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藍物語(投稿・感想・雑談専用=隔離)スレ
1
:
枯れ木も山の賑わい
:2014/03/26(水) 23:49:11 ID:sdeCrXLs0
藍 ◆iF1EyBLnoU の 投稿と
投稿に対する感想・雑談の為に立てた専用スレです。
レスの都合上コテハン推奨ですが、匿名の書き込みも勿論OK。
非難の書き込みは「作品に関する話題・雑談」スレで存分に。
こちらへ書き込まれた場合は(可能ならば)削除します。
1083
:
『啓示』
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/14(木) 22:59:30 ID:sdlCPg8I0
川の神様の、切羽詰まった御声。確かに、川の神様も以前より若返って見える。
それが俺たち人間や他の生物の命と引き替えに...いや、違う。
『原因』となるのがこの星の力という点は同じだが、それがもたらす『結果』は別だ。
その力は一方で神々を不死とし、他方では大災害を引き起こし多くの命を奪う。
大災害で失われる生物たちの命と引き替えに神々が不死なのではない。
当然、神々が不死と引き替えに大災害を防ぐこともできない。
何より、悪意を持って我々を殺すために地震や津波が起こるなど絶対に...
それはこの星に生まれたものの宿命。生まれたのだから、何時かは死ぬ。
産み出し、飲み込む。 遠い時の彼方、この星の力が尽きれば神々の存在さえも。ならば。
下腹に力を入れ、深く息を吸った。
1084
:
『啓示』
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/14(木) 23:00:38 ID:sdlCPg8I0
『此の度の大災害では、亡くなった人々の魂を救うために、
各地から多くの神々が被災地に集い、心を砕いて下さったと聞いています。』
大災害に関わる仕事の前に、当主様は術者を集めてそう仰った。
『亡くなった者の魂は神々に委ねよう。きっと見落とすことなく、救い導いて下さる。
そして我々は、残された者が生きていくための仕事をするのだ。』と。
御陰神様は真っ直ぐに俺を見つめた。その瞳以外、全てが視界から消えていく。
綺麗だ。俺は知っている、この感覚は。
『確かに、自らの業の重みで沈んだ者を除いて、吾等は全ての魂を掬い上げた。
少し時間がかかって苦しませたが、それらの魂は今、この上なく安らかにある。』
1085
:
『啓示』
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/14(木) 23:02:56 ID:sdlCPg8I0
暗く、冷たい川の中に跪いている。俯いて水面を見つめた。
上流から、薄紅色の光がゆっくりと流れてきた。右手がひとりでに動いてそれを掬い上げる。
そうか、この情景は御陰神様の記憶。
『済まぬ。長く待たせて、苦しませて、本当に悪かった。
だが、安堵せよ。苦しみも、痛みも既に、無い。』
右手の下にそっと左手が。右掌にぽたぽたと落ちる滴は...涙?
薄紅色の光は明るさを増し、掌から飛び立つ。まるで、蛍。 これで、良い。
『御陰神様、救うことの出来る魂は、もう。』
『そう、だな。だが、本当に見落としはないか?あの忌まわしき者共の始末は?』
『それはこれを。結界に近付いた者はこのように。』 捧げ持つ槍に貫かれた、浅ましい姿。
『皆様方、御仕事を終えて御陰神様を待っておられます。どうか。』
本当か、本当に見落としは無いか。もう一度心を尽くして上流と、水底に注意を向ける。
大丈夫。悪しき業深く自らの光を失った者以外の気配はない。
ゆっくりと立ち上がる。衣から滴る水の音。辺りを飛び交う無数の光。
おそらく他の区画でも...他の神々が既にこの仕事を終えた頃。
1086
:
『啓示』
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/14(木) 23:04:03 ID:sdlCPg8I0
『明日、夜明け前に皆で沢へ参れ。我等が生物の間に結んだ約束の証を見せよう。』
何時の間にか、俺は川の神様の社、境内に立っていた。
『あの、沢だ。忘れてはおるまいな。』 「それは、勿論。」
「宜しい。では、細君お二人と姫と若たち三人も。きっと、だぞ。」 「はい、必ず。」
厳密には定員オーバーなのだろうが、細い山道の入り口で軽の4駆を降りた。
俺は藍を、姫は丹を抱き、Sさんは翠の手を引いて歩く。
「ちょっと待って下さい。今、この藪を。」
この藪を抜けて斜面を降りればすぐ下に沢。藪の草を踏み分け、道をつける。
「あれは...」 Sさんの声。 続いて姫の溜息。
振り向いて皆の顔を見て、その視線を辿る。斜面の先、沢の方向に視線を移した。
1087
:
『啓示』
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/14(木) 23:07:45 ID:sdlCPg8I0
数知れぬ、色とりどりの光。
夜明け前の薄闇を照らす、まるで季節外れの蛍、しかしこの色と数は。
そして辺りに漂う芳香、微かに鈴を振るような音。
この世ならぬ景色、まるで、秋の蛍祭り。
それらは次第に高く舞い、天上を目指すように見える。救われた魂が、きっと。
『然るべき季節、この沢に蛍が舞う限り、約束は守られる。
それを確かめるために、その季節に御前たちは毎年、此所へ参れ。忘れるな。』
黙ったまま、藍も丹も、飛び交う光を見つめていた。
Sさんは微笑んで翠の涙を拭き、その体を抱き上げる。
俺たちは膝を着き、黙って深く頭を下げた。明るく、静かだ、
恐らく、この景色こそ、涅槃。日々を懸命に生きる命に約束された場所。
『啓示』 完
1088
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/14(木) 23:12:31 ID:sdlCPg8I0
皆様今晩は。再び、藍です。
お陰様で無事『啓示』の投稿を終える事が出来ました。
この作品については否定的な反応が有ることも覚悟しておりますが、
出来れば曲解無く、公開された意味を汲み取って下さる事を願っています。
ここまでお付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
本当に、有り難う御座いました。
1089
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/14(木) 23:22:52 ID:sdlCPg8I0
追伸
昨夜、次作の原稿の一部を受け取りました。
「開祖」の御方に関わるお話のようです。今のところは
公開の時期も、そもそも公開できる作品なのかも不明ですが、
公開できるなら何時かきっと此所で、御機嫌よう。
1090
:
名無しさん
:2016/07/15(金) 00:42:22 ID:lWAmY10cO
新話投稿、おつかれさまです
1091
:
名無しさん
:2016/07/15(金) 02:12:51 ID:EeW0cPpU0
ひとつの事をずっと集中して想ってください。
かならずその理由は後からでも見えてきます。それが信解、さんげ。
それが身に付くと、後が解るになります。それが「解悔」
業を積まぬためにどれだけの努力が要るのか。生まれ変わっても受け継ぐ業があるとするのなら
術者の方々の生き方には頭が下がります。
流れゆく名もなき雨粒一つに気配り目配りがあるとするのならこれほどの果報も無いかと。
声なき声に耳を傾け、感謝の気持ちさえあれば、人の想いを力に変えてくださる存在は不滅と言う事と理解いたします。
1092
:
名無しさん
:2016/07/15(金) 02:18:53 ID:EeW0cPpU0
追伸
今なら聞けるかと。木蘇の御嶽で何があったのかと。啓示を読んで思いました。
忌まわしき者、でしょうか?
1093
:
名無しさん
:2016/07/15(金) 17:26:37 ID:u/ak1vBAO
藍さん、投稿ありがとうございました。神々しい雰囲気が伝わってきました。
311の数日前に魂の集団が球のようにやってきて、「今までありがとう」と礼を言われた方がいらっしゃいました。
その方は多忙で軽く受け流したそうですが、311が来て、魂の集団の「ありがとう」の意味がわかったそうです。
人は無意識では自分がいつどのように死ぬかわかっているのかもしれませんね。
震災の救援お疲れ様でした。ありがとうございます。
1094
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/15(金) 19:37:54 ID:OjcoZCJY0
皆様今晩は、藍です。
否定的な反応も覚悟していたところ、とても興味深く、
数々の真摯なコメントを頂き感謝致します。
実はこの作品について、コメントへの返信は禁止されているのですが、
皆様方の誠意に答えずにいられません。きっと後の許しが頂けるでしょう。
>>1090
有り難う御座います。皆様のコメントが投稿の原動力です。
>>1091
名も無き雨粒に心を配り見つめ続ける存在、
日々を懸命に生きる人は果報者です。今は辛くても、
いつかきっと果報者になれます。私も、そう信じます。
有り難う御座いました。
>>1092
申し訳ありません、お答えすることは叶いません。
御岳だけでなく...胸が痛み、口をつぐまざるを得ない事例が多すぎて。
しかし『忌まわしき者』などとは思いません。
むしろ澄んだ眼をお持ちなのだと。有り難う御座いました。
>>1093
受け流すのは、日々を生きるのに必死な人の身の限界でしょうね。
しかし、『今までありがとう』と語る小さき声の1つ1つに、
聞き落とすこと無く、受け流すことも無く、心を配って下さる御方はきっと。
すてきなコメント、本当に有り難う御座いました。
1095
:
名無しさん
:2016/07/15(金) 23:45:32 ID:HEEYW78.0
万物の始まりからの,神と人との約束,命の光の絆。
起きることは避けられなかったけれども,神々の奇跡によって破滅が避けられたことに感謝します。
とても深い物語を投稿していただき,ありがとうございました。
1096
:
名無しさん
:2016/07/16(土) 00:58:40 ID:QstgHmCs0
神様にも方針の違いがあるという事か‥
穂高は動かなかったと思われる。あそこは異質で人とは近く無いらしく、動くときは他も一緒に動くみたいだから。
義憤に駆られて愛し子を自らの手でとまで思いつめたお方も居るらしい。
大難が小難に、小難が無難に。我々ができる事はまだある。それを今やってる人が居る。だから私も祈ろう。自分以外の事を。
1097
:
名無しさん
:2016/07/16(土) 11:54:16 ID:XV1UJ8Jo0
小さき人が地に満てるまでは地上は混沌としており、動物みたいな虚ろな魂で溢れていた事だろう
ほんの泡沫の夢だ、今後も人が日の本土の上に留まれている時間は。やがて切断された地殻が大量に地の底に落ち、地表に再び浮かんでくる
神様が愛しているのは人間だけではない
人が、宗教が生まれ、言葉が出来、意識が継承、束ねられる様になる頃には誰かが神様を見つけたのだろう
人と一緒にあり、人の集落にて生活をした事などほんの僅かな時間だ
信仰心によって存在を維持する必要のない存在が何故こうまで人間のことを気にかけてくれるのか
そっちの方が不思議 昔人との間に何かあったのかもな 人は基本、神様が好きだからな
1098
:
名無しさん
:2016/07/17(日) 22:08:57 ID:uOb7l4T6O
純粋にこの物語を楽しみたいと思います。もう二度と藍さんに悲しい思いをさせたくない。
1099
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/07/19(火) 21:34:40 ID:pOTtD0qc0
皆様今晩は、藍です。
皆様のコメントのお陰で、『後の許し』を頂きました。
>>1095
『啓示』を投稿した意味を真っ直ぐに理解して頂き、感謝致します。
本当に、有り難う御座いました。
>>1096
その御方が今回動いて下さったのかどうか、私に知る術は有りません。
しかし、私も自分に出来る事をします。祈ります。
私と、近しい人々と、全ての人々のために。
>>1097
その疑問は至極当然で、私たちの中では、その答えが
『神々の姿が貴人と同じだから』、と理解されています。
この答えで納得頂けるなら幸いです。
>>1098
有り難う御座います。
今、『次作』の投稿準備を進めていますが、私と知人は『執行猶予』の身。
どれ程悲しくても、此所から『消去』される覚悟はあのときのままです。
だからこそ、頂いたお言葉が胸に沁みます。有り難う御座いました。
1100
:
名無しさん
:2016/07/20(水) 00:25:33 ID:38vHPjcw0
人の子が受け止めるにはまだ早いと、指摘されないようにしたつもりです。
やることやったら、その後のほんの少しの後押しを下さると信じています
奇跡を起こすのは自分なんですって♪
1101
:
名無しさん
:2016/08/23(火) 03:35:17 ID:ZBfmhtkAO
д`)
1102
:
名無しさん
:2016/08/23(火) 11:48:29 ID:A0Xo6LiQ0
↑
我慢が足りんぞ、が、ガガガガ・・
1103
:
名無しさん
:2016/08/23(火) 20:02:40 ID:d1sMdsMo0
藍さん,待ってま〜す
1104
:
名無しさん
:2016/08/30(火) 13:04:17 ID:4nEfHRso0
最近、夜にサーバーがダウンしてる?
1105
:
名無しさん
:2016/09/12(月) 01:11:24 ID:xEJyVwSI0
お祭りの季節だな。
稲刈りも無事終わったであろうか。忙しい時期、ご自愛くださいませ。
1106
:
名無しさん
:2016/09/16(金) 22:45:22 ID:EbdftncgO
藍さん、寂しいよ〜
1107
:
名無しさん
:2016/09/17(土) 19:51:28 ID:9QFO1YY20
待っとるよー
1108
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/19(月) 18:53:16 ID:sS/3CPJ20
皆様今晩は、藍です。本当に、お久しぶり。
季節柄、仕事が忙しかった事や、その他にも色々とありまして。
原稿は幾つか預かっていますが、諸事情で投稿は難しいものばかり。
現時点で唯一投稿可能なのは、『遠雷』の続編でしょうか。
もし、ナオちゃんとユウ君の現在をお知らせ出来れば、本当に嬉しく思います。
頑張ります。どうかもう少し、お待ち下さい。
1109
:
名無しさん
:2016/09/19(月) 20:44:54 ID:FXS5Zfa6O
待ちに待った新作,藍さん,ありがとうございます!!
1110
:
名無しさん
:2016/09/20(火) 00:32:27 ID:QN96aiWkO
お久しぶりです。相変わらずお忙しいんですね、
続編を読めたら嬉しいです。お体ご自愛ください。
1111
:
名無しさん
:2016/09/20(火) 17:19:10 ID:ee4.a5Dc0
いつ終わりが来ても、と覚悟を決めてたが、やはり嬉しいものだな。
1112
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/25(日) 00:38:13 ID:8e5wXIW60
皆様今晩は、藍です。
私なりに頑張ってきた作業もようやく一区切り。
先程、新作の原稿を知人に送信しました。
チェックの後、投稿の許可が出るのを待っている状態です。
どうかもう暫く、お待ち下さい。
1113
:
名無しさん
:2016/09/25(日) 07:18:39 ID:1v9PWSzoO
わーい、ありがとうございます!
お疲れ様でした。楽しみにしてます(^o^)/
1114
:
名無しさん
:2016/09/25(日) 09:22:47 ID:GjVgqID6O
楽しみ楽しみ
1115
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/27(火) 18:40:59 ID:k1R.ouCE0
テスト中です。
1116
:
名無しさん
:2016/09/27(火) 21:59:46 ID:TX.JClK2O
わ〜い♪
1117
:
名無しさん
:2016/09/27(火) 23:41:44 ID:2wC1GTxQ0
ドキドキ
1118
:
名無しさん
:2016/09/28(水) 00:38:38 ID:HHeR4Qqg0
o(^o^)oワクワク
1119
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:24:07 ID:x/yro2X20
皆様今晩は、藍です。
投稿直前に問題発生、対処に時間がかかりました。
以下『霧』、本日投稿分、お楽しみ頂ければ嬉しいです。
1120
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:26:04 ID:x/yro2X20
「ん〜、やっば外で食べるお弁当は美味。
たとえそれがコンビニの買い弁であってもね。し・あ・わ・せ。」
「でも漁協の見学とか正直退屈だよ。普通に楽しく遠足で良いのに。」
「そう、かな。私は好きだけど。海とか、漁港とか。」
「ナオってさ、何時も少しズレてるよね。女子高生が漁港好き、とか。」
「いいじゃん、人それぞれ。それよりナオの弁当、今日もカワイイ。」
「ホント美味しそうだよね。毎日自分で作ってるの?」
「お母さんと一緒に。2人で色々献立を考えるのが楽しいから。」
「...あのさ、前から思ってたんだけど。」 「何?」
「ナオは今、親戚の家にいるんでしょ?下宿っていうか。」
「そう、だけど。その、生まれた島から、進学のために。」
「じゃあ親戚の叔母さんを『お母さん』って呼んでるの?」
「あ...ずっと、小学生の時からで、いつの間にか。」
1121
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:32:06 ID:x/yro2X20
「だ・か・ら、人それぞれ。ナオの事より自分の成績心配しなよ。
推薦で○大狙うなら2年生の成績が大事だって、先生言ってたじゃん。」
「あ〜ヤダヤダ。折角の遠足なのにイヤな事思い出しちゃった。
ナオはやっぱ◇大?成績良いし、推薦楽勝でしょ?」
「大学は...勉強するのは好きだけど。」
「え〜?わざわざ進学のために親戚の家にいるのに、大学行かないの?イタっ!」
「だからいらん詮索はやめれ。ほら、ナオが困ってる。」
「詮索って、ナオが大学行かないで島に帰っちゃったら会えなくなっちゃう。」
「何で島に帰るって決めつけるの? 専門学校も、就職だって。
それにまだ1年半も先の事でしょ。ね、ナオ...どした?」
「ほら、アンタが変な事ばっか言うから。あ〜もう。」
「ゴメン。そんなつもりじゃ。」
「ううん。ちょっと、島の事思い出して。私こそ、御免なさい。」
「それなら、あれ?」 「何だか急に、風強くなったね。それに、これ、霧?」
「やな感じ。バスに戻ろ。めっちゃ寒い。」
1122
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:41:16 ID:x/yro2X20
「なあ、最近、ナオと何かあったのか?」
ナオの乗った電車を見送った後、父親が突然口を開いた。
「いや、別に。何で?」
「何でって...2学期が始まった頃からあんまり喋らないだろ。2人。」
やっぱり、父は勘が鋭い。なら相談するのも気が楽だ。
「喧嘩じゃない、だけどちょっと心配な事が。」 「心配な事?」
「時々ボーッとしてるんだよ。オレが声かけても気がつかない位に。」
「何か、思い当たる事は?」 「校外学習かな。それ以外には何も。」
「ナオの高校の校外学習...先週の?」
「そう、先週の木曜。○町の海浜公園で弁当を食べたって。」
父は目を閉じて、深呼吸をした。
「海、もしかしてあの島での事と関係が。」
「分からない。一度だけ『久しぶりに海を見た。』って言ってただけで、
その後は海の事は何も。でもナオの様子が変わったのは、その後のような気がする。」
あの島での事、ナオの魂は海の妖に囚われていたと聞いた。
ナオを助けてくれた、あの2人。Sさん、Rさん。長い間、忘れていた名前。
1123
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:45:57 ID:x/yro2X20
「実は、父さんも、ずっと気になってる事があるんだ。」 「何?」
「あの人、Sさんが言った言葉だよ。『対症療法』、憶えてるか?」
「憶えてるけど、それが何で。」
「『対症療法』って、症状を抑えるだけで病気の原因は消えてないって意味だぞ。」
「あ...じゃあナオは。」
「思い過ごしかもしれない。でも何となく気になって、
だからナオを海へ連れて行くのを避けてきたし、島にも帰ってない。
ユウ、これからも注意しててくれ。ナオに何かあったら母さんも。」
そうだ、あの晩Sさんは『どちらも対症療法ですが』と言った。
文字通り、ナオは母の心の支え。
切望したが産むことの出来なかった女の子の『身代わり』。
もしかしたらそれが、ナオの負担になっているのかも知れない。
だけどオレはナオが好きだし、ナオがいてくれるからこそ家族が楽しく暮らせる。
ナオにも幸せに暮らして欲しい。オレは一生ナオを守ると決めたから。
「分かった。思い過ごしだと良いけどね。」 「そうだな。」
思い過ごしでは、無かった。
それからもナオの口数は減り、オレたちの言葉には反応するものの、
感情を表すことが無い。心配した父と母が暫く高校を休ませると決めたので、
ナオは一日中部屋の中で窓の外を眺めて過ごすようになっていた。
1124
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:49:47 ID:x/yro2X20
「駄目だ。祖母さんに頼んで置いたんだが、例の『先生』と連絡が付かないらしい。
丁度一月くらい前から『修行で暫く留守にする』って島を出たまま。間が、悪いな。」
夕食後、電話を切った父親の表情は暗かった。ナオは既に部屋に戻っている。
「あなた、ユウにも、ちょっと聞いてもらいたいことがあるの。」
洗い物の手を止めて、母親はオレ達に声をかけた。
「聞いてもらいたいことって、ナオの事か?」
「ナオの事っていうか、ナオを助けてくれた人たちに関係があるかも知れない。」
「でも、その人たちとも、紹介してくれた人にも連絡が付かないって、父さんが。」
「前に母から聞いた事がある。昔話だと思っていたんだけど。
陰陽師。事故や怪我で体から離れてしまった魂を、呼び戻す儀式をする人たち。」
オレと父は顔を見合わせた。 「詳しく、聞かせてくれ。」
「母が未だ若い頃、知り合いの奥さんに頼まれて運転手をしたの。
事故で抜け殻みたいになってしまった旦那さんを、ある場所に連れて行くために。
奥さんの方は運転免許を持ってなかったから。」
「それで?」 父とオレは固唾をのんで母の話に耳を澄ませた。
1125
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:51:28 ID:x/yro2X20
「その儀式が済むと、旦那さんは少しずつ元気になって、
帰りの車の中では話もできるようになったみたい。」
「お義母さんは、実際にその儀式を見たのかな?」
「そう、人の形に切った紙を使う儀式だったって。」
もう一度、オレと父は顔を見合わせた。父の表情に明るさが戻っている。
オレも同じだ。母はあの島でSさんがオレとナオに何をしたのか見ていない。
なのに『人の形をした紙を使う儀式』と。これはオレ達に残された、ただ一つの希望。
「その場所って、何処だ?」
「母から聞いたのは、○県の県境に近い山の中。それだけ。
でももし母が今もその場所を憶えているなら。」
「恭子、すぐにお義母さんに連絡を取ってくれ。
明後日、土曜日は仕事が休みだから、一緒にその場所を探して欲しい。
もし見つかったら、何とかナオの事を頼んでみる。」
「分かった。私も一緒に行く。ユウはその間ナオの事お願い。」
「大丈夫、任せて。」
1126
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 01:55:59 ID:x/yro2X20
昼前に出発した父と母が帰って来たのは夕方近く、2人とも表情は暗い。
母は台所に引っ込んでしまい、父はリビングのソファにぐったりと座り込んだ。
察しはついたが、やはり気になる。
「駄目、だったの?」
「ああ、お義母さんは結構細かく憶えてて...
その場所の、かなり近くまでは行った筈なんだ。
でも何故か同じ所をぐるぐる回ってたり、どうしても見つからない。
通りかかった車を止めて聞いたりもしたんだが。
お義母さんの年齢と体調考えると、あれ以上探すのは無理だった。」
父は胸ポケットから折り曲げた白紙を取り出し、テーブルの上に置いた。
「もう50年近く前の事だし、道がすっかり変わってしまったのか、
もしかしたらもう、その場所自体が無いのか。どっちかだろう。」
1127
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 02:00:34 ID:x/yro2X20
「この、紙は?」
「ああ、お義母さんの話を聞いて描いたメモだよ。
目印にしたコンビニと、そこかに山道に入って調べた脇道とか。」
「これ、借りても良い?」 「勿論、でも何で。」
「明日、オレが探しに行ってみる。父さんと母さんは無理でしょ。」
翌日、父と母は母方の親戚の結婚式と披露宴に出席する事になっていた。
渋っていたが、父は結局新婦の親戚代表挨拶を引き受けた。欠席は無理。
休日だし、一日ナオの様子を見ているのなら、いっその事。
「ナオも一緒に連れて行く。もし見つかったら、直接ナオを診てもらえるかも。」
「分かった。ただし、バイクは駄目だぞ。父さん達は送迎してもらえるから車を使え。」
ナオの事になると、父と母は眼の色が変わる。
「ありがとう。」 「父さんこそ、ナオを頼む。でも絶対に無理はするな。」
「分かってる。」
1128
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 02:03:10 ID:x/yro2X20
その夜、父のメモをもとにPCで検索すると、目印のコンビニはすぐに見つかった。
しかし航空写真に切り替えても、そこから伸びる山道沿いにそれらしい場所はない。
父の言った通り、もうその場所がないのかも。
だが、父の言葉がオレの心に引っかかっていた。
1129
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 02:06:41 ID:x/yro2X20
翌日、朝早く家を出た。
ナオはもう2時間近く、黙ったまま助手席で窓の外を眺めている。
いや、その眼は外に向けられているが、多分焦点は合っていない。
目印のコンビニに着いたのは9時前。入り口近くのポスト、集配時間を確かめる。
1回目が11時、2回目が17時30分。
昨日父たちが来た時間は1回目の後、2回目の集配の前に帰った。
このポストを調べても手がかりにはならなかっただろう。
此処から△県に通じる山道に入り、父のメモにある脇道を調べて、
空振りなら11時前に此処に戻って郵便配達の人に聞いてみよう。
今もその場所に人が住んでいるなら、手紙や荷物が配達している筈だ。
ナオを促して、コンビニで買ったおにぎりとサンドイッチで簡単な朝食。
コンビニの駐車場を出たのは9時20分頃。やはりナオは一言も喋らない。
1130
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 02:09:05 ID:x/yro2X20
父のメモを見ながら1つ1つ脇道を調べる。
1時間ほど経った時、妙な事に気づいた。
父のメモに描かれていない脇道。絶対この道を見た筈なのに、何故?
心に引っかかっていた父の言葉が、急に大きな意味を持った気がした。
『何故か同じ所をぐるぐる回ってたり...』父は昨日そう言った。
もしその場所に住んでいるのが陰陽師、
不思議な術を使い、魂を呼び戻す儀式を行う人たちだとしたら。
不意の訪問者を近づけない術を使っていてもおかしくない。
右折してその脇道に入る。
舗装はそれ程荒れていない、間違いなく今も使われている道だ。
心臓がバクバクして、耳がきーんとなる。もしかしたら。
1131
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 02:11:07 ID:x/yro2X20
「だめ。」 ナオがオレの左腿に右手を置いた...冷たい。
ゆっくりと車を路肩に寄せて、止めた。
「ナオちゃん、駄目って、一体何が?」 ナオは真っ直ぐ前を見詰めている。
「こわ い。」 全身の毛が逆立つ気がした。
助手席の窓の外、煙のような濃い霧が渦を巻いて流れていくのが見える。
車の前方から後方へ、もう車の数m先も見えない。慌てて車の窓を全部閉めた。
まさか、だってさっきまであんなに良い天気で。
ナオは両手でオレの右手を握り、肩に頭を預けた。
俯いたナオの背中を左手で抱き寄せる。やはり、その身体は、冷たい。
1132
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 02:15:42 ID:x/yro2X20
皆様今晩は、再び藍です。
今夜投稿の許可を頂いたのはここまで。
書き直しの作業を続け、許可を頂き次第続きを投稿致します。
お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
1133
:
名無しさん
:2016/09/28(水) 05:16:27 ID:pOsqXtwoO
新作の投稿ありがとうございます!お疲れ様でした。
車で同じ道をぐるぐる回る経験あります。田舎道で狐か狸に化かされたかな、と思いつつ、車の前を黄色いイタチみたいのが横ぎったら目的地に行けました。
運転中の濃い霧は怖いですね、書き直しや内容確認など大変な作業をありがとうございました。
ナオさんが大事にされて暮らしてることがわかって良かったです。
1134
:
名無しさん
:2016/09/28(水) 08:34:34 ID:jI1hivoIO
まだこの先は霧の中,ユウとナオの物語の続きがとても楽しみです。
1135
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:30:44 ID:x/yro2X20
テスト中です。
1136
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:33:06 ID:x/yro2X20
どれくらい経ったのか。オレの右手を握るナオの力が緩んだ。
「コンコン」 運転席の窓を叩く音。
ビクッとして顔を上げると、窓の外に男性?の姿。そして、自転車。
いつの間にか、白く濃い霧は消えていた。
『成る程、君たちだったのか。それなら、納得だ。』
窓を閉めたままなのに、その声はハッキリと聞こえる。暖かく、懐かしい響き。
『ユウ君、久し振り。窓を開けて。』 何故、オレの名前を。
窓を開けると、その男性は車内を覗き込み、厳しい表情になった。
「ああ、これでは。随分心配したね。」 !! 思い出した。この人は、Rさん。
Sさんと2人でナオを助けてくれた。じゃあ、その場所に住んでいるのは。
「先導するから、着いてきて。まあ、この道に入れたんだから迷う筈もないけれど。」
1137
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:35:00 ID:x/yro2X20
自転車の後を追って暫く走ると、立派な門。扉は開いている。
自転車を降りたRさんの指示通り、門を入ってすぐの広場に車を停めた。
車を降り、Rさんが差し出した右手をしっかりと握り返す。温かい。
「御免よ。今日はガレージが満車なんだ。家族が皆、家にいるからね。」
すうっと、肩の力が抜けた気がした。涙が出そうになる。
「いいえ。僕たちこそ突然来てしまって。」
助手席のドアを開けると、ナオは思いの外すんなりと車を降りた。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」 背後から可愛い声。
振り向くと小さな女の子が立っていた。
肩にとまった鳥。足下の白い、小さな、これは?
1138
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:42:30 ID:x/yro2X20
「娘の翠。僕とSさんがあの島に行った時は、2歳になる少し前だったかな。」
「あれ?このお客様方には、お名前が2つずつ。どうして?」
「駄目だよ、翠。このお兄ちゃんの名前はユウ、お姉ちゃんの名前はナオ。
それ以外の名前について話しちゃいけない。分かった?」
優しい声。でもその言葉の向こうに、とんでもないものが隠されて。
女の子は小さく頷いた。 「はい。分かりました。では。」
あの声を聞いて、隠されているものに何の反応も...一体?
女の子はちょこんとお辞儀をした。
「どうぞウッドデッキへ。お茶の準備が出来ました。ご案内いたします。」
くるりと背を向けて歩き出す。小さな白い影もその後を追った。
「あの、ありがとう。」 声を掛けると女の子は振り向いた。
眩しい、笑顔。 あの日のSさんの笑顔を思い出す。
1139
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:45:47 ID:x/yro2X20
「そうだったの、昨日も此所に。
御免なさい。きっとお祖母さんを憶えていたのね。」
4人で紅茶を飲んだ後、オレの話を聞いてSさんはそう言った。
小さな女の子はオレ達をウッドデッキに案内した後、お屋敷に戻ったらしい。
「祖母を憶えていたって、誰が、ですか?」
SさんもRさんも、祖母に会ったとは考えられない。
祖母がこの場所を訪れたのは、もう50年も前の事だから。
「このお屋敷。このお屋敷は自身の意思を持ってるの。
普通、術者が依頼者をこのお屋敷に招く事はない。
その後突然訪ねて来られたり、このお屋敷の場所を口外されたら困るから、ね。」
自分の意思を持つ、お屋敷?じゃあ、このお屋敷は、生きてる? まさか。
1140
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:47:57 ID:x/yro2X20
「だからお祖母さんが関わったのはよっぽど特殊な事情で、
問題が解決した後で依頼者とお祖母さんが『リスト』に載ったんだと思う。
このお屋敷の住人に招待されない限り、近づけてはいけない人物として。」
「じゃあどうしてオレとナオは。あの、濃い霧は一体。」
「ああ、あれは僕も初めて見た。この辺りの妖や精霊が覗いてたんだよ。
開いてる窓があると中を見たくなるのは人も人ならぬ者達も同じ。」
窓? のぞき込む? 車の、窓の事? 確かに車の窓は開けていたけど。
「悪しきものではないにしろ、君たちがこの辺りを走り回ってる間に
かなりの数が集まって来たから、それらの姿が君にも見えた。白い、霧として。
『今日は朝から山がとても騒がしい』と翠が言ってね。
それで様子を見に行ったら君たちに会ったと言う訳。」
1141
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:51:33 ID:x/yro2X20
「それで、今日2人で此処に来たのは何故?」
あの時と同じ。とても綺麗で、少しだけ寂しそうなSさんの笑顔。
「先月位からナオの様子が少し変...口数が減って、いつもボンヤリしてるし。
この何日かはほとんど喋らなくなりました。」
「それだけでわざわざ私たちを探したの?心療内科のクリニックとかに相談は?
最近、研究が進んで良い病院があるもたいよ。ね、R君。」
Rさんは苦笑して軽く首を振った。
「ナオの様子が変わったのは、校外学習の後からだった気がします。
そのコースに漁港が入っていたのが関係あるのかと思いました。
それを父に話したら、Sさんが『対症療法』って言ってたのが気になるって、それで。」
「ナオちゃんが海に行ったから、またあの妖との繋がりが、と?」
「はい、もしそうならSさんやRさんみたいな人でないと対処出来ないし。」
SさんとRさんは顔を見合わせた。Rさんは笑いをかみ殺している。
「確かに『対症療法』、そう言ったわ。でもあの術はそんな簡単には破れない。
海どころか、今ならナオちゃんが4・5日あの島に戻っても、何の障りもない。」
「でも、ナオは。」
思わずナオの顔を見た。黙ったまま、焦点の合わない眼。胸が、詰まる。
1142
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:54:23 ID:x/yro2X20
Rさんは立ち上がり、ナオの椅子の傍に片膝をついた。
「ちょっと失礼。」ナオの左手を取り、正面から瞳を覗き込む。
数秒間の、重い沈黙。
「やっぱり。こちら側の窓は少しだけ、あちら側の窓が大きく開いてる。」
Rさんはナオの左手を戻し、自分の椅子に座った。
「こちら側の窓が完全に閉じて、あちら側の窓が完全に開くと
心はこちら側との繋がりを失う。あの時、ナオちゃんはそう言う状態だった。」
「そしてもし」 Rさんは言葉を切ってSさんを見つめた。
Sさんは小さく頷いた。穏やかな、笑顔。
「そしてもし、こちら側の窓に鍵が掛かると、もうその心を呼び戻す術はない。
そう、防音仕様のアルミサッシ。イメージはそんな感じかな。
姿は見えるけれど、こちら側からの呼びかけは届かない。
かといって無理矢理に窓を破れば、相手の心が大きく壊れてしまう。」
1143
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 20:57:46 ID:x/yro2X20
「『対症療法』と言ったのは、こうなる原因がナオちゃん自身の心に有るから。
普通の人は、生まれつきあちら側の窓は完全に閉じているし、鍵も掛かってる。
ただ、希に鍵が掛かってない人や、鍵自体がない人がいるの。
そういう人の心はあちら側と繋がりやすい。妖や精霊、時には悪霊とも。」
確かにあの時Rさんは言った『妖や精霊と親和性の高い魂』と。
そして『ナオちゃんは海に愛されている』とも。
「ナオちゃんの場合、あちら側の窓に鍵がない。
釣りの名人だってことは、それが生まれつきなのかも知れないし、
辛い境遇に耐えかねて、心を守るために自分で鍵を壊して、
何時でもあちら側に逃げられるように退路を用意したのかも知れない。
あ、ありがと。」 RさんがSさんのカップに紅茶を注いだ。
1144
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 21:03:59 ID:x/yro2X20
「妖との繋がりを切るためにあちら側の窓を閉じた後、
ナオちゃんに呼びかけて、その心をこちら側に向ける。あの島で言う『魂呼』。
だからナオちゃんの心に呼びかけるのは絶対にユウ君の役目だった。
今回もあの時と同じ。君が『手』を離さずにいたからこそ、
ナオちゃんはこちら側の窓に鍵をかけなかったんだし。」
手を、離さずに?...!! そう言えば、不思議な霧の中でナオはオレの手を。
「このお屋敷に通じる道に入った時、車が突然濃い霧に包まれて。
その間、ナオはオレの手をずっと握っていたんです。あれが。」
「そう、今も2人の『手』が離れていないから、こちら側の窓が少し開いてる。
それに、あの時ほど深刻な状況じゃない。
Sさんならもう一度、あちら側の窓を閉じることが出来る。その後で君が。」
1145
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 21:06:29 ID:x/yro2X20
「気に、入らない。」 Sさんの声、Rさんの表情が曇った。
「それじゃまた『対症療法』よね。『対症療法』と分かってて
繰り返し同じ術を使うのは不調法だし、正直気が進まない。
だからといって両方の窓を自在に開閉できる天性を封じるのは論外。
そんな適性を持った人間はとても貴重だから。
ねぇ、そろそろ根本的な策を講じるべきだと思わない?」
「Sさん、ユウ君はただ。それにこの状況でスカウトなんて、幾ら何でも」
SさんはRさんの唇に人差し指を当てて悪戯っぽく笑った。
「あなたには聞いてない。もちろんユウ君も答える立場にない。
Sさんは少し椅子の位置をずらして座り直した。ナオの、真正面。
1146
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/28(水) 21:12:09 ID:x/yro2X20
皆様今晩は、藍です。
無事、準備が済んだ分を投稿出来ました。
少々疲れているので、頂いたコメントへの返信は後日。
出来るだけ早く、残りを投稿できる事を願っています。
お付き合い頂いた皆様に心からの感謝を。
有り難う御座いました。
1147
:
名無しさん
:2016/09/28(水) 21:41:07 ID:pOsqXtwoO
お疲れの中、続けての投稿をありがとうございました。
向こうを覗くものは等しく向こうから覗かれている、というようなフレーズを聞いたことがありましたが、ゾクリとします。
意志のあるお屋敷も凄いです。大変な世界ですね。
1148
:
名無しさん
:2016/09/29(木) 21:46:54 ID:gESgpGBMO
幸と不幸はあざなえる縄のごとし。災いを介して,縁ある魂がまた集い来たるか。
Windows画面のこちら側で,物語の今後の展開を楽しみに待っています。
1149
:
名無しさん
:2016/09/30(金) 00:37:37 ID:YtghXU8Q0
今もユウ君は今のナオさんの近くにいるのか。そんな気配。
1150
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 20:58:14 ID:UfcnNssk0
テスト中です。
1151
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:02:28 ID:UfcnNssk0
「ナオちゃん、聞こえてるんでしょ?喋れるなら、あの時よりずっと軽症。
さあ、返事をして。あなたはナオ君が好き?」
胸の、奥深くを抉られた気がした。それは、オレが聞かなければならなかった、問い。
いや、むしろその問いの前に、オレは自分の気持ちを伝えるべきだったのに。
微かに、ナオの唇が動いた。
「聞こえない。もっと大きな声で...あなたは、ナオ君を愛してる?」
「は、い。」 微かに、でも確かに聞こえた。
「それなら何故、あちら側の窓を開いたの?」
「...怖かった、から。」
1152
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:04:58 ID:UfcnNssk0
済みません、発生した問題を解決できないままの投稿を。
知人に、怒られます。どうか、1151は無視して下さい。
気合いを入れて、やり直しです。
1153
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:06:25 ID:UfcnNssk0
「ナオちゃん、聞こえてるんでしょ?喋れるなら、あの時よりずっと軽症。
さあ、返事をして。あなたはユウ君が好き?」
胸の、奥深くを抉られた気がした。それは、オレが聞かなければならなかった、問い。
いや、むしろその問いの前に、オレは自分の気持ちを伝えるべきだったのに。
微かに、ナオの唇が動いた。
「聞こえない。もっと大きな声で...あなたは、ユウ君を愛してる?」
「は、い。」 微かに、でも確かに聞こえた。
「それなら何故、あちら側の窓を開いたの?」
「...怖かった、から。」
1154
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:09:42 ID:UfcnNssk0
怖いって、一体何が?
あちら側の窓を開いて見えるよりも怖いものが、こちら側にあるのか。
ナオ自身があの霧の中で『怖い』と言っていたのに、それよりも?
「ユウ君、考えた事はない?『失う位なら手に入らない方が良い』って。」
!!何故それを? 耳の中で響く心臓の音。少し息が、苦しい。
「あります。ていうか、いつもそう思ってました。あの島でナオに会うまでは。」
「嘘は駄目。今はもっと強く、そう考えてる。」
「嘘じゃ、ありません。」 やっぱり息が苦しくて、口の中が乾く。
「それなら何故、自分の言葉で伝えなかったの?」 「それは。」
「分からないなら、教えてあげる。伝えて、拒まれるのが怖かったのよ。
『恋人ではなく、妹でいたい。』という答を、何よりも君は怖れた。」
いくら陰陽師でも、こんな...一体この人は。
1155
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:11:56 ID:UfcnNssk0
「責めてる訳じゃない。あなたもナオちゃんも以前辛い境遇にあった。
ただ、幸せは絶対に手に入らないと諦めている人に、幸せを失う恐怖はない。
辛い境遇にいた人ほど、幸せを手に入れて、それを失うことを怖れるものだわ。
でも、あなたの恐れが、臆病さが、この娘をこんな風にしてしまった。」
「ちがい ます。私。」
「いいえ、違わない。」Sさんはナオを見詰めたあと、オレに視線を戻した。
「ユウ君は男の子で、あなたより年上。何より自分の言葉に責任を持つべきだから。」
そう、オレは男で、ナオより年上。でもオレの言葉の責任って。
「もう一度言うけど、君を責めてる訳じゃ無い。
自分からは指一本触れず、この娘を大切にしてきた不器用さは、むしろ好ましい。
実際、最初の内は問題なかった。でも、この娘が成長すれば問題が起こる。
当然よね。大人になれば誰でも、『自分は何故此処にいるのか』と考えるものだわ。
『妹』でも『娘』でもない人間が、何時までも此処にいて良いのかって。
それに辛い境遇から助けてもらって、大切に育ててもらってる。
この娘の立場からしたら、自分の望みを口にするなんて、出来る筈がない。」
1156
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:13:42 ID:UfcnNssk0
突然、ナオの頬を涙が伝った。
何でオレは、それを考えてあげられなかったんだろう。
ナオが大好きで、ナオの事を一番に考えているつもりだったのに。
「あの日『一生この娘を守る』そう、言ったわね。今も答えは同じ?」 「はい。」
「なら伝えるべきよ。どんな立場で守るのか。
何故傍にいてほしいのか。それを、自分の言葉で。」
Sさんは立ち上がり、ふわりとテーブルを回り込んでナオの背後に。
かがみ込み、耳許に何か囁くと、ナオはゆっくり立ち上がった。
これは、Sさんの術? オレは何を。
1157
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:18:33 ID:UfcnNssk0
『君の望みを言葉にすれば良い』
空気が大きく揺れて、眼が眩む。振り向くと、Rさんの笑顔が目の前にあった。
右肩に添えられた手が、じんわりと熱い。
「失って悲しいなら、その望みが本当に大切な証。悲しみが深い程、ね。
でも、真に君たちが怖れるべきなのは、魂の絆を失うことをこそ、だ。さあ。」
のろのろと、オレの身体が動いた。数歩、ナオの顔が、身体が目の前にある。
そっと、抱きしめた。柔らかくて、でも氷のように、冷たい身体。
オレの望み、それは。
「ずっと一緒にいたい。恋人になりたいけど、なれなくても良い。
ナオちゃんが一緒に暮らしてくれるだけで、オレも父さんも母さんも幸せだから。」
腕の中で、ナオの身体が弾けた気がした。
1158
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:20:16 ID:UfcnNssk0
我に返る、腕の中の温もり。その身体はもう、冷たくない。
オレ達は山道の路肩に停めた車の中にいた。
「夢?」 「夢じゃ、ないです。」
そうか、車は脇道の入り口を向いて止まっている。
あの霧に包まれた時とは逆。それなら多分、夢じゃ無い。
ふと、背後に感じる気配。そっとバックミラーを見た。
車の後、十数m。濃い、白い霧が蟠っている。
「ナオちゃん、あれ、見える?」
「はい。色々なものがボンヤリと。」 「怖くないの?」
「悪いものじゃないって。それに、ユウさんが、ずっと守ってくれるから。」
「そうだね。ずっと、ね。」 「はい。」
1159
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:22:09 ID:UfcnNssk0
「ナオを引き取る時、養子にしなかったのは、
何時か2人がこうなってくれることを願っていたからだ。
でも、それがナオを不安にさせていたとしたら、本当に申し訳ない。」
「いいえ。お父さんの気持ちを理解できなかった私が、悪いんです。」
「それで、ナオは本当に良いの、相手がユウで?
育てて貰った事に負い目を感じて、無理する必要はないのよ。
もちろんユウは私たちの自慢の息子だし、2人が婚約すれば
ナオは本当に私の娘になるんだから、こんなに嬉しい事は無いけど。」
母の声はもう調子外れではない。その言葉の、温もり。
...そうか、『対症療法』でなく『根本的な策』。Sさんの言葉の、もう1つの意味。
過ごした時間の中で、母はナオをもう『身代わり』でなく、自分の『娘』として。
不器用で臆病なオレ達が、本当の絆を結ぶまでの『対症療法』。
1160
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:24:37 ID:UfcnNssk0
一緒に暮らし始めてから、母と父はナオに幸せな『幻影』を見ていた。
それは心を病むほどに切望した、娘。それは妻と息子の心を癒してくれる、魔法。
何よりオレ自身が、母の歪んだ愛情を引き受けてくれるナオに、頼り切っていた。
それらの幻想が、ナオを追い込んでしまったのか。
1161
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:26:34 ID:UfcnNssk0
「私、この家に来た時、とても嬉しかったです。初めて、幸せだと、思いました。
お父さんもお母さんもユウさんも、みんな本当に優しくて。でも、暫くしたら、
どうしてこんな私を大事にしてくれるのか分からなくなったんです。
ユウさんが大好きで、ずっと一緒にいたい。でも、言えなかった。
私は何も持ってないし、お金や時間の事でどれだけ負担に。そう、思って。
でも、間違ってた。お父さんもお母さんもユウさんも、
私を本当に。それを、疑うなんて。」
母は立ち上がった。ナオの隣に座り、肩を抱く。
「間違ってたのは私の方。女の子が、欲しかったの。
ユウを愛していたけど、どうしても女の子が。でも、無理だった。
だから、ナオがこの家に来てくれなかったら。私、本当に狂っていたと思う。
今も私がユウの母親でいられるのは、ナオのお陰なのよ。」
1162
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:27:27 ID:UfcnNssk0
きっとSさんとRさんには分かっていたんだろう。
オレ達が『根本的な策』に耐えられるほど強くはないと。
でも今は違う。一緒に過ごした時間が、みんなの心を結び合わせた。
きっとそれが、Rさんが言った『魂の絆』。
1163
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:29:15 ID:UfcnNssk0
「本人達の提案に、保護者2人も同意してる。婚約は成立、だよね?」
「あなた、ユウは勘違いしてるみたいよ。」 「勘違いって。」
「ユウ、将来の、仕事の事をどう考えてる? まさか、経済的な基盤もなしに
父さんと母さんの宝物を自分に任せろと言うつもりじゃないだろうな?」
「...今は婚約。大学を卒業したら就職して、
それからちゃんと結婚を申し込む。それなら良い?」
「まあ一応婚約には同意しよう。でも、もし卒業後もフラフラしてたら
即婚約破棄。ナオの結婚相手は父さんと母さんが探す。良いな。」
「そんな。だって」 「大丈夫。私、信じてます。ずっと。」
「ナオ、これからもユウのこと、お願いね。」
「はい。ありがとう御座います。」
ナオは微笑んだ。島で2人きりで魚を釣った、あの時のまま。
1164
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:32:18 ID:UfcnNssk0
「ナオ、ホントに行くの?さっきの港で、あの銀ピカの魚沢山釣ったんだから
もう十分じゃない?みんなでお茶してさ、色々話そうよ。久し振りなんだし。」
「私は見たいな〜、今度の場所で釣れる魚はもっと大きいんでしょ?」
「うん、スズキはタチウオよりずっと重いから、迫力あるよ。」
「じゃあ決まり。釣りしながらでも話は出来るし。
嫌なら久美は車で待ってればいいじゃん。」
「ユキ、真理子。車出してるの私だよ。この、恩知らずどもが。」
「恩知らずって...私たちみんなナオに勉強教えて貰ったでしょ。
ええっと、一番世話になったのは誰だっけ。こんな時こそ、恩返しよね。久美?」
「ぐぬぬ。」 「ケンカ、しないで。釣れなかったら、お茶しよ。」
1165
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:34:00 ID:UfcnNssk0
「川沿いに並ぶ、オレンジ色の街灯が川面に反射して。
そこに浮かぶシルエット。ナオはスタイル良いから、絵になるな〜。」
「そうね、持ってるのが釣り竿じゃなければ、もっとね。」
「ま〜だ言ってる。あきらめが悪くて、しつっこいのも相変わらず。」
「投げて、巻いて。投げて、巻いて。ず〜っと繰り返し。何が楽しいんだか。」
「それが、良いんだと思うよ。何も考えずに、頭真っ白にボーッとしてさ。」
「ユウさんが、同じ事言ってた。」 「何?ナオは違うの?」
「ずっと考えてるから。どうしたら魚が釣れるかって。漁師はそれが仕事だし、
ボーッとなんかしてられない。ホントにボーッとしてたら、危ないよ。」
「は?漁師?」 「そう、私、島では漁師だったの。物心着いたときから、ずっと。」
「あの、ね。無茶振りやめてよ。漁師だなんて、どんなリアクションしたら。」
「あ、来た!」
1166
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:35:59 ID:UfcnNssk0
「嘘、もう5分過ぎたよ。一体、どんな魚?」
「しっ、気が散るでしょ。黙って。」 「そ。」 「でも、こんなの。」
「大丈夫。真理ちゃん、タモ。あの、その網取って頂戴。」 「はい、今すぐ。」
「うわ!何この魚。メッチャでか。」 「ナオ...凄い血。グロいよ。」
「こうした方が美味しいの。命を頂くんだから、美味しく食べないとね。」
「あんた何者? もしかして、ホントに、漁師?」
「そう言ったでしょ。お祝い事があるから魚が必要だったの。
自分のお祝いは、自分で。このお魚たちのお陰で、きっと美味しい料理が作れる。
きっとユウさんも、喜んでくれる。」
「ユウさんって、あの人だよね?ユウが下宿してる親戚の、年上で。」 「そう。」
「じゃあ『お祝い事』って、何?」 「結婚するの。」
「???」 「結婚?」 「ユウさんが?誰、と?」 「私と。」
1167
:
霧
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:40:53 ID:UfcnNssk0
「詳しく、聞かせなさいよ。何でそんな大事な事、今まで黙ってたの?」
「だって、みんなに会えなかったから。ずっと前に婚約はしてたんだけど、
ユウさんが大学卒業して就職したから、お父さんとお母さんが許してくれたの。」
「アンタね...私たち、どうしたら良いのよ。
それがホントなら、何を置いてもお祝いしたかったのに。」 「そうだよ。」
「ホントに?」 「え?」
「お祝いに出席して欲しいって言ったら、みんなで来てくれる?」
「当たり前でしょ。」 「絶対行く。」
「私たちみんなナオにどれだけ助けられて、なのにこんな...。」
「ううん、みんなに助けられたのは私。
みんなが友達にしてくれたから、今の私がある。ホントに、ありがとう。」
「馬鹿馬鹿馬鹿。何でアンタは、いっつもそうなの?」
「久美、泣きすぎ。メイク流れてるよ。」 「どうでも良い。真理もユキも同じじゃん。」
「これじゃ、お茶するの無理だね。きっとお店の人もお客さんもドン引き。」
「ナオ、あんた。」 「...ええと、あの、冗談だから。」
「うんうん、ナオは冗談なんて、言った事なかったね。さ〜て。」
『霧』 完
1168
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/09/30(金) 21:45:22 ID:UfcnNssk0
皆様今晩は。再び、藍です。
色々ありまして、やらかして、少々鬱です。
しかし、何とか『霧』の投稿を終える事ができました。
怒られるのに備えて、元気を出すために、寝ます。
頂いたコメントへの返信はまた今度。
それではお付き合い頂いた方々に心からの感謝を、
本当に有り難う御座いました。
1169
:
名無しさん
:2016/09/30(金) 21:48:13 ID:Pz2aOi2sO
藍さん続きをありがとうございました。リアルタイムで読めて光栄です。
ハッピーエンドで嬉しいです。藍さん正直過ぎて萌えます。お疲れ様でした。おやすみなさい。
1170
:
名無しさん
:2016/09/30(金) 23:58:31 ID:YtghXU8Q0
何だろう、霧の出だしって3人というか・・なんだか幻惑されるような出だしで何故か読み返してしまう。
何だろ、この違和感。
1171
:
名無しさん
:2016/10/24(月) 18:49:04 ID:pzT1zOIwO
謎の部分も霧の中。
1172
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 20:39:03 ID:RAx5GQ6s0
>>1100
『奇跡を起こすのは自分』、本当に、有り難いご指摘です。
1173
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 20:40:53 ID:RAx5GQ6s0
>>1101
>>1102
お待ち頂き感謝致します。有り難う御座いました。
1174
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 20:50:05 ID:RAx5GQ6s0
>>1103
お待ち頂き、有り難う御座いました。
>>1104
管理者様方の御努力により、既に復旧したようですね。
>>1105
稲に関するお祭りは、とても大切です。有り難う御座いました。
>>1106
お待たせしました。コメント、感謝致します。
>>1107
お待ち頂き、本当に有り難う御座いました。
1175
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 20:56:47 ID:RAx5GQ6s0
>>1109
お待たせして申し訳有りません。有り難う御座いました。
>>1100
色々やらかしましたが、続編を投稿できたのは皆様のお陰です。
1176
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 21:08:02 ID:RAx5GQ6s0
>>1111
全く同感です。有り難う御座いました。
>>1113
>>1114
>>1116
>>1117
>>1118
新作をお待ち頂き、感謝致します。有り難う御座いました。
1177
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 21:13:51 ID:RAx5GQ6s0
>>1133
似た体験、興味深いですね。有り難う存じます。
>>1134
ご期待頂き感謝致します。
>>1147
このお屋敷の凄さについては、私もチェックしてます。
有り難う御座いました。
>>1148
本当に深いコメント、感謝致します。
>>1149
ご明察、すばらしいです。
1178
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 21:26:12 ID:RAx5GQ6s0
>>1169
リアルタイムでお読み下さったのですね。
投稿の励みになります。有り難う存じます。
>>1170
むしろ私は4人か5人と感じました。
敢えて名前が省略されているのも面白いと。
>>1171
『霧の中』
クリスティ、それとも芥川を踏まえたコメントでしょうか。
もしかしたらさださんかも。本当に、有り難う存じます。
1179
:
藍
◆iF1EyBLnoU
:2016/10/25(火) 21:31:07 ID:RAx5GQ6s0
皆様今晩は、藍です。
昨日仕事から戻り、弟の指示も仰いでできる限りの返信を致しました。
もし返信漏れがありましたらご容赦下さい。
明後日からまた仕事に出ますが、
何時か次作を投稿出来る事を祈って頑張ります。
『霧』をお読み頂き、本当に有り難う御座いました。
1180
:
名無しさん
:2016/10/25(火) 22:39:25 ID:n.yNXTW20
やっぱり知人氏って術者なのかな。文章に何かが籠る様な気がする。
そしてそれはフェイクを入れたくらいじゃ収まらない。
原本って漢字沢山の墨書きみたいなやつなのかなぁ
1181
:
名無しさん
:2016/10/26(水) 22:25:47 ID:aOb4ZQc2O
藍さん、お忙しい中ひとつ一つご丁寧な返信をありがとうございます。
恐れ入ります、神話系に詳しかったら教えて頂きたいのですが、天香香背男命と天香具山命は同じ存在でしょうか。親子?昨年から倭文神社に近い所が揺れてて気になってます。
返信NGでしたら華麗にスルーでお願いします。
起きたのかなと思いました。
千人引きの岩繋がりのあるイザナキ命と天手力男命とタケミナカタ命の関係も気になっていて、話の共通性からタケミナカタ命と天香香背男命は同じ存在か三つ子とかかなと妄想してます。
オリオン座流星群の時期に揺れたのも因縁深いように思って。
ただの好奇心です。スレチすみません。
1182
:
名無しさん
:2016/10/27(木) 01:18:51 ID:nvrI/R2g0
御一族の神名帳の事がばれると忌部(出雲)系、海部(尾張)系、物部系、もしくは出羽系なのかがバレちゃうんじゃないかと
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