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最新刊として「アポロンのコンステレーション」を公開しました

9藤原肇:2020/04/02(木) 08:24:58
ご無沙汰しています。
武漢ウイルスで世界は大混乱ですが、私のブッククラスターをジグゾウパズルとして読み、ゲシュタルトで世界を理解している人には、『アポロンのコンスタレーション』が現代史を解くキイだと理解していることと思います。そこで第三巻の『体感世界のイニシエーション』をアマゾンの電子版にアップしたのでご案内します。また、数回読まないと行間に埋め込んだ鍵は見つからないように工夫してあります。東京五輪に関しては第二巻を参照下さい。なを、この本に関しての議論はメールが封鎖されているので、意見のあればメッセージはアマゾンの書評欄を使い情報の公共化でお願いします。藤原肇
内容紹介
 いよいよ第三巻に入った。
オリンピックが利権の巣窟になり、政治家や詐欺商売に明け暮れる人が、出没して久しい世紀のスポーツの祭典が、竜巻に翻弄されている時代にあって、宣伝とデマゴギーの洪水が荒れ狂っている。そんな混迷の時代にあって、オリンピック問題を考える上で、世界で最も必要とされている本がここにある。
しかも、選ばれた者だけに読まれるために、半世紀前に書かれた本ですが、タイムトラベルになるし、1964年の東京五輪の実態を知るには、第二巻を読めば1940年と2020年の五輪が、なぜ潰れたかの意味が分かるでしょう。
 第一巻はオペラでは序曲に相当し、登場人物の横顔と共に、遠望して全体像を眺め渡した時に、常に絡み合って付きまとう、パッソ・オスティナートが、最初のページで読み取れる。それはアルパージュで、夏の季節を過ごした羊の群れが、駆り集められトラックで下界に運ばれ、ツアラトストラが譬えた、畜群の鳴き声を残して姿を消す。また、実りの秋の夕べの町で、高みを目指すアルピニストの主人公が、町の中心地の人だかりに、テレビ・ブームを目撃して、情報革命の訪れを意識し、第一幕のカーテンが上がる。
 場所はアルプスの町グルノーブルで、1964年秋の東京五輪が、宇宙中継の実況放送により、フランスにテレビ時代を生み、それを地球の裏側から、情報革命として眺めたのだ。第二巻は幕開きの続きであり、彼が生まれ育った東京の町は、オリンピック準備で利権化し、開発の名の下に破壊され、住民の故郷感覚が踏みにじられたので、新しい故郷を求めて旅に出た。
アルプスの町グルノーブルで、山に登り新しい留学生活を通じ、様々な体験を積み重ねながら、異文化で育った人との交友で、世界の多様性を肌で感じて、異質の世界に馴染んで行く。そして、切手の蒐集趣味のお陰で、経済社会の隠れた部分に目覚め、新しい経験を消化しながら、成長して行くのである。この時期の主人公は貧乏学生だが、山に登る人生があったので、節約することで心の余裕を保持していた。
良書は編集者と著者の共同作業で、誕生した歴史があって、目の肥えた編集者の提言とチェックに基づき、読むに耐える練度を高め、歴史の荒波の中で生き残るものになる。だが、電子版で誰でも本が出せ、優れたプロの仕事が省かれて、本作りの良い伝統が崩れ、紙の本でも売れるものが主体で,錬えた腕と目を持つ編集者が減り、不出来の本の洪水になる。
傘寿を過ぎた頃だったが、危うくあの世に迷い込む、そんな疾病体験をしたので、手遅れにならない内にと、大いに慌ててしまい、第一巻と第二巻を公開した。だが、校閲がなかったために、予想外の誤植が目立ち、文章における練度が劣っていて、筆致と文体の至らなさで、著者としての悔悟が残るが、それは重訳の時に改めたい。本書はそれに続く第三巻で、「起承転結」の「承」に相当し、脱皮を積み重ねた時期で、七章からなるこの第三巻は、次のような章立てで構成されている。
第一章 グルノーブルのサロンとダ・ヴィンチの秘密
第ニ章:騎士道精神と紳士のマナーの相克
第三章 市民党旋風の誕生とオリンピック都市
第四章 シャルマンソンの陽光と隠れた読者
第五章:ウィーン流の愛の錬金術と金融の世界
第六章 霧に包まれた現代史
第七章 満月の潮待ちの祭壇

10藤原肇:2020/04/02(木) 08:28:20
さて、グルノーブルで体験した、サロンの影響の余波で、フランス第二のリヨンに招かれ、そこで得た人脈の繋がりが、ダ・ヴィンチの世界に結び、中世の精神が身近に浮上する。イギリス娘が指摘した、騎士道精神の価値が、現代的な装いを持つ紳士道より、魅力に富むのだと学び、男女関係の機微に迂遠で、練度の低い江戸っ子は、大人たちの通念を理解した。
だが、若者特有の正義感や、自然を好む性格により、地域の政治や山歩きに、より強い魅力を感じて、女性に愛を捧げるよりも、一段と高い優先順位になる。それには理由があって、彼の級友たちの多くが、パートナーの影響を受け、授業を脱落しがちになり、それが彼を用心深くし、ブレーキ役を果たしたのだ。
次の冬季オリンピックを開催する、グルノーブルの市政を巡って、パリに陣取るドゴール大統領が、フランスの栄光を目指したのに、自治と福祉を主張する住民が対立して、市民党が生れ市政を掌握した。そして、町を包んでいるそんな雰囲気には、国家と故郷への親近感の差が、対立関係として絡み合い、執拗低音の形で流動し、歴史の底流として感じ取れた。
ウィーン生まれの切手商は、かつて精神科医だったが、戦争で人生航路が狂って、グルノーブルに住みつき、彼が教える恋愛対位法は、着実に教育効果を発揮していた。伝統主義に支配されて、若者特有のロマン主義と、儒教道徳に凝り固まっていた、主人公にメンターの形で、老人はマッサージを施し、精神的な柔軟性を与えて、通過儀式への道に誘導した。
しかも、国家と民族の間の対立は、幾多の紛争の原因になり、近現代史を突き動かしてきたが、情報革命が進行する中で、対立は激化しているし、世紀末は刻々と迫っていた。時代の流れの中で、国家と国に関係について、権力としての統治形態としての政体と、生まれ故郷としての国の問題が、異国体験を通じて強く意識され、文化と民族主義の関係で考察されている。
しかも、この問題に著者は半世紀前に取り組み、現代史の問題を過去の歴史との関係で、突き詰めて考察し自問自答している。これは考える能力が低下している現代にあって、極めて重要な問題提起であり、「学而不思則罔 思而不学則殆」の教訓を思い起こし、今何を論じることが必要かを強く感じさせるのである。
世界は拝金主義に席巻され、構造主義はフランスで、米国ではヒッピー文化が、歴史の渦流を巻き起こし、それが世紀末の予兆として、混乱時代を感じさせるのである。


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