし━」

どうした、と声を掛けようとした瞬間、もう一人の健ちゃんは健太郎へと飛び掛ってきた。
健太郎はとっさにボクシングのスウェーの要領で上半身を反らした。

ジャッ

さっきまで健太郎の上半身があった場所を健ちゃんの腕が薙いだ。

「ケンチャン…ケンチャン…」

「…」

異常に充血し真っ赤になった目で健太郎を見つめる健ちゃん。
二人の目が合う。
しかし健太郎はそれに応えなかった。応えることができなかった。



・・・

ライダーとして初めて化け物を倒した健太郎に水科が言ったのは賛辞の言葉や労わりの言葉ではなかった。
それはまだ15歳になったばかりの少年には厳しすぎる事実だった。

「お前が殺した化け物な、あれ、元は人間な」

…ニンゲン

一瞬、健太郎には水科が何を言ったのか理解できなかった。
それでも水科は続けた。

「お前言っただろ?生半可な気持ちじゃないって、皆を守るんだって」


「俺…俺は…」


「俺達が人殺し…まぁ既に人でもないけどな、とにかく一匹殺せば何人かの人間が死ななくて済む」

「二匹殺せばもっと大勢の人間が死ななくて済む」

「三匹、四匹、十匹、百匹…俺達はそうやって殺し続けるんだよ」

「ライダーの戦いってのはそういうもんだ」

「一つ俺達に救いがあるとすれば、一度化け物になった人間は二度と元には戻れないって事だけだ」


健太郎がライダーになるずっと以前から化け物と戦ってきた水科。
憧れてきた男が言ったのはあまりにも残酷な現実。

水科はふっ、と悲しそうな眼差しで健太郎を見つめて言った。

「お前には…こっち側に来て欲しくなかったんだけどな…」

・・・


続けざまに健ちゃんが繰り出す攻撃をかわす健太郎。
健ちゃんの攻撃の速度は確実に速くなってきていた。
彼の肩は通常では考えられない程膨れ上がり、彼の腕はさっきより確実に長くなっていた。
そして彼の目にはもう白い部分も黒い部分もなく━━━
あるのは化け物特有の、真っ赤な目。
さっき目が合った瞬間、健太郎は気づいてしまった。

もう健ちゃんは健ちゃんではなくなりつつあることを

もう二人で馬鹿な話をすることもできないということも



落ち着いていた雪が…また降り出していた

66 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/01/29(土) 00:24:47
最後の一行の使い方に文才を感じるね

67 名前: 1 投稿日: 2005/02/01(火) 12:58:46
「ヘシン!」

オープンアップ

(健ちゃん…どうして)

(どうして俺と健ちゃんが!)

健太郎がライダーに変身した事にも怯む事なく健ちゃんは襲い掛かかる。

白く染まった路上の上で二つの影が交錯する。

ビュッ

健ちゃんは肘を小さく畳みそこから一気に長い腕を伸ばす。
彼の爪はもはや人間の物より遥かに大きく、鋭くなっていて、まるで太古の恐竜のそれを思わせる。
当たれば確実に致命傷。だが健太郎は難なくそれを左腕で横へといなしその反動で後ろ回し蹴りを繰り出した。

健太郎の蹴りが健ちゃんの胴の中心を捉える。

「ゲギャ!」

健ちゃんは後方へと吹っ飛んだ。

「け、健ちゃん!」

やりすぎた、と健太郎が変身を解き健ちゃんの元へと駆け寄ろうと瞬間━━━

「来るな!」

健ちゃんは腕を払ってそれを制止した。
健太郎の足が止まる。

「健ちゃん!正気に戻ったのか!?」

健太郎の顔に安堵の表情が浮かぶ。
健ちゃんの目の赤はほんの少しだが薄くなっていた。

「はぁ、はぁ…」

「(秋葉の)健ちゃん、俺はもう駄目みたいだ」

「え…」

健ちゃんは荒い呼吸を何とか落ち着かせながら言った。
健太郎の表情が再び暗いものになる。

「体が熱くて、言うことを聞かないんだ」

「…」

「今はさっきの蹴りの痛みで落ち着いているけど…」

「次に正気を失ったら…もう元には戻れないような気がするんだ」

「そんなことない!」

健太郎は声を張り上げその言葉を否定する。
だがそれが気休めでしかない事はお互いにもう十分理解していた。

「はは、(秋葉の)健ちゃんは嘘つくの下手だなぁ」

「え?」

「顔に俺はもう駄目だ、助からないって書いてあるよ」

「あ…」

健太郎は自分の頬を伝う涙に気がつく。
一度ソレに気がつくともう駄目だった。
涙が次から次へと溢れ出す。

「泣くなよ、(秋葉の)健ちゃん」

そう声を掛ける健ちゃんの頬もまた濡れていた。

「ぐ!」

健ちゃんは頭を抑えぜぇぜぇと荒い息を吐く。

「健ちゃん!」

「限界みたいだ…」

「俺が…駄目になったら」

「(秋葉の)健ちゃんが俺を止め…ガァ!」

「健ちゃ…ん」

「グゥゥゥ…」

「あ、あぁぁ…健ちゃん!健ちゃん!」

健太郎の叫びが彼に届くことはなかった。
そして彼は一瞬四つん這いの姿勢を取ったかと思うと人間ではありえない跳躍力で健太郎へと飛び掛った。

空中の彼と再び目が合った。
彼の目は深紅に染まっている。
ライダーとして最初に戦ったあの日以来ずっと見てきた赤い瞳。

あの日水科は言った、二度と元へは戻れないと。
ならば健太郎がすることは一つ━━━

「…ヘシン」

オープンアップ

(健ちゃん…)

(さよならは…言わないよ)


健太郎は彼を見つめ、ゆっくりとベルトのバックルを押した。
するとバックルが開き中から掌に収まるくらいの丸い何かが飛び出す。
健太郎はソレ左手で掴み、右腕の甲へと装着した。

ビースト

健太郎を一瞬閃光が包む。
腰を落とし迎撃の構えを取る健太郎のライダースーツの色は緋色へと変化していた。

(力を貸してくれ…)

(梅ちん…)

68 名前: 1 投稿日: 2005/02/01(火) 17:16:11
これはまだ健太郎がライダーになる少し前のお話



キーンコーンカーンコーン

午後一番の授業開始のチャイムが校内に響く。

「起立!」

ガタッ

「礼!」

バッ

「着席!」

ガタッガタッ

健太郎の隣の女の子が良く通る声で号令を掛ける。
彼女の眉は凛々しく目はきりっとつり上がっている。
唇は綺麗な桜色で口は堅く閉じられていた。
とても綺麗な顔立ちだが中学生にしては背が高いのと相まって誰もが一目で強気そうだと感じる、
彼女はそんな女の子だった。


健太郎も皆と同じ様に(他の子よりものろのろとしているが)礼をして席に着く。

(たりー…)

席に着くなり机に突っ伏す健太郎。
すると隣の席の女の子、梅原泰子(うめはら たいこ)に背中を掴まれ無理やり起こされてしまう。

「…なに?」

「授業始まった」

「知ってるよ」

そう言ってまた机に突っ伏そうとする。
彼女は小さくため息を吐く。
そして

ガッ

今度は背中ではなく健太郎の顎を綺麗に右の拳で捉えた。

「梅ちん痛い」

「授業始まった」

彼女は眉一つ動かさずにさっきと全く同じ調子で全く同じ事を言った。
健太郎も抵抗しても無駄だとわかったようで顎をさすりながら

「わかったよ…」

と返事をし、やれやれと机の中から筆箱とノートを取り出し板書を始めた。

「流石の健太郎も会長には敵わねーなぁ」

後ろの席の男子生徒が健太郎を茶化す。
健太郎はそれにうるせ、とだけ応えて黙々とシャープペンシルを動かす。

ここで挑発に乗って後ろを向こうものなら隣の彼女に首をへし折られかねない。
健太郎にはそれがよく分かっていた。

69 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/01(火) 18:12:06
>>1はけんちゃん?楽しく読ましてもらってるからがんばってね

70 名前: 1 投稿日: 2005/02/01(火) 19:52:52
キーンコーンカーンコーン

今日の授業が終わったことを知らせるチャイムが鳴る。

「起立!」

ガタッ

「礼!」

「「「さようならー!」」」

バッ

ガタッガタッ


毎時間変わることなく泰子が号令を掛ける。
礼が終わった途端教室はザワザワと騒がしくなる。
さっさと帰り支度をする生徒もいれば友達の所へ行きお喋りを始める生徒もいた。


「健太郎」

「何?梅ちん」

再び席について最後の授業の要点をノートにまとめながら泰子は隣で退屈そうにしていた健太郎に声を掛けた。
もうクラスメイトの半分はいなくなっており残っている生徒も部活の準備などで忙しそうである。

「一緒に帰ろ」

「いいよ」

二人は簡単に会話を済ませ教室の外へと向かう。
廊下に誰もいない事を確認すると泰子はほんの少しだけ、健太郎の傍へ寄って歩き出した。
健太郎はそれに気が付かない振りをして泰子との距離をもう少し狭めてみた。

「今日は生徒会の仕事ないの?」

「今日は右渡先生いないから」

泰子は寄ってきた健太郎に気が付き少し顔を赤くしながら答えた。
なるほど、と頷きながら笑みを浮かべる健太郎。

「何笑ってるの」

「いや、梅ちんって照れ屋で可愛いなーって」

ガッ

健太郎が笑いながら答えると泰子のアッパーが顎を襲った。

「梅ちん痛い」

「馬鹿」

彼女は恥ずかしそうに言ってスタスタと歩みを速める。
健太郎は立ち止まりそれを見送った。
しばらく歩き続けていた泰子が急に止まり後ろを振り返る。
5メートルほど後ろで健太郎がいたずらっこのような笑みを浮かべていた。

「…」

「もう!いっつもそうやって人をコケにして!」

彼女は顔を真っ赤にしながらズカズカと健太郎の方へと戻ってくる。

「一緒に帰るんだろ?」

「…」

「自分で誘っておいて置いていくのはひどいよ」

「…」

「梅ちん?」

「馬鹿!」

彼女は声を張り上げると健太郎の腕を掴んで歩き出した。
健太郎は腕を引かれながら心底おもしろそうに彼女の後をついていく。

中学二年生の春━━━健太郎は幸せだった

71 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/01(火) 20:22:18
梅ちんかわいすぎるよ!

72 名前: あんこ 投稿日: 2005/02/01(火) 22:10:54
青春か・・・僕もこういう体験してみたいですね・・・

73 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/05(土) 16:13:19
続き期待あげ

74 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/06(日) 20:35:07
保守

75 名前: 1 投稿日: 2005/02/11(金) 14:28:42
明日か明後日には…まずは保守保守

76 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/13(日) 10:54:22
>1
期待保守あげ

77 名前: 1 投稿日: 2005/02/13(日) 20:17:58
梅原泰子は生徒会長である。

入学早々開かれた臨時生徒会選挙に出馬し大胆な改革案を打ち出し見事生徒会長に当選。
一年生にして都立第一秋葉原中学の代表になったのである。
当選が決まり体育館の壇上でコメントを求められた彼女は

「まぁ落ちる要素はないと思っていたので」

とコメントし他の候補者と教員一同を唖然とさせた。

その後彼女は年間を通して生徒達の為に力を尽くした功績もあり自身二度目の生徒会選挙でも
次点の候補者に圧倒的な差を付け生徒会長に当選した。
その時彼女は

「すべて読めていました」

と言い放ち学校中を湧かせた。

そんなカリスマ性溢れる彼女は何故か健太郎に惚れていた。

・・・

春の夕暮れの遊歩道を女の子と男の子が歩いている。
普段から人通りの少ない道で今も二人以外の人はいない。

「それで私はこう言ってやった」

「何て?」

「よく頑張りましたね、って」

「やっぱ梅ちんかっこいい」

「…」

「梅ちん顔赤いよ」

「…馬鹿」

泰子は頬を赤く染めながら健太郎の脇腹にブローを叩き込む。
健太郎はくすぐったそうに身をよじった。
彼女のツッコミは二人きりの時だけは手加減されている。
彼女は恥ずかしがりやなのである。

78 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/14(月) 02:28:30
保守!あんこさんと一緒なのにあんこさん出ないの?

79 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/19(土) 00:43:12
保守

80 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/24(木) 01:42:36
age

81 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/24(木) 20:22:03
保守

82 名前: 1 投稿日: 2005/02/27(日) 18:00:34
物語は再び冬の秋葉原に戻る

・・・

「シャァ!」

健ちゃんが健太郎へと飛び掛かる。

(右…!)

まだ健ちゃんが攻撃を繰り出す前に健太郎は左半身の構えに移る。

ボッ

健太郎の右側を健ちゃんの長い爪が通り過ぎる。
腕から遅れて着地した健ちゃんが右、左、と続けざまに蹴りを繰り出す。
弾丸の勢いで撃ち出されるその蹴りを、健太郎は体を捩るだけで全てかわした。

「ギィィ!!!」

ゴワッ

わずかに地面に積もった雪が舞い上がる。

健ちゃんは上半身を腰を支点に大きく振り回し、辺りを薙ぎ払った。
それを健太郎はバク転で避ける。

距離が離れ二人はお互いの出方を窺う。

少しの沈黙の後、再び二つの影は交錯した。

83 名前: 1 投稿日: 2005/02/27(日) 18:12:14
何度も接近、離脱を繰り返す二つの影。
交わされた攻撃の応酬は数知れず。

健太郎は全ての攻撃を避け、捌き、全くの無傷であった。

いくら健太郎がライダーでも相手は人間を遥かに凌駕した身体能力を持つ化け物である。
その攻撃を完全にかわしきることなど出来ない筈なのだ。

ならば何故このような動きが健太郎に出来るのか?



それを可能にしているのは健太郎が装着した石によるものである。
石は『魔石』と呼ばれるライダーの中でも一部の適正を持つ者だけが使うことができる物。
健太郎が装着した『魔石』の能力は獣化。
神経系全てを獣のそれへと変貌させるその力により健太郎の読みは人間のソレを遥かに凌駕する。
高まった反射神経は銃弾が発射されたのを[見てから避け、反撃する]事すら可能にする。



「もう終わりにするよ…健ちゃん」

「グルゥゥ…」

健太郎の言葉にもう迷いはない。
健ちゃんは健太郎に応えることも適わず低く唸るのみ。

ザッ

一足飛びで健ちゃんの懐に入った健太郎は体を一気に沈み込ませ足払いを放つ。
健ちゃんは軽く跳んでそれを避けそのまま自分の下にいる健太郎へと両手で突きを繰り出す。

「読めてるぜ!」

声を上げながら迫り来る双腕を逆に掴む。
そのまま横のビルへと放り投げる。

ゴッ

鈍い音を立て健ちゃんはコンクリートの壁に思い切り叩きつけられ膝をつく。
落ちた視線の先の地面は一面、真っ白に染まっていた。

健ちゃんが顔を上げるとそこには緋色の狩人の姿がある。

「終わりだ…」

「ケン…チャン」

「秋葉流格闘術!」

「健 太 郎 崩 拳 ! !」

高らかと必殺技の名前を叫び健太郎は右突きを繰り出す。
それは中国拳法で最も威力のある突きの一つである崩拳によく似た動作だった。

ゴキャ

健太郎の拳が健ちゃんの腹へと突き刺さり骨が折れる嫌な音が響く。
恐らく、折れた骨は背骨だろう。
健太郎は拳を開き掌を健ちゃんの額へと動かす。

「封 印 ! ! !」

今度は中国拳法の發勁に似た姿勢を取る。
一瞬健ちゃんの額と健太郎の掌の間が眩く光る。

「アリ、ガト…」

小さな声で呟いた健ちゃんの体は、一瞬で真っ白な灰になって地面に落ちた。

積もった雪とはわずかに違う色合いのそれら。
ほんの少し前まで友人であったもの残骸。
それをじっと見つめる健太郎。

「ごめんな…健ちゃん」

そう言って灰の山に左手を突っ込みごそごそと動かす。
やがて何かを見つけたようで手が抜き取られた。

健太郎の手にはきらきらと光る石が握られている。

「俺は、ライダーだからさ」

健太郎は灰の山に背を向け歩き出す。
健太郎の緋色のマスクの下で涙がこぼれる。

健太郎が大切な人の命を奪うのは、これで二度目だった

84 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/27(日) 18:16:47
相変わらずGJ!

85 名前: 1 投稿日: 2005/02/27(日) 18:35:07
「いたた…」

あんこさんは数時間前に打ちつけられた首をさすりながら机に向かっていた。
空いた時間に勉強をする。たまに空いてなくても勉強をする。
あんこさんはそうやって全国クラスの学力をキープしていた。

(塩澤さんの<スキル>…)

(いくら考えてもどんなのか分からない…)

(う〜…)

しかし彼は全く集中して勉強していなかった。
そして彼の手は思いもかけない場所へと伸びた。
そこは男の子なら誰しも持っているであろう物の隠し場所である。
ごそごそとそのスペースをいじり一冊の本を取り出すあんこさん。

「まぁいいか」

そういって彼は本を読み始めた。

彼が手に取った本は何やらアニメのキャラクターの様な物が描いてある薄っぺらい本だった。

86 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/27(日) 20:19:11
リリカルまじかるっ

87 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/02/28(月) 12:36:30
リリカルまじかるっ

88 名前: あんこ 投稿日: 2005/02/28(月) 15:57:00
あまりにリアル過ぎて思わず冷や汗が……

89 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/06(日) 23:46:13
あげまん

90 名前: あんこ 投稿日: 2005/03/09(水) 11:05:03
あげ(笑)

91 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/09(水) 19:42:32
期待あっげ

92 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/12(土) 02:02:20
あんこさんと一緒!復活じゃー!

93 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/12(土) 02:02:54
あげるかんね

94 名前: 1 投稿日: 2005/03/12(土) 02:07:33
カッチカッチカッチ

規則正しい時計の音が部屋に響く。
椅子に腰掛け手に持った本を真剣に読むあんこさん。
彼の横には目を通した本によって山が築かれていた。
一体何処にこれだけの本を隠していたのだろうか。

アーターラシーイアーサガキター

「…あ、メールか」

一風変わった着信音である。
本を脇に置いて携帯電話を手に取る。

(かっちゃんからだ…)



・・・

夜の秋葉SEGA。
とあるゲームの筐体に腰掛けゲームをする青年が一人。
彼の斜め後ろにはうす汚れた男が立っていた。

「カツヤ様」

「外ではゴドーさんって呼べって言ってるだろうが」

後ろの男が青年に声を掛ける。
カツヤと呼ばれた青年は振り返りもせず応えた。

「ごほん…ゴドーさん」

「なんだニーチェ」

改めてゴドーと呼ばれた青年からは何処と無く育ちの良さが知れる。
彼の背は高く、身に着けている服も洒落た物ばかりだ。

対してニーチェと呼ばれた後ろ男はまるで浮浪者か麻薬中毒者のような格好である。
おまけに彼の背はエヴァ初号機のように前のめりで手足は小刻みに震えている。
あまりにも違いすぎる二人の男。

「<スキル>保持者同士による戦闘を確認したとの報告が入ってるんですけど…」

「あぁ、あんこと塩澤さんか」

ニーチェは持っていた鞄からノートパソコンを取り出し画面をカツヤの前へと出す。
二人の口調や態度から察するにカツヤはニーチェの主人なのだろう。
ニーチェからは下賎な香りがする、彼はそういった点では実に部下らしい男であった。

「知ってましたか、あとは<検体No1192-K>が何者かにやられたようで信号が途切れました」

「そうかい」

「そうかいって…」

「小さい事にこだわるのは良くないね」

彼はニーチェの報告に興味を示そうとしない。

(これだから金持ちは…)

「なんか言いたいことでもあんのか?」

心の奥で呟いた愚痴を見透かされたような気がしてニーチェの背筋が伸びる。

「い、いえ!」

「いいかニーチェ」

「は?」

「物事には時期ってもんがある」

「はぁ」

「必要な時に必要なだけ時間と手間を賭けたらあとは何もいらん」

「…」

「必要ないときはこーやってゲームなり麻雀なりやってりゃいい」

「なるほど」

「これからも俺に仕えるんなら覚えとけ」

「はっ!」

言い終わるとカツヤは無造作に財布から取り出した一万円札を投げる。
ひらひらと舞う紙幣を何とか掴むニーチェ。

「お茶でよろしいでしょうか?」

「水だ」

「かしこまりました!」

ニーチェは自動販売機の方へと駆け出していった。

(あいつまた言葉遣い元に戻ってるな)

(まぁいいか)

(ふふん)

「糸は引いてきた、かな」

ニヤリと笑ったカツヤは携帯を取り出しメールを打ち始めた。

95 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/12(土) 02:09:18
キタキータ!

96 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/17(木) 11:55:30
保守!

97 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/24(木) 16:16:38
やばい保守らないと

98 名前: あんこ 投稿日: 2005/03/29(火) 10:45:26
気になるのであげw

99 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/29(火) 14:25:03
あんこさん最近秋葉きてないね…

100 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/29(火) 14:41:25
今日いるんじゃない

101 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/03/31(木) 02:38:00
頻繁に来てるよ?

102 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/04/01(金) 10:18:49
保守!!

103 名前: あんこ 投稿日: 2005/04/07(木) 09:44:30
ほしゅ

104 名前: あんこ 投稿日: 2005/04/07(木) 09:44:39
ほしゅ

105 名前: あんこ 投稿日: 2005/04/07(木) 09:45:26
奇妙な現象が……

106 名前: あんこ 投稿日: 2005/04/07(木) 09:48:59
ほす

107 名前: あんこ 投稿日: 2005/04/08(金) 23:45:33
なんていうか…もう作者は書かない気満々のような…

108 名前: 1 投稿日: 2005/04/09(土) 12:47:16
そんなことないよ!

109 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/04/14(木) 03:58:22
続き期待あげ

110 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/04/24(日) 00:16:40
続き期待〜

111 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/04/24(日) 03:32:46
良スレくん

112 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/05/02(月) 17:27:08
あげ

113 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/05/09(月) 18:44:49
保守!

114 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/05/21(土) 09:36:54
あげ

115 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/05/24(火) 20:15:55
書こうよ!

116 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/05/31(火) 22:49:21
ねぇっ、ちゃんと書こうよ

117 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/13(月) 01:59:03
これが俺の最後の保守だ・・・

118 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/15(水) 22:03:39
書かないなら有効活用するか…

119 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/16(木) 01:54:53
しないと怒られちゃいますよね^^

120 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/17(金) 23:52:47
せっかくの小説スレだし、創作小説を書いてみたい気分…

121 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/19(日) 07:57:30
あんこさん頑張って!
期待age^^

122 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/21(火) 01:13:33
初期人物設定は出来た。物語の流れみたいなのがイマイチ煮詰まって無い気がするけど…(笑)

最低でも明日か明後日には書き始めようか。


因みに戦闘ものにはならないかな…

123 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/21(火) 01:22:45
ゴメンなさい…この様子だと戦闘は避けられない…(′A;;;;....サラサラ

124 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/21(火) 06:30:56
期待あげ

125 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/22(水) 00:12:35
明日の夜には上げられそうで。

はっきり言って、普通の真面目に書いた小説なんで面白味がないやも。
サイコホラーとかそっち系になりまする

126 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/22(水) 00:18:57
思ったけど、読む人沢山居るのかな…

127 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/22(水) 03:04:30


128 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/22(水) 06:13:18


129 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/22(水) 13:37:41
深夜までには上げたいな

130 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/22(水) 23:14:15
age

131 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/22(水) 23:20:59
遅ればせながら(・∀・)ノ
あんこさん頑張って!!

132 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/22(水) 23:51:23
では上げます。
正直、結構真剣に書いてるので・・・面白くないやも知れませんがよろしく。
不評なら、即打ち切る方向でw

叩きとかはカンベンッス・・・アドバイスとかはうれしいです(><)

あと、上げる前に言っておくと、これはあくまで

サ イ コ ホ ラ ー

ですのでよろしく。

133 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/22(水) 23:53:36
簡単な登場人物

永島美奈子・・・本作のヒロインか主人公か

橘達也・・・永島の彼氏

134 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:01:24
わくわく

135 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:03:15
期待しちゃうよ(・∀・)

136 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:06:31
上げる前に
添削君w

137 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:17:03
よく判らない言い回しが多い。

読みにくい。


等の添削評価を受けましたが取り敢えず上げますです。
完全に自己マンっぽいのでスイマセンです・・・



「この愛は蝋人形とともに・・・」

どうぞ

138 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:17:41
私は変わった女の子だということをよく言われる。
確かに、被害妄想が強くて、いつも遠くを覗き見るような目で相手を見るらしいし、趣味といえばこれと言って挙げられる物も無いし、強いて言うならば一応いつも手入れはしている爪のささくれを剥いたりすることくらいだ。
申し訳程度に、甘皮を綿棒で手入れしてラメを塗ったりはするけれど、それでも周りの子達のようにマニキュアやペディキュアは一切しない。
塗っただけでけばけばしいとさえ感じる私だし、そんなものを塗ってもどうせ学校で注意されるだけなのだし時間の無駄だと思うからだ。
だから、今年の流行は何色だとかそういうことも一切知らないし、ノンノやアンアンやセブンティーンなんて雑誌も殆どといって見ない。
読むのは毎号の文芸雑誌とかそういうのだ。
そんな流行や恋愛にも余り興味の無い私だから、この間読んだばかりの山本文緒の「恋愛中毒」は少し刺激が強すぎたのかもしれない。
あとは、人が思いもしなかったような事に気付くし、多少の潔癖症だし、極度の赤面恐怖症なくせに友達の間では目立ちたがりだし、
何かと五月蝿いし、周りからキモイといわれる事を研究するのが大好きだし・・・。

まあ、とにかく色々上げればきりが無いのだけれど、とにかく色々大変らしい。
唯一普通なのが、成績だけである。
けれど、どこに普通の基準があるのかさっぱりわからないので、私から見れば、普通の人が変に見える。
そんな私に至って普通の彼ができた・・・・

139 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:18:40
キタキター

140 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:19:03
おお・・・観にくいんで次のは見やすく・・・

141 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:21:25
その日は物凄い雨と風だった。

確か、やたら大きい台風が日本列島に近づいてるらしくて、その余波だとかよく当たらない天気予報で天気予報士が憂鬱そうに呟いていた。

私は今日の朝、とても急いでいたので傘なんか持ってくる余裕は無くて今、こうしてここで、学校の昇降口の屋根の下で雨宿りをしていた。

なにしろ、皆勤賞を逃すところだったのだ。2日ほど前までは雨の日だろうが自転車で悠々自適に通っていたのに、

どこぞのセッチャ犯が商店街に止めておいた私の自転車を盗むという事件が起きたのだ。

それ以来というもの(たったの1日だけれど)自転車で5分足らずの道のりを、15分歩いて通学している。まったくついていない。

だけど、商店街で鍵を掛け忘れた私の責任と言ってはそれまでの話なわけで。

それなのに、自転車のことも今日のことも、まぎれもなく私のせいなのに、「誰かの陰謀だ!!」とか「天気予報氏が悪い!」などと思っていた。

大体、その天気予報士に限って、雨が降るといったら晴れるし、曇りと言ったらにわか雨がふる。

だから、その予報士が雨だと言ったので、きっと晴れると思って傘を持ってこなかったのである。

だから、これは私が悪いんじゃない。誰かの陰謀なのだ、きっと。

私が物憂げに空を眺めている傍から、傘を持っている学校で何度か見ている顔の子達が

「やだ〜・・・」

なんて言いながら傘をぱっとさして外に出て行った。

しかし、風の強さに傘はおちょこになって、骨まで折れているようだ。

そんな子に友達は自分の傘を差し出して一緒に入っている。けれど、頭だけ入っていて体は濡れに濡れていた。

142 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:22:15
私は、風も雨もいつか止んでくれるものかとぼーっと外を眺めていた。

下校時刻を一時間も過ぎたのだから、もう帰ろうとする人も殆どいなくて、私はひたすらに雨風が止むのを待ち続けた。

けれど、雨風は強くなる一方で止んでくれるような気配はさらさら無かった。

でも、私は祈れば届くかと思いじっと空を見つめていた。

そんな時に、彼がやって来た。

「永島さん?傘・・無いの?」

そう聞いてきた。

確か彼は転校生でそのくせあんまり目立たない普通の子だった気がしないでもない。

名前もよく覚えていない。そんな彼が私の名前を覚えてくれているとは、何とも不思議なものだ。

「・・・家に忘れてきちゃったのよ・・・」

初対面の人と話すときは赤面恐怖症の表情が出てしまう私は、顔を赤らめながらそう言った。

「よかったら・・・よかったらでいいけど、僕の傘、貸してあげようか?」

彼も恥ずかしかったのか、傘を差し出しながら俯き加減にそう言った。

「えーぇぇぇ」

突然の申し出に私は当然困惑した。

もっと違う、何だ、忘れたの?馬鹿じゃん?、みたいなことを想像していた。

「あ・・・やっぱり嫌だよね。うん。ごめん。ごめんね。」

彼がちょっと残念そうに謝るので、私はなんだか気の毒になってしまって自分でもびっくりするような言葉が口から出た。

「一緒に帰らない?」

その時の私の顔は何故か赤面恐怖症の症状がでていなかったらしく、高揚しなかった。

彼の名前は橘達也という名前だった気がする。

会話の弾まない相合傘の中で私は急に思い出した。

「ねぇ、これからタッチって呼んでいい?」

そう言って彼の方を向くと彼は傘に頭しか入っていなくて、肩や毛先から水が滴っていた。

私の方は、つま先から頭の先までまったく濡れていなかった。

そのギャップが余りにも激しくて私は、何度も何度も自分と彼を見比べた後、勝手に自分で理解して納得した。

「家、ここだから。ありがと」

家の門のところで、小さく手を振って別れた。

一瞬見えた彼の制服からは水が滴っていた。

143 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:22:36
今日はこんなところで・・・

144 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:23:30
一番初めのが見にくい様だったら、要望にこたえて行間空けて見やすくしたやつを上げまする。

145 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:24:45
あんこさん一度だけ気象予報士の士が氏になってるよ

146 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:25:07
ごめんちゃい・・・

147 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:25:15
気象じゃなくて天気だったOTL

148 名前: もりつ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:25:34
記念カキコ

149 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:27:56
橘達也ってのがあんこさんだった
ってところまで読んだ

150 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/23(木) 00:29:44
だめだめくんなところは見逃してちょ・・・一応最後まで書くよ・・・書いたからには。

>>149
橘達也は僕じゃないよw
名前は周りの知り合いから適当に・・・・

151 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:33:38
もうちょっと読んでみないとダメダメな部分なのか
わざと書いてない部分なのかわかんないや。
次回も期待してるよあんこさん!

152 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 00:39:22
あがれ〜

153 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 08:37:12
>どこぞのセッチャ犯があんこさんだった
まで読んだ

154 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/23(木) 21:39:36
age

155 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/25(土) 01:57:49
明日あたり続きを上げます

156 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/25(土) 21:08:02
「美奈子ー?何してんのよ?」

「うん」

「何見てるのよ?」

「うん」

「うんじゃわからないって…」

そう言いながら、友達の藍は私の目の前に座った。

「ねえねえ…何見てんのよ…?生きてる?」

手のひらをひらひら前で振られて、はっと私は気が付いた。

「何見てたの?」

「…別に?」

「別にって…あんたねえ…」

私は、適当にしらばっくれたが、目線の先には橘君の無人の席があった。

黒板には欠席者の枠に橘と書かれていた。

私はふと昨日のせいかと思ったけど、気にしないことにした。

その目線の先に気が付いた藍は

「あー、橘君ねえ…今日休みだね。気が付かなかったわ。」

と軽く言った。

「そういえば橘君って以外に勉強できるよねー、転校生だけどさ。彼のことあんまり考えたことも無かったけど。」

そうだ。夏休み前の期末では彼は抜群の成績と順位を叩き出していたっけ。

いたって普通だと思っていたが、どうやら成績だけは異常らしい。

けれど性格があまりに普通な彼は、こうして学校を休んだこと自体を忘れられている薄い存在らしかった。

「それにしてもさー、昨日はあんなに雨が降ったのに今日はいやにまた暑くない!?」

「昨日は台風だったんでしょ?台風の後は暑いって言うらしいし…」

と言いながら私は夏服の上に、学校指定の夏用カーディガンを羽織っていた。

「あんたさ…暑くない…?見てるほうまで暑いよ…」

「だって夏嫌いなんだもん、日焼けするしー…」

「だからって…むさ苦しいから脱ぎなさいよ…」

他愛も無い会話も続けていると、先生が入ってきた。

今日は終業式の前日で配布物を配って帰るという何とも訳の判らない日なのである。

「永島、お前橘の家近いだろ」

「はい??」

担任の教師が教室に入ってくるなり私に向かってそう言った。

家が近いなんてはじめて聞いた話だ。

「これ、届けてくれないか?」

今日配られる大量の配布物の入ったB5版封筒を、私の机に置くとそう言った。

「え?っていうか、私橘君の自宅なんて知らないんですけどー…」

「お前、クラスの住所録持ってるだろ。それ見て探せ。先生が探すよりも、お前が探したほうが家も近いんだし速いだろうが。」

「えー!なんでよ…」

これは教師からの「新手の嫌がらせか何か」かと思った私は絶対に抵抗してやると思い、頑なに拒絶した。

「いいから届けてきてくれよ…先生が行くよりもクラスメイトが行った方がいいだろ?」

「わかりましたよー…」

既にクラスメイト達の好奇の視線に晒され始めていたので、これ以上抵抗を続けるとやっかいな墓穴を掘りかねないと思い、私は仕方なく頷いた。

ただ、案の定私が頷くとクラスの何人かの女子はニヤリと笑って私を見た。

藍に押し付けようと振り向くと、

「私は今日、塾だから。言っておくけどパスよ。」

と開口一番そう言われてしまった。

「えー、いいじゃない…付いてきてくれるくらい…」

「さっさと行って来れば?橘君の家」

そうやって藍もニヤリと笑った。

これだから共学の学校は嫌なのだ。

157 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/25(土) 21:09:39
今日はこのくらいまで。

158 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/25(土) 22:43:54
GJ

159 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/26(日) 22:43:42
とりあえずうんこさんがプレナ勢に飯奢るってとこまで見た。

160 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/27(月) 01:20:34
そんな事実は書いてません。
そして有り得ない展開ですね(・∀;;;;....サラサラ

161 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/27(月) 17:46:14
そろそろ次上げようか…

162 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/27(月) 19:57:14
投下マダー?

163 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/28(火) 00:45:52
上手く書けないシーンがある…それが出来次第投下ということに。
目安的には明日とか…ごめんちゃい(>_<)

164 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 00:01:19
あげまする

165 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 00:01:44
学校が終わってから、私は自宅に帰って住所録で橘君の自宅の住所を調べて行ってみた。

担任の言う通りで私の家からあまり遠くないところにあった。

歩いて10分程度か、それより少しかかるくらい。

私の自宅は可もなく不可もない中流の家と言ったところだが、ここらへんは高級な一軒家の連なる、いわゆる高級住宅街というところらしかった。

たかだか歩いて10分くらいの場所に、こんな住宅地があるのはとんでもなく悔しい気持ちがした。

「どちら様ですか??」

なんと品の良い、それでいて人を馬鹿にしたような音を出すインターフォンなのだろうか。

「えっと…橘君のクラスメイトで永島と言いますけど、今日休んだ橘君に先生から頼まれたプリントを持ってきたのですが…」

きっとこのインターフォンを取っているお母さんだか誰だかは知らないが、その人には私の顔が映っているのだろう。

テレビ付きインターフォンって便利だな…。

「わざわざありがとうね。今開けるから待っててね」

「あ、はい」

小さい返事を返すと、カチャっと音がしてドアが開いたと思ったら、中から黒髪でストレートロングの色白の女の人が出てきた。

一瞬、お母さん?と思ったがあまりにも若すぎるので再婚でもしたのかと思った。

「いらっしゃい。どうぞ、中に入って」

「あ、失礼します。」

きちんと靴を踵から脱いで中に入った。

「達也ー、クラスメイトの永島さんがお見舞いに来てくれたわよ」

2階に上がると、右側の一番手前のドアが橘君の部屋だった。

コンコンとノックして義理のお母さんは、橘君の返事なくドアを開けた。

「起きろ!」

まだ寝ていた、橘君を義理のお母さんは布団をはがして無理に起こした。

「うるせぇなぁ……」

「永島さん、クラスメイトの永島さんが来てくれてるのよ!さっさと起きる!」

「………早く言えよ!!」

橘君がガバッと起きた。

起き上がった瞬間、私と目があって橘君は愛想笑いをした。

「あ…こんにちは……」

「こんにちは…」

互いに気まずい雰囲気が漂ったが、何とか挨拶を交わした。

166 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 13:02:38
携帯から書いてみた

167 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 13:04:06
「じゃあ、あたしは飲み物でも持ってくるわね」

そう言って義理のお母さんは、橘君の部屋を出ていった。

「あ、これ。先生から」

「あ、ああ。ありがとう…」

その袋だけ渡すと、再び気まずい空気が漂った。

「あの…」

「あのぅ…」

その雰囲気を何とか変えようと思って、私が話し出そうとしたのと同時に、橘君も同じタイミングで話し出そうとした。

「永島さんからでいいよ」

「でも、タッチからの方が…」

今更レディファーストではないが、何か強引に譲られたような気がして私は口を開いた。

「昨日は、ありがと。きっとそのせいで風邪ひいちゃったと思うんだけど、でもそれは私のせいだけじゃなくて、きっとタッチの日頃の生活態度にもあると思うの。だから、一概に私が悪いってわけじゃないんだけど、これからはちゃんとした生活態度をとってね。…うん……それ…だけ」

「あははははは!」

まったく聞いてみれば何とも虫の良い話だが、恥ずかしさで気分が高揚したせいかべらべらと一気に捲し立ててしまった。

そしたら、橘君はまだ寝癖の残る髪を押さえて大笑いした。

何が可笑しいのかさっぱり判らなかったが、一応私も笑っておいた。

168 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 13:04:57
ちゃんと見やすくなってるかな?

見やすいなら続きも一応書いてあるからあげまする

169 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 14:57:33
「そうだね、これからはちゃんとした生活態度をとることにするよ。うん、気を付けるさ」

「それより、タッチの話したかったことは何?」

その瞬間、橘君の顔が急に真面目になった。

私も笑うのはやめて真面目に橘君の顔を見た。

「あの…さ…永島さん…僕は……」

「あ、永島さん。汚い部屋なのにごめんね〜、コイツ全然部屋の掃除しないのよね…。さ、これどうぞ」

そうやってノックもせずに飲み物を持って入ってきたのは、義理のお母さんだった。

「んだよ、早く出て行けよ姉貴…」

「は…へ……?」

私はついつい素っ頓狂な声を上げてしまった。

「何?どうしたの?」

義理のお母さん…いやいや、橘君のお姉さんが実はお母さんだと思ってました、などとは言えるはずもなく、私はただただ笑ってごまかした。

どうして私は姉という可能性を考えなかったのだろうか……義理のお母さんだなんて際どすぎる設定だ。

変な小説の読み過ぎなんだろうか…。

「えっと…お姉さん…はおいくつなんですか?」

これで10代だと言われたら謝ろうと思った。

「19だけど??」

「すいませんでした……」

「え??」

170 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 15:01:18
急に謝った私にお姉さんは何が何だか判らないらしく、目を白黒させていたので私は正直に話した。

「え?…はははっ、姉貴が俺の義理の母親?あははははっ」

案の定、ものすごく笑われた。

自分でもあまりにも馬鹿げた話だったのでついつい笑ってしまった。

「しっかし…あたしが達也のお母さんねぇ……」

「本当にごめんなさい」

「いいのよ、気にしないで。それより私がもし達也の母親だったら、こんな手の掛かるヤツは児童施設にでも預けてドロンしてるわね」

「おい……」

「あ……あはは…」

顔が結構本気だったので、私は苦笑いしか出来なかった。

「それにしても、永島さんって面白い子だね。下の名前は何て言うの?」

「美奈子です、永島美奈子」

「へ〜、綺麗な名前ね。じゃあみっちゃんって呼ばせて貰ってもいい?」

「ったく。初対面早々、馴れ馴れしい姉貴にも困ったもんだ」

「は?何か余計なことでも口走ったのかしら?」

「い…いててててて!!!マジで折れるって!ギブギブ!!」

お姉さんは、橘君の左手首を取ると背後に回して捻り上げた。

171 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 15:09:47
一応、読んでる方感想くれると嬉しいです。

172 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 15:36:24
正面から見ていた私は、橘君の左腕が背中方向へ明らかに不可解な角度で曲がりつつあるのを見て、慌てて仲裁に入った。

このお姉さん、さっきの表情といい今の力加減といい、本当にヤリかねない。

一見人前では温厚そうだが、実はそれは仮の姿で仮面を外せば人をも殺しかねないシェイプシフターなのではないかと思わせられた。

「まあまあ、それよりもお姉さんのお名前は何て言うんですか?」

「あ、私は橘可愛。『かれん』って読むの。よろしくね!」

「可愛と書いて…かれんと読むんですか。凄く素敵な名前ですね。綺麗だし。」

「でしょでしょ?名前通りなわけ!……っていうのは冗…」

「はぁ?名前通り?どこがだよ…まるで歩く人間凶器そのものじゃん…」

「だから『っていうのは冗談だけどね』って今言おうとしたトコだったんでしょうが!!」

そういうと可愛さんはまたしても橘君の左腕を今度は正面から捻り上げた。

「アタタタタ……!ごめんごめん、悪かったって!」

「まあ、判ればいいのよ。わ・か・れ・ば」

そう言うと、可愛さんはスッと手を離した。

173 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/30(木) 15:49:46
いまんとこ爽やか青春ストーリーですね

174 名前: あんこ 投稿日: 2005/06/30(木) 20:27:45
今回はある程度手加減していたようで、表情から察するにこれでも弟とのコミュニケーションとして楽しんでいるようだった。

このくらいの年頃で年齢差の姉弟となると、こんなやりとりはまず見られないし会話も少なく殆ど無いに等しい。

稀に見る仲の良い姉弟なのかも知れない。

そう思うと、可愛さんは弟思いのいい人なんだなぁと私は思った。

それから私は橘君や可愛と話し込んで、家に帰ったのは結局夜の8時を過ぎたくらいだった。

175 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/06/30(木) 20:30:14
あんこさん文章力高い!
こういうのって慣れてないと文章に照れが入ったりするんだけど今のところ全く問題なさそう。
強いて言うなら更新スピードあげてほしいよ!

176 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/01(金) 01:51:45
感想ありがとうございます。ドンドン書いて行ってくだちい。
今の所は青春街道まっしぐらですが、そろそろキナクサい展開になると思いますので、是非。

あとご要望に答えて、更新スピードアップしてみます。携帯から必死に(笑)文章力は実際ズタボロに近いですよ(・∀;;;;....サラサラ 基礎から学ばないとダメっぴ。


取り敢えず、今夜は気力の続く限り書いていきますので、よろぴん

177 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/01(金) 15:38:16
携帯なら無理しないほうが・・・?

178 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/02(土) 00:23:44
「で、橘君の家はどんなカンジだったの?」

翌日、学校に着くや即座に藍がやって来て聞いてきた。

そんなに気になるなら塾だとか言わずに、ついて来れば良かったのにと思った。

今日は終業式なので講堂に集まったのだが、どこの学校にもある校長先生からのお話というものが非常に退屈で、それゆえ藍も私が橘君の家に行ってからの事をしつこく聞きたがった。

「だから、橘君の家には綺麗なお姉さんが居てね、私はをれを橘君のお母さんだと思って………」

声を殺しながらそうやって話をしていると、前方にいる先生がこっちを振り返って睨んだ。

「へぇ〜何だ、美奈子と橘君付き合ってたんじゃないんだ」

さもつまらなさそうに藍が言った時には、既に終業式も終わりに近づいていた。


終業式も終わり、私が教室に戻り変える準備をしているとタッチに呼ばれた。

「永島さん、ちょっと…いい??」

そのあまりに大人しめな態度に、ちょっとどころかかなりびっくりしたけど学校と家での態度が違うのは誰にでも良くある話なので、あえて突っ込まないことにした。

「何?」

「いや…ちょっと…」

「ここじゃ駄目なの?」

「あ…ああ…話しにくい…かな」

あまりにも真剣な顔をするので、私はタッチについて行く事にした。

連れて来られた場所は、あまり人気のない体育館と本校舎の間の狭い通路だった。

こんなところで何を話されるんだろうかと不安になった。

「えっと…さ…、昨日実は言いかけたんだけど…」

何かもじもじとしているので、きっと話しにくいことなんだろうと思った。

「何?」

少し俯いてしまったので本当に言いづらいことなのだと思ったが、私としてはそんなことより早く話そうとしている内容が知りたかった。

「え…っと…、初めて見たときから好きですっ…付き合ってくださいっ!」

「……は…え……え??」

当然思いもしなかったことをぶつけられた私は困惑した。

なんて、こんなストレートに心臓に悪いようなことを言うのだろう。

私はあまりの唐突さに押し黙ってしまった。

「…あ…うん…やっぱ駄目……だよね。うん。判ってるよ。うん、大丈夫だから。いきなりこんな事言ってゴメン…」

私の反応を見て橘君は、物凄く顔を真っ赤にして俯いて私の前から去ろうとした。

その時、何を思ったのか私はとっさに橘君の腕を掴んでいた。

ときたま自分でも自分が判らなくなる。

「あの…私、変なことするの好きだし、細かいこと気にするし、なんちゃって少女趣味なトコもあるし……あー…何て言ったらいいのかな…?だからさ…こんな私じゃ悪い気がする…うん…」

言葉が変なところで思いついて、たどたどしく口から出た。

自分でも本当に何を言っているのかさっぱりだ。

「そんなことないって!!僕はそんな永島さんが好きなんだって!」

「はぁ…」

告白されたのも、そこまで他人に言われたのも初めてだ。

決して消極的な考えではないにしろ、もうどうにでもなれと思った。

私には、特に断る理由も見当たらない。

「じゃあ……」

「付き合ってくれるの!?」

「うん…私で本当にいいなら…」

あまりにも橘君の勢いが良すぎたせいもあるが、うなずいてしまった。

「ははっ、思い切って言ってみて本当に良かった〜。なんか幸せだなぁ」

そう言うと、橘君は満面の笑顔を私に向けた。

本当に幸せそうな顔だと思ったが、それと同時に本当に私なんかを選んで後悔はないのだろうかと不安を感じた。

そんなことを思っている私に、ふと橘君は言った。

「そうだ!僕のことタッチって呼ぶのやめてね」

はぁ…新しい呼び名考えなきゃ…。

そう思うと、私は少し憂鬱になった。

179 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/02(土) 01:17:32
キナクサイ・・・キナクサイぞ

犯人は藍じゃね!?

180 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/02(土) 01:36:47
誤字が多い…(′A;;;;....サラサラ

はじめの方の「橘君のお姉さんがいて…」の所の「をれを」は「それを」

告白シーンの「心臓に悪いことを〜」の文始めの「なんて、」が「なんで、」

スイマセンでした…


さっさと次書きます。

キナクサさはこんなもんじゃ終わりませんよ(・∀・)

181 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/02(土) 01:52:59
あんこさん頑張れ!
続きが書き込まれるまで寝ずに待ってます

182 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/02(土) 02:04:07
ベートーベンの月光は、人によっては聞いていると眠くなってしまうという人もいる。

彼もその1人かもしれない。

彼はゆったりとした1人用のリラクゼーションソファーに座り、グラスを片手にまどろんでいた。

かたりと氷が溶けてグラスにぶつかって響いた音で彼は目覚めた。

「…いつの間にか寝てしまったらしいね…ああ、おはよう」

彼は部屋の隅に目を向け、そこに向かってにっこりと笑って挨拶をした。

「ん〜…!今日もいい天気だ。そうは思わないかい?」

彼は窓に目を向けて隅に座っている真っ白な、目を薄く閉じた、人間のような人形にそっと語りかけた。

「ん?何?あんまり暑いと、どうにかなりそうだ?あっははは、大丈夫だ。僕がちゃんと面倒を見てあげるからね」

そう言うと彼は、クスクスと笑いながらその真っ白な人形の頭を撫でた…。

183 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/02(土) 17:23:14
GJ

184 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/07(木) 03:18:56
下がりすぎだからageときますね

185 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/07(木) 23:30:19
サンキューっす(・∀・)

186 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/13(水) 21:24:51
おらあageじゃー

187 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/14(木) 00:13:32
おお…死んだと思ってたのに生き残り(・∀;;;;....サラサラ

んじゃ書きますかえー

188 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/15(金) 11:47:29
書いたのであげ

189 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/15(金) 11:47:48
「私さ、この夏休みバイトすることにしたんだぁ」

終業式の帰り道、藍がふとそう言った。

「バイト?」

うちの学校は一応私立だが、別にバイトをしてもいいことになっている。

「夏休み、暇じゃない?まだ受験でもないしね。だからバイトでもしてお金稼いで…有意義に過ごそうかなぁなんて思ってね」

「へ〜。いいんじゃない?で、どんなバイトするの?」

「やっぱり、初めてだし接客関連かなって」

「じゃあ、ファーストフードとかコンビニ?」

「ううん、そういうところはありきたり過ぎてちょっとねえ…」

「じゃあ、他に接客って言うと…?」

「喫茶店とか?」

「ふーん」

そこで、藍が喫茶店の制服を着て接客している場面を想像してみた。

藍は、私見だけど結構可愛いほうでクラスの男子にもかなり人気があると思う。

だから、そこの喫茶店の看板娘にでもなって…そしたらそこの喫茶店のオーナーが若い人で…藍と恋愛関係にでもなって…将来結婚しちゃったりして…。

そういう展開もちょっといいかも…。

「ちょっと!」

「え…?」

「話聞いてる??」

「あ…ごめん…」

「なーに、ニヤついてるのよ?」

「え…えっえ??」

「バレバレ。顔がさっきからずっとニヤついてるんだけど?」

「………」

どうやら私は顔に出る性質らしい。

しかも、勝手に展開を妄想してしまう自分…我ながら情けない。

「どうせ、私が喫茶店に勤めてそこの同僚と結婚するとかそんな展開でも想像してたんでしょ…?」

「う…」

藍は全部お見通しらしい。

「言っておくけど、そんな展開はありえないよ?」

「なんで?」

「さっきも言ったけど、実はバイト先はもう決まってるの」

「え!?そうなの??」

「さっき、美奈子がくだらない妄想してる時に言ったから上の空で聞いてなかったんでしょ…」

「ごめん…で、バイト先はどこなの?」

「ほら、三丁目にある喫茶店。中がアンティークな感じで…去年の文化祭の時に皆で打ち上げとか言って行ったじゃない?」

「あー!あの無口なおじいさんがやってたお店!」

「そう、そこそこ。あのお店、従業員が基本的におじいさん一人らしくて、私が働きたいって言ったらすんなりOKしてくれたんだ」

どうやら、藍がバイト先の人と結婚すなんていう展開は本当にありえないらしい。

「水曜日と木曜日と土曜日にバイトしてるから、夏休み中に一回橘君と一緒においでよ。サービスするから」

「あー、わかりましたよー」

藍は非常に察しのいいやつで、さっき学校で私が橘君に呼び出された時に、告白されて私も付き合うことに了解したことを感づいて、しつこく顛末を聞かれた。

そこまで聞かれては隠しようもなく、いずれは判ってしまうことなので私は隠さず話したのだ。

だからさっきからそのことで、私をからかってくる。

別に私は、橘君が特別好きだからとかそんな理由じゃないんだけど、何か付き合うことになってしまったのだということを何度説明しても判ってくれない。

うん、わかってるよ〜とかいいながら物凄く誤解している。

ラブラブなんでしょとかさっきからうるさいくらいだ。

「私も早く彼氏出来ないかな…」

「藍ならそのうち絶対出来ると思うけど?」

「そうかなぁ…」

「うん」

「まあ、そのうち…かぁ。あ、じゃあ私こっちだからじゃあね〜」

「うん、じゃあね〜」

家の前の曲がり角で藍と別れる。

近くに住んでいる藍とは、夏休みとはいえ一週間に一回は会える。

だからいつも通りに別れて私は右に、藍は左に曲がった。

190 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/15(金) 12:26:45
夏休みも三分の一が過ぎてしまって、私は相変わらず宿題に追われていた。

今年はやけに宿題が多い。

そのせいで私はかなりの時間を費やしてしまい、まだどこにも遊びに出ていないのでストレスも溜まってきていた。

藍のバイト先にすら、顔を出せずにいた。

藍はこんな宿題量なのに、のほほんとバイトをしているけど平気なんだろうか…。

きっと、藍のことだから宿題の存在自体も忘れているのではないか?

そんなことを宿題に飽き飽きして思っていると、可愛さんから電話があった。

「美奈子ー!橘さんって言う女性から電話よー」

「え?はーい!今行くー!」

1階の母親から声を掛けられて、慌てて母親から電話を奪った。

まさか可愛さんから直接電話があるとは思っても見なかった。

「こんにちわ〜、元気してる?」

可愛さんらしい元気な声に安心する。

でも、いったい何の用なのだろうか。

「みっちゃん、宿題は終わった?達也から聞いたんだけど今年宿題多いんだって?」

「全然ですよ。まだまだいっぱいあって…それに数学に関しては判らないとこだらけで、一切手をつけてないんです」

宿題のことを言われると、本当に辛い。

学生の宿命だろうか…この大量の宿題をどうにかして欲しい。

「そういうと思った。あのね、だから今度家に泊まりに来ない?」

「え…?」

宿題と橘家に泊まりに行くのと何の関係があるのだろう。

「聞いたわよ〜達也から。付き合ってるんだって?あ、隠しても駄目よ。達也からしっかり裏は取れてるんだからね。それでね、将来の妹はどんなもんなんだろうと思ってね。うちの両親もみっちゃんのこと知りたいみたいだし、宿題も教えてあげるから。ね?いいでしょ」

可愛さんから一気にまくし立てられて、頭が真っ白になった。

それにしたって、将来の妹って…。

私は橘君と結婚するなんて決めてないし、する気もない。

でも、宿題を教えてもらえるというのはとても魅力的な餌だ。

本当に数学に関しては、1問目からまったく解けないくらいなので自力でやるのは絶望的だった。

それを教えて貰えるというのは凄くありがたい。

「いいでしょ?夏休みの息抜きにでも泊まりに来てよ。私もみっちゃんに会いたいし」

「じゃあ…泊まりに行きます」

「ホント?やった!ありがとね〜。じゃあ、今度の土日でいい?うん。じゃあね、バイバイ〜」

最後の会話も殆ど一方的に電話を切られた。

それに今度の土日って…あと2日しかない。

それはもう私が橘家に泊まりに行くのを、電話をする前から勝手に決めていたことになる。

でも、数学も教えてもらえるし、可愛にも会えるので楽しみといえばとっても楽しみだ。

「お母さん、今度の土日に友達のトコに泊まりに行くからね」

「あら?あなた、彼氏できたんでしょ?その子のお宅?」

どうやら電話を盗み聞きしていたらしい母親は、ニヤニヤ笑いながらそう言った。

「その子、一人暮らしか何かなの?」

さらにニヤニヤ笑いながら続けてそう言うので、私はちょっと腹がたった。

「電話聞いてたならわかるでしょ?私は橘君のお姉さんに誘われたの。勘違いしないでよ」

「あー、はいはい。じゃあ暑いしアイスクリームでも自分で買って、お土産に持って行きなさいね」

「えー、ヤだよ。私お金ないし。何で私が買わないといけないの?お母さん、買っておいてよ」

「ウチこそ、今月は余計なものにお金回してる余裕は無いの。それに自分のことでしょ?自分で買いなさいな」

「だから、私だって本当に切り詰めてるのにー…」

その時、藍が言っていたバイトという3文字を思い出した。

「もういいよ。お母さんがお金くれないなら、私バイトするから」

「そう?好きになさい。でも、毎月定額のお金はきちんと家に入れてもらいますからね」

最後に腹の立つことを言われて、私はどたどた音を立てながら2階に上がった。

191 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/15(金) 12:55:23
彼の部屋は人形だか人間だかよく判らないもので囲まれている。

それら全ては女性をかたどったもので、白い肌から血管のようなものが透けているような感じはどれも同じである。

そして、それらは目を閉じていて儚く、ぞっとする程美しかった。

彼はその一つ一つに名前を付けていて、どれも大切に愛でていた。

「アキ、今日は君の好きなトロイメライをかけてあげるよ」

彼はオーディオ機器にCDを入れて、再生ボタンを押した。

少しして、やわらかいピアノの音が流れてきた。

その音は、前後左右から聞こえてうっとりとさせる。

「ん?なんだ、ユイ。昨日は君の好きな『月の光』をかけてあげたじゃないか。今日はアキの好きな曲をかけてあげてるんだ。君は本当にいつだって自己中心的なんだからな…」

トロイメライという曲は3分弱で終わる。

トロイメライが終わると、彼はCDを取り出してイスに腰掛けた。

それから部屋を見回してにこりと笑った。

192 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/15(金) 12:55:55
今日はここまでかな

193 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/15(金) 14:27:39
gj

194 名前: 投稿日: 2005/07/15(金) 14:54:15
お疲れー

195 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/15(金) 23:29:57
ま、気分もいいし携帯からぼちぼち上げてみよう

196 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/20(水) 00:19:34
あげ

197 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/22(金) 23:44:49
さて書くかな

198 名前: 投稿日: 2005/07/23(土) 00:12:00
ガンバ!!

199 名前: Y 投稿日: 2005/07/23(土) 22:19:22
せーの

200 名前: Y 投稿日: 2005/07/23(土) 22:19:51
ゲット

201 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/25(月) 22:47:38
まだー

202 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/27(水) 02:51:38
では要望に答えて(・∀・)

203 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/27(水) 02:53:26
「いらっしゃい!」

橘家に入ると、可愛さんが満面の笑みで私を迎えてくれた。

「お母さん、こちらが達也の彼女の美奈子ちゃん。かわいいでしょ」

「おじゃまします…」

可愛さんのお母さんは思ったより綺麗で、うちの母親よりも数段若く見えた。

きっと住んでるところの違い、つまり育ちの違いなのかなと思ったら、ちょっと悔しくなった。

「あらっ。うちの達也にはもったいないくらい可愛いじゃない!」

「あの、これ母からです。夏なのでアイスでもって…」

私は結局自分のお金で買ったアイスクリームを渡した。たかがアイスクリームということで結構な数を買ったしまったので、金額も結構な値段になってしまった。

母親にその事を言ったら、その分のお金は返してくれないらしい。

本当に私もバイトしようか、と切実に考えた。

「まぁ、こんないい子今時居ないわよ。本当にいい娘さんねぇ…ささっ、上がって頂戴!」

アイスを受け取ってそそくさと冷蔵庫へ向かったのを見て、この熱気でアイスが溶けてだしていたことを初めて知った。

204 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/07/27(水) 06:25:07
乙ー

まだ続きあるんですよね

ワクワク

205 名前: あんこ 投稿日: 2005/07/30(土) 12:47:37
あるよ。まだ続く。

ただアイドルマスターのせいでちと書くのが遅くなってるだけさ・・・

206 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/02(火) 13:12:25
今日中に一個上げます

207 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/02(火) 13:13:53
まあ、夜くらいかな

208 名前: 負ける要素は名無しさん 投稿日: 2005/08/03(水) 09:10:35
うおー、ageるぞー

209 名前: 名無P 投稿日: 2005/08/05(金) 20:34:51
小説期待安芸

210 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/07(日) 01:46:56
あげるの遅くなってごめんぴ(・∀;;;;....サラサラ

211 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/10(水) 15:49:25
今日の夜辺りに新しいのをあげます

212 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/15(月) 23:35:52
yuugennjikkou

213 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/16(火) 21:52:29
ごめんねごめんね…

214 名前: 負ける要素は・・・・・・・ 投稿日: 2005/08/18(木) 15:09:39
がんばってー

215 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/26(金) 06:09:21
久々にあげようと思った今日このごろ

216 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/26(金) 06:35:53
「この部屋で宿題とかやろうね。それからこの部屋は、みっちゃんが寝る部屋でもあるからね」

1階のちょっと奥まった部屋は和室でいい匂いがした。

「ごめんね〜、随分使ってないからほこりっぽいでしょ?今窓開けるから」

たいしてほこりっぽくも無かったが、可愛さんが開けるというので開けて貰うことにした。

窓を開けると眩しいくらいに太陽の光が飛び込んできて、何故かいつも薄暗い部屋にいる私としては、とても新鮮な光に感じた。

その日当たりの良さを自慢したかったのか、窓を開けると可愛さんはかなり嬉しそうな顔をしていた。

「じゃあ達也呼んでくるね」

頼んでもいないのに勝手に2階に駆け上がって

「達也〜!みっちゃん来たわよ!一緒に勉強するんじゃないの〜?」

と大声で呼んだのが1階の私にもハッキリと聞こえる程だった。

「達也、もうすぐ降りてくるから。この机で勉強するから広げておいてね。うん、じゃあ私は飲み物持って来るね」

そう言うとせせこましく可愛さんは部屋の真ん中に折り畳み式の机を持ってきて、さっさと部屋を出て行ってしまった。

ちょっと困ってしまった私は、ひとまず机を広げて正座した。

217 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/26(金) 06:40:44
きたきた

218 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/26(金) 20:23:28
いくよ

219 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/26(金) 20:23:33


220 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/26(金) 20:23:40


221 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/26(金) 20:23:57


222 名前: 君麻呂 ◆jl2iWnFXSE 投稿日: 2005/08/26(金) 20:24:21
222君麻呂

223 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/29(月) 00:01:13
あげます

224 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/29(月) 00:02:04
さげます

225 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/29(月) 00:04:35
あげてごめんね……続きあげるよ…

226 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/29(月) 00:40:34
それから家から持ってきた筆記用具や宿題を広げた。

「ったく、あんな大声上げなくったって聞こえてるっつーの…」

鬱陶しいという態度がありありと感じられた声は、私の後ろから聞こえてそれは勉強道具を大量に抱え込んでやってきた橘君だった。

「あっ…」

両手いっぱいに勉強道具を抱え込んだ橘君の右手から、筆記用具をつめた筆箱が転げ落ちて、その拍子に山積みに抱えていた勉強の教材類もドサドサッと崩れ落ちた。

「あー…」

「無理して持って来すぎだよ」

「そう思ったけど、また取りに行くの面倒だし。纏めて持って来ちゃわないと、何か落ち着かないからさ」

落ちた教材やらを拾い、ドサッと机の上に置いた橘君は、大きな息をついた。

私は橘君が私の勉強道具の上に、自分の拾った勉強道具を重ねて置いたのを迷惑に思って、さりげなく橘君の荷物をどけながら言った。

「橘君の家ってやっぱり大きいね。この辺りの家はどこも大きいけど」

「そうかな?」

嫌味に聞こえた答えに、私はムッとしながらも続けた。

227 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/08/31(水) 10:40:44
あげ

228 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/31(水) 20:31:50
新しいのあげます

229 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/31(水) 20:33:31
「そうだよ、外からでも大きいって判るけど、中に上がるとひときわって感じだよ」

「ん〜まあ、確かにこの部屋は大きいと思うけど、俺の部屋なんて実際は狭いよ、前にちょっと見たことあると思うけど。物とか置くスペースなんて殆ど無いし、クローゼットはあるけど机とベッド置いたらそれだけで幅取られるし。永島さんの部屋は?広いの?」

私は届け物をした時に橘君の部屋をちょっと覗いたのを思い出して、確かに私の部屋よりも若干狭いかも知れないと感じた。

「広いのかどうかは判らないけど、橘君の部屋よりは広い気がする…人形とかぬいぐるみとか置物を飾るスペースくらいはあるし…」

「へー、なんか永島さんのイメージからは想像も出来ないけど…」

「ちょっと、それどういう意味?」

「いや、別に…だけどやっぱり女の子らしいなってさ…ちなみに、どんなの飾ってるの?やっぱり、動物のぬいぐるみとか、レトロ人形とか?」

橘君は戸惑い慌てながら私に聞いてきた。

私は藍にも前に同じ事を聞かれて、今と同じ様に答えた時、人は見掛けによらないみたいな事を言われたし、他の友達からも良く言われていたので実際のところ気を悪くはしてはいなかった。

230 名前: あんこ 投稿日: 2005/08/31(水) 20:34:54
「ん〜、そういうのはあんまり。ウサギのぬいぐるみとかはあるけど、一番多いのは…市松人形とか?」

「…は?」

「何?」

「い…いや…市松人形かぁ…へ、へー。やっぱり永島さんらしいな…」

「さっきと言ってる事が逆なんだけど…」

橘君は明らかに作り笑いをしている。

どうやら、市松人形を飾ると言ったのに問題があったようだ。

でも、市松人形を飾っているのは私の価値観からだし、いちいち橘君にあれこれ言われるのも嫌だったので、私は話を切り替えた。

「ねぇ、そろそろ宿題教えてよ」

今日は私の変人性について文句を言われに来たのではない。

あくまでも宿題を教えて貰うのが目的なのだ。

「残念ながら俺も判らなくて、姉貴と永島さんに教えて貰おうと思ったんだけど…」

「ちょっと何言ってんのよ。橘君学年1位だったじゃない。どうして判んないのよ」

「っていうのか、そもそも宿題となると面倒くさいんだよなぁ…解く気も無いし…」

すっごいヤな発言。

何なんだろう、私が少しでも頑張って宿題を解こうと言う時に…こういう時に世の中は不公平だとつくづく感じる。

勉強しなくても出来る人と頑張っても出来ない人の差が…。

231 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/01(木) 23:23:22
あんこさんと一生

232 名前: あんこ 投稿日: 2005/09/07(水) 00:29:55
そろそろ新しいのをば

233 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/07(水) 01:04:00
キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!のか?

234 名前: あんこ 投稿日: 2005/09/08(木) 23:17:05
書き終えたんで今日中に

235 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/14(水) 01:25:42
マーダー?(*´▽`)

236 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/14(水) 21:51:30
おい!!!!!!!!!!!!!!!!!!

237 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/29(木) 04:21:01
 _, ,_
(`Д´ ∩ < あんこたはぁ〜ん
⊂   (
  ヽ∩ つ  ジタバタ
    〃〃

238 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/29(木) 17:28:19
早く〜

239 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/09/29(木) 21:25:50
おい!!!!!!!!!!!!!!

240 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/04(火) 11:26:02
おい!!!!!!!!!!!!!!

241 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/04(火) 21:17:59
あ〜ん

242 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/11(火) 00:51:50
あんこが連載再開するそうです

243 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/11(火) 01:44:40
oi

244 名前: あんこ 投稿日: 2005/10/11(火) 10:10:10
掲載ストップスマソ、面目ない(>_<)

再開あげます

245 名前: あんこ 投稿日: 2005/10/11(火) 10:11:28
「…で、宿題はどのくらいやってないの?」

「現国と日本史と英語はやってない」

「それ以外は全部やったの?」

「数学はやったよ」

「じゃあ教えて」

数学さえ教えてくれれば良いのだ。

とにかく、私は数学が全く判らないのだから。

「あれ、簡単じゃなかった?」

「そう?」

何でこう頭の良い奴の発言は、いちいち頭にくるのだろうか。

神様は本当に不公平だ。

けれど数学を教えて貰わなければいけないので特に文句も言えず、おとなしく橘君に数学を教わることにした。

246 名前: あんこ 投稿日: 2005/10/11(火) 10:27:25
━━━
彼はいつもの様に起きて、いつもの様な朝を迎えた。

いつものように人形に声をかけていつもの様に笑った。

そしていつもの様にクラシックをかけてイスに腰掛けた。

いつもの様に暑い今日は、太陽光線が眩しいくらいに部屋に入り込んでいた。

その太陽光線は部屋の中にある人形のような人間のようなよく判らないものに不気味に当たって、それは黒く腐ったようになる。

それが彼にはどうしても気に入らなくて、昼間でもカーテンを下ろすことにした。

それでもこの熱気で黒くなってしまうのがどうしても嫌で、彼は黒くなってしまったものは庭に埋めることにした。

今日もまた1つ、足先の部分が黒くなっているのを見つけ、丁寧に棺に納めて庭に埋めた。

「由梨、今日理佳を埋めてきたよ…とても悪いことをしてしまったな…」

彼は亜麻色の髪をしたそれに話しかけた。

その時の彼はとても悲しそうでショックを受けている様子だった。

「友達を奪って悪かったよ…でもまた、新しい友達を連れてくるから。仲良くするんだよ」

247 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/13(木) 15:40:30
人形か・・・

248 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/21(金) 21:27:33
あげい!

249 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/10/21(金) 22:05:18
もういいよ
あげんな

250 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/04(金) 19:16:46
age

251 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/04(金) 19:20:35
まんこどこー?

252 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/11/09(水) 01:20:46


253 名前: あんこ 投稿日: 2005/11/21(月) 01:03:59
新しいのをば

254 名前: 最下層スレage職人 投稿日: 2005/12/07(水) 15:50:54
あげるぞおらー!

255 名前: あんこ 投稿日: 2005/12/17(土) 21:37:53
おっけぇぇぇぇぇ!!!!

256 名前: あんこ 投稿日: 2005/12/27(火) 23:26:09
久々に帰ったら書こう

257 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/27(火) 23:34:12
おひさし

258 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/27(火) 23:56:16
糞スレあげんなっつーの

259 名前: 名無しさん 投稿日: 2005/12/27(火) 23:57:34
ごめん誤爆した
お詫びにあげとくわ

260 名前: あんこ 投稿日: 2006/01/09(月) 23:17:28
書き溜めしてみたり。家帰ったらあげるお!

261 名前: 名無しさん 投稿日: 2006/01/10(火) 17:13:36
期待あげ

262 名前: 名無しさん 投稿日: 2006/01/10(火) 17:34:46
有言実行あげ

263 名前: 名無しさん 投稿日: 2006/01/10(火) 22:59:37
有言実行あげ

264 名前: Jack 投稿日: 2006/01/12(木) 00:50:54
>あんこさん
新・プレナスレ【ギルティ専用】を覗いていただきありがとです。でもさっきたてたばっかなんでこれから栄えていきたいという感じで、まだ少ないです。すみません

265 名前: 名無しさん 投稿日: 2006/02/03(金) 13:31:39
age

266 名前: 名無しさん 投稿日: 2006/02/19(日) 05:45:44
age

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