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【SS】夏美「2期生対抗、休日コーディネート選手権〜!」
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夏美「ですの〜!」ドンドンパフパフー♪
メイ「あ〜、またなんか面倒くさそうなのが始まったぞおい……」
四季「じゃあ私、科学部に行くから」
きな子「きな子も生徒会があるっす」
夏美「ちょおおおおおい待ち!ほら、メイも2人をフンフンディフェンスで止めるんですの!」
メイ「ああ?何で私が……」
夏美「2人ともまずは話を聞くんですの!聞きもしないでどこかに行くのはあんまりですの!CEO権限発動ですの!」
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今日から3日間、牛久のイベントへの気運を高めるため、書き溜めた2期生+マルガレーテメインのSSを投下していきます
最後まで書いてあります ではよろしく
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四季「夏美ちゃん、悪いけど私の耳はCEOが遊び半分で思い付いた戯言を受け止めるためにあるわけじゃない。それなら野山でカブトムシの鳴き声でも聞いておいた方がマシ」
夏美「私、虫以下ですの!?」ガーン
きな子「メイちゃん、カブトムシって鳴くんすか?」
メイ「いや鳴かないだろ。見たことあんのか?」
きな子「きな子の地元にカブトムシはいないっす」
夏美「うわーんもう!いいから聞くんですの!今日は後輩のための話なんですの!Liella!の未来、大事な後輩のマルガレーテのための話なんですの!」
四季「マルガレーテちゃん?」
きな子「マルガレーテちゃんがどうかしたんすか?」
夏美「!」ニヤッ
メイ「あっ……」
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夏美「ほーーーら気になるんですの!ささっ、四季もきな子も座るんですの。今お茶を淹れますの!」
きな子「えっ?き、きな子今日は生徒会報誌についての話し合いが……」
四季「私も科学部でジャガイモの皮早剝き機のプロトタイプを」
夏美「後輩の!スクールアイドル部の大切な後輩のためですの!ハイ、こーはい!こーはい!わっせ!わっせ!」
きな子「あぁ〜……ちょ、ちょっとだけっすよ?」
四季「Me too.」
メイ「(また逃げきれなかったか……)」
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メイ「で、マルガレーテがなんだって?」
夏美「あら、メイは食いつきが早くて嬉しいんですの」
メイ「うだうだしてたらお前の話が終わらないからだろ。さっさと始めろよ」
夏美「んぐ……。えー、では、おほん……」
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夏美「みんな、マルガレーテが休みの日に何をしてるか知ってますの?」
きな子「休みの日っすか?」
メイ「マルガレーテの休日……考えたこともねえな」
四季「そもそも、休みという概念がマルガレーテちゃんとうまく結びつかない。空いた時間があったら、隙間なくトレーニングでもしていそうなイメージ。ランニングとか、ボイストレーニングとか」
きな子「あ〜、分かるっす。ストイックの塊みたいな性格してるっすもんね」
メイ「疲れそ〜……絶っ対マネできねえ」
四季「それに、確か家に帰ってからもかのん先輩の家のお店を手伝っているはず」
メイ「あーそうだわ。Liella!のブログに誰かそんな記事あげてたな」
きな子「きな子だったらそんなの3日でバタンキューっす。体力持たないっすよ」
夏美「まあそういうことなんですの」
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夏美「実際冬毬に話を聞いたら、トマカノーテで活動してた時期から本当にずっとそうだったらしいんですの。隙あらばトレーニング、トレーニング。もっと高みへもっと高みへ。まるで棒高跳びのような精神力ですの」
メイ「うへぇ……年下と思えねえな。どんな一日を送ってるか割とマジで見てみたいぜ」
きな子「そうだ!夏美ちゃんに密着映像を作ってもらえばいいっすよ!オニフェッショナル〜アイドルの流儀〜Liella!ウィーン・マルガレーテ、異国の地で研鑽の日々って!」
メイ「おお良いじゃねえか!それは再生数回るぞ!」
夏美「そんな企画とっくに検討済みですの。冬毬を通して大分前に声を掛けましたの」
きな子「マルガレーテちゃんは何って?」
夏美「『知らない』って、あの冷たーい目で言われたらしいですの」ハァー…
きな子「あ〜……目に浮かぶっす」
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メイ「まあだろうな。まさか隠し撮りなんかするわけにもいかねえし」
夏美「そもそも隠し撮りなんかしたって、本人の許諾がないと動画を公開できませんの」
メイ「そりゃそうか」
四季「そう、せっかく発明品の性能チェックができると思ったのに」
きな子「発明品?」
四季「極小サイズの高画質定点カメラ、消音性能抜群の超遠隔サイレントドローン、それと胸に挿すタイプのボールペン型スパイカム。どれも暗所に対応済みだから夜道でも安心。ちゃんとテストは済ませてある」
メイ「おいお前、それいつどこでテストした?」
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期待
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夏美「話を戻してマルガレーテの休日ですの」
きな子「ん〜……トレーニングトレーニングで息が詰まらないんすかね?」
四季「夢の為にわざわざ日本に来て自分磨きをしてるんだから、逆にこういうストイックな生活ができていいのかも。母国にいると、色々甘えてしまう部分がある、とか」
きな子「なるほど、武者修行的な感じっすか」
メイ「15でそれはヤバすぎだろ……。私たちの1個下だぞアイツ」
きな子「見えないっすよね〜。マルガレーテちゃん、大人っぽいっす。精神的にもきな子たちよりかなり大人な感じがするっす」
四季「そこらをはしゃぎ回ってるところが想像できない」
メイ「確かに人間味ないよな〜マルガレーテ。ここまでくると、逆にどんな息抜きをしてるのかが気になるな」
夏美「ハイきたああああああああああああああああ!!!」
3人「!?」ビクッ!
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夏美「それですのメイ!もうさっすがですの!」
メイ「え、あ、はい?」
夏美「息抜きですの!マルガレーテが息抜きをしてる所を、私たちはまだ観測したことがありませんの!」
メイ「観測て……」
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夏美「じゃあメイ、マルガレーテが休日の朝起きました。1時間弱のランニングを済ませて軽くシャワーを浴び、朝食を摂ってまだ朝8時。さあ、マルガレーテは一体ここから何をするんですの?」
メイ「んえ?あ〜……」
夏美「ブッブー!ですの!」シュバッ
メイ「へ?」
夏美「遅っそいですのメイ!マルガレーテはその場でジッとしていませんの!メイがぐずぐず考えているうちに、心の中のマルガレーテは近所の川原にボイトレに行ってしまいましたー!」
メイ「いや早過ぎるだろ!」
夏美「ちなみに川原に向かう途中で横断歩道を渡り切れないおばあちゃんを助け、茂みに捨てられている空き缶をゴミ箱へ捨て直し、警察官から感謝されましたー!」
メイ「人が出来てるなアイツ!」
夏美「それを見ていたパン屋さんが焼き立てのクロワッサンをくれて、あまりのいい匂いにすぐさま食べたけど、水を持ってなくて口の中がパッサパサになりましたー!ぷぷー!これからボイトレをしますのにー!」クスクス
メイ「持ってるよ!ボイトレするのに水くらい持って家を出るよマルガレーテは!」
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夏美「じゃあ第2問!ボイトレを終えて家に帰ったマルガレーテ。まだ朝の10時少し前。さあ、何をしますの?」
メイ「え?ああ……え〜っと……」
夏美「ブッブー!ですの!」シュバッ
メイ「だから早いって!」バァン!
夏美「マルガレーテは少しも休んだりしませんの!メイがぐずぐず考えているうちに、心の中のマルガレーテは店の食器の洗い方が完璧かチェックし始めてしまいましたー!」
メイ「何でアイツがそんなことしてるんだよ!」
夏美「昨夜最後に洗い物をしていたのがかのん先輩だったからですー!」
メイ「信頼されてねえなかのん先輩!」
夏美「あとその日は冬毬が店に来るから、ちゃんと洗えてなかった時にブチギレられると思って、怖くてチェックしてたんですー!」
メイ「お前の妹に武者修行中のオーストリア人にはもっと優しくしろって言っとけ!」
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夏美「はぁー分かってない!メイはマルガレーテのこと全っ然分かっていませんの!」
メイ「お前の心の中のマルガレーテがせわしなく動き過ぎなんだよ!休みの日ぐらいぐっすり寝させとけ!」
夏美「でも朝のランニングとボイトレと店の手伝いは否定できませんの!休みの日でもこのくらいやるだろマルガレーテは!ってみんなそこは納得してしまっていますの!」
メイ「う゛っ……!」
きな子「た、確かに……」
夏美「何だかサイボーグみたいなんですの!練習練習練習!特訓特訓特訓!さっきメイが言ってた通り、人間味が無さすぎですの!その内四季の作ったスクールアイドル養成ギプスとか着けて練習し始めてしまいますの!」
メイ「四季!お前そんなものを!?」バッ
きな子「マルガレーテちゃんがマルガレきんにくんになっちゃうっす!」
四季「作ってない作ってない」
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夏美「そうなる前に!マルガレーテがボディービルダーになってオーストリアに帰ってしまう前に!私たちでマルガレーテに、人間らしい休日の過ごし方を教えてあげますの!」
メイ「ええ?」
きな子「きな子たちがっすか?」
夏美「他に誰が教えるんですの!留学準備、オーディション、大学受験で忙しい先輩たちに、こんな手のかかりそうなことを手伝えって言うんですの!?」
四季「確かにそう言われれば」
きな子「それはちょっと気が引けるっす……」
夏美「そう、今動けるのは私たち2期生しかいませんの!これは私たちが今、率先して立ち向かうべき問題なんですの!」
メイ「なるほど」
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追いついた
期待
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夏美「そ・こ・で!」
3人「?」
夏美「冒頭に戻ってタイトルコール!」
メイ「げっ……」
夏美「後輩に素晴らしい休日をプレゼントしろ!2期生対抗、休日コーディネート選手権〜!」ドンドンパフパフー♪
メイ「しまったこういうことになるのか……」
きな子「あららっす……」
四季「上手く持っていかれてしまった」
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夏美「さあ、もうタイトルで分かったんですの!私たち2期生4人で、マルガレーテに素晴らしい休日をプレゼントしますの!」
夏美「気付けば表に走りに行き、気付けば川原に歌いに行き、気付けば皿を洗ってしまう……」
夏美「否っ!」バン!
夏美「そんな休日は否ですの!」
夏美「せっかく日本に来たのに!日本には素晴らしい場所や文化がいっぱいありますのに!」
夏美「将来大スターになったマルガレーテが日本に来て取材を受けた時」
≪インタビュアー『マルガレーテさんが昔留学していた頃の日本の思い出は?』
マル『えーっと……広くない家と……そんなに綺麗じゃない川と………………はい』≫
夏美「日本がっ!」バァン!
夏美「日本がナメられるッ!!」
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夏美「こんなのは言語道断ですの!日本が留学生を楽しませず帰らせたダメな国認定されてしまいますの!」
メイ「お前の中のマルガレーテ、言語化能力ヤバすぎるだろ」
夏美「と・に・か・く!!」
夏美「私たち4人で、マルガレーテに息抜きの仕方、休日の楽しさ、ひいては日本の素晴らしさを、徹底的に叩き込んでやりますの!」
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夏美「まず、みんなには今週一週間で、それぞれマルガレーテを連れて行ってあげたい場所、そして体験させてあげたいことを考えてきてもらいますの」
夏美「そして、来週と再来週の週末合計4日間、それぞれが考えてきたプランで、マルガレーテの休日を素敵にコーディネートしてあげるんですの」
メイ「マルガレーテと行きたい場所……」
きな子「やりたいこと」
四季「表はまだまだ暑い……ハッ!」
四季「CEO、我々は部室で、冷たいアイスを所望する」
夏美「先輩たちのそういう情けないところを見て、マルガレーテは一人で川原にボイトレに行ってしまうのではないんですの?」
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ドキドキデート大作戦
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夏美「それに、我々は〜じゃなくて、今回は4人の対抗戦ですの」
メイ「ああそうか。うへ〜……じゃあ1人でプラン考えるのかよ……」
夏美「今回は4人バラバラで、それぞれ1日ずつマルガレーテと行動してもらいますの。マルガレーテには2週間週末を潰させることになるけど、どうせ予定もないだろうし、まあお皿を洗ってるだけの週末より楽しくさせれば勝ちだから、そこは問題ないですの」
きな子「そういえばマルガレーテちゃん、教室に友達とかいるんすかね?」
夏美「少なくとも冬毬がいるから安心しますの。冬毬なら大丈夫ですの」
メイ「冬毬への絶対的な信頼感」
四季「いい姉者」
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夏美「あと、1期生の先輩たちにも協力してもらいますの」
メイ「お、それはいいな」
きな子「なんかこれから卒業付近にかけてが一番慌ただしそうっすもんね」
四季「ラブライブ、オーディション、受験。やることは山積み。本当に今が一緒に行動できる、最後の機会なのかも」
メイ「それに代わるものができれば一番いいけどな」
きな子「頭ひねって考えるっす!」
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四季「ところでCEO、どこに行く、何をするにしても、結局は予算が肝心。我々のポケットマネーだけでは、原宿を闊歩するのが関の山」
きな子「きな子は一人暮らしだから、ちょっと生活費に手は付けられないっす……」
夏美「その辺は安心しますの」
PCドン!
夏美「最近Liella!の知名度も更に上がってきて、ありがたいことに動画の収益化もそこそこ上手くいっていますの。若干だけど、予算は都合がつきますの」
きな子「おおー!」パチパチ
夏美「あんまり派手なことはできないけど、1期生と冬毬を連れてちょっと遠出するくらいなら余裕ですの」
メイ「遠出ねえ」
四季「日帰り?」
夏美「泊まってもいいけど、一応4人バラバラで1日ずつにしようと思ってるから、そこら辺は前後の人と兼ね合いで決めてほしいんですの」
夏美「あと、流石に全員遠出となると予算がかっつかつになるから、できたら1、2チームにしておいてもらえると助かりますの」
四季「なるほど」
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メイ「なあ、先輩たちは4チームで分けるのか?」
夏美「そうですの。誰と何をするのかは話し合いで決めますの。流石に今の時期に何回も引っ張り回すのはちょっと申し訳ないし……あ、冬毬は私のチームがもらいますの。これは決定事項ですの!」
メイ「じゃあマルガレーテだけじゃなくて、先輩たちのことも考えなきゃいけないじゃねえか。うわー、大変大変」
四季「(全然大変そうな顔をしてない)」
きな子「(めちゃくちゃ嬉しそうっす)」
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夏美「どれが一番楽しかったか、結果は後日、全員の前でマルガレーテに直接順位を発表してもらいますの」
メイ「順位決めるのか」
夏美「もちろん。そ・し・て!」ペカーッ
きな子「?」
夏美「敗者にはもちろん、重い重い、恐怖の罰ゲームがありますのー!」
メイ「であっ!?」
きな子「ひいっ!」
四季「おーまいがー」
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メイ「おいおい!今回はいいだろそういうの!」
夏美「ダーメですの!絶対ですの!」
夏美「こういう企画は基本的に罰ゲームが無いとダレるんですの!テキトーにやってもマルガレーテも先輩もどうせ笑って許してくれるっしょ!みたいなダラけた考えになるんですの!」
夏美「金銭の発生しない仕事に対して人間は必ずテキトーになるんですの!こういうのは責任責務が付きまとわない学生ノリでやっても全く面白くないんですの!人間はそういう生き物なんですの!私が保証しますの!」ジタバタ
メイ「(実体験くさいな)」
きな子「(実体験くさいっすね)」
四季「(確実に実体験)」
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メイ「あー、分かった分かった……。で、罰ゲームってのは?」
夏美「おお、メイは物分かりがいいから好きですの!オホン!」
夏美「今回の対決の罰ゲームは……」
きな子「……」ゴクリ
メイ「……」
四季「……」
夏美「1か月間!毎日朝昼、プロテイン生活〜!!!」
メイ「だああああああああああああああああああ!」
きな子「ぎええええええええええええええ!」
四季「パワー…………ハッ!(笑顔)」グッ
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メイ「おいふざけるな!私たちの太ももが倍になっちまうだろうが!」
夏美「マルガレーテのようにトレーニングをすればいいんですの!朝練して昼休みも走って、それからプロテインを飲めば太りませんの!」
四季「夏美ちゃん、夏美ちゃんは毎日牛久から通ってるけど、朝走る時間とかあるの?」
きな子「あっ、ホントっす!通学時間を理由に逃げるつもりっすね!夏美ちゃん、ハナからプロテインなんか飲まないつもりっす!」
夏美「……は?」プチッ
メイ「あ、ヤバ」
夏美「私がやらない?罰ゲームを……?」
夏美「ナメてますの……?私の罰ゲームに対する気持ちを、ナメてますの!?」クワッ!
メイ「お、落ち着け夏美!」
夏美「上っ等ですのーーー!」バァン!
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四季ノリノリでかわええ
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夏美「飲んでやりますの!滅茶苦茶飲んでやりますの!冬毬の監視をつけてもいいんですの!女に二言は無いですの!!ええ?!ああン?!」ゴゴゴゴゴ
きな子「ひいっ!」
夏美「飲み過ぎで太るって言うなら、走らない代わりに毎日牛久から各駅停車の満員電車で空気椅子しながら通学してやりますの!!太ももなんかサトテルの足くらい太くしてやりますの!うおおおおおお!打てーーーっ!テルーーーッ!!!」ブンッブンッ
メイ「おいスクールアイドルがしていい顔じゃねえ!今すぐ止めろ!」
きな子「あわわわきな子が悪かったっす!飲むっす!夏美ちゃんは絶対に飲むっす!」
夏美「負・け・た・ら・ね!!!」ギンギン
四季「(サトテルとは……?)」
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サトテルで草
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数分後
メイ「落ち着いたか?」サスサス
夏美「も、申し訳ないですの……ちょっと心外で……」
きな子「夏美ちゃん、かなり怖かったっす……」
四季「デーモンかと思った、鬼だけに」
夏美「えー……オホン。それでは、一週間後までにみんなそれぞれの案を私に提出しますの。予算の兼ね合いとスケジュールのすり合わせがあるから、まとまった人からできるだけ早めにお願いしますの」
メイ「お、おう……」
四季「アグリー」
夏美「あと、当日までくれぐれもマルガレーテにはバレないように。私が中心になって色々取りまとめるから、連絡は私にLINEで直接お願いしますの。Liella!のLINEグループとは絶対に間違えないように」
きな子「はいっす」
四季「ういっす」
メイ「ういっす……」
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夏美「と、いうわけで……」
クルッ
夏美「各々準備に取りかかるんですの!マルガレーテに息抜きの大切さと休日の素晴らしさを、徹底的に叩きこんでやりますのー!」
きな子「お、おーーーっ!」
四季「おー」
メイ「おー……」
メイ「(ダメだ、まだ怖い……)」ドキドキ
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いま、今日の分の半分くらいです
風呂入ったら、続きやります
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期待
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再開しまーす
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土曜、放課後
マル「はあ?放課後練習なし?何でいきなり?」
冬毬「先輩方に何か事情があるみたいです」
マル「今週と来週の週末はスペシャルメニューを組んだから、朝から晩まで空けとけってかのんが言ったんじゃない。事情って何よ?」
冬毬「分かりません。でも姉者からこの手紙を託かりました。マルガレーテ、あなた宛です」
マル「私?」ペラ
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マルガレーテへ
今週と来週の土日、マルガレーテにはちょーっと私たちに付き合ってもらいますの。
スケジュールを空けておくように言っておいたのは、実はそのためですの。
今、土曜の授業が全部終わって、これから放課後のはずですの。
昼食を摂ったら、右下のQRコードを読み取って、アプリを使って指定の場所まで来るんですの。
それでは良い午後を♪
鬼塚夏美
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マル「―――で、紙に従ってここに来たけど……」
マル「何ここ?……神社?」
マル「誰もいないし……」
マル「ちょっと、来たわよー。誰かいないのー?」
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テケテケ テッテ テッテッテ〜ン♪
マル「ん?何この中華料理屋みた……」
バァーーーーーーン!!!(銅鑼)
マル「わっ!うるさ!」ビクッ
???『呃啊!!!喝啊!!!』ビシッ!
マル「!?」
???『フンッ!!!ハッ!!!』バシッ!
マル「えっ?えっ?」
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???『呃啊!!!喝啊!!!』ビシッ!
???『フンッ!!!ハッ!!!』バシッ!
テケテケ テッテ テッテッテ〜ン♪
???『よく来ましたネーーー!マルマルーーー!』
バァーーーーーーン!!!(銅鑼)
マル「だあーーー!だからうるさいってば!何なのよ一体!」
???『とおっ!』バッ!
シュタッ シュタッ シュタッ
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???「この世で一番強い格闘技でございマスか」
マル「は、はあ?」
???「グレイシー、K-1……いろいろございますなァ……ただ――――――」
マル「ちょっと何言って……」
???「たった一つだけというのならやはり……」
???「呃啊!!!喝啊!!!」ビシッ!
???「フンッ!!!ハッ!!!」バシッ!
可可「―――中国拳法で ございマス―――」
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四季「呃啊!!!喝啊!!!」ビシッ!
千砂都「フンッ!!!ハッ!!!」バシッ!
マル「えっと……可可先輩に、四季先輩、それに……千砂都先輩?」
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可可「よく来ましたね!マルマル!」
四季「歓迎する、新たなる烈士よ」
千砂都「その熱き眼差し、違い無く我等が同胞!」
マル「は、はあ?」
可可「我等!」バッ!
3人「中国拳法、白林寺、結ヶ丘支部!!!」
バァーーーーーーン!!!(銅鑼)
マル「もーーーうるさいってば!てか先輩達が鳴らしてないなら誰が鳴らしてんのよコレ!」
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ツカツカツカ
可可「改めてよく来まシタね、マルマル」アクシュ
マル「そっちが呼び出したんでしょ……何なのよ練習もしないで」
可可「マルマル、シッキーから話は聞いてい「呃啊!!!喝啊!!!」ビシッ
可可「マルマルが普段休むこ「フンッ!!!ハッ!!!」バシッ!
可可「うるさいデス四季洋王!ちぃ洋王!」
四季「非常抱歉!!!」
マル「四季先輩は何で中国語使えるのよ……」
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マル「……で、何なのこれ?」
可可「四季洋王、説明を」
四季「ハッ」
マル「さっきからその洋王って何?」
四季「我々同胞、李絵羅一同」
マル「日本語でお願い」
四季「私たちLiella!はこれから2週間、マルガレーテちゃんの週末をジャックすることにした」
マル「はあ?」
四季「マルガレーテちゃんはいつも休んでいる様子がない。暇さえあればトレーニング&トレーニング。その上、かのん先輩の家の手伝いもしている。とても凄いし、とってもいい子」
マル「べ、別にいい子だなんて///」
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四季「だけど、私たちは心配している。マルガレーテちゃんがいつ、どうやって息抜きをしているのか、全く知らない」
マル「息抜き?そうね、マンガを読んだり、あとはかのんと……」
四季「呃啊!!!」ブオンッ!
マル「うおおっ!?」
マル「あっぶな!?何するのよ!私が避けてなかったら今頃顔に消えない傷が残ってたわよ!?」
四季「回答は求めていない。マルガレーテちゃんは今回設定上、息抜きの仕方が分からない外国人留学生という立場を遵守してもらわないと困る」
マル「はあ?何を勝手に」
四季「とにかく今日と明日、それに来週の土日は、私たち2期生がマルガレーテちゃんのために考えた、それぞれの休日の過ごし方に付き合ってもらう」
千砂都「2期生のみんなが、マルガレーテちゃんに息抜きの仕方と、素敵な休日の過ごし方を叩きこむことになってるから、遠慮せずに甘えるんだよ!」
可可「素敵な先輩を持ってよかったデスねーマルマル!」
マル「……ナニコレ」
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マル「……それで、その格好は?」
可可「?」
マル「っていうか、これは一体何の催しなの?先輩たちは私に息抜きを教えてくれるのよね?」
可可「!!」バッ
四季「呃啊!!!喝啊!!!」ビシッ!
千砂都「フンッ!!!ハッ!!!」バシッ!
可可「マルマル!今日はシッキー……じゃなくて、四季洋王の考えた、中国拳法体験をしてもらいマスよー!」
バァーーーーーーン!!!(銅鑼)
マル「(もういい、この音は放っておく)」
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マル「中国拳法?」
四季「中国拳法。それはこの世に存在する、ありとあらゆる格闘技の頂点に君臨する最高の武術」
可可「中国4000年の歴史、それは、中国拳法の強さに支えられて来たものでもありマス」
マル「格闘技って……まさか殴り合いでもしろっていうの?」
可可「マルマル、よく聞くのデス。可可たちはスクールアイドルですよ?顔に傷でも付いたら大変デス」
マル「さっき顔面イカれかけたんだけど!」
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四季「中国拳法というのは、例えるならば膨大な学問。人を殴る蹴るするだけがその本分ではない」
可可「マルマル、ちぃ洋王を見るのデス」
マル「?」
千砂都「…………」
マル「何あれ?変なポーズ……」
四季「演武の途中。断じて変なポーズではない」
可可「見てくだサイ」
蝶々 ヒラヒラヒラヒラ……
千砂都「…………」
蝶々 ヒラヒラヒラ…………ピトッ
マル「!?」
マル「(蝶々が……指に……!?)」
可可「アレが、中国拳法の神髄デス」
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可可「中国拳法を極めると、叩く、撃つ、蹴る、守護る、などの格闘要素に加え、あのようにまるで自然と一体になるような、人間離れした芸当もできるようになるのデス。生き物としての極地デス」
千砂都「――――――!」カッ!
蝶々 パッ
蝶々 ヒラヒラヒラヒラ……
マル「あっ」
四季「行ってしまった」
可可「ちぃ洋王が『戻ってきた』のデス。空にしていた己の中に自分を『戻し』、再び人として動き始めまシタ」
四季「それで蝶が人に留っていたと気付き、飛んで行ってしまった」
マル「ええ……」
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可可「さあマルマル!マルマルには今日一日であの境地まで行ってもらいマスよ!」
マル「はあ!?千砂都先輩がどんなマジックを使ったか知らないけど、あんなことできるわけないでしょ!」
四季「マジックではない。あれは修行の成果」
マル「修行って、先輩たちはただでさえオーディションとか部活の掛け持ちで忙しいのに、一体いつ中国拳法の修行なんてしたのよ!」
千砂都「生きること、それ即ち、全て修行なり!」
可可「さあマルマル!まずは形からデス!早速道着に着替えて、走り込みから始めマスよ!」バッ!
マル「ちょおおおおおおお何処で脱がせてんのよ!///分かった分かったから!自分で着替えるから放してってば!」
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マル「……ねえ、可可先輩」
千砂都「未熟者ッ!可可最高師範とお呼びしろ!」
四季「そうでなければ、可可海王だ!!」
可可「よいのデス2人とも。どうしました、マルマル?」
マル「みんなはそのオレンジ色の道着なのに、何で私だけこの青と白の未来服みたいなやつなの?恥ずかしいんだけどこの格好……」
四季「なっ……!こいつ新米のくせに、道着に文句を……!」
千砂都「それだけ1000円も高かったというのに!」
可可「申し訳ないデス。同じものが3つしか用意できず、マルマルにそれを着てもらうことになりまシタ」
マル「これテレビで芸人さんが着てるやつよね?たしかRふじもt」
四季「ベジータだ!」
マル「そうその人。これさては何かのコスプレ衣装ね?素材も安そうだし、大方ドン・キホーテか通販で買ったんでしょ?」
可可「マルマル、服装なんて関係ありまセン。これからマルマルは鍛錬を積むのデスよ?鍛錬に服装なんて関係ないのデス。マルマルは今から、パーティーにでも行くつもりですか?」
マル「服装関係ないなら尚更この服じゃなくてもいいでしょ!ジャージに」
四季「呃啊!!!」シュバッ
マル「あぶねえっ!!」
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四季「文句を言うな新米が!」
マル「こんな格好でそこらを走れるわけないでしょ!」
四季「海王の言葉には黙って従え!ほら走り込みだ!行くぞ!」ガシッ
マル「え、ほ、本当にこれで行くの!?ちょっと待ちなさいよー!」
千砂都「それにしてもアレを躱すとは……」
可可「流石はオーストリアの狼と呼ばれた女デス」
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タッタッタッタッタッタッタ
マル「ねえ千砂都せ……ちぃ洋王」
千砂都「何だ」
マル「これって結局いつものランニングなんじゃないの?場所と服装が変わっただけで、やってることはいつもと変わらないっていうか……」
四季「なっ……!今日入門したばかりの貴様に、一体何が分かる!」
千砂都「まあよいではないか四季洋王」
千砂都「周りを見よ、マル」
マル「周り?」キョロキョロ
マル「……別に何もないけど」
千砂都「そんなことはない、あの池のあたりだ」
マル「?」
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ブーーーーーーン
ブーーーーーーン
ブーーーーーーン
マル「うわ!すっごい虫の集まり!何よあれ!?」
千砂都「あれはユスリカという、小さくて汚ったない虫の集まりだ」
マル「うえ……そ、それが何なの?」
千砂都「高貴な家に生まれ、何一つ不自由なく育ち、天賦の歌の才を手にして今日まで生きてきたお前は、あの汚ったない虫にも、ユスリカという名前があると今初めて知った」
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マル「……それが?」
千砂都「……それだけだ」
ピューーーッ!
マル「え?ちぃ洋王!?何で行っちゃうの!」
四季「流石、どんな場でも丸く収めるちぃ洋王……負けてられん!」
ピューーーッ!
マル「四季洋王も!さっきから何言ってんの、ねえ!?」
可可「加油!加油!」
ブーーーーーーーーーーーーン
マル「!?」
マル「ちょっと!何で可可先輩だけセグウェイに乗ってるのよ!?神社の境内でセグウェイなんか乗っていいわけないでしょ!」
可可「海王の特権デーーース!」 ブーーーーーーーーーーーーン
マル「あ、待ちなさい!可可先輩が一番体力無いんだから、一番走りなさいよーーー!」
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四季「次の鍛錬はこれだ、新入り!」
バァーーーーーーン!!!(銅鑼)
マル「……なにこれ?岩?」
四季「そうだ。何の変哲もない、ただここにあるだけの分厚く重い岩だ」
可可「高さが可可たちのざっと2倍、横幅と奥行きはゾウくらい大きいデス」
マル「この岩をどうしろって言うの?まさか素手で砕けなんて言うんじゃないでしょうね?」
四季「ご明察」
マル「はあ!?」
-
マル「出来るわけないでしょそんなこと!一発で手がズタズタになるわよ!」
四季「やりもしない内から文句をタラタラと……貴様、そんなことでは海王になれんぞ!」
マル「海王になれなくていいからとにかく一回人間に戻らせてよ!このベジータの服目立つの!さっき宮司の人がめちゃくちゃ変な顔で見てたわよ!」
四季「宮司も、ドラゴンボールが好きなのであろう」
マル「侮蔑の眼差しだったわよ!」
-
可可「マル、これを見るのデス」スマホ スッ
マル「何よもう……って」
マル「?」
マル「(ボーリングの球みたいに真ん丸なオブジェ……。何かのモニュメント?素材は岩……よね見た目的に。サイズは大きい。ちょうど、目の前の岩を丸めたくらい)」
マル「……これは?」
可可「これは「打岩」と言われるものデス」
マル「打岩?」
可可「中国拳法を極めた達人が、その手足や五体を道具と化し、叩き!突き!打ち!蹴り!少しずつ少しずつ、岩を叩き上げる……」
四季「そうして出来上がったものが、この打岩」
マル「はあ?そんなわけないでしょ!こんなの人間の手で作れるわけ……」
可可「人間の力は、想像を遥かに超越するものなのデスよ。マルマル」
-
四季「やってやれないことなどない。アレを見よ」
マル「?」
千砂都「(…………)」クルクルクルクル
千砂都「(…………!)」バッ!
千砂都「(…………)」ファサ〜
千砂都「(…………!)」バッ!
千砂都「(…………)」クルクル タンッ! クルクルクルクル……
マル「……アレは何をやっているの?」
四季「演武だ」
マル「演武?」
-
可可「打岩をする前の儀式デス。ああやって華麗に舞い、球……ちぃ海王の言うところの丸を表現して、これから岩を打つための準備をしているのデス」
四季「ああやって舞いながら、打ち上がった丸い岩の形を想像しておるのだ」
可可「ちぃ洋王は打岩の達人。己が信念に於いて、一切の妥協を許さナイその心は、打岩の丸さになって顕れるのデス」
マル「はあ……?」
四季「さあ!貴様もちぃ洋王に倣い、共に演武をするのだ!」グイッ
マル「ええ?な、何をすればいいのよ?演武なんか習ったことないわよ?」
可可「ちぃ洋王の後ろに着いて、同じ動きをすれば大丈夫デス!まずはマネから入りまショー!」
-
千砂都「(…………)」クルクルクルクル
マル「(…………)」クルクルクルクル
千砂都「(…………!)」バッ!
マル「(…………!)」バッ!
千砂都「(…………)」ファサ〜
マル「(…………)」ファサ〜
千砂都「(…………!)」バッ!
マル「(…………!)」バッ!
千砂都「(…………)」クルクル タンッ! クルクルクルクル……
マル「(…………)」クルクル タンッ! クルクルクルクル……
マル「(…………)」
マル「(これ、ただのコンテンポラリーダンスの練習だわ……)」
-
しばらくして
千砂都「(…………)」クルクルクルクル
マル「ハア……ハア……」クル……クルクル
千砂都「(…………)」クルクルクルクル
マル「ふう……」クルクルクル……
千砂都「(…………)」クルクルクルクル タン
マル「はあ……はあ…………」
マル「(さすが千砂都先輩。もう1時間くらいやってるのに、全然動きが乱れない)」
マル「(これが……プロのダンサーを目指す人間の身体能力……)」
千砂都「よし、止め!」パン!
マル「ふあーーー……!」ドスン
-
千砂都「ここまでついてこられるとは、大したものだな新人よ!」
マル「(そういえば中国拳法モードだった……)」
マル「はあ……はあ…………、た、体幹と体力どうなってんのよ?もう動けないんだけど……」
千砂都「なに、ここまでやったんだ。動きもなかなか良かったし、お前もなかなかやるじゃないか!ハッハッハ!」
マル「それはどうも……」
千砂都「だが、まだステップに課題があるな。今のお前は膝から下がやや一体になっていて、動きに柔らかさが無い。足裏の筋肉と、靴のグリップを上手く使え。そうすればもっと楽に舞うことができる」
マル「はあ……なるほど……それは参考になるわ……」
-
千砂都「さあ、それが分かった上でもう1回!今度はより足を動かしていくぞ新人!ハーッハッハ!」
マル「ええっ!?ま、まだやるの?」
千砂都「何だ?出来ないのか新人?」
マル「!」カッチーン
マル「で、できないなんて言ってないでしょ!上等よ!やってやろうじゃない!」
千砂都「その意気だ!さあ行くぞ!」
マル「望むところよ、ちぃ洋王!」バッ
岩「…………」
-
その後、いくつかの鍛錬を経て、夕刻
ミーンー ミーンー……
マル「ねえ四季洋王……」ピチョッ
四季「何だ、新入り……」チャプ
マル「この特訓、一体何の意味があるの……?」
ジジジジジジジジ……
マル「ガニ股大開きで両手を前に出して拳握ってるだけじゃない……。これ、何を鍛えてるの?暑っついし、出来るだけ人に見られたくないポーズNO.1なんだけど……」
四季「減らず口が多いな貴様は……」
-
千砂都「マルよ、これは站椿(たんとう)と呼ばれる、中国拳法を習い始めた者が初日に必ず教わる、基本中の基本の鍛錬だ」
マル「これが?腕立て伏せとかじゃないの?足元に水たまりができるまで汗かいてやること?」チャプン
千砂都「站椿とは「杭のように立つ」という意味を持ち、心身の力を抜きつつ姿勢を保ち、えーっと、重力を感じな……が……ら……気の巡りを促すことで……あー夕日が反射して画面が見えん!」
マル「wikiをまんま見てるじゃない!何なのよ!まさか見よう見まねで私に教えてるんじゃないでしょうね!?」
四季「バカを言っちゃあいかん!この鍛錬は、あらかじめ可可海王が我々に指導してくださったものを、新米である貴様に伝授しているのだ!侮辱は許さんぞ!」
マル「じゃあ2人はどうやって指導されたのよ?」
四季「そ、それはだな……」
マル「それは?」
千砂都「……お、送られてきたURLから、YouTubeにアクセスして……自称カンフーの人の動画で……」
マル「通信教育?!」
-
マル「ちょっと!勉強ならともかく、格闘技の鍛錬を通信教育で済ませる最高師範なんて聞いたことないわよ!そもそもなんで海王は一緒に站椿やってないの!私、ちょっとそこら辺探してくる!」
四季「おい貴様!站椿を止めるなッ!」
マル「先輩たちも騙されてるんだから!一緒に探して文句言いに……」
可可「やーあ頑張っていマスすね、みんな!」
四季「海王!」バッ
千砂都「海王!」バッ
マル「ちょっと可可せんぱ……ん?」
マル「…………」ジーッ
可可「どうしましたマル?まだ站椿の時間のはずデスが?」
四季「貴様ッ!今すぐ站椿に戻れ!」
千砂都「何をしているのだマル!海王の御前であるぞ!」
-
マル「……ねえ可可海王、海王は今までどこで何をしてたの?」
可可「へ?そ、それは……」
四季「もちろん別の場所で修行をなさっていたに決まっているだろう!」
千砂都「海王ともなれば、それはそれは筆舌に難い鍛錬を……」
ツカツカツカ
バッ!
道着さわさわ
千砂都「!!」
四季「き、貴様ッ!海王の道着に何を!」
マル「……乾いてる」
可可「!?」
-
千砂都「へ?」
四季「……?」
マル「乾いてる。汗なんか一滴もかいてないし、それに何だか、冷たい」
マル「これは……クーラーの冷たさ?」
千砂都「!! な、何だと!?」
四季「それは本当か新入り!」
可可「あわわわわわ……」
-
マル「ねえ可可海王、私たちがこの季節外れのバカみたいに暑っつい境内で、数時間片時も休まずに鍛錬を積んでいる間、海王は一体どこで何をなさっていたのかしら?」
可可「そ、それはデスね……」
四季「海王!お教えください!我々に站椿を命じている間、海王は一体どこで何を!」
千砂都「海王!」
可可「え、えっと……」
マル「!!」
シュババババ!
站ッ!
可可「ふぇあ!?」
四季「!! し、新入り!?」
千砂都「あんなに容易く海王の背後を!!」
-
マル「四季洋王!ちぃ洋王!見なさい!これが私たちが站椿をしてる間、可可海王がやっていたことよ……!オラァ!」ガッ!
可可「んえっ……!?」
舌ヒッパリダシー
可可「んあ〜!」
千砂都「な、なんだとッ!?」
四季「海王の舌が……」
千砂都・四季「「青いっ!?」」
可可「ふぇ〜え!」ジタバタ
-
四季「どういうことなのだ新入り!」
マル「どうもこうもないわよ!可可先輩は私たちが外で汗かいてトレーニングしてる間、1人クーラーの効いた店の中でブルーハワイのかき氷食べて涼んでたのよ!」
四季「な……」
四季・千砂都「「なにーーーーーーッ!?!?」」
-
マル「ずっと姿が見えないからおかしいと思ってたのよ!ランニングの時だってセグウェイ乗ってサボってたし、それ以外の時も私たちの鍛錬見ながら腕組んで師匠面してただけだし!」
四季「そ、そんな……」ワナワナ
千砂都「う、嘘ですよね海王?嘘だと言ってください!!」
可可「あ……」
マル「…………」ジーーーッ
可可「…………す」
可可「……すいまセン…………サボって……いまシタ…………」
四季「あ、あああ……」
千砂都「そ、そんな……!」
-
可可「今日はこの季節にしてはあまりにも暑クテ……貧弱な可可は倒れてしまうと思ったノデ……さっき隠れてこっそり、甘味処に……」
四季「う、うわあああああ……!」
千砂都「海王神話が……我らの伝説が……!」
マル「何が海王の伝説よ!今日の可可先輩は、私たちにいつものトレーニングと、站椿とかいう変なポーズで立ってるだけの無駄な練習をやらせて、腕組んで偉そうにしてたただけじゃない!」
四季「う゛っ……!」
マル「思い返せば私たち、今日の午後丸々潰して、へんてこ中国拳法ごっこしただけだったじゃないの!何なのよもう本当に!」
千砂都「う゛う゛っ……!!」
マル「もういい、私、帰るから」
ツカツカ
四季「ああっ!し、新入り!」
-
千砂都「新入りが……新たな門下生が……」
可可「あ……あ…………」
四季「か、海王…………」
可可「…………」
可可「……マ」
可可「マルマル……マルマル!」
マル ピタッ
可可「チャンスを!可可に、もう一度チャンスをくだサイ!」
四季「か、海王?」
千砂都「今更何を……」
-
可可「こ、今度はサボらないし、セグウェイも使わないし、ちゃんと自分の足で走りマス!」
四季「それが当たり前なのでは……」
可可「そ、それにかき氷!可可が食べたかき氷!今からみんなで食べに行きまセンか?めちゃくちゃ美味しかったんデスよ!マルマルの分は可可がおごってあげマス!」
千砂都「こ、この期に及んでモノで釣ろうと……!」
可可「今度は可可が新米入門生でいいから〜!ベジータの服着て走るから〜!マルマルだって何だかんだ言いながら今日楽しかったでしょ〜!ねぇ〜〜〜!」
マル「…………」
-
四季「(ドキドキ……)」
千砂都「(ドキドキ……)」
可可「…………」
マル「……かき氷に、パフェも付くなら」
可可「!」パァァ
四季「なっ!?」
千砂都「つ、釣られただと!?」
-
マル「午後いっぱい使ったけど、なんだかんだいつもと同じくらいのトレーニングはできたし。中国拳法ごっこはへんてこだったけど、まあ別ににもう二度とやらないって程でもなかった」
可可「マルマル……!」
マル「かき氷にパフェも付くなら、そのお店に一緒に行ってもいいし、また中国拳法ごっこもやっていい」
四季「なんと……」
千砂都「存外気に入っていたのか……」
マル「ただし」クルッ
3人「?」
マル「次は、私が海王ね」
可可「もちろんデス♪」
四季・千砂都「「な、なにーーーーーーッ!?!?」」
-
四季・千砂都「「(…………)」」カオミアワセ
ガッ!
千砂都「ちょっと可可ちゃん!なんでそうなるの!次の海王は私に決まってるんだから!」
マル「あ、普通に戻った」
可可「仕方ないデスよ!マルマルを門弟から去らせてはならないんデスから!」
四季「こんなことは許されない……。今日一日大変だったんだから、次の海王は、今日筆頭洋王を務めたこの私」
千砂都「何言ってるの四季ちゃん!洋王に筆頭も何もないYO!」
四季「打岩で肝心の岩を砕くのを忘れ、ただただずっと踊っていた千砂都先輩に海王の資格はない。次の海王はこの私」
千砂都「それ言ったら站椿でちょっと腰浮かせてサボってた四季ちゃんこそ海王の資格なんてないよ!」
-
四季「私が海王」
千砂都「私が海王〜!」
四季「私が海王」
千砂都「わ・た・し・が!」
マル『邪ッ!!!!』
ドオオオオオオオオオオン!!
3人「!?」ビクウウッ!
マル「貴様ら……同胞での争い、同門対決は禁じられておるぞ……」
四季「なっ……」
千砂都「こ、このオーラ……!」
可可「マサカ……」
-
マル「控えいッ!!貴様ら誰に口を聞いておる!」
マル「……マル海王の、御前であるぞ?」ボキボキ
3人「「「しゅ、就任したーーーーーーッ!?!?」」」
マル『跪けいッッ!!!』
ザッ! ザッ! ザッ!
可可「うっ!」
四季「か、身体が……」
千砂都「勝手に……!」
-
マル「これより中国拳法白林寺結ヶ丘支部は、このウィーン・マルガレーテ海王が統べる。異論はあるか?」
四季「うう……っ」
千砂都「わ、わた……」
マル『邪ッ!!!!』
ドオオオオオオオオオオン!!
可可「わああああああああああ!」
千砂都「あ、ありません!ありませんっ!」
四季「マル海王の言うことに、従います……」
マル「そうか」ニイッ…
可可「ヒイッ!」
四季「なんて恐ろしい笑顔……」
-
マル「それでは早速、海王就任祝いにパフェでも食べに行くとするか……」
マル「行くぞッ!!四季洋王!」
四季「ハッ!」
マル「ちぃ洋王!」
千砂都「ハッ!」
マル「可可!」
可可「あ〜可可だけ呼び捨てになりマシタ〜……」
マル「案内せいっ!!」
可可「ハイ〜……」
カアーーーーーーーーーーーーー
カアーーーーーーーーーーーーー
四季プラン『中国拳法体験』
完
-
今日の分終わり 続きはまた明日
おやすみなさい
-
乙乙やで
-
なんだかんだで楽しそうで草
-
再開しまーす
-
翌日、日曜
マル「いでででで……千砂都先輩のダンスと站椿のせいで足が……」ジンジン
きな子「あ、来たっす!おーい!マルガレーテちゃーん!」
恋「マルガレーテさん、おはようございます」
マル「きな子先輩に恋先輩……だけ?」キョロキョロ
きな子「そうっすよ。どうかしたっすか?」
マル「……いや、あなたたち2人なら、トンチンカンなことはやりそうにないと思って。よかったわ」ホッ
きな子「?」
-
マル「えっと、今日はきな子先輩のプラン……ってことでいいのかしら?」
きな子「そうっすよ!マルガレーテちゃんの為に、一生懸命プランを練ったっす!」
恋「きな子さん、すっごく張り切ってたんですよ。マルガレーテさんとお出かけするのが、よっぽど楽しみだったみたいです」
きな子「ちょ、ちょっと恋先輩!それは内緒っす!///」
マル「そ、それはどうも……///」
マル「……それで、なんで今日は恋先輩の家集合なの?電車で移動するなら、駅前の方が良かったんじゃない?」
きな子「今日はなんと、車で移動するっす!」
マル「え、タクシー使うの?私そんなにお金持ってきてないんだけど……」
きな子「違うっすよ、さすがにそんな贅沢はできないっす」
-
ブウウウウウウウウウン
恋「あ、来たみたいですね」
マル「ん?」
キキーーーッ
カチャ
サヤ「お待たせしましたお嬢様、きな子様、それにマルガレーテ様」
きな子「サヤさん、今日はよろしくお願いしますっす!」
恋「目的地までこの車で行くんですよ。さあ、乗ってください」
マル「よ、よろしくお願いします」
サヤ「はい、よろしくお願いいたします」ニコッ
マル「(車か……足がこんなだし、正直ありがたいわね)」
-
車内
マル「それで、今日はどこへ行くの?」
きな子「おっ、マルガレーテちゃん、乗り気っすね!」
マル「いや別にそういう訳じゃ……」
きな子「今日は普段からトレーニングとかお手伝いで根を詰めすぎなマルガレーテちゃんに、『癒し』を体験してもらうっすよ!」
マル「癒し……。それはありがたいわね。昨日結構ハードだったし……」
恋「実は、私もまだどこに行くのか聞いていないんですよ。きな子さんが何か思いついたと思ったら、サヤさんと2人で話し合って、プランを決めてしまったので」
きな子「きな子、恋先輩にもサプライズで楽しんでもらおうと思ったっす!2人が楽しめるように、一生懸命考えたっすよ!」
恋「き、きな子さん……!」ジーン
マル「へー、粋なことするじゃない」
きな子「えへへー」ニッコリ
-
マル「で、もう車に乗っちゃったんだし、そろそろどこに行くか教えてくれてもいいんじゃない?」
きな子「あー、そうっすね。それでは……コホン!」
マル「(これで少林寺拳法体験なんて言ったら、車から飛び降りて逃げよっと。私、海王だし)」
きな子「今日は、動物さんたちと触れ合いに行くっすー!」
恋「動物ですか!?」キラキラキラキラ
マル「へえー動物。何だかきな子先輩っぽくていいじゃない」
きな子「しかも恋先輩の大好きな、お馬さんがメインっすよ!」
恋「ほわあああああああああああ!!!」オメメハート
マル「馬ってことは……どこかの牧場に行くの?」
きな子「えへへ、そうっすよー!今、千葉の方へ向かってるっす」
マル「千葉?」
きな子「ちょっと遠いっすけど、車ならすぐっす♪」
サヤ「皆さん、高速に乗るのでシートベルトをきちんと締めてくださいね」
きな子「あ、ハーイっす!」
恋「お馬さん……ほあああああああああぁぁ……」キラキラキラキラ
-
きな子「マルガレーテちゃん、きな子は自然の多い北海道から東京に移り住んで来たっすから、時々どうしようもなく動物と触れ合いたくなることがあるっす。動物のことはそれなりに知ってるつもりっすから、マルガレーテちゃんにもきっと楽しんでもらえるっすよ!」
マル「馬ね。乗馬とか楽しそうかも」
きな子「いいっすねー乗馬!それに、馬以外も色々いるんっすよ!牛さんとか、羊さんとか!大きな牧場っすから、きっと美味しいものもいっぱいあるっす!」
マル「それは楽しみだわ。期待しておくわね」クスッ
きなこ「任せるっすー!」
恋「お馬さん……!お馬さん……!///」ドキドキ
-
1時間後
ワアアアアアアアアアアアアアアア!!
ドワアアアアアアアアアアアアアア!!
きな子「うわあああああん申し訳ないっすー!(号泣)」
パー パパパーッ パパパー♪ (パパパパ♪)
マル「いやあの……きな子先輩が悪いわけじゃないし……」
パパパパー♪ (パパパパ♪)
パパパパー♪
恋「お馬さん……お馬さん…………」
パッパ パーパーパーパー パッパー♪
サヤ「…………」ドキドキ
パーパーパーパー パッパー♪
パパパパー♪
きな子「うう〜……何でこんなことにぃ〜…………」
パァン!
ワアアアアアアアアアアアアアアア!!
ドワアアアアアアアアアアアアアア!!
-
車の中に戻る
〜♪♪♪♪
きな子「あれ?今日予約してる牧場から電話っす」
マル「んー?何かしら」
恋「お馬さん……お馬さん……///」キラキラキラキラ
きな子「ハイ、もしもし」
きな子「ハイ」
きな子「ハイそうです桜小路です」
きな子「ハイ」
きな子「……………………」
きな子「えええええええええええええええ!?!?!」
マル「!?」ビクッ!
恋「ひっ!?」
サヤ「!?」
-
きな子「え……あ……ハイ……ハイ……………………」
マル「(うわ……どんどん顔が曇っていく……)」
きな子「ハイ、分かりました…………失礼します…………」スッ
きな子「…………」ドヨーン
マル「(うわ……声掛けづら……)」
恋「き、きな子さん?どうしたんですか?今の電話は……?」
きな子さん「…………うっ……ううっ……」メソメソ
恋「へ?」
マル「(な、泣いてる……)」
-
きな子「きょ、今日行くはずだった牧場からで…………ウッ……」
きな子「その牧場、山の中にあるんすけど…………ウッ…ウッ……」
きな子「途中の一本道が倒木で通れなくなって、作業で今日いっぱいは復旧の見込みがないから、予約をキャンセルさせてほしいってぇ〜〜〜うああああああ……(号泣)」
マル「ああ〜……だ、大丈夫!大丈夫だから!」サスサス
きな子「うう……プランが……きな子の考えたプランがぁ〜……」メソメソ
マル「きな子先輩が悪いわけじゃないから。ね、恋先輩?」
恋「…………」
マル「ん?恋先輩?」
恋「……それで」
きな子「……え?」
マル「?」
恋「結局……お馬さんは?」
きな子「うわ〜〜〜ん!!」
マル「恋先輩の脳みそがお馬さんになるのやめなさいよ……」
-
きな子「…………」ドヨーン
恋「…………」ドヨーン
マル「(うわ……空気重……)」
サヤ「うーん、どうしましょう。今日一日の予定が丸々飛んでしまいましたね」
マル「今から他の牧場……っていうのは?」
きな子「今日行くはずだった牧場で予約してたのは、参加できる人数に制限があって、全部のレクレーションとかアトラクションを少人数でゆったり周れる特別プランだったっす……」
きな子「今日は日曜日だし、他の牧場は多分家族連れとかでパンッパンっす……それじゃマルガレーテちゃんに癒しを提供できないっすぅ〜〜〜……」メソメソ
マル「ああもう大丈夫……大丈夫だから泣かないで……」サスサス
恋「ウーウーウマウマ……ウーウーウマウマ…………アハハ、アハハ……」
マル「恋先輩それ止めて、ちょっと怖い」
-
マル「あの……サヤ……さん?なんとか馬のいる所にこの2人を連れていけない?この際混んでてもいいから」
サヤ「馬のいる所……ですか」
マル「とにかく見れたらいいから。ちょっと馬を見て、お昼でも食べられたらそれで満足よ」
サヤ「ん〜…………」
サヤ「……あっ」
サヤ「そういえば、一つ心当たりのある場所が」
マル「え、本当?」
サヤ「私も直接訪れたことはないのですが、何度もテレビで見た事はあります。馬がたくさんいて、大変賑やかなところですよ。かなり混むとは思いますが」
恋「サヤさん本当ですか?私、そこに行きたいです!」
きな子「き、きな子からもお願いするっす!プランが潰れた今、頼りになるのはサヤさんの知ってるその場所だけっす!」
マル「決まりね。サヤさん、そこに連れて行って、お願い!」
サヤ「かしこまりました。ではご案内いたしますね」
サヤ「…………♪」ルンルン
-
1時間後に戻る
マル「(いや確かに馬がたくさんいて、お昼も食べられて、人がいっぱいいるけど……)」
マル「(ここ……)」
モブおじA「うおおおおおお!行けえええええ!」
モブおじB「頑張ってくれぇ〜!今日だけでもう10万もスっちまったんだ〜〜〜!おっかあに〇されちまうよォ〜〜〜!(泣)」
金髪蛇女「行けー!行けー!差せー!差さねえなら私が(ピーーー)すぞこのヤローーー!」
マル「ここ競馬場じゃないのーーーーーー!!!」^ー
-
マル「ちょっとサヤさん!あなた高校生をどこに連れてきてるのよ!」
サヤ「大丈夫です。馬券を買わなければ、高校生でも入場して問題ありません」ニコッ
マル「そうじゃなくって!こんな治安の悪い場所に、大事なお嬢様と、そのお客人を連れてきていいわけないでしょ!」
サヤ「安心してください、ここに来るような方々が、女子高生なんかに目が行くはずがありません。みんな女のケツじゃなくて、馬のケツを追いかけています」
マル「汚い言葉使わないの!あなた葉月家のメイドクビになるわよ!」
サヤ「まあ一度本当にクビになっていますので」
マル「高校生にリアルなこと言わないで!」
-
モブおじA「1-3-17!1-3-17!」
モブおじB「ヌマヅサンシャイン!それにオダイバニジガサキ!頑張れえええええ(泣)」
金髪蛇女「アキバミューズー!カナザワハスノソラー!お前ら負けたら全員馬刺しにしてやりますの!オラー!走れーっ!!」
マル「(うーわ、うるっさ!治安悪っ!きな子先輩たちは……)」
きな子「せっかくの……せっかくのマルガレーテちゃんと、恋先輩とのお出かけが……お休みが……癒しがぁ……」メソメソ
マル「ああもうきな子先輩!メソメソしない!」
恋「はあー、ラチがあかないって、競馬用語が元になっているんですか」
モブおじC「そうだぜ、あのゲートのことを昔の言葉でラチっつってな、あそこが開かねえとレースが始まらねえだろ?ゲートが開かねえと馬が前に進めねえってことから、なーんも進まねえ始まらねえってことを、ラチがあかねえっつーんだぜ」グビグビ
恋「勉強になります!」
マル「恋先輩も!そんな前歯が全部無い人と話しちゃダメ!」
サヤ「お嬢様!チビみたいな顔の白馬がトップですよ!」
恋「本当だ!ちょっとチビに似ていますね!行けー!差せーっ!チビーッ!」
マル「サヤさん!恋先輩をこんな世界に引きずり込まないで!」
きな子「うわ〜ん!こんな休日嫌っすー!(号泣)」
-
パッカパッカ パッカパッカ
きな子「最高の休日っすー!」パアア
恋「まさか競馬場の中で馬車に乗れるなんて……」ニコニコ
マル「ソウデスネ……」グッタリ
きな子「これも、マルガレーテちゃんが色々調べてくれたおかげっす。ありがとうっす!」
マル「あれ以上あの中にいたら、誰かさんが危ない世界にのめり込んじゃいそうだったし……。そうなったら他の先輩たちに顔向けできないもの」
恋「あら、そんなにはしゃいでいる方がいらっしゃいましたか?」
マル「恋先輩、二十歳になっても馬券とか絶対買わないでよね。性格的に一度でも買ったら終わりよ多分……」
恋「?」
-
きな子「それにしても気持ちいいっすー」
恋「そうですね。今日は日差しも柔らかいし、風も心地いいです」
マル「まあ確かに。馬車がいい具合に揺れて、これは気持ちいいわね……」
きな子「サヤさんも乗ればよかったのに、どっか行っちゃったっすね」
恋「そうですね、どこに行ったのでしょう?」
マル「(まあ大方予想はつくけど……)」
-
マル「(……ん?)」
子供「…………」ジーッ
マル「(一緒に乗ってる子供……)」
マル「……レディーの顔をジロジロ見るものじゃないわよ」
子供「うわ!日本語喋った!」
マル「(ああ、まあ珍しいか)」
子供「お姉ちゃん外国人?アメリカの人?」
マル「オーストリアよ。あんなうるさい国と一緒にしないで」
子供「えっ!じゃあさ、コアラとか見た事あるの?カンガルーは?」
マル「それはオーストラリアね。私の国はオーストリア。音楽と芸術の国よ」
子供「へえー、なんかカッケー!」
マル「ええ、いい国よ」
-
子供「日本とオーストラ……あ、オースト……リア?どっちが好き?」
マル「どっちも。全然違うから比べるもんじゃないわ」
子供「そうなんだ!へぇー!」
マル「……ふふ」クスッ
子供「日本ってスゲーんだよ!さっきさ、競馬見てるおじさん達の中に、めっちゃでっかい声で叫んでるメイドさんがいた!」
マル「…………」
子供の母親「あらもうすいません……。ねえ、そんなのいるわけないでしょ?さっきから見間違いって言ってるじゃない」
子供「いたもん!競馬見てる人の中に、メイドいたんだもん!ホントだもん!」
マル「(トトロ扱い……)」
マル「ねえ、そのメイドさんなにやってたの?」
子供「行けー!差せー!ってめっちゃ叫んでた!両手に電車の切符みたいなのいっぱい持ってた!」
マル「(あの人、お嬢様のお付き放り出して、一体何やってんのよ……)」
馬車の御者「はい、まもなく止まりまーす。止まってからお立ちくださーい」
-
きな子「いやー、最高だったっすねー!」
恋「そうですね、馬車を牽いてくださったお馬さんもモフモフできて、幸せでした……///」ウットリ
きな子「マルガレーテちゃん、めっちゃスリスリされてたっす」
マル「危うく舌でなめられかけたわ……」
恋「今日は受付時間が過ぎてしまいましたが、乗馬体験もできるみたいですし、ふれあい広場というのもあるみたいです」
きな子「結構遊べるんすね、競馬場って」
恋「こんないい施設、もっと有名でもおかしくないと思うのですが、あまり知られていないように感じます」
マル「まあ、わざわざ競馬場に遊びに行こうってあんまりならないんじゃない?やっぱ主なのはギャンブルをする場所なわけだし、高校生なら尚更でしょ」
きな子「たしかにそりゃそう……あっ、サヤさんっす!サヤさ〜ん!」
マル「(ん……?)」
-
サヤ「皆様、馬車は楽しかったですか?」ツヤツヤ
マル「(……これは)」
恋「最高でした」ウットリ
きな子「サヤさんも一緒に乗ればよかったのに」
サヤ「私はちょっと……所用がございましたので」
マル「(馬車に乗らないで、大波に乗ったって顔してるわ)」
サヤ「さあ皆さん、もう2時ですし、遅くなりましたがお昼にしませんか?」
マル「賛成、もうぺっこぺこ……」
きな子「競馬場って、どんなご飯があるんすかね?」
マル「さっきホームページを見た感じだと、普通にレストランとか沢山あるみたいよ。チェーン店とかもあるし」
サヤ「それもいいのですが、よければ皆様をお連れしたい場所がございます。競馬場を離れますが、よろしいですか?」
きな子「え?移動するんすか?」
マル「まあこれ以上ここにいても、今日はもうやることあんまりなさそうだし、出てもいいんじゃない?」
恋「そうですね、乗馬体験はまた次の機会にということで」
マル「できれば今度は牧場でね……」
きな子「サヤさん、それでどこに行くんっすか?」
サヤ「ふふふ……」ニッコリ
-
超高級ホテル
マル「フォーーーーーーっ!?!?」キラキラキラキラ
きな子「な、なんっすかここ……。バイキング……あ、ビュッフェっていうんすかね、こういうところのは?」ブルブル
恋「で、でも……」
ズラーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
きな子「は、端が見えないっす……!」
恋「サヤさん、これは……」
サヤ「お連れしたかったのはここです。皆様に、最高の昼食をと思いまして」ニッコリ
マル「ご、ご馳走……ゴチソウ……!」グルルル…
きな子「ひいっ!マルガレーテちゃんが、完全に捕食者の顔になってるっす……!」
恋「こんな凄いビュッフェ、流石に見た事がありません。きな子さん、これ予算をオーバーしてしまっているのでは……」
きな子「それはマズいっす!予算オーバーなんてしたら、夏美ちゃんに脳が壊れるくらい怒られるっす!」
サヤ「大丈夫です、ここの支払いは私からのプレゼントということにさせてください」
きな子「えええ!?サ、サヤさん、ブルジョアだったっすか!?」
サヤ「いえいえ、一介のメイドでございますよ」
恋「で、でもサヤさん……」
-
サヤ「お嬢様、私じつは最近、臨時収入があったのです」
恋「臨時収入?」
サヤ「はい。お給料から少しずつあちこちに投資をしていたのですが、それが一気にまとまって返ってきまして、どう使おうか考えていたのです。せっかくお嬢様とお出かけしたのですから、こういう時にパーっと使うのが正解かと思いまして」
恋「そうなのですか?でも流石に……」
サヤ「ご安心を。ここだけの話、返ってきたのが中古の軽自動車が買えてしまうくらいの額でしたので、なかなか使いきれないんですよね。なので、ここの支払いくらいなら安心して任せてください」ニコッ
きな子「軽ッ……!?」
スッ
サヤ(耳打ち)「後輩のお二人との大事なお出かけ、ここはお嬢様と皆様との思い出作りに、一役買わせてください」ヒソヒソ
恋「サ、サヤさん……!」ウルウル
-
マル「アノ……モウ……タベテイイ……?」グルル…
サヤ「はい、どうぞ」ニコッ
ブンッ
きな子「き、消え……!?」
恋「きな子さん、私たちも行きましょう!遅れを取ってはいけません!」
きな子「は、はいっす!お供しますっす!」
サヤ「うふふ」ニコッ
-
ブウウウウウウウウン
恋「すぅー…………すぅー…………」
きな子「むにゃむにゃ…………えへへ〜…………」
サヤ「いやー、召し上がりましたね。噂には聞いていましたが、まさかあれ程とは」クスッ
マル「うぷ……もうホントに米一粒も入らないわ……。さすがにはしゃぎ過ぎたかも……」
サヤ「小籠包をおかずにアクアパッツァを食べ始めた時は、さすがにマズいと思いましたね。お料理ではなく、マルガレーテ様が」
マル「そうだったかしら……でも確かに全部美味しすぎて、最後の方はあんまり覚えてないかも……」
サヤ「ふふ……」
マル「改めて本当にありがとうございます。ご馳走様でした……うぷ」
サヤ「はい、どういたしまして」ニコッ
-
マル「……それにしても、凄い額当たったのね」
サヤ「はい?何のことでしょう?」
マル「しらばっくれないでいいわよ。馬車に乗ってる時、一緒になった子供がスタンドにメイドがいたって教えてくれたわよ」
サヤ「あら……バレていましたか」
マル「先輩たちは気付いてないけどね。あと普通に見たら分かるわよ。顔が締まってなさすぎるし」
サヤ「あらあら、お嬢様ときな子様は、簡単に騙されてくれたんですけどね」ニコニコ
マル「中古の軽自動車が買えるって……束にしたら立つんじゃないの?」
サヤ「ああ、あれは嘘ですよ」
マル「……え?」
-
サヤ「たしかに勝ちはしましたけど、中古の軽自動車が買えるだなんて、そんな……」クスッ
マル「……それじゃあ」
マル「……」チラッ
恋「すぅ…………すぅー…………」
きな子「ん〜〜〜……れんせんぱ………マルガレーテちゃんのケーキ……おいしそ……」ムニャムニャ
マル「……そう」
サヤ「本当は3連単オッズ5700倍の1500円賭けで、約850万円勝ちですね」
マル「…………」
マル「どえええええええええええええええええええ!?!?!?」
-
サヤ「うふふ、二人が起きてしまいますよ」ニコニコ
マル「な……な…………!?」
サヤ「税金などでかなり減りますが、まあマルガレーテ様は覚えなくていいことですね」
マル「そ、そりゃそうだけど……」
サヤ「まあそういうわけです。4人で6万円のビュッフェくらいなら、痛くも痒くもありません」
マル「ちょっと待って!あのビュッフェ1人1万5000円するの!?ええっ!?」
サヤ「大統領も宿泊するホテルのビュッフェですよ。そのくらいします」
マル「ううううう……うわああああああ…………もっと味わって食べればよかった…………」
サヤ「まあまあ、お嬢様に額面のことを黙っていてもらえれば、卒業までにもう一度連れて行って差し上げますよ。私、お金持ちですので」
-
マル「……何で私に当たった金額教えたのよ?」
サヤ「絶対面白いリアクションをすると思ったので」
マル「なにいいいいいいいいいいい!!」
サヤ「うふふ」ニコニコ
きな子「ん〜……マルガレーテちゃんうるさいっす〜……」スヤスヤ
ブウウウウウウウウウウウン
きなこプラン『×癒しの牧場探訪 ◎競馬場&高級ビュッフェ爆食い』
完
-
バカ勝ちしてて草
-
いま今日の分の半分です
風呂行ってきます
-
再開しまーす
-
翌週、土曜、放課後
マル「さて、一週間空いて……今回は誰かしら」
マル「残ってるのはメイ先輩と夏美先輩……」
マル「……なんだかどっちもどっちね」
マル「目的地、ここよね?」
マル「ここは……お寺?」
ニュッ
マル「(ん?木の裏からスマホが……)」
バッ
夏美「ようこそー!マルガレーテ!」
-
マル「(うわ……こっちか……)」
夏美「あっ、嫌そうな顔しましたの!」
マル「シテナイワヨ」
夏美「してますの!露骨に嫌そうな顔してますの!」キーッ!
かのん「マルガレーテちゃん、来たね!」
マル「うわ、かのんも……」
かのん「あっ!嫌そうな顔!」
マル「(そりゃこの2人が揃って嫌な顔しない方がおかしいでしょ……)」
-
マル「……で、今日は何をすればいいの?」
夏美「あれ、なんだかもう慣れっこって感じですの」
マル「先週がなかなか大変だったのよ。早く終わらせて帰りたいの」
夏美「ふふーん、そう簡単に行くと思ってますの?何といっても今日のプランを考えたのはこの私!Liella!の最優秀CEOこと、鬼塚夏美ですのー!」
マル「最優秀もなにも、他にCEOがいないじゃない……」
夏美「今日はマルガレーテに日本の心、すなわち『和』を学んでもらいますの!」
マル「和?」
夏美「いわゆる、わびさびってやつですの」
かのん「マルガレーテちゃん、わびさびって何のことか知ってる?なんと、わさびのことじゃないんだよ!」
マル「わびさびはイマイチ分からないけど、あんたが私を見くびってるのはよ〜く分かるわ」イラッ
-
夏美「まあわびさびを口で説明するのはちょーっと難しいので、早速今日やることを発表しますの」
夏美「今日やるのは……」
夏美「いざ、精神統一!心を研ぎ澄ませ、座禅で心をLet's be ONE〜!」ドンドンパフパフー♪
マル「和に横文字入っちゃってるけど……ってか、英語の使い方間違ってるわよ?」
夏美「マルガレーテ、座禅は知っていますの?」
マル「いいえ、まったく」
夏美「ああーそれはマズいですの!座禅は日本では義務教育でやることなんですの。このままでは、マルガレーテは和の心をろくに学ばずにオーストリアに帰ってしまうことになりますの」
マル「え、本当に?」
夏美「まあ安心して欲しいんですの。どうせやったことないだろうなーって思って、今日この場を設けたんですの」
-
夏美「マルガレーテ、アレを見るんですの!」バッ!
かのん「…………」ピシッ
マル「……?」
マル「(お堂の縁側でかのんがあぐらをかいて座ってる。私には下品だからそんな座り方をするなって言ったくせに)」ムッ
スッ
マル「?」
スッ…… スッ……
冬毬「…………」
マル「え、冬毬?」
夏美「まあ見てるんですの」
-
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
マル「(冬毬がかのんの背後をゆっくり歩いてる。手に持ってるのは……棒?)」
かのん「…………」
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
かのん「…………」
かのん「…………」ムズ……
かのん「…………」
かのん「……ヘッ」
かのん「……くしゅん!」
冬毬「!」
スッ……
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
かのん「ほぎょあああああああああああああ!!!」
-
マル「!?」
冬毬「心を落ち着けてください」
スッ
-
マル「夏美先輩!暴力を!冬毬が……冬毬がかのんに暴力を!」アタフタ
夏美「マルガレーテ、あれは暴力ではありませんの」
マル「はあ!?アレのどこが暴力じゃないのよ!かのんあんなになっちゃってるじゃない!」
かのん「おおおおおおお…………!!ぐぬっ……ぬううう……!」エビゾリ
夏美「あれが、座禅ですの」
マル「くしゃみしただけの人間の肩を、あんなフルスイングでぶっ叩くのが座禅っていうの!?」
夏美「マルガレーテ、座禅というのは、さっきかのん先輩がしていたようにあぐらをかいて背筋を伸ばし、精神を統一して雑念を払い、心を落ち着けて自分と向き合うことが目的なんですの」
マル「自分と向き合うのに、何であんな風に肩をシバかれなきゃいけないの!罰が重すぎるわよ!」
夏美「罰ではないんですの。人間には限界があるから、どうしても集中力が途切れたり、眠くなったりしてしまいますの。あれはそういう時、集中し直すために棒で肩を叩いてもらうんですの。マニーを払って参加する人がいるくらい、人気な修行なんですのよ?」
-
マル「う、嘘よ……だって……」
かのん「ぐはあっ!ごおおおお……!」ゴロン ゴロン
マル「かのん、〇んじゃいそうなんだけど……」
夏美「それは……き、きっと、一発目だからちょっと力加減を間違えたんですの!」
夏美「冬毬ー!ちょ〜っと強すぎるから、もうちょっとだけ弱くするんですのー!」
冬毬「アグリーです、姉者」
夏美「ま、とにかく私たちもやってみますの。いつもせかせか動き回ってるんだし、たまにはじっくりその場に止まって、自分自身と向き合う事も大事ですの。それが『和』の心ですの!」
マル「ほ、本当に大丈夫なんでしょうね……。ちゃんと弱くするように念を押しておいてよ!」
夏美「大丈夫大丈夫、冬毬なら安心ですの!鬼塚姉妹にお任せアレ!ですの!」
かのん「あ……あが……!」ピクピク
-
かのんちゃんカワイソスw
-
マル「なんかお坊さんみたいな格好に着替えさせられたんだけど……」
夏美「正装ですの正装。郷に入っては郷に従えって言いますの」
マル「(まあベジータじゃないだけマシね……)」
かのん「うう……」ジンジン
冬毬「それでは始めたいと思います。背筋を伸ばしてください」
ピシッ ピシッ ピシッ
冬毬「それでは、はじ―――」
夏美「それでは!!座禅、スタートですn」
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
夏美「しぇあああああぁぁああああああぁぁぁ!!!」
マル「いっ!?」
-
かのん「だ、大丈夫夏美ちゃん!?なんかリンクの回転斬りみたいな声出たよ!」
マル「ちょっと冬毬!まだ始まってないでしょ!?」
冬毬「今から心を落ち着けるというのに、あんな大声で座禅スタート!なんて言う人がいますか。はしゃぎ過ぎです」
かのん「う……で、でも……」
冬毬「姉者、早く元に戻ってください。お二人も集中してくださいね?」チラ
マル・かのん「うっ……!」
サッ サッ
夏美「ううう……肩が、肩が爆発しましたの……」ヨロヨロ
-
冬毬「それでは改めまして……」
冬毬「始め」
シーーーーーーーーーーーーン
かのん「…………」
夏美「…………」
マル「…………」
マル「(はあ……始まっちゃった。けどこれ、どうすればいいのかしら?)」
マル「(えっと……自分と向き合って、精神を落ち着ける……とか言ってたっけ)」
マル「(…………)」
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」
-
10分後
シーーーーーーーーーーーーン
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
マル「(…………)」
夏美「(…………)」
かのん「……………………」チラ
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
-
かのん「…………」
かのん「…………!」ピコーン
かのん「…………」チラッ
夏美「(…………)」
かのん「…………」
かのん「…………」
かのん「……オレタチ、ニンゲンクウ」ボソッ
夏美「!?」
夏美「…………」
夏美「……///」プルプル
夏美「…………っ!///」プルプル
夏美「……プッ!」
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
夏美「きょあああああああああぁああああぁぁぁ!!!」
マル「!?」
-
草
-
冬毬「姉者、何を笑っているのです。精神を集中させてください」
夏美「違いますの〜!今かのん先輩が笑わせたんですの!いでえええええ!」ジタバタ
かのん「えー?私何もしてないよ?」
冬毬「私も何も聞こえませんでしたが」
夏美「ううう……!そ、そういうことしますのね……よーく分かりましたの……!」
かのん「えー、なんのことー?」クスクス
マル「(あーなんか良くない方向に……)」
-
冬毬「では再開します」
冬毬「始め」
マル「(…………)」
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」
5分後
シーーーーーーーーーーーーン
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
マル「(…………)」
かのん「(…………)」
夏美「……………………」チラ
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
-
夏美「(…………)」
夏美「(…………!)」ピコーン
夏美「(…………)」スマホ トリダシ
夏美「(…………)」スマホ ポチ
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」スマホ ポチ
かのん「(…………)」チョイチョイ
冬毬「…………?」
かのん「(…………スッ)」ユビサシ
冬毬「…………」
夏美「(えっと……あの曲はどこでしたのっと……)」スマホ ポチポチ
冬毬「…………」ジーッ
冬毬「…………」
夏美「(……んー)」ポチポチ
夏美「(……あ)」
夏美「(あった!)」スマホ ポ…
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
夏美「ぎょはあああああああぁああああぁぁぁ!!!」
マル「!?」
-
夏美「いでええええええええ!!!サトテル!サトテルがホームラン打った時みたいな音がしましたのおおおおォォ!!!」ゴロゴロ
冬毬「姉者、座禅中にスマホを弄るとは信じられません。集中してください」
夏美「うぅ〜……見られていたとはァ……!!」
かのん「(…………)」ニター
マル「(…………)」
-
夏美「うう……スマホを取り上げられましたの……」
冬毬「では再開します」
冬毬「始め」
マル「(…………)」
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」
-
10分後
シーーーーーーーーーーーーン
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」
マル「(…………)」チラ
夏美「(…………)」
マル「(3発叩かれて流石に静かになったわね)」
シーーーーーーーーーーーーン
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
マル「(…………)」
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」
-
冬毬「…………」
ガサッ
冬毬「(……あ)」
冬毬「(姉者のスマホが袈裟の中から落ちそうです……)ゴソゴソ
ピッ
『♪デーーーッ!デーーーッ!デーーーッ!』
3人「!?」
『♪デーーーッ!デーデーデーーー!』
『♪デデデデ!」
『イーバーライガーーー!!(リターンズ!)』
3人「ブフォォ!?///」
冬毬「はっ!」
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
かのん「けゃああああああああぁぁあっあああぁぁ!!!」
夏美「ぐべらあああああああぁああああぁぁぁ!!!」
マル「Oaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaah!!!」
-
かのん「ちょっとおおおおおおお!今のは卑怯でしょ冬毬ちゃーん!!!」エビゾリー
マル「そうよ!今のは完全に笑わせに来てたじゃない!何よイーバーライガー♪って!」ジタバタ!
かのん「ブフォォ!?///」
冬毬「すいません、取り上げた姉者のスマホが鳴ってしまいました」
かのん「おい鬼塚ァ!!!」
夏美「ひいいいい!私のせいじゃありませんのー!」
マル「何なのよさっきの!」
冬毬「イバライガーの歌ですね」
マル「だからそのイバライガーが何なのよ!」
冬毬「イバライガーは茨城県のご当地ヒーローです。茨城のあちこちに現れて様々な活動をしています。私と姉者の幼稚園にも来てくれたことがありますよ」
かのん「知らないよそんなヒーロー!」
冬毬「まあご当地ですから」
夏美「うう……かのん先輩に聞かせるつもりが、自爆してしまいましたの……」
マル「んもーーーちゃんと座禅しなさいよ!」
-
冬毬「では再開します」
冬毬「始め」
マル「(…………)」
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」
15分後
シーーーーーーーーーーーーン
冬毬「…………」
スッ…… スッ……
かのん「(…………)」
夏美「(…………)」
マル「(…………)」チラ
マル「(2人とも、やっとおとなしくなったわね)」
マル「(にしても強烈……今日家に帰ったらゆっくりお風呂に浸かろう。肩に痣できてなきゃいいけど……)」
-
シーーーーーーーーーーーーン
マル「(静か……)」
マル「(……自分と向き合う……か…………)」
マル「(自分と……)」
シーーーーーーーーーーーーン
マル「(……ウィーンの学校に合格してたら、今頃どんな風に過ごしてたのかしら)」
マル「(音楽学校だし、放課後でもこんなに静かなことは無さそうね)」
マル「(みんな歌やったり、楽器やったり、オペラに……ミュージカル……きっと最新のEDMとかも……)」
マル「(私は……)」
マル「(……)」
マル「(……私、何をやりたいのかしら)」
-
マル「(歌……はもちろんだけど、作曲するなら楽器は必須……)」
マル「(ギター……ピアノ………)」
―――マルガレーテちゃんはさ、ベースやってよベース!
マル「!」
マル「……?」チラ
かのん「…………」
―――それでさ、一緒にバンドやって、世界一のガールズバンドになろう!
―――それだったらドラムですのドラム!多分奏者のパイが少ないから、1から探すよりマルガレーテにやってもらった方が早いですの!
マル「……」チラッ
夏美「…………」
―――えーっ?でもマルガレーテちゃん美人だし、かっこいいから、やっぱり前に出た方がいいっすよ!ギターバリバリ弾いて、かのん先輩と入れ替わりで、ボーカルもやった方がいいっす!
―――それはいいデスネ!衣装は可可が作ってあげマス!
―――膝上のこーんな短いスカート履いて、男どもをイチコロよ!
―――そ、そんな衣装を作ったら駄目です!破廉恥ですよ///
―――ワールドツアーとかやっちゃいなYO!でーっかいまぁ〜るい会場でさ!
―――そんなの世界のドコでも見に行くぜ!
―――Me too.
-
マル「(…………)」
マル「(……何で私のことなのに、Liella!のみんなが出てくるのよ)」
―――マルガレーテ
―――マルガレーテ
とんとん
マル「……ん?」
冬毬「マルガレーテ、静かに」
マル「……?」
冬毬「…………」ユビサシ
マル「…………」チラッ
かのん「すぅーーー……すぅーーー……」zzz
夏美「…………んあー……」ヨダレタラー
マル「…………」プチッ
-
冬毬「…………」スッ
マル「(…………コクリ)」ウケトリ
マル「…………」スクッ
マル「すぅーーー………………」
マル「イいいいいいバあああライガアアアアアァアアアアァァアアアアアアァァ!!!!!」
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
パアアアアアアアアアアアアアン!!!
かのん「びょんきゃああああああああああぁぁあっあああぁぁ!!!」
夏美「ばるさあああああああああああぁああああぁぁぁ!!!」
-
こうして負傷者2名を出し、座禅は時間前に打ち切り終了となりました。
このあと予定していた「作法を間違えたらハリセン一発!茶道マナー対決!」と、「正月見据えていざ勝負!Liella!カルタ対決!」はあえなく中止となり、肩に痣を作った2人は後日、衣装担当の可可先輩に泣くまで怒られました。
夏美プラン『座禅体験』
完
-
今日はここまで 明日で完結します
明日の分は今日の倍くらいの文字数があるので、夕方くらいからゆっくりやっていきます
ではまた明日 おやすみなさい
-
みんなが出てくるのすき
-
今のところきな子プラン以外でろくな目にあってないマルガレーテに幸あれ
-
今日でラストです 行きまーす
-
座禅後、寺
マル「あー……疲れた……」
マル「着替えたし、かのんたちはまだ動けないみたいだし、先に帰ろ……」
ニュッ
マル「(ん?今度は木の裏から帽子のツバが……)」
ピョコッ
メイ「よお、マルガレーテ!」
マル「……メイ先輩?」
すみれ「いやー楽しそうだったわね。何してたか知らないけど、ここまで声聞こえてたわよ」
マル「すみれ先輩も?え、2人とも何してるのこんな所で?」
メイ「何してるって、決まってるだろ?私たち2人を見て分からないか?」
マル「んー……?」
マル「……チームツリ目?」
すみれ「それはそれは、ようこそ新メンバーさん」
-
メイ「分かるだろ?今何してきたんだよ」
マル「……あ」
マル「2期生対抗の最後のメンバー?」
メイ「当たりだ」
すみれ「というわけで、迎えに来たのよ」
マル「……ん?」
マル「え、だってメイ先輩の番って明日でしょ?今まだ土曜の夕方なんだけど」
メイ「まあ事情があってだな。私の番は今この瞬間からスタートだ」
マル「は?」
メイ「というわけで、2期生対抗休日コーディネート選手権!アンカーの米女メイ編、スタートだ!」
マル「えっ」
すみれ「さっ行くわよ」
マル「えっ、えっ」
-
ファーン
ガタンゴトン ガタンゴトン
ノリカエ ノリカエ♪
ファーン ガタンゴトン ガタンゴトン
ノリカエ ノリカエ♪
―――お待たせ致しました、まもなく18時25分発、こだま749号名古屋行き、発車いたします
プワアアアアアアアアアアアアアアアン
ノリカエ ノリカエ♪
ファーン ガタンゴトン ガタンゴトン
ツイター!
-
某駅前
マル「…………」
メイ「お……おおお…………!」
マル「…………」
メイ「ああ……ついに、ついに……!!」プルプル
メイ「うおおおおおおおおおおおお!!!ついに……!ついに来たぞおおおおおおおおお!」
すみれ「うわー、聞いてたけど駅前は本当に普通の町ね。東京だったらちょっと西側くらいの感じかしら」
メイ「うわ!この看板!すっげー!」パシャパシャ
メイ「バスターミナル!バスターミナル!」パシャパシャ
メイ「うわあああああああ!あの屋上で!あの屋上で……!!」パシャパシャ
メイ「あああああああああああ!あのマックは!マックは!!」パシャパシャ
マル「ねえ、メイ先輩……」
メイ「マルガレーテもっと喜べ!ほら一緒に写真撮ろうぜ!」パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
マル「…………」
マル「ねえ……どこ、ここ」
メイ「あれ?言ってなかったっけ?」ピタッ
マル「言ってないわよ!」
-
マル「東京のお寺の前からズルズル引っ張られて、電車と新幹線まで乗せられて、気付いたらここまで連れてこられてたんだから!新幹線なんて乗るなら教えときなさいよ!」
すみれ「まあまあ、そう怒らないの。せっかく楽しい旅行なんだから」
マル「旅行!?え、私旅行に来たの!?何にも聞いてない!本っ当に聞いてないんだけど!?」
すみれ「まあ内緒にしてたし」
マル「旅行って!私財布に1万円くらいしか入ってないし!そもそも着替えとかどうするのよ!制服で旅行しろって言うの!?」
メイ「まあまあ、慌てない慌てない」
すみれ「服と靴は私のを持ってきてあげたわ。身長変わらないし、大丈夫でしょ。下着はファミマのやつ買っといてあげたから」
マル「お、お金!お金無いわよ!」
メイ「軍資金なら任せろ!ほらよ!」
諭吉『『『『『『『『『『ちわっす』』』』』』』』』』
マル「んぎっ!?こ、高校生が持ってていいお札の数じゃないわよ!早くしまって!」
メイ「へっへーん!どうだ!」
マル「どうだも何もないわよ!どうしたのこのお金!ま、まさかメイ先輩、サヤさんに弟子入りを!?」
メイ「は?何で今サヤさんが出てくるんだ?」
マル「い、いや……あの……その…………」
-
すみれ「普通にLiella!の活動費から出た軍資金よ。配信やらグッズ収入やら、CEOが上手いことやってくれてるわ」
メイ「どうしてもマルガレーテを連れて行きたい所があるって言ったら、Vlog撮って来るのを条件にポンッて出してくれたんだぜ!私たちの活動の行方は、今や夏美の両肩に乗ってると言っても過言じゃねえな!」
マル「(その肩、今日バチボコにシバいてきちゃったけどね……)」
メイ「ずーーーっと来たかったんだよここ!絶対自分ひとりじゃ来れないからさ、もう嬉しくって嬉しくって!昨日楽しみ過ぎて眠れなかったぜ!」
マル「(…………)」キョロキョロ
マル「(普通の町じゃない……。都会でも田舎でもない)」
マル「……この町に特別な何かがあるとは思えないんだけど」
メイ「それは明日になれば分かるって!」
すみれ「そうね、どっちにしろ明日だわ。今日はホテルを取ってあるから行きましょう。すぐ着くわ」
メイ「さあレッツゴー!」
-
マル「あ、ちょっと!」
メイ「ん?」
マル「いい加減町の名前くらい教えなさいよ」
メイ「ああ」スッ
マル「?」
マル「(駅舎……あ、駅名……)」
マル「ぬま……づ?」
メイ「ここはな、沼津。伝説のスクールアイドル『Aqours』のお膝元だ」
-
ホテル
マル「なんで旅行先でコンビニご飯なの?そんなに名物ないわけ?この町」モグモグ
メイ「いやー週末だからホテル代高くってさ、明日も結構使っちゃう予定だし、ほんのちょっとでも浮かせたいんだよ」
すみれ「大目に貰ってるとはいえ、軍資金も無限じゃないし」
マル「じゃあ泊まりじゃなくて、明日の朝の新幹線で来ればよかったんじゃないの?」
メイ「それじゃ間に合わないんだよ」
マル「?」
メイ「明日は朝一で行きたい店があって、そこの名物が開店からすぐに売り切れるんだ。東京から始発でも絶対間に合わないんだよ」
マル「……何時起き?」
メイ「5時」
マル「はあ!?」ガタッ
-
すみれ「港まで行くんだけど、朝早すぎてバスが出てないのよ。歩いて30分くらいだし、お腹減らしがてらゆっくり行きましょ」
メイ「そこで朝飯食うからさ、感動はとっておきたいんだよ」
マル「感動?」
すみれ「獲れたばっかりの魚料理を食べるの」
メイ「マッジで感動するくらいヤバいらしいぞ?だから、中途半端な魚介とか食わないようにしたいんだ」
マル「そんなに変わるものなのかしら」
すみれ「向こう……オーストリアで新鮮な魚って食べたことある?」
マル「ウィーンは海が遠いし、そもそもオーストリアは内陸国だから、新鮮な魚って見たことない気がするわね。ほとんどハーブ焼き……とかかしら」
すみれ「じゃあびっくりするかもしれないわね。日本人の魚好き、ナメない方がいいわよ」
マル「そう……」
-
マル「で、今回の目的はその魚料理を食べること?」
メイ「まーさか!言ったろ?沼津は伝説のスクールアイドル、Aqoursのお膝元だって」
マル「ああ……言ってたような……」モグモグ
メイ「そのAqoursと結び付きの深い場所を巡って、ついでに普通に観光もしようって話だ。私の休日コーディネートは、伝説のスクールアイドルの町沼津を丸々1日観光!だ」
マル「…………」
すみれ「ん?何か不満?」
マル「いや、そうじゃなくて……」
マル「他の3組がかなり強烈だったから、なんかそんな当たり前に素晴らしすぎることを言われても、どうせ途中でアクシデントがあって予定が崩れるんだろうなー、としか……」
すみれ「あんた先週と今日何やってたのよ……」
-
メイ「まあ安心しろ。プランはこの私が完っ璧に練ってあるからな!」
マル「(そういうこと言いながら、たった一本の倒木でプランが崩壊した人がいるのよ……)」
メイ「じゃあ、今日は早めに寝ようぜ。あんまり夜更かししたら朝起きれないからな」
マル「そうね……まさか新幹線に乗るなんて思ってなかったから、もうくったくたよ……」
すみれ「まあゆっくり寝ましょ。ギャラクシーなマッサージでもしてあげようか?」
マル「普通のでお願い……」
-
翌朝
メイ「ふあ……」
すみれ「あんなに早く寝たのに……やっぱこの時間はキツいわね……」シパシパ
マル「だらしないわね……シャキッとしなさいシャキッと…………ふぁ〜……」
すみれ「そういうあんたもね……ねっむ……」
マル「ところで、その帽子に付けてるの何なの?」
すみれ「これ?GoPro。カメラよカメラ。配信者がよく使ってるでしょ」
メイ「ホテルにハンディーカメラもあるぞ。夏美がVlog沢山撮って来いってうるさくってさ」
すみれ「まあ軍資金出してもらってるから文句は言えないわね。動画アップしてどうにか旅費をペイしたいんでしょ」
マル「こんな何もない道端撮ってどうするのよ?」
すみれ「色々撮っておいた方が編集しやすいでしょ。いざって時、素材が何も無いよりマシだから」
メイ「それって、バッテリーどのくらい持つんだ?」
すみれ「設定によるけど、2時間くらいしか持たないらしいわ」
マル「それ、ここで使っちゃっていいの?他で使う場面があるんじゃ」
すみれ「だって東京に撮影用のスマホの棒忘れちゃったんだもん。まだお店も開いてないし、腕もダルいし、これでいいでしょ」
マル「ん……まあそうね。ふぁ……」
-
メイ「ペイするっていえば、すみれ先輩のペイペイの音量デカすぎないか?」
マル「あ、それ分かるかも」
メイ「レジで支払ってる時さ、笑っちゃうんだよ///メッチャ勢いよく『……っペイペイッ!!』ってさ!」
マル「ちょっと止めなさいよ。思い出しちゃうじゃない///」
すみれ「え?アレ変えられないでしょ?」
メイ「変えられるよ!ほらスマホ出して」
すみれ「んー?どこ?」
メイ「右下の、アカウントってとこをタップして」
すみれ「んと……あ、ホントだ音量ってある。ちょっとー、もっと早く教えなさいよー……」
マル「これ教えない方が良かったんじゃないの?」
メイ「そうだな。『……っペイペイッ!!』」
マル「やめなさいって!/// ちょっと似てるのなんなのよ!///」
すみれ「うるさいわねー……。でもさ、今ペイペイないと生きていけないわよね」
メイ「スッゲー分かるわ」
マル「でも日本ってまだちょっとキャッシュレスの普及率低くない?ちょくちょく財布取り出す機会あるのよね」
すみれ「オーストリアは?」
マル「ほとんどキャッシュレスよ。小銭のやり取りが無くて便利ね」
メイ「分かるー……。現金で払ってたらさ、気ぃ抜いたら1円玉とか5円玉とかマジですぐたまるよな」
マル「それ分かる。かのんとか財布パンッパンな時あるもの」
-
メイ「小銭っていえば、千砂都先輩ってさ」
すみれ「うん」
メイ「やっぱ財布に小銭パンパンなのかな?」
マル「どうして?」
メイ「いや、丸好きじゃん、丸」
すみれ「あー……、でもその辺ちょっとドライそうじゃない?イラネッ、って小銭全部即チャージしちゃいそう」
メイ「ちょ、その顔ヤバ!丸にドライな千砂都先輩ヤバ!///」
マル「1円玉とかチャージできないでしょ?」
すみれ「できるわよ。携帯ショップあるでしょ、あの中に端末があるから、そこから小銭もチャージできるのよ」
マル「うわ、もっと早く知りたかった。有意義だわその情報」
メイ「『マルガレーテ、そんなことも知らないんですか?1円玉を財布にためるなんて非効率です。そんなものは神社のお賽銭にして、ラブライブ優勝祈願に使った方がよっぽど効率的です』」キリッ
マル「ちょっと冬毬のマネやめなさいよ!/// 結構似てるじゃない///」
すみれ「非効率って何よ非効率って/// 財布に1円玉がたまるのが非効率って///」
メイ「それか、『鬼塚商店に寄付をお待ちしていますのー!いらなくなった1円玉、回収しますのー!』」
マル「こっちも似てるのなんなのよ///」
すみれ「あっはっは!あんたモノマネの才能あるんじゃない?」
マル「集めた1円玉で何するの?」
すみれ「そりゃもう『集めた1円玉全部溶かして、鬼塚商店の表札作ってみたー!』って動画アップするしかないでしょ」
メイ「大炎上じゃ済まないって!/// ってかそもそも違法だし!」
-
すみれ「…………」
マル「…………」
メイ「…………」
メイ「『……っペイペイッ!!』」
マル・すみれ「プッ!!」
マル「もうちょっと、やめてってば!///」
すみれ「もう大きくないし!そんなに大きくないし!///」
メイ「じゃあ隙見て私たちが大きくしといてやるぜ。なあマルガレーテ?」
マル「巻き込まないでよ/// 大きくなってたら犯人は1人よ1人///」
すみれ「違いないわね///」
-
メイ「あっ、見えてきた。あれ沼津港の入り口だ」
すみれ「あー、ちょっと海の匂いする……かも?」
マル「そう?海なんか見えないけど、そんな分かるものなの?」
メイ「まあ私たち島国の人間だからな。遺伝子に刻み込まれてるのかも」
マル「そんなものなのかしら」
すみれ「お店は?」
メイ「このまままっすぐ行って、一本入ったところ……って、おっ!でっかい牡蠣小屋の看板発見!」
すみれ「いやー、昨日駅前に着いた時は大丈夫かって思ったけど、こうしてみるとテンション上がるわね。THE観光地!って感じで」
マル「ホテルから思ったより遠かったけど、おかげでおなかも空いたわ」
メイ「さあ行こうぜ。マジで期待大だ……!」
-
お店
マル「なんか普通の定食屋みたいだけど、ちょっと堪らないわね……」キュルルル…
メイ「ヤッバイなこの匂い……」グウウウウ…
すみれ「ただいまー……わ、いい匂い」
メイ「おかえりー」
すみれ「注文しといてくれた?」
メイ「ネギトロ丼の小とエビフライ、それにアジフライとタルタルソース」
すみれ「よくできました。2人は?」
メイ「私は海鮮丼と肉じゃがの小。丼はみそ汁とサラダが付いてくるらしいぜ」
マル「私はカキフライ定食とミックスフライ。あとハムエッグ」
すみれ「あれ?刺身とか食べなくていいの?」
メイ「本格的な生魚食べた事無いんだってさ」
マル「メイ先輩のを少しもらって、いけそうだったら別で頼むわ。食べられなかったらいけないし」
すみれ「なるほど」
-
メイ「そしてもちろん……金目鯛の煮つけ」
すみれ「散々言ってたやつね。そんなに美味し……」
壁メニュー『金目鯛の煮つけ 2000円』
すみれ「え!?ひ、ひと皿で2000円するの!?」
メイ「正直、東京に帰ってシバかれる覚悟はできてる」
すみれ「こ、高校生がやっていい贅沢じゃないわよこれ……」
メイ「でもこれ食べないとここに来た意味ないんだって!さっきから見てるけど、マジで店に入った人間全員頼んでる。レビューにあったけど、だいたい開店1時間後には売り切れるらしい」
すみれ「ホ、ホントに?……これ、軍資金じゃなくて、自腹で食べた方がいいんじゃないの?」
メイ「……いざとなったら、すみれ先輩がグラビアをやればすべて解決だ」
すみれ「なに!?」
メイ「まあ冗談は置いておいて。大丈夫、観光地だからそれなりの値段するって夏美にはあらかじめ言ってあるし」
すみれ「許してくれるかしら?」
メイ「謝ること考えるより、CEOを納得させられるような良い動画撮っとこうぜ。すみれ先輩、スマホで物撮りの準備。マルガレーテは動画で店内ぐるっと撮ってくれ」
マル「他のお客さん写っちゃうわよ?」
メイ「夏美が後でモザイク入れてくれるから大丈夫。店の許可は取ってある」
すみれ「よく許可とれたわね、こんな忙しそうな店」
メイ「逆だよ、ここ観光地だからテレビとかネットの取材で慣れてるんだ。レビューの評価も高いし、取材許可も簡単に取れるって個人ブログに書いてあった。だからここにしたんだ」パシャ パシャ
すみれ「す、すごいわね。下調べ完璧じゃない」
メイ「やっっっっと来れた沼津、1秒たりとも無駄にはしないぜ……!」
-
デーーーーーーン
メイ「というわけで、まずは私の料理が来たんだけど……」
マル「……これは」
すみれ「……アカン」
キラキラキラキラ
メイ「……宝石箱や」
すみれ「ねえ、メイの海鮮丼、なんか……光ってない?」
マル「私もそう思うわ……」
メイ「ま、まさかこんなクオリティだとは……」ゴクリ
キラキラキラキラ
すみれ「ほらメイ、先にいっちゃいなさいよ。私たちのは揚げ物だから、まだ来ないわよ」
メイ「そ、そうだな……」
メイ「…………」
マル「メイ先輩?」
-
メイ「……い、いやダメだ!こんなの一人で食べたら罰が当たる!マグロが3切れあるから、3人で一緒に食べよう……!」
マル「えっ!?」
すみれ「あ、あんた正気!?自分の分無くなるのよ!」
メイ「いい!こんなの一人で食えない!みんなで一緒に地獄に落ちよう……!」
マル・すみれ「…………」カオミアワセ
マル「じゃ、じゃあ……」
すみれ「お言葉に甘えて……」
メイ「……よし、みんなマグロは持ったな!」
マル・すみれ「(…………)」コクリ
メイ「じゃあ、醤油につけて……」チョンチョン
メイ「行くぞォ!せ〜の……」
3人「いただきます……!」
パク……
3人「…………」
3人「!!!!!!!!!!!!」
3人「…………!!!」ジタバタ ジタバタ
-
メイ「ん…………んぐ……!ああっ飲み込んじまった!まだ飲み込みたくないのに、脂で……!」
すみれ「なにこれ……兵器?兵器よね、コレ?」
マル「…………」ツーーー…
メイ・すみれ「!?」
メイ「(マ、マルガレーテが……)」
すみれ「(泣いてる……!?)」
マル「おお神よ……なぜ私は、今日これまで生きてきた人生、なぜあのようなパッサパサのハーブ焼きの魚しか食べたことが無かったのでしょう……」
メイ「マ、マルガレーテ?大丈夫か?」
すみれ「生魚、大丈夫そう……?」
-
マル「メイ先輩、今すぐここに全世界の各国首脳を集めなさい……。これを食べれば、戦争は無くなるのです……」ツーーー…
メイ「あ、ああ……?」
マル「ああ、でも!でも今度は!マグロの奪い合いで戦争が起きてしまう!やめて!なんて人間は醜いのでしょう!人類は……人類はもうおしまいです!(号泣)」
メイ「どうしちまったんだオイ……」
すみれ「大層お気に召したようね」クス
店員「カキフライ定食でー……大丈夫すかお客さん?」
すみれ「ああ、すいません、すいません///」ペコペコ
-
みんな注文したのが来ました
マル「なによコレ……なによコレ……!」ガツガツ
メイ「ちょっとダメだこれ、マジで美味すぎる……」バクバク
すみれ「いくらなんでも……これは凄いわ……」パクパク
メイ「朝5時に起きた甲斐があるってもんだぜ」
すみれ「ホントね、これは早起きの価値アリ。お釣りが来るわ」
マル「魚じゃない……私の知ってる魚じゃない……!」
メイ「マルガレーテ、刺身もうちょいいってみるか?」
すみれ「追加する?」
マル「お願い。すみれ先輩がグラビアで稼ぐから」
すみれ「胸を出すならお金出すわよ……」
-
店員「キンメの煮つけでーす」
メイ「ついに来たぞ……ひと皿2000円の金目鯛……」
すみれ「Liella!のみんな、ごめんなさい。私たちは今から、大罪を犯します」
マル「ちょっと……普通の魚と違う?」
メイ「深海魚らしいぞ」
すみれ「へぇ〜」
メイ「じゃあ、いきますか……!」
すみれ「う〜……この一口、多分コンビニのプリンより高いわよね……」
マル「うわ香りすご……」
メイ「じゃあ、せ〜の……」
-
パク……
3人「…………」
3人「!!!!!!!!!!!!」
3人「――――――」
メイ・すみれ「……はっ!」
メイ「い、いま私たち……」
すみれ「……意識飛んでた?」
-
メイ「なんだこれ……もう美味いとかそういう次元じゃないぞ……」
すみれ「頭の中でパイプオルガンが鳴ったんだけど……」
メイ「分かる……なんか、パトラッシュと一緒に天使に連れて行かれそうになった気がするぜ……」
すみれ「マルガレ……」
メイ・すみれ「!?」
マル「――――――」ニッコリ
すみれ・メイ「(し、死んでる……)」
-
そんな美味いんか
-
その後、刺身盛りを追加で頼んだら店員さんが気を利かせてくれて、サービスでマグロを炙りにしてくれました。
美味しいどころじゃなくて、もちろん〇にました。
マルガレーテが大盛りご飯を2回もおかわりして、店員さんに気に入られたのか、他のお客さんに内緒で小さいアイスを3つ出してくれました。
熱い舌が冷えてとろけました。
お会計3人で10850円でした。
今度は肝が冷えました。
土下座の準備はできています。
チームツリ目
-
ホテルへの帰り道
メイ「…………」
すみれ「…………」
マル「…………」
メイ「……人生で一番美味かった」
すみれ「私も……あれは反則だわ」
マル「私、オーストリアに帰ったら、まず流通のインフラ関係を整備して、日本の冷凍技術も輸入して、オーストリアに美味しい魚の文化を浸透させるわ」
すみれ「大統領にでもなる気?」
マル「魚の女王と呼ばれるのが、今の私の夢」
メイ「歌はどうした歌は」
すみれ「内陸国なんでしょ?どうやって魚集めるのよ」
マル「うう……こんなのひどい……。オーストリアに帰ったら、もうこの味が食べられなくなるなんて……」メソメソ
メイ「かわいそうに。知らない方が幸せだったかもな」
マル「ここに連れてきたのはメイ先輩だから、先輩が責任取って……」
すみれ「けーっこん、けーっこん」パン パン
メイ「趣味じゃねえなあ、こんなメソメソしてる女はよ」
すみれ「昭和のおじさんみたいなこと言ってる」
-
読んでて美味そうで店の元ネタあるなら教えて欲しい、普通に行きたい
-
マル「その昭和とか令和とかさ、なんか面倒くさくない?全部西暦にすればいいのに」
メイ「分かるー……歴史の授業とかさ、19〇〇年(昭和〇〇年)」みたいな覚え方するの、マジで無理なんだよ……」
すみれ「あれ昭和の場合だったら、西暦の下二桁から25引くだけでいいから簡単じゃない?1945年は昭和20年、みたいに」
メイ「昭和で歴史が終わればな……」
マル「昭和っていえば、この前かのんとテレビ見てたんだけど、なんか昔のやつで……何人かでターゲットを暗〇するやつ。時代劇……っていうの?ああいうの」
すみれ「あー、タイトルは分かんないけど、感じは分かるかも」
マル「それで、主人公たちが夜暗いうちに屋敷みたいなところに忍び込んで暗〇するんだけど、なんか味方の中に、へ、変なアメリカ人みたいなのが出てきて……///」
すみれ「はあ?」
メイ「お前、アメリカ人が時代劇に出てくるわけないだろ!///」
-
>>194
すまん、元ネタは無い
でも金目鯛はだいたい美味いと思う
美味い店は聖地巡礼スレで聞いてくれ
-
マル「本当なんだってば!/// それで、静かに行動しなきゃいけないでしょ?暗〇だしバレちゃいけないから」
メイ「ああ」
マル「けどそのアメリカ人、鉄の球みたいなのを思いっきりぶん投げて、敵の頭に当てて倒した後、「ハァーーー!!!ハッハッハァーーー!」みたいに大笑いしてどこか行っちゃって///」
メイ「はーあ?何だよそれ!そんな時代劇聞いたことないって!///」
マル「かのんが「いや忍んでなさすぎるよ!」って叫んでて/// もうおっかしくて///」
すみれ「ちょっとマルガレーテ!食べ過ぎて苦しいんだから笑わせないで!あっはっは!///」
マル「でも本当なんだってば!かのんと2人で大笑いしたんだから。かのん笑い過ぎてありあに怒られちゃって///」
メイ「やっばいなそれ/// あー、おっかし///」
-
すみれ「はー、もう苦しい……。お腹の中で金目鯛が暴れてるわ……」
メイ「それ他のメンバーの前で絶対言うなよ?私たち磔の刑にされるぞ」
すみれ「間違いないわね」
マルガレーテ「さっき言ってたけど、金目鯛って深海魚なんでしょ?」
メイ「軽く調べたけど、沼津の目の前が駿河湾っていう海で、そこの水深が深いから深海魚の金目鯛が獲れるんだって」
すみれ「金目鯛……私、ペットで飼いたいくらい好きだわ」
メイ「3日で水槽が空になる未来が見えるぜ」
マル「でもホント、金目鯛もマグロもフライも全部美味しかったわね……」
すみれ「財布と胃袋がもっと大きければって、真剣に思ったわ」
メイ「マルガレーテは足りなかったんじゃないのか?」ニヤニヤ
マル「まさか、流石に3杯はやりすぎたって思ってるわよ」
-
すみれ「最後に金目鯛のタレをご飯にかけて食べるアレ、あれはちょっとやり過ぎよね」
マル「教えてくれた店員さんに感謝……」キラキラ
メイ「あんなに早く米が無くなるの初めて見たぜ。さてはお前、歌とかじゃなくてラグビーとか相撲で留学しに来たんだろ」
すみれ「それを言ったら私たち全員、今すぐ入門できるくらいおなか大きいわよ」
マル「確かに、流石にこのまま何かするのはキツいわね……。ホテルに戻ったら何かするんだっけ?」
メイ「ちょっと休憩して、9時ちょっと前にホテルを出るぞ。内浦ってところに行くから」
すみれ「水族館に行くんだっけ?」
メイ「まあお楽しみに」
すみれ「はいはい」
-
休憩後、内浦行きのバスの中
マル「日曜とはいえ、結構人多いのね。ギュウギュウだわ」
メイ「人気観光地だからな。早めにバス停行っといてよかったろ?」
マル「確かに、あとちょっと遅かったら座れてなかったわね」
マル「で、水族館だっけ?」
メイ「いや、最初は淡島ってとこに行くぞ」
マル「アワシマ?」
メイ「ちょっとした島があるんだけど、そこに船で渡って、ぐるっと一周する」
マル「そこに何か名物が?」
メイ「ダイビングショップとホテルがある」
マル「え、ダイビングするの?」
メイ「いや、今日はしない」
マル「?」
マル「じゃあホテルに行くの?」
メイ「行かない」
マル「???」
-
マル「じゃあ何するのよ?」
メイ「歩いて休む」
マル「…………」
マル「ちょっとすみれ先輩、メイ先輩がおかしなことを」
すみれ「マルガレーテが言ってることが絶対に正しいと思う」
マル「じゃあ止めて」
すみれ「止めたわよ散々……でも聞かないんだもん」
メイ「大丈夫だって!絶対に大丈夫」ウンウン
マル「…………」
マル「(まあ下調べもしてくれてるんだし、何かあるのかも)」
マル「……分かったわ、行くわよ。なんか拒否権なさそうだし。それにさっきのお店もちゃんと当たりだったし」
メイ「そうだろ?まあ任せとけって」
-
淡島対岸、船のり場
メイ「うわ……うわああああああああぁぁ……!!」フルフル
すみれ「あれが淡島。へー」
マル「へー」
マル「(…………)」
マル「(……へー、以外の言葉が出ない)」
メイ「淡島だ……淡島だ……!」
メイ「あのホテルが……!あのダイビングショップが……!うわ……うわあああああああああああぁぁぁ!!」パシャパシャパシャパシャ
マル「(今日行かないホテルと、今日やらないダイビングのショップを見ながら、泣きそうになってる……)」
すみれ「ちょっと落ち着いたら?今からあそこに行くんでしょ?」
メイ「これが落ち着いてられるかよ!ほら一緒に写真撮ろうぜ写真!淡島バックに!」ガシッ
すみれ「わっ!」
マル「うわ!」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
-
船に乗って淡島上陸、桟橋
マル「うわ…………」
すみれ「すごい…………」
メイ「マジかよコレ…………」
マル「(海、青いなんてレベルじゃない……)」
マル「(宝石……宝石みたい……)」
マル「…………」
すみれ「…………」
メイ「…………すっげ……」
-
船員「皆さん、観光ですか?」
すみれ「えっ……あ、はい」
船員「それはいい時に来ましたね。今日は年に何回も無いくらいの透明具合ですよ」
メイ「へえー、毎日変わるもんなんですか?」
船員「変わりますねー。雨とか降ったら濁りますから。沼津は初めてですか?」
すみれ「はい、東京からです」
船員「そうですか、この海見てもらえて嬉しいですよ。こんなに綺麗なのはー奇跡だよ!ってね!ハハハ」
メイ「!」
船員「狭い島ですけど、ゆっくりしていってください。島の裏側のベンチで海を見ながらコーラでも飲むと最高ですよ。それじゃ」
すみれ「どうも」
メイ「…………!」プルプル///
マル「……メイ先輩?」
メイ「ほおおぉぉぉぉ…………///」
メイ「来てよかった……来てよかったなぁ……!」
すみれ「え」
マル「まだ何にもしてないけど……」
-
島裏、ベンチ
ザーーーーーーッ…………
ザザーーーーーーッ…………
マル「…………」
すみれ「…………」
メイ「…………」
メイ「天国って……こういう感じなのかな……」
すみれ「うん……多分……」
マル「信じるわ、それ……」
ザーーーーーーッ…………
ザザーーーーーーッ…………
メイ「気持ちいいー…………」
すみれ「潮風……雲もほど良く出てて……」
マル「このコーラ、1本3000円でも買うわ……」
-
メイ「……なんかさ」
すみれ「うん」
メイ「おじさんが観光とか行って、何もしないでボーっとしてるテレビ番組とか、マジで意味わかんなかったんだけど」
すみれ「うん」
メイ「こういうことだったのか……」
すみれ「そうね……」
マル「…………」クピクピ
3人「……………………」ボーッ
ザーーーーーーッ…………
ザザーーーーーーッ…………
-
メイ「いやー、まさか1時間もボーっとしちまうなんて……」
すみれ「仕方ないわよ、誰も動けなかったもの」
マル「沼津にいる間は1秒たりとも無駄にしないんじゃなかったの?」
メイ「さっきの時間が無駄だったか?」
マル「私あっちに帰ったら、お金を稼いでオーストリアに海と淡島を作ることに決めたわ。そこで毎日日光浴をしながら、マグロと金目鯛の養殖をするの。一大観光地にしてみせるわ」
メイ「めちゃくちゃ気に入ってやがった……」
すみれ「その時は招待してね。Liella!全員ファーストクラスで」
-
ダイビングショップ前
メイ「…………」ソワソワ
メイ「…………」
メイ「…………」ジーッ
マル「……何してるの?今日やらないんでしょ、ダイビング」
メイ「いや、ちょっとな」
メイ「…………」ジーッ
マル「?」
メイ「…………」ジーッ
従業員「……あの」
メイ「ぬおっ!?」ビクッ
-
従業員「ダイビング体験の受付ですか?」
メイ「あ、いや……あのその……今日はやらないんですけど、ま、松浦さんって……」
従業員「あー、店長今日は所用があって居ないんですけど、お知り合いでしたか?」
メイ「あーいえいえ!大丈夫です!あの、お店の写真だけ撮っても大丈夫ですか?」
従業員「あーはい、どうぞー」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
マル「(何枚撮るつもりかしら……)」
すみれ「も、もういい?」
メイ「もうちょっと……もうちょっと……!」パシャパシャパシャパシャ
-
対岸に帰還
メイ「うわー……最っ高だったぜ淡島!」
すみれ「行く前は何あの島?だったけど、今はちょっと光って見えるわね」
メイ「本当は島の上の方に神社とかあるんだけどさ、行くの結構大変らしくて、登ったら体力終わりそうだったから今日は無し。次来た時に取っておこうぜ」
すみれ「2泊あればよかったのに」
マル「(昨日の座禅が無ければよかったのに……)」
メイ「じゃあ、次行くか」
-
再びバス
メイ「ほら、島の山の中腹あたり。建物あるだろ?」
マル「あー……あった、アレね」
メイ「昔はあそこまでロープウェイで行けたらしいんだよ。私たちが船に乗ったところから出てたんだってさ」
すみれ「へえー、ちょっと乗ってみたかったかも」
マル「でも船も良かったわね。あんなに海が青いの、ちょっと感動したわ」
すみれ「たしかに」
メイ「ちゃんと動画撮ったか?」
マル「バッチリ。メイ先輩も、ダイビングショップで写真200枚くらい撮ってたわね」
すみれ「あのダイビングショップに何があったの?」
メイ「いやーちょっと、アハハ……」
マル・すみれ「?」
-
下車後 長井崎、坂道
すみれ「うー……この坂道、しんど……」
メイ「噂には聞いてたけど……これ程とは」
マル「きっつ……」
メイ「な?この坂上るから、さっき神社を断念したんだよ。足パンパンでここ上るって言ったら、ブチギレるだろ?」
すみれ「違いないわ……」
マル「何があるのよこの先……」
メイ「行けば分かるさ」
マル「あ……あれ、学校?」
すみれ「え、こんなところに?この坂……通学路だったの?」
メイ「ああ、あれが目的地だ」
-
浦の星女学院、正門前
メイ「…………」
すみれ「この学校、ひょっとして」
メイ「ああ。伝説のスクールアイドルAqoursの学校、浦の星女学院だ」
マル「……?」
マル「なんか、日曜にしても人気が無さすぎじゃない?車一台止まってないし」
すみれ「グラウンドでも部活やってなかったわね」
メイ「いないんだよ、生徒」
マル「?」
メイ「浦の星女学院は、Aqoursが優勝した年に廃校になってる。ここにはもう、生徒はいないんだ」
マル「え……」
-
メイ「Aqoursはさ、凄いんだよ。こんな小さな町で、小さな学校の女の子達がスクールアイドル始めてさ、学校の廃校を阻止するためにめちゃめちゃ頑張ったんだ。けど入学希望者が集まらなくて、結局廃校が決まっちまった」
マル「……」
メイ「でもさ、それでもAqoursはスクールアイドルを続けて、その年ぶっちぎりで全国優勝したんだぜ。『絶対優勝したかった、応援してくれる人たちと、町の人たちの為に、優勝旗とラブライブの歴史に、浦の星女学院の名前を刻みたかった』って、カッコよすぎるだろ」
すみれ「そうなの……」
メイ「絶対来たかったんだ、ここ。Aqoursが守りたかった場所。けど守れなかった場所。閉校式のあと、この門を最後に閉めたのってAqoursだったらしいんだけど、一体どんな気持ちだったんだろうな……って」
メイ「…………」
スッ…… スッ……
-
すみれ「校舎はだいぶ汚れちゃってるけど、門はそんなに汚れてないように見えるわね」
メイ「この門を撫でに来る人が多いんじゃないかな。OBの人とか、こうして聖地巡礼に来る人とか。中に入れないから、門だけ撫でて帰るのかも」
すみれ「その為にこの坂を上って来るのか……大変ね」
メイ「案外そうでもないかもな。OGは卒業まで3年間毎日通ってたわけだし」
すみれ「なるほど」
メイ「……マルガレーテ」
マル「うん?」
メイ「ここに連れてきたかったんだ、お前を」
マル「……ここに?」
-
メイ「正直、去年お前のことマジで嫌いだったんだよ。歌上手くて、ダンスも凄くて、でもスクールアイドルのことも、ラブライブのことも見下してバカにしててさ、何だコイツって、絶対仲良くなれねえって思った」
マル「…………」
メイ「でも、今はそうじゃないって分かってる。お前もいろいろ事情があってあんな態度とってたんだなって分かるし、今はスクールアイドルも好きになっていってるって分かる。それが分かるから、ここに連れてきたかったんだ」
メイ「スクールアイドルってさ、やっぱ凄いんだよ。学生のお遊びって思われることも多いけど、それでも誰かにとっての憧れになったり、目標になったり、励みになったり、光になったり」
メイ「私だってそうだよ。部屋いっぱいにアイドルとかスクールアイドルのDVDとかグッズとか、沢山ある。まさか自分がやる側になるなんて、思ってもなかったけどさ」
-
メイ「……その中でもAqoursは特別なんだ」
メイ「伝説、レジェンド、唯一無二、そう呼ばれてきたラブライブの優勝校とアイドルは沢山いるけど、Aqoursは、Aqoursは違うんだよ」
メイ「バスの中から見てきたろ?駅前の小ささも見たろ?Aqoursはこの町から伝説を作ったんだ。信じられるか?多分原宿にいる人数より人口少ないぞ」
メイ「でも、小さなこの町が一丸となって背中を押して、Aqoursもそれに応えたから、あの9人は優勝旗を掴み取れたんだ。町ひとつ巻き込んだんだぞ?スッゲーよな」
メイ「それでもこの学校は廃校になった。もうこの門の中には誰も入れない。それでも、この門を撫でて、古くなった校舎を眺めるためだけに、この坂を上って来る人がたくさんいる。今でも、ここにも」
メイ「みんな、Aqoursに光をもらったんだ。スクールアイドルに光をもらったんだよ」
メイ「お前がオーストリアに帰って、でっかい学校に入って、いつか歌手になって、世界中を飛び回るような人間になっても、忘れないでほしい。……この小さな光を、さ」
メイ「歌もダンスも、プロには到底かなわないかもしれないけど、みんな魂削ってやってんだ。命燃やして頑張ってんだよ」
メイ「そんなこと、私に言われなくても、もうマルガレーテだって分かってるよな」
メイ「……でも、私はちょっとだけ先輩だから、改めて言わせてもらうぜ」
メイ「スクールアイドルは、みんなが命を燃やしてやってることは、いま私たちのやってることは」
メイ「ラブライブは、遊びじゃない」
メイ「……それが、お前に伝えたかったことだ。それを伝えたくて、今日、ここまでお前を連れてきたんだよ」
メイ「Aqoursが残した光、少しだけ私たちも、一緒に持って帰ろうぜ」
マル「…………」
-
メイ「ほら、触ってみろよ」グイッ
マル「あ……」
メイ「どうだ?」
マル「……メイ先輩が触ってたから、生温かい」
すみれ「プッ///あっはっは!」
メイ「もっとまともな感想ないのかよ……」
-
マル「……DVD」
メイ「ん?」
マル「東京に帰ったら、DVD貸してほしい。Aqoursの」
メイ「おお!いいぜ!なんなら一緒に見るか?ウチに泊まりに来いよ!一晩中いこう一晩中!解説してやるぞ最初から最後まで!」
マル「うるさそうだから、それはイヤ」
メイ「な゛っ……!?」
すみれ「あっはっは!やーい!フラれてやんのー!」
メイ「るっせえ!やるかこのー!」
すみれ「おーにさんこーちらー!」ペンペン
メイ「でっけえケツしやがって!待てこのー!」
マル「…………」
マル「……日差し……眩しい」
-
一旦休憩します
>>215 OBじゃなくてOGっすね すんません
-
再開しまーす
-
三津シーパラダイス
バシャ!
ボール ポーン
ザッパアアアアアアアン!
3人「おおおおおおおお!」パチパチパチパチ
トレーナー『イルカショーは以上でーす!ありがとうございましたー!』
パチパチパチパチ
パチパチパチパチ
-
メイ「いやー!やっぱ水族館といえばこれだよな!」
すみれ「イルカショーなんて久っさしぶりに見たわ」
マル「カッコよかった、カッコよかったわ……!」
メイ「めっちゃハマってんな」
すみれ「そっか、海が無いからイルカもいないのね。イルカショーなんか見たことあるわけないか」
マル「また来る……絶対来るわここ……!」
メイ「そりゃよかった」
-
このssのおかげでペイペインの音量帰られるの知ったわ…ありがとうメイメイ
-
すみれ「もう昼過ぎね」
メイ「腹減ってる?」
すみれ「んー……まだちょっと。おなかに金目鯛がいるわ」
マル「私は食べられる」
メイ「すごっ……じゃあ、そろそろ内浦出て沼津に戻っとくか」
すみれ「このあとは?」
メイ「すぐそこに、Aqoursがよく集まってたっていう砂浜があるから、そこ行こう」
すみれ「ホントに徹底リサーチしてるわね……」
メイ「次に来られるのは大学生になってからかな……。バイトして金貯めて……うう、早く戻ってきたい……」
すみれ「帰る前から寂しくならないでよ。まあちょっと分かるけど」
マル「じゃあ、砂浜に行くのね」
メイ「あ、2人にちょっとお願いがあるんだけど……」
マル・すみれ「?」
-
マル「なんでこんなことを……」
すみれ「砂浜に着くまで目を瞑ってるから、引っ張って行ってくれなんて……よいしょ、よいしょ……」
メイ「悪いって!でもこの砂浜はマジで気合い入れて見たいんだよ!こっちに来るバスの中でもずっと見ないようにしてたんだ!」
マル「そういえばそうだっ……うわ!」
すみれ「おーっとびっくりした!」
メイ「なになになになに!?何かあったか!?」
マル「野良猫がいたのよ、もうどっか行っちゃったけど」
メイ「そんなのでビビんな!こっちがビビったぜ!」
すみれ「うるさいわねー……あ、着いたわよ」
メイ「階段!階段あるだろ!そこから降りてくれ!」
すみれ「何でそこまで知ってるのよ……」
メイ「ストリートビューで何千回も見てるからなここ!」
マル「時間はもっと有意義に使いなさいよ……!」
-
三津浜
すみれ「真ん中まで来たわよ」
メイ「ホントか!よ……よし…………開けるぞ……!」
メイ「せーの……」
メイ「…………」パチッ
メイ「……………………」
マル「(……固まってる)」
メイ「…………」
メイ「…………」
メイ「わあ…………」
すみれ「……綺麗ね」
マル「……確かに」
-
すみれ「陽も落ちてきてて、空も淡ーくなってるし、水もすっごく透き通ってる。涼しくて気持ちいいー……」
マル「淡島の人が言ってた通り、本当にいい日に来たみたいね」
すみれ「ここに、Aqoursの人たちがよく来てたの?」
メイ「……うん」
すみれ「……?」
マル「(…………あ)」
メイ「…………」
マル「(……泣いて…………)」
すみれ「…………」キュッ
マル「…………」サスサス
メイ「…………」
-
10分後
メイ「ううー……ごめん、なんかグッと来ちゃってさ……」
すみれ「まあまあ」
マル「本当に来たかったのね、ここ」
メイ「うん……」
メイ「…………」スッ
メイ「……これ、この画像」
すみれ「これは?」
メイ「Aqoursがラブライブで優勝して、内浦に帰ってきて、学校の人たちと町の人たちと一緒に撮った写真」
マル「ここで撮ったのね」
すみれ「いい写真」
メイ「うん……」
-
メイ「私、この写真見てAqoursを初めて知ったんだ。なんかスッゲーいい写真でさ。でもなんかちょっと切ない感じもして。何でだろ、って思って調べたら、このすぐ後に学校が廃校になったって知ったんだ」
メイ「ここに写ってるみんな、心の底から笑ってたのかなー……って思って」
メイ「…………」
メイ「……Liella!も優勝したけど、正直なんか実感薄かったんだ。先輩たちが凄すぎて、その陰に隠れるように活動して、なんかあんまり分かんないうちに優勝しちゃったなー……って。おこぼれみたいな感じて」
すみれ「……そんなことないわよ」
メイ「でも、2期生はみんな感じてたと思ってる。あれは、自分たちの力で優勝したんじゃないって。自分たちは何か役に立ってるのか?足を引っ張ってるだけなんじゃないか?ってさ。後から結ヶ丘に入ってきた後輩も、ヤバいくらい凄い奴で」
マル「…………」
-
メイ「……証明したいんだ」
メイ「今年一年で色々あった。かのん先輩が離れたり、あのウィーン・マルガレーテと組んでLiella!と戦ったり。大変だったよ」
メイ「でも、そのお陰で四季はセンター張って成長したし、夏美も冬毬と仲直りして色々落ち着いた。きな子も生徒会長になって、今じゃ去年と別人だ」
メイ「私だって負けてない。去年の自分には、絶対負けてない……!」
メイ「私はLiella!のメンバーなんだって、2期生は1期生に負けてない、ウィーン・マルガレーテ、3期生にも負けてないって、今なら胸張って言える。そうなれたと思ってる」
メイ「すみれ先輩」
メイ「マルガレーテ」
メイ「ラブライブ、絶対優勝しよう」
メイ「今のメンバーで一緒にやれる最初で最後のラブライブ。私、絶対優勝してみんなと、2期生の4人と一緒に優勝旗持って写真撮りたい」
メイ「それで……それで!」
メイ「私たちが1番なんだって証明したい!胸張って、私が、私たちが1番だって、今度は自分の手で証明したい!」
メイ「1番頑張ったって、証明したい……!」
すみれ「…………」コクリ
マル「…………」ナデナデ
-
10分後
メイ「ああー……ぐしょぐしょだもう……」ズビビ
すみれ「でも、いい顔してるわよ」
マル「寒くなってきたわね……風もあるし」
すみれ「……ねえ、ちょっとだけ海入ってみない?」
メイ「えっ!?い、いま何月だと思ってんだよ!」
マル「何考えてんの?風邪ひくどころじゃ済まないわよ?」
すみれ「足だけよ。2人が行かないなら……おっ先ー♪」クツヌギー
メイ「げっ!マジかよ!?」
すみれ「来ないのーマルガレーテ?狼も牙を抜かれたものねー!」
マル「!!」カッチーン
マル「何ですってー……!おらぁ!」クツヌギー
メイ「おい!マルガレーテまで!」
すみれ「なにー?後輩に負けるのー?2期生が1番なんじゃなかったっけー?」
マル「次のセンターは私がもらうわよー!」
メイ「…………!」
メイ「う……う…………」
メイ「うおおおおおおおおおお!!」クツヌギー
すみれ「きたきた♪」
-
すみれ「じゃあ、3人で一緒に行くわよ?」
メイ「う、裏切るなよ?」
マル「(…………)」ゴクリ
3人「せーの……」
チャプン
すみれ「あ、ギブ」ダッ
マル「ムリムリムリムリ」ダッ
メイ「えっ、オイ!!」
ダダダダダダダダ
すみれ「うわああああ!足凍る!足凍るって!」
マル「何でこんなことしようって言い出したのよ!」
メイ「おい1秒しか浸かってなかったぞ!私を置いて逃げるなよ!」
すみれ「はあー!風邪ひく風邪ひく!ほらマルガレーテ、タオルタオル!」
マル「ひゃい」
メイ「なんて情けない返事なんだ……」
-
前3つと違っていい話すぎる
-
すみれ「ううー……一気に寒くなったわ。ちょっと手洗いに……」
メイ「三津シーの外にトイレあったぞ。ってか私も行くわ」
マル「私はここで待ってるわよー」
すみれ「はーい」
メイ「行ってくるー」
マル「…………」
ザーーーーーーーーーッ
ザザーーーーーーーーーッ
マル「(……静か)」
-
マル「(波もあんまりないわね)」
マル「(……水綺麗)」
マル「(あれは、船着き場かし……)」
女「はろー」ピョコッ
マル「!?」ビクッ
マル「(え……誰?)」
女 ニコッ
女「あー……あーゆーじゃぱにーず……なわけないか、えーっと、きゃんゆー、すぴー……く」
マル「日本語話せるわよ」
女「ああ、そう」
-
女「ここらじゃ見ない顔だね。観光?」
マル「ええ、東京から」
女「おおー都会の人だ。ようこそようこそ」
マル「ようこそって、こっちの人?」
女「うん、そこに島あるでしょ?淡島っていうの。あそこに住んでる」
マル「あ、さっき行ったわ」
女「お!じゃあダイビングやった?」
マル「やってないわ。寒そうだし」
女「えーっ!やってないんだ……。じゃあ何しに行ったのあんな何もない島。あ、まさかあのホテルに泊まってる?」
マル「いいえ、今日こっちに来て、今から帰るところよ」
女「……マジで何したの?あの島で」
-
マル「何って、海を見て、島を一周して……しただけ。島の裏のベンチでコーラは飲んだわ」
女「ええ……。まさか、その見た目で50代とかじゃないよね?」
マル「高校生よ。先輩がどうしても行きたいって言ったからついて行ったの」
女「ああ、先輩と一緒に来てるんだ。変わった先輩だね。こっちで他に何かやった?」
マル「そこの水族館行って、見て回って、イルカショーも見たわ。あとは朝、港でご飯食べて……あっ、あの学校に行ったわ。浦の星っていうんだっけ」
女「へーっ。……でも廃校になってるよ?あそこ」
マル「先輩がAqoursってスクールアイドルが好きで、連れていかれたの。こっちの人ならAqoursって知ってる?」
女「…………」キョトン
マル「?」
-
女「え、あ、まあ、知ってるは知ってるけど……。でも、Aqoursが活動してたのだいぶ昔だよ?学校も町の方に移っちゃったし。てかその先輩もよくAqours知ってたね?」
マル「私、高校でその先輩とスクールアイドルやってるの。その先輩がAqoursが大好きで、どうしても来たかったって。この辺りを今日一日かけてぐるっと周ったわ」
女「…………」
女「…………」ニターーーーーーッ
-
女「へーっ、そうなんだ!いいよねスクールアイドル!東京だよね?なんて高校?グループの名前は?」
マル「え?結ヶ丘って高校の……Liella!ってグループよ」
女「ゆいがおか……りえら……っと」ポチポチ
女「おっけ、あとで動画見てみるね」
マル「よろしく。沢山見てもらわないと、旅費がペイできないから」
女「そんな時代なんだねー、すごいなー」
女「……ねえ、スクールアイドル、楽しい?」
マル「んー……」
マル「…………」
マル「……まあ、嫌いじゃないわね」
女「……そっか」ニコッ
-
女「同級生いる?」
マル「1人」
女「仲いい?」
マル「んー……そこそこ?」
女「そう」
マル「なんで?」
女「んー?友達は大事だからさ」
マル「?」
マル「……そう」
-
女「あっ、もうこんな時間。そろそろ帰らないと」
マル「淡島?」
女「うん。貧乏暇なし、ってね」
女「……ね、写真撮ろうよ写真。記念にさ!」
マル「え?」
女「ほら一緒に。はい、チーズ!」パシャ
マル「あ」
女「ほら、スマホ出してスマホ」
マル「え、あっ」
女「ほいっと」サッ
マル「あっ、私のスマホ!」
女「はい、チーズ!」パシャ
女「おーよく撮れてる撮れてる。いいスマホ使ってんね。はい」
マル「もう……」
-
女「じゃ、つぎ沼津に来たら、また淡島寄ってってね。今度はダイビングもよろしく!安くしたげるよ」
マル「え、あ、はあ」
女「じゃあね!スクールアイドルがんばれよー!こうはーい!」
タッタッタッタ タッタッタッタ
マル「……行っちゃった」
マル「(……ん?後輩?)」
-
メイ「おーい、悪い悪い、遅くなった!」
すみれ「メイが建物の写真撮りまくるから……」
マル「さっきあんなに撮ってたじゃない……」
メイ「ごめんってー。あ、そろそろバスくるから行くか」
すみれ「ちょっと、写真写真!ここの撮らないでどうすんのよ!」
メイ「おっとそうだった!動画も動画も!」
マル「せわしないわねー……余韻とかぶち壊しじゃない……」
メイ「あ、ヤバいマジで時間ない!急げ!バス逃したら次来るの1時間後だぞ!」
マル「え!?」
すみれ「わわわ私動画!動画!」
メイ「マルガレーテ!写真で波打ち際と砂浜全景!あとパノラマ!」
マル「あーんもう!楽しい観光って言ったじゃないのー!」
-
夕方、再び沼津港
メイ「さて、港に戻ってきたわけだが」
マル「もう帰るんじゃなかったの?時間大丈夫?」
メイ「正直ギリギリだな。でも駆け足でもお前を絶対に連れて行きたい所がある」
マル「食事?確かにお腹はペコペコだけど」
すみれ「もう1回あのマグロと金目鯛食べたい……」キュルルル
メイ「思い出させるな……あと食事は帰りの新幹線で食ってもらう。悪いけどちょっとマジで時間ない。今4時で、6時すぎには沼津出るからな」
すみれ「そう考えるとかなり強行軍だったわね、今回の行程」
メイ「そもそも1日じゃ足りないんだよ……。本当なら沼津で半日、内浦で丸一日くらいほしいんだ」
マル「(ほんっとに昨日の座禅いらなかったわね……)」
すみれ「で、最後に行くのは?」
メイ「あれだ!」
-
沼津港深海水族館
マル「ふぉおおおおおおぉぉおおおおおぉぉぉぉ!!!」キラキラキラキラ
マル「カッコいい……!素敵!!ねえ何ここ何ここ!!」ダダダッ
メイ「おい落ち着け!水族館ではしゃぐな!」
すみれ「はあー、深海をテーマにしてる水族館か。こんな所があったのね」
マル「サメ……サメがこんなに沢山!かっこいい生き物がいっぱい!」
マル「ちょっとゾクゾクする……!こんな素敵な水族館があっただなんて……!」ウロチョロ
メイ「今日一番興奮してるな……」
すみれ「体力すご……。てか、よくマルガレーテがこういうの好きだって知ってたわね?」
メイ「プロフィール見返したら、好きな生き物にサメってあったからな。終わりよければすべてよしって思って、最後にここに連れてこようと思ってたんだ」
マル「メイ先輩、どのくらいここに居られるの!?」
メイ「1時間半が限界だな」
マル「よし、東京に帰ったらかのんと夏美先輩を海に捨ててサメの餌にするわ!」
メイ「へ?」
-
マル「こんな素敵な場所に1時間半しかいられないなんて!どれもこれも、昨日座禅なんかやらせたあの人たちがいけないのよ!」
すみれ「昨日お寺でやってたのって座禅?どうやったら座禅であんなにはしゃげるのよ……」
メイ「てかなんで座禅なんかやらせてんだ夏美……」
マル「ちょっとゴメン我慢できない!先行くわね!」ダッ
メイ「あっ、なんか用事あったらLINEするからなー!」
マル「りょうかーい!」
すみれ「……マルガレーテも、意外と子供っぽい所もあるのね」クスッ
メイ「ま、これでさすがに負けはないだろ」
-
東京、最寄り駅
メイ「いやー……さすがにクッタクタだわ……」
すみれ「明日朝から学校なんて信じたくないんだけど……」
マル「…………」ウツラウツラ
メイ「おーいマルガレーテ、ちゃんとまっすぐ歩けー。そのデッカいサメのぬいぐるみ失くしたらお前泣くだろー」
マル「んー……」キュッ
メイ「ダラしねえな……」
すみれ「一人だけ新幹線で寝てなかったもの。私たち席に着いた瞬間に寝たのに、マルガレーテだけずっとぬいぐるみ抱いてはしゃいでたし」
メイ「で、ここに来て限界か。やれやれ……」
マル「んー……前が見えにゃい……」
メイ「そりゃお前がぬいぐるみに顔埋めてるからだ」
すみれ「危ないわよ、ほら」グイ
かのん「あ、みんな〜!」ブンブン
すみれ「ああ、かのん……」
メイ「帰ってきたーって感じするぜ……あの顔見るとホッとするわ」
-
かのん「おかえりー、って、おっと!マルガレーテちゃん、大丈夫?」
マル「んー……もうムリ……」クテン
すみれ「大分へこたれてるわ。楽しすぎてはしゃぎすぎたみたい」
メイ「かわいいトコもあるもんだな」
かのん「ほら行くよ、マルガレーテちゃん。2人もうちの親が送ってくって」
メイ「ありがてー……マジでもう歩きたくないって思ってたんだよ」
すみれ「恩に着るわ。かのんがサメの餌にならないように、私たちで説得してあげる」
かのん「?」
-
ブロロロロロロロ……
マル「マルガレーテちゃんがこんな風になるなんて、珍しいね」
メイ「いっつも完璧超人だしな」
すみれ「寝顔は子供だけどね」ツンツン
マル「ん〜……」プイッ
かのん「どうだった?沼津」
メイ「引っ張りまわしてやったよ。まあ正直、マルガレーテの休日がどうとかより、理由つけて私のわがままに付き合ってもらったようなもんだけど」
すみれ「でも、すっごく良かったわよ今回のガイド。次旅行する時もよろしくね」
メイ「行きたいなー、みんなで。沼津でもオーストリアでも」
すみれ「でも、オーストリアじゃ金目鯛食べられないわよ?」
メイ「ああ、そっか」
メイ「…………」チラ
マル「ふぃ〜…………すぅ〜………………」
メイ「…………」クス
メイ「待ちますか。オーストリアに、海ができるまで」ツンツン
メイプラン『沼津探訪旅行』
完
-
このまま結果発表編行きまーす
-
夏美「結果発表ー!!!!」
ドンドンパフパフー♪
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かのん「わーっ!」
千砂都「やんややんやー!」
夏美「というわけで無事、全員の休日コーディネートが終了しましたの〜!」
四季「やれることはやった」
きな子「きな子、自信あるっす!」フンフン
メイ「ま、誰が優勝するかは分からないけど、誰が最下位かは分かっちまうんだよな〜」
夏美「い、いーや!まだ分かりませんの!」
マル「…………」ジーッ
千砂都「あの視線浴びて、まだ可能性あるって思えるメンタル……」
可可「羨ましいものデス。夏美は強いんデスネ」
-
すみれ「はーい、お土産配るわよー。これ食べながらやりましょう」
かのん「わっ、綺麗!」
恋「なんですか、これ?」ワクワク
メイ「沼津港名物、深海プリン!」
恋「プリン!これプリンなんですか?」
四季「青いプリン……とても興味深い」
すみれ「一応他の味も買ってきたから、みんな好きなの取ってー」
夏美「はいバズー!青いのー!冬毬、半分こしますの!」
冬毬「アグリーです、姉者」
千砂都「抹茶もあるー!」
かのん「結局回して食べることになりそうだね」
-
メイ「ゆっくり食べろよ?マジで持って帰るの大変だったんだから……」
すみれ「ガラス瓶に入ってるのはちょっと聞いてなかったわね……。重すぎ」
メイ「誰かさんはでっかいぬいぐるみ買って、両手塞がってるしな」ニヤッ
マル「…………///」プイッ
きなこ「もう食べていいっすかー?」
夏美「ちょおおおおい!物撮りが先!きなこ、美味しさよりバズ優先ですの!いい加減覚えますの!」
きなこ「ひいいいいいいい!」
四季「相変わらず、商魂たくましい」
メイ「ま、私はなんも言えねえわ。あの嗅覚がバズに結びついてるおかげで、今回沼津まで行かせてもらえたわけだし」
すみれ「CEO様、ありがたやー、ありがたやー」ヘヘー
-
夏美「それじゃ、今回の企画のおさらいですの!冬毬、お願いしますのー!」
冬毬「アグリーです、姉者」
冬毬「今回は2期生の皆さんが、週末にマルガレーテと行動を共にし、それぞれ1日ずつ休日をコーディネートするという企画でした」
冬毬「内容をざっくり紹介すると、四季先輩が中国拳法体験、きな子先輩が牧場探訪、姉者が座禅体験、メイ先輩が沼津探訪でした」
千砂都「へえー、結構色々やったんだね」
冬毬「マルガレーテにはこのあと順位の発表と、それぞれの感想、寸評をお願いします。まとまっていますか?」
マル「それはそれはもう。2週間ありがた〜い週末だったわ」ジトー
夏美「フシュ〜、フシュ〜!」
四季「口笛、吹けてないにも程がある」
-
冬毬「そして最下位には罰ゲームがあります。最下位は1か月間、朝昼プロテイン生活です」
メイ「あー、そういやそうだったな。完っ全に頭から抜けてたわ」
四季「この際、ハンターハンターのゴンさんくらい鍛えてもらおう」
きな子「ゴンさん?」
冬毬「全ては自分の手腕が招いた結果なので、決して誰かを恨んだりするようなことはないようお願いします」
-
冬毬「それでは、早速順位の発表に参りましょう。皆さん、心の準備はよろしいですか?」
きな子「うわ、急にドキドキしてきたっす……!」
四季「ついにこの時が」
メイ「さあドンとこい!」
-
冬毬「それでは参ります、まずは3位の発表です」
夏美「いきますのー!」ポチ
♪ダララララララララララララララララララララララララ(ドラムロール)
冬毬「第3位は……」
ダダダン♪
マル「四季先輩の、中国拳法体験」
テッテレー♪
四季「わぁーお」
-
千砂都「えーっ!? 3位ー!?」
可可「そんなー!可可たち、同じ中国拳法白林寺結ヶ丘支部の一員として頑張ったのにー!」
マル「今考えたらなんだったのよアレ!」バァン
マル「授業終わっていきなり呼び出されたと思ったら、ドラゴンボールの格好した3人が私をベジータにして!ベジータの服のまま何時間も何時間もランニングだの站椿だの!あんなバカみたいな時間、今考えたら頭おかしくなりそうだわ!」
可可「でもマル海王!」
マル「海王いうな!恥ずかしい!」
千砂都「終わった後楽しそうにしてたのに〜!」
四季「またやってもいいと言っていた」
マル「イヤよもう……ベジータの格好見た時の宮司さんの冷たい目が忘れられないのよ……」ヘナヘナ
かのん「け、結構ダメージ来てるね」アハハ…
メイ「(べ、ベジータの格好でランニング?)」
恋「(海王?)」
-
夏美「ちゃんとビデオに?」
四季「収めてあるけど忘れてた。あとでギガファイル便でCEOに送っておく」
夏美「ナイスですのー!」
マル「公開しないでよ!」
冬毬「というわけで、3位は四季先輩の中国拳法体験でした。拍手をお願いします」
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四季「無念」
-
冬毬「では、第2位の発表です」
夏美「そーれ!」ポチ
♪ダララララララララララララララララララララララララ(ドラムロール)
冬毬「第2位は……」
ダダダン♪
マル「きな子先輩の、牧場探訪……でいいのかしら?牧場探訪!」
テッテレー♪
-
きな子「うわあああああああ1位じゃなかったっすー!」
恋「きな子さん、あんなに頑張ったのに……!」
マル「んー……まあ頑張ってくれたのは分かるんだけど、結局牧場行ってないし……」
千砂都「えっ?何で?」
きな子「千葉の牧場に向かってる途中で連絡が入って、途中の一本道に木が倒れて通れなくなったからって、予定が全部キャンセルになっちゃったっす……」
メイ「あー、そうだったのか」
かのん「それは、残念だね」
マル「それで、恋先輩のところのサヤさんが車を出してくれてたんだけど、サヤさんの提案でけいb……う、馬のいるちょっとした所に連れて行ってもらって、馬車に乗らせてもらったってわけ」
きな子「気持ちよかったっすー!」
恋「お馬さんもモフモフできました……」ウットリ
可可「おー、それはよかったデス」
-
すみれ「それで1日?」
恋「その後サヤさんがビュッフェに連れて行ってくれました」
きな子「きな子、あの時食べた料理、忘れられないっす……」ホワーン
マル「分かるわ。ちょっと我慢できなかったもの、アレ」
恋「控えめに言って最高でしたね……」ウットリ
夏美「あれ?その領収書出しましたの?覚えがないですの」
恋「サヤさんが出してくれました。車も運転してくれたのに、本当に良かったのでしょうか……」
きなこ「なんか、投資で儲かったーとか言ってたっすよね」
夏美「え?いや、企画でかかったお金なんだから、流石にこっちで出しますのに」
マル(耳打ち)「2人は知らないけど、高っかいホテルのビュッフェで、4人で6万円したのよ」
夏美「んぎィ!!?」
9人「?」
夏美「い、いやー大人!大人に甘えるのも、子供の仕事ですの!大人に受けた恩は、大人になってから子供に返すんですのー!」
マル「それがいいと思うわ」
冬毬「というわけで、2位はきなこ先輩の牧場探訪……?でした。拍手をお願いします」
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きな子「楽しかったっすー♪」
-
冬毬「それでは、いよいよ1位と最下位の発表に参ります」
四季「もうやらなくても分かる気がする」
冬毬「みんな分かっていることです四季先輩。でも、一度始めたことは終わらせるべきです。一応最後まで聞いてください」
四季「アグリー」
かのん「うう、味方がいない……」
千砂都「まあまあ」ナデナデ
夏美「それでは……」ポチ
♪ダララララララララララララララララララララララララ(ドラムロール)
冬毬「優勝は……」
ダダダン♪
マル「メイ先輩の、沼津探訪」
テレレレ テレレレ テッテレーーーーーーーーーーーー♪
-
メイ「っしゃああああああああああああ!!!」
すみれ「ま、当然よね♪」
冬毬「自動的に、最下位は姉者の座禅体験となります」
夏美「ぬわあああああああああああ!!!」
かのん「あー……だよねー……」
冬毬「では、最下位の座禅体験から。どうでしたか、マルガレーテ?」
マル「どうもこうもないでしょ!あんなの座禅じゃなくて、ただの『笑ってはいけない座禅体験』だったじゃないの!」
マル「精神統一とか言っといて、ただただかのんと夏美先輩が足を引っ張り合って、無駄に肩をシバかれただけじゃない!」
夏美「『和』を!マルガレーテに『和』を分かって欲しかっただけですのに!」
マル「あんなものの何が『和』よ!可可先輩に奢ってもらったかき氷の方がまだ和を感じたわ!」
千砂都「あれ何味だったっけ?」
可可「えっと、ソルティライチ?」
すみれ「ソルティライチに負ける和って……」
マル「あの座禅さえ無ければ、土曜の昼から沼津に行って、深海水族館にたっぷりいられたのに……キイイイイイィィッl!!」
夏美「ひいいいいぃぃ!助けてイバライガー!」
きな子「イバライガー……?」
冬毬「きな子先輩、イバライガーとは」
かのん「あー、説明しなくていい説明しなくていい」フリフリ
きな子「?」
-
恋「でも裏を返せば、土曜の昼から行きたかったって思うくらい、沼津が楽しかったのですね」
マル「え、あー……」
千砂都「ん?どしたの?」
メイ「あんなに楽しそうにしてたじゃねえか。今更なんだよ?」
すみれ「是非優勝したメイのプランへの賞賛を聞きたいんだけど?」ニヤニヤ
マル「えっと……それなんだけど……」
マル「写真も動画も沢山撮ってきたし、もう夏美先輩に渡してあるから、サイトにアップされたらそっちを見て欲しいかな……って」
可可「えーっ?今直接聞きたいデスよー!」
きな子「鉄は熱いうちに打てっす!今話してほしいっすー!」ユサユサ
マル「わあ!で、でも……」
千砂都「なになにー?」
冬毬「マルガレーテ、せっかく沼津まで行ったのです。こんな機会を作ってくれたメイ先輩への感謝を込めて、きちんと話すべきでは?」
マル「ううー……そうなんだけど…………」
マル「…………」
マル「い、今から話し始めたら、練習時間終わっちゃうまで話しても足りないから……///」
-
全員「…………」
メイ・すみれ「…………」
ガッ!
メイ「可愛い奴めー!このー!」ワシャワシャワシャワシャ
すみれ「今度は全員で沼津に行くわよ!全員で!」ワシワシワシワシワシワシワシワシ
マル「ギャー!ちょっとどこ触ってんのよ!!///」
ギャー! ギャー!
恋「……仲良きことは美しきかな」ニコッ
かのん「だね」
夏美「あのー……誰か私の罰ゲームにも触れてもらってもいいですのー?」
-
冬毬「というわけで、優勝はメイ先輩の沼津探訪でした。罰ゲームは座禅体験の姉者です。私が責任をもって、一か月間朝昼プロテインを飲ませます」
夏美「あーあ、朝マックとか食いてーですの……」
千砂都「牛久にマックってあるの?」
夏美「ナメんじゃねーですの!」クワッ
-
冬毬「それではこれで2期生対抗、休日コーディネート選手権を終了します。優勝したメイ先輩と、2期生の皆さんにもう一度大きな拍手をお願いします」
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夏美「次覚えとけよ……ですの……」ギロッ
メイ「いや、もう次の計画してるのかよ……」
きな子「でも、また何かやりたいっす♪」
四季「うん、楽しかった」
-
かのん「それじゃ、結果発表も終わったことだし、練習行きますかー」
千砂都「プリンも美味しかったよ〜!」
冬毬「先輩、ご馳走様でした」
すみれ「この分は動いて落さないとね」
恋「それはハードになりそうです」
可可「いやー、ナッツはいい企画考えマスねー!」
夏美「あー、そっすねー……」
可可「いじけナイ、いじけナイ♪」ツンツン
夏美「はあー……いいなー……。私も軽井沢でプチバカンスとかにしとけばよかったですのー……」マウスカチカチ
可可「おおー!沼津の写真!伝説のスクールアイドル、Aqoursの町……!」
きな子「ん?そういえば、可可先輩はなんで沼津に行かなかったんすか?」
かのん「あ、そういえば。そんなにスクールアイドルで有名な街なら、一番行きたかったんじゃないの?」
可可「もっちろん行きたかったデスよ!メイメイも一番に誘ってくれマシタ!」
きな子「じゃあ何で?」
可可「うう……面談があったのです……。家族の都合が日曜日しかつかなくて、泣く泣く断念を……」シクシク
すみれ「それで、かわりに私が送り込まれたのよ」
きな子「あー、なるほどっす」
-
すみれ「出発前ほんっとにうるさかったんだから。あれ見てこい、これ見てこい、写真撮ってこい動画撮ってこい……。ゆっくりお風呂も入れやしない」
可可「なっ!ちゃんと3時には寝かせマシた!それに、可可が沼津に行く時の為に、すみれにはちゃんと下見をしておいてもらわナイと!」
すみれ「はいはい、ちゃんとエスコートするわよ」
千砂都「(ハネムーンだ……)」
かのん「(ハネムーンだ……)」
可可「わぁ〜これ!この写真!ファンがみんな知ってるあの砂浜デス……。ここも行ったのデスね……」ウルウル
夏美「しゃ、写真で……?」
すみれ「でも、実際行ったら分かるわ。私も感動したもの。メイの解説付きでだけど」
夏美「にしても、3人とも本当に写真も動画も沢山撮ってきましたの。素材ありすぎて困るくらい……」カチカチ
夏美「……ん?」ピタ
-
夏美「……マルガレーテ、この女の人誰ですの?」
マル「んー? ……ああ、地元の人。その砂浜でちょっと話して、なんか一緒に写真撮ったの。撮ったっていうか……スマホとられて、勝手に撮られたっていうか……」
夏美「へ〜っ」
マル「短い時間だったけど、なんか色々話したわ。Aqoursのことも知ってて、私もスクールアイドルやってるって言ったら、驚いてた」
可可「へえー。そんなことがあっ……」
可可「……ん?」
可可「…………」ジーッ
可可「…………」
可可「!?」ガシィ
可可「ワ……」
可可「ワアアアアアアアアアアアァァァ!!!」
-
夏美「うわぁ!く、可可先輩!?」
かのん「ど、どうしたの!」
可可「まままままままままままままま……」
夏美「ま……?」
メイ「おいおいどうしたんだよ。なんか変な写真でも……」
メイ「……ん?」
メイ「…………」ジーッ
メイ「!!」クワッ
メイ「げえええええぇえええぇぇぇぇぇ!!!!!」
かのん「わぁ、こっちも!」
すみれ「ど、どうしたのよ?」
-
可可「まままままままままままままま……」
メイ「まままままままままままままま……」
すみれ「ま?」
2人「「松浦かなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!?!?!?」」
-
∬(_c||^ヮ^||
-
マル「え、なに?この人知ってるの?」
メイ「知ってるも何もお前……!」
可可「ま、ま、松浦果南サンは、あ、あ、あ………」
マル「あ?」
2人「「Aqoursのメンバーだよ(デス)!!!」」
マル「……え?」
みんな「えええええええええええええええええ!?!?!?」
-
メイ「何でだよ!ここここれいつ撮ったんだ!」
マル「ええ……?えっと……ああ、アレよ、メイ先輩とすみれ先輩がトイレに……」
メイ「ぐわあああああああああああ!!あの時かああああああああああああ!!」ジタバタ
可可「どどどどんなこと話したんデスか!?綺麗でしたか美人デシタカ!?!?」
マル「何話したっけ?……ああ、淡島に住んでるって聞いて、行ったけどダイビングはやってないって言ったら、えーって言われた」
メイ「嘘でもやったって言えーーー!!!松浦果南はあの店の店長なんだぞーーー!!!」
マル「なっ!?」
すみれ「あーっ!それであの島に行ったのね!おかしいと思ったのよ、あんな何もない島に行きたいなんて言うから!だから店の中をコソコソ覗いてたのね!」
-
可可「他には、他には何を!?」
マル「ええ?んーっと……」
マル「……あ」
可可「何デス!?」
マル「……がんばれ、って」
マル「スクールアイドルがんばれよ、後輩。って言われた」
-
可可「…………」
メイ「…………」
可可「……メイメイ」
メイ「……うん」
可可「……練習」
メイ「……ん」
可可「練習、行きまショウ……!」
メイ「ああ、行こうぜ……!」
バタン
-
かのん「うおー!2人とも燃えてるー!」
すみれ「いいわね!嫌いじゃないわよこういうの!」
恋「行きましょう!」
千砂都「負けないよー!」
きな子「2人に続くっすー!」
みんな「おーーーっ!!」
ドタドタドタドタ
バタン
夏美「…………」
夏美「……プロテイン、今日から持ってきときゃよかったですの」ケッ
おしまい(最後にもうちょっとだけ続くんじゃ)
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夜、ベッドの中
マル「…………」
スッ…
スッ…
<お気に入りフォルダ>
ちぃ洋王、四季洋王、新米マルと自撮りをする可可海王の写真
走り込みをしているちぃ四季マルの背中と自撮りの可可の写真
セグウェイの横でドヤ顔をする可可の自撮り写真
打岩(ダンスの特訓)をしている千砂都とマルの写真
站椿をして汗びっしょりのちぃ四季マルの写真(隠し撮り)
甘味処での可可四季マルと自撮りのちぃの写真(可可はベジータ服)
車の中の恋きなマルの写真
運転をしているサヤの後姿の写真
馬車の上の恋きなマルの写真
馬をモフモフする恋ときな子の写真
競馬場の前の恋きなマルとサヤの写真
ビュッフェで食べ過ぎた恋きなマルと自撮りのサヤの写真
車内で身を寄せ合って寝る恋きなの写真
トマカノーテと自撮りの夏美の写真(袈裟姿)
棒を持って立つ凛々しい冬毬の写真
変顔で座禅を組むかのんの写真
変顔で座禅を組む夏美の写真
普通に座禅を組むマルの写真
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普通に座禅を組む冬毬の写真
ダウンしたかのん夏美と寺を去って行くマルの後姿の写真
ダウンした夏美の自撮り写真
沼津駅前のすみメイマルの写真
ホテルでコンビニ飯を食べるメイマルの写真
沼津港の豪華な食事の写真
金目鯛の煮つけの写真
店の近くの「びゅうお」前のすみメイマルの写真
ホテルのベッドで大の字になるすみれの写真
淡島の対岸のすみマルと自撮りのメイの写真
淡島の青い海の写真
ベンチでコーラを飲むすみマルと自撮りのメイの写真
ダイビングショップ前で自撮りをするメイの写真
浦の星女学院正門前のすみマルと自撮りのメイの写真
三津シーの生き物たちの写真
イルカショーの写真(手ブレ)
うちっちーとすみメイマルの写真
マルと自撮りをする松浦果南の写真
三津浜の写真
顔を隠したメイの写真
マルと顔を隠したメイと自撮りのすみれの写真
バスの中で眠っているすみマルの写真
深海水族館内の写真(数十枚)
お土産のグソクムシのぬいぐるみを持つ不機嫌そうなすみれの写真
沼津駅前のすみメイマルの写真
新幹線の中で爆睡するすみメイの写真
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マル「…………」
マル「た……」
マル「楽しかった〜……///」バタバタ
おしまい
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終わりです
牛久のイベントへの機運を高めるために、2・3期生メインのSSを書きました
イベントに行く人は楽しんで来てください
2期生に幸あれ Liella!に幸あれ
では、ここまでお付き合いありがとうございました
ばーい
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乙
面白かったで
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力作だった!乙
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乙!牛久に向かう電車の中で読み終わったよ
メイ回、めちゃくちゃいい話だった!
また沼津行きたくなったわ
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乙!面白かった!今から牛久行くやで
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沼津パート見てAqours映画のモチベが上がった。今から見に行くやで
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見てくださった方と感想くださった方、ありがとうございます
多分またなんか書きます 過去作置いときます
過去作
【SS】光の射す方へhttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/11224/1757069166/l50
【SS】夏美「2期生対抗、鬼バズり選手権〜!」
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/11224/1757679651/
【SS】夏美「2期生対抗、休日コーディネート選手権〜!」
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11224/1758805407/
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たすかる!!おつ!!
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すごく良かったよ〜メイちゃんの語りで泣いちゃった
長編ありがとうございました
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