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藍物語(投稿・感想・雑談専用=隔離)スレ

1枯れ木も山の賑わい:2014/03/26(水) 23:49:11 ID:sdeCrXLs0
藍 ◆iF1EyBLnoU の 投稿と
投稿に対する感想・雑談の為に立てた専用スレです。
レスの都合上コテハン推奨ですが、匿名の書き込みも勿論OK。
非難の書き込みは「作品に関する話題・雑談」スレで存分に。
こちらへ書き込まれた場合は(可能ならば)削除します。

778『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 21:54:37 ID:pyBusNHI0
 「『デジタルカメラが普及してから心霊写真』が減った』という話、聞いた事がありますか?」
「はい。『デジカメだと二重露光みたいなトリックが使いにくいから』だ、と。」
デジカメのついたケイタイやスマホを持ち歩く人が増え、
心霊写真が撮れる可能性はむしろ高くなっている筈なのに心霊写真は減っている。
とすれば、デジカメ普及以前の心霊写真はほとんど偽造という結論を導くのに無理はない。
「本当にデジタルカメラでは心霊写真が撮れないのか、それを確かめたかったんです。
全く同じ場面を2種類のカメラで撮影した管の写真を比べたら、手がかりになると思って。
式も幽霊も妖も、私たちとは『在り方』の違う存在だし、
実際に幽霊や妖を相手にする時に、写真を撮っている余裕は有りませんから。」
確かに、仕事中は一瞬の油断が命取りになりかねない。
悠長に写真の撮り比べ実験なんて。 その点管さんがモデルなら100%安全だし、
管さんはもともと独立した妖。 幽霊の代わりの実験台としても最適だろう。

779『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 21:55:55 ID:pyBusNHI0
 「それで結果は、どうだったんですか?その実験の。」
「10枚ずつ写真を撮りました。『●ルンです』で式の姿が撮れたのは2枚、
デジタルカメラで撮れたのも2枚。 4枚とも少し少しボケてました。
でも、デジタルカメラでも本物の心霊写真は撮れると思います。」
デジカメでも撮れる? じゃあトリックって話は...いや、それよりも。
「昼寝してたってことは、管さんが『見える』時に撮ったんですよね?」
「はい。いつものウッドデッキの端っこで。」
肉眼ではハッキリ見える管さんが、10枚中たった2枚ずつ?
「不思議、ですね。姿は見えるのに写真に写らないことの方が多いなんて。」
「以前は幽霊の数が少ないから本物の心霊写真も少ないんだと思ってましたけど、
そんな単純な話では無いみたいです。それに、もっと不思議なのは。」
姫はたっぷりのレタスとミニトマトを盛りつけたサラダボウルをテーブルに運んだ。

780『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 21:58:08 ID:pyBusNHI0
 「式の姿が映っていない写真でも、『気配』を感じるんです。
まるで、私には見えない何かが写真やデータに記録されているみたい。」
それがどういう理由なのか、俺には想像もつかない。しかし、それはまるで昨夜の。
「姿は見えないけど『気配』を感じるというのは、昨夜の僕と同じですね。あの番組の。」
「はい。管の姿は写っていなくても、その写真やデータには確かに『何か』が記録されていて、
私たちはそれを『気配』として感じるけれど、翠ちゃんなら多分映像として見ることが出来る。
ただ、術者でない人が写真に記録された『気配』を感じるのはごく希な事でしょうから、
そんな写真が心霊写真と言えるかどうかは分かりません。間違いなく『本物』だとしても。」
本物だが、心霊写真とは...ふと、思い出した。昨夜の番組、本物の心霊写真。
ビーチの家族連れの背景に立つ、若い男の後ろ姿。 髪型も、海パンの模様も。

781『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 21:59:49 ID:pyBusNHI0
 「昨夜の番組で紹介された中に、本物の心霊写真があったんです。
管さんを狙って撮っても、その姿が写る確率が2割(10枚の内2枚)位だとしたら、
心霊写真が偶然に撮れるなんて有り得ない気がするんですが。」
「偶然なら、本当に『有り得ない』くらい確率は低いでしょうね。
でも、偶然でないなら『有り得ない』から『たまには起こる』位の確率にはなるかも。」
「え?偶然でないならって、そんな事が。」
「結婚の時に撮った記念写真、憶えてますか?」 「はい、憶えてますけど。」
数枚の記念写真。家族全員で撮った一枚は引き延ばして、今も俺の背後の壁に。
「全部の写真に写っていましたよ。ほら、その写真にも。」
姫の視線を辿り、振り返る。 あ。

782『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 22:03:02 ID:pyBusNHI0
 姫の足下に蹲る、小さな白い影。まるでペットが家族と一緒に。そうだ、確かに5枚とも。
『管さんも家族ですから、全員集合ですね。』 俺自身がそう言って笑ったのを思い出した。

 「きっと、その気になれば写真に写ることが出来るんです。管さんも、妖も、幽霊も。
それがこの写真みたいに、良い事ばかりじゃ無いのが問題なんですけど。」
内容は別にして、心霊写真は此の世ならぬ存在からのメッセージ? それなら。
「Rさん。」 「あ、はい。」
「完成です。配膳は私が。皆に声を掛けて下さい。お喋りしてた割には時間通りですね。」

 ダイニングを出て、リビングに向かう。 Sさんと翠の気配。
藍と丹の気配はかなり薄い。 丹のミルクと藍の離乳食の世話を考えれば神展開。
さすがにSさんだ。 その直後。

783『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 22:12:53 ID:pyBusNHI0
 「ホントだ。TVで見たのと同じだね。すごく綺麗。」 これは、翠の声。
足が動かない。盗み聞きではなく、ただ、2人の会話を邪魔してはいけない。
何故だろう。 その時俺は、そう思った。
「でしょ? この式をTV局に配置したのは、一族で最高の術者の1人だった。」
「もう、その男の人はいないの?」 「そう。」 Sさんはそれが男だなんて一言も。
一瞬の間。 そうか、『上』を通してその依頼を受けていたのは、あの人。
初対面の日、あの人は俺の背中に式を貼り付けた。
通常ではあり得ない、幾つもの適性を併せ持つ、『最高傑作』。
まるで昨日の事のように目に浮かぶ。 端正な顔、長身の黒いスーツ。
「こんなに強い式を封じるには紙の代じゃ駄目。湿気も黴も平気な、例えばこれ。紫水晶。」
そう言えば、当主様の式は翡翠の代に。
「お母さん。その代、どうするの?」

784『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 22:17:39 ID:pyBusNHI0
 「炎の、この仕事を継いだのは私。だからこれを出来るだけ早くTV局に届けて。
でも、お母さんの式は翼を持ってないから...そうね、翠のお友達に頼むのはどう?
もし、炎の式が発動した後に入り込んだ悪いモノがいたら、それを片付けてからこれを。」
「良いのかな? 翠と、翠のお友達で?」

785『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 22:18:32 ID:pyBusNHI0

 『怒り故で無く、憎しみ故で無く。悲しみ故に。』

 Sさんの声。 まるで謡うような、不思議な調子。

 『ただ、はらから(同胞)の、あんねい(安寧)のために。』

786『召喚』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 22:28:41 ID:pyBusNHI0
 それは式を使役する術者の、『誓詞』だとSさんから聞いた事がある。

 翠の、鈴を振るような声が、Sさんの声を追いかける。

 「そう。これは遊びじゃない。面白半分でなく、真剣な仕事だと、誓える?」
「はい。誓い、ます。」 「良く、分かった。じゃ、お友達を呼んで。翠は、偉いね。」

 直後。 突然の強い風が、庭の木々とお屋敷の窓ガラスを揺らした。


 『召喚』 完

787 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/16(水) 22:35:10 ID:pyBusNHI0
皆様今晩は。 再び藍です。

色々ありましたが、ようやく『召喚』の投稿を終えることが出来ました。
お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。有り難う存じます。

預かったお話がもう1つあるのですが、投稿の許可を頂けるか分かりません。
もし縁があるのなら、次のお話もきっと此処で。

788名無しさん:2015/09/16(水) 23:31:03 ID:RZ3OlA5.0
知人さん藍さん,ありがとうございました。
翠ちゃんのお友だち,ビッグバードさんのデビューですね!

789名無しさん:2015/09/17(木) 07:07:35 ID:oyuqQm8cO
続きの投稿、ありがとうございます!
翠ちゃんはもうお仕事を始めたんですね。お魚さんは喜んでいるのでしょうか。
Lさんはアナログとデジカメを10回ずつ試すなんて客観的ですね。検証面白かったです。

790名無しさん:2015/09/19(土) 01:17:49 ID:AcG3Mc7M0
己の持つ力に対する強い自制と恐れ。その積み重ねの業。
冷酷な計算と強い自制による冷徹な行動、本質的に自ら制限をかけるが故の・・・馬鹿正直さ
それを知事さんが変化球で描く。面白い。

791 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 22:49:48 ID:u7o6d5uw0
テスト中です。

792 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 22:59:37 ID:u7o6d5uw0
皆様今晩は、藍です。

以前『聖夜』というお話を投稿致しました。
その時点では非公開となっていた部分の許可を得ましたので、
指示された書き換えを終え、事情が変わらない内に投稿致します。

793『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:06:52 ID:u7o6d5uw0
『続・聖夜』

 チーム榊の忘年会の夜、恵子ちゃんと榊さんとの出逢い。
それから十日程経ったある日、Sさんと俺は榊さんから呼び出しを受けた。
あの少女は既に安全な場所で保護され無事に年を越したと聞いていたのだが、
それでは今日になってSさんと俺が呼び出しを受ける理由が分からない。
まさか、あの少女の身に何かあったのか? いや、それならそうと連絡が有った筈。
早々に『今夜はお酒を飲まない。』と宣言したSさんの運転で待ち合わせ場所に向かった。
それは郊外の寿司屋、『藤◇』。大事な会合で決まって使う、俺たちの隠れ家。

794『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:08:24 ID:u7o6d5uw0
 「もうあの娘は安全な場所で保護されていると聞いたんですが。」
「まあ、あの娘が母親の死や継父との生活を思い出す機会は少ないだろうから、
その意味では精神衛生上は確かに安全だよ。俺の家は。」
「へ? じゃあ、あの娘は今、榊さんの家に?」
「忘年会の後、二人で分署に戻る訳にもいかないだろ。だから、さ。」
確かに。それはそうだ。一人きりでホテルに宿泊させるのも心配だし。
「いきなり年寄りを驚かすとマズいから、勿論家に電話してから帰ったよ。そしたら。」
榊さんは大きな溜息をついた後、杯の日本酒を一息に飲み干した。
すかさずSさんが空の杯に日本酒を注ぐ。完璧なタイミング。少しだけ、嫉妬。
「手ぐすね引いてたらしいお袋は甲斐甲斐しく風呂やら着替えの世話を焼くし。
あの強面の親父まで、見てられないくらいに相好を崩して。全く、俺の立場がないっての。」
きっとそれは、年末で帰省した孫娘の世話をする感覚だったのだろうか。

795『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:10:08 ID:u7o6d5uw0
 「姉貴が使ってた部屋だ。着替えとかも。新学期の最初からは高校にも通ってる。」
ああ、それなら新しい落ち着き先が見つかるまで何の心配も。
「ただあの娘の引取先を探すのに二週間くらいかかって。それがマズかった。」
...たった二週間の内に何が?

 「姉貴の所はみんな男の子ばかりだったから、無理もないと言えばそうなんだが。
お袋と親父があの娘を文字通りの猫っ可愛がりなんだよ。
まずは毎日5時半に起床、5時半だぜ。それで親父と一緒に犬の散歩。
散歩から戻ったらお袋と一緒に朝食の準備。3人で朝食を食べたら高校へ。
高校から帰ってきたら、またお袋と一緒に準備して3人で晩飯。それが日課らしい。」
「あの、3人って?」
「だから親父とお袋、それとあの娘だよ。」
そうか。まあ、どう考えても榊さんの帰宅時間は当てにならないからね。

796『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:11:54 ID:u7o6d5uw0
 「でも、引き取ってくれる親戚がいるならそれが一番だろ?
『新年早々』って、親父とお袋には散々嫌な顔されたけどやっと見つけたよ。母方の祖父母。
乗り気と言うほどでもないが、引き取って面倒を見るのは構わないと言ってる。
それでその日は早く帰って、話を切り出したんだ。そしたら。」
榊さんは両掌で顔をゴシゴシと擦った。
「あの娘に、派手に泣かれちゃってさ。結果、お袋と親父も仏頂面。
『いきなりそんな事、無理強いするものじゃない。』って。まるで俺一人が悪者だ。」
ああ。普段から家庭内での空気が読めないと、それで色々有るのは仕方ないですよね。
「でも、あの娘の将来が一番大事なんだから。構わず言った訳。
『恵子ちゃんの将来が一番なんだから何時までもこのままじゃいけない。
恵子ちゃんはこれからどうするつもりなんだい?』って。そしたら。」
榊さんは杯の日本酒をくいっとあおった。

797『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:13:39 ID:u7o6d5uw0
 『私、健太郎さんのお嫁さんになりたいです。
それが駄目なら、このお家のお手伝いさんにして下さい。』

 俺と榊さんは盛大に日本酒を吹いた。この声はあの娘の...そうか、『声色』。Sさんだ。
「何だよ〜いきなり。Sちゃん、俺の心臓止める気かい?」
「いいえ、もうそろそろ本題に。依頼の内容を聞かせて戴こうかと思っただけです。」
「そうか。それはそう、だな。折角来て貰ったんだから。」
ウーロン茶のグラスを持った、Sさんの笑顔。しかし榊さんの表情、冷たい翳りは?

 「あの娘の、気持ちを変えて欲しい。俺に関する記憶を消せるならそれも。」
!? どうして...あの夜、榊さんもあんなに楽しそうに。
「とても辛い状況から助け出されたから、あの娘は思い違いをしてるんだ。
これから色々な人に出会うんだし、その中にはあの娘を待ってる運命の人もいる筈だ。
俺の事を好きだなんて思い違いは、あの娘の未来を狭めてしまう。」

798『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:15:52 ID:u7o6d5uw0
 違和感。

 本庁からも一目置かれる『チーム榊』のボス。その話術は筋金入りの犯罪者の心さえ。
それなら、何の問題も無くあの娘を説得出来る筈。なのに何故俺とSさんに?
掘り炬燵の中で、右の爪先が軽く踏まれた。Sさんだ。つまり、これは俺の役目。

 「榊さん。術者に仕事を依頼するのに、嘘はいけませんよ。基本中の基本でしょう?」
「嘘?」 一瞬、顔から肩に膨大な熱を感じた。 正面から押し寄せる激情。 熱い。
自分の歳の約半分しか生きていない若造相手。しかし、榊さんは見事に感情を抑え込んだ。
それとなく額の汗を拭い、心に鍵を掛ける。 そう、出来るだけ平静を装うために。
「榊さんなら説得は簡単でしょう?さっきの通り説明すればあの娘も理解する筈。
なのに何故わざわざ僕達に? 一体榊さんは何を、困っているんですか?」
「参ったな...分かった、正直に言おう。俺もあの娘が好きだから、困ってるんだよ。
いつも通りに話が出来れば説得は簡単だろうが、その間、自分を抑えてる自信が無い。」
「え〜っと。相思相愛なら、何の問題も無いんじゃ?」
あの娘は18歳。母親は既に亡く、継父とは法律上の親子関係が無いと聞いていた。
それならあの娘の意思だけで結婚を決めることだって出来る。
「歳の差だよ。 45-18=27 幾ら本人の希望でも、それは無理。だろ?」

799『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:17:47 ID:u7o6d5uw0
 「あの、榊さん。」 「何だい?」
「亡くなった奥さんと結婚した時は周りの反対を押し切ったって聞きました。なのに何故今回は?」
「反対、か。確かにあの人の御両親は俺たちの結婚に反対してた。
でもそれはあの人が中々結婚を承知してくれなかったからだ。
『1年も経たずにあなたをバツイチにするって分かってるのに、結婚なんて。』 そう、言ってな。
でも、俺はどうしてもあの人と結婚したかった。それに。」
榊さんは言葉を切り、窓の外を見詰めた。目尻にうっすらと、涙?
「もしあの人が妊娠したら、俺たちの子供が出来たら、一族の護りがあの人にも、そう思った。
結局それは、間に合わなかったけど。」

 「榊さん、あなたは『約束』を果たすべきです。未だ果たしていない『約束』を。」
Sさんの優しい、それでいて厳しい表情。
「Sちゃん、『約束』って。まさか。」 少し、榊さんの声が震えている。
「結婚を承知するのと引き替えに、あの人と交わした約束です。」
「それは。」
Sさんは眼を閉じ、ゆっくりと、深く息を吸った。

800『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:20:19 ID:u7o6d5uw0
 『もしもあなたが誰かを好きになって、
それが一族を護る力の仕業だと分かったら、その想いは冷めてしまうの?
もしもあなたの前に現れた女性が私の生まれ変わりだと分かったら、
今と同じように、どんな障害も乗り越えてその人を愛するの?』
違う、これはSさんの声じゃ無い。それに、あの娘の声でも無い。だとしたら。
「分からない。本当に分からないんだ。君を失ってから、俺は何も。」
『たとえ私が死んでも、きっとあなたは幸せになって。
素敵な人をお嫁さんにして子供を作って、お父様とお母様を安心させて。
あんなに約束したのに。』
「確かに約束したよ。でも君が俺を残して逝ってしまって、俺はどうしたら良いのか。」
『私も精一杯頑張る。約束、あれから一時だって、忘れてはいない。それは今も』
「俺は...」
榊さんはそれきり黙った。俯いたまま、テーブルの上で、きつく握りしめた両の拳。

801『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:21:43 ID:u7o6d5uw0
 Sさんが俺の右肩に触れた。小さな目配せ。
そうか。素早く立ち上がり、壁のハンガーからSさんのコートを取る。
「ご馳走様でした。依頼はキャンセル、車を呼んでおきます。落ち着いたらどうぞ。」
Sさんは俺が着せかけたコートに袖を通したあと、座敷の襖をそっと閉じた。
廊下を進むSさんの軽やかな足取り。後を追いながら声を掛ける。
「『武士の情』って事ですか?あとは榊さん自身が。」
「武士?良い歳して、まるで駄々っ子じゃないの。あれじゃ恵子ちゃんが可哀相。」
ふと、立ち止まったSさんが振り向いた。
「でも、あなたは違う。榊さんの半分しか生きてないけど、駄々っ子じゃ無い
何時だって真っ直ぐで、一生懸命で。私、あなたの事、大好き。」
熱く、長いキス。

802『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:24:32 ID:u7o6d5uw0
 運転席のドアを閉じ、助手席に乗り込むとSさんがケイタイを取り出していた。
「もしもし、そう、S。今『藤◇』を出る所。車出して貰うように話して頂戴。
ちょっとキツく言い過ぎたかもしれないから、しっかり慰めて上げてね。
依頼の件は多分成功。全部上手く行ったら報酬は約束通り、忘れないで。」
白く細い指がボタンを押し、ケイタイを仕舞う。続いてキーを捻った、低いエンジン音。
「今の電話の相手、もしかして。」 「そう、恵子ちゃんよ。」
「今夜の、本当の依頼主はあの娘だったんですね?」
「あなたの依頼主は榊さん、私の依頼主は恵子ちゃん。
あなたも私もそれぞれの仕事をしっかりこなした。そういう事。」
「でもこれは二重」 Sさんは人差し指で俺の唇を押さえた。
「細かい事は言いっこなし。最大多数の最大幸福、それはいつだって絶対の真理。」

803『続・聖夜』 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:42:34 ID:u7o6d5uw0
 「あの、もう、1つだけ。」 「なあに?」
「仕事の報酬って。あの娘はまだ高校生で...もしかして榊さんの御両親が?」
「いいえ、榊さんの御両親は無関係。」 「じゃあ、一体どんな報酬を?」
「折々の葉書。」 「葉書?」
「そう。まずは式と披露宴の招待状。それから近況報告を兼ねた年賀状とか暑中見舞い。
依頼への私たちの対応。それが本当に正しかったのか、確かめなきゃいけないでしょ?」

 その後、チーム榊の会合で、
水野という青年のモノマネに新たなネタが加わったと聞いた。
それは多分、犯罪かと見まごうほど若い夫人と、可愛い子供達にデレデレの榊さん。
なら、俺と女装の結びつきはとうに『過去』。 きっとそうだ。
暗い山道に響く、力強いエンジン音。 本当に気持ちが良い
待てよ、でも今夜は聖夜じゃ。 いや、俺はキリスト教徒じゃない。何の問題も。
とても綺麗な、Sさんの横顔。 自分の頬に笑みが浮かぶのを感じた。
そう、何の問題も無い。 明日からまた、一生懸命に生きるだけだ。

『続・聖夜』 完

804 ◆iF1EyBLnoU:2015/09/26(土) 23:47:55 ID:u7o6d5uw0
皆様今晩は、再び藍です。

お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
有り難う御座いました。

805名無しさん:2015/09/27(日) 08:03:13 ID:ZxypnuEYO
榊さんと恵子ちゃん、幸せになれますように。
RさんとSさんはラブラブ過ぎて、ごちそうさまですm(_ _)m

藍さん投稿ありがとうございました!

806名無しさん:2015/10/01(木) 00:39:18 ID:TAfSU6so0
聖夜の奇蹟,神の木に,恵みの子が来ませり。
今はやりの年の差婚もめでたきかな。
とってもいいお話を,ありがとうございました。

807 ◆iF1EyBLnoU:2015/10/08(木) 01:42:43 ID:RGITgbM60
皆様今晩は、藍です。

>>757
>>758
>>772
>>773
>>774
>>788
>>789
>>790
>>805
>>806

いつも通り、本当に温かく、とても深いコメントに感謝申し上げます。
未だ個別の返信は禁止されておりますが、禁を破りたい衝動に駆られる程です。
身内の事情、お仕事の都合、その他にも色々ありまして時期は明言出来ませんが、
もし縁が有りましたら次作も是非此処で。本当に有り難う御座いました。

808名無しさん:2015/10/09(金) 00:03:24 ID:1gLp.ps.0
一応、枯葉氏が作った板だからOKじゃね?なぜか粘着氏がここまで付いてきたのは誤算だったが

809 ◆iF1EyBLnoU:2015/10/16(金) 22:56:23 ID:NC7kAbkk0
皆様今晩は、藍です。

明日早朝からお仕事で暫く戻れません。
留守は頼んでありますが、コメント等への反応で失礼が有るかと存じます。
申し訳有りませんが、いつか新作を投稿出来る日を楽しみに。では、ご機嫌よう。

>>808
暖かいお心遣い、感謝致します。

810名無しさん:2015/10/18(日) 06:51:43 ID:OdcDjmMIO
藍さんお知らせありがとうございます。お仕事頑張って下さい。
新作も楽しみにしています(^o^)

811名無しさん:2015/10/22(木) 20:47:23 ID:TyU4/jCIO
一番あたたかいのは藍さん

812名無しさん:2015/11/10(火) 07:38:54 ID:JLcnug3M0
スレストッパーにやられなかった、よかった

813名無しさん:2015/11/20(金) 10:15:08 ID:4Ti0bvnk0
新作まだかなー楽しみだなー

814名無しさん:2015/11/21(土) 00:15:16 ID:EF3bi51U0
こんばんは、投稿追ってくと最近藍さんしきりに体調が良い時にって言いながら連発で作品アップしてたけど仕事も大変みたいだし、元気にしてるんだろうか。ただの通りすがりのROMだけどなんか気にはなっちまって、勝手な事書いてすいません

815名無しさん:2015/11/22(日) 00:04:23 ID:uX0mSdfo0
休暇と思ってよく休まれるべし。
もしかしたら1.5か月位忙しいかもね。

816 ◆iF1EyBLnoU:2015/11/22(日) 22:03:03 ID:4ZG7sau20
皆様今晩は、藍です。

一昨日の朝戻りました。
昼寝のつもりが丸一日以上経っていて、心配されたり怒られたり、色々と。
今はもう少し休んで、また仕事に出ます。新作の時期は明言出来ませんが、
お待ち下さる皆様のコメントは何よりの励みになります。
有り難う御座いました。

817名無しさん:2015/11/22(日) 22:20:02 ID:q/7ujS92O
藍さんお疲れですね。爆睡できて良かったです。
年末年始は特に忙しいと思います。お体にお気をつけて下さい。

818名無しさん:2015/11/22(日) 23:27:40 ID:HyehISCI0
藍さん,ご健勝をお祈り致します。
次の物語を楽しみに待っています。

819名無しさん:2015/11/24(火) 01:36:48 ID:Y/JSHITA0
知人さんのサポート、頑張って

820名無しさん:2015/11/24(火) 11:49:45 ID:srJPOBeY0
多分 このスレ見ている方々は 次作を急いで欲しいということではないと思いますので大丈夫かと思います。
良い物語をじっくり読むことができると信じてのんびりお待ちしています(^'^)

821 ◆iF1EyBLnoU:2015/11/24(火) 22:09:27 ID:kXF66t4A0
皆様今晩は、藍です。

暖かいコメント感謝致します。
充分お休みを頂きましたので、明日早朝から仕事に出ます。
また暫く留守、コメント返信等の失礼をお許し下さい。

『次作』について情報を得ましたら、留守番の者を通してお知らせ致します。
それでは皆様ご機嫌よう。 きっと何時か、また此処で。

822名無しさん:2015/11/27(金) 09:06:19 ID:brOEnfkYO
お知らせありがとうございます。
楽しみにしてます(^o^)/お仕事お気をつけて下さい。

823名無しさん:2015/12/11(金) 01:45:36 ID:dU3dWWfMO
д`)

824名無しさん:2015/12/16(水) 20:12:59 ID:3j4Nbj2sO
皆さん、オワコン社長さんを夜露死苦!!パズドラ動画いっぱいあるよ!男子も女子もバンバン見ってねー☆☆
http://m.youtube.com/channel/UCbc7XPBjep5i25QRnO0J5-A/videos?itct=CAAQhGciEwi3pKr6tN3JAhVMFlgKHYP-DQk%3D&hl=ja&gl=JP&client=mv-google

http://m.youtube.com/channel/UCkM7vL3osDR15f_jtlq94UQ/videos?itct=CAAQhGciEwi85dGItd3JAhWDe1gKHXlZCpc%3D&hl=ja&gl=JP&client=mv-google

825 ◆iF1EyBLnoU:2015/12/20(日) 20:47:10 ID:G5LmntdE0
皆様今晩は、お久しぶりです。藍です。

本日戻りました。良いお土産と悪いお土産があります。
良いお土産は2つ、新しいお話の作業が始まったこと。
悪いお土産はその2つとも完成・投稿の目処が未だ不明なこと。

早く仕上がる方を年内に投稿出来るよう、知人と相談中です。
頼りないお話ですが、楽しみにして下さる皆様に取り敢えずお知らせまで。
どうかもう暫く、気長にお待ち下さい。


追伸

近々投稿出来るとしたら、『聖夜』の中で記述のあった
『危険ではないが滅茶苦茶ややこしくて、どちらかというと救いの無い仕事』
に関わるお話です。榊さんと恵子ちゃんを引き合わせる直前のお話ですね。
Rさん単独でのお仕事。私自身、投稿出来る日がとても楽しみです。

826名無しさん:2015/12/21(月) 01:03:00 ID:mfROaJkQ0
原案はR氏の日記のような物があるのだろうか?
でないとしたら知人さんは結構行動を共にすることがあるのかもしれないな

827名無しさん:2015/12/21(月) 06:44:41 ID:kQBpo262O
知人さん=Rさん
という設定でいいのでは(笑)
違っていても、違和感ないし…

828名無しさん:2015/12/22(火) 00:53:03 ID:bZ2.eegA0
最初の通り取材と言う形式なら、密度が濃すぎてストーカー(笑)の様でもあり、とても仕事にならないと推論

829名無しさん:2015/12/23(水) 13:37:28 ID:PKPa1xqYO
楽しみ楽しみ

830 ◆06C70Y0X62:2015/12/28(月) 22:58:12 ID:0J.09yVw0
申し訳ありません。確認させてください。

831 ◆iF1EyBLnoU:2015/12/28(月) 23:50:19 ID:0J.09yVw0
再チャレンジ、これでどうか。

832 ◆iF1EyBLnoU:2015/12/29(火) 00:02:11 ID:kcZCIbZc0
皆様今晩は、藍です。

25日の投稿を目指して作業中にPCが壊れました。
PC本体だけでなく、復元用の記録部品も同時に壊れていたようで、
「こんなの、まるで呪いだよ。どうにもならない。」と言われてしまいました。
本日新しいPCを買ってきてもらったので取り敢えず復活です。

ただ、作業中の文書も消失してしまったので年内の投稿は微妙。
お年玉企画として投稿できれば御の字かもしれません。
(本当はクリスマスと絡めて投稿したかったのですが)

次作・掌編は、『異教徒』です。 どうかもう暫くお待ち下さい。

833名無しさん:2015/12/29(火) 04:12:17 ID:1PZRBfCw0
異教徒か・・・
ホアカリニギハヤヒ(徐福=物部)、ヒボコ、八咫烏、阿部
対になるのはオキナガタラシ、藤原であろうか?向、神門はどちらにせよ異教徒にはなり得ない。

834名無しさん:2015/12/29(火) 16:18:45 ID:GhvR.3KkO
新しいお話、楽しみにしています。ありがとうございます(^o^)/

835名無しさん:2016/01/04(月) 02:27:00 ID:5R06zDbw0
復元用の記録部品って何?
USBなどの外部メディアじゃなくて?
大切なデータのバックアップは外部HDD、BDディスク、USBなどに速攻でコピーしてるわ
それも定期的に更新しないと、今のメディアはすぐ消えるからなあ
数年前にDVDにバックアップした何割かは消えてたわ

836名無しさん:2016/01/04(月) 21:43:34 ID:TQ7rKrJM0
他山の石と思い、見ている人はバックアップとりましょう。こういうのは必ず続く。

837留守番:2016/01/04(月) 23:09:49 ID:6zhOcCEE0
 内蔵の復元専用HDDと外部USB接続のHDDも同時に壊れて
復元が出来ませんでした(デスクトップの背景は未だ不満があるようです)。
昨夜急に出かけましたが、「すぐに帰る。」と言っていたので、
投稿の準備はかなり進んでいると期待しています。

838名無しさん:2016/01/05(火) 10:40:21 ID:lxPHam8IO
お知らせありがとうございます(^o^)/電化製品系のトラブルはなかなか厄介で大変ですね。
納得のいく背景ができますように

839名無しさん:2016/01/05(火) 17:39:31 ID:hYtx5H360
HDDはいきなり壊れるからな
テキスト何だからUSBにもこまめにバックアップした方がいい
ミラーリングするフリーソフト使うとか。

840 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 00:30:39 ID:hNLskE2c0
皆様今晩は、藍です。

次作の掌編の公開に障害となりそうな事件が起きたため、
公開すべきかどうか再度話し合いがありました。
特に書き直しの指示も無く公開が決まりましたが、
あくまで架空の物語としてお楽しみ下さるよう、予めお願いしておきます。
これから最終チェック。知人の確認を経て、明日の夜投稿予定。
新しいPCはとても調子が良いので作業が進みそうで楽しみです。

では明晩。ごきげんよう。

841名無しさん:2016/01/06(水) 09:56:30 ID:dkiwtePwO
わーい(^O^)/~~楽しみです

842 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:30:44 ID:hNLskE2c0
テスト中です。

843 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:38:39 ID:hNLskE2c0
皆様今晩は、藍です。投稿の準備が整いました。

決して特定の宗教を誹謗中傷する意図は有りません。
海外の情勢等に関係なく、きっと皆様はこの作品を
一つの物語として楽しんで貰えると信じています。

では以下『異教徒』、ゆる〜い気持ちで、お楽しみ下さい。

844 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:39:58 ID:hNLskE2c0
 『異教徒』

 「申し訳有りません。折角来て頂いたのに、今日も義父は何も...」

 未だ二十歳を過ぎたばかりと見えるその人は、申し訳なさそうに頭を下げた。
「『上』から指示された仕事ですからそれは構いません、ただ。」
そう、完全に拒絶されたのでは、俺に出来ることは無い。恐らくSさんにも、姫にも。
「お義父様の体に寄生した妖の様子から見て、ほとんど時間が無いんです。
年内にあと一度、多分それが最後のチャンス。その日付は、お義父様に。
それでも駄目なら、『上』に話をして手を引く以外に有りません。」
「...はい。」

845 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:40:58 ID:hNLskE2c0
 悲しそうに目を伏せたその人を見ると、何だか俺が悪い事をしているような気になる。
俺と同じ家系、『分家』の出。修行中、ある男性に見初められ相思相愛となり、
数々の困難を乗り越えて、その男性の嫁としてこの家に迎えられた女性。
その縁があったからこそ、この依頼を『上』が受理したのだし、俺を名指しで。
だが、これは初めから気乗りしない仕事だった。
依頼者の義父とは未だ一言も話すことが出来ていない。
依頼の対象であるその老人は、俺を異教徒として拒絶しているからだ。
自分の信仰に反し、怪しげな呪術に頼って生きるつもりはない。それが沈黙の意味。
これでは俺の言霊も力を発揮できない。
異教徒とも話が出来ると期待して、『上』は言霊使いを、つまり俺を指名した訳だが、
これほど頑なに拒絶されるとは予想もしていなかっただろう。

846 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:42:09 ID:hNLskE2c0
 「ホントに、手を引く以外になさそうですか?」
藍を抱いた姫の、心配そうな笑顔。 翠はSさんの寝室。
どういう組み合わせで寝るのか、毎晩一悶着起こる。今夜はこの状態に落ち着いた。
「昨日、一日がかりで車を走らせたのも、この依頼を完遂するためです。
準備は完璧だと思っていますし、最後まで、出来るだけの事はするつもりですが、
正直今回は自信がありません。
依頼の『対象』は、異教徒である僕に対して、とても頑なに心を閉ざしています。
あれでは『言霊』の響きも力を失うでしょう。」
その老人は一代で財をなした大変な資産家。
成功した後は慈善事業に力を尽くしてきたと聞いた。数年前、引退してからは特に熱心に。

847 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:43:50 ID:hNLskE2c0
 「その人の心の闇に寄生している妖は大した力を持っていないけれど、
心の闇が『不幸の輪廻』に繋がっているから難しいって事ですよね?」
「はい。その妖を祓えば『通い路』が開いて、もっと強大な悪霊が現れます。」
人の心の闇が濃度を増すと、そこに妖が寄生することがある。
当然、心の闇はやがて『不幸の輪廻』と繋がり、妖は次第に力を増す。
しかし通路が拡がりすぎれば、宿主の魂とともに
寄生していた妖も『不幸の輪廻』に呑み込まれる可能性がある。
だから寄生した妖は、通路を閉じないように拡げすぎないように宿主の心を操る。
『不幸の輪廻』に呑み込まれることなく、しかしそこから最大の力を得られるように。
そのために宿主を護ったり、その願いを叶えたりすることもあると聞いた。
寄生した妖と宿主の、奇妙な調和。おそらくそれが、この件の発端。
「でも、あの短剣があれば特に問題は。」

848 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:44:58 ID:hNLskE2c0
 確かに、あの短剣を使えば開いた通路を閉じて悪霊を押し戻すことも出来るだろう。だが。
「そうなんですけど、それでは、その人の心の有り様を変えることは出来ません。
もし、異教の術で助かったと知ったら、その人の心は支えを失ってしまうかも。
高齢だし、体も弱ってる。長年の信心、その根拠を失ったら、多分これからの人生は。」
「『出来るだけの事』ですか...やはりこれは、Rさんのお仕事なんですね。」
姫は優しい微笑を浮かべた。

 事態が一気に動いたのは3日後、『聖夜』。

849 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:46:23 ID:hNLskE2c0
 「瞳さん、外して下さい。」 「御父様、でも。」
「この人と二人だけで話したい。だから、お願いします。」
「はい。」 女性が部屋を出ると、その老人は一つ深呼吸をした。
「Rさん、でしたな。聡い人のようだから、私の言いたいことはお判りでしょう。
もう、これで最後にして下さい。義娘やあなたの気持ちはわかりますが、
異教の、それも妖しげな呪術に頼ってまで、生き延びるつもりはありませんから。」
やっと、口を開いてくれた。結果はどうあれ、これで言霊を使える。できるだけ単純に、簡潔に。
『御自身の心の闇に呑まれるのが、貴方の望みなのですか?』
数秒、言霊が届くと信じて返答を待つ。
「私自身の、心の闇?」 その老人の眼が光りを増した。
「自らの信仰に疑問を持つ、それを『心の闇』以外の言葉で言い表す事は出来ません。」
「...」
「ずっとお話をさせて頂けなかったので、その間に色々と調べさせてもらいました。」
「何をどう調べても、私自身がそれを話していないのなら、判るはずがない。一体何故?」

850 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:47:54 ID:hNLskE2c0
 「いいえ。術を使わずとも、予想するのは難しくありませんでした。
プロファイラーやセラピストでも、きっと同じ結論に達したでしょう。
貴方は世界の恵まれぬ子供たちを救う事業に力を尽くしてきた。
それならば遅かれ早かれ、『そういう子供たちを生み出すものが何なのか』そう、考えた筈。
『だれかがあなたの右の頬を打つなら』
異教徒の私でも、その例え話を知っています。しかし、その宗教を国是とする国々が、
例外なく自衛のための先制攻撃を認めているのは何故でしょう?
それらの国々が生産した兵器が、多くの子供たちを不幸にしているのは何故でしょう?」
「私は今、人を惑わす悪魔と話しているのか。」
「本当にそう思われるなら、どうぞ、一言『立ち去れ』と。
ただ私は、この国で生まれ育った貴方と私の感覚の根は同じで、
だからこそ貴方と私の心に同じ『違和感』が生じたのだと信じます。
その『違和感』が貴方の心に影を作り、その影は次第に濃度を増して闇となった。
そして、その闇に妖、つまり妖怪が入り込んだ。それが貴方の病の原因です。」

851 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:50:56 ID:hNLskE2c0
 「馬鹿げてる。妖怪なんて。」
「どんな医者にも、その病の原因は分からなかった。
既にご承知の通り、貴方の義娘さんは私と同じ一族の出身で、術の心得も有ります。
だから貴方の体に寄生している妖怪に気付いて、ある組織に依頼したんです。
貴方の寛容さは義娘さんを拒まず、むしろ大切にしておられる。なら、私の言うことも。」

 「どうやら私は、本物の悪魔と話しているらしい。だが、私は。」
ここが、勝負所。勿体をつけて十分に間を取り、挑戦的な笑顔を作る。
「そう、これは貴方にとって、またとないチャンスではありませんか?」
「チャンス?」 俺はポケットの中から琥珀の指輪を取り出した。
Sさんに作ってもらった代。強力な式を封じてある。
この依頼の対象は、異教徒である俺に心を許さない老人。
当然その手に触れることは難しいだろうと予測して、非接触系の術を選んだ。
老人に向けて、ゆっくりと掌を開く。
「この指輪を見つめて『現世の者は現世に、異界の者は異界に。』と。
それだけです。取り敢えずそれで貴方の体を蝕む病の原因を取り除けます。」
「そんなこと。」 「私が異教の悪魔で、貴方の信仰が確かなら何の問題も有りませんよね?」
「一体、あなたは何を?」

852 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:52:15 ID:hNLskE2c0
 「こんなもので貴方の体が癒える筈がない。それで、証明できます。
私は悪魔で、貴方の信仰こそ正義。堂々と私をこの家から追い払えるし、もう二度と。
そう『神の子』が聖地から偽の預言者たちや呪い師たちを追い払ったように。そうでしょう?」
この台詞を編むために、相当な時間をかけて『聖典』を調べた。
とんでもなく面倒で、その割に実りは少なく、救いの無い時間。
「どう、しますか?」 「やって、みましょう。私の、信仰を証明するために」
それは俺の努力がもたらした、極く僅かな救いだったかもしれない。
作りものでは無い微笑が、自分の顔に浮かぶのを感じる。
「では、この指輪を見つめて。私の言葉の後に。」

853 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:54:14 ID:hNLskE2c0
 「現世の者は現世に、異界の者は異界に。」

 その老人の言葉が終わると同時に、式の封印が解けたのを感じた。
「まさか、痛みが消えた。どうして?」
その老人の体に寄生している妖を祓う。これは大した仕事ではない。問題はこの後だ。
あの短剣は持参したアタッシュケースの中。前もって取り出しておくことも出来たが、
助力をお願いした以上、聞き届けて頂けると信じて証を立てなければ。
部屋の空気が低く、大きく震えた。不吉な、禍々しい気配。
一番大きな窓を覆ったレースのカーテンが大きく揺れ、その前に湧き出る黒い霧。
来る。『不幸の輪廻』へ繋がった通路を通って。予想通り、俺の術では対処出来ない悪霊。

 微かに、鈴を振るような音が響いた。直後、俺の目前に浮かぶ光。
ピンポン球程の大きさ。強い光を放った後、ゆっくりと舞い降りて、床の上で光り続ける。
次々と現れ、白銀の光を...そうか、これは『原型』だ。Sさんの使う、あの奥義の。
その証拠に、その光が数を増すにつれ、黒い霧は濃度を増すどころか、
むしろ力を失いつつあるように見える。
俺の願いは、聞き届けられた。良かった。思わず足から力が抜け、床に両膝をつく。

854 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:56:21 ID:hNLskE2c0
 『何故、帯剣していない?それを、私が咎めるとでも思ったか?』

 耳元で、いや、耳の奥深くで涼しい声が響いた。
咎められるなどとは一瞬も、しかし、お願いをしたからには証を。

 『証は要らない。それよりも万一に備え、その身の安全に心を配れ。
今回は特別。願いを叶える機会は、むしろ少ない。
もし御前の身に何かあれば、いくら悔やんでも間に合わないのだから。』

855 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 22:57:33 ID:hNLskE2c0
 俺の前、2m程先。姿を現しつつある悪霊と俺の丁度真ん中に女性が立っていた。
水色のパーカー、紺のジーンズ。見覚えのある後ろ姿。
そう、あの御方だ。 降りしきる雪のような、無数の白い光。 その中に佇む美しい御姿。
両膝をついたまま、深く頭を下げた。

 「愚かな...折角の信心が心の闇を増幅し、
終にはこんなモノまで呼び出す『通い路』を作ってしまうとは。」

 突然現れた御姿。その御方が人間でないことは直感で理解できた筈。

856 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:00:12 ID:hNLskE2c0
 「これが、あなたの言う異教の悪魔、なのか。」
その御方は振り返り、その老人に視線を移した。微かな笑み。
「私を、悪魔と...発した言葉は、どれ程後悔しても取り消すことは出来ないのに。」
その御方はパーカーのフードを脱ぎ、軽く束ねた長い髪を背中に垂らした。
その御方の全身を仄白い光がゆらゆらと包む。 そして何よりその両肩から天井へ。
「燃える、身体...光り輝く、6枚の翼。まさか、Seraph」
「お前達がそう呼ぶ者は私と同種の存在。」 小さな笑い声。
「つまり私が悪魔なら、お前は悪魔崇拝者と言う訳だ。」
古来から、仏像の光背や宗教画の光り輝く翼として表現されてきた『後光』。
両肩から3方向に枝分かれしたそれは、確かに6枚の翼のようにも見えた。

857 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:02:28 ID:hNLskE2c0
 『主は聖なる傷跡を示して言われた。
「おまえは見たから信じるのか。見ないのに信じる者たち、彼らは幸いである。」
その職にあるなら、当然諳んじているのだろう?』
「ヨハネによる福音書、第20章29節。何故、その御言葉を...悪魔では、ないのか?」
『不思議だが、異教徒は力を持つ者ほど、信じる根拠を、理由を欲しがると聞く。
この国に生きる人間は、己が生きていることだけで、私たちの力を信じてきたのに。』
そうだ、俺がSさんや姫を信じるのに根拠など要らない。もちろん当主様も、桃花の方様も。
会えたから信じたのではない。きっと、信じていたから会えた。
Sさんと姫に出会う前、俺は自分が生きている意味を理解出来なかった。
世界はまるでTV画面の向こうに広がっているように空虚で、
過ぎていく時と次々に起こる出来事は、いつもどこか他人事だった
でも俺はじっとTVの画面を見つめ続けた。そうしていれば、何時か、
こんな俺にも生きている理由があると、その理由が分かると信じていたから。

858 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:04:35 ID:hNLskE2c0
 「いや、悪魔は天使にすら擬態する。悪魔の王は堕天した天使の長だった。
それにこの国の神話においても、神と人の契約はありふれたものではないか。
信じるのに理由が必要なのはこの国の人間も同じ。」
『その通りだ。自分で言っていて気付かないのか?
お前にはお前の神との契約、異教徒には異教の神との契約があるのなら、
「唯一絶対の神」とは何だ?』
「それは...」
『唯一絶対であるが故に、異教徒の、当然同胞の偶像崇拝を認めない。
しかしお前の傍らにあるその書物は、お前の首にかかるその印は、お前の崇拝の対象。
しかし、それは神の姿そのものではない。つまり、偶像。』
「違う!偶像とは、例えば木像に金箔を貼った」

 ごう、と風の鳴る音を聞いた。続いて部屋のあちこちで倒れたり落ちたりするものの音を。
寒い。昔風の暖炉に似せたストーブはそのままなのに、部屋の中に満たす冷ややかな空気。
「お義父様!」 ドアの向こう、気配が駆け寄るより早く、ドアの鍵が掛かった。

859 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:06:40 ID:hNLskE2c0
 『古来、この国に生きる人々は世界のありとあらゆるものの中に高次の力を感知して
畏怖の対象とした。希な豊作や豊漁だけで無く、多くの犠牲を伴う天災にも。
時には人知れず咲く花や路傍の小さな石ころの中にさえ。
もちろん人々が関知した高次の力を擬人化した像も数知れず造られた。
しかし、森羅万象の『全て』が畏怖と崇拝の対象になるのなら、偶像など存在し得ない。』
その御方は、一瞬俺に視線を投げた。
『高次の力と人々の間を取り持つ者たちも存在するが、
それらの役割はあくまで道標。力を持たない者たちを光に導くだけ。
もし、自分の力を崇拝の対象にしようと望めば、それらも早晩自壊する。』

 突然、部屋に舞い続ける白銀の光が数と輝きを増した。その御方の、微笑。
『無駄だ。既に退路は断った。この部屋からは出られない。』
そう言えば、今にも圧倒的な質量を伴って物質化するかに思われた悪霊は。
『この傷跡を刻んだ鏃、それを作ったモノたちを唆した首謀者。』
その御方の姿はゆらりと薄れ、人の形を失いつつあった。
『千載一遇、術者の適性が現出した奇跡。長居し過ぎたようだし、そろそろ』

860 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:09:41 ID:hNLskE2c0
 「私は、間違っていたのだろうか。」 その老人は体を起こし、ベッドに腰掛けていた。
瞳という名の女性は、老人の傍らに跪いてその両手を握っている。
深呼吸、最後まで、俺に出来る限りのことをする。それが受けた依頼の『契約』。
「私は、間違った『信仰』があるとは思いません。
とんでもない教義を掲げる邪教でもなければ、
どんな宗教にも、人々の魂を導く役割がある筈です。」
「しかし、先ほどの、あの御方は私を『愚か』だと。」
「愚直という言葉があるように、愚かさそれ自体は間違いではありません。
『見ないのに信じる幸いな者たち』も、見方によっては愚かでしょう。しかし間違いではない。
信仰が間違いを生むとすれば、自分の信仰を唯一の正義とし、
異教徒を排斥しようとする衝動に囚われた時です。例えば、魔女狩りのように。」

861 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:12:24 ID:hNLskE2c0
 「『違和感』。Rさん、あなたは先刻そう言いましたね?」 「はい、確かに。」
「正直に告白すれば、『違和感』、その通りです。
世界に不幸をもたらす争いの根底に宗教対立があると、それを思い知る度に疑念が生じた。
私が信じているのは、本当に唯一無二の絶対神なのか。
異教徒は本当に、邪神に惑わされた罪人なのか。
でも私が関わってきた異教徒の子供たちの眼は...」
その老人の心が大きく揺れ動いている。それこそ自我の維持すら危うくなるほどに。
今なら、持続性の後催眠暗示も簡単。だが、それは決して『救い』ではない。
俺に出来ることは全てやった。願いは叶えられ、あの御方の助力を得る事も出来た。
しかし、この老人が自ら乗り越えなければ、また同じ事が繰り返される。
暗示がもたらす偽の幸福の彼方にあるものは、きっと魂の破滅。

862 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:24:09 ID:hNLskE2c0
 「依頼された仕事、私に出来る事は全てやりました。
これからは貴方自身の問題です。幸い、貴方の傍には義娘さんがおられる。
沢山、話をして下さい。きっと得られるものがあるでしょう。
ゆっくりと時間をかけて、より良い答えを見つけられるように、祈っています。」

 面倒でややこしくて、時間がかかり、どちらかというと救いの無い仕事。
しかし、その場で答えの出る仕事ばかりではない。それは重々承知している。
屋敷の門を出た。寒い。時計を見る。 予想はしていたが、どうやら遅刻だ。
今夜は『聖夜』。○△ホテルでチーム榊の忘年会、今頃、姫とSさんは翠と藍を連れて、もう。
きっと幹線道路は渋滞している。どうせ遅刻なら、バスやタクシーより、近道を歩こう。
そして○△ホテルについたら屈託無く笑えるように、心の整理をしよう。
肩に白いものが舞い降りて、消えた。 積もる事は無いだろうが、きっと聖夜にふさわしい。
賑やかな雑踏を抜け、川沿いの裏道に向かう。
吐く息が白い。頬を刺すような冷たい風が、不思議に気持ち良かった。


『異教徒』 完

863 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/06(水) 23:31:28 ID:hNLskE2c0
皆様今晩は。再び藍です。

日付の変わらぬ内に『異教徒』の投稿を終える事が出来ました。
お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。

それぞれが信じる宗教を互いに尊重し、生きる事が出来たら良いですね。
この作品は公開されないと思っていたので少々複雑な気持ちです。
では、また。 きっと何時か此所で。 ご機嫌良う。

864名無しさん:2016/01/07(木) 04:42:27 ID:pPryZLNMO
藍さん、PCが壊れたり大変だったのに投稿ありがとうございます。とても面白かったです。
道具や手法に善悪はなく、それらを使う人の心が善悪の色付けをするんでしょうね。

865名無しさん:2016/01/07(木) 08:12:22 ID:0WnhUte.0
藍さんお疲れ様でした。
いつもありがとうございます。

今回の作品、なんだか難しかった…
もう一度時間をおいて熟読します。

866 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/07(木) 20:57:36 ID:LQnv805k0
皆様今晩は。藍です。
微妙な題材なのに早速のコメントを頂き感謝致します。

>>864
〜それらを使う人の心が善悪の色付けをする〜
『曲解』を恐れずに投稿して、本当に良かったと思いました。
まさにそのお言葉は、知人の思いに添うものだと存じます。
有り難う御座いました。

>>865
折角お読み頂いたのに申し訳有りません。
宗教対立という微妙な題材のため、
投稿前に行った書き換え等の作業が作品を読み難くしてしまったのでしょう。
事情をお察し頂き、再度お読み頂ければ嬉しいのですが、
どうぞ無理はなさらないように。有り難う御座いました。

867名無しさん:2016/01/07(木) 22:18:05 ID:2c7pTgEA0
 並大抵ではない,非常に深いお話だと思います。
 それだけに,「曲解」や反発という形で,人の心の闇があらわれることもあるでしょうね。それを恐れずに投稿していただき,本当にありがとうございました。
 自分がなぜこの藍物語に惹かれるのかがわかりました。読み続けてきて本当によかったと思います。

868名無しさん:2016/01/07(木) 22:59:15 ID:2H/pir4I0
人は一度高まると、ぶれてはいけない存在になるという事か・・
日本の神様や精霊にも反転があるという事は興味深かった・・
求る先は同じとて、また分たれたのも一つの試練。
全ての物に感謝するって深くて難しいものだな。

869名無しさん:2016/01/08(金) 06:07:40 ID:EaQ4h7N6O
神話は遡れば繋がる気がするので自分では分けて考えてないです。
日本の昔話の「隣のいじわるな老夫婦」は隣国を暗示しているのではないかと仮定したスケールで見ると、桃太郎の鬼が荒らす都は米大陸で、鬼ヶ島は…。とか妄想。
観測者の文化圏で見え方や受け取り方が変わり、同じものを見ているのに「表現」が違うということで摩擦が起きてるんじゃないかという気がずっとしてます。
負も極まれば正となるはずなので、どちらでも良い気がしていたけれど、どちらでも良いにしては地球のダメージが酷すぎて、どちらでも良いわけではなかったのか?と悶々してます。
感想から脱線してごめんなさい!

871 ◆iF1EyBLnoU:2016/01/10(日) 08:39:14 ID:p5..m6qM0
皆様お早う御座います。藍です。
引き続き『異教徒』へのコメントを頂き感謝いたします。

>>867
『自分がなぜこの藍物語に惹かれるのかがわかりました。』
投稿する立場からすれば、最高の賛辞を頂いたと感じます。
知人にも伝え、次作の準備を進めます。有り難う御座いました。

>>868
本当に深いコメント、私がどれだけ理解できているか分かりませんが、
この国の神様や精霊には常に『両面』があり、それ故、人に近しいのだと思います。
不謹慎の誹りを覚悟の上で言えば『不完全』なのかも知れません。

>>869
この地上に最初の人が生まれたとき、『国』は有りませんでした。
ですから『神話は遡れば繋がる』という感覚は、まさにその通りだと思います。
では一体何が、文化や宗教、見え方や受け取り方の違いを生んだのでしょう?
嬉しい『感想』、有り難う御座いました。

872名無しさん:2016/01/10(日) 11:51:47 ID:qZQ.4lA6O
869です
日本みたいな狭い国土でも方言がたくさんあるように、「場」が人に影響を与え、その「場」から特有の文化が形成されるように思っていましたが、
藍さんから頂いたコメントを読ませて頂き、「文化の違い」は「場の違い」だけではないのかな?と視野が広がりました。
ありがとうございます。
次作も楽しみにしています(^o^)/

873:2016/01/10(日) 14:16:01 ID:CdyoHDR.0
実話です
夜寝ようとして廊下を歩いていたら
ガラス越しに黒髪に白いワンピースの女性が
普通だったら恐怖ではありませんがその窓の下は
ごつごつした石が並んでいて
その女は頭を全く動かさずに歩いて行ったんです無い足で
その場所は雑木林があって昔たくさんの人が首を吊ったとか吊ってないとか

874名無しさん:2016/01/10(日) 23:45:30 ID:KDuQVKyY0
寄生する妖の目的は何だろう?
力をためた後はその体から出て行き次の段階に進むのか?
いわゆる成りすましとは違う感じがするな

875名無しさん:2016/01/30(土) 23:05:55 ID:OHyr6PIYO
д`)チラッ

876名無しさん:2016/02/02(火) 10:50:23 ID:oxmL/bfEO
エミシはシュメール語のエンシ(王)で陰陽師はその血筋
ずっと求めてきた答えは合ってますか…卒業したいです

877名無しさん:2016/02/03(水) 23:45:59 ID:tZxAa8M60
忌部も高加茂(神門)・下加茂(磯城)も元を正せば出雲に当たる。その考え方によると、阿部(大彦)は東北〜青森にも存在する。


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