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鬼和尚の仏教講読会 別館2
663
:
避難民のマジレスさん
:2021/08/01(日) 08:27:19 ID:byGj7T4Y0
486
竹箆背髑 しっぺいはいそく
背髑主山閑話頭 背触は主ざんの閑話頭
誵訛着着沒來由 がうぐわ着着らいゆなし
梨花院落黄昏月 梨花院落くわうこんの月
説向愁人不解愁 説いて愁人に向ってうれひを解かず
くま訳
竹箆という言葉による差別に従い誤るか、従わないで嘘になるか。
背触は、首山省念和尚のちょとした公案である。
誵訛(ごうが)の正しい語源、来歴がはっきりとしないと言う様な話である。
ナシの白い花の咲く中庭で、黄昏の月を見て何を連想するか、(は人それぞれ)
悲しんでいる人に悲しみを説いても、悲しみを解消してやることはできない。(言葉は、解決策をもたらす
とは限らないと言う事である。)
*竹箆背髑:首山省竹箆禅師、竹箆を拈じて衆に示すの語、「汝等若し喚んで竹箆と作さば卽ち觸る。喚ん
で竹箆と作さざれば卽ち背く、諸人宜しく喚んで甚麼と作さん」と。卽ち背せず觸せざる所に於いて、日
用光中とするなり、卽ち他なし、竹箆は竹箆に非ず、卽ち是れ竹箆なり、其の他何の向背かあらん。(大
成脚注)
竹箆:短い警策です。入室の時などに修行者を策励するために使う。
*誵訛:誵は殽の方正しとす、絲の錯雑紛糾して容易にとけざる混雑の様子をいふ、又錯り傳ふる意、展轉
殽誵權を以って實となすの類なり。(大成脚注)
*權:音読み「ケン」「ゴン」訓読み「おもり」「はかり」「はかる」「いきおい」「かり」。元々誤読
だったが、勢いがあったので、正しくなってしまったと言うことでありましょう。
*主山:首山省念和尚 臨済五世の法孫
*愁人:愁人(しゅうじん):① 悲しい心を抱いている人。なやみのある人。② もののあわれを解する人。
風流人。詩人。文人。
*愁人莫向愁人説、説向愁人愁殺人(愁人は愁人に語ってはいけない。愁人に語ればいよいよひどく悲しませ
る。
*無門関四十三則 首山竹篦(しゅざんしっぺい) 洪福寺HPより
首山和尚,竹篦を拈じて衆に示して云く、
汝等諸人,若し喚んで竹篦と作さば則ち触る。
喚んで竹篦と作さざれば則ち背く。
汝諸人,且く道え,喚んで甚麼(なん)とか作さん。
無門曰く,喚んで竹篦と作さば則ち触る。
喚んで竹篦と作さざれば則ち背く。有語(うご)することを得ず,無語することを得ず。
速(すみ)やかに道え,速やかに道え。
頌に曰く,
竹篦を拈起(ねんき)して,殺活(せっかつ)の令を行ず。
背触(はいそく)交馳(こうち)す,仏祖も命を乞う。
洪福寺HP 卓道和尚訳・解説抜粋
首山省念(しょうねん)和尚が竹箆を拈じて修行僧たちに言うには、
これを竹箆と呼べばそれは間違いである。
竹箆と呼ばなければそれもまた嘘になる。
それでは何と呼ぶか。
そこを無門が評して、竹箆と呼べば誤る。
竹箆と呼ばなければ嘘になる。
語ってもいけない。黙っても駄目である。
さっさと答えろ、さっさと答えろ。
そこを漢詩に詠って、
竹箆を拈じて命ぎりぎりのやり取りを行っている。
背触(はいそく)が入り混じった処、ここでは釈迦も達磨も命乞いをする。
(´・(ェ)・`)つ
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