>>38-39 カサブランカの天使
فوق الدار البيضاء..الملائكة لا تحلق
(カサブランカの上に天使たちは飛ばない)
この作品は、アラビア語名の表記にブレがあるようで、メディアによっては
次のようにも書かれていたりします。
الملائكة لا تحلق فوق الدار البيضاء
الملائكة لا تحلق في الدار البيضاء
「食物持込禁止」と英語・ヘブライ語・アラビア語で書かれている所にアラブ女性
が食べ物を持ち込み、スマダルが口語アラビア語で注意するのですが、
肝心の「食物持込禁止」(ممنوع من الدخول مع أكل)という文語アラビア語表示
がそのアラブ女性には読めない、という体たらく(文盲率の高さのため)。
スマダルが女性から食物を奪い取って、ゴミ箱に捨てます。おそらく実体験でしょう。
シリア政府は、ゴラン高原はシリア領だと強硬な態度を取っているわけですが、
軍事境界線のシリア側には
「シリアへようこそ」(Welcome to Syria اهلا بك في سورية)
という看板が立っていたので、ちょっと気になりました。
イスラエル側にも「イスラエルへようこそ」(Welcome to Israel)という
看板が立っていたので、対抗したものでしょうが。
映画祭「第10回 東京フィルメックス」で公開されたイランのクルド人である
バフマン・ゴバディ(بهمن قبادی ;Bahman Ghobadi)監督の2009年の最新作
『ペルシャ猫を誰も知らない』(کسی از گربههای ایرانی خبر نداره ;
No One Knows About Persian Cats)を観て来ました。
ゴバディ監督はこの映画祭の常連で、これまでも『亀も空を飛ぶ』や >>69で紹介した『半月』など、クルド社会を描いた秀作を演出してきました。
今回の『ペルシャ猫〜』は首都テヘランで撮影した異色作です。