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怖い話Part2

139 ◆iF1EyBLnoU:2013/06/09(日) 18:12:03 ID:BEI3CUXA0
『道標(上)』

 強い日差し、アスファルトの道路に逃げ水が見える。
既に梅雨が明け、日差しはもう真夏のような強さだ。暑い。

 榊さん行きつけの喫茶店で打ち合わせを終え、車を停めたコイン駐車場に戻る。
千円札を両替して料金を投入していたら、背後から声を掛けられた。
「ねえ、あれ、お兄さんの車でしょ?」
振り向くとセーラー服を着た少女が立っていた。右手でロータスを指さしている。
膝上の短いスカート。派手目の化粧、もともと綺麗な顔立ちなんだろうが、これでは駄目だ。
セーラー服なら絶対に膝小僧が見えてはいけないし、化粧なんて言語道断。
正統派セーラー服嗜好の俺としては、神聖なセーラー服を汚されたような気がして不快になる。
「そうだけど。何で、あっ。」 手元が狂って百円玉を一個落としてしまった。
百円玉は軽い音を立てながら少女の足下に転がった。
少女がしゃがんで百円玉を拾う。白い足、下着が見えそうだ。ますます不快になる。
「はい。」 少女が歩み寄り、掌に載せた百円玉を差し出した。
「ありがとう。」 軽く頭を下げて百円玉を受けとる。
少女はじっと俺の顔を見ている。


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