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藍物語(投稿・感想・雑談専用=隔離)スレ

400『礎(下)』 ◆iF1EyBLnoU:2014/08/18(月) 07:09:29 ID:EEO410Fs0
 24年に一度?12年に一度じゃなく?
それに『大事な役』って? 昨夜、俺は見学してただけだぞ。
質問を口に出す前に、店主は一礼して歩き出した。きっと一刻も早く水割りを。
振り返る。水汲みの順番を待つ人々の列、皆の明るい笑顔。
あれだけの人が出入りしたのでは、この泉にはもう何の痕跡も。
まあ、仕方ない。俺の個人的な興味より、集落の人々の信仰が優先するのは当然だ。
泉から帰る途中で姫と翠に会った。走り寄ってきた翠を抱き上げる。
「お父さん、どこに行ってたの?」 「昨夜の泉。一緒に帰ろう。」 「うん!」
3人でノロクモイの家に戻ると瑞紀ちゃんも起きていて、皆で朝御飯を食べた。
食後。たか子さんが淹れてくれたお茶を飲むと、二日酔いがすうっと消えて楽になった。
「このお茶を飲んだら二日酔いが消えたんですけど、もしかして。」
「昨夜、あの泉で汲んだ水で淹れました。祭事の直後は力が強過ぎて
体に合わない人もいますから、一晩おいた後で使う方が良いんです。」
たか子さんは廊下の奥へ歩いて行く。きっとノロクモイには先にその水で淹れたお茶を。
「その水で作ったジュースを藍に飲ませたの。きっと御利益があるわね。」
Sさんは藍に頬ずりをした。翠も姫も、もちろんSさんと瑞紀ちゃんも美味しそうにお茶を飲む。
「Sさん、さっき泉に行ったら□◆商店のおじさんがいて、
今年は24年に一度の機会って言ってたんですけど、12年に一度じゃないんですか?」
「私じゃなくて、その祭事を執り行った本人に直接聞いたら良いじゃない。ね、瑞紀ちゃん?」
はにかんだような笑顔。 そう言えば今朝の瑞紀ちゃんは口数が少ない。


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