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藍物語(投稿・感想・雑談専用=隔離)スレ

1枯れ木も山の賑わい:2014/03/26(水) 23:49:11 ID:sdeCrXLs0
藍 ◆iF1EyBLnoU の 投稿と
投稿に対する感想・雑談の為に立てた専用スレです。
レスの都合上コテハン推奨ですが、匿名の書き込みも勿論OK。
非難の書き込みは「作品に関する話題・雑談」スレで存分に。
こちらへ書き込まれた場合は(可能ならば)削除します。

1168 ◆iF1EyBLnoU:2016/09/30(金) 21:45:22 ID:UfcnNssk0
皆様今晩は。再び、藍です。

色々ありまして、やらかして、少々鬱です。
しかし、何とか『霧』の投稿を終える事ができました。
怒られるのに備えて、元気を出すために、寝ます。
頂いたコメントへの返信はまた今度。
それではお付き合い頂いた方々に心からの感謝を、
本当に有り難う御座いました。

1169名無しさん:2016/09/30(金) 21:48:13 ID:Pz2aOi2sO
藍さん続きをありがとうございました。リアルタイムで読めて光栄です。
ハッピーエンドで嬉しいです。藍さん正直過ぎて萌えます。お疲れ様でした。おやすみなさい。

1170名無しさん:2016/09/30(金) 23:58:31 ID:YtghXU8Q0
何だろう、霧の出だしって3人というか・・なんだか幻惑されるような出だしで何故か読み返してしまう。
何だろ、この違和感。

1171名無しさん:2016/10/24(月) 18:49:04 ID:pzT1zOIwO
謎の部分も霧の中。

1172 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 20:39:03 ID:RAx5GQ6s0
>>1100
『奇跡を起こすのは自分』、本当に、有り難いご指摘です。

1173 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 20:40:53 ID:RAx5GQ6s0
>>1101
>>1102
お待ち頂き感謝致します。有り難う御座いました。

1174 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 20:50:05 ID:RAx5GQ6s0
>>1103
お待ち頂き、有り難う御座いました。

>>1104
管理者様方の御努力により、既に復旧したようですね。

>>1105
稲に関するお祭りは、とても大切です。有り難う御座いました。

>>1106
お待たせしました。コメント、感謝致します。

>>1107
お待ち頂き、本当に有り難う御座いました。

1175 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 20:56:47 ID:RAx5GQ6s0
>>1109
お待たせして申し訳有りません。有り難う御座いました。

>>1100
色々やらかしましたが、続編を投稿できたのは皆様のお陰です。

1176 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 21:08:02 ID:RAx5GQ6s0
>>1111
全く同感です。有り難う御座いました。

>>1113
>>1114
>>1116
>>1117
>>1118
新作をお待ち頂き、感謝致します。有り難う御座いました。

1177 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 21:13:51 ID:RAx5GQ6s0
>>1133
似た体験、興味深いですね。有り難う存じます。

>>1134
ご期待頂き感謝致します。

>>1147
このお屋敷の凄さについては、私もチェックしてます。
有り難う御座いました。

>>1148
本当に深いコメント、感謝致します。

>>1149
ご明察、すばらしいです。

1178 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 21:26:12 ID:RAx5GQ6s0
>>1169
リアルタイムでお読み下さったのですね。
投稿の励みになります。有り難う存じます。

>>1170
むしろ私は4人か5人と感じました。
敢えて名前が省略されているのも面白いと。

>>1171
『霧の中』
クリスティ、それとも芥川を踏まえたコメントでしょうか。
もしかしたらさださんかも。本当に、有り難う存じます。

1179 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/25(火) 21:31:07 ID:RAx5GQ6s0
皆様今晩は、藍です。

昨日仕事から戻り、弟の指示も仰いでできる限りの返信を致しました。
もし返信漏れがありましたらご容赦下さい。

明後日からまた仕事に出ますが、
何時か次作を投稿出来る事を祈って頑張ります。
『霧』をお読み頂き、本当に有り難う御座いました。

1180名無しさん:2016/10/25(火) 22:39:25 ID:n.yNXTW20
やっぱり知人氏って術者なのかな。文章に何かが籠る様な気がする。
そしてそれはフェイクを入れたくらいじゃ収まらない。

原本って漢字沢山の墨書きみたいなやつなのかなぁ

1181名無しさん:2016/10/26(水) 22:25:47 ID:aOb4ZQc2O
藍さん、お忙しい中ひとつ一つご丁寧な返信をありがとうございます。
恐れ入ります、神話系に詳しかったら教えて頂きたいのですが、天香香背男命と天香具山命は同じ存在でしょうか。親子?昨年から倭文神社に近い所が揺れてて気になってます。
返信NGでしたら華麗にスルーでお願いします。
起きたのかなと思いました。
千人引きの岩繋がりのあるイザナキ命と天手力男命とタケミナカタ命の関係も気になっていて、話の共通性からタケミナカタ命と天香香背男命は同じ存在か三つ子とかかなと妄想してます。
オリオン座流星群の時期に揺れたのも因縁深いように思って。
ただの好奇心です。スレチすみません。

1182名無しさん:2016/10/27(木) 01:18:51 ID:nvrI/R2g0
御一族の神名帳の事がばれると忌部(出雲)系、海部(尾張)系、物部系、もしくは出羽系なのかがバレちゃうんじゃないかと

1183 ◆iF1EyBLnoU:2016/10/27(木) 04:08:21 ID:krcMdxl60
>>1180
確かに、漢字は沢山です。が、『鉛筆書き』です。

>>1181
神性は無限、ヒトの表現力は有限。故に、どうしても
複数の神様を賛美するのに、似た(同一の)エピソードを使う例は数知れず。
それをもって同一か否かを判断する事は適当ではないと存じます。
ただ、知人に問い合わせたところ、
「とても興味深い考察が含まれるコメント」とのことでした。
有り難う御座います。

>>1182
深いお心遣い、感謝致します。

さて、これから仕事に出ます。何時戻れるかは明言できませんが、
何時の日か皆様に再会出来る事を祈念して、御機嫌よう。

11841181:2016/10/27(木) 06:00:52 ID:ugTMYNmgO
藍さん、スレチなのにお答え頂きありがとうございました。
深夜とも早朝ともいえる時間にお手数おかけしました。
似たエピソードだからといって単純に同じ神様とは言えないんですね、複雑です。
教えて下さってありがとうございました。
お仕事お気をつけてください。行ってらっしゃいませ/~~

11851181:2016/10/27(木) 06:06:38 ID:ugTMYNmgO
1182さん、ご忠告ありがとうございます。軽率でしたm(_ _)m

1186名無しさん:2016/10/28(金) 01:42:38 ID:vlx/ORVY0
>>1185

知人さんや藍さんがこぼす「ついうっかり★」をみんなで注意深く見守りましょう。
忘れたころに突っ込むときっと良い汗をかいてくださいます。

1187名無しさん:2016/10/28(金) 02:07:08 ID:vlx/ORVY0
>>1186
一般的なお話をしませう。

海部氏(海=天)は国宝の家系図があります。ここにちょっと出雲補正をかけます。

徐福(徐猛)=素戔嗚=五十猛のお父さん、五十猛が改名して天之香久山。そしてその子供が天之村雲
村雲は剣の神格化したものではなく神武
出雲の姫様をめとった神武氏は、天之「御影さん」を生みます。

あくまで一般的な話で偶然と思われますが。

1188枯れ木:2016/10/28(金) 19:09:03 ID:8P3fWbAQ0
>>1187
 そうですね。あくまで一般的なお話を。

 天之御影命 は 鋼の武具を鍛える鍛冶の神とされています。
一方、作中の『御影さん』は一族を代表する『武門』の出。

 共通する点がありますし、すると、Sさんの『S』にあたる字の察しも。
ただどちらも性別の問題があるのですが、この一族には
『赤の宝玉』とそれに類する神器があります。実に、興味深いですねぇ。

1189名無しさん:2016/10/31(月) 00:32:30 ID:bYnJKN8.0
シャーペンじゃなくて鉛筆かぁ。

じわじわ来るな。何故か。

1190名無しさん:2016/10/31(月) 12:50:14 ID:4E7NateU0
賀茂の一族。三輪氏族に属する地祇系氏族。陰陽寮を掌握した賀茂忠行一門は弟子筋の安倍氏と陰陽道を独占した。
しかし、陰陽道宗家を安倍氏に奪われた。明治維新後は政府から冷遇されている。

1191名無しさん:2016/10/31(月) 23:43:04 ID:bYnJKN8.0
陰陽頭は物部氏もなったことがありますよ
それどころか昔は同族こそが最強の敵になり得たので大事な事は一部の人間が継承する事が多く
下手すれば誰が一番力を持った人間かを解らなくしてたくらいです

安倍家は父系で言えば天孫。母系で言えば出雲。葛城王朝は圧倒的に出雲の血が濃くなった王朝
その関係で8代目の事代主を祀る一族になった。その後も言い出したらきりがないほどに血が混じっています。
母系の実家がカモ家(神門家と磯城トビ家)

1192名無しさん:2016/11/01(火) 14:03:05 ID:03srRn/o0
だから、宇摩志麻遅命に陥れられた。

1193名無しさん:2016/11/01(火) 17:09:51 ID:/vay6VTw0
佐伯氏

1194名無し:2016/11/01(火) 19:43:10 ID:NKY.ToVE0
S=忍 かな?

だとすると L は。 もう少し調べて、それから。

1195名無しさん:2016/11/01(火) 22:45:12 ID:hM3xBdAYO
言霊使いの語る物語が言霊でないはずがあろうか。
私たちも既に術にかかってる。いくら跡をたどってもきっと霧の中,です。

1196名無しさん:2016/11/02(水) 01:44:32 ID:EZfZjx6U0
佐伯部だったら舞台を茨城に持ってこれるな
国譲りの最後の土地、千葉も近いし狼の埼玉もそばなのだが、それだと土御門であまりにもベタ過ぎるし、開祖さんは1,000年前だからもっと新しい歴史になるだろう
物部だったら宝は10になるから枯れ木氏のフェイクは面白い

神社に行く時に「Rさん男前」「Sさん美人」って頭の中で念じながら回る方が早いな。ついうっかり誰か振り返るだろうから。

1197枯れ木:2016/11/09(水) 19:24:47 ID:qBOWA0KA0
 皆様今晩は。枯れ木、です。

 このような例はこれまで記憶に無いのですが、
本日姉から新作の連絡がありました。題は『舞姫』。
『仕事から帰り次第、投稿の準備をする。』と伝えて下さいとのこと。

 その身体能力の描写と、それから想像し得る舞の才能から考えれば、
それは、Lさんに関連するお話なのでしょうか。
どうか、共に新作をお待ち頂ければ。

 これまで頂いたコメントへの返信は委任されていないので、
そちらは姉の帰還をお待ち下さい。

1198名無しさん:2016/11/09(水) 22:00:59 ID:wUmUTNaUO
枯れ木さん,朗報をありがとうございます。姉様の御戻りを心待ちに致しております。

1199名無しさん:2016/11/10(木) 06:34:40 ID:hjq7a0EkO
楽しみです。お知らせありがとうございます(^o^)/

1200名無しさん:2016/11/10(木) 18:01:28 ID:JimeDo5Q0
党首様のお話はまた今度なのですね。
補正が厳しくて企画流れになったのかなぁ。

1201 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/15(火) 21:19:33 ID:GWbV0acg0
 皆様、今晩は。 藍です。

 本日仕事から戻りました。
約束通り、早速、『舞姫』の投稿準備を始めます。
楽しみにして下さる方がもし1人でもおられるなら、それが知人の意志。
どうかもう暫く、お待ち下さい。 約束は必ず、守るために。

1202名無しさん:2016/11/15(火) 22:04:04 ID:e46/HYzsO
おかえりなさい.+゚
ありがとうございます。楽しみにお待ちしてます(^o^)/
でも無理はなさらず休暇をおとり下さい。

1203名無しさん:2016/11/15(火) 23:30:25 ID:buoV37Vg0
帰宅後にテンションMAX

1204名無しさん:2016/11/16(水) 12:27:03 ID:li0KiR7QO
期待してます!

1205名無しさん:2016/11/19(土) 00:29:52 ID:3yqXhACs0
そういや、忌部氏って斎部とも書くんだったな。古語拾遺のこと調べてたら
ここでもSにたどり着いた。
なんだか解らん。

1206 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 20:27:21 ID:y7CKWZdQ0
テスト中です。

1207 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 20:28:05 ID:y7CKWZdQ0
テスト中です。

1208 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 20:46:40 ID:y7CKWZdQ0
少々、困った事態です。

書き込みをしても「最新50」では反映されません。弟によると、アドレスを
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/9405/1395845351/l50
の最後を、「l25」や「l100」に変えると反映されるようですが、
それでは書き込みに気が付く方がおられるかどうか。
暫く、様子を見ます。

同様な事態が起こっているという方がおられましたらお知らせ下さい。

1209 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:21:11 ID:y7CKWZdQ0
「ブラウザの問題らしい」と言われましたが、何の事やら。
新しいブラウザを入れてもらったのでもう一度テストします。
これでいけるかどうか。では。

1210 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:25:37 ID:y7CKWZdQ0
取り敢えず、問題は解決したようです。
ブラウザを『蒼月』から『火狐』に変えたと聞きました。

それはそれで別の不具合が起きないかが心配ですが、投稿優先。
それでは以下『舞姫』を投稿致します。お楽しみ頂ければ良いのですが。

1211『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:38:21 ID:y7CKWZdQ0
『舞姫』

 それは、一族の『開祖』が生を受けた地。
険しい山々に囲まれた、とても広大とは言えぬ山間の平地。
しかし周りの山々から流れ込む数多の細い河川、その水は清冽で豊富。
美しい稲穂の海は、毎年のように、一族を支える恵みをもたらしていた。
しかし。 ある年の夏の終わり、不意に現れた妖が何もかもを変えた。
その妖は巨大な蛇の姿をしており、細い河川に入り込んではその流路を変えた。
里に流れ込む河川のあるものは干上がり、あるものは氾濫を繰り返す。
当然、その年の稲はかつてない凶作。当主を含め、一族の者は皆将来を憂えた。
そんな、初冬のある日。

1212『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:40:07 ID:y7CKWZdQ0
 一族の少年が一人、剣の修行を終えて家路を急いでいた。
その途中、畦道で泣いている少女に出逢う。 一族の、里の子なら見覚えがある筈。
しかしその少女に見覚えは無く、何より、その身に纏う衣の美しさは。
純白の絹地。同じく純白の絹糸と、金糸銀糸の刺繍。
到底常人とは思われない。少年は思わず声を掛けた。
すると少女は驚くべき事情を語る。
『吾はこの地の草木を司る神である。しかし侵入してきた妖に力を封じられ、
このような姿に成り果てた。このままではこの地を去るより他無い。』と。

1213『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:43:42 ID:y7CKWZdQ0
 少年は、その妖を退けるために何か、自分に出来る事はないかと申し出る。
すると少女は少年に、更に酷な事情を告げた。
『生まれ育ったこの地を去らねばならぬのなら、生きていても仕方が無い。
吾を生け贄として里の外れの大木に縛り、現れる妖を斬ってくれ。』
少年は少女を連れ帰り、里の長に事情を説明した。
少女は大木に繋がる道の全てに酒樽を置いてくれるように頼む。
『したたかに酔わせるのでもなければ、とても人の身に斬れる妖ではない。』
それを聞いた里の長は、少女の言葉を信じて提案をした。
『陰神様の顕現たる少女の衣を少年に着せ、少年を少女の身代わりにする。
一族に伝わる『赤の宝玉』は少年の性別を覆い隠して敵を欺く。
それなら、もし少年が為損じても、陰神様を護り捲土重来を期す事が出来るから。』と。

1214『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:47:41 ID:y7CKWZdQ0
 少女と少年はその提案に同意し、女装した少年は首尾良く妖を討ち果たした。
翌朝、少女は少年に一振りの剣を授けて里を去る。
その剣は一族の神器として現在まで祀られることになるのだが、
伝承は、少年と少女の再会にも言及している。
翌年、里は以前通りの豊作に恵まれた。
豊年祭りに向け、里の長は、神事に用いる米の警護を件の少年に命じた。
祭りの前夜、夜警を勤める少年の前に現れた、怪しい人影。
少年はその人影を追い、問い詰める。
斬りかかった少年の剣を悠々と躱し、人影は少女の姿に変じた。
少女は少年の剣技と里の人々の勤勉実直を言祝ぎ、永年の豊作を約束する。
その後少女は少年と共に暮らし、数年の後二人は夫婦となった。
二人の間に生まれた3人の子は、一族の新たな時代を拓く。
第一子は女子で術を、第二子も女子で剣技を。どちらも長じて後は『当代随一』と称された。
しかし、第三子についての記述は唯一『尊き御方』と。それだけ。
未だ、その性別も適性も不明。

1215『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:51:21 ID:y7CKWZdQ0
 高まる篳篥と鼓の音が、この神事のクライマックスを告げる。
いよいよ、私とLの出番。稽古とはいえ、気合いが入る。

 いつもと少し違う感覚。共に舞うLの表情をそっと伺う。
『特に剣舞では、決して対手を疑ってはいけないよ。
もしどちらかが躊躇えば、それは思わぬ事態を招くから。』
ふと、兄様の言葉を思い出す。そうだ、今この時、一瞬に集中する。
左からの袈裟懸け、一歩踏み込んで右からの袈裟懸け。
穏やかな笑みを浮かべたLは、ゆらりと身体を翻して鮮やかに剣を躱した。
一瞬の、違和感。これは? でも、ここで止めたら、きっと。 だから。
更に大きく一歩飛び込んで右膝を付き、左下から右手で切り上げる。 『烈風』の型。

 ふわ、と。 Lの身体が浮いた。 剣筋の遙か上を越え、米俵に。
剣を置き、膝を付く。 澄んだ声はLの名告り。続く謡いの声が、舞と神事を閉じる。

1216『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:53:43 ID:y7CKWZdQ0
 それは、一族に伝わる舞の中で最も古いものの1つだと聞かされていた。
その剣の腕前故に、収穫した米を守るため夜警を任された少年と、
勤勉実直な里人達を祝福するために顕現した稲の神様の物語。
少年は米倉に現れた人影を米盗人だと誤解し、斬りかかる。
しかし稲の神様は軽々と少年の剣を躱し、自分が稲の神だと名告る。
この舞の、最大の見せ場。 少年は斬りかかった相手が神だと悟り、剣を置く。
神様は少年の無礼を許し、その腕前と心がけを言祝いで、里の未来を祝福する。
そして大団円。 以来、一族は食料に窮する事は無くなったという。
遥か古からの伝承に題を取った、舞。

 「紫、今までで最高の出来だった。これなら本番が楽しみね。」

1217『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:55:21 ID:y7CKWZdQ0
 Sさんに褒められるのは素直に嬉しい。
私より、いいえ、私と共に稽古をしているLよりも、更に年若くして
『一族の歴史上、類い希な舞姫』と称された人。そう聞いていた。
Sさんは私の頭を撫でたあと、心配そうにLの肩を抱いた。
「Lも良かった。でも、正直少し心配だな。最後、何か考えてたの?」
「あ、あの。いいえ、何も。紫さんの、剣筋が本当に綺麗だと思っただけで。」
「そう...本番で使うのは真剣。一族に伝わる神器の1つ、もしも。」
Sさんの目尻に光るものが見えた。
黒い呪いを仕込まれたLの身体を神器が傷つけたなら、恐らくそれは。
でも、LがSさんに隠し事なんて。今まで唯の一度も。

1218『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:57:04 ID:y7CKWZdQ0
 「不思議、ね。LがSさんに隠し事なんて。一体何を?」
「そうなんです。本当に、不思議ですよね。」 「え?」
「だって、稲の神様が。どうして米俵の上に。」 「何の、話?」
「稲の神様なら、お米の神様です。それなのに米俵を踏みつけるなんて。」
「...それは。」 Lの横顔を見詰めていると、何故か心がざわめく。。
「L、支度できた?帰るわよ。」 Sさんだ。 「はい。ただいま。すぐに。」
Lは荷物を詰めた鞄を持って立ち上がった。 ああ、私も着替えたのだし、もう。
「紫、駐車場の車で炎が待ってた。早く、行って上げて。」 Sさんのイタズラっぽい笑顔。
「え? はい、有り難う御座います。」
どうして、兄様が。小走りで駐車場を目指した。見慣れた、黒い車。本当に。

1219『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 21:59:00 ID:y7CKWZdQ0
 「見事な舞だった。心から、誇らしい。」
夢中で気が付かなかったけれど、稽古を見ていて下さったのだ。
どうしようもなく、胸が高鳴る。
運転席の、端正な横顔。恋焦がれても恋焦がれても、届かない。近くて、遠い人。
「有り難う御座います。本番でもLが、でも。」 「でも、何だ?」
そうだ、兄様なら、Lの言っていた事の意味が分かるかも。
「舞の筋書きが少しおかしいと。稽古の後で、Lが。」
「あの娘が...それは、どんな?」
「舞の最後です。稲の神様が剣を躱した後、米俵に立つのはおかしい。
稲の神様が、米俵を踏みつける筈はないからって。」
「そうか、面白い事を。まさか本当に『現人神』の...」
多分、数十秒の沈黙。兄様の端正な横顔の向こうを、華やかな夜景が流れていく。
「紫。」 「はい。」
「舞にしろ術にしろ、我等はまず『型』を習得しなければならない。それは何故だ?」
心臓の鼓動が...深呼吸。必ず、兄様の期待する答えを。
「偉大なる先達が積み重ねてきた成果を、成る可く短期間で自らのものにするために。」

1220『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:01:42 ID:y7CKWZdQ0
 「そう、だ。凡そ術者なら『型』を習得すれば、必要最小限の成果を得られる。
だからこそ『型』は、多くの術者が努力次第で習得出来るものとされている。
言い換えれば、そのレベルに難易度が調整された養成のプログラム。
極く限られた術者しか辿り着けないのでは、それは『型』になり得ない。」
「はい。だから『型』は出発点であって終着点ではないと、Sさんも。」
「そう。『奥義』を手にするなら、『型』を越え、その彼方に踏み込まなければならない。
そして稀に、『型』の習得で安堵せず、それを疑い、越えていく者が現れる。」
そうか、兄様やSさんはそうして『奥義』に。でも、Lならともかく。
「私には、とても。私の舞などLには到底。」
「あの娘が一族史上稀な天才なのは明らか。
しかし、如何な天才と言えど、あの舞を1人で舞う事は出来ない。
もしあの娘が『奥義』を現出するなら、その舞にお前の才が不可欠という事。」
「そんな。私は『出来損ない』で。今までずっと兄様達や姉様達に。」
「舞において、あの娘に比肩し得るのはお前だけだ。そして術においても。」
兄様は優しい笑顔を浮かべた。
「紫、恐らく、お前に取って、これは好機。この神事で、その才を皆に示せ。」
「私の、才?」

1221『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:05:21 ID:y7CKWZdQ0
 「術においても、俺を殺せる術者になり得るのは、恐らくお前だけ。」
心臓が、止まりそう。私が兄様を殺すなんて。どうして?
「あのSさんでさえ、兄様を殺す事は。なのに。」
「お前より先に造られた者がお前より長く生き、お前の先にいるのは当然。
だが、あの計画が進むにつれて蓄積された知見、その集大成としてお前は造られた。」
兄様はゆっくりと路肩に車を止めた。
「決して卑下するな。そして思い上がるな。お前の成長が遅いのは、
その才の大きさ故だ。成長を待たずに発現すれば、身体が耐えられない。
だからこれまで、時を待つ他無かった。だが、その時が近付いている。
遠からずお前は、あの計画の正当性と俺達の存在意義を証明するだろう。
お前こそ、真の『最高傑作』。俺達の希望。」 「まさか、そんな。」
「さて、そうなればこの度の神事、見逃す訳にはいかない。
『公務』の日程を考えて、どうするか迷っていたが。必ず見に行く。皆にも伝えて置こう。
今後もSの助言とあの娘の言動に心を配り、稽古に励め。」
「はい。」 兄様が見に来て下さる。それは本当に嬉しいけれど、
同時にそれはとんでもない重圧。膝の上で、手が震える。

1222『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:10:35 ID:y7CKWZdQ0
 翌朝、稽古場に着くと、ドアの向こうから囁くような声が聞こえた。
『話してやっても良いが、それを聞いたとて人には。神懸からねば...』
嗄れた、微かな声。 思わず、耳を澄ます。
「どれだけ考えても、辿り着く事は出来ないと?」 「人に、神の御技が予想出来ると思うか?」
「いいえ。」 稽古場に、Sさん以外の誰が? そっと、ドアを開く。
Lは床に胡座をかいていた。 稽古前の瞑想をしていたのか、穏やかな顔で振り返る。
??? L以外に人影はない。 でも、確かに声が。
「お早う御座います。」 「あ、お早う。1人、なの?」
「はい。少し考えたい事があったので、いつもより早くSさんに送ってもらいました。」
「...話し声が、聞こえた気がしたんだけど。」
「ええと、考え事に夢中で、無意識に台詞を口にしたかも知れません。」
いや、あれは男の人の。でもそれ以上どう聞けば良かったのだろう。
そしてLの笑顔を見る時。胸の奥、得体の知れない感覚。
少し、いや、とても怖い。でも、どうしようもなく惹きつけられる。

1223『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:12:28 ID:y7CKWZdQ0
 その日の稽古の後も、Sさんは褒めてくれた。
でも、少し不安。稽古の間、ずっと感じていた微かな視線。
シャワーの後、着替えているLに問いかける。
「L、今日、稽古の時に変な感じがしなかった?」 振り向いたLは首を傾げた。
「ずっと、誰かに見られてる感じがしましたね。多分、稽古を始める前から。」
やはり、Lも感じていたのだ。 「何、だと思う?」
「舞が随分と仕上がって来たので、見物の御方が増えているんでしょう。」
「『見物の御方』?それに、『増えた』って、最初から誰かが?」
「はい。きっと、悪い事ではないと思いますよ。」 Lは微笑んでいた。背筋が、冷える。
一体、この娘は何を見、何を感じているのだろう? 私と同じ稽古の間に。
稽古で『見物の御方』、それなら神事では一体何が。
心臓が、ドキドキする。本当に怖いけど、その日が待ち遠しい。

1224『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:16:34 ID:y7CKWZdQ0
 半月後、いよいよ神事の日。秋の豊年祭り。
一連の神事の最後を飾るのが、私とLの舞。着替えて、段取りと道具を確認する。
何より、今日使うのは真剣。事故があれば一大事。一つ一つ、丁寧に。
真剣を使う事以外、全ては今までの稽古通り。そう、思っていた。
「紫さん。」 「何?」 あの笑顔。 まただ、もしかしてLは。
「斬りかかる時、もう少しだけ踏み込めませんか?左右、半歩ずつでも。
その分、剣の振りも速くできますよね?」
...やはり、そうだ。Lは呼びかけている。 『一緒に行こう』と。でも、何処に?
「あれ以上剣を速く振ったら、躱すのが。今日は真剣なのに、大丈夫?」
「少年は、本気で米盗人を斬るつもりです。加減する筈がありません。」
「そう、だけど。左右半歩ずつなら、米俵まで丸々一歩近い所で『烈風』を。
剣筋を飛び越える時、米俵までの距離が近すぎて危ないと思うけど。」
「少年はそんな事に頓着しないんです。それに相手は神様。だから、大丈夫です。」

1225『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:18:25 ID:y7CKWZdQ0
 滞りなく神事は進み、私とLの出番も近い。
控えの間から客席が見える。ゆらゆらと客席を照らす篝火。 兄様と、Sさんの御顔も。
Lが大きく、深く息を吸った。ゆっくりと吐く。 「緊張、しますね。」
「そうね。頑張らないと。」 「はい、打ち合わせ通り。思い切り、私を斬って下さい。」
私が、Lに斬りかかる。いや夜警の少年が、神様に。 そう。手加減など無く、本気で。
ふと、夜警を命じられた少年の気持ちを思う。
夜警に任命された少年は、自分の使命を果たす事だけを考えていただろう。
米盗人を斬り捨て、村人の命を繋ぐ米を守り、
自分の取り柄である剣の腕前を証明するために。
私は今夜、自分の取り柄を証明し、兄様の期待に応えられるだろうか。
自分の、取り柄。 深呼吸。 じわり、と神器の剣が重くなる。
稽古で使っていた木剣には鉛が仕込まれていて、
重さやバランスは、神器の剣と、寸分の違いも無い筈なのに。

1226『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:20:19 ID:y7CKWZdQ0
 物心着いてから、自信を持てるものなど1つもなかった。
兄様達も姉様達も、本当に気を遣って、優しく接して下さったけれど。
その度に、自分が『出来損ない』なのだと意識させられる日々。
厳しい修行に耐える兄様、姉様。でも私にはそんな行が課された事さえない。
そんな中、初めて褒められたのが「舞」。やっと見つけた居場所、必死に稽古をした。
そして今年、Lの対手を任されて。嬉しかったけれど、本当に、驚いた。
Lは分家の『過激派』から救い出された不幸な娘。そう聞いていた。でも、違う。
その身体に仕込まれた黒い呪いと正面から向き合って一歩も退かず、
何よりその舞と謡の才。
正直これでは私のどんな努力も届かない、そう思った。
でも兄様は、『舞において、あの娘に比肩し得る者はお前だけ。』と。

1227『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:23:01 ID:y7CKWZdQ0
 背中の、温かな感触。Lの、右掌。 「さあ、出番です。」
頷いて深呼吸。 不思議な程スムーズに、最初の一歩を踏み出した。
舞台を歩き回り、独白が続く。 ここは場違いな程コミカルに。 客席から聞こえる笑い声。
墨染めの衣に身を包み、大役に気負う少年の心を、やがて。
静かに米俵の前で胡座をかいた。 舞台の照明が更に暗くなる。
風が、吹いた気がした。 いや、本当に蝋燭が揺れて。 客席がしん、と静まる。
何時の間にか、白い衣が目の前に。飛び起きて神器の剣を抜いた。
客席のどよめき。 そう、この剣は神器。 今夜だけ授けられた、私の誇り。
白い人影を追い、問い詰める。 始めは軽妙な台詞のやりとり。
人影は面白がるかのように曖昧に答え、舞台狭しと逃げ回る。
しかし、次第に高まる緊張。 遂に人影を追い詰めた。
背後は積み上げられた米俵、逃げ場はない。 ゆっくりと、剣の切っ先を正面に。
人影は、Lは、微笑んでいた。 その直後、胸の中で何かが弾けた。
ああ、自分の頬に笑顔が浮かんでいる。身体が、剣が軽い。まるで羽根のように。
怖い、怖くてたまらない。でも、今こそ踏み込もう、Lが待つ場所へ。

1228『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:24:47 ID:y7CKWZdQ0
 逃がさない、決して。 踏み込んで左からの袈裟懸け。そして。
一瞬の目眩。体勢を立て直し、薄闇に煌めく白刃を躱す。
右、そして左。 まるで風に舞う落ち葉のように身体が動く。
刃の向こうに少年の顔...いや、これは私の。何故?

 激しい気合いと共に右下段からの刃。 速い。 また、ひとりでに笑みが浮かぶ。
右足。力をこめると、まるで嘘のように身体が浮いた。

 左足を前、前後に揃えた両足。 足袋を通して伝わる、冷たい感触。
刃の向こう。 眼を大きく見開いた、自分の顔が見える。 どうして?

1229『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:29:54 ID:y7CKWZdQ0
 「吾はこの地の草木を司る○△◆の命。かつて、其方の剣技に救われた。」
Lの声が、空気を震わせる。 稲の神様がその正体を。
それは、この舞の最後を飾る、古から伝えられた謡。 でも今までこんな声は一度も。
私は、一体何を... !? まさか。
斬り上げた剣の上に立つ、L。 穏やかな、笑顔。
『吾が与えた恵みを護らんとする、その意気や良し。』
違う。これは、稽古してきた台詞ではない。目眩、吐き気を堪える。
直後、目の前に稲田が見えた。黄金の穂波を揺らす、爽やかな風。
『今、吾が立っているのは、其方と稲を、つまり一族と米を繋ぐ橋の上。』
ああ、そうか。それでこの剣の、神器の号は。
『一族の者の心に、この橋が架かる限り、吾も誓いを守ろう。』
そうか、これが。 恐らくこれがこの舞の、真の姿。 ここで、御礼の口上を。
それでLと私のお役目は...急に、剣を握る右手から力が抜けて、気が、遠くなる。
嫌な、感触。 眼の前で、Lの身体が舞台に頽れ落ちるのが見えた。
神器、この剣だけは何に代えても。身体を丸める。 左の肩に衝撃。
どこか遠くで、誰かの、叫ぶ声。

1230『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:31:29 ID:y7CKWZdQ0
 「頑張ったんですが...やっばり、分かりませんでした。」
「いや。全ては、あの晩に起こった通り。見事。
我と共に来い。お前達ほどの舞姫なら、あの御方のお側でも十分に。」

 夢? Lと、もう1人。 それは最初から稽古を見ていたという、視線の主?

 「もし我と共に来るなら、おまえの身に仕込まれた黒い呪いも力を失う。」
「そうすれば、もう、私のせいで誰も。」 「そう。決して悪い話ではない。」
眼の前に、俯いたLが立っている。右足の足袋は紅く染まり、その前に蟠る、白い靄。
「でも、紫さんにはお兄さん、炎さんが。私、1人でも。」 「それも、良かろう。あの御方は」
『L、駄目!』 自分の大声に驚いた。
『SさんがどれだけLのこと。それなのに。お願い、絶対に行っちゃ駄目。』

1231『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:33:04 ID:y7CKWZdQ0
 ずっと、話し声が聞こえている。 聞き慣れた、懐かしい声。 夢の、続き?
「許してくれ。この神事を、紫が自立するきっかけにして欲しくて、だから。」
「あなたたちの事情、それは分かるし、指導していた私も気付かなかったのだから。
あなたを、いいえ誰も責める事は出来ない。勿論、Lも紫も。」
「しかし、あの娘は。もし足の傷が。」
「依り代になっている間は影響が小さいと分かったし、紫も自分の一歩を踏み出した。
それで良いでしょ?終わり良ければ、よ。正直、少し悔しいけど。」
「もし対手が俺でなく紫だったなら、あの晩に同じ事が起きて
新たな契約が成されていただろう。つまり、俺の力不足。
舞において紫は俺を越えたが、今夜の事はあの娘と紫の相性が生んだ奇跡。
未だあの娘が単独でお前の舞を越えたとは言えない。」
「有り難う、と言った方が良いのかしらね...あ!L、あなた。また血が。」
「大丈夫、です。」 「何言ってるの。その傷は。」

1232『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:36:29 ID:y7CKWZdQ0
 傷? Lは、足に怪我をしたの? そう言えばLは剣の上に、それから...?
体に力が、戻ってくる。眼を開けた。見覚えのある天井、舞台傍の控え室。
「紫!」 のぞき込む兄様の御顔。 Sさんと、Lも。 夢じゃ、なかった。
ゆっくりと、上体を起こす。私の両手を包む、温かな感触。 「紫さん、良かった。」
大きな眼、屈託の無い笑顔。胸が、詰まる。
L...
「御免、ね。私がもっとしっかりしていれば剣は、きっとその足の怪我も。
もしLの命に関わるなら、償いは必ず、私の命で。だから、許して頂戴。」
「傷は大したことありません。それに紫さんはとてもしっかりしてましたよ。
私を呼び止めてくれたのは、紫さんでしょ?声が、聞こえました。」
「2人共に神懸かるなんて、私も炎も予測出来なかった。
紫の『烈風』は奥義の域に達していたし、Lの、『あの声』は...」

1233『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:40:14 ID:y7CKWZdQ0
 「あれは間違いなく◎韻×。俺にも、Sにも使いこなせない、遠い古の奥義。」
「炎、その術の名を。」
「貴方の名はL。その名の由来を御存知か?」
「はい、私の母が。Sさんから聞いています。」

1234『舞姫』 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:41:55 ID:y7CKWZdQ0
 「正直、私は『現人神』を信じてはいなかった。しかし、間違っていたようだ。
兄姉皆が力を尽くし、引き出してやれなかった紫の才を、貴方は。」
床に片膝を着く姿が、涙で霞む。 兄様。
「どうか今後も、紫と親しくしてほしい。真の、友として。」
「あの、今も紫さんは大事な友達です。
それに、一族でも忌み嫌う人の多い、こんな私を普通に友達にしてくれたのは紫さんで。」
「私たちが作り出された経緯も御承知の上で、既に望みは叶っていると?」
「はい。」
「それなら、約束を。私と紫は、何時か必ず、貴方の恩に報いよう。
この命と引き替えにしても貴方を助ける。
そう、貴方か、あるいは、貴方の所縁の者を。必ず。」

『舞姫』 完

1235 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/21(月) 22:49:51 ID:y7CKWZdQ0
前述の通り、色々ありました。
私の対応できる問題では無かったので弟に感謝。ですね。

さて、『舞姫。』私自身は大好きで、中々興味深い作品だと思っています。
皆様のご感想を聞かせて頂ければ、これ以上の幸せはありません。

今夜もお付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
本当に有り難う御座いました。それでは、御機嫌よう。

1236名無しさん:2016/11/22(火) 00:00:34 ID:4VzX6um20
弓(もしくは扇)が、無い。梓の弓。役割が違うのか・・
お子は三人ではなくもう一人?武の守護者は剣より生まれたのかな。

1237名無しさん:2016/11/22(火) 05:14:02 ID:PWBLuiBwO
息をのんで読ませて頂きました。投稿をありがとうございます。とても面白かったです。
新潟の地元の伝承で舞台になったという場所を想像しながら読ませて頂きました。
舞を代々継承されている、大変な責任や約束事を守られていくのは本当に命懸けで大変そうです。凄いです。
トラブルを乗り越えての投稿、ありがとうございました。

1238名無しさん:2016/11/23(水) 15:55:34 ID:toWqA5Z.O
遠き古から今の世への掛け橋。織り紡がれた物語,綾なす縁と約束の糸。Lさんが大怪我をしないか,ドキドキしました。それにしても,紫さんとLさんの関わりが意外でした。いつもながら心に残る昔語り,ありがとうございました。

1239名無しさん:2016/11/24(木) 21:35:55 ID:1Ogq0Kmg0
前回のお話は名前の交換をした応神天皇と、神降ろしをしてた神功皇后のお話しみたいで実に引き込まれますな。
今回は和みを寄せ付けぬ厳しさ。Rさんの、自分と向き合う人生という言葉が思い出されます

1240名無しさん:2016/11/28(月) 12:36:17 ID:iiCWCPZs0
このお話の原案って紫さんの日記とかなのかな
一から作ったのなら知人氏の才能すごいでしゅ

川の神様の御眷属となられたお二人から聞いたのなら、子供の外観から随分大人びたやりとりがあったはずだから、かなりシュールな光景が思い浮かぶ

1241 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/28(月) 21:53:18 ID:mq8UyDiA0
皆様今晩は、藍です。

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>>1199

返信が遅れましたが、新作をお待ち下さるお気持ちは素直に嬉しいです。
本当に、有り難う御座いました。

>>1200
ご推察の通り、その作品は現在袋小路にあります。
ただ、公開に向けた努力を続けておりますので、気長にお待ち下さい。


>>1202
>>1203
>>1204
>>1205

『舞姫』に、ご期待頂き感謝致します。
ご期待に応える事が出来ていれば良いのですが。

1242 ◆iF1EyBLnoU:2016/11/28(月) 22:02:19 ID:mq8UyDiA0
皆様今晩は、引き続き藍です。

>>1236
>>1237
>>1238
>>1239
>>1240

驚くほど深いコメントに感服ですが、立ち入った返信は禁止されております。
ただ、このようなコメントを頂ける間は、投稿を続けられると信じます。
急な仕事から帰ったばかりですが、次の投稿の事を考えています。
お互い身体に気を付けて、また会える日を楽しみに。では、御機嫌よう。

1243名無しさん:2016/11/30(水) 01:44:09 ID:/7Edle260
次は、御影さん視点の物語が聴けたらと思う
知人さんのフェイクが「やっぱり御影さん男でした」って事ならショックでかすぎるので夢は壊さないでほしいがw

1244枯れ木:2016/12/02(金) 20:18:57 ID:sIlosXxk0
 一昨日、姉は仕事に出て、留守を任されました。

 正直どうかと思いますが、クリスマス(?)企画での新作。
または年明け企画での新作投稿に向け準備をしているようです。

 私自身は、年明け企画にするべきだろうと思いますが、
皆様方の御意向は如何に? 意見が御有りの方は書きこみを。
どちらにしても姉に伝えて、投稿の準備を促します。

1245名無しさん:2016/12/02(金) 22:11:28 ID:jnUkwUlIO
お知らせありがとうございます。
投稿を楽しみにしてる立場から願望をいえば早く読めるクリスマスの方が嬉しいですが、お仕事に加え年末年始で忙しいでしょうから、藍さんの都合のいい無理のない投稿を気長にお待ちしてます。

1246名無しさん:2016/12/04(日) 00:19:57 ID:oEfu9eHs0
だ・断腸の思いで正月とクリスマスには一緒に来ていただこうか
誰かが(私の代わりに)「両方」って書く前に

1247名無しさん:2016/12/04(日) 01:08:48 ID:mbspvhxUO
クリスマスプレゼントとお年玉,どちらも大歓迎です!

1248 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 21:49:06 ID:JAJsL2Qk0
皆様今晩は、藍です。
今朝仕事から戻りましたが、明日朝にはまた仕事に出ます。

>>1243
知人に確認しましたが、フェイクではなく御影さんは女性とのこと。ご安心下さい。
ただ御影さん視点の物語は現在の予定にありません。悪しからず。

>>1245
>>1246
>>1247
新作へのご期待、心より感謝致します。
弟の余計な書き込み(キリスト教徒じゃないんだから)で、ご迷惑を。
急ですが、お詫びに新作の冒頭部を投稿致します。

では、皆様のコメントにお応えして、
以下、『制服の君』。今夜投稿分の続きは多分お年玉企画で。

1249 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 21:54:55 ID:JAJsL2Qk0
どうも「最新50」では書き込みが反映されないようですね。
何故『火狐』でも同じ減少が、少々お待ち下さい。

1250 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 21:57:44 ID:JAJsL2Qk0
どういう訳か、「次100」で書き込みが反映されるようです。
折角の投稿をお楽しみ頂けるかどうか本当に不安ですが。
今夜投稿予定の原稿を投稿してみます。

1251 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:05:24 ID:JAJsL2Qk0
弟によると、「最新50」のアドレスの末尾を
/l50 から /l51 に変更した方が速く読めるようです。
どちらか良い方法でお読み下さい。

1252『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:08:54 ID:JAJsL2Qk0
『制服の君』

 「只今、帰りました。」 「お帰りなさい。コーヒー、入ってるわよ。」

 Sさんを抱き締め、額にキスをした。Sさんは不満そうな顔で、俺の唇にキスをした。
「それで、『制服の君』はどうだったの?未だ、変化はなし?」
「う〜ん、何となく雰囲気が変わったような気はするんですが、もう少し、かかりそうです。」
「そう...ま、良いじゃない。早朝サイクリングとウォーキング、健康維持には最高。」
「確かに、修行の準備運動だと思えば...でも、暑くなってくるとキツいかもしれませんね。」
毎朝、少しずつ設定を変えて繰り返される遣り取り。キスと同じ、2人のルーティーン。
俺もSさんも、重々承知している。実際はそんな軽い内容ではない。
もし春の終わりまでに解決出来なければ、恐らく1つの命が尽きることになる。

1253『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:10:45 ID:JAJsL2Qk0
 高校、多分3年生。その女生徒を初めて見かけたのは今年の1月末。
ある仕事のため、未明の街を歩いている時で、全くの偶然だった。
仕事の場所に向かって長い上り坂を歩いていて、下りてくる彼女と擦れ違った。
薄明るい歩道に殆ど人影は無く、200mも前からその気配を感じていた。
姫が通っていた高校の制服。坂を下りきった所は電車の駅で、
そこからの時間を考えてもかなり早い登校。 部活、いや、鞄だけだから早朝講座か。
きちんと着こなした制服、綺麗に結い上げた髪。 少し薄い唇をきりりと結び、硬い表情。
隙のない美貌は、朝焼けに染まり始めた街の中で異彩を放っていた。
だが、それよりも。

1254『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:12:30 ID:JAJsL2Qk0
 ハッキリと見える。というか、あまりに強く感じるから、自然に視覚化してしまう。
綺麗な着物を着た若い女性、どこか『制服の君』に似た美貌。
その姿がかなりハッキリしているから、強い『心残り』があるのだろう。
しかしその表情からは、憎しみや苦しみが伝わってこない。
憎しみや苦しみに囚われ、不幸の輪廻と繋がっている霊であれば、
この世界でその存在を維持する為のエネルギーを宿主に依存しない。
不幸の輪廻との繋がりがないからこその、深刻な事例。
その存在を維持するために宿主の、『制服の君』の生命力を少しずつ消費する。
かなり長い期間憑依しているようだし、日々の積み重ねは無視できるものではない。
実際、初めて見かけた時よりも、『制服の君』は痩せていた。
このままでは保ってあと一ヶ月。
生命力があるレベルを下回れば突然に、そして確実に『終わり』がやってくる。
それまでに何とかしなければ、俺とSさんは下見をしてから相談を重ねた。

1255『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:15:53 ID:JAJsL2Qk0
 「すごく頑なで、働きかけても反応なし。幾ら早朝で人通りが少ないとは言っても、
街中で大がかりな術は使えない。家族に話してと言う訳にもいかないし。」
普通に登校しているのだから『制服の君』には自覚がないだろう。まして家族には。
家族に連絡を取ったところで胡散臭い詐欺師か何かだと思われるのが関の山。
一族には医者もいるが、検診を受けてもらう口実がない。病気という設定にも無理が有る。
「でもこのままでは、何とか。あ、いや、彼女が綺麗な娘だからと言う訳じゃないですよ。」
「馬鹿ね。そんなの言わなくても分かってる。でも。」 「でも?」
「この件に関しては、あなたが彼女に好意を持った方が楽だったかも。」
「どういう、事ですか?」
「あんな状態で、一番伝わりやすいのは好意だからよ。半端な興味や同情よりも、ね。
悪意や憎しみをはねつけて来たからこそ、不幸の輪廻との繋がりは出来なかった。」
「言霊で、告白しろって事じゃないですよね?本気じゃ無いと言霊の効果は。」
「まさか、突然そんなことしたら即『声かけ事案』で通報される。運が悪ければ逮捕&連行。
榊さんは極上のネタを手に入れて大喜びするでしょうけど。」
少し、目眩がした。

1256『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:18:21 ID:JAJsL2Qk0
 「じゃあ、どうすれば。」
「これから毎朝、あの娘と擦れ違って。」 「へ?毎朝、擦れ違うって...」
「別に難しくないでしょ。『制服の君』の登校時間に合わせてあの坂を上るだけだもの。
擦れ違いながら、念を送る。『あなたと話したい』って。勿論相手は着物の女性の方よ。」
「冗談、なんですか?」 毎日となれば毎度Sさんに送って貰う訳にはいかない。
当然、姫と子ども達は深い眠りの中にいる時間。自転車と徒歩だとしたら、修行は。
「冗談なんかじゃない。正直一番リスクが少ない方法がそれ。
積み重ねた念が彼女に届いたら、何か変化が起こる筈。
それを見逃さず、あなたが言霊を使う。後の始末は私が、問題はそれまでの時間だけ。」
「毎日積み重ねても、間に合わないかも知れないって事、ですね?」 「そう。」
Sさんの横顔。微笑に潜む、深い憂い。
「やります。これも縁なら、僕の念が彼女に伝わると、信じるしかありませんよね。」
「うん、良い返事。」 Sさんの笑顔は優しく、温かかった。

1257『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:19:53 ID:JAJsL2Qk0
 長い上り坂。彼方に『制服の君』の姿を認めたら、陸橋を降り坂道を上る。
視線を散らすことなく、一定のペース。健康志向のサラリーマンの徒歩出勤風に。
勿論それっぽいナップザックを背負い、目立たない服と靴。
彼女以外の興味を引くのは極力避けるべきだ。
かなりのペースで『制服の君』の姿が大きくなる。
ぴいんと伸びた背筋。すらりと長い足と大きな歩幅。そしてその姿に重なる、美しい人。
擦れ違う瞬間、念を送る。
『あなたと話したい。』 勿論視線は真っ直ぐ前方、他の人に怪しまれてはならない。。
少し遅れて、微かに良い香り。香水ではない。石鹸、だろうか。
残念だが今朝も変化はない。そのまま歩き続け、坂の頂点で横断歩道を渡る。
行きと反対の歩道を下るのは万一に備えて。
もし忘れ物か何かで『制服の君』が引き返して来て、同じ男と擦れ違ったら不審に思うだろう。
ストーカーか何かと勘違いされ、登校方法を変えられたら元も子もない。
坂を下りきったらもう一度横断歩道を渡り、陸橋下の駐輪スペースに停めた自転車で帰宅。
そんな生活が半月ほど続いた、朝。

1258『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:21:11 ID:JAJsL2Qk0
 擦れ違う少し前、『制服の君』の気配が揺れた。
僅かに動いた視線が俺を捉える。間違いない。もう一度、遠ざかっていく気配に念を送る。
『そう、私です。あなたと話したい。』
お屋敷への帰り道、自然と自転車の速度が上がった。

 「間違いない、のね?」 「はい。確かに、僕の方を見ました。そう、思います。」
「明日からは私も一緒に行く。多分あと数日はかかると思うけど、念のため。」

 Sさんがスタンバイするのは俺と『制服の君』が擦れ違う地点から十数m。
駅に近接したバス停のベンチで新聞を読んでいる。暖かそうなスポーツウェアにサングラス。
怪しいと言えば怪しいが、見事に気配を消しているから訝しむ人はいないだろう。
それは、Sさんがバス停でのスタンバイを始めて3日目の事だった。

1259『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:24:02 ID:JAJsL2Qk0
 いつものように擦れ違う。 『制服の君』の視線が、今朝も俺を捉えた。
擦れ違って2歩目。背後から、鈴を振るような声。
『あの、どうしてですか?』 来た。心の動きを抑え、振り返る。
近くに通行人はいない。視界の端、ベンチに座るSさんの姿。
「ええと。僕ですか?何か?」
「とぼけないで。いつも擦れ違うとき私の顔見てますよね。どうして、ですか?」
俺は深く頭を下げた。
「御免なさい。毎朝美しい人に会える事を楽しみにしていました。
今朝もその幸運を喜んだだけで、決して悪気は有りません。」
「美しい?」
声の調子が、変わっている。俺を呼び止めた時の声ではない。
「はい。貴方は美しい。嘘をついても、私には何の得もありません。お判りでしょう。」
着物の女性は目を閉じて俯いた。何かを、思い出そうとするように。
俺は深く息を吸い、下腹に力を入れた。
『お助けしたいのです。貴方と、貴方の魂が依代とした、その娘さんを。』
『助ける?』 『はい。死後、その故郷へ旅立てぬ魂を、私は不幸だと思いますから。』
着物の女性はゆっくりと辺りの景色を見渡した。

1260『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:26:00 ID:JAJsL2Qk0
 青いジャージを着た高校生らしい男子が一人、通り過ぎた。
一瞬感じた視線、立ち話をしているように見えるだろうか。
『では私は、既に死んで。ならどうして、今までこの世に留まっているのでしょうか。』
『時を待っておられたのでしょう。魂の故郷への道を示す者が現れる時を。』
『あなたが、案内してくれるのですか?私を?』
『正直に言えば、未だそのための手がかりがありません。
しかし、私にお任せ下さるなら、必ず魂の故郷への道を。陰陽師の名に賭けて、』
『陰陽師。そして、魂の、故郷...あなたは。』
『制服の君』が目を閉じる。崩れ落ちる身体を、Sさんが背後から抱きとめた。

1261『制服の君』 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:27:55 ID:JAJsL2Qk0
 「この子、急にどうしたんですか!?。」 Sさんが声を張り上げる。
打ち合わせの通り。
「気分が悪そうだったので声を掛けて、連絡先を聞こうとしたら。貧血かも。」
俺も切羽詰まった大声を張り上げる。大芝居、榊さんを喜ばせる訳にはいかない。
歩道に面した家の窓が開いた。中年の女性。
他にも、立ち止まってこちらを見ている通行人が数名。
「その角を曲がってすぐに交番が有ります。取り敢えずそこに連絡して、早く、」
俺は走った。Sさんは騒ぎを聞きつけた人々の目の前で電話を掛けるが、怪しまれない。
「もしもし、私Sといいます。はい、急病人で。○◇駅の北口です。そう...」
勿論、Sさんの電話を受けるのは榊さん。
特別に用意された救急車は、一族の者が運営に関わっている病院に『制服の君』を運ぶ。
完璧、だ。

1262 ◆iF1EyBLnoU:2016/12/05(月) 22:31:36 ID:JAJsL2Qk0
皆様今晩は、再び藍です。

取り敢えず、許可を得た部分の投稿を終える事が出来ました。
色々と不安ですが、お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。

お話の続きは年明け、お年玉企画で。それでは御機嫌よう。

1263名無しさん:2016/12/06(火) 00:16:28 ID:hpxjyRwU0
念を飛ばす、ですか。
生きている人間の念ほど怖いものは無い。だからこそ念を残してはならぬ。
それこそが「残念」
本日も教訓を頂きました。
本日の投稿、我が念が飛んだようで。反省はしても後悔は無し。

>知人に確認しましたが、フェイクではなく御影さんは女性とのこと。ご安心下さい。

わっひょい。何よりのクリスマスプレゼントぉ

ハッ?

1264名無しさん:2016/12/06(火) 06:26:29 ID:PoQDoa5AO
投稿ありがとうございました。「声かけ事案」に笑いました^^
お仕事も奉仕もされて有難い限りです。藍さんの投稿も奉仕ですね、ありがとうございます。
表舞台から排除された方々がどこかで皆さんのように技を継承し磨かれてることを信じる希望になります。
制服の君が段取り通り救急車で運ばれて続きが楽しみです。

1265名無しさん:2016/12/06(火) 22:25:12 ID:hpxjyRwU0
>>1264

汝歴史を知っとうや?なぜか有り難きことと思う
出雲も、磯城(海辺→吉備)も、物部も、平群も、渡来系と誤解されて尚の藤原も
世の中に無駄な事無きと、Kさんの辛き過去にも感謝せねばならぬ世の理も
なればこそ、古き神々も、新しき神々も互いに手を取り合って欲しいと思わされるし、我々小さき人々もそうありたいと願う物也

良き理、党首様、死してなお、先達の良きものを継承するを喜ぶ御影様、そしてRご家族。並びに知人さん、藍さん、枯れ木さん。

有難うね。

1266枯れ木:2016/12/06(火) 23:37:15 ID:O8ayjhJU0
>>1265

 もしや。酔って、おられましたか?

 「知っとうや?」という問いかけは、誤解されかねません。その、豊富な知識故に尚更。
「知識のあるなしに関わらず、真っ直ぐな心は同じ心持ちに辿り着く不思議。」
そう書き込んで頂ければ、要らぬ誤解は避けられるかと。有り難う御座いました。

12671264:2016/12/07(水) 07:00:10 ID:gdrYYFLIO
歴史を読み解きたい思いはあります
聖書、ギリシャ神話エジプト神話インド神話日本神話キリスト仏陀聖徳太子
金太郎と桃太郎の関係、浦島太郎、さるかに合戦かちかち山三枚のお札だいだらぼっち
吸血鬼、ハロウィンの起源、バレンタインデーの起源
かぐや姫とうばすて山を合わせたような昔話、姥は乳母?
全てが二組の家族の物語に繋がっているようで妄想だけは止まりません
お侍様の戦いの本当の真意も妄想中
トイレの花子さんは便所の神様?
本当の歴史を知るのは死んでからのお預けです
もしご存知なら羨ましいです。
日本には日の出づる処として渡来系は多いですね。多分ケツアルコアトルも来てると思いますが、確認はできません。
義経の血脈がロシアにありそうな気もしてます。こちらは姿を明らかにしてくれたらと期待してます。
聖徳太子は推古天皇のように幼子ではなかったでしょうか、教えて欲しいです。


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