ᶘｲ^⇁^ﾅ川さんに捧ぐ
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「近づくな！ 見抜菌が伝染るぅ！」
「やーいミヌキーン！」
栞子「うぅ……」ｼｺｼｺ
先生「こら！ ばっちいからやめなさい！」
幼い頃の私は、誰彼構わず見抜き相手にしていました
汚い言葉で罵られ、先生からも見放され、私は寄る辺ない生活を強いられていました
幼いながらに思考を巡らせ、未熟だった私はある結論に達しました
そうか、見抜きは汚いんだ
見抜きは人前でやってはいけないことなんだ
だから私は見抜きをやめました
そんなある日、学校から帰っている途中にどこからともなく声が聞こえてきました
あたりを見回すと、私によく似た小さな子どもが倒れていました
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 み、水を……
栞子「大変です……！」
私は持っていた水筒のコップに麦茶を注いで手渡しました
ᶘｲ^⤙^ﾅ川 いやー生き返りますｺﾞｸｺﾞｸ
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 まだ足りないので自販機でジュースを買ってくれませんかね
命の危機だと半ば脅され、指示されるがままに私はオレンジジュースやらコカ・コーラやら飲み物を与え続けました
子供だった私よりもさらに小さな体に水分が際限なく吸い込まれていきます
栞子「あなたは一体……」
栞子「そうですか……。まだ小さいのに一人で生活しているんですか？」
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 いえいえ、ぴっぴさんと暮らしてますよ
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 でもぴっぴさんはケチンボなのでちょっとしかお金をくれないんです！ ひどいですひどいですー
ぴっぴさんとは……と戸惑っていると、突然何かを思い出したかのように言いました
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 あ、もう行かなくては！ このご恩はいつか返しますね！
その子はᶘｲ^⇁^ﾅ川と名乗りました
ᶘｲ^⇁^ﾅ川さんはいつも、どこからともなく現れては私とお話をして去っていくのです
あるときは「歩き疲れたのでおんぶしてください」と懇願され
あるときはチーズ泥棒の濡れ衣を着せられ
そしてあるときは──
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 でもまあ見抜きは辞められませんからね
見抜き……！
その一言を耳にしてから、私はᶘｲ^⇁^ﾅ川さんを信頼するようになりました
毎月のお小遣いが三千円なのに、見抜きに一回三千円かかるのでいつもお金がないのだと言っていました
私はᶘｲ^⇁^ﾅ川さんの見抜き話を聞くのが楽しみになっていました
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 昨日は九十九里浜で見抜きをしたんですよ
どこまでも開放的で、自分の欲望に忠実なᶘｲ^⇁^ﾅ川さん
そんなᶘｲ^⇁^ﾅ川さんのお話を聞くことで、私は自分の中に眠る見抜き欲を発散させていたのだと思います
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 いつか栞子さんもjΣﾐｲ˶^ ᴗ^˶ﾘさんのような相手が見つかると良いですね
栞子（あれ、見抜きのこと、ᶘｲ^⇁^ﾅ川さんに言ってましたっけ？）
ᶘｲ^⇁^ﾅ川さんはすべてを見透かしたような目で言ったのでした
しずくさんという相手が現れたのです
溜めに溜めた見抜き欲を発散させるが如く、私たちは快楽に身を委ねました
見抜きは汚いこと
やってはいけないこと──
そんなタブーを課せられているからこそ、より一層激しく燃えてしまったのです
ᶘｲ^⇁^ﾅ川さんが火をくべ続けてくれたおかげで、私の魂は業火に包まれたのです
聖火ならぬ精火です
ᶘｲ^⇁^ﾅ川 私はもう、必要ありませんかね
いつしかᶘｲ^⇁^ﾅ川さんは、私の前に現れなくなっていました
…………
……
…
母校である虹ヶ咲学園の講堂に、拍手の音が響き渡ります
ᶘｲ^⇁^ﾅ川さん、やりましたよ
ᶘｲ^⇁^ﾅ川さんと共にしたあの時間があったからこそ、日本中の見抜きマニアが迫害される時間は終わったんです
もしかしたらᶘｲ^⇁^ﾅ川さんは、見抜き欲を抑圧した私が生み出したイマジナリーフレンドだったのかもしれません
それでもあなたは私の中で生き続けます
鳴り止まない歓声に包まれながら、ステージ袖からしずくさんが駆け寄ってきました
しずく「栞子さん！」
栞子「しずくさん！」
同時に私も見抜きをします
見ていますか、ᶘｲ^⇁^ﾅ川さん
これからも私とともに戦いましょう──
ᶘｲ^⇁^;ﾅ川 あっ、jΣﾐｲ˶^ ᴗ^˶ﾘさん！ イキます！
jΣﾐｲ˶^ ᴗ^˶ﾘb ﾐｲｯ
おわり
外で見抜きしてきます
タブーとされた話題にᶘｲ^⇁^ﾅ川が一石を投じる！