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アルカナハートSSスレ
1名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 12:47:14 ID:tvN8eL5Q0
SSスレです。

職人随時募集中
アルカナハートの小説を自分の思いどおり書いてやってください。
短くても長くてもOKです。
キャラクターや設定の見方は人それぞれでしょうが、激しく否定しまくるのはカンベンしてください。

関連?スレ
都立御苑女学園
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/33739/1167122871/l50

2名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 12:57:48 ID:C.6m8dXk0
あふぉ

3名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 13:07:30 ID:y9Lxl1qMO
そのうちエロ小説スレになるのは目に見えてる

4名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 13:37:55 ID:ekBAepe2O
引き分けの時のきら様に蹴られるスライムがかわいい


だからスライム使ったSS頼むよ
100%18禁になりそうだがな

5名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 15:06:16 ID:n9HpwhoY0
暇があったら自分も書きますよ、
つーかここってエロOKだったっけ?

6名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 18:43:36 ID:r4AJCMo.O
>>5
基本OKじゃね? あんまりハードにしなけりゃ問題なし(*'д')

7名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 19:23:41 ID:MrUnrQ0cO
はぁと×サキ
誰か頼む!

8名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 19:50:31 ID:Lod9nOtM0
このスレは俺の下半身を刺激した

9名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 21:02:04 ID:r4AJCMo.O
誰は誰をどう呼んでるか、 はぁとはサキの事を○○って呼んで、サキははぁとを○○って呼んで・・・ なんて言えばいいのか解らんがそんな感じのを全キャラ分知れれば書きやすいんですが、

10名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 21:19:36 ID:M/KFAHAE0
>>
ヒント:EDネタバレムービー置いてあるところ行って、該当キャラのムービーを落として観て見るといい。
っていっても、全員分はない気もするんだが。

 はぁとが他のキャラを呼ぶ時の奴は、知らんと突っ込まれるね。

1110:2006/12/29(金) 21:21:06 ID:M/KFAHAE0
ごめ。
>>9って書くつもりだった。

もし、ネタバレ嫌なら自力で探ってくれ。それしか言えん。

12名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 21:26:31 ID:MrUnrQ0cO
はぁとは「サキちゃん」じゃなかったっけ?
サキは確実に「はぁと」

13名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 21:37:38 ID:M5WVhtmcO
はぁと>
冴姫を冴姫ちゃん
リリカをリリチー
舞織をまおりん
頼子をよりぷー
このはをわんこ

冴姫>
基本的に呼び捨て
神依を朱鷺宮先輩

このは>
神依を神依さまぁ〜

神依>
基本的にフルネーム
このはをこのは
ミケをミケランジェロ

フィオナ>
冴姫を冴姫ちゃん
ミルドレッドをお姉さま

誰か後は頼んだ!

14名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 21:38:06 ID:QNWpr26kO
名前を読んでない奴もいるような気持する。はぁとは神衣、このはとかは読んでなかったような・・
気のせいかな。
あとキラは大半が「お前」かな?

15名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 21:51:18 ID:M/KFAHAE0
きらは美鳳と関係があるのでお互いに呼び捨てだったな。
舞織は親族以外、いろんな人にさん付けしてたような。

16名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 22:28:02 ID:Lod9nOtM0
ゲーム中のテキストが全部あればいいんだがな…
家庭用でも待たないと不可能、か

17名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 23:22:45 ID:n9HpwhoY0
最初のうちにSS書くときは名前の呼び方は妄想でいいと思うよ
ちゃんと呼び方が確定してからなおせばいいんじゃない?

まぁ多少はつっこまれるかもしれないが・・・・

18名無しのアルカナ使い:2006/12/29(金) 23:40:30 ID:bv6VFVuk0
個人的には冴姫EDから
はぁと→ 冴姫:さーたん
冴姫 →はぁと:はーたん がいいな、冴姫は言いそうに無いけど。

19名無しのアルカナ使い:2006/12/30(土) 15:20:44 ID:pGeXYnn20
スクショスレだと思って開いた

20名無しのアルカナ使い:2006/12/30(土) 16:32:34 ID:nr/ur0Tw0
イラストと違ってどうにも盛り上がらないな

21名無しのアルカナ使い:2006/12/30(土) 18:44:59 ID:SMZ7C4yI0
当分自分の妄想を書きなぐるだけでいいんじゃないかw

22名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 00:12:56 ID:xHalBqnE0
朱鷺とはぁとのSS考えたんだけど非エロでもいいのかな?

23名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 01:52:05 ID:PExpIDb20
問題ないっしょ

24都立御苑女学園より黒舞織話続き:2006/12/31(日) 02:16:13 ID:k/UYb0uk0
このは「わふ〜♪わふふ〜ん♪」

くいくいっ ガサガサ

このは「ちょんまげつけて〜…スカーフつけて〜…プリーツが難しいでござるな…わふ…」

きゅっ きゅっ

このは「できたでござる!神依様人形!」
このは「道端で拾ったこの人形、ボロボロだったでござるし、きっと誰かが捨てたのでござろう」
このは「このはが大事にしてあげるでござる!わふ〜♪神依様〜♪」


このは「あ、学び舎向かう時間でござるな。」
このは「そうだ、神依様人形もバッグにつけて持っていくでござる♪」


レントン「つづく!」


都立御苑女学園スレで更新は明日って言ったけど少しだけ続き書いてみた。
せっかくなので都立御苑女学園スレの>>154の案を取り入れてみようと思ったw
これからちょくちょく書かせてもらいます。よろしく。

25名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 06:31:22 ID:CqfHCmL60
GJです〜

26名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 12:33:20 ID:hX43yu6U0
・アルカナ学園物風

○月×日、学校の廊下にて

主人公「おい、このは」
このは「む、なんでこざるか」
主「その『ござる』ってのやめた方がいいんじゃないか?」
こ「なんででござるか?」
主「一応忍者なんだから、正体バラすような行為はまずい気がするぞ」
こ「な、なるほどでござる…」
主「じゃあこれからこざる禁止な。言うたびに腕立て10回だ」
こ「わかったでござる!」
主「はい腕立て10回な」
こ「あ!しまったでござる!」
主「追加10回な」
こ「くう…しかし腕立ては得意でござるよ!」
主「更に追加な。許せこのは、これで心と体を鍛える事ができるのだ!」
こ「さすが○○殿!こ、このはは頑張るでござるよ!」
主「………追加」
こ「やってやれぬことはないでござるよー!!」

エンドレス

27名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 13:52:48 ID:bt63PcgYO
そして半年後、この小さな少女が前人未到のサスケ制覇をすること誰も知る由はなかった…

28そらのいろは 1:2006/12/31(日) 13:56:50 ID:n30ruCZc0
久しぶりに見た寝顔は、安らぎの象徴と言えた。
布団にくるまった親友――愛乃はぁと――が、小さく寝息を立てている。
私はベッドに腰掛ける。頬を緩ませ髪に触れる。身じろぎが応えとなった。

数日前、私は関東を救った。
空に浮かぶ城へ昇り、天使の紛い物<レプリカ>を下し、平穏を取り戻した。
救世主の実感はない。日常が返っただけだ。日常へと帰っただけだ。
それでいいと思う。大義名分より、目の前の少女を守れたならば。
頬をくすぐると、お姫様は重い瞼を上げてようやく私に気づく。
柔らかく笑んで朝の挨拶を告げた。

「さーたん、おはよー」
「お早う、はぁと」

普通に返した私に対し、はぁとは不服そうな顔をした。

「どうし――きゃっ」

腕を引かれ、私はベッドに落ちる。
彼女は器用な動作で、私を布団の中へ招き入れた。
とても暖かい。日向に似た温もりに加え、太陽自身も私に密接する。
はぁとに抱きつかれ、私は動揺した。つい語気を荒げる。

「ちょっと、はぁと!?」

抗議の声を無視し、耳元ではぁとが囁く。

「ふたりっきりの時は……だよね?」

29そらのいろは 2:2006/12/31(日) 13:59:07 ID:n30ruCZc0
なるほど、悪いのは私だった。
約束したのだ。元の二人に戻ろうと。
不和も諍いも無かった、あの頃の関係に戻ろうと。
お互いの呼称は、帰還のための呪文。

「もう……はーたんは細かいんだから……」

素っ気無く言う。内心は照れで溢れている。
子供っぽいニックネームの応酬は、中等部の二年生にもなると少し恥ずかしい。
はぁとはどう思っているのだろうか。問うより先に、指摘が入った。

「さーたん冷たい……私の愛が足りないから駄目なんだね……」
「は、はぁと? 何を言ってるの?」
「また間違えた! んー……こうなったら、私の愛でさーたんをどばばばーん! と構造改革だよっ!」

はぁとの眼の中で炎が踊っている。不味い流れだ。
彼女が猛進すると碌なことにならない。長い付き合いだ、それぐらい分かる。
宥めすかして事なきを求める。

「はぁと……はーたん。とりあえず腕を解いて? ね?
 早く着替えて、学校に行かな――んっ!?」

視界が覆われた。唇は重なった。
私は早起きして喫茶あいのまで来てはぁとの部屋に来て起こしに来て――どうして、キスしてるの?
首の後ろが熱を帯びる。胸の奥底が切なくなる。
はぁとの舌先がちろと顔を出し、私の唇を濡らす。
冗談はやめて欲しい。友達同士なのに、変な気持ちになってしまう。
彼女の手は、行為を終わらせる様子を見せない。
私の頭を優しく捕らえて、逃げ道を奪った。

「ひゃ、ひゃめれ……ふ、ぁ……」

眩暈さえ覚える、甘く長い時間。

3028:2006/12/31(日) 14:00:50 ID:n30ruCZc0
需要があったら続きを書かせて欲しいです。
特に無いようなら自重します。
そんな俺雷メイファン使い。

31名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 14:15:30 ID:pHg/c7/wO
兄さんやるね!やってくれたね!と思った俺時舞織使い。ユー書いちゃいなよ!

32名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 14:55:42 ID:O02Fa./6O
応援age

33名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 15:40:43 ID:WWzo0L1c0
親友だったフィオナを倒した事は無視ですか…。

34名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 15:49:19 ID:vaaycvSk0
多少の矛盾は目をつむろうよ

フィオナも学校に来て…とかそういう話もいいな

35名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 15:51:52 ID:JRSma3uAO
>>28
こういうのを待っていたんだよ!やれやれ!どんどんやれ!いちゃつけ!

33>>
フィオナは親友、はぁとは恋人。

36名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 16:08:16 ID:5cKIp9dEO
>>30 思う存分に書いてくれ。ここのスレ・住人はあなたのSSを待っていた

37名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 16:10:32 ID:bt63PcgYO
>>30
これを期待しなけりゃ一体何をアルカナに求める?
というわけで応援age

38名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 16:14:21 ID:gOLy09wc0
GJ

39名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 16:19:09 ID:k71Js5CY0
>>33 親友だったフィオナを倒した事は無視
 むしろそれをネタに1本かけそうな気がしないか?
 そういう隙を作ってくれた悠紀に感謝なんだが。

40名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 17:07:42 ID:Ivug6dKwO
>>28-29
甘い!甘すぎるぞ!チョコパンなんかよりぃぃッ!!

GJ!

41名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 18:35:08 ID:4vlUVbCQO
きみ文才ないよ

42名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 20:43:28 ID:RNUW3VxcO
ミケは実は頼子の腹話術で、全部頼子の一人芝居
頼子はアルカナ界随一の腹黒さと魔力を持つ逸材

43そらのいろは 3:2006/12/31(日) 20:54:09 ID:n30ruCZc0
蕩けていく。正常性が逸する。
いつの間にか私は自らはぁとの背に手を回し、口付けをねだっていた。
暖かくて柔らかくて、とても気持ちが良い。
いつまでもこの泥濘に溶けていたい。

ふいに、はぁとの顔が離れた。遠のく熱が名残惜しかった。
追おうと唇を寄せ掛けて――我に返った。

「ふふ、さーたんの甘えんぼさん」

はぁとが私の口元に人差し指を置く。
指された私は、顔一面に朱を散らしているはずだ。
火照りを超えた熱が頬に感じられる。
反論が見当たらなくて、ひたすらに押し黙った。

「さーたんがして欲しかったら、キスなんていつでもしてあげるよ?
 こんなことも、ね?」

はぁとの手が、制服越しに私をなぞる。
脇腹を撫ぜて、すぐ側の膨らみを掠める。

「や、どこを触っているの!?」
「女の子の愛がいーっぱい詰まってるとこだよ」

下着ごと胸を掴む。緩慢な所作に決して痛みは無く、むしろ心地よかった。
彼女の身体を押しのけようとする、腕の力は弱い。
拒否を示しているのは、私の細胞のごく一部だった。

「そんなことじゃなくて――っあ! だ、駄目! 制服、皺になる、からぁ」

声帯さえ、どうでもいい事柄を発している。
素直ではない私を、はぁとは巧みに篭絡してくる。

「なら、脱いじゃおうよ」

44そらのいろは 4:2006/12/31(日) 20:55:53 ID:n30ruCZc0
呆気なくタイが奪われる。首周りが緩くなる。
だのに呼吸は苦しい。動悸は激しい。
はぁとが袖に手をかける。宣言を実行する気でいる。

「さーたん、ばんざいして?」

促す言葉に、首を横へと振った。

「はぁ――たん。もう止めましょう? 呼び方には注意するわ。だから、もう」
「さーたん……私のこと、嫌い?」

突然の疑問符はしかし、確かな戸惑いを持っていた。
はぁとを見つめる。先ほどまでの積極性とは一転し、捨て犬の様相を呈している。
彼女を好きか嫌いかと問われれば、答えは簡単だ。

「す、好きに決まってるでしょ。大切な友達なんだもの」
「なら大丈夫だよ! 愛し合おうよ! 愛さえあればラブイズオーケーだよ!」

今度は飼い犬か。飛びつかれ、勢い仰向けになる。
天井付近で待機している聖女<パルティニアス>と目が合った。
掌で顔を覆い、指の隙間から覗いている。
愛の女神に哀れな囚われ人を救う気概は皆無だった。
私の精霊は姿を見せず、力を貸してくれる気配さえない。
状況に愛はあれど、気高さの片鱗はなく、だ。
女神と私との間に、はぁとが割り入る。大きな瞳が細められる。

「それに、私だってさーたんのこと、だぁい好きだもん」

若干気を抜いていた私へ、明け透けな告白がダイレクトに響いた。

45そらのいろは 終:2006/12/31(日) 20:57:30 ID:n30ruCZc0
正直、面食らった。
好かれているとは思っていたが、いざ言葉にされるとかなり気恥ずかしい。
それが嬉しさと綯い交ぜになって、奇妙な昂ぶりに変わっていく。

「好きだよ、さーたん」
「あ……」

降りてきたキスを受け止める。彼女の重みが落ち着く。
キスを繰り返す。彼女の温度が落ち着く。
理解した。彼女の存在が落ち着く。

「わた、私も――はーたんのこと、好きっ」

つい口を突いた恋慕に、はぁとは微笑んだ。

「えへへ、さーたんかわいー……」
「そんな……あ、やぁ……」

キスが耳に降る。うなじに鎖骨に喉に降る。
制服を脱がされた後は、口外出来ない場所にまで慈雨が注がれた。
愛されながら私は思う。事が済んだら、もっと親密な二人になれるだろうか、と。
分からないけれど、今は彼女と重なっていたかった。
だって窓から見える空は、不安も悲しみも無い、美しい青なのだから。

4628:2006/12/31(日) 20:58:58 ID:n30ruCZc0
需要があったので、恐縮ながら末尾まで描かせて頂きました。
スレの活性化に繋がれば幸いです。
18禁期待の方には平謝りするしかなく。

フィオナとサキの関係については、完全に私の勉強不足でした。
申し訳ありません。
メイファン以外のキャラもプレイしなくては……。

読んでくださった全ての方に、感謝いたします。
手厳しいお言葉は泣きながらダッシュ相殺、そんな俺雷メイファン使い。

47名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 21:42:15 ID:EPxKpwNkO
GJ!!

出来たらエロ版が欲しいが・・

48名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 22:19:20 ID:pHg/c7/wO
一万年と二千年前からGJ

49名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 22:27:05 ID:bt63PcgYO
まぁよし!これはこれでよし!

50名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 23:02:29 ID:KfGTgRmY0
職人様 S!G!J! S!G!J!

ストーリーモードの会話を資料として使いたいのに、皆対人戦ばっかやってる orz

51はーたんさーたん:2006/12/31(日) 23:29:29 ID:tBSEteso0
くいくい

制服の袖を引かれる感覚で、冴姫は彷徨わせていた意識を引き戻された。
気だるい午後の授業はいつの間にか終わっていたようで、クラスメイト達は好き好きに歩き回っている。
袖を引く主に冴姫は茶色の瞳を向けた。

「さーたん、さーたん!!」

いつも通りの満面の笑み。
太陽のような、向日葵のような・・・・・・冴姫にはどうやったらこんなに楽しそうに笑えるのか常々不思議だった。
その笑みを浮かべたはぁとが背中に何か隠しながら立っていた。

「どうしたの、はぁと。」

「ふふふ、さーたん!! どかどかどかーんと、国語のお勉強だよぉ!!」

不思議な形の触覚がぴぃんと立つ。
背中に隠していた何かを、でん と冴姫に見せる。
冴姫ははぁとの明るさに困惑しつつ、近すぎてよく見えないので、少しのけぞるようにして眺める。
プリントの裏側に、はぁとらしい豪快な字で『は』と書かれている。

「はぁと、もしかしてさっきの授業中、それを作っていたの?」

何も悪びれた様子も無く、大きく頷くはぁと。
授業中に時折後ろの席から聞こえた、びりっと紙を破る音や、小さな悲鳴。
それの原因はどうやらはぁとだったらしい。

「図工は得意なんだよぉ!!」

そういう割には、たまにプリントの隅が上手く切れていなかったりするのだが、そういうところもはぁと
らしいな、と冴姫は小さく笑った。

「それで、これがどうしたの?」

「読んでみて!!」

「はぁ?」

「語尾を上げちゃだめだよッ!! ほらもう一度!!」

妙な迫力で迫るはぁとの勢いに飲まれ、冴姫は従ってしまう。

「は、は。」

「うん、次はコレ!!」

素早く次の紙をめくると、やはり豪快な字で『あ』と書いてある。

「あ」

「どかんと行くよー!! 次!!」

『た』と書かれている。
冴姫は小さな子供のようにそれを読む。

「た」

「最後ぉ!!」

めくられた紙には『ん』とある。

「ん」

口を閉じて喉を鳴らす。

「はい、さーたん!! 今までの続けて行くよぉ!!」

紙を最初に戻して、もう一度読み返すらしい。

「は あ た ん」

「うん、あ は『ー』だといい感じ!!」

冴姫は首をかしげながら口を開けた。

「はーたん?」

「うん!! 明日からはそう呼んでね!!」

触覚がいつもの不思議な形に戻り、はぁとはステップを踏みながら席に戻っていった。
冴姫はそれを呆然と眺め、やがて柔らかい笑みを浮かべた。

――昔から思ってたけど、はぁとは不思議な子ね・・・・・・ああ違うんだった。

「はーたん。」

52名無しのアルカナ使い:2006/12/31(日) 23:30:39 ID:tBSEteso0
>>18
こんなんでいいっすか(´・ω・)

53名無しのアルカナ使い:2007/01/01(月) 00:13:52 ID:tl2NChyI0
>>47
確かエロパロ板にアルカナエロパロスレ立ってたような
エロネタはそこ安定じゃね?

54名無しのアルカナ使い:2007/01/01(月) 00:21:44 ID:A4qJZBNI0
あれは、ふた専用でしょ?

別にここにエロかいても普通書いてもいいんじゃまいか?

55名無しのアルカナ使い:2007/01/01(月) 00:37:54 ID:NWieaCAIO
エロのないSSは魅力半減

56名無しのアルカナ使い:2007/01/01(月) 01:12:00 ID:R3qlAcpE0
エロ書けないんだよね・・・(´・ω・)
へぼいのでもいい?

57名無しのアルカナ使い:2007/01/01(月) 01:14:52 ID:0snIpy..0
未だにストーリーモードやってなくて、ストーリーを理解していない俺ガイル

5818:2007/01/01(月) 01:29:49 ID:fICpVLlA0
>>52
ああ、十分すぎるぜマイブラザー
ついでにもう一個頼まれてくれ、はぁとの実家は「喫茶愛乃」ってんだが
そこに皆が集まってワイワイするようなの頼む。
情報としてはケーキが旨いらしい(舞織ED)

確か音楽も得意だったよな?もし喫茶愛乃でウエイトレスしながら
ピアノでも弾いてたら即婚約を申し込むな。

59都立御苑女学園より黒舞織話続き:2007/01/02(火) 04:33:37 ID:ATyqxgUk0
舞織「ああ、全然見つからない…」
舞織「誰かに拾われちゃったんじゃ…ああ、どうしよう…」
リリカ「やっほー♪舞織♪」
舞織「ひゃあ!?」
リリカ「わ!?」
舞織「あ…リリカちゃん、びっくりしました…」
リリカ「びっくりしたのはこっちだよ…どうしたの?キョロキョロしながら歩いて。何か探し物?」
舞織「えっと…人形を…」
リリカ「人形?」
舞織「ああ!?違います!何も探してません!」
リリカ「…?何か隠し事してるぅ?」
舞織「いいえ…なにも…」
リリカ「本当に?」
舞織「はい…」
リリカ「ホントにホント?」
舞織「ホントにホントです」
リリカ「神様に誓って?」
舞織「う…」
リリカ「ふぅ…どうしたの?言ってみなよ。さっき人形がどうとか言ってなかった?」
舞織「はい…実は…」


……
………

リリカ「へぇ、そりゃまた困ったものだねぇ、そんな人形を落とすなんて。でもなんでそんなもの作ったの?」
舞織「私…冴姫ちゃんに…嫉妬…してたんです」
リリカ「嫉妬?」
舞織「私だって…はぁとちゃんが大好きなのに…はぁとちゃんは冴姫ちゃんのことばかり…」
リリカ「…」
舞織「わかったんです…私では冴姫ちゃんには敵わないってことが…」
舞織「はぁとちゃんは私にも優しくしてくれます…でも、はぁとちゃんの心の中には常に冴姫ちゃんがいるんですよ…」
舞織「私は…冴姫ちゃん以上の存在にはなれ…な…い…」
リリカ「…」
舞織「それで…そんな毎日が続いてたら…つい…魔がさして…私…は…う…うう…うわあああああっ!!」
リリカ「よしよし、アタシの胸でお泣きなさいな…」
舞織「私は嫌な子です!冴姫ちゃんだって大切なお友達なんです!」
舞織「でも心の底から黒い心があふれてきて!はぁとちゃんの心を独り占めにしたくなって…!」
舞織「冴姫ちゃんごめんなさい!はぁとちゃんごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ううっ…うわあああん!!」
リリカ「制服がビチョビチョになっちゃうな…アハハ…」


レントン「つづく!」


○毎日更新するつもりが話がうまく思い浮かばなくて止まってしまいました。
やっぱり最後まで話の流れを考えてから書くべきでしたorz

60名無しのアルカナ使い:2007/01/02(火) 04:46:48 ID:ATyqxgUk0
>>51
とても読みやすくてよかったです。はぁとのセリフ回しがちゃんと「はぁと」ぽいですし。うまいなぁ。
はぁと×冴姫は最高ですね。大好き。

61名無しのアルカナ使い:2007/01/02(火) 05:14:59 ID:EKnqC7KgO
そらのいろは読ませてもらいました。まさにGJ。やっぱりはぁとは攻めですよね!わかってらっしゃる!エロエロな雰囲気を漂わせながらスン止めなのが良いですね。わざと情景を妄想させるような。

>>47さんみたいにエロ希望者もいるけど、個人的には微エロまでで済ませてほしいかも。
ん?なんかこういう意見で失敗したスレあったんだっけw

62名無しのアルカナ使い:2007/01/02(火) 05:15:35 ID:EKnqC7KgO
そらのいろは読ませてもらいました。まさにGJ。やっぱりはぁとは攻めですよね!わかってらっしゃる!エロエロな雰囲気を漂わせながらスン止めなのが良いですね。わざと情景を妄想させるような。

>>47さんみたいにエロ希望者もいるけど、個人的には微エロまでで済ませてほしいかも。
ん?なんかこういう意見で失敗したスレあったんだっけw

期待age

63名無しのアルカナ使い:2007/01/02(火) 05:16:41 ID:EKnqC7KgO
連投もどきに…ごめん!

64名無しのアルカナ使い:2007/01/03(水) 02:12:29 ID:PQMfUchg0
光。
瞼の裏に、鮮烈な。
深い眠りから、私を揺り起こす光。
ゆっくりと、しかし確実に意識が目覚めていく。
…失望を伴いながら。
失望?何への?

「また私は目覚めてしまったのか…」
独り、呟く。
この世界に災い起こる時、それを鎮める者として私は或る。
千年守。それが私の役目。
だから、私の目覚めは世の乱れと等しい。
それへの失望、だけではないのは私自身良く分かっている。

私は時の流れから外れた者。

きっと先の目覚めで出会った者は皆この世を去っている。
きっと世界は驚くほど変わっている。
幾度繰り返しても慣れる事の無い、喪失感。
自分だけ歯車に成り得ないという感覚。
…それでも、感傷に浸る暇は私には無い。
涙も、疾うに枯れ果てた。
私に出来るのは願うことのみ。
そう、私はいつだって願うのだ。

ー次の眠りこそが、朱鷺宮神依の永遠の眠りでありますようー

65名無しのアルカナ使い:2007/01/03(水) 02:17:38 ID:PQMfUchg0
ちょいと書かせて頂きました。
真面目な話を書こうと思ったらこいつがぴったりかな、と思ったので神依を。
皆様に読んでいただければそれに勝る幸せはありません。
スレが活性化することを願って。

66名無しのアルカナ使い:2007/01/03(水) 06:21:24 ID:GxZt4nP60
冴姫がきら様に死ぬほど恥ずかしい目に遭わされるSSマダー?

67名無しのアルカナ使い:2007/01/03(水) 11:15:29 ID:g.8.vvyg0
>>65
GJ。トキィかっこいいな

68名無しのアルカナ使い:2007/01/03(水) 13:23:02 ID:TRmjdfAUO
>>66
YOU書いちゃいなYO

69名無しのアルカナ使い:2007/01/04(木) 03:25:18 ID:Zn8LbcK60
そらのいろはGJでした。
冴姫ストーリークリアしてみましたが、フィオナに関しては
ラスボスが生み出した幻影程度にしか感じてなかったようですが。
なんか、昔のままの姿で話し掛けてくるものだから、少しキレ気味な対応だったし
「私を惑わすな!」みたいな感じか。

70名無しのアルカナ使い:2007/01/04(木) 09:44:11 ID:2QiQ4I8Y0
一月一日。
新しい年の幕開けの日である今日、私は親友のはぁとと初詣にいくため待ち合わせ場所にいた。

・・・ちょっと来るのが早すぎたかな・・・・

そう独り言をいいながら私は公園のベンチに一人座っていた。

すると遠くから見覚えのある影が2つ、私に近よってくるのに気付いた。

このは「これはこれは冴姫殿!あけましておめでとうでござる〜〜」
神衣「あけましておめでとう。昨年はいろいろと迷惑をかけたな。」

冴姫「あけましておめでとうございます。朱鷺宮先輩、このは。」

ふたりとも着物姿が似合っていて、私服姿の自分がちょっと悔しかった。

冴姫「お二人も初詣に行くのですか」
神衣「うむ。このはがどうしても一度初詣に行きたいというのでな。」
このは「わふぅ〜♪ぜったいおみくじで大吉をだすでござるよ〜〜♪」
冴姫「くすっ、それが目的なのね?」
神衣「困ったものでな。む?・・・ふふ、どうやらお主の待ち人もきたようだな。我々はこれで失礼しよう。」
このは「冴姫殿〜、行ってくるでござる〜〜」
冴姫「またね、このは。」

そう別れを告げるとしばらくしていつも聞いているあの足音が近付いてくるのに気付いた。

・・・・・・・・・たったったったったった!!!!

足音は聞こえるのだが目の前にはいない。・・・・・つまり

はぁと「ど〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!あっけおめ〜〜、さーたん!!」

後からすごい勢いで抱きつかれてしまった。

冴姫「ちょ、ちょっとはぁと!いきなり後から抱きつかないで頂戴!びっくりするでしょ!?」
はぁと「えへへ〜〜〜、ごめんね〜」
冴姫「ほらっ。いつまでもくっついてないでいくわよ?」
はぁと「あっ、待ってよー、さーたん。」

私がさっさと歩き始めると後からぱたぱたとはぁとがくっついてきた。
はぁとも着物姿でピンク色を基調にした可愛らしいものがまた彼女に似合っていた。

冴姫「私も着物着てくれば良かったかな・・・・」
はぁと「うんうん、きっと似合うよ!!もうどばばばーんって感じで♪」
冴姫「・・・・・ソレって似合ってるって意味なの・・・・???」

などと他愛のない会話をしながら私達は春日神宮の前にやってきた。

舞織「ようこそ春日神宮へ。はぁとちゃん、冴姫さん。あけましておめでとうございます。」
はぁと「まおりんあっけおめ〜。今年もよろしくね!!」
冴姫「舞織あけましておめでとう」
舞織「今年もよろしくお願いします。あ・・・・姉さんが呼んでるからもう行きますね」
冴姫「お正月から大変そうね、舞織・・・」
はぁと「お正月だからだよう〜。お正月は神社で人がどばばばーんなんだよ!!」
冴姫「・・・・・・人がどばばばーんなの????」

などとツッコミをいれつつはぁとと話をしているともう賽銭箱の前まで来ていた。

はぁと「さーたんさーたん。なにをお願いするのー?」
冴姫「そうね。何にしようかしら・・・・」

そんなことは初めから決まっている。

・・・・・夕暮れの帰り道、はぁとが自分のお願いごとを楽しそうに話してくれた。

はぁと「私ね、私ね、さーたんとか他の人にもっと愛を与えられる人になりたいって
お願いしたんだ〜!」

冴姫「あなたらしい願いごとね。きっとできるわよ・・・きっと」
はぁと「さーたんは何をお願いしたの?」
冴姫「内緒よ。女には秘密がいっぱいなの。わかる?」
はぁと「・・・・・・胸が大きくなりますように・・・とか?w」
冴姫「・・・・蹴るわよ・・・・・」

願いはひとつ・・・・・あなたの笑顔をこれからも守っていくことだけ・・・。



長くなってごめんなさい。あんまり面白くないっすねww
あ、あとあけましておめでとうございます

71名無しのアルカナ使い:2007/01/04(木) 15:24:51 ID:M2n.bNkcO
>>70
ふざけんなてめぇ。なんだよこのSS。読んでて頭にきたよ。
だって顔ニヤニヤしちゃうんだよ!萌えちまったよ!台詞まわしが自然でずるいんだよ!正月ネタでタイムリーなのもよく考えてるし!この阿保たれ!もっと書いてくれよ!次回作も期待してやるよ!

72名無しのアルカナ使い:2007/01/04(木) 18:26:22 ID:pSMQ3MXA0
一気に読ませて頂いた。
どれも楽しめたよ!(*゚Д゚)

沢山アンカーを引いてしまうと感謝の気持ちが薄れてしまうような気がするが、しかし皆それぞれ良かったよ…!
>>24
>>28
>>51
>>59
>>64
>>70

 G・J !

7370:2007/01/04(木) 20:23:28 ID:2QiQ4I8Y0
微妙に期待されてしまったw読んでくれてありがとうです。
んー・・・お目汚しじゃなければまた書きたいかなと思います。

74名無しのアルカナ使い:2007/01/04(木) 21:47:24 ID:ycz0QrFwO
>>71が思いっきりツンデレな件について

75名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 00:06:50 ID:qqaJIIEoO
もうちょっと細かい設定を知りたい所だな…特にリーゼとか。春日姉妹とか

7651:2007/01/05(金) 01:17:18 ID:EAcYRdUU0
勝てないけど延々舞織使って姉さん呼びまくってニヤニヤしてる日々。
CPU戦で舞織使ってEDまで何とか行って(超必死で自分で笑ってしまったw)
ED絵を鑑賞。
いやー姉さん可愛いよ姉さん。鼓音姉さん('ω'*)
短いEDの文章から察するに、姉妹の関係はこんな感じだろう。

両親は何かの都合で不在。
料理は舞織の担当で、妹二人はやんちゃ盛りなのかね。ランドセル背負ってた
から小学校行ってるんかな。
姉さんはよく解らん。多分年齢的には高校生なんだろうけど、進学せずに
そのまま実家の手伝いしてる予感。掃除洗濯は姉さんの仕事っぽい。
EDでのやり取りで、「姉さんだめよ、子糸と子唄にお金持たせたら違う事に使っちゃうんだから!!」
というのがあった。姉さんはおばあちゃんですかwwww

てことでまとめてみる。

◎春日 鼓音
年齢16〜18 家事手伝い(笑)

◎春日 舞織
年齢14 (であってたっけ) 中学生

◎春日 子糸 子唄
年齢7〜9 (とりあえず小学校低学年だろう) 小学生


春日の家ってのは、代々異形と戦ってきてたんだっけ。
おk姉さん、その拳で化け物共を砕いてください!!
本気でフィオナはいらないから姉さん実装してください。

77名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 01:59:23 ID:qq5JRa7E0
>>76
情報あんがと。こうやって設定公開してくれるともっと自然なお話がつくれるというもの。
アルカディアでムックでるのは確定してるらしいけど、まだまだ時間かかりそうだしね。

あと舞織、冴姫のことは「冴姫ちゃん」じゃなくて「冴姫さん」て呼んでた!
あと冴姫は頼子のことを「安栖さん」と呼んでたのを確認。はぁとのこと以外はみんな「苗字+さん」で呼んでるのかな;

78名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 02:08:34 ID:mwGn.UgI0
リリカは全員カタカナで呼ぶよな。ハート、サキ、マオリ、ヨリコって感じ。
はぁとがつけたあだ名はさーたん、まおりん、よりぷー、りりちーだっけか。
神依はフルネームか苗字で呼ぶことが多いのかな。フィオナに「廿楽に免じて」みたいなこと言ってたし。

79137:2007/01/05(金) 02:19:08 ID:qq5JRa7E0
リリカ、冴姫のことを「サキっち」って言ってたのを確認。

イラストスレ勢に負けないようにSS勢も盛り上げていこう。

このスレ見ているそこのキミ!キミの参加を心から待っている!

80名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 02:20:01 ID:qq5JRa7E0
しまった、よくわからないHNが着いてしまった;
無視してw

81名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 03:51:48 ID:jUGxES.k0
キャラの呼び方の既出まとめ+αをつくってみた。
良かったら使ってくださいな。

● はぁと
冴姫:冴姫ちゃん、さーたん
舞織:まおりん
リリカ:りりちー
頼子:よりぷー
このは:わんこ
リーゼロッテ:ひとさらい → リーゼEDでは「リーゼちゃん」に
パルティニアス:パルちゃん

● 冴姫
はぁと:はぁと、フラグ立ったら「はーたん」になるかも
頼子:安栖さん
フィオナ:フィオナ
神依:朱鷺宮先輩
フィオナ、舞織、リリカ:名前呼び捨て

● 舞織
はぁと:はぁとちゃん
冴姫、リリカ:名前+さん

● 春日姉妹
舞織→鼓音:姉さん
鼓音→妹たち:名前呼び捨て
妹たちへの舞織の1人称:お姉ちゃん
妹→舞織:おねえちゃん

● リリカ
1人称:アタシ
はぁと:ハート
冴姫:サキ、サキっち
春日姉妹:マオリシスターズ(ふざけて呼んだだけ?)
頼子、舞織:名前呼び捨て(表記はカタカナ)
ミケ:ミケ
両親:パパ、ママ

● 頼子
はぁと:愛乃さん
冴姫:廿楽さん
リリカ:リリカ
ミケ:ミケ

● 神依
このは:このは
リリカのパパ:フェルフネロフ
ミケ:ミケランジェロ
他は基本的に名字かフルネーム呼び捨て

● このは
1人称:このは
神依:神依さま

● リーゼロッテ
はぁと:愛乃はぁと
ミルドレッド:ミルドレッド
2人称:あなた

● きら
美凰、明芳:名前呼び捨て
2人称:お前

● 美凰
明芳:博士
きら:きら

● ミケ
1人称:我輩
2人称:貴様
頼子:頼子
リリカ:リリカ
リリカのパパ:フェルフネロフ

82名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 03:54:55 ID:jUGxES.k0
あと小ネタとかも。無駄に長くてすまそ。燃料になったら嬉しい。
()内は出典。?が付いてるのは推測や解釈を含む情報

● はぁと
実家の喫茶店はケーキが美味いらしい(舞織ED)
遅刻常習犯(リリカのはぁととの対戦後会話)
学園の近くに住んでる?(学園校門前の登場シーンで朝食ぶちまけてた)
冴姫が帰国してからずっと何かに悩んでいると気付いていた(冴姫のはぁととの対戦後会話)
台詞「誰だって言えないことがあるのに、私、無理言って、冴姫ちゃんに
   嫌な思いさせちゃったかなって……」(はぁとED)

● 冴姫
イギリスに行く前も、はぁとと学校が同じだった?
もしくは、帰国して住所が変わった?
(幼なじみなのに、はぁとと家が離れている。恵比寿と赤羽)
神依には敬語。です、ます。(冴姫の神依との対戦前会話)
フィオナは向こうの世界に行ったからもう会えないと、ミルドレッドから聞かされていた
(冴姫のミルドレッドとの対戦前会話)
リーゼが「何もかもお見通しみたい」だから気に入らない(リーゼとの対戦後会話)

● フィオナ
空に吸い込まれたのは2年前(冴姫ストーリーモード冒頭)
もとの世界に帰ろうとしている。
本体は、まだ向こうの世界にある?(冴姫に自分の姿が見えているとわかって喜んでた)
(冴姫のフィオナとの対戦前会話)

● リリカ
パパとママはしょっちゅうケンカするが、すぐ仲直りする(リリカED)
ママはケンカすると実家に帰ることも。
パパは、昔は向こうの世界の高位悪魔、今は人間界でサラリーマンで、仕事帰りは遅い。
夜の街を徘徊しているが、パパが帰ってくる前には家に戻っている。
パパの悪口を言われると怒る。
台詞「ヨリコは気を使いすぎ」
(リリカと頼子との対戦会話)
神依と遭遇前:パパから、青い髪飾りをした剣士に気をつけろと言われていた。
神依と遭遇後:物騒なので神依には近づきたくない。
(リリカと神依との対戦会話)
相手の魔力波長を読む力がある(リリカのこのはとの対戦後会話)
ミルドレッドから協力しないかと匿名で誘われていたが、半ば無視していた(リリカのミルドレッドとの対戦前会話)

● 春日家の家庭環境について推測
両親は家に不在(舞織EDで何か姉妹だけで暮らしてるっぽい雰囲気)
長女(16-18歳):家事手伝い。神社全体の切り盛り。
次女(14歳):中学生。料理とかの家事担当。
三女、四女(7-9歳):小学生。巫女服のまま学校行ってる(舞織EDのCG)

● 頼子
夜の街を徘徊してるのでリリカとよく会う?
それが理由でリリカと仲良し?
リリカの家庭環境を心配している。
ミケはリリカのパパのことを知っている。
リリカを自宅の夕飯に誘った。頼子がつくるらしい。頼子の両親はどうしたの?
(リリカの頼子との対戦前会話)
ミケの好物はフレンチクルーラー。ドーナツの1種。(頼子ED)

● 神依
刀は身体を傷つけるのではなく「魂に峰うち」するもの。
リリカとリリカのパパの魔力波長が似ていると言ってた。
リリカに、困ったことがあったら自分を頼れと言った。
(リリカの神依との対戦前会話)
冴姫の過去を知っている?(冴姫には今回の件は荷が重いと言ってた)
(冴姫の神依との対戦前会話)
2つの世界が干渉するときの次元の歪みを感じ取る能力がある(神依ED)

● このは
神依の宿命を一緒に背負ってあげたい(このはED)

● きら
未だに寝小便する(きらED)

● リーゼロッテ
今回の事件の後、ドイツに帰った(リーゼED)
冴姫のことが「自分と少し似た眼をしている」から気に入らない(冴姫のリーゼとの対戦前会話)

● ミルドレッド
イギリスの聖霊庁本部の長官。
リーゼロッテを雇って、はぁとを誘拐しようとした。
リリカの父親が元高位悪魔だからという理由で、リリカを自分の計画に誘っていた。(リリカのミルドレッドとの対戦前会話)

● その他
はぁとと舞織は同じクラス?(はぁとEDではぁとが舞織に宿題見せてって言ってた)
冴姫と舞織は同じクラス?(舞織EDで冴姫が舞織に授業ノート渡してた)
てことは3人は同じクラス?
アルカナフォース展開時の背景変更はステージ依存であって、キャラ依存ではない。
聖女の力で向こうの世界とこっちの世界の距離が近くなるとかそんな設定?

83名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 09:25:57 ID:qqaJIIEoO
うお、まとめ超GJ!テラサンクス!

84名無しのアルカナ使い:2007/01/05(金) 19:59:08 ID:kBU1D7uk0
>>81
これはGJ! 詳細までまとめられていてグッドであります

85名無しのアルカナ使い:2007/01/06(土) 23:01:42 ID:NCyAwaEgO
期待揚げ

86名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 01:33:38 ID:YMJdrHLE0
「冴姫ちゃーん、もう電気消しちゃっていいー?」
「いいわよ。あ、でも足元のライトは点けておいて」
「りょーかい」
 修学旅行2日目の宿は、豪勢なホテルだった。2人1部屋。広い部屋には、
ベッドが2つと、お風呂が1つ。帰国子女の冴姫にも、この待遇が公立中学生の
修学旅行の平均を遥かに超えているということは、何となくわかる。
うちの学園には、国から「特別な」援助金が出ているらしい。生徒たちの間で
流れている、もっぱらの噂だった。
 冴姫はドライヤで髪を乾かし終え、バスルームを出た。部屋の中は暗い。
指示した通り、灯りひとつを残した薄闇になっている。2つあるベッドの片方には、
既にはぁとが寝転んでいた。毛布を抱きしめて、ごろごろしている。
 はぁとは冴姫の姿を認めると、ごろごろを止めた。
「あー、冴姫ちゃん、パジャマかわいー♪」
「……普通の寝巻きだけど」
 お風呂で脱いだものを荷物カバンやら備え付けのクローゼットやらに押し込んで、
自分のベッドに腰掛ける。
 ドライヤの間に火照りは半ば冷めてしまったから、後は寝るだけだ。
冴姫は手に握っていた髪ひもを膝に置いて、長い髪をザックリと三つ編みに
編んでいった。あまりきつくやると、朝にクセが残ってしまう。1分程度で編み終え、
髪ひもでとめた。
「な、なに、はぁと」
 はぁとがこっちを見ていた。まじまじと。
「寝るときって、そんなふうにしてるんだ」
「え? ああ、髪ね。ええ」
 冴姫は、できあがった三つ編みを身体の前の方へ持ってきて、ベッドに横になった。
「私、全然眠くない。 冴姫ちゃんは眠い?」
「私は、疲れたわ、取りあえず」
「どうして? 何かあったの?」
 冴姫は溜め息をついた。
「はぁとが連れ回したんでしょ」
「むっ」
「まったく、自由行動だからって、普通は観光案内の端から端まで
制覇なんてしないわよ」
「……だって、全部見たかったんだもん」
 次いつ来れるかわからないし、ってはぁとは言った。
「はしゃぎすぎよ。 とにかく、私はもう眠るから」
 実際、冴姫は疲れていた。はぁとの話し相手はできそうにない。
 毛布を引き寄せて眼をつむると、すぐに眠気かやってきた。

87名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 01:36:20 ID:ipVjPWNo0
わくわく、どきどき。

8886の続き:2007/01/07(日) 01:43:28 ID:YMJdrHLE0
「冴姫ちゃーん」
 はぁとは、1人でさっさと眠る体勢に入ってしまった冴姫ちゃんに呼びかけた。
 返事がない。
「寝ちゃったの?」
 つまらない。修学旅行の夜は、遅くまで話しているのが楽しいのに。
 その相手が冴姫ちゃんだったら、もっと楽しいはずなのに。
 はぁとは、そっと呟いてみた。
「さーたん。さーたん」
 反応はなかった。どうやら、本当に眠っているらしい。
「さーたん、起きないと、そっちの布団にもぐり込んじゃうよ」
 やっぱり、反応なし。
 はぁとは抱いていた毛布を離して、ベッドから降りた。冴姫ちゃんのベッドに歩み寄る。
「ほんとに、入っちゃうからね」
 そっと、冴姫ちゃんの毛布の隙間から、身体を入れた。大きなベッドに大きな毛布だから、
2人でもそんなに狭くない。はぁとは、ベッドの中を進んで、冴姫ちゃんへ近づいていった。
次第に体温がわかるようななる。そうして、2人の身体が触れた。
 仰向けで寝ている冴姫ちゃんの耳元に、ささやく。
「さーたん。 お話しよー」
「(すーすーすー)」
 冴姫ちゃんは熟睡している。近づいて変わったのは、寝息が聞こえるようになったことだけだ。
「む〜〜!」
 はぁとは、突然むかーっとなった。
「ねー! ねー! さーたん!」
 冴姫ちゃんの肩をつかんで、力いっぱい揺さぶる。
「きゃ!」
「さーたん! さーたん! 寝たらやだよ! お話しよーよ!」
「ちょ、ちょっと、はぁと、やめなさい、やめてったら」
「さーたん! お話!」
「何がどうなって……ああもう! ほら起きたわよ! どうしたっていうのよ」
「やっと起きた! さーたん、お話しよっ♪」
 冴姫ちゃんは、あからさまにうんざりした顔になった。
「疲れたから眠らせてって言ったじゃない」
「でも、私はさーたんと、お話したいのっ」
「話なんて、明日の朝にでもすればいいでしょ」
 冴姫ちゃんは、大きく溜め息をついて続けた。
「だいたい、何で私のベッドに入ってるの。それにその呼び方も」
「私、ちゃんと入る前に入るって言ったよ。 それに、さーたんは、さーたんだよ!」
「……何だって今日はそんなにわがままなのよ、昼間も」
「わがままじゃないもん! 私はさーたんとお話したいのに、
眠っちゃうさーたんの方がわがままだもん!」
 何だか、はぁとは自分でもよくわからなくなっていた。止まらない。
「わがままなさーたんなんて、こーしてやるっ」
 はぁとは冴姫ちゃんに抱きついて、くすぐり攻撃した。
「なっ、はぁと!! いい加減にしなさい!」
 冴姫ちゃんは、本気で怒りかけていた。でも、止められなかった。
「お話してくれるまで、やめないよっ」
「怒るわよ! はぁと! 離しなさい!!」

ドン!

「え?」
突然、はぁとの身体から支えがなくなった。宙に浮いている。

ドッ! ドタドタ!!

 はぁとは、ベッドから転げ落ちて、床に叩きつけられた。
 冴姫ちゃんが飛び起きて、こっちに向き直った。
「ごめんなさい! 大丈夫!?」
「痛い……」
 衝撃からワンテンポ遅れて、強い痛みが襲ってきた。背中がジンジンする。
「ごめんなさい。つい力が」
「痛いよ……」
 冴姫ちゃんに突き飛ばされた。
「痛い……」
「……」
 はぁとが見つめると、冴姫ちゃんは黙ってしまった。気まずい空気が流れる。

「こら! 静かにしなさい!」

 唐突に静寂を打ち破ったのは、見回りの先生だった。さっきの物音を聞いて、飛んできたらしい。
 先生は、ただならぬ雰囲気を察したのか、室内まで入ってきて、はぁとたちを問い詰めた。
「どうしたの? ケンカ?」
「違います」
 一瞬、そうです、と言おうと思ったが、踏みとどまった。
「本当に?」
 先生は冴姫ちゃんの方にも聞いた。
「本当です。その、愛乃さんが、寝ぼけて、ベッドから落ちて」
 冴姫ちゃんは、ちらっとはぁとの方を見た。
「ふむ。まあいいわ。とにかく、大きな音は立てないこと。
夜更かしは自由だけど自己責任。いい?」



続きは書けたら貼ろうと思います……
とりあえずイラストスレの盛り上がりに嫉妬(´・x・`)

89名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 01:53:32 ID:ipVjPWNo0
うわ、ここまでやって寸止めですか;

イラストスレの盛り上がりは異常。
俺もちょっと頑張ってみる。

90名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 02:20:50 ID:.5FDQ6r20
あの盛り上がりは確かに凄いなw
でも実際はぁとや冴姫以外は不確定な部分が多くてムック待ちな感じなんだよなー

91名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 03:25:56 ID:w2cgN3doO
俺はこっちのスレの方が好きだな
キャラが生きてるって感じがするし

92名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 07:18:01 ID:rSfjqPB60
 夜の江戸城跡地。
 夜の静寂が満ちる無人の旧跡に一つの人影。
 紺色の学生服に身を包み、手には日本刀。
 腰以上はあろう長い髪を武人のように一つに結わいている。
 その少女、朱鷺宮神依は江戸城跡の池の前に立ち、水面に映る月を眺めていた。
 月は満月。月光はある意味、太陽からの木漏れ日だが、太陽のそれとはまた違った―――
 特に今夜は―――どことなく神秘的な妖しさを持っていた。
 その月光を受けて立つ神依もまた、そのままそこに立っていればいずれ月光に融けてしまうのではないか? 
 と思えるほど神秘的な雰囲気を漂わせていた。
「……」
 瞼を閉じ、ただ黙ってその場所に立ち続ける。瞑想でもしているのだろうか? 
 しかし、背後に気配を感じた神依は目を開き、背後へと振り返った。

93名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 07:21:17 ID:rSfjqPB60
「誰だ」
 刀を構えつつ振り返るとそこには。
「あ、居た〜!」
「愛乃?」
「神依先輩!」
 なんとそこには、愛乃が立っていた。構えた刀を腰に戻す。
「愛乃。何故、こんな所に?」
 愛乃は制服のままで、手には通学かばんを持っていた。今日は学校があったはず。
 ……となると、まただろうか。
「あ、はい。こっちの方で歪みを感じたし、神依先輩学校にもいなかったから
 今日も『お仕事』してるのかな〜って思って」
 やはりか……。
「愛乃。協力しようという気持ちはありがたいのだが、これは私の責務だ。
 愛乃は学生であって学業という最優先すべき……」
「大丈夫です! 『今日は』授業を抜け出してきてなんかいません! 
 学校が終わってからきましたから!」
 どうやら少しはわかってくたようだ。
 以前の説教がだいぶ骨身にしみてくれていたのかもしれない。
「そうか。だが、夜にこんな場所まで来るとは感心せんな。
 以前も言ったがご両親に心配をかけるようなことは……」
「それも大丈夫です! ちゃんと電話で『友達のところに行ってくる』って連絡をいれましたから」
 愛乃にしてはずいぶんと用意周到だと思う。
 若干虚偽の報告が混ざっているような気も感じるが、この際は目をつぶることにしよう。
「ふむ。だが、既に『仕事』は済んだ。今は一息入れていたところなのだがな」
 あの事件から二ヶ月が過ぎその影響もだんだんと薄らいできていた。
 あれほど大規模な融解でこれほどで済んだのは不幸中の幸いといえるだろう。
 ―――しかし、そのおかげで。
「え〜! また遅刻ですか〜!! はぁ〜……最近、ぜんぜん神依先輩のお手伝いできてない……」
 ―――気合を空回りさせて落ち込む者がおり、そしてその度に。
「そう落ち込むな。自分で歪みを感知し、方向もあっていたではないか。それは進歩している証拠ではないか。
 そのうち私より早く、その場に居る事になるかもしれん」
 ―――こうして助力の言葉をかけるのが日課になっていた。
「そうですか? えへへ……」
「うむ」
 視線を再び池へと向ける。
 今回の歪みはちょうどこの池の真上にあった。
 完全に歪みはおさまったか改めて確認する。
 どうやら収まったようだ。すこしの乱れも感じない。
「お月様、綺麗ですよね〜」
 愛乃が隣に立っていた。どうやら私が月を見ていると思ったらしい。
「ああ、そうだな」
 確かに今日の満月は綺麗だ。
 よく考えると、この時代で目を覚ましてから、初めて見た満月だった。

94名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 07:24:00 ID:rSfjqPB60
月見の時がしばらくすぎた頃。
「あの、神依先輩」
 その声に月から視線をそらし愛乃の方をみる。
「なんだ?」
「まおりんから聞いたんですけど……もうすぐ、眠っちゃうんですよね?」
 どことなく、愛乃の言葉には不安が混じっているように感じる。
「そうだな。この時代での役目も済んだ。明日にでも再び眠りに就く」
 明日、という言葉に驚いたのか愛乃は小さく「えっ」と声を上げた。
「どのくらいですか?」
「わからぬ。だが、永いだろうな」
「10年?」
「いや」
「20年?」
 私は首を振った。そして愛乃から視線を逸らし月を仰ぎ見る。
「……30年、ですか?」
「わからぬ。世界が私を必要とするその時までわたしは眠っているからな。
 ゆえに『その時』が何時なのかは、世界にしかわからない」
「……」
 愛乃は黙ってしまう。だが、何を思っているかは言わずともわかる。
「また、会えますよね?」
「……」
 愛乃は待っている。己が期待する言葉が私からでるのを。
 だが、私は嘘を吐かない。
「いや―――」
 ……いや、吐きたくないのだ。
「その可能性は無きに等しいな」
 たとえそれが愛乃を失望させるものだったとしても、嘘よりははるかに
 『救い』がある。叶わぬとわかっている願いならば
 切り捨てて先の道を行く方が良いに決まっている。
 だが、愛乃は。
「そんなの……嫌です!」
 それを否定する。
「なんでですか? なんでそんなに眠らないといけないんですか? 
 ずっと起きてたっていいじゃないですか。
 だってその方が神依先輩だって楽しいし、歪みを見張ってる事だってできるじゃないですか!」
 当然の疑問だろう。
「眠る理由か……」
 語ろうか。
 『千年守』の根源を―――

95名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 17:28:51 ID:YMJdrHLE0
神依の過去話クルー!?

96名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 18:53:43 ID:fv2xKXso0
わっふるわっふる

9751:2007/01/07(日) 19:06:33 ID:crEth./E0
姉さんが書きたいんです。とにかく姉さんが書きたい。
格好いい姉さんが書きたい、ということで、勝手に創作してみようかと思います。
これって著作とかその辺大丈夫なのかな・・・(´・ω・)よくわからん
大丈夫そうならちょびちょび書いて行こうかと思います、教えて賢い人!!

ちなみにこんな話↓↓


事件の元凶、ミルドレッドとの戦いに挑む舞織と鼓音。
舞織はアルカナ『オホツチ』で鼓音を援護し、鼓音は激闘の末、ミルドレッドの外殻を破壊した。
だがその瞬間、溢れ出したアルカナエネルギーが暴走を始めた。
眩い光の中、鼓音は舞織を庇い身を盾にする。世界が暗転して行った。
鼓音が目を覚ましたとき、そこは空中に浮かぶ城ではなく、見覚えのない郊外の平原だった。
果てなく続くように思えた平原に、もう一つ人影があった。
鼓音はその人影に見覚えがあった。朱鷺宮神依。しかし、彼女の様子と言動がおかしい。
果たして何があったのか・・・・・・。


時のアルカナが暴走して、姉さんが過去に飛ばされちゃって
拳一つで大冒険する話です。
いいのかな、書いてもいいのかな?!

98名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 19:49:52 ID:2I0k.X3.0
>>88に期待age

99名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 19:54:18 ID:fZ.dbkJ6O
>>97
その程度で駄目なら同人屋なんて全員捕まってる

100名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 20:56:23 ID:BLTY6NDIo
リーゼはEDではぁとに好印象を持ったこともまとめに加えてくれ

101名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 21:53:39 ID:W9TiMdJI0
リーゼとはぁと、今では二人仲良く喫茶愛乃でウエイトレス

はぁとは仕事片手間にピアノ演奏

リーゼは喫茶愛乃名物ケーキに負けず劣らずの
本場ドイツ仕込みのザッハ・トルテ作りで大忙し。

今日も喫茶愛乃は楽しい笑い声で包まれていた。

102名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 22:22:34 ID:fv2xKXso0
リーゼの二重人格っぷりについて補足頼む

俺はリーゼ使うとCPUにすら殺されちまってイベント見れねぇ…巫女もだが…

103名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 22:55:47 ID:W9TiMdJI0
>>102
リーゼはミルドレッドの依頼の元、愛乃はぁとを捕獲するべく来日
はぁと捕獲後ミルドレッドとの間に軋轢が発生。
ミルドレッド打倒後それでも天空上の崩壊が止まらず死の覚悟をした時
はぁとが助けに来る。
リーゼは、はぁとに自分の名を教え少し心を開き帰国。

以上こんな感じ、ちゃんちゃん♪

104名無しのアルカナ使い:2007/01/07(日) 23:05:09 ID:iOv98DfEO
リーゼには姉の人格とリーゼの人格が居て同時に表に出ている。姉の人格の方が人形を動かしている、て感じだったと思う。

10588の続き:2007/01/08(月) 00:37:38 ID:6iBPTIos0
 冴姫の説明を信じたわけでもなさそうだったが、ともあれ女教師は部屋から出ていった。
「私、寝ぼけてなんかないよ……」
 ドアが閉まったのを確認してから、はぁとはいじけたように言った。
「ごめんなさい。もう、仲直りしましょう? 私、はぁととケンカしたくない」
 いきなり叩き起こされて一度はエキサイトした冴姫だったが、第3者の介入もあって
今は幾分落ち着いてきた。
 別に、はぁとがそこまで話したいのなら、話したっていい。
 疲れているのは本当だが、無理して付き合ってもいい。
 突き飛ばしたのは、自分が悪い。
 何にしろ、はぁとと仲違いしてまで通さなければならない意地なんて、見当たらなかった。
 冴姫の提案に、はぁとは声は出さずにうなずいた。
「ぶつけたところ、大丈夫? 見せて」
 冴姫は少し後ろにさがって、はぁとを招いた。後ろ向きでベッドに腰掛けたはぁとを促し、
パジャマの上を脱がせる。
「アザになってる?」
「ええ」
 左の脇腹から背中にかけて、アザがあった。
「ごめんね」
 冴姫は、青く変色した肌を、刺激しないように優しく撫でた。
「まだ、すごく痛む?」
「ううん。引いてきた」
 はぁとは、あまり喋らない。まだ、怒っているのかもしれない。
冴姫は謝るだけ謝ってしまったので、とりあえずはぁとが何か言うまで待とうと思った。
「……へくちっ」
「あ、寒かった?」
 触れていた手を慌てて離す。
「服着ていいわよ」
「え? いいよ、冴姫ちゃんの手、あったかいな」
「くしゃみしてたじゃない」
「してないよ」
「……もう。じゃあこれ、前にかけてなさい。背中はさすっててあげるから」
 自分の毛布を手渡す。
「うん」
 それから、2人とも無言になった。
 はぁとは後ろ向きで、どんな表情をしているのかわからない。
頭にのぼった血は、もう下がっているようだったが。

106名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 00:48:30 ID:2fAy5Gno0
>>105
あー、なんでこれ読んだだけでニタニタしちゃうんだろ…

107105の続き:2007/01/08(月) 01:06:16 ID:6iBPTIos0
「ただいま、って」
 数分くらいして、はぁとが口を開いた。
「冴姫ちゃんさ、あのとき、ただいまって言ったよね」
 あのとき、というのがいつのことなのかは、聞き返さなくてもわかった。
「ええ、言ったわ」
「でも、それって。それって。嘘、だよね」
「嘘じゃないわよ」
 いきなり何を言い出すのだろう。否定すると、はぁとは首を振った。
「冴姫ちゃんが、ただいまって言ってくれた、その時は、本当だって思った。
 本当に、やっと冴姫ちゃんが、帰ってきたんだって」
「はぁと、何を言ってるの?」
 はぁとの声は暗く沈んでいた。一言一言を搾り出すような悲壮感に気圧されながら、冴姫は訊ねた。
「私ね、冴姫ちゃんの一番の友だちだよ。だから、わかるよ。冴姫ちゃんは、帰ってきてなんかない。
 また、どこかに行こうとしてる」
 はぁとの身体から手を離して、冴姫はごくりと唾を飲んだ。
「多分、イギリスの、友だちだったって子のために」
「それは……」
 気付くと、手は汗でびっしょりだった
「あの、お空の城にいた女の子。あの子のため?」
「あなた……、フィオナに会っていたの?」
「フィオナって名前なんだ。ねえ、あの子のこと、助けに行くんでしょ?」
 そうだ。はぁとは自分を追いかけて空中庭園まで来ていたのだった。フィオナと
会っていても、おかしくはない。もしかしたら、そのときに何か聞いたのかもしれない。
 冴姫は、肺に溜まった空気を入れ替えてから、答えた。
「確かにフィオナのことは、何とかしないといけないって思ってる」
「じゃあ、何で、ただいまなんて、嘘ついたのっ」
「……」
「隠してたいなら、隠してたっていいよ。でも、ずっとここにいるって言ったのに、
 遠くを見ているのは、嫌だよ」
「……フィオナのことは、私もよくわからないのよ。無事だったなら、
 私に知らせてくれてもいいはずなのに。ミルドレッドに協力していたし。それに、
 何か向こうの世界から写りこんでいるような、そんな感じだった。まるで、この世のもの
 ではないみたいに。だから、最初は幻だって思った。まやかしだから、気にしなくてもいいって。
 でも、時間が経つにつれて、本当にそうなのか、わからなくなって」
 弁明しながら冴姫は、これが自分の事情でしかないと気付いた。
「それで……」
 はぁとには、全く関係ない。はぁとが言っているのは、もっと別のことだ。
 結局、冴姫はあのときの自分の言葉を、後から嘘にしてしまったのだ。
 それがわかって、冴姫は続きを言えなくなった。
「ごめんなさい。確かに、私は嘘をついたみたい」
 はぁとが自分から何を聞きたいのか、しっかり考えて声に出していく。
「私は、まだ帰ってきてない。何をしたらいいのかわからないけど、近いうちにフィオナのために
 何か行動を起こすわ。私が本当に帰ってくるのは、それが終わってからになる。でも、いつか必ず
 帰ってくる。それまで、待っていていくれる?」
 言い終えて、冴姫ははぁとの問いかけに正確に答えることができたと思った。
「はぁとが辛い思いをしているのに、気付いてあげられなくて、ごめんね」
 これで、仲直りだ。
 はぁとがさっき妙に噛み付いてきたのも、きっと冴姫がはぁとを蔑ろにしていたからに
違いなかった。ちゃんと筋を通した今なら、機嫌を直してくれるはずだ。


 しかし、はぁとは暗い声のまま、全然違うことを話し出した。



だらだら続きますー。一応、冴姫エンディングから数ヵ月後の話のつもり。

108名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 01:19:50 ID:8VuXEo6g0
SSってサイドストーリーなの?
    ショートストーリーなの?
                …どっち?

109名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 03:26:38 ID:hSXYi7L20
>>105
頑張ってください。応援しています。
はぁと×冴姫のタッグは最強

110名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 03:32:38 ID:hSXYi7L20
>>108
サイドストーリーと思われがちだけど、ショートストーリーが正解っぽい。

111名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 03:38:09 ID:8VuXEo6g0
無駄に長くなりそうなのはNGか。
質問ばかりで申し訳無いが、どれぐらいが許容範囲なの?

112名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 03:54:41 ID:B2Umr112O
無駄に長くてもかまわんでしょ。SSなんてそんなもんだろうし。1000レス全部使い切るのも可。気楽に。
俺達はSSがみたいんだ!

113名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 13:12:47 ID:sHFE79Rg0
>>108
一応ショートストーリーという意味でスレ立てしました。

>>111
ほんの数行で終わるものから5レスくらい使う長い物でもおk
・・・・・・のはず、もしろどんどん書いちゃってください〜

114名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 14:00:32 ID:B2Umr112O
スレ主、ちゃんと見てたんだな。

115名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 14:32:48 ID:YrjoQ/8A0
アナウンサーの人兵働って名前なんだな

116名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 15:39:02 ID:8VuXEo6g0
>>110->>113
回答ありがとう
仕事の合間にでもボチボチ書いて投下しますわ

117名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 19:20:11 ID:gMkoMbC.0
>>113
……長編書こうかと思ってたけど厳しいかな
ブログか何か外部で書いて、「書きましたー」とアドレス貼り付けるのはやめといた方がいいか?

全員使ってお約束なシリアスが書きたくなってしまった

118名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 19:33:14 ID:cNZ0qFvcO
>>117
見たい

119名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 19:36:54 ID:nA7D0T5UO
俺のような新参でも書いていいのかな?
イラストはダメだからこちらに来たんだが…

120名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 21:00:55 ID:03Em4ML60
わかる限りでストーリーテキストや勝利テキストなんかを書いていってみないか?
資料になっていいと思うんだが
とりあえず明日観戦しつつ調べてくるわ

12170:2007/01/08(月) 21:07:43 ID:Ua2pwpCYO
自分もイラストは全然自信なくてここに来たクチです・・・・それでまあ下手なSSではありましたが自分の考えた話を楽しく書けて面白かったな、と思っています。なのでネタができたら即書き込み!っくらいがベストですよ〜!

122名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 21:36:11 ID:nA7D0T5UO
>>121さん
ありがとうございます。
早速考えてみよう。

123名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 21:52:49 ID:gMkoMbC.0
>>120
同じく資料なくて困ってるところ。
↓で収集してまとめ(→最終的にはwiki?)たいね。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/33739/1167923630/l50

このスレからも有志が出てくれると作業が楽なんだがどうだろう。
作業工程やテキストまとめは俺が率先してやるつもりでいる。

124名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 21:57:36 ID:ThEkU8Fw0
うろおぼえ・・・・じゃだめだよね?はぁと様だけだけど・・・

125名無しのアルカナ使い:2007/01/08(月) 22:08:00 ID:gMkoMbC.0
うろおぼえでも全然おk
スレで補完していけばいいし。
テキストなしの音声(必殺とか掛け声とか)も考えると。

126113:2007/01/08(月) 22:13:46 ID:sHFE79Rg0
>>117
私は問題ないと思いますよ?
むしろ凄い読みたいんで期待しています。

>>123
それじゃぁアルカナやる時は台詞覚えるように心がけますわ
「セリフ・ボイス収集スレinアルカナ板」の方に書いとけばいいのね?


あとイラストスレでもそうだけど「新参だけど・・・」って人は自信をもってもいいと思うよ?
ここはどんな人でも気軽にSS作れるためのスレだし、まずは投下してみなきゃ
書きつづければ実力も向上しますよ〜、そりゃもう本当に・・・

127119:2007/01/09(火) 00:12:20 ID:s74AqgW6O
「さみぃな……ったく」
学校の帰り道。俺は1人ぼやいた。
俺の名前は結城 薫(ゆうき かおる)
女っぽい名前だが男だ。
一応平凡な高校2年生やってる。
ただ一つだけ普通と違うのは、俺は一人暮らししているということだろう。
北風がピュウと吹き抜けた。
「さぶっ……」
薫は冷たい風にぶるっと身を縮めた。
防寒にセーターは来ているが、やはり寒い。
「なにか温かいものが欲しいな…」
そう言いながら薫は自動販売機を見つけて、ホットコーヒーを買った。
「お…あったけ〜」
冷えた手も温まる。思わず顔もほころぶって奴だ。
「飲みながら帰ると家で処理する事になるから面倒だなぁ……」
少し考えて、近くの公園のベンチで飲む事にした。
あそこなら落ち着いて飲める。
そう思い、薫は小走りで公園に向かった。

公園は無人だった。
四つあるベンチの一つに腰掛け、缶のタブを起こす。
コーヒーを一口飲んで、ふーと息をつく。
今まで冷めてた体に熱が回ってきた。
もう一口飲んで、周りを見渡し、薫は何かに気付いた。
「…ん?」
離れたベンチに誰か座っている。
目を凝らし、よく見ると、それは少女だった。
歳は10歳くらい、黒いドレスを着、茶色っぽいトランクを抱えて座っていた。
「…珍しいな。女の子が1人でここに座ってるなんて」
最初は珍しいと思い、しばらく見てたが、少し目を離した瞬間いなくなってしまった。
「あれ……?」
消えてしまった。
少し疑問に思いながらも、その日は家に帰った。
とりあえずこんなん書いてみました。
男主人公+リーゼネタにしようかと思ってる。

128名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 00:40:55 ID:b3ESet360
リーゼロッテルート始まった

129名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 01:16:26 ID:C6Y1ojps0
安栖頼子は今日もまた不可解な契約成立した自称魔王のミケのわがままに振り回されるのだった。
「フレンチクルーラーが食べたいな。買いに行くぞ!」
「ええ〜、やだよ〜疲れたよ〜!」
文句を言いながらも結局引きずられる頼子であった。

菓子屋はもうすぐ閉店しようとしていた。
従業員も帰る支度をしており、カウンターにいるのは店長と思われるおばちゃん一人だった。
「おや、頼子ちゃんいらっしゃい。何を買いにきたんだい?」
「えっと、フレンチクルーラーを・・・」
頼子がそう言ったとたん、おばちゃんが申し訳なさそうに答えた。
「悪いんだけど今日はもう売り切れちゃっだんだよ。また明日来てくれないかい?」
「わかりました〜。・・・ミケぇ、売り切れだってさ〜、もう帰ろーよ〜」


ミケは頼子の部屋で2時間ねむった・・・
そして・・・・・・  目を覚ましてしばらくして・・・

フレンチクルーラーが売り切れだったことを思い出し・・・・・・泣いた・・・・・・

こういう内容のSSしか書けないけど暇を潰してくれたら嬉しいな。
ちょっと菓子屋とか自分の妄想入ってるけど気にしないでくれ。

130名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 01:25:01 ID:alPo2q8M0
さて、ここらで何となく言っておこうと思う。
このスレハジマタ(`・ω・´)!
皆さん頑張って!俺は受験があるので一時期戦線離脱だチクショー

131名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 01:43:27 ID:Nvjz748k0
さて、



 み ん な G J

13251:2007/01/09(火) 02:03:20 ID:XAaoOCLM0
で、本文が長すぎますって言われたんだけどどうしよう(´・ω・)
やっぱ書き込むにも限界あったのねww
自分のブログにはっつけて公開とかでもいいのかなぁ?

133名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 02:06:02 ID:alPo2q8M0
何回かに分けて投稿するといいアルヨー。
そういう場合は割り込みがない様に○分後に投下、とか言っておくと更にいいアルネー

13451:2007/01/09(火) 02:09:47 ID:XAaoOCLM0

大気が唸りを上げ空が猛る。鼓音の褪せた青色の髪がざわめく。
風が死に、一羽の鳥が、ポトリと力なく落下する。
鼓音が眼前に見据えるのは、蛹を思わせる形状の物体だった。
硬い外殻に覆われたそれは、鼓音の拳を通さず、着々と中の蝶(ミルドレッド)を育てる。
ぎり
奥歯を噛み締め、鼓音は蛹に向かって走り出す。

「ッアァァァ!!」

裂帛の気合と共に突き出された正拳。
だが、幾度と無く繰り返されたその行為は、無駄な事を証明済みであった。
ビシリ と外殻の一部が欠ける。だがそれだけだ。内部に衝撃は伝わらず、
まして蛹自体を破壊するには至らない。
それに対し、鼓音の拳はぼろぼろであった。
真白だった袴は拳から滴る血で薄汚れ、健康的な瑞々しい肌は、無数の擦過傷とやけどを負っている。
蛹も無抵抗のまま、外敵からの攻撃を受けているわけではなかった。
蛹を守る宝珠が真紅の輝きを放つ。
真紅は火球となり、害為す存在、鼓音に襲い掛かる。

「くっ――」

強引に身体を捩り、火球を交わす。無理な動きで、鼓音の関節は軋みを上げる。

「姉さん!!」

たまらず後方で舞織が声を上げ、駆け出そうとする。

「くるなッ!!」

だがそれを鼓音は鋭い声で制す。
距離を置くと、蛹の周囲を飛び回る宝珠は攻撃を加えてこない。
その距離を常に計算しながら、鼓音は戦っていた。

「お前は、お前の出来る事をしてくれ。」

肩越しに声をかける。
舞織からは、傷だらけの背中と、いつもと変わらぬ姉の横顔だけが見えているだろう。
それは何とも逞しく、頼りになる姿だった。
決意と共に舞織は口を開く。

「姉さん、あれをやりましょう!!」

あれと言われ、一瞬のキョトンとした顔になる鼓音。
だが、すぐに察し、笑みと共に大きく頷く。
今まで数々の戦いを切り抜けてきた。
鼓音が前で戦い、舞織が弓やオホツチの力を使っての援護。
その中で、オホツチの力を鼓音に与える事は、一度として成功しなかった。
精霊は主たる資格を持たない人間には力を貸さない。

「今ならきっと、やれるわ!!」

「そうだな、私もなんだかそんな気がするよ。」

だが、血筋を同じにした二人の差は何であろうか。
鼓音は今、ようやくとそれを理解した。

――意思。

鼓音は舞織一人では危険だろうという理由で、妹の戦いに連れ立った。
それはつまり、結局は舞織が居なければ、戦わなかったという事だ。
鼓音の意思は、他人に依存したモノであった。
舞織は違った。聖霊庁からの依頼で事件へ関与する事となったが、自らの責任、世界への愛。
何より大切な人達を守るため、舞織は戦っていた。
その意思の主に、精霊オホツチは力を貸していたのだ。

「アルカナブレイズ、お願いオホツチ!!」

舞織がオホツチを開放する。
不可視だが、巨大な存在を背中に感じながら、鼓音はゆっくりと歩を進める。
宝珠が真紅の輝きを増し、火球を浴びせようと迫る。

「オホツチ、私の意志を見せよう!!」

目前に迫った火球を、突き出した右腕で掴む。

ジュウ!!

赤熱の痛みが鼓音を襲う。
痛みで白くスパークした視界の中、鼓音はただ火球を見据える。

13551:2007/01/09(火) 02:12:57 ID:XAaoOCLM0
さらしに包まれた右腕が一回り膨れ上がる。

「ッアアアァァ!!」

悲鳴のような怒声を上げ、渾身の力で火球を握り締める。

ビシビシ

「そこを――」

右手の関節が断末魔の悲鳴を上げる。もう無理だ、砕ける、砕けてしまうと。
だが、それを鼓音は笑い飛ばす。
右がダメなら左がある。手が駄目ならば足がある!!

「どけぇぇええええええええ!!」

先に断末魔を上げたのは火球だった。
鼓音の握力で粉砕された火球は、大気に霧散し、煙のように消えた。

「オホツチィィィィィ!!!!」

呼ぶ声に応えるように、巨大な力が流れ込んでくる。
砕けかけ、裂けていた拳は見る間に治癒されていき、体中無数にあった擦過傷や火傷は消える。
鼓音は蛹に向かって駆ける。
宝珠が本体を守らんと道を塞ぐ。しかし今の鼓音を止めるには大きく役不足であった。
オホツチが鼓音の身体を、薄いヴェールで包み込む。
鼓音は腕を振るうだけで、あれほど苦労した宝珠を吹き飛ばした。
目前に迫るは標的の蛹。

「見せてやる、これが・・・・・・これが私の鍛えた拳だ!!」

柔能く剛を制す
しなやかな物が鋭いものを逸らし、結局相手に勝ってしまった事から出来た言葉だ。
だが、硬いだけの物は、本当に劣っているのだろうか。
そんな事は無い。捉えれば硬く、鋭いものが強いに決まっている。

――私は、舞織の剣になろう。矢になろう。

自分よりも余程しっかりした妹を、守ろうなどとは言わない。
何故なら自分は硬いだけ、鋭いだけだから。
使い手である舞織が居て、自分は初めて意味のある存在になる。

目の前のこれは何だ。
硬い、そう、とても硬い外殻に守られている敵だ。
砕いてやろう、自分の剛で砕いてやろう。
自分は――この敵よりも、硬い拳を持っているのだから!!



「北斗剛拳ッ!!!!」




金色に輝く鼓音の拳が打ち込まれる。
腰を落とし、完璧な予備動作から生まれた正拳突き。

ズン――……

一切の音が消える。
あれほど唸りを上げていた風がピタリと静まり、猛る空は時が止まったかのよう。
そんな中、小さな、本当に小さな音が生まれる。

ピシリ

音は波紋が広がるように拡散していく。

ピシピシピシ――

鼓音の拳を中心に、放射状にヒビが走る。

カッ――!!

その隙間から眩い光が溢れ出す。
霞み往く意識の中、鼓音はそれを目を細め、満足げな顔で眺める。

「――づね姉さん!!」

意識が暗転する直前、愛する妹の、自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。




>>133ありがとー
皆がまったり系書いてる中、一人空気読まずに少年漫画のノリで書きます(´・ω・)
姉さん可愛いよ格好いいよ('ω'*)

136名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 02:33:08 ID:b3ESet360
>>129
ネタわかるまで少し時間かかったけどワロタ

137私のさーたん:2007/01/09(火) 03:02:46 ID:SS6Z.Ueg0
「さーたん!私達、ずうっと一緒だよね!」
「そうね・・・・。私もはぁととずっと一緒にいたいわ。」
「やったあ!私、さーたんの事、だーい好き!」
「ありがとう。私も好きよ・・・」

・・・・・今思えば・・・・その一言がいけなかったのかもしれない・・・・・・・


男子生徒「お、俺!!冴姫さんのこと、好きなんです!つ、付き合ってください!!!」
冴姫「えっ・・・・・・?」

本当に突然だった。今まで男性に告白などされたことのない私にとってはどうすればいいのか
全くわからなかった。しかしとりあえず何か言わなければと思いこう言った。

冴姫「す、少しだけ、考えさせてもらえるかしら・・・?」
男子生徒「は・・・はい!!」

彼はそういって顔を真っ赤にしながら走っていった。きっと告白するのは初めてなのだろう。

ある日、私はうちの学校の近くにある共学の生徒手帳が落ちているのを見つけた。
最初は学校のほうに届けようかと思ったのだけれど、住所が私の家の近所であることを知り、家まで
届けにいくことにしたのだった。
彼と話すようになったのはそれからである。買い物などで顔を合わせては他愛のない話をしていた。
あまり男性と話す機会がなかった私にとって初めての男友達だった。

・・・・・・そんな彼が私に告白をしてきた・・・・

正直嫌な気はしなかった。彼はとても優しく、思いやりのある人物だったから・・・。

あの事件から数年がたち・・・・私やはぁと、他のみんなも高校生となった。
はぁとにはまだいないけれど、他の友達は恋人ができたんだよ、という話はよく聞かされていた。

「私も・・・・そろそろ恋人をつくっても・・・いいのかしら?」

そんなことを考えながら私は親友をあまり待たせてはいけないと思い校門に向かった。

はぁと「さーたんおっそ〜〜い!なにしてたの〜〜?」
冴姫「ごめんなさい。ちょっと係の仕事が残ってたの」
はぁと「そっか〜お疲れ様!さっ、帰ろうさーたん!!」
冴姫「ちょ、ちょっと手をつなぐのはさすがに恥ずかしいわよ・・・////」

と私が言うとはぁとは満面の笑顔で私の手をブンブン振りながら尋ねた。

はぁと「え〜?でも中学生の頃はよく繋いでたよ〜♪」
冴姫「あ、あれは中学生のころの話でっ、私達もう高校生よ?少しは・・・・」
はぁと「・・・・・・少しは・・・・・・なぁに?」

一瞬びくっとしてしまった。はぁとの表情が笑顔から急に真剣になったからである。

冴姫「え・・・っと、少しはその・・・・」
はぁと「・・・・・さーたん私のこと嫌いになったの・・・?」

とはぁとが涙目になりながら私に尋ねるものだから私はとっさにこう答えた。

冴姫「・・・・そんなことあるわけないでしょ?いつもあなたがいてくれるから私は強くいられるの。
   あの事件の時だってそう。あなたを守りたいと思ったから私は戦えたのだから・・・。」
はぁと「ほんと?じゃあやっぱり私のこと嫌いになってないんだね!」
冴姫「そうよ。だからもう泣かないの。ほらっ、手繋ぎましょ。」
はぁと「わ〜い♪」

そういうとはぁとはまるで子供のように満面の笑顔を浮かべて私の手を強く握ってきた。

はぁとはいつまでたってもはぁとなんだなぁ、っと心の中でちょっと笑ってしまった。

そのあと私達は仲良く手を繋ぎながら取り留めのない話をしていた。

はぁと「それでね、それでね、さーたんが来るちょっと前に校門をすごい速さで駆け抜けてったんだよ!もうびゅびゅーーんて感じで!」

おそらく彼の事を言っているのだろう。

冴姫「そう。そんなにはやく帰ってみたいテレビでもあるのかしらね?」
などととぼけてみた。そうだ、彼への返事を考えないと・・・・。

と、しばらく私が無言でいるとはぁとが私にたずねた。

はぁと「ねえねえ、さーたん」
冴姫「なぁに、はーたん」



はぁと「あの男の子・・・・・だあれ?」


・・・・続く?

すんごい長くてごめんなさい。相変わらずあんま面白くないですねえ。設定勝手に作っちゃうし。
はぁとの子供っぽい怖さを出せたらなあ、っと。・・・こんなキャラじゃないっちゅうねん・・。

138名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 03:10:08 ID:kH/UumaE0
>>137
そこで止めるのか…なんか、怖いんだけど;
最後のはぁとのセリフが;

139名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 03:10:56 ID:kH/UumaE0
>>137
そこで止めるのか…なんか、怖いんだけど;
最後のはぁとのセリフが;

140127の続き。:2007/01/09(火) 03:32:22 ID:s74AqgW6O
翌日―――
「まずった!寝過ごしたっ――!!」
薫は叫びながら通学路を走っていた。
あの公園での事を考えてたら寝過ごしたのだ。
それを悔やみながら曲がり角をギュッと踏み込み曲がる。
正面を見るともう正門が閉まりかけていた。
「ここで…決めるっ!」
薫はまた一層スピードを上げる。
「もらったあああ!!」
ほとんど飛ぶように正門へと駆け込んだ。
ギリギリセーフってとこだ。
「ま…間に合った……」
朝からヘトヘトになってしまった。
こうなるともう授業なんか身につかない。
その日の授業は疲れ+寝不足=爆睡の方程式が成りたっていた。
放課後。
友達に遊ばないかと誘われたが、急用があると言って学校を後にした薫は、また公園に来ていた。
「俺の目が正しければ昨日、あの女の子はここにいたはずだ」
薫は公園に入り昨日と同じベンチでコーヒーを飲んでいた。
「……やはりいた」
二つ向こうのベンチに、その少女は昨日とまったく同じ姿勢でちょこんと座っていた。
またその少女をじっと見る薫。
「あれ?このシーンデジャブじゃね?」
とかいう思考が頭をよぎったが、気にしない事にした。
しかし、思考が終わった刹那、また少女は消えていた。
「おいまたかよ……」
はあと溜め息をつきながら正面を振り向くと、あの少女が目の前にいた。
「どわあ!?」
薫は面食らった。そりゃあビックリするだろう。
その少女は端正な顔立ちをしていて、ドレスもよく似合っている。
無表情でもこれは十分可愛い。
不覚にも薫は目を奪われてしまった。
しかし、少女は一言つぶやく。
「……ばか」
「んなっ!?」
裏声が思わず出てしまう。
その幼くも大人びた声は薫の心にグサッと音を立てて刺さった。
「お気の毒」
うつむいている彼に少女はさらに追い討ち。
これはキツい。
女の子に、しかも年下にこんなに言われるとは予想だにしてなかったらしく、薫は頭を垂れていた。
「……分かりやすい人」
少女はつぶやき、すたすたと歩き出す。
それを薫が許す訳なかった。
「散々馬鹿にしてそれかぁぁ!!」
薫は少女に飛び掛かったが、少女は表情一つ変えずトランク(しかも角)を薫の頭に降り下ろしていた。
バキャ
鈍い音を出して、トランクは頭にクリーンヒット。
薫はあまりの激痛に地面を転がっていた。
「いだだだだ!!やべっ!これ頭割れた!絶対割れたって!!」
しばらく転がった後、涙目で少女を見ると、歩き出していた。
せめてこれだけはと、薫は少女を呼び止める。
「俺は…結城薫。キミの名前は……?」
少女は立ち止まっていた。
多分教えようかどうか悩んでいるんだろう。
しばらくして振り向き、
「リーゼロッテ・アッヒェンバッハ……」
と告げて去っていった。

141名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 06:34:51 ID:vEdgq1Kc0
>>137
こえええええ

142名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 07:40:28 ID:s74AqgW6O
>>137
はぁと様怖い……

143名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 11:31:00 ID:HcVP9Zhc0
>>137
サスペンス的な展開を期待してしまっているのは俺だけじゃないはずw
はぁとが一瞬ひぐらしのレナに見えたw



「べ、別に何でもな―――」
「嘘だッッ!」

144名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 11:58:40 ID:s74AqgW6O
それはあるww

145名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 12:28:40 ID:IPDMiIl2O
女の嫉妬は恐いぜ((( ;゚Д゚)))ガクブル

146名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 14:45:28 ID:pJooggAc0
>>137
はぁと様テラコワス…これはその男の子が(ry
何する、やめ…qあwせdrftgyふじこlp

147名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 16:37:49 ID:KdOeBZ7MO
>>137
さーたんテラワイソス

>>140
薫が東鳩でタマ姉のアイアンクロー食らってる雄二(字合ってたっけか?)に見えたのは俺だけ?

148名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 16:41:51 ID:nzQ.mXSUO
>>143

そして最後にこう言うんだな

「明日…学校休んじゃ嫌だよ?」

149名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 18:54:32 ID:.hZ/Um3gO
イラストスレとこのスレではぁとが怖くなりましたw

150名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 18:58:12 ID:Owfznlf.0
kimoiを通り越して恥ずかしくなってくる
頼むから視界に入らないところでやっててくれ

151140:2007/01/09(火) 18:59:38 ID:s74AqgW6O
>>147
む、作ってみて読み返すと確かにそう見えますね。
自分としては某少年誌のギャグ漫画を少し参考にしたのですが。

152名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 20:35:48 ID:01EI1p7U0
>>137
あまりにも怖すぎる・・・

はぁと様ってぶっちゃけレz(ry

153名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 20:44:02 ID:ULO7nyt2O
はぁとと冴姫はガチレズ。このはもね。というか、ここのSS見てると全キャラみんなレズにみえる。百合百合しい。いいね!

154137:2007/01/09(火) 21:40:57 ID:SS6Z.Ueg0
みなさん読んでくださってありがとーです。うおお・・嬉しいww
んー・・・もし読んでて気持ち悪い、という方がいなければ後半(割と適当)
書いて一応話に決着をつけたいなー・・っと。どうでしょう?

とりあえず今は105さんのはぁと×冴姫が気になっています!続きに超期待!

155名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 21:53:40 ID:C6Y1ojps0
>>154
自分は続きを期待していますよ、できれば続けてもらいたいです。

今続けている他の人達の続きもすごく楽しみで常にこのページを開いている状態・・・。
なかなかパソコンから離れられないorz、楽しみで・・・。

156名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 22:01:57 ID:01EI1p7U0
152と百合っぽい匂いがするとは書いたが・・

15792〜93の続き:2007/01/09(火) 22:07:20 ID:21k7Dv5.0
『千年守』
 歴史を影で支えてきた存在。
 それは私で既に何代目なのだろうか?
 かつて千年守は眠る必要が無かった。
 いや、眠ることができなかった。
 世は常に境界の乱れが生じ、千年守とそれを補佐する一門や従者たちは
 日々異界の者たちと戦い続けていた。
 当時の境界の乱れは、今回の事件のような『人為的』ではなく
 『自然』の中で発生するものであった。
 しかし、異界の者との戦いは激しく、千年守は常に変わり続けていた。
 そしてある時。気がついた千年守が居た。
「千年守あるところに境界の乱れあり」と。
 そう。
 千年守。
 時の流れから外れた者。
 有限であるはずの時を無限とした在り方。
 おおよそ人ではありえないその存在。
 大きな矛盾。
 そう。その存在こそが、世界の流れ=時の流れ、に生じた大きな『歪み』であった。
 歪みは新たな歪みを生み出していく。
 それに気がついたその時から、千年守は有事のとき意外は眠るようになった。
 こうして今の法則が成り立ったのだ。
 自然の流れから生じる歪みは守護の一門に委ねられた。
 人為的に生じる大規模な乱れによって千年守は目覚める。
 歪みが新たな歪みを呼ぶように。
 千年守は歪みによって目覚めることのできる『歪み』の一部なのだ。

「私がこの世界に永く居ることが歪みを呼ぶ。千年守としてそれは避けなければならないのだ」
 本来守るべき『秩序』を乱すものが秩序を守っている。
 もともと千年守は人間が世界の秩序に組み込んだもの。
 人間が成すことは常に矛盾をはらみいつかは崩壊する。
 だが、それを防ぐために千年守は今の在り処として存在している。
「……」
「納得してほしい。これは千年守としての責務であり、私が背負った宿命なのだ。
愛乃。わかってくれ。……愛乃?」
 愛乃は俯いたまま。
「神依先輩は、どうなんですか?」
 と、尋ねてきた。
「何?」
「神依先輩は……それでいいんですか?」
「……無論、この千年守としての宿命を……」
「違います! 『千年守』じゃなくて! 
……神依先輩の……『朱鷺宮神依』はそれでいいんですか!?」
 愛乃は顔を伏せたまま、まるで怒っているかのように声を上げた。
 そして、その問いを聞いた時、私の心は大きく揺れた。
「せっかく、友達になれて、いろんなところ行ってみんなと遊んで
まだまだ神依先輩に知ってほしいこともたくさんあるのに……
なんで、なんで、なんですか!? 会ってすぐに、もう、さようならなんて……。
そんなの、そんなのって……」
「愛乃……」
 訴えかけるような声に混じる小さな嗚咽。愛乃は怒っている。だが同時に悲しんでいる。
「嫌なんです……みんなと、一緒に居たいんですっ! 
神依先輩もみんなと一緒に、ずっと楽しそうに笑っていて欲しいんです!
神依先輩だって、きっとそう思っているはずでしょう!?」
 愛のアルカナ、パルティニアス。
 その慈愛は何よりも深く、清流のように清く、闇の中の灯火のように尊い。
 そして、その聖霊に愛されし聖女。
 その言葉は、永きにわたって私が心の奥底へと蓄積させていた感情を再び浮かびあがらさせた。
 ―――朱鷺宮神依は思う。
 次に目覚めるはいつか?
 時代はどうかわっている?
 あの者たちは生きているだろうか?
 生きていたとしても時の流れに抗えぬ者たちは大きく変わっているはずだ。
 だが、私は変わらない。
 私の時は、流れることなくとどまったまま。
 私の周りは、私を置いて逝く。
 再び訪れる別れ。
 繰り返される喪失。
 決して変わることの無い孤独。
 
 だが、それは―――

158名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 22:10:18 ID:21k7Dv5.0
「愛乃」
 愛乃の肩にそっと触れる。それに気づいた愛乃は顔を上げた。愛乃の顔は涙でくしゃくしゃになっていて、いつもの愛乃らしくない。
「私と初めて会ったときのことを覚えているか?」
「?」
「あまりいい出会いではなかったな。
お前は私が春日を傷つけられたと怒り、私は愛乃への忠告を告げに来た身だった」
「そう、でしたね」
「では、私と仕合、その後、何を言ったか覚えているか?」
「それは……」
 どうやら覚えているようだ。愛乃にとってあの言葉は……残酷だったかも知れぬ。
 愛乃は言いたくないらしい。だから私が言う。
「『愛だけでは超えられぬ壁がある。それを知ってほしい』と」
「……はい」
 事実、愛乃は私に敗れた。仕方のないことではある。
いくら聖女としての資質に優れ、その力を自由に扱えるとはいえ
『闘い』という状況での力の用い方は経験の差がものをいうのだ。
「あの言葉、私は今でも間違っていないと断言できる。
いくら愛があれど時の流れを止めることはできぬ。
どれほど深い愛があれど人が逝くのを止めることはできず
私の宿命を変えることもできぬ」
「そんなこと……!!」
「だがな」
 私の言葉に何かを言おうとした愛乃は口をつぐんだ。
「愛以外に、私が千年守としての宿命を耐え忍べる力はないのだ」
「―――」
 愛乃は呆然と私の顔を見ている。驚いているのだろう。
 愛乃のが信じる『愛』を否定する私が、突然こんなことを口にすれば当然か。
「愛乃の言うとおりだ。朱鷺宮神依は千年守として背負うこの宿命を呪っている。
親しいものとの離別を悲しみ、決して変わることのない孤独を恐れている。
だが、それらを受け入れてもいる。何故か? 
それは、愛しているからだ。世界を。そこにいる人々を。出会った親友を。
そして……」
 髪留めにしているあの鈴にそっと触れる。鈴は変わることのない清らかな音を鳴らす。
 かつて、あの人が鳴らしていたように―――
「あの人を愛している」
 『先代』の千年守。
 わたしが愛した人。
 その想いは告げておらず。
 何よりあの人は女性だった。
 だが、私はあの人を愛している。
 あの人が残した遺志。
 あの人が守りぬいた世界。
 あの人が大切にしていた思い。
 それに比べれば、この身に背負った宿命から、何故逃げる必要などあろうか! 
 千年守としてすべてを受け継いだ時から私は覚悟していた。
 
 故に朱鷺宮神依は思う―――
 ―――すべて、愛のために。

159名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 22:13:20 ID:21k7Dv5.0
 また、月見の時間が来た。
 初めの時から、まだ余り時間は過ぎていない。
 愛乃はもう泣いてはいない。怒ってもいない。俯いてもいない。
 ただ、わずかに笑みを浮かべうれしそうに月を見上げている。
 私はわずかだが……心配事があった。
 あれは嘘偽りのない、朱鷺宮神依としての本音であった。
 今まで誰にも語ったことのない心のうち。
 それは友である愛乃だからこそ語ることができたのだ。
「愛乃」
「なんですか? 神依先輩?」
 愛乃は笑顔で私のほうを見る。何がそんなにうれしいのかはわからぬが
 あまりいい考えをしているとは思えなかった。
「今日のことは他言は無用だぞ」
「え? 何でですか? 神依先輩のお話、私、感動しちゃいました! 
みんなもちゃんと聞いてたかなぁ?」
 杞憂したとおり。愛乃の性格からすれば仕方のないことだと思うが。
「それはやめてほしい。あれは、愛乃だからこそ。……?」
 そこで愛乃の言葉の言い回しがおかしいことに気がつく。
 『みんなもちゃんと聞いていたかなぁ?』
 ―――聞いていた? 
 愛乃の視線は私ではなく、その背後の茂みの方へ―――
「……愛乃」
「はい?」
「まさか、とは思うが……いつからだ」
「えーと、初めから居ましたよ? たぶん神依先輩が『誰だ?』って言ったときから」
「なるほど、つまり最初からか……」
 気を研ぎ澄ませてみれば、向こうの茂みの奥に気配が5つ。
「このは!」
「は、はい! 神依様!」
「馬鹿! なに返事してんのよ!」
「ていうか、もうばれてると思うよ……」
「あの、リリカさん。やっぱりこんなことはやめておいたほうがよかったのでは?」
「なに言ってんのよ。舞織がはぁとに提案したんじゃない」
「そ、それははぁとちゃんが千年守様の本音を聞きたいって相談してきたからで……」
 なるほど。ことの真相を明かす会話が聞こえてくる。
 愛乃は作り笑顔を浮かべじりじりと後ずさりを始めている。
 茂みからはまだ話し声が聞こえる。
「で、携帯、録音できてる?」
 !?
「ええ、一言一句漏らさずにね」
「ああ、神依様お許しください。これも神依様を思っての……」
「録音だなんて! リリカさん何時の間に! 冴姫さんまで!」
「一応、私も……念のため……」
 ……
 ……
 ……
 愛乃が叫んだ。
「みんな、逃げるよ〜!!」
 一斉に飛び出していく人影達。
 ……いいだろう。
 眠りに就く前に、異界の者ではなく、聖霊に選ばれし聖女たちと戯れるも一興か。
「無益な殺生は好まぬが……」
 私も駆け出す。
 刀を抜く。
 真言を唱え精神を集中させる。
「せめて、その『ケイタイ』とやらを、刀の錆にしてくれる!」

その夜、公園内では少女たちの逃げ惑う悲鳴と、気合の入った掛け声と
何かわからない爆発音から、突風やら雷の吹き荒れる音まで……非常に騒がしかったという。

 逃げながら愛乃はぁとは思う。
 忘れませんように。
 この瞬間を自分も、みんなも忘れませんように。
 みんなと一緒に居られたこの時をずっと覚えていよう。
 愛の大切さを改めて知った、この月夜の出来事を。

 追いながら朱鷺宮神依は思う。
 時を作るはそなたたちの役目。
 そして、その時を守るは自分の役目。
 だから、変わってくれるな。
 愛を貫く心を守り通してほしいと。
 友を思う心を。
 その笑顔を。
 そしていつか、この宿命から解かれる時に―――

 騒がしい公園内を、透き通る鈴の音が風と共に駆けていった。

160あとがき(言い訳):2007/01/09(火) 22:21:15 ID:21k7Dv5.0
スレの流れに反する神依&はぁとでしたw
ストーリーモードで神依のはぁとに対する勝利メッセージを見たときから
この物語は考えていました。
 神依は千年守としての定めをどう考えているのか。
 なぜ、神依ははぁとにあの言葉を言ったのか。
 千年守の仕組み。
なんかを妄想しつつ書きました。
過去話は考えたのですが、ないほうがまとめやすかったので削除しました。
千年守設定はムックとかが出たら覆るでしょう(笑)
ちなみに神依の想い人は初め男にしようかと思っていましたが
アルカナらしさを出すため女にしましたw

最後の最後で台無し感漂いまくりですいませんでした。
少しでも楽しんで読んでもらえたのなら幸いです。
では、失礼しました。

161続きです。:2007/01/09(火) 22:57:46 ID:s74AqgW6O
最近は色々あった。
おとといに見かけた女の子に興味持って昨日追跡みたいな事をしたら、なんかすげえ見下されて、突っ掛かったら、トランクの角で殴られた。
名前だけは聞くことが出来た…えーと……リーゼロッテだっけ?
仕返ししたいがあんな小さな女の子にムキになるのも大人気ない。
ここは彼女と仲良くするのもいいのかもしれない。
と、薫は色々考えをまとめていた。
だが、今日もリーゼロッテはいるだろうか…
まあ、行ってみないとわからないか。
いなかったらいなかったでそれでいいんだ。
その時、チャイムが鳴った。
「う〜〜ん」
大きく伸びをして、学校の終業とともに薫は鞄を持ち、学校の門をくぐる。
ゆっくりとした足取りで公園に向かった。
「う〜〜、今日は一段と寒いぜ……」
いつものように身を縮めながら公園に入る。
この公園の人気のなさが、寒さを一層強めていた。
その寒空の下にリーゼロッテはいた。
「やっぱりいた」
薫はリーゼロッテの前に立ち、話しかけた。
リーゼロッテは薫の顔を見て、一拍置いて、
「しつこい人」
と小さくつぶやいた。
「まあそう言うなって」
薫は隣りに座った。
「リーゼロッテ…呼びにくいから、リーゼでいいか?」
「好きなように」
「そっか、ならリーゼで。改めてよろしく」
「………」
リーゼロッテは無言になった。
これも彼女なりの返答なのかもしれない。
「…寒いな。温かい飲み物買ってきたが、飲むか?」
「………」
リーゼロッテはまたも無言。
だがしばらくしてこくと頷いた。
「はいよ」
そっとペットボトルの紅茶を渡す。
リーゼロッテはそれをまじまじと見て、こちらに返す。
「開けて」
薫はペットボトルを受け取り、フタを開けて、リーゼに返した。
リーゼはトランクを横に置き、両手でペットボトルを持ち、ゆっくりと飲み始めた。
「………」
「………」
お互い静寂。
その静寂を切るように薫は立ち上がった。
「じゃ、俺もう行くわ。じゃあな」
リーゼロッテは何も言わなかったが、じっとこっちを見ていた。
「なんだ、普通に接したらいい娘じゃないか」
薫は小さく笑い、家へと向かう道を歩き出した。
少し長くて読みにくいかもしれないですが……

162名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 23:04:56 ID:C6Y1ojps0
皆様GJです。
自分は面倒くさくなってしまい続編ものは書けませんけど・・・

163名無しのアルカナ使い:2007/01/09(火) 23:14:09 ID:DIBXE58wO
160お疲れさん♪
個人的にめっさ気に入りました!!
最後の締め方が良かったです

164117:2007/01/10(水) 01:22:02 ID:lFohUChA0
 ■ 第一話 求められる者

 都立御苑女学園。
 夕焼けが世界を包む頃。
 人気のない廊下を、一人の男が歩いていた。
 生徒ではない。
 女子校なのだから当然だ。
 しかし学園には、少数の男性教師が存在する。
 彼もその一人だった。
 担当教科は世界史。
 生徒の評判も良好である。
 ──ただ、教師と呼ぶには幾分、若い。

「……チッ、だるいな……」

 その青年、幸 悠紀<<さち ゆうき>>は舌打ちした。
 悠紀は今しがた職員会議を抜け出したところだった。
 そう、職員会議だ。
 中高年の女性は、集団化すると手に負えない──。
 新任の教師に、否、男性に発言権のない井戸端会議。
 こればかりは未だに慣れなかった。

「帰ったら、早めに寝るぜ……」

 今日の仕事は、教室から学級日誌を回収すればオールクリアー。
 人間、疲れると独り言が増えるもんだな、と思いながら、悠紀は
自分の受け持つ教室へと足を速める。
 すすけた学級日誌は教壇の上にあった。

 日誌というのは、案外おもしろいものである。
 書く内容。言葉遣い。イラストの有無 etc...
 普段見ることのできない少女達の秘密を垣間見ているようで、悠
紀は学級日誌を読むのが好きだった。
 犯罪の臭いがしないでもない。

 悠紀はパラパラとページを繰った。
 今日の担当は確か──廿楽冴姫。

 成績優秀、品行方正。
 イギリス帰りの帰国子女、絵に描いたような良家のお嬢様。
 あまり話したことはないが、いい子なのだろう。
 ……加えて、割と悠紀の好みだ。

 前の回は、文末にネコのキャラクターが描かれていた記憶がある。
 意外と(?)かわいいもの好きらしい。
 さて今回はどうなのやら、と今日のページで手を止めて、

  ○月×日 △曜日 晴れ  担当 廿楽冴姫

  一限 英語
  二限 現国
  三限 古典
  四限 世史 私は先生のことが好き
  五限 数学 私は先生のことが好き
  六限 物理 私は先生のことが好き

  生徒所感
  幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫
  幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫
  幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫
  幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫
  幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫 幸悠紀×廿楽冴姫

165117:2007/01/10(水) 01:24:10 ID:lFohUChA0
「…………な、……」

 絶句した。
 ──いや、落ち着け、と悠紀は思う。
 日誌を放り投げたい衝動を抑え、自分に言い聞かせる。

「……何なんだ、一体」

 まず、欄をはみ出してまで書かれた文章をじっと見た。
 筆跡──彼女のものであるようにも見えるし、そうでないように
も見えた。判断しがたい。

 少なくとも、自分の知る廿楽冴姫はこんなことをする子ではない。
 仮に、万が一、彼女が俺に──その、好意を抱いてくれているとしても、

だ。これはない、と言い切れる。
 では何か。

 ……悪戯……?

 そんな言葉が頭に浮かんだ。
 彼女は悪戯なんてしないだろう。
 他の誰かがやった、というのが有力路線。
 女子高ではよくある話だ。男の教師はからかわれやすい。
 ……だが、一度書かれたものが消しゴムで消された様子もなく、

 その時。

「先生」

 瞬間、心臓が跳ね上がった。
 後ろから、聞き覚えのある声。
 振り向くのが怖い。
 だが、振り向かなければいけない。
 ──教師として。

「廿楽……まだ学校にいたのか」

 努めて冷静を装い、悠紀はドアの方を見た。
 青の長髪が視界に入り、とっさに学級日誌を後ろ手に隠した。
 赤いタイの辺りに視線をさまよわせたまま、笑顔を作る。
 彼女の顔はまともに見れない。

「ったく、図書館で勉強するのはいいが、下校時間は守っとけ。
 柄にもなく忘れ物ってところだろ。
 ……ま、気をつけて帰れよ。じゃあな」

 それだけ言って、学級日誌を脇に抱える。
 すぐさま、足早に教室を立ち去ろうと、した。
 できなかった。

「先生……」
「──どうした」

 すれ違いざま。
 スーツの裾を掴まれていた。
 前を向いたまま、悠紀は苦笑する。

「その、動けないんだが」
「先生、お話があるんです。先生に聞いて欲しいんです」
「……手短に。悪いが俺は超お疲れでだな、だから……」

「学級日誌、見たんですか?」

「………………………タチの悪いイタズラなら見たぞ」
「あれは、私が書きました」

 ドクン。
 また、心臓が大きく跳ねた。
 冴姫は裾をギュッと握り、

「……本当は、あんなことを書くつもりはなかったんです。
 でも、世界史の時間に先生を見たら、駄目だった。
 どうしようもなく切なくなりました。
 それから、気付いたら、学級日誌に……。
 ごめんなさい。迷惑をかけるだけなのは分かってるんです。
 …………でも、それでも。それでも…………!」

 彼女の声は震えていた。
 不安、戸惑い、そして激情──。
 そんな感情が、裾を掴んだ彼女の指先から伝わってくる。

「…………、」

 悠紀はやはり、動けない。
 ──こんなとき、どんな反応をすればいい?
 答えは、靄がかかったように分からなかった。

「先生……悠紀先生……。
 私は、廿楽冴姫は、…………先生のことが、好きです」

166117:2007/01/10(水) 01:26:03 ID:lFohUChA0
〜続く〜

投下するには長いか (´Д`;

キモいですね、はい。
投下したものは序盤の序盤ですが、
全キャラ+シリアス+バトル+フツーにかっこいい教師がモテる
を目指したいと思います。では。

167名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 10:20:04 ID:8pRmaAlM0
冴姫にこんなこと言われたら僕はもう!!!・・・・って感じですwGJ!

16864兼まとめ:2007/01/10(水) 11:19:11 ID:6JyGtjRE0
>>24 >>59
都立御苑女学園より黒舞織。リリカがいい人。
>>26
学園系単発。このは。ループワロス
>>28 >>29 >>43 >>44 >>45
「そらのいろは」。はぁと×冴姫。微エロス
>>51
「はーたんさーたん」。はぁと×冴姫。強引なはぁと。
>>64
神依単発。短めシリアス。
>>70
初詣。はぁと×冴姫。暖かい感じ。
>>86 >>88 >>105 >>107
はぁと×冴姫。大好き、だけど。
>>92 >>93 >>94 >>157 >>158 >>159 >>160
神依×はぁと。愛あればこそ。
>>127 >>140 >>161
オリキャラ×リーゼロッテ。ベタな展開。だがそれがいい!
>>129
頼子単発。ジョジョネタ
>>134 >>135
鼓音姉さん。今後の展開に期待
>>137
「私のさーたん」。はぁと怖いよはぁとw
>>164 >>165 >>166
第一話「求められるもの」。長編の予定。期待
>>81 >>82
参考資料まとめ。超GJ

暇があったらまとめればいいじゃない。ってことで現在までのまとめです。
もし間違え、抜けなどがあったら非常に申し訳ありませんorz
全ての作品に目を通させて頂き、その上で一言コメントを付けさせて頂きました。
職人様に多大なる感謝を込めて。

169名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 13:41:56 ID:p7VS3aBwO
そこそこゲーム好きでアルカナもやってる身内にこのスレを見せてみた。
男女関係なく引いてたよ、最初は爆笑してたんだけどね。
つうか一人素で気持ち悪いって吐いた。

さすがに原作に好意的な人に吐き気を催させるのはどうかと思う。

170名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 14:13:11 ID:maEmYl/kO
だったら見なきゃいい。吐き気を催すくらいならこういうスレが元々ダメな人なんだろ?SSがダメな人に無理に見てもらおうとは思わないよ。気持ち悪いとは思わない人でマターリやるし。
ただageる人が結構多いのは正直スマンかった。見たくない人に見られる位置はマズいね。皆sageようぜ。メール欄にsageって入れるだけでいい。

171sage:2007/01/10(水) 14:16:48 ID:zDU9ccqI0
見られたくないならしたらばで書くなよ、中途半端が一番恥ずかしいってもん。
俺は笑われても見てもらうために書いてる。だからどんな意見も受け止める。

172名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 14:19:26 ID:6JyGtjRE0
おk、そこは名前欄だボーイ

173名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 15:13:05 ID:Zdqd.AngO
名前がsageの人>
しかし良く言った。
そして俺は、楽しむためにこのスレを見てるぞ。

俺も、このスレ応援したいから何か書こうかな。
……しかしいまいちキャラが掴めてない罠。
勉強してから出直します(゜∇゜)

174名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 15:18:22 ID:0vMAJsG6O
釣りだろ。以下スルー

175名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 15:53:24 ID:8pRmaAlM0
冴姫「えっ・・・・?」
はぁと「さっきの男の子。さーたんと体育館裏で話してたでしょ。なんのおはなしだったの?」

と、はぁとが再び真剣な表情で私を見つめる。
どうやら私が放課後すぐに体育館裏に向かったのを見ていたらしい。

冴姫「わ、私が昨日彼にハンカチを貸したのよ。転んで怪我をしていたようだったから。
   そうしたら洗って学校まで返しに行きます!とかいいだしたのよ。本当、律儀な人よね」
はぁと「そうなんだ〜〜〜ざんね〜〜〜ん♪」
冴姫「ええそうよ。もう、一体どんな話を期待してたのよ?」

するとはぁとは私にくるっと背を向けて


「こ く は く さ れ た と か ・ ・ ・ ね ?」

冴姫「!!!!!!」
はぁと「な〜んてね♪ごめんね変なこと言っちゃって。さっ帰ろっ!さーたん!」
冴姫「・・・・・・・・・・ぇ?え・・・ええ・・。」

あまりのはぁとの声の変わり様に一瞬恐怖心でなにも言えなくなっていた・・・。
それに・・まるで見ていたかのような確信じみた言い方だった・・・・。


冴姫「はぁとの家に?」
はぁと「うん♪実は宿題でわからないところがあるから聞きたいんだ〜!駄目かな?」

次の日の放課後、はぁとはそう言って私を自分の家に誘った。
宿題を見る代わりに美味しいケーキとコーヒーを振舞ってくれるという誘惑に負け、行くことにした。

はぁと「さ〜どうぞどうぞ〜〜♪ようこそ私の部屋へ〜〜〜♪」

はぁとの部屋はすごかった。散らかってるという類のものではなく・・・・・・・
ピンク一色の壁、ハートの形をした枕にクッション、あちこちに置いてある可愛いぬいぐるみ。
私の部屋とはまったく異次元と思えるほど・・・・・すごかった。

はぁと「好きなところに座ってね!私はケーキとコーヒーを持ってくるから♪」
そういうとはぁとはくるっとチェックのスカートをひるがえして部屋を出て行った。

冴姫「なんか・・・・・うん・・・・落ち着かないわね・・・・」

そんな独り言をいいながら冴姫は机の上を見てみた。恋愛マンガや小説などがいっぱい置いてあるあたり
はぁとらしいな、と冴姫は思った。

冴姫「あら?・・・これは日記かしら?」

ぽつん、と机の端のほうに置いてあるノートに目が止まった。

【愛の日記      2−A 1番 愛乃 はぁと】

・・・・・・・見たらまずいわよね・・・・プライバシーだものね・・・・・でもちょっとだけなら・・・いいわよね?はぁと?
と、誘惑には負け少しだけ覗いてみることにした。すでに今日の日付も書いてあり最初の文だけ書かれていた。

「今日はさーたんが・・・・・・・・・」

?今日は私の事を書こうとしてるのかしら?と思い前の方のページをめくって見た。



「○月×日    はれ
 今日はさーたんが78回も私を見てくれたの!
 昨日は64回だったのにね!ばんざぁーい!ばんざぁーい!
 きっと私の愛がさーたんに伝わってきた証拠だね!!
 もっともっと私の愛を感じてね!私のさーたん♪」

「○月△日  くもりのち雨
 今日はさーたんが傘に入れてくれたの!私今日遅刻しちゃって傘を忘れちゃったんだよね・・・
 でもね、でもねそのおかげでさーたんと同じ傘に入れたの!!やったね♪
 さーたんの腕にぎゅって捕まりながら歩いてたんだ〜♪
 そしたらさーたんすっごく照れてて!もう食べちゃいたいくらい可愛かったの♪
 油断してるとパクッといっちゃうよ♪私のさーたん♪
 
「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」
「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」
「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」
「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」「今日はさーたんが・・・・」


冴姫「・・な・・・なによ・・・・これ・・・・・・気持ち・・悪い・・・・」

怖くなってきて日記を閉じようと思ったら昨日のページに目が止まった。


「今日はさーたんが男の子に告白されていた。わたしのさーたんなのに。さーたんもさーたんで嘘をつくし。
 
 そうだ

 あしたわたしのものにしちゃおう

 そうすればもうだれもこくはくできないもん

 あいはぜったいかつんだよ・・・・

冴姫「い・・・・・嫌・・・・はぁと・・・・一体何を・・・」

冴姫は日記のあまりの恐ろしさに思わず腰が抜けそうになったとき、なにか柔らかいものが背中にあたった。

176137:2007/01/10(水) 15:57:35 ID:8pRmaAlM0
うお・・名前欄に題名入れるの忘れた・・・はずかしーーー
私のさーたん後半書きました・・・一応・・・・下げ方わからないので
次から気をつけます・・・

177名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 16:11:07 ID:AwXN0By2O
MOTHER3のタネヒネリ島のポスト思い出したw

178名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 16:15:44 ID:Orm5.wJ6O
>>176

メール欄にsage
と先人が申しておる

179名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 16:19:24 ID:PBUoUOYc0
>>175
>わたしのものにしちゃおう
(・∀・)!!!

180137:2007/01/10(水) 16:23:45 ID:8pRmaAlM0
はぁと「だ・・・だいじょうぶ?さーたん」

はぁとの手だった。倒れそうになった私を支えてくれたようだ。

冴姫「!!!!は・・・はぁと・・・・」
はぁと「も〜だめだよ?人の日記勝手に見たら・・・・めっだよ?」
冴姫「ご・・・・ごめんなさい。あ、あとありがとう・・・ちょっとバランス崩しちゃって・・・」
はぁと「うん♪」

そういうとはぁとはトレーの上に置いてあったケーキとコーヒーをテーブルに乗せた。

はぁと「ほらほらさーたんっ!まずはおやつでも食べよ♪」
冴姫「え・・・・ええっ」

そうはぁとに促されて私もクッションに座った。

冴姫「ね・・・・ねえ・・はぁと。あの日記って・・・・」
と、コーヒーを飲みながら私が言った。
はぁと「もふ?・・・なぁに?」
口いっぱいにケーキを詰め込んだはぁとが答えた。

ぐらっ

冴姫「え・・・・・?」

体が急に横になってしまった。平衡感覚が失われた、そんな感じがした。
痛みは全くない。ただ立ち上がろうとすると逆に床に吸い付くような感じがした。

「それはねさーたん。リーゼちゃんからもらった薬を使ったんだよ?」

冴姫「リ、リーゼロッテから?」

うん、と頷くとはぁとは続けた。

「こないだね、リーゼちゃんが帰国するときにくれたんだ。
 なにかの薬かな〜とおもって試しに私飲んでみたんだけどしばらく体が動かなくなっちゃって・・・。
 えへへwww冴姫ちゃんのコーヒーにちょっとだけ混ぜちゃったwww」

いたずらがばれた子供のようにぺろっと舌を出したはぁとは妖しい瞳で冴姫を見つめた。

はぁと「冴姫ちゃんが悪いんだからね・・・・ぜぇんぶ冴姫ちゃんが・・・」
冴姫「な・・・・私がなにを悪いことしたっていうの?」
はぁと「昨日告白されてたのに・・・・・さーたん嘘つくんだもん・・・少しおしおきだよ・・・」

そういうとはぁとは服を脱ぎ、横になっている私をベッドに寝かせた・・・・。

冴姫「はぁと・・・・・お願い・・・もうやめてちょうだい・・・」

そういうとはぁとは聖母のように優しい笑顔でこう言った。




「     や      だ     」



○月×日
今日はさーたんが



わたしのさーたんになりました。         
                     私のさーたん(完)

一応完結しました・・・・・途中から超つまらなくなってるような気が・・・
薬に関してはリーゼのコマ投げからいただきました。薬じゃないっちゅうねん・・・
あ、あと下げ方ってメール欄にsageって入れるんですね?これからは気をつけます。

181名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 17:20:13 ID:PwznsmJAO
>>180
はぁと様ギガコワス
(((;゚д゚)))ガクガクブルブル…

182名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 18:36:26 ID:cHybNq020
同人でたまにある終わり方だなw

183名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 20:43:39 ID:suSXo8PIO
はぁと様恐いぜ……

184名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 21:00:35 ID:.nPmyijw0
な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

185名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 21:06:19 ID:1x.BgL4I0
>>180
「リアファイルのなく頃に」

(((;゚д゚)))ガクガクブルブル…

186名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 21:08:02 ID:FtGzZfz20
>>180
後味が悪いといえばそれまでなんだが・・
俺としてはドッキリなら冴姫が救われたんじゃないかなってオモタ。

稲中の1巻で女子に告白された前野が
井沢に嫌がらせを喰らい、その女子から振られるなんてネタもあったが
あれよりも数倍怖いw

187107の続き:2007/01/10(水) 21:27:15 ID:PBUoUOYc0
 しかし、はぁとは暗い声のまま、全然違うことを話し出した。
「私、冴姫ちゃんと姉妹になりたかった」
「姉妹?」
 急に話が変わったので、冴姫は混乱した。
「ずっと昔のことだよ――」
 そう前置きしてから、はぁとは語った。
「冴姫ちゃんと一緒の家に住んで、一緒にごはん食べて、一緒に学校に行って、
 一緒の部屋で、たまに一緒の布団で眠ったり」
 虚空を見上げながら、続ける。
「それでね、引っ越すときも一緒なんだよ。そしたら、冴姫ちゃんの一番近くで、
 絶対に離れないでいられるから」
「……そんなことしなくても、私は離れないわよ」
 聞いているのが、つらくなって、冴姫は口を挟んだ。
「ほんとに?」
「帰ってきたじゃない。イギリスからも、あの庭園からも」
「……」
 はぁとは背中を丸めた。寒いのだろうか。とにかく、冴姫は続けた。
「だから、フィオナのことだって、そうよ。必要なら、どこかに助けに行くのかもしれない。
 でも、帰ってくるわよ。必ず」
「……信じられないよ」
「何でよ。 まだ嘘だって言うの?」
「冴姫ちゃんが、あそこから帰ってこれたのは、私が助けに行ったからだよ」
「それは。 そう、だけど……」
「私が、ずっと待ってたら、冴姫ちゃんはどうなってたの? 終わったら全部話すから、
 かまわないでって、その言葉を信じてたら、私はもう冴姫ちゃんに会えなかったんじゃないのかな?」
 はぁとは、肩から前に掛けていた毛布を、くしゃっと抱きしめた。
「冴姫ちゃんは、嘘ばっかり。それに」
 はぁとは震えている。背中を丸めて、身体を強張らせている。
 消え入りそうな声で言ってくる。
「それに、もし、フィオナちゃんが空に吸い込まれてなかったら、冴姫ちゃんは、イギリスからだって」
「はぁと!! それは違――!」
「ごめん! ごめんね! でも!」
 反射的に怒鳴った冴姫を、はぁとがさえぎる。
「私、いやな子になってる。さっき騒いだのだって、私が悪いんだよ。でも」
 その声には、涙が混じっていた。
「今日で街の全部を周れなかったら、次はいつここに来れるの? 今夜話せなかったら、
 本当に明日は話せるの? 朝起きたら、冴姫ちゃんのベッドが空になってて、いなくなってるかもしれない。
 私は、冴姫ちゃんについていって、ずっと一緒にいたいのに」
 冴姫は、茫然とはぁとを見つめた。
「さーたんと…っく、いっしょに…ひっく」
 はぁとは、それで限界だとでも言うように、後はもう泣きじゃくるだけになった。
 暗い部屋に、はぁとの嗚咽だけが響く。
 目の前のはぁとは、普段とは別人のようだった。
 はぁとは、笑顔で誰にでも分け隔てなく愛を注ぐ、そんな子だった。何にでも首を突っ込むお節介。
無邪気で明け透けで裏表なく、怖いものなんて何もないみたいに突き進んでいく。冴姫は、そうやって
奔走するはぁとに追いかけられたり、時には他の誰かへと向かう後姿を、ただ眺めていた。
 この子は、人間らしい醜い感情なんて持っていないはずだ。まるで天使のように、涙も、不安も、やきもちも、
この子とは縁遠いものなのだ。
 しかし今、それら全部が一途に、冴姫へと注がれていた。
 耳が熱い。自分の心臓の耳鳴りが、はぁとの嗚咽に重なって聞こえていた。
 それは、気付いてしまうと耳から離れず、いつまでも、とくん、とくんと続いた。

188187の続き:2007/01/10(水) 21:32:34 ID:PBUoUOYc0
 はぁとが涙をいつまでも止められずにいると、冴姫ちゃんははぁとを後ろから抱きしめてくれた。
冴姫ちゃんの温もりと匂いに包まれて、でも、はぁとは悲しいままだった。

 いつかのことだ。はぁとは、冴姫ちゃんが嘘をつかずにいてくれたらそれでいいと思っていた。
隠しごとをするのも、どこか遠くに行くのも、そういうことを抱えながら生きてるって
言ってくれたら、それでいいと思っていた。
 そんなふうに遠慮しているのは、本当は、自分らしくない。いつも皆にやっているみたいに、
冴姫ちゃんにも愛のまま突撃していけばいいんだって、何度も思った。でも、はぁとと冴姫ちゃんの
間には、壁があるのだ。その壁は普段は全然見えなくて簡単にすり抜けられるのに、たまにとても
分厚くなって冴姫ちゃんを覆い隠してしまう。
 最初の壁は、家庭の事情だった。まだ幼かった自分には、イギリスへ引っ越していく
親友を追いかけることができなかった。
 次の壁は、再会した冴姫ちゃんの心に、直接くっついていた。はぁとは壁を少しずつ
壊していったけれど、3ヶ月前、冴姫ちゃんは何も言わずに空の城へ消えていった。
 いや、何も言わなかったわけじゃない。冴姫ちゃんは「何か事情がある」ってことだけ言って、
でも詳しくは教えてくれないまま消えていったのだ。はぁとは冴姫ちゃんが心配で、
力になりたくて追いかけた。そして最後には、冴姫ちゃんは笑って全部話してくれた。
 だから、これでいいんだって、そう思った。
 冴姫ちゃんの全部を自分から知ろうとはしない。はぁとを遠ざけようとするのだとしても、
それが冴姫ちゃんの意志なら、自分には止められない。
 はぁとは、冴姫ちゃんに突き放されてから、その後を追えばいいんだ。隠し事をされても、
あのときみたいに少しでも手がかりを見せてくれたなら、追いかけていける。
 それでいい。はぁとは、冴姫ちゃんのことが大好きだから、それでいいんだ。

 そう、思っていた。
 しかし、今は無理だ。

 いつの間にか、はぁとは前よりも多くのものを望んでいた。多分、3ヶ月前の出来事が終わって、
しばらくしてからだ。それまでよりもずっと冴姫ちゃんと仲良くできるようになって、それから。
 でも、もしかしたら、もっと前からだったのかもしれない。
 冴姫ちゃんと再会してから。
 それとも、もっと昔から?
 わからない。
 いつのことにしたって、もうこの気持ちは消したりできない。
 冴姫ちゃんに隠しごとなんてされたくない。
 いつでも冴姫ちゃんのそばにいて力になりたい。
 冴姫ちゃんに置いていかれるなんて耐えられない。
 冴姫ちゃんの一番近くで、かたときも離れずにいたい。
 冴姫ちゃんに、他の誰よりも想われていたい。
 そのためだったら、何だってできる。

 冴姫ちゃんの抱擁は、ただの慰めだ。はぁとの願いを叶えるためのものじゃない。
だから、悲しいままで涙も止まらない。冴姫ちゃんの方から触れてくれることなんて、滅多にないのに。

189188の続き:2007/01/10(水) 21:38:09 ID:PBUoUOYc0
「泣かないで」
「(無理だよ)」
 返事も声にならない。何か言われたら、言われただけ悲しくなってしまう。
 冴姫ちゃんは抱くのをやめて、はぁとの正面に回りこんだ。涙でぼやけた視界に、冴姫ちゃんの
シルエットがおぼろに映る。床に立膝をついて、冴姫ちゃんは、はぁとと目の高さを合わせた。
「私と、ずっと一緒にいたいの?」
 はぁとは、やっぱり声が出せなかった。代わりに、強くうなずく。
「本当に? ずっと?」
 また、うなずく。ずっと先の未来まで、ずっと一緒にいたいと思っている。
「そうね。はぁとは、私と違って嘘なんてつかないわね」
 違う。冴姫ちゃんが嘘つきだなんて、はぁとの本心じゃない。はぁとは、首を振った。
でも、言ってしまったことは、どうにもならない。
 冴姫ちゃんに嫌われたのかもしれない。
 一瞬でそこまで考えて、胸がズキンとした。きつくつぶったまぶたから、大粒の涙が頬を伝った。
「ね。もし本当に、そんなふうに思ってくれてるなら――」
 はぁとは眼を開いた。
「私も、覚悟を決めるわ」
 目の前に、冴姫ちゃんの顔があった。近い。冴姫ちゃんは、真剣な口調で言った。
「修学旅行が終わったら、私は聖霊庁に行く。3ヶ月前のあの事件と、2年前のフィオナのことと、
 ミルドレッドの計画。全部調べ上げて、使えるものは全部使って、フィオナのために何ができるか
 考えてみる。最初は日本。それで駄目なら、イギリスの本部にも行こうと思う」
 それは、もう会えないということだろうか。
「そうなったら、もう普通の学生には戻れないかもしれない。大怪我するかもしれないし、
 皆の敵になるかもしれない。だから」
 覚悟って、冴姫ちゃんは言った。これは、お別れの挨拶なんだ。冴姫ちゃんは、
はぁとを置いて、遠くに行ってしまう。また、こうやって手がかりだけを残して。
 また、私、追いかけるの?
 はぁとは震えた。
 無理だ。
 置いて行かれたら、立ち直れない。
 冴姫ちゃんは、何もわかってない。
 しゃくりあげていたのを吹き飛ばして、何とか声を出す。
「行っちゃだめだよ、さーたん、行かないでよ」
 そのひとことが、はぁとの精一杯だったのに。
「行かないと、前に進めない。フィオナは、大切な友だちだから」
 冴姫ちゃんには、届かなかった。
 冴姫ちゃんは息を吸った。最後の、さよならのために。
 そして、

「だから、はぁとも一緒にきて」



次でラストですー。
前の分にレスしてくださった方、ありがとうございました。自分でもちょっと
引くくらい長くてアレな展開ですけど良かったら最後まで読んでやってください。
そして、スレが賑わってきたのが嬉しすぎる。イラストスレを嫉妬してたときが懐かしいw

190名無しのアルカナ使い:2007/01/10(水) 23:12:07 ID:Jtt/QZ.M0
>>189
これはやばい、素晴らしすぎるw
ラストも楽しみにしてるよ

191137:2007/01/10(水) 23:57:50 ID:8pRmaAlM0
おお・・・ラストはどうなるんだろう・・・楽しみだww
やっぱりこういう暖かみのあるSSは読んでて優しい気分になりますね・・・。こういうの大好きですw
んー・・・・次は189さんのように暖かい気分になれる話を書こうかなー・・・。・・うーん・・ww

192161:2007/01/11(木) 00:05:30 ID:zYr6sdGQO
お〜…
すごいいい話ですね。
GJです。

193名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 00:29:11 ID:vw1IaSl.0
>>180
割と好きだった。
後味が〜とかいう意見があるけど、俺はこういう終わり方も好きですよw

194名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 02:30:17 ID:WS8Zc3kk0
みんないちいちGJな作品書くよな
全部読んじゃうから寝不足ンなっちゃうし

195名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 03:54:49 ID:y2boUTbA0
>>187はマジで強キャラ。

196空気嫁:空気嫁
空気嫁

197名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 12:31:46 ID:bP30amLI0
>>107
微妙

198名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 13:54:59 ID:xN.PaDScO
まぁそうなんだが素人の馴れ合いスレなんだからキツイことは言ってやるな。

199名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 13:57:56 ID:hN9tQKhQO
そういうスレだもんなここ

200名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 14:17:01 ID:qs5Q/wAwO
上々な出来だと思うが・・・

201名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 14:45:16 ID:kNRR.tEk0
評価や価値観なんて人それぞれさ。

202名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 15:03:07 ID:eavrkSe.O
おまいらもちつけ
SS職人が投稿しにくくなるジャマイカ

203名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 16:01:13 ID:l6ckbYi6O
祈のテーマ流れる朝のHR。
ダユンっ
巨大な水の玉が教室に入って来た
「うぬら主は寝坊して遅刻しているっ!ワシだけ先に泳いできたっ!」
スク水玉の告げた規定事項に不満げなリリカルは口を開いた
「遅刻おぉいぞ〜主さまあ」
「そうバシャバシャ言うな。ワシはそうやって塩酸臭いジャリが嫌いなんだっ!ワシがいい話をしてやろう。女の子がブルマを直す時パチンと音がするのは、男の子の視線を集めるためなんだ」

校門前
「トキぃぃぃっ!」一度驚いたような顔をしたがすぐに呆れ顔にもどるトキ。「なんで大声を…遅刻は遅刻です。門はもう閉じました。早く遅刻届けを書いて下さい主さま」


主さまあ

204名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 16:01:30 ID:l6ckbYi6O
祈のテーマ流れる朝のHR。
ダユンっ
巨大な水の玉が教室に入って来た
「うぬら主は寝坊して遅刻しているっ!ワシだけ先に泳いできたっ!」
スク水玉の告げた規定事項に不満げなリリカルは口を開いた
「遅刻おぉいぞ〜主さまあ」
「そうバシャバシャ言うな。ワシはそうやって塩酸臭いジャリが嫌いなんだっ!ワシがいい話をしてやろう。女の子がブルマを直す時パチンと音がするのは、男の子の視線を集めるためなんだ」

校門前
「トキぃぃぃっ!」一度驚いたような顔をしたがすぐに呆れ顔にもどるトキ。「なんで大声を…遅刻は遅刻です。門はもう閉じました。早く遅刻届けを書いて下さい主さま」


主さまあ

205名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 16:24:12 ID:3d/2rmmEO
(゚Д゚)

206名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 16:30:41 ID:RGdKX.d6O
>>189
の 胸がズキンとした
ってところでサキがはぁと抱き締めたまま剣で貫通さして自殺したのかとオモタ

207名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 19:39:50 ID:vIl/jqgc0
・・・・・・・自殺はないだろ。あんまりふざけないでくれ。
俺はこの人のSSの続きをすごく楽しみにしてるんだ。
もう少し書き手のことを考えた発言をするようにしてくれ。
まったく・・・・今日は頭の悪いのが数名いるな?

208名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 20:28:04 ID:RjGRJdh2O
>>207

まあ落ち着け
あくまで>>206の想像の一環なんだろうからそんなに熱くなっちゃいかん
同じスレの住人がいがみ合うのが一番良くない事

209名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 20:57:08 ID:kNRR.tEk0
別に>>206の発言に問題はないと思うが…

210名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 21:21:05 ID:hN9tQKhQO
>>207が何でそんなに怒ってるのか分からない

211名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 21:38:14 ID:7.ZpBLi.0
何はともあれ色んな作品に期待。

212名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 21:48:18 ID:e3aH62yc0
>>189本当に胸にジーンときたー!最後が楽しみですーー!!

213名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 22:12:51 ID:bP30amLI0
楽しみなら上げるな
SSを受け入れられない人から見れば、
ゴミ屋敷からゴミがあふれ出すに等しい行為。

念のため言っておくが書き手を貶してるわけじゃないぞ。
大多数は分かってくれると思うがなんか過敏なのがいそうだから念のためな

214名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 22:52:49 ID:R0.hjo0c0
>>180
俺は好きだな。
作品の後味云々は確かに有るだろうけど、ハートの無垢なる怖さ、一途な思いと黒濁とした執念は表裏一体ってのを出そうと思って書いてあるんだろうから、これに何か嫌な感じを受ける人は作者の術中に嵌ってるだけじゃないかな?
決めたテーマに沿った良いEDだと思うよ

215名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 23:18:04 ID:qfV1T2P6O
>>204
これなんてつよきす?

216名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 23:45:31 ID:rAAhWlHM0
サキたんは女チンピラ(レディースとかスケバン?)の群れに囲まれても
軽々といなして追っ払えそうだが
はぁと様マオリたんといった友人を人質にとられて
危険にさらされてうかつに手出しできんような場合はどうなるんだろーか



でもアルカナおるとか ソレ以前に
はぁと様も巫女もレベル的に考えて強いからとらえられる問題ナッシングか
変な意見出してスマソ  _| ̄| −−==≡≡( ´Д)

217名無しのアルカナ使い:2007/01/11(木) 23:58:28 ID:mplyESXs0
>216
小唄・小糸を人質に→舞織を人質に→はぁとを人質に

これでOK

218161:2007/01/12(金) 00:02:20 ID:Wp9VEm3gO
外は大雨だった。
ザーザーとバケツをひっくり返したような大雨。
そんな授業中、薫はふと窓越しに外を見た。
(…おいおい、こんな雨だとは…気持ちまで雨になるじゃないか)
そう頭の中でつぶやき、また授業に集中する。
ノートにペンを走らせ、結構な速度で板書内容をノートに書き写す。
薫は家庭学習はほぼしないが、学校の授業はちゃんとするため、それほど成績は悪くない。
教師曰く、家庭学習すれば伸びるとのことだが、当人はまったく気にしない。
「うし、終わった」
薫はシャーペンを置く。
後は担当教師の話を聞いておくだけでいい。
やがて終業のチャイムがなり、今日のお勤めも無事終了。
「そういや、リーゼはどうしてるんだろう。雨だし…まあ多分いないか」
薫は高を括り、友達にじゃあなと言って帰路に向かう。
傘をさす。
しかし酷い雨だ。
傘のカーブから雨水がポタポタとしずくとなって滴り落ちる。
やがて、公園の前に来た。
薫はそこで足を止める。
「……いるわけないよな」
そう言いながら素通りするが、
「ちょっとだけ行ってみるか……」
戻って来て公園に踏み込んだ。
どう見ても人気はない。
雨の音だけが響く。
いつものベンチにはいない。
公園全体を探してもいなかったし、濡れ過ぎては風邪をひくので家に帰った。
家に入ってすぐに薫は制服をハンガーにかけた。
そして、すぐにシャワーを浴びて、リビングでテレビをつけてくつろぐ。
すると、
ぴーんぽーん。
インターホンが突然鳴った。
「誰だろう…珍しいな」
薫は玄関に向かい、ドアを開ける。
「な……」
その向こうにいた人物に薫は動揺した。
「……リーゼ?」
そう。ドアの向こうにはリーゼが立っていた。

219名無しのアルカナ使い:2007/01/12(金) 03:08:14 ID:CaqeR20.0
リーゼとはぁとの百合もの書いたー
いや、書く予定です。
ちょっと導入が長くなっちゃったので、それだけ先にうpしてみます。

220聖女はお人形さんに恋してる 1:2007/01/12(金) 03:09:47 ID:CaqeR20.0
陽が沈み、夕闇があたりを覆いつくそうとする時分。
少女が公園の車止めをヒラリと飛び越え、危なげなく着地すると息も乱さずに走りだした。
「もー ちょっと遅刻したからって居残りはないよー!」
桃色の髪を揺らし土埃をあげながら走る少女―愛乃はぁとは自業自得とわかりつつ、
一人残って教室を掃除させられたことへの恨み言を並べるのだった。

滑り台やブランコなど一通りの遊具を揃えたその公園は、御苑女学園の生徒から近道として親しまれている。
近頃野犬が出没するとの噂があり注意を喚起されていたが、はぁとはそんなこと気にも留めない。
「愛があればわんこも懐いてくれるよね!わふわふってしたらくーんってなるんだから!」
この大らかな性格がはぁとの美徳であるが、ときに欠点となることは言うまでも無い。
わんこーわんこーと余所見しながら走っていたはぁとは
「うわわぁぁ!!」
見事にずっこけたのであった。
「うぅ、痛たた‥‥」
顔面からダイブした形であったため、顔を庇ったはぁとの手の平がジンジンと痛む。
両の手を叩き合わせ土を落とすと、スカートについた埃を払いながら立ち上がった。
「はれ?」
そこには、小さな人影があった。
転んだはぁとに手を貸すでもなく、ただじっと観察するように見つめている。
「あはは、お姉ちゃんころんじゃったよ!恥ずかしいねっ」
黒を基調とした西洋の服、いわゆるゴシックロリータに身を包む小さな女の子に
はぁとは心配させまいとカラカラと笑って大事でないことを体で表現する。
しかし少女―リーゼロッテ・アッヒェンバッハはついと視線をそらすとそのままはぁとの脇を抜け、
あれ?といった表情で彼女を見つめる気配を一顧だにせず、倒された鞄を拾い上げた。
「あ、その鞄ごめんね。蹴飛ばしちゃった」
「‥‥いいの。わざとだから」
漆黒に包まれた矮躯に不相応な大きさの鞄を事も無げに持ち上げると、リーゼは冷たい視線ではぁとを一瞥した。
「愛乃はぁと、一緒にきて」
「んーどこに?あれ、そういえば外国の子だね!迷子かなぁ?」
はぁとが無遠慮にリーゼに近寄り、自分の胸あたりの高さしかない頭へと手を伸ばす。
「こんな時間に一人で歩いてたら危ないよ?一緒にお母さん探そっか!」
手が頭に触れようとした瞬間、
「あっ――」
バシリと強く弾かれた。
次いで胸元に構えられた鞄がパックリと口を開けると、その中から何かが凶悪な速さを伴って飛び出てきた。
「ひうっ!!」
はぁとはそれを身を捻ることで辛うじて回避する。
「ちょっと、どうしたのかな!?驚かしちゃったのなら謝るよ!」
「‥‥‥」

221聖女はお人形さんに恋してる 2:2007/01/12(金) 03:11:16 ID:CaqeR20.0
リーゼは尚も無言で鞄を横薙ぎにする。はぁとはもつれつつも一歩下がり、鞄は空を切った。
「んはっ!ちょっとタイムタイム!危ないよ!やめ――!!」
息をつき、再び説得を試みようとしたはぁとの目に飛び込んできたのは、自らの体を軸に鞄を回転させるリーゼの姿だった。
遠心力によってその矮躯からは考えられない強大な力が鞄に付与され、寸分違わずはぁとの脇腹に飛び込んでくる。
「これは‥‥」
それを、はぁとは慌てること無くすぅっといなすと
「やりすぎだよ。お仕置きだね!」
カウンター気味に右の拳を突き出した。
「愛のてっけんぱーーんち!」
「‥‥!?」
拳は過たずリーゼに直撃し、矮小な体重は勢いを受けきれずに後ろにコロコロと転がった。
「ありゃ、ちょっとやりすぎたかな?でもこれくらいじゃないと止まらなかったよね?」
ピクリとも動かないリーゼに、はぁとが心配そうに呟く。が、次の瞬間には
「あーーっ!良く見たらすっっっごい可愛い!うー!なでなでさせろー!!」
はぁとの緊張はとっくに切れていた。双眸をハートに染めるとリーゼの元へと無警戒に近づく。
ここがはぁととリーゼの絶対的な差だった。はぁとはお気楽な学生だが、リーゼは身を闇へと堕としたプロである。
リーゼは薄っすらと開いた目ではぁとの位置を眇めるように確認すると、赤子のような小さな手をぼんやりと青く光らせた。
「お姉ちゃん、帰ってきて」
「あ、起きたんだ! ッ!!」
何かがギョーンと嫌な音を立てた。
異常な気配に流石のはぁとも緊張で顔を強張らせ、ばっと振り返る。
そこには、先ほどの何かが警報じみた赤い光を発し、疾駆するダンプカーよりも圧倒的な存在感を有して肉薄していた。
悲鳴をあげる暇もなく、はぁとは腹部に重い衝撃を受けて吹き飛ばされた。赤い紐がほどけ、片方の靴が宙を舞う。
「お姉ちゃん、ありがとう」
「リーゼは容赦ないねぇ、クックックックック」
リーゼはお姉ちゃんと呼んだ人形を抱きかかえると、力なく地に伏せるはぁとの元へと歩み寄る。
「‥‥これでチェックメイト」
そしてはぁとの胸倉を掴み、正面から顔を見据える。
そのガラスのように何も映し出さない瞳に、はぁとは瞳の色を吸い取られるような感覚に陥った。
遅れて咥内を犯され唾液を流し込まれたが、その時にははぁとの体から五感が抜け落ちていた。
「やっと静かになった‥‥ さあ、一緒に来て」
混濁したはぁとの瞳に、こちらに手を差し出すリーゼの姿が見えた。
連れて行かれちゃうのかな、はぁとがそう諦めかけたとき、リーゼの体がぐらりと揺れると力なくもたれかかってきた。
「え?え? どうしちゃったの?」
体の痺れが抜けないはぁとはリーゼを支えることができず、押し倒される形となる。
その頭の横に落ちていた片方の靴がはぁとを救ったことなど、彼女が知るよしもなかった。
「わわわ、これどうすればいいのー!?」

「――ッ!!ここは!?」
リーゼが目を醒ますと、見慣れぬ部屋のベッドに寝かされていた。
ピンクを基調とした家具で統一された、なんとも目に悪そうな部屋だ。
こんなにやわらなかベッドで横になったのは何年ぶりか、リーゼは寝ぼけた頭でぼんやり思いをめぐらせたが、
ガチャリとドアノブの回る音に即座に反応し、頭を暗殺のプロのそれへと切り替えた。
「ひとさらいちゃーん、おーきたーかなー?」

222名無しのアルカナ使い:2007/01/12(金) 07:52:59 ID:6rVYhrlwO
続きを希望!

223名無しのアルカナ使い:2007/01/12(金) 09:52:32 ID:qrkSLBHQ0
やっぱはぁと様かわいいな〜〜・・続き楽しみにしてますね!

224名無しのアルカナ使い:2007/01/12(金) 11:28:44 ID:Bo20Qp7kO
今更だけど、>>180俺的に好みだわ。
文もうまいし。



甘いもんばかりだと飽きちゃいますからね……。

225空気嫁:空気嫁
空気嫁

226名無しのアルカナ使い:2007/01/12(金) 13:41:09 ID:i/3K7M1.O
>>219
GJ!
格ゲーが元ネタなのにいままでバトル物なかったんだなw

227名無しのアルカナ使い:2007/01/12(金) 17:27:11 ID:.hf5Nlxk0
ほら、ホーミングとかのせいで難しいんだよw

228名無しのアルカナ使い:2007/01/12(金) 22:41:58 ID:1WdXu4ys0
コテはうざがられるからやめたほうがいい。たとえSSスレでも。

229名無しのアルカナ使い:2007/01/13(土) 00:57:09 ID:0U8Y9J1kO
何作も書く人はコテつけた方がいいよ。
保管庫作ったときにまとめやすくなるから。
ネガティブな面では合わない人をNG登録できるってメリットもある。逆に抽出もできるし。
雑談でもしない限りウザいことはないでしょ。

230都立御苑女学園より黒舞織続き:2007/01/13(土) 01:10:39 ID:E/yUyl0k0

リリカ「およ、あれはわんこ…あのバッグに付けてる人形…」

リリカ「おーい、ちょいとそこいくわんこちゃん」
このは「これはこれは、リリカ殿。このはに何か御用でござるか?」
リリカ「その人形って…」
このは「おお、よくぞ気づいていただけた!神依さま人形でござるよ!」
リリカ「ふ〜ん、このはが作ったの?」
このは「そうでござるよ!一生懸命心をこめて作ったでござる!」
リリカ「へぇ、すごいね。よくできてるぅ。なかなか器用じゃん」
このは「えっへん!」
リリカ「ところでこの人形、元は藁人形とかじゃなかった?」
このは「ど!どうして!」
リリカ「どうして?」
このは「ああ!どうしてそんなことを聞くのかと思っただけでござる!」
リリカ「ふぅ〜ん…コノハ、何か隠してない?」
このは「このはは何も悪いことはしておりませぬ!おりませぬ!おりませぬ〜!」
リリカ「本当に?」
このは「本当でござる!」
リリカ「ホントにホント?」
このは「ホントにホントでござる!」
リリカ「神依さまに誓って?」
このは「う…」

このは「うわ〜ん!御免なさい〜!落ちてた藁人形をこのはが神依さまのお姿に作り変えたのでござるよ〜!」
リリカ「ふぅ、やっぱりねぇ」
このは「やっぱり?」
リリカ「ああ…えっと、藁人形を落としたっていう人にこの前偶然会ってねぇ」
このは「そうだったのでござるか…でも、よくこの人形の元が藁人形ってわかったでござるな」
リリカ「ああ!なんとなくね!なんとなく!あはは!そうそう!その人形、持ち主に返しておいてあげるよ!」
このは「うう…持ち主がいるならいたしかたないでござるな…はぅ〜…神依さま〜…うう」

リリカ(うん…やっぱりね…この人形から感じたんだよねぇ…マオリの魔力…法力っていうのかな?)


レントン「つづく!」

231名無しのアルカナ使い:2007/01/13(土) 19:38:20 ID:Geg0V48w0
みんなGJ
これからもGJ

232君の心:2007/01/14(日) 00:12:44 ID:ppsDpMu.0
>>180
恐えー!!
てかはぁとちゃんてそっちの気が!!?

233名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 00:48:08 ID:j7LXl44w0
>>232
知らなかったの?
はぁとの下着やブラは全部、冴姫をストーキングした戦利品だぞ?
勿論、口紅、化粧品、歯ブラシ、生理用品もだ。

234名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 00:51:00 ID:xeCT1n8A0
\ 
   ̄ヽ、   _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     `'ー '´         .__    
      ○        ヽ ̄ヽ.__
       O         ヽ   ヽ
       o       '"´__ヽ      ' ,        と
         。   /"´   ヽ      ',         思
             ,' __─ ヽ     ',,       う
            /´ ̄ i-ハ ハi,;-!、    i      サ
           i i i !,-;!、ν ':,_rハi|     |     .キ
           レV!. i.ハ_r! 、  "" |.    i      で
            i.八"    _   |.   i       あ
            l.|ゝ.>,,、__,,.. イiレハ  |       っ
                               た

235空気嫁:空気嫁
空気嫁

236十字負イ:2007/01/14(日) 12:49:44 ID:KswjysWo0
呆気なく空に落ちた。
景色が極彩色で塗りたくられ、明滅し流転し凝結する。
握る彼女の手さえ歪にゆがみ、外観が失われていた。
「フィオナ!」
手の持ち主、大切な人の名前を叫ぶ。返答は無い。
ただ、掴んだぬくもりを離さぬように努めた。
しかし力のベクトルが滅茶苦茶に私たちを引き伸ばす。
この場所は重力さえ頼りない。天地の別が分からない。
最悪なのは、力が二人の繋がりを絶つ方向へ作用しているという事実だ。
指がひとつ、またひとつと剥がれる感触を得る。
本能が警告する。ここで彼女と別れたら――二度と会えない。
「フィオナ! フィオナぁっ!」
声は悲鳴じみてきた。構わない。がむしゃらに彼女を呼ぶ。
お願いだから、貴女に届いて。
希望は恐らく叶わない。私には、私の言葉だけが響いている。
終焉が訪れようとしている。手繋ぎが解けようとしている。
「嫌! こんな、何で……フィオ」
瞬間、手の内が空になった。
圧倒的な喪失感が残った。

「いやっ!」
飛び起きた。視界は薄暗い。身体の重さが実感出来る。ここはあの場所ではない。
「ゆ……め?」
「んにゅ……さーたん? どうしたの?」
傍らで動く人がある。闇の中で、はぁとが私を見上げている。
「何でも、な」
皆まで言えなかった。嗚咽と恐怖が私を彩った。
「あぐ……う、うぅ……」
二年前の失敗は、未だに私を苦しめる。
悪いのは私か、それとも狂った空か。
確かなのはフィオナを失った現実と、一人だけ助かった私。
「さーたん、怖い夢でも見たの? 大丈夫だよ、だいじょぶ……」
はぁとが私を包み込む。裸の肌と肌が密着して、緩やかな心音が伝わる。
落ち着いてくる。癒されてくる。――自己嫌悪に陥る。
私はフィオナを救えなかった。その癖、はぁとに好意を抱き、甘い交わりを経た。
私だけが幸せになっている。フィオナは虚空に呑まれ、どのような苦痛を味わっているか知れない。
私は汚い。身勝手で卑しい。
「はーたん……ぇう……ぐす……」
きっと悔恨こそ罰なのだ。
罪は、二人で帰還出来なかったこと。

23728:2007/01/14(日) 12:56:10 ID:KswjysWo0
お久しぶりです。>>28です。
最近の盛況ぶりに便乗しようと、拙作を投下した次第。
何か鬱っぽいですが……。

次回はぁと×このはで18禁を書こうと思います。
興味のある方は期待せずに待っていてください。

238空気嫁:空気嫁
空気嫁

239リア・ファイル:リア・ファイル
リア・ファイル

240名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 15:47:53 ID:X40cbBgQ0
>>239
みんなスルーしてたのに反応しちゃダメっ!

241名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 16:13:34 ID:PJzEU7aUO
出来ることなら冴姫×はぁとの18禁で
最初はぁと攻め→途中から理性を失った冴姫のガン攻めが書きたいなぁ

でも童貞だから感じ方とか
喘ぎ声とかよく分からないorz

242名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 16:31:15 ID:G0BVvAjIO
あんまりドギツイ感じのエロは場の流れ的にご遠慮願いたいのだが…。
スレ主にまかせる。

243名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 17:13:51 ID:DERK3tjkO
冴姫×ヴァンリー×はぁと×パルちゃん
のラブコメが読めりゃあ俺は幸せ

244空気嫁:空気嫁
空気嫁

245リア・ファイル:リア・ファイル
リア・ファイル

246リア・ファイル:リア・ファイル
リア・ファイル

247空気嫁:空気嫁
空気嫁

248名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 19:58:37 ID:DERK3tjkO
随分と香ばしくなってきたな………
ヘラクレススルーするなりサイキックスルーするなりしようぜ………

249名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 20:17:37 ID:yba3GZCY0
>>246
お前の気持ちは痛いほど分かるがこんなカスヌルーしとこうぜ。
今までもレス付けても誰にも相手されない可哀相なやつだしw

まあ、あまりにウザイ勘違い発言が目立つようなら管理スレ
でアク禁なり対応して貰えばいいし、今までどおり空気扱いで
いいんじゃね?

250名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 20:24:56 ID:.eFLqR6oO
彼を空気に戻す前に一つだけ聞いてみたいことがある
多数決って知ってる?

251名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 20:37:16 ID:uA00A75s0
一応これだけ言わせて

トップのご利用にあたっての注意
ココに前は意味の無いコテは荒れる原因になるので控えましょうって書いてあったんだよ

管理人なんで消したんだろう・・・

252189の続き:2007/01/14(日) 20:45:39 ID:I0QgWxvU0
スレが沈静化するまで待とうと思ってたけど、もう投下しますね。堂々巡りっぽいし。
空気読めてなかったら、ごめんなさい。流れが変わったら嬉しい。

///// ///// ///// ///// /////

「だから、はぁとも一緒にきて」

「ふぇ?」
 涙でぼろぼろになっていたはぁとは、一転して困惑した表情を浮かべた。
「………………私、ついていってもいいの?」
 恐る恐るといった感じで聞いてくる。
「ええ」
「………………どうして?」
「それは――」
「だって!」
 答えようとした矢先に、はぁとの声が重なった。
「私は、今までだって、さーたんが」
 つっかえながらそこまで進んで、止まる。
 はぁとが次の句を探している間に、冴姫は答えた。
「あなたの気持ちがわかったから」
「……」
「私と離れたくないって言ってくれた」
「そんなの」
 はぁとは、うつむいた。
「言ってたのに。ずっと、昔から」
「……そうね」
 それは、認めなければならない。認めるしかない。
「理由は、もうひとつあるの。はぁと、私を見て」
 さっき、はぁとが泣き出したときから、冴姫は、これまでの二人について考えていた。
 冴姫は、自分から誰かを誘うのが苦手だ。嬉しいときに笑うのも、うまくない。
 そんな冴姫にできる気持ちの伝え方は、本当に弱いものばかりだった。
 例えば、向けられた笑顔に淡い微笑みを返すこと。
 握られた手を、抱きつかれた身体を、ほんの少しの時間だけ委ねること。
 ひどく弱くて、わがままな方法だったけれど、冴姫は幸せだった。はぁとに少しだけ心を
開いて見せているのが、温かくて、くすぐったくて、たまらなく幸せだった。それだけで、
ふたりの関係は特別なんだって信じていられた。
 何故なのか。今夜、はぁとに強い想いをぶつけられて、ようやくわかった。
「あなたを見ていて、思ったのよ」
 はぁとの気持ちに気付いていたからだ。
 はぁとにとって、冴姫は幼なじみの大親友だ。だけど、それだけじゃない。
 冴姫は、気付いていたのだ。
「フィオナのことは、私だけの問題」
 気付いていたのに認めるのを拒んでいた。認めてしまったら、その想いに応えなければならない。
「はぁとを巻き込むのは、間違ってる」
 冴姫も同じ気持ちだって、言わなくちゃいけないから。
 そうしたら、もう後戻りはできない。これまで通りの親友には戻れなくなってしまう。
 それは、とても怖いことだ。
「でもね」
 うつむき加減を正したはぁとは、今にも再び泣き出しそうだった。
 冴姫は、しっかりとはぁとの眼を見据えた。ここから先、決して、はぁとから
目をそらしてはいけない。自戒して、冴姫は始めた。
「私も、はぁとと離れたくない」
「…………!」
 はぁとが何か言う前に、続ける。
「だから、離れないことにした。はぁとは、ついていくって言ったけれど、違うわ。
 私が連れていくの。私が、はぁとについてきてほしいから」
「……それって……」
 はぁとの様子を、気にしてはいられない。
 一度でも止まってしまえば、最後まで進めなくなるのは明白だった。
 怖かった。胸の鼓動に追いかけられ、必死に進んでいく。
「その代わり――」
 覚悟を決めたんだ。それは、はぁとを連れていくためだけじゃない。
 自分の事情で相手を傷つけそうになって、それでも繋いだ手を離さないでいるためには、
これまでの二人では足りない。親友なんだからって無邪気にはぁとの手を引いていくなんて、
冴姫にはできないから、二人の関係を変えなくちゃいけない。そのための覚悟だ。
 手を引かれ、笑いかけられているばかりじゃなくて、冴姫の方から歩み寄ろうと決めたのだ。
「これからずっと、私はもう、はぁとに隠しごとしない」
 視線を外してはいけない。
「はぁとも、私に何でも話して。二人で力を合わせたら、何だって解決できると思う」
 照れて誤魔化した感じにならないように。
「私は、はぁとのこと、いつでも一番に考えるから」
 ちゃんと、伝わるように。
「はぁとは私の一番近くで、笑っていて」
 告げた。
「あ……あなたのこと……愛してるわ」

253252の続き:2007/01/14(日) 20:50:32 ID:I0QgWxvU0
 冴姫は立て膝を崩して、はぁとから離れた。
 自分の顔が赤くなっていくのがわかる。全身から汗がふきだしてくる。
 言い終わった。ちょっと噛んだけど、最後まで言えた。
 はぁとは、固まっていた。
 冴姫は反応を待った。
 やがて、
「え、え? それって。えー!?」
 冴姫は、恥ずかしくて死にそうになった。
「き、聞こえなかったなんて言わないでよ? 2度は言わないから!」
 駄目だ。限界だった。
「聞こえたけど、聞き間違いかもっ」
「そんなわけないでしょ!」
「でも」
「だから!」
「でもでも!」
 はぁとは、瞳をキラキラさせて、頬を上気させている。明らかに聞こえているし、
聞き間違いとも思っていないように見えた。
 けれど。
「…………私も、はぁととずっと一緒にいたいって、そう言ったの!!」
 冴姫は、はぁとを直視できなくなって、とうとう目をそらした。
 はぁとは、ベッドから降りて、正面に回りこんできた。
「それって、愛の告白、だよね」
 逃げるように、そっぽを向く。はぁとは、また追いかけてきた。
「さーたん、私のこと好きなんだよね!?」
「しつこいわよ、馬鹿っ」
 また逃げる。追いかけてくる前に、冴姫は言った。
「だいたい、はぁとが最初に告白したのよ!」
「私が、告白?」
 もう台無しだ。でも、そうでもしないと、どうにかなってしまいそうだった。
「はぁとが、私のこと好きだって泣き出すから、私がOKしたのよ! そういう順番でしょ!」
 なかなか追いかけてこない。冴姫は不安になって、自分から向き直った。
 はぁとは、顔を真っ赤にしていた。
「そっかぁ。あれが私の告白かぁ、えへへ」
 両手を頬にあてて、笑う。
「さーたん、誰にも言っちゃダメだよ?」
「い、言わないわよ。はぁとこそ、言ったら取り消すからね」
「言わない。ふたりだけの秘密にするからっ」
「ちょっと、わっ」
 はぁとが突進してきた。抱きつこうとしたのだろうが、勢いが尋常ではない。
 全力でハグされながら、冴姫は何とか受身を取った。
「うれしい〜♪ さーたんとらぶらぶだ〜♪」
 どうすることもできない。
「ずっと一緒だよ〜♪」

「こら! 静かにしなさい! って、あなたたち何やってるの?」

 先生まで現れた。しかも、何というか、非常にタイミングが悪い。
 はぁとは、アザを見せたときのままの格好だった。上半身は下着一枚だ。
 冴姫は、半裸のはぁとに押し倒されていた。
「ええと、その」
「さーたんとらぶら、ほむっ」
 はぁとの口をふさぎつつ、言い訳を考えていると、
「言ったでしょ? 大きな音は立てないこと」
 後は、と先生は付け加えた。
「仲直りしたんなら、もう寝なさい」
 それで、さっさと部屋から出ていってしまった。

254253の続き:2007/01/14(日) 21:03:03 ID:I0QgWxvU0
「……寝ましょうか?」
「……うん」
 結果的に言えば、先生の登場は絶妙のタイミングだったのだろう。
 妙な踏ん切りがついて、告白の騒動は治まった。
 冴姫は乱れたベッドを直し、はぁとはパジャマを着た。
 整えたベッドの枕に座り、毛布に脚を入れて、ひと息つく。どのくらい話していたの
だろうか。何だか、最初に布団に入ったときから1ヶ月でも1年でもたったみたいに感じられた。
「さーたん」
「なに?」
「そっち、行ってもいい?」
 はぁとが、冴姫のベッドの脇に立っていた。自分のベッドから持参した枕を抱えている。
 冴姫は少しだけ悩んでから答えた。
「いいわよ」
「やったー♪」
 わざわざ冴姫の了承をとったのは、やっぱり、突き飛ばされたのを気にしているから
なのだろうか。そんなことを考えていると、はぁとは満面の笑みで、すり寄ってきた。
「お邪魔しまーす♪」
 あまりに脳天気な調子だったから、冴姫は笑ってしまった。
「いらっしゃいましな」
 はぁとに抱きつかれ、頬ずりされる。冷えていた身体が、それでたちまち温かくなる。
「抱きついたままじゃ、眠れないわよ」
「そんなことないよー」
 ぼやきながら冴姫は、はぁとの気が済むまで、いくらでも抱かれていようと思っていた。

 しばらくして、はぁとが冴姫の耳元にささやいた。
「さーたん。私も、さーたんのこと、愛してるよ」
「はぁと……」
「ずっと、愛してたよ。今までずっと、大好きだったんだよ」
 はぁとの顔は、冴姫の肩の上にあった。冴姫からは見えない。
 でも何となく、泣いているんだってわかった。
「大好き……えへへ……」
 はぁとは、笑いながら泣いている。冴姫は目頭が熱くなって、はぁとを抱きしめた。
 そうして、冴姫とはぁとは初めて抱き合った。ぴったりと隙間なく、二人の身体が重なる。
 ただ抱きつかれているだけのときとは、全然違った。
 お互いの気持ちが向かい合ってさえいれば、二人の距離はこんなにも縮まるのか。
 離れるのが口惜しくて、長く長く抱き合った。

「手、繋ぎましょうか」
「……え?」
「このままじゃ、眠れないから。代わりに」
 ちょっと照れながら、問いかける。
「嫌?」
「……ううん」
 二人の身体が離れる。冴姫は、すぐに、はぁとの手を握った。
「これで、くっついていられる」
「……うん」
 はぁとは握り返してきた。繋いだ手を真中において、二人は寄り添って寝転んだ。
 はぁとは、ほとんど喋らなくなった。疲れているのだろう。
「明日の自由時間は、ゆっくり周りましょうね」
 無理する必要はない。またいつか、一緒に来ればいい。
 返事がなくて横を見ると、もうはぁとは眠ったらしかった。
 冴姫のほうへ少し傾いた寝顔は、どこまでも無防備だった。
「……さーたん」
 むにゃむにゃと寝言を呟き、握る手の力を強くしてくる。
 同じ強さを返しながら、冴姫も眼を閉じた。
 この手を、ずっと離さずにいよう。
 自分の心に誓いをたてる。
 今夜のことは、一生忘れない。
 くすぐったい温もりに包まれながら、冴姫はまどろみに溶けていった。

+++ おしまい +++

こうして冴姫とはぁとはガチ百合の道に足を踏み入れ、3日目の夜、ついに2人は初エッtうわなにをする
10レスも使った長いSSだったけど、最後まで読んでくれた方には超感謝。
前回の分に感想くれた方にも賛否両論全部感謝。でもスレの雰囲気悪化だけは勘弁……

255君の心:2007/01/14(日) 21:13:01 ID:ppsDpMu.0
>>252〜254
うあぁぁぁん・・・

256名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:17:59 ID:0zx7Vu6U0
結局さ
コテの彼がここでコテで目立ってはいけないんだなって
自覚して貰うしかないよな。
注意書きを書いても無視する人は無視してしまうだろうし。

257名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:18:41 ID:eX7wVGfIO
今まで楽しみに待ってた甲斐がありました


微エロ+ハッピーエンドでお腹いっぱい、良かったです

258218:2007/01/14(日) 21:21:37 ID:eFpOkBSEO
君の心全て読ませていただきました。
すごくジーンとする作品で、面白かったです。

259名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:32:23 ID:la.35Vpw0
>>252-254
GJ
そしてこの後が激しく気になる俺ガイル

260名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:33:27 ID:75xT9Ti20
良かったね!!本当によかったねはぁと!!幸せになってくれ・・・(涙)
どうなるかな〜っとずっと期待してたのですがハッピーエンドでよかったです。作者さん超おつかれさま&GJ!!


そして・・・・・またはぁと様を悪役っぽくしてしまう僕を許してください・・・。

261名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:35:14 ID:la.35Vpw0
正直すまんかったorz

262名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:37:13 ID:OXfptaHI0
中々グッとくる作品でした。
86氏(どうお呼びしたらいいのかわからないので)がこのテーマも書いてくれたら、なんて我が侭な希望が出てきてしまうくらい。

263名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:39:47 ID:QqwqZimo0
わざわざ細工してageるなよ。
そんなに注目されたいのか?

264名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:42:26 ID:N.2zz6dwO
3日目の夜についてkwsk

265名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:52:08 ID:G0BVvAjIO
今まで書き込んでいなかっただけで、けっこうSSスレ見てる人いたのね…。

上がったのをsage

ひっそりと盛り上げていこーぜー。

266名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 21:53:09 ID:OoXns.jEO
犬「むむ!?この殺気!!神依さまはこのはがお守りいたしまする!」
トキ「よせ!このは。この殺気…只者ではない」
犬「しかし神依さま、このはは神依さまをお守りす…ひっ!」
姉「ほう…あれをよけるとは、なかなかやるじゃないか犬っころ。今のは当てたつもりだったんだが、それが噂の忍術ってやつかい」
神依「貴様…何者だ?いきなり刃物を投げられる覚えはないのだが…」
姉「なぁに、うちの舞織が世話になったそうだから…その御礼、ってわけさ」
神依「む…その件は舞織殿と話はついたはずだが?」
姉「あの娘は優しいからねぇ?そのかわりにあたしが文句つけに来たってわけさ」
犬「か、神依さまには指一本触れさせませぬ!」
トキ「下がれこのは!」
犬「しかし神依さま!その身に何かあっては、このはは我一族の恥でございまする!」
トキ「よい、これは私自身の問題だ…それにお前では少々荷が重すぎる。彼女はかなりの腕のはずだ」
犬「なりませぬ!この様な荒事はすべてこの、は…が……」
姉「ちと犬っころはお寝んねしてな。さて神依さまとやら、死合といこうか…」
トキ「貴様!このはに手を出したからには只ではすまさんぞ!」
姉「ふふ…ちょうどよかった。あたしも只ですますつもりはなかったんだ。あんたの剣とあたしの拳、どっちが強いかなぁ?」
トキ「ふざけおって!加減はせぬぞ!いざ、参る!」

267名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 22:05:34 ID:.eFLqR6oO
>>266の鼓音姉さんがスケバンとかそんな類に見えるのは口調のせいなのだろうか?

268名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 22:38:47 ID:Ie/WQCdUO
批判すんなら自分で書けよ!スゲー面白いですGJ!

269名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 22:45:19 ID:0zx7Vu6U0
>>268
上げんな。

270名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 23:45:48 ID:Ie/WQCdUO
1は下げろと行ってないぞ!

271名無しのアルカナ使い:2007/01/14(日) 23:49:14 ID:87hKxSIA0
SSに不快な人もいるからsage進行でいこうぜって話ですよ
潜っといた方が荒らされにくくていいと思う

272千年守の憂鬱:2007/01/15(月) 01:15:52 ID:jbFVs7kkO
このは、おまえは残酷だ
「神依さまー」
ああ、何故おまえはこうも無邪気に私に接する?
私は努めておまえを道具として扱おうとしているというのに
「探したでございますよー」
おまえに見つからないように建物の屋上に潜んでいたのに
「何用だ?」
壁を背に地面に座る私に駆け寄ってくるこのは
それに対し、出来る限り素っ気なく答える
「用というか・・・側役として、神依さまの傍らにいるのがこのはの役目でございまするー」
そう言って満開の向日葵の様に微笑むこのはが、腹立たしくもとても愛おしい
「そうか・・・」
今、私は笑みのような困ったような顔をしているだろう
このはの好意に対して、どんな顔をしたら良いのかわからない
「どうしたのですか神依さまー?」
このはが心配そうに覗き込んでくる
そんな目で私を見るな
私を苦しめないでくれ
私は幸せになれないんだ
私は人として生きることは出来ないんだ
私は千年守
悠久を生き、異形を狩り、秩序を守る世界の・・・「っ!?」
このはが突然私のひざの上に跨がる様に飛び乗ってきた
「な、何だ?」
「わふっ、このはが悲しい時は、母上はいつもこうしてくれたのでございまする」
そう言って私の背中に手を回す
このはの柔らかい感触と鼓動を全身で感じる
慰めて・・・くれているのか
「・・・済まぬ、私は主失格だ。側役のおまえに気を使わせるとは」
私もこのはの背に手を回す
「済まぬ、こんな弱い主で」
私は弱い、本当に
今も泣いてしまっている
千年守でなかったらこのはと同じ時を生きられるのに
「そんなことはござりません。このはは神依さまの側役で幸せでございまするー」
ああ、私もおまえに会えて幸せだ


幸せなんて、知らなければ良かった

273名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 01:32:11 ID:IaCxQg1AO
>>272
GJ!!

274名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 01:52:49 ID:OdOKzTCA0
>>254
GJ
いい話だった。感動した。

275空気嫁:空気嫁
空気嫁

276リア・ファイル:リア・ファイル
リア・ファイル

277空気嫁:空気嫁
空気嫁

278リア・ファイル:リア・ファイル
リア・ファイル

279都立御苑女学園より黒舞織続き:2007/01/15(月) 05:04:07 ID:jKUC3.Mg0
キーンコーンカーン

はぁと「終わったぁ!もうクタクタだよぉ…」
冴姫「テストも近いし、先生も私たちに良い点を取らせようと頑張ってくれてるのよ」
はぁと「そうだね…私もそれに答えられるように頑張らなきゃ!ファイト!ファイトだよ!」
冴姫「うふふ、その意気よ」
はぁと「それじゃ、冴姫ちゃん、まおりん一緒に帰ろう♪」

舞織(あの人形がなくなって数日…不安で押しつぶされそうな日が続く…)

舞織「はぁ…」
はぁと「…どうしたの?まおりん」
冴姫「ここ最近元気ないみたいだけど…」
舞織「あはは…そんなことないですよ」
はぁと「まおりん、熱でもあるんじゃない?」

ピトッ♪

舞織「!?」
舞織(何!?何が起きたの!?)
舞織(はぁとちゃんの顔がこんなに近くに!?)
舞織(はぁとちゃんがオデコを私のオデコに付けている!?)
舞織(はぁとちゃんの微熱が!はぁとちゃんの吐息が!はぁとちゃんの唇がああああっ!)
舞織(唇!?コレはキスしちゃってもOKってことですか!?誰かが言ってた気がする!「男は度胸!なんでも試してみるものさ!」って!あ!私は女の子だった!)
舞織(それでは!いざ!いざ!いただきまあああ…)

ボフッ!!
ブッシュウウウウゥゥゥッ!!
バタン!!

はぁと「わぁっ!?まおりんが頭から湯気ふいて鼻血出して倒れた!!」
冴姫「ちょっと!はぁと!舞織に何したの!?」
はぁと「なんにもしてないよぉ!まおりん!しっかりして!まおりん!」
冴姫「と!とりあえず保健室に連れていきましょう!」
はぁと「う、うん!」


レントン「つづく!」

280名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 05:17:48 ID:jKUC3.Mg0
>>272
GJ!
こういう話を見ると、神依が一番アルカナハートの主人公ぽいと思う。
主人公は心に影があるほうがカッコイイ。
神依エンディングは「神依よかったね!」と心から思った。
このは×神依ってやっぱりオフィシャルなのかな!!

281名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 07:34:41 ID:GalVMLTcO
職人以外のコテにはヘラクレスルー安定でOK?

282名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 07:44:15 ID:e6S3Co3E0
そのあとのイカロスは勘弁して・・・
ごめんスレ違い

283名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 08:15:41 ID:IZHHjicQO
職人の方達お疲れ様っす☆一晩かけて読ませて頂きました◎まだ続いてる作品には更なる期待をしてまっす!
…ちゃんとsageってなかったら申し訳m(__)mぜひ感想を書きたかったもので(^_^;)

284楽しいお休み:2007/01/15(月) 11:22:52 ID:bNk1pIVk0
はぁと「うわー!すごいよさーたん♪あんなに大きなわんこが歩いてるよ〜〜なでなでしちゃうーー。」
冴姫「ちょっとはぁと!あんまりはしゃぎすぎると転ぶわよ?」

今日は日曜日。学校も休みなので私達は都内にある遊園地へと遊びに来ていた。

というのもリリカが昨日「事件も解決したことだし〜♪みんなで遊びに、いっくよーーー!」

とか言い出したからなのだけれど。

リリカ「あ〜まったくあんなにはしゃいじゃって・・・・全く可愛いねえお子ちゃまは♪」
頼子「ふふ・・・・でもそこが愛乃さんのいいところだなって私は思うな。」
舞織「そうですね。本当に楽しそう・・・・はぁとちゃん」

そうね、と私は言いながらいつまでも犬の着ぐるみの人の頭を触り続けているはぁとの方に歩み寄った。

はぁと「うーーーーん♪わんこちゃんほれほれほれーーなでなでしちゃうんだからね★」
冴姫「ほらはぁと。中の人困ってるでしょ?もう行くわよ?」

私ははぁとの手を握って歩き出そうとするとはぁとの顔が急にトマトのように真っ赤になった。

冴姫「ど・・・・どうしたのはぁと??」
はぁと「・・・・・さーたんの方から・・・・・私の手、握ってくれた・・・・」
冴姫「えっ・・・・・そ、それは・・・たまには私の方からだって・・・・・友達、でしょ?」
はぁと「うん・・・・・さーたん大好き・・・・・・。」
冴姫「ちょ、ちょっとはぁと!そんなこと言うと誤解されるでしょ!まったくもう・・・・////」

と、まだ顔がぽーっとしているはぁとの手を引っ張りながら言った。


その時は私は気付いていなかった。一つの視線が鋭く私を射抜いていたことを・・・・

場面は変わってお化け屋敷。やっぱりというかはぁとはさっきから怯えっぱなしである。

はぁと「う、うわああん!!さーたんまた出たよ〜〜〜おばけがでたよ〜食べられちゃう〜!」
冴姫「た、食べられないわよ!中にいるのは人間なんだから!」
はぁと「でもぉ・・・・・・・でもぉ・・・・怖いよぉさーたん・・・・。」

そう言うとはぁとは私の腕に抱きついてきた。本当に怖いのだろう、小刻みにぶるぶると震えている。

冴姫「そんなに怖いなら外で待ってれば良かったでしょ?」
はぁと「だ・・・だってえ、さーたんが行くって言うから・・・・・私・・」

もう半分以上泣いているはぁとの頭をなでながら私は彼女を元気付けた。

冴姫「大丈夫だから・・・・・ね?私が一緒にいるから・・・・怖いことなんて何もないから・・・」
はぁと「ぐすっ・・・・・ぐすっ・・・ありがとうさーたん・・・・・・うん、ありがとうさーたん!私、元気が出てきたよ!」
冴姫「そう・・・・良かったわ。それでこそ、はーたんよ」

そう言うとはぁとは元気良く前に歩きだし・・・・・おばけの襲撃にあった・・・・・

「うわああああああああん!さーたあああああん!」

285楽しいお休み:2007/01/15(月) 11:23:46 ID:bNk1pIVk0
昼ごはんを済ませ、もうすぐ日も落ちようとしていた時、はぁとの提案で観覧車に乗ることになった。
5人乗りのものはなかった(当然か)ので、2人・3人と分けることにした。

リリカ「ここは公平にじゃんけんでいこ〜♪そーれ、じゃんけん・・・・ぽん!」

結果、私と頼子が2人乗りに、はぁととリリカと舞織が3人乗りということになった。

冴姫「頼子とゆっくり話すのも面白いかもしれないわね。よろしく頼子」
頼子「は、はい!私も前から冴姫さんとお話してみたいなーって思ってたんです、こちらこそ!」
リリカ「なかなか面白い組み合わせだねぇ〜♪どんな話をするんだか♪」
舞織「ちょっと想像がつきませんね・・・・ふふ」

確かに自分でもなかなか面白い組み合わせだな、と笑ってしまった。


はぁと「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

・・・・・はぁと?どうしたのかしら・・・じゃんけんで出した手を見つめたまま何かつぶやいているような・・・・・?

頼子「あ、冴姫さん来ましたよ?さあ、乗りましょうか」
冴姫「え・・ええっ、ありがとう頼子。」

そう言うと頼子は私が乗り遅れないようにと手を差し出してくれたのでそれを握った。

冴姫「!!!!!!」
頼子「ど、どうしたの!?冴姫さん?」
冴姫「い・・・・いえ、なんでもないわ・・・大丈夫よ。」
私は急いで中に入り係員にドアを閉めてもらうように言った。

背筋に寒いものが走った。何かはわからない・・・・・けど。

まだ・・・このときの私は、あんなことになるなんて・・・・・思いもしなかったのだ・・・・



「・・・さー・・・たん・・・・・さー・・・・・たん・・・・・さー・・・・たん・・・さー・・・・たん・・・」

・・・・続く?

えーと嫉妬シリーズ第2弾です。私のさーたんで調子に乗ってしまいました・・・。ごめんなさい
きっと今回もつまらないかなとは思いますがお付き合い頂けるとうれしいです〜。

286空気嫁:空気嫁
空気嫁

287名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 12:23:26 ID:IaCxQg1AO
>>284
GJ!!

288名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 13:27:32 ID:pe0Cil9U0
せっかくIDがあるのにNGも出来ないのかよここの住民は
匿名掲示板で頭がおかしいコテが湧くのは必定なんだし
荒らしに反応した方も荒らしって言うしスルー汁
コテをNGにしてもコテに対する語気の強い罵詈雑言は見えるから不快

289名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 13:53:48 ID:GtPkbh0UO
>>284
新作ヒャッホウ
このあとどうなるのか気になって仕方がないっす

290名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 14:22:07 ID:IZHHjicQO
ここはリクもありかな?総キャラ出演の日常コメディーみたいのが読んでみたいのだが…。

291218の続きです。:2007/01/15(月) 16:03:36 ID:9CB2UDCoO
「……リーゼ?何故ここが……」
「後をつけてきたの」
リーゼがいきなり家を訪ねて来たことに、薫は驚きの表情を隠せない。
つけてきた…だと?
気配もなかったんだぞ?
でもこの雨だから玄関に立たせておくのも申し訳ない。
「まあ…あがってくれ」
薫がそう促すとリーゼは靴を脱いで家に入った。

居間に案内されたリーゼは、トランクを床に置く。
「髪、濡れてるだろ?ほら、タオル」
「………」
リーゼは無言で受け取って、頭のレースを外して、タオルでふいた。
「……服も濡れてるなら着替えを貸すぞ。俺の古い服でよけりゃな」
薫の言葉にリーゼは服を確かめ、つぶやく。
「……お願い」




しばらくすると、リーゼは俺の服に着替えてきた。
自分としては合った服を選んだつもりだが、サイズがやはり少し大きいらしく、リーゼは動きにくそうだった。
「……大丈夫なのか?」
「少しなら我慢する」
リーゼはそう言いながら座るなり薫に言いつけた。
「紅茶が欲しい」
薫は承諾し、紅茶を入れる。
「はい」
リーゼは差し出された紅茶をゆっくりと口に入れた。
とりあえず学校で書いたためこれだけで勘弁を……
続きは後で書きます。

292名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 17:41:34 ID:IZHHjicQO
続き気になる!早くヨロシク!

293名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 19:01:34 ID:usvwt0.2O
>>291

∧_∧
( ・∀・)
( ∪∪ ワクワク
と__)_)

294名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 19:21:14 ID:DLk/cE9sO
>>290
自分が神になるんだ!
てか総出となるとリーゼの扱いに困りそうだなw
トキも絡ませ辛いだろうし、キラ・中華も輪が閉じてる。
このゲーム横の繋がりが限定的すぎw

295名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 19:25:21 ID:zzPsVoF60
リーゼははぁと絡みでねじ込むしかない。
カムイは冴姫が関連を持った筈。(両者ストーリーモード)
中華はカムイと同じ学年だからそこから何とか!…ならないなぁw

296君の心:2007/01/15(月) 20:12:44 ID:62EkJGN20
黒い舞織ちゃんの話での意見というか思ったこと

この黒いマオリちゃんは手作りで、はーちゃん人形(ヌイグルミ)
を作っては「キャーvキャーvはぁとちゃん可愛いー!!」
と歓声を上げて、毎晩その人形を両手で抱えながら
すやすやと寝てるシーンがありそうだ。
そんなのも見てみたい自分v

297君の心:2007/01/15(月) 20:16:53 ID:62EkJGN20
こんな妄想膨らましながら書いた
こっちがキャーキャー
ゆうてしまった(笑い)

298名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 20:57:42 ID:NMIwbLaw0
>>284-285
やっぱり第2弾も先を予想してしまうとこえぇw

299名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 21:07:34 ID:IZHHjicQO
総キャラ出演…。自分で書いてみるのもありかな?少しパクリ要素が出てくるし、文才ないんだけどぉk?

300君の心:2007/01/15(月) 21:36:28 ID:62EkJGN20
ある夜中、神社の中、マオリの家にて・・・
マオリは自分の部屋で裁縫をしていた。
床には、綿や布地がたくさん散らばっている。
マオリ「やった、できたー!」
マオリはヌイグルミを作っていたようだ。
しかもその縫いぐるみは・・・愛乃はぁとだった。
しかも、本物に近いくらい、顔や、髪型がそっくりであった。
布地で、大きな目や、口が作られており
微笑ましい表情をしていた。
マオリ「このはぁとちゃん人形で擬似会話して〜、
   それから寝るときに添い寝して〜・・・」
と、そのとき、マオリの体がフルフルと震えだした。
マオリ「きゃーv萌えーvはぁとちゃん萌えー!!
    はぁとちゃん好きーー!大好きーーvv!!」
と、人形抱きかかえたまま布団に倒れこみ、
われを忘れ一人歓声をあげた。




一方そのころ、姉妹はそれぞれのへやで床についているとき、
マオリの叫び声をきいて、
姉「じゅ、重症だな・・・」
妹二人「お姉ちゃん・・・」
と、ドン引きした、引きつった顔でひとりごちた。


一応終わり。

あとがき
小説って結構難しいですね。
あと、まおりちゃんを少し壊してしまって、
マオリファンの皆様、すいませんでした。

301君の心:2007/01/15(月) 21:39:35 ID:62EkJGN20
>>300
後これは、黒いマオリちゃんのサブストーリー
てことにしてください。
もうちょい文章がうまく書ければなぁ。

302名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 22:03:10 ID:36Rp7pCQO
はぁと様ヌイグルミ・・・・超欲しい!!!ホントにプライズとかで出ないかなあ・・・・

303君の心:2007/01/15(月) 23:02:44 ID:62EkJGN20
>>137
>>175
>>180
結構面白い

304名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 23:12:53 ID:e6S3Co3E0
>>284
何かはぁと様の雰囲気でガクブルなんですが。
でも続きが気になってしょうがない・・・某奇怪事件と同じ惨劇になりませんように。

305名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 23:46:16 ID:usvwt0.2O
>>300

黒舞織コェェ('A`)

306名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 23:47:36 ID:sfkYbYlcO
なんか書いてみようかな、って思ったが、
誰が誰をどう呼んでるかわからない罠。

まとめてあるところとかアルカナ?

307名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 23:49:33 ID:iUj9yNeU0
>>300をみて、琥珀さんを思い出した俺月厨。

308名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 23:50:06 ID:YhgV7mCcO
「ねえさーたん」
「さーたんはやめなさい。……それで、何?」
「えっとね、りりちーから聞いたんだけどね」
「リリカから……?」
「さーたんがパンストを直履きしてるって……」
「っ……! げほっ! な、なんで……!」
「えっとね、リアファイルしてもパンチラしないのは見えたらモザイクかかっちゃうから……ってのも聞いたよ!」
「あ、あいつ……!」
「……痴女」
「っ、リーゼロッテ!?」
「りりちーもスパッツ直履きなんだって! 今度わんこちゃんと直履き同盟作るからさーたんも入れって言ってたよ!」
「だ、誰が入るのよ! そんなもの!」
「……痴女の集まり」
「痴女じゃないっ!」
「ねえ、なんで直履きしてるの?」
「そ、それは……」

309名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 23:52:21 ID:CBgIJwgYO
>>306
このスレを1から読めば大体わかる。

310君の心:2007/01/15(月) 23:52:46 ID:62EkJGN20
>>307
琥珀ってーと・・・メルティの?

311306:2007/01/15(月) 23:55:46 ID:sfkYbYlcO
>>307
月姫通信ですかw

>>309
了解。
スレの雰囲気掴みついでに行ってくる。

312君の心:2007/01/15(月) 23:57:15 ID:62EkJGN20
他にも黒いマオリちゃんネタ書きたいけど。
ああ、ネタ切れ・・・(涙)

313名無しのアルカナ使い:2007/01/15(月) 23:58:09 ID:NMIwbLaw0
>>308
リーゼのささやかな突込みワロス。

314名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 00:02:21 ID:MoC5.kHw0
>>308
まじかよ・・・(汗)

315名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 00:04:12 ID:MoC5.kHw0
月姫通信・・・

316名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 00:05:41 ID:Y48YW8lM0
琥珀さんというとやってやるよチクショー!が思い浮かぶ俺月厨

317名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 00:07:31 ID:MoC5.kHw0
月姫通信、ああ、あれか。
え?ネタかぶってた?

318名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 00:08:51 ID:MoC5.kHw0
オリジナルのつもりだったんだけど・・・

319名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 00:17:47 ID:MoC5.kHw0
>>300
何だかこういうのも
結構ありかもvv

320名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 00:31:48 ID:lghRkeRYO
>>308
>「そ、それは……」

否定はしないのかw

321名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 01:22:58 ID:MAE8S6r.0
定期みんなGJ

322黒舞織の話書いた人:2007/01/16(火) 01:58:11 ID:bd9U16hw0
>>296
舞織がはぁとのことを好きだって設定は勝手に作ったものなので…
気に入ってもらえる人がいて良かったです。ウケがよくなかったみたいだったので心配してて;
>>300の話も自分の変な設定で作ってくれてありがとうございます。

この話は最初は続きもので書く気がなかったので、行き当たりバッタリのグダグダな話になってきてますが、ここまできたら最後まで書かせてもらいたいですw
あと舞織が黒くなくなってきててすいません;

それにしてもセリフだけの文体にしたせいで書きにくいw
CDドラマとかの脚本考える人ってすごいなぁ。

323名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 05:59:30 ID:bSJuyInsO
トップの冴姫がパンチラしてるんだけど…。
まさかストッキングの上に下着を穿いているのか?
つまりやっぱりストッキングは直穿き(ry

324てんどーそーじ:2007/01/16(火) 06:06:24 ID:bSJuyInsO
そういえばコテNGワード登録されてたwww
もうコテで書けないwwwww

とりあえずスルーできない奴らはトップ読んどけ。
スルーできない奴らも同罪だってことをちゃんと理解しろ。

325名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 07:07:43 ID:DosdNMyYO
このスレは下げ進行です。

326名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 07:25:19 ID:8MhifHsIO
更に下げ。あとでなんか書いてみるかな〜。

327名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 07:37:28 ID:xg2XR.ssO
「で、なんで直履きしてるの?」
「こだわるわね、はぁと……」
「だって知りたいんだもーん」
「…………イギリスだとこれが常識だったからよ」
「………………ふーん」
「リーゼロッテ……あなたまだいたの」
「今度イギリスの友人に聞いてみる……」
「痴女ですすいませんでしたっ!」

328名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 07:59:04 ID:bSJuyInsO
>>327
ぐっじょぶw

>>325
そうなのか。これからはsageるようにしま。

んで総出演なら2つくらいネタが浮かんだんだが、両方とも時期ネタなんだよね。
できればその時期に書いて投下したいと思う。

329名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 08:03:55 ID:kDx7av9MO
ぶwwwさーたんオモシロスギwwww

330名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 09:51:46 ID:lghRkeRYO
さーたん……


(*´д`)ハァハァ

331[sage]:2007/01/16(火) 10:41:28 ID:xu60mPEAO
誰か漫画に直してぷーっ

332名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 10:45:21 ID:K49UvOlk0
下げるときはメールのところにsageって入れるのだよ〜おk?

333名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 11:47:03 ID:rmJXySPg0
薫×リーゼのやつ超GJ!
楽しみにしてます
がんがってくれぃ

334君が笑う夜:2007/01/16(火) 13:19:48 ID:ojkGg6Xs0
暗闇の中で意識が目覚めた。
ああまたか、とわたしは思う。
これはいつものこと。
毎夜毎夜繰り返される、ただのユメ。

聞こえるのは人々の恨み言。
見えるのは一面の黒。
感じるのは纏わりつく、罪。
体が少しづつ重くなる。
呼吸すらも徐々に奪われ、それでもこのユメは覚めない。
苦しい。誰も助けてなどくれない。
お姉ちゃんもここにはいない。
わたしは、ひとり。

「緋眼の人形遣い」。
それはわたしであってわたしでないもの。
その名前の中に、わたしはいない。
誰も、わたしの名前を呼ぶひとはいない。

苦しい。重い。誰か。
誰か…。
無意識に手を伸ばしていた。
その手を、リボンを巻いた手が掴んだ。
暖かい手が。
「…ゼちゃん!」
わたしを呼ぶ声が聞こえた。
そこには満面の笑みを湛えた、愛乃はぁとがいた。
「リーゼちゃん!」
そう、それがわたし。
わたしは、リーゼロッテ・アッヒェンバッハ…。

視界が、光に包まれた。


目が覚めて、髪の毛を整えたわたしは、ある決意をした。
日本に行こう。
愛乃はぁとに逢いに。
逢って何がしたいというわけでもない。
ただ、また逢いたい。
とても、とても強い気持ち。
逢いたい。
そしてまた、笑ってわたしの名前を呼んでほしい…。

335名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 13:25:54 ID:ojkGg6Xs0
リーゼロッテでひとつ、稚拙ながら書かせていただきました。
タイトルはthe indigoさんの一曲より拝借。知ってる人いたらビックリ。
ほんの少しでもスレの活性化につながれば、幸いです。
それでは失礼いたしました。

336名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 14:10:00 ID:8MhifHsIO
小説と言うより詩に近いいかも?これはこれで良いと思いますが◎

337名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 17:15:39 ID:xg2XR.ssO
「行くわよ、リアファイル!」
「くらいなさい、リアファイル!」
「行くわよ、リア(ry」
「くらい(ry」

「ふぅ……なんだか今日はやたらとリアファイルを指示された気がするわ……」
「多分ここのトップ画像のせいだよー」
「はぁと? 何その画像って……?」
「はい、これ」
「っ…………!? 何よこれ! な、なんで私がこんなパ、パン……」
「パンチラだねぇ〜」
「私がみせるわけないじゃない! よしんば見えたところで……私……その、直履きだし……」
「恥ずかしいならやめたらいいのに」
「その恥ずかしさが……またいいものなのよ……」

338名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 17:39:40 ID:POgQlOQ6O
>>337
さーたんの慌てっぷりがツボったww

339名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 18:29:26 ID:MoC5.kHw0
何だかアルカナゲームよりも小説作るほうが面白くなってきた。

340名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 19:29:37 ID:MoC5.kHw0
>>338
>「その恥ずかしさが、またいいものなのよ。」

なにが!?

341名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 19:45:43 ID:8hXjnnXg0
頼子「ところでさ、リリカも直穿きだよね、スパッツ」
リリカ「そーだけど?」
頼子「やめたほうがいいと思うよ。ほんとに」
リリカ「えー、なんで?」
頼子「なんで、って……」
リリカ「スパッツの下にパンツ穿いたらラインが出ちゃってみっともないじゃん」



サキ「そう! そうなの! そうなのよ! 実は私も下着のラインがッ!」
はぁと「……さーたん、スカート穿いてるけどね」

342続きです。:2007/01/16(火) 19:59:19 ID:BSFowUm6O
時間が経っても、リーゼは帰る気配は微塵もしない。
「なあ、リーゼ」
「………」
「リーゼ!」
薫が少し大きい声で呼ぶとリーゼは振り向いた。
「野暮な事聞くが、帰らないのか?」
リーゼは左右にゆるゆると首を振った。
「え…?まさか……泊まる気か……?」
「……そのつもりで来たの」
「泊まるぅぅ!?」
開いた口が塞がらないとはこの事。
保てる平常心も保てるわけがない。
そのつもりで来た……って、そのためにつけてきたのかこの娘は。
なんと可愛い…とかじゃなくて!
幼い顔してなんて事を……
「ダメなの?」
リーゼは聞き返す。
「いや…ダメってわけじゃねーけど……えーと…アレだ。部屋とかちょっと散らかってるとかそんな問題があるんだが……いいのか?」
「……私は大丈夫」
「わかったよ……」
はあと溜め息をつきながら自分の髪をくしゃっと掴む。
すると、リーゼはカップを差し出す。
「もう一杯だけ」
「……はいはい」



夕食時。
リーゼは美味しいとは言わなかったが、薫の作った夕食を食べてくれた。
少し大きい服も随分慣れてきたらしいように見える。
ただ一つ分かるのは、食べる姿がどうも可愛らしくて微笑ましい……ってか……なんていうかな。まあそんな感じだ。
リーゼは食べ終わるなり、トランクを抱えて2階へと上がる。
「……俺の部屋は右の部屋だ。つか待て、俺も行く」


薫の部屋はまあ普通の部屋だ。
リーゼは周りをぐるっと見渡し、机に立て掛けてあった樫の木刀を見つけた。
「これ…何?」
「ああ…それは…修学旅行の時に浮かれて買っちゃったんだ」
「持ってみる……」
リーゼは両手で木刀を持つが、なんかグラグラしてあぶっなかしい。
ついにリーゼの持つ木刀が薫の頭に直撃。
「あだだだだ!2回目!2回目!!」
頭を押さえて悶える薫ん見てリーゼはクスリと笑った。



リーゼはベッドですでに眠っていた。
「……むう、しょうがない」
薫は床に布団を敷くと、すぐに眠った。


えー…かなり長めの作品になりましたが……

343名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 20:26:54 ID:lghRkeRYO
必死なさーたんにワロタw

344名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 20:29:18 ID:lghRkeRYO
安価忘れた。
>>343>>341へのレスです

345名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 21:26:11 ID:MoC5.kHw0
>>322
うん♪期待してる♪

346名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 21:38:21 ID:.GtwUcCsO
スパッツ直穿きとか別のラインが(ry

347名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 21:59:06 ID:8uJHt75gO
あ…ありのまま
今 起こった事を話すぜ!
「おれは スパッツ直履きの新たなるラインに
ついてカキコしようと思ったら
いつの間にかすでにカキコされていた」
頭がどうにかなりそうだった…
俺が居るとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

348名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 23:54:55 ID:8MhifHsIO
以前に話したメンバー総出演の小説の話なんだけど、自分でほんの少し書いてみたらセリフばっかになってしまった↓完成には程遠いけど完成したら載せても良いのだろうか?意見募集中…。

349名無しのアルカナ使い:2007/01/16(火) 23:57:17 ID:5YpftzPoO
無問題

ここで書いてるのは多分みんな素人なわけだし
載せたもん勝ちってことで

350名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:06:30 ID:OakB.IfoO
サンキュ◎では出来次第載せる方向で。多少の間違いには目をつむって頂きたい!

351名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:21:59 ID:n6CYDysc0
>>339
あるあr

352名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:32:38 ID:DpLuEnqg0
>>339
ゲームとはいえ、
レディが傷つく様なんて見たくないしな。

353日常?風景:2007/01/17(水) 00:33:45 ID:OakB.IfoO
はぁと「さーたん、行っくよ〜♪」
冴姫「行くってどこに?」
は「もちろん!皆の家にいきなり無断で入るんだよ♪」
冴「ちょっ!?それって世間じゃ不法侵入…」
は「さーたん、これはただいきなり友達の家に行って部屋の中を勝手に見てちゃおうってゆー言わばドッキリ企画なんだよ!」
冴「それを不法…」
は「どばばば〜んっと行くよ〜!」
冴「あ!コラ!待ちなさいよ!」

は「まずはまおりんの家からだね♪」
冴「本当に来るとは思わなかったわ…」
は「さぁ、まおりんに見つからないように…」
舞織「はぁとちゃん何してるんですか?」
は「げっ!見つかっちゃった↓」
冴「いきなり企画倒れしてんじゃないのよ、バカ!」
舞「冴姫さんも御一緒でしたか♪(チッ、はぁとちゃんだけじゃねーのかよ!)」
冴「ん?なんか言った?」
舞「いえ別に♪ところで今日は急にどーしたんですか?」
冴「それははぁとに聞…、何やってんの?」
は「さーたん助けて〜(;_;)」
舞「子唄!子糸!やめなさい!」
子唄糸「やだ〜♪」
は「こ…子糸ちゃん…、マジ首締まってる…」
舞「ほら〜!はぁとちゃん苦しがってるでしょ!」
唄糸「そんな事ないも〜ん♪」
冴「はぁと!ちょ…!顔が青くなってきてるわよ!」
は「あ…、ひぃおばあちゃん…」
唄糸「キャハハハハハ♪」
舞「…子唄。…子糸。ちょっとこっちいらっしゃい(ニッコリ)」
唄糸「ギクッ!!!???」
舞「う〜〜〜んと叱っておくから、ちょっと待っててね♪」
冴「ほどほどにね…汗」
とりあえずここまで。この後は皆さんの反応見てからにしま〜す。

354名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:36:48 ID:DpLuEnqg0
>>353
うあー!
はぁちゃん何か見てるー!

355名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:41:30 ID:DpLuEnqg0
続き読みたか・・・

356名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:46:54 ID:ejPtHnOQO
>>352

しかしレディが殴ったり、蹴ったりしているのは見たいMな俺ガイル

357名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:48:48 ID:DpLuEnqg0
>>356
え・・Mって・・・
サドとかマゾとかのMのこと?

358名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:50:39 ID:OakB.IfoO
読んでくれた人&米くれた人共にありがとう(;_;)
明日また更新出来るように色々ネタ考えてきまっす!
結構素で嬉しいなコレ。

359名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 00:57:05 ID:DpLuEnqg0
アルカナのレディに恋したのは僕だけ・・・じゃないよね?

360名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 01:12:32 ID:upMJmfGg0
ごめんいまSS書いてるんだが東京上空に浮いてたのは城じゃなかったっけ?(;´Д`)
なんか公式とか見ても次元の歪みとしか書いてないから・・・

そもそも城って表記があったかうろ覚え、アナウンサーみたいな人が言ってた気がしたんだけどなぁ

361名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 01:20:08 ID:OakB.IfoO
>>353の続き
舞「皆さんの家を見て回る企画ですか?」
は「そぅ!面白そうじゃない?」
冴「私は反対したんだけどね…。ハァ↓」
舞「楽しそうですね!私も御一緒してよろしいでしょうか?」
は「もっちろん!大歓迎だよ!」
舞「わぁ〜い♪はぁとちゃんありがとう☆(よっしゃ!これではぁとちゃんと冴姫との間を妨害しつつ、はぁとちゃんとも一緒にいられる口実GET!!)」
冴「なんか妙に冷えるわね?風邪ひいたかしら??」
舞「次は誰の家に行くんですか?」
は「ん〜…、わんこ♪」
冴「わんこ?このはの事?」
舞「あぁ、このはさん…。(あのタヌキ野郎か)」
は「とゆーワケで着きました♪」
冴「本当に公園に住んでるのかしら…」
は「わんこを呼び出すにはコレ!ビーフジ○ーキー!」
冴「はぁと…。手ごと食べられてるわよ…」
このは「ガルルルルルルル!」
は「キャ〜!ちょっとタンマ〜!」
…しばらくお待ち下さい。
こ「申し訳ござらん…。あまりの空腹で(´・ω・`)」
は「それは良いんだけど…、ここに本当に住んでるの?」
こ「はい!もちろんでござる!」
冴「もちろんって言っても…」
舞「あるのは土管と御座だけ…」
こ「皆どーしたでござるか?」
冴「いえ…。なんか目にゴミが入ったみたい…(;_;)」
は「う…うん、今日はゴミがよく舞ってるから。アハハハ…」
舞「急に目頭が熱くなってきました…(さすがに同情するよな〜。この貧乏暮らし)」
こ「???」

362名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 01:20:29 ID:kXddVOIo0
最近設定を考えていくと鼓音さんが血が繋がってないとしか思えなくなった…。
オホツチを継げなかったのも髪の色が違うのもそれで説明が付く…

>>360
確かに兵藤アナが「城」って表現を使ってるから城でいいんじゃない?

363名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 01:21:54 ID:OakB.IfoO
多分城で合ってると思ったけど?

364名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 01:23:49 ID:upMJmfGg0
>>362,>>363
ありがとうっす
頑張って書いてみます(*・ω・)

365日常?風景3:2007/01/17(水) 01:50:08 ID:OakB.IfoO
>>361の続き。前回題名入れるの忘れてた。

こ「皆の家を訪問でござるか?面白そうでござる。拙者も混ぜて欲しいでござる☆」
は「うん良いよ♪あとでお腹いっぱいビー○ジャーキー買ってあげるからね…泣」
冴「次は誰の家に行くの?」
こ「神依様のところでござる!」
冴「朱鷺宮先輩のところ?何か予想つくわね」
舞「純和風で刀や鎧が飾られてて…」
冴「そう!そんな感じ!見なくても良いんじゃない?」
こ「絶対に神依様のところに行くでござる!!」
冴「わ、分かったわよ。怒鳴らなくても良いじゃない…」
は「どばばば〜んと到着☆」
舞「朱鷺宮先輩はあれでかなりの達人。気配を悟られないように慎重に行きましょう」
冴「ここね。いっせーのせで開けるわよ?」
は「いっせーの…せ!」
神依「!!!!」
全員「…へ?」
神「き…貴様ら!いきなり何用だ!?」
こ「神依様…。その抱いているのは…」
舞「ぬいぐるみ?」
は「わぁ!部屋いっぱいぬいぐるみだらけ!」
神「ち…違う!これはその、アレだ!あの、ほら!アレだ!アレ!」
冴「わぁ〜♪可愛い♪これどこで売ってたんですか?」
神「それは全部手作り…、何を言わせるんだ!」
舞「達人…」
は「てや〜!うさちゃんパ〜ンチ♪」

366日常?風景4:2007/01/17(水) 02:01:09 ID:OakB.IfoO
>>365の続き〜。
神「あっコラ!勝手にさわるな!あぁ!綿が出てる!?」
こ「う〜…。このはもギュ〜ってして欲しいでござるよ。ぬいぐるみに嫉妬でござる(´;ω;`)」
冴「予想に反した部屋だったわね。まさか朱鷺宮先輩がこんな乙女チックな部屋にしてるなんて…プッ」
舞「達人…」
神「キ・サ・マら〜…。全員そこになおれぃ!!!」
は「やっば…。皆逃げろ〜♪」
冴「さすがにこれはマズいわね…汗」
こ「神依様〜。キューンキューン」
舞「達人…」

367名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 02:03:14 ID:r81tfaqc0
Σかっ、神依サマ!!!!

368名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 02:39:49 ID:TkjdiI1s0
神ちゃんカワイスww

369名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 03:50:30 ID:7DDw/Vk20
JGです!
神 依 サ マ は や っ ぱ り 可 愛 い な
舞織がなにげにだんだん目立たなくなってるあたりが面白いです〜
このまま人数増えていくのか・・・・・


ところでちょっとSS書くのに意見がほしいのですが・・・・
みなさんアルカナの性格ってどんな感じだと思いますか?
ニプラス(水)     → 気まぐれ
ランゴン(火)     → 結構気長?
テンペスタス(風)   → 好奇心旺盛で義理堅い
ディウー・モール(魔)→ 野心家で傲慢、ミケと類似?
パルティニアス(愛) → はぁとと類似
ヴァンリー(雷)    → クールを装っているが情熱的
オホツチ(土)     → 
アヌトゥパーダ(時) → 
モリオモト(樹)     → 
ギーァ(闇)      → 若干根暗?

・・・・と想像、ニプラスだけは公式。
土、時、樹にいたっては想像も付きませんでした
なんとなくでもいいんでみなさんの意見をください、おねがいします。

370名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 04:47:00 ID:n6CYDysc0
ディウーは根は小心者。頼子には強気。でもミケには頭が上がらない中間管理職。器小さい。
パルちゃんは、はぁとと根っこは同じだけど、はぁとより落ち着いていてお姉さん。
ヴァンリーは自身気高い性格で、冴姫の気高さに自分を重ねて力を貸してる。
アヌツは世界の観察者気取りで達観してる。でも神依の宿命を傍で見てきたので親心みたいなのを抱いてる。
ギーァは普段何も言わんし血吸ってるし性格不明だが、リーゼが本当の窮地に立ったら人情で助けてくれる。

以上妄想。他はちょっと想像つかない。
そもそも感情的な意味での意思疎通ができないアルカナも多そう。

371名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 04:50:04 ID:n6CYDysc0
>>365
ウサちゃんパンチカワユス

372名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 05:41:59 ID:r81tfaqc0
オホツチはデスノートの模木さんみたいな感じじゃね?

テンペスタスはもうちょい子供っぽくて素直そう
カッコいいとこ見せてごらんって言われて、喜んでカッ飛んで行くし
怪我してるトコ助けてもらったからって何年もリリカにくっついてるし

ごめん、テンペスタスに萌えてるんだ

373名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 06:02:26 ID:p6/WlCtQ0
んじゃ俺も

ニプトラ→公式通り
ランゴン→常に絶えず変化を求めるだけあってすげぇ忙しない性格
テンペスタス→自分の感情にとても素直すぎる、天然で毒はいたりもするが悪気は0
ディヴ・モール→力だけはあるが、頭が回らないために失敗を繰り返すこと多々。でもめげない
パルティニアス→芯が強そうに見えるが、実ははぁとを止められないほど押しが弱い
ヴァンリー→凛々しく気高い女王だが、怒らせると雷を落としまくる手のつけられない性格に
オホツチ→実は結構頼れる兄貴分、土偶なんで性欲なんぞありません
アヌトゥパーダ→人語話せない可能性大、歯車の動きなどで感情を読み取る
モリオモト→なんか仙人みたいな爺さんっぽい、エロジジイにするかは作者次第か
ギーア→無口ではあるが、案外お茶目なところもあったりする、悪戯好きな子供(悪戯をしてる自覚はあり)

つーか、デフォルト以外のアルカナ契約してる時ってどうやって契約してるんだろ?

374名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 08:38:12 ID:wBpt6IR.O
とーとつに思ったんだがカムイってホテル住まいじゃなかったか?
わんこほったらかして一人だけいい部屋に泊まってたはず

375名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 08:55:45 ID:OakB.IfoO
そーなの?…じゃあホテルでぬいぐるみを作ってたって事で(^_^;)

376369:2007/01/17(水) 09:10:48 ID:k9gLiNGM0
>>370
>>372
>>373
レスありがと、把握しました。
それじゃあ参考にさしていただきます〜

377日常?風景(少し寄り道):2007/01/17(水) 09:13:50 ID:OakB.IfoO
冴「そーいえば、舞織のお姉さん出てきてないわよね?」
舞「あ…」
冴「………」
舞「………」


こ「神依様〜。このはにもギュッてして欲しいでござる〜(´;ω;`)」
神「それはいかん、我慢しろ…ウズウズ」
こ「神依様〜。クーンクーン」
神「…(頼むからそんな愛くるしい目で見つめないでくれ)」
こ「…(´・ω・`)」
神「…少しだけだぞ?」
こ「わふわふ!(▼・ω・▼)」
ギュ〜〜〜〜〜〜〜ッ!
こ「神依様〜♪」
神「…このはには勝なわんな(苦笑)」


ここまでお付き合いしてくださった皆様に感謝しています。こんな感じでダラダラと続けていきたいと思っていますが、もし意見等ありましたら言って下さい(^_^;)

378日常?風景(少し寄り道):2007/01/17(水) 09:14:34 ID:OakB.IfoO
その1
冴「そーいえば、舞織のお姉さん出てきてないわよね?」
舞「あ…」
冴「………」
舞「………」

その2
こ「神依様〜。このはにもギュッてして欲しいでござる〜(´;ω;`)」
神「それはいかん、我慢しろ…ウズウズ」
こ「神依様〜。クーンクーン」
神「…(頼むからそんな愛くるしい目で見つめないでくれ)」
こ「…(´・ω・`)」
神「…少しだけだぞ?」
こ「わふわふ!(▼・ω・▼)」
ギュ〜〜〜〜〜〜〜ッ!
こ「神依様〜♪」
神「…このはには勝なわんな(苦笑)」


ここまでお付き合いしてくださった皆様に感謝しています。こんな感じでダラダラと続けていきたいと思っていますが、もし意見等ありましたら言って下さい(^_^;)

379名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 09:25:50 ID:OakB.IfoO
間違って連投になってしまいました↓スンマソ。

380日常?風景5:2007/01/17(水) 10:12:44 ID:OakB.IfoO
>>366の続き
神「まったく勝手に人の部屋に入りおって…」
は「アハハハ、ごめんなさ〜い♪」
神「しかし、なかなか面白そうな催しだな。混ざってみるのも一興か」
は「次はよりぷ〜の部屋だよ!」
冴「移動シーンは省くのね。何か手抜きっぽいわ…」
は「何の事?」
冴「何でもないわよ!」
は「よりぷ〜の部屋の前に着きました☆」
神「シッ!静かに!何か聞こえる」
頼子「ミケ!だめだよ〜!」
ミケ「貴様!我輩に逆らうつもりか!?」
頼「お願いやめて〜!」
舞「これって、かなりマズいのでは?」
こ「何がマズいでござるか?」
神「このはは知らなくて良い事だ…」
冴「待って!まだ何か聞こえる」
頼「エッ、エッ、グス。ミケひどいよ…。ムリヤリなんだもん…。」
ミケ「クックックッ、こーゆー時人間界では何と言うんだったかな?あぁそーだ『ごちそうさま』だったな…ニヤリ」
は「よりぷ〜!大丈夫!?」
冴「正体を現したわね!魔族め!」
舞「人に仇なす異界の者め!」
神「ミケランジェロ!貴様成敗してくれる!!」
頼「皆!?なんでここに?」
は「そんな事より、平気なのよりぷ〜!?」
頼「平気じゃないよ〜!ミケが私の分のフレンチクルーラーまで食べちゃったの〜(泣)」
冴「…こんなオチなの!?��( ̄口 ̄)」

381名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 10:31:18 ID:ELtGDHDIO
昼下がり、カフェにブルマ犬忍者がモリモリとケーキを食べている
「ん…、このはじゃないか」
黒ストサムライ、さーたんは、今、学校の見回りも終わった帰りだった。
「このは」
「モリモリモリモリ」
「こ〜の〜は〜」
「モリモリモリモリ」
「何を食べているんだ?」
「モリモリモリモリ」
「そうか、ケーキか。ケーキが好きなんだなあ」
「モリモリモリモリ」
「私もケーキが好きだぞ」
ピタ……………
「ん?お腹いっぱいか、なんなら私が食べてやるぞ」
スッとケーキに手を伸ばすさーたん。
「カプッ」
…………………………(´Д`)

さーたんの手は

382名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 14:40:43 ID:tpK2EfyUO
>>381
なんでさーたんなんだ?
神依じゃないん?

383名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 14:44:26 ID:i2QBQJKk0
都立御厨女学院

はぁと「おい、おまいら!!夕食ができますた。食堂に集合しる!」
リーゼ 「詳細キボンヌ」
はぁと 「今日は毒入りコーヒーですが、何か?」
舞織 「コーヒーキタ━━━(゚∀゚)━━━!!」
リリカ 「魔アルカナキタ━━━(゚∀゚)━━━!!」
はぁと「毒入りごときで騒ぐ奴は逝ってヨシ」
フィオナ 「オマエモナー」
リーゼ ------------終了--------------
舞織 ------------再開--------------
リリカ 「再開すなDQNが!それよりサキのぱんつうpキボンヌ」
フィオナ 「スッパツうp」
サキ 「↑誤爆?」
舞織 「キャラ性能うpキボンヌ」
リーゼ 「ほらよ>ALL 」
神依 「神降臨!!」
舞織 「キャラ性能age」
フィオナ 「糞巫女ageんな!sageろ」
舞織 「キャラ性能age」
このは 「ジサクジエンカコワルイ」
神依 「キャラ性能sage」
キラ様 「sageっていれれば下がると思ってるヤシはドキュソ」
このは「アルカナは火がないと(暗転返しするのは)難しい」
舞織 「キャラ性能age」
メイファン「地味キャラuzeeeeeeeeeeee!!」
キラ様 「ageって言ってればあがると思ってるヤシはDQN」
頼子「イタイ住人がいるのはここですか?」
はぁと 「氏ね」
リーゼ 「むしろゐ㌔」
舞織 「キャラ性能age」
サキ 「舞 織 、 必 死 だ な ( 藁 」

384日常?風景6:2007/01/17(水) 15:02:22 ID:OakB.IfoO
>>380の続き
頼「皆さんの家を…以下省略」
は「次誰の家に行きたいか意見ある人〜?」
頼「はぅ、私のセリフ省略されてる↓」
?「やっほ〜♪何か楽しそうね?」
冴「リリカ!」
は「あっ、りりちーだ♪」
舞「リリカさん、ごきげんよう♪(また余計なのが増えやがった…)」
こ「リリカ殿どーしたでござるか?」
リ「いやぁ〜、なんかヒマでさ〜↓楽しい事ないかな〜って。そしたら皆して集まってるじゃない?こりゃなんかしらあるでしょ♪」
神「なかなか勘のスルドイ…。今皆の家を無断で訪問している最中だ。一番恥をかいたのは私のような気もするがな…」
リ「へ〜、面白そうじゃん♪もちろん私も混ぜてくれるよね?」
は「その前に一つ質問して良い?」
リ「何?」
は「りりちーそのスパッツ直かに履いてるって話題になってるけど…。」
リ「そーだよ♪何で?」
冴「何で下着履かないのよ…汗」
リ「だってラインが浮き出て格好悪いじゃん!」
頼「女の子なんだからそんなはしたないのダメ〜!」
舞「けどそのわりには…ジ〜」
リ「何ジロジロ見てんのよ?」
こ「違うラインは浮かんでないでござ…ゴン!」
神「このは、それ以上は言うな」
こ「きゅ〜〜〜ん↓」
リ「違うライン?あぁ、あっちの線の事?そりゃ出ないよ、バンソーコー張ってるもん♪」
は「何でバンソーコーなの??」
リ「だってパパがその方が可愛いって言ってくれたんだもん♪」
ミケ「…フェルネロフの奴なかなかやるなニヤリ」
冴「あんたのお父さんって…」
リ「それにバンソーコーの方がウケるんだよ☆一部では…。皆も早速バンソーコーを…」
全「張りません!」

385日常?風景(少し寄り道2):2007/01/17(水) 15:32:58 ID:OakB.IfoO
>>378の続き?
頼「リリカってバンソーコー張ってたんだね」
リ「うん♪上にも付けてるよ☆」
頼「そ、そーなの?なんかちょっとエッチな感じがするんだけど…」
リ「そっかな〜?あ、エッチで思い出したけど私が出る前にヨリコの部屋に行ってたんだよね?」
頼「そーだけど?」
リ「その時は皆勘違いしてたらしいけど、実際はいつもどーしてんの?」
頼「あ、皆呼んでるよ!早く行かなきゃ!!」
リ「あ!コラ、待て〜!」
その頃のミケ…
ミケ「ヘックシュン!風邪でもひいたか?」

もう少し続けようかと思ってる今日この頃です。いい加減読むのがダルくなってるとは思いますが、もうしばらくお付き合いしてくれると嬉しいです(^_^;)

386名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 15:56:32 ID:Jx1l68sg0
最近のこのスレ人口は増えたけどレベル下がったね

387名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 16:33:15 ID:rccR5Zt.0
>>386
自己紹介しなくていいから!メッ

388名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 16:57:56 ID:ejPtHnOQO
どんなことでも数が増えれば質は落ちるさ

まだまだ良いと思うけど

389名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 18:07:15 ID:DpLuEnqg0
あ、どうも黒いまおりちゃんサブストーリー(>>300)を書かせていただいたものです。今回もまた、黒いまおりちゃんネタ(サブ)を考えてきました。今回は、はぁサキが少し入ってます。では後ほど・・・

390名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 18:43:24 ID:OakB.IfoO
質を下げた張本人です↓なんとか書くだけは書きたいんですが良いですか?

391名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 18:58:07 ID:W3tGfpOgO
SSスレは書く人がいてなんぼだからネタがあるなら書いてくれたら嬉しいなー

392名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 19:03:48 ID:rccR5Zt.0
>>390
質を下げたかどうか決めているのは個人の価値観であって、
人によってツボが違うから自由に描けば良いと思う。

393名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 19:06:03 ID:OakB.IfoO
あざーっす。これからもめげずに頑張ってみます(^_^;)

394名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 19:10:58 ID:ejPtHnOQO
書いていいと思うよ

395名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 19:29:12 ID:0/cWPq8kO
構ってちゃんぽい人が増えたからじゃね?

「さーたんさーたんさーたんさーたんさーたんさーたんさんらーたんさーたーん」
「ちょっと待って、途中に中華料理の名前混じってなかった?」
「?」
「ああ……やっぱりいいわ……で、何?」
「ぴろりろりーん!」
(猫型ロボット……?)
「さーたんの使用済みパンストー」
「どぅぶっはぁ!」
「んー……さーたんのエキスの匂いがする……直履きだし……」
「や、やめなさい! どこから手に入れたのよそれ!」
「直履き同盟からの直売だよー。他にもりりちーのパンストとわんこちゃんのブルマも売ってた! 同盟の活動費にするんだって!」
「り、リリカの馬鹿……! たまにパンストがなくなると思ったらそういうこと……! 私の命より大事なパンストを……!」
(私パンスト以下なんだ……?)

396名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 19:44:11 ID:DpLuEnqg0
誰が買うねんそんなもん・・・

397名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 19:48:44 ID:0/cWPq8kO
俺は一万くらいなら出すぜ

398名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 19:54:40 ID:DpLuEnqg0
てかどうやってぱくってきたんや

399名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 20:05:13 ID:R/c.xvcQO
どぅぶっはぁww

400名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 20:06:36 ID:zgq.7/Ko0
10万くらいまでならなんとか出せる。それ以上は生活できなくなるから!

401名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 20:07:29 ID:wBpt6IR.O
>>396

はぁと様
ツンデレ愛好家

402220:2007/01/17(水) 20:09:14 ID:sbxx3auU0
>>220-221の続きができたから投下します。
ちゃんと百合展開に持っていけてると思います。
ちょっと長くなっちゃったから推敲不足なのはご容赦を。

403聖女はお人形さんに恋してる 3:2007/01/17(水) 20:11:26 ID:sbxx3auU0

「あ、起きたみたいだね!」
暑さにバテた犬が大はしゃぎで噴水へと飛び込むような笑みをたたえ、はぁとが部屋に入ってきた。
リーゼはかばりと布団を剥ぐと、ベッドの上で腰を低く構えた臨戦態勢をとる。
「わー!やっぱり似合ってる!すっごい似合ってる!」
警戒心を隠しもしないリーゼを前に、しかしはぁとはぺたぺたと足音を立てて近寄る。
「これね、私がちっちゃい頃着てたパジャマなんだよ?バザーで売れ残ったってことは内緒!」
押入れから引っ張り出してきたのであろう水玉模様のパジャマは、若干袖が長いものの丈は申し分なかった。
リーゼは初めて気づいたというように自らの服装に目を落とす。
己の小ささを隠すフワリとした衣装は取り払われ、代わりにゆとりをもって体にフィットする現代式の寝巻きに包まれていた。
「なんのつもり?」
無防備に体を晒しているような気がして、リーゼは気持ち体を隠すように腕を構える。
「ひとさらいちゃんってばあのまま気絶しちゃうんだもん。私の痺れはすぐに取れたけど、ひとさらいちゃんがなかなか起きないから
 こうやって私の部屋で介抱してあげてたんだよ!えっへん!」
あらためて部屋を観察すると、やはりはぁとの趣味なのかピンク色が目立つ。
要所要所に茶色の机や白の洋服箪笥など、引き立たせる色も配置してあるところを見ると、彼女も女の子らしくそういったことに気を使っているのだろう。
その一方で秩序なく散らばったプリント類や教科書、床に脱ぎ捨てられたシャツ等が彼女の性格を現していると言えなくも無い。
「乱雑な部屋‥‥ もう少し綺麗にしないの?」
はぁとに害意がないとわかると、リーゼは少しだけ態度を軟化させた。
会話をすることで相手から情報を引き出し、少しでも自分の不利を減らそうとする話術の一環だ。
しかしはぁとがそんなことに気づくわけもなく、会話に応じてくれたことに尻尾を振って喜ぶのだった。
「あ、あのね、いつもはもっと片付いてるんだよ!?今日だけ、今日だけたまたま散らかってたの!」
しどろもどろになるはぁとを尻目に、リーゼがぴょんとベッドから降りた。そして一枚のプリントを拾い上げる。
「これ、提出期日が1ヶ月と13日前。出さなくていいの?」
「あわわぁぁあ!!それだったの!?先生にチクリと小言を言われた原因は!!」
はぁとはバッとプリントを奪うと慌てて机に向かう。散らばった小物の中からペンを発掘し、よく読みもせず『はい』に丸をした。
その隙に、リーゼが壁際に立てかけられた鞄に手を伸ばした。
中には『お姉ちゃん』が入っているはずだ。これを取り戻せば――
「待って。」
首だけで振り向いたはぁとが、無表情でリーゼを見ていた。
「その鞄を持って、どうするのかな?」
そして口だけがにぃっと歪められ、貼り付けられたような笑顔を作る。
リーゼの背にゾクリと悪寒が走った。思わず手を引いてしまう。
「うん、それでいいの。」
今度は目元も緩めるひまわりのような笑みだった。
「私はひとさらいちゃんと喧嘩なんてしたくないんだよ。あったかい紅茶とあまーいケーキを食べて笑い合えるような仲がいいな。」
何を馬鹿なことを、とリーゼは思う。あくまで彼女ははぁとを攫いにきた使者であり、敵対する他ないのだ。
「だからこの鞄も、中のお人形さんも、この家を出るときまで触れないで欲しいな。」
リーぜにとっては到底承服できるものではないが、地の利ははぁとにある。
未だ間取りすら把握できていないリーゼは、無闇に怒らせことは愚策であると苦渋の決断を下した。
「‥‥わかった。客人として持て成されてあげる。」
「ホントっ!?お姉ちゃんとの約束だよ!!」
はぁとの顔に、オークションにかければ小国の国家予算くらい賄えそうな笑顔が咲いた。
「じゃーさ、じゃーさ、仲直りしたってことで、なでなでさせてくれる?」
笑顔をそのままに可愛らしく小首をかしげて問いかけた。
さっきからそうしたかったと言わんばかりに、手をわきわきと蠢かしている。

404聖女はお人形さんに恋してる 4:2007/01/17(水) 20:12:55 ID:sbxx3auU0
「なでなで‥‥」
リーゼが頬をヒクリと引きつらせ、『お姉ちゃん』に助けを求めるように鞄を一瞥した。
視線をはぁとに戻すと、待たされてヨダレでも垂らしそうな仔犬が潤んだ瞳で見つめている。
「‥‥ちょっとだけなら」
「なでなでーーっ!!」
はぁとがガバーとリーゼに踊りかかり、ベッドに押し倒して頭をクシャクシャと撫で回しだした。
咄嗟に反撃しそうになる腕をぐっと抑え、リーゼは仕方なく押し付けられた胸に顔を埋めた。
客人を持て成そうという気概の欠片も感じられないラフなTシャツ越しに、柔らかさと暖かさが伝わった。
下着を着けていないのだろう、ダイレクトに伝わる抱擁感に、リーゼは幸せだった幼い頃をぼんやりと思い出した。
その温もりに思わず気を緩めそうになり、リーゼは慌てて顔を上げる。
思ったよりも長い間そうしていたのか、撫でる手はいつの間にか背に移り、まるであやされる赤子のようにはぁとの腕の中に納まっていた。
「も、もういいでしょ。満足した?」
リーゼ本人も自覚出来るほど赤くなった頬を俯いて隠しながら、はぁとの体を押し返す。
はぁとは腕の中から逃げて行く矮躯を名残惜しそうに唇を噛んで見つめている。
その表情を見て、心がほんの少しだけチクリと痛んだことにリーゼは気づかない。
「お名前、なんていうの?いつまでも『ひとさらいちゃん』じゃ呼びにくいからさ、教えてよ!」
はぁとは沈んだ気配を引きずらず、一瞬で切り替えてしまう。
「リジー・ボーデン」
リーゼは用意してあった偽名の内の一つを淀みなく答えた。
「リジーちゃん?う〜ん、なーんかイメージと違うなぁー」
はぁとの鋭さにリーゼは内心舌を巻いた。
「なら人攫いのままで構わない。なんと呼ぼうと愛乃はぁと、あなたの勝手だから」
「うん、そうするね!あ、私のことははぁとちゃんでいいから!」
「わかった、愛乃はぁと」
ちゃん付けで呼ぼうとしないリーゼにはぁとは苦笑を返した。
そこで、なんとなく会話が途切れた。
リーゼは眼球だけを動かして部屋を観察し、はぁとは何か言いたげにTシャツの裾を握っている。
斧を持った悪趣味な人形に思わず目を奪われていたリーゼの耳に
「お母さん、いないの?」
不意に言葉が飛び込んできた。
上気したリーゼの頬がすっと色を落としていく。
「どうして?何故そんなことを訊くの?」
「ひとさらいちゃん、とっても寂しそうだった。腕の中のひとさらいちゃんはね、あったかくてむにむにしてて気持ちよかった。
 なのに、なんでかな?押しつぶしたらそのままぺしゃんこになっちゃいそうな気がしたの。」
少し気を許しすぎた、とリーゼは自戒する。
涙ならとうに流しつくしたはずだ。出て行った涙の代わりに得たものはドス黒い感情で、失った家族の代わりに得たものは闇の化身。
アイツの協力を得ている以上温もりなど不要だ。いや、得てはいけないのだ。

405聖女はお人形さんに恋してる 5:2007/01/17(水) 20:14:27 ID:sbxx3auU0
「何を言ってるの?母なら今頃カルトエッセンの仕込みに余念が――」
言葉を遮るようにして、はぁとが再びリーゼを抱きしめた。
リーゼはすぐさま振り解こうとするが、固い抱擁がそれを許さない。
「ごめんね、何があったのかは聞かないから、今だけは私の‥‥妹でいてくれないかな。」
その暖かい言葉に、リーゼの心が揺れた。少しだけなら甘えてみてもいいのではないか、と決意が揺らいでしまう。
瞬間、リーゼの中で黒い感情が爆発した。
彼女の中に宿る『お姉ちゃん』がはぁとの申し出に猛抗議しだしたのだ。
リーゼはそれを抑えようとするが激情は胸から首へと移り、敢え無く表層に現れてしまった。
「あんたみたいな小娘が『姉』だってぇ?クックッ‥‥冗談はよしな!」
腕の中で突然挑発するような薄ら笑みを浮かべて吐き捨てたリーゼに、はぁとが言葉を失う。
「お姉ちゃんやめて」
「リーゼは優しいねぇ、おっと今はリジーだったかな。それともひとさらいちゃんかね?ヒッヒッヒ」
それははぁとの理解の範疇を超えた光景だった。
年相応の幼さを残した声と、老獪な響きをたたえる声が同じ少女の口から発せられている。
はぁとは思わずリーゼを放してしまった。
「えっと、どうしたのかな?」
「あんたにゃこの娘はやれないと言ってるんだよ!どこの馬の骨とも知れ――」
リーゼが慌てて自らの頭をコツコツと叩いた。と同時に暴言がピタリと止まる。
「黙らせた」
「‥‥‥‥‥」
「愛乃はぁとに黙られると、私としても居た堪れない」
「あ、その、ごめんね!よくわかんないけど謝っとく!!」
はぁとがガバリと頭を垂れた。
「いいの、顔を上げて。今のは私の『お姉ちゃん』ちょっとキツいとこもあるけど、本当は優しい」
うかがうように顔を上げるはぁとを見て、リーゼが間違い探しでも気づけない程に頬を緩めた。
「ちょっと寒くなってきた、もう一度抱いてくれる?おねえちゃん」
予期せぬ言葉にはぁとがきょとんとする。
言葉の意味が把握できた数瞬後には、満開のラベンダー畑にも劣らない可憐な笑顔が咲き誇っていた。
「もちろんだよ!ぎゅぎゅぎゅーってハグしちゃうんだから!!」
目の前で繰り広げられた多重人格ぶりなど忘れたかのように、宣言通りにリーゼをベッドに押し倒して撫で回す。
リーゼは撫でられながらはぁとの柔らかさを恐る恐る感じる。
捨てたはずの何かぼんやりとした暖かい感情が胸に灯り、一旦火がつくとどうにもならないような気がした。
「髪さらさらだね!どうやったらこんな細くて綺麗になるんだろー」
はぁとが髪をすくいあげ、砂遊びをするように手の平からさらさらと落とすことを繰り返している。
たったそれだけの動作が、意図せずリーゼのハートに薪をくべることになる。
リーゼは眼前で揺れる大きいわけではないが小さくも無い胸に、そっと手を伸ばした。
「ひゃうっ!」
ブラをつけていないため、Tシャツ越しでも指が胸に容易に埋まり、柔らかさを如実に伝えた。
「あわわ、くすぐったいよー」
「やわらかい‥‥」
はぁとは頬を赤く染めながらも、リーゼが触りやすいように胸の位置を変える。
リーゼはそれを両の手で児戯のように揉みしだく。
「あぅ‥‥」
赤子がじゃれるような愛撫だが、はぁとの吐息には確かに艶が混じりだす。
「ひとさらいちゃん‥」
「ん、何?」
リーゼが胸を揉む手を休め、接吻でもしそうな距離ではぁとを見つめる。
「お風呂入ろっか。」
まだこうしていたいというように口を尖らせるリーゼに、はぁとが軽く口付けをした。
「みたところあんまりお風呂に浸からないタイプの国から来たみたいだから、一緒にざぱーって入ろ!気持ちいいよ!」
事実リーゼの母国ドイツはあまり水が豊富でないため、湯船に湯を張るという習慣はない。
そのことも含めてリーゼは渋い顔をするが、はぁとの誘いを断りきれず
「わかった、一緒に入ろう」
二人で仲良く脱衣所へと向かうのだった。

406黒いまおりちゃんinはぁと家:2007/01/17(水) 20:19:50 ID:DpLuEnqg0
ある日の学校の放課後、はぁと、サキ、まおりの3人は、はぁとの家で宿題をすることになった。
はぁとの家に着きはぁとの部屋に着くと、はぁとは紅茶を淹れに台所へ降りていった。
サキはちょっと心配になって、下に降りていった。
そしてしばらくして、戻ってくる気配がない。気になったまおりは、台所へ降り、戸をあけようとしたとき、話し声が聞こえてきて、まおりはドア越しでその話を聞いてみた。

407名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 20:55:08 ID:ELtGDHDIO
ギャルゲとパロとすると、難しいね。さーたん。
「あなたがトゥきで〜すっ!!アルカナはぁとが大トゥきです!!」

「まぁむっ」って感じにパクっとくいついた

408名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 20:56:49 ID:W3tGfpOgO
>>403-405
うはwwリーゼはじまったなwww
百合というか姉妹愛というかやっぱ百合か(;´Д`)ハァハァ
まじGJ!続き期待してる

409名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 21:01:23 ID:zgq.7/Ko0
>>403
すげぇ頑張ってるね;
なんかエロイ展開になってるし。
最後まで頑張って!

410黒いまおりちゃんinはぁと家:2007/01/17(水) 21:31:20 ID:DpLuEnqg0
サキ「ちょ・・・はぁと・・やめ・・・」
はぁと「遠慮しなくたっていいんだってば〜・・・あはは、おいし〜♪」
サ「は・・あぁ・・・」
まおり「はぁとちゃんがサキちゃんをおいしい?・・・まさか!!(顔真っ赤)」
バンッ!!と大きな音を立てながら
ま「んなななな・・・何やってるんですか!はぁとちゃん!サキちゃん!」(真っ赤)
といった。そこには、サキと先の手をとっているはぁとがいた。
は「何って、ケーキ作ってるんだけど」
話を聞いてみると、はぁととサキはケーキを作ってたようだ。といっても、冷蔵庫に親が作ってくれたのであろうケーキのスポンジがあったので、はぁとは紅茶のついでに作って持っていこうとしていたのだが。
ちょうどそのときサキが降りてきてクリームを作るよう頼んで、はぁとはケーキに入れるものを探している最中に、サキの指についたクリームを見かけて、取ろうとしたときに、サキはクリームを舐めとられたとき、くすぐったくなってついつい声を上げてしまったのだ。
するとまおりは脱力した。
ま「はー、びっくりした〜・・・」
サ「何でびっくりしたのよ・・」
は「あ、まおりんも手伝って。」
ま「え・・ええ。何をすればいいですか?」
・・・・
そして、その後、おいしいケーキが出来上がり、みんなでケーキを食べて、楽しく会話しながら宿題を終えることができた。
そしてその夜、今夜も静かな夜がやってきて・・・・・いなかった。

カーン!カーン!カーン!

神社にある木から物音が聞こえてくる。
巫女姿のまおりは、サキの写真に釘を打っていた、
ま「キー!サキちゃん!わたしのはぁとちゃんにあんなことしてもらって!
  私もはぁとちゃんに指舐めてもらいた・・・ていうかはぁとちゃんの指舐めてみたい・・・でもなくて・・・
  とにかく・・・キー!ジェラシー!!」
と叫んでいた。それを聞いた姉は
姉「ね・・・寝かせてくれ・・・」
と、苦笑しながらつぶやいた。


終わり

あとがき
小説ってものすご難しいですね。

411名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 21:31:43 ID:sNhm68Mg0
>>403-405
これはいいリーゼwGJ

412黒いまおりちゃんinはぁと家:2007/01/17(水) 21:33:37 ID:DpLuEnqg0
今回、一歩間違えたらR指定突入しそうな話になってしまった(苦笑)

413名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 21:34:40 ID:n6CYDysc0
さて、いよいよこのスレ初のガチエロ展開がくるか……?

414続きです。:2007/01/17(水) 22:01:06 ID:J7IZlgNAO
「あ〜……」
昨日は何かと眠れなかった。
ベッドの上と床に敷いた布団という境遇の差はあるが、隣りに幼い女の子が眠っているわけだ。
1人っ子で健全な高校生の薫には厳しい事極まりない。
小さい鏡を取り出し、自分の顔を見る。
「なんだこりゃあ……クマがひでえ……」
規則正しい生活を送っていたから1度こんな徹夜みたいな事をすると反動がデカいのだ。
今の顔を見たらリーゼが何と言うだろうか……
こんな目の下が黒いなのを見たら……
それだけが薫は心配だった。
「なんとかしてごまかさないと……つかごまかせるのか?」
出来るだけやってみようと立ち上がる。
だが……
「ん……」
リーゼがゴロンと寝返りをうつ。
「!!!」
薫は一瞬硬直する。
しかし、ここで薫の心の中から少し好奇心がわいてきた。
リーゼの寝顔を見たいというものだ。
クマの処理は後回しに……いやもうどうでもいい。
今はそこに眠る姫の寝顔だけをっ―――!!
起こさないようにそっと近付く。
そして薫はベッドの下からゆっくりと覗き込んだ。
「………」
可愛い!!
これを一言で例えろと言うなら、天使の表情と言うべきだろう。
初めてリーゼと出会った時のように、薫は見とれてしまう。だがやはりそれが甘かったのだ。
リーゼは目をゆっくりと開く。
その涙目が混じった寝ぼけ眼がまた萌える。
リーゼは少し目をパチクリした後に一言。
「………パンダみたい」

とりあえずこれだけです。妄想全開で書いたので面白くないかもしれませんが(・ω・;)

415都立御苑女学園スレより黒舞織続き:2007/01/17(水) 22:07:40 ID:zgq.7/Ko0
舞織「う…ここは…?保健室?」
はぁと「あ!気が付いた!良かったぁ!」
冴姫「ふぅ…心配したわよ」
舞織「はぁとちゃん…冴姫さん…」
はぁと「突然倒れてビックリしたよぉ…」
冴姫「私とはぁとで倒れたあなたをここまで運んできたのよ」
舞織「そうだったんですか…ご迷惑をおかけしました」
はぁと「ううん!気にしないで」
冴姫「どう?動ける?そろそろ下校時刻だけど…」
舞織「はい、大丈夫です」

ガラッ!!

リリカ「グッドイブニング♪」
舞織「あ」
はぁと「リリチー?」
冴姫「リリカ、まったく…保健室にそんな大声で入ってきて…何しに来たの?」
リリカ「およ?ハートとサキっちもいたんだ?クラスの子がマオリがここにいるって教えてくれてね」
リリカ「鼻血吹いて倒れたとか言ってたけど大丈夫なの?」
舞織「ええ、もう大丈夫です」
冴姫「舞織を探しにきたの?」
リリカ「うん、そうだよ。マオリに見せたいものがあってね♪」

ゴソゴソ…

リリカ「ジャーン♪」
舞織「…!?」
はぁと「わぁ!可愛い!朱鷺宮先輩のお人形だ!」
冴姫「なんで朱鷺宮先輩の人形なんてリリカが持っているの…?」
舞織「そ…それって…もしかして…まさか…」
リリカ「やぁ、春日!元気にやってるか?」
はぁと「あはは、朱鷺宮先輩はそんなしゃべりかたしないよぉ」

クイッ

クイッ

冴姫「え?」

リリカ「ふぇ?」
はぁと「冴姫ちゃんどうしたの?」
冴姫「腕が…勝手に上がって…」
舞織「あ…ああ…」
リリカ「ふぅん♪もしかして…よいしょ♪」

クイッ

クイッ

冴姫「きゃあっ!」
リリカ「あっははは!やっぱり!」
はぁと「朱鷺宮先輩のお人形と同じ動きを冴姫ちゃんがしてる!」
冴姫「ど!どういうことなの!?」
リリカ「それじゃあサキっちのダンスショータイム♪」

クルクルクル

冴姫「わわっ!」
リリカ「あははははっ!それそれ〜♪」

ピョンピョン

冴姫「ふぁ!ああっ!リリカ!やめなさい!!」
リリカ「それじゃあ、次はストリップショーでもやってもらいましょうかね〜♪」
冴姫「なっ!?」
リリカ「なんてね、冗談だよ」
リリカ「あ〜、おもしろかった♪んじゃ、これマオリに返すよ」
舞織「あ…」
冴姫「返すって…この人形は舞織の物なの?」
リリカ「ん?そだよ?」
冴姫「舞織…なぜこんなものを作ったの…?」



レントン「つづく!」

416名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 22:22:48 ID:zgq.7/Ko0
「日常?風景」おもしろいねw
テンポがとてもいいし。マンガとかにしたらすごい映えそう。
舞織がさりげなく黒いし;

417名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 22:31:25 ID:wewJS5ig0
ど、どれがどれの続きなのか把握しずれぇええ

418414:2007/01/17(水) 22:42:08 ID:J7IZlgNAO
>>417
>>342の続きが自分です。

419名無しのアルカナ使い:2007/01/17(水) 23:09:28 ID:W3tGfpOgO
質の低下ってのはSSとしての体裁を成してないのが増えたってことなんだろうなぁ
小ネタとしてたまにある位ならいいけど、それがメインのようになると流石にアレだよ

420日常?風景7:2007/01/18(木) 00:16:47 ID:Ktmp6WpMO
>>384の続き。
リ「それじゃあ元気にLet'sGo!」
は「レッツゴー!」
神「あの二人は元気が良いな」
冴「それだけが取り柄みたいなものですからね。けどそんなはぁとだからこそ私は…」
神「私は?」
冴「い、いえ!何でもないです!」
舞「…私は?(何なのよ!続きが気になるじゃない!まさか私のはぁとちゃんを狙ってるんじゃないでしょうね!?…まさかね)」
ミケ「よし、次はキラとか言うガキのところに行くぞ!」
頼「何でミケが行き先決めてるの?」
ミケ「あのガキの高飛車な態度は前々から気に入らなかったのだ。これを機に弱みを握ってやる!それに魔王である我輩が決めるのは当然の事だろう?」
頼「もう、ミケはワガママなんだから〜↓」
冴「確かこの辺のはずだけど」
こ「む!?何者かの声が聞こえるでござる!」
?「ワハハハハハ!さすがはワシじゃ!何度も夢の中で世界制服を思い描いておるわ!」
??「キラ、それは言い訳のつもりですか?」
リ「あれってキラと美凰の声じゃない?確かこっちの方から聞こえたような。どれどれ…」
は「りりちー何か見える〜?」
リ「…ップ、キャハハハハハ!キ、キラってばおねしょしてる〜♪」
キラ「な!貴様いつの間に!?み、見るな〜!あっちに行け〜!」
美凰「皆さんお揃いで、よくいらしてくれました」
キラ「こら美凰!こやつらをつまみ出さんか!」
美「私一人では到底追い出す事はできません。それに皆さんはお客様として来ています。攻撃する必要性はありません」
リ「そーゆー事☆お邪魔するねん♪」
キラ「く〜、勝手にしろ!」
神「ほう、ここがキラの部屋か。ん?貴女は?」
博士「あら、皆お揃いね。私は明芳よ。よろしくね☆」
は「あ〜!この子キラちゃんが中に入ってたスライム君?」
冴「へぇ〜よく出来てるわね?どーやって動くのかしら?」
キラ「おい!勝手に触るな!」
リ「そっち引っ張ってみて〜♪ありゃ?やっぱ違うか。じゃあ今度はこっちを…」
キラ「貴様ら!人の話を聞いとるのか!」
は「まおりんそっち押してみて〜?」
舞「えぃ!これで良い?(グニャグニャして気持ち悪!けどはぁとちゃんの希望だし…♪)」
キラ「お、おい。本当にそれ以上は…」
ミケ「我輩の威光で燃やしてみるか?全て蒸発させればカラクリが分かるかもしれんぞ?」
キラ「ダ、ダメ〜!そいつは私の友だ…下僕なんだ!いじめたりするな〜!泣」

421名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 00:21:13 ID:0kDWZPBA0
>グニャグニャして気持ち悪!けどはぁとちゃんの希望だし…♪

黒無職の中で一番ワロタ。

422日常?風景8:2007/01/18(木) 00:38:04 ID:Ktmp6WpMO
>>420の続き。
博「あらあら、何だかんだ言ってもまだ子供ね〜♪」
神「明芳殿、一つ伺ってもよろしいか?」
博「何かしら?」
神「なぜ美凰の胸をあれほど大きく作られたのでしょう?戦闘用のカラクリであるならばもっと動きやすい格好でも良いように思われるのですが…」
博「何でって、大きい方が便利じゃない☆色々楽しむ事も出来るし♪」
神「た…楽しむ??(いったい何をどーやって楽しむつもりなんだこの人は)」
博「うん、色々とね☆もしかしてアナタ羨ましいのかしら?何ならすぐにでも改造して大きくしてあげても良いわよ♪」
こ「結構でござる!神依様は今のままで充分なんでござる!」
神「このは、いつの間に…」
博「あらそう?残念だったわね〜☆」
こ「神依様!このはは今のままの神依様が一番好きでござる♪」
神「分かったから引っ付くな…(思い切りギュウ〜ってしたくなるから…)」
こ「神依様〜(´;ω;`)」
神「分かった分かった。好きなようにしろ」
こ「わ〜いでござる〜♪」
リ「そこでイチャイチャしてる二人〜!そろそろ次行くよ〜!」
神「別にイチャイチャなぞ…!?」
こ「今行くでござる〜☆」
神「あ、コラ!このは!少しは否定せんか〜!」

423名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 00:47:05 ID:2Yb6aiKc0
>>414
GJだぜ
寝顔想像して思わずにやついた俺がいるwwwww

424名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 00:58:26 ID:jq3.RyRAO
これはいよいよSSの保管庫が欲しくなってきた

425日常?風景9:2007/01/18(木) 01:15:56 ID:Ktmp6WpMO
>>422の続き。
は「次はいよいよリーゼちゃんだ〜♪」
冴「あの子か〜。ちょっと苦手なねよね〜↓」
頼「てゆーかこの人数で押しかけたらさすがに迷惑になるんじゃ…?」
リ「気にしない気にしない!あの子急に訪ねたらどんな顔するんだろ☆」
舞「それじゃあ行きますよ?」
冴「またいっせ〜のせで開けるのね?」
は「行くよ?いっせ〜…」
バタンッ!
リーゼ「…何か用?」
美「バレていたようですね」
リは「ガッカリ↓」
リー「…入っても良いけど何もないわよ」
こ「本当に何もないでござるな〜汗」
キラ「ふん!案外誰にも知られたくないような秘密があるかもしれんぞ?」
リー「…そんな物ない」
は「お宝発見〜♪」
リー「…??」
リ「何?何見つけちゃったの♪」
冴「あ、コレって…」
は「リーゼたんのクマさんパンツ〜☆」
リー「…!?」
舞「女の子らしくて可愛いじゃないですか♪(クマさんってツラかよ。無愛想なガキだからドクロ入りの下着でも持ってるかと思った…笑)」
は「他にもイチゴパンツとか猫ちゃんパンツもあるよ〜♪」
こ「犬のパンツはないでごさるか?」
頼「リーゼさん可愛い☆」
冴「なんだちっちゃい子らしいとこもあるんじゃない=з」
リー「…………………皆死んじゃえ!」
神「マズい!リーゼは本気だ!来るぞ!」
リー「…お姉ちゃん、来て!」
鼓音「まかせろ!」
……………エッ?
リー「…アナタ誰?」
鼓「舞織!なんかあったらいつでも呼びな!それじゃあね!」
舞「ね、姉さん…orz」
冴「もしかしてこのボケがしたかったから最初に鼓音さん出なかったのかしら…苦笑」
リー「…バカ」
神「馬鹿だな…」
美「ばかですね…」
舞「あんな姉さんイヤ〜!(;□;)」

426名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 01:22:35 ID:jy2ySKCc0
>>425
複線だったのか、姉ちゃん…よく考えてるなぁ

427名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 01:48:50 ID:wXFxeEh2O
スレ良い感じだね。

ところでSS書こうとしたら、
きらのスライムの名前がわからない自分ガイル。
アイツ名前なんだったっけ?

428名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 01:57:05 ID:nmKk9beI0
>>419
同意。何書いてもいいと思うけど最低限の体裁は保ってほしいなぁ。
人口が増えたのは喜ばしいことだけどね。

429名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 02:41:02 ID:Ktmp6WpMO
「日常?風景」読み直してみたけど、我ながら何書いてんのか分からん(^_^;)こんな駄作を読んでくれた人達に更なる感謝の気持ちをm(_ _)mもう終わるから我慢してくれぃ!

430名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 03:05:07 ID:7HNpC23kO
>>429
日常?風景GJ!
個人的にはぁと&さーたんの絡みが欲しいですWWW

431日常?風景(少し寄り道3):2007/01/18(木) 03:40:19 ID:Ktmp6WpMO
>>385の続き?
その1
キラ「世界制服!これぞ我が夢!我が野望じゃー!(ハ○ルヤ?)」
美「世界制服も良いですがおねしょの方も早く治して下さいね。もう小学5年生なんですから」
キラ「や、やかましい!そんな事は分かっておるわ!そしてワシはついに秘薬を作る事に成功したぞ!こいつを飲めばたちまち寝小便が治るという画期的な薬じゃ!どれ早速…」
美「いけません」
キラ「あ、コラ!返せ!貴様何のつもりだ!」
美「寝る前にこんな物飲んだらまたおねしょしますよ?」
キラ「いや、だからそれを治すための…」
美「早く寝て下さい。コレは没収しておきます」
キラ「…ハイ↓」
その2
リー「…何か用?」
鼓「アハハハ!いや〜、さっきは迷惑かけたかな〜なんて思ってね(^_^;)」
リー「本当…言い迷惑だったわ」
鼓「ところでアンタのお姉ちゃんてどんな感じの人なの?」
リー「…コレ」
鼓「コレって人形だけど?よく見ると足なくてちょっと不気味ね〜」
リー「…余計なお世話」
鼓「そーだ!その人形貸して!ここに口紅塗って〜♪マスカラ付けて〜♪ほら可愛くなった!どう?嬉しい?お礼なんていらないからね☆それじゃあね(^-^)/」
リー「……全然可愛くない。本気で迷惑な人…」

432名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 03:41:20 ID:Ktmp6WpMO
>>429
頑張ってみます(^_^;)

433名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 03:44:16 ID:nMEA0PVA0
流れブチ切ってすみません。

リリカ&頼子メインで、頑張れば全員出せそうなのを思いついたんですが、
やはり全員出すとなるとかなり長くなりそうです。
10レス以上消費するハメになりかねないのですが、投下しても大丈夫でしょうか。

434名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 03:51:05 ID:jq3.RyRAO
会話のみとかじゃなくSSの体裁を取ってるのなら大歓迎

435名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 03:55:16 ID:nMEA0PVA0
>>434
ありがとうございます。会話のみじゃないです。
では、ある程度形になったら投下させて頂きます。

ちなみに、百合とかエロの気配は微塵もないので、
そっち系の期待は一切しないで下さいww

436日常?風景10:2007/01/18(木) 04:05:17 ID:Ktmp6WpMO
>>425の続き。寄り道したい人は>>431へどーぞ。
は「さぁ!次は私の部屋に案内するね♪」
冴「別にいらないわよ。いつも行ってるし、他の人達もピンクで飾った部屋だって言ってるしね=з」
舞「(こ、こいつ!?自分が行った事あるからって他の奴の意見も聞かないで…!!)」
神「ふむ、確かに自分から誘うくらいなら大した驚きもなさそうだ」
こ「このはは神依様の意見に従うでござる!」
リ「確かに自分から誘ったんじゃ〜ね〜」
頼「あ、私はどっちでも…」
リー「…興味ない」
舞「あ、私はちょっと行きたいな〜なんて(ちょっとどころかすげ〜行きてぇんだよ!)」
冴「舞織、無理に賛同しなくても良いわよ?」
舞「あぅ〜(無理なんかしてない!)」
は「さーたんの意地悪〜(`・ω・´)」
冴「ちょっとはぁと!叩かないでよ!痛いってば!」
は「意地悪なさーたんにはこーだー!ポカポカポカポカ」
冴「ちょっ…、舞織見てないで助けてよ!」
舞「チッ、そのまま叩かれ死ねば良いのに…(ウフフ、二人共本当に仲が良いですね♪)」
全「えっ!?」
舞「え?」
神「舞織…、建て前と本心が逆になってるぞ…汗」

437日常?風景11:2007/01/18(木) 04:56:03 ID:Ktmp6WpMO
>>436の続き。
は「じゃあ最後にさーたんの部屋に行こう♪」
冴「ちょっと!何でそーなるのよ!?」
キラ「その慌てよう…何かあるな?ニヤリ」
美「体温上昇、発汗確認、92%の確率で何か隠し事をしています」
冴「美凰…、あんたいつからそんな機能付けてたのよ?」
リー「…凄く慌ててる。クスクス」
頼「そーいえば冴姫さんの部屋ってどーなってるんだろぅ?」
ミケ「フレンチクルーラーが山ほど積まれているのではないか?」
冴「ちょっと本気で来るつもり!?お願いだからやめてよ〜↓」
は「さーたん往生際が悪いよ〜♪」
冴「だって〜泣」
神「問答無用!」
バタンッ!
神「これは…?」
頼「うわぁ〜…」
舞「良いな〜…」
美「これだけの量は予想外です」
キラ「これってはぁとの人形じゃよな?」
リ「こっちにははぁとの絵がプリントされてるグッズがあるよ!」
こ「神依様のぬいぐるみも凄かったけど、ここのも…ゴン」
神「人の恥を思い出すな」
リー「…スゴイ」
冴「だからイヤだって言ったのに〜泣」
は「うわぁ〜!これ全部私?」
全「…それでは私達はこれで失礼します」
冴「え?せめて何かフォローしていってよ!」
神「こーゆー事は当人達だけでゆっくり話すと良い。ではまたな」
冴「薄情者〜(;_;)」
は「………」
冴「…はぁと?やっぱ引いちゃうよね?女の子なのに女の子好きになっちゃうなんてさ。けどね、これだけは信じて欲しいの。私、はぁとが一番好き!誰よりも大切なの!この気持ちに嘘はないわ!だから、その…」
は「嬉しい…」
冴「え?」
は「私もさーたんの事ずっと好きだったの♪」
冴「…本当に?本当の本当に?」
は「本当だよ♪ずっと言いたかったけど、さーたんに嫌われたらどーしょーって考えると何も言えなかったの↓」
冴「はぁと、ありがとう◎凄く嬉しい!」
は「さーたん☆エヘヘヘ♪」
神「どーやらうまくいったみたいだな」
リ「まさか二人して好き合ってたとはね〜☆」
舞「うぅぅ…はぁとちゃん↓」
頼「舞織さん泣かないで〜↓」
こ「まだ殴られた所が痛いでござる…(´・ω・`)」
美「そろそろお時間のようですね」
キラ「よし!最後はワシの世界制服論を…」
神「リーゼ、最後に何か言ってみろ?」
リー「…終わり」

一応最後までムリヤリもってきてみました。このしょーもない話を最後まで読んでくれた方々、本当にありがとうございました(^_^;)

438名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 11:17:13 ID:A5s8r6zY0
スレが見辛くなってきたので、これまでのSSのまとめー。
大雑把に長中短編にわけてみた。あと作者が同じっぽいのは並べてある。
アンカ漏れとかミスあったらごめん。

■■ 長め ■■

>>24 >>59 >>230 >>279 >>415 (未完)
元祖黒舞織(何気に黒キャラが定着してきた舞織ワロス)

>>86 >>88 >>105 >>107 >>187-189 >>252-254
はぁと×冴姫

>>92-94 >>157-159
神依×はぁと

>>127 >>140 >>161 >>218 >>291 >>342 >>414 (未完)
オリキャラ×リーゼ

● 「聖女はお人形さんに恋してる」 >>220-221 >>403-405 (未完)
はぁと×リーゼ

● 「日常?風景」
>>353 >>361 >>365-366 >>377-378 >>380 >>384-385 >>420 >>422 >>425 >>431 >>436-437
全キャラもの

■■ やや長め ■■

● 「そらのいろは」 >>28 >>29 >>43-45
はぁと×冴姫

● 「十字負イ」 >>236
冴姫

>>70
はぁと×冴姫

● 「私のさーたん」>>137 >>175 >>180
はぁと×冴姫

● 「楽しいお休み」 >>285 (未完)
はぁと×冴姫

>>134-135 (未完)
姉さん大活躍

>>164-165 (未完)
オリキャラが普通にモテる話

>>300
黒い舞織

>>406 >>410
黒い舞織2

>>308 >>327 >>337 >>341 >>395
最近流行の直履き

■■ 短め ■■

>>26
オリキャラ×このは

● 「はーたんさーたん」 >>51
はぁと×冴姫

>>64
神依

>>129
頼子とミケ

>>203
俺には元ネタがわからん(;´Д`)

>>266
神依、鼓音、このは

>>272
神依とこのは

● 「君が笑う夜」 >>334
リーゼ

>>381
冴姫、このは

>>383
2chっぽいアルカナ

● 設定と小ネタのまとめ >>81-82

439名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 11:29:47 ID:mNMQVfPAO


440名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 11:34:18 ID:wNRRQ3aUO
何という良く出来たまとめ…
見ただけで乙してしまった
このまとめ人は間違いなく神

マジ乙!

441名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 12:05:29 ID:PhBlPqU20
まとめ氏乙!スレ主か?
綺麗にやってくれたなぁ;
ちゃんと「未完」とか分けてくれてあるあたりも新参者にやさしいw

442名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 13:05:58 ID:jq3.RyRAO
>>438
乙!!
>>203の元ネタはつよきすだと思う。
他に他ネタも含んでそうだけどw

443名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 13:35:42 ID:aFrjkU2w0
>>437
グッジョブ
はぁと冴姫ガチだよガチ。

444名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 13:48:09 ID:2Yb6aiKc0
>>438
超GJ


新参ものの俺だが
私のさーたん、がかなりよかったw

445名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 15:01:21 ID:87iGL5Es0
>>403-405
甘えるリーゼ可愛いよリーゼ
そこでリジーボーデン出すとか意味深すぎw
こうなったらエロ展開待ってるお!

446駆け抜ける時:2007/01/18(木) 15:51:30 ID:Ktmp6WpMO
ある暑い日の夜だった。俺は寝苦しさから目が覚め夜中に散歩をしていた。夏の夜は少し肌寒く昼の日差しで火照った体には心地良かった。うちの近所には池のある公園がありそこまで何の気なしに行く事にした。公園に着くとベンチに腰掛け夜の静寂を存分に味わった。ふと池の方を見ると凛と立つ女性がいた。
「…こんな夜中に誰だろう?」
まさかこんな夜中に人がいると思っていなかった俺はその女性に大きく興味を惹かれた。腰までありそうな長い黒髪を風になびかせたその女性の横顔はまるで刀剣のような鋭さを思わせた。
「何か用か?」
こちらをチラッとも見ずに女性は問いかけてきた。
「あ…、え〜と、何してるのかな〜と思って」
急な質問に驚いた俺はその言葉ををやっとの思いでひねり出した。
「話しても分からんだろうが、時空の歪みを修正している」
「???」
彼女の言う事は本当に分からなかった。ただその横顔の美しさにしばらく魅せられていた。
「ここはもう大丈夫のようだな」
急な彼女の言葉に我に返ったその瞬間俺の目の前にいたはずの彼女は陽炎のように消えていた。
「誰だったんだろう?あ、名前聞いておけば良かった…」

447小ネタ(NGか?):2007/01/18(木) 17:05:45 ID:ZqgnrzPA0
あの戦いから数ヶ月が経ち…なんやかんやあってはぁとと冴姫は野郎共に襲われていた(脈絡なし)

最初は抵抗していたはぁとと冴姫、しかし数に押されて遂に陥落、押さえ込まれて大ピンチ!(性的な意味で)

男1「やっと捕まえたぜ…ていうか正直殺されると思ったぞ」
冴「クッ、離しなさいよ!」
なおも暴れる冴姫。
男2「…ちぃ!大人しくしろ!」
男3「まぁ待て、俺に任せろ」
というと男は冴姫の股間をサワ〜っとなぞりあげる。
冴「ふぁっ!?」
すると冴姫は体から力が抜け出たかのようにヘナヘナと崩れ落ちる。
何故なら彼女は直穿きだか(ry
は「やめて!さーたんにひどいことしないで!」
同じく押さえ込まれていたはぁとが叫ぶ。すると男ははぁとの方へと向き直った。
男3「それは違うよはぁとちゃん」
は「え?」
男1「俺達のやっている行為は一見レイプにも見えるだろう…だが!」
男2「しかしこれは俺達の愛を等しく分け与えるための神聖なる行為!!」
男3「これぞまさしく…人類愛!!!」
なんだかワケのわからない事を言ってます。
冴「んなわけないでしょ!いい加減にしないと…」
は「素敵〜〜〜!!」
冴「えぇーーーーーーっっっ!!??」
はぁと様アッサリ騙されました。
は「そんなことも知らないで私ったら…ゴメンネみんな!私頑張る!!」
冴「いや、おかしいでしょはぁと!ていうかコレ愛じゃないって!
  ていうかアホかー!!」
あまりのアホっぷりに思わず言ってしまった冴姫。はぁとは親友の暴言にむくれる。
は「むぅ!私アホじゃないもん!むしろ愛だもん!!」
冴「意味がわからーーーーーん!!!」


ここまで書いた

448駆け抜ける時2:2007/01/18(木) 18:44:19 ID:Ktmp6WpMO
>>446続き
あの黒髪の子と会ってから3日たった。夏休み中だった事もあり俺は毎晩同じ時間に公園に通っていた。けれどこの3日間一度も会う事はなかった。
「やっぱりアレは幻だったのかな…」
そんな事を考えながら今夜も例の公園に通っている自分がいた。
「今夜も会えなかった…か」
「誰に会えなかったのだ?」
唐突な声に心臓が止まるかと思った。
「こ、今晩わ…」
真っ直ぐに向けられた瞳はまるで俺を射抜くような鋭さがあった。長い黒髪が風に揺れ刀身のように整った顔立ちは他を寄せ付けない独特の雰囲気を醸し出していた。
「まさか私に会いに来たなどとほざくのではなかろうな?」
鋭い瞳が更に鋭さを増した。あまりの迫力にたじろいだがここで退いてはいけないと思い勢い任せにこう言った。
「君に会いに来たんだよ!悪いか!?」
よほど大きな声だったか、予想外の事だったのだろう。彼女はキョトンとして俺を見ている。
「プッ、まさかこんなに威勢良く返事するとは思わなかったぞ」
俺は思わず赤面したが、それよりも彼女の屈託のない笑顔を見れる喜びの方が心に広まった。
「あのさ、名前教えてくれないかな?俺は須賀 健太郎って言うんだ」
「そちらが名乗ったのに私が名乗らないのは礼に欠けるな。私は朱鷺宮 神依だ」「神依?なんか格好いい名前だね。似合ってるよ!」
俺のお世辞に頬を赤く染める事もなく薄く笑って彼女は応えてくれた。
「俺明日も同じ時間に来るから!また会おうな!それじゃあおやすみ!」
「あ、ちょっと待て!…」
俺を止めようとする声も聞こえないくらいに俺は舞い上がっていた。神依との距離が少し縮まった。今はそれだけでただ嬉しかった。

449名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 19:19:33 ID:U6hof08Q0
>>447
いやーー!
陵辱ネタはいやーー!!

450名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 20:02:51 ID:4E2jqVIo0
>>447
ワロタw

451名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 20:23:24 ID:OvVoyTtIO
>>447
ヴァンリーに守られている冴姫を軽々しく押さえ込めるとは思えないのだけど!

452名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 20:26:45 ID:OvVoyTtIO
マジごめん…
sage

453名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 20:32:17 ID:mNMQVfPAO
男見てからリアファイル余裕でした

冴姫の前にははぁと以外無力!

454名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 20:38:16 ID:Zb.K8ppU0
待て、そいつはこの「弓と矢」に射抜かれた際にとあるスタンド能力をry

455名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:07:48 ID:Vgl5XYQ.O
男2「そして時は動き出す…。」

456名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:15:36 ID:OHQ87j5E0
あなたの股間にリア・ファイル

457名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:15:39 ID:A5s8r6zY0
前々から気になってたんだけど、このスレのエロに対する意向はどんな感じなのかな?
自分も今後の参考にしたいし、他のSS書きも多分知りたいと思うので、ここらでアンケート。
教えてエロい人。複数回答可。

1. ちょっとでもエロかったらNG
2. 微エロ(キス、おっぱいタッチ)くらいならOKだが本番はNG
3. 本番OK
3. ラブラブHならOKだが陵辱はNG
4. 3.の逆
5. 百合ならOKだが男はNG
6. 5.の逆(ウホッではない)
7. SS内で納得できる誘導があればOKだが、脈絡なくHはNG
8. 特定カップルのみOK or NG
9. その他

458名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:29:20 ID:2Yb6aiKc0
3が2つあるのはなぜ?

459名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:34:33 ID:A5s8r6zY0
選択肢を後から足しまくった所為で番号ずれた……
スレ汚しごめん

1. ちょっとでもエロかったらNG
2. 微エロ(キス、おっぱいタッチ)くらいならOKだが本番はNG
3. 本番OK
4. ラブラブHならOKだが陵辱はNG
5. 4.の逆
6. 百合ならOKだが男はNG
7. 6.の逆
8. SS内で納得できる誘導があればOKだが、脈絡なくHはNG
9. 特定カップルのみOK or NG
10. その他

460名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:35:10 ID:jq3.RyRAO
まずしたらばのガイドラインを読む方が先じゃ
18禁表現おkなんだっけ?

461名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:43:13 ID:lxYEXmi20
ここは不特定多数の人が見るから、微エロまでOKかなぁ。
ガチのエロSSが書きたいんだったら専用スレを立てる必要アリ?


あ、ちなみに俺は本番全然OKね(・∀・)

462名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 21:47:22 ID:OvVoyTtIO
答は2です。

463名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 22:04:19 ID:OHQ87j5E0
18禁内容ならば題名前なりでこれは18禁です、なるものを
書いとけばそれでおkじゃね?

微エロ(キス、おっぱいタッチ)とか言ってもやる事は一緒だしな。

464名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 22:15:10 ID:U6hof08Q0
普通なら逮捕されるようなやつ
じゃなかったらべつに何でも。

465名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 22:18:37 ID:U6hof08Q0
>>464
平たく言えば陵辱以外なら何でも(5番)

466名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 22:19:27 ID:U6hof08Q0
間違い!5じゃなくて4!!

467名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 22:20:16 ID:U6hof08Q0
また間違えた!!5番以外なら何でもだった!!

468名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 22:48:08 ID:PEl5PSgw0
何事も程ほどに。
あまりにも過激すぎるのはよくないと思う。

469名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 23:00:13 ID:lxYEXmi20
てかコレ男キャラいないから必然的にレズになる

470名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 23:12:09 ID:jq3.RyRAO
森本さんやミケ(童貞)がいるじゃないか!!

471名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 23:30:04 ID:mNMQVfPAO
俺は凌辱以外はOKだけど、オリキャラが犯すとかいうのは勘弁してほしい

アルカナの場合レズがド安定

472A.B(←タイトル)/01:2007/01/18(木) 23:47:34 ID:6egydZXg0
 その光球は暖かく、触るとまるで幼き日、母の胸に埋もれて寝息をたてていた頃を思い出す。とても優しく、愛に満ち溢れている。
 しかしこの光球は、愛は愛でも、愛の鞭。触ると火傷じゃすまない――かも?

 廿楽冴姫(つづら・さき)が愛の天使、パルティニアスが御力の一片“ロズ スフェラ”に触れた瞬間、手の平が軽く悲鳴を上げ、身体がしびれた。
 思わず呻き、もう一方の手で熱くなったそこを抑える。
「冴姫ちゃん」
 彼女が対峙するは、愛の天恵を受けし聖女、都立御苑女学園中等部二年生にして大親友にして幼馴染、天真爛漫少女、愛乃はぁと(あいの・はぁと)だ。しかし今の彼女は、いつもの快活な表情を潜め、曇った眼差しで冴姫に問う。
「ねぇ、冴姫ちゃん」
 都立御苑女学園。遥か上空に次元の歪みを観測できるであろうこの建造物の正門前にて、廿楽冴姫は沈黙を選ぶ。早朝の空気に紫電が絡み、かすかな雷音が耳朶を打つ。彼女の守護アルカナ、ヴァンリーが鳴いているのだ。
「どうして、何も言ってくれないの。こっちに帰ってきてから、なんか変だよ……」
 すでに手を交えた後か、はぁとの右肩、女学園の制服の右肩部分が焼け焦げており、黄色の肌が覗いている。
「……ごめん」
 愛の痛みが引き、冴姫は手を解き、うな垂れた。
 すでに関東一円は不穏な空気で包み込まれている。アルカナを感じることの出来る聖女の二人が、この異変を見過ごすわけも無く、また互いの為に行動を起こしているのも、知らない筈は無いのだ。
 全ては親友の為に。しかし、互いを巻き込みたくない一心で、心の内を明かさない。明かしたく無い。
 ならば――

 その拳に聞くまで。

 ――さあ、力を貸したまえ、表裏一体の平行世界に住まう高次な存在よ。心清らかなる聖女たちに、熱き光を、魂を――力を。

473名無しのアルカナ使い:2007/01/18(木) 23:48:14 ID:mPW8LSyA0
オレは微エロどまりがいいかのう。
どキツめ描写のSS投下するなら
某板にアルカナスレあるし。

474A.B(←タイトル)/01:2007/01/18(木) 23:52:35 ID:6egydZXg0
 曲がったことが大嫌いな彼女らしく、愛乃はぁとは馬鹿正直に、廿楽冴姫へと一直線に駆け急ぐ。
 連続した足音が冴姫の直前で急停止すると同時に、愛の力を持って可能とする熱き鉄拳が、躊躇(ちゅうちょ)なく大親友に向かって打ち抜かれた。
 鉄塊すら穿つそれを、冴姫は真正面から迎える。
 ――変わってないわね、その率直さ。
 それに応えるように、冴姫も腕を突き出した。紫電纏いし腕の先は全開に開かれており、両者ぶつかり合う瞬間、彼女は鉄拳を雷手で掴む。ぱぁんと肉を打つ音が響くと同時に、それまで断続的に鳴いていたヴァンリーが突如、魂を揺さぶるような咆哮を上げた。
 ばちり、ばちり、ばちばちぃ!
 空気中に存在する原子が聖霊反応し、凄まじい勢いで青白い雷光が周辺に巻き起こる。早朝の気だるい明るさは、真昼の陽光にとって変わる。明滅する世界に雷風が吹き荒れ、両者の髪が逆立つ。
 熱い。それが冴姫の感想だった。はぁとの右手は熱く、ヴァンリーの力を借りなければ、そのまま焼けただれてしまいそうなほどに、熱い。まるで熟したフライパンの如く。これこそはぁとが日頃唱えし、愛の力だ。
「ねぇ、はぁとお願い。私のことはほっといて」
「やだ」
「ッ! もう、貴方ってばいっつも!」
 エンジンは早くも全開。冴姫は一際強くはぁとの拳を握り、そしてついに払いのけた。
 はぁとはぐらり、とよろける。そこを狙うは冴姫の武器、足だ。
 冴姫の靴先が跳ね上がる。それは空気を切り差く肉体の刃。鍛えた肉体は鋼すら通さないと聞く。彼女は若いが、英国にて友を失ったあの日より、常人が血反吐を吐く様な肉体を、精神を鍛錬したきたのだ。だからそれを大親友に見せる、決める、決めてみせる。
 跳ね上がった冴姫の片足が、はぁとの鼻先を捉える。はぁとはすでに退いている。彼女が体制を立て直すのは早かったが、冴姫の攻撃はそれよりも早く、そして鋭かった。靴先がはぁとの鼻先の皮を持ってゆき、一粒の血玉をつくった。足はそのまま人間の限界まで上がり、そしてとうとう自らの片足に引っ張られるように、宙に浮いた。一瞬だ。そのままぐるりと弧を描き、着地する。
 彼女自身の鍛錬と、ヴァンリーの力をもって繰り出されたのは、前方に回転し、相手の胸を蹴る技として知られる、幻の必殺技サマーソルトキックであった。冴姫はこれを“クラウ・ソラス”と名付けている。ケルト神話に登場する四神器の一つ、光の剣だ。
「痛ッ」
 とはぁとは鼻先を押さえる。ぬるりとした粘液性の高い液体。それは溶岩のように熱く、そして赤かった。
 その灼熱の感覚に闘志が更に燃えるはぁとに、続けて冴姫の一撃。
 上段に高く掲げた冴姫の美脚が、地を滑るように移動しながら袈裟懸けに振り下ろされる。はぁとは魔法防御を発動し、片腕で受け止める。具現化した古代言語が彼女の片腕を覆い、冴姫の武器と衝突した瞬間、文字群は散開する。魔法防御に触れた冴姫の身体は微弱の電流が駆け抜けたか、感電したかのように震え、彼女は転倒した。
 攻守逆転。はぁとは間髪いれずに愛の鞭を振るう。
 打ち下ろされる鉄撃は愛で満ち溢れているから、その威力も申し分無い。愛で解決出来ないことは無いと信じている彼女だからこその拳。愛を感じろ、受け止めろ。
「受け止めてッ!」
「だから構わないで!」
 冴姫は打ち込まれたはぁとの鉄拳を、身を転がし回避。地を殴った拳は、コンクリートの地面を陥没させる程だった。舞い上がるは灰燼と、パルティニアスが御力の残滓。淡く照らされた冴姫は、勢いよく飛び起きると同時にバックステップで距離をとり簡略詠唱。刹那、平行世界よりヴァンリーが吐き出した稲妻は“スカルト エルム”という名の矢。天より一筋の稲光(いなびかり)となって落される。はぁとは打ち下ろした手とは逆の方で、パルティニアスの魔力障壁“ロズ キクロス”を展開。大概の魔力衝撃を吸収するその力は、いかずちすら取り込んだ。
 ――小癪(こしゃく)な!
 冴姫の歯が軋む。はぁとは吸収した“スカルト エルム”の高エネルギー体を、片手で丸く練り、掛け声とともにアンダースローで放った。同じくして冴姫も地を蹴る。アルカナの力を足裏より下半身全域に集約させることにより行う聖霊疾走で、路上を滑った後、跳躍。勢い良く宙を走る冴姫に、はぁとの放った高エネルギー球体が迫る。冴姫は空中にて器用に雷鳴が付きまとう回し蹴りを繰り出す。接触。相殺。そして肉薄、幼馴染へ。見下ろす彼女に、冴姫は更に攻撃を展開。半月を描くような脚の軌道。振り下ろすは脚の断刃、神剣“フラガラッハ”。
 はぁとは愛力を込める。冴姫の断罪せし美脚に対し、とても“はーとふる”なアッパーカットで迎撃する。

475A.B/03(↑のは02の間違いです):2007/01/18(木) 23:55:20 ID:6egydZXg0
 拳と脚。対にして必須。人生を支え、常識の壁を粉砕する互いの力が初めてまともにぶつかり合う。愛は嵐、雷もまた嵐として二人の間を中心に一瞬世界を荒らす。弾かれたはぁと、冴姫の両名の主力部位に焦痕が残り、白煙を昇らせていた。
 ――ヴァンリーが鳴いた。一際大きく、鳴いた。
 冴姫の体内を流れる血液が電力へと代わる。痺れる人体は彼女の身体を活性化させ、原始の力を思い出させた。それは限界という名を捨てた雷撃の蹴撃。更にそこより回転した冴姫の脚が、はぁとの首――頸部(けいぶ)を捉える。
 ガッ、と。
 頸部を押さえ込んだまま、地面へ落とす。壊音鳴動。歩道に亀裂が、地に落ちたはぁとの頭部を中心に広がる。その衝撃は一瞬すら生温い速さで彼女の脳髄を痺れさせた。
「うっ……く……あ、ぅ」
 みしり、みし、みし。
 はぁとの頸椎(けいつい)が軋む。喘ぐ。目端に涙が溜まり、白目の割合が徐所に増えていく。
 しかし押さえ込む冴姫もまた、苦しげな表情をしている。
 大親友だから、幼馴染だから。そんな相手に振るう、暴力。これが楽しい人間など、果たしているのだろうか。答えは、否。
「……ごめん。でも、構わないで」
 ――巻き込みたくないから。
「愛だ、愛だと、いっつもそればっか」
 はぁとの口内より泡が沸き立ち、ぶくぶくと口から溢れだしていく。
「押し付けがましいのよ」
 ――愛しているのは、私も同じ。
「だから」
 がしぃ。
 突然だった。なまずが騒ぐ前に起きてしまった地震のように。冴姫は掴まれた。自慢の美脚を、圧倒的な膂力で。いや――愛の鉄力で。
 その時、冴姫の耳元で愛の天使、パルティニアスが愛を説(と)いた――ような気がした。
 瞬間。
 軽々しく、あっというまに宙に放り出された冴姫がいた。驚きで呆け、上昇していく自分が信じられなかった。
 眼下ではぁとが両の腕を伸ばしきったまま、泡を飛び散らせながら叫ぶ。
「ぱわーぜんかーい!」
 それが、真力開放の宣言。
「冴姫ちゃんのばか! わたしの愛を見せてやるんだからぁッ!」
 はぁとが両腕を伸ばし、構える。現れたのは魔法陣。五亡星と周囲を聖霊体系の言語で囲った円陣から顕現するは、パルティニアスが御力、究極の愛の説法“トリス スフェラ”。愛の力を圧縮しひとつの光球として放つ“ロズ スフェラ”は対面した相手に愛を説くモノなら、これは多人数に説く光球の乱舞。愛乃はぁとが愛の心を失わない限りその強大な力を無償で貸す彼女ゆえ、はぁとが冴姫にぶつける愛の表現に遠慮なく協力する。
 宙を舞う冴姫を取り囲む愛の塊、総計数百と八。人間の煩悩と同じ数だ。いや、煩悩こそ愛。冴姫への煩悩、愛。全力で冴姫を愛するはぁとが奥の手一式。
「まずは私の愛の数を知って、冴姫ちゃん!」
 ――そして弾幕は開放される。

476A.B/04:2007/01/18(木) 23:56:29 ID:6egydZXg0
 愛の鞭は暖かさと痛みを同時に伝える。衝撃の嵐が冴姫を空中で跳ね回らせ、地に落とすことなく愛を撃ち込んでいく。
 ばしゃ、と。見上げたはぁとの顔面に降り注ぐ生暖かい液体。それは酷く酸香る粘液。正体は冴姫の腹の底より吐き出されたモノ、胃液だった。はぁとの愛はあまりにも強烈で、冴姫は全弾くらう前に昇天しそうな勢いだ。
 次々と殺到する弾幕に、冴姫は更に中身を吐き出す。胃液はもとより涙、鼻水、彼女が大親友に決して見せたくないであろう汚物。流れ落ち風にさらわれなかった物は、はぁとの顔面といわず全身に降り注いだ。
 しかしはぁとは引かない。退かない。拭(ぬぐ)わない。なぜなら、愛しているから。廿楽冴姫を、全身全霊で。彼女の外も、中も、全てはぁとは降り浴びて自身に染み込ませる覚悟があるから。ゆえに愛。聖霊も愛。彼女は“愛”乃はぁと。べとべとに、どろどろになって酷い匂いをはっしながらも、愛を届ける。
 百と八の愛撃が終わり、しかしはぁとは止めない。
 生気の無い瞳、赤くなった身体、口内にしまわずでろんとのびた舌。廿楽冴姫が落下する時、至高の愛の説法が送られる。
「そして最後に、私の愛の重さを知って、冴姫ちゃん。ううん、さーたん!」
 それは熱した鉛。
 それは母が子を抱くぬくもり。
 愛の聖霊、パルティニアスは死して愛を説き続けた女性。その後高次な存在となった彼女が今、冴姫の視線の先に、はぁとを守護するように顕現した。強大にして巨大。全身が愛で出来ているから大きいのだろうか。
 はぁとが掲(かか)げた両手の上に、パルティニアスが包んだ両手の中心に、収まりきらない程の巨大光球が作られた。この大きさが愛乃はぁとが、廿楽冴姫に抱く愛の深さ、重さなのだろうか。だとしたら――だとしたら。
 ――あ、あ。
 冴姫は、何故か微笑を浮かべた。
 巨大な愛が、今、はぁととパルティニアスの手より放たれた。
 一瞬の間も無く、それは冴姫を包んだ。
 ――愛してくれてありがとう。
 英国での親友、フィオナ・メイフィールドの小動物のような顔が刹那、脳裏に浮かび、すぐさま掻き消え、愛乃はぁとの快活な笑い顔が描かれた。
 ――貴方の愛も悪く無いわ。
 最後の愛に痛みは無く、ただ、ただ優しかった。優しかったのだ。

477A.B/05:2007/01/18(木) 23:57:27 ID:6egydZXg0
 深い山奥の早朝のような白みがかった視界が晴れ、次第にその太陽の輪郭を見せ付けていった。
 廿楽冴姫は柔らかな感触を感じながら覚醒した。時刻は正午を回っており、午後のぬるい日差しが目に染みる。
「やっと起きた」
 大親友の声が聞こえた。やたら間近で聞こえると思ったら何てことは無い、冴姫の顔を覗くようにはぁとは居たのだった。
「……はぁ、と」
 後頭部に感じる日溜りははぁとの膝上。見上げた大親友の顔は、真昼の日差しが重なり、やたら神々しく見えた。
「ごめんね」
 苦笑いを浮かべるはぁとの両目から、涙の粒がこぼれ落ちる。
「さーたん苦しんでるの、気付いてあげられなくて。私の……私の、バカ」
「……別に」
 冴姫はしばらくして軽く返した。照れ隠しか、嬉しいような、怒っているような顔をする。
 ふと、冴姫は子供のいたずらを思いついたかのように意地の悪い笑みをする。すっ、と片手の人差し指を伸ばし、はぁとの大粒の涙をすくう。
 それを口元に運び、おもむろに舐めた。塩辛い、海水の味。母なる海もまた、愛。愛の味。
「はーたんの味がする」
 小声でボソリと。
「え?」
 間の抜けた顔ではぁとは驚く。
「……ま、許してあげるわ、はぁと」
 愛の痛みでボロボロになった冴姫は、優しい表情をつくり、愛した少女の体液塗れとなったはぁとは、太陽の如くまぶしい笑みを浮かべ、大声で笑った。

   ● ●

 かつて、関東一円をおびやかした未曾有の危機を、愛の力で救った聖女がいた。
 ――今はもう、遠い昔の話だ。

478474:2007/01/18(木) 23:59:13 ID:6egydZXg0
暴力的表現がいくつかあったかもしれないので、気分を悪くさせた方には申し訳ありません。

479名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 00:27:58 ID:x7gGDZws0
嫌いというわけじゃないけどちょっと現実味帯びすぎてたかなって感じ。
文才ない奴がいうな〜って言わないで。

480名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 00:32:33 ID:pMqfYGHwO
そんな残酷なことにはなってないと思うがww

目一杯頑張っても服が軽く破れるだけだしw

481名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 00:53:18 ID:PDxAwpNwO
はぁと「わんこちゃんかわいいよー。わふわふー」
このは「や、やめてくだされー」
冴姫「ねえ、はぁと……」
はぁと「冴姫ちゃんは後ー! 今はわんこに夢中なの〜」
冴姫「…………なにかしら、この気持ち」

しっと「だれかが嫉妬に燃える時、しっとマスクを呼ぶあい「消えなさい!」
しっと「うわらば!」
冴姫「何だったの、今の変態は……なんか趣味の悪いマスク置いてったし……」
このは「あっ、そ、そこは駄目でござるー」
はぁと「よいではないか〜」
冴姫「っ……!」
その時、マスクが彼女を主と認めた!

482駆け抜ける時3:2007/01/19(金) 01:24:12 ID:TtkWYWFoO
>>448続き
次の日の夜予告通り俺は公園に来た。もちろん神依に会うために。
「あれ、まだ来てないのかな?」
公園を一通り見回すが人影が見当たらない。しばらく待っていると一陣の風が吹いた。気がつくと目の前に神依がいた。
「相変わらず不思議な人だね。初めて見た時も急に消えたりしてた」
「まったく、人の事情も聞かずに勝手に約束しおって。もし私が来なかったらどーするつもりだったのだ?」
神依は現れるなりムスッとしていた。
「そしたら一晩中ここにいたかもな〜」
呆れ顔で俺の事を見ている。まったく、と言いたそうにスッと横に座った。
「私が不思議なら君は変な奴だな」
この時俺は少しはにかんだ笑顔でそう答える彼女に、すでに惚れていた。
「朱鷺宮はこんなところで何してたの?」
「神依で良い。前にも言ったろ?時空の歪みを修正していたのだ」
「時空の歪み?何だそれ?」
「健太郎に話しても理解できまい」
こんな他愛もない会話してゆったりとした時間が流れていた。ずっとこのままだったら良いと心の底から願っていた。けれど時折見せる寂し気な表情に俺は気付いてやれなかった。
「また明日も会えるかな?」
「あぁ、もう仕事も終わってあとは寝るだけだからな」
「そーだな、ちゃんと寝ろよ?それじゃあおやすみ」
「…健太郎!」
呼び止められ振り返ると、神依は今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「どーしたんだよ?」
「いや…、何でもない。また明日会おう」
この時気付くべきだったんだ。神依が俺に何を言いたかったのかを。

483名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 02:14:43 ID:/WWG6i5s0
>>474-478
いやいや貴方よくもまぁこれだけの物を投稿してくれやがりましたね!
お陰でセンター直前だというのに読み耽ってしまったではありませんか!?
超GJ!乙!また何か書いてくれることを心より期待する!

484謎の彼女K:2007/01/19(金) 02:32:49 ID:XEbEO.qkO
「今日からみんなと一緒に勉強する朱鷺宮神依君だ」
担任教師の紹介を受ける季節外れの転校生、制服の発注が間に合わなかったのか指定の物でないセーラー服を纏っている
背はすらりと高く、背筋をピンと伸ばした姿はどこか武術の達人のような隙の無さを感じさせた
教室全体を冷たく見つめる切れ長の目は、感情に乏しい印象を与える
「朱鷺宮神依だ。よろしく頼む」
言葉使いはぶっきらぼうだが、どこか気品のようなものを感じる。そんな声
「じゃ、じゃあ朱鷺宮君の席は一番後ろの空いている席だ」
そう告げた教師の顔が引き攣っていたように見えるのは目の錯覚ではあるまい
「わかった」
カツカツと雰囲気通りに隙の無い歩みで席を目指す彼女
後頭部から伸びる腰まであるポニーテールが尻尾のようにふわふわと踊る
そして腰にある刀がカシャカシャと音をたてる


刀?
そう刀。切れ味においては刀剣業界屈指の性能を誇る日本刀である


「(何で刀持ってるんだーっ!!!?)」


今まさに、クラスの皆が一つになっていた
そう――彼女は帯刀していた

謎1:帯刀している

485謎の彼女K:2007/01/19(金) 02:52:43 ID:XEbEO.qkO
謎の転校生「朱鷺宮神依」の名は一瞬にして全校に知れ渡った
図書委員が悪魔召喚したとか出席日数足りなくて進級が危ぶまれるハーフがいるとか
巫女とかツンデレ帰国子女とか天然アホ毛喫茶店の娘とか
そ ん な こ と は どうでもよかった
そんな噂話より目の前の現実だ
「神依さま〜」
「どうだこのは?学校は楽しいか?」
目の前で朱鷺宮神依は、膝の上に一緒に編入してきた一年生――神依の呼称から「このは」が名前もしくは愛称だろう――を膝に乗せ抱きしめるようにしている
「このは」はとても幸せそうだ
「わふっ、初めてのことばかりでとても楽しいでございまする〜」
「そうか、しかし気を抜いてはいかんぞ」
「承知しております〜」
少し行き過ぎたコミュニケーションのように見えなくもないが……
というかまるで「このは」は犬のようである
「ね、ねえ朱鷺宮さん」
「何だ?」
不意に一人の生徒が話しかける

486謎の彼女K:2007/01/19(金) 02:53:43 ID:XEbEO.qkO
「そ、その子、えーと…このはちゃん?朱鷺宮さんとどういう関係なのかな?」
「(ナイスガッツ!!)」
教室中の生徒が彼女を内心称賛した
今日から彼女はヒーロー認定だ。いやヒロインか?
「このはは私の従者だ」
全く動揺もせず平然と言い放つ
「(いやこの2006年で従者って!漫画やファンタジーじゃあるまいし!)」
相変わらず突っ込みどころに事欠かない
「このはは神依様にお仕えしているのですよ〜」
「えと…つまりこのはちゃんは朱鷺宮さんのお家のお手伝いさんなの?」
成る程、神依が良家の令嬢なら異様な世間知らずな格好も気品のある仕草も納得がいく
かなり苦しいが……わかっとんねん…こんなん現実逃避やって
「違うぞ」
その無理矢理な解釈すら打ち砕く神依の言葉
「このはの主は私だ。これは小犬丸と私に交わされた契約だ」
「このはは、神依さまと一緒にいられて幸せでござりまする〜」
そういって「このは」は身体を反転させると神依の胸元に顔を埋める
恍惚とした顔をしている「このは」を呆然と眺めていると今まで隠れていた臀部のあたりに
パタパタ
「(し、尻尾ーっ!?)」
そして頭部のあたりにもよく見ると犬のような耳も
「(コ、コスプレ公開調教!?」


凍り付いた生徒達の中で神依とこのはだけが仲睦まじく時を刻んでいた

結局謎が増えた

謎2:従者がいる
謎3:従者にコスプレさせている

487名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 03:02:12 ID:FS.yCU4U0
>>481
しっとマスクT(Thunder&Tunder)の誕生である。

488名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 03:15:22 ID:ogcnOVYo0
薫とリーゼの話が今のオレの生き甲斐だ。がんばってくれ。

489名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 08:57:45 ID:IdPgyLa6O
新参投稿です。

題:ブレイクタイム -前編-

【補足説明】
アーケードモードにオリジナル要素を
かなーり加えた自前の小説の中の短編です。
美鳳ときらがこんな関係なのは
その辺りに原因があったりします。
言葉遣いが妙なのは私の力量不足です。
ちなみに時間軸的にはミルド戦の後と言った感じです。
では、スタート。



運んでいるのは淹れ立てのコーヒー。
大量のシュガースティックと共に、お盆の上。
部屋の前までたどり着いて一息入れる。
軽くドアを叩き、ノックの音を響かせた。
中からの声がドア越しにやってくる。
「美鳳か?遠慮なく入れ」
いつもと変わらない、きらの声──


ドアを開けるとそこに広がるのは何も無い部屋。
何も無い、とは言い過ぎであり、
実際には食器棚とテーブルに
イスがふたつあるのだが、
じゃあ他には何かあるのかと聞かれると、
結局のところ他には何も無い。
ただ真っ白な空間が広がっている。
しばらくするとバスルームの方から
きらが顔を出して来る。
表情はいつもと変わらなずに、挑戦的。
濡れた手は水滴をだらしなく、床に。
「おう美鳳か。
ウチの馬鹿スライムが風邪を引いてな。
今湯船に湯を沸かしてぶち込んで来た所だ。
で、何か用か?」
私は手に持ったお盆を軽く縦に揺らす。
「ほう、なかなか気が利くではないか」
きらは嬉しそうに口端をつり上げると、
クルリと後ろを向き、棚まで歩くと、
マグカップを2つ取りだし、テーブルに置いた。
「で、何を持って来たのだ?」
「コーヒーです」
その言葉を聞いた途端にきらの表情が曇る。
「美鳳……」
「はい」
「私がコーヒーはあまり好きで無いと
言った事は覚えているか?」
「はい」
「では何故ここにコーヒーを持ってきたのだ?」
「……そうですね、私自身も不思議です」
「……まあ良い。ほら、お前も座れ」
「はい」
サーフィンからカップに、
カップから口に、コーヒーが運ばれる。
口の中に広がる苦み。
体の芯まで苦くなりそうな心地すら覚える。
ブラックのまま一杯飲み干すと、
きらが怪訝な表情でこちらを窺う姿が目に入る。
「まったく、よくそんなものを
そのまま飲めるな、お前は」
そうぼやくと片っ端から
シュガースティックの封を切る。
20本はあったスティックは数本を残すばかりで
後はたちまち封を切られ、まとめてカップに注がれる。
砂糖の溶けきらないコーヒーを口に入れて
「うむ、だいぶマシになった」
と、きらが満足げにつぶやいた。

490名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 09:00:29 ID:IdPgyLa6O
>>489の続きです。

題:ブレイクタイム -後編-


「それにしても」
べとついた唇を舌で舐めながらきらが話しかける。
「お前、だいぶ言葉遣いが人らしくなったな」
「……そうですか?」
「ああ、言葉に柔らかさが出て来た」
「自分ではわかりませんが……」
褒められたような気がして気恥ずかしい。
そんな感情が面(おもて)にでないように
二杯目のコーヒーに口をつける。
痺れる様な苦みが熱さと共に喉を通る。
「おい美鳳」
ぶしつけな声に顔を上げる。
シュガースティックを差し出す、きら。
「そんなに苦いものばかり
飲んでいたら頭まで悪くなるぞ」
捨てる様にスティックを放ると、
それは放物線を描いてカップの脇に落下する。
「それを使え」
顎で差してきらが言う。
私はゆっくりと封を切り、シュガーをカップの中に。

スプーンでかき回すとシュガーは
まるで夏に降る雪の様に儚く消えた。
カップを傾け、一口目をすすったその時──
「……きらは優しいのですね」
思考回路に無かった言葉が突然現れた。
驚いて目を丸くする。
きらも浮かべたのは同じように驚きの表情。
「わ、わたしが優しい? 何を言っておるのだ美鳳。
あ、あまりにも平和で頭が溶けたのか?
お前にはこれからも色々手伝って貰うのだ。
あんまり頭がボケるのも困るぞ!」
きらの顔が見る見る間に紅潮する。
こんなに表情の崩れた彼女は初めてみる。
もう一口、コーヒーを口にする。
苦みの中に微かに漂う甘い香りが
私の舌と思考をくすぐるように撫でた。

──そうか。

このコーヒーは、きらと良く似ている。

きらは優しい。
スライムの世話迅速かつ丁寧だし、
(敗戦時八つ当たりはするが、
それも相手を信じている故であろう)
私の言葉遣いにまで気を配っていて、
いつだって、私の淹れたものは
なんだかんだ言いながらも飲んでくれる。

一見苦いとも思える態度の中に漂う、甘い優しさ。
それは優しさで埋め尽くされた甘さとは
また違う、きらだけの優しさ。

そんなところが、きらと、似ているのだ。

思わぬ発見に少しだけ顔がほころぶ。
そんな私のわずかな変化も、きらは逃さない。
「どうだ? 砂糖アリのが美味いだろう?」
そして、私は自信を持ってこう答える。

「はい。大好きです」

491名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 09:08:18 ID:TtkWYWFoO
>>486
GJ!こーゆー感じのSS好きだ!

492駆け抜ける時4:2007/01/19(金) 10:27:55 ID:TtkWYWFoO
>>482続き
それから俺は神依に毎日会いに行った。あまり感情を表に出さないが、少しでも微笑んだ彼女を見ていたかった。
「明日近所で夏祭りがあるんだけど、一緒に行かないか?」
俺は神依を祭りに誘ってみた。もし断られても半ば強引に連れて行くつもりだったが思いのほか呆気なく承諾してくれた。
「祭りか。そーだな、良いかもしれん」
「やった!神依の浴衣姿が見られる!」
「浴衣など着ていくなどと誰が言ったか!?」
「え〜↓着てこないのかよ?」
物凄く落ち込む素振りを見せると神依は少しだけ顔を赤くしながら
「…着ていかないとも言ってない」
とつぶやいた。次の日、いつも通り公園で待ち合わせをしていた。神依を待っている時間はとても長くとても短かった。
「待たせたな?」
声のする方に向いた俺は一瞬言葉を失った。そこには浴衣姿の神依が立っていた。俺の予想を遙かに超える程に浴衣姿が似合っていた。
「…本当に着て来たんだ、浴衣」
「け、健太郎が着て来いと言うから!?…変か?」
「全然!すげ〜似合ってるよ!」
素直な気持ちは思うより相手に届くらしく神依は耳の先まで真っ赤になって、それでいてまんざらでもないような表情をしていた。今年の夏祭りは最高だった。好きな女の子が隣にいるだけでこんなにも違うものなのかと驚いていた。色々遊んだあとに神依がふと立ち止まり何かを見ていた。目線の先には小さな鈴があった。
「アレが欲しいの?」
「え?いや、そんなつもりは…」
「よし!オジサン、その鈴ちょーだい!」
鈴を渡すと神依は嬉しそうに微笑みながら
「ありがとう」
と一言つぶやいた。祭りもあらかた見終わりいつもの公園で少し休んで行こうという事になった。俺はと言うとまだ興奮が冷めず池の縁を危なげに歩いていた。
「そんなところを歩いていると池におちるぞ」
「大丈夫、大丈…っと、と、と、うわぁ!」
バシャ〜ン!神依の注意もむなしく俺は案の定池に落ちた。
「まったく、だから言ったんだ」
そー言いながら神依は手を差し伸べてくれた。
「ほら。やっぱり君は変な奴だな」
引き上げられながら、イタズラっぽく笑う彼女に見とれていた。
「俺、神依の事好きだ」
自分でも驚いた。その言葉が自分の口から出た事に数瞬気が付けなかった。神依は一瞬驚いた顔をした後に悲しそうな顔をした。
「健太郎、私には何も期待するな…」
少し強めに吹いた風は俺と神依の別れを告げる報らせだったのかもしれない。

493名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 12:09:07 ID:utV4hSK20
>>490
このスレ初のきら美凰メインGJ

494名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 13:47:55 ID:FuAoKTP6O
カムイの服って冬服だってカムイストーリーで言ってるいた気が。
冴姫が「時期外れの冬服で目立ってます」みたいなこと言ってたような。

495駆け抜ける時5:2007/01/19(金) 14:08:42 ID:TtkWYWFoO
>>492続き
「期待するなって、どーゆー事?」
俺は振られたのだと頭では理解していた。けれどその言葉に引っかかりを覚え思わず聞き返してしまった。
「俺の事嫌いなのか?」
「違う!健太郎の事を嫌っているワケではない!」
「ならどーしてそんな事言うんだよ!」
頭の中が混乱し自分で何を言っているか、なぜ怒鳴っているのかよく分からなかった。けど今のままじゃ納得できない。その思いだけでも神依に伝えたかった。
「…分かった、全て話そう」
神依は静かに話してくれた。自分が千年守である事、そして何年かに一度ある災いから人々を守るために長い眠りにつかなければならないこと、そしてこの時代の災いを鎮圧し終えまた眠りにつかなければならないことを。
「そんな事信じられるワケないだろ…」
「信じてもらおうなどとは思ってない。しかしこれが事実なのだ」
何か言わなくちゃ、そー思っても何も言葉が出て来なかった。しばらく沈黙が続いた。静けさが耳に痛く永遠と思える時間だけが流れていた。沈黙を破ったのは神依の言葉だった。
「健太郎…、一つ頼みがある」
刻一刻と神依との別れの時間が近づいていた。

496駆け抜ける時6:2007/01/19(金) 14:47:00 ID:TtkWYWFoO
>>495続き
「私の事を忘れてくれ…」
耳を疑う言葉だった。
「そんな、忘れられるワケないだろ!」
「心配するな。私は忘却の術を心得ている」
「いやだ!」
悲しさが全身を駆け巡り体が震えた。大きすぎる悲しみは涙することさえ忘れさせた。神依にとって俺といた時間はその程度の事だったのだろうか?
「私は、君に私と同じ想いをして欲しくないんだ…。愛しき者達との別れは幾千年繰り返しても心を八つ裂きにされる」
神依は幾度も出会いと別れを繰り返してきたのだろう。彼女の顔はそれを物語っているようだった。それでも俺は神依を忘れたくなかった。
「…分かったよ、健太郎。その代わり絶対に忘れないように私を抱きしめてくれないか?」
それは別れの包容だった。華奢な彼女を強く抱きしめ壊してしまいたいとさえ願った。
「神依…、どこにも行かないでくれ」
「私も行きたくないよ…。君と出会わなければ良かったな…」
そー言うとどちらからともなく口づけを交わした。二人の頬に涙のが流れていた。瞬間目の前景色がグラついた。
「か、神依!?何をした?」
「やはり同じ想いはさせたくないんだ…。すまない…。健太郎、私も君の事が…」
いやだ、忘れたくない。神依との時間が俺の目の前を駆け抜けていった。
頭が少しボ〜っとする。目の前の女の子は誰だろう?可愛い子だな…。そんな事を考えていたら、その女の子は陽炎のよいに消えていた。
「誰だったのかな?大切な事だった気がするけど…。」
どこかで小さな鈴の音が鳴っていた…。
〜完〜
「日常?風景」とは違う感じのを書いたつもりですがいかがだったでしょうか?(^_^;)

497名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 15:09:17 ID:IIuuxkVc0
-序章-
曇天の夜空、星一つ見えない闇夜、廃工場の一角に影二つ
「諦めなさい…私からは逃げられないわ。」
その場に似つかわしくない柔らかい声が響く
魔女のような姿、腰まで届く三つ編み、眼鏡…御苑学園2年、安栖頼子である。だが、それは彼女を知る者が見れば目を疑う光景だった。
およそ人の持ち得ないような魔力は周囲を歪め、右手には採魂の大鎌、左手には魔導書、鎌の切っ先はもう一つの影…異形の者に向けられている。
「オ…オレハ何モ知ラネェ!!見逃シテクレヨオォ!!」
壁を背にしたその姿は2m近い山羊頭の獣人、不明瞭な人語で目の前の少女に命乞いをしている
「そう…またハズレなの…。」
辛そうな顔で目を伏せた、刹那
「マヌケガ!!」
獣人の右腕が跳ね上がり頼子の首を襲う!その速度は人の反射を凌駕し頭が粉々になった事も気付かない。工場内にビシャビシャと撒き散らされた肉片、ムッとする血の臭い、膝から崩れ落ちる……。
「オ、オレノウデェガアアア!?」
……山羊頭の獣人。頼子の纏う圧倒的な魔力が浅はかな試みごと右腕を吹き飛ばしたのだ
「消えて、私の目の前から」
のたうち回る巨躯に眼鏡越しの冷ややかな視線、
「ニ、人間フゼイガ!」
左手の魔導書開き、
「『王ノ騎士』ダナンテ!!」
膨大な詠唱を圧縮言語で一詠み、
「生意気ナンダヨォォォ!!!」
「門を、開けよ」
一瞬で完成した五芒星から噴出した魔界の瘴気―アンプゾワネ―はその住人さえも骨も残さず溶かし尽す。以前とは比較出来ない威力である。
「そう…私は『王の騎士』だから…」
一人残された頼子が呟く、雲の切れ間から月光が差し胸元の宝石…否、ミケランジェロの額の目を照らす。
「きっと、あなたの、敵を取るわ」

498497:2007/01/19(金) 15:15:05 ID:IIuuxkVc0
頼子でガチバトル書きたくなって書いてみました。頼子っぽくNEEEEって感じた人ごめんなさい。俺も思ってます。ミケは?王の騎士って?とか思ってくれた人いたら続き書きたいと思います。失礼しました。

499497:2007/01/19(金) 15:46:09 ID:IIuuxkVc0
すみませんもう一言。妄想前回オリジナルストーリーですが、勘弁して下さい。

500名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 18:51:02 ID:oG4SmjDUO
「駆け抜ける時」、GJでした。
カムイの伝えたいけど伝えられないもどかしさが伝わり、主人公へ感情移入し易かったです。

最後の静かなシーン…CG描けそうな位はっきりと頭に浮かびましたよ。

500なら、このスレが繁栄しますように…

501名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 20:35:25 ID:cPbcpUoo0
>>496
切ねーーー!!
切なさ過ぎるーー!!(涙)

502薫とリーゼの続きです。:2007/01/19(金) 21:40:34 ID:.w0vNAR.O
「おいおい、このクマ消えねーぞ。ヤバいんじゃねーの?」
薫は学校の洗面所の鏡で自分の目元を見るが、これは酷い。
朝にリーゼは「パンダみたい」(前回参照)と言ったが、本当にパンダだ。
パンダダじゃなくてパンダだ。
顔を洗って、教室に戻る。
次の授業は国語だ。
あ、それと、リーゼに何かケーキでも買って帰ろう。




帰りに近くの洋菓子屋でケーキを二つ程買って帰り、薫はウキウキ気分で家に帰る。
「ただいまー」
居間に入り、鞄を床に置く。
「リーゼー」
リーゼは居間にいない。
「あっれー……」
ケーキを冷蔵庫にしまい、階段を上がり薫は自分の部屋に向かう。
ドアの前でノックをして、静かに部屋に入る。
「あ……」
その風景に薫は驚く。
リーゼは元のゴスロリのドレスに着替えていたが、ベッドの上で眠っていた。
それがすごく綺麗で、目を引くものがある。
……退屈だったのか?
「布団もかけずに……風邪ひくぞ」
薫は手頃なタオルケットを一階から取ってきて、リーゼにそっとかけた。
また眠りネタでごめんなさい……
こういうのを書くのが好きなんです……

503名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 21:42:09 ID:utV4hSK20
(・∀・)イイ!!

504名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 21:57:45 ID:DJDXpTHs0
>>497
GJGJGJ
書けるなら是非続きを頼む。

505名無しのアルカナ使い:2007/01/19(金) 22:08:59 ID:TtkWYWFoO
>>500->>501
感想ありがとうございます。また機会があったらもっと良い作品を作れるように努力しますね(^_^;)

506490:2007/01/19(金) 22:31:34 ID:IdPgyLa6O
>>493

サンクス。心置きなくセンター受けてくるわ。

507402:2007/01/19(金) 22:43:25 ID:F6chm8Mk0
読んで下さった方、サンクスです。
エロ方面の話ですが、>>459氏の書き込みを借りて言うと2あたりが妥当ですかね。
はぁとはまだしもリーゼは初ちょ(ry
軽い愛米モノも書いてるのでそのときは宜しくです。

508254のおまけ:2007/01/20(土) 00:15:45 ID:P5JYcdZ60
「だいよくじょうって、どんな感じなのかな」
 修学旅行3日目。見学と観光を終えた学園一行は、もう今晩の宿にいた。
 やっぱり2人1部屋で、はぁとは冴姫ちゃんと同じ部屋。
 洋風のホテルだった昨日とは反対に、今日は由緒ありそうな和風の旅館だ。
「さあ。テレビとかで、たまに出てくるけれど」
「温泉なんだって。 楽しみだな〜♪」
 団体での夕食を済ませて一息つき、今は冴姫ちゃんと旅館自慢の大浴場へ向かっている最中だった。
はぁとも冴姫ちゃんも浴衣姿だ。
「泳げるくらい大きいといいな」
「あんまり暴れないでね……」
 手を繋いで、お喋りしながら廊下を歩く。
 向こう側からは、お風呂あがりの生徒たちが歩いてくる。みんな濡れた髪で、ホカホカしていた。
 と。生徒たちの流れに仲良しさんの顔を見つけて、はぁとは声をかけた。
「りりちー」
「およ、ハートとサキだ」
「お風呂、どうだった? 大きかった?」
「んー、なかなか凄かったよ。 しかも貸切っぽかった」
「ほんとに!?」
「マジよマジ」
 りりちーは機嫌よさ気だ。
「てか、ここ自体アタシらしか客いないんじゃない? 気配が全然しない」
「高そうなところなのに、相変わらず無茶苦茶やるわね……うちの学校は」
 冴姫ちゃんは少し胃もたれしたようだったが、はぁとの方は一気にテンションが上がっていた。
繋いだ手を大きく上下に振って、冴姫ちゃんを急かす。
「ね! ね! はやくいってみよ? さーたん!」
「ちょっと、はぁと。落ち着きなさいって」
「急がないと――!」
「急がなくたって、お風呂は逃げないわよ」
 冴姫ちゃんは、はぁとをなだめた。
「……そうかな?」
「そうよ。だから、ゆっくり行きましょう?」
 とても優しい口調だった。はぁとは、それで、勢いをそがれてしまった。
「……うん」
 でも、なぜだか、ちょっと嬉しい。冴姫ちゃんに諭されるのが。
 はぁとがにこにこしていると、突然、横でりりちーが吹き出した。
「アンタたち、何かあったの?」
 笑いを噛みころしながら、訊いてくる。瞳には好奇の色が浮かんでいた。
「何かって、何よ?」
 冴姫ちゃんが、はぁとより先に返事した。
「いやあ」
 聞き捨てならないというふうに迫った冴姫ちゃんに、りりちーはおどけた。
「うまく言えないけど。波長が合ってるっていうの?」
「波長?」
「仲が良さそうに見える。昨日までよりずっと、ね」
「……勘違いよ」
 冴姫ちゃんは少し声を低くした。りりちーは、にんまりと口を歪めた。
値踏みするみたいに、冴姫ちゃんを下から覗き込む。
「ほんとに〜? アタシの気のせいかなあ、『さーたん』?」
「っ……」
 冴姫ちゃんが言葉に詰まって赤くなったので、はぁとは割り込みをかけた。
「りりちー。 私とさーたんは、いつでも一番仲良しだよ。 これ以上なんてないくらいに」
 言って、冴姫ちゃんに肩をくっつける。
「あはは。そりゃ、そうだわね」
 りりちーは、けらけらと笑った。
「まあ、いいや」
「よくないわよ。待ちなさい、リリカ」
「イヤイヤ。仲が良いのは、いいことだって〜」
 食らいつく冴姫ちゃんを軽いノリでかわし、部屋の方へ小走りしていく。
そうして安全圏まで逃げると、りりちーは振り返った。
「ハートとサキがギクシャクしてると、周りみんな調子狂っちゃうんだからさ、
 そうやっていつもくっついてなよ」
 二人にウインクして、また振り返って、今度は歩いて去っていった。
 後姿を見送ってから、はぁとは、冴姫ちゃんと顔を見合わせた。
 りりちーは、勘が鋭い。

509508の続き:2007/01/20(土) 00:20:31 ID:P5JYcdZ60
 脱衣所に入って、二人は服を脱いだ。
 長い髪をまとめるのに苦心している冴姫ちゃんの横で、はぁとは静かに待っている。
内心は、早くお風呂場を見たくてうずうずしていた。でも、ゆっくり行こうって冴姫ちゃんに言われていたから。
「別に、ここまで来たら先に行ってもいいのよ?」
 はぁとの心がわかったのか、冴姫ちゃんが促してきた。
「行かない。さーたんと、いっせーのせっ、で見るよ」
「そう?」
 はぁとが断ったので、冴姫ちゃんは少し急いだ。
 ほどなくして、
「お待たせ」
 冴姫ちゃん準備完了。出発進行だ。


 スノコを歩き、はぁとは曇りガラスの戸を引いた。
「うわあー! ひろーい!!」
「へえ……」
 大きく開けた室内に、石畳の洗い場と、1クラス全員が楽々入れそうな大きな浴槽がある。
向こう側の壁はガラス張りで、扉がついていた。そこから外に出ると、もっと大きな露天の浴槽が
あるようだ。湯気の漂うお風呂場には、学園の生徒らしき女の子が十数人いるだけだった。
りりちーの言った通り、一般のお客さんはいない。
「さーたん! すごいね! どばばばーん、だね!」
 はぁとは、その場でぴょんぴょん小さく跳ねて喜んだ。
「そうね、ちょっと予想以上」
 冴姫ちゃんも驚いてる。
「私、泳いでくる」
 室内の方の浴槽に誰もいないのを確認すると、はぁとは抑えきれなくなって駆け出した。
「はぁと!?」
 後ろから冴姫ちゃんの制止が聞こえるけど、気にしない。
 勢いをつけて、湯船に飛び込んだ。
「どーん!」

ざぱーん

 楽しい。丁度いい温度のお湯の中を、犬かきで進む。
 しばらく泳いでいると、冴姫ちゃんが追いついてきた。タオルでやんわり前を隠している。
「さーたんも泳がない? 楽しいよ?」
「泳がない」
 冴姫ちゃんは苦笑いして湯船に入った。
 はぁとは、縁まで泳いでいって、冴姫ちゃんの隣に座った。
「後で背中流しっこしよーね!」
「――!」
 ずいっと身体を寄せる。
「しよーね!」
「……え……と」
 冴姫ちゃんは困っている。でも、はぁとは退かなかった。
 冴姫ちゃんと一緒にやりたいことが、はぁとには沢山あった。はぁとの手帳は、
ずっと先まで一杯なのだ。そこには全部、冴姫ちゃんの名前が書いてある。
「嫌じゃないよね?」
「まあ……そうなんだけど、ね」
 眼をそらしながらも、冴姫ちゃんは少しだけ態度を軟化させた。
 それで、よしあと一息だ、と思っていたら、突然、冴姫ちゃんの表情が変わった。
「はぁと、あなた、顔すりむいてる」
「え?」
 はぁとは一瞬、冴姫ちゃんに誤魔化されたのかと思った。
 そんなのは、邪推に決まっている。
「どこ?」
「鼻と、頬と、……あと額も。痛くないの?」
「言われてみれば、痛いかも」
 というか、普通に痛くなってきた。
「飛び込んだりするから。 広くても、お風呂は浅いんだから」
 冴姫ちゃんは、はぁとの前髪を上げて、傷を凝視した。
「ぶつけてたなんて気付かなかった」
「舞い上がりすぎなのよ」
 はぁとのおでこと、はながしらと、ほっぺたが、順番に冴姫ちゃんに撫でられた。
「血は出てないみたいね。もう、おとなしくしてなさい」
 冴姫ちゃんは怒っていた。
 心配してるんだってわかったから、はぁとは黙るしかなかった。
 それでタイミングを失って、背中流しっこは、ダメになってしまった。

510509の続き:2007/01/20(土) 00:27:20 ID:P5JYcdZ60
 しばらく温まって、二人は洗い場に移った。
 手帳からページが1枚なくなって、はぁとは落ち込んでいた。
 さっさと髪を洗い、身体を洗うべくタオルに石鹸をつける。
 顔がヒリヒリする。はぁとは肩越しに、後ろの洗い場の冴姫ちゃんを見た。
別に変わったところはない。はぁとは前に向き直り、小さく溜め息をついた。
こんなことでヘコんでても仕方ない。次は、気をとりなおして露天風呂の方へ行ってみよう。
 元気を復活させていると、
「はぁと」
 唐突に、冴姫ちゃんが話しかけてきた。
振り返れば冴姫ちゃんは、いつの間にか、はぁとのすぐ後ろにいた。
「なあに?」
「なあに、じゃなくて」
「え?」
 よくわからなくて、はぁとは疑問符を返した。
「やりましょうよ」
「なにを?」
「だから――」
 冴姫ちゃんは言い淀んだ。
「?」
 やっぱり、わからない。
「わからないよ。さーたん、何なの?」
「さっき、言ったでしょ」
 冴姫ちゃんが不機嫌そうだったから、はぁとは、それをヒントに何となく予想してみた。
「おとなしくしてなさいってこと? 大丈夫だよ。反省したから」
 言葉にトゲが出ないように、ちゃんと注意した。
 それなのに、冴姫ちゃんは怒り出した。
「違うわよ!」
 違ったのか。
 全然わからない。どうしたらいいのか見当もつかず、はぁとは冴姫ちゃんを見た。
 すると、冴姫ちゃんは少しうつむいて、こう呟いた。
「背中、流しっこ……やるんでしょ」
「あっ」
 正解がわかってみれば、ものごとは非常に単純で、全て合点がいった。
「はぁとが、先に言ったんじゃない」
 なくなったと思っていたページは、実はまだ残っていたのだ。
 はぁとの捨てたページを、冴姫ちゃんが拾っててくれた。
「ごめん。ダメなのかなって思ってて……」
 胸のモヤモヤが晴れていく。
「そっか、よかったんだ……」
「もう、いいわよ……」
 はぁとは、離れていきそうな冴姫ちゃんの腕を、慌ててつかんだ。
「嬉しいな♪」
「……諦めてたくせに」
 拗ねている冴姫ちゃんなんて、初めて見た。
「嬉しい。絶対やるよ。さーたん大好き……」
 おもしの取れた気持ちのままに、はぁとは冴姫ちゃんが笑ってくれるまで、
ずっとそんなことを言い続けた。

+++ 続く +++

せっかく告白話やったんだから、もうちょっと二人をイチャイチャさせたいなあ
と思ったので、おまけを書いてみました。もう何レスか使ってイチャイチャ
させまくろうと思います。

511名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 00:28:47 ID:KRHs9VB60
>>502
G J !
続きwktkしながら待ってるわぁ

512名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 02:10:27 ID:oWVYafnQO
>>507
俺は5でも6でも7でもいけるんだぜw
書きやすいように書いて下さい

513497:2007/01/20(土) 05:00:31 ID:pcq57DOQ0
仕事から帰って来たらGJついてる幸せ。頑張ります。

514アルカナ桜1:2007/01/20(土) 05:11:40 ID:FPCy.9tw0
いきなり新作投下。
タイトルは「ドラゴン桜」から取りました。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

昼休み。
アタシとハートは、睨み合っていた。

「さあハート、勝負よ!」
「こ、今回は頑張ったんだから!じゃ、せーので見せっこね?」
「ハイハイ。いっくよー・・・せーの!」

バサッ!
アタシとハートの手に握られた数学のテストの答案が、
勢い良く翻る。

愛乃はぁと、78点。
リリカ・フェルフネロフ、32点。

赤ペンで記されたそれぞれの数字を確認して、
ハートが飛び上がった。

「やったあぁ!
 約束通り、今日のお昼はりりちーのオゴリねっ☆」
「うげっ!ハートってばホントに勉強してるし!
 アンタだけは仲間だと思ってたのにぃ・・・」
「何よ、全然勝負になってないじゃない」

いつの間にかアタシたちの仁義無き闘いを覗きに来ていた、
サキの冷たいツッコミ。
ちなみにサキは、破壊的に絵が下手な事を除けば無敵だ。
チラッと見えた点数欄には、輝かしい「100」の字・・・
ふーん。

「はぁとちゃんは、頑張ると決めたら一直線ですもんね。
 今回は私も負けちゃいました」

マオリもやってきて、照れくさそうにぴらぴらと答案を振る。

「でもまおりん、75点でしょー?あんまり変わんないよ」
「いつもに比べたらイマイチじゃない。どうしたのよ舞織」
「苦手な理科ばかり勉強してたら、数学まで手が回らなくて」
「そう!アタシも昼寝で忙しくて手が回らなかったのよ。
 だからハート、この勝負はなかったk」
「わたしカレーパンが食べたいな、りりちー♪」
「・・・ハイハイ、行けばいいんでしょ行けば」

アタシはぶーたれながら財布を握り締め、人でごった返している、
購買へ向かった。



「ねえリリカ、ちょっと聞きたいんだけど」

ハートのカレーパンと、自分の分の焼きそばパンをゲットし、
飲み物を買おうと自販機の前に並んでいると、
いつになく真面目な顔をしたヨリコがアタシの隣に立った。
いや、ヨリコはいつも真面目すぎて困っちゃうくらいなんだけど。

「ヨリコ?購買に来るなんて珍しいじゃん」
「うん。テストの事でちょっと、聞きたい事があって」
「何?べんきょーの事だったらアタシには聞くだけ無駄って、
 ヨリコが一番わかってると思ってたんだけど」
「いや、うん、勉強の話ではあるんだけど・・・」
「?」

やけにモジモジしているヨリコ。
それもいつもの事なんだけど、今日はなんか様子がおかしい。
自販機の順番が回ってきて、お金を入れ、
缶がガタンと落ちてくるその間にも、ヨリコは続きを言わない。

「何よー、ハッキリ言わなきゃわかんないじゃん」
「・・・その、リリカは、高校どうするの?行くの?」

――は?そんだけ?
アタシは拍子抜けした。

「行くよー。だってみんな行くでしょ?」
「・・・リリカ」

ヨリコが突然、あたしの肩をグッと掴んだ。
抱えていたパンやジュースの缶が、
アタシの胸元からこぼれ落ちそうになるのにも構わずに。
眼鏡の向こうからじっとアタシの顔を見つめるヨリコの目は、
真剣そのもので。
どうしたのよ、ヨリコらしくない。
思わず緊張してアタシが見つめ返すと、
ヨリコはすぅっと息を吸って、一気に言った。



「今のリリカの成績じゃ高校には行けないのよ」


一瞬。
アタシたちの間に流れる時間とか空気とか、
そういう類のモノが全て止まった。

515名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 10:35:52 ID:r0bD4T3wO
>>515
GJ!こういうのも面白そうだね

516515:2007/01/20(土) 11:13:56 ID:r0bD4T3wO
× >>515
>>514


逝ってきます('A`)

517名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 11:45:46 ID:5ePUEb6Y0
リリカwwwお前どんだけ勉強やってないんだww
つまんなーいとか言ってる場合じゃねーよww勉強しるww

518514:2007/01/20(土) 12:46:07 ID:FPCy.9tw0
>>515
あざーす。
後からもうちょっと各キャラ壊します。

>>516
プロフィールに
得意科目:なし
苦手科目:全部 とあったので・・・。
この潔さに惚れました

519名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 12:56:26 ID:oWVYafnQO
これからセンターでも受けに行くかーって家出たところの俺にとっちゃタイムリーで切実な話題ww

520アルカナ桜2:2007/01/20(土) 13:33:53 ID:FPCy.9tw0
>>515

「リリカ、今回の数学は何点だったんだっけ?」
「32点」
「英語は?」
「28点」
「・・・理科は?」
「ちょ、ちょっとテスト中に寝ちゃって・・・」
「何点?」
「・・・じゅ、13点」

ヨリコは「もういい」と言わんばかりにうなだれて、
ようやくアタシの肩から手を離した。
どうして、一番良かった社会の点数は聞いてくれないんだろう。
アタシは悲しくなった。
まあそれでも39点だけど。

「あは、はははは・・・まあ、あと1年あるし。大丈夫じゃん?」
「2年の終わり際でそれじゃ、大丈夫じゃないと思うけど・・・」
「うっ」
「ウチの学校は小中高一貫だけど、試験あるじゃない。
 中学に上がる時にも受けたでしょ?」
「いやー、あの時はパパが魔力でこう・・・ちょちょいっと、
 細工をば・・・ねw」
「そうなの!?」
「も、もう昔の話だし!みんなには内緒よ!?」
「それは別にいいんだけど・・・本当に、どうするのリリカ?
 このままだと・・・一緒に高校行けないよ」

ヨリコはいつもの調子に戻って、しょげてしまった。
なんだかんだで、この子はアタシを気に入ってる。
きっと、一緒に高校行きたいなーなんて思ってくれてるんだろう。
アタシだってヨリコは大好きだし、他のみんなとも一緒にいたい。
だから当然、これから先もずっと一緒にいるもんだと、
そう思ってたんだけど・・・

「もしかして、アタシ、やばい?」
「だからそれを言いに来たんだってばぁ!
 もう、しっかりしてよぉ!」

まずい、ヨリコが半泣きになってしまった。
ヨリコが泣いてる顔なんか見たくない。
なんとかしなきゃ。
勉強にはろくに使われないアタシの脳が、久々にフル回転する。
ヨリコを安心させる言葉よ、出でよ!!

「じゃあ、じゃあさ、ヨリコが勉強教えてよ!アタシ頑張る!」
「・・・ホント?」
「・・・はっ」

ゴトッ、と音を立てて、
アタシの手からついに缶ジュースが滑り落ち、
床に転がる。
アタシの意識も一緒に転がって、
どこかへ行ってしまったような気がした。

勉強なんてイヤだよおぉーーー!!

521名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 14:01:04 ID:P5JYcdZ60
何気にリリカメインもこのスレ初かな?
超がんがって!

522アルカナ桜3:2007/01/20(土) 14:11:49 ID:FPCy.9tw0
連投すみません。
>>515 2>>520

さて、そういうワケで。
早速勉強を習うべく、ヨリコの家に来たんだけども・・・

「ねぇヨリコ」
「うん」
「まず、勉強ってのは何をする事なのかを教えて♪」
「リリカ・・・orz」

とりあえず、教科書はどれも暇潰しにやった落書きだらけで、
このアタシが一瞬ヨリコに見せるのをためらった程。
ステキなお顔になった歴史上の偉人が並ぶ教科書を眺めて、
ヨリコは垂れ気味の眉にしわを寄せた。

「・・・こ、これは・・・リリカ、学校に何しに来てたの?」
「んー?みんなと喋ったりすんのは楽しいじゃん」
「・・・orz」

ヨリコは、もはや教科書と呼べそうにないアタシの教科書や、
新品同様の綺麗なノートを前に頭を抱える。

「ちょっと、私の力だけじゃどうにもならないかも・・・」
「え〜、アタシを見捨てるのヨリコ?ひっどーい」
「頼子、こいつの父親もそうだった。この一族は頭が悪いのだ。
 見捨てろ見捨てろ」

可愛らしいネコの皮を被った某魔王が横槍を入れた。
コイツ・・・またパパの悪口言って。
後で口一杯にタマネギ詰め込んでやる。

「わ、私は見捨てたりしないからねリリカ!
 ・・・とは言え、他の人の力も借りないと厳しいかもね・・・」
「うぇ〜、めんどくさいよー。
 もーこうなったらまたパパの魔力でちょいちょいっと・・・」
「罪穢有らむをば、祓へ給ひ、清め給へ!!!」

ガシャーン、シュパパパパ、ココココン!!!

聞き覚えのある声と共に、どこからともなく飛んできた
無数の独楽がヨリコの部屋の窓ガラスをぶち抜き、
続いてアタシのこめかみを寸分の狂いも無く撃ち抜いた。

「あたたたたッ!!何、何!?」
「リリカさん、ズルはいけませんよ、ズルは」
「舞織さん!?どこから入ってきたの!?ここ2階だよ!?」
「そこの割れた窓は気にしなくていいの、ヨリコ?」
「まあ、そんな野暮な事はこの際置いておきましょう。
 リリカさんが勉強する事にしたと聞いたので、
 どうせお困りだろうと思って出張してみたんですよ」

机に広げられた日本史の教科書をパラパラとめくりながら、
マオリはクスクスと苦笑いする。
彼女が開いたページでは、偉い将軍がバカ殿化していた。
我ながら絵は上手いと思う。反省はしているが後悔はしていない。

523506:2007/01/20(土) 15:07:17 ID:vrKv0PAQO
>>519
ナカーマww
俺文系だけど、なんかもう
今帰っても結果はかわらなそうだ……

俺もリリカも同じって事だな……

524名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 15:21:51 ID:5ePUEb6Y0
>どうして、一番良かった社会の点数は聞いてくれないんだろう。
>アタシは悲しくなった。まあそれでも39点だけど。
>我ながら絵は上手いと思う。反省はしているが後悔はしていない。

ヤバイもう本当腹痛いwww
面白すぎるwGJwww

52513人目の乙女:2007/01/20(土) 15:41:59 ID:MvagTAd60
最近学校が騒がしい、恐らくあの城の所為だろう
変な能力を持った奴まで出だしたしいい加減腹が立つ
別に関東が崩壊しようが関係無いのに偽善面した奴等ばかりだ。

ある日、私にもその「変な能力」が宿っている事に気付いた
しかも他人の能力をコピー出来るみたいだ、これは面白い
取り合えず手当たり次第、且つばれない様に頂いてきた・・・狩りの時間だ。

VS メガネ
大人しそうに見えるが儀式で力を手に入れたらしい、鳴かねば討たれずに済んだものを・・・
まず得意の不意打ちでメガネに毒をかけてやった、同時にネコには時間を封印
元々ひ弱そうなので苦しそうだ、しかしこれでは面白くないネコ時間を解除
同時にネコが杖に変わり吠え初めた所で又時間を封印。
ざまあないな、ネコのままだと傍に置いておけるが流石にその姿では物置行きだろう
メガネも後1週間程苦しみ開放された時には関東は崩壊だ、精々絶望しとけ。

さて、次は誰を狩ろうかな・・・・・

526名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 15:57:28 ID:FLQ2yPp.0
>>508-511 >>514
本当にここは神ばかりの良スレですね

527法学部志願者:2007/01/20(土) 20:13:55 ID:3QFnoYas0
>>523>>519
私立大・・・いきますかね・・・涙

528名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 20:15:52 ID:3QFnoYas0
今のこては意味ありません

529名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 20:19:25 ID:3QFnoYas0
どこの大学行こうと学ぶことはおなじだしなー・・・

530名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 20:44:57 ID:P5JYcdZ60
このスレ結構受験生多かったのねw

531名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 21:11:05 ID:wlzOaSKIO
結構いるもんだなーw
国立は厳しい悪寒…とりあえずセンター終わったらまた何かキモい短編書きますね

532名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 22:03:06 ID:U96LIUI.O
冴姫には一週間に一度、とてつもなく学校に行きたくなくなる日がある。
「……駄目だわ……」
それは、学校で美術の授業がある日だ。
普段から他人に弱味や無様な様子をみせないよう完璧に立ち振る舞う冴姫にとって、自分の苦手なことをさらけ出すのは苦痛にしかならなかった。
「やっほー、冴姫ちゃん順調に描けてるー?」
描けてるわけがない。
はぁとは私の絵の下手さを知っているが、あまり気にせずにずけずけと物を言うので、正直少し辛い。
「……駄目ね。私、才能ないから」
私の絵を見れば幼稚園児の絵も上手く見えるほどだ。
「えー? いいと思うよー? これは大きくジャンプしてる子供の絵でしょ? スピード感が良く出てるもん!」
「…………それは大の字になって寝転がる子供の絵よ」
「…………」
「…………」
「そういえば描くって字と猫って字似てるよねぇ……にゃーにゃー」
話題を逸らしてくれるのはいいけど、あまり意味はなかった。
「いいの。気を使わなくても……。この間も、海を泳ぐ人達の絵を描いたら、リリカに「飛魚?」とか言われたし……。野球してる子供たちの絵を描いたら、クリケットしてる子供たちに間違えられたし」
「と、とりあえず最後のは結構ちゃんと描けてると思うよ……?」
はぁと、あなたは気付いてないかもしれないけど、それは最後の以外はちゃんと描けてないと言う意味よ。
「あら、もう描けたの?」
「っ……!」
教師が近付いてきたので、私は慌てて紙を破って捨てた。
「すいません……まだかかりそうです……」
「そう、頑張ってね」
「…………冴姫ちゃん、ちゃんと先生のアドバイス、聞いた方がいいと思うな……」
「……嫌よ。私は、無様なところは見せたくないの」
「冴姫ちゃん……」

続く

53315禁くらいかな?:2007/01/20(土) 23:51:00 ID:217tRHhgO
冴姫「はぁと、オイシそう♪」
はぁと「やだ、冴姫ちゃん。」
冴「可愛い☆」
は「冴姫ちゃん…、あんまりジロジロ見たら恥ずかしいよ〜(照)」
冴「恥ずかしがらなくても良いじゃない◎あら?はぁとのここ、こんなになっちゃってる♪」
は「冴姫ちゃんのだってこんなにグチャグチャだよ♪」
冴「やだ!見たらダメよ!」
は「冴姫ちゃんのもオイシいよ♪」
冴「はぁと…、私我慢できない…。」
は「冴姫ちゃん…」
舞織「二人共何してるんですか?」
は「あ、まおりん◎」
冴「ケーキ作ってたのよ♪あぁ!早く食べたい!」
は「冴姫ちゃんの作ったクリーム美味しいんだよ♪」
冴「はぁとの作ったスポンジケーキも美味しそうでしょ?ここだけ焦げちゃってるけど(笑)」
舞「はぁ、そーですか(苦笑)」
チャンチャン♪
短編物書いてみました。騙された人いるかな?笑

534名無しのアルカナ使い:2007/01/20(土) 23:54:47 ID:rpuSfpj2O
>>533
見事にだまされたww

535名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 00:01:12 ID:x0o5fOoAO
つーか明らかに意図的な件w

536名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 00:05:11 ID:gGtBiYqE0
Nice!

537名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 00:44:08 ID:Zh6fwUo2O
>>私我慢できない…。

まで読んだ。

538名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 00:47:14 ID:B.EfAU6kO
最後まで読んで!��( ̄口 ̄)

539名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 01:37:03 ID:5eT.OD4E0
かなり遅レスですが、「駆け抜ける時」泣けました。
いい作品をありがとうございました。

540名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 02:19:45 ID:C/zb5aMU0
>>510
イチャイチャ期待してます

541名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 03:54:09 ID:B.EfAU6kO
>>539さんも感想いただきありがとうございますm(_ _)m
ついでに言わせてもらえると、「駆け抜ける時」は前々から構想があり書いてみたかったものです。皆さんに気に入っていただけてとても嬉しく思っています(;_;)
無駄レス失礼しました(^_^;)

542名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 12:41:11 ID:S2qdXGoU0
もうみんなGJ

543名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 20:22:15 ID:e/pYjQ2w0
クオリティ高すぎて投稿には腰が引ける・・

544名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 21:14:01 ID:B.EfAU6kO
>>543
気にせず投稿しましょう!楽しみにしてます(^-^)/

545名無しのアルカナ使い:2007/01/21(日) 21:56:57 ID:f02KzQM60
宣伝
都立御苑女学園スレを再スタートさせてみました!

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/33739/1167122871/l50

気が向いたらで良いのでここの職人さん達も参加よろしくお願いします!!

54613人目の乙女:2007/01/22(月) 00:47:20 ID:mVRLMxYc0
VS ゴスロリ

さてと、今日はあの餓鬼でも狩るか。
向こうから餓鬼が歩いてくる、すれ違いざまに闇アルカナで奇襲したが
避けられた様だ、流石プロの殺し屋・・・そこら辺の厨房とは違うか。
しかし無表情也に面食らった様だ、自分と同じアルカナが敵とは想像してなかっただろう?
コイツの次の行動はリサーチ済みだ・・・ほらね、やっぱりあの不気味な人形を出しやがった。
人形とは別に餓鬼が来るが所詮は幼女だ力では負けない、そろそろ潰すか。
餓鬼が人形を呼んでる様だが気付くのが遅すぎたな、この辺り一帯には種を仕込んである
今頃人形はバラバラだ、隙を突いて愛アルカナで餓鬼の心を愛で満たしてやる。
罪悪感が生まれたのか泣き始めた、今まで何人殺したか知らないが後悔のまま生きるがいい。

何でも見通してる様な目が気に入らなかったがその泣き顔は極上だ、愉快でたまらない。
さて、次の獲物はどいつにしようか。

547アルカナ桜4:2007/01/22(月) 01:20:22 ID:2JqyetAc0
遅くなりましたが、GJくれた人ありがとうです
&受験生の皆さんセンターお疲れ様でした、超がんがれ

>>515 2>>520 3>>522

「私は日本史なら教えられるかと思ったんですが・・・
 これはひどいですね。もうダメかも知れません」
「ちょっ、マオリ!助けに来といてイキナリ死刑宣告!?」
「いえいえ、見捨てるつもりなんて全然ないんですよ。
 そこで、これです」

マオリは何やら、広い袖の中をゴソゴソと探っている。
どうでもいいけどマオリ、洋服持ってないのかなぁ?
せめて、外を出歩くなら制服を着ればいいのに。
そんな事を考えていたら、マオリはアタシの手を取って、
紫色の小さな袋をポンとその手に乗せた。

「これをお使いくださいな」
「?」
「春日神社一番の人気商品、学業成就のお守りです!
 これさえあれば、どんな難関校も一発合格!
 今なら受験キャンペーンで、お一つ450円の大特価ですよ!」
「・・・」

マオリの笑顔は、普段学校で見せている柔和な物ではなく、
怪しい心霊商品を売りつける悪徳業者のそれに酷似していた。
魔族であるアタシに神社のお守りが効かない事は、解ってるはずなのに。
っていうかタダでくれんのかい。

―なんか、苦労してんのかな・・・
親いないみたいだし。

「あの・・・ウチでセールスされると困るんだけど・・・」
「困っても大丈夫。困った時の神頼みって言いますもの。
 神様は、願う人は必ずお助けになります!さあ!」
「いや、あの、マオリ・・・ほら、アタシ悪魔だし・・・
 多分意味ないと思うから、遠慮していいかな?」
「いーえっ!効きます効くんです!だからさあ、450円をっ!」
「ちょっとマオリ、勝手に財布からお金抜き取らないでよ!
 ああっ、いらないってば!お守り入れなくていいからッ!」
「ふっ、二人とも、私の部屋で暴れないで〜っ!」

いるのいらんのと揉み合う内に、手が滑った。
怪しいお守りは、部屋の端で猫をかぶっていたミケの頭上へ・・・
スコーン。ナイスヒット。
と、今まで沈黙を保っていたミケが、突如奇声を上げる。

「ぐっ、ぅぐああアァ!!とっ、溶ける!体が!アアァア!!」

「えええぇ!?ミケ、ミケ!?」
「ちょっと、アンタ仮にも魔王でしょ!?
 お守りごときでダメージ受けてんじゃないわよ!!」
「ねっ、猫が喋った!?」
「は、早くこの袋をどけろ!!我輩はまd・・・ギニャー!!」
「あああっ、ミケー!お願いだから暴れないでえぇ!!」

お守りの紐がシッポに絡み付いて取れないらしく、
いくら逃げても追ってくるお守りに本気で恐怖しているようだ。
狂ったように部屋中を走り回り、破壊の限りを尽くすミケ。
それを追いかけて、椅子だのベッドだのにつまづいては転び、
ミケと一緒にますます部屋を散らかすヨリコ。
アタシはもう、どうしていいか解らなくなった。

「な、なんだかお忙しいようですね。では私はこれで・・・」
「この事態を収拾してから帰りなさいよこの詐欺巫女!!」

548有問題!?:2007/01/22(月) 04:03:17 ID:5gmmLDFwO
はぁとと冴姫は自他共に認める大親友だ。二人はとても仲が良く幼少期にはよく遊び、今現在もまるで姉妹のように一緒にいた。(さしずめ、冴姫がお姉さんではぁとが妹だろう。)そして男子禁制女の園である女子校に通っていたら、姉妹を通り越し恋愛感情が生まれてもおかしくないだろぅ。
先日ミルドレッドが起こした事件の最中、冴姫を追いかけはぁとは空中浮遊する城に向かった。なぜこんなにも必死で彼女を追いかけるのだろう?助けに行くのだろう?親友だから?それもある。だが違う。彼女の事を愛しているからだ。はぁとは冴姫を助けに行く途中その事に気付いてしまったのだ。
事件後日、はぁとは冴姫の事を考えると胸が苦しかった。どーすればこの苦しみから解放されるのか?答えは分かっている。しかし彼女の長所であり欠点でもある率直過ぎる行動力は、相手の気持ちを考えずに事を起こしてしまった。
「冴姫ちゃん…、お腹痛い…。」
「大丈夫?保健室行く?」
冴姫は大親友の言葉を素直に受け止めはぁとを心配している。
「うん…。連れて行ってくれる?」
「当たり前でしょ?ほら、肩貸してあげるから。」
冴姫が肩を貸す事で二人の体が密着する。まだ幼さを残した冴姫の胸がはぁとに少し触れる。早くなる鼓動を悟られぬよう細心の注意を払い保健室までの道のりに幸せを感じていた。
「先生、失礼します。…先生?いないみたいね…。」
当たり前である。事前に先生がいない事を確認した上で、はぁとは保健室に来るように仕向けたのである。
「勝手に入っても大丈夫よね。はぁとベッドに横になったら?」
「うん…、そーするね。」
「今先生呼んで来るから、ちょっと待っててね?」
そう言い残し冴姫は保健室をあとにしようとした。それを聞いて慌ててはぁとが手を掴む。
「冴姫ちゃん、ここにいて。一人だと心細いよ…。」
目を潤ませ懇願する親友を放っておく事など出来るはずない。はぁとを心配しつつ冴姫はその場に残った。
「…先生遅いわね。」
それも当然である。先生がここを離れ、少なくともあと4時間は戻らない事も調べてあるのだから。この二人きりの空間にはぁとは満足していた。…が、今日の目的はまだまだ達成されていない。ついにはぁとが動き始めた。
「冴姫ちゃん、お腹痛いよ…。」
「大丈夫?やっぱり先生呼んで来ようか?」
「ううん。それよりお腹さすって欲しい。」


エロです。問題有ったら言って下さい(^_^;)

549497:2007/01/22(月) 04:07:25 ID:xZS.n3sg0
GJ貰えた嬉しさを糧に続き書いてみました。駄文ですが読んで頂けると幸いです。
-悔恨-
「また、手掛かりは無し…か。」
力ない声が口から零れる。こんな下等な魔族をいくら狩っても『アイツ』には辿り着けない。やはり…
「また先を越されてしまったな、これで何度目だ?安栖」
「!!」
「ミケランジェロの力、完璧に使いこなしているな。」
油断してたとはいえ、今の自分に気配も感じさせず背後に立てる人物、数えるほどしかいない。永劫の刻を生き、魔を裂き、邪を突く一振りの太刀、『千年守』朱鷺宮神依。関東崩壊の危機を救ったのも彼女の活躍である。
「…6回目です。朱鷺宮先輩。何の用ですか?見ての通り片付いてますが?」
武装を解かず相対する。予想外だが向こうから来てくれた、なら、
「けど、ちょうど良かったです。聞きたい事が、」
「件の魔族の現れるであろう日時、場所が予知された。」
「あっ…え…?」
完全に予想外だった、間の抜けた声が漏れる。聖霊庁と繋がりのある先輩ならと思っていたけど、
「いいんですか?その情報は聖霊庁の機密ですよね?部外者に流したりしても平気なんですか?」
意図が読み切れないせいで素直には受け取れない。そんな頼子の考えを見通しているかのように朱鷺宮は続ける。
「これは聖霊庁の決定だ。お前の様に強大な力を持つ者が好き勝手に暴れる事によってこの一帯の平衡を乱す。これ以上歪みが酷くなる前に全てに片を付けてほしい。」
理解した、なんの事は無い、つまりは
「厄介者は共倒れになればいい。ってことですか。」
そういう事なんだ。
鞘の無い剣は無関係の者を傷つける。何かに突き立てて置けば安心だ。
頼子の言葉を受けても顔色一つ変えずに神依は日時、場所を告げる。ちょうど一週間後、日曜、深夜2時、場所は―
「…ありがとうございました。失礼します。」
丁寧に頭を下げ踵を返す。
「安栖」
その背中に再び声が掛かる。
「まだ何か?」
今度は振り返らず応える。
「私は悔いている、ミケランジェロを止められなかった事、『ヤツ』を仕留められなかった事、お前に『王の騎士』の話をした事…」
「先輩、私いつも夢に見るんです。あの夜の事」
自然と胸元に光る目を握り締める。その冷たさはミケがもういないという現実そのものであった。
「断ち切りたいんです。全て。この手で。」
-続く-

550497:2007/01/22(月) 04:20:33 ID:xZS.n3sg0
なんか話だけで終わっちゃいましたが、次は事の発端を書きます。神依先輩大活躍です。

551名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 04:23:07 ID:5gmmLDFwO
>>549
GJ&続き気になる!他の人の作品読むのって楽しいし勉強になりますね。自分精進します(^_^;)

552名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 12:41:37 ID:HaGxj0EM0
ミルドレッド×冴姫で調教凌辱SS書いた。
が、投下できる状態に無いので金曜までにはエロパロ板の方に投下する。
コテ付けるとまたなんかいろいろ言われそうだけど、寛容できる人だけ見てくだちい。

>>508-510
おお。神再臨。
ファンだったからまた読めて嬉しいよ♪
で、やっぱり気になるのは二人称。
はぁと視点で進んでて、はぁとが「さーたん」って呼んでるのに、
セリフ以外の場所では“冴姫ちゃん”になってるところ。
二人の仲を考慮すれば、やっぱり“さーたん”で統一したほうが良いかと。
とりあえずグッジョブ。続き期待してます。

>>548
pinkちゃんねる:アルカナハートでエロパロ
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167408619/
一応成人指定板にスレあるからこっちの方がいいかと。
一応ここ全年齢板だし。
投下後こっちにURLだけ貼って、見たい人だけ誘導すればいいんじゃない?

553名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 15:43:54 ID:I2KkSROg0
質問なんですが、何文字くらいまで書き込めるんでしょうか?わからなくて短めにしか投稿出来ないんです。

554名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 15:55:10 ID:5gmmLDFwO
>>552
わざわざサンクスです(^_^;)
ここで18禁はさすがにマズいですね。構想なり考え直してみますね。

555名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 15:58:12 ID:5gmmLDFwO
>>553
自分が書いたやつですが>>492でギリギリピッタリでした。参考になれば幸いです(^_^;)

556名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 16:07:37 ID:GpQUNR4E0
>>554
ここからなら微エロで止まれる!続き考え直して頑張ってくれw
期待してる!

557553:2007/01/22(月) 16:19:41 ID:I2KkSROg0
>>555
大体1000文字を目安にすればいいみたいですね。ありがとうございました。

558アルカナ桜5:2007/01/22(月) 16:24:12 ID:2JqyetAc0
すでにグダグダになってきてますが、一応全員出せるまで書きます・・・
>>515 2>>520 3>>522 4>>547



「さて・・・ヨリコの家は廃墟になっちゃったし、どうしよっか?」
「うう・・・なんで私だけいつもこんな目に・・・」
「文句を言いたいのは我輩の方だ!!
 あんな物騒な物を投げつけおって・・・危うく死ぬところだ」

各々ぶつぶつと文句を言いながら、アタシに勉強を教えてくれる
天使を探して、アタシたちはアテも無く空を飛んでいた。
ヨリコがミケに出会うまでは、一緒に飛んで遊びに行けなくて
不便だなあと思ってたので、これだけはミケに感謝している。

「大体、アタシに勉強教えれる人なんているのかなぁー?
 自慢じゃないけどアタシ、得意な科目なんか一つもないよ?」
「貴様に何か教えられる人間がいたとしたら、もはや神だな」
「うるさいよミケ」
「ま、まあまあ・・・」

「それなら神依さまにお願いすればようござる!」

唐突にあさっての方角から飛んできた声に、驚いて視線を向ける


そこに居たのは、世にも不思議な、風呂敷で空を飛ぶ、犬・・・

「ギャアアアア!!化け犬!!!」
「失敬な!このはは化け物ではござらん!!」

よく見れば、飛んでいたのは単なる犬ではなく、
中途半端に忍者の格好をした、果てしなく奇妙な犬だった。
本来ならこっちの方がただの犬が飛んでるよりおかしいのだが、
このブルマ犬を見慣れてしまっている自分がちょっと怖い。
まあアタシ自身も悪魔だし、別にいっか。

「このはさん・・・そ、それもお散歩になるのかな?」
「さよう、空のお散歩も楽しいでござる♪
 ときにリリカどの、何かお困りなのでござろう?
 されば神依さまを頼られれば・・・確か、困った時には助けると
 神依さまは約束なさったはずでござる」
「ああ、そーいやそんな事言われてた気もするね。
 でも、何でアンタがそれ知ってんの?」
「このはは神依さまの事なら何でも知っておりまする!」

エッヘンと胸を張る犬。ハイハイ、さいですか。
でも、大丈夫なんだろうか?
風呂敷で空を飛んでいるその体勢で、そんなに胸を張ったら・・・

「キャウーーーーン!!!!落ちるううぅううぅぅぅ!」
「あーもう、世話焼けるんだから!!」

アタシは毒づきながらも、犬を拾うべく空を駆けるのだった。




「いやはや、済まなかった。このはが迷惑をかけたな」
「かたじけない・・・クゥーン」

できれば来たくはなかった。
でも結局、落下中に気絶してしまった犬を拾って、主人である
彼女の元に届けなくてはならなくなり、アタシは今ここにいる。
アタシが一番苦手としている彼女は、すっかりしょげきった
犬を膝に乗せて優しく撫でながら、アタシたちに対峙していた。

「いえ、私たちは何も・・・むしろ、このはさんのおかげで
 朱鷺宮先輩に頼るって方法思いついたんだし、感謝してます」
「アタシは別に頼んなくていいんだけどぉー」

なるだけこの黒髪の剣士と目を合わさないように、ぼやく。
パパからこの人には近寄るなって言われてるしなー。
そうでなくても、カタくて何となく苦手なんだもん。
この人から何か習うなんて・・・無理、ぜったい無理。

「そう邪険にするな、フェルフネロフの娘。これも何かの縁。
 ・・・それで、今日は何用だ?」
「リリカに、勉強を教えてあげて欲しいんです・・・
 朱鷺宮先輩なら、リリカを見捨てたりしないかなって」
「ふむ」

剣士さんに背を向けるアタシの代わりに、ヨリコが説明する。

「私に出来る事なら協力するが・・・何をすれば?」
「あっ、ありがとうございます!じゃあとりあえず・・・」
「神依さまは古文と漢文以外はサッパリでござるよ♪」
「・・・このはよ、確かにそれは相違ない事ではあるが、
 少し言葉を選んではくれぬか・・・これでも気にしておるのだ」
「Σはっ、申し訳ございませぬ神依様〜!
 このはがもふもふ致しますゆえ、どうかお許しを!」

スリスリ

「やっ、やめろこのは!客人の前でそれは・・・!あぁっ・・・」

おろ、なんか真っ赤になって震えてるよ剣士さん・・・
さすが犬、剣士さんの弱点は全て把握してるって事ね。

559名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 16:50:41 ID:5gmmLDFwO
>>556
期待に応えるよう頑張りやす( ̄^ ̄ゞ

560名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 17:28:38 ID:hnof9Hi.O
普通にエロいのはここでもOKだと思うけど・・
凌辱は勘弁してもらいたいが

561有問題!?2:2007/01/22(月) 17:54:30 ID:5gmmLDFwO
>>548続き
何の疑いも持たずに冴姫ははぁとのお腹をさすった。はぁとの程良く弾力のあるお腹を冴姫の白魚のような指が触れる。
「どぅ?まだお腹痛い?」
「…服の上からじゃあ分からないよ。」
そー言ってはぁとは制服の裾をめくった。まだ誰にも汚される事を知らない白い柔肌が目の前に露わになる。冴姫は何の躊躇もなくその肌に手を添える。
「うん…、気持ち良い。けど、もうちょっと上かな?」
はぁとの鼓動が大きく鳴った。冴姫は言われるがままに手をスライドさせる。
「もう少し…、上…。」
はぁとはなおも誘導する。心臓が一段と速さを増した。冴姫に自分の心臓の音を気付かれないか、期待と不安が入り混じり妙な気分をさらに盛り立てた。
「はぁと、これ以上は…。」
「冴姫ちゃん…、もう少しだけ上に…。」
冴姫の目から見てもはぁとの異常は明らかだった。目はさらに潤みを増し吐息に艶がある。…可愛い。冴姫はベッドに横たわり女の色気を出す親友を見てそー思った。冴姫は促されもせずにはぁとの乳房に手を這わせた。
「…んっ!」
急な快楽にはぁとは心地良い反応を示す。それを見た冴姫はさらに執拗に攻め立てた。
「あっ、やだ。…冴姫ちゃん…。」
親友の悶える姿は冴姫をさらにヒートアップさせるための媚薬に過ぎなかった。
「はぁと…。」
いきなり顔を近づける冴姫に少し驚いたが、促されるままにキスを交わす。
「ふっ、んっ、…んー!」
冴姫の指技と舌技は、はぁとを登りつめさせるのに時間を要さなかった。
「はぁと…、満足した?」
息を切らし目をトロンとさせ、体中から牝の芳香を出しながらもはぁとは首を横に振った。
「…今日誰も家に居ないんだけど、うちに泊まりに来る?」
頭がまだボーッとしているのだろう。明後日の方を見ながらはぁとは首を縦に振った。二人の夜はこれからなのだ…。
~完~


こんな感じで終了です。これ以上はさすがに…。後は皆様の御想像にお任せと言う事で(^_^;)

562名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 18:36:03 ID:HaGxj0EM0
>>561
うは、テラGJw
今度エロパロのほうにでもガチエロ投下してよ。
俺も投下するし。
あっちもこっちも盛り上げようぜ。

563名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 18:36:09 ID:/5bP5g7YO
少年誌の限界までのエロスなら。レベルでいうと週間チャンピオンくらいまで?

564名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 19:29:29 ID:5gmmLDFwO
>>562
了解(笑)けどどこにあるか知らんとです↓今度教えて下さい(^_^;)

565名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 20:33:54 ID:GJBsSf3g0
エロパロ板・・・
絶対よみたくない・・・
アクセスせんでいよ・・・・。

566時が流した涙:2007/01/22(月) 20:35:24 ID:5gmmLDFwO
「駆け抜ける時」の神依バージョンです。結末が分かっててつまらないかもしれませんが読んでくれると嬉しいです(^_^;)セリフにも若干の相違があるかもしれませんがご了承下さい。

「ふぅ…。」
今回の仕事も終わった。あとはまた長い眠りにつくだけだ。ある暑い夏の夜だった。とある池のある公園で最後の時空の歪みを修正していた。静かな夜だった。人知れず戦い、人知れず眠りにつく。同じ事を幾千年繰り返しただろう…。ふと人の気配を感じる。新手か?いや、全く気配を隠そうとしないところからすると素人か。その者は近くに寄ってきた。
「何か用か?」
「あ、え〜と、何してるのかな〜と思って…。」
ひどく驚いたらしく声が裏返っていた。
「話しても分からんだろうが、時空の歪みを修正している。」
本当に分からなかったらしい。当然の事だ。…しばらくこちらを見ている。何なのだコイツは?
もう歪みも収まったか。
「ここはもう大丈夫のようだな。」
そう言って私はその場をあとにした。呆けているその男はまだ私を見ていた。その時私は、その男を気にもとめなかった。

567薫とリーゼの続きです:2007/01/22(月) 20:36:19 ID:dm9w4bbIO
「ここに…住みたい」
夕方、紅茶の入ったカップを置いてリーゼはいきなり突拍子もない事を言い出した。
「むぐっ!!」
あまりの爆弾発言にケーキを喉に詰まらせそうになりながら、薫は飲み物を飲んでひとまず落ち着いた。
「……今なんて……」
「ここに住みたいって言ったの」
そう言いながらリーゼはケーキをまた口を入れた。
むう…エラい事になった気がする。
いつから俺の日常はいい意味で狂い始めたんだ?
いやそれは言うまでもないか。
だが、薫にとっては減るものではなかった。
『家族が増える』という見かたをすれば、大歓迎だった。
薫は少し考えて、
「いいよ。これからもよろしく。リーゼ」
リーゼはこくと頷いた。
その顔が、少し笑ったように薫には見えた。



夜、リーゼと居間でくつろいでいると、窓からカリカリと音がする。
「お、来たようだな」
窓を開けると、猫が入ってきた。
猫はにゃあとひと鳴きすると、あぐらをかく薫の上に乗る。
「おーよしよし、リーゼ…ってあれ?」
薫が見るとリーゼは猫から離れるように後ろに下がる。
「どうした?」
「……猫は苦手なの」
だが甘くない。
猫はリーゼにゆっくりと近付いていく。
リーゼはぺたんと床に座り込む。
「……っ」
リーゼは無表情だが、怯えている。
だが猫は近付いてリーゼの膝にゆっくりと体をおろした。
「喉をなでてやりな、喜ぶから」
薫の言われた通り、リーゼは恐る恐る猫の喉をさわさわと撫でた。
すると猫はゴロゴロと喉をならし、仰向けになった。
「なっ、平気だろ?」
リーゼはまだ慣れてはいないものの、猫を膝に乗せたままの姿勢でいた。

なんかすごい展開になりましたが投稿します。

568名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 22:07:37 ID:GJBsSf3g0
アルカナ桜を読んだ感想
・・・国立大へ行くという初心にもどって浪人しよ・・

569名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 22:50:27 ID:A88lEcnwO
この時期にこんなところ来てるようじゃ浪人中もゲーセン行ったりネットして無為に過ごすだけだから止めとけ。
現役時と大して偏差値変わらなかった俺がマジレスしてんだ、真摯に受け止めて欲しい。マジで

570名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 23:08:00 ID:eTywIqpEO
ぶっちゃけ浪人ってニートだからなぁ。
俺も志望校に向けてもう一踏ん張りするか…。

571名無しのアルカナ使い:2007/01/22(月) 23:42:08 ID:z.2u/N3wO
なんかやたら切実で重いな

572時が流した涙2:2007/01/23(火) 00:11:59 ID:a9P5P73QO
>>566続き
時空の歪みを修正し終えてから3日が過ぎた。念のためにもう一度確認するためにあの公園に向かった。すると、あの男が立っていた。
「今夜も会えなかった…か。」
今夜も?この男はあれから毎晩ここに来ていたのか?
「誰に会えなかったのだ?」
振り返った男は驚きの顔をしながら、
「こ、今晩は…。」
と言った。なぜこの男は毎晩ここに来ていたのだろう。まさか…、
「まさか私に会いに来たなどとほざくのではなかろうな?」
男を威嚇するために私は彼を睨んだ。だいたいの相手ならこれで怯むはずだ。
「君に会いに来たんだよ!悪いか!?」
彼の大声にも驚いたが、何より予想外の反論を受けたじろいでしまった。
「…プッ、まさかこんなに威勢よく返事するとは思わなかったぞ。」
思わず笑ってしまった。笑ったのなぞ何年ぶりだろぅ。彼は赤面しながらも私の名前を聞いてきた。
「あのさ、名前教えてくれないかな?俺は須賀 健太郎っていうんだ。」
「そちらが名乗ったのに私が名乗らないのは礼に欠けるな。私は朱鷺宮 神依だ。」
「神依?なんか格好良い名前だね。似合ってるよ!」
誉められて悪い気はしない。彼の世辞に少しだけ笑みを見せる。
「俺明日も同じ時間にここに来るから!また会おうな!それじゃあおやすみ!」
「あっ、ちょっと待て!…」
彼は私の止める声も耳に入らない様子で、その一方的な約束を押し付け行ってしまった。そーいえば、最後に人と笑って話し合ったのは何年前だったのだろう…?

573名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 00:29:50 ID:kwF8gOp.0
>>569
その点の心配なら無用。
財布をもたないで寮のある予備校に行けば
いやでもゲームできなくなるから。

574鈴の音と共に:2007/01/23(火) 00:51:41 ID:7NvicUlUO
なんか、ふとおもいついたんで書いてみました。カムイの過去の話です。

あの事件から二週間、それなりに親睦を深めた私たちは時折お茶会をするようになっていた。初めはあまり乗る気ではなかったが、このはがケーキ、私が紅茶を気に入ってからはすっかり常連になってしまっている。
「先輩はどうなんですか?」
さっきまで何やら盛り上がっていた愛乃達が急にこちらに話をふってきた。
「ん?すまない聞いていなかった。」
「もう、ずっと紅茶ばっかり飲んでるんですから。」
「初恋の話ですよ。神依様」
冴姫が不満を言う中舞織がやんわりと教えてくる。なるほど、やはり年ごろなだけにそういった話題は気になるのだろう。
「ってゆうかこの人そうゆうの無いんじゃないの?ずっと剣一筋って感じじゃん。」
「失敬な、私にとてそのくらいはあるぞ。リリカ・フェルフネロフ」
「本当ですか!先輩!!」
リリカのからかいにそう返すとはぁとが目を輝かせながら食い付いてきた。
「どんなのなのか聞かせてください!!」
「いや、あまり話すようなことでは・・・」
「神依様!拙者も聞きたいでござる!」
さっきまで一心不乱にケーキを食べていたこのはも目をきらきらさせながら会話にはいってきた。
「いや、しかし・・・」
「かむいさまぁ〜」きらきら・・・
「うっ、」
「せんぱ〜い」きらきら・・・
きらきらきらきら
「わ、分かった。分かったからその目はやめてくれ。」
よくみればこの二人ほどではないが他も興味津々といった感じである。私はため息をつくと軽く目を閉じる。
さて、どこから話そうか・・・そう考えながら私は無意識に髪飾りを鳴らしていた。


いきなり過去からだとわかりづらいと思ったんで導入を入れてみました。文章力と設定知識の無さには御了承ください。

575名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 01:23:24 ID:4abr.JcA0
>>574
期待してます

このスレの人GJ

576時が流した涙3:2007/01/23(火) 02:35:34 ID:a9P5P73QO
次の日、私は約束通りに公園に行くか悩んでいた。偶然とは言え、他人との関わりを持つ事は後々辛さを増やすだけだと私は知っていたからだ。彼にちゃんと話をしよう…。そう自分に言い訳をして約束の公園に、健太郎に会いに行った。

「相変わらず不思議な人だね。初めて見た時も急に消えたりしてた。」
人外の力を扱う私を、彼はいともたやすく受け入れた。
「まったく、人の事情も聞かずに勝手に約束しおって。もし私が来なかったらどーするつもりだったのだ?」
特別怒っていたワケではないが、なぜか私は彼に必要のない文句をぶつけてみた。
「そしたら一晩中ここにいたかもな〜。」
…半分呆れた。もう半分は率直な好意を嬉しく感じていた。私は彼の横に座りまた言ってやった。
「私が不思議なら君は変な奴だな。」
少しずつ心を開いている自分にまだ気付けなかった。
「朱鷺宮はこんなところで何してたの?」
「神依で良い。前にも言ったろ?時空の歪みを修正していたのだ。」
「時空の歪み?何だそれ?」
「健太郎に話しても理解できまい。」
他愛のない会話が楽しくて仕方なかった。話すうちに彼の優しさに触れている気になれた。人と関わりを持つ事がこれほど心に暖かみをもたらすとは。けれど…。
「また明日も会えるかな?」
「あぁ、もう仕事も終わってあとは寝るだけだからな…。」
妙な言い回しをしていた。彼に気付いて欲しかったのかも。
「そーだな、ちゃんと寝ろよ?それじゃあおやすみ。」
鈍感…。心の中で文句を言う。
「…健太郎!」
「どーしたんだよ?」
思わず引き止めてしまった。彼に話すか?私の全てを。彼なら全てを知ってなお私を受け入れてくれるかもしれない。
「いや…、何でもない。また明日会おう。」
やめよう…。話したところで何も解決しない。余計な悲しみを増やすだけだ。彼は不思議そうな顔をして行ってしまった。

577時が流した涙4:2007/01/23(火) 04:07:42 ID:a9P5P73QO
>>576続き。前々回>>572
健太郎は毎日のように公園に来た。深く関わらないように感情を出さないように振る舞ったが、健太郎との時間は楽しかった。
「明日近所で夏祭りがあるんだけど、一緒に行かないか?」
明日か…。明日にはもう眠りにつかなければ。少し考えたあとに
「祭りか。そーだな、良いかもしれん。」
もう少しだけ一緒にいたい。そんな考えが頭をよぎった。
「やった!神依の浴衣姿が見れる!」
「浴衣など着ていくなどと誰が言ったか!?」
急な言葉にびっくりした。
「え〜、着て来ないのかよ〜。」
妙にガッカリされてる。健太郎はそんなに見たいのだろうか?
「…着ていかないとも言ってない。」
小さくつぶやいた。

次の日例の公園で待ち合わせをした。浴衣を着るのは本当に久しぶりだ。物心ついた時から剣術に明け暮れていたのでこーゆー格好には慣れない。
「待たせたな?」
健太郎に声をかける。
「本当に着てきたんだ…、浴衣。」
「け、健太郎が着てこいと言うから!?…変か?」
内心不安で仕方なかった。もし似合わないとでも言われたら…。
「全然!すげ〜似合ってるよ!」
その言葉で思わず赤面したが、誉めてくれてとても嬉しかった。
健太郎と祭りで遊ぶのは楽しかったし、彼も楽しんでくれているようだ。ふと小さな鈴が私の目にとまる。
「アレが欲しいの?」
「え?いや、そんなつもりは…。」
「よし!オジサン、その鈴ちょーだい!」
予期せぬ贈り物に胸が高鳴る。
「ありがとう。」
素直にその一言が出た。少し休むために公園に戻った。健太郎は池の縁を危なげに歩いている。
「そんなところを歩いていると落ちるぞ?」
「大丈夫、大丈…、っと、と、と、うわぁ!」
やっぱり落ちたか。
「まったく、だから言ったんだ。」
彼の手を引きながら思った事をそのまま言った。
「やっぱり君は変な奴だな。」
なぜだろう?彼と一緒にいると自然と笑みがこぼれる。
「俺、神依の事好きだ!」
急な言葉を一瞬理解出来なかった。やっと理解した私は思わず彼を抱きしめたくなった。けれど…
「健太郎、私には何も期待するな…。」
私はそう言いざるをえなかった。強い風が吹く。まるで二人の仲を裂くかのように…。

578名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 05:16:57 ID:D3U1d1FA0
アルカナ桜の人です。
読んで頂いてる方々、ありがとうございます。
なんだか話題が思わぬ方向に流れていて、驚いています。
タイムリーなせいもあるんですかね。
リリカたちはまだ2年生なので、あまり緊張感ないですがw

>>568>>573
意志の強さ次第です。
環境に関わらず、命運を分けるのは本人のやる気だけです。
一人ぼっちに近い精神状態で勉強漬けの一年間に耐えられるか、
よく考えて下さい。
ただ、厳しいようですが、573で書かれているような考え方ならば、
>>569氏の言うように、浪人してもあまり意味がないように感じます。
寮に行っても遊ぶ人はとことん遊びますよw

ぶっちゃけ、どこの大学に入っても中でやる事は大して変わりません。
むしろ、国立大よりも私大の方が面白い授業してる事も多いです。
だから、やりたい事がちゃんと出来るのであれば、
滑り止めのつもりだった大学であってもいいんじゃないでしょうか?
大学を選ぶ時には、偏差値やネームバリューより内容で。

以上、長くなりましたが、
入学した後にいろいろ後悔した一大学生としての意見です。

>>570
受験生さんでしょうか。
今の時期が一番しんどいと思いますが、逆に言えばもう開き直っちゃっていい時期でもあります。
やれるだけやって、是非夢を叶えて下さい。
ありきたりな応援しか出来なくて申し訳ないですが・・・

579名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 09:29:14 ID:hSowqWUMO
おもろいとかおもんないじゃなくて、金の都合がね

580アルカナ桜6:2007/01/23(火) 15:21:07 ID:D3U1d1FA0
続きです。

>>515 2>>520 3>>522 4>>547 5>>558

やがて、剣士による古文の授業が始まる。
でも、そもそも喋ってる言葉自体が古文みたいなモンだから、
聞いてて非常に解りにくい・・・ていうかアタシ古文嫌いだし。
大あくびをして半分寝てるアタシの隣で、ヨリコは目を輝かせて
その授業を聞いている。
歴史が好きな子だから、剣士が言う事一つ一つが面白いらしい。

「じゃあ、この日記は史実とされてるけど違うんですか?」
「うむ。私は偶然見ていたのだが、奴は妻を殺してなどおらぬ」
「へぇ〜。さすが朱鷺宮先輩。―ちょっとリリカ、聞いてる?」
「・・・ほぁ?はひ、聞いてまふよ?」
「・・・人の話を聞きながら涎を垂らしている者を最後に見たのは、
 いつだったか・・・ああ、思い出した。あれはそなたの父だ」
「パパの悪口言わないでってば!もーっ」

ミケにしてもコイツにしても、みんなしてパパの事バカにして・・・
確かにママと一緒にいる時のパパを見てると、ちょっとだけ
バカかなぁなんて思っちゃうんだけど、他人にそれを言われるのは
何が何でも許せない。
よし、これ以上ココにはいたくないし、こうなったら。

「ねえトキノミヤ先輩、猫はお好き?」
「何だ突然。猫は可愛いではないか」
「じゃあホラ、これあげる♪」
「ふにゃっ」
「あっ、ミケ!?」

ポイッと、いつの間にかまた猫に擬態して部屋の端に隠れていた
ミケを引きずり出し、剣士の方に放り出してみる。
うーん、一応小さな動物だからいけるかなーと思ったけど、
これじゃあんまり投げやりすぎるかな?
しかも良く考えたらミケとこの剣士、知り合いみたいだし。
さすがに元のアレを知ってたら、さっきみたいに取り乱しは・・・

「・・・さ、触ってもいいのか?」

あら、効いてるみたい。
っていうか目がヤバい。
あれか、俗に言う変質者ってヤツ?あんな感じ。
・・・ミケ、ごめんね(えへっ☆

「なっ、何を言っておる朱鷺宮!?我輩を誰だと・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
「せ、先輩?なんかほっぺたが赤いですよ・・・?」
「落ち着け!貴様は我輩の本来の姿を知っておろうが!
 我輩は可愛くも何ともない!頑強で大きくて怖くて・・・!!」

ミケの悲痛な叫びも届かない。
鼻息も荒く、なんか手をワキワキさせながら、そろそろとミケに
近寄って行く剣士。
ジリジリと壁際に追い詰められていく、哀れな魔王。
2人の間合いは段々と狭まり、それでもまだ均衡を保っている。
しかし、剣士の背後からさらに身軽な影が飛び出し、
その均衡を一瞬で崩してしまった。

「もふもふでござる〜〜♪」

がばぁっ!

ブルマ犬が剣士の隣をすり抜け、ミケに飛びつく。

「2人だけで楽しむなんてズルイでござるよ!
 このはもネコさんと遊びとうござりまする!」
「ああっ、このは!主より先に楽しみに手を出すとは何事か!!」
「離さんかこの犬畜生が!あっ、そんな所を触るな・・・あぁんっ」
「ネコさんに畜生呼ばわりされる筋合いはないでござる〜。
 わふふふわふっ♪」
「敗北を許されぬこの身、従者に遅れを取ってはおられぬ・・・
 いざ、参る!!」
「ぐあああぁ!頼子オォ!見ておらんで助けんか!!」
「もう好きにして・・・」

ヨリコはぐったりとうなだれ、教科書を片付け始めた。
今日はもう、ココにお世話になるのは無理そうね。
作戦成功♪


>>579
浪人して予備校の寮に入ったら、国立大での学費と合わせると、
ちょっと安めの私大行くのとあまり変わらなくなっちゃいますよ^^;;
大学に行くのには奨学金もらえますが、予備校には奨学金は出ませんし。
あと、おもろくない大学に行くとガチで留年しますwww

何はともあれ、いま現役の受験生さんなら、どこに行くにせよ今が勝負です。
頑張ってください!
「ドラゴン桜」と違って受験に全然役に立たない話ですみませんw

581名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 18:14:12 ID:hSowqWUMO
いや、俺は受験生ではないのだが・・
関係ない話してすまんかった

582名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 18:44:25 ID:R6ZbTUYo0
>>564
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167408619/
ここ。エロパロ板。
とりあえず明後日あたりに冴姫の調教モノ投下するよ。

583名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 19:34:29 ID:kwF8gOp.0
>>580
おいおいリリちゃんたち、こんな調子で
ほんとに大丈夫なのかよ・・・汗

いろいろと助言ありがとうございます。


>>582
そんなサイトもあるんだ。
でも僕はアクセスしないよ。
だってまだ、18だから・・・

584名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 20:41:31 ID:xWVl6Yag0
くだらん。

不愉快だ。実に不愉快だ。



少女は、窓の外を眺めていた。
少女にとって、今の時間は何の意味も持たない、苦痛な時間だった。



なぜ私がこんな所にいなければならないのだ。

まったく、実に不愉快だ。





(………さん。大道寺さん)





と、その時。

少女の意識に、隣の席に座る少年の声が割り込んできた。



(先生、怒ってるよ)



「大道寺さん。じゃあ、この問題を解いてみてくれるかしら?」



そして、その少女−大道寺きら−はすぐに状況を理解した。
彼女があまりに授業に集中してなかったため、先生が彼女に問題を解くように言ったのだ。



「………くだらん」



きらは黒板の前に立つと、そこに書いてあった問題を一瞬にして解答の山に変えた。
博士号まで取得した彼女にとっては、小学校の問題など目をつぶっていてもできるようなもの。これには先生も押し黙るしかなかった。





あの事件から1ヶ月。

世界制服のために作り上げたスライムは明芳に没収されてしまい、仕方なく江古田の祖父母の家から都立御苑女学園小等部に通う毎日。
だが、聖霊物理学を駆使してスライムまで作り出せる彼女である。いまさら小等部の勉強などする気もないし、友達を作る気もなかった。

授業中も、休み時間も、給食の時間も、彼女はずっと窓の外を眺めていた。
自分が征服する世界を。自分に支配されるべき世界を。
そうやって時間をつぶすしかなかった。





「すごかったね、大道寺さん」





と、授業中と同じ方向から声がした。
見ると、隣の席の少年がきらに声をかけている。



「………貴様、私のことはきら様と呼べ。あの程度の問題、このきら様の脳細胞を使うまでもない」
「すごいなぁ、大道寺さん。僕ぜんぜんわからなかったよ」
「貴様のような凡人と一緒にするな。それと、私のことはきら様と………」
「大道寺さん、僕は貴様じゃなくて啓。鈴木啓だよ。隣の席なのに………」
「………よかろう、貴様の名前をこのきら様の脳に記憶させることを許してやろう。私が世界を征服したあかつきには………」
「大道寺さん、次は社会だけど宿題やってきた?」
「………宿題だと?」
「うん、教科書の30ページから35ページまで」
「教科書など持っておらん。そもそもこのきら様に小等部の勉強など………」
「まずいよ、あの先生今日機嫌が悪いんだ。僕もまだだから、一緒にやろうよ」


………気がつくと、きらは啓のペースに飲まれていた。
そして、そのまま彼と一緒に社会の宿題をやるハメになっていた。



「………ありがとう大道寺さん、なんとかなったよ」
「当然だ。このきら様に無駄な労働をさせたんだ、それなりの覚悟はできているんだろうな?」
「え?覚悟?」
「貴様!!きら様の頭脳をただで使えると思っていたのか!?」
「あ、宿題手伝ってもらったんだからお礼はしなきゃね。じゃあ………」

啓は少しの間考えて、視線をそらす。
そして。



「じゃあ、もんじゃ焼きご馳走するよ」









きら様のストーリーです。
あまり人気のないキャラっぽいので書くのをためらっていましたが、勇気を出して載せてみました。

続きはまた今度。

585名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 20:58:31 ID:CGES2HTU0
人気はあるよ!でもSSにするには扱いづらい&からませづらいんだよ!
というわけでGJ!

586名無しのアルカナ使い:2007/01/23(火) 23:15:06 ID:a9P5P73QO
>>582
随分寂れてますね(^_^;)
この中でいきなりマジレスするのは厳しいっすね。

587鈴の音と共に-2:2007/01/24(水) 00:12:05 ID:n2V8cNAgO
月明かりが降り注ぐ森の中を私は歩いていた。夏も終わり、夜風も肌寒く感じるようになってきたが、風呂に入ったばかりの体には心地よく感じる。命に満ちた森の中を歩き、時折動物を見つけたらそれと戯れる。千年守になるべく修練に明け暮れる私にとってそれは唯一といっていい楽しみだった。
「さすがにこの時間なってしまっては動物達には会えぬか・・・」
いつもは夕方にはこれるのだが今日は師の一撃をもろに食らってしまい夕食の時間まで気絶してしまっていた。
昨日見つけた小ギツネに餌をあげたかったのだが・・・
「・・・ん?」
懐に入れておいた包みを触っていると、くさかげから犬が鼻をひくひくさせながらあらわれた。こちらに目を向けるとはたはたと尻尾を振りはじめる。
「おまえ、これがほしいのか?」
そういいながら餌の入った包みを取り出すと、全力で肯定するようにぴょんぴょん跳び跳ねながらわんっと鳴いてくる。
「・・・」
ためしに包みをしまう。
すると悲しそうにきゅうぅぅんと鳴いて目をうるうるさせる。
「・・・」
もう一度取り出すとちぎれんばかりに尻尾を振り出す。
か、かわいい・・・
「わ、わかった。やる、やるからそんなに物欲しそうな目で見つめるのはやめてくれ。」
思わず顔を赤らめながら腰を下ろし包みをあけようと――
「あ!」
いきなり犬は包みごと餌をくわえるともときた道へ走り去ってしまった。
「こら!待て!!」
あの包みは死んだ母の唯一の形見だ渡すわけにはいかない。私はあわてて追い掛けた。しかし獣道はやはり獣のほうが得意らしくなかなか距離が縮まらない。
「くっ、こうなったら・・・!」
私は持っていた刀をぬき
「吐切!!」
気合いをこめ振り下ろす。
その刄は空気を伝わり犬の走っていた先にある木に斜めの線を入れる。
木はそのまま滑るように倒れこみ道を塞いでしまう。
「捕まえた!」
叫びながら急にあらわれた障害物にひるんでいる犬に飛びつく。
「のわっ!」
「もう逃がさんぞ!」
毛でおおわれているはずなのに以外と堅い感触を逃がすまいと抱き締める手に力をこめる。
「ちょ、ちょっと!!」
「さあ!、早くその包みを・・・」
・・・まて、いま・・・こいつ・・・喋らなかったか・・・?
そう思うと同時に下の方からわふっと犬の声。
なんだ、おまえはそこにいるじゃないか。
じゃあ、私が抱いているのは・・・
ゆっくりと顔をあげると・・・そこには・・・知らない男の顔が・・・
「ど、どうも・・・」
男は少し照れたように笑う。
「・・・」
もしかして・・・私は男に抱きついて・・・
「・・・あ〜、放してくれると助かるんだけど・・・」
「きゃぁぁぁあああ!!」
「ぐはぁっ!!」
私はその男の顔を思いっきりブン殴っていた。



>>574の続きです。
時間軸的には神依が千年守になる少し前ということになります。
なんだか書いてみるとすごい長編になりそうな感じが・・・
評判がよかったら頑張ろうと思います。
携帯からなんで時間が掛かりそうですが・・・

588鼓音さんの受難 1/2:2007/01/24(水) 00:20:36 ID:p6pBt9w.0
 はて? どうしてこんな事になってしまったんだろうか。
「ふにゅ〜……ねぇさぁ〜ん」
「舞織……大丈夫か?」
「だっこだっこ〜♪」
「うわっ、特殊記号までついてしまった! しっかりしろ舞織!」
 とにかく、落ち着いて整理してみよう。えっと、今日何があったか……確か、千年守が尋ねてきて辺りだな。


「御免」
 私が庭を掃除していると、千年守――朱鷺宮がやってきた。
「おや、あんたは……」
「朱鷺宮 神依だ」
 自己紹介してくれるのはありがたいが、どうでもいいけど帯刀したままここまで来たのだろうか? よく無事でここまで来れたものだ。
 と、そんな事はどうでもいいか。それより、この人が来るってのは何かしら重大な事でもあったのだろうか?
「私は春日一門の鼓音。今日は何の用件で?」
「うむ、春日 舞織に会いに来たのだが……留守のようだな」
 舞織に用事か。
「何かあったのか?」
「いや、例の事件に関しての礼に来ただけだ。すまぬが、これを渡しておいてくれぬか」
 そう言って、朱鷺宮は新聞に包まれた物体を差し出した。何だか、瓶の形になっているんだが、まさか。
「私が世話になった宿の酒だ。色は変だが、おそらく美味いのであろう」
 多分、ワインだ。というか、中学生にそんなものをプレゼントしても飲まないと言うことに気づかないのだろうか、この人は。
 まぁ、この人なりの気遣いなのだからありがたく受け取っておかないと悪い気がする。
「頼んだ。それでは失礼する」
「ああ、待て。私もあんたに渡すものがある」
 朱鷺宮が立ち止まると、私は家の中に入っていった。小糸と小唄の部屋から適当な人形を選ぶと、また朱鷺宮の前に戻ってきた。
 私が手にしてるのは、某有名アニメのアライグマの人形。ちなみにもふもふしている。
「これは春日一門からあんたへのお礼。あの事件解決は、私たち全員が協力したからこそだからね」
「むっ、そうか。すまん」
 朱鷺宮は人形を受け取ると、ものすごい形相でそれを睨んだ。時々「うむむ……」とか唸っている。
 人形を目の前に、朱鷺宮は頭を撫でたり手を掴んだりと色々し始める。そしてたまに、にへら〜って感じの顔をする。こうやって見ると、本当にただの女子中学生だ。
 ずっとニヤニヤ顔だった朱鷺宮は、ハッと我に返ると顔を赤くする。
「そ、それでは失礼する!」
 早足に階段を下りていく。大変珍しいものを見れた気がしたな、これはこの先の子孫にまで語り継がねばならん。ところで、階段から落下音が聞こえたのは気のせいか?
 朱鷺宮を送ると、再び掃除に戻った。

589鼓音さんの受難 2/2:2007/01/24(水) 00:27:41 ID:p6pBt9w.0
 夕方ごろ。
「ただいま帰りました」
 玄関から舞織の声が聞こえた。
 戸の前まで行くと、いろいろと荷物を持った舞織がいた。
「お帰り、舞織。今日は少し遅かったな」
「はい。皆さんから色々とお礼がしたいと言われまして」
 そういう舞織の手には、本当に色々とあった。前に愛乃さんと廿楽さんからケーキをもらったし、このケーキはリリカちゃんとして、このえぐい物体は、一体?
「ああ、それはミケさんからです」
 ミケ……ああ、安栖さんの持ってたあれか。
 このよく分からない手裏剣は子犬丸一族の子のかな。それで、この謎の人形は一体……。
「それは、リーゼロッテさんからです。世話になったという置手紙と一緒に」
 ……意外だな。あの「緋眼の人形遣い」からそんなものが送られるなんて――

 うーむ、そこまでは思い出したぞ。私は出掛けてしまったから、その後の事はわからない。帰ってきたらベロベロに酔っ払った舞織が私に抱きついてきたっと……。
「小糸! 小唄!」
 一番怪しい二人組みを呼ぶことにした。
 私が呼んでから三秒と経たないうちに、二人がシュバッと現れた。
「な、なぁに?」
「二人とも、この状況を作り出すまでにいたった経緯を詳しく説明しろ。今すぐに」
 私の唇を奪おうとしている酔っ払いの妹を押さえつけながら、下の二人に問いただしてみた。
「えっと、ただのぶどうジュースだと思って……皆で飲んで……」
「そしたら舞織姉ちゃんだけが変になっちゃって……」
 話を聞いていると、二人も飲んだらしいな。この二人ならあり得るかもしれんが、何故舞織はワインだと気づかなかったんだ? 紙に包まれててビンを見たのでは分からなかったってのは分かるが、少し飲めば分かるはず……そんなに弱いのか、こいつは。
 いやーにしても、この二人は酒に強いようでよかった。二人までこんな事になったらどうしようかと……。
「うぅぅ……ひっく……ごめんなさーいぃ……」
 ん? なんだ、このあからさまに嫌な予感は。
「わた、私たち……ひっく……ふええぇぇ〜ん!!」
 もしや、二人とも泣き上戸?
 なんて思っていると、二人とも私に抱きついてきた。
「うわあああぁぁぁぁ! ふ、二人とも止めろ!」
「うにゅ〜、小糸も小唄もお姉ちゃんを狙ってるのぉ? 私だって負けないからね♪」
 なんていいながら、舞織は抱きつく力を強めた。そこに小糸と小唄が交じる。なんか今、ボキッという音がしたような……。
 そんな事もお構いなしに、舞織はどんどん強く抱きつく。
「うおわああぁぁ! 止めろ、舞織、本当に痛いって!」
「うえええぇぇぇええぇぇん! 鼓音姉ちゃ〜〜ん!」
「二人ともおおおぉぉわああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
 私の意識は、何に使えばいいのか分からない手裏剣を目に映した後になくなった。手裏剣の持ち主は、一体何を考えてプレゼントしたんだろうか……。薄れいく意識の中でそんな事を考えられる辺り、人って結構冷静なんだな、と実感した。

 とある公園。
「わふふ、春日一門の方々には、ちゃんと護身用の手裏剣を渡しておいたのでござる。これで酔どれなんかに絡まれても大丈夫でござるよ〜。……神依様? 何をしてるんでござるか?」
「……もふもふ」


連投、しかもよりによって鼓音さんネタ……反省はしてる。後悔はしてない。
さぁ、自分の作品に自信のない奴。俺の後に続いて一緒にのたうちまわろうぜ(何

590名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 00:43:08 ID:11a9.jPw0
ってか小等部って言う所実際あるの?
俺通ってた所とかは初等部って言ってたんだが

591名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 00:50:53 ID:YjV2wD4A0
小等部は実際あるみたいだよ。
ちょっと検索しただけで引っ掛かった。

592名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 01:22:29 ID:lt0Qp6hc0
なんでこんなみんなGJなのか

593時が流した涙5:2007/01/24(水) 01:26:35 ID:oB2cXsWUO
>>577続き
健太郎はしばし固まっていた。私もこれ以上何を言えばいいか分からず、沈黙を守っていた。
「期待するなって、どーゆー事?俺の事嫌いなのか?」
心外だ。そんなはずないだろう。君と一緒にいた時、私の胸がどれだけ高鳴っていたか分からないのか?
「違う!健太郎の事を嫌っているワケではない!」
思わず口をついた言葉は悲鳴にも似た声色だった。
「ならどーしてそんな事言うんだよ!」
彼の声に怒りとも悲しみともつかない感情が混じっていた。なぜ私の事を理解してくれない?私はただ君に私の事を知って欲しいだけなのに…。いや、分かるはずがない。私は何も話してはいないのだから。
「…分かった、全て話そう。」
それから私は語った。自分が千年守であり人々を守るための存在なのだという事を。彼は呆然としていた。
「…そんなの信じられるワケないだろぅ?」
私の胸に小さな棘が刺さる。
「…信じてもらおうなどと思っていない。しかしこれが事実なのだ。」
嘘だ!信じて欲しいから話したのだろう?なぜ強がりを言うのだ?本当は弱い自分を受け止めて欲しいだけなのに…。沈黙は永遠に等しい長さを思わせる。そんな中、私は一つの決心を固める。
「健太郎…、一つ頼みがある…。」
おそらくこれが一番お互いにとって良い結果になるだろう。私にとって残酷とも言える決断を自らに課した。そう、健太郎と永遠に別れるという決断を…。

594時が流した涙6:2007/01/24(水) 02:11:07 ID:oB2cXsWUO
>>593続き
別れの台詞を言う。…言葉が出てこない。言いたくない、この言葉を言ったら本当に二度と会えない気がする。自分の中で問答を繰り返す。助けを求めたい一心で健太郎を見る。
「私の事を忘れてくれ…。」
彼を見た途端に決心がついた。彼に私と同じ想いをさせてはならない。その気持ちだけが私を支えた。
「そんな…、忘れられるワケないだろ?」
…健太郎。
「心配するな。私は忘却の術を心得ている。」
出来る限り平静を装う。心を乱している事を彼に悟られてはいけない。
「いやだ!」
今私が一番欲しい言葉だった。やめて、これ以上私を苦しませないで…。
「私は、君に私と同じ想いをして欲しくないんだ。愛しき者達との別れは幾千年繰り返しても心を八つ裂きにされる…。」
震える声でそれだけ言い切った。それでも彼は納得いかなかったらしい。
「…分かったよ、健太郎。その代わりに絶対に忘れないように私を抱きしめてくれないか?」
最後の手段を使うために、あえて私は彼と最後の包容をした。彼の腕に抱きしめられて初めて気付いた事が二つある。一つは私が女である事。もう一つは、彼の事が好きだという事だった。
「神依、どこにも行かないでくれ…。」
耳元で囁く言葉に胸の奥が苦しくなる。こんなに苦しいなら…
「私も行きたくないよ…。君と出会わなければ良かったな…。」
無意識に涙が溢れる。せめて最後に思い出が欲しい。私達は口づけを交わした。健太郎、すまない…。彼の頭に手を回し忘却の術を施す。
「神依!?何をした?」
「やはり私と同じ想いはさせたくないんだ…。すまない…。健太郎、私も君の事が…。」
…好きだ。涙が止まらない。彼の中で私との記憶が無くなってゆく。けれどこれで良かったのだ…。

健太郎、私はまた眠りにつく。君は私の事を知らなくて良い。私が君の事を忘れないから…。けれど、また会えるような事があればその時は…。
小さな鈴が神依の代わりに、泣くように鳴り響いていた…。
〜完〜


「駆け抜ける時」を神依の視点から見た話でした(^_^;)
結末は変わらず悲恋話だったので退屈だったとは思いますが、読んでもらえれば嬉しく思います。

595名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 02:45:58 ID:oB2cXsWUO
>>587
神依ネタの同士として続き希望(^_^;)

596名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 10:39:14 ID:9rRrHnSY0
ちょっとSSっぽい作品を見つけた

アルカナキャラに演じてほしいエトセトラ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/33739/1169315853/29

の29がちょっと面白い話だった
リアファイル酔いに笑って、サキの最後に泣いた…(つд`)
ネタを投下しにいったら思わぬ良作に出会えたてよかったぜ

597名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 10:52:26 ID:G0IfgQSM0
冴姫が男前で泣けた

598満月の夜に:2007/01/24(水) 16:35:51 ID:oB2cXsWUO
今宵は満月、魔族が一番活発になる日だ。リリカは魔族である父と人間である母とのハーフである。半分だけの魔族の血も今夜はその疼きを楽しむ。夜の街をひとっ飛びし、一番高いところまで飛んで行く。
「街があんなにちっちゃい…。」
目をキラキラさせてリリカはその景色を楽しむ。まるでおもちゃの国を独り占めしたような愉快な気分だ。今夜は特別な夜だから、もう少し遠くまで行こう。どんどんと高く遠くへ飛んで行く。街を一回りしまたあの高い場所へ戻る。やっぱりここからの景色が一番だ。自分の一番のお気に入りの場所、そこに影が一つ現れる。
「だ〜れ?」
今夜は特別な夜だから、少しの事なら許してやろう。
「…良い夜だね。月が祝福してくれているようだ。」
月明かりに浮かぶ顔は色白で、月のように輝く金色の瞳はギラつき、頭にある二本の角は魔族のそれであった。キザったらしい奴…。最初の印象はそれだった。今夜は特別な夜だから、変な奴に会う事もあるだろう。静かに佇むその魔族はリリカを見つめる。彼の体から目に映るような魔力がほとばしる。この人、強い。思わず構えた。
「警戒しなくて良いよ。君を害するつもりはない。」
今夜は特別な夜だから、今夜の主役は私のはず。けれどなぜ彼から目が離せないのだろう?じっと睨みつける。今夜の主役は私なのに…。
「可愛い人よ、怖がらないで。僕は君の敵ではない。君に会ってみたかっただけなんだ。また会ってくれるかい?」
恥ずかしい台詞を吐くな!こっちのが顔が赤くなる!けど…
「べ、別に良いけど〜?その代わり、プレゼントの一つも持ってきてよね!」
彼はクスリと笑うと夜の闇に消えていった。今夜は特別な夜だから、私はやっぱり主役なの。その証拠にちょっぴりキザな良い男に出会えたんだから♪

599満月の夜に2:2007/01/24(水) 16:53:45 ID:oB2cXsWUO
>>598の続き。
「りりちー大丈夫?」
寝不足気味の頭にはぁとの声が響く。
「ダメ〜↓もう限界だお〜…Zzz。」
昨日はよく眠れなかった。絶対にあのキザ男のせいだ!キザ男…。
「なんか様子が可笑しいわね?リリカ、生きてる?」
冴姫も心配そうに顔を覗いてくる。いつも思うのだが、この二人はしょっちゅう一緒にいて飽きないのだろうか?
「ギリギリだけど生きてる〜…Zzz」
「こりや当分起きそうにないわね。」
やれやれといった感じで冴姫が言う。まったく、私の気もしらないで〜。昨日あのキザ男に会わなければ何の問題もないわよ!…あれからキザ男の事が頭から離れない。
「おーい、りりちー?…聞こえてないね。」
昨日は特別な夜だった。今夜も特別な夜になるかな?…ハッ!一日中ボケッとしてしまった。何であんな奴の事考えなきゃいけないのよ!なんか納得出来ない!!そーだ!また会って文句言ってやれば良いんだ!今夜昨日の場所に行けば来るかもしれないし、よ〜しそーと決まれば早速…!寝ようZzz。

600アルカナ桜7:2007/01/24(水) 17:05:44 ID:2KRJIEiA0
続きです。
長くてすみません。

>>515 2>>520 3>>522 4>>547 5>>558
>>580

ミケは剣士と犬に捕まって、色々されて星になったので、あたしと
ヨリコはとことこ歩いて次のターゲット・・・もとい先生を探す。
うーん、居たら居たでうるさいが、ミケが居ないと不便だ。
ヨリコ単体でも空飛べたらいいのに。
普段は横着してインラインスケートで滑るか飛ぶかなので、
久々に地に足をつけて歩いてみると意外に疲れる。
たぶんアタシはヨリコたちより長生きするんだろうけど、これじゃ
おばあちゃんになってからが心配だ。
杖ついてヨボヨボ歩く悪魔ってのも、趣があって良いかな?
・・・うーん、やっぱやだ('A`)

「ヨリコぉ〜、歩くのだる〜い」
「そ、そう言われても・・・っていうかリリカ、真面目に考えてよ」
「考えてるよー?どっからか点数降って来ないかなぁーって」
「・・・とりあえず、本屋にでも行ってみようか・・・」
「お、いいねぇ♪『3日で100点が取れる本』とかあるかな?」
「ないと思うよ・・・」

そんな他愛のない会話をしている内に、池袋の中心に出た。
まあここなら、本屋くらいあるだろう。
しかし、14歳の乙女にとっての池袋が、オベンキョウ道具を探す
場になるわけがない。

「キャーッ、あの服かわいい!ちょっとヨリコ、寄ってこーよ!」
「ええっ?・・・あ、ホントだ」
「ミケにお気に入りのスカート破かれたって言ってたじゃん。
 せっかくだから、新しいお気に入り探しちゃおうよっ」
「今ならミケもいないし・・・ああ、そうだわ、私は自由なのね」

なんだかんだでヨリコも乗り気。
ミケともいい加減打ち解けてきたかと思ってたけど、やっぱり
心の底ではウザがってたのね・・・。
ちょっとミケがかわいそうになった。
で、かわいそうなミケに逆らえないヨリコはもっとかわいそう。

店に入って洋服に浮気していると、試着室から知った顔が表れた。
それと一緒に、聞き覚えのある元気な声も。

「うわぁ〜さーたん、似合う似合う!モデルさんみたいだよ!」
「そ、そんな事ないわよ。でも、これ足が出すぎじゃない?」
「それがいいんだよー。さーたん足キレイだしっ」

ワイワイと騒いでいたのは、ハートとサキ。
どうやら、ハートがサキに色々と服を試着させてるらしい。
今サキが着ているのは、がっつりスリットの入ったミニスカート。
カーテンの後ろには、山のように積まれた服が見えた。
少しでも現実逃避したいあたしは、そそくさと近寄って2人に
声をかける。

「はぁいハート&サキ、デート中?」
「あっ、りりちーとよりぷーだっ!そそ、デートデート♪」
「ちょっとはぁと、何言ってるのよ!違うでしょ!?」
「おやー?なんだか顔が赤いぞ、さーたん?」
「リリカもうるさい!全く・・・マトモなのは安栖さんだけね」
「あははは・・・」
「けど、りりちーはともかく、よりぷーがこんなカジュアルな
 お店にいるってなんか不思議ー。イメチェンでもするの?」

あっ、ハートってばいらん事を。

「あっ、そうだよ!私たちはこんな所にいるはずじゃ・・・」
「あーあ、ハートのせいでヨリコが我に返っちゃったじゃない」
「我を失ってなんかないもん!」
「そういえば、リリカが勉強するらしいって舞織から聞いたけど
 その事?」

・・・アタシが勉強するっていうだけの事なのに、何でこんなに早く
噂が広まってるの?
普通はみんなしてるんじゃないの?
こんなに簡単な事で人様の注目を集められるなんて、アタシってば
超大物。
アタシは自分の特別さに、改めて感心した。
芸能人とか、向いてるかもしんない。アタシかわいいし。

601名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 18:30:38 ID:G0IfgQSM0
600到達したので、これまでのSSまとめておきますね( ^,_ゝ^)
まあ保管庫があればこんなのいらなr


■■ 長め(5000字〜) ■■

>>86 >>88 >>105 >>107 >>187-189 >>252-254 >>508-510 (未完)
はぁと×冴姫。修学旅行の夜の2人部屋で……

>>92-94 >>157-159
神依×はぁと。神依が千年守の宿命について語る。

>>127 >>140 >>161 >>218 >>291 >>342 >>414 >>502 >>567 (未完)
オリキャラ×リーゼ。リーゼと家でまったり。

● 「聖女はお人形さんに恋してる」 >>220-221 >>403-405 (未完)
はぁと×リーゼ。部屋に連れ込んで微エロ百合。

● 「日常?風景」
>>353 >>361 >>365-366 >>377-378 >>380 >>384-385 >>420 >>422 >>425 >>431 >>436-437
全キャラ。各キャラの私室に皆で突撃。

● 「駆け抜ける時」 >>446 >>448 >>482 >>492 >>495-496
オリキャラ×神依。悲恋。
● 「時が流した涙」 >>566 >>572 >>576-577 >>593-594
「駆け抜ける時」の神依視点バージョン。

● 「A.B」 >>472 >>454-457
はぁと×冴姫。がっつり戦う。

● 「アルカナ桜」 >>514 >>520 >>522 >>547 >>558 >>580 >>600(未完)
リリカ+全キャラ。高校行くために勉強特訓。


■■ やや長め(2レス〜5000字) ■■

>>24 >>59 >>230 >>279 >>415 (未完)
元祖黒舞織。最初の方の話は都立御苑女学園スレで読める。

● 「そらのいろは」 >>28 >>29 >>43-45
はぁと×冴姫。微エロ。

● 「私のさーたん」>>137 >>175 >>180
はぁと×冴姫。はぁとが嫉妬その1

● 「楽しいお休み」 >>285 (未完)
はぁと×冴姫。はぁとが嫉妬その2

>>134-135 (未完)
戦う鼓音姉さん

>>164-165 (未完)
オリキャラが普通にモテる話

>>300
黒い舞織
>>406 >>410
黒い舞織2

>>308 >>327 >>337 >>341 >>395
スパッツとタイツは直履きでした

● 「謎の彼女K」 >>484-486 (未完)
一般生徒の神依観察記

● 「ブレイクタイム」 >>489-490
美凰×きら。コーヒーブレイク。

>>497 >>549(未完)
頼子。ミケの敵討ちでガチバトル。

● 「13人目の乙女」 >>525 >>546 (未完)
13人目のオリキャラ聖女が原作キャラ狩り。

● 「有問題!?」>>548 >>561
はぁと×冴姫。保健室で微エロ。

● 「鈴の音と共に」 >>574 >>587(未完)
神依が初恋について語る。

● 「鼓音さんの受難」>>588-589
鼓音姉さんと酒に酔った舞織。

● 「満月の夜に」 >>598-599 (未完)
リリカがイケメン魔族と遭遇。

■■ 短め(1レス) ■■

>>26
オリキャラ×このは

● 「はーたんさーたん」 >>51
はぁと×冴姫

>>64
神依

>>70
はぁと×冴姫

>>129
頼子とミケ

>>203
つよきす

● 「十字負イ」 >>236
冴姫

>>266
神依、鼓音、このは

>>272
神依とこのは

● 「君が笑う夜」 >>334
リーゼ

>>381
冴姫、このは

>>383
2chっぽいアルカナ

>>447
エロシーンの冒頭

>>481
冴姫しっとマスク

>>532 (未完)
絵が苦手な冴姫は……

>>533
はぁと×冴姫。偽エロ。

>>584 (未完)
きらとクラスメート

● 設定と小ネタのまとめ >>81-82

602江古田っ子純情:2007/01/24(水) 21:02:55 ID:LLcRjBe20
1 >>584



「………それじゃ、大道寺さんはもんじゃ焼き食べたことないの?」
「ない。だいたいそのなんじゃだかもんじゃだか言うのはなんだ?食べ物の名前とは思えんぞ」



放課後。
きらは、啓に連れられて通学路にあるもんじゃ屋に行く途中だった。
もんじゃ焼きを食べたことのない彼女にとって、それが宿題を手伝ったお礼として成立するのか否かを確認するのは重要なことだったようだ。

大道寺きらは、自他共に認める天才である。11歳という年齢で博士号を取得するほどの。
しかし、ゆえに彼女の知識には意外なところで穴が多い。今日のもんじゃ焼きもその一つ。



そして、"それ"を目にした彼女の感想は。





「………き、貴様!!このきら様を侮辱しているのか!?これを食べろだと!?」





まぁ、仕方ないかもしれない。
しかし、啓はお構いなしに続ける。

「あ、食べたことないんだから焼き方とか知らないよね?僕がやるよ」
「や、焼くのか………?これを………?」
「うん、明太ともちとチーズ入ってるからおいしいよ」

きらは、混乱していた。

(め、明太子ももちもチーズも単体では理解できる。だ、だが、これは一体どうゆう料理なのだ!?)





そうこうしてるうちにもんじゃは焼き上がり、啓は起用にへらを使いきらの分を取り分ける。
だが、きらは食べようとしない。

「………冷めちゃうよ?」
「………………」

きらは押し黙ったままだ。彼女はややおびえた表情で、皿の上のもんじゃを見つめている。
それを見た啓は、ある作戦を思いついた。そして、それを実行に移す。



「大道寺さん………僕が食べさせてあげようか?」
「………ッ!?!?!?き、貴様、今なんと言った!?!?!?」
「遠慮しなくていいよ。はい、あーん♪」
「ふッ………ふざけるなぁぁぁぁぁ!!!!!これくらい自分で食べられるわッ!!!!!」

作戦成功である。
引っ込みがつかなくなったきらは、意を決してもんじゃを口の中へ放り込む。





(………あれ?????)





「おいしいでしょ?」
「し、信じられん………」
「どう?初もんじゃの感想は?」
「ほ、褒めてやろう!!このきら様の頭脳を宿題を手伝わせるために使うなど言語道断だが、これなら許してやってもいいぞ!!」

啓は、そんなきらを見てにっこりと微笑んでいた。
きらは正直、自分の知らない世界があることに最初は戸惑っていたが、これはこれでなかなか気に入った様子だ。



そして、もんじゃをつつきながら二人は話し込んでいた。





「………だから、私のことはきら様と呼べ。何度も言っているだろう」
「それは別にかまわないんだけど………なんで?」
「なぜだと?世界を征服するべき私のことをきら様と呼ぶのは当然だろうが」
「世界………征服?」
「あぁ、この世界は私が征服する。私のものになるのだ」

啓は、少しの間ぽかんと口を開けていた。



「………そっか。大道寺さんは、そういう目標があるんだ」
「貴様、だから私のことは−」
「応援するよ」
「………何?」
「僕も応援するからさ」



"あっけに取られた顔"というのはまさに今のきらのことを言うのだろう。
今まで夢物語だと馬鹿にする人間はたくさんいたが、こう言ってきたのは啓が初めてだ。





「………褒めてやろう、なかなかうまかったぞ」
「どういたしまして。じゃあ、また明日ね」
「フン」
「気をつけてねー。あ、明日も宿題教えてねー」
「………何だと???」

そう言って振り向くと、啓はもう走り出していた。
きらはふざけるなと叫んでいたが、彼の耳には届かなかったようである。



夕日が沈みかけてる。
放課後も、そろそろ終わりだ。

「まったく………このきら様を何だと思っているんだ………」

そう呟きながら、きらは家路に着くのであった。









もう少し続きます。
>>601さん、まとめGJです。

603名無しのアルカナ使い:2007/01/24(水) 21:39:07 ID:13ACmtiU0
改行多すぎ
三行も四行も空ける必要ないんじゃね?

604鈴の音と共に-3:2007/01/24(水) 21:50:08 ID:n2V8cNAgO
「がははははははは!!」
「ミ、ミケ〜笑ったらダメだよ〜」
「何を言うか頼子!これが笑わずにいられるか!!こいつが『きゃぁぁぁあああ!!』だと!?にあわんにも程があるわ!!」
「ホントホント!案外かわいいとこあんじゃん!」
「神依様〜かわいいでござる〜」
「かわいい・・・そ、そうか?」
「神依様・・・このはさんはともかく、リリカさんのは皮肉ですから・・・」
「でもまさか殴り飛ばすとはね・・・」
「し、しかたなかろう。父上以外では男をみることさえもあの時が初めてだったのだ。あまつさえだ、抱きつくなどと・・・つい我を忘れてしまった。」
「えぇ!ほんとですか!?先輩」
「神依様〜拙者も抱いてもふもふしてほしいでござる〜」
「わかった、わかった。・・・よしよし。」
「わふっわふっ神依様〜」
「うぅ無視されちゃったよ。さ〜た〜ん・・・」
「もうっ、ほら、泣かないの。」
「えへへ、もっとなでて〜」
「・・・馬鹿ばっかり。」
「まあ、お二人とも本当に仲良しですね。」
(きいぃぃぃ!私のはぁとちゃんに馴々しくさわんじゃねぇよ!!こっそりうれしそうな顔しやがって!このツンデレが!!)
「なぜでしょう。舞織から黒いオーラが見えます。」
「そんなにことよりさっさと質問に答えんか!このキラ様は暇ではないのだぞ!!」
「おや、気になりますかキラ」
「ふん!!別にこんな中途半端に話が終わるのが嫌いなだけだ!!」
「そういえばこの前も借りてきたホラーを泣きながら最後まで観ていましたね。
それで夜にトイレにいけなくなってまたおねしょを――」
「だだだだまれ美鳳!!ええぃとにかく質問に答えんか!!」
「む、そうだったな。私は生まれてからずっと千年守になるためだけに生きてきたからな家から一度も出たことが無かったのだ。師も女だっしな。」
「でもさっき森でであったといっていませんでしたか?」
「うむ。家から四方三里はうちの敷地だったからな。といってもまわりは山と森しかないが。」
「ほえぇぇ。ひろーい。」
「それで?さっきから出てくるシショーてのはなんなの?」
「先代の千年守だ。力が衰えた千年守はアヌトゥパーダの力を使い後継者になる可能性を持った者をみつけ自分の技術を教え込むという決まりがあるらしい。」
「じゃあそれが先輩だったんですか?」
「そうだ。毎日が朝から晩まで修練や勉学だけで過ごしていた。自由な時間は一、二時間程度だった。」
「へ〜、大変じゃん。つらくなかったの?」
「それが当たり前だったからな。つらいと感じたことはなかった。」
「リリカだったら一日も耐えられそうもないね。」
「甘いぞ頼子。フェルフネロフの者が一日も耐えられるわけなかろう。十分で音を上げるわ!!」
「うっ、悔しいけど否定できない・・・」
「それで!それで!そのあとどうなったんですか?」


>>587の続きです。
ほかのキャラがまったく出てこないので時折こうやって、解説プラス雑談といった形で入れていこうと思います。

605満月の夜に3:2007/01/25(木) 00:59:11 ID:psI//mR6O
599の続き。
月が少しだけ欠けている。もう満月じゃないや…。魔族の血も昨日ほど疼かない。それでも夜の散歩は楽しいが、今夜はそんな気分じゃない!昨日のあいつを見つけて文句を言うんだ!でないと私の気が済まない。もし見つけたら何て言ってやろう?
「昨日あんたに会ってから頭の中にずっと出てくるんだけどどーしてくれんのよ!」
よし、これだ!言いたい事全部言えるし◎
「…アレ?あいつ悪くないじゃん。」
可笑しいな、文句言いにきたはずなのに文句が見当たらない。とにかくのあの高い所、東京タワーに行ってみよ。
「可愛い人よ、また会えたね。」
昨日のような強い魔力を感じない。昨日のは何だったのだろう?
「あんたさ〜、そのキザったらしい言い回しどーにかなんないの?」
私の悪態をちゃんと聞いていなかったのか、キザ男はクスリと笑うだけだった。
「それより今日はプレゼントを持ってきたよ。」
プレゼント!?本当に持ってきたんだ♪まぁ昨日の今日なのであまり期待はしないが。
「可愛い人よ、受け取ってくれるかな?」
「受け取るも何も〜♪…な、何よこれ!?」
腰を抜かした何てもんじゃない。度肝を抜かれた。
「気に入ってくれるかな?」
き、気に入るも何も。私の記憶に間違えがなければ、それは「龍の瞳」と呼ばれる魔石だった。魔界に住むドラゴンを倒さないと手に入らないって聞いた事あるけど、ドラゴンなんて相手にして無事で済むワケがない。むしろ命を落とす確率の方が高いくらいだ。自ずとこの魔石がどれほど高価か分かるだろう。
「昨日あの後に取りに行ってたんだ。気に入ってもらえて良かった。」
彼の顔に安堵の色が広がる。たかだか14才の小娘にプレゼントする事で命をかけるなんて馬鹿げてる…。
「アンタさ、名前なんて言うの?」
「…クラーク」

606名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 01:26:05 ID:xByUJjYY0
>>601 まとめお疲れ様です。多謝。
>>602 空白に意味を持たせたいのは理解できますが、あまり改行し過ぎるのもどうかと。
1、2行で留めた方が無難であると思われます。作品自体はGJ

607満月の夜に4:2007/01/25(木) 02:33:25 ID:psI//mR6O
>>605の続き。前々回>>599
ムス〜、ニヘラ〜、ン〜、ニヤ〜、ブルブルブル、…ニヘラ〜。
「…さっきからあの娘何百面相やってるの?」
「りりちー、大丈夫かな〜?汗」
「絶対なんか隠してるわね…キラン」
クラークって名前なんだ〜。けどキザだよね〜。この魔石もらって良いのかな?良く見るとなかなか良い男だったよね?かなり強いよね、ドラゴンを一人で…
「…カ!リリカ!」
「ほぇ?」
「ほぇじゃないわよ!人が耳元で呼んでるのに!」
「アハハハ、ごめんごめん。ちょっと考え事してて♪で何?」
「だからね、りりちー最近何かあったの?って聞いたんだよ。」
「まったく、人の話はちゃんと聞きなさいよね!」
「えっ!?べ、別に何もないよ〜♪汗」
「怪しい…」
「ん?その赤い石は何?」
「へ?あ、これはその〜…。あぁ!そうそう!パパからちょっと預かっててさ!別に大した物じゃないんだけどね!」
「へぇ〜、綺麗な石。少し見せてよ。」
「ダメ!だってこれは…。」
「これは?」
「こ、これはパパからの預かり物だから、ダメ!ちょっと私先行くね!」
そー言って私は二人を残し先に帰った。何だかな〜。心がモヤモヤしてるよ〜↓クラーク今日も来てるかな?

608名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 02:39:28 ID:I6Ogrew60
>>607
クラークという名前が目に入るたびに、
グラサンの投げ軍人が頭をよぎります・・・w

609名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 03:07:44 ID:psI//mR6O
>>608
確かにいましたねw
けどまったく他意はなく、たまたま思い浮かんだ名前使っただけなんですよ(^_^;)

610名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 03:34:04 ID:J6nRV4Eo0
>>608のせいでグラサンのクラークとリリカのツーショットが頭から離れません

611名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 04:19:08 ID:psI//mR6O
他の作品書いてる方に質問なんですが、SS書くのに1スレにつきどれくらいかかります?もしくは書き貯めてから貼り付けてるのか、一気に書いているのか?ふと疑問に思っただけなのでスルーでも良いです(^_^;)
無駄スレ失礼!

612名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 05:01:03 ID:I6Ogrew60
私の場合はある程度書きためてから貼ってるので、正確な1レス分の時間はよく解りません。
でも、大体1レスに当たる分を書くのには30分〜1時間くらいだと思います。
出すキャラを決めたはいいものの、どうやって出すかで悩んでる時なんかは
もう少し長くなりますけどw

613名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 07:15:40 ID:JKarAZJcO
いつの間にかすごい進んでてびっくり。みんなGJ!!う〜む・・・・僕も早く「楽しいお休み」を完結させたいなぁ・・・・しかし時間がneeeeeee!!

614名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 10:25:53 ID:7qWPeKSg0
>>608
ついつい吹いたじゃないかw
自分は最初某召還術師の方だったけどアンタのせいでグラサンのクラークになっちまった。

615名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 13:48:27 ID:DJgC8EFkO
>>611
書こうと思って書くより、電波受信してそれを精製する感じだからそれほどかからない
大概1レス2、30分程度(体調良い時)
ただし電波はいつ飛んでくるかわからない

616名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 13:50:08 ID:3/VvjAoQ0
>>608のおかげで博士から軍人に脳内変換されたw
まぁ、あいつならドラゴンの一匹や二匹「おりゃー! おりゃおりゃ!」

617名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 14:06:30 ID:Fpiv9wy6O
ギャラクティカファントムを吸えるくらいだから、魔王だろうが怪物だろうが、何の問題もない
と考えると妙にしっくりくる

618名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 17:53:51 ID:dFEdePmE0
>>611
1レスあたり30〜60分くらいです。
でも、書いてすぐ貼らずに半日か1日くらい時間を置いて読み直してから、少し手直ししてます。

>>613
続き楽しみにしてますよー。
時間できたら書いて投下してってください!

619名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 19:03:25 ID:psI//mR6O
>>611です。
皆さん返信ありがとうございました。電波受信…w
変なものは受信しないで下さいね(^_^;)レス汚し失礼しましたm(_ _)m

620満月の夜に5:2007/01/25(木) 19:40:39 ID:psI//mR6O
>>607の続き。
「クラーク遅いな〜。」
リリカはタワーの頂上でクラークを待っていた。あれから1ヶ月、定番になった夜のデートは二人の密かな楽しみだった。まだ付き合うとまではいかないが、リリカはそろそろ付き合ってみても良いかなと思っていた。少しキザなところを除けば、優しいし、強いし、なかなかのハンサムだし、どーやらお金も持ってそうだし、一緒にいて楽しいし。何より一番にリリカの事を考えてくれる事が嬉しかった。その気になれば他の女の子と遊ぶ事だってできたハズだ。
(ちょっと出来すぎかな?)
そんな事を考えてはリリカの顔はニヤニヤとだらしなく歪んだ。
「リリカ、待たせたね。君を待たせるくらいなら昨日の晩から待っていれば良かったよ。」
相変わらずのキザな台詞を言いながら、クラークは現れた。今夜もまた特別な夜だ。空には満月が輝いている。
「あ、そーだ!今日はクラークにあげたい物があるんだ!」
持ってきたプレゼントを彼の前に差し出した。
「…?これは?」
リリカがニヤ〜っとしながら答える。
「サングラス♪似合うと思って☆」
早速クラークはかけてみた。
「どうかな?似合う?」
「うん☆まるでどっかの投げ技主体の小尉みたい♪」
本当に良いのだろーか…。作者の不安などこれっぽっちも考えず、リリカとクラークは夜のデートを楽しんだ。
満月の夜は体が疼く。じっとなんてしてられない。けど彼とゆっくり空の散歩をするのも捨てがたい。
「ねぇ、クラーク。私達さ、まだ付き合ってないんだよね?」
「そー言えばそーだね…。」
「…私さ、クラークがどーしてもって言うなら別に良いんだよ?」
自分から付き合ってなどとリリカが言えるはずない。彼の口から言わせないとイヤなのだ。
「リリカ、ごめん。僕は君とは付き合えないよ…。」
返ってきた返事はリリカにとって意外な言葉だった。


…ちょっとネタぱくらせてもらいました。本当に良かったのかな〜(汗)てゆうか小尉で合ってたよね?(^_^;)

621薫とリーゼの続きです:2007/01/25(木) 20:01:57 ID:crigW2SIO
「ふうっ、今日もなんとか終わった」
今週の学校も終わって、明日は休みだ。
今日もリーゼにケーキを買って帰ろう。
今日はモンブラン辺りがいいかもしれない。
同じケーキじゃ飽きるからな。
ああ、それと紅茶も切れてきたな。

「ただいまー」
リーゼは居間で猫を抱いていた。
「なんだかんだ言って本当は猫が好きなんじゃないか?」
「……そんな事ない」
リーゼはツンとそっぽを向き、薫に言った。
「……紅茶」
「ケーキも食べるか?今日はモンブランだぞ」
「……後で」
「はいよ」
薫はカバンを自分の部屋に持っていき、また居間に戻って今度は晩ご飯の準備を始める。
そこでふと薫は思い出す。
「あぁ、リーゼ、明日俺が学校休みだから、どっかに出かけようぜ」
リーゼはきょとんとした顔をする。
「どこ行きたい?」
リーゼは少し考えて、ひらめいたような表情から、こうつぶやいた。
「美味しいケーキが食べたい」
「了解!じゃあ明日行こうぜ」

気付いたら10作目だと気付きました。

622名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 20:41:25 ID:tIDDGa3MO
>>620
サングラス吹いたww


あと、かなりどうでも良いけど
×小尉
〇少尉
揚げ足取りスマソ

623アルカナ桜7:2007/01/25(木) 20:54:46 ID:I6Ogrew60
続きです。

>>515 2>>520 3>>522 4>>547 5>>558
>>580 7>>6000


「そうだ、よく考えたら廿楽さんがいたんだ。廿楽さんなら、
 勉強は何でも大丈夫だよね。なんで思いつかなかったのかなあ」
「・・・どうせ私は、準主人公なのに影薄いわよ。周りが濃すぎる
 だけなのよ、ぶつぶつ」
「ん?さーたん何か言った?」
「べっ、別に何でもないわよっ!!」
「アタシは耳がこうでまあアレだから、普通に聞こえてたけど・・・
 そんなに怒らなくてもいいのに」
「・・・ リ リ カ ?」
「んー、あー、今日もいい天気だよね、うん」

なーになーにとサキの腕を掴んで振り回すハートを横目に、サキの
存在について思いを馳せる。
・・・確かにね。
ハートはそんなの気にしない子だからいいけど、公式HPではこの
2人の両隣、よりにもよってヨリコとマオリだしね。
うん、あたし何言ってるんだろう?
でも今日はやけに目が乾くなぁ。今にも涙が出そうだよパパ。

やがて、読み合いを放棄してハートをリアファイルで黙らせ、
サキが一息ついて口を開く。

「・・・それで、私に勉強を教えてくれって?私は構わないけど、
 別に安栖さんでもいいじゃない。成績悪くはないんだし」
「そうだけど、私じゃリリカを手なずけるなんてちょっと・・・」
「なるほどね。そういう事なら、引き受けてもいいけど」

そうサキが言った瞬間、ノビていたハートがガバッと起き上がり、
サキに飛びついた。
がしっとサキの腕を捕まえ、この子にしては珍しく顔をしかめる。

「さーたん、ほかの子と一緒にどっか行っちゃうなんてダメー!」
「ちょっとハート!?」

あ、ヨリコの眼鏡がズレた。

「さーたんは、わたしの家に来てオトナのお勉強するんだから!
 ね、さーたん?」
「なっ、何言ってるの!?オトナのお勉強って・・・!?」
「えー?昨日いろいろ教えたでしょー?今日はその復習だよっ」
「そんな・・・わ、私、あんな事できな・・・って何言わせるのよッ!」
「えへへへ、学校の勉強は習ってばっかりだけど、こっちの勉強は
 わたしの方が上だもんね!いーっぱい教えてあげるよっ」
「えっと・・・つまり、愛乃さんと廿楽さんは・・・?」
「ああ安栖さん、何でもないの、ホントに何でもないのよ!?
 知らなくていい事も世の中にはあるのっ!!」
「う、うん・・・じゃあ、聞かないでおくね・・・」

うーん、ちょっと知りたいお年頃なアタシ。
今夜の夜遊びは覗きかな。
ヨリコも連れてって反応見るのも面白いかも・・・

「・・・リリカ、私は行かないよ?」
「げっ、何故わかった」
「やっぱり。リリカの考えそうなことだもん・・・」

ちぇっと舌打ちしつつ、もはやアタシたちが入れない2人の世界に
旅立ってしまったハートとサキを見つめる。
いくら視線を送っても気付かない。
手を振ってみても気付かない。
ダメだこりゃ。
口で怒っちゃいるけど、サキもまんざらでも無さそうじゃん。
うん、この分だとサキにお願いするのは無理っぽい。
ますます、アタシが勉強するという夢のような話が夢みたいになっ
てきた。

と、やっとアタシたちの存在を思い出したらしいハートがこっちを
振り返り、ぱっと明るい顔をして言った。

「わたしをエサにしたら、ひとさらいちゃんが来るはずだよ!
 ひとさらいだから、先生くらいさらってきてくれるかも!」

・・・はぁ????

ハートの言う事はよく、現実離れしてたり意味がわからなかったり
するけど、今日のはまた格別だ。
なんでハートというエサでひとさらいが釣れるんだろう?
―でも、面白そう。
ワクワクすると、隠してるシッポがうずうずするんだよねー♪

624名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 21:00:11 ID:I6Ogrew60
>>623
7じゃなくて8だwww
しかも7は>>6000じゃなくて>>600だwwww
失礼しました、逝ってきますorz

625名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 21:13:31 ID:dFEdePmE0
6000ワロタ

626名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 21:30:33 ID:y7jYemUc0
>>624
アルカナ桜も、とうとう6000作目か……

627名無しのアルカナ使い:2007/01/25(木) 22:23:50 ID:QG3oidsU0
>>626
ちょwwそれは無いwww

>>623
相変わらずGJ

628名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 01:43:11 ID:rjtwpQegO
非常に拙い文章力ですが、頼子SSを書きたくなりまして、出来たらupしたいのですがよろしいでしょうか?

629名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 01:53:23 ID:surqy51AO
>>628
どんどん投下しちゃって下さい。頼子もの少ないから大歓迎で(^_^;)

630安栖家の日常:2007/01/26(金) 02:32:37 ID:rjtwpQegO
では、早速投下します。
設定

主人公 正人…頼子の兄。都内の私立高校に通っている。頼子とは違って明るく、妹思いの性格。容姿は想像にお任せします。

俺は悩んでいた。最近妹の頼子の部屋が騒がしく、上手く眠れない夜が続いているからだ。

そのせいでここ最近は遅刻をしており、学校からも注意されている。

正人「…さすがにこれ以上遅刻はマズイよな…」
学校の中では先生に目を付けられるような事はしたくないと思っていた俺は悩んでいた。

正人「しかし、最近の頼子はどうしたんだ?学校でストレスでも溜まってるんじゃないのかな…」
俺がそう思うのもムリはない。

最近の頼子といえば、夜なのに部屋でドタバタと音をたてるし、時々頼子の叫び声が聞こえてくる。

ご飯もあまり食べてないみたいだし、それでいていつもお金がないと嘆いているのだから。

頼子は普段からおとなしいから、兄としても心配になるというものだ。

正人「兄として、妹の心配をするのは普通だよな!今から頼子の部屋に行って話をしてみよう!」
そう決心して俺は部屋を出た。

それが俺と頼子、そしてミケとの奇妙な生活の始まりだった。


携帯からなので見づらくてすいませんι

631630:2007/01/26(金) 02:34:26 ID:rjtwpQegO
本当に見づらくてすいません!!これからも気が向いたら書きたいですが…拙い文章で申し訳ありませんでしたm(_ _)m

632名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 04:03:31 ID:PlJ08QGEO
>>631
続きが気になるぜ。
がんがれGJ

633魔界の夜に6:2007/01/26(金) 04:24:08 ID:surqy51AO
>>620の続き。
付き合えない。今クラークはハッキリと言った。なんで?初めて会った時言ったじゃん、アタシに会いたかったって。この1ヶ月の間私に気があるみたいな態度も全部嘘だったの?リリカの中で色々な事が思い浮かぶ。腹立たしいと言うより悲しかった。完全な一人相撲、これじゃあアタシバカみたいだ…。
「…ア、ハハハ。そっか、そーだよね〜!別にアタシなんかじゃなくても他にもいっぱい相手いるだろーしね〜♪き、気にしなくて良いからね♪アタシもクラークの事なんてなんとも思ってなかったし〜!」
妙に言葉に力が入ってしまった。カッコワル…。そんなリリカを見たクラークが少し話し始めた。
「僕にとって可愛い人は君一人だけだよ?君が僕の事を何とも思っていなくても、僕はあの満月に誓って君を愛している。」
顔から火が出るかと思うほど臭い台詞だ。しかもこれが本心からの言葉だから、なおタチが悪い。リリカは少しだけ付き合えなくて良かったかもと思った。
「僕は魔界に帰る事になったんだ。もう君とこーして会う事は出来なくなる。」
「…それってよーするに引っ越すって話じゃない?」
「…平たく言えばそーなる。」
ホッと胸を撫で下ろした。なんだ、私に惚れてるのは確かなんじゃん♪
「けどそれだと、やっぱ会いづらくなっちゃうね?」
「あぁ。以前君にあげた龍の瞳を僕だと思って大切に…。」
「クラーク〜。パス☆」
リリカが投げたのはまさしく龍の瞳だった。
「それしばらく預けとくからね♪」
「け、けどこれはリリカに持っていて欲しいのだが…。」
「いい!?預けるだけだかんね?ついでに今度会う時はアタシの指にはまるように、ちゃんと加工しといてよね☆」
指にはまるように?指…、指輪!?
「わ、分かった!ちゃんと作っておく!そしたら、僕と結婚しよう!!」
またドラマでしか言わないようなセリフを…。まぁ悪い気はしないのだが。
「そのキザなとこ治したら考えておく☆」
それだけ言うと、リリカはクラークと別れた。


数日後
「ハート!サキっち!ほら早く〜!」
「待ってよりりちー↓」
「そんな急がなくても服屋は逃げないわよ!…あの娘なんかあったのかしら?」
「さーたん、何かって?」
「さぁ?良い恋愛でもしてるとか♪」
「そーいえば最近、りりちー前より可愛くなったもんね♪」
元気良く走るリリカを見ながら二人は微笑んだ。
「ほら二人共早く〜!置いていっちゃうよ〜♪」
☆おわり☆

634名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 04:39:33 ID:t6EOoZEcO
>>582で書いたエロパロ板に冴姫の凌辱モノ投下した。
ミルドレッドおばさんエロいよミルドレッドおばさん。
凌辱好きな人はどぞー。

635名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 05:43:23 ID:surqy51AO
>>633
題名が間違えてる…。本当は「満月の夜に6」です(^_^;)

636名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 06:41:19 ID:nHYSNcJU0
みんなGJ

637630:2007/01/26(金) 09:13:48 ID:rjtwpQegO
後で続きをupします。upする時はワード1ページ分ずつになるため、遅れそうですが…

638630:2007/01/26(金) 12:18:21 ID:mth6.fjQ0
続きを投下します。だんだん楽しくなってきました。

安栖家の日常2

俺は、頼子の部屋の前に立っている。すでに目の前の部屋の中からは声が漏れてきている。

正人「頼子・・・お兄ちゃんが力になってあげるからな・・・」
一人で気合を入れて部屋をノックしてみる。

コンコンっ

正人「頼子、俺だ正人だ。少し話をしたいんだけど・・・今いいかな?」

ドアをノックした後、すぐに部屋の中からはドタバタと騒がしい音がして一瞬の静寂。その後ドアが開いた。

頼子「お、お兄ちゃん・・・?どうしたの・・・?」

控えめにドアを開ける頼子。俺の妹ながらオドオドした態度は小動物を連想させて非常に可愛らしい。

正人「なぁに、少し気分転換に話でもしないかな〜、なんてな♪」

頼子「え?い、今はちょっと・・・(汗)宿題してるから・・・(あたふた)」

正人「(この反応・・・何かあるな?・・・妹ながらわかりやすすぎるぞ・・・(泣))

俺はそう思いつつも

正人「じゃあ俺がわからないところ見てやるからさ♪」

そう言って俺は頼子の肩をつかみ、転進させた。

頼子「ふぇっ!?お、お兄ちゃ〜ん!!?(あたふた)」

正人「(許せ頼子・・・俺は頼子が心配だからこそこうしているんだからな!)」

そして俺は頼子の部屋に入ることに成功した。

639名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 12:36:25 ID:hZ5LrovEO
きら様「なにが愛だ愛だと馬鹿馬鹿しい。」
パル「くっ私の三連弾が2B一つでだと!ここは私の負けのようだが、世界に愛有る限り第二第三の愛のアルカナが」
きら様「はっ!雑魚め!オゾン層まで投げ飛ばしてやる!」
?「ぜぇえったいここだぁぁぁあ!」
きら様「このきら様がぁぁ!」
パル「おぉ、あれはまさしく、、、




ごめん。なんか思い付いたけどうまく文にできない。
上のからなにを思い付いたかかんじられたら嬉しい。

640名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 12:50:49 ID:26COgOJY0
>>633
ラストはしつこくせまるリリカに、ウルトラアルゼンチンを決めると信じていたが、これはこれでいい終わり方なのかもしれない
リリカ・クラーク「クロスチェンジャー」

641名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 12:59:39 ID:surqy51AO
>>640
いや、さすがにそれは…。サングラスは話題に出たのでちょっと出しただけっす(^_^;)

642名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 13:26:06 ID:HEuv3.NgO
「満月の夜に」、面白かったですよ〜。リリカっぽさが良く出てたな〜っと思いました。GJ!!

643名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 14:53:40 ID:surqy51AO
>>642
あざっす!書いたかいがあったです(^_^;)
俺ムダレス多いよね↓次からはお礼のレス書かない方が良いっすよね…汗

644名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 15:10:38 ID:ahFNKCuoO
書いた側からすれば、お礼、お褒めレスは結構嬉しい

645名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 15:32:08 ID:surqy51AO
そーなんですよ、凄く嬉しいのでついつい返事を書いてしまうんです(^_^;)

646千年守〜神依の戦い〜:2007/01/26(金) 15:52:08 ID:surqy51AO
ープロローグー
永い眠りからの目覚め、それは時の秩序を乱す者の出現でもある。
千年守、それは時の罪人を葬る事を役目とした一族。人の身でありながら人外の力を持つ者。その役目を担う少女が一人。彼女は目覚め戦いの中に身を委ねる。
「また、現れたか。時の秩序を乱す愚か者め…。」
たった一振りの刀を握り締め彼女は向かう。時を歪める罪人達を葬るために。少女の名は朱鷺宮 神依と言った。

647名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 20:35:46 ID:PB4xc7CE0
>>623
オトナの勉強!?
いや、個人的には見てみたいですが・・・

648はぁと×冴姫:2007/01/26(金) 20:51:46 ID:ypCMXLSI0
前の話: >>86 >>88 >>105 >>107 >>187-189 >>252-254 >>508-510

 かくして、はぁとはさーたんに背中を洗ってもらっていた。
「どう?」
 はぁとの肌を泡立ったタオルでなぞりながら、さーたんが聞いてくる。
「いーきもちだよー」
 はぁとの頬は、緩みっぱなしだ。歌でも歌いたい気分だった。
じっとしているのが、もったいない気がして、はぁとは左右に揺れてみた。
「動かないでよ」
 すぐに、さーたんに注意された。肩を押さえられ、固定される。
「ごめんねー♪」
 幸せ一杯だった。
 だって、昨日までの二人には、こんなことはできなかった。昨日までのさーたんだったら、
はぁとが誘っても「そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ」とか、「もう中学生なんだから」
とか言っていたに違いないのだ。
 今日の昼間、はぁとは見学そっちのけで、さーたんの方ばかり見ていた。はぁととさーたんの間で、
何が変わったんだろうって、確かめていた。はぁとが手を繋いだら、さーたんは握り返してくれた。
はぁとが人前で抱きついても、振り払わなかった。さーたんは、はぁとに何度も笑いかけてくれた。
 はぁとは、間違い探しを解くみたいに二人の間の変化を見つけ出して、それを全部宝物にして胸の奥にしまっていった。
 そして今、ここに宝物が、またひとつ。まるで嘘のような、しかし本当の話だ。きっと、大切な思い出になる。
 ふと、そこでさーたんの洗っている場所が、はぁとの背中のアザにさしかかった。さーたんは
何も言わない。ただ、力を少し弱めて優しい手つきになった。そのアザは、さーたんにつけられたものだ。
 昨晩、はぁとはさーたんとケンカした。というより、はぁとが一方的に溜め込んでいたものを吐き出したのだ。
自分でも信じられないくらい、沢山の汚い感情をさーたんにぶつけてしまった。
 でも、さーたんは受け止めてくれた。
 それだけじゃない。さーたんは、はぁとの言葉を告白と呼んでくれた。
 はぁとがどんなに救われたか、多分さーたんはわかっていない。
 もし、あれが単なるケンカで終わっていたら、はぁとは傷ついていた。さーたんと普通に
仲直りできたとしても、自分らしくない姿を晒してしまった記憶は、傷として残るから。
 けれど、あれは告白だったのだ。
 さーたんが、そう言ってくれた。
 さーたんもはぁとに告白して、告白しあって二人の関係は一歩前に進んだ。
 だから、はぁとは昨晩の出来事を笑顔で振り返ることができる。さーたんにひどいことを言って、
みっともなくて恥ずかしくても、それで良かったんだって思えるのだ。
「はぁと、シャワーとって」
 洗い終わったさーたんは、はぁとが後ろ手に渡したシャワーで石鹸を流した。
「終わったわ」
「ありがと! 次はさーたんの番だよっ」
 はぁとは、ちゃんとわかってる。
 はぁとは、さーたんが大好きだ。
 さーたんを愛してる。

649はぁと×冴姫:2007/01/26(金) 20:59:09 ID:ypCMXLSI0
前の話: >>86 >>88 >>105 >>107 >>187-189 >>252-254 >>508-510 >>648

「どんなふうに洗ってほしい?」
 さーたんの背中が目の前にある。
きれいな肌を見ながら、はぁとは、さてこれをどうしたものかと思案していた。
「どんな、って言われても」
「うーん」
「普通でいいわ」
「……じゃあ、どばばばーんって感じで洗うね!」
「聞きなさいよ、人の話を……」
 まあ、実際、普通にやるくらいしか思いつかなかったんだけれど。
タオルごしにさーたんに触れて、洗い始める。
 わしわし。わしわし。
 背中が半分くらい泡に隠れたあたりで、さーたんが話を振ってきた。
「楽しそうね」
 はぁとは、手を休めずに応えた。
「私が?」
「ええ」
「楽しいよ?」
「…………私の、背中を洗うのが?」
「うん」
 わしわし。わしわし。
 長続きしないまま、そこで会話は止まった。
「さーたんは楽しくなかった?」
 今度は、はぁとの方から話を振った。
「え?」
「私の背中を洗うの、楽しくなかった?」
「……」
 わしわし。わしわし。
 また会話が止まる。しかも、さーたんに黙られてしまった。
「(私、何か変なこと言ったかなあ?)」
 考えているうちに、さーたんの背中は全部泡で隠れた。
 洗い終わった。
「……楽しかったわ」
 さーたんの返事は、ワンテンポ遅れてやってきた。
「! よかった♪」
「でも、何でかしら」
 はぁとが脊椎反射で喜んでいたら、さーたんはおかしなことを呟いた。
「何でって?」
「ただ、はぁとの背中を洗ってただけなのに、何で楽しかったのかしら……」
 本当に不思議そうな声音で自問している。念のため、はぁとは聞いてみた。
「さーたん。わからないの?」
「はぁとには、わかるの?」
 どうやら冗談ではなさそうだった。さーたんには、わからないらしい。

 そっか。そっか。わからないんだ。

「きゃ!」
 はぁとは、泡まみれのさーたんに抱きついた。
「動かないで」
 二人の身体がくっつく。さーたんがもがいたので、はぁとも泡まみれになった。
「動いちゃ、やだよ」
「ど、どうしたのよ、急に」
「動かないで……」
 耳元で何度もお願いすると、さーたんは暴れるのをやめた。
さーたんが嫌がっていないのを確認してから、はぁとは囁いた。
「私、今、幸せ」
「はぁと……?」
「こうやってさーたんに触ってたら、私はすごく幸せになれるよ」
 現在進行形で溢れてくる感情を噛みしめながら、続ける。
「さーたんを愛してるから。愛してる人に触るのは、幸せなんだよ」
 後ろから抱きついたので、さーたんの表情は窺い知れない。
「それにね」
 はぁとは、抱きつく力を強くした。
「愛してる人に触ってもらえるのも、幸せなんだよ」
 この気持ちが、さーたんに伝わってほしい。
「さーたんにも、わかるよね?」
「……」
「さーたんは、今、幸せ?」
 不意に、視界の端に学園の女の子の姿が映った。知らない子だ。二人の姿を認めるやいなや、
大焦りで、そそくさと逃げていく。見送って、はぁとは、さーたんに意識を集中した。
「幸せじゃ、ない?」
 二人は女の子同士で、二人は裸で、ここには二人以外にも人がいる。でも、はぁとは全然気にならない。
 さーたんは違うのかな? さーたんのどんな小さな反応も聞き逃さないように、耳をすませていたら、
「馬鹿……」
 さーたんは、それだけ言って、はぁとの腕の中で縮こまった。
 その一言の意味は、はぁとにだって理解できた。でも、そんなんじゃ満足できない。
 もっと、さーたんの愛が欲しい。身体を離さずに、食い下がる。
「ちゃんと、言ってほしいな」
「……っ」
 昨日の夜のこと。さーたんは一晩中、はぁとの手を握っていてくれた。
これでくっついていられるって、微笑んでくれた。
「ダメ、かな?」
 さーたんだって、わかっているはずなのだ。わからないなんて、何かの間違いに決まってる。
 だから、聞きたい。昨日と同じ答を。
「ダメ?」
「…………ああ、もうっ!」
 さーたんは、いきなり縮めこんでいた身体を元に戻した。
びっくりして離れそうになりながらも、はぁとは踏んばった。
「わかったわよ! 言えばいいんでしょ! 私は、し――!」
 さーたんは、そこまで大声でまくし立ててから、急ブレーキをかけた。
「し?」
問いかけて、はぁとは先を促した。
「…………幸せ……」
「だよね〜♪」
 やった! はぁとは、ようやく満足して、抱擁を解いた。

650はぁと×冴姫:2007/01/26(金) 21:05:55 ID:ypCMXLSI0
前の話: >>86 >>88 >>105 >>107 >>187-189 >>252-254 >>508-510 >>648-649

「はぁとは、わがままよ」
 泡まみれの二人の身体をシャワーで流していたら、さーたんが不平を漏らした。
「わがまま?」
「そうよ、わがまま。昨日だって、私はちゃんと言ったのに。何回言わせれば気が済むの?」
 何か、お風呂に来てから、こんな会話ばかり繰り返しているような気がした。
「さーたんは、言いたくないの?」
「そうじゃないけど……」
 何を話してたって、同じところに戻ってくる。
「私は、何回だって言ってほしいな♪」
「……」
 ぐるぐる、ぐるぐる。でも今は、それが楽しくて嬉しい。
「私は、何回だって言えるよ。さーたんを愛してるって♪」
「馬鹿……」
 わがままだって、いいじゃないか。二人は、これからずっと、一緒にいるんだから。

+++ 続く +++

指摘があったので、はぁと>冴姫の呼び方を「さーたん」で統一してみました。
神依とリリカが人気で、はぁと×冴姫のSSが減ってきたけど、めげずに投下。

651名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 21:14:33 ID:KbwPbbiEO
まじGJ
続きも楽しみに待ってるよ

652名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 22:13:29 ID:lF4foF.wO
GJ
(*´Д`)ハァハァ

653願い事(1/4):2007/01/26(金) 22:41:33 ID:0/YwtYXA0
 平和だ。平和すぎてボケてしまいそうなくらいに。
 数ヶ月前。関東崩壊を救ってからというもの、小悪党はちらほら見かけるが、あらかた千年守の朱鷺宮と子犬丸一族のこのはが片付けていってる。
 私たち春日一門の出る幕はなさそうだ。というわけで、妹三人を学校へ見送った私は境内の掃除に専念する事にした。
 外に出ると、冷たい風が吹いた。そろそろそういう季節になるのか。

 チャリーン

 空気中を伝わって、その音が私の耳に届いた。
「……あっちか」
 お賽銭を入れた音だろう。誰かいるのだろうか、こんな時間帯に来るなんてめずらしいな。

 カランカランカラン、パンパン

 賽銭箱の前に、男の人が立っていた。いかにも貧弱そうな男だった。メガネ掛けてて、恐らく優柔不断な性格に違いない。
「お早うございます」
 一応挨拶はしておいた。ここの神社の巫女やってるんだし。
「あ、お早うござ……春日さん?」
「えっ?」
 なんだか、私のことを知っているような聞き方だ。というか、知ってるんだろう。……いや、私も見覚えがあるぞ。
「高野か?」
「ああ、覚えてくれてたんですか」
 高野が笑顔になる。そうだ、思い出したぞ。
 高野 遥。女みたいな名前だったな。中学最後の学年で、同じクラスだった奴だ。こいつとは、結構仲がよかったな。
 ……あれ、でも昔の事をちょっと思い出せないな。
「いやぁ、まさかこんなところで会うなんて。そう言えば春日さん、家の手伝いをするからって高校には行かなかったんだよね」
「ああ。そういうお前は……確か……どこだっけ?」
「僕、ですか? いや、僕も高校には行ってないんですよ」
「ああ……そうだったか? なんか忘れてしまって」
 でも、今少し思い出したな。こいつは、誰に対しても敬語を使ってたっけ。それが原因でいろんな奴からおちょくられてたけど、何故かこいつには人を惹きつける魅力みたいなものがあったな。
 キャラクター的には委員長みたいな感じだったけど。
「でも、変わってませんね。春日さん」
「そうか? 自分ではいろいろと変わっていたつもりなんだが」
「変わってませんよ。あなたはいつも優しい人だった」
 今再会したばかりだっていうのに、優しいって……。
「お前も変わってないよ、その誰にでも敬語を使うところとか」
「かもしれませんね。僕は、ぜんぜん変わってないかもしれません」
 何故か、高野は淋しそうな顔をした。
 それから私たちは、中学の頃の思い出話で少し盛り上がった。

654願い事(2/4):2007/01/26(金) 22:45:58 ID:0/YwtYXA0
 次の日も、その次の日も高野はやってきた。同じ時間に。
「また来たのか」
「来なきゃいけないような気がしたものですから」
 そう言いながら、高野はいつも通りお賽銭にお金を入れてお願い事をする。
「なあ、一体何を願っているんだ?」
「それは、秘密です」
 何故か笑顔の高野。何なんだこいつは。
「僕、後二回お願い事しなくちゃいけないんです」
「二回?」
「はい。全部四十二回。うち、今ので四十回お願いしました」
 四十二回……四十二……何か、意味のある数字なのだろうか。
「あっ、四十と言えば、春日さんの出席番号でしたね」
「出席番号? ああ、そういえばそうだったな」
 クラスの人数は四十三人。その中で、私は四十番だった。なにぶん、頭文字が「は」なものだから中途半端な位置になってしまう。
 また思い出に浸る。あの頃は、なんだか楽しかったな。春は、皆浮かれてた。夏は皆授業中だろうがうちわを仰いでたっけ。秋は、体育祭があったな。皆張り切っていた、ついでに皆空回りしてたけど。
 それから……冬? 冬には、何があったっけ? 何だろう。ちょうど今の時期くらいの事が思い出せない。なんだか、とても大事件が起きたような気がしたんだが。
「高野」
「はい?」
「冬に入る前……ちょうど今頃にさ、何か起きなかったか? 中学生の時」
「……ありましたよ」
「あっ、やはりか。すごく重要な事だった気がしたんだが、何故か思い出せないんだ」
 私は、古い記憶を何度も辿る。絶対に何かあったんだ。すごく重要で、すごく……辛かったような気がする。
 と、私は高野がいつかみたいに淋しそうな顔をしてるのに気づいた。
「高野、どうしたんだ?」
「――さないで」
「えっ?」
「! あ、ああ! 何でもないです」
 突然あわてる高野。何だ、この感覚。
 なんだか一瞬、高野が遠く見えたぞ。おかしい、嫌な感じがする。
「そ、それじゃあ。僕は帰ります。あっ、その前に」
 高野は、ポケットから五円玉を取り出した。それを賽銭箱に投げ入れると、また願い事をする。
「これで後一回……明日で僕のお願い事は終わります」
 そう言うと、高野は去っていった。
 だけど私には、高野が突然消え去ったように思えた。
 明日……本当に会えるだろうか。

655願い事(3/4):2007/01/26(金) 22:49:12 ID:0/YwtYXA0
 次の日。いつも通り、彼はやってきた。
「お早うございます、春日さん」
「お早う」
 高野は、私の目の前で止まった。
「どうした? お願い事はしないのか?」
「お願い事したら、お別れになってしまいますから。どうしても、その前に話したいことがありまして」
 お別れ、だと?
「ど、どういう事だ?」
「春日さん。中学生のとき、ちょうど今頃何が起こったか思い出せました?」
「いや、どうしても思い出せないんだが……」
「その日、登校中の学生が男に刺されたんです。通り魔事件ですよ」
 なんだか、胸に何を突き刺されたような痛みが私を襲った。
「その学生の名前、思い出せますか?」
「っ! い、いや……」
 言葉が漏れた。思い出したくないけど、もう本当は分かっている。脳が勝手に、古い記憶を蘇らせた。
 私は、これを思い出したくないがために自分自身で記憶を閉じてたんだ。

 そうだ、刺された学生の名前は――高野 遥だ。

 口を手で押さえる。何故だか、その名を口に出してしまいそうな気がした。涙が溢れ出る。今すごく、悲しい。
 高野は、いつものように笑顔だった。
「本当は、もっと一緒にいたかった。でも、お別れです」
 ポケットから五円玉を取り出す。
「僕、お願いしてたんです。僕と仲良くしてくれたクラスの皆に、僕の事を忘れてほしいって。皆、僕の事をまだ覚えてたんです。だから、早く忘れてほしかった。そんな荷物、早く心の奥底から消してほしかった」
 微笑んでいた高野の目からも、一筋の涙が流れた。
「でも、春日さんだけ特別なんです。僕、ずっと春日さんが好きでしたから。本当は忘れてほしくなくって、でも覚えていてほしくもなくて……だから、ほんのひと時だけ、春日さんに会いに来たんです」
 そう言われた瞬間、私は彼に抱きつこうとした。だけど、出来なかった。彼の体には、もう触れることが出来ない。
 彼の体は、徐々に透き通っていく。
「高野……は、遥……」
「春日さん……僕のことは、忘れてください」
 遥の手から、五円玉がはじき出される。その五円玉は、賽銭箱の中へ――入らなかった。私が、夢中で受け止めたのだ。いつもの脚力がこんな場面で生かされるとは思わなかった。
「春日さん……」
「私は忘れない! 遥の事、絶対に忘れない! お前がいたって事、ずっと思い出し続ける!」
 精一杯叫んだ。涙で目がかすむ。
 遥の体は、ほとんど消えていった。足元から徐々にその姿が消えていく。
「ありがとう……春日さん……僕も忘れないよ……」
 そして、彼の体は完全に消え去った。私はその場に膝をつき、泣き崩れた。

656願い事(4/4):2007/01/26(金) 22:50:24 ID:0/YwtYXA0
「……で、何でこんな事になってるんだろうな」
「その辺については、僕だってどういえばいいのか分かりませんよ」
 あの日から数日後。遥は、私のそばにいた。
「てっきり、死んでしまったものだと思っていた……」
「僕だってそうだったんですけど……まさか、ずっと意識が戻らなかっただけだったなんて」
 そう、例の事件で彼は死んでいなかった。ただ、ずっと意識が戻らなかっただけだった。彼は、生霊として私に会いに来ていたのだ。
 遥が消えたあの日、彼は数年ぶりに目覚めたのである。
「むぅ……」
「どうかしました?」
「あの日のことが、すごく恥ずかしい」
 思い出すたびに寒気がする。ああ、本当に恥ずかしい。思い出したくないのに思い出してしまう。あの日も味わった感覚が、違う方向で私を襲う。
「僕だって恥ずかしかったですよ」
 そうか、そんな笑顔で言われてもいまいち分からんのだがな。
「ところで、後何回だ?」
「えっと、後十二回ですね。今日は後一回くらいお願いしていきます」
 元気になった遥は、もう一度この神社に願い事をしに来た。皆が、自分の事を思い出してくれるように。あんだけでかでかと新聞に載ってたら、誰でも思い出すだろうけど、稼げるからいいか。
「あれ?」
「ん、どうした?」
「すいません春日さん。五円玉を持ってないですか?」
「お前……神社の巫女から金を求めるか?」
 そんな事を言いながら、私はポケットを探ってみる。
「ん、あった」
 と、私は五円玉を取り出す。が、少し考え直すとすぐにしまった。
「あれ、貸してくれないんですか?」
「この五円玉は駄目だ」
 私は左のポケットから五円玉を取り出し、遥に渡した。
 今右のポケットに入っている五円玉は、使うことが出来ない。だって、これを賽銭箱の中に入れてしまったら。
「私が、遥の事を忘れてしまうからな」
「えっ? 何か言いました?」
「なんでもない。ほら、早く願い事を済ましな」
 私たちは、多分ずっとこうしていくんだろう。けど、それも悪くないと私は思った。いや、ずっと続いてほしいと、私は願った。

657名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 22:55:23 ID:0/YwtYXA0
鼓音さんが好きでやった。後、5レスも消費した、その点については反省している。
だんだんトキィとの違いが分からなくなtt(ry

658名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 23:00:40 ID:wqKPHo36O
お疲れ様&GJ!
だが君は重大な勘違いをしている…「春日」は「はるひ」ではなく「かすが」だ!ハルヒは涼宮とはぴねすとホスト部で十分です!w

659名無しのアルカナ使い:2007/01/26(金) 23:19:51 ID:0/YwtYXA0
>>658
指摘ドモ
やばい、そろそろ俺の頭も臨終かもしれんw

660名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 00:01:39 ID:BTM8ec..0
>>658 ハルヒは涼宮とはぴねすとホスト部で十分です
涼宮とはぴねすが分かった俺はオタ確定

661名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 00:56:37 ID:F9lXDMIAO
涼宮しか分からなかった俺はどうなんだろうw確定?

662名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 01:05:29 ID:.J3V/PBw0
涼宮だけならセーフかもしれんw

663名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 01:40:07 ID:F9lXDMIAO
危ねぇ危ねぇw
まぁなんだ、>>657 GJ。次もあったら楽しみにしてまっせ

664名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 01:53:07 ID:BTM8ec..0
>>663
ハレ晴れユカイを口ずさんだ事があるならアウトだよ

>>657
GJ
こういうハッピーエンド物は好きだから楽しく読めた

665名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 02:31:59 ID:F9lXDMIAO
>>664
えっ…?駄目じゃん俺…orz

666千年守〜神依の戦い〜1:2007/01/27(土) 02:36:43 ID:LQRSBQlkO
>>646続き。
目覚めた神依はまず疑問する。ここはいつの時代だろう?おそらくは戦争が多く起きている時代だろうが…。ザッと見回す限り屍や死臭が微かに残る。しかしそれを気にかけている暇はない。時を乱さんとする者を早く見つけなければ…。神依は近くの村まで歩き始めた。
とある村に着いたが、随分と寂れている。戦争の影響と言えばそれまでだが明らかに違う事があった。時に関わった者の気配がする。一、二、三…、二十八人か、体をほぐすには手頃な人数だ。
「どうした?かかって来ないならばこちらから行くぞ。」
その言葉をキッカケに三人が飛びかかる。刹那、神依の一太刀が上空に飛んだ三人を切り落とす。
「不意打ちとは相手が気付いていない時初めて成立する。この三人の結果は当然の事だ。同じ結果になりたくなければ心してかかって来い。」
警戒心を高めた敵は陣を組みじりじりと神依を取り囲む。神依は一息つき、いきなり敵陣に突っ込んだ!神依の刀が鞘から放たれる!すれ違いざま四人が倒れた。尋常でないのは神依の抜刀速度である。引き抜く刀が見えないのはもちろんだが、戻す速度も瞬きしていたら見逃すほどの速度だった。
「吐切!」
神依は自分の前に刀でバツの字を描いた。一瞬遅れて真空の刃が敵を襲う!
「ぐわぁ!」
三人が悲鳴をあげて倒れた。なおも神依は猛威を振るう。空中へ飛翔、敵も阻止せんと空中へ跳ぶ。
「天鎖!」
半月のような刀の軌道は一瞬にして八人の命を絶つ。
「業刎!」
下にいる二人に脳天からの攻撃。あまりの強さに敵の士気が下がる。五人がその場から逃げ出そうとした。
「敵に背を向けるとは見下げた奴らめ…。閏間!」
突撃からの抜刀は容赦なく敵を葬る。残るは三人、突然攻撃を仕掛けてくる!
「…斯封」
ガキン!敵の攻撃を刀で受ける。瞬間三人の体はそれぞれの方向へ吹き飛ばされた。
「雑魚だけか。また一から探さなくては…。」
村を出ようとした時、誰かが後ろから神依を呼んだ。

667名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 03:35:06 ID:iV0K3o5IO
微エロと健全萌えだったら、どちらの方が需要あるかな。
ちょっと進めあぐねてるんで意見下さい。

668名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 04:10:11 ID:F9lXDMIAO
微エロに一票

669アルカナ桜9:2007/01/27(土) 05:46:58 ID:StUR/kSw0
いつもGJくれてる皆さん、ありがとうございます。
続きです。
だいぶ長くなってしまってますが、多分あと3〜4レスで終われると思います。

>>515 2>>520 3>>522 4>>547 5>>558
>>580 7>>600 8>>623

「ホントにこんなんでひとさらいが来るのかなぁ〜?」
「し、知らない・・・でもどうして私がこんな・・・」
「だって、いかにも異国の血が混じってそーな可愛いアタシが
 それやったって、はぁとっぽくないっしょ?」
「それはそうだけど・・・めがねがない私なんて・・・うう・・・」

制服を着て頭にアホ毛をつけ、眼鏡を外したヨリコが嘆く。
ちょっと髪が長すぎるけど、まあ色は似てなくもないし、何より
頭頂部に輝くハート型のアホ毛。
これなら・・・!
―ハートに言われた通りにしてはみたけど全然ハートに見えない。
本当にこれでいいんだろーか・・・ま、暇潰しにはなるからいいか。

「で、この格好で『パルちゃーん!どっかーん!!』って言うん
 だったっけね。さあヨリコ、Let's go!」
「そんなの恥ずかしいよぉ!!やだやだ、リリカがやってぇー」
「ダーメ。っていうか今のカッコだけでも十分恥ずかしいから。
 開き直って、さっさと終わらせちゃお?ね♪」
「うぅ・・・ぱ、ぱるちゃーん・・・どっ・・・か〜・・・ん」

「ヒェーーーッヒェッヒェッ!!!」

シュバーン!!!

「危なッ!!」「キャ!!!!」

ヨリコのやる気ないハートの物真似が終わるや否や、奇声を上げ
ながら気色悪い人形が飛んできて、ヨリコのアホ毛の一部を切り
裂いた。

「りっ、リリカ!!私もしかして今すごく危なかったんじゃない!?」
「うん、そんな気がする」

既に半泣きなヨリコ。
しかし、アタシたちの受難は始まったばかりだった。

一瞬間を置いて、今度は人形と反対の方角から小さな人影が現れる。
よく見ると、ゴスロリファッションの目つき悪いお子様だ。
目つき悪いっていうか、ヤバい?
うーん、あれは間違いなく、4人は殺してるね。

―「殺してる」で思い出した、あれってリーゼロッテ・アッヒェンバッハじゃん!
ヤバいというのも生ぬるい、その道のプロ。
なんでハートがこんなのと知り合いなわけ?

そのヤバい子どもはシュタッとヨリコの前に着地し、ヨリコを
しばらく見つめると、いきなり言った。


「・・・愛乃、はぁと?」



(゚Д゚)ポカーン



どうやら、彼女にはこの急ごしらえなハートがちゃんとハートに
見えるらしい。
おそるべしアホ毛。

「ホ、ホントに来た・・・」
「アンタ、それでよく暗殺業やってられるね?」
ベリ ベリ
「う、いたぃっ!っリリカ、もうちょっと優しく・・・っ!」
「まあまあ、ちょっと辛抱してれば終わるからね」

言いながら、ヨリコのアホ毛をひっぺがす。
ついでに眼鏡もかけさせて、似非ハートは2秒でヨリコに戻った。
殺しのプロであらせられるリーゼロッテ嬢の緋い目が見開かれる。

「!?」
「いやね、ハートがアンタを呼んだら先生をさらって来てくれる
 かもって言うからさぁ。ってか、アンタだったら英語とk・・・」

ゴゴゴゴゴ・・・

「・・・騙したの?」

・・・いかん、殺しのプロが怒っていらっしゃる。
勝手にヨリコをハートと見間違えたのは棚に上げて、逆ギレして
いらっしゃるよ。
緋の目がさらに緋くなり、周囲の空気が歪み、人形がカタカタと笑い、
地面からは何やら黒くて可愛いアルカナの姿が・・・

「あ、アタシたちはこれがハートだなんて一言も・・・!」
「私たち何もしてないのに!」
「いやアンタはハートのコスプレしたけどね?」
「あっ、あれはリリカがやれって言うから・・・」
「・・・死んじゃえ。」

あ、なんか発動した。

―ああ、光が・・・見える・・・あれは・・・

670アルカナ桜10:2007/01/27(土) 06:22:49 ID:StUR/kSw0
さらに続きです。

>>515 2>>520 3>>522 4>>547 5>>558
>>580 7>>600 8>>623 9>>669

「頼子ォォ!!今助けるぞおおおおおお!!」

ズガーン!!
空から一閃の光が差し、アタシたちとリーゼロッテの間の空間を貫いた。

「!」
「みっ、ミケ!!」
「いつもはウザいだけだけど、今日だけは感謝するよ・・・」
「我輩の頼子に何をするか無礼者が!!」
「私ミケの物じゃないもん!めがね置き兼養分でもないもん!!」
「・・・うるさい」

リーゼロッテは突如割り込んできた自称魔王を睨み、クールな
仮面の下に怒りを湛えた表情で、おもむろに傘を構える。
彼女があれを一振りすれば、さっきからアタシたちの足元でうようよ動いてる
怪しい影が襲い掛かってくるに違いない。
まさか、勉強しようとして命を張ることになるとは。
モンカショーとやらが言う生きる力ってのは、十二分に学べてる気がするけど。

「いや、あのね、アタシたちはちょっと勉強を習いたかっただけでね・・・?」
「・・・知らない。勉強なんか教えないし、報酬がなければ人をさらいもしない」

・・・ん?
今何か、とっても大事な事が聴こえたような・・・

「報酬があれば、さらってきてくれんの?」
「え、ちょっとリリカ?」
「・・・高いよ?」
「まあまあ、任せなさいな」

とりあえずリーゼロッテから目は離さずに、素早くミケをこちょこちょといじる。
ミケが契約してる、ディウー・モールを拝借するために。

「うおっ、何をするフェルフネロフ!そっ、そこは触るn・・・」
「へへー、いつもヨリコと一緒にいたから、ディウーの使い方もしっかり覚え
 ちゃったんだよね。それ、ミルワール♪」
「なっ・・・」

ヒュン!
空間が歪み、瞬時にミケがアタシ達の視界から消える。
そして、ミケがいたはずの空間に代わりに現れたのは・・・
白く輝く、いちごのショートケーキ。

「!?」
「ちょっとリリカ、ミケをどこにやったの!?」
「多分今頃、麻布のケーキ屋のウィンドウに並んでると思うよ。
 ほらリーゼロッテ、これあげるから誰かアタマいい人さらってきてくんない?」
「ミっ、ミケがケーキ屋!?大変、早く回収しないと・・・!」
「・・・」

ほら、やっぱり。
コドモを操る基本その一、『おやつで釣る』。
例え殺し屋といえども所詮10歳児。
緋色の視線をじっとショートケーキに注ぎ、固まってしまった。
そして。

「・・・5分待って、心当たりがある」

しばし硬直した後、おもむろにそう言って、リーゼロッテは音もなくショート
ケーキをカバンにしまうと、これまた音もなく立ち去った。
よしよし、これでとりあえず危機は脱した。
アタシってばあったまいー♪

一人感慨に耽っていると、ミケ喪失のショックから脱したらしいヨリコが、
ふと思い出したように口を開いた。

「・・・ところで、コレどうしたらいいんだろう?」
「ん?」

ヨリコが指差した先に視線をやると、そこには髪を振り乱してくず折れる人形が・・・

「あーっ!待てっ、こんな不気味なモン置いてくなーっ!!」
「リリリリリリカ!動いてる!なんかこっちに来てるうぅ!!」
「いやああぁあぁあぁ!!!」



※頼子の「めがね置き兼養分」はアルカナツッコミスレから拝借しました。
ふと思い出して入れちゃいましたが、解りづらかったらすみません。

671名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 10:55:52 ID:2OSdADOc0
>>669-670
GJ
つか、人形とミケカワイソスwwwwwwww

672名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 11:33:59 ID:m6VB5Sro0
>>660
遅レスだけど
全部知ってる自分は死んだ方がいいんですよね・・・・
おかしいな、原作のゲームとか小説とか漫画とかやったことも見たこともないのに・・・orz

673名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 11:41:11 ID:0QccAjv2O
安心するんだ!>>658を書いた俺も全部知っている!w

674220:2007/01/27(土) 11:42:35 ID:4I1b3LLA0
間があいてしまいましたが>>220-221 >>403-405の続きですー
正直ここだけ読んでも付いてこられそうな感じです。
では宜しくです

675聖女はお人形さんに恋してる 6:2007/01/27(土) 11:43:47 ID:4I1b3LLA0
「ささっ、ここで服を脱ぐんだよ!バンザーイってして!」
一般家庭よりも若干広い程度の脱衣所は、少女二人が入ると少々手狭だった。
はぁとが洗濯機のフタを開け、リーゼを脱がしにかかる。
「ばんざい?」
「あーわからないかー。こう、宇宙と愛の交信をするみたく両手を挙げるんだよ!」
リーゼは頭上にはてなを浮かべながらも、わからないなりに両の手を天に突きあげた。
「そいィッ!!」
「わぷっ!」
スポーンと、スポポポーンと、リーゼの上半身からパジャマが引き抜かれた。
ブラなどつけていないまっ平らな胸が外気に晒され、腕で庇うように隠す。
「強引‥‥」
「あはは!日本のお風呂はねぇ、裸の付き合いなんだよ!」
言うと、変身ヒーローがマントを剥ぐように、威勢良くばっとTシャツを脱ぎ捨てた。
こちらもブラジャーをつけていないため、リーゼとは比較にならない女性らしさが振動に震えている。
リーゼが意識せず胸に手を伸ばすのをやんわりと制止すると、はぁとは二人分の衣服を洗濯機に放り込んだ。
「さ、下も脱ぎ脱ぎしようね!一人でできるかなぁ?」
自分はパンツとショーツを同時に足元まで落とし、同じようにして洗濯機に放る。
一糸まとわぬ姿となったはぁとだが、要所を隠そうともせずに屈み込んでリーゼと顔を合わせた。
「どうかな?私が脱がせてあげよっか?」
「私が首を縦に振ろうが横に振ろうが関係ないんでしょ?」
リーゼが頬をほんのり赤く染め、顔をそらす。
「んんんー、自分で脱ぐならそれでよかったんだけど、その顔を見たら気が変わっちゃった!」
「え?」
はぁとがリーゼの腰を両サイドから掴むと、親指だけパジャマとその中のショーツの内側に滑り込ます。
そしてじわりじわりと降ろしだした。
「フヒヒヒ、真っ白で見事な下腹部ですのぉ!ええじゃないかええじゃないか!ニョホホ!」
「ひっ」
怯えるリーゼの顔をちらりと一瞥し、はぁとは尚もずり下げを敢行する。
ゆっくりと、しかし着実にパジャマが下がっていき、リーゼの恥部が露わになろうとしたところではぁとが手を止めた。
「ええのか〜?ええのんか〜?」
「ちょっと、気持ち悪い‥‥」
「おー!でぃすいずじゃぱにーずトノサマね!」
「嘘ばっか‥‥」
リーゼが呆れたようにはぁとを見下ろす。
「ははっ!ごめんごめん冗談だよ!なんか、こうして誰かと一緒にお風呂入るの久しぶりでね、興奮しちゃった」
今度は一息に足首までパジャマをおろした。
あまり肉のついていないふくらはぎに、太さはないものの柔らかさを誇示するふともも、
そしてまだ毛の生えていない、プックリとした未成熟な花弁がはぁとの目前にさらされた。
「うわー!やっぱり白いね!雪見だいふくみたい、食べちゃいたいくらい!」
「は、はやくお風呂はいらないと、風邪ひいちゃう」
よだれを垂らしてふくらはぎをふとももを秘所を見つめるはぁとにリーゼが焦って提案した。
「んー‥‥そうだね!」
リーゼのふとももに擦り付けようとしていた顔をあげると、はぁとがニコリと微笑んだ。
その余りに屈託の無い無垢な笑みを前に、リーゼの脳裏を闇の一面がさっと駆け抜けた。
太陽のような笑みを絶望に塗り替えてやりたいと、リーゼの中に眠る闇が衝動を告げる。
リーゼは発作のように沸き上がった感情を御さんと精神を総動員するが、血の契約は思ったよりも重く
その渇きはリーゼを闇の淵まで引きずり落とすに十分な質量を伴い襲いかかって――
「そんな怖い顔しちゃ、ぷにぷにのお顔が台無しだよ?」
気がつくと、リーゼの顔がはぁとの胸にうずまっていた。
「えっあっ?」
慌てて顔をあげ、はぁとを見やる。
「女の子の胸にはね、愛がいーーーっぱい詰まってるんだよ。何か怖いことを思い出しちゃったのなら、私の胸で泣いていいんだからね」
普段なら鼻で笑いそうな言葉だが、自分をいとも簡単に闇から拾い上げた力を、リーゼは受け入れてみたくなる。
「おねえちゃんの胸、温かくて柔らかくて、確かに愛なのかも」
ここにきて、ようやくリーゼが年相応の笑顔を見せた。
はぁとがそれを見てにへらと頬を緩め、頭をくしゃくしゃと撫でた。
二人は暖かい空気の中、湯気の中に消えていくのだった。

676聖女はお人形さんに恋してる 7:2007/01/27(土) 11:44:40 ID:4I1b3LLA0
「にっぽんのお風呂心得その1!!湯船に入る前に体を洗っちゃう!」
「それは私の祖国も一緒」
「えーそうなの!? 泡ぶくぶくなお風呂でさ、ふわーって掬い上げて洗うようなイメージがあるんだけど?」
「映画の見すぎ‥‥」
はぁとが湯船からお湯を汲み、腰掛けを暖めてからリーゼを座らせる。
「髪はどうする?洗っちゃう?」
シャワーから水を出し、手にかけてお湯になるのを待つ。
「見ての通りショートだから、洗っちゃう。」
「だよね、だよねー。私も洗っちゃう!」
お湯になったことを確認するとリーゼの背中に優しくかける。
張りのある肌がシャワーを弾き、蒸気で髪がしっとりと艶を帯びる。
「私の友達に髪の長い子がいるんだけどね、お風呂だってのにタオルで髪まとめちゃって洗わないんだよ!」
「乾かしたり手入れ大変だし、人の家で数十分もドライヤー使えない‥」
「うー友達なんだから遠慮しなくていいのにね!」
目つむっててねと断りを入れてから、はぁとがリーゼの頭にシャワーを向けた。
鏡に映るぎゅっと目を閉じたリーゼは、どこまでも年相応のいとけない少女だった。
「じゃーん!!はぁと専用シャンプーお父さん使用禁止!これを特別に使わせてしんぜよう!」
「おー」
「髪綺麗なのにあんまり手入れしてないでしょ?だめだよー女の子なんだから」
暗殺やっててそんな暇ありません、とは言えずにリーゼは押し黙る。
しかしそこは女の子。視線はサロン仕様のシャンプーにぴたりと定められ、羨望の眼差しを送っている。
「シャンプーハットとかないけど、大丈夫だよね?」
「そんなものあるの日本くらい」
おっけーと軽く返事をし、はぁとが手の平にうにゅーとシャンプーを垂らす。
柑橘系の甘い匂いが蒸気に乗り、ふわっと広がった。
「いい香り」
「でしょ!この香りで一日の疲れがすぅーって飛んでくんだよ!」
はぁとはリーゼの後ろで立て膝をつき、シャンプーを髪に馴染ませる。
「よし!いくよ!」
勇ましい掛け声と共に、わしわしと指を動かしだした。
はぁとが鏡越しにリーゼを観察すると、やはりぎゅぅーと目をつむっている。
くすりといたずらに微笑むと、はぁとは豊かに泡立ったリーゼの髪をつまんだ。
「見て見て!アトムー!あはは!アトム知ってる?」
「知ってる。今の私みたいに髪の角が2つで――」
「なんちゃって!ホントは妖気を察知した鬼太郎でしたー!」
「っ!」
リーゼの頭から髪の角が1本にょきっと生えている。
はぁとが手を離すと、それは根元から倒れてしまった。
「あれれー?見間違えたのかなぁ?でも1本が2本に見えるなんてこと普通ないよね〜?」
髪をわしわしやりながら、ニヤニヤとリーゼを問い詰める。
「ん?ひょっとして目ぇつむって――」
「つむってない!つむってないもん!シャンプーぐらい目開けてられるもん!」
言い返してから、はっとしたように言い直す。
「シャンプーぐらい、目を閉じていられる」
しかしそれは遅すぎた。
一瞬キョトンとした目をしたはぁとだが、次の瞬間には孫にアイスを与える祖父のような柔和な笑みが広がっていた。
「もー可愛いーんだから!!」
「あぶぶぶぶ!」
後ろからリーゼの矮躯を抱き竦め、柔らかな脇腹や胸をもてあそぶ。
リーゼは目をつむったままあわあわと腕をバタつかせている。
随分賑やかなのねと、洗濯機のスイッチを押しに来たはぁとの母が扉の向こうで微笑んでいた。

677220:2007/01/27(土) 11:48:17 ID:4I1b3LLA0
読んでくださった方サンクスです
後1レスくらい風呂で、その次でオチまで持っていこうと思うです

678名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 11:56:24 ID:XFl9JXvcO
>>677
GJ!
はぁとのフヒヒに思わず吹いてしまったww

679安栖家の日常3:2007/01/27(土) 13:00:04 ID:5OC9FONY0
俺は頼子の部屋に入り、部屋を見渡す。部屋の片隅に置いてある猫のぬいぐるみが可愛らしい。だが目がやけにギラギラしている気もするが・・・
そう思いつつ、星の形をしたクッションの上に座りこむ。
頼子はいつからなのか、占いに興味を示し始め、部屋の中にも怪しい水晶やらが飾ってあるのだ。このクッションもきっと五芒星ってやつなのかな?頼子は俺の正面に、同じく五芒星の形のクッションに座り、机をはさんで向かい合っている。

正人「いつ振りかな〜・・・こうやって頼子の部屋に入ったりするのも♪」
頼子もすでに中学生、年頃の女の子であるし、俺も勉強が忙しかったりで中々時間を取って話をすることも最近はなかったのだ。

頼子「ね、ねぇ・・・お兄ちゃん・・・話って、何かな・・・?」
正人「ん?いやな、最近忙しかったし、頼子と話も出来なかったからさ〜♪」

にっこりと笑顔を向けると、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして俯く頼子。俺の妹ながら可愛すぎるな。

頼子「そ、それは嬉しいんだけど・・・私今日も宿題一杯あって忙しいんだ・・・だからゆっくり話をしてる余裕がないの・・・」

頼子はバツの悪そうな顔をして喋る。そう言われたら仕方ないと思った矢先、当初の目的を思い出した。
正人「(そうだ、俺は頼子の最近の夜の奇行について相談に乗ってやろうと思って来たんだよな)」
正人「な、頼子・・・俺に隠し事、してないか?」
頼子の肩をがっしりと掴み、目線を合わせてそう喋ってみる。すると、
頼子「し・・・して、ないょ・・・」
頼子は目線を泳がせ、静かにつぶやく。どうやらビンゴらしい。俺はその隙を逃さず更に詰め寄る。
正人「なぁ頼子、俺ってそんなに頼りないのか?兄として俺は頼子にとって何もしてやれないのか?!」
頼子がビクッと肩を震わせた。まずい・・・一人でエキサイトして頼子に怒鳴っていたみたいだ。
正人「(これは・・・確実に俺が悪いよな・・・)」
正人「ごめんな・・・自分で突っ走って頼子の事考えてなかったみたいだ・・・本当にすまない・・・」
俺は頼子の頭を撫でてやろうと手を伸ばした。

・・・その時だった。

?「ふん、下衆な兄が居たものだな。妹に逆上してどうしようというのだ。全くこれだから人間は・・・」

俺はその時、どこから聞こえたとか、誰が喋ったとか、まったくわからず、ただその言葉を受けてポカンとしていた。頼子はただ、しまったと言わんばかりに頭を抱えているだけで、しばしの沈黙が流れた。俺はきょろきょろと辺りを見回し、何も無いと思ってまた正面に向き直ると、二人の間のテーブルに先ほど部屋の片隅で見た猫のぬいぐるみが鎮座していた。

頼子「ミケェ!喋ったら駄目って言っておいたでしょ!?」

頼子が人形に向かって喋っている。あぁ・・・俺の妹はおかしくなってしまったのだろうか・・・。俺がそう考えていると、

ミケ「うるさいぞ頼子、お前が押し黙っていたからな。我輩が言わなければお前はずっと言われっぱなしであっただろう。我輩に感謝しろ。それと貴様、まがりなりにも頼子の兄ならば、少しは頼子を気遣う気持ちを持て。」

正人「は、はい・・・すいませんでした・・・あの、頼子さん?この方は一体?」
何故か猫のぬいぐるみに説教されてしまって、俺は敬語になってしまっていた。そのまま目線だけを頼子に向け、質問した。
すると頼子は、
頼子「ごめんね・・・お兄ちゃん・・・興味本位で召喚術を試したら・・・中途半端に成功しちゃって・・・それで出てきたのがこのミケなの・・・」

正人「そっかそっか、召喚ねぇ・・・ん?ええぇえええ!!!!??」
俺はその場に立ち、段々とスケールの大きさに耐えられなくなった俺は叫んでしまった。その姿を、頼子は申し訳なさそうに、ミケという謎のぬいぐるみは、面倒くさそうな表情をして見ていた。

3つ目です。皆さんと比べて、文章力はないものの、書いてて楽しいのでupしてます。
もし、見てられん!という意見がありましたらやめさせていただきますので、それまではお付き合いください。

680名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 13:05:44 ID:Y1/FrIuE0
>>674
GJ!!
リーゼのデレっぷりがやばい
おかしいよね、俺ロリコンじゃないのに・・・

681リーゼのお悩み相談〜はぁと編〜:2007/01/27(土) 13:42:20 ID:WmQN1Ddw0
「どうも、ごきげんよう。私が作者の友達に『薔薇獄乙女』を口ずさみながら使われていたリーゼロッテ。今日も悩める乙女のために人肌脱ぎます……ふふふ」

「はぁ……」
 夕暮れの校舎、誰もいないはずの教室に一人だけ残っている生徒がいた。
 明らかに重力を無視したその髪形を見れば、誰もが分かってるくれる。アルカナハート主人公にして[自主規制]疑惑ありの、愛乃 はぁとである。
「困ったなぁ……」
「困った時は、いつでも相談。リーゼロッテのお悩み相談コーナーまで」
「うん、そうだねぇ……あわわわわわあああああぁ!?」
 突如隣に現れた人物に、すっごいリアクションを取るはぁと。
「いいリアクション。愛乃 はぁと、一緒に全国を目指す気はない?」
「リーゼちゃん?! ドイツに帰ったんじゃないの!? っていうか、全国って何!?」
「そんな話はどうでもいい。それより、悩みがあるなら相談にのる」
「……なんだか、すっごくキャラクターが変わっちゃってるね。まっ、いっか。せっかくだから相談にのってもらっちゃおっかな」
「そうして。じゃないと、私いらない子って言われそうな気がして……うぅ」
 何故か泣き出すリーゼ。
「わっわっわ、リーゼちゃん大丈夫!?」
「いいから、早く、相談」
「あっ、うん。分かった。えっとね〜、相談って言うのは」
 はぁとは、自分が悩んでることを詳らかに述べていった。
 四十分たった時点でいつの間にか「この髪の毛は寝癖なんだよ〜♪」という会話になってしまっていたため、相談内容を要約すると

 さーたんに恋してます。でも、私もさーたんも女でしたこのヤロー。

 的な事だそうです。
「それは重大な悩みね、愛乃 はぁと」
「あっ、リーゼちゃんも分かってくれるの?」
「寝癖でその髪型になるなんて、もはや人を超越……」
「そっちじゃないよ!? 私の相談聴いてた?!」
「……惜しい。それだけのツッコミが出来るなら新○劇出演も夢じゃないのに」
「いらないよ! そんな夢!!」
「まぁ、つまり女同士の恋は成就するのかどうかと言うこと?」
 少しためらいがちに、はぁとはうなずく。
「多分……大丈夫」
「ほ、本当!?」
「私は、その人が望むならどんな恋でも成就すると思ってる。だから大丈夫、あなたがいつものように愛さえ信じていれば」
「うん、ありがとうリーゼちゃん! なんだかんだで最後はしっかりといいこと言ってくれるね♪」
「伊達にお悩み相談を受け付けてない。さて、最後にお姉ちゃんの意見も聞く」
 リーゼは、トランクを地面に置いた。
「お姉ちゃん、最終的な結論を」

 カパッ

『抱けよ』

 パタン

「……」
「……」
「……それじゃあ、さようなら。ギーァ、行って」
 リーゼは、ギーァにまたがり窓から飛び降りていった。
 一人取り残されたはぁとは、一体自分はどうすればいいのだろうかと思いつつ、窓からリーゼの後姿を見てため息をついた。

>>677
毎回GJなんだぜ。おっと、それ読んだ後意味もなく奇声を発してしまったってのは内緒だ(何

>>679
GJ! イイョイイョー

682名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 15:13:19 ID:ztaZCamI0
>>679
書いてて楽しいから書くって、すごく正しいと思うよ。
ということでGJ!

683名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 15:35:03 ID:e8SRRWB2O
>>681
『抱けよ』に吹いたの俺だけ?

684497:2007/01/27(土) 16:04:29 ID:zo08LgFM0
三話目いきます。まだまだ終りそうにないですが、お付き合いしてもらえたら嬉しいです。>>497 >>549
-長い夜〜遭遇-
そう、あの夜の事は忘れない。今目を閉じればそこに…。
件の事変から数ヵ月、関東一円では次元の歪みが多発し、異界の者達による被害が続出した。
「魔王たる我輩がこの状況を見過ごす事が出来るわけが無かろう?行くぞ!頼子!」
こうなる事は大体予想が付くわけで、ミケが歪みを察知する度に連れ回される日々が続いていた。
学園の生徒も被害にあってるし、愛乃さんたちも頑張っていると聞くし、私だってやれる事はしたい。そう思って毎夜街を見回っていた。
歪みから現れるのは小物ばかりで力を失っているとはいえミケの敵では無く、少なくとも私達の手の届く範囲での事件は激減した。
けど、ミケはいつも浮かぬ顔、一人(?)考え込む時間が増えている。
「…ねぇミケ、朱鷺宮先輩と何話したの?」
以前、現場で鉢合わせた先輩と二人で話してからだ。
「んー?なんだ?頼子、千年守と我輩の関係が気になるか?お前が勘ぐるようなことはないぞ。清い仲だ」
これだ。はぐらかして、からかって、子供扱い。本気で心配してるのに!!
みるみる不機嫌になる私を見てミケは急に真面目顔になり、優しく言い聞かすように、私の目を見て言った。
「終らせないといけないのだよ、この手でな」
何も気付けなかった。理解出来なかった。子供扱いじゃなくて、ホントに子供だったんだ。
「!! 頼子、歪みだ。しかも大きいぞ!」
「えぇっ!?でも、キャアッ」
一瞬で頼子に取り付いたミケは開け放たれたベランダから飛び出す。
ミケランジェロは伝えるべくを伝えず、安栖頼子は聞きたい事を聞けず、向うは惨劇の地、都内廃ホテル。

685名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 16:54:45 ID:8mgsP1TgO
>>683
心配するな、俺もだ

686497:2007/01/27(土) 17:52:59 ID:68/T1lLQ0
「ここだ頼子!」
「と、飛ばし過ぎだよ〜。」
あっという間に到着した廃ホテル。確かに違和感を感じる。…だけど、これは
「ミ、ミケ、中にいるの、普通じゃないよ?」
「……」
うろたえる頼子を引きずり押し黙ったままのミケ、まるで相手がわかっているかのようだ。
元は豪奢であったであろう広大なロビー、その中心に、それはいた。
スラリとした体に上等なスーツ、金色の長髪、細面に切れ長の目、美しい男だ。だが、その姿を双眸で捉えた頼子は、その場にへたりこんでしまった。
床の感触が解らない、イヤな汗が止まらない、心臓が早鐘を打つ。
あれは『死』だ。ミケでも、どうしようもない。
「今晩は。魔王ミケランジェロ。そんな貧相な姿でよく私の前に現れたね?」
涼やかにロビーに響く声。親しげにミケに話しかけて来る。
「貴様の眷属ばかりを狙っていればいつかは気付くだろうと思っていたぞ魔王フェルナンデス」
平静を装って応じているが、隠し切れぬ怒気が空気を震わせる。
「殺る気かい?今度はそのゴミを盾にするのか?」
意に介せず話し続ける。
「黙れフェルナンデス」
「全く君は『騎士』に恵まれないな、『レイア』といい、今回の…」
「黙れと言っている!!」
一段と強く響く声。
五月蠅そうに眉をしかめたフェルナンデス
「だったら黙らせてみなよ。出来るならだけどね?」
空気が凍り付く圧倒的な殺意
「元よりそのつもりよ。頼子、下がっておれ。」
するりと頼子の体からミケが離れる。
「あっ…。」
待って。聞きたいことがあるよ。『騎士』って何?『レイア』って誰?言葉が出ない、体も動かない。
杖の姿のミケ、持ち手の部分を脊椎に見立てて人型を形作っていく。頼子の知らない姿へ変貌していく。
「そうこなくっちゃ!、張り合いがないよね!?」
フェルナンデスの嬉しそうな声が聞こえた。頼子はミケの威風から目が逸らせなかった。
2mを超す鉱物のような黒光りする体、むき出しだった頭蓋を覆った肉も同じく、喩えるなら黒豹の騎士といった風体か。発する魔力も信じられない強さだ。
「オオオォォアア!!」
咆哮し、疾駆するミケこちらを一瞥だにさない。
「さあっ楽しませてくれよ…?」
静かに迎え撃つフェルナンデス。
イヤな予感がする。誰か止めて。お願い。
月光が差し込む朽ち果てた空間、二体の魔王の戦いが始まる。
-続く-

687497:2007/01/27(土) 17:59:56 ID:68/T1lLQ0
携帯なんで1レスずつしか書き込めず、間が空いてしまいました。
次神依出ます。最終的に皆出る予定です。

688名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 20:35:21 ID:oQcnM2QYO
ついに楽天の強打者まで出てきたか

689名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 20:45:25 ID:68/T1lLQ0
>>688
いや、某格ゲーのラスボスからとったんですが。

690名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 20:52:17 ID:ztaZCamI0
ついにフィオナ解禁されたね。これでフィオナのSSもぼちぼち出てきそう。
冴姫との仲は案外あっさりしてるみたいだが、果たして……

691名無しのアルカナ使い:2007/01/27(土) 23:56:42 ID:iV0K3o5IO
>>676
>はぁと専用シャンプーお父さん使用禁止!
リアルで泣けてきた
はぁとも父親が入ったあとの風呂はヌメヌメしそうとか言ってお湯張り替えるのかな……

692千年守〜神依の戦い〜2:2007/01/28(日) 00:07:23 ID:Ian0SG9oO
>>666続き。
神依が振り返ると、その村の者らしき人達が立っていた。
「何か用か?急いでいるからな、用件は短めに頼む。」
「アナタは何者何ですか?あれだけの『黄泉』の兵隊を一瞬で倒すなんて…。」
「『黄泉』?何だそれは?」
村の者は神依の質問に答えた。最近この村に現れる武装集団で勢力拡大をしている事を。
「なる程、しかし私の目的とは異なるな。真に倒すべきは時の罪人だ。何か知らないか?」
「時の罪人?そーいえば『黄泉』の死四天と呼ばれる者達がこの村に来た時に、時がどうのこうのと話していた気が…。」
「それは本当か?ならば調べてみる必要があるな…。」
神依には少し焦りがあった。本来千年守には邪なる者の気配を察知する能力がある。しかしこの時代に来てからは上手く察知出来なくなっていた。なので人の情報に頼り探さなくてはならなかった。
「『黄泉』は南の山の頂に本拠地を構えていたはずです。どうかお気をつけて。」
神依は村人達に礼を言って歩き始めた。目指すは南に位置する山の頂である。


「千年守とやらがこちらに向かっているらしいな?」
「あぁ、奴さえ倒せば全てが我らの思う通りだ…。」
山の頂のある場所で会話を交わす男達の影がある。更なる戦いが神依を待ち受けている…。

693名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 00:55:26 ID:me1BFXYM0
みんなの作品に会えてしあわせだぁ
GJ

694千年守〜神依の戦い〜3:2007/01/28(日) 02:03:59 ID:Ian0SG9oO
>>692続き。
「なる程、ここに本拠地を構えた理由が伺えるな。」
そこは岩山に囲まれた一本道だった。もし敵に攻められたとしても地の利が味方し敵を迎撃できそうだ。いつ敵が出てきても良いように神依は神経を集中し慎重に歩を進める。案の定崖の上に弓を構えた敵が出てきた。
「ってぇ!」
掛け声と共に無数の矢が降りそそぐ。神依は一気に道を駆け抜ける。時折当たりそうになる矢を刀で撃ち落とし、いきなり神依は崖の上まで舞い上がる。
「…ふん。」
目を細め己が剣を解き放つ。次の瞬間、無数の人影が吹き飛ぶ。
「私に牙を向けたのだ、覚悟は出来ているだろうな?」
「貴様何者だ!?」
どーやら隊長格の者が出てきたらしい。
「名乗って欲しければ自分から名乗れ。もっとも雑魚に名乗る名などないがな。」
隊長格の男は憤怒で顔を赤らめるが、たじろぎ神依の出方を伺うしかなかった…。

「雑魚に用はない…。」
身を翻し道を進む神依。その背には百を越す人間が倒れていた…。道の終わりに門がある。どーやらここが本拠地で間違いなさそうだ。門を開け中に入るとだだっ広い部屋が目に入ってきた。奥に大きな人影が見える。
「女の身でよくここまでこれたのぅ。ワシは死四天が一人、岩王じゃ!」
今までの相手とは明らかに違う、一瞬でそれを読み取り神経を更に高ぶらせる。
「千年守、神依だ。この戦い避ける事はできないか?」
「できぬ相談じゃ。貴様は我らの同士を殺しすぎた。なにより強者同士が顔を合わせたならば戦うのが我ら共通の掟…。」
そー言いながら岩王の腕には力が入ってゆく。持っている棍棒を振りかざし叫ぶ!
「いざ!尋常に勝負!」

695名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 02:29:24 ID:Xo/oBM7cO
>>691
お湯はともかく、女の子ならシャンプーくらい自分専用のがあっても別におかしくなくね?

696千年守〜神依の戦い〜4:2007/01/28(日) 03:09:30 ID:Ian0SG9oO
>>694続き。
ドゴーン!爆発のような音が鳴り響く。岩王の振りかざした一撃は床に大穴をあけた。しかしそこに神依の姿はない。
「…なる程、素早いのぅ。」
横を見ると神依が何事もなかったかのように立っていた。
「参る。」
一瞬で神依は岩王との距離を無にする。ズバッ!神依の一撃が岩王の腹部を切り裂いた。…はずだった!
「さすがじゃのう。じゃが、ワシの筋肉は鋼鉄と同じ!そんなナマクラではワシを切れぬぞ!」
そう言い放ちながら棍棒を横殴りに振り回す!神依はそれを上に避けながら攻撃を仕掛ける!
「食らえ、天鎖!」
空中で半月の軌道を描き神依の剣が岩王に襲いかかる!だが、これも通じなかった。遠くに離れ次の攻撃に移る。
「吐切!」
真空の刃が岩王に直撃する!
「効かんのぅ…。降伏するなら一撃であの世に送ってやるぞ?」
吐切を受けた腹を掻きながら勝ち誇った笑みを浮かべる。しかし神依は攻撃の手を休めるどころか、手数を増やし猛攻する!それに応じようと岩王も反撃するが、岩王が一発攻撃する間に神依は5〜6回切りつける。それでも岩王に効いた様子はなく徐々に岩王の攻撃も危なげになってくる。
「無駄だと言うのが分からんのか!?ワシの筋肉は鋼鉄と同じじゃ!」
神依は岩王の一撃を大きくかわし距離を稼いだ。
「安心しろ。次の一撃で終わる…。」
低く抜刀の構えをし、徐々に岩王に向かい突進して行く。
「一撃じゃと?面白い!ならばその一撃に耐えてみせるわ!」
岩王も最大級の攻撃をするために構えた。絶対の耐久力がなければできない構えである。
「勢至菩薩…。」
経文のような言葉を発しながら突進は続く。ボンヤリと神依の手と鞘が赤く光る。
「死ねぃ!」
岩王が棍棒を振り下ろす!
「無怨!」
神依の突進が更に速さを増す!…二人がすれ違う。次の瞬間岩王が膝から崩れ落ちた。
「岩王、お前の敗因は己の肉体に自信を持ちすぎた事だ。気付いていなかったかもしれんが、私はお前の腹だけを切り続けていたのだ。塵も積もればと言うやつだな…。」
そう言い残し神依は部屋をあとにした。

697千年守〜神依の戦い〜5:2007/01/28(日) 05:35:02 ID:Ian0SG9oO
>>696続き。
長い廊下を走り抜けるとまた広い部屋に出た。周りを見回してみるが誰もいなさそうだった。時間が惜しい、そー考え向こうの扉まで走ろうとした刹那だった。シュバッ!とっさに神依はその攻撃を避ける!上から鋭い何かが神依の頬をかすめた!
「くっ!何者だ!?」
「キッキッキッ…。惜しかったでヤンスね〜。」
小柄な男がそこにいた。両の手には鉤爪が装備されている。
「今度は随分無礼な輩だな。貴様も死四天とか言う者か?」
「えぇそうでヤンスよ。アタシの名は鎌鼬(カマイタチ)。貴女には早速死んでいただきましょうかね…。」
言うが早いか、鎌鼬はいきなり神依に向かってきた!シャ゙キーン!鉄と鉄の交わる音が響く。神依は横に刀を振った。が、鎌鼬の姿はそこにない。
「チッ、すばしっこい奴だな。」
頬に流れる血を乱暴に拭いながら神依は鎌鼬を睨みつけた。
「キッキッキ、それだけが取り柄みたいなもんでヤンスからね。」
そー言って鎌鼬はなお攻撃してきた。
「貴女も相当に速いが、アタシにはかなわないでヤンス!」
神依の頭上を飛び越しながら肩を切り刻む!鮮血が吹き出し辺りを赤く染め上げる。
「まだまだ!」
様々な角度から攻撃を仕掛ける。神依の服や体に傷だけが増えてゆく。
「キッキッキ、いかがでヤンスか?手も足も出ない状況は?」
鎌鼬が地上に降りつつ神依に質問を投げかける。
「…ふぅ、まったく迷惑な奴だ。この服はなかなか気に入っていたのだぞ?」
まったく表情を変えずに神依はそう言った。鎌鼬は額に汗を垂らしている。
「…それだけ強がりが言えれば上等でヤンス。次で殺すでヤンス。」
普通ならば恐れの表情をするはずが何もなかったかのような振る舞い。この相手はマズイ!早く殺さなければ!鎌鼬の直感は全力でそう告げていた。
「死ねーーー!!!」
神依は上空に高く飛んだ!
「馬鹿め!空中では上手く身動きとれまい!」
神依が飛んだ位置まで鎌鼬も跳び上がり攻撃を繰り出そうとした。
「身動きとれないのは貴様もだろぅ?」
ギクリッ!?気付いた時には遅かった。一瞬神依が放つ半月の軌道が赤く染まる。
「文殊菩薩…、逝斬!」
鎌鼬は真っ二つになった。
「いくら速くても来る方向が分かれば見切る事も出来るさ…。」
応急処置すると神依は次の部屋へと急いだ。

698名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 06:59:47 ID:dKkxqt/EO
シュバッ!!カムイにはなんとおちんちんが着いていたのです

699名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 09:50:06 ID:EZYu1WAsO
O−TINTIN!

700名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 10:01:04 ID:WluDfi6YO
>>666
発生7フレだしね
そりゃ尋常じゃないわ

701名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 10:30:23 ID:Scm0EaAkO
やば・・・・神威使いたくなってきたYO!!

702名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 13:12:26 ID:Ian0SG9oO
>>698
そんなつもりで書いたんじゃないやい!(;□;)

703名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 19:37:10 ID:lpagP4MMO
フィオナのED見て思ったんたが
もしフィオナが人間に戻って冴姫達の居る世界へ帰ってきたら、はぁととの壮絶な三角関係が形成されそうだな

フィオナとばかり一緒に居る冴姫
愛する冴姫にかまってもらえないことで次第に精神を病んでいくはぁと

とかどう?

704千年守〜神依の戦い〜6:2007/01/28(日) 20:12:40 ID:Ian0SG9oO
>>697続き。
第三の部屋に着いた。見たところ誰もいなさそうだが、不穏な空気を感じる。
「まさか、幻術か?だとしたら厄介だな…。」
神依は目を閉じ神経を研ぎ澄ます。ユラリ…。空間に歪みが生じる。
「そこか!?」
その歪みを斬りつける。黒いフードを頭から被った男が蜃気楼のように現れる。
「…さすが二人の死四天を倒しただけありますね。」
顔がよく見えないが…、目の前にいるはずなのに存在を感じない。
「私は死四天の一人、幻郎と言う者です。千年守の神依様ですね?」
「いかにも、随分丁寧な挨拶をするな。何が目的だ?」
神依は鋭い眼光で幻郎を射抜く。この男は油断ならない…。
「貴女程の方をただ殺すのは忍びない。どうです?我らの同士になりませんか?貴女なら死四天の名に恥じない働きをしてくれるでしょう。」
「いきなり現れて勧誘か?あいにく私は貴様らの遊びに付き合う程暇ではない。」
フードの奥で目が光る。何を考えているか全く読めない。
「…交渉は決裂と言うわけですね。後悔しますよ?」
「クドい!貴様らのような外道に預ける剣など持ち合わせていない!」
「残念ですね…。良い話だと思ったのですが…。」
「代わりに聞きたい話ならあるがな。貴様ら何を目的にしている集団なのだ?返答によっては今すぐ切り捨てる!」
顔は見えないが明らかに幻郎は笑っている。
「私を倒す事が出来たなら教えてあげましょう。」
「面白い、ならば力ずくで聞き出してやろう!」
一足飛びに神依は幻郎に切りかかる!

705ソジーの錯覚−第一節−:2007/01/28(日) 21:36:06 ID:6AKe2I7Q0
初めて恥文を晒します。すんません。ごめんなさい。

ガチャリ、ガチャリ、ガチャリ
古い洋館の一室で少女が寝台の上に木製の玩具に何かを施している。
肢体と関節を糸で繋いだ操り人形のようなものだ。
木製のそれは人型をしていて赤い髪が垂れている。

「・・・さん、姉さん、もうすぐ叶うよ」

鉄格子の窓からは月明かりだけで、わずかな明かりだけ
少女は呪文を唱える。******

「行こう。」

呟いた瞬間木製のそれはガシャッと音を立てたかと思うと
少女の開けるトランクに収まった。

重い扉を開けると寒風が少女を襲う。

「寒いけど我慢してね、すぐ近くだから」

少女は歩き出し、ある家の前で止まった。

-愛乃家-

表札を確認すると一瞬少女は闇の中に吸い込まれたかと思うと眠る愛乃はぁとの前に姿を現した。

はぁと「zzz・・」

「姉さん、さぁ」

鞄を開いた瞬間木人形がはぁとの腹部のあたりをめがけて飛び込んでいく。
掛け布団を掻き分けて、潜水するように、そしてずぶずぶと沈んでゆく。
だがしかし、それだけだった。音もなく。
はぁとは苦しむ様子もなく変わらず寝息を立てたままだ。
リーゼロッテ・アッヒェンバッハは無表情のまま闇に背中を預け消えた。

−第一節終−

706名無しのアルカナ使い:2007/01/28(日) 22:24:18 ID:NTMF4/Ok0
        冴姫←―――――→はぁと
        ↑   相思相愛  ↑
     はぁとの恋敵       |
        |        はぁたんきて〜
        |         | 
        マオリ―――――――┘

707千年守〜神依の戦い〜7:2007/01/29(月) 00:08:17 ID:e1DR.L0QO
>>704続き。
神依の剣が幻郎を斬りつけた!確実に捉えられる間合いであった、にも関わらず幻郎はスルリと剣から体を離した。
「これも幻術か?」
「…ふふふ、どうでしょう?次はこちらの番のようですかね。」
そう言いながら幻郎は右手を上に挙げる。
「喰らいなさい!炎無殺界!」
幻郎は大きな火球を作り出した。部屋の温度が急激上がった気がする。
「くっ!?燃え尽きそうな熱だ…。しかし、これは幻術のはず!」
神依は火球に向かって突進した!…何ともない。やはり幻術だったのだ。
「…本当に素晴らしい方ですね。殺すには惜しいですよ。」
「ふん、まだ私に勝つつもりか?ネタさえ分かれば幻術など通じんぞ!」
神依は幻郎に斬ってかかった。やはり斬りつけたはずなのに幻郎は刀をすり抜ける。
「どーしました?貴女の攻撃は当たりませんね?」
不適な笑みを浮かべる幻郎。神依は何かを考えている。今まで感じていた違和感の正体が見え始めてきた。
「試してみる価値はあるな…。」
神依は深呼吸をし刀を構える。
「なんのつもりですか?もう諦めたほうがよろしいのでは?」
幻郎の言葉などには耳を貸さず、神依はじっと待つ。…カッ!目を見開き×字に刀を振り回す!神依の前に描かれた×字は赤い光を帯びている。
「行け…、枯霊!」
凄まじい勢いで赤い真空の刃が幻郎に襲いかかる!しかし、赤い刃は幻郎をすり抜け後ろの何かに当たった。
「ぐわぁ!!」
空気が歪み部屋の風景が一新される。さっきまで見えていた幻郎は消え、そのいくらか後ろに本体である幻郎が倒れていた。
「最初から偽物の自分を作っているとはな…。」
「くっ、なぜわかった?私の幻術は完璧だったはず…。」
「貴様の幻術が完璧だったように私も剣技に絶対の自信がある。よもや相手との距離を見誤るはずはない。ならば幻術を使い距離を狂わせられていると考えるのは自然な事だろう?」
「成る程、やはり惜しいですね。貴女が敵でなく味方ならと心から思いますよ。」
「それより答えて貰おう。貴様らの目的はなんだ?」
幻郎はニヤリと笑う。
「時代を揺るがす事らしいが、残念ながら私は詳しい話は知らない。あの方の考えなど我らには理解出来ない事だ…。グハッ!」
幻郎は舌を噛み切って息絶えた。神依はなおも進む。時の罪人を裁くために…。

708舞織 初体験!(18禁注意!):2007/01/29(月) 00:14:21 ID:.mwJvrF20

はぁと「んっ・・・・・ちゅっ・・じゅる・・・・じゅぷっ・・・・あぷっ・・・はぁ・・・」

はぁとちゃんはこくっ、こくっ、とのどを鳴らしながら飲んでいる。しかも、とても美味しそうに・・・・・・。
固い「それ」から勢い良く出ている、その液体を。一通り飲み終えると満足した表情で私にこう言った。

はぁと「まおりんも一緒に・・・・・のもう?すっごく・・・・おいしいよ?」
舞織「え・・・・でも私・・・。こういうの・・・初めてですし・・・・・・あの・・・」
はぁと「簡単だよう・・・私が手伝ってあげるから・・・ね?」

そういうとはぁとちゃんは固い「それ」をくいっ、くいっと握っている。

はぁと「ほらほらまおりん♪顔を近付けて、お口を大きく開けるんだよ♪はやくはやく〜」
舞織「え・・・・・あっ・・・・・はいっ・・・・・・。」

そう促されて私は肩にかかっている髪を後ろにやり、顔を近付けた。とはいえやはりあまり綺麗なものとは思えずつい顔を遠ざけようとしてしまう。

はぁと「あ〜だめだよ〜。それじゃしっかり飲み込めないよ〜?もっともっと近くに顔を持ってくるの!」
舞織「も・・・もっと?・・・えっと・・・・これで・・・・いい・・・・ですか?」

私は上目使いではぁとちゃんの反応を見る。

はぁと「そーそーそんな感じ♪それじゃいくよーーーーーーー!!えーーーい!!」

そう言うとはぁとちゃんは「それ」を強く捻り出す!

 くいっ、くいっ、くいっ!!   ぶっしゅううううううう!!!!

舞織「きゃっ・・・きゃあ!」

次の瞬間、私の顔や服に勢いよくその液体が飛び散った。

はぁと「あははははははははははは〜〜〜♪まおりんずぶ濡れ〜〜〜♪あはははは〜♪」
舞織「ちょっ・・・ちょっとはぁとちゃん!いきなりいっぱい出すなんてひどいじゃないの!!!」

はぁとの笑い声と舞織の怒声が公園にこだまする。

以上、公園にある水道の蛇口で水を飲む二人でした・・・・・。


うっわ、ありきたりだなー・・・と思いつつも今日なんとなく公園で蛇口を見て思いついてしまったのです。
後悔は・・・・・ちょっとだけしてますので・・・・ゆ、許してえ・・・・。
・・・・・まぎらわシリーズその1・・・・・・完

709名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 01:06:08 ID:Lg5/rJjoO
>>708
なかなかやるなww

710名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 01:08:22 ID:UNB/FDc6O
とりあえず>>532の続き
「……はあ」
「どしたの冴姫ちゃん、メランコリー?」
……正直、今は放っておいてほしい。だけど、今ここで突き放したって、はぁとは余計に構ってくるだけだろう。
「もう、ATフィールドばりばりって感じだよ〜?」
「……別にそんなことはないわよ。……今日はもう帰るわね」
「あっ、一緒に帰ろうよ!」
背中に届くはぁとの声を無視して、私は学校からの帰路につく。
「私が何故、絵ごときにここまで悩まされなくちゃいけないのよ……!」
私は、友人や知り合いに心配などをかけることをよしとしない。
……そして、無様な姿もを見せることもよしとしない。
「結局、一人で練習するしかないのだけどね……」
はあ、と溜め息をつく。黄昏時の空が、私の心を表わすかのように、悲しく赤く染まっていた。
「次だ、ほらっ」
「わふーん」
「……?」
通りがかった公園で、二人……いや、一人と一匹……? 違う、やっぱり二人が、じゃれあっていた。
「……おお、お前は……」
その内の一人、セーラー服を着ている人物がこちらを向いた。
「あなた、朱鷺宮の……」
「廿楽か、久し振りだな」
無表情のようで、そうでない。感情の読めない彼女……。
「あなたが、何故ここに? お役目は終わったのですから、眠りについたのでは?」
「何、ちょっとした息抜きをしたくなるときもある」
そういうものなのだろうか、私にはわからないけれど……。
「神依さまー、とってきたでござるー!」
「おおそうか、じゃあ次だ、それっ!」
「わふふーん!」
「……何をしているの?」
「見ての通り、フリスビーだが」
それはわかる。だが問題なのは取りに行っているのが犬ではなく犬っぽい少女というところだ。
「……恥ずかしくないのかしら」
「恥ずかしい? 何故」
「だって、あんなとこ他の人に見られたら……」
神依は、「ああ」と得心いったという顔をする。
「あいつはいつもありのままだからな、飾るものがなければ、恥を感じることもない」
「…………ふうん」
私には、わからない話だ……。
そのときは、そう思っていた。
続く

711名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 01:38:38 ID:hprR28wI0
>>710
久々に『気高い』冴姫を見た気がする。
ガチレズイメージ定着しちゃったなぁ……



先程、「はぁと×ツンデレリーゼ」と言う電波が飛んできた。
しかし、既に開拓されているようで少し寂しい。

712497:2007/01/29(月) 01:42:06 ID:FnCb5g8g0
>>497 >>549 >>684 >>686
-長い夜〜悲劇-
「ガアアッ!!」
獣じみた掛け声と共にミケランジェロの左腕が繰り出される。魔力により赤熱化した拳がフェルナンデスの無防備な顔面を襲う。
ゴシャァッ!!
破砕音を響かせながらロビーの大柱に叩き付けられるフェルナンデス、一跳びで間合いを詰めたミケランジェロの連撃がその体を柱に縫い止める。練達の拳闘士を思わせる無駄のない技だ。
「すごい…。あれがミケのホントの力…?」
頼子の嫌な予感をよそに、一方的に攻めるミケランジェロ。
「オオォッ!!」
渾身の魔力を込めた右拳がトドメとばかりにフェルナンデスに叩き込まれる。その余波はロビーのガラスを粉々に砕き、大柱は音を立て崩れる、この廃ホテル全体を揺るがす一撃。
「ケホッケホッ、ミ、ミケ?勝った…の?」
撒き上がる粉塵の向こう側に頼子が見たのは
「ガッカリだなミケランジェロ。この程度かい?」
額から一筋の血を流すフェルナンデスと
「グッ…やはり、足りぬか…」
ヒビ割れた右腕を押さえ膝を着くミケランジェロの姿だった。
「まぁ、そんな残りカスみたいな魔力で私に傷を付けるなんてね、流石だと言っておくよ」
ミケランジェロに歩み寄りながらつまらなそうに宣う。そして、その脇をすり抜け
「一人で逝くのは寂しいだろう?ミケランジェロ。彼女も連れてきなよ」
頼子へと歩を進める。「頼子!!逃げろ!!」
ミケの声がすごく遠くで聞こえる。ムリだ、一歩も動けない
フェルナンデスの右の掌が頼子に向けられる、そこに生じる漆黒の球体
「先に行って待ってなよ、すぐに送るからさ」
軽い言葉と共にあっさりと打ち出された『死』は
「頼子おぉぉぉぉぉ!!!!」
残る力を振り絞り駆け込んだミケランジェロの背を直撃した。
「ミケ……?」
「無事か?頼子よ……」
覆い被さる様に庇ったミケと目が合う、カッコイイかも…なんて場違いな思考がよぎる、さらにミケが言葉を紡ごうとしたその時、
ピシ
亀裂が走った
ピシピシピシ
ミケの体に、足に、腕に、そして顔に、
「………たぞ」
最期の言葉は無情にも頼子の耳に届かず
ガシャガシャと崩れ落ちる音にかき消された。
辛うじて形を残す頭蓋を胸に抱き留めた頼子の意識は急速に失われていく。
幻聴か、最後に聞こえたのは清らかな鈴の音の様な気がした
-続く-

713497:2007/01/29(月) 01:49:49 ID:FnCb5g8g0
またカムイ出せませんでした…orz しかも雰囲気全然だせてない…orz 書けば書くほど自分の表現力の足りなさを痛感します。書くこと自体はとても楽しいのですが。

714名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 02:39:58 ID:Km92/fMwO
>>713
同じ頼子SSを書く者同士、楽しくいきましょう。

715名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 03:00:53 ID:FnCb5g8g0
>>714
そう言ってもらえると気が楽になります。できるだけ質の良いSSになるように頑張ります。

716名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 03:01:30 ID:e1DR.L0QO
>>713
いや、なかなか雰囲気伝わると思うけど?気にし過ぎっす。むしろどんどん書いて良いのでわ(^_^;)

717名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 03:32:19 ID:FnCb5g8g0
>>716
ありがとうございます。構想は練れているのですが、何分書込む時間がとれなくて…。
暇をみて随時投稿していきます。

718江古田っ子純情:2007/01/29(月) 18:19:13 ID:yZPbig/U0
1 >>584 2 >>602



いつしか、放課後のもんじゃ焼きは定番コースになっていた。
啓は宿題をやる気があるのかないのか、ほとんど学校できらと一緒に宿題をやっていたため、決まって放課後に二人でもんじゃ焼きを食べる流れになっていた。
最初は戸惑っていたきらもすっかり慣れた様子で、すでに店のメニューの大半は制覇している。しかしまだたまに土手を作るのに失敗して、啓に「貴様のをよこせ」と言うのだが。

放課後、いつものようにもんじゃを食べに行く二人。
だが、背後に近づく影にきらは気づいてなかった。

「大道寺さん、何にする?」
「うむ、明太もちチーズにする」
「じゃあ僕もそれにしようかな。すいませーん、いつもの二つ………」
「3つでおねがいね♪」

声のした方を見て、きらは絶句した。
そこにいたのは、華明芳。美鳳を作った博士であり、現在きらが作ったスライムを管理している人だ。

「み、明芳………な、なぜここに………?」
「ちょっと話があってね。学校のほうに行ったんだけど、美鳳に聞いたらここだって言うから♪」
「大道寺さん、知り合い?」
「ふふっ、はじめまして♪きらにこんなかわいいボーイフレンドが………」
「………ッ!!明芳、ちょっと来い………!!」

そう言うと、きらは啓を残して店の外に出た。



「あらあら、そんなに顔を赤くしたきらは初めて見たわ♪」
「黙れ貴様。それで、用件は何だ!?」
「スライム。けっこうダメージ受けてたけど、ちゃんと直しておいたわ」
「ほう、そうか。ご苦労だったな」
「でもまだ返してあげないからね♪」
「貴っ様〜………」

手玉に取る、まさにそんな状態。
しかし、急に真剣な表情になって明芳は続けた。

「きら。私がなぜ学校に行くように言ったかわかる?」
「フン。厄介者をほうり込むためだろう」
「違うわ。知ってほしいのよ、あなたに」
「………何をだ?」
「あなたは、天才だわ。世界を征服することも支配することもできるかもしれないくらいに。でも、あなたはあまりにも幼い。あなたが11年生きてきた中で見てきたものは、世界のほんの一部でしかない」
「………………」
「この世界は、あなたが思っているよりもずっと広くて深いものなの。それを知ってほしかったのよ」
「………世界征服をやめろということか?」
「そうじゃない。世界のことをもっとよく知って、よく考えて、それでもあなたが世界を征服するというならそれは構わない。ただ、この世界を守ろうとする人もいるのよ。その理由はさまざまだけど…」

すると明芳は、店の看板を指差して言った。

「もんじゃ焼き、好きになったでしょ?そんな風に、あなたが今まで学んでこなかったことをたくさん学んでほしいのよ♪」
「………よくわからんぞ………?」
「はい、かたい話はこれでおしまい♪ゆっくり食べましょうか♪」



「おかえり、もうだいたい焼けてるよ」
「あらあら、ありがとね〜♪」
「褒めてやろう、なかなかの出来じゃないか」

そして3人はもんじゃを食べ始めた。

「で、もうちゅーくらいはしたのかな???」
「ぐぼ#かsdyぐ@あぅっっっ!!!!!」
「え?いえいえ、宿題教えてもらってるだけですよ」

明芳の言葉できらは窒息しそうになったが、啓はさらりとかわす。
この辺り、啓は非常に大人である。とゆーか、変にマセてるのかもしれないが。

「えぇ〜?本当にぃ〜???」
「明芳、貴様………殺すぞ………!!」
「やだなぁ、僕たちはただのもんじゃ仲間ですよ。飲み友達みたいな感じです」
「………あなた、割と味のある子ね。きらにはちょうどいいかも♪」
「な、なにを二人でわけのわからん会話をしているんだ!?さっさと食べろ!!もんじゃが冷めるだろうが!!」

そして、きらはひたすらにもんじゃを食べる。やけくそである。
すると明芳が啓に何か耳打ちした。
が、もうどうでもいい。きらは全く気にも留めず、目の前のもんじゃをたいらげた。



「きら、またね〜。啓くん、じゃあよろしくね♪」
「二度と来るな………」
「はい、わかりました。ごちそうさまでした」

そう言うと明芳は帰っていった。
いつものように夕日は沈みかけており、あとは帰るだけである。が、きらは気になったことを聞いてみた。

「そういえば、さっき明芳に何を言われたんだ?」
「あ、そうだ。忘れるところだった」

そう言うと、啓は続けた。

「大道寺さん、デートしようか♪」
「………………#$%&’!*☆♪{「|¥!?!?!?!?!?!?!?!?!?」




次回で最後です。
きら様好きな方にはイメージと違うと怒られるかもしれませんが、読んで頂けたらうれしいです。

719千年守〜神依の戦い〜8:2007/01/29(月) 19:24:30 ID:e1DR.L0QO
>>707続き。
次の部屋が近いのが分かる。異常な殺気が身にまとわりついてくる。普通の者ならば歩が進まないであろう。神依は扉を開けた…、こいつが黄泉を率いる頭領か。
「よくここまで来たな、誉めてやろう。俺様は黒龍、黄泉を率いる頭領だ!」
白髪の髪は逆立ち目は真紅のごとく燃えていて、体には黒龍の入れ墨が彫ってある。黒龍は気合いだけで部屋全体を揺らしている。今まで輩とは桁が違うと言う事か…。
「貴様を葬る前に聞きたい事がある。」
「俺様の目的の事か?良いだろう、話してやる。俺様の目的はただ一つ、全世界の覇者になる事だ!」
「早い話が世界征服か?くだらんな。今我が剣が貴様の夢を絶ってやろう…。」
黒龍は大きく笑っている。
「世界征服だと!?そんなちゃちな目的だと思ったか?俺様は全ての時代の全世界の覇者になるのよ!!」
やはりこいつが…。
「時の罪人め、千年守である私を前にそれだけの大口を叩いたのだ覚悟があっての事だろうな?」
神依は臨戦態勢をとる。
「野暮な奴っちゃな〜。俺様がどーやって時間をも支配するか知りたくないのか?」
確かに、何の手だても無しに時間に干渉できるはずがない。
「クックック、知りたくなったみてぇだな?答えは簡単よ!俺様の持つこの刀とこの土地が時間を支配する!貴様はこの土地をただ敵の侵入から守るためだけだと思ったか?この土地は代々強力な磁場を持っている。貴様が俺様の気配を外から察知出来なかったのもそのためだ!」
納得がいった。恐らくこの土地と外の世界は隔離されていて、言わば結界のような役目をしてたのだろう。しかしあの刀は…?
「この刀が何なのか気になるか?こいつは貴様の持っている刀の片割れ、試し打ちの刀だ。刀を創造する時通常二本をいっぺんに作りより良く出来た方を真打ち、出来の悪い方を試し打ちにする。貴様ら千年守が打った刀はなかなかの使い心地だぜ!」
我が一族の刀が…。神依は黒龍の持つ刀をジッと見つめる。
「お前も辛かったろうな…。当初の目的とは正反対の目的で振るわれて…。今楽にしてやるぞ。黒龍!死してその罪の重さを知るが良い!」
「ハッ!かかって来いや!」
二人の戦いが今始まる。

720名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 19:50:08 ID:e1DR.L0QO
フィオナ解禁のパスや条件てあるんですか?あったら教えて下さい(^_^;)

721薫とリーゼの続き:2007/01/29(月) 20:45:35 ID:soH8.V4IO
「はわああぁ〜」
薫は大きなあくびをした。
「リーゼー……起きてるかぁ?」
布団からゆっくりと起きて、ベッドを見る。
ベッドは空っぽ。もう起きてんのか。
まだ開ききらぬ目をこすり、居間に降りる。
「起きるのが遅い」
「そーだな。確か今日は出かけるんだったな」
結構はりきってんな。
見る通りリーゼは準備はしっかり出来ていた。
それに習い、俺も準備をすぐに初めた。
「……出来たの?」
「ああ。一応」
「そう。じゃあ行く…」
リーゼはトランクを持ち、薫に案内するように促した。


その店は駅前にあった。
ケーキがなんと食べ放題の店。
甘い物が割と好きな薫にとってもなかなか興味があったのだ。
店内はなかなかこじゃれた、感じのいいお店だった。
店員に席に案内された。
リーゼはすぐにケーキを取りに行ってた。
は…早い。
「……俺も取りに行くか」
薫もリーゼの後に続き、ケーキを取りに行った。

……約一時間半後
「うー…」
薫は食べ過ぎて家でダウンしていた。
「……食べ過ぎたな、リーゼ」
「……私は大丈夫。あなたが無茶し過ぎ」
いや、リーゼよ。君も結構食べたと思うぞ……
薫はぐったりしながら思った。

722名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 21:21:35 ID:B.eAt2gU0
フィオナ解禁記念と言うことで、ラスボス前のデモをもじって話を作ってみました。
初めてなので見苦しい点あるとは思いますがご了承の程を・・・

それでは

−−−−−−−−−−−−−−

「私も初めは嬉しかった、楽しかった・・・
 でも、それは間違いだとしばらくしてから気づいたんです!
 こんなの・・・間違ってます!」

「・・・・・」

「私は・・・お姉様を止めます」

「そうか・・・ここでお別れだな、フィオナ・・・」



「私の全てを・・・この中にっ!!」


フィオナが構えを取り、精神を集中させる。
フィオナを中心にコレまでとは比べ物にならない力が集まり始める。


すばらしい・・・これが天使の力というものか・・・

ミルドレッドはフィオナ自身が自身の否定する天使の力を高めるのを目の当たりにし、
その確かな力に高揚を隠せなかった。

しかし不完全とはいえ今までその目で見、肌で感じた天使達の全ての力をフィードバックさせた
ミルドレッドにとって、それは脅威とはなり得なかった。


水で固めて叩きつけた後に爆炎を浴びせ、闇へ閉じ込め雷撃、カマイタチ、剣撃と容赦なく攻撃を降り注ぐ。
樹で締め上げた頃にはもはや意識があるのかどうかすら感じ取れなかった。
せめてもの情けに慈愛の光を浴びせようとする・・・が、何故か発動しない。
小声で「ビィィーム、どっか〜ん!」と言うと何故か発動できた。


しかしそれでも、足取りは不確かで今にも崩れ落ちそうにも係らずフィオナは立ち上がる。
ぼろぼろで憔悴仕切ったかのように見えたが、その目は何かを・・・何かを捨ててまで戦う決意をしたかのように


怪しく、力強く光っていた・・・

723名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 22:00:55 ID:hhGHazQoO
>>720
明日発売のアルカディアに載ってるよ。
ちなみに2人でやらないとできない。

724名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 22:02:50 ID:bKctIA7g0
パルちゃんなにやってんのw

725名無しのアルカナ使い:2007/01/29(月) 22:09:14 ID:e1DR.L0QO
>>723
どーもありがとう!明日確認してきますね(^_^;)

726千年守〜神依の戦い〜9:2007/01/30(火) 00:14:38 ID:SQBE7ly6O
>>719続き。
時折凄まじい磁場は時空を歪ませる。そしてそれを制御する力を千年守の刀は持っていた。確かにこの2つが揃っていれば全ての時代を行き来し完全なる覇者となれるかもしれない。
「だが!それだけでは完璧ではない!千年守と呼ばれる一族の力が必要だ!」
ガキィーン!二人の刃が切り結ぶ。音速を超える両者の剣は休む事を知らない。
「神依!俺様の部下になれ!貴様と俺様で世界を手中に収めようぜ!」
「黙れ!私の使命は貴様のような輩から時を、人々を守る事だ!断じて貴様の下になどつくものか!」
神依の剣が横殴りに黒龍を襲う。しかしそれをいとも簡単に避けると黒龍も一撃を繰り出した。
「斯封!」
黒龍の一撃に合わせ鉄壁の型である斯封で迎え撃つ。これを受けた瞬間に反撃を…。しかし黒龍の一撃は斯封ごと神依を吹き飛ばした。後ろの壁に打ちつけられる神依。
「ぐはっ!」
地面に顔をつけたのは何年ぶりだろう?この男、強い。
「ふん、強情なやつだな…。だがお前みたいなやつ嫌いじゃないぜ?どーだ、今なら俺様も寛大に迎えてやるぞ?」
神依の胸ぐらを掴み顔を近づける黒龍。ペッ、黒龍の顔にツバがかかる。
「…いいだろう。望み通りにしてやるぜ!」
胸ぐらを掴んだままもう一方の壁に神依を投げつける!しかし神依は壁際で受け身をとり、その反動を使って黒龍に向かって行く!
「…勢至菩薩!無怨!」
神依の鞘が赤く光り黒龍を斬りつける!スカッ、黒龍は神依の上を飛び越え悠々と避ける。
「ヒュ〜、当たったら危ねぇところだったぜ。」
余裕綽々と言った感じだ。神依は向き直り己の前に×の字を描く。
「枯霊!」
赤い×字の刃が黒龍目掛けて飛んで行く!
「神依…、俺様を舐めるなよ!そんなそよ風で俺様を倒せると思うてか!」
気合いを入れ縦に振り下ろした刀は赤い刃を逆に斬り裂いた。間髪入れず神依は黒龍の懐へ飛び込み再び黒龍と斬り結ぶ。全てにおいて黒龍は神依の上をいっていた。一流同士の戦いで、その差は如実に現れる。傷がどんどん増える神依に対し黒龍は今だ無傷だった。
「俺様とここまで戦えるとはな、正直驚いたぜ。ますます気にいった!お前は部下ではなく俺様の女にしてやるぜ!」
「冗談は顔だけにしてもらおうか?」
一瞬の間もあかない二人の攻防。黒龍の振り下ろしの攻撃を避け上空に舞い上がる。黒龍は神依を追いかけ上空に跳び上がった。

727千年守〜神依の戦い〜10:2007/01/30(火) 02:59:44 ID:SQBE7ly6O
>>726続き。
空中で待ち構える神依。それを追いかける黒龍。空中で二人の刃がなおも火花を散らせる。
「はっは〜!どうした!?もっと楽しもうぜ!」
「野蛮な奴め、油断大敵と言う言葉を教えてやろう。文殊菩薩…、逝斬!」
ズバッ!初めて黒龍の体に神依の攻撃が入る。黒龍は神依の剣圧で床に叩きつけられた。左の肩から血が滴り落ちている。
「やるじゃねぇか、自分の血を見るなんざ久しぶりだぜ。」
確かに手応えはあったが、浅すぎた。致命傷ではない、このままだと本当に負けるかもしれない。額に嫌な汗をかく。こっちにはもう余裕はない。どうする?
「…功刀。」
精神統一をするかのように神依は刀を鞘にしまう。ただそれだけなのに異常な体力を消耗している。
「なぜそれほど体力を消耗した?何か特別な事でもしたのか?」
特別な事…、良い勘をしている。
「今のままでは私はお前に勝てない。だから私は賭けに出ようと思う。当たれば私の勝ち、外したら私の負けだ。どうだ、単純だろ?いやだと言っても無理やりにでも付き合ってもらうぞ!」
「女からの誘いだ、断るワケにもいくまい!」
お互いに刀を構える。妙な静けさが二人を包む。瞬きさえもしない時間、隙を見せた方が負ける事はのは容易に想像できる。…カラン、小石が崩れ落ちた。次の瞬間!黒龍が神依目掛けて突進し始めた!神依はまだ動かない。
「命を捨てたか!神依!」
ほんの一瞬で一気に神依との差を縮める。神依はまだ動かない。
「残念だったな!貴様となら世界を分けても惜しくはなかったぞ。さらばだ!」
黒龍は剣を振り下ろした。初めて神依が動いた!
「斯封!」
「馬鹿め!斯封などで我が剣が止められると思うてか!」
ガキン!神依は受け止めた!
「な…何!?」
「黒龍、貴様は確かに強かった。だが貴様の負けだ。」
神依は静かにそう言うと最後の技を繰り出した。
「死祀」

728千年守〜神依の戦い〜11:2007/01/30(火) 09:46:10 ID:SQBE7ly6O
>>727続き。
零距離から無怨、さらに余波として無数の枯霊が黒龍に襲いかかる。その威力は想像を絶するものだった。
「ぐばぁ!」
吐血しながら壁に叩きつけられる黒龍。もうピクリとも動けないだろう。
「ハハ…ハ、まさかこんな奥の手を隠し持ってるとはな…。俺様の完敗か。」
「黒龍、実力では貴様の方が上だった。私が勝てたのはただ運が良かっただけの事…。」
「真剣勝負に運もクソもあるかよ。勝った奴が強い、ただそれだけだ。」
「その潔さ、敵ながら見事だ。出来るならば敵として会いたくなかったな…。」
しかし黒龍は満足気な笑みを浮かべている。
「さぁて、後始末をしなきゃあな。…グッ!」
黒龍は持っていた刀で己を突き刺した!
「何をしている!勝負はついたはずだ!」
「けじ…めはつけないと…な。俺様は…満足だ。お前みたいな強い奴…と思う存分に戦…えたんだからな…。楽しかったぜ…。」
黒龍は息絶えたが、その顔は安らぎの表情を表していた。
「後始末か。私もまだやる事がある。ちゃんと埋葬してやりたいが…、許せ。」
神依はその場をあとにした。黄泉の本拠地を壊滅させた神依はその場を永久に封印した。神依の戦いは一時の終焉を迎えたのだ…。



エピローグ
誰も知る由もない孤独な戦い、それは千年守として生きる神依には当然の事だがあまりにも虚しい戦いだった。次に目覚めた時、神依はまたその身を戦いに委ねなければならない。しかし、今は眠ろう。ただ永い時をひたすらに…。
「次に目覚めた時は、仲間と呼べる相手に巡り会えるだろうか…。」
ポツリと呟き深い眠りにつく神依。神依は知っているのだろうか?次に目覚めた時も過酷な戦いが待っている事を。そしてその横には、友と呼べる者達が自分に微笑みかけてくれる事を…。
〜完〜


長い話になってもーた↓読んでくれた人サンクス!戦闘もの書いたつもりだけど、難しいっす(^_^;)

729名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 10:21:03 ID:SRRogCekO
誰かまとめサイト作ってくんろ

730名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 12:23:48 ID:SQBE7ly6O
勝手に告知!今まで自分が書いたやつを載せます(^_^;)
「日常?風景」>>437
「駆け抜ける時」>>496
「15禁くらいかな?」>>531
「有問題!?」>>561
「時が流した涙」>>594
「満月の夜に」>>620
「千年守〜神依の戦い〜」>>728
無駄スレすんませんm(_ _)m

731名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 12:32:31 ID:Ey0s0VVQ0
事故顕示欲が強いんですね

732名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 12:52:38 ID:6cZcu0KcO
>>731
まあいろんな人がいるからね
俺はその他大勢でいたい人だけど

733名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 13:41:38 ID:Ey0s0VVQ0
ついでに言うと神依の刀は魂を峰打ちする刀

734名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 14:10:08 ID:qJHTPGDsO
>>731
最初にSS書いた時って皆こんな感じだと思うんだ。自分もそうだったし。まあ後に自分の行動の痛さに赤面したわけですがwそういう人がいてもいいかな、って思う

735名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 14:39:29 ID:SQBE7ly6O
自己顕示欲…。確かに痛い行動でしたね↓次からは自重します(^_^;)

736安栖家の日常4:2007/01/30(火) 15:32:04 ID:IWzv8mS60
目の前には頼子と謎のぬいぐるみ、否、ミケという謎のぬいぐるみ・・・。この状況を打破するために、俺はどうすべきか考えていた。

頼子「ミケ・・・どうして私の言うこと聞いてくれないのぉ〜・・・」
ミケ「ふん・・・お前が何故我輩の存在を実の兄にさえも教えないのか、不思議に思ってたのでな、いい機会だったからだ。」
そういってミケという謎のぬいぐるみは・・・俺を見た。
ミケ「・・・ところで、貴様、名はなんというのだ・・・!」
正人「は、はひっ!?正人です・・・(汗)」
突然のことにまた敬語になってしまった。
ミケ「よし、正人!貴様を我がしもべ2号に認定する!」
正人「・・・はぁ・・・??」
ミケ「はぁ?ではない!貴様はこれからしもべ1号の頼子と供に、我輩の為に命を金を、全てを投げ出すのだ!ガッハッハ!!これで我輩も労せずしてフレンチクルーラーが食べられるというもの!!」

ぬいぐるみは高笑いをしている。・・・もはやぬいぐるみというのはよそう。完璧に猫だなこいつは。俺は正直、この猫を見ていて腹が立っていた。俺だけならともかく、妹まで僕とか言われているのでは、兄として黙ってはいられない。

グワシッ
正人「何を言っているんだお前は・・・」
俺はこの猫、ミケランジェロの頭を掴み、自分の目線まで持ってきてから、睨みつけた。
内心、こいつが怖いのだが、妹の為だ。とにかく気合だけで喋った。
ミケ「正人、貴様我輩の頭を掴むとは!ぬぅ!離せ!離さんかバカモノ!!」
ミケはジタバタと暴れている。しかし俺は手を離すつもりはない。こいつを懲らしめないと気がすまないのだから。しばらく俺とミケが格闘していると、
頼子「二人ともやめてぇぇ〜!もう、二人とも大嫌い!!」
正人「ま、待て頼子!俺はお前の為を思って・・・」
ミケ「頼子!貴様我輩に楯突くというのかぁぁ?!」
頼子「聞きませ〜ん!二人が喧嘩するなら二人でどうぞ!もう・・・私まで巻き込まないで!」

俺は頼子に体を押されて部屋から閉め出されてしまった。しかもミケを掴んだまんまだ。

頼子に嫌われた、頼子に嫌われた、そんな言葉が頭の中で繰り返され、俺の精神を破壊していった。

ミケ「正人よ、そんなに落ち込むな。あいつのヒステリックなど今に始まったことではない!ガッハハハハハ!!!」

豪快に笑っているこいつが憎らしい。そもそもこいつのせいで俺は追い出されたも同然なのだから。

正人「お・ま・え・な!俺はお前のせいで追い出されたの!どうしてくれるんだよ〜!」
ミケ「ふっ・・・青いな正人。人のせいにするとは情けない!」
正人「何を〜!!」
二人して頼子の部屋の前でドタバタと暴れだす。

するとまた頼子の部屋のドアが開き
頼子「二人とも!いいかげんにして!!ミケはフレンチクルーラーもう買ってあげない!お兄ちゃんはもう口聞いてあげないんだからっ!」

バタンっ!!とより強くドアが閉じられた。

俺とミケは向き合い、無言で頷き合い、俺の部屋へと入っていった。


やっぱり楽しいです。これからも頑張ります。

737名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 17:26:12 ID:VhYzC2Gs0
>>731-735
ていうか保管庫とか作るなら作者がわかってた方が楽だよ?
別に自己顕示欲強くてもいいじゃない。
出る杭打ってばかりじゃ個人は伸びないんだよ。

738リーゼに送る子守歌:2007/01/30(火) 18:02:22 ID:SQBE7ly6O
ちょっとSSとは違うけど書いてみました。


紅い眼をしたお人形さん。こっちに来て一緒に遊ぼう。オママゴトでもオモチャでも、何でも好きな遊びをしましょう。

本当に私が行ってもいいの?私は紅い眼をしたお人形。何をするか知らないよ?オママゴトでもオモチャでも、私と遊ぶと危ないよ?

ただ遊ぶだけなのに、何がそんなに危ないの?

オママゴトでは危険がいっぱい。包丁もって刺しちゃうよ?フライパンでも良いかしら?頭をパックリ割っちゃうよ?

オママゴトは危険だね。オモチャ遊びならどうだろう?

オモチャも危険がいっぱいあるよ?武器を持った兵隊さん。私の合図で貴方を殺すの。大きな大きなクマさんも、貴方を足から食べちゃうの。

紅い眼をしたお人形さん、君は何して遊びたい?

私は紅い眼をしたお人形。私はお人形遊びがしたいの。そーすればお姉ちゃんも一緒に遊べるから。

お姉ちゃん?どこにいるの?

貴方も見えているはずよ?この人形がお姉ちゃん。ほら…、貴方と遊びたがってる…。
私は紅い眼をしたお人形。お人形遊びが大好きなの。だって私もお人形だから…。

739名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 18:30:34 ID:bl3avFKYO
【約束】

「神依様、どうしても眠りについてしまうのでござるか?」
 後ろからの声に驚いて、振り向く。
 誰もいないはずの、深夜の静かな公園の中に、女の子がポツリと一人立っている。
月を覆うように木々の枝が空に伸びてい影になっているため、
彼女の顔は分からないが、誰だかは声だけでもわかる。
「……このはか……」
 風が吹いて、その枝に付いた葉をざぁっと揺らした。
 再び訪れる、静寂。
「──よく、此処が分かったな」
 このはから少し視線を外して尋ねる。返事は、すぐに返ってきた。
「神依様の事で、拙者にわからぬ事は無いでござるよ」
 落ち着いた声。いや、普段の彼女からすれば、落ち込んだ声と言っても良いだろう。
いつもの張りのある伸びやかな声では無い。
 深く沈んで、何かを押さえつけているような、そんな、声。
「そうか……まったく、お前には敵わないな」
 風がまた吹く。私は言葉を続ける。
「……そうだな、じきに私は再び眠りに入る」
 耐え切れずに枝から離れた数枚の葉がひらひらと緩いカーブを描き、舞い落ちてくる。
 依然として、このはの表情は闇の中だったが、私は更に言葉を続ける。
「──私は、お前たち人間とは違う時間の流れで生きている。
普段は眠ったまま力を蓄え、世界に災厄が訪れた時に眠りから目覚め、
その災厄を取り払う為に戦う、千年守と言う存在だ。
そして、今回の災厄は取り払われたのだ。ならば……私は再び眠るのが道理であろう」
 ──何故、私は今更こんな話をしているのだろう。
こんな事、このはだって、とうに知っているはずなのに。
何を、今更。私は、
「神依様……」
 このはが、一歩私に歩み寄る。
 その顔が、枝の影から月明かりの下にさらされ、表情が、はっきりと判る。
その目から溢れていたのは、大粒の、涙。
「拙者だって……そんな事は……わ、わかっているつもるでござるよ……」
 このはの顔が悲しげに歪んで、また涙が溢れる。
 ──ああ、そうか。私も、同じなんだ。私も、このはと──
 さっきの私の言葉は、このはに言い聞かせたんじゃない。あれは、私が、私自身に投げ掛けた言葉。
自分の本当の気持ちを誤魔化す為に、自身に言い聞かせるように放った言葉だったんだ。

740名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 18:33:23 ID:bl3avFKYO
【約束】>>739の続き

 私は今まで、果てしない時間の流れの中で、幾数多もの仲間と出会ってきた。
 その仲間の誰もが、素晴らしい人間達だった。
 別れるのが名残惜しくなるくらいに、良い人達だった。
 彼等の幸せを願って眠りに就ける様な、そんな奴等だった。
 でも、今回は、違う。
 ──別れたく、無い。
このはと、この時代に居る、皆と。
「このは……ありがとう。私は、お前の其の気持ちだけで十分だよ……」
 右手でこのはの頭を撫でる。また、このはが涙を流す。
「か、神依様に……もっと、も、もっと……眠っているだけじゃわ、わからない……
た、楽しい事をいっぱい、いっぱい…………」
 最後のほうはもう言葉になっていない。涙で震えた声。
「このは……」
 左手をこのはの背中に回してそのまま、抱き寄せる。
火照った体が、胸に熱い。涙で濡れた顔が、私の服も濡らす。
 息をする度にヒクッと小刻みに震えるこのはの小さな体が愛おしくて、堪らない。
「このは……私も、別れたく無い」
 はい、と涙でくぐもった返事が服の中から聞こえてくる。
「本当に、お前には沢山の物を貰った」
 このはが頷く。涙の震えとは違う振動が体に伝わる。
「お前と共に暮らせたら、どれだけ幸せな事か、私には見当もつかない」
 頷く。二度、三度、と。
「だけど」
 このはが、動かなくなる。
「私は、朱鷺宮神依であると共に、千年守でもあるんだ……」
 はい、と、小さく、今にも消え入りそうな声。
「災厄から世界を守る為に、今は眠りに入らなくてはならないんだ……」
 はい、と、また、小さく。
「このはなら、分かってくれるな……?」
 体を離して、お互いの顔を見つめ合う。
「な、なら……」
 このはが再び流れそうな涙を堪えるように話し始める。
「なら、拙者は、この世界にある全ての災厄の元を、た、断ってみせるでござるから、
拙者が頑張って、世界に災厄なんかが現れないようするでござるから、
神依様がずっと目覚めていても大丈夫な世界に拙者がするでござるから!
も、もし、拙者が頑張って、世界が、本当に平和になった、そ、その時には……
め、目覚めてくれると約束してくれるでござるか?」
「このは……」

741名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 18:34:48 ID:bl3avFKYO
【約束】>>740の続き

 ──私は、怯えていたのかもしれない。人と、仲良くなる事に。
例え友人が出来ても、千年守と言う私の宿命からは逃れられない。
いつかは訪れる、別れ。それに耐え切れる自信が無くて。
 それなのに、どうして、この者はこんなにも強いのだろう。
私とは比べ物にならないくらいに、強く、真っ直ぐで──
 それが、私に勇気を与えてくれる。
「分かった。約束する」
「神依様……」
「その時は、ちゃんと目覚めて、真っ先にこのはの所に行くよ」
 このはの目からまた大粒の涙が溢れる。
「だから、このはも私と一つ約束をしてくれ」
「な、何でござるか?」
「体には気をつけて。私は、このはの居ない世界には戻りたくないからな」
 このはが涙交じりに、はい、と返事をする。もう、声が声になっていないようなボロボロな返事だったが、
それでも、私には今までに聞いた、誰の言葉よりも、はっきり聞こえた様な気がした。
「じゃあ、約束の証に、これを送ろう」
 私は、髪を束ねている布に手をかけると、一気にそれを解く。
髪が自由を手にして風になびく。
「これが、約束の証だ。私と、このはとの」
 このはに布を手渡し、次に額当てに手を伸ばす。
「だから、私にはこれをくれないか」
 千年守だから、私はこのはと出会えた。
「ありがとう、大切にするよ。と、私が言うのもなんか変な話だがな」
 千年守だから、このはと別れなければならない。
「楽しみにしているぞ。私が目覚めた時に、また、このはと出会える事を、な」
 だけど、これは決して悲しい事ではない。
「うむ、達者でな。──ありがとう、このは」
 これは、初めて私が貰った、約束の別れだったから。
 初めて私が貰った、暖かい人の心の証だったから───



742名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 19:15:49 ID:SRRogCekO
今は供給が大きくて玉石混淆だからなぁ
石って自覚のある人はちょっと自重してもらって

743601まとめ人:2007/01/30(火) 20:09:33 ID:bbmVyiAo0
保管庫、需要あって他に立候補者いないなら自分が作りましょうか?
blog使って長さ別とかキャラ別とかに分けてまとめる程度なら、
今までのまとめレスと労力的に大差なくできそうなので。
作品数かなり多いし、いつまで責任持って管理できるかちょっとわからないですけど。

744ソジーの錯覚−第一二節−:2007/01/30(火) 20:10:57 ID:ibnBUzeM0
前回:>>705
翌朝

はぁと「かーさーん!おっはよー&いってきまーす!ち・ち・ちこくだー・・!!」
ベッドからパチリと目を開いたかと思うと誕生日の日のこどものような
フルテンションで跳ね起きたはぁとは家を飛び出すまでその間3分も経っていない。


誰もがちぢこまる冬の寒さ、彼女には微塵も感じないのだろうか
玄関を飛び出るとフルスロットル、ぐんと足を蹴る
始業チャイム寸前教室に駆け込むなり

はぁと「みんなー!!おっはよー!!」

こどもっぽい何のひねりも無い朝の挨拶を恥じらいもなく
教室中に響き渡る程の大声にクラスメートは苦笑いだが
内心ではこの元気な挨拶と、学校のチャイムが一日の始まりを告げ
元気のかけらを分けてもらったようないい気持ちでいっぱいになる。
はぁとにはそんな天性の才能があった。

冴姫「遅い、遅刻ギリギリじゃない」

はぁと「遅刻ギリギリは遅刻じゃないよデヘ

そだそだ、冴姫ちん英語の宿題みせてくんない!?」

冴姫「仕方ないわね、たまには私がみせてくれるようになんないの?はいっ!」

はぁと「ゴメン、ゴメン借りは返すからさっ お昼、ね!」

冴姫「まぁいいけど、それにはぁとの写すくらいなら

あてずっぽうで書いたほうがマシだしね」

はぁと「ひっどーい!」

いつも通りの日常・・・のはずだった。2限目の事

はぁと「けほっ、けほっ、あ、れれ」

冴姫「どうしたの?」前の席の冴姫が振り返り問う。

はぁと「あれぇ、なんだろ頭が痛いカモだよ」

すぐさま冴姫は先生にはぁとのことを訴えると保健室まで付き添った。

はぁと「ありがとう冴姫ちゃん 風邪かなぁ」

冴姫「ヘンなもの食べたんじゃないでしょうね?」

はぁと「食べてないよう」

保健室を訪れると先生は不在だった。

冴姫「仕方ないわね、はぁと先生が来るまで横になるといいわ

ちゃんと病状を説明するのよ?」

はぁと「・・・・」

冴姫「はぁと?」

歩み寄る。

冴姫「聞いてるの?」

保健室の空気の内訳が徐々に変わるのが分かる。
酸素が薄くなり不穏な空気が濃度を増す。

冴姫「はぁ、

愛乃はぁとはうつむいていた顔を上げて、冴姫の目を見て言った。

「私は愛乃はぁとではありません。春日舞織です。」

−第二節終−

745名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 21:23:56 ID:SQBE7ly6O
>>743
俺的には作って欲しい。皆さんはどうだろ?

746名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 21:56:12 ID:qJHTPGDsO
>>743
是非お願いします。

747名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 22:04:01 ID:F0r40ADYO
オリキャラ×リーゼの作者です。
是非作って欲しいですね。

748リーゼのお悩み相談〜冴姫編〜:2007/01/30(火) 22:12:10 ID:QjEe93kg0
「どうも、私がリーゼロッテ。最近私をフルネームで書いてみて、と言ったら、何人が間違いなく書いてくれるか心配になってきた」

「はぁ、今日も疲れたわね」
 ある学校の屋上。そこに彼女はいた。
 廿楽 冴姫。はぁとの恋びt……ゲフンゲフン……親友である。
「ところで、さっきから私に何か用かしら。リーゼロッテ・アッ"フ"ェンバッハ」
「違う。私はリーゼロッテ・アッ"ヒ"ェンバッハ。嫌味な人ね、廿楽 冴姫」
 なんとなく因縁があるこの二人。お互いがお互いを気に入ってないらしい。
「ふん、本スレじゃあエッヒェンバッハだったかしら?」
「……何故あなたがそれを?」
「キャラと戦うには、そのキャラを理解してから。とか言ってわね、あの雑魚作者」
「格ゲ初めて一年とちょっとのド素人のくせに、春日 舞織なんていうちょっと上級者向けのキャラなんか使うから……」
 そこだけ納得する二人。ええ、書いてて悲しいですよ。
「ところで、何の用かしら? 相手をしてほしいなら相手になってあげるけど?」
 そう言いながら身構える冴姫。
 リーゼは、やれやれといった感じにため息をついた。
「血の気の多い人。今日は作者の勝手な閃きであなたの相談に乗りに来ただけ」
「相談?」
「そう、悩み事があれば聞く」
 そう言われた冴姫は、ちょっと悩んでから口を開いた。
「な、なんか最近、私が同性愛者みたいな風に言われてるんだけど……」
「それは仕方がない。嫌なら愛乃 はぁとを黙らせるしかない。報酬は高いけど」
「そ、そんな話に持っていかないで! とにかく、私は異性愛者なのよ。そりゃあはぁとの事も好きだけど、そんな愛とか、そういうのじゃなくて……」
 おもしろい人。そう思いながら冴姫を見るリーゼ。
「あなたは、本当にそう思ってるの?」
「……どういう意味?」
「あなたは、愛乃 はぁとに友達以上の何かを望んでいる。違う?」
 冴姫は目を見開く。図星だったようだ。
「確かに、望んでるかもしれない。けど、だからどうなるって……」
「廿楽 冴姫。あなたが思っているほど、愛なんて深いものじゃない。ただお互いが好きだから、その間に生じるだけ。そこには性別も何も関係ない」
 いつになくシリアスな展開になった。
 この子……
 冴姫は、驚いたような顔でリーゼを見たが、すぐに笑顔になった。
「あなたにそんな事を言われるとは思わなかったわ」
「私も、あなたにこんな事を言うとは思わなかった」
 お互いがお互いを認めた瞬間だった。
 が、
「あっ」
「? どうしたの?」
「お姉ちゃんが来る」
「へ?」

 カパッ

『YOU! [ピー]つけて、性転換しちまいなYO!』

 パタン

「……ねぇ、今の本当にあんたの姉?」
「……」
 空気読めてない人形に、二人の怒りが注がれた。
「……ギーァ、血の契約を行使する」

 それからしばらくの間、リーゼの体に姉が降臨する事はなかったという。


別に笑いをとろうとしてるわけでなく、ちょっとほのぼのしたもの描こうかなぁと思ったら、俺の中のエルフリーデがこういうキャラになってしまった。
反省している

749名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 22:15:20 ID:QjEe93kg0
連投すまん。書き忘れてた。

>>743
おお、それは作ってほしい。
で、その場合って>>730みたいに、自分の作品まとめた方がいいのかねぇ……

750名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 22:25:49 ID:EFzXj3qg0
>>748
吹いたwGJ

751名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 22:45:26 ID:jmSdjrYs0
>>750
お前は俺かwww

>>748
GJ

752722:2007/01/30(火) 22:53:44 ID:vx9Fztuo0
>722の続きです


「もういい、フィオナ。
 もういいんだ・・・
 私と共に歩もう、今ならまだ間に合・・・」


「まだ間に合います、今すぐ儀式を止めてください!」


「フィオナッ!!」


「初めは今までできなかったような事が、使えなかった力が使えて楽しかった・・・
 でも初めだけですっ!このまま力を使い続ければ・・・手遅れに・・・こんなのになっちゃうんですよっ!!!」


フィオナの力が跳ね上がる。
その力の強大さに、今のミルドレッドをして軽い恐怖が頭をよぎる。
力の上昇に比例するかのごとく赤い光がフィオナを包み、
フィオナの姿が、輪郭が徐々に確認できなくなっていく。

―イスキューロン?いや、エリュシオンか!?
―違う、どちらの力も知っているが、今フィオナから感じる力は到底そんなものではない。
―しかし、コレほどの力が手に入るのなら何故フィオナはそれを拒むというのだ!?

ミルドレッドの思考をそんな疑問が支配していたその時、
フィオナは何かを決意するかのように静かに瞳を閉じ・・・そして力強く開いた


―これが、求めた力の行き着く先です・・・


そんな声が聞こえただろうか・・・・



そしてそこにいるフィオナだったものは、世界を揺るがすような雄たけびをあげた








「グォォォォッ、ドン●ラゴッガァァァァァァァァァッ!!!!!」





「すんませんっ!すぐに儀式中止しますっ!!」



こうして、関東の平穏は保たれた。




ごめん、つってきます。
フィオナスレ見てたらつい浮かんでしまった。
今では反省している、だがしかし後悔はしていない。

753名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 22:55:03 ID:bbmVyiAo0
>>748
超笑ったw

754名無しのアルカナ使い:2007/01/30(火) 23:05:41 ID:nSqYUn6cO
>>748
wwwwww

>>752
雄叫びをあげるフィオナの姿想像したらワロタ

755鈴の音と共に-4:2007/01/31(水) 00:08:58 ID:OAOIW2AYO
1>>574 2>>587 3>>604

「困った・・・」
自分が殴ってしまった手前、放っておくわけにもできず、とりあえず近くにあった洞穴まで運んできたが、うんうん唸るだけでいっこうに起きない。もうすぐ自由時間も終わってしまう。
離れようとすると、さっきからづっとついてきている犬がくぅん、と鳴いてきて『見捨てるの?僕達を見捨てちゃうの?』と言っているような目で見つめてきて・・・。
「うっ・・・だ、だいじょうぶだ、ここにいてやるから。」
そういうと、安心したのかわふっ、と鳴いて男の顔をなめはじめる。
「はっ!!」
それに刺激されたのか男が急に体を起こした。
「こ、ここは・・・?」
「起きたか?」
周りをきょろきょろと見回している男に安堵半分気まずさ半分といった感じで話し掛けた。
「お、お前はさっきの暴力女!」
「・・・だれが暴力女だと?」
失礼極まりないことをほざくやつに、刀を抜きながら尋ねる。
「い、いえ!とても可愛らしいお嬢さんです。」
すると男は顔を青くしながらあわてて言い直してくる。
・・・ん?
というかこんなことしてる時点で十分暴力女なんじゃ・・・
「ま、まあ、いきなり抱きついた上に殴ったのは悪かったと思っている。だからこうやって介抱して――」
「なに!じゃあさっきから俺の顔を舐めていたのは――」
「こいつに決まっているだろう!!」
叫びながら犬を投げ付ける。
なんだこいつは!!人が謝ろうとしているというのに!!
「お、菊次郎。戻ってきてたのか。」
男は犬を受けとめると、そのまま顔をなめてくる犬にむかって笑いかけた。
「やはり、おぬしの犬なのか?」
「ああ、菊次郎ってんだ。俺の相棒だ。さっきまで食い物探しに行かせてたんだがなんかあったか?」
菊次郎は横に置きっぱなしだった餌をくわえると男の前まで持ってくる。
「お〜!!よくやったぞ菊次郎!!三日ぶりの飯だ!!」
「おい、それは――」
「なんだ、お前のだったのか?いいだろ?俺を殴ったんだからその詫びってことで。」
止めるまもなく男は勢い良くかぶりつく。
・・・動物の餌に。
「おおっ!!うめぇ!!」
しかも、うまそうに噛み締めながら、ちょっと涙ぐむ
・・・動物の餌に。

756痛ましきsono(1/3):2007/01/31(水) 00:09:24 ID:qJHR5vsE0
 幸せだった。
 私は、人並みの幸せを持っていたはずだった。
 なのに、なのに……。

「リーゼ、早く起きなさい」
 心地よく眠っていた私は、その声に目を開ける。
「う、ん……お早うお姉ちゃん」
「何がお早うよ、もうとっくにお昼よ」
 寝ぼけ眼をごしごしと擦る。そばの窓からは、温かい陽が差していた。その光に反射して、私の緋色の目も輝く。
 下の階に下りると、そこに両親の姿はなかった。
「あれ? お姉ちゃーん、お母さんたちはー?」
 上の階にいるお姉ちゃんに聞いてみる。
「買い物に行ったー」
 返事はすぐに返って来た。
 とりあえず私は、トーストをオーブンに入れてテレビをつけた。

 ピッ

『――ており。この一家連続殺人犯は未だに捕まっていないとの事です。皆さんも十分に警戒し、戸締りを確認して……』

 物騒なニュースだ。
 そんな事を思っていると、オーブンがチンという音を立て、私にトーストが焼け上がった事を知らせた。

 その日の夜だった。
 本来起こってはならないそれは、私たち家族に降りかかった。
 幸せは、音を立てて崩れ去っていった。

「お姉ちゃん、何それ?」
 部屋で両親の帰りを待っている私たち。私たち姉妹は同じ部屋なのだ。
 お姉ちゃんは、何か得体の知れないものを作っていた。
「学校の宿題……めんどくさいわ、何でこんなもの作らないといけないのかしら」
 ぶつぶつ文句を言いながら作業を進めるお姉ちゃん。と、家の外から車の音が聞こえてきた。
 その音が両親の車の音である事を、私は覚えていた。同じなようで微妙に音が違うのだ。
「あっ、帰ってきたわね」
 お姉ちゃんは下の階に下りていく。
 私は、窓から外を見た。やっぱり、うちの車だ。
 家の前で車は止まる。だけど、その車から降りてきたのは、まったく知らない男の人だった。
「あれ?」
 おかしい? そう思っていると、私は気づいてしまった。その人が持っている物に。暗くて見えづらかったが、あれは間違いなく刃物だ。

 ドクン

 胸が音を立てた。今朝のニュースを思い出す。一家連続殺人事件の犯人は、まだ捕まっていない。そんな事を思っていると、男の人は玄関の所までやって来た。
「お姉ちゃん!!」
 私は、急いで下の階へと下りていった。

757↑題名ミスったorz 痛ましきその過去(2/3):2007/01/31(水) 00:11:06 ID:qJHR5vsE0
 私が下の階に着くのと、お姉ちゃんの悲鳴が聞こえたのは同時だった。
「きゃああああああああああああぁぁぁぁぁああああぁぁ……あ……ぁ……」

 ドサッ!

 物が倒れる音がした。
「……お姉、ちゃん?」
 恐る恐る玄関の方に行ってみる。ナイフを持った男が見えた。その男の足元で倒れているお姉ちゃんも見えた。

 死んでるの?

 そう思うと、体が震え始めた。

 殺される?

 そう思うと、吐き気がしてきた。
 男は、私の存在に気づいたのか家の中にゆっくりと侵入する。
「ひっ」
 私は小さく悲鳴を上げると、急いで上の階に上がっていった。そして部屋の中に入り、ドアを締めて端の方でうずくまる。

 殺される

 頭を抱えて震えた。階段を上る男の足音が聞こえた。

 ころされる

 このままじゃ、私は殺されてしまう。逃げなきゃ、でもどうやって?

 コロサレル

 嫌だ! 死にたくない! やめて! 来ないで! 助けて!
 男の足音が、部屋の前で止まる。
 そして、部屋の扉は開かれた――

 イヤダ コロサレタクナイ ワタシハマダシニタクナイ コロサレル コロサレルマエニ コロス?

 そうだ、殺せ

 ――そこから先のことは、覚えていない。
 気がつけば、男は血の水溜りに沈んでいた。
 私は、お姉ちゃんが作っていた宿題を抱え上げる。そばのトランクを持って下の階に下りた。
 玄関のお姉ちゃんの死体を見る。見開いていた目を閉じてあげた。私は、お姉ちゃんの後ろ髪を切った。そして、トランクの中に詰める。
 次に車の中を見た。かつて両親であったものが転がっていた。それを見た私は、また震え始めた。
 私は宛てもなく彷徨い、それから人気のない河川敷に着いた。
 お姉ちゃんの宿題――木で出来た未完成の人形に、お姉ちゃんの髪の毛をくっつける。
「お姉ちゃん、殺したよ」
『リーゼは偉いね』
 未完成の人形が、やさしく私の頬を撫でる。
 それから私は、いつの間にかくっついてきていた影に話しかける。
「あなたが手伝ってくれたの?」
 影は何も答えない。だけど私は、この子の事を随分前から知ってるように思えた。
「ありがとう、ギーァ」
 それから私は、またふらふらと宛てもなく彷徨い続けた。

758鈴の音と共に-5:2007/01/31(水) 00:11:28 ID:OAOIW2AYO
>>755の続きです。

「でかしたぞ菊次郎!!あとでたっぷりもふもふしてやる!」
「も、もふもふ?」
「こいつの頭撫でるとそんな感じすんだよ。やってみるか?」
すると、菊次郎も期待に満ちた目を向けてくる。
・・・たしかに、さわってみたいかも・・・
そう思って、手を伸ばしかけたところで、その前に聞いておかなければならぬことがあったことを思い出した。
「い、いや。それより、おぬし、どうしてこんなところにいる?
この森はもう朱鷺宮家の敷地だ。用もなく入ってくるものなどおらん。なぜここにきた。」
村の者ですら近づくことさえ滅多に無いこの場所に来るからにはそれなりの理由が――
「いや、なぜって言われても単に道に迷っただけなんだけど・・・」
何やら、村から聞いた都にいくために近道というのをを進んでいたら、いつのまにか迷い込んでしまったらしい。
「・・・そうか、ならば、明日にでもここを去れ。ここから西に行けば小川にでるからそれに沿っていけば村に辿り着けるだろう。」
あまりに普通な理由に少し拍子抜けしながら教える。
男は困ったように頭を掻いた。
「あ〜、そうしたいのはやまやまなんだけど、なんかしらんがこの森からでられねえんだ。」
「?どういうことだ?」
「いや、よくわかんねーが森を出ようとしてもいつのまにか同じところにいるっーか、真っすぐ進んでるのにまたここに戻ってきちまう。」
「ふむ・・・」
男のわけわかんねぇというぼやきを聞きながら考える。幸い、思い当たる節があった。
「それはおそらく『断絶の意』のせいだろう。」
師が時継ぎの儀に備え二日前から仕掛けたと言っていたここと外界とを遮断する結界だ。外から邪魔が入らぬように。・・・私が逃げ出さないように。「よく分かんねーが、どうにかなんねーのか?」
「わかった。師に話して――」
言いかけて、気付く。
儀式が近いせいか、最近神経質になっているになっているあの人たちに迷い込んだだけとはいえ侵入者をそのまま帰すだろうか?
いや、最悪、間者と思われて殺されるかもしれない。
「いや、すまん。あと一週間はそのままにしていてくれ。」
「はあ!?なんで。」
「詳しくは話せんが、一週間は結界を解くわけにはいかんのだ。」
「まじかよ・・・一週間もこんなとこいたら飢え死にしちまう。」
「心配するな。飯はこっそり運んできてやる。とにかく一週間だけ我慢してくれ。」
「・・・わかった。もともと勝手に入ってきた俺たちも悪いんだしな、従うよ。」
男はしぶしぶと言った感じで頷いた。
「すまないな。それでは私は家に帰るが、他の者には見つからないように、おそらくただではすまないだろうからな。」
「わかった。よろしく頼むぜ。
・・・っと、そういえばまだお互い名前聞いてなかっな。
俺は岩瀬剣司郎。あんたは?」
「私の名は神依、朱鷺宮神依だ。」
その自己紹介があまりに遅かったから・・・
「よろしく、神依。」
「こちらこそ、剣司郎。」
私たちは、どちらともなく笑いあった。


千年守の設定とかかなりオリジナルです。正式な設定があったならすいません。
なんだかだいぶ間が開いてしまいました。
覚えている人いるかな・・・

759痛ましきその過去(3/3):2007/01/31(水) 00:13:06 ID:qJHR5vsE0
 目が覚める。
 ここは、飛行機の中だ。嫌な夢を見た。
「……」
 自分の両隣を見る。もちろん、家族がいるわけがない。
「……」
 ずっと私は、温もりを求めた。そして得た温もりは、人の返り血だけだった。
 だけど私は、違う温もりを感じた。昔、いつも感じていたその温もりを、あの時、あの人から感じ取った。
「……愛乃 はぁと」
 その人の名を小さく呟く。
 私は、汚れすぎた。あの温もりをずっと感じる資格はない。
 でも、もしまだやり直せるならば、私は生まれ変わりたい。そして、あの温もりにもう一度触れたい。そしたら、その時は
「あなたの事を、お姉ちゃんって呼ぶね」
 あの人に貰った愛を胸に、私はもう一度、歩み始めた。



暇だったので再び投下。
リーゼの詳しい経歴知らないんで、ほとんど俺の妄想で補完。どっかで、両親は事故死って書かれてた気がしないでもないが、もう書いちゃったから許して。
つか、今日はえらく脳汁があふれ出る。

760名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 00:16:24 ID:qJHR5vsE0
>>758
割り込みごめんよーorz
あんたの作品は好きだぜ、GJ!

761739-741:2007/01/31(水) 00:42:11 ID:H4CsFqdEO
この文カキコしてる間に携帯の電池が切れた俺。

と、言う訳で神依×このはを書きました。
展開自体はベタベタなのですが、
どことなく私の中ではお気に入りです。

他の方々のGJ文に負けぬ様に、
これからも精進したいと思いまするー。

762まとめ人:2007/01/31(水) 01:07:00 ID:bOjtoN2I0
需要ありそうなので保管庫作りますねー。

763名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 01:11:52 ID:PqEbl7MkO
>>756
GJ!
そういう感じのSSって個人的に結構好きだ。
リーゼの設定についてはそんな感じであってると思うよ。
アルカナプレイ回数2回の俺が言うんだから間違い

764名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 01:28:39 ID:hVcZAUvk0
>>762
おお、お頼み申す。で、一人づつ作品をまとめたほうがいいかな?

765名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 01:53:25 ID:/lVHNqHgO
顕示欲の固まりである俺はすでまとめました(^_^;)

766名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 02:24:34 ID:qJHR5vsE0
じゃあ俺も自己顕示欲ぜえぇんかーいっ! でまとめますね。

>>588「鼓音さんの受難」
>>653「願い事」
>>681「リーゼのお悩み相談〜はぁと編〜」
>>748「リーゼのお悩み相談〜冴姫編〜」
>>756「痛ましきその過去」

なんか、俺って結構投下しまくってるんだな。

767名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 02:40:42 ID:/lVHNqHgO
>>766
お互いSS多いっすね。個人的には「願い事」結構好きだったな〜(^_^;)

768まとめ人:2007/01/31(水) 02:52:45 ID:bOjtoN2I0
何度もコテで失礼。とりあえず骨組みだけ作りました。
ttp://arcanasshokanko.blog91.fc2.com/
中身はまだ空っぽです。まったり進行で埋めていこうと思います。
保管庫の話題でだらだらレス消費するとウザがる人がいるかもなので、一応要望受け付けも
保管庫内に作っときました。でもまあ、このスレで話しても大丈夫かな?

>>765 & >>766
後でまとめときますー。

769名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 03:14:16 ID:uOLlwzF20
>>768
ちゃんと意味のあるコテだし誰も文句うざがってないさ。
頑張ってまとめてくだされー。

770名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 04:22:52 ID:/lVHNqHgO
まとめ人GJ!

771名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 18:38:43 ID:qJHR5vsE0
>>768
GJ!!

772名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 20:07:27 ID:aGR6.MgIO
まとめサイトってこれからSSを貼っていくの?

773鈴の音と共に-6:2007/01/31(水) 22:30:41 ID:OAOIW2AYO
1>>574 2>>587 3>>604 4>>755 5>>758

「それから数日は家の者の目を盗んで剣司郎と会っていた。」
「二人で何してたんですか?」
「別に大したことはしていないさ、外の話をしてもらったり、菊次郎と遊んだり、動物に餌をやったり・・・今考えると、子供っぽいことばかりだったが、あいつはいやな顔ひとつせずに付き合ってくれた。」
「へぇ〜」
「それに、あいつは変なやつでな。子供のようにすぐに私のことをからかうくせに急に大人になる時もある。怒ろうとすると、笑いながら頭をなでてくる。あのように頭をなでられたら、何も言えなくなってしまったものだ・・・」
「これがのろけと言うものかしら・・・聞いているとそこはかとなくむかついてくるわね。」
「ふむ・・・お前もいつもこんな感じではなかったか?廿楽。お前が愛乃の話をするときはいつもこんな感じだか。」
「べ、べつにそんなことは・・・」
「ほんとー!!さーたん!!えへへ、だったらうれしいな〜。」
「・・・」
「あれ?どうしたの?わんこ、だまりこんじゃて。」
「わ、わふ?そんなことないでごさるよ。」
「あれれ〜?もしかして〜、嫉妬ってやつ〜?」
「分かります。分かります。目の前でいちゃつかれるとくびり殺したくなりますものね。」
「か、春日・・・さん?」
「あ、いえいえ、何でもありません。」
「こいつ、巫女のくせに黒いな・・・」
「それにしても世話好きなやつだな!男なんぞ放っておけばよかったでわないか。」
「たしかにな、しかし、興味もあったのだ。初めて見る外の人間だったし・・・
なにより、私にあのように気軽に話し掛けてくるようなやつはいなかったからな・・・」
「先輩・・・」
「そして、剣司郎とあっているうちに、私は少しずつ恐くなっていった。」
「?・・・何が?」
「千年守になることが、だ。変だろう?それまで、親と別れることさえ、いやとは思わなかったのに会ってまもない男にはそう感じたのだから・・・」


誰がどの台詞を言っているのか分かりにくい部分があるのでそこらへんには好きなキャラを当てはめてください。
>>760
こちらこそすみませんでした。メインで神依、サブでリーゼ使っているのであなたの作品もGJでしたよ。

774まとめ人:2007/01/31(水) 22:32:48 ID:bOjtoN2I0
これからです。というか今現在作業中です(;´Д`)
完成したら報告するので、スレの方は通常進行でどぞー

775名無しのアルカナ使い:2007/01/31(水) 22:56:10 ID:klKSi6LUO
まとめ人さん頑張って下さい!!楽しみに待ってます

776江古田っ子純情:2007/01/31(水) 23:18:41 ID:x3la8nVE0
>>584 2 >>602 3 >>718


きらは、今までの人生で味わったことのない感覚に包まれていた。
今日は啓とのデートの日である。

なぜ?なぜデートなのか?
明芳に言われたからか?
というかなぜ自分も断らなかったのか?
そんな考えが頭の中で回り、彼女はものすごく難しい顔をして、待ち合わせ場所の駅前へと歩いていた。が、手と足は一緒に出ていた。

今日のきらは、フリルの付いたオレンジのワンピースに革のポシェットというカジュアルな服装。
唯一話のわかりそうな美鳳に相談したところ、最低限のお洒落はしていくべきだという結論に達したため、クローゼットの奥から発掘した物である。
これでにっこりと笑っていれば子供服ブランドのモデルの話でも来そうなものだが。


「あ、おはよう、大道寺さん」
「ま、ま、待たせたな。そ、それで?どこへ行くんだ???」

啓はパーカーにジーンズというラフな格好できらを待っていた。
いつもと変わらないにこにこした表情なのだが、制服ではないためやはり印象が違う。

「………大道寺さん、緊張してる?」
「き、緊張だと?こ、この私がなぜデート如きで緊張するというんだ!?馬鹿が!!」
「あはは、少しリラックスしたほうがいいよ。せっかく遊びに行くんだし♪」
「うるさいわッ!!!!!」

………と、怒鳴ったところで緊張がおさまった。
きらが自分の変化に気がついておや?という表情になると啓もそれを察したのか、行き先を切り出す。

「じゃ、行こうか。遊園地」


きらは、もちろんデートなどしたことがない。色恋沙汰もしかり、である。
つまるところ彼女が緊張していたのは、自分の未知の領域に踏み込むということに対してであって、啓に対してではないのである。
それに彼女自身が気がついたため、電車の中では幾分落ち着いていつものような会話をしていた。

「………というか、貴様が私のようなレディをエスコートできるとは思えんが?」
「かもね。僕もデートなんて初めてだし」
「こーゆーのは普通男のほうがリードするものじゃないのか?それくらいは知っているぞ」
「まー、なんとかなるでしょ♪あ、着いたよ」

電車がホームに着き、二人は改札をくぐる。
すると、遊園地のにぎやかな雰囲気が二人を迎えた。


所詮、ガキの遊びじゃないか。
啓と出会う前のきらなら、きっとこう言い放っただろう。だが。

(せっかく来たんだ、楽しんでみるか………)

そんなきらを連れて、啓はこの遊園地で一番目立つ、あるものの前に向かった。
その名はジェットコースター。
何も知らずに乗り込んだきらの隣で、啓の微笑みが心なしか悪魔のように見えた。

「………で、これはどうなるんだ?ただ登ってるようにしか見えんが」
「うん、最初は登るんだ。で、そこから落ちるの」
「………落ちるだと?」
「ほら、もうすぐ。あそこがてっぺん」
「ちょ、ちょっと待て!!落ちるって、こら、き、貴様、貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「あはは、楽しいなー♪」

………降りたとき、もしきらが元気&スライムに乗っていたら、啓は間違いなくアルマゲドンバスターを喰らっていただろう。


「貴様………覚えておけよ………」
「大丈夫?いやぁ、ちょっと刺激が強かったかな」
「………雑巾しぼりの刑だ………」
「あ、ちょっと待ってて」

そう言うと啓はベンチで休んでるきらを残して、走っていった。
少しして戻ってきた啓の手には、ソフトクリームがふたつ握られていた。

「大道寺さん、バニラでいい?」
「あ、あぁ。褒めてやろう、なかなか気が利くじゃないか」
「はい。こーゆーとこで食べるとおいしいよ」
「………確かにうまいな………」
「ここで抹茶を食べるのがたまらないんだよねー♪」

777江古田っ子純情:2007/01/31(水) 23:22:02 ID:x3la8nVE0
>>584 2 >>602 3 >>718 4 >>776


その後も、きらにとっては発見の連続だった。


これだけは絶対に嫌だと言ったきらをメリーゴーランドに乗せるという快挙を成し遂げた啓は、絶好調だった。
ミラーハウスやお化け屋敷など、遊園地の定番コースにきらを連れて行く。その度にきらは驚かされたり、感心したり、今まで自分が知らなかったものを素直に吸収していった。
もちろんお化け屋敷から出てきたきらは、啓に「貴様殺す」を連発していたのだが。


時間は夕暮れ時になっていた。

「さて、最後はあれに乗らなきゃね」
「ま、まだ何かあるのか?」
「怖がらなくていいよ、最後のはゆっくりしてるから♪」

そういうと、啓はきらを観覧車へと連れて行った。

「これは………落ちないのか???」
「もちろん。ゆっくり上がって、ゆっくり降りるの。その間、景色を眺めるんだよ」
「景色を…?」
「ほら、見て」

そう言って啓が指差した方向には、夕日に染まる街がこれ以上ないほど綺麗に映し出されていた。
学校、乗ってきた電車の線路、きらきら光る海。
それを見て、きらは思わず息を飲んだ。

「これは………」
「どう?すごくきれいでしょ?」
「………………」
「………明芳さんに、言われたのはね」

突然、啓が切り出した。

「大道寺さんに、いろんな世界を見せてほしいって言われたんだ」
「いろんな………世界を………?」
「もんじゃ焼きとか、遊園地とか、観覧車とか。僕が知ってて大道寺さんが知らないようなことを」
「……………?」
「"あの子が自分の世界を広げるための手助けをしてほしい"って言われたんだ」

その言葉の意味を、きらはすぐに理解した。

自分は、世界を征服しようとしている自分は。
この世界のことを、まだ何も知らないのか。


「………私が征服しようとしてる世界は………キレイなんだな………」
「………キレイだよ、きっと」
「………もんじゃ焼きもあるしな」
「………あはは、そうだね。もんじゃもあるしね」

夕日に染まる街を見ながら、きらの心には、啓の言葉がしっかりと刻まれていた。




「………次の駅か?」
「そうだね、もうすぐ着くよ。そろそろ暗くなるから送るよ」
「うむ、送らせてやろう。運がいいぞ貴様」
「って、大道寺さんち同じ方向じゃない」

帰りの電車でも、きらは少し機嫌がよかった。今日はいろんなことを知ることができたから。
こんな毎日なら、なかなか悪くないかもしれない。

「あ、着いたよ」
「うむ。人が多いな………ッ、おわッ!?」
「あっ、大道寺さん!!」

階段でつまずいて転びそうになったきらを、啓が受け止めた。
つまり、啓がきらを抱きかかえた状態。

「大丈夫???」
「………………………っ、だ、大丈夫だ。いつまでくっついている?離れろ!!」


きらは、今までの人生で味わったことのない感覚に包まれていた。
それは今朝のものとはだいぶ違っていたのだが………




ありがとうございました。
まだまだ未熟な文章&きら様のイメージとは違うかもしれませんが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

まとめ人さん、お疲れ様です。
がんばってください。

778名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 00:32:24 ID:.0ghnZ8wO
>>777
GJ!
きら様の面白かったですよー

779名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 01:11:59 ID:Q0gZKxhM0
良かった。
きら様かわいい。

780497:2007/02/01(木) 01:56:33 ID:b2pbS.vM0
>>497 >>549 >>684 >>686 >>712
-長い夜〜怨恨-
ミケの遺骸を抱き抱え倒れる頼子、その姿はフェルナンデスを何故か苛立たせた。
「フン…それだけの余力があれば不意を突けば一矢報いる事ができたものを、従者を庇って死ぬなんてさ」
と言いながら再び頼子へ掌を向ける。
「無意味な最期だったよ」
「―そのお陰で間に合ったがな」
静かな声がフェルナンデスの背後に響く、凛。と鈴の音と共に。
「チィッ!!」
振り向き様に放った黒球は声の主へと飛び
「破ッ!!」
手にした日本刀で一閃された。
「全く今日は素晴らしい日だな、殺したい奴等が自分からやって来てくれるよ。ねぇチトセモリ」
「それはこちらとて同じ事、戦友達の敵をとらせてもらうぞ!」
言うや否や地を蹴った神依、フェルナンデスの首を狙い一撃を繰り出す!皮一枚でそれを躱し距離を取るフェルナンデス。
「あまり調子に乗るなよ?ここで好きに暴れればそこのクズが…?いない?」
頼子の倒れていた場所を見やり驚きを隠せない。その頭上から声が降る
「センパイ!ヨリコの事は私に任せて!ソイツやっちゃって!」
月明りを浴びて金色の飛沫の様に輝く髪、風の落とし子テンペスタスを従え、頼子を両手で抱えロビー上階の大窓に足を掛ける少女
「リリカ?フェルフネロフ、このはに先導をさせる。それに従え」「オッケー、行くよテンペスタス!」
風を纏い、夜空へ飛び出したその姿はあっという間に見えなくなる
「あっさりと見逃すじゃないか汚い貴様が」
心底有り得ない、といった顔で神依が言う。
「あれを狙った瞬間真っ二つじゃ馬鹿らしいだろう?憎い相手が目の前にいるのにさ!!」
虚空から取り出したサーベルを手にしたフェルナンデスの奇襲、突き出された切っ先は神依の心臓を突き刺さんと走る!
ギィン!辛うじて受ける神依、体制を立て直せぬまま二撃目が襲う。
「剣で戦う君が剣で殺されるなんて笑えるだろチトセモリ!?」
「―オン?アラハシャノウ―逝斬!!」
身を躱しつつ抜刀された刀は真円を描きフェルナンデスの右腕をたたき切る
「なっ!?」
「オン?サン?ザン?ザンサク?ソワカ―無怨!!」
続けて姿勢を低くしての横薙ぎの一刀が深く脇腹を捕らえる
「人間が調子に乗るなよ!!!」
絶叫に近い声をあげながら残った左腕を振るう。
抜刀のスキを突かれ右脇腹大きくえぐられる神依、痛々しいほど白い肌は裂け血飛沫が舞う。

781497:2007/02/01(木) 02:01:24 ID:b2pbS.vM0
・が?に化けました…携帯の馬鹿…orz
木を取り直したら続き書かせてください、おやすみなさい。

782名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 02:09:08 ID:yCeUb1I2O
GJ!
でも「千年守」は「ちとせのかみ」ね。読みづらい語多いなアルカナ

783名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 03:42:31 ID:b2pbS.vM0
>>782
重ね重ね申し訳ない。

784名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 05:41:54 ID:hEL9TKf2O
>>777
>>780
どっちもGJ!!

俺も何か書こうかな…

785名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 05:49:46 ID:4c9IGe8kO
ネタがある人良いな〜。最近なんも思い浮かばない…orz

786大好きな友達へ:2007/02/01(木) 07:45:53 ID:4c9IGe8kO
関東崩壊の危機からすでに1ヶ月経っていた。聖女達はそれまでの平和を取り戻し何の変哲もない日々を過ごしていた。そんな中、一人の聖女は何かを思い悩んでいるようだった。
「冴姫ちゃん!おっはよ〜♪」
「…………。」
「冴姫ちゃん?」
「…えっ?あ、ごめんなさい。おはよ、はぁと…。」
「最近どーしたの?なんかおかしいよ?」
「うん、何でもないから。気にしないで…。」
あの事件を境に冴姫は日に日に態度を変えていく。どんなに鈍感な者でもその変化に気付かない者はいないであろう。
「最近冴姫ちゃんの様子が変だと思う…。」
はぁとは学校のロビーで皆に相談をしていた。
「確かに最近悩んでいるようすですね。」
舞織も心配していたようだ。
「好きな男の子でも出来たんじゃない?で、その相手がここの教師で禁断の愛が…!?」
「リリカ…、それはいくらなんでもないでしょ…。」
リリカの悪ふざけにお決まりの頼子の突っ込みが入る。こんな調子だが二人もそれなりに冴姫の事を心配しているのだろう。
「はぁとちゃん、そんなに心配だったら冴姫さんにちゃんと聞いてみるのが良いと思いますよ?」
「うん…、まおりんありがとう。」
確かにここで本人がいないのに問答を繰り返しても仕方がない。はぁとは冴姫本人に聞いてみる事にした。その日の下校時、冴姫は相変わらずボ〜っとしている。やはり何か悩んでいるのだろうか?もし悩んでいるなら、なぜ親友である自分に相談をしてくれないのか?そう考えると少し胸が苦しい。はぁとは思い切って冴姫に聞いてみる事にした。
「冴姫ちゃん、何か悩み事でもあるの?」
「別に…、何もないわ。」
はぁとの質問に冴姫はまともに答えようとしない。
「うそ!絶対なんか悩んでるよ!なんで嘘つくの?」
「別に嘘をついているワケじゃ…。それに、はぁとには関係ないでしょ!」
言ったあと冴姫はハッとした。勢いとはいえ親友であるはぁとに言ってはいけない一言だった。
「……分かったよ。」
「ごめ、はぁと今のは…。」
ショックだった。純粋に冴姫の事が心配で聞いたのに、はぁとは思わずその場を走り去った。
「はぁと!待って!」
冴姫の呼び止める声も聞かず、はぁとは悲しみを振り切るかのようにそのまま行ってしまった。

787ソジーの錯覚−第三節−:2007/02/01(木) 09:39:24 ID:RTJstq5k0
前回:>>705 >>744
ナニ言ってんのはぁとあんた今朝頭でも打った?とか
蹴りとか、一通りのベタの後−

舞織(はぁと)「私は、春日舞織は今どこにいるのでしょう?」

冴姫「まだお寺にいるんじゃないの?あの子 携帯で聞いてみたら?」

舞織は学校から許可をもらっていて午前中はお寺での雑務をこなしている。
春日神宮が地域密着の寺院である事、舞織が成績優秀で学業が支障が無い等の理由も
手伝ってである。

舞織(はぁと)「携帯・・、」

いつもより不慣れな手つきで携帯で春日舞織の名前を呼び出す。

舞織(はぁと)「あ?もしもし?まおりん?おはよ!今どこ?

いいから、いいから!うん、うんわかった!じゃね!」

電話を切った瞬間自称舞織のはぁとは保健室を飛び出して
舞織の居る春日神宮へ駆け出した。

痺れを切らした冴姫が一つ声を落として言った。

冴姫「付き合ってらんないわ、このコント」

-第三節終-

788名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 12:14:12 ID:hEL9TKf2O
じゃあ俺も投下ー

――――――――


「あれは……」

ここは都立御苑女学園中等部、中庭。
このははそこで見覚えのある二人の影を見つけた。

一人は黒の制服に身を包み、腰には日本刀を携えた長身の女性。
このはの主でもある朱鷺宮神依。
そしてもう一人は、黒と白を基調としたドレスを身に纏い、自身の体ほどもある大きなトランクを抱えた小柄な少女。
緋眼の人形遣い、リーゼロッテ・アッヒェンバッハだった。

ミルドレッドを倒し関東の崩壊を防いだ今、リーゼロッテがどこに居ようが全く構わない。たとえ、それが自分の通う学校だったとしても。
それよりもこのはにとって重要なのは、その二人がお互いを真正面に見据えている…つまり対立していると言う事実だった。
自分の主と対立しているのならば、仕える者としてするべき事は只一つ。
「神衣さま…このこのは、微力ながら助太刀いたしまする」
そう呟いて、このははその姿を消した。
距離…目測で約20m。
このはにとって、誰にも気付かれずに忍び寄ることなど造作も無い距離だった。

789大好きな友達へ2:2007/02/01(木) 14:48:34 ID:4c9IGe8kO
>>786続き。
ここははぁとの部屋。はぁとは自分のベッドの上で枕を抱え座っている。自分には関係ない、そう親友に言われて涙ぐみながら。冴姫の事を考えると胸が痛い、けれど彼女の事ばかり考えてしまう。切なさが体中を駆け抜けまた涙ぐむ。そんな事を繰り返しているうちに外は暗くなりつつあった。その時家のチャイムが鳴る。少ししてから母親がはぁとの部屋の戸を叩く。
「はぁと、冴姫ちゃんが来てるわよ?」
ガバッと顔を上げる。何の用だろう?仲直りしに来てくれたのかな、それとも別に用があるのかな?答えは両方だった。二人は近くの公園まで行く事になった。
「はぁと、さっきはごめんなさい。そんなつもりじゃなかったのよ。」
素直に謝る冴姫。はぁとはまだ涙ぐんではいるが、顔には少し笑顔が戻る。
「ううん、気にしてないよ。私の方こそごめんね?冴姫ちゃんにだって言いたくない事あるよね。」
そうだ、自分がしつこく聞いたのも原因の一つだ。はぁとはその事に気付きこれ以上話がこじれないようにした。だが冴姫は、もちろんそんなつもりはないのだが話をさらにこじれさせた。
「アナタには話しておくべきよね。私ね、しばらく外国に行く事になったの…。」
「えっ?」
いきなりの告白に頭の中が真っ白になる。せっかく仲直りしたのに、なんで?
「なんで?冴姫ちゃんなんで外国なんかに行っちゃうの?」
その返答はちゃんと用意されていた。その理由とは
「フィオナを探したいの。あの娘、必ず戻って来るって言ってたけど…。ほら、あの娘ドジなところあるから道を間違えてたりするか…。」
そこまで言いかけてはぁとの異変に気づく。少しでも明るく振る舞おうと少しおどけて話したのが裏目に出たのか、はぁとはボロボロと涙を流していた。
「やだ!冴姫ちゃん行っちゃやだ!必ず戻って来るって言ったんでしょ?だったら待ってればいいじゃん!」
感情の赴くままに叫ぶはぁと。
「フィオナは私の大切な友達なの…。あの娘のために何かしてあげたいの。分かってくれるでしょ?」
「分かんない!冴姫ちゃんは私は大事じゃないの?フィオナって娘の方が大事なの?」
「はぁとの事も、もちろん大切よ。けどそれと同じくらいフィオナの事も大事なの。今まで死んでいたと思っていた友達が生きていたの。どーしても何かしてあげたいの。」
冴姫の心は揺るがない。

790名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 16:48:51 ID:4c9IGe8kO
まとめ人乙!素晴らしくまとまってるから皆さんも見てみると良いよ!

791497:2007/02/01(木) 17:24:48 ID:8kiJWU2g0
780の続きです
「ぐっ!?」
激痛に顔を歪ませ左手の鞘を取落とし、傷口を押さえ片膝を着く。
「人間なら深手だろう?楽にしてやるよ!」
その頭部を砕かんと大きく腕を振り上げる
ぎりっ と歯を食いしばる、傷口から手を放し両手で柄を握る
「幕を引いてやる!」
降り下ろされる断頭の一撃
「ぐっ…あああぁ!!」
対して跳ね上げられる決死の紅刃
軌跡は交錯し、走る衝撃はその一帯を揺がし、廃墟に致命的なダメージを与える
その中心、魔王の左腕と聖女の愛刀は拮抗する。
「ここはもう保たないぞ、瓦礫に埋もれて死ぬのは本望じゃないだろ?」
先に動いたのはフェルナンデス。忌々しそうに罅の入った腕を見る
「だからといって黙って貴様を行かせるとでも?」
明らかに満身創痍の神依、刀身からも光が失せている
「魔王の私にこれだけの事をしたんだ、また来てあげるよ。今度は広い場所で思い切りやろう?…その時は」
歪みに消えようとするその姿、
「待て!!フェルナンデス!!」
怪我の影響で足が進まない
その一瞬
「殺してやるよ…!!」
むき出しの殺意が叩き込まれる。
一人残された神依、崩落が始まる廃ホテルを後にするしかなく、血塗れた体を引きずり歩く。
「すまんな、仕留め損ねたよ…ミケランジェロ、『レイア』、『もみじ』…」
記憶に残る戦友達の名を呼ぶ、また、一人になってしまった。その耳に聞き慣れた声が届く
「神依様〜!ご無事でござりまするか〜!」
「このは?先導を頼んだはずだぞ。何をしている。」
厳しく咎める様な口調になってしまう
「も、申し訳ございませぬ!拙者神依様が心配で…って神依様!?おおお怪我はだだだ大丈夫で!?…きゅう」余りにひどい怪我に気が遠くなったらしい
「全く…仕方のない奴だな」
よく見れば出血は止まり傷口も治ろうとしている、アヌトゥパーダの助けを借りての自動治癒だ。
「くうぅ〜ん神依しゃまぁ…」
夢の中でも自分を呼ぶ従者に思わず笑みが浮かぶ、小柄な彼女を抱き上げ、フェルフネロフ達と合流するために夜の街を駆ける。
自らの住う帝京ホテルへ、全てを伝える覚悟を胸に。
-続く-

792497:2007/02/01(木) 17:29:14 ID:8kiJWU2g0
昨日書く予定だったところまで書きました。次は過去話にいきます。

793名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 18:08:55 ID:hEL9TKf2O
まとめ人超乙!

>>788の続き
―――――――

それからどれだけの時間が経っただろうか。
10分…20分…既に1時間以上が経過しているようにも、1分すら過ぎていない様にも感じられた。
このははリーゼロッテの背後の茂みに移動し、隙を窺っていた。
忍者とは本来耐え忍ぶ者…待つことには慣れている。しかし…
(…おかしいでござる)
そう、睨み合う二人の様子は明らかにおかしかった。互いに睨み合ったまま、一歩たりとも動こうとしないのだ。
まるで、その場所から動くことを恐れているかのように。
(一体、何故…?)
そう思った時、不意に神衣が口を開いた。
「リーゼロッテ・アッヒェンバッハ。貴様は『そいつ』を私に返すつもりは無いのだな?」
「…あなたには必要無い」
「…成程。無益な殺生は好まぬのだがな…」
そう言いながら腰の日本刀に手をかける神衣。
(『そいつ』…?)
その瞬間、このははあることに気付いた。

リーゼロッテの足元に、
『何か』が倒れていることに。

最悪の想像がこのはの頭をよぎる。
(そんな、まさか…だ、誰が…?)
戦闘中である事も忘れてリーゼロッテの足元を窺い見るこのは。
そこには。


でかでかと『神衣』と書かれたくまさんのぬいぐるみがあった。


このはは家に帰った。


―――――――

こんなオチで良かったのか、俺…

794名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 18:56:34 ID:NRnTbw1E0
>>793
オチで盛大に吹いたwwwww

795名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 19:03:15 ID:4c9IGe8kO
>>793
電車の中で吹き出すところだったww

796大好きな友達へ3:2007/02/01(木) 19:44:18 ID:4c9IGe8kO
>>789続き。
冴姫がどこかに行ってしまう。恐怖にも似た感情がはぁとを蝕む。ずっと一緒にいたい、ただそれだけの事がなぜ叶わないのだろう。
「冴姫ちゃんのバカ!冴姫ちゃんなんて嫌いだ!」
心にもない事を言う。そんなつもりはないのに…。
「何で分かってくれないのよ!私だって離れたくないわよ!けど…、けどフィオナを放っておくわけにもいかないじゃない!」
冴姫も感情的になる。友達なら、はぁとなら分かってくれるに違いないと思っていた。しかしはぁとは分かってくれなかった。
「もう…、もう知らない!」
冴姫はその場から走り出した。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。一人残され呆然と立ち尽くすはぁとは、いったい何を考えていたのだろう…。


後日
「サキっちのお別れ会〜♪」
「リリカさん、お別れ会何だから楽しそうに言わないで…。」
舞織が少し気難しい顔で言う。
「だぁって、暗い感じでお別れなんてイヤでしょ?サキっちの門出をちゃんと祝ってHAPPYに送り出さなきゃ♪」
舞織も成る程と納得したようだ。
「ふふっ。ありがとう、リリカ。」
「ザ、ザギざん。あっぢに行っでもお元気で……ウッウッ。」
頼子は顔をグシャグシャにして冴姫と握手をしている。もうかれこれ10分以上も。
「頼子、分かったから涙拭きなさい?目が真っ赤よ?」
優しく冴姫は頼子に言う。
「はぁとちゃん…、来ませんね。」
「……………。」
せっかくのお別れ会にはぁとは顔を出さなかった。まだあの事を怒っているのだろうか?それとも悲しんでいるのだろうか?私ははぁととちゃんとお別れをしたかっただけなのに…。結局はぁとが顔出さないまま、お別れ会は終了した。
「はぁと…。」
次の日、冴姫は空港にいた。あと数時間すれば日本ともお別れだ。次はいつ戻ってこれるか…。たった一つ心残りがある。それは親友であるはぁととケンカ別れした事。
「もっとちゃんと話し合えば良かったな…。」
後悔だけが残った。そろそろ乗らないといけない。冴姫は搭乗口に向かって歩き始めた。その時、親友の声が聞こえて来た。
「冴姫ちゃ〜ん!」

797大好きな友達へ4:2007/02/01(木) 20:10:49 ID:4c9IGe8kO
>>796続き。
はぁとは冴姫に駆け寄る。冴姫はまだ信じられないといった風にはぁとを見つめている。
「ハァハァ、間に合った〜♪冴姫ちゃん、ワガママばっかり言ってごめんね?冴姫ちゃんが決めた事だもん、仕方ないよね。」
おそらくずっと泣いていたのだろう、目が充血している。それでも精一杯の笑顔で冴姫を見送ろうとここまで駆けつけて来たのだ。
「はぁと、私…、私ね…。」
何か口に出したいが言葉が見つからない。そんな冴姫を見ながらはぁとはある物を取り出した。
「冴姫ちゃん!これあげる!」
それはロケット付きのペンダントだった。中を開くと二人の写真が入っている。
「はぁと!!」
思わずはぁとを抱きしめる冴姫。
「はわわわ、冴姫ちゃん苦しいよ〜。」
冴姫を受け止め少し恥ずかしそうにするが、抱きついてきた冴姫が今にも泣き出しそうなのを見て優しく背中をさする。
「冴姫ちゃん、頑張ってフィオナちゃん探して来てね!」
「えぇ!絶対に見つけ出すわ!そして、また絶対に戻ってくるから!」
二人の顔に笑顔が戻る。
「冴姫ちゃ〜ん!絶対、絶対に帰ってきてよ〜!」
大きく手を振るはぁと。それに応えるように冴姫も大きく手を振る。冴姫の姿が見えなくなっても、まだ手を降り続けた。もう悲しくなんかない、ちょっぴり寂しいけれど…。
「冴姫ちゃん、私ずっと待ってるからね…。」
泣きたくなるのを我慢して、はぁとはいつまでも冴姫を見送り続けていた。
〜完〜



今もてる全てをつぎ込んでこの程度…orz
皆さんの網膜を潤ませたくて書いたはずなんだが、力不足ですた…。素人なんで多目に見てやって下さい!

798名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 20:15:21 ID:M3Kq8qfU0
>>797
GJ
感動をありがとう

799ソジーの錯覚−第四節−:2007/02/01(木) 23:15:57 ID:RTJstq5k0
反響ナッスィングですが 最後まで書いてしまったので
貼らせてください。

**

前回:>>705 >>744 >>787

冴姫はもはや無用の保健室を出ようとすると扉の前には
自分とは違う学年の制服を着た子犬とそこから伸びる細く黒い影があった。
っていうか朱鷺宮神依とこのはが立っていた。

このは「コントじゃないでござるよ」

神依「まずはぁとを止める。追いながら事情を話す。」

え、ちょ、おま意味わかんねとか一通りのベタの後−

走り出す3人

このは「あれは間違いなく、舞織殿でござる。」

神依「正確には春日舞織の人格だ。」

吹き荒ぶ風と一つになりながら3人は寒空の下を走り抜ける。

冴姫「え、意味が分からないわ!ちゃんと説明して!」

このは「昨晩街の防犯のために町内をパトロールしていた時の事でござるが」

冴姫「(まさに犬のおまわりさんね・・・)」

このは「はぁと殿の家に忍び込んだ者がいたのでござる」

神依「妙な術を使う子供だ。持ち歩く人形に人格を宿し、生身の人間に憑依させる。」

冴姫「な、そんなこと!はぁとはどうなるの!?一生あの人格のままなの!?

っていうかあんたね!見てたんなら止めなさいよ!」

このは「もし冴姫殿は鏡写しの自分がいたら

その冴姫殿はどうするでござろうか?」

想像出来そうも無い難題を押し付ける。

神依「足りない情報を補い。自分がオリジナルになろうとする。」

冴姫「そんな!?」

このは「舞織殿の命が危険いでござる!」

−第四節終−

800799:2007/02/01(木) 23:16:57 ID:RTJstq5k0
押し付けがましいことを言ったつもりはないですので><

801名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 23:22:48 ID:fpa6djLkO
タイトルが些か疑問だが、内容は面白いと思うよ

802名無しのアルカナ使い:2007/02/01(木) 23:29:19 ID:yCeUb1I2O
リーゼの技名っぽくしたかったんジャマイカ

803まとめ人:2007/02/02(金) 00:11:43 ID:03NOctFA0
もう話題に出ちゃってますけど、保管庫が完成したので報告に来ました。
スレ立ってから1ヵ月でSSが50作品200レス。読み手には嬉しくても書き手には少し辛い状況なのかも。
……ってことで名無しに戻ります。

>>799
題名ぐぐってWikipediaで意味調べたりする程度にはちゃんと読んでますよー

804799:2007/02/02(金) 00:31:52 ID:6k46RWHI0
>>801-803
お三方レスありがとうございます。
ちゃんと読者がいると思うとうれしいです。
タイトル確かにヘンですね。
人形の上半身である姉を肌身離さず持ち歩いてるのが
少し意味合いと似てるなぁと思ってつけました。

さらにどうでもいいけど今Wikiにアクセスすると
IE固まってしまうようなので注意を。

805名無しのアルカナ使い:2007/02/02(金) 01:31:16 ID:qgROac8cO
>>797
上手く書けたかどうかは受け取る人次第だからな。
俺はこの言葉を送るよ。

グッド、ジョブ。

806名無しのアルカナ使い:2007/02/02(金) 07:50:51 ID:5voWVrTcO
>>794
>>795
良かった、ありがとうw

>>799
自分も楽しみにしてますよ!

807ビバ妄想!:2007/02/02(金) 16:45:57 ID:XLQmfNuoO
雷雲鳴り響く野原に三人の人影が…!?一人はツンデレ、もとい冴姫。一人はアホ毛事はぁと。更にもう一人は巫女萌え狙いで明らかに失敗しその腹黒さを露呈しつつもまだ巨乳と言う最後の武器に頼ってはいるが機械偽乳にその座すら奪われて…(以下略)舞織である。
「冴姫さん!勝負です!」
「いきなり脈絡ない話しないでよ!何でアナタと勝負しなきゃならないのよ!?」
「二人共やめて〜!私のために争わないで〜!」
「え?はぁとのための戦いなの?」
「どっちがはぁとちゃんに相応しいか、正々堂々勝負!」
冴姫の合意を得ぬまま勝手に話を進める舞織。問答無用でお姉さんが降ってきた!
「ちょっと!正々堂々じゃなかったの!?」
「やかましい!そんな昔の話は忘れた!」
「今さっき言ってた事じゃない!」
更に紙飛行機に乗った妹二人も加勢に来た。もはや完全に集団リンチ状態だ。
「二人共やめて〜!私のために争わないで〜!」
「二人じゃいわよ!てゆーかはぁと同じセリフしか言ってないじゃない!」
必死で4人の攻撃を避ける冴姫。しかし無情にも舞織は最後の攻撃を仕掛ける。
「ちょっ…!タンマ!飛び道具は卑怯よ!?」
弓矢を構える舞織。
「冴姫さん、成仏して下さい!」
このままではやられる!そー思った冴姫は舞織に向かって突進した。
「二人共やめて〜!私のために争わないで〜!」
「はぁと!他にもセリフもらってきなさい!」
突っ込みだけは忘れないツンデレ。しかしその突っ込み本能が仇になる。
「うおらぁぁぁ!ビッ○バン・アッパー!」
舞織はゲージの4分の1を使い物凄いアッパーを冴姫にたたき込んだ!
「ぐはぁっ!」
宙に舞い上がる冴姫。地上に落ちるまでの間、冴姫の頭に一つの疑問が浮かび上がる。
「…さっきの弓矢、意味あったのかしら?」
ドシャア!冴姫は地上に落ちピクリとも動かなくなった。

808ビバ妄想!2:2007/02/02(金) 17:05:21 ID:XLQmfNuoO
>>807の続き。
「はぁとちゃん!私やったわ!」
舞織ははぁとに向かって満面の笑みを浮かべる。
「まおり〜ん♪」
スローモーションではぁとが舞織に向かって抱きついてくる。
「こ、これは夢かしら!?はぁとちゃんがこんな近くに!!」
興奮する舞織。はぁとの顔が目の前にある。
「まおりん♪私のためにありがとう♪ご褒美のチューだよ♪♪」
舞織は今にも鼻血を吹きそうだ!口元がにやけている!ヨダレも垂らしている!しかし舞織さん、さっきアナタは何て言いましたか?これは夢じゃないかと、そー言いましたね?その通り!残念でした〜♪
「う、嘘〜!?」
だって、じゃなかったら某ゲームの技なんて使えるわけないじゃない。
「じゃ、じゃあせめてあと10秒待って!さっさと済ませるから!」
しょーがないっすね〜。はいスタート。
「え?もう?わわわ…、はぁとちゃんこっち来て!」
3…2…1…。
「ぷはぁ!大・満・足…♪」




「…………ん、…おりん、まおりん?」
「ハッ!?」
「どーしたの?今かなりヤバイ顔してたよ?」
「ひゃ、ひゃぁとちゃん!?」
「あはは♪何それ?早くしないと、もう下校時刻だよ?」
少し遠くで冴姫が呼んでいる。
「はぁと〜、舞織まだ呆けてるの〜?先行くわよ〜?」
「今行く〜!行こ、まおりん♪」
「は、はい。」
三人で並んで帰る。真ん中にいるのは冴姫さん。はぁとちゃんは冴姫さんとのおしゃべりに夢中。まだまだこんなに遠いんですね…。けど、今はこの距離で満足。たまに私の手を引いてくれるから…。








「…はっ!?ゆ、夢?……二重妄想って、私ヤバくない?」
〜終わり〜



う〜ん、思いついて書いてみたけど、かなりの勢いでグダグダやね。

809名無しのアルカナ使い:2007/02/02(金) 17:54:50 ID:qgROac8cO
夢オチ…。
ベタベタだな…。

だが面白かった。
だが冴姫の扱いが酷いorz
ていうか紙飛行機に乗った妹でパロディウス思い出したw
あれ折り鶴だよな?

810名無しのアルカナ使い:2007/02/02(金) 18:19:03 ID:XLQmfNuoO
あ…、折り鶴だ…。…ドンマイ!

811ソジーの錯覚−第五字節−:2007/02/02(金) 21:07:10 ID:6k46RWHI0
>>806
自分なんかに読書がいるなんて舞がっちゃいます。バンジャイバンジャイ
ありがとう。

**

舞織「あら、はぁとさん、どうしたのさっきも慌てた様子だったし・・・ ?」


無言で返すが。歩み寄るはぁと。

舞織(はぁと)「ねぇ、まおりん。あのさぁ」

うつむきながら、肩を少し前に倒し、詰め寄る。早歩きのゾンビのよう。
舞織の目の前で立ち止まる。

舞織「なんでしょう?急ぎの用でs」

「姉さん!危ない!!」奥の方で鼓音が叫んだ。

シャッと蛇のように伸びた腕が舞織の白い生首を掴む。
舞織は混乱して瞬時に自分に何が起きているか把握出来なかった。
友達の愛乃さんの爪がめり込んでき、て、力がどんどん増してく、
足をバタついていて、私は・・

腹部からもう一つ上半身が現れて腰に絡みついて離さない。

舞織「くっ、あ、はぁ、く」

鼓音・小唄・小糸「おやめなさい!」

いつの間にか春日3姉妹がはぁとの背中を包囲していた。
大きな弓を目いっぱいに引いている。

首だけ振り向いたははぁとが言った。以前首を絞めたままに。

はぁと「あなたたちに私が殺せる?」

-第五節終-

812名無しのアルカナ使い:2007/02/02(金) 21:15:30 ID:dDKufu9gO
鼓音が姉さん

813811:2007/02/02(金) 21:43:14 ID:6k46RWHI0
>>812
しまった・・

814舞織の誇り(1/4):2007/02/02(金) 22:27:29 ID:/1ASasB20
 四時間目の終わりを告げるチャイム。さて、私はもう帰らないと。
「それじゃあ皆さん、さようなら」
「あっれー? マオリ早退?」
 いつの間にか私の後ろに立っているリリカさん。
「また、授業抜け出してたんですか?」
「あっははー♪ これ癖なんだよねー♪」
 それは厄介な癖ですね、今度お祓いをしてあげましょう。
「また聖霊庁の仕事? あんたも大変ね、舞織」
「頑張ってね、まおりん!」
「ええ。はぁとちゃん、冴姫さん。また明日」
「うん、ばいばーい!」
 友達に別れを告げ、私は家である春日大社へと帰宅する。
 境内には、鼓音姉さんが待っていた。
「ただいま帰りました」
「お帰り舞織……本当に、今日くらいは仕事を休んでいいんだぞ?」
 なんだか、何度も聞いたような台詞。姉さんは、いつも私の心配をしてくれる。
 だけど、
「大丈夫です」
 私は、この仕事を休みたいと思ったことはない。
「……偉いな、舞織は」
「いいえ。私は、この春日家に生まれたことを誇りに思ってますから」
 私が、誇りと思っているこの仕事。
 私は、両親からこの誇りと意志を受け継いだ。

 それは、四年前の事。
 私は、この家があまり好きじゃなかった。いつもいつも、春日家の血筋について親族から教えられてきたし、普通の子供がやらないような事をやってきた。退魔おけるいろは……そんなもの、現代に生きる子供に必要なのだろうか?
 学校から帰ってくると、中庭で姉さんがいつも父さんと修行をしていた。
「いいか、見とけよ鼓音。相手に反撃を与える隙を見せるな。相手の懐にすばやく潜り込み、一気に全体重を叩き付けるんだ」
 父さんは、丸めた布に構える。そして、一気に布との距離を縮めた。そこから繰り出される正拳は、布を遥か彼方へと吹き飛ばす。
「ッ! す、すごい……」
「感心してる場合じゃないぞ鼓音。今のをお前がやるんだ。春日家に伝わる退魔術が一つ、『六合の体術』はお前くらいにしか出来ん芸当だからな」
「分かってます、父上」
 姉さんは、小さい頃から父さんにその『六合の体術』を教えられてきたらしい。
 私は私で、違う退魔術を教えられている。
「あら? 舞織帰ってたんですか」
「「おかえり、おねえちゃん」」
「あっ……ただいま、母さん」
「あなたも、真面目に修行しておくのですよ。この春日家は、あなた達四人で守っていかなくちゃいけないんですから」
 四人、というのは、今母さんの服にしがみついている二人の妹を含めた私たち四姉妹の事だ。妹たちは、結構最近ちゃんとした言葉が喋られるようになってきた。
「母さん、この家系って、そんなに大事なものなの?」
「ええ。先祖代々から退魔の役目を負って来ましたから。この平安を保つには、私たちの力が必要になるのです」
「でも、私は普通に暮らしたい。私だけ、皆と違うもん……」
 私がそういうと、母さんはうんうんと頷く。
「あなたの気持ちは分かります。私だってそうだった。でもね舞織、あなたもきっと、この家系を誇りに思う日が来ると思う。それも、私がそうだったから」
 母さんはそう言いながら、私の手に独楽を握らせる。
「あなたには、私のとっておきを上げます。退魔術の一つ『独楽の舞術』。あなたなら、きっと使いこなせます」
 私はしばらく悩み、それから独楽を握り締めた。

815舞織の誇り(2/4):2007/02/02(金) 22:28:30 ID:/1ASasB20
『独楽の舞術』
 独楽に自らの魔術を送り込み、自由自在に操る秘術。使いこなすまで最低でも十年は必要とされているらしい。
「雪花!」
 魔力を送り込み、独楽を放つ。床に着地した独楽は、そのまま私のところに帰ってくる。
「うん、上達しましたね舞織」
 そう言いながら、母さんは私の頭を撫でる。
 大嫌いな修行の中で、この瞬間が一番幸せだった。母さんに褒められると、なんだかホッとする感じだ。
「でも、本当に驚きました。まだ教えて二ヶ月しか経ってないのにここまで上達するなんて、あなたには才能があるようですね」
「ううん。母さんの教え方が上手いから」
「そう言ってもらえると嬉しいですよ」
 そんな事を話ながら笑いあう。なんだか、家族って感じだ。
「おっ、舞織。修行に励んでるか?」
 姉さんを引き連れて、父さんがやってきた。今修行が終わったようだ。
「父さん、この子本当にすごいのですよ。なにせ私が……」
 なんだか長くなりそうな気がしたので、私と姉さんは先に家に入る。
「姉さん、お疲れ様」
「ああ、舞織もな。それにしても、母上があそこまで喜ぶなんて、よっぽど上達してきたみたいだな」
「それはそれで複雑だけどね……姉さんの方は?」
「ふぅむ、なかなか上達しないな。一瞬で自分の力の全てを拳に集中させる……父上は簡単に言ってくれるが、本当に難しい」
 姉さんは、自分の拳を見る。バンデージの上から、血が滲み出ている。
 本当にきびしい修行なんだ。きっと、私の何倍も。その修行に耐えて、泣き言も言わない姉さんを、私は本当に尊敬している。
「それで、下の二人なんだが……」
「ええそうね、二人ならきっと『鶴仁の翔術』を……」
 ……どうやらこの苦労は、下の二人にも降りかかるらしい。同じことを思ってただろう姉さんと目が合った。それから二人で笑った。

 私がこの家で、少しずつ幸せを見出していたある日。それは起きた。

 その日、この春日神社に巨大な怨霊が舞い込んできたのである。
「かなり強い魔力だな……もしや、春日家が今まで祓ってきた霊の残りカスの集合体か?」
 傷だらけの体をかばいながら、何度も立ち上がる父さん。その姿を見て、下の二人は泣き崩れている。
「父上! このままじゃ本当に死んでしまいます! もうお止めください!」
「バカ言うな鼓音、放っといたら、全滅するだろうが」
 そういった後、父さんはまた怨霊に立ち向かっていった。大きさは、何メートルあるのだろうか。少なくとも十メートル以上あるのは分かる。
 その巨大な怨霊に、父さんは拳を突き立てる。
 しかし、父さんの拳が刺さる前に弾き飛ばされた。
「ぐっ! オホツチ!」
 春日一門の守護神、土のアルカナ、オホツチ。
 そのアルカナの腕が、怨霊に突き刺さる。
「ウグオオオオオオオオォォォヲヲヲ!!」
 怨霊が叫び声を上げるたびに、周りの物が吹き飛ばされる。それほどすさまじい叫び声だ。
 と、叫び声をあげる怨霊の上に、母さんがいた。
「雪花!」
 強大な魔力で金色に輝く独楽が、怨霊の口に入り体を突き破って出てくる。
 決まったか!?
 しかし、怨霊は倒れる気配を見せない。巨大な腕を振り回し、母さんを叩き落す。
「うっ!」
 地面にたたき付けられる母さん。額から血が流れ出し、もうボロボロだ。
「母さん!」
「! 来てはだめ舞織! あなた達だけは、ここに来てはなりません!」
 ボロボロの体を無理矢理起こす母さん。目も当てられないような姿になっているが、それでもなお、戦う意志はさめていない。
「志木、こうなったらあれを使うしかない」
 父さんが、母さんを支える。そして、何かを告げた。
「ええ、分かりました。覚悟は出来ています」
 二人は攻撃を仕掛けるでもなく、ただ怨霊の前に立ちはだかった。

816舞織の誇り(3/4):2007/02/02(金) 22:29:27 ID:/1ASasB20
 怨霊は、二人の方にゆっくりと動き出す。
 母さんたちは、動こうとしない。
「か、母さんたち、一体何を……」
「!?」
 突然、周りの景色が変わった。異様な感覚に襲われる。
「アルカナフォース!」
 姉さんが言った。
 アルカナフォース……アルカナの力を最大限にまで引き出すために、そのアルカナの空間を生み出すもの。
 と、怨霊が母さんたちに殴りかかる。

 ドッ!

 真正面から、怨霊の拳が突き刺さる。しかし、母さんたちは微動だにしない。
 これが土のアルカナ、オホツチの力……。
「待てよ……まさか、母上たちは!」
 鼓音姉さんが叫ぶ。
 止めろ!
 その声だけが、私の耳に残る。

「さらばだ、我が子たちよ」
 決意を固めた二人は、弱りかけた自分たちの魔力を共用してアルカナにある命令を下していた。
 その命令に、オホツチは戸惑う。アルカナにも宿っている情というものが、その人間たちの決断に戸惑ったのだ。
 しかし、二人の気持ちを察したオホツチは、すぐにその行動に出た。アルカナが、己の魔力を一気にたたきつける最終奥義、アルカナブレイズ。
 オホツチの場合、その力ゆえに行動に遅れが生じるのだ。しかし、二人が囮となって怨霊の動きを止めている。確実に決まる。
 しかしそれは、二人をも巻き込むことになる。
「鼓音、舞織、小糸、小唄。元気でいてください」
 母さんたちが、お互いの手を合わせる。そして、怨霊の前にその手を突き出した。

「「罪穢有らむをば、祓へ給ひ、清め給へ」」

 オホツチのアルカナブレイズが突き刺さった。怨霊と、母さんたちに。
 爆発ともいえるその衝撃は、私たちにまで伝わった。
「!! か、母さん……父さん……」
「くっ……、なんてことだ……」
 私は、妹二人を抱きながら涙を流した。姉さんも顔を俯かせる。泣かないようにしているようだが、ぽたりと滴が落ちているのが見える。
 母さんたちが死んだ……どうしても認められない現実がそこにある。
 なんで、私がこんな悲しい想いをしなければいけないんだろうか。

「グオオオオオオォォォオオ!!」

 私たちの悲しみは、その叫び声で吹き飛ばされる。その代わり、怒りが込み上げてきた。
「生きて、やがる……!」
 姉さんは、怨霊に立ち向かっていった。怨霊の大きさは、二メートルほどに縮んでいた。やはり先ほどの攻撃は効いていたのだ。
 しかし、確実なとどめを刺せていなかった。
「うおおおおおぉぉ!!」
 姉さんの拳が、怨霊に繰り出される。しかし、怨霊はその拳を受け止めた。
「くそっ!」
 そのまま、怨霊は姉さんを弾き飛ばす。
「うわっ!」
 地面に叩きつけられる姉さん。それを見て、私にしがみついていた妹たちが怨霊へと立ち向かっていく。
 懐から小さな折鶴を取り出し、空へ投げる。すると、その折鶴は巨大化し、その背に妹たちが乗る。
「「とんでけー!」」
 魔力を壁にした体当たりを繰り出す。しかし、それもまた弾き返される。
 二人は折鶴から振り落とされそうになるが、何とか持ちこたえたようだ。
 私も駆け出そうとしたその時、頭の中に誰かの声が聞こえた。

『汝に、我の力を貸そう』

 私には、なんとなく分かった。この声は、きっとオホツチのものであると。

817舞織の誇り(4/4):2007/02/02(金) 22:30:31 ID:/1ASasB20
「祓え」
 父さんの見よう見まねで、アルカナに指示を出す。
 すると、アルカナはちゃんと答えてくれた。巨大な岩の手が、怨霊に繰り出される。
「グオオオオォォオオオォォォォオ!」
 何とかガードしたようだが、オホツチの力の前では無意味だった。
 私は、怯んだ怨霊に魔力で固めた紐を飛ばす。
 紐は、怨霊に絡まった。
「舞い給へ!」
 そのまま魔力を通じて、私は怨霊を上空へ打ち上げた。
「姉さん! 今よ!」
「そ、そうか! よし!」
 姉さんは、怨霊よりも上に飛び上がる。
 そして、強烈な蹴りを怨霊に食らわせ、共に地上に落ちてきた。

 ズドン!

 勢いよく地面に叩きつけられた怨霊は、バウンドしてまた少し宙に浮く。
「全身の力を……拳に!」
 姉さんは、一気に怨霊との距離を詰める。
「うおおおおおおぉぉおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
 姉さんの正拳が、見事に怨霊に突き刺さった。
 吹き飛ばされる怨霊に、妹たちが追撃を与える。
「「はらえー!」」
 魔力に炎が灯った。二人は、前後から挟み撃ちの容量で怨霊に突進する。
「グオオオおおおオオおオオオオォォおおォオオおぉぉ!!」
 私は、母さんから教わった最後の技を仕掛ける。

 神来社の矢

 魔力で作り上げる弓矢は、私の体力を尽く奪っていく。
「うっ……!」
 もう、これを放つ力が残っていない。だけど、あいつを仕留めるにはこれしかない。
 そう思っていると、突然体が楽になった。誰かが私を支えている。
「姉さん? 小糸、小唄……」
「私が支えてやる。舞織、頑張るんだ」
「おねえちゃん」
「がんばって」
 力が湧き出てきた。私は、頑張れる。

「罪穢有らむをば、祓へ給ひ、清め給へ」

 矢が、打ち出された。
 その矢は光を放ちながら、真っ直ぐに怨霊へと突き刺さる。そして……終わった。

 その瞬間、分かった気がした。私たちは、大事なものを守るために戦っている。それは分かっている。
 しかし、それだけじゃないのだ。相手を救う。それも私たちが戦う理由。
 長い苦しみから相手を解放してあげること。私たちには、それが出来るのだ。
 私たちのためだけではなく、あの凶悪な怨霊のためにもその命を投げ出した母さんたちは、私の誇りだ。
 そして、母さんたちがやっていたこれもまた、私にとっては誇りなのだ。
 だから私は、生涯を終えるまで、この誇り高き意志を受け継いでいく。そして、伝えていく。

818名無しのアルカナ使い:2007/02/02(金) 22:34:05 ID:/1ASasB20
前にリーゼの過去を投下したので、同じく両親がいなさそうな舞織について勝手に妄想してみた。
内容がリーゼの時となんら変わりないものになってしまった。ウボァーorz
姉妹が使う退魔術の名前は、超適当に俺が作ったものです。
後、『志木』って字が出てきてますが、一応母親の名前のつもりです。

819名無しのアルカナ使い:2007/02/02(金) 23:19:01 ID:SeNBHVVwO
>>818
GJ!
ただ強いて言うなら
AFは地霊尊・軍奉行
ABは大土守・大祓詞ね
偉そうですまない...orz

820名無しのアルカナ使い:2007/02/03(土) 00:51:30 ID:J.0bPM3EO
>>817
本当に良い作品だったよ!GJ!

821名無しのアルカナ使い:2007/02/03(土) 01:50:50 ID:hC64S1vM0
>>819
いや、一応書き手の都合上わざとその辺の技名は入れなかったんだが……
ともかく、指摘ありがとう。結構そういうのも書き手のやる気を起こさせたりするから。
本当に、感想をくれてる人たち、感謝してます

822冬のうた:2007/02/03(土) 03:54:41 ID:a3h7biEo0
英国聖霊庁長官ミルドレッド・アヴァロンが引き起こした一つの、ある意味ではテロと呼べるかもしれない騒動。
通称「空の城事件」は、全世界を震撼させた。
聖霊庁の責任問題、聖霊に関する権限の局所集中への批判、長官不在による内部混乱。
世界はまだ混沌の最中にあり、それを何とか収めようともがいている―。
そんな、事件から半年後。

リーゼロッテ・アッヒェンバッハは、再び東京を訪れていた。

/1 ハルとフユ

「―迂闊」
路地裏に追い詰められ、彼女は呟く。
逃げ道は無し。三方を壁に囲まれ、目の前には数人の警官。
これから更に増える可能性もある。
全くもって日本の警察は勤勉だ。
「貴方は完全に包囲されています!速やかに投降しなさい!」
身構えた警官たちは皆、少し怯えながらもしっかりとした意思を持っているように見受けられた。
―どうしようか。
突破か、投降か。二つに一つ。
(ヒヒヒヒ!こんなやつら細切れにしちまいなよ!)
つきりという頭痛と共に、頭の中で「お姉ちゃん」ががなりたてる。
(ケンカはダメだよ!)
と、同時にある人物の声が、笑顔と共に再生される。
愛乃、はぁと。

あの事件の後、「緋眼の人形遣い」は裏の社会から姿を消した。
理由は、とても簡単なもの。
人を傷つけること。悲しませること。
そういう行為をしようとする度に、愛乃はぁとの顔が思い出された。
あの、欠片の悪意も見られない満面の笑顔。
「またね、リーゼちゃん!」
その笑みが、その声が、リーゼの心を苛んだ。
それで良いのかと。それで本当に良いのかと。
―そして彼女は、徐々に人を傷つけることを止めていった。

だが犯した罪は消えるわけではない。因果もまた、然り。
彼女は数多の裏の人間から、そして警察や聖霊庁からも狙われる存在となっていた。

823冬のうた:2007/02/03(土) 03:56:51 ID:a3h7biEo0

(そう、ケンカはダメ)
言葉を繰り返す。
それで、きっと良いんだ。
「…投降する」
それが彼女の下した決断だった。
「荷物を置き、両手を挙げてこちらへ!」
警官が指示を出す。
「分かった」
(―せめて、もう一度愛乃はぁとに会いたかった…)
そんなことを思いながら、鞄を置こうとした刹那。

「どけぇっ!!!」

目の前に、何かが高速で落下した。
轟音。微かな地面の揺れ。
舞い上がる砂塵と、塞がる視界。
そして自分を抱きかかえた、誰かの腕。
「安心して、あんたを傷つけるつもりは無いよ」
そう呟いた声は何処かで聞き覚えがあった。
何故かそれを、信じられると思った。
「跳ぶよ、しっかり捕まって!」
次の瞬間、私の体は砂塵を抜けていた。
まさしく飛翔にも似た一跳びで、壁を乗り越えビルの屋上へ。
「や、大丈夫かい?」
私を降ろしてそう言った彼女の笑顔は、愛乃はぁとに似ていた。
「…貴方は」
銀色の短い髪、鍛え抜かれた体躯。
まさしく春日家長女、春日鼓音その人であった。

季節は、冬。
愛を知った紅き涙は、春の日と再び出会った。

824名無しのアルカナ使い:2007/02/03(土) 04:00:22 ID:a3h7biEo0
長編に初チャレンジ。
メインはリーゼと鼓音さんですが、ほぼ全キャラ登場予定。
結構長い話になると思いますので、ゆるりと読んでいただけると幸いです。

825名無しのアルカナ使い:2007/02/03(土) 08:34:34 ID:Cn7dQ8p6O
私は、何の為に戦ってきたのだろう?

彼女は、青い髪の彼女は、雨の中を傘もささずよたよたと歩いていた。
右腕をつっている包帯が目に付いて、痛々しい印象を抱かせる。
(私にはもう、戦う理由がなくなってしまった)
そう、彼女の一番の親友は、もう――。

彼女は目を閉じて、その出来事を思い返す。

「フィオナ……あなた、フィオナなの?」
彼女は、東京の崩壊を止める戦いの途中、失ったはずの友に出会った。
「冴姫ちゃん……」
「良かった、私……ずっとあなたを……」
「近寄らないで」
「……え?」
予想もしていなかった拒絶の言葉に、戸惑う。
「今の私はお姉様のもの。冴姫ちゃんはこの先に向かう為に来たんでしょう? ……だから、排除するだけです」
「……そ、んな。嘘でしょ……? 操られてるとか、そういうのよね?」
「…………」
フィオナはその問いに答えずに、大剣を振り上げ――ためらいなく振り降ろす!
「っ……!」
呆然としていた青い髪の彼女も、慌ててガードの姿勢を取るが、身の入らない防御でフィオナの大剣を防げるはずもなく……。
ゴキッ。
「あぎっ……!」
右腕の骨が砕かれた。
切る為の剣ではなかったのが幸いだが……。もう、青い髪の彼女は、体と心の痛みに耐え切れずにしゃがみ込む。
「うっ……うぅ……」
涙が、ぼろぼろと零れる。
(フィオナ、なんで……)
彼女の思いは届くことはなく、とどめの大剣が振り降ろされようとして……。
「駄目ーっ!!」
ピンクの少女が、現れる。


(あの時、私がちゃんと戦えていれば……。フィオナの目を覚まさせてあげれば、あんなことには……)
彼女の回想は、しばし続く。

826安栖家の日常5:2007/02/03(土) 16:22:24 ID:bJUVPF2Q0
俺とミケは俺の部屋で向き合っていた。さっき一回母親が何があったのか、と様子を見に来たが、なんでもないと言って追い返しておいた。

正人「で・・・色々と話を聞いてみたいんだが。お前は何故頼子の部屋に居たんだ?」

ミケ「しれたこと。我輩はあの未熟者の頼子に召喚されたのだ。」
しれっとそう答えるミケ。
正人「しょ、召喚ねぇ・・・まさかこの世の中でそんな現象が起こるとはねぇ・・・(汗)」
ミケ「お前は物事の視点が狭すぎるのだ。世界はお前が思っているよりももっともっと広いものだ。」
ミケがなんだかかっこよく見える。
正人「で、結局お前は何者なんだ・・・?」
俺の何気ない一言にミケは胸を張ってこういった。
ミケ「我輩は魔王だ!」

・・・こいつはとんでもない大嘘野郎なのだ、と俺は思った。

ミケ「なんだその目は!貴様信じておらんな!?」
正人「まぁ・・・信じているといえば嘘になるけど・・・?」
ミケ「ふふ・・・ならば特別に、お前には我輩の真の姿を見せてやろう!!オォオオオオオオ!!!!!」

ミケは気合のこもった声を叫び始めた。すると、猫の姿から徐々に人の姿となり、そして大きくなっている。
正人「(おぉ・・・すげぇ・・・って!なんだかでかくなってるよ!!)」
正人「ミケ!もういい!わかったから戻ってくれぇ!!」

ミケ「むぅう・・・これからというときに・・・」
猫の姿に戻りながらミケがつぶやく。いや、それ以上大きくなられたら家が壊れる、家が(汗)
正人「とりあえず、お前が魔王かはよくわからないけど、すごい力を持っているっていうことはわかったぞ。」
ミケ「当然だ。我輩は魔王だ。頼子の力が未熟なせいでこのように姿を維持するのが困難なわけだがな・・・」
頼子「しかし、頼子には驚かされるな・・・まさか興味本位の召喚術で魔王を呼び出すんだからな・・・」
ミケ「あやつには素質はある。磨けば光るぞ。大事にするのだな。」
俺はミケに頼子を褒められているんだと気づいて照れてしまった。さすがは自慢の妹だ。
ミケ「しかしだな・・・最近ヒステリック気味なのがネックなのだが・・・」
ミケがそういうのを聞いて、俺は今の事態を再確認してみた。
正人「そういえば・・・俺達はそれで追い出されてきたんだよな(汗)妹に嫌われたままだと俺は悲しい!なんとかしてこの状況を打破出来ないもんかな・・・」
ミケ「我輩も、フレンチクルーラーが食べられないと非常に苦しい。正人、我らでこの状況を打破するぞ!」
正人「おぉ!いっちょやったろうぜ!!」
この時、二人は一つになった。目的は違えど、お互い困る事には変わりない。ここは素直に協力をすべきだと、二人は思っているのである。

正人「とりあえず、頼子の部屋に行こう。そして俺達が仲直りをしたのをアピールすれば、頼子も機嫌を良くするだろう。」
ミケ「む、さすが兄だけあるな。頼子の事をよくわかっている。」
正人「はは、おだてても何も出ないぞ?(笑)」
猫の姿のミケを頭に乗せ、俺達は頼子の部屋へ向かった。



思いつく限り書いてるのでもしかしたら30作ぐらい越しちゃうかもしれませんw
それと、どんどん作りが適当になって申し訳ないです

827ソジーの錯覚−第六節−:2007/02/03(土) 21:05:49 ID:jmswIubo0
前回の鼓音のセリフで指摘があった通り致命的なミスがありました。
ほんとすみません。

前回:>>705 >>744 >>787 >>799 >>811

**

神依・冴姫が春日神宮に駆けつけた。
このはは途中で姿を消していていない。

冴姫「 !何やってんのよ!はぁと!目を覚ましなさい!」

冴姫の状況分析能力の限界のギリギリの所であったが なんとか飲み込めた。
だけど立ち尽くすしかない。 この場で自分は何も出来ないのかと思うと腹立たしい。

冴姫「ばかぁっ! あんた自分が何やってるかわかんないの!!」

返事の代わりにいっそう舞織の首を締め上げるはぁと。

冴姫「あ・・・、・・・・ やめ・・・ 」

上空にて傘で浮かぶリーゼロッテ
幼いころのトラウマで感情が死んでいたが
念願の夢 姉さんの復活を前となると僅かに唇が歪んだ。

リーゼロッテ「(もう黙って春日舞織の最期をみんなで見届けるしかない。

純心で無垢、神に仕える神聖なその肉体を姉さんが頂く。)」

思いつめた表情の鼓音が口を開いた。

「みんな!聞いて!今から愛乃さんを撃ちます!」

弓矢を引き直す鼓音

鼓音「私には掛け替えの無い唯一の、大切な妹なの!私たち姉妹は4人で一つ!」

涙をぼろぼろこぼしながら叫ぶ。

鼓音「御免!」

歯を食い縛る。指先の力を解こうとしたその瞬間だった。

神依「待て!」

このは「(焼滅!)」

リーゼロッテより遙か上空、このはが印を結んだ瞬間はぁとの腹部にあった木人形が煙を立てて消えた。

リーゼロッテ「!」

太陽を背負いこのはが舞う。

このは「覚悟めされよッ!」

-第六節終-

828名無しのアルカナ使い:2007/02/04(日) 01:39:04 ID:LN/kPL360
えー…これから書くのは単なる妄言妄想であり、まぁ大方の人に反感食らいそうな…
まぁいいや、先ずは予告編

発端は間違ってストーリーモード選らんじまった事だ。
「関東崩壊まで、あと7日」
…これが関西だったら…

爆発、崩れる通天閣、逃げ惑うおばはん、そして学ラン覇亜斗様。
血と暴力が支配する大阪に、異界からの魔の手が!
間違った関西感と適当な関西弁で送るデストロイストーリー(造語)
これだ!俺の求めてたアルカナハートは!

「おんどれェ…ビリケンはんいわしたったのはおんどれかァ!」
アルカナ覇亜斗 第1話 「関西、崩壊」

ちなみにアルカナ選択は虎アルカナ1強

829名無しのアルカナ使い:2007/02/04(日) 07:02:29 ID:/MEHUgKI0
>>828
吹いたw
やめてwリーゼの人形が食い倒れ人形になってしまうwwwwww

830828:2007/02/04(日) 07:59:09 ID:LN/kPL360
>>829
把握した、嫌がらせに少し書いて見る。

食い倒れ人形は良いな、パクろうw

831名無しのアルカナ使い:2007/02/04(日) 11:12:06 ID:KUpcjw3w0
お前はリーゼ使いを怒らせた!!
まあおもしろければいいんだけど。

832名無しのアルカナ使い:2007/02/04(日) 11:59:17 ID:IzY3HIC.0
面白ければ正義

833名無しのアルカナ使い:2007/02/04(日) 13:57:55 ID:NUh13p6s0
>>828にwktkが止まらない

834828:2007/02/04(日) 16:50:39 ID:LN/kPL360
あんまりプレッシャーかけないでw
素人だから期待し過ぎはアレ。

835薫とリーゼ:2007/02/04(日) 20:22:21 ID:6oGisClcO
外は台風が接近中か何からしく、雨と風に見舞われていた。
始業直前でも教室に人がまばらなのは、そのためだろう。
「よー、薫。お前は行く時大丈夫だったか?」
「早川か。ああ、大丈夫だった」
友達の名前は早川 悟(はやかわ さとる)。
薫の親友で幼馴染みだ。
「いや、ホント参るよな、台風が接近中だってのに学校とか」
悟は苦笑いしながら薫の前の席に座る。
「警報の問題だろ。ま、今日は昼までに終わるのは確実だな」
他愛のない話の後、始業のチャイムとともに、担任教師が入ってきた。
だが、教師は今日はもう学校は休みにすると告げた。
なんだそりゃ、来た意味がないような……
適当なホームルームの後、教室の生徒たちは各々の帰路につく。
「じゃあな、悟。暇だったらメールしろ。話し相手にはなれるからよ」
「ういよー、じゃあなー」
薫は急いで家に帰る。
リーゼは家で大人しくしているだろう。


「ただいまーっと」
「学校はどうしたの?」
「ああ、台風の影響でな、休みになった」
「そう」
薫はタオルで頭をふいて、私服に着替える。
そこでふと考えた。
「待てよ…今リーゼの頭に何かついていたような……」
着替えた後に居間に戻り、リーゼの頭を見る。
頭にはネコミミがついていたのだ。
何、これ、新手の超常現象?
「なあ、リーゼ」
「……何?」
リーゼは振り向く。すると、ネコミミもピクピクと動きを見せた。
「それ……どうしたんだ?」
薫はリーゼの頭の上を指差して問うた。


皆さんお久し振りです。
とりあえずこの後の展開を考えるので、これぐらいで。

836名無しのアルカナ使い:2007/02/04(日) 21:29:19 ID:KJyPUJ/Q0
>>828
もう、結婚しようぜ

>>835
GJ!
ちょwwwネコ耳てwwww

837名無しのアルカナ使い:2007/02/04(日) 21:40:29 ID:ozZ2lUmo0
>>835
リーゼにネコミミ・・・


べ、べつにイラストスレで誰かに頑張って欲しいなんて思ってないんだからね!

838名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 00:05:51 ID:YZNoUcUYO
個人的に、>>825の続きに期待している

839ソジーの錯覚−第七・最終節−:2007/02/05(月) 04:28:12 ID:iDhn9fkM0
前回:>>705 >>744 >>787 >>799 >>811 >>827

最後ですう。

**

神依「昨晩このはは巨大な魔力によってヤツに近寄ることすら恐怖した。」

冴姫も神依にならい上空を見上げる。

神依「奴が去った後、代わり身の術を使い腹部に潜伏している木人形を入れ替えた。

悪い気はしたが、そのまま愛乃はこのはの術で操らせてもらった。奴を誘い出すために。」

冴姫「じゃ、じゃあ、本物の木人形は?」

神依「家で封印している。」

そのやり取りと、絶句している間にリーゼロッテに飛びつき空中で羽交い絞めにする。

このは「このは落としッ!」

二人分の体重を乗せ、虚空を蹴ったこのはの技は落下速度を乗せ絶命必至

このは「お命頂戴!」

全てを覚悟したリーゼロッテ 短く、儚い人生だった。
振り返りたくなる人生でもない。死期に溢れ出す記憶を精一杯閉じ込めた。
しかしそれでも出てくる記憶 抑えきれない気持ちがある。

「姉さん・・・」

無常にも地面に叩き付けられた少女
こぼれた声は風にかき消され誰の耳にも届かなかった。
地面に叩き付け土煙からひらりとこのはが現れる。

このは「(あの感触・・何かおかしいでござる・・・)・・・ !」

その場にいた全員が目を疑った。

赤髪の木人形がリーゼロッテの下敷きになっていた。

−第七節終−

リーゼロッテ「!!!

ね、姉さん!?姉さん!!ア・ア・ああああ・・・・・」

木人形はバラバラ、いや粉々に人形だった物の残骸がそこにあった。
感情が死んだあの日以来から初めて完全に戻った。
その感情は哀しみ。泣きじゃくるリーゼロッテ

リーゼロッテ「うわあああああああああぁぁぁぁぁ やあああああああぁぁぁぁ・・・」

神依「そんな!妹の危機を察知して、救ったというのか・・・信じられない・・・」

しばらく春日神宮からは泣き声が止む事はなかった。

リーゼへの哀れみから誰ももう責めようとはしなかった。
ただ何も言葉が見当たらず。愛さえも陰り、静寂も訪れる事なく、為す術もなく。
そんな時人は、人にあたり、泣いて、神をなじり、また泣けばいい。
人は一人ではない。抱え込む事なんてないのだ。

だがこの日からリーゼロッテ・アッヒェンバッハは永遠に独り。

闇だけが、そっと彼女を包み込んだ。

−終−

840壊れフィオナです。ご注意。(前):2007/02/05(月) 06:34:50 ID:MGpuNEEM0
フィオナ・メイフィールドは今日という今日も歩いていた。
「迷いの森も×……うう、先は長いです」
これは彼女の日課。元の世界へ戻る術を、愛する親友と共にある日々を得るための苦難。
そう、分かっていたはずなのに。
「ぶぅるあああああああああああああああああああああああああああああああ!!
冴姫ちゃん会いたいよ冴姫ちゃんッ! ブゲラー! ゲヘッ!!」
のたうち回る。いけない、いつもの発作だ。
ドラゴンさん、妖精さんでもいい。誰か薬を。廿楽冴姫(クスリ)をください。
「よ……ようやく落ち着いた」
逸りまくる動悸を無理矢理に押さえ込む。あの『お姉様事件(命名フィオナ)』で再会して以来、
いちだんと女らしく成長してない冴姫ちゃんにフィオナはもう自分を止められません。
具体的に言うと貧乳バンザイ。
「……しかし」
いかん。いかんですよ。
私がこんな所でグズグズしていては、あのピンクアホ毛に冴姫を越されてしまいかねない。
間違えた、先を越されてだ。まあそんなことはどうでもいいとして。
いやどうでもよくない。あの貧乳は私のものだ。あの体も私のものだ。
「今すぐ、今すぐです……今すぐ元の世界に戻る方法を……。
お姉様の一件で時間さえ取られなければ、今頃は冴姫ちゃんと(検閲削除)な日々を遅れていたかもしれないのに……」
大体あの年増・アヴァロンの仕事が遅いのがいけない。フィオナとしては、
『お姉様が一晩でやってくれました』的な展開を期待していたというのに。
大体、二つの世界を一つにするなんてエクスデスな方法が成功するとでも……。
……あれ?
「……この手がありましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
YATTA! YATTA!
今すぐにでも冴姫ちゃん(の貧乳)の元に帰る方法を発見!
この方法では、冴姫ちゃん(の貧乳)と愛し合えないのはマイナスポイント。でもそれだけ!
まずは冴姫ちゃん(の貧乳)と一緒にいる方法を確立して、それから実体化の方法を探しても遅くない!
むしろ冴姫ちゃん(本体)の貞操が手遅れになる前に、私がついておいてあげなくてはいけないのだ!
「そうと決まれば、まずは準備準備」
最初の策が上手くいかなかった時のために、保険を用意しておかなくちゃ。

841壊れフィオナです。ご注意。(中):2007/02/05(月) 07:03:44 ID:MGpuNEEM0
銀弧が走る。すんでのところでバックステップに転じた私の服を舐めて、刃は鞘へと還っていった。
「ああもう! ですから、私は知らないと言って――」
しかし、目の前の千年守は止まらない。
どうやら大規模な降霊術、召喚術……まあ、そんなあたりの気配を察知し、解決に乗り出したらしいのだが。
「どうして廿楽冴姫(わたし)なんですか! どう考えても原因は頼子あたりでしょう!?」
あるいはリリカ・フェルフネロフ――も考えられる。しかしあくまで筆頭候補はその二人であり、私が嫌疑をかけられる謂われはない。事実もない。
しかしご本人様曰く、お前を降霊は確実に私を中心に行われているとのこと。
そんな、身に覚えのないものを突きつけられても困る。
しかし、格闘メインの私は、どうしてもリーチで彼女に劣る。
その上、うっかり残像を殴ってしまったりしたら目も当てられない。ここは――。
(スカルトエルムで、牽制)
ガードさせて飛び込むのも手かもしれない。下がらせなければカウンターは怖くない。
「ヴァンリー!」
私の天使、剣であり盾――アルカナに命令する。これで、天空から雷が朱鷺宮先輩を直撃――。
…………あれ?
「……雷、出ないな」
朱鷺宮先輩がニヤリと笑う。ちょっとヴァンリー。どうしてよ。
サボるな働けってアッー!!
狼狽して、気づいたときには既に遅く。私は朱鷺宮先輩の間合いの中で棒立ち――。
ガード、回避、共に間に合わず。――終わった。
刃が。私に。迫って。
もう一つの刃が、その刃を止めた。
「――え」
この間再会した、懐かしい匂い。栗毛と冥土とドラゴン殺し。
――私の親友が、そこにいた。
「――貴様は確か」
朱鷺宮先輩の言葉を引き継ぐように。
「――フィオ、ナ」
喉の奥から声が漏れる。
「今、私のひん――じゃなかった、冴姫ちゃんに、何をしようとしましたか? 千年守」
その剣で、朱鷺宮先輩の刀を止めながら。彼女は私の元に帰ってきた。
「フィオナ・メイフィールド。貴様、今は向こう側のモノだろう。
何故、ここにいる」
「それは――」
フィオナの口が開く。懐かしい声がその理由を告げる。
「私、今、冴姫ちゃんのアルカナですから」

842名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 07:12:49 ID:CLjcMWbkO
>>841
な、なんだってー!?

843名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 07:30:45 ID:MTMbmvpY0
>>841
やべぇ、センスに脱帽したわ。
なんていうかホームラン打つと吐いてしまう野球部員の話を見たとき並に吹いた。

844名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 07:34:45 ID:snmrAwiMO
し、知らなかった!

845壊れフィオナです。ご注意。(後):2007/02/05(月) 07:35:57 ID:MGpuNEEM0
「と、言うわけで今の私は冥土のアルカナ。フィオナと言います」
「――」
朱鷺宮先輩が頭を抱える。それはそうだろう。
私だって、まさかこんな方法で戻ってこられるとは思ってもいなかった。
「――まあ、理解した。廿楽冴姫を中心に展開していた降霊術のことも、何もかも合点がいった。ただ――」
朱鷺宮先輩が言葉を句切る。
「――君はどうしてまた、こんなことを」
「それはもう。冴姫ちゃんについたピンク色のアホ毛から冴姫ちゃんの貧――げふんごふん及び冴姫ちゃんを守り抜くために決まって――」
「分かった私が悪かっただからそれ以上言うな」
――その、冥土のアルカナを見た朱鷺宮先輩の目は、これ以上なく如実に物語っていた。
諦め混じりに――君もか、と。
いろいろ苦労しているのだろう。
「……害が無さそうだから今回は放置しておくが……何か起こった時点で強制送還させる。
分かったなフィオナ、そして冴姫」
「はい。分かっています」
「分かりました」
その、私たちの答えを聞くと、朱鷺宮先輩は渋い顔で帰っていった。

さて。正直、
「疲れた……」
フィオナに会えたのは嬉しい。けれど。今日はいろいろなことがあって疲れた。
もう寝よう。家に帰って寝よ……そういえば。
「フィオナ、どこで寝るの?」
「やだな、フィオナは冴姫ちゃんのアルカナなんだから、どこにでもついて行くよ?」
「まあ、そうなるのよね。やっぱり」
「……冴姫ちゃん、嬉しくないの?」
「嬉しいわ。嬉しいけど……驚きが先に立つわね」
私が歩き出すと、フィオナもついてくる。あの時、一緒に歩いた通学路と同じように。
――懐かしい。
「ね、冴姫ちゃん。懐かしいね。こうして歩くの」
「そうね……」
あの時は親友同士。今は契約者とアルカナ。
ふたりの関係は変わってしまったけれど。横を歩くはずの、フィオナの足音は聞こえないけれど。
でも、これだけはずっと一緒で――。

……忘れるところだった。アルカナと言えば。
「ねえフィオナ……ヴァンリー……どうしたの?」
「さ、冴姫ちゃんは私よりヴァンリーの方がいいの!? フィオナショック!」
「いやそうでなく。ただ純粋な心配よ」
気になってはいたのだ。だってまあ……フィオナは今はまだ、完全にこちらに帰ってはいないわけで。
ならば、向こうでそのための方法を探さなくてはいけないわけで。
その場合、私はアルカナを持っていない状態になる可能性もあるのだから。
まさかとは思うのだが、そのデカイ剣で、その……。
「大枚を積んだら、快く交代してくれたよ」
「金かよ! どっから出したのそんな大金!」
「オレイカルコスを売った」
「いやああああ!! 聞きたくなかったそんな裏事情! 結局あっちも金で成り立つ社会なのね!
楽園なんて実は無いんでしょ! 分かってた、サンタがパパと知ったときから、分かってた筈なのに……」
泣いた。私は盛大に泣いた。
全てが金で回る世の中に。
金で私を捨てたヴァンリーの薄情さに。
オレイカルコスのこれからの未来に。

「今更何言ってるの冴姫ちゃん。金は命よりも重いんだよ?」
「あんたもう喋るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

おわり

前編で、三人称してんから不自然に一人称に変化しています。申し訳ない。
中編で誤文章があります。申し訳ない。
前後編で終わらせようと思ったけど、長くなったので中編挿入。
長々とスレ汚し申し訳ない。

846名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 07:49:31 ID:MTMbmvpY0
>>844
ゴメン、ホームラン打つと吐く野球部員の話を思い出したんだよ。
元ネタはとある小説

847名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 08:03:24 ID:reTnCc92O
>>845
この野郎
電車の中で「オレイカルコスを売った」に吹いてしまったじゃないかww
GJだよ、まったく

848名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 08:19:48 ID:nSEy9VGI0
>>845
これから学校って時になんて物見せてくれるんだ
GJ!

849名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 08:32:00 ID:kxipxYH20
>>845
思わず爆笑してしまった!

850名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 09:00:38 ID:xiDVaSeQO
>>845
病院の待ち合い室で吹いたじゃないかwww

851名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 11:39:56 ID:VMIPG4QsO
このスレの人はギャグと萌え大好きなのなw

852名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 12:35:48 ID:DhmYs4mU0
ハイセンスに脱帽

853名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 12:43:40 ID:NJEMQfOoO
「いいセンスだ。」

854名無しのアルカナ使い:2007/02/05(月) 18:00:43 ID:0NlXCSXA0
>>845
もう、なんか泣いたwwwww

855名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 00:45:41 ID:NrlY6AvEO
アルカナって一人に一匹制限だっけ?
年増は複数所持してたからキャパシティ次第なのかな。
まーサキはフィオナ一匹でいっぱいいっぱいだろうけどw

856828:2007/02/06(火) 02:03:38 ID:L7ENUBe.0
アルカナ覇亜斗

〜前回までのあらすじ〜
2XXX年2月6日、通天閣爆破事件により関西は混迷を極めた。
関西の政治経済の中心であった通天閣と、関西人の精神的主柱であったビリケンを同時に失ったのだ。
府立御苑高校番長はぁと、同応援團長のサキは爆破事件の手掛りを知る者を追っていた。
だが!二人に立ち塞がる巨大な影が!
その正体は?!

第1話

二人の前に立ち塞がった男は、
馬場さんを越える身長、引退後の曙並の脂肪、
そして何故かその着衣はスクール水着(♀)であった!!勿論パッツンパッツンだ!
その肉の塊は低い地鳴りの様な声を上げた。
「GUFUFUFU…番長さぁん、待って居ましたよぉ〜」
「確か…大道寺、じゃったかのォ。ワイの前に立つとは、ワレまたしばいて欲しいンか?」
「GUFUFU…あの時の私と一緒にしてもらっては困りますねぇ、あのお方に頂いた力、試させて貰いますよぉ」
「面倒じゃのぅ…、殺鬼ィこの水ブクレはワイの客や、先に行って奴を追うんじゃァ」
「…」
「あぁ、手前も死ぬンや無いでェ」
大道寺の脇をすり抜け、走り去るサキ。
「GUFUFUFU…お別れは済みましたか〜?」
「抜かせェ…今度は入院じゃ済まねぇェ!!」
はーとの怒号と共に闘いは始まった。
大道寺の剛腕を交し、死角からの一撃を繰り出す。
「覇亜斗全力拳!!」
続く

次回予告
謎の男を追い詰めたサキ。
そこに銀色の殺意が襲い掛る!
「お前の仇は必ず取るゥ、安心して逝けェッ」
アルカナ覇亜斗 第2話 「アルカナ」

857828:2007/02/06(火) 02:07:33 ID:L7ENUBe.0
第2話がうぷされなかったら、きら使いかきらファンに殺されたと思って下さい。
一応悪気は、無い。

858名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 06:13:31 ID:tuOgsv1gO
>>856
三ツ矢白いサイダー吹いたw

つか、中学生じゃないか?

859828:2007/02/06(火) 06:22:55 ID:L7ENUBe.0
>>858
全編突っ込み所でお届けさせて頂いております。

860名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 06:42:01 ID:AIzlNHScO
電車の中で笑い堪えるのに必死だw
恥ずかしいわwww

861名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 14:26:10 ID:3wsyMCeA0
>>856
これはwwww

862名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 16:09:04 ID:BOYoPwnoO
なんか北斗が思い浮かぶのは俺だけか?

863828:2007/02/06(火) 17:12:05 ID:L7ENUBe.0
>>862
ちょ…言っちゃ駄目w

864名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 19:57:13 ID:HU2T/iiY0
>>828
俺はきら様が大好きだ。正直、殺意を覚えた…
が、この作品が面白ければ許す。要するにガンガレ。

865828:2007/02/06(火) 20:30:19 ID:L7ENUBe.0
>>864
一応好意だと勝手に解釈して、ま、死なん程度に頑張って見る。

正直な所、モロベタ路線なんで、862氏や864氏みたいな意見は覚悟してたんですが…
覇亜斗全力拳に突っ込み無いって事は、…コレで読ませるには無理があったのだろうか…

866名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 20:42:20 ID:HU2T/iiY0
>>865
あ、普通にはーとふるぱんちって読みましたよ???

867828:2007/02/06(火) 20:56:43 ID:L7ENUBe.0
>>866
把握した、感謝。
安心して続きを書けます。

868スレ違いだけど質問です:2007/02/06(火) 22:22:43 ID:HTqoEt7A0
節分が過ぎ、バレンタインが近づいていますが、
もし、アルカナハートのキャラからチョコ(あるいはクッキーとか)
もらうとしたら誰からもらいたいですか?
教えてください。

回答方法
1、キャラクターの名前
2、理由(あれば。なくてもOK)

869名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 22:34:59 ID:TLjzGEV6O
このは

電柱の側に落ちてるかりんとう持ってきそうだから

は冗談として
舞織

いやなんかクリティカルヒットなキャラだから
最近冴姫から浮気気味

870名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 22:52:28 ID:fx07sXVg0
そういや女学園スレでバレンタイン話やってるね。

>>868
このはかなあ。何かなごみそう。
本当は、はぁとからもらいたいけど、はぁとはさーたん一筋の方が(・∀・)イイ!!

871名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 23:02:18 ID:jrN7IWBIO
俺は冴姫からもらいたいな。

顔赤らめながらチョコ渡してくるさーたんが見たい。

872名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 23:02:45 ID:peC32aAcO
リーゼだな。
照れながら渡してほしい。
後はリリカとか舞織だね。

873名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 23:06:49 ID:hMaRigjsO
絶対さーたん

チョコなんかよりパンストが欲しい

874名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 23:11:47 ID:tuOgsv1gO
神衣かな?
しかし真の狙いはそれを目撃してうわーん神衣さまーなこのは。

875名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 23:19:33 ID:tSFeJXGwO
パルちゃんから愛の詰まったチョコを貰いたい・・・

876名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 23:22:43 ID:p0yEKcH2O
きら様…
まぁどう考えてもチョコなんかくれそうにないが。

877名無しのアルカナ使い:2007/02/06(火) 23:27:25 ID:.5A4SYak0
フィオナかなぁ
はぁとはさーたん一筋っていう設定で・・・

フィオナの場合いつものドジですべって転んだ拍子に押し潰されたチョコを涙浮かべながら何回も謝りつつ渡してくれそう。

878名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 00:50:20 ID:uBOKzKGc0
勿論はぁとだろ。
屈託のない笑顔で「はい、本命チョコレート、大好きだよ!」って言われればもう。
しかも実家が喫茶なだけに手作りの可能性大。

冴姫は手作りでも美術がアレだからなぁ。

879名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 00:58:06 ID:kmFNRDiQO
もちろん冴姫から。
稼動初期からの相棒だしな。


手作りチョコの形は良いとは言えんだろうが、気持ちさえ込もっていれば関係無いのだよ!

880名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 01:55:33 ID:silxvcmIO
リリカから貰いたいかも

いつも通りの振る舞いから渡される本命チョコもまた良い

881名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 01:58:40 ID:BRYBL7FoO
冴姫から
「ベ、別にあなたの為に作ってきたんじゃないからね!」
って言われてみたい(*´Д`)ハァハァ

882名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 02:06:01 ID:zcTg.yLo0
>>880
はい義理〜倍返しだかんね〜

みたいな?(・∀・)

883名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 02:14:51 ID:PTgAOK1oO
ミルドレット「チョコレートだ、受け取れ。ただし君は今日から私の部下だ。」

884チョコっとバレンタイン♪:2007/02/07(水) 02:26:24 ID:b5SvJYdsO
爽やかな朝、俺はいつも通り目が覚めた。
「今日も1日良い日になるかな〜…。」
あくびをしながら家を出る。何か外の様子がいつもと違うような気がする。そんな事を考えながら通りを歩いていた。そこに青い髪の少女が現れた。
「あれ?冴姫じゃん。偶然だな。」
何気なく挨拶をするが何か彼女はよそよそしい。
「…コレ、あげるわ。」
「???」
差し出されたのは小さな包みだった。
「何これ?」
「チョコよ!」
チョコ?あぁ、今日はバレンタインデーか。すっかり忘れてた。
「へぇ〜、おまえもチョコなんか渡すんだな。」
「わ、悪かったわね!いらないなら捨てるわよ!」
「いらないなんて言ってないだろ?サンキュー♪」
そう言って笑顔でチョコを貰う。
「か、勘違いしないでよ!?義理だからね!ド義理!」
「ドまで付ける事ないだろ…。」
「うっ…。と、とにかく渡したからね!」
冴姫はそのまま走って行ってしまった。なんか顔を赤くしてたが、熱でもあるのか?
またしばらく歩くと、今度はメガネをかけた女の子に出会った。
「あ、○○君。おはようございます。」
「やぁ、おはよう。何してんの?」
「え!?いや、あの、別に○○君を待ってたワケじゃなくって…汗」
この娘はいつも慌ててる気がする。
「と、とりあえずコレ!」
頼子は両手で包みを差し出す。
「あの、受け取ってくれますか?」
「頼子もチョコくれんの?あんがと、嬉しいよ♪」
受け取ると頼子に笑顔が広がる。
「あ、それじゃあ私用があるから♪」
「おぅ、またな。」
なんだかルンルンで帰って行く。あ、転んだ…。
頼子からのチョコを食べながら歩く。そーいや朝飯抜いてきたんだよな。そんな事を考えていたら公園についた。いつも遊んでるワンコいるかな?
「○○殿〜!」
ワンコの声が聞こえる。が、姿が見えない。どこにいるんだ?

885チョコっとバレンタイン♪2:2007/02/07(水) 02:44:31 ID:b5SvJYdsO
>>884の続き。
上を見上げるとムササビの術をして浮かんでいるワンコを見つけた。
「お〜い!危ないから降りてこ〜い!」
「拙者○○殿に渡したい物があるでござるよ〜!口を開けててくだされ〜!」
空の上から何かが飛んで来た。グモッ、口になんか甘い物が入ってきた。
「ほへ、ひょこは(これ、チョコか)?」
「どーでござるか○○殿♪」
空中から降りてきたワンコは尻尾をふりながら目を輝かせて近づいてきた。どーやら誉めて欲しいらしい。
「ありがと、ワンコ♪」
「むぅ〜!このははワンコではござらん!」
怒るワンコの頭をなでる。すると怒ってるんだか笑ってるんだか分からん顔をした。………お手!
ワンコと別れてから神社?の方へ行ってみた。巫女装束に身を包む女の子が庭掃除をしている。
「やっ、朝から偉いね。」
「○○さん、おはようございます♪」
丁寧な挨拶を返す彼女は、ここで巫女をしている舞織だ。
「あ、少し待ってていただけますか?」
舞織は家の方へ行ってしまった。少しするとコップを持って戻ってきた。
「はい、○○さん♪まだ冷えますから暖かいココアをどうぞ。今日はバレンタインですし…♪」
確かに日が照ってるとはいえ2月の最中、少し冷えた体にココアは嬉しい。こーゆー気遣いをしてくれる舞織はやっぱり良い娘なんだな〜。けど、何食ったらあんなに発育するんだろ?男子ならではの疑問を抱えながら舞織と別れた。

886チョコっとバレンタイン♪3:2007/02/07(水) 03:04:07 ID:b5SvJYdsO
>>885の続き。
神社?からの帰り道、何やら騒がしい声が聞こえてきた。
「やっほ〜☆○○、元気〜?」
いきなり肩車を強制された。
「リリカ、頼むからいきなり乗っかるのやめてくれ…。本気で危ないから。」
「え〜?別にいいじゃん☆気にしない気にしない♪それより、はいチョコレート♪」
リリカは上から俺にチョコを渡す。
「素直に喜べ〜♪リリカちゃんからのバレンタインチョコだぞ〜!」
「おぉ〜、チョコサンキュー。素直に喜んでやろう!」
「…ホワイトデー期待してるからね♪」
オイオイ、それが狙いかよ…。無邪気な顔して、完璧な小悪魔だな。それからちゃんと下着を履け…。
リリカをなんとか追い払う事に成功した俺は、とりあえず図書館の方へ歩いてみた。途中小学校の横を通ると、この寒い中プールから音が聞こえる。元気よく飛び出た水の中にスク水の女の子が入ってる。
「おぉ!○○ではないか!ちょうど良いところに通りかかったな!」
「キラ、そんな格好してると風邪ひくぞ?」
「安心しろ!このスライムは冬用に改良してある!温度は温水プールほどじゃ!しかしさすがに少し冷えたな。○○!マッサージをしろ!」
なぜ俺が…。思ってはみるが口には出さないでおこう、あとが怖いから。
「うむ、ご苦労!」
「へっ?もういいのか?」
「褒美にコレをやろう!とっておけ!」
そー言ってキラは何処かへ泳いで行ってしまった。褒美はやっぱりチョコ。それより、なんでランドセルまで背負う必要あるんだよ?

887チョコっとバレンタイン♪4:2007/02/07(水) 03:27:55 ID:b5SvJYdsO
>>886の続き。
今日はやたらと女の子と会うな。まぁ退屈しなくて済むからいいや♪
「○○か?」
後ろを振り返ると日本刀を帯びた女の子が立っていた。
「あ、ケンドー女だ。」
「私はどこかの温泉付き女子寮の住人ではない。」
「いや、なんか勝手に口が…。」
「おまえ大丈夫か?」
あまり気にしないでおこう。
「また仕事かい?」
「いや、今日は非番だ。そーいえば今日はばれんたいんとか言う日だったな。私は礼節を重んじる方でな、○○には日頃から世話になっているからコレを渡しておこう。」
神依が差し出したのは抹茶チョコだった。らしいと言えばらしいな。
「サンキュー♪ありがたくいただいておくよ。」
「ところで、また可愛いぐっずがあったら教えてくれ…。皆には内緒でな!」
目がマジだ…。頷くと神依は去って行った。あんな出で立ちで可愛い物好きだから、人は見た目じゃ分からんよ。
図書館の近くまで来ると二足歩行人型ロボットが歩いてきた。
「○○さん、こんにちは。」
「こんにちは。美凰も図書館に用?」
「いえ、博士からお使いを頼まれている途中です。」
ロボットだから仕方ないが、相変わらず表情が堅いな。
「○○さん、どうぞ。」
唐突にチョコを差し出す。なぜか胸に挟んで…。
「ちょっとタンマ。誰に教えてもらった?」
「博士です。」
やっぱり…。何考えてんだあの人。
「ここは全年齢制だからそーゆーのはダメ!」
「分かりました。ではさようなら。」
チョコを渡すだけ渡して行ってしまった。サッパリしてると言うか素っ気ないと言うか…。それより今度博士さんに文句言いに行かないとな。あーゆーのは人が見てない所で……、ゲフン!ゴフン!聞かなかった事にしてくれ。

888チョコっとバレンタイン♪5:2007/02/07(水) 03:52:53 ID:b5SvJYdsO
>>887の続き。
図書館でもする事がないので俺はまた外に出た。なんか微妙に暗くなったような…。気にせず歩いていると人形を持った女の子が現れた。
「リーゼじゃん、元気かい?」
「…○○、こっち来て。」
言われるままに近付く。
「今日はどーした?なんかして遊ぶか?」
「…今日はコレを渡しに来ただけ。」
右手に持ってる可愛い包みを俺に手渡す。
「もしかしてバレンタインチョコ?」
白い頬が途端に赤くなる。リンゴのようなほっぺたのまま小さく頷く。
「あはは♪まさかリーゼから貰えるとはな、ありがとな☆」
頭をクシャクシャと撫でる。撫で終わると満足したのか、そそくさと帰ってしまった。リーゼ、前に比べると大分明るくなってきたかな?
そろそろ帰ろうかな〜?ボケ〜っとしていたら後ろからドンッと押された。正確には彼女が転んで、俺はそれに巻き込まれた。
「あだ〜、鼻打った…。」
「ご、ごめんなさい!急いでいたもの…あ〜!○○君見つけた〜!」
「フィオナ、耳元で大声出さないでくれよ。」
「ご、ごめんなさい!それはそーと今日は○○君に渡したい物が…、アレ!?どっかいっちゃった!」
どーやら俺へのチョコを今落としたらしい。パキッ、悲惨な音が聞こえた。
「あ〜!踏んづけちゃった…。」
フィオナは涙ぐんでいる。相変わらずドジな奴だな〜。
「あぅ〜、こんなの渡せないよ〜。」
「それで良いよ。つーかそれが良い。」
「え!?だって割れちゃってるよ?」
「別に良いよ、食べりゃ一緒じゃん♪」
そー言って割れたチョコを口に放り込む。
「うん、美味いじゃん♪」
「○○君ごめんね、ごめんね?」
涙ぐみながら謝りまくるフィオナ。
「けど、食べてくれて嬉しいな♪」
「次は割らないように気をつけろよ?」
「うん♪」
言った側から帰りに転んでたけどな。…どっかで見た気がするのは気のせいか?

889チョコっとバレンタイン♪6:2007/02/07(水) 04:18:53 ID:b5SvJYdsO
>>888の続き。
フィオナが帰ったあと、俺も帰ろうと歩き始めたら目の前に光の球が現れた。中から金髪の女性が現れる。
「ミルドか?」
「人をミスドみたいに言わないでくれ…。」
「わりぃわりぃ☆」
少し睨んでくるミルドレッド。
「ずっと見ていたが、随分チョコを貰ったようだな?」
「見てたのかよ。まぁ皆義理だろーけどな。義理でも嬉しいやな。」
「…鈍感な奴だな。」
「なんか言った?」
「いや、それより義理ばかりではイヤだろう。わ、私が…ボソボソ(ほ…本命…チョコを…やろ…う)」
「はぁ?聞こえないって!」
「う、うるさい!とにかくこれを受け取れ!その代わりに私の奴隷となるのだ!(…やっちゃった。私のバカ!)」
「なんで奴隷にならなきゃなんないんだよ?でもまぁ、チョコはサンキューな♪」
ミルドレッドは顔を真っ赤にしている。
「こ、今回だけは奴隷の件はなかった事にしてやろう!ではさらばだ!(キャー!チョコ渡しちゃったー!)」
そんなミルドレッドの帰る姿を見て俺は思った。…奴隷って、あいつ絶対にSだよな。
帰路についた俺は途中店で足を止める。
「そーいや元気印に会ってないな。」
店の中に入ると早速元気な声が飛んできた。
「いらっしゃーい♪あ、○○君だ☆」
「よっ、相変わらず元気印だな。」
「えへへ〜♪それだけが取り柄だからね〜♪コーヒーで良い?」
しばらくしてコーヒーが出てきた。それを飲みながら談笑をする。
「ハイ☆これはおごりだからね♪」
出されたのはチョコレートケーキだった。
「手作り?」
「うん☆私の愛がいっぱい詰まってるよ♪」
「そっか♪いただきま〜す。」
「…少し特別な愛も入ってるからね♪」
「???」
「何でもない♪」
はぁとに別れを告げ店から出る。今日は楽しい1日だったな〜☆満天の星空を見ながらふと思った。
「俺、今日チョコしか食ってねぇ。」
少し胸焼けしながら家に帰るのだった。
〜終わり〜



バレンタインの話題が出たので書いてみました。○○に自分の名前を入れるとモテた気になれるかも?ww

890名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 04:24:15 ID:a20uxtfM0
GJ

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   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        Λ_Λ . . . .: : だけど現実との落差で涙が止まらないぜ…
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

891名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 07:31:20 ID:lxJTyKtsO
>>889
先生ッ!さーたんとガチでラブラブのが良いですッ!!

ていうか鈍感な主人公には感情移入できねー。

892名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 07:58:59 ID:lZKtSJ320
>>890
まだ1週間ある、希望を捨てるんじゃない

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        Λ_Λ . . . .: : お前は俺か…俺なのか…
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

893名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 10:12:12 ID:xvA.n5/I0
ハァ…俺もこんな感じで冴姫からチョコ貰えたらな…

894名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 12:07:13 ID:U7M/Nixw0
>>884-888
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        Λ_Λ . . . .: :何か足りないと思ったら頼子が居ない・・・
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

895名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 12:23:55 ID:b5SvJYdsO
>>894
いるよ?冴姫の次が頼子だよ。
>>891
頑張って書いてみます。もっと過剰反応する野郎にするべきだったかな?

896名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 14:16:53 ID:70sfsVI6O
めっさGJです!
自分も早く書き上げないといけないのを思い出しました…

897名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 14:56:25 ID:Pb.b0FBA0
>>893 あきらめるな 冴姫はいつでも君の心の中にいる
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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        Λ_Λ . . . .: : 本物はオレの腕の中だけど
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

898名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 15:52:21 ID:kmFNRDiQO
《全機、>>897を狙え。生きて還すな》

899名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 15:56:49 ID:a20uxtfM0
>>897
いい加減現実から目を背けろよ

あ、もう背けてますかwサーセンw

900名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 16:21:21 ID:ANiKxXb2O
>>897
ころしてでも うばいとる

901愛しの天使様:2007/02/07(水) 17:34:49 ID:b5SvJYdsO
この世には神も仏もありゃしねぇ!もしいるなら財布を落としたり、ドブにハマったり、犬に追いかけられたり、鳥にフンを当てられたり…etc
とにかく!絶対神様なんて……いた。神様ってよりは天使様だけど、実はこの世に天使は存在してたんだな。こっち向かって歩いてくる。
「何ジロジロ見てんのよ?」
最近の天使はキツい口調なんだな。ちょっと見てただけなのに…。
「いや、別にそんなつもりは…。」
「フンッ!」
あっちに行ってしまった。アレ?なんかウロウロしてんぞ?なんか探してんのかな?
「なんか探してるの?」
勇気を出して聞いてみた。
「馴れ馴れしいわね…。関係ないでしょ?」
うっ、本当にキツい口調だな。
「俺も探そうか?2人の方が早く見つかるかも。」
「……お願いして良い?」
どーやら彼女も財布を落としたらしい。一緒になって探す事一時間。
「もしかしてコレじゃないか?」
クマのキーホルダーが付いた財布を差し出す。
「あ!それ!それよ!良かった〜、ありがとう!」
急に抱きついてきた。こんなおいしい展開で良いのだろーか?神様ありがとう…。
「あっ!…ごめんなさい、つい嬉しくて…。」
「イヤイヤ、謝らなくて良いよ!(むしろお礼を言いたいくらいだ)」
「何か言った?」
「いや、何も!」
本当に見つかって嬉しそうだ。よっぽど大切だったのだろう。
「良かった、このクマ親友から貰った大切な物なの♪」
どーやら財布じゃなくてキーホルダーのクマを探していたらしい。
「本当にありがとう♪アナタ名前なんて言うの?」
「お、俺?俺は○○って言うんだけど…。」
「ありがとう○○君♪私は冴姫っていうの。また改めてお礼に行くわね。」
そーいって彼女は行ってしまった。別れたあとに後悔した。お礼の代わりにまた会う約束するべきだったと…orz

902愛しの天使様2:2007/02/07(水) 17:57:13 ID:b5SvJYdsO
>>901の続き。
後悔先に立たずって本当だな。やっぱ会う約束を取り付けるべきだった…。神様お願い!もう一度あの娘に会わせて!
「あ、○○君。」
耳を疑ったよ。この声はまさしく俺の天使。
「さ、冴姫ちゃん!?」
神様本当にありがとう!今度お賽銭奮発するからな!
「…恥ずかしいから人の名前大声で叫ばないでよ。」
軽く迷惑そうにする天使様。
「いや、だってまた会えるなんて思わなかったからさ…。」
「人の話聞いてた?また改めてお礼に行くって言ったでしょ?」
まったく、と言いたそうに呆れられてしまった。
「お礼だけど、直接何が良いか聞くのは失礼かしら?」
「そんな事ないけど…。」
「じゃあ何が良いか言って。出来る限りのお礼はするわ。」
急にお礼と言われても、何にも考えてないよ。つーかこの状況がすでにお礼なんだけど。何だったら良いんだろ?やっぱ物かな?いや、それより彼女と仲良くなりたいし。だったらデートなんてどうだ?けど、一回会って終わりってのはイヤだし……。あ〜〜〜〜!
「俺と付き合っぺ下さい!」
パニクった俺が出した答えだった。しかも咬んでるし、天使は何か固まってるし…。
「い、いきなり何言い出すのよ!まだ会ったばっかりでしょ!そーゆーのはもっとお互いを知ってから…って何言わせるのよ!」
顔を真っ赤にして怒涛の反論。
「いや、ごめん。何かテンパっちゃって。けどそんなにイヤなの?…泣」
軽く…、いや重く凹んだ。
「べ、別にイヤだなんて言ってないでしょ!」
へ?それって…。
「期待しても良いの?」
「いや、そーゆー意味でもなくって…。」
「どーゆー意味??」
「あー!もう!うるさいわね!あっち行ってよバカ!」
何だかよく分かんないけど、ほんの少し仲良くなれた。…のかな?

903828:2007/02/07(水) 19:51:45 ID:6TEjZ4ZA0
アルカナ覇亜斗

〜前回までのあらすじ〜
勇者はーとが、平行世界OSAKAを救う為に立ち上がるとかそんな話。
詳しくは
>>828
>>856

第2話

「ワイの拳が効かんやとォ?!」
はーとの放った拳は、全て脂肪に吸収されていた。
「GUFUFUFU…素晴らしいですねぇ〜、アルカナの加護を受けた私にはそんな攻撃は効きませんよぉ〜」
「あァン?マナカナ?ちょっと懐かしいぞコラァ!」
「GUFU…ッてちゃうわボケェ!」
大道寺の必殺の張り手を紙一重で交すはーと。
「GUFUFU…突っ込みを避けるとは無粋ですねぇ〜」
「クッ…アカン、このままじゃと…」

その頃、サキは謎の男を追い詰めていた。
「…」
「どうやらここまでザンスね」
そう言うと、男は微笑み振り向いた。
男はウェーブ掛った銀髪、さらに長身の美男子であったが…
プリマドンナの格好、そして股間から生えた白鳥の首が強烈な違和感を放っていた!
どう見てもただ者では無い、って言うかどう見てもキ(検閲により削除
「…!」
サキが飛び退くと、一瞬遅れで巨大な物体が轟音と共に降って来た。
飛び散る石畳、ひしゃげる電柱、立ち上る白煙、その向こうの巨大な影。
「おや、中々悪運が強いザンス。ヨリコ!ミケランジェロ!行くザンス!」
声に呼応するかの如く影の目が光る。

続く


次回予告

迫る2体のロボに苦戦を強いられるサキ。
そして、はーとの決闘の行方は?!
「フッ…行け覇亜斗、お前は…死ぬなや…」
アルカナ覇亜斗 第3話 「奇跡」

904868:2007/02/07(水) 20:13:30 ID:G.fFHGck0
>>869-900
たくさんの回答ありがとうございます。
>>884-889
小説も読ませて頂きありがとうございました。ほのぼのしました♪
リリちゃんの台詞
>「倍返しだかんね〜」
>「ホワイトデー期待してるからね♪」
で「お高いんですか!?」と突っ込んでしまいました。

ちなみに私ははーたんから貰いたいですね♪
義理でも本命でもどちらでも嬉しいですが、
もし>>878のように本命で「大好きw」とか言われたら
「うはwww抱き締めたい!」と思ったりもしました♪

905名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 20:32:59 ID:/3veDKr.0
てっきり>>868=>>884なのかと思っていた俺ガイル

906名無しのアルカナ使い:2007/02/07(水) 22:15:24 ID:CRkXLb660
こんなんあったw
ttp://fortune.yahoo.co.jp/fortune/psychology/ekoda/shindan?ty=t&pg=1

907あなたに・・・・・(前半):2007/02/07(水) 22:47:18 ID:OxzqrYi.0

いつのころからだろう・・・・・・

あなたを好きになったのは・・・・・

私のことだけを見てくれる、あなたのことを・・・・

私は・・・・・・

はぁと「・・・・・ぉりん?ま〜おり〜ん!」
舞織「・・・あっ、はい?」

友達のはぁとちゃんに声をかけられていたことに気付き、私は慌てて返事をする。

はぁと「大丈夫〜まおりん?なんか最近ぼーっとしてること、多いよ?どこか具合でも悪いのかな?」
舞織「そ、そんなことありませんよ?心配してくれてありがとうはぁとちゃん。」

そう言って私は笑顔を見せる。ちょっと寝不足なだけですよ、と付け加えて。

はぁと「そうそう、それでねまおりん!!もうすぐあれの日なんだよ!あ・れ♪」
舞織「あれ?・・・・なにかしら・・・はぁとちゃんの誕生日・・・はまだですし・・・」
冴姫「バレンタインデー、よ。舞織。」

と、後ろから冴姫さんの声が聞こえてきた。

冴姫「まあ私も忘れてたけどね・・・・どうせあげる相手なんて、いなかったから。」
はぁと「うちは女子校だから当然といえば当然なんだけどね♪」
舞織「ああ・・・・バレンタインデーでしたか。確かに私たちには関係が薄いものですね。」
はぁと「でも素敵だよね〜。女の子のい〜っぱいの愛をチョコに詰めて男の子に渡すんだよ!あなたのこと、大好き!っていいながら☆きゃ〜///」
冴姫「はいはい、わかったからちょっと落ち着きなさい?」

顔を真っ赤にしてくるくると回っているはぁとちゃん。それを止める冴姫さん。
ああそうだ。たしか去年もこんな光景を見たかもしれないな・・・・・・と私は思った。

ただ1つ違うものは・・・・・・私の心に「想い」が生まれたことだった・・・・・
けして叶うことのない・・・・・・あの人が好きという、たったひとつの願い・・・・・

その日、私ははぁとちゃんと2人で下校していた。ちなみに冴姫さんは寄りたいところがある、と言って先に帰ってしまった。
しばらく他愛のない話をしているとはぁとちゃんが急に足を止めて私にこう言った。

はぁと「実はねまおりん・・・・・私、好きな人、できちゃったんだ・・・・えへへ」
舞織「あら・・・本当ですか?それは素晴らしいことですね!明日、うちの神社で販売している恋愛成就のお守り、持ってきますね!あ、ひょっとして今年のバレンタインはその方に?」

などと私は1人で柄にもなく大騒ぎしているとはぁとちゃんは悲しい笑顔を浮かべてこう言った。

はぁと「うん・・・・ありがとうまおりん・・・・でもダメなの・・・その人には・・・・渡せ・・・ないの」
舞織「えっ・・・・?そう・・・なんですか?ひょっとしてその方には・・・その、もう恋人がいるとか、でしょうか?」
はぁと「っっ!!そんなの絶対にイヤッ!!!!」
舞織「きゃっ・・・・」

突然はぁとちゃんが大声を出した。そしてそのまま顔を覆い、泣き出してしまった。

はぁと「ごめんね・・・・まおりん・・・急におっきな声、だしちゃっ・・て・・・ひっく」
舞織「いえ・・・・いいんです。私の方こそ変なことを聞いてしまったみたいで・・・ごめんなさい。」

ぶんぶん、とはぁとちゃんが顔を横にふる。

はぁと「違うの・・・・まおりんが悪いんじゃないの・・・ごめんね・・・でも私・・・・悲しくなっちゃって・・・・あの人に・・・他に好きな子がいると思う・・・と・・・ぐすっ・・」
舞織「はぁとちゃんはその方のことが大好きなのですね・・・・・。」
はぁと「うん、だいすき。でも・・・・だめなの・・・・・だってあの人は・・・・」
そう言って私ははぁとちゃんの頭を優しく撫でる。アホ毛も下を向いてしまっている。

好きなのに、想いを伝えられない。私は他人事ではない気がして心が苦しくなった。

はぁとちゃんも私と同じ。どうすることもできない自分が悔しくてしょうがないのだ。

「だってあの人は・・・・この世界の人じゃないんだもん・・・・」



前半終了です〜。僕も時代(?)にのってバレンタインのお話にしました。
ん〜・・・できれば前後編って感じにはしたくなかった・・・ネタがばれちゃううう

908リーゼのお悩み相談〜モテない男編〜:2007/02/07(水) 23:29:41 ID:.KYfYz220
「というわけで、もうすぐバレンタイン。作者が一番鬱になって、部屋に引きこもって"アレ"なゲームばっかりやる季節。ちなみに"アレ"というのは主にバイオハザード辺りのアクションであって、大人なゲームじゃない。そっち想像した奴、チョコ上げない」

 今年もバレンタインがやって来る。いらないのに。
 どうせ貰えるのは家族だけからなんだ。そして、ホワイトデーに意味の分からんもんを買わされるんだ。お年玉以上の金が命を落とす最悪のイベント。
「うるさい」

 ガッ!

 後頭部に衝撃が走る。トランクの角で殴られたら、こんなに痛いんだね。それに耐える女子中学生たちが、いかにすごいか分かったよ。
「モテない男代表……名前が決まってないので作者でいい。相談に乗りに来た」
「それは嬉しいね。早速だが、チョコくれない?」
「……お姉ちゃんならある」
 とか言ってトランクを差し出すリーゼ。なんか、トランクからダースベイダーみたいな呼吸音が聞こえるんだぜ?
「とりあえず、バレンタインのチョコが貰えないのが嫌なの?」
「そそ、どうしたら貰えるようになるか……女の立場からの意見を聞きたい」
「私には難しい。ほとんど人殺ししかやったことないから」
「今さらりとすごい事言ったね」
「というわけで早速お姉ちゃん、お願い」

 カパッ

『そもそも、三次元の女に貰おうとするのが間違い』

 パタン

 えらく核心つくね、あのセクハラ人形。
「との事……納得いかないって顔」
「そりゃそうだ。普通にモテたい」
「ならまず整形が必要」
「悲しくなるから、そういう事言うなよ」
 この後しばし、リーゼとの議論が続いた。
 で、
「とりあえず、チョコを貰える男がどういう人かが問題」
「そりゃあ、まぁ、モテる奴とか彼女いる奴とかだろうな」
「なら、貰えない奴は根本的に駄目と?」
「だから、そういう事言わない。きっと一人くらい俺の事好きな奴いるだろう。そいつが渡さないだけだ。そう考えないとやってらんない」
 うむむ、とリーゼは唸る。
「まぁ、その辺についてもう一回お姉ちゃんに聞いてみる。

 カパッ

『いずれにしろ、義理すら貰えないなら男失格だよな』

 パタン

「……愛乃 はぁとから貰ったチョコを上げるから、立って」
「いいよ、いらない。っていうか、なんでこう、セクハラ人形は核心つくんだろうね」
 お姉ちゃんだから。と、リーゼはトランクを撫でながら言う。
 俺は死にかけである。
「くそっ! 所詮俺は引きこもりなのか? 小っちゃい子にアルカナやってるとこ見られて『ヲタクだ〜』と呼ばれる存在なのか?!」
「これ以上私がいたらもっと傷つけそう。慰めに手作りチョコを渡す。愛乃 はぁとに無理矢理作らされた。気休め」
「ちくしょー! ありがとよー!」
「というわけで、最終的な結論を。お姉ちゃん、お願い」

 カパッ

『つか、バレンタインになってから考えろよ』

 パタン

「……核心だな」
「……じゃあ、帰る。ギーァ」
 薔薇人形とセクハラ人形は、ひと時の平安を俺の心に残し、去っていった。



流れに乗ってバレンタインネタ。
まぁ、なんだ。俺が言いたかったのはだな、まだバレンタインになってないんだ。去年貰えなかった奴も、今年は少しくらい期待しようという事だ。
貰えなかったら、自己満足的なベロ甘系書くよ。
……つーか、これが既に自慰ネタだよなぁ

909愛しの天使様3:2007/02/07(水) 23:48:29 ID:b5SvJYdsO
>>902の続き。
フンフンフ〜ン♪ランラララ〜ン♪俺はめちゃくちゃに浮かれてた。多分世界1ムカつく奴だろう。俺自身、天使と会ってない時に今の俺を見たらぶっ飛ばしたくなるに違いない。今ここで訳の分からない事で殴られたとしても、気にもとめない自信がある。
「今日は冴姫ちゃんと遊びに行く約束だ〜♪」
周りの冷ややかな視線も気にならない。あれから時々一緒に遊ぶくらいの仲にはなった。彼女曰わく
「べ、別にまだ付き合ってる訳じゃないんだからね!勘違いしないでよ!?」
だそうだ。まだって事はこれからその可能性もあるはず!それまで俺は全力で彼女にアタックし続けるのだ!そして今日はバレンタインデー…。男がもっとも気になる日だ。冴姫ちゃんはチョコくれるかな〜?
「遅いわよ!もっと早く来なさいよ!」
着くなり怒鳴るMy Angel。
「ごめんごめん。じゃあどこ行こっか?」
「その前にコレ渡しておくわね。」
早速きた!今日はコレを貰うために会う約束をしたと言っても過言じゃない!
「ハイ、約束してた小説。」
そうそうこの小説…って、えぇ!?チョコじゃない。確かに借りる約束したけど…。
「あの〜、冴姫さん?」
「ん?何?」
「なんか他にも渡す物って…。」
「ないわ。」
キッパリと言われた。マジか…orz
ガックリと肩を落とす俺。
「そんなにチョコ欲しいの?」
「はい、欲しいです…。」
「誰のチョコが?」
「冴姫ちゃんのが…。」
「しょーがないわね〜。」
目の前に差し出された物は…。
「ち、チョコ…?チョコだ〜!」
「い、一応言っておくけど義理よ!?ド義理!」
「そんな事言ってちゃんと用意してくれてんだもんな〜♪やっぱ俺の事…♪」
天使のほっぺがプクッと膨らむ。
「そーゆー事言う奴にはあげない。」
チョコを取ろうとした俺の手が空を切る。
「あ、ヒドイぞ!チョコくれよ〜!」
「べ〜っだ♪」
チョコ争奪戦が始まった。逃げ回る天使を追いかけまわす。こーゆーのが幸せって言うのかな〜?お母様!生んでくれてありがとう!え?チョコは貰えたかって?それはご想像にお任せします♪
…ゲプッ
〜終わり〜



リクにあった冴姫のガチラブコメのつもり。ちょっと物足りないかな?と思う今日この頃。

910828:2007/02/08(木) 00:43:19 ID:f2esNjl20
何かバレンタイン妄想が凄い事になってるな。

アルカナ覇亜斗ワールドだと、どんな色男でも待ってるだけじゃ100年経ってもチョコ貰えない、と言うのはどうだろうか。

「お、お前の超虎が欲しいんじゃい!」
「誰がオンドレの様な腑抜けに渡すかボケェ!欲しかったら腕ずくで取って見ィ!」

「クッ…中々やるじゃねぇか!だがその程度じゃアタイの魂はやれんねぇ!」
「まだまだこれからじゃい!ワイの愛の一撃を受けてからウタえや!」

「しっかりしろ花子ォ(仮名)…傷は浅いぞ!」
「…アンタの腕に抱かれて死ぬなら…本望だよ…グハッ(吐血)」
「花子ォおおーーーーーーー!」
魂のカップル成立。OK。

911名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 00:50:58 ID:ba3i8a6oO
>>909
リクした天の道を往く人です。

ずっと気になってた引っ掛かりがあるんだけど。
さーたんって、ツンデレっていうよりクールビューティーなんだよね。
素直クール?照れクール?
ゲーム中のアドベンチャーパートとか見てても別にツンツンしてるワケじゃないし。
まぁ何にしてもイメージと違うからどうしても違和感を感じちまう。

“冷たく見えるけど心はあったかい子”だと思うんだがどうだろうか。

912名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 01:08:34 ID:XNVtWqrcO
>>911
クーデレだと言いたいのか?

913名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 01:15:34 ID:IsgB2JXAO
>>911
それは正直俺も思ってた。けど世間一般の意見だとツンデレで通ってるし、あえてそれを壊してまでキャラの性格作らなくても良いかなと。つーかツンデレにした方が話を書きやすいし。けど911氏の意見が正しいとも思えるので今度はクールビューティーで考えてみますわ。貴重な意見をありがとう。

914名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 08:03:57 ID:23ynI3tM0
「選んで欲しくなんかない」のあたりは充分ツンデレだと思うなあ
それに冴姫ほどのガチレズなら相手が男と女じゃ相当態度違いそうだが
ゲーム中に男が出てこないので何とも言えないな

915名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 19:13:14 ID:NFK4CTNU0
>>909
サキちゃんの台詞の
>「べ〜っだ♪」の
「べ〜っだ『♪(おんぷ)』」って・・・
サキちゃんちょっと楽しそうに笑ってんじゃんww

916名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 19:23:10 ID:FdNyCMC.O
リリカと頼子でください

917名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 20:03:39 ID:cu1vyeugO
「はぁと! はぁと出てきなさい!」
「も〜、なぁにさーたん……まだ朝の五時だよ? ご近所迷惑だよー」
「あなた、さっき私の家を襲撃しておいて良くそんなことが言えるわね…」
「え、えー? 知らないよ〜?」
「しらばっくれるんじゃないわよ! なぁにが、『さーたんの乳首をダブルクリックしちゃうぞ^^』よ!」
「わ、私冴姫ちゃんの乳首をダブルクリックなんてしてないし言ってもないよー!」
「このごに及んで……」

「はぁとー! ちょっときなさい!」
「り、りりちーまでどおしたの!?」
「どうしたもこうしたもないわよ! 良くも私のスパッツの口では言えないような場所に切れ目いれてくれたわね!」
「え〜!?」
「はぁと、まさかリリカにまでそんなことするなんて……」
「ほんとに知らないよ〜!? パルちゃんも私がずっと寝てたって証明してくれるよ!」
『ごめんなさいはぁと……。ポエムつきの日記を書いていたので、はぁとのことは把握してませんでした……』
「そんなー!」


「ふふ、予想以上の出来みたいね、このメカはぁとは……」
「しかし博士、アンドロイドの出来を測るのはいいですが……あれ以上迷惑をかけるのは……」
「いいじゃない、面白いから」
「……そういう問題でしょうか」
「そういうものよ」
「ところで博士、メカはぁとが戻ってきていませんが……」
「え、美鳳が回収したんじゃないの?」
「いえ、知りませんが」
「…………いいのよ、面白ければ」

918名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 20:09:04 ID:QIBjqIXkO
>>917
パルちゃんwwww

919名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 20:18:56 ID:cu1vyeugO
「おはようー」
「あらはぁとさん、こんな朝早くどうかしたんですか?」
「うん、ちょっとね……。まおりんは境内の掃除?」
「ええ、今日は私が当番なんです」
「ふーん、そっか……」
「?」
「ねえねえ、巫女さんってさ」
「はい」
「処女じゃないと駄目なんだよね?」
「なっ……! ななななな何を……!」
「えーい、まおりんの貞操チェーック!」
「あっはぁとさん駄目っ……! やめて…あんっ」
「とぇぇぇい!」
ドゴォッ
「おっとっと……。もー、鼓音さん邪魔しないでよ〜」
「朝トレ代わりに地球7周して帰ってきてみれば……何してるのさ?」
「姉さん……わかりません……はぁとさんが突然乱心を……」
「乱心は酷いよー。ま、今日はいっか? 次は誰のとこに行こうかなー?」
「あっ、ちょっと待て……ってもう行っちまったか……」

続くかも
つーか携帯だと地の文書くのめんどいわ

920名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 21:30:15 ID:XNVtWqrcO
>>919
ちょww地球7周てww

921名無しのアルカナ使い:2007/02/08(木) 21:34:59 ID:IsgB2JXAO
>>915
それが作者の狙いなのですよ…。ウフフフ…。

922名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 01:16:06 ID:jEV5WF.Y0
ってか、アルカナ見えるのって 純粋な心の女の子―聖女 だろ?
だったら、はぁとがずばばば〜んでも見えるのだろうか?

923名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 03:18:54 ID:ipZwqXJ60
はぁとは超純真だと思う。まっすぐな子。

キラ様も純粋。リーゼも。

924名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 06:51:27 ID:j2RFSHtg0
ずばばば〜んでも、突き詰めれば純粋なのさ。
つまり100%ずばばば〜ん。ほら純粋。

925名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 07:36:46 ID:sG8MFcLsO
人じゃなくてもいいのか?
つーかそもそもロボに性別なんてあるのか?
実は電子レンジとかパソコンにもアルカナは見えてましたとかそういうことなのか?

926名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 07:49:52 ID:2dgTPw7IO
アルカナは意志を持つエネルギー体。それを感知し制御する装置を搭載。ただし超精巧な装置の為、製作出来るのが博士とキラのみ&予算的都合で美凰一体分しか出来なかった。
…なんて感じでどーだろ?

927名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 11:14:04 ID:tScjwAXAO
>>926
博士ってキラのことだろ?

それとそんな機能が在れば、世界征服しようとしているキラのこと。
自分で捕まえようとするんじゃないのか?

928名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 11:24:57 ID:Jk1BJPaIO
>>927
メイファンかきらのエンディング見ればわかると思うがメイファンそっくりな顔した女性が出てくる。
博士って呼ばれてるのはその人。

名前なんだっけ・・・
明芳?
すまんうろ覚えだわ

929名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 12:33:24 ID:2dgTPw7IO
>>927
世界征服をするために作ったんじゃないの?

930リーゼなロッテとアッヒェンバッハ:2007/02/09(金) 12:54:54 ID:I.C.PlYs0
 
 日本一高い電波塔の展望台付近。
 空には群青色が、まるで水に溶かした絵の具のように広がり、
眼下では町並みが地平線まで延びている。
 風が吹き抜けるたびに、今はまだ静かな都会の匂いが鼻についた。
 時刻は朝の七時を回って少したったころ。
「……うーん。ちょっとのんびりし過ぎたかな。軽く遅刻かも」
 一度大きく伸びをすると、そのまま腕を頭の後ろで組んだ。
「ま、いっか。途中でハートでも捕まえて一緒に登校すれば」
 誰にでもなく話すと一旦屈み、お気に入りのスケート靴を調整し始める。
「馬鹿は高い所が好きと言うが……」
 不意に後ろから声が掛かった。しかしリリカは振り返らずに、
もう片方の靴紐を締めながら返事をする。
「どうしたの? ミケ、突然だね」
 そのセリフに怒気は含まれていない。日ごろから高い所にいることが多いせいか、
ここが高い場所である、という意識が薄くなっていたのだ。
 リリカは振り向きミケを捕らえる。変な牙に耳、赤い目が三つに理解不能な胴体。
加えて傍らに、ドーナツでも入っていそうな箱を置いた状態で、ミケはそこにいた。
「というか大丈夫なの? なんとか言う契約で、ヨリコと離れられないんじゃなかったっけ」
「あの日を境に幾分か和らいだようでな。これぐらいなら平気だ」
 淡々と喋るミケの声は、低いがよく通る。魔王の威厳というやつだろうか。
「にしてもあまり無理しないでよ、心配だから。ヨリコが。もっと言うとヨリコの財布が」
 ミケはとあるドーナツが非常に好きだ。勝手に動けるようでは、
行く先先でドーナツを食べてしまうだろう。財布を持ってうろつくヨリコが安易に想像できる。
「その気になればいくらでも欲しい物が手に入るだろうに、すっかり人間界に染められおって
……それもフェルネロフの教えか」
 確かにミケの言う通り、人間の作ったルールに縛られる必要はない。
お金なんか気にしなくても、きっと平気だ。
 ミケは続ける。
「奴とて何故この世界で日々を過ごすのか、なかなかに解せん」
「あんたもそうでしょーが。それにパパには理由があるはずよ」
 パパのことを悪く言われた気がして、リリカは多少不快感をあらわにした。

931リーゼなロッテとアッヒェンバッハ:2007/02/09(金) 13:29:09 ID:I.C.PlYs0
>>930

「我輩は頼子との契約上ここにいる。仮にフェルネロフに理由があったとして、
リリカは何故ここにいるのだ? 何に期待しているというのだ」
「それは……」
 パパと同じ理由で、と言い掛けて口をつぐむ。明確な理由をリリカは知らなかった。
 ミケが口走った期待という言葉、パパは既に答えを見つけたに違いない。
 ……自分は何かに期待しているのだろうか。
 沈うつな表情を見せるリリカに、ミケは溜息をつく。
「こんな話をしに来たのではなくてだな……」
 言って、足元を見るよう目配せする。リリカもそれに習って目線を足元(実際には足はないが)
に持ってくる。
 先ほど目に付いた箱があった。改めて確認すると、ビスケット文字に似た書体で“ミスタードーナツ”
と綴られている。
「先日の礼がまだであったな。受け取るがいい」
 先の事件でリリカとヨリコ、ミケは一緒に行動していた。その時の礼だと言う。
 ちなみに、事件を解決することはできなかった。
 箱を開けると、予想通りフレンチクルーラーでいっぱい。
 とても一人で食べられる量ではなそさそうだ。
「ね、ミケ。折角だからさコレ、みんなで食べない? 心当たりがあるんだけど」
「我輩も一緒でいいのか?」
「もちろん」
「ならば、その心当たりへ急ごうではないか」
 言うが早いかミケが飛ぼうとしたのを、しかしリリカが止めた。
「待って! 飛ぶのはここ降りるときだけだって。後は電車移動」
「何故だ?」
「会社行く人とか、学校行く人とかが増えてくるから。怪しまれるでしょ」
「む、もうそんな時間か……。では、我輩が先に下へ行く。フレンチクルーラーは任せたぞ」
 ただでさえ大きくはないミケが、次第に小さくなっていく。
 ドーナツはリリカが運んだ方が、遥かに安全と考えたらしい。きっと苦労して持って来たのだろう。
「ミケは手とかないからな〜。そこまでして、しかもこんな高い所まで…………高い、所?」
 ここまできてリリカは、何気なく聞いていたミケのセリフを思い出し、理解した。
「って、もしかしてアタシ、バカにされたーー?!」

932リーゼなロッテとアッヒェンバッハ:2007/02/09(金) 14:06:27 ID:I.C.PlYs0
 >>931

 その朝、ハートは急いでいた。
 数十分前には、登校する生徒でいっぱいだった並木道を一人走る。
 途中、見知った顔が横目に映った。
「リーゼちゃん?」
 ハートは足を止め、呼びかけながら近づく。リーゼは鞄に座っていた。
「どうしたの? 今日帰るんじゃなかったっけ」
「……成田には午後に着けばいいから」
「そうなんだ?」
 リーゼからの返事はなく、会話が途絶える。
 次に口を開いたのもハートだった。
「じゃさ、それまでうちに来ない? 喫茶店なんだけど……」
 リーゼは答えない。
「ケーキおいしいよ? 私、ピアノも弾くし」
 ハートが店のアピールをしていく。
「……学校は?」
「一限目にはもう間に合わないし、お昼からってことで……」
 リーゼの発言は、一見脈絡がないとも取れるがちゃんと伝わったようだ。
 対するハートはリーゼに答えた、というよりは自分に言い聞かせた感が強い。
「そう、……折角だから」「はぁとー!」
 リーゼの語尾に重なるようにして、誰かがハートを呼ぶ。
「冴姫ちゃん、それにまおりん。どうしたの?」
「舞織が妙な気配がするって言うから。はぁとが来ないのも気になってそれで」
 二人とも多少息が上がっている。ここまで駆けて来たようだ。
 サキはハートを確認した後、隣に座っているリーゼに目をやるが、
お互い特に気分を害するような素振りを見せなかった。
「心配してくれてありがと、私は大丈夫だよ。でも、妙な気配ってのはなんだろう?」
 腕を組み考える。リーゼが本当に一瞬だが目を細め、鞄に鍵を掛けた。
 ペチ、という軽い音をハートが耳にした時、いつからいたのかリリカが話しに加わる。
「その気配ってミケのことだと思うよ〜。アタシたちこの辺ブラブラしてたから」
「りりちー。あ、ミケも一緒なんだ」
 リリカが片手にミケ、もう片方の手に箱状の何かを持った状態でそこにいた。
「ほっぺの部分が牙だから……やっぱりそれ、猫じゃないと思うのよ」
 ミケを見るなり、サキの口からは疑問が突いて出る。
「え〜猫だよー」
 確実に猫の形を取っていないそれを目の当たりにしても、ハートは猫だ言い切った。
「そうですか……それならいいのですが……」
 マオリがリリカに返す。言葉の後半では明らかにリーゼの方を見ていたが、リーゼは目を合わせようとしない。
「いいの?!」
 そしてサキは、猫かどうかの意見にマオリが答えたと勘違いし、驚いていた。
 一連のやり取りを聞いたところで、リリカがハートに話しかける。
「で、なになに、みんなでお出かけ?」
「そうだよー。みんなでうちの喫茶店行くとこ」
『そうだったの?』サキとマオリが口を揃える。小声で『学校はいいのかしら……』と、
二人が呟くのをリーゼは聞いた。

933リーゼなロッテとアッヒェンバッハ:2007/02/09(金) 15:28:03 ID:I.C.PlYs0

 >>930 >>931 >>932

 それから程なくして喫茶“あいの”に着いた。
「あ」の文字の二画目を伸ばしたレタリングが印象的な看板と、
茶と緑を基調としたシックなデザインが、喫茶店独特の落ち着きをかもし出している。
 手動のドアを引き開け、鈴の音とともにハートたちは店内に入った。
「いらっしゃいませー。準備中ですがよろしければ……って、はぁとさんにサキちゃんと皆さん。
えっと……学校は?」
 迎え入れてくれたのはフィオナだ。

 あの日、ハートが何者かに攫われたと聞き、城へ赴いたサキの目の前に現れたのがフィオナだった。
 サキが激しく混乱するさなか、突然城全体が大きく揺れる。
 ともすれば、パルティニアスとハートが、女の子を引っ張り全力でこっちに向かって来た。
 訳が分からなくなったサキは、それでもフィオナの手を掴むとハートたちと一緒に脱出した。
 その後、行き場のないフィオナをハートの喫茶店で雇うという形で落ち着き、現在に至る。

「学校はその……リーゼちゃんの送別会ということで、午後までお休み、とか」
「ふふ、了解です。引き続き準備中を掲げておきますね」
 少なからず言い淀むハート。フィオナは柔和な笑みを浮かべ了承した。

 午後まで準備中であっても、売り上げにはさほど支障はない。
 ターゲットが帰宅途中の学生であるためだ。
 そのためか、店の様式もカフェのそれに近かったりする。

 中央に置いてある丸テーブルをリーゼから右回りにハート、マオリ、サキで囲んだ。
 しばらくして、フィオナが飲み物とケーキを運んで来た。ハートも手伝う。
 紅茶が二杯に、コーヒー緑茶が一杯ずつ、ショートケーキとチョコレートケーキ、
和菓子にシュトーレンと、テーブルの上は華やかだ。
 加えて、リリカからミケのおごりだと、フレンチクルーラーが振舞われた。
 そのリリカは、長時間座っているのが苦手だからと立っている。
 授業はどうしているのだろうとリーゼが疑問に思うも、リリカに伝えることはなかった。

「はい、りりちー。モカフロスティ」
「サンキュー、ハート」
 テイクアウト用の、ストローが付いているタイプの物を貰うリリカ。
 リーゼは紅茶を飲みながら店内を見渡す。
 左手奥にカウンター、右手にはグランドピアノと観葉植物が置いてあった。
よく見ると植物の合間から大きい剣が覗いている。どうやらピアノに立て掛けてあるらしい。
 カウンターの後ろには、アンティークだろうか懐中時計が、けれどもやけに大きい物が時を刻んでいた。

 
 なんか荒らしっぽい見た目になってすみません。
 後ふたレス程ご容赦下さい。

934リーゼなロッテとアッヒェンバッハ:2007/02/09(金) 16:10:57 ID:I.C.PlYs0

 >>930 >>931 >>932 >>933

「――お姉ちゃんって言えばさぁ」
 ハートたちが談笑している。
 関係がないと分かりつつも、お姉ちゃんという言葉にリーゼは反応していた。
 ハートの独白が続く。
「フィオナちゃんが来て最近気が付いたんだけど、
まおりんのお姉さんとフィオナちゃんの声が似てるんだよねー。声質って言うのかな」
 ハートの音感は確かである。
サキもマオリもそれを知っているため、素直に感嘆していた。
「そういえばリーゼさんにもお姉さんいましたよね?」
 リーゼの横に立っていたフィオナが、話題をリーゼへと振る。
 フィオナの数少ない知り合いだったが(リーゼにしてもそうである)ちょっと相手が悪い。
「だから?」
 正直リーゼとしては、手に爆薬仕込んで降ってくる奴と一緒にしてほしくないところだ。
 やや冷たい態度を取るリーゼに、ハートが返す。
「リーゼちゃんのお姉さんに、いきなり飛びつかれた時には大変だったよー。
ダメだよー女の子にあんなことしちゃー」
「と、飛びつかれて何されちゃったのよ? kwsk!」
 ハートの意味深な発言に、サキは興奮してるんだか焦っているんだか。
 リーゼは姉が入っている鞄を一瞥し、深く嘆息した。

「対決方法を変えても同じです。料理や洗濯でも私が勝つでしょう。
だって、無愛想なのもあって、少しイラッときたな〜」
「手を抜かずに戦えば良かったのではないか? つまんな〜いとか言ってないで」
「何よミケ、アタシが悪かったとでも言いたげだね」
 フィオナの後ろでリリカとミケが会話をしている。どうやらあの事件での話らしい。
 
 暗殺者としての能力であったが、リーゼは耳がよく聞き分ける力に長けていた。
そのため、何を言っているのかがちゃんと聞き取れる。
 しかしこの力、どうやらリーゼ以外の者にもあったようだ。
『料理や洗濯が……』
 不意にサキとマオリの声が重なる。同時にガタッと椅子から立ち上がり、リリカに近寄って行く。
 いきなりお喋りを中断されたハートはびっくりしているのか、
リリカとサキたちを交互に見ながらハテナマークを浮かばせた。
「フィオナよりも」「私よりも」
『上手だというの!?』
 最後にもう一度ハモると、リリカに詰め寄る。
「え……? ちょっと待ってよ。えぇ、なにコレ」
 リリカは珍しく動揺した。
「確かにそこのメイドが作ったフレンチクルーラーは絶品であった。
我輩としたことがそれを食していたところ、本来の目的を忘れてしまったからな」
 ヨリコ、ミケ、リリカ組みは、城までは着いていたのだ。
「お主、もっと巨大な、直径が30センチ程もある物を作れはしないのか?」
「そ、そんなに大きいの……私、無理です」
「何であんたもそこでちょっとエッチなのよ。ってコラー! なに言わせるの!」
 生地が厚いと熱が通りにくくなる。
 フィオナは素直に断ったのだが、リリカがおかしくなっていた。

935リーゼなロッテとアッヒェンバッハ:2007/02/09(金) 16:51:40 ID:I.C.PlYs0

 >>930〜934

 リリカが顔を赤くしながら、モカフロスティ飲み干す。
 あれからしばらくして、サキとマオリも落ち着きを取り戻してテーブルに着いた。
「フィオナちゃんも、早くこっちに帰って来れるといいのにねー」
 ハートがぼんやりとそう切り出す。リリカの一件で空気が変わったのか、
なかなか会話が発展せずに、しんみりとしてしまったせいだ。
「はぁと、それは……」
「大丈夫です、サキちゃん。稼動も一月を過ぎれば、パスワードや隠しコマンドが流出してくるはずです」
 決定事項とばかりに力説するフィオナ。
「え……フィオナ、どうしたの?」
 だが、サキには何を言っているのか分からない。
 すると、復活したリリカがフィオナに耳打ちする。
「稼動一年。ついに待望の家庭用が発売! なんと中ボスのあのキャラが参戦だ!
とかだったりして」
「ふえ〜ん。それは困ります〜」
 フィオナが涙ぐむ。「ミルドレッドは……?」とリーゼが口にしたのを、
リリカは聞き逃さなかった。
「リリカ……よく分からないけど、あまりフィオナをいじめないでよ」
 サキが忠告する。
「そんなに気になるんだったら、まおりんに聞いてみなよ。
まおりん、少しなら未来が見えるからさ」
 ハートが意気揚々とフィオナを促す。
「もしかして分かってないの、私だけなの?」
 サキが不満そうにそんな言葉を漏らした。
「そ、そんなことができるんですか?」
「はい、可能です。卑弥呼が用いていた、シャーマニズムをモチーフにした先見術です。
ご覧に入れましょうか?」
「凄いです! ジャパニーズシスター、巫女は世界に通じますよ。……お願いします」
 マオリは頷くと、一度深く呼吸し目を閉じた。
「……二人の店員さんが見えます。台を挟んだこっち側とあっち側で何か言ってる?」
「何を言っているか分かりますか?」
「待って下さい。今口寄せしてみます」
 マオリは軽く息を吐くとピタッと止め、溜めを作る。
 そして息を吸い込むと、カッと目を開いた。
「はい! はい! はい! はい! せ〜の……! ダメか〜」
 …………。
 …………。

(何、今の?!)

 全員の心が間違いなくひとつになった瞬間だった。
 軽い奇跡なのだが、訪れたのは静寂。最初に口を開いたのはハート。
「ま、まおりんの神がかりはいつもすごいよね〜」
 当たり障りのないことを言う。
 それに便乗してフィオナが口を開いた。
「どうなんでしょう、ダメって聞こえたんですけど……」
 すがるようにハートを見つめる。
「……っ!」
 耐え切れなくなりハートは目を逸らした。
「駄メカって言ったの! 基盤が悪いの!」
 すかさずサキがフォローに入る。
「だから大丈夫よ……」なるべく優しく言ってフィオナを引き寄せた。
「サキちゃんがそう言ってくれるなら……」フィオナも好意に甘え、サキの胸に顔をうずめる。
 
 二年という月日が生み出した身長差にサキは表情を曇らせたが、
今はしっかりとフィオナを抱きしめた。


 終わってはいませんが、ひとまずここで。
 読んでくれた人の、暇が潰せる程の物でありますように……。

936名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 17:05:19 ID:2dgTPw7IO
>>935
GJ!最初シリアスな話かと思ったんだが、ギャグ路線なのなww

937名無しのアルカナ使い:2007/02/09(金) 20:59:56 ID:SOD3nB4I0
>>935
これは素直に新しいと思ったwww
GJ!

938名無しのアルカナ使い:2007/02/10(土) 03:14:32 ID:AGuWEPCI0
ようやく追いついた・・・
皆様GJ!
>>935様、ネタの使い方上手すぎwwwww

939名無しのアルカナ使い:2007/02/10(土) 22:58:19 ID:Vhg8VkRUO
な…なんだ!?スレが止まっておる!何故だ!

940名無しのアルカナ使い:2007/02/10(土) 23:06:04 ID:QSklWST20
ここ最近、未完の長編の続きが全然投下されていない件

それはそうと、そろそろ次スレの季節ですね。

941名無しのアルカナ使い:2007/02/10(土) 23:25:52 ID:8JFsTTtcO
SS投下したいけどリアが忙しくて書いてる暇ない…。

942名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 00:00:38 ID:yzCX8W4Y0
本不生の意……ごめん、言ってみたかっただけ。

アルカナ桜の続き読みたかったんだがな……作者はいずこへ

943名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 00:01:14 ID:oCRuwZLc0
正直自分のSSが見られてると思うとすごい恥ずかしかったり・・・
既に5話まで投下してるのに今更になって羞恥心が芽生えてきました。

それでも頼子のバレンタイン物は投下しておきたいですね。

944名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 00:06:06 ID:yYI1XMDAO
きっと皆さん受験なんですよ!

いや俺がそうなんですけどね(´・ω・`)前期試験終わるまでは勉強しないと…

945アルカナ桜の人:2007/02/11(日) 01:25:44 ID:RxyC9B5.0
>>942
読みたいって言って頂けると涙が出るほど嬉しかとです。
でも実は先を全然考えずに書いてたから行き詰まって困っとるとです。

すみません・・・orz
出来れば次スレに行くまでには投下・・・できたらいいなぁ('A`)

946薫とリーゼ:2007/02/11(日) 02:54:17 ID:Kvx4u.O.O
薫は高速思考で、今までの出来事を整理した。
今日は台風が接近中だった。
そのため急遽学校は休校になり、俺は急いで帰ってきた。
ここまではいいんだ。
だが…リーゼの耳に、ネコミミだとっ!?
「なあ、リーゼ」
「何?」
「そのネコミミ、どうしたんだ?」
「知らない、朝起きたら、ついていた」
リーゼはいつもの淡々とした口調で話す。
「でも、一つだけ私はこれがついた理由を考えてみたの」
「ほう、それは?」
薫の問いにリーゼは少しもったいぶってこうつぶやいた。
「……低気圧のせい」
「おいおい、低気圧でネコミミ生えたら今頃みんなネコミミだらけになると思うがな……」
「でも、私はそう思う」
薫は困った。
実際問題、リーゼについているネコミミは似合い過ぎと言っていいほど似合っているのだ。
ここで薫の中にちょっとした遊び心が生まれた。
薫はリビングを少し探してみる。
「……あった」
見つけたのは、赤い毛糸玉。
これをネコミミつきリーゼに与えたらどうなるだろうか……
それを予想してみると、薫の顔から笑みがこぼれた。

お待たせしました。
もうちょっと引っ張ろうかと思います。

947名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 03:16:54 ID:yHkZMHaAO
>>946
やるじゃないか…。
誰か>>946を絵に描く強者はいないかな?

948名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 05:16:27 ID:hrmKrf7E0
さらさらっと。
ヘッドドレスのせいで頭に耳つけられないことに気づいた。
ttp://tsoes.hp.infoseek.co.jp//cgi-bin/uploader/src/up0224.jpg

949名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 08:16:22 ID:yHkZMHaAO
…ダイレクト入力したのに表示拒否されたorz

950女の子の悩み種:2007/02/11(日) 09:24:21 ID:yHkZMHaAO
注意:これは100%作者の妄想で構成されています。多少の間違いがあっても気にせず読んで下さい。なお、つまらないと感じた時は現在の教育体制のせいだと勝手ながら決めつけさせて頂きます。



それは中学生以上の皆で服を買いに行った時の事でした。
はぁと「冴姫ちゃんにはこっちの方が似合うと思うよ?」
冴姫「ちょっとハデ過ぎない?」
舞織「スレンダーな冴姫さんにはこーゆーシンプルなデザインの方が…。」
リリカ「わぉ☆このブラ可愛い〜♪」
頼子「本当だ♪リリカ買ったら?似合うと思うよ?」
キャイキャイと服選びを楽しむ聖女達。そんな彼女達に付き合わされ呆然と見ている2人。
神依「……美凰は行かないのか?」
美凰「いえ、私にはあまり必要ないので。神依さんは?」
神「私はあーゆーのには疎くてな…。」
は「ねぇねぇ、せっかくだから皆で試着しようよ♪先輩も美凰も一緒に試着しよ〜♪」
はぁとが蚊帳の外にいる2人を呼び寄せました。が、
神「いや、私は遠慮しておく。」
美「せっかくのお誘いですのでぜひ。」
神依はポツンと1人取り残されてしまいました。
は「わぁ♪冴姫ちゃんちょっと大きくなった?」
冴「え?サイズは変わってないはずだけど…。」
は「ちょっと確認〜♪エイッ☆」
冴「キャッ!ちょっとはぁと!いきなり何すんのよ!?」
は「ヤッパリ少し大きくなったような…?」
冴「知らないわよ!それにどうせ頼子や舞織には勝てないんだし。」
リ「だよね〜。いったい何食べてきたんだか…。」
頼「え!?そんな、私なんて普通だよ〜。」
リ「キーッ!それはアタシへの当て付けか〜!頼子なんてこーしてやる〜!」
頼「キャー!リリカいきなり揉まないでよ〜!」
舞「2人共仲良くて良いですね☆」
は「…まおりん、でかっ。」
舞「はい?」
冴「あなた本当に中学生?」
舞「やだ、何でそんな目で見るんですか2人共…。」
聖女達の戯れはまだ少し続くみたいです。

951名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 09:47:08 ID:IASI/fGE0
>>950
GJ 鼻血フイタ

>>946>>948
GJ 萌え汁フイタ

952女の子の悩み種2:2007/02/11(日) 09:56:17 ID:yHkZMHaAO
>>950の続き。
は「とりあえず、今のメンバーを一言で言うと私と冴姫ちゃんが『並』」
冴「まぁ確かにそうね。」
は「よりぷーが『大』」
頼「だからそんなに大きくないってば〜…。」
は「りりちーが『小』」
リ「な!?うっさいわね!大差ないでしょ!」
は「で、まおりんが『巨』って感じかな?」
舞「え?そんな事は…。」
全「ウンウン。」
舞「ちょっと、何で皆してハモってるんですか!?」
神「なんと言う会話をしているのだ…。」
神依はあの中に入らなくて良かったと心底思ったらしい。そこへ、更なる強者が現れた。
美「皆さん、試着は済みましたか?」
頼「!?」
舞「う…わぁ…。」
リ「嘘…、いくらなんでも…。」
冴「…はぁと、美凰を一言で言うと?」
は「『魔』って感じだね…。」
美「は?何の話ですか?」
己の強大さに気付かない美凰。さらに試着をしようとするが…。
美「…ちょっとキツいですね。もう少し大きいのはありませんか?」
冴「信じられない大きさね?」
は「りりちーなら2人分入りそうなのに。」
リ「ホントホント…って!ハート!さっきから何かヒドくない!?」
美凰の魔乳を目の当たりしたメンバーは大いに盛り上がった。そこへ今まで沈黙を守っていた神依が様子を見に来た。
神「おい、さっきから何を騒いでいるのだ。外にまで聞こえているぞ?」
全員「…あ、『無』だ。」
神「全員そこへなおれぃ!!」
こーして聖女達は出入禁止を食らうまで大いに暴れた。



キラ「ところで、なぜ今回我々には出番がなかったのだ?」
このは「神依様より小さいのがいると話が作りにくいからだそうでござる。」
リーゼ「…私、あの人(神依)よりは大きいし…。」
キこ「えぇ!?」
〜終わり〜

953名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 11:58:01 ID:k59u/UAYO
>>950
>>952

無胸噴いた
リリカの扱いひどいわぁw
だがそれがいい

954ギャグ書いてたんだけどなぁ・・・:2007/02/11(日) 19:54:00 ID:CRlz3hOc0
長いの行きます。ぶっちゃけキモいです


私――朱鷺宮神依は都立御苑女学園の屋上に身を横たえていた
現在は授業時間中、体育の授業中と見られる女学生達の歓声が聞こえる
私は任務遂行の為に授業を早々に切り上げて自主休校というやつだ
・・・すまん、嘘だ
だ、大体一限目が異国語の授業なのがいけないんだ。あんなもん私にわかるか
というわけで現在不貞寝中。千年守だって不貞寝ぐらいする
今日は雲一つ無い快晴、初夏の日差しが降り注ぎ、とても心地良い
しかし足元のスカートが少々気分を損なわせていた
動きにくいからとついつい切ってしまった為、少し風が吹くとたくし上がってしまう
これではなにも穿いていないのと変わらないではないか。というか邪魔なだけである
・・・まあいいか、あったかいし
これが冬だったら最悪である。初夏に目覚めた事に感謝

キィ

その時、不意に立てつけの悪い屋上への唯一の入り口が開かれる音がした
「む・・・?」
私は違和感を感じる。この気配は・・・
「初日からサボり?転校生」
視線だけそちらにやる。快活そうな金髪の少女が居た。なんの酔狂か車輪のついた靴を履いている
「ま〜、随分やらしいっつーかだらしない格好で、フトモモ丸見えだよ?」
「・・・隠すほどの物でもないのでな。それより貴様・・・魔性だな・・・」
少女は一瞬驚いた顔になったが、すぐに何か得心がいったような顔になる
「へ〜、やっぱわかるんだ。ただもんじゃないとは思ってたからね。っつーか刀持った女子中学生なんてどう見てもイカレてるけど」
「イカレてる・・・?」
「変ってことよ。あんたエクソシスト?その刀が武器なら納得」
エクソシスト・・・ああ、悪魔祓いか
「残念ながら外れ、私はただの女学生だ」
「嘘つけ!そんな女学生がいるか!!」
あ、しまった。先に悪魔だって指摘してしまったな。そういえば
「ちっ、バレたか・・・」
「それは少しでも隠そうとした努力をしたやつのセリフ!隠そうと思うならせめて刀をしまえ!」
む、そういえばこの時代の女学生は誰も刀を持っていないな。今気付いた
「もしかして・・・私は目立っていたか?」
「うん、もうアンタの事知らねーの今日休んでるやつぐらいだよ」
そんな馬鹿な。隠密に学園に潜入し原因究明する作戦だったというのに
「目立たないように心がけていたつもりだったんだがな・・・」
「アンタにゃツッコミどころしか存在しねーよ」
まあそんな事はどうでもいい。問題は明らかにこの少女の目的が私であることだ

955名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 19:55:24 ID:CRlz3hOc0
「で、何だ。私に何か用か?」
「変人の割りに察しが早いね、じゃ聞くけどアンタ何しにきたの?」
そういう事か。敵かどうか見極めようというわけか
「安心しろ、君が標的ではない。君はおとなしくしているようだしな。この学園で異変がある、と、とある筋から依頼があった。まあ邪魔をするなら斬るが」
私は少女から目をそらす。もう話す事はない。昼寝の続きとしゃれこもう
「そう・・・」
途端、少女の気配が一変した
私は右手側に転がりそれと同時に立ち上がる
直後に私がいた空間に少女の踵が振り下ろされる
「奇襲をかけるなら殺気を隠すんだな」
「そういうのは苦手でね」
「どういうつもりだ?私の前に立つなら斬ると忠告した筈だが・・・」
「友達が絡んでるもんでね」
そうか・・・友か・・・
少し羨望する
「了解した。君を敵と認識し排除する」
私には縁の無い話だ・・・友の為に戦える君が羨ましい
「いくよっ!」
少女の身体が爆発的な加速をする。人間の構造上ありえない動きだ
なるほど、仕掛け靴か
どういう機巧かは知らんが、下の車輪が自動車のような働きをしているらしい
「迅い・・・な」
少女はまるで風のように縦横無尽に駆け回る
「ちょ〜っと痛い目にあって帰ってもらうよ!」
機動力はあちらが上、だがそれだけだ
敵が風なら私は何物にも揺るがぬ岩
「こんのぉー!」
さらなる加速から右の順突きを繰り出す
「ぬるい」
一歩踏み込んで突きを殺す
あの機巧の欠点は、最大の威力を発揮できる距離を測りにくい事だ
彼女の武器はあの仕掛け靴のみ、私を倒すには火力不足
「いっ!?」
少女の顔が驚愕に染まる
「すまん・・・な」
鳩尾に向けて刀の柄を叩き込む
相手の速度を利しての突き、これで終わりだ

956名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 19:56:41 ID:CRlz3hOc0
「テンペタスッ!!」
掛け声と共に突風が巻き起こった
「!!」
吹き飛ばされ、私の身体はフェンスを越える
「ちぃっ!!」
空中で体制を立て直し空を蹴り屋上に舞い戻る
「ちぇっ、やっぱそんなんじゃ無理か」
「まさか聖霊とはな」
少女の周囲を緑色の風が舞っている
「へえ、見えるんだ」
「風使い、か。なるほど、君に良く似合う」
「見えるからってどうにかなるわけじゃないけどね!」
少女の身体が宙に舞う。空中すらも地上と同じく駆ける
異形の羽と尾も具現化している。そうかこれが本気か
加えて聖霊使役者、ならば火力に対する認識も改めねばなるまい
「いーやっ!」
頭の上まで振り上げた右足が斧のように振り下ろされる
鞘で受ける。全体重に加え加速と聖霊の力が加わり重い
たまらず受け流し体勢が崩れたところに斬撃を打ち込む。が、風に阻まれる
そこに逆足の後ろ蹴り、避け切れない――
「がっ・・・」
被弾、しかし急所は外した。問題無い、動ける
「・・・捕まえたぞ風使い!」
「やばっ!」
左足を掴み、そこへ愛刀を振り下ろす
「左足貰った・・・!」
「テュール・エオロー!退け、封印!」
「なっ!?」
結界展開だと!?
魔力の炸裂により強引に拘束を外される。続けて襲う蹴り、避けて間合いを取る
「やばいやばい、マジにやんないと殺されちゃうね。こりゃ」
少女の手に風が集まる
「今更だけどここから手を引く気はないよね?」
「・・・」
「これは避けられないし当たったら死ぬかもしれない。OK?」
「私は殺せないよ」
私は刀の柄に手をかけ抜刀の構えに入る
「上等っ!風より早く動けるなら見せてごらんっ!!」
弾けたように踏み込む。間合いはおよそ二間半(5mぐらい)。私なら半秒もかからず対象を抹殺出来る距離だ
しかし、少女から放たれた風は弾丸より速く私を貫きその後ろのフェンスまで半壊させた
ように見えた
「私はね、死ねないんだ」
「!!?」
突如背後に現れた私を少女は驚愕の表情で振り返る
撃ちぬかれたのは数瞬前の私。アヌトゥパーダが見せた幻
「私は千年守。世界に呪われ悠久を生きる化物・・・」
「この・・・」
力を使い果たした彼女のささやかな抵抗
そんなものは無駄、防御も無意味
「ナウマク・サンマンダ・バザラダン・カン―――死祀!!」
私の全能力を叩き込む
「必要ならば悪魔でも天使でも神すらも倒す。それが私の役、いや厄だ」
倒れる少女。珠依姫 三門守宗による打撃は魂への攻撃。見た目は無傷でも彼女には深刻なダメージが刻まれている筈だ
「やっばぁ・・・アンタ超有名人じゃん・・・サイアク・・・」

957名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 19:57:40 ID:CRlz3hOc0
ズタズタにしてしまったがなんとか生きているようだ。私は胸を撫で下ろす
「養生するといい。必要ならそちらに連絡をよこせ」
聖霊庁の名刺を投げる
「先も言ったが邪魔だけはするな。次は無いぞ」

キィ

その時、屋上のドアが開かれる
「リ・・・リリカ?やっぱり!!」
「バ、頼子!?」
眼鏡をかけたおとなしそうな少女が駆け寄ってくる
「あの娘・・・憑かれているな。それも良からぬモノに」
「ま、待って!頼子には手出さないで!ミケにも!」
「なるほど、それが君の理由か」
そういうわけか、もう少し話をすれば良かったな
「友達なんだ!私が悪魔って知っても友達でいてくれる・・・!」
「そう・・・か」
心底羨ましい。彼女は人外でありながら受け入れてくれる人がいる
「リリカ!屋上で爆発があったっていうから・・・いつもリリカ屋上で昼寝してるから・・・私心配で・・・」
少女は相当急いで来たらしく息が切れている
「頼子・・・逃げて・・・」
「え?」
頼子と呼ばれた少女は今頃私に気がついたようだ
「頼子は・・・見逃して・・・お願い・・・」
頼子はリリカと呼ばれた彼女の全身に無数の傷が刻まれているのに気付く
そして私の刀に目をやる
「あなたが・・・やったんですか?」
「ああ、すまない。謝って済むとは思えんが」
パンッ
思考が止まる
「よ、頼子?」
思考再起動、どうやら平手で張られたようだ
「私じゃなくてリリカに謝ってください!どうしてこんな酷い事!!」
「頼子!ヤバイからミケと一緒に逃げて!!」
「すまん、リリカとやら」
「は・・・?」
リリカは呆けたような顔をしている。何だ、私が素直だと変か?
「一つだけ説明させてくれ、私の目的はそのミケとやらを狩りに来たわけではない。詳しくは言えないが別の任務だ。当然、邪魔をするのなら斬るが」
「えと・・・つまり、アタシの勘違い・・・?」
「そうなるな」
「うわー、ホント最悪ー!」
「ど、どうしたのリリカ?」
「ではすまないが私は行かせてもらう。リリカと頼子、この度はすまなかった」
私は踵を返し出口に向かう
「見せつけてくれる、まったく・・・」
私には決して得ることの出来ない親友たちを羨ましく思いながら、私は屋上を後にした

958この世界の誰よりも:2007/02/11(日) 20:06:44 ID:.lKeSJYwO
唇を重ねたのはコレで何度目だろう。
はぁとと言う存在が、口先から全身に澄み渡って行く様な感覚。
全身に感じるはぁとの重みが心地よい。
唇を少しずらすだけで、ん、と声を漏らすこの子が愛おしい。
彼女の暖かい背中に腕を回してゆっくりと回転して──上下が逆転する。
背中に感じるのは薄いタオルケットの柔らかな感触。
重力に逆らえず頬にかかる髪を右手でかきあげながら、
私達は、もう一度その唇を──キスのし過ぎで少し腫れぼったくなってしまった唇を、求める様に重ね合った。

「この世界の誰よりも」

名残惜しむ様に唇を離してから、はぁとに全身を預ける様に力を抜く。
はぁとの小さな鼓動がトクントクンと鳴り、私を落ち着かせてくれる。

事の始まりは、私が再びイギリスに行かなれけばならなかった事だ。
その内容は今回の事件について、またフィオナの事について、
イギリスの聖霊庁に報告しに行く、と言う物だった。
最も何年も長居する気はない。
ただ、場合によっては一年は向こうに居なければならないとの事で、
私はそれを知らせる為に知人友人に挨拶に行った。
そして最後に訪れたのがはぁとの家。
私の言葉を聞くなり、はぁとは悲しそうな表情を浮かべたけど、
すぐにいつも明るい顔になって
「じゃあ今日はウチにお泊まりしようよ!」
と、言ってくれた。
思いもかけなかった展開に少々戸惑いもしたけど、
まるで本当の家族の様に接してくれるはぁとの家族と触れ合い、
そういえば昔イギリスに行く時もこうだったっけ、と思い出した時、もう緊張は消えていた。
楽しい夕飯を食べ、楽しい会話をかわして、
少し恥ずかしかったけどお風呂もやっぱり楽しかった。
──そして、時計が新しい日付を知らせる。
もうこんな時間。そろそろ寝ようか、と、はぁとが言う。
そうね、と答えながら私はあまり気乗りがしなかった。
寝てしまえば、今日が終わってしまう。
たったそれだけの事がどうしようもなく嫌でたまらなかった。
でも迷惑をかける訳にもいかない。
私は素直に従って布団に入った。
それじゃあ、おやすみーと、はぁとが電気を消す。
ぱっと部屋は暗くなり、視覚が遮られる。
視覚が遮られると他の四感が働くとは良く言った物で、
はぁとの微かな息遣いが私の耳を甘く揺るがす。
触れてはいないのに、はぁとの体温が私の体を焦がす。
布団から、はぁとの匂いが伝わってくる。
思わず身を屈めると借り物のパジャマからも同じ様にはぁとの匂い。
自分の鼓動が容赦無く高まっているのが解る。
はぁとにこの音が聞こえるんじゃないか、と不安になってまた速くなる。
「ねぇ、はぁと」
気がつけば、そう声を出していた。
「ん? なぁに?」
「手、つないでも良いかしら……」
何を言っているんだろう、私は。
「あ、あ、いえ、何でも」
ないの。と言おうとした。
でもその言葉ははぁとの体に埋もれて音を失った。
私は、はぁとに抱きしめられている。

959この世界の誰よりも2:2007/02/11(日) 20:15:15 ID:.lKeSJYwO
1→>>958

そんな簡単な事に気付くのさえ時間がかかる。
思考が停滞している。許容を超えた緊張で、回路に詰まりが生じている。
「こっちの方が、暖かいよ」
夏なのに。
そんな事しか考えられなかった。クーラーの利いた部屋に居る事さえ忘れて居る。
少しずつ、冷静さを取り戻す、
すると、許容オーバーで閉じられて居た四感が、鉄砲水の様に私に襲いかかってくる。
もう、駄目だ──
はぁとの唇を少し強引に奪い取る。

はぁとの熱と、はぁとの唇の柔らかな感触に理性が痺れて、
とまどうはぁとの声が彼方に聞こえる。
火照った頭ではそれをはっきりと聞き取る事が出来ない。
「ごめん、はぁと。私……」
唇を離して私は謝罪する。
いくらなんでも、コレはマズかったかもしれない。
私とはぁとは友達で、そして、私もはぁともどうしようもないくらいに女の子で。
「大丈夫だよ」
私の不安が解ったのだろうか。はぁとが私を再び強く抱きしめる。
「私もね、大好きだから」
そういって、もう一度、唇を。
「ぁ……」
頭が真っ白になる。先ほどよりも強く、早く。
「ん」
今のはどちらの声だったか。はぁとの舌が私の舌を捉えている。
暗闇の中で、かすかに見えるはぁとの頬、
その頬の横を流れるように伸びる髪の匂い、
微かな衣擦れの音と、それと同じくらいの息遣い、
全身で触れているはぁとの腕、体、唇、舌。
その舌からは彼女の味がじっとりと私の舌を濡らす。
全ての感覚が彼女に向けられていた。
ゆっくりと、はぁとの指が私の背中を滑る様に撫でる。
出そうになる声を我慢しながら、私も、それに倣う様にはぁとの体を撫でる。
はぁとの指が、次第に背中から、前の方へと滑ってくる。
戸惑いながらもはぁとと同じ様に指を。
二人の声が重なるように漏れる。
外では茹だる様な熱帯夜が広がる真夜中に、私と彼女だけが、ただ、そこに居た。

はぁとに身を預けながら私は窓に目を向ける。
夏の夜明けは早い。東の空はすでに朝の色に染まりつつあった。
はぁとの息遣いが、長くゆっくりになる。きっと寝てしまったのだろう。
穏やかな息遣いが、私の心を更に落ち着かせてくれる。
窓の外、建物の向こうにある空には、朝日が顔を出し、一本の線のように輝いている。
待ち望んでいなかった夜明け。永遠かとも思われた夜にも終わりが来た。
もうすぐ街や人も目を覚ます。
そうすれば今夜の記憶は、きっと朧の様な物になってしまう。
それはどうしても嫌だった。
「このまま誰も、目が覚めなければ良いのに」
そんな事を思いながら、私ははぁとの胸で眠りに落ちた。

朝日が痛いくらいに眩しい。
隣にはぁとの姿はすでに無かった。
すでに起きて朝ごはんの準備をしているのだろう。
はぁとが寝ている辺りを手のひらでさする。
これと言った温かみの無い、単なる布地の感触が手についた。

960この世界の誰よりも3:2007/02/11(日) 20:17:48 ID:.lKeSJYwO
1→>>958
2→>>959

部屋から出ると、目玉焼きの匂いとそれを焼いている音が廊下に響いてる。
リビングに向かうと、案の定はぁとが目玉焼きをお皿に移している所だった。
「あ、おはよう。今ね、起こしに行こうと思ってた所なんだよ」
そう言って、はぁとがニッコリと笑顔を浮かべる。
普段どおりの、あまりに普段どおりの笑顔で。
それを見て私は少しだけ悲しくなる。
昨夜の事を思い出そうとして、その記憶が少し朧になっている事に気づく。
やっぱり、こういうものなのかな。
そう思って食卓に着く。
いただきます、とはぁとの声が響く。
私も、小さくいただきます、と言った。
特に何も喋る事が無く時間が過ぎていく。
ごちそうさま、と言った時、窓の外の太陽は大分今日の空に馴染んでいた。

私ははぁとの部屋に先に戻り、帰る仕度を始めていた。
帰る仕度、と言っても今回は突然泊まる事になった訳で、
荷物らしい荷物も無く、作業自体は簡単に済んでしまう。
少しの間ぼっーっとしていると、ドアが開いて洗い物を済ませたはぁとが入ってくる。
「、そろそろ帰るの?」
「そうね、あんまり長居しても悪いし」
「ぜんぜんそんな事無いのに」
ベットの所にはぁとが腰を下ろす。床に座っている私からは少し高い位置。
「あ、あのさ……」
はぁとがシーツを右手でこねながら、おずおずと聞いてくる。
何?と答える代わりに私は視線をはぁとに向けた。
「きの……昨日の事ってさ、私の夢……じゃないよね?」
意外な答えに驚いて言葉が詰まる。
それと同時に、頑なになった心が和らいで。
私と同じように、はぁとも不安で、仕方が無かったんだ。
「……そんな訳、無いでしょう」
精一杯強がって、言ってみる。はぁとを不安にさせない為に。
「そう……だよね?良かった……」
はぁとが照れてシーツをかぶる様に体に巻きつける。
「なんかね、私ね、すっごく不安になっちゃって」
私は、正座を崩した形で床に座っている。
「昨日はあんなに幸せでいっぱいだったのに、目が覚めたら記憶が曖昧になっちゃってて」
はぁとは、膝くらいの高さのベットに腰をかけている。
「それで、夢だったんじゃないかって本当に心配──」
だから、私は膝から上を伸ばして、はぁとに唇を重ねた。
時が止まった様に静かになる。自分から、もう一度、はぁとから、もう一度。
「大丈夫よ、夢でも嘘でもなく、私ははぁとの事が好きだから」
火照った頬を浮かべ、はぁとが頷く。そして小さく「ありがとう」と私に言ってくれた。

961この世界の誰よりも4:2007/02/11(日) 20:20:48 ID:.lKeSJYwO
「ありがとうは、こっちの台詞よ」
え?と、はぁとが不思議そうな顔を浮かべる。
きっと本当に不思議なのだろう。これが、彼女のいいところの一つだ。
「ちょっと待って」
そういうと私は立ち上がってヘアバンドを頭から外して、それをはぁとの手に握らせる。
「私、ちゃんと帰ってくるから。それは、その約束の証」
一瞬呆気に取られたはぁとだったけど、意味に気がつき慌ててこう言った。
「あ、ありがとう、冴姫ちゃん!え、えと。じゃ、じゃあ私からも約束、あげるよ。
え、えーと、あ、外してる所、見られるの恥ずかしいからちょっとだけ後ろ向いててくれる?」
「わかったわ」
そう言って私は背を向ける。衣が擦れる音がしばらく続いた後、
「もういいよ」
と、はぁとの声がした。
振り向くと、彼女の手にはハートの形をした髪の毛が握られている。
それは、いつも彼女の頭頂部から可愛らしげに伸びている触角の様な部分だった。
「……いいの?こんな大事な物……」
「うん、大丈夫。私だってさーたんの大事な物、貰ったから」
そう言って彼女が髪を差し出す。
少しの風にもなびくその姿はどこまでも儚く、どこまでも自由だった。
「……ありがとう。でもね、はぁと、そのヘアバンドはあげた訳じゃないわよ?」
え?とはぁとが呟く。
「それは預けたの。私が帰ってくる証だから、私もはぁとの大切な髪の毛を返す為に、必ず日本に帰ってくるから」
あ、そうか、とはぁとがうれしそうに呟く。
「じゃあ、私、毎日これ着けて、さーたんの帰りを待ってるね!」
本当に、嬉しそうで、こっちも思わず笑顔が零れてしまう。
「ありがとう、……ねぇ、私もコレ、着けてていい?」
「もちろんだよ! 大切にしてね!」
「当然よ。……大好きな人からの預かりものなんだから」


外に出ると、日差しは眩む程に熱を帯びていた。
街はもう完全に目を覚ましていた。
目に止まるのは、見知らぬ人ばかり。
そんな中で、私はいつもの自分と違うファッションをしてる事を思い出し、
なんとなく恥ずかしく、そして、ちょっぴり誇らしくなる。
どこまでも暑いこの世界の中にセミの声が溶けている。
そして、私の頭に着いてその風に揺れるハート型の髪の毛はどこまでも自由だった。
それと同じ様にどこまでも自由な彼女が待つこの街に、私は必ず帰ってこよう────

※あとがき
この物語はギャグです。
すいません。

962この世界の誰よりも4:2007/02/11(日) 20:21:31 ID:.lKeSJYwO
1→>>958
2→>>959
3→>>960


「ありがとうは、こっちの台詞よ」
え?と、はぁとが不思議そうな顔を浮かべる。
きっと本当に不思議なのだろう。これが、彼女のいいところの一つだ。
「ちょっと待って」
そういうと私は立ち上がってヘアバンドを頭から外して、それをはぁとの手に握らせる。
「私、ちゃんと帰ってくるから。それは、その約束の証」
一瞬呆気に取られたはぁとだったけど、意味に気がつき慌ててこう言った。
「あ、ありがとう、冴姫ちゃん!え、えと。じゃ、じゃあ私からも約束、あげるよ。
え、えーと、あ、外してる所、見られるの恥ずかしいからちょっとだけ後ろ向いててくれる?」
「わかったわ」
そう言って私は背を向ける。衣が擦れる音がしばらく続いた後、
「もういいよ」
と、はぁとの声がした。
振り向くと、彼女の手にはハートの形をした髪の毛が握られている。
それは、いつも彼女の頭頂部から可愛らしげに伸びている触角の様な部分だった。
「……いいの?こんな大事な物……」
「うん、大丈夫。私だってさーたんの大事な物、貰ったから」
そう言って彼女が髪を差し出す。
少しの風にもなびくその姿はどこまでも儚く、どこまでも自由だった。
「……ありがとう。でもね、はぁと、そのヘアバンドはあげた訳じゃないわよ?」
え?とはぁとが呟く。
「それは預けたの。私が帰ってくる証だから、私もはぁとの大切な髪の毛を返す為に、必ず日本に帰ってくるから」
あ、そうか、とはぁとがうれしそうに呟く。
「じゃあ、私、毎日これ着けて、さーたんの帰りを待ってるね!」
本当に、嬉しそうで、こっちも思わず笑顔が零れてしまう。
「ありがとう、……ねぇ、私もコレ、着けてていい?」
「もちろんだよ! 大切にしてね!」
「当然よ。……大好きな人からの預かりものなんだから」


外に出ると、日差しは眩む程に熱を帯びていた。
街はもう完全に目を覚ましていた。
目に止まるのは、見知らぬ人ばかり。
そんな中で、私はいつもの自分と違うファッションをしてる事を思い出し、
なんとなく恥ずかしく、そして、ちょっぴり誇らしくなる。
どこまでも暑いこの世界の中にセミの声が溶けている。
そして、私の頭に着いてその風に揺れるハート型の髪の毛はどこまでも自由だった。
それと同じ様にどこまでも自由な彼女が待つこの街に、私は必ず帰ってこよう────

※あとがき
この物語はギャグです。
すいません。

963958-962:2007/02/11(日) 20:23:53 ID:.lKeSJYwO
間違ってアンカが無い>>961投稿してまいました。
本当にいろいろ申し訳ないです。

964名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 23:42:40 ID:eKjZfMZ20
青い長髪にピンクのハートのアホ毛想像したら吹いたw

965名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 23:49:38 ID:PjrRDUHMO
>>962
脱着可能なアホ毛ワロスwww

966名無しのアルカナ使い:2007/02/11(日) 23:54:11 ID:9iQ8/nVQO
前半とのギャップで余計に笑えるwww

967名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 00:18:54 ID:3tBrJJXc0
これは不意打ちw

968名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 00:26:34 ID:nlBg.s8.O
>>962
神ですかあなたは!

969粗品:2007/02/12(月) 01:17:57 ID:eFYzZ9.E0

           


―――――某日、昼休み


休み時間であるにも関わらず二人の生徒が机を合わせ勉強していた。
厳密に言えば、一人の生徒が問題と悪戦苦闘し、もう一方は教師役として手助けをしている。
まぁ、言ってしまえば頼子がリリカに勉強を教えているのだが。

リ「もう、あーきーたー!!止めにして外行こうよぉ〜!いい天気だしさ!」
頼「ええ!?まだ5分しか経ってないよ?それに勉強教えてって言い出したのはリリカでしょ?」
リ「う〜ん、それはそうなんだけど、もう全然わかんなくってさぁ;」
頼「えーと、どの問題?」
リ「これ」

 


 
   16×55




頼「・・・・・・・・・これ?」
リ「うん、2桁×1桁ならわかるんだけど2桁×2桁になると頭がパンクしそうになっちゃって・・・」
頼「・・・・・・リリカ、『九九』覚えてる?」
リ「失礼なっ!七の段と九の段以外ならミス無しで言えるよっ!」
頼「う、うん、ごめん。・・・えっ・・・とじゃあ5×6はいくつ?」
リ「えっと、5×6・・・ごろく、だからぁ・・・・・・・30?」
頼「そうそう、それがわかってるならもう解けたも同然だよ!」
リ「そっか、よし!えーーとここがこうなって、うーんと・・・・・・・で・・・・・こう・・・・・
  よしよし、で・・・・これで・・・出来た!頼子!出来たよ、見て!」
頼「よし、どれどれ?」








  16×55=28






頼「・・・・・・・・・・・何これ?」
リ「えへへ♪当たってるかな♪」





    瞬間、頼子の右手がリリカの頭を鷲づかみにした。
 




頼「このチンピラが!ワタシをナメてんのかッ!
  何回教えりゃあ理解できんだコラァ!!
  ろくご30ってやっておきながらなんで30減ってんだこの・・・・・・・

  ド低脳がァーーーーーーーーーーッ!!!」




最後の一言と共に繰り出された左拳で吹き飛ばされながらリリカは思った。
 

フォークで刺されなくて良かった、と。
 


                END    

下らなくてすいません。

970名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 01:22:13 ID:mo04CZ7s0
何か最近ギャグ&萌え系統が増加、真面目系統が減少の一途を辿ってるな。
まぁ思っただけだ。気にしないでくれ

971名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 01:43:58 ID:8T/Tz1ToO
>>969
おそらくはジョジョパロだろう。ちょっと吹いたw
>>970
真面目なの書くと大体長編になる。それが出来る状況の職人さんが今はいないのでわ?もう少ししたら書いてくれる方がいますよ。

972962:2007/02/12(月) 02:11:35 ID:urq5lEroO
>>964>>965>>966>>967>>968
ありがとう。
アホ毛にするかリボンにするか一日悩んだ甲斐があったわ。

>>970
んー、確かにその傾向は否めないよな。
かくいう俺も流れに逆らわずギャグ書いてしまったし;
>>971については同意。時期も時期だし、
書くんならやっぱり最後まで書ける自信が無いと、
長い奴って投下しにくいしね。
あと、スレの流れから言ってギャグの方が
レス着きやすいってのもあるのかもしれん。
かくいう俺も(ry

973名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 02:23:02 ID:mo04CZ7s0
む、まぁ仕方のないことなのかも。
ただ俺は真面目な作品がワリと好きだったりするのでちょいと残念。
ところで次スレはどこら辺がいいかな?>>980あたり?

974名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 04:02:52 ID:uDY.3Zfs0
>>980よろしく!
テンプレには保管庫と長編短編古参新参シリアスギャグパロディ何でもありの旨を。
スレタイは……

975名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 09:37:31 ID:GSrt9bKsO
>>969
何そのエアロスミスw

976名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 13:20:21 ID:H5wTa7.g0
シリアスものは現状、全キャラのエンディング見ないと
設定把握できないからなぁ…深く突っ込みづらいというのはあるかも。
アルカムックが出たら状況も良くなりそうだけど。

せっかくなのでスレタイ案
つ【ずばばばーんと】アルカナハートSSスレ 2冊目【書いちゃうよ!】

977名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 13:44:56 ID:8rPVQrec0
解いたとしても、デモ含めて初見以外チラ見だろうから完全に把握するのも難しいな。

978名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 15:01:22 ID:UCZyMDPoO
俺はさーたん以外書かないから、さーたんエンドとはぁとエンドだけ覚えておけば問題ない。
最低限覚えてればいいんじゃないか?

↓スレタイ案
【文章の】アルカナハートSSスレ 2人目【アルカナ】
2人目のとこは対戦勝利画面のイメージ。

979名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 16:54:56 ID:8T/Tz1ToO
一応全部見たけどうろ覚え。言われれば、そーいえばそーだったって感じ。ある程度は自分のオリジナル要素入れても全く問題ないと個人的には思う。俺かなり設定ねじ曲げた事あるし…。

980名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 17:46:34 ID:3tBrJJXc0
程度によると思う

流石にこれは引くわっていう設定あったらスルーするし

981名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 21:22:14 ID:cbyGm.Cs0
俺時々自分で引く設定を思いつくんだぜ?

982名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 21:30:44 ID:Gp3BeAvo0
ところで設定の話でさ。
契約のためにミケが頼子の近くから、離れられないってのはマジ?
このスレのSSにそんな話をちらりと見た。
これがマジなら、今書いてる話が根底からダメになる……!

983名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 21:34:07 ID:4hBHyfCU0
マジだけどED後ならある程度は離れられるよ

984828:2007/02/12(月) 21:44:50 ID:tlEwlQ8.0
別に自分内設定でもいいじゃないかと設定ガン無視作者が言ってみる。

985名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 22:22:15 ID:0gxaFbdkO
設定は結構真剣に考えてる俺が通りますよ。全キャラED見てストーリーの途中のセリフ等で保管して…みたいな。まあ最低キャラの性格や口調が崩れなければ設定なんて自分の思うがままでいいじゃないかと思いますよ

986名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 22:35:53 ID:cbyGm.Cs0
まぁ、>>1に書いてある通りだな。今んところ激しく否定する輩はいないからいいけど、そのうち空気読めない奴とかも現れてきそう。
と、空気読めない奴が言ってみる。

>>982
とりあえず、アメ横から頼子家の近所のミスド間なら離れられるって思えばいいんじゃね?

987名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 22:39:27 ID:Gp3BeAvo0
了解した。
ありがとういけそうだ。
答えてくれたみんなサンクス!

988名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 22:41:36 ID:uDY.3Zfs0
何か誰も立てないので、ちょっくら新スレ立ててきますね。
スレタイは早い者勝ちということで>>976

989名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 23:02:07 ID:uDY.3Zfs0
立てましたー
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/33739/1171288830/l50

990名無しのアルカナ使い:2007/02/12(月) 23:08:26 ID:cbyGm.Cs0
>>989
GJ!
こっちはもう、埋めちゃった方がいいのかな?

991名無しのアルカナ使い:2007/02/13(火) 02:24:03 ID:w9cqhv2QO
残りわずか、誰か最後にSS書いたらどうかな?
つっていきなり無駄スレわりぃ。

992はぁと×冴姫:2007/02/13(火) 04:34:36 ID:NKGxtYOE0
>>650の続きです。
前回の投下から、かなり間が空いてしまいました orz
丁度良い長さなので埋めレスに使いますね。

///// ///// ///// ///// /////

 旅館の外周は石造りの庭で囲まれている。お風呂から上がって部屋に戻ってきた冴姫は、
室内とその石庭を結ぶ縁側に腰掛けて、涼をとっていた。日中はまだ少し暑いものの、
もう季節は秋といっていい。吸い込んだ夜気は、ひんやりと身体中に染み渡る。
 冴姫は空を見上げていた。眼前の夜闇には、月と雲が浮かんでいる。けれど、冴姫が見ているのは、
そのさらに向こう側だ。遙か遠く、空の向こう側にある、もうひとつの世界。冴姫はそこに視線を送る。
胸中には、イギリスで出会った一人の親友の姿があった。冴姫は、フィオナのことを考えていた。


 空の向こう側の世界で彼女は天使になった。もう帰らない。
 2年前にミルドレッドから言われたこと。その宣告を聞いて冴姫は絶望した。
フィオナの消失を認め、深く傷ついた。
 それは間違いない。
 でも、最初から簡単に諦めたわけではなかった。
 あの忌々しいメイフィールド事件から生還して間もないころには、冴姫はフィオナとの
再会を強く信じていた。英国聖霊庁長官の言葉だろうと受け入れたりしまい。フィオナは
空に吸い込まれたけれど、いつか帰ってくる。冴姫が頑張ってさえいれば、また必ず会える。
冴姫がフィオナを助けるんだ。そうやって、がむしゃらに絶望に抗っていた時期が確かにあった。
 しかし、事件から1ヵ月が経って、2ヶ月が経って、冴姫は悟ったのだ。
 自分には何もできない、って。
 あのときの冴姫は、空っぽだった。
 幼かった。聖霊の扱いも未熟だった。それに何より、フィオナが、傍にいなかった。
 どこかにいるはずだと独りで言い張ろうとしても、現実に、冴姫の傍にフィオナはいなかった。
 冴姫は少しずつ冷静になっていく自分を止めることができなかった。
 冴姫が頑張ればフィオナは戻ってくる。だとして、では何を頑張ればいいというのか。
あの空の断絶を前にしてフィオナのために何ができるのかなんて、実のところ冴姫には全く
わかっていなかった。あんなに一緒だったフィオナが、いなくなってしまった。目の前は真っ暗で、
手の中に残っているものは何もない。喪失感と無力感に押し潰されそうだった。空っぽのまま、
やるせない感情に苛まれていた。渇いた涙の跡を別の涙で濡らしながら、毎日を過ごす他になかった。

 こんな気持ちを抱えて、ずっと生きていかなければならないのだろうか?
 ミルドレッドの宣告は絶望だ。受け入れるべきではない。
 でも、絶望することを拒んだ末に訪れる結果は、もっと悲惨なのではないだろうか?
 フィオナは消えてなんかない。もう一度会える。このまま信じ続けていたら自分はどうなるのか?
 きっと、壊れてしまう。
 何もわからず。
 寂しさに身を裂かれながら。
 それでも世界でたった独り、親友の帰りを信じて。
 手探りでフィオナの影を追い、しかし報われず、やがてぼろぼろになって壊れていく。
 あまりに重く、悲痛な未来。

993はぁと×冴姫:2007/02/13(火) 04:35:59 ID:NKGxtYOE0
>>992の続き

 2年前の冴姫は、自らの思い描いた未来図に恐怖した。
「(だから、私は絶望した……)」
 フィオナを忘れようとした。記憶からフィオナとの思い出を丸ごとえぐり出そうと思った。
 フィオナを、消えたことにしてしまおう。フィオナのことを考えなくてもいいように。フィオナに
何もしてやれない自分を責め続けなくてもいいように。痛む心の落としどころが早く見つかるように。
「(絶望を、受け入れた……)」
 身を焦がす記憶を封印して、代わりに別の何かを残そうとした。
 それは安易な希望だった。絶望は同時に、小さな希望でもあったのだ。
 冴姫の心に、フィオナのいた場所とぴったり同じ形の大穴が、口を開いた。
だが、その傷口を望んだのは冴姫自身だった。
 冴姫は傷を負ったまま、傷を隠して生きていくことを選んだ。心を閉ざしながら、
閉ざしていることを誰にも知られずに生きていこうと決めた。そうすれば、フィオナの
存在を闇に沈めて、素知らぬ顔で人生を再開できる。
 壊れずにすむ。それが希望だ。
「(絶望を、受け入れてしまった……!)」
 恐ろしく浅慮で、愚かな選択だった。
 空の向こう側の世界でフィオナは天使になった。
 その世界なら冴姫も見た。冴姫とフィオナは一緒に異世界へと吸い込まれ、冴姫だけが帰ってきた。
 冴姫は、帰ってくることができたのだ。
 だったら何故、フィオナも同じように帰還できるはずだと信じ続けなかったのか。
 壊れるまで信じ続ければよかったのだ。
 親友の存在をなかったことにして生きていくくらいなら、壊れてしまった方がマシだ。
「(なにが……なにが、希望よ!)」
 冴姫は怒りに震えた。後悔と自己嫌悪が混ざり合い、胸を掻き乱していく。
 ミルドレッドの言葉は絶望でも希望でもない。ただ、それだけのものだったはずだ。
 そこに絶望を求めたのは自分だ。無様な希望を見出したのも自分だった。
 それからはもう、過ちの連続だ。
 帰国した冴姫は、はぁとと再会した。
 はぁとの温かな笑顔に照らされて、冴姫は閉ざすはずの心を少しだけ開いた。
隠していたはずの傷口にも陽が当たり、痛みは、だんだんと消えていった。
 冴姫は、はぁとの愛がフィオナの抜けた穴を埋めてくれるのだと思った。痛みが
なくなってきたのは、傷が癒えてきたから。冴姫の感じている幸せが、その証拠になる。
フィオナの存在は順調に消えつつある。そんな都合の良い勘違いを、いくつも塗り重ねていった。
 そして、3ヶ月前の空の城で、冴姫はフィオナに言った。
『もう忘れたいの。やっと、忘れかけてきたのに』
 取り返しのつかない暴言だ。
 冴姫は空から目を逸らし、ぶら下げていた脚を寄せて体育座りした。顔を伏せて、
平常心を取り戻そうと努める。過ちが記憶に無数の染みを作っている。その全ては静かに
認めなければならない。自分には憤る資格なんてない。きつく言い聞かせながら大きく息を吐き、
冴姫は何とか激情を治めた。

994はぁと×冴姫:2007/02/13(火) 04:39:11 ID:NKGxtYOE0
>>993の続き

 空を見上げてはフィオナを思い出し、憤怒とともに我に返る。最近は、こんなことを
幾度も繰り返していた。
 日を追って強くなる自責の念。その始まりを、冴姫は正確に覚えている。
 3ヵ月前の出来事を越えて、冴姫とはぁとの絆は急速に強くなった。二人の間に、
お互いを深く求め合う感情が育っていった。
 冴姫も自分の気持ちに気付き始めた。はぁとと一緒に多くの時間を過ごすようになった。
一緒にいないときには、はぁとのことを沢山考えた。はぁとの中身は冴姫とは全く違っていて、
それをあれこれと想像しているだけで、恋しさがいくらでも溢れてきた。はぁとの奥深くを
理解するための努力を、冴姫は夢中で費やしていた。
 そうして、あるとき冴姫は、ひとつの疑問に行き当たったのだ。
 はぁとは冴姫におかえりと言った。はぁとは冴姫の帰りを、ずっと待っていた。
 どうしてだろう。
 冴姫と離れている間も、はぁとは幸せだったに違いない。はぁとの傍には家族がいて、
友人がいた。はぁとの周囲には、いつも、あの子の言う愛の世界が広がっていたはずだ。
その気になれば幸せで心を隙間なく満たせたのではないか。わざわざ冴姫のいた場所を
空けたままにして、冴姫の帰る場所を用意して、待っていてくれたのは何故なのか。
 考えたら、すぐにわかった。
 はぁとにとって、大切な人に代わりはいないのだ。
 だから、冴姫の抜けた穴を冴姫以外のもので埋めようなんて、そもそも思いつきもしなかった。
 それは、芽生えた始めたばかりの恋心とも関係がない、もっと基本的で簡単な問題だった。
はぁとは、例えば舞織やリリカと離れたって、同じように待つだろうから。はぁとは、ただ、
誰に対しても正面から誠実に向き合っているだけだ。
 疑問の答を見つけ出した冴姫が、次に考えたこと。
 自分はどうなのだろう。
 この傷口を、はぁとの愛が癒してくれると思っていた。
 本当にそうなのだろうか。
 親友の存在を消して生きていく。
 大切な人を失ってできた大穴を、別の大切な人との思い出で埋めていく。
 そんなことが許されるのか。
 本当に、可能だと思っているのか。
 冴姫は、過ちの全てを、ようやく自覚した。
 悔恨は、そこから始まった。

995はぁと×冴姫:2007/02/13(火) 04:42:44 ID:NKGxtYOE0
>>994の続き

 空の城で見たフィオナを、何かの幻だと言って忘れてしまう。その後に聞いた
ミルドレッドの話を、狂人の妄言として切り捨てる。あるいは、いつかまた会えたらいいと
淡い期待を抱きながら、何もせずにフィオナを待っている。
 そうすれば、はぁとと一緒の幸せな日々が手に入る。どれかひとつでも受け入れれば、楽になれる。
 しかし、それでは、2年前と何も変わらない。あのときのように、小さな希望にすがって
困難から逃げてはならない。
 フィオナと正面から向き合おう。今、フィオナのために何ができるのか考えてみよう。
 痛みがなくなったって、傷は残っているから。どんなに幸せな日々を過ごしていたって、
フィオナから目を背けている限り、そこにいるのは絶望に屈服した無様な負け犬だ。本物の
冴姫じゃない。
 フィオナがどこにいたって、どこにもいなくたって、冴姫の中のフィオナは一生消えない。
逃げるのも、知らん振りも、許されない。冴姫がはぁとの心に帰ったように、この傷口は
フィオナの帰る場所になるのだ。フィオナの抜けた穴はフィオナにしか埋められない。
 大切な人に代わりはきかない。はぁとにはフィオナの代わりはできない。
 そして、そうだ。
 はぁとは、フィオナの代わりなんかじゃない。
 決して、代わりなんかじゃないから。 
 自分のために、フィオナのために、はぁとのために、冴姫は悔恨を決断へと導いていった。
 でも結局は、それがはぁとを追い詰めていたということなのだろう。
 冴姫が空を見上げ、決意を固めていく横で、はぁとは辛い思いをしていた。はぁとらしくない
黒い感情を胸に溜め込んでいた。
 冴姫は、はぁとの愛の大きさを認めるのが怖くて、ついてきてほしいと素直に伝えられずにいた。
はぁとのための決断などど言いながら、自分のトラウマを乗り越えるのに勇み足で、色々なものが
見えなくなっていた。
 結果として起こったのが、昨晩の、あの告白だ。


 長い追憶が終わって、冴姫は体育座りを解いた。
 怒りはない。もう、すっかり冷静だった。
 冷然とした空気の中で、冴姫はひとり、眼を閉じた。
 いくばくかの時が流れたころ、
「ただいまー」
 あの子の声が聞こえてきた。はぁとが、部屋に帰ってきた。

996はぁと×冴姫:2007/02/13(火) 04:46:57 ID:NKGxtYOE0
>>995の続き

 大浴場から戻ってくる途中、冴姫が半ば独り言で喉が渇いたわねと呟いたら、はぁとは
それを耳ざとく聞きつけ、じゃあ飲み物を買ってくると言って飛んでいった。そんなこんなで、
朝からずっとべったりだった二人は別行動をしていたのだった。
「あれえ。 さーたーん? いないのー?」
「はぁと、こっち」
 室内へ呼びかけると、はぁとは縁側に顔を出した。
「あ、さーたん発見」
「ちゃんと買えたの?」
「うん。部屋の中に置いといたよ」
 はぁとは素早い動作で近づいて、冴姫の隣に腰掛けた。
「涼しいね、ここ」
 言いながら、さりげなく手を繋いでくる。冴姫は驚かずに、相づちを打って握り返した。
 帰ってきたはぁとは、あっという間に冴姫の傍らへと納まった。

 二人で肩を寄せ合って涼んでいると、はぁとがいきなり大きな声を出した。
「ねえねえ! さーたんは一人でも大丈夫だった!?」
「何のこと?」
 やたらなハイテンションに途惑いつつ、問い返す。
「私がおつかいに行ってるあいだ、さーたんは寂かったのかな〜、って!」
「……別に寂しくなかったけど」
「そうなの?」
「離れていたのなんて、たかだか30分かそこらでしょ」
「……ふうん」
 はぁとの勢いは、そこでいったん落ち着いた。
 が、すぐ元に戻った。
「私はね! すっごく寂しかったんだ〜♪ だから、急いで帰ってきたよ♪」
 まるで、寂しかったのが逆に嬉しかったとでも言うように、底抜けて明るい口調だった。
 それを聞いていたら、はぁとの意図が何となくわかった。
「ここで問題です!」
 ――ほら、やっぱり来た。
「どうして私は寂しかったのでしょーか?」
「私を愛してるから」
 冴姫は即答した。
「…………あれ?」
「間違い?」
「正解です……」
 はぁとは面食らっている。
「さーたん、よくわかったね」
「お風呂場でやったのと同じだもの」
 冴姫が指摘すると、はぁとは思案顔で、あさっての方角を見た。
 うーん?、と数秒間うなってから、収穫なしといった感じで戻ってくる。
「……同じじゃないよ?」
 冴姫は小さく笑った。
「同じよ。ほとんど同じ」
「そうかなあ……?」
 多分、はぁとは買い物の道中、本当に寂しかったのだろう。でも、この謎かけをひらめいて、
冴姫に披露する場面を想像しているうちに、逆に楽しくなってしまったのだ。それで大急ぎで
帰ってきて、さっきまで切り出すタイミングを窺っていた。
 はぁとは、今日の昼間からずっと、冴姫へ気持ちを伝えることに飢えているようだった。
伝えても伝えても足りないらしく、こうやって似通った愛情表現ばかり繰り返してくる。
 真剣に考え込んでいるはぁとの横顔を見ていたら、冴姫は何だか胸が熱くなった。
「はぁとは、素直よね」
 こみ上げてきたものを、そのまま言葉にしてみる。
「うらやましいわ。シンプルで」
 こっちに向き直ったはぁとは、曖昧な表情を浮かべた。どう反応していいかわからない。そんな様子だ。
 冴姫の気持ちが、ちゃんと伝わっていない。
「褒めてるのよ? うらやましいって言ってるでしょう?」
 念を押しても、はぁとは不透明に頷くだけ。
 冴姫は、もどかしさに身じろいだ。
 私も伝えたいのに。この子を今すぐ笑顔にしてあげたいのに、うまくいかない。
 何か良い方法はないだろうか。ひとつ思いついて、冴姫は繋いでいない方の腕を、
はぁとに向かって伸ばした。
「さーたん?」
 はぁとに上目遣いで見つめられて、少し躊躇する。けれど、思いきって、はぁとの髪に触れた。
「わっ」
 柔らかく、しなやかな毛並み。その感触を手の平でこねる。
 冴姫は、はぁとの頭を撫でて微笑んだ。なるたけ優しい印象を与えられるように、願いを込めながら。
「わっ。わっ」
「こうしたら、褒めているってわかる?」
 はぁとは、こくこくと頷いた。
 やっと伝わった。
 照れくさい達成感に満たされて撫で続けていると、はぁとは目を細めた。何も喋らずに、
ただ頬を染めて、瞳をとろりと溶かす。とても幸せそうに笑っているが、いつもの元気一杯の
笑顔とは少し違った。冴姫の知らない、はぁとの新しい一面だった。
「もっとなでて……」
「ふふ」
 冴姫は、はぁとに愛おしさを感じた。
 はぁとの頭の触覚が、冴姫の手の動きに合わせて揺れている。はぁとの瞳には、
今、冴姫だけが映っている。
 はぁとが愛おしくて、たまらない。

997はぁと×冴姫:2007/02/13(火) 04:48:50 ID:NKGxtYOE0
+++ 続く +++

付け足し忘れた orz
まだ続くのかよ長えよとか言われてもキニシナイ!!

998名無しのアルカナ使い:2007/02/13(火) 06:30:39 ID:j.jq7A9Q0
いいよいいよー!

999名無しのアルカナ使い:2007/02/13(火) 06:45:07 ID:7KcD4irQO
キター!!
僕はずっと、待ってた!アンタを!!
いいよいいよー!もっと続けて!


さて、俺もはぁと×冴姫のガチエロ書かなきゃ…orz
今日中に仕上げないと、もう一つのバレンタインモノが間に合わないからなー(遠い目

1000名無しのアルカナ使い:2007/02/13(火) 06:56:42 ID:yX7MJpE2O
1000ゲト はぁと×サキ最高です!!!もっと続きが見たいです!
頑張って下さい
他の皆さんの作品もかなり大好きですぅ!!!他の人達も楽しみに待ってるので頑張って下さい!!!!
GJ

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