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香港企業の退職金

149ハンドルネームでお願いしますw:2015/06/01(月) 17:39:35 ID:.Y.zVcrU0
■アジアとはまったく違う

会長自らが乗り込んだものの、当初はトラブル続き。荻野さんによると、イタリアでのビジネスはアジアとは根本的に違う。ビジネス環境でいえば、イタリアが左端にあるとするなら、香港は右端にあり、その中間に日本が位置しているような感じという。

高税率のイタリアには、労働者に手厚い社会保障制度がある。10万円の給与の場合、年金を含む社会保障費はほぼ同額となり、会社負担額は合わせて20万円になる。日本では13万円ほどか。香港の社会保障費は限りなくゼロに近い。そうした手厚さにもかかわらず、イタリア人は3人がかりで日本人1人の仕事量しかこなせない。

現地オフィスの立ち上げ時にファクス機を注文した。2週間目にようやく持ってくると、注文品とは機種が違う。ところが配達員は我関せず。店に電話すると、さらに2週間してから今度はまったく別の品物が届く。万事この調子で、アジアでは考えられないことばかり。「最初の1年間は人の手配や設備の調達などに追われる中で、しっかりイタリアの社会勉強をさせてもらいました」。

荻野さんによると、イタリアは中国に似た人治国家であり、コネ社会でもある。イタリア人が同胞のことを「どうしようもない連中」と蔑む言葉を日々耳にするにつけ、荻野さんは「イタリア人ほど自分の国を悪く言う民族はないのではないか」と思わざるを得ない。国よりも県、県よりも町、町よりも家族、家族よりも自分。イタリア人に愛国心を問うのは野暮というものらしい。

そうした国民性や風土の中で、なぜ世界に冠たるファッションが生まれるのか。

「そのことはよく考えるんですが、これぞという答えをまだ持ち合わせていません。ただ言えるのは、イタリア人は個人の生活を豊かにするためなら、どんな犠牲も惜しまない。8月のバカンス休暇には貯金を全部はたきます。個人生活を重視する国民性から出てきたのが料理であり、ファッションなのではないでしょうか」。

■語学とマージャンの才

荻野さんは大阪の東住吉区生まれ。3人兄弟の末っ子。父親は高等小学校卒で転職を重ね、終戦時は難波の高島屋に勤務していた。母親は同志社大英文科卒の当時のモダンガールで、恋愛結婚だった。

天王寺高校から神戸外大のロシア語学科へ。学生時代はパチンコとマージャンに明け暮れた。肝心のロシア語はあまりに難解なため敬遠していたが、ある日、高名なロシア人教授の個人面談を受けた。てっきり絞られると覚悟していたところ、「あなたはいい耳を持っていますね。がんばりなさい」と逆に励まされた。ところが、ロシア語とはその後も無縁。30年以上になる長い香港暮らしでは英語と広東語を使い分け、今はイタリア語で生活する。語学の才能はそれなりにあったのだろう。

マージャンの腕は学生の域を脱していた。時間を決めて漫才師などと卓を囲む。ほとんど負けなし。卒業して最初に入った会社では、給料分とほぼ同額を毎月マージャンで稼いだ。香港赴任後、パーティーに招かれると、決まってマージャンに誘われる。広東式のルールもすぐ覚えた。「日本人でパイが握れるおもしろい奴がいる」との噂が広まり、しょっちゅう引っ張り出された。広東語はその場で修得する。香港で独立しての数年間、仕事が途絶えたときはマージャンで食いつないだ。荻野さん自身、「自分は本質的にバクチ向きの人間ではない」と否定するが、芸が身を助けるとは、こうしたことをいうのだろう。


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