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【SS】善子「私で××」
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夏の日差しが照りつける放課後の屋上。
太陽に近い分、グラウンドより暑いのかもしれない。
「ダーイヤっ」
部活の休憩時間中、人目も憚らずお尻を撫でようとした果南の手をぴしゃりと払うダイヤ。でも満更でもない感じ。
2人がイチャイチャするのなんて、もはや誰も気にしてないけど。
ただ、私は、この暑さで焼け死んでしまえ、と思ったり。
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果南とダイヤが付き合ったのは、最近のこと。
「ようやくね」と鞠莉は言った。
小さい頃からの幼なじみで、ダイヤはずっと果南が好きだったけど、関係は長い間全く進まなかったようだ。
鞠莉からすれば、留学中には流石にくっついているものだと思っていたらしい。
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付き合う少し前、ダイヤはなぜか私に恋愛相談をしてきていた。
私とルビィがゲームの話をしていたのでも聞いて、何か勘違いしたのかしら。
恋愛経験のない私の目からでも、成功は火を見るより明らかだったので、さっさと告白してしまえと助言した。
その時のダイヤが、自信無さげに頷いたのを覚えている。
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ダイヤと一瞬目が合ってハッとする。
気づけば休憩中2人をずっと見ていたようだった。これじゃ監視でもしてるみたいじゃない。
睨まれたような気がして、汗を拭くふりをしてタオルで顔を覆う。
「再開しますわよ」
ダイヤの声で、皆が動き出す。
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翌日
今日の部活はなしになったと連絡がきた。
ダイヤは生徒会の仕事、鞠莉は理事長としての用事で先生に呼ばれて、
千歌と梨子は帰って曲作りで、あとは、なんだったかしら。
まあ、どうでもいいわね。みんな色々重なった結果。
それでも、私は部室に向かった。
こういう時、あの人は抜けてるとこあるんだから。
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ドアを開けて中に誰もいないのを確認したら、すぐに帰るつもりだった。
でも、そこには、やはり、果南がいた。
部屋にクーラーなんかついてないから、隅に置いてある扇風機が首を振っていた。
「スマホ忘れちゃってさ、誰も来ないし休みかなって思ったんだけど、でも善子ちゃんが来たってことは違ったかな」
そうね、と曖昧に返すと果南の隣に座る。
そのまま果南に軽く寄りかかってみるも、なんの反応もなかった。
我慢できないほどじゃないけど、汗がじんわりと出てくる程度の暑さ。うっとうしいと突き放されてもおかしくないのに。
何も言われないのをいいことに、そのまま無言でスマホをいじる。果南もそうしていた。
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当然だけど、どれだけ待っても他には誰もやってこない。
「ねえ、やっぱり今日は部活ないんじゃないかな」
沈黙を破り、果南が口を開く。
「そうよ。おバカさんのために来てあげたの」
果南の制服の袖を引っ張る。
「ん」
頬を指でつついてみる。
「善子ちゃん」
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じっとこちらを見る果南。
私は何もこたえない。
見つめ合っているうちに、段々と距離が近づく。
「善子ちゃん、まずいって」
でも、どちらからともなく。
あっという間に、唇の触れ合うところまで。
柔らかい感触に、胸の奥が満たされていくのを感じる。目頭が熱くなり、瞼を閉じると端から雫がこぼれ落ちた。
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「ねえ、出して」
制服越しに撫でると、果南のは既に大きくなっていた。
ずいぶん迷ったような間の後、それを取り出した。
むせ返るようなにおいと、グロテスクな形状。
初めて見た時は、知識としては知ってたけど少し衝撃的だった。
でも果南のだと思うと、嫌な感じは何もしなかった。
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手で軽く握ると、ビクンと果南が震える。
先端にキスをして、透明な粘液を舐めると、しょっぱい味が口の中に広がる。
頭からゆっくり咥え込んだら、果南の気持ちよさそうな声が漏れて、もっとしてあげたくなる。
奥の方まで到達すると、また涙目になってしまう。
苦しいけど、苦しくない。
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口を離して、手で刺激する。
果南の顔を見れば、もう限界が近いとわかる。
「いいわよ。いつでも」
もう一度口の中に入れて、動きを繰り返す。
そのまま出てきたものを受け止めると、時間をかけて飲み込んだ。
こうするのが好きなんでしょう?
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汗を吸った制服を脱ごうとすると、焦ったように果南が言う。
「ほんとに、ダメだから、もう」
「ほんとに終われるの?」
長机に寝転んで下着をずらし、準備のできている入口が見えるようにする。
それを見て、また少し迷ったようにしたあと、片手で私の両手を絡め取る。
空いた方の手でそれを当てがい、ぐっと押し込まれる感触。
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果南が入ってくる。
抑えようとしても、自然と声が漏れる。
それに興奮したのか、さらに動きを早める。
ここから見上げる必死な顔が、愛おしい。
私はあなた以外知らない。
でもあなたはそうじゃない。
あなたは私のものにはならない。
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「もう、こういうのは、終わりだよ」
「そうだといいわね」
着替えながらてきとうに答える。
汗で着にくくて、気持ち悪い。
言いようのない何かを満たす作業。
いつまでもは続かないとわかってる。
しかし、終わりの時は、あっけなくきた。
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ある日の昼休み、生徒会室に呼び出された。
ダイヤに頬をはたかれた。
果南もいて、慌てて止めようとしていたが遅かった。
「わたくしが何も知らないとでもお思いですか?」
震えた声に潤んだ瞳。
慣れていないことをしているな、と他人事のように思った。
痛みが熱に変換されていくように、はたかれた場所が火傷でもしそうな感覚になった。
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果南は、謝って、慰めて、抱きしめて、忙しそうだ。
私は、頬を抑えて立ち尽くしていた。
果南。何の意味もないけれど、今ここで言ってあげようかしら。
私で童貞捨てたくせに。
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終わり
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乙
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