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介護保険制度について語るスレッド

1管理人:2004/01/23(金) 01:33
2000年4月に介護保険制度が施行してから現在までに、多様な問題点
が指摘され、各所で議論されてきました。

主立ったものを挙げれば、要介護認定に関わるもの、ヘルパーの人材
不足、介護に携わる人々の資格や労働条件に関するもの、サービスの
メニューや負担に関する地域格差、契約に関する問題、などかと思わ
れます。
そしてこれらに加え、民間部門の問題や供給のあり方とともに、公的
部門が今後いかように福祉サービスに関わってゆくのかについても問
われているように思われます。
大味なネタ振りではありますが、このスレッドでは以上を踏まえ、介
護保険制度についてみなさんに議論していただきたいと思います。

2名無しさん:2004/01/23(金) 16:03
介護保険なんぞ、終わってるっちゅーの!
あほ。

3名無しさん:2004/01/23(金) 22:01
まずはネタその1。障害者との統合に関して

<介護保険見直し>障害者福祉との統合議論 厚労省が消極姿勢

 05年の介護保険見直しで、厚生労働省が障害者福祉との統合を検討している問題で、同省は22日の
「障害者の地域支援生活のあり方に関する検討会」で、サービス内容の具体的な議論を公開の場で行うことに
消極的な姿勢を見せた。有識者や障害者からは「経過を明らかにすることこそ必要だ」との声が上がっている。
(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040123-00002101-mai-soci

4名無しさん:2004/01/23(金) 22:08
そしてネタその2。最近流行の介護予防がらみで。

厚労省が介護保険見直し、介護予防利用に重点

 厚生労働省は介護保険の財政悪化を防ぐため、介護の必要度(要介護度)の軽い人へのサービス内容を
抜本的に見直す。介護が必要になった原因で利用者を3種類に分類。特定の病気でなく加齢による身体機能の
衰えが原因の場合は、掃除など家事援助の利用の前に介護予防サービスの利用を義務付けるのが柱。
身体機能改善への取り組みを怠って状態が悪化するのを防ぎ、給付費を抑制する。2006年度の実施を目指す。

 介護保険は制度発足から5年後の2005年に制度全般を見直すことが法律で決まっている。厚労省は今夏にも
改革案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出する予定。ただ介護保険は保険料や利用料を負担し、
希望する介護サービスを選ぶのが原則のため、サービスの制限や義務付けには反発も出そうだ。 (07:03)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040119AT1F1800318012004.html

5にゃにゃし:2004/01/23(金) 23:49
障害者はともかく、老人医療との関係はどうなるんだろ?

6名無しさん:2004/01/24(土) 03:13
>>4
>掃除など家事援助の利用の前に介護予防サービスの利用を義務付けるのが柱。
>身体機能改善への取り組みを怠って状態が悪化するのを防ぎ

この辺、相当怪しい(笑
家事援助をなくすことが身体機能改善につながると考えるのは、少々短絡的すぎるんでない?

7名無しさん:2004/01/24(土) 10:39
>>6
それは読み方が甘くないか?
「身体機能改善をするような人には介護サービスを提供するけど、怠けてて何もしない人には
サービスを提供しないよ」ってことでしょ。
どっちかといえば、生保の、「売れるものがあるうちは売ってから申請しろ」っていうのと
似ているような気がするけど。

8名無しさん:2004/01/24(土) 14:31
怠けているかどうか、というのは政策の問題ではなく生活習慣の問題かと思われ。
家事援助をしないことが、怠惰な習慣の改善に寄与するインスピレーションとなる
かどうかは未知数でしょう。
でも、習慣ってライフサイクルのなかで培われるものなんだから、高齢期になって
からそれを変えるというのはなかなか難しいと思うけどな。

9名無しさん:2004/01/24(土) 20:44
>>8
そりゃそうだ。だけど、難しそうだからといってチャレンジする前にあきらめるなってことじゃない?
たとえ10人に1人でも、習慣が変わってサービス利用時期が遅くなれば儲けものじゃないかな?

10名無しさん:2004/01/24(土) 21:26
>>9
>儲けもの

この発想は少しいただけない。ちょっとパターナリスティックな感じもするし。
私だって高齢者自身の生活習慣の改善への寄与が望ましいとは思うし、行政に
できることはあるとも思っていますよ。ただ、それは家事援助をなくす、とい
った縮小戦略によってではないのではないか、と言いたいのです。
こういった問題にアタックしたいのなら、根本的には啓蒙策しかないのではないか、
と基本的に私は考えているわけで。

11名無しさん:2004/01/25(日) 01:55
>縮小戦略

不可避だろw
どの自治体もお金ないんだって。

12名無しさん:2004/01/25(日) 04:07

あんたら、政策と習慣って、別次元の問題をごっちゃにしたらあかんよ。

13名無しさん:2004/01/28(水) 10:56
健康保険
健康保険の適用事業所で働く人(民間会社の勤労者)
業務外の病気・ケガ、出産、死亡
老人保健制度
医療保険制度の加入者(被保険者・被扶養者)のうち、75歳以上(注)の老人(ねたきりの人は65歳以上)は、医療保険の医療給付の対象から除外され、老人保健制度の医療を受ける。
介護保険
65歳以上の者、40歳以上65歳未満の医療保険加入者
要介護状態・要支援状態(40歳以上65歳未満の場合は、加齢に伴って生ずる一定のものに限る。)

厚生年金保険
厚生年金保険の適用事業所で働く民間会社の勤労者
国民年金
60歳未満の日本国民
老齢、障害、死亡
労災保険
原則としてすべての事業が適用を受け、そこに働くすべての労働者が給付の対象
業務上・通勤途上の病気・ケガ、障害、死亡
雇用保険
原則としてすべての事業が適用を受け、その適用事業に雇用される労働者が被保険者
失業

14社会福祉学科卒:2004/01/28(水) 17:58
根本的な議論の焦点は、
「今後の高齢社会を支える財源をどうするか?」
という問題でしょう。介護保険が今のままでは維持できないため、軽介護部分
の分離、被保険者の拡大(20歳以上〜とか)、さらなる報酬の見直し等があ
る。それでも財源不足であるなら、消費税をアップさせて「福祉目的税」にす
るという議論が出てくる。
でも、歯止めの利かない高齢化に対しては、どれも根本解決にならないと思う
のです。私の独断と偏見では、「家族介護」の奨励及び徹底支援しかないと思
います。「核家族→大家族」という流れを作り、子供が両親の介護を担うとい
うこれまでの我が国の介護スタイルを復活(学校教育等で啓蒙)させ、それに
対して国や自治体は何ができるかを考えるべきなのです。その視点で介護事業
者も事業展開すべきなのです。ちょっと極論かもしれませんが、「家族介護」
という視点がこれからもずっと続く福祉財源の不足を補うベターな選択なので
す。(あえてベストとは言いません。)

15R:2004/01/28(水) 18:21
俺もカキコしよっか。

財源問題はたしかに・・・
消費税率の問題だと、直間比率の話も絡むから、所得税の税率の問題もリンク
してくる。これは当然だけど。

家族介護の推奨も、betterな選択肢。でもbestではない。
bestが見つからない状況で、betterを模索するというのが、今の基本的な流れ
だよね。
ただ、「核家族→大家族」はちょっと難しいと思われ。
駄レス須磨祖

16名無しさん:2004/01/28(水) 22:27
>>14
家族介護の奨励=女性による介護の増加=男女差別
時代逆行だろうね。

財源問題で言えば、日本の場合、農業と医学あたりと、
サラリーマンとの租税負担の不平等、支出では建設業などへの
偏重という問題がある。猪しか走らなくても高速道路は作るし、
誰もいらなくなっても造ると決めたダムは作る。
そういうところにメスが入れば、財源問題はある程度緩和できるのでは?
むしろ、介護者の不足が深刻になりそう。

>>15
bestが達成できない状況での、betterな選択肢を経済学ではsecond bestといいます。
ちょっと知識のひけらかしw

17R:2004/01/28(水) 23:56
>16

うわぁ、レスついてるw
こんな廃れたHPなのに、案外見てる人いるってことかな?

second bestは知らないよな。勉強になったよ。

18管理人:2004/01/29(木) 01:50
ニューススレッドにも掲載しましたが、一応。


<介護保険見直し>障害者福祉との統合議論 厚労省が消極姿勢

 05年の介護保険見直しで、厚生労働省が障害者福祉との統合を検討している問題で、同省は22日の「障害者の地域支援生活のあり方に関する検討会」で、サービス内容の具体的な議論を公開の場で行うことに消極的な姿勢を見せた。有識者や障害者からは「経過を明らかにすることこそ必要だ」との声が上がっている。(毎日新聞)
[1月23日0時1分更新]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040123-00002101-mai-soci

19管理人:2004/01/29(木) 01:59
ひとこと。

介護保険関係では、実務上、ケアマネージャーの質も問われているようです。

資格がらみで老施協9月号(2002)に以下の発言(中村氏)が掲載されていました。
「力のないケアマネージャーが多く、いろいろ問題が出ているということで、資格
の認定をという動きになっている。そこで日本ケアマネジメント学会とも連動する
意味で、老施協総研の最高顧問に井形先生を迎え入れた。ここ1,2年のうちに、ケア
マネージャーA級、B級といった形での上級ケアマネージャーが認定される動きになっ
ている。そのへんの動きも皆さんの視野にいれていただきたい」。

#人的資源は量的不足だけではなく、質も問題である。政策研究にあたっても、この
 認識は重要かと思われます。

20社会福祉学科卒:2004/02/01(日) 11:31
議論白熱、大いに結構。
ところで、「家族主義」は「女性差別」につながるとの事、「男女共同参画」の
時代に出てきそうな意見ですね。でも、福祉財源が足りない、介護人材が足りな
い状態で、全国の要介護高齢者のケアを行き届かせることが果たしてできるので
しょうか。介護保険が要介護高齢者全員をケアできないから、「軽介護」を外し
たり、「介護予防」に注力したりという動きが出てきている訳です。それならば、
「家族介護」を奨励して、社会サービスはそれをサポートするもの、とした方が
資金を投入するパイは確実に絞り込めるように思います。
何も、女性を介護に縛りつける事はありません。もっと柔軟に就労形態を制度化
すればいいのです。男性向けの「育児休暇」があるぐらいですから・・・。私は、
近年の「結婚せず・出産せず・男性以上に飲酒・喫煙・不倫をしている」女性に
非常に嫌悪感を持ちます。男性を蹴落として肩で風を切って歩くのも結構ですが、
男性の「悪い部分」を真似て本当に男女平等だと思っているのでしょうか???
最近ヒットを飛ばしている「負け犬の遠吠え」という単行本は、「何かを言い当
てている」ような気がします。

それから、ケアマネの質が悪いという意見がありますが、非常に表面しか捉えて
いないように思います。資格を取得している本当に力のある人はケアマネ業務を
していません。医療機関の「婦長」だったり「主任」だったりします。つまり、
看護の世界の人間はスキルアップの一つとしてケアマネを取っても、賃金が低い
介護の世界には入ってこないのです。「事務所賃借料」と「人件費」「事務費」
を負担しても十分に独立してやっていけるだけの介護報酬にならないと、本当に
力のあるケアマネは増えていきません。皆さん、生活がかかっている訳ですから。

大いに反論を求めます。

21R:2004/02/01(日) 14:40
>私は、近年の「結婚せず・出産せず・男性以上に飲酒・喫煙・不倫をしている」
>女性に非常に嫌悪感を持ちます。

これはあなたの主観に過ぎないわけだが、

>それならば、「家族介護」を奨励して、社会サービスはそれをサポートするもの、
>とした方が資金を投入するパイは確実に絞り込めるように思います。

というのは、その通りかと。
ただ、高齢者や障害者の人権を保つことが、女性たちの犠牲の上になり
たつということであれば、それは大いに問題かと。

>大いに反論

こちらも望むところなのです。

22名無しさん:2004/02/01(日) 16:31
まず、家族介護の件。
これは、現在のところ、政策的に介護費用が安く抑えられすぎていることに起因しているのでは
ないかと思います。
例えばヘルパー。1時間働くと10万円もらえるのであれば、ヘルパー希望者が激増します。
1時間頼むと1万円支払うのであれば、希望者は激減します。
>それならば、「家族介護」を奨励して、社会サービスはそれをサポートするもの、
>とした方が資金を投入するパイは確実に絞り込めるように思います。
そんなことをする必要は無いと思います。今は1割の自己負担を2割、3割にあげ、
ヘルパーの時給も高くなるように誘導すれば、済むと思います。
むしろ、安易に家族介護を奨励すると、現在独身の人、あるいは高齢になって
死別した高齢者など、介護の網の目から落ちる人が、現在でも多いのにそれがもっと
増えてしまいます。あるいは家族はいるが仲が悪い場合など、強制的に介護させられると
当然虐待が多発するでしょう。

ケアマネの質は、個人的には20氏の意見にも納得しません。そもそもの「ケアマネの
力のある人」ってどういう人か、ですよね。婦長とか主任看護師とか、確かに
看護に関しては力があるかもしれませんが、「看護の力=ケアマネの力」ではないと
思います。現在、例えば小児病院に5年間つとめた看護師は受験資格がありますよね?
高齢者のことを全く分からなくても、受験資格があって、ちょっと勉強すれば
資格が取れる、そういう仕組みのほうがケアマネの質の低下につながっていると思います。

2322:2004/02/01(日) 16:43
雑感です。
介護保険とちょっと外れますが、最近、「資格厨」って増えている感じがします。
2ちゃんねるにも「ヘルパー→介護福祉士→社会福祉士→ケアマネジャーとスキルアップ」などと
書かれる事もたびたびです。
本来は、資格を得てからが勝負のはずなのに、資格を得ることが目的になっている感じです。
資格というのは、取得した段階では「権利」を得るだけのはずですが、取得したらまるでもう
一人前になった気がして、次の資格、次の資格と追い求める、そんな感じです。
今のケアマネにはそういう人が多いというのも、質の問題を問われる一因かなと思っています。

24R:2004/02/01(日) 22:06
>>22
>今は1割の自己負担を2割、3割にあげ、ヘルパーの時給も高く
>なるように誘導すれば、済むと思います。

それが難しいんだにょ。
介護保険以外にも社会保険は各種あるわけだしさ。
間接税率UPもかなり議論されてるけど、財源問題はそれだけじゃ
解決はしない。

>「看護の力=ケアマネの力」ではないと思います。

看護の力は、あきらかにケアマネの必要要件じゃない?
看護できないケアマネって、どう思う?

25R:2004/02/01(日) 22:13
>>23
>本来は、資格を得てからが勝負のはずなのに、資格を得ることが目的になっている感じです。
>資格というのは、取得した段階では「権利」を得るだけのはずですが、

その通りなんだけど、ま、受験ってそういうもんですよ。
受かるまで中は見えにくいってにゃ。
合格してからの仕事への取り組みでみた方が生産的っぽ。

2622:2004/02/01(日) 23:32
>>24
短すぎてちょっとわからないな。社会保険があると、自己負担の上昇ができなくなるの?

国債の問題とかも考えれば、なんらかの税率アップは必要なわけで、直接取るか、間接的に取るかという
選択肢しかないわけだよね。それが、税率アップに関しては、はっきり書けば選挙の得票と関連しているから
しぶっているわけだろ?で、税率をアップしても国防費とかビル建設に使われてはたまらない、という
不信感が市民にあるからアップできないわけで、そこらは政策論の範疇から外れるのではないか?

また、看護の力はケアマネの必要条件じゃないよ。医師や社会福祉従業者が看護の力を持っているわけではない。
そもそも『介護』保険であって『看護』保険じゃないわけだから、看護のできないケアマネがいてもかまわないんじゃない?

27R:2004/02/03(火) 06:31
>社会保険があると、自己負担の上昇ができなくなるの?

つまり、市民の支払いはたくさんある、ってことです。
家計に占める可処分所得が少なくなっちゃうでしょ?
ご飯とか食べなきゃいけないんだからさ。

>税率をアップしても国防費とかビル建設に使われてはたまらない

目的税にすれば問題ないんでない?
政策論からは外れませんよ。というか、そのものかもね。

28R:2004/02/03(火) 06:37
>看護のできないケアマネがいてもかまわないんじゃない?

まね。
でも、資格とるためにどういうキャリア積むんだっけ?
人手不足もあるし。ワーカーさんたちの支援が本筋なんだろうなと。

2922:2004/02/04(水) 02:27
>>27
書かれた内容は理解しましたが、納得しません。
まず、前段。
可処分所得が減少することを理由に、ヘルパーの賃金を政策的に低く抑えるということだと
思いますが、以下の2点において異論があります。
1.介護事故などが起こった場合の費用に関して、仮に100万円支払うとする。
これは、週に20時間働くヘルパー10人の時給を100円高くして1年間たってようやく溜まる額。
ヘルパーの賃金を抑えると、熟練ヘルパーがいつかないので介護事故が発生しやすくなる。
それならはじめから100円高くして、熟練ヘルパーをいやすくする政策のほうが望ましいのではないか。
2.もうすこし、マクロに見た場合、介護保険費用の引き上げと、所得税や消費税の値下げを組み合わせて
可処分所得を一定にすることも可能である。この場合、当然それ以外の支出(例:建設など)を
抑えるという政策が成立すると思われる。

次に後段。
確か、「消費税は福祉目的税」ということで成立したはず。では、その年に、消費税分だけ
福祉に予算が回ったかというと、Noですよね。目的税以外の部分を削れるから。
「目的税で100億円収入がありましたので福祉に回します。ただ、目的税以外の
部分で110億円減らしました」…そういうことを平気で言いそうな政府への不信感です。

30管理人:2004/02/04(水) 04:57
>>29
関連して、こんな記事もみつけました。「ニュース」スレではなく、こちらでの
議論の参考にしてもらうのが妥当と考えました。

●「消費税を福祉目的税に……」のワナ●経営部 八木晴夫

 先月(10月)4日、自自公各党首が会談し、「消費税を福祉目的税に改め、
全額福祉に充当する」との合意がなされたとマスコミ各紙が報じた。
 そもそも消費税は、「福祉に使うから導入させてくれ」と称して執行されたも
のであった。ところがいざ開始されてみると、そのうち約3%しか福祉に充当さ
れていないことはすでに国民周知の事実であった。その国民の怒りを逆手にとっ
て、全額福祉に使用することにしたのだから、「めでたい、めでたい、よろこべ!
」といわんが如くである。
 しかし、ちょっと待って下さい。目的税の定義は「特定の事業に充当するために
課す税」であったことを思い起こそう。ここで言う「特定の事業」とは、どのよう
なものであったのだろうか?

・税金のみでまかなうべき事業(税方式)であること。
・当該目的税の税収の範囲内で執行してさしつかえない性質の事業であること。
要するに「税収が十分なら十分にしなさい、税収が0なら事業は一切できませんよ」
ということである。
・恒久的、安定的(に国家が成すべき)事業とは考えられず、一般財源の支出に不適
当な事業であること。要するに、いずれは不要になるかまたは国家が手を引くことを
予定している臨時の事業であって、「予算案提出→国会審議」に値せず、こんなもの
に大切な一般財源を取られたら困るということである。

31管理人:2004/02/04(水) 04:58
その2

 以上を踏まえて、冒頭の自自公合意を論理学的に整合性があるように書き直すと、
以下の如くになる。

(1)福祉は税金のみでまかなう(税方式)こととし、従前の社会保険方式は廃止する。
(2)福祉の総費用は、消費税の税収範囲内にとどめ、他の財源の使用は一切認めない。
(3)福祉は価値が低く、一応臨時的に行っておくが、将来は不要となるか、又は手を引
く予定である。(…めでたい、めでたい、よろこべ!…とは正反対ですね)

〈(1)(2)について〉
すでに厚生省は2025年度の給付費は107兆円と推計し、消費税率は36%となる
ことを指摘している(1999年度で、国の消費税収入7兆3000億円で福祉費用8
兆8000億円であり、既に不足している)。また事業主負担がなくなり、家計負担が
増加することも指摘している。大蔵省は「財政・税収の現状は与党も理解している。
財源も与党の責任において議論していただけると思う」と消費税率の引き上げを含めた
議論の進展への期待感を表明している。

32管理人:2004/02/04(水) 04:58
その3

〈(3)について〉
客観的に言葉の意味を予断を交えずに分析すれば、(3)も内包することになる。福祉目的
税ということになれば、厚生省の財源は原則として主力は目的税ということになる。
すなわち「予算案提出→国会審議」に値しない目的税を主に執行する部署が果たして省庁
といえるのかということになる。これはとりもなおさず厚生省の存亡の危機であり、単な
る事務所に格下げされることとなれば廃止するのは誠に容易なことである。

厚生省はそのことを鋭敏に感じているようであり、先月4日の自自公合意発表前から種々
の発言がみられている。その一部を以下に列記する。

「…一切言わないで、とにかく税でやれと言う点が危険。…無責任だ」
「…事業主負担はどこへ行くのか。経団連は、一切の社会保障制度から、手を引きたいと言
っているようにみえる」
「消費税の福祉目的税化は非現実的」などなど

33管理人:2004/02/04(水) 04:59
その4

〈結語〉
1、人間心理として3つ並べると最初と最後は注目されるが、中央は見落とされ易いことが知
られている。そこで、中央にこれがあるのとないのとで正反対の意味になる「福祉目的税に改
め」の8文字を配置するというワナ。

2、消費税は逆進性が強く反福祉性の高いことで知られている。いわば、福祉に要する費用を
福祉を必要としている人々から徴収するというワナであり、何ら福祉になっていない。更に事
業主負担も免除されることになる。

3、現在でも消費税だけでは不足しているので、一度目的税化すれば、消費税率を上げる必要
がある。すると逆進性により、福祉を必要としている人の生活は苦しくなる。従って福祉給付
額を増やすことが必要となる。そのためには、消費税率を更に上げることが必要となる。この
繰り返しにより、消費税率が止めどもなく上昇し続けることになる。更に高齢化などにより福
祉を必要とする人が増加することによる消費税率上昇の加速も追加される。以上のワナにハメ
られることとなる。

4、厚生省の地位は低下の一途をたどり実質的には、自助努力同然となった福祉から国は手を
引くこととなり(消費税は一般財源にもどす)、途方もなく高率となった消費税が残ることと
なることも危惧される。

5、広範な人々の対応が必要と考えられる

【京都保険医新聞_第2193号_1999年11月1日_4面/理事提言欄から】
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/khoken-i/syuchou/pages/1999/teigen/te991101.htm

34:2004/02/05(木) 00:51
>>29
今、帰宅しました。返事遅くなってめんご。

>それならはじめから100円高くして、熟練ヘルパーをいやすくする政策のほうが望ましいのではないか。
そういう考えも当然あり得る。というか、アリでしょう。でもさ、誰しもが可処分所得の減額を嫌がる。基本的に。第2次的分配で徴収されるお金は介護保険に限られない。他者の効用縮減を求めるところに福祉は成り立たない、というのが私見なんですが、やはり限界があるって思うにょ。
といっても、徴収の仕方がいかにあるべきかっていうのは、規範的価値の問題だから、色々あって良いと思う。時代環境に適合した、より良いものを暫定的に採用していくしかないんだと思うな。

>可処分所得を一定にすることも可能

理論的には同意します。でも、マクロで最適分配が可能といっても、必ず分散が存在するからね。
これ、実際やってみないと、なかなか分からない。さらに、政策形成にはアクター間の利害も絡む。

>そういうことを平気で言いそうな政府への不信感です。

信頼や連帯に否定的であるなら、社会保険が成立しにくい土壌があるってことだよね。
私が不思議なのは、官僚や政治家自身が信頼を失うようなことをやりながらも、その重
要性を説くあたり。何も、介護保険に限られたことではないけど。ワーカーさんとか、
やってらんないって気になるんじゃないかな?


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