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藍物語(投稿・感想・雑談専用=隔離)スレ

1枯れ木も山の賑わい:2014/03/26(水) 23:49:11 ID:sdeCrXLs0
藍 ◆iF1EyBLnoU の 投稿と
投稿に対する感想・雑談の為に立てた専用スレです。
レスの都合上コテハン推奨ですが、匿名の書き込みも勿論OK。
非難の書き込みは「作品に関する話題・雑談」スレで存分に。
こちらへ書き込まれた場合は(可能ならば)削除します。

993契(下) ◆iF1EyBLnoU:2016/02/27(土) 20:28:31 ID:ifWbxSHQ0
 「気を悪くするなんてとんでもありません。それより運転は、どうか私に。」
「いや、それは危険だ。此所を出れば一気に疲れが出るし、死ぬほど、痛いぞ。」
イタズラっぽい笑顔。 俺は先回りして運転席のドアを開け、膝を着いた。
当主様が乗り込むのを待ってドアを閉め、後部座席に乗り込む。
「あの、当主様、質問があります。」 「御影のことか?」
「はい。御影さんは当主様のことが好きなのに、何故御影さんの気持ちを。」
「御影の心には今もある御方がいて、私にその面影を見ている。
未だ心の古傷が癒えていないなら、心残りに縛られるのも無理は無い。」
そうか、御影さんの記憶。 御影さんの腕の中で息を引き取った、若い男性。
「当主様なら、きっと御影さんの傷を癒やせると思います。」 そう、御影さんは確かに。
「御影に宝玉の欠片を返したのは私の独断、当然異論も有った。
だから万に一つも、誤解を生みたくない。」

994契(下) ◆iF1EyBLnoU:2016/02/27(土) 20:30:08 ID:ifWbxSHQ0
 「誤解、ですか。」
「もし私が御影の想いを叶え此の場所に通っていたら、誤解する者が出ただろう。
『御影は好きな男のために寝返った。』と。今後も、それだけは避けたい。
私への想いとは関係なく、御影は一族に取って最良の選択をしようとしたのだ。
『●△の大難』を終わらせ、力を持たぬ人々を救うと心を決めた。
だから宝玉の器に変化して敵の主力を単騎で壊滅させ、
更に『●△の大難』の後は自身を式として一族を護ってきた。
その名誉を傷つけることは絶対に許されない。それに。」
一瞬、バックミラーの中から、当主様の視線を感じた。
「御影はお前にも、その御方の面影を見ている。そしておそらくお前の方がその御方に...
傷を癒やすのはお前の方が適任だし、お前が相手なら、要らぬ誤解をする者も出ない。
どうだ、時々は此所で御影と暮らしてみるか?それならあの庵をお前にやろう。」
「いや、でもそれは。あ、済みません。動転して失礼な物言いを。」
「冗談だ、気にするな。御影の傷が癒えれば良いとは思うが、互いの気持ちが最優先。
それに、『代役』が御影の心の傷を癒やせるかどうか、正直分からない。
ただ、癒えぬ傷の痛みに耐える強さを御影は持っている。そしてそれはお前も同じ。
傷の痛みに付け込まれても、闇に飲まれることは無いと自ら証明した。
そして、同じ傷の痛みに耐えている者だからこそ出来る心遣いがある。」

995契(下) ◆iF1EyBLnoU:2016/02/27(土) 20:31:01 ID:ifWbxSHQ0
 「お前なら、『同情』でなく御影に『共感』できるだろう。
これからはどうか、御影の良き友となってくれ。それだけは、頼む。」
「身に余、あっ...」 全身に激痛、息をするのも辛い。これが。
「境界を越えて体の強化が解けた。打撲の痛み、筋肉痛。
あと疼痛というか神経痛も。暫くすれば薄れてくる、それまではひたすら我慢。」
当主様の口調はいかにも気の毒そうだが、それも、正直少し恨めしい。
それから一時間あまり、俺は後部座席でのたうちまわった。

『契(下)』 了

996『契(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2016/02/27(土) 20:32:55 ID:ifWbxSHQ0
 「それで、『来たるべき者』と『目覚めを待つ者』については詳しく聞かなかったのね?」
「はい。話の感じと12〜15年っていう期間で、次の当主の事だと思ったんですけど。」
「ええと、翠ちゃんは女の子だから関係ない、と。」 「はい。」
Sさんと姫は黙って顔を見合わせた。 何となく気まずい、間。
「話してなかったから仕方ないけど、当主は男性って決まってる訳じゃ無い。
実際、今までに何度か女性が即位した例がある。
そういう場合は桃花の方を男性が務める。その女性の夫や兄弟、あるいは従兄弟。」
一気に血の気が引いた。 「じゃあ、もしかしてあの話は翠の?」
「それだけじゃない。藍にも、丹にも、可能性がある。」 「そんな、まさか。」
「可能性の話です。つまり、Rさんの行が成就した日にその質問をなさったのだから、
Rさんに関わりが有ると考える可能性が高い。そういう解釈も出来ますから。」
もし自分の子が...いや、慌てる必要は無い。当主様の代替わりは何時か必ず起こるのだし、
一族はそうやって千年余の命脈を繋いできた。それなら。

997『契(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2016/02/27(土) 20:35:33 ID:ifWbxSHQ0
 「その可能性があるとしても、今までの生活を変える必要はありませんね。」
「...どういう、こと?」 呟くようなSさんの声。姫も黙って俺を見詰めている。
「子供たちを一生懸命育てて、その資質が開花すれば、当然術者への道が開ける。
術者として更に成長した結果がどうあれ、受け容れる覚悟は必要です。
もし『それ』が3人の内の誰かなら、僕たち3人が出来る限りのサポートをすれば良い。
SさんとLさんは、あの子たちを産む時に、その覚悟をしてたんでしょう?
お待たせしました。僕もようやく、その覚悟が出来ました。」
2人は代わる代わる俺を抱き締めてキスをしてくれた。
その涙の美しさを、俺は一生忘れない。
そう、必要ならこれからも、どんな行にだって挑むことが出来る。
「ところで、子供たちの教育のために、考えていた事があるんです。」
Sさんと姫は涙を拭って俺を見つめた。

998『契(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2016/02/27(土) 20:36:23 ID:ifWbxSHQ0
 それから一週間程して、俺たちは雪をお屋敷に引き取った。
翠の仲介もあったのか、雪は管さんや鵬とも上手く馴染んだ。
晴れた日の午後、ウッドデッキで日向ぼっこをする狐と巨大な猛禽と秋田犬。
それぞれの大きさからして遠近感が滅茶苦茶な、不思議で心暖まる風景。
もちろん、家族皆が雪を愛し、あの妖が授けてくれた寿命が尽きるまでの2年間、
雪は俺たちに沢山の笑顔をくれた。 そして。

『契(結)』 完

999 ◆iF1EyBLnoU:2016/02/27(土) 20:39:47 ID:ifWbxSHQ0
皆様今晩は、再び藍です。

色々有りましたが、『契』の投稿を無事に終えることが出来ました。
大幅な書き換え等は有りましたが、投稿の許可を頂けて良かったです。
全て、皆様のコメントの御力故。有り難う御座います。

1000名無しさん:2016/02/27(土) 21:39:55 ID:EZqE5VDE0
面白かった

1001名無しさん:2016/02/27(土) 23:23:51 ID:I6EftpfQ0
藍さんの寝落ちに付いていけなかった・・
私の毎日のクリックを巧妙に避けられるとは
翠さんが誰かを好きになるときに封印は解かれるのかもね。
行はその前なのか、後なのか。

でもね、もういちどあの薄暮。あの草原をRさんが見れるといいね。

1002名無しさん:2016/02/27(土) 23:48:37 ID:I6EftpfQ0
大難の設定だが、前九年の役であれば符合するかもしれませんね。
狼の生息する標高の地形がある(アカメの生息域の北端とは違ってしまうが)
上流にダムもあるしX田物部氏とも思ったが名前の上の字が「長」だと代が昔過ぎる。
戦乱の有った地のひとつに玉造の地名がある。

1003名無しさん:2016/02/28(日) 06:43:27 ID:4yHxEX.EO
投稿ありがとうございます。最後まで読めて嬉しいです。
5日行が無事に済んで、みなさん良かったです。黄色い泉はヨミと文字が合いますね。
有名な修験場とは違いそうですが、そういう神秘が幾つかあるようで興味深いです。
雪ちゃんと式さん方のアンバランスな情景、見てみたいです^^
トラブルの中、投稿を続行して下さってありがとうございました。お疲れ様です。

1004名無しさん:2016/02/28(日) 12:59:06 ID:AhhnqWXUO
五日行は予想を遥かに超えた意味深いものでした。幼な児たちと一族の未来に幸あれ。この物語はいつも想定外の展開を見せながら、他では知ることのできない秘儀を垣間見せてくれます。
なお、管さんと鳥さんと雪ちゃんの姿が目に浮かぶようでとても微笑ましいです。

1005名無しさん:2016/02/29(月) 10:01:18 ID:lC4sOFw60
原本と違ってこの物語は藍さんに元気になって欲しくて続いてきた気がするね
公開の順番にも意味があるのかもしれない
それゆえに厳しくも前を向けと声なき声が横たわっている気がする

1006 ◆iF1EyBLnoU:2016/03/04(金) 00:09:46 ID:zuKQ9dF60
皆様今晩は、藍です。

早速沢山のコメントを頂き感謝いたします。
心の底から共感できるコメント、博識に感心する深いコメント。
個別の返信は遠慮させて頂いておりますが、全て有り難く拝読しております。
ただ、自身の体調の問題もあり、暫く留守に致します。

急ぎの対応は留守の者に任せておりますが、少々頼りないのが心配の種です。
それでは、『次』を投稿できる日を信じて、御機嫌よう。有り難う御座いました。

1007名無しさん:2016/03/04(金) 07:20:08 ID:fQ91Vmg.O
具合が良くなかったんですね、いつもトラブルを乗り越えての投稿ありがとうございました。
どうぞご自愛下さい。

1008名無しさん:2016/03/06(日) 02:14:49 ID:oJl43hAM0
インフルエンザで5日間隔離・・
枯れ木さんが次に罹患のパターンかも

1009名無しさん:2016/03/11(金) 00:07:59 ID:31X2bu6M0
また来ましたね。この日が。
みんな生きててくださって有難う。
神様、お役目や誓いが必ず果たされますよう、我が祈り、人々の気持ちがカタチになります様よろしくお願い申し上げ奉ります。

1010名無しさん:2016/04/05(火) 12:52:08 ID:Fvkzn0NIO
次スレ立てなくても良いのかな…

1011名無しさん:2016/04/05(火) 23:38:17 ID:tYD9igYM0
スレ建てするんなら弟氏の出番と言えるが

もしかしたら藍さんのお加減思わしくなくて、付き添いしてるかもね。気長に待つべしだな。

1012上下段のベッドの人:2016/04/07(木) 20:01:39 ID:SSw4OEjA0
受験生の頃、兄弟でベッドを使っていたときに上段で寝ていた私は奇妙な夢を見た。

女が自分に覆い被さって覗き込む夢だ。
長髪で服を着ていたかまではわからないが、とにかく怖かったのを覚えている。

しかし朝には無論そんなものはいなくて、そのときの私はただ「変なものをみたな」
くらいにしか思っていなかった。

ただ、その次の日の深夜のこと。
私が机に向かって受験勉強をしていたときに弟がふいに起きてこちらに来た。

弟は半分寝ぼけながらもむにゃむにゃと何事か寝言を言うと(当時の弟は小学生だったが、
ふいに起き上がっては一人で寝言とか言ったりするタイプだった。)
ふらふらと兄弟で使っている部屋から出て行ってしまった。

聞けば、その晩は母親の部屋に行き、そのまま母の布団で一夜を明かしたらしい。
私は甘ったれた小僧だと思っていたが、そのときに母親の言った一言が少し怖かった。

「なんでもね、髪の長いお姉さんが自分を覗き込んでて、怖かったんだって…。」

私と弟は、いったい何をみていたんだろうか…?

1013上下段のベッドの人:2016/04/07(木) 20:15:26 ID:SSw4OEjA0
すみません。書き込む場所を間違えました。
駄文失礼いたしました。

1014名無しさん:2016/04/13(水) 23:56:46 ID:jV787j360
もしかして・・二人になって帰ってくるのかもしれないな

1015 ◆iF1EyBLnoU:2016/04/18(月) 23:51:59 ID:Wozqtx6c0
皆様、今晩は。藍です。

先程帰りました。ただ、諸事情により、明朝直ぐ仕事に出ます。
何時仕事の区切りが付くか分かりませんが、精一杯頑張るつもりです。
そんな訳で「次作」の投稿は明言できません。御免なさい。

1016名無しさん:2016/04/19(火) 13:35:31 ID:J0JtEnAUO
藍さんお疲れ様です。
慌ただしい中、お知らせありがとうございます。
どうぞお気をつけて下さいm(_ _)m

1017名無しさん:2016/04/20(水) 00:58:53 ID:Rqkw8ito0
藍さん、のんびりとお待ちしてます^^
ご自愛くださいね。

1018名無しさん:2016/04/21(木) 00:10:49 ID:34OtVijI0
まずは無事に辿り着くことを祈念して。

1019名無しさん:2016/04/30(土) 17:52:40 ID:g3ooVi.6O
藍さんのご健勝をお祈りいたします。また発表済みの作品を読み返しながら「次回作」を待ってます。

1020枯れ木:2016/05/10(火) 21:03:26 ID:xYPvV/xQ0
 本日昼過ぎ、姉が家に戻りました。
暫く仕事の予定はないと確認済みです。

 ただ、かなり消耗が激しいらしく、暫くは目を覚まさないでしょう。
正直、物語の行方を尋ねる気にもなれない様子でした。

 まとめのコメント返信等、引き続き失礼を致しておりますが、
姉自身からのコメントを落ち頂ければと存じます。

1021名無しさん:2016/05/10(火) 23:20:31 ID:Nw1Oe/jg0
さてはて列島は守られるのかどうか。

阿蘇神社見たけど胸が痛むね。どうか一柱でも災いから免れていただきたいものだ

1022名無しさん:2016/05/11(水) 08:39:37 ID:d238ZcF.O
枯れ木さん、お知らせありがとうございます。
藍さん、お疲れ様です。ゆっくりお体を癒されて下さい。

1023 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/14(土) 18:45:02 ID:tjlBh92o0
皆様今晩は、お久しぶり。藍です。
先程までダラダラして体調も少し回復しました。

『新作』と言えるかどうか判りませんが、今度の仕事の終わりに
掌編を1つ、知人から預かってきました。
以前非公開となった作品なので、これから原稿を精査して
指示された条件で明日から書き直し作業に入ります。

期待して下さる方がまだおられるなら、
どうかゆっくり、気長にお待ち頂ければと存じます。
ではまた、いつかきっと、此所で。

1024名無しさん:2016/05/15(日) 02:04:22 ID:btCfCW/sO
お待ちしてます♪

1025名無しさん:2016/05/15(日) 18:33:24 ID:hPxyDJWQ0
嬉しいなぁ♪新作が読めるこの幸せ!
藍さん、どうも有難うございます!!
でも、くれぐれも無理はなさらないでくださいm(__)m

1026名無しさん:2016/05/15(日) 21:29:22 ID:54qwGcvQO
ありがとうございます。待ちに待った新作,とても楽しみです。

1027名無しさん:2016/05/17(火) 00:18:39 ID:q3bILnNU0
おかえりなさい。

1028名無しさん:2016/05/18(水) 12:34:45 ID:neESg9fY0
Rさんご夫妻に会う夢を見た‥
他心通を使える人を前にして、Sさんの、子供を作ろうと思うのやり取りを思い出してしまい、笑が込み上げてしまうのだが、当たり障りのないのだから言葉の最中に「ぶふぉ」と息がもれてしまい、そこで目が覚めた
世の中には遭遇してはならない怪異が存在する事を思い知った

1029名無しさん:2016/05/18(水) 12:45:03 ID:neESg9fY0
当たり障りのないのだから→当たり障りのない、に訂正。予測変換誤字スマソ

1030 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:30:12 ID:zCg44kbM0
テスト中です。

1031 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:32:02 ID:zCg44kbM0
皆様今晩は、藍です。
以下、新作『護符』の前半を投稿いたします。
お楽しみ頂ければ良いのですが。

1032 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:32:34 ID:zCg44kbM0
 『護符』

 柔らかい午後の日差しの中、心地よいエンジン音が山道に響いている。
「ずっとこんな道なら、この車も最高に気持ち良いのに。」
姫は窓から吹き込む風に眼を細めた。
残念ながらあと1・2分で山道を抜け、幹線道路に入る。依頼の場所は市街地の一角。
「本当にずっとこんな道を走り続けられたら気持ちいいでしょうね。
その、何時でも僕たち二人一緒なら。」
姫は少しだけ驚いた顔をした後、微笑んで俺の右肩に頭をもたせかける。
「嬉しい、です。」 最後の連続コーナーに向け、少しだけアクセルを踏み込んだ。

1033 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:33:21 ID:zCg44kbM0
 その依頼を受けたのは3日前、いつも通り『上』からのFAX。
特に指名は無かったのだが、是非にとSさんに頼んで俺がその依頼を受けた。
依頼主はあるレストランの店長。俺が大学を休学→中退する前にバイトしていた店で、
明るく和やかな雰囲気と美味しい料理が評判だった。同じ大学の学生も良く来てたっけ。
季節毎の洒落た飾り付けや楽しいイベントは今でも続いているだろうか。
古い知人達がそうであるように、修行で面変わりした俺に、きっと店長は気付かない。
それでも、バイト中は何かと良くしてくれたからこの機会に恩返しが出来れば。
その思いにはきっと、過ぎ去った時への感傷も混じっていただろう。
感傷的になり過ぎたが故の事故を心配したSさんが、姫に俺の後方支援を命じた。

1034 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:34:13 ID:zCg44kbM0
 市街地、繁華街の一角にその店はある。狭い駐車場は店の裏手。
駐車場の雰囲気はあの頃のまま。駐車場奥のフェンスが俺の駐輪場所だった。
2時までのランチが終わって一旦閉店、ディナーの開店は6時から。それも変わっていない。
客足の途絶える時間帯に、依頼された仕事を片付ける事が出来れば良いのだが。
ドアを開けるとカウベルが鳴った。重く、乾いた音。これもあの頃と同じ。
ただ、不思議な程に俺の心は平静だった。もちろん懐かしい気持ちは有る。
だが、何処か現実感が無いような、まるで他人事のような感覚。
もう、あの頃の俺とは違うという事なのだろうか。何より今日は『仕事』なのだ。
「こんにちは、昨夜電話したRです。依頼の件で参りました。」

1035 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:35:04 ID:zCg44kbM0
 「はい、ただいま。」
奥から出てきた初老の男性。間違いない、あの店長だ。
「私がこの件を担当するRです。こちらはLさん。」
「Rさんだけでも大丈夫ですが、万一に備えての助っ人です。今日は宜しくお願いします。」
爽やかな笑顔で姫が差し出した右手を、店長は躊躇いがちに握り返した。
「此方こそ、どうぞ宜しくお願い致します。」
一礼した後、店長は俺の顔を見つめて怪訝そうな表情を浮かべた。
...まさか、俺の顔を。いや、Sさんは『心配要らない』と。
実際、偶々数年ぶりに会った親戚や旧友の誰にも俺だと気付かれたことはない。
「あの、どうかしましたか?」
姫が声を掛けると店長は気まずそうに頭を掻いた。
「あ、いや。Rさんが、何だか初対面じゃ無いような気がしたので。」
「どなたかお知り合いに似た方が?」
「はい。もう何年も前、この店でバイトしてた子に。名前も確かRと、それで。」

1036 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:36:03 ID:zCg44kbM0
 どうやら店長には少し『力』があるようだ。あまり深入りしない方が良い。
「興味深い偶然ですが、依頼の話を。出来れば今日で始末をつけたいので。」
「そうですね。ではこちらの席に。今、営業日誌を持ってきます。」
勧められたテーブルの椅子を引く。「どうぞ。」
「ありがとうございます。」 腰掛けた姫の、悪戯っぽい笑顔。
「折角、昔のRさんの事、聞くことが出来そうだったのに。」
「その話は後です。僕が感傷的になり過ぎないように監視するのがLさんのお仕事ですよ。」
「でもお仕事は。」
店長がホットコーヒーの用意をして戻ってきたので姫は続く言葉を飲み込んだ。
コーヒーの香りが店の空気に溶けていく。ふと、店の片隅に小さな気配。
店の壁際、大きな窓を背にして立つ。多分小さな男の子のシルエット。
「ああ、なるほど。確かに一体、いるようですね。」
俺が呟くと、テーブルに日誌を並べていた店長の左頬がピクリと動いた。
「本当に分かるんですか?この店に入ってからずっと?」
「いいえ。今コーヒーを淹れて貰ってるうちに。何処からか突然現れた感じです。」
「コーヒーを淹れたから...やはりお客さんに反応するのでしょうか?」
まるで独り言のように、店長は小さな声で呟いた。

1037 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:36:58 ID:zCg44kbM0
 店長は分厚い営業日誌をめくりながらポツリポツリと事情を説明してくれた。
開店後暫くして、時折店の中に不思議な気配を感じるようになったこと。
当初は営業に支障が無かったので放置していたが、
3年ほど前から希に支障が出るようになったこと。
「家族連れのお客様でした。お子様が突然泣き出したと思ったら、
過呼吸のような感じでそのまま意識が無くなって、それで救急車を呼びました。
病院ではすぐに回復されたようですし、この店に原因があるかどうかも...。
ただ、その後も、同じようなことが二度起きています。」
「計三度、お客さんの子供に障りが出たということですね?」
「はい。開店から11年、開店当初大学生だった常連さんが家庭を持って
ご家族と一緒に御来店下さることも多くなってます。
今後も同じような支障が出るのでは安心できません。それで今回の依頼を。」

1038 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:38:27 ID:zCg44kbM0
 この件と俺、いや、店長と俺に何かの縁があるのだろう。
この店の常連に一族の者がいて、たまたま『事件』に出くわした。
それでその人が『上』への依頼を取り持ったのがこの仕事の発端。
その人と俺たちの面識はないから、特に俺たちが推薦された訳では無い。
たまたま近場で手の空いている術者が俺たちで、だからこれは本当の偶然。
そうでなければ店長の依頼を俺が受けることは無かった筈だから。
「まあ私としては、以前のように、営業に支障が出なくなればそれで良いんですけど。」
相変わらず心の広い人だ。胸の奥から、温かな感情が込み上げる。
多くの人は事情も分からぬまま、そのような存在を忌み嫌う。
それに、『上』からの指示とは言え、無理矢理に始末を付けるのが哀しい事例も有る。
「営業に支障が出ないなら、共存しても構わない。そう解釈して良いですか?」
店長は暫く俺の顔を見つめ、やがて溜息をついた。
「私にはそれが何なのか分かりません。だから少し、怖いような気もします。
でもそれが今までずっとこの店にいたものなら、お客様に悪い影響が出ないのなら、
このままこれからも此所にいてくれて良い。そんな気がするんですよ。
客商売をする人間としては、失格なのかも知れませんが。」

1039 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:39:57 ID:zCg44kbM0
 開店して暫くしてから、それが店長の記憶違いでないのなら、
俺がバイトをしていた頃には既に、それはこの店にいたことになる。
小さな男の子の姿がハッキリしてくるほど、人間離れした特徴も目に付く。
体全体がゆらゆらと波打つように動き、顔の造作が絶え間なく変化する。
もし、当時の俺がそれを見たら間違いなくパニックになって腰を抜かしただろう。
俺の仕事は主に皿洗いだったから、11時頃まで厨房に一人でいることも多かった。
もしもそんな時にこの姿を見ていたら...
思わず、笑顔が浮かぶ。あの頃とは、随分違った自分を俺は生きている。
「男の子です。5〜6歳位の。だから希に小さな子供に反応・干渉して、
加減を忘れてしまう事がある。そんな感じでしょうね。
この店から祓うとしたら、その由来を調べて入念に準備をする必要がありますが、
あなたが共存しても良いと仰るので有れば、お祀りするだけで十分です。」
「お祀り?」
「はい、あなたやお客さんに対する悪意を持った存在ではないのですから、
しっかりお祀りしてこちらの好意と願いを示せば、きっと応えてくれると思います。」
一体、見えないということは、不幸なのか幸福なのか。
俺の正面に座った店長の背後、すぐ右側に、小さな男の子の姿をしたそれが立っている。
俺と姫を交互に見つめる、不安そうな表情。その眼には悪意も悲しみも感じられない。

1040 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:42:33 ID:zCg44kbM0
「先ほど『小さな男の子』と言いましたが、所謂幽霊では有りません。
どちらかというと妖精に近いもので、それが男の子の姿をとっています。
ハッキリした意思を感じませんから、おそらく記憶を封じているのでしょう。
それが何かの拍子にあなたか、それとも店のお客さんに憑いてきて、ここに落ち着いた。」
「それなら、何処かに本当の居場所があるということですか?」
その優しさに少し、胸が詰まる。
「大昔ならともかく、近代以降は妖精の住める場所はどんどん減っています。
それに、詳しく事情を調べたら却ってマズい事になるかも知れません。
例えば住処を人間に破壊されて、それを思い出したら怒りと悲しみに囚われるとか。」
調べたとしてそれの正体が判明するか分からない。ただ、人の姿を取っているのだから
もともと人に親しみを感じていた存在なのだろう。もしも、人に住みかを破壊されてもなお、
『人を恨みたくない』『人を憎みたくない』 そんな気持ち故に記憶を封じたのなら、哀しい。

1041 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:45:12 ID:zCg44kbM0
 「確固とした意思を感じないので、おそらく自我も姿の通り幼い子供のレベルでしょうね。
退行した原因は分かりませんし、結局あなたや此所との相性が良いとしか。」
「そう、ですか。なら結構です。此所に居た方が良いというなら、ずっと居てもらっても。」
「分かりました。では早速用意をします。暫く、そうですね。30分程時間を下さい。」
茶色い皮の鞄、My『お出かけセット』から必要な道具を取り出す。
この子への親しみを編み込み、同時に、この店とお客さんを護ってくれように願を編み込む。
ホームセンターで調達し、白い封筒に小分けした結束バンド。今回使うのは赤・白・緑・青。
俺はSさんと違い、紙を使うのが得意ではない。
加工する必要がなく、容易に結び目を作れる結束バンドは本当に役に立つ。
「あの、それは?」 「特別に、僕の師匠に清めて貰った、護符の材料です。」 「へぇ。」
すい、と姫が視線を逸らして窓の外を見た。 笑いを堪える、可愛い表情。
まあ、時には嘘というか方便も必要だ。
ただの結束バンドだと言ったら、信じる気持ちは薄れ、護符の効果も弱くなる。
「一目一目、想いを込めて編みます。その子のために、このお店とお客さんのために。」
「ありがとう、ございます。」

1042 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/18(水) 18:49:16 ID:zCg44kbM0
皆様今晩は、再び藍です。

無事、作業が終了した部分の投稿を終える事ができました。
残りの部分もきっと近いうちに。
お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
有り難う御座いました。

1043名無しさん:2016/05/18(水) 20:17:13 ID:mCRDBLr.O
ありがとうございました!続きがとても楽しみです。待ってます!

1044名無しさん:2016/05/18(水) 22:56:29 ID:NCgnzTsg0
文面も懐かしい。読み始めた時みたいだ。

1045名無しさん:2016/05/19(木) 02:14:32 ID:P3iy3Ff.O
投稿ありがとうございます。マスターさんのお人柄が素敵です。
居場所を失った妖精さん、ごめんなさい。

1046 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 02:48:50 ID:aKJo2V6w0
>>1043
>>1044
>>1045

今晩は、藍です。

残りの作業が一段落したところで覗いてみたら驚きました。
何というか、地味なお話なので反応が無いのも覚悟していたのですが。
早速のコメント、感謝いたします。

作業はほぼ終了、知人のチェックが済み次第、続きを投稿できると思います。
どうかもう暫く、お待ち下さい。有り難う御座いました。

1047 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:20:28 ID:aKJo2V6w0
テスト中です。

1048 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:22:12 ID:aKJo2V6w0
皆様今晩は、藍です。

以下、『護符』の残りを投稿いたします。お楽しみ頂ければ良いのですが。

1049 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:26:48 ID:aKJo2V6w0
 「ところで店長さん。」 突然姫が口を開いた。 店長の戸惑った顔、「はい?」
「さっきの話が気になっているんですが。Rさんと同じ名前の、アルバイトの方の。」
「ああ、あの子は...もう5年前ですね。」
店長は再び営業日誌をめくった。目配せしようとしたが、姫は知らん顔だ。
事情は聞いたし、既に護符作成にかかっている。
『後の話』をしても問題はない。俺はただ、護符作成に集中すれば良いのだから。
「とても真面目に働いてくれて、卒業したら正式に採用したいと思っていたんですよ。
でも、急に辞めてしまって。残念でした。故郷に帰ると言ってましたね。」
その話なら既に姫も知っている。『田舎に帰って見合いをする』というのが筋書きだった。
「その人、Rさんはどんなお仕事をなさっていたんですか?」
「食器洗いと、時々は食材の下ごしらえの手伝いも。
そうそう、季節ごとの飾り付けも任せてました。何時も見事な出来でしたよ、とても器用な子で。」
二人の話を聞いても、心は不思議な程平静で、特別な感傷は湧かなかった。
もう、あの頃の俺とは違う。新しい家族と新しい人生を歩んでいる。
昔の話を聞くほど、その感覚が強くなり、むしろ気持は静まっていく。
それもあって、護符の作成は思っていたより順調に進んだ。

1050 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:27:47 ID:aKJo2V6w0
 重要なのは、結び目の数と、それをまとめる色の意味。
次第に形を取る、大きな花弁と、それを取り巻く艶やかな葉。
『命の喜び』、そして『心からの願い』を意味する護符。
一目毎、結び目に俺の『力』を編み込んでいく。確か3年の修行の成果。
いつの間にか、全ての音も情景も、俺の心から消え去っていた。
それからどれ程の、いや、多分予定通り。30分前後の時間。

1051 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:28:31 ID:aKJo2V6w0
 これで良い。額の汗を拭い、ふう、と息をつく。 「出来ました。」
「これは...綺麗だ。何というか、如何にも御利益が有りそうですね。」
Sさんから習った護符の1つ。赤・白の花弁と緑・青の葉を象った意匠。
「これをどこか、店の中に置いて下さい。引き出しの中とかで構わないので。」
「いや、それでは勿体ない。これは是非、ああそうだ、飾り棚に。」
店長は受け取った護符を手に、壁の飾り棚に向かった。
ガラス戸を開け、棚の上段にそっと護符を置く。もう一度護符に触れてからガラス戸を閉めた。
ふわりと浮き上がり、店長の背後からそれを見つめる男の子。嬉しそうな、笑顔。
もう、大丈夫だ。

1052 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:29:55 ID:aKJo2V6w0
 「お礼にディナーをご馳走したいので、このままもう少し。」
俺がテーブルの片付けを終えたタイミング、間髪を入れず姫が頭を下げた。
「申し訳ありません。店長さんのお気持ちは嬉しいのですが、
既に料金の精算は済んでいると聞いています。
それなら、仕事以外の理由で長居するのは禁忌なんです。」
失礼無く、依頼主の申し出を断るとしたらこれ以上の方便はない。流石に姫だ。
「そう、ですか。それなら。」 店長は足早に店の奥に入り、暫くして出てきた。
「せめてこれをお持ち下さい。」 綺麗な紙に包まれた、洋酒の瓶?
「ありがとう御座います。頂きます。では、私たちはこれで。」
店長に見送られて店を出る。男の子の姿はない。
飾り棚に両手をついて、あの護符を見つめる姿が目に浮かぶ。
無事に仕事をやり遂げた充実感。それこそが術者にとって、何よりの幸福だと思う。
今度俺がこの店を訪れるとしたら、それはかなり先のことになるだろう。

1053 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:30:50 ID:aKJo2V6w0
 車の窓からじっと景色を眺めていた姫が、不意に口を開いた。
「何だか、とても嬉しいです。私、信じていましたから。」
信じていた? 俺が護符を作ったのは初めてじゃない。護符の事でないとしたら。
「信じていたって、何を、ですか?」
「昔の話をしてもRさんはもう感傷的になったりしないって。」
「そりゃ僕はもう昔の自分とはかなり変わりましたから。あまり感傷的には。
でも、感傷的にならない方が良いのなら、あの時わざわざ昔の話をしなくても。」
「Rさんが『昔の自分じゃ無い』って自覚することが必要だったんです。お仕事、ですから。」
??? 自覚? 仕事? でも姫の仕事は。

1054 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:32:10 ID:aKJo2V6w0
 「あの、御免なさい。話の内容が理解出来ないんですが。」
「あの子をあの店に連れてきたのはRさんです。何時何処から、それはもう分かりませんけど。」
「へ?僕が?」
「はい。Rさんに憑いてきて、偶々あの店と店長さんの気配に馴染んだ。
だからあの子があの店で安定した状態を保つには、店長さんとRさんの気配が必要なんです。」
いや、しかし俺があの店でのバイトを辞めたのはもう5年も前だ。
その後あの店でバイトした人間は沢山いた筈だし、既に俺の気配など。それなのに。
「店長さんのことは分かります。でも、僕の気配が今もあの店に?
もう5年も前ですよ?幾ら何でもそんなに長くは。」
「だってあのお店には『身代わり』が。忘れちゃったんですか?」
「あ。」
そうだ、姫に仕込まれた術の件。『分家』の術者を攪乱するために、
姫が作ってくれた身代わりをあの店にも隠した。確か更衣室とトイレ、厨房の戸棚の奥。

1055 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:34:33 ID:aKJo2V6w0
 「いくら身代わりでも、本物がすぐ傍にいたら効果がありません。
そしたらあの子はまた、Rさんに憑いてきてしまうかもしれないと思ったんです。」
「だから昔の話をして、僕が昔の自分とは違うとハッキリ自覚するように?」
「はい。もしかしたらSさんはRさんがこの依頼を受けると決めた時に
何か予感していたのかも知れませんね。だからきっと今日私を一緒に。
でもSさん自身で無く私を。それならSさんも信じていたんです。
Rさんはきっと大丈夫。絶対に過去に囚われる事は無いって。」
...姫も、Sさんも、一体どれ程の。
術者としての時間を積み重ね、自分が力を付けるほどに、二人の力の凄さを思い知る。
でもそれは何だか小気味よく、そして嬉しい。笑いが込み上げた。
「どうしたんですか?何だか楽しそう。」
「楽しいです。だって二人の凄さが分かる度、『僕にはやるべき事が沢山ある』って
自覚できますから。そう、明日からまた、頑張りますよ。」
黙って微笑みを浮かべた姫の横顔は、とても美しかった。

1056 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:36:44 ID:aKJo2V6w0
 「お礼がこのシャンパン?しかもロゼ。こんな高価なお酒を普通に在庫してるなんて、
そのレストランかなり繁盛してるのね。妙な事があったのに、お客は減らなかったのかしら。」
「子供たちの事例は食中毒とかが原因じゃないのが明らかで、それについて
店の責任を問う声は無かったようです。店長の対応にも問題は無かった訳ですし。
むしろそれ以外の妙な事、不思議な気配や何かが話題になって、
口コミでお客は少しずつ増えていたようですね。
『その店で食事すると恋が叶う』とか、『大きな商談にはその店が絶対』って。」
それは多分、座敷童の出没する宿に宿泊したがる人々に似た心理なのだろう。
「Rさんが作った護符が有りますから、今後は稀な障りもなくなる筈。
これからはお客さんに、もっともっと良い影響が出ると思います。」
「それならこれ飲んでも罰は当たらないわね。早速冷やして夕食に。楽しみ〜。」
Sさんはそのお酒を持ってリビングを出て行った。軽やかな足音。

1057 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:41:52 ID:aKJo2V6w0
 姫の言葉通り、その店は大いに繁盛し、今では地元でも評判の名店に数えられている。
未だ不思議な噂も絶えないらしいが、それがまたオカルト好きの大学生たちや
小さな子供のいる家族連れには大評判だと聞いた。
もちろん料理も美味しいし、何より店長の度量が有ってこそ実現した一種の奇蹟。
100年程前なら、そんな場所が普通に存在していたと聞いた。
人と人ならぬモノが自然に交流する不思議な場所。 『交差点』。
きっと現代にも一軒くらい、そんなレストランが有っても良い。
Sさんも姫も、同じ意見だ。
ただ、万一の事を考えると俺はその店に行かない方が良い訳で。
それだけが少し残念なのだけれど。
その店の名は『◎×◆』。


 『護符』 完

1058 ◆iF1EyBLnoU:2016/05/19(木) 23:44:32 ID:aKJo2V6w0
皆様今晩は、再び藍です。

無事『護符』の投稿を終える事が出来ましたが、少々疲れました。
また暫く、お休みを頂きます。お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
有り難う御座いました。御機嫌よう。

1059名無しさん:2016/05/20(金) 00:32:11 ID:a4wElfi.0
 時は流れ,世は移り,人は変わり,季節はうつろう。されどくすしき物語は,代々に受け継がれて色褪せず,人の心を惹きつけてやむことなし。
 地味だなんてとんでもない,滋味溢れ味わい深き物語を,ありがとうございました。

1060名無しさん:2016/05/20(金) 02:20:46 ID:fKh73vsY0
投稿お疲れ様です。いつも楽しく読ませて頂いています。愛情と信頼関係が描かれている美しい作品ばかりですね。心の中のかさぶたがすうっと消えていくような暖かい気持ちになりました。

1061名無しさん:2016/05/20(金) 07:53:08 ID:KLrF6jKQO
続きの投稿ありがとうございました。楽しみにしてましたが、その期待が藍さんに無理をさせてしまいすみませんでした。お疲れ様です。
ゆっくりお休み下さい。

北越奇談など割りと近しい昔話でも不思議が溢れていて、その不思議を当たり前に受け入れて生活している人々の姿があって、なぜ今こんなに不自然な世界になったのかとても不思議です。
探せば現代でもRさん方のような不思議なお話はみつかりますが、それを当たり前に受け入れて生活できる人々はなかなかおられないようです。

過去の自分とは違う、という冷静沈着な感覚は凄いです。それを促す姫方もさすがです。

とても面白かったです。
投稿ありがとうございました。

1062名無しさん:2016/05/20(金) 21:08:39 ID:92HvdI9o0
ああ・・変わった素材で作られた身代わり・・
食べ物のお話であまり思い出したくはなかった////
Rさんは幼少や学生の頃のお友達とか殆ど振り切ってしまったのだろうか。

1063名無しさん:2016/05/21(土) 01:17:55 ID:tA8dIADcO
(・ω・)楽しく拝読しましたん

1064名無しさん:2016/06/02(木) 01:35:37 ID:Dp0YMRgY0
去年の冬から拝読しているものです。投稿誠に感謝致します。情景が浮かぶ美しい言葉を綴った素敵なお話を読ませていただくことを日々の楽しみにしております。藍さんご自身のことを第一にお考えください。
それでも、多少の余暇がお出来になった際には、また新しいお話を拝見できればとお待ちしております。

1065枯れ木:2016/06/06(月) 20:30:23 ID:KAP.Er8c0
 「暫く戻れない。」と、昨夜連絡がありました。
『護符』に関しては、代理でのコメントを命じられましたが、
まとめでのコメントは許可されていないので代理はこちらだけで。

>>1059
 地味→滋味。座布団3枚、姉も同意してくれると思います。

>>1060
 男女と親子の「愛情」はこの物語の核心でしょうね。
読者様のお心を暖められたなら、姉も本望かと。

>>1061
 まさか、
「北越奇談」をご存じの方がこれらの物語をお読み下さっていると知ったら、
姉もきっと気を引き締めざるを得ないでしょう。あはは。ちょっと爽快、です。

>>1062
 身代わりに使われたのが「髪の毛ではない」という記述からして、
使われたのは「血」。多分、Rさんの寝ている内に。出血の次第は『追憶』で。

>>1063
 有り難う御座います。きっと姉と知人さんには、それが何よりの褒め言葉です。

>>1064
 有り難う御座います。
姉は我が儘ですから、綺麗事で無く、全て自己満足のための投稿です。
放っておいても、何時かきっと新作を投稿するでしょう。
どうかそれまでは、気長にお待ち下されば、と。

 まとめでの返信は姉の帰還をお待ち下さい。有り難う御座いました。

1066名無しさん:2016/06/07(火) 02:54:39 ID:6.kSWej.O
枯れ木さん、ご報告とレスポンスありがとうございます。
藍さん、どうぞお大事に。ゆっくりご自愛下さいm(_ _)m

1067 ◆iF1EyBLnoU:2016/06/20(月) 22:03:12 ID:sRxNzSvc0
皆様今晩は、藍です。

昨夜戻りましたが、明日また仕事に出ます。
次作の準備も進めていますが、投稿の時期は明言出来ません。

それまでお待ち下さる方がおられるなら
いつかきっと此所で、有り難う御座いました。

1068名無しさん:2016/06/20(月) 22:11:34 ID:OHledwhEO
藍さん,大変お忙しいところありがとうございます。楽しみにして待っています。なお,ご無理をなさいませんように。

1069名無しさん:2016/06/21(火) 11:23:55 ID:p0TVb3OYO
藍さんご報告ありがとうございます。
藍物語が好きなのでいつでもお待ちしてます。
昨日、愛染明王を初めてお参りしたら、藍色でした。愛は藍色なのだとなんだか納得しました(^o^)/

1070流れ者、流れる:2016/06/26(日) 08:29:03 ID:tJGudKPw0
>>1067
お元気そうで何よりです。
物語は、マイペースで続けて下さい。
呪札僧スレは落ちちゃいました。さらに削除されたかな?もと板に戻れ、しがらみもファン(粘着さん)もあまりなくなりました。何とか生きています。
では、お元気で!

1071 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/11(月) 22:05:35 ID:5JFQwWiM0
皆様今晩は、藍です。先程仕事から戻りました。
お土産のお話が1つ、少し休んで、投稿の準備を致します。
まだお待ち下さる方がおられるなら、近いうちに此所で。

1072名無しさん:2016/07/11(月) 23:31:18 ID:ca4ZU0Pw0
お帰りなさい。良く休んでください。起きる時は弟さんに寝過ぎで怒られて下さいね〜

1073名無しさん:2016/07/12(火) 01:55:21 ID:3z9x5B5YO
(´Д`)お待ちしてます♪

1074名無しさん:2016/07/13(水) 00:47:17 ID:VhYqD3jMO
ありがとうございます!楽しみにしてます!

1075 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:43:37 ID:sdlCPg8I0
テスト中です。

1076 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:49:53 ID:sdlCPg8I0
皆様今晩は、藍です。

以前、非公開とされた掌編を公開する許可を頂きました。
温暖化や地震、水害等、相次ぐ天災の中で
この作品の公開許可を頂いた意味を今も考え続けています。
知人もその意図を測りかねると言った作品ですが。
以下、『啓示』。曲解無くお楽しみ頂ければ有り難く存じます。

1077『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:52:30 ID:sdlCPg8I0
『啓示』

 山々の緑に微かな錦が混じっている。きっと、もう、秋が近い。
川の神様の神社、境内の掃除を終えたところ。
ここ暫く、川の神様はご不在。お社はガラ〜ンとして、なんだか寂しい雰囲気。
掃除道具を片付けたとき、視界の端に人影が見えた。
足音も無く近づいてくる黒い着物。 膝を着いて頭を下げた。川の神様、だ。 
「久し振りだな。早速だが、お前に会いたいと仰るお方がおられる。付いて参れ。」 「はい。」
今日はSさんも姫もいないが、護り神様の仰せで有れば是非も無い。
聞き慣れた話し方と調子。しかし、何と無い違和感。 川の神様は既に歩き始めている。
川の神様の後を追い数歩踏み出した時、地面がぐらりと揺れた気がした。

1078『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:53:35 ID:sdlCPg8I0
 ここは、二週間後に訪れる予定の...では俺に会いたいというのは。
「そう、御陰神様だ。此度の大災害の対応から昨日お戻りになった。
お前の、人の気持ちが知りたいと仰っておられる。」
やはり、その御声に感じる違和感は消えない。一体これは?
本殿、階段を上り川の神様は廊下に膝を着いた。俺は階段の前に正座をする。
「御陰神様、Rが参りました。」 声を掛けて障子を開く。
数m奧に御簾、その向こうから淡い光が洩れていた。

1079『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:54:31 ID:sdlCPg8I0
 『良く来たな。お前たちの仕事も一段落と聞いた。
大儀であった。術者たちは皆、見事な働きだったと聞いている。』
この御声、以前聞いた響きではない。あれは、姫の声帯を使って発せられた声だったからか。
川の神様の表情を伺う。川の神様は黙って頷いた。
「術者の本分を尽くしただけでございますが、勿体ないお言葉。痛み入ります。」
『さて、此度の大災害、お前はどう思う?』
「多くの命が失われ、とても、とても悲しく恐ろしい出来事でした。
一族の者に犠牲者は出ませんでしたが、到底、それを喜ぶ気にはなれません。」

1080『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:56:33 ID:sdlCPg8I0
 『吾を...吾等を恨むか?何故この国の民を助けてくれなかったのか、と。』
その御言葉で、俺の心の中の何かが崩れて、涙が溢れた。
大切な人を失った人々の涙、俺の心に流れ込んだ悲しみ。
災害のあとの仕事の数々、その記憶が甦る。 息が、詰まった。
心の奥深く。間違いなく『何故?』という気持ちは有る。そしてそれはきっとSさんも姫も、
いや、この大災害に関わる仕事をした術者全員が同じだったろう。ただ。
『正直に申せ。吾等を、恨むか?』
必死で呼吸を整え、心を静める。やっとの思いで言葉を絞り出した。
『いいえ、神々の御加護が無ければもっと酷いことになっていたと、
私たちは、それだけを、信じて...』

1081『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:57:27 ID:sdlCPg8I0
 これ以上は、無理だ。言葉が続かない。重い沈黙。
『遠い昔、お前たちの時間で数十億年の彼方。
吾等はこの星の活動の源となる力によって生じた。今も、その力によって此処に在る。
この国は星の活動が激しい場所にあり、それ故吾等の数も多い。』
涼やかな御声は辺りの空気を震わせ、俺の心に染みこんでくる。以前聞いた時とは違うが、
これこそが御陰神様の、本来の御声なのだろう。気品も御力も、間違いない
『その後、星の活動によって険しい大地と深い海が生じ、
そこに数知れぬ命が満ちるのを吾等は見てきた。
吾等全てがそうだとは言わぬ。だが吾は、この地に満ちる命を愛しく思った。
この地と、そこに住む全ての命を護りたいと思っている。それだけは信じて欲しい。』
疑う事など出来ない。悠久の時を超えて、この地を守護してこられた御陰神様の、御言葉。
『ただ、吾等は抗えぬ、その力に。吾等には止められぬ、その力が起こす災いを。』
その力によって神々が生じたのなら...そしてこの国はその力が特に強い場所の1つだと。
『そして吾等の、何よりも深い業が、これだ。』

1082『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:58:36 ID:sdlCPg8I0
 洩れてくる光が明るさを増し、するすると御簾が開いた。
眼を伏せるか閉じるか思案する間もなく、これは...もう、眼を逸らせない。
12・13歳?五色の薄衣を纏った御陰神様は可憐な少女のように見えた。
以前聞いた御声と違っていたのはこのためだ。むしろ、あの時の姫よりも。
でも、御陰神様はこの辺りの神々を束ねる主神で、もう何千年も前から。
『この星が活動し大きな力が働くと、吾等もその力を得て時を遡る。
だから、この星の力が尽きぬ限り、吾等は不死。だが...』
御陰神様の右頬に一筋の涙。 胸の奥に響く、深い悲しみ。
『吾は見たくない。星の力で引き起こされた大災害で失われる、数知れぬ命を。
不死の代償がそれらの命だとしたら、むしろ吾は。』
『御陰神様、怖れながら、どうかそれ以上の御言葉は。』

1083『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 22:59:30 ID:sdlCPg8I0
 川の神様の、切羽詰まった御声。確かに、川の神様も以前より若返って見える。
それが俺たち人間や他の生物の命と引き替えに...いや、違う。
『原因』となるのがこの星の力という点は同じだが、それがもたらす『結果』は別だ。
その力は一方で神々を不死とし、他方では大災害を引き起こし多くの命を奪う。
大災害で失われる生物たちの命と引き替えに神々が不死なのではない。
当然、神々が不死と引き替えに大災害を防ぐこともできない。
何より、悪意を持って我々を殺すために地震や津波が起こるなど絶対に...
それはこの星に生まれたものの宿命。生まれたのだから、何時かは死ぬ。
産み出し、飲み込む。 遠い時の彼方、この星の力が尽きれば神々の存在さえも。ならば。
下腹に力を入れ、深く息を吸った。

1084『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 23:00:38 ID:sdlCPg8I0
 『此の度の大災害では、亡くなった人々の魂を救うために、
各地から多くの神々が被災地に集い、心を砕いて下さったと聞いています。』
大災害に関わる仕事の前に、当主様は術者を集めてそう仰った。
『亡くなった者の魂は神々に委ねよう。きっと見落とすことなく、救い導いて下さる。
そして我々は、残された者が生きていくための仕事をするのだ。』と。
御陰神様は真っ直ぐに俺を見つめた。その瞳以外、全てが視界から消えていく。
綺麗だ。俺は知っている、この感覚は。
『確かに、自らの業の重みで沈んだ者を除いて、吾等は全ての魂を掬い上げた。
少し時間がかかって苦しませたが、それらの魂は今、この上なく安らかにある。』

1085『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 23:02:56 ID:sdlCPg8I0
 暗く、冷たい川の中に跪いている。俯いて水面を見つめた。
上流から、薄紅色の光がゆっくりと流れてきた。右手がひとりでに動いてそれを掬い上げる。
そうか、この情景は御陰神様の記憶。
『済まぬ。長く待たせて、苦しませて、本当に悪かった。
だが、安堵せよ。苦しみも、痛みも既に、無い。』
右手の下にそっと左手が。右掌にぽたぽたと落ちる滴は...涙?
薄紅色の光は明るさを増し、掌から飛び立つ。まるで、蛍。 これで、良い。
『御陰神様、救うことの出来る魂は、もう。』
『そう、だな。だが、本当に見落としはないか?あの忌まわしき者共の始末は?』
『それはこれを。結界に近付いた者はこのように。』 捧げ持つ槍に貫かれた、浅ましい姿。
『皆様方、御仕事を終えて御陰神様を待っておられます。どうか。』
本当か、本当に見落としは無いか。もう一度心を尽くして上流と、水底に注意を向ける。
大丈夫。悪しき業深く自らの光を失った者以外の気配はない。
ゆっくりと立ち上がる。衣から滴る水の音。辺りを飛び交う無数の光。
おそらく他の区画でも...他の神々が既にこの仕事を終えた頃。

1086『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 23:04:03 ID:sdlCPg8I0
 『明日、夜明け前に皆で沢へ参れ。我等が生物の間に結んだ約束の証を見せよう。』

 何時の間にか、俺は川の神様の社、境内に立っていた。
『あの、沢だ。忘れてはおるまいな。』 「それは、勿論。」
「宜しい。では、細君お二人と姫と若たち三人も。きっと、だぞ。」 「はい、必ず。」

 厳密には定員オーバーなのだろうが、細い山道の入り口で軽の4駆を降りた。
俺は藍を、姫は丹を抱き、Sさんは翠の手を引いて歩く。
「ちょっと待って下さい。今、この藪を。」
この藪を抜けて斜面を降りればすぐ下に沢。藪の草を踏み分け、道をつける。
「あれは...」 Sさんの声。 続いて姫の溜息。
振り向いて皆の顔を見て、その視線を辿る。斜面の先、沢の方向に視線を移した。

1087『啓示』 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 23:07:45 ID:sdlCPg8I0
 数知れぬ、色とりどりの光。
夜明け前の薄闇を照らす、まるで季節外れの蛍、しかしこの色と数は。
そして辺りに漂う芳香、微かに鈴を振るような音。
この世ならぬ景色、まるで、秋の蛍祭り。
それらは次第に高く舞い、天上を目指すように見える。救われた魂が、きっと。

 『然るべき季節、この沢に蛍が舞う限り、約束は守られる。
それを確かめるために、その季節に御前たちは毎年、此所へ参れ。忘れるな。』

 黙ったまま、藍も丹も、飛び交う光を見つめていた。
Sさんは微笑んで翠の涙を拭き、その体を抱き上げる。
俺たちは膝を着き、黙って深く頭を下げた。明るく、静かだ、
恐らく、この景色こそ、涅槃。日々を懸命に生きる命に約束された場所。

『啓示』 完

1088 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 23:12:31 ID:sdlCPg8I0
皆様今晩は。再び、藍です。

お陰様で無事『啓示』の投稿を終える事が出来ました。
この作品については否定的な反応が有ることも覚悟しておりますが、
出来れば曲解無く、公開された意味を汲み取って下さる事を願っています。

ここまでお付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
本当に、有り難う御座いました。

1089 ◆iF1EyBLnoU:2016/07/14(木) 23:22:52 ID:sdlCPg8I0
追伸

昨夜、次作の原稿の一部を受け取りました。
「開祖」の御方に関わるお話のようです。今のところは
公開の時期も、そもそも公開できる作品なのかも不明ですが、
公開できるなら何時かきっと此所で、御機嫌よう。

1090名無しさん:2016/07/15(金) 00:42:22 ID:lWAmY10cO
新話投稿、おつかれさまです

1091名無しさん:2016/07/15(金) 02:12:51 ID:EeW0cPpU0
ひとつの事をずっと集中して想ってください。
かならずその理由は後からでも見えてきます。それが信解、さんげ。
それが身に付くと、後が解るになります。それが「解悔」

業を積まぬためにどれだけの努力が要るのか。生まれ変わっても受け継ぐ業があるとするのなら
術者の方々の生き方には頭が下がります。

流れゆく名もなき雨粒一つに気配り目配りがあるとするのならこれほどの果報も無いかと。
声なき声に耳を傾け、感謝の気持ちさえあれば、人の想いを力に変えてくださる存在は不滅と言う事と理解いたします。

1092名無しさん:2016/07/15(金) 02:18:53 ID:EeW0cPpU0
追伸

今なら聞けるかと。木蘇の御嶽で何があったのかと。啓示を読んで思いました。
忌まわしき者、でしょうか?


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