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最近読んで印象的だった本

233 藤原肇 :2016/01/03(日) 17:34:21
大晦日を目指した読書が一段落し、新年を迎えるに際して書を開きに、大事に取っておいた『露伴の俳話』を読んだ。江戸っ子の露伴の語り口は痛快で、新年にふさわしい爽やかさがあると感じた。この本の著者名は高木卓であり、幸田露伴を母方の伯父に持つし、『露伴の俳話』の著者でもある。露伴の甥の彼はドイツ文学を教え,旧制の水戸高校や一校の教授を経て、東大の教養学部や獨協大学で、学生に文学指導をすると同時に、小説や文芸評論を書いていた。
彼の書いた小説が1940年に、芥川賞に選ばれたが彼は受賞を辞退し、習作だからと辞退理由を述べたが、春秋ならぬ若月筆法に従えば、拒絶すべきだったという過激論も、生まれても良いということになる。それでも、当時の芥川賞の選考人のレベルは、その後の堕落した顔ぶれに較べたら、石川達三や堀田善衛の作品を選んでおり、それなりの水準を維持していた。だが、その後の芥川賞の堕落は酷いものであり、そのケースとしてこんな話がある
。かつて大杉栄について書いたが、それを読んだ伝記作家の小島直記さんに、昼食に招かれて葉山に行って、大杉が伊藤野枝に刺された、日陰茶屋で御馳走になり歓談した。その時の対談が『賢者のネジ』に収録されていて、次のような発言を小島さんがしている。
「・・・小説はフィクションとして読者に迎合するから、どうしても面白くしなければならないので無理がある。あれだけ国民に人気のある司馬遼太郎でも、かなり嘘を書いているのに,読者はそれに気がつかないで、小説を歴史と取り違えている。小説を書くときの悩みはそれをどう克服するかであり、そこに小説や文学の限界を感じた。そのために、私は同じ小説でも伝記を書くことに人生の路線を改めました。・・・」
実はこの時に活字にしなかったが、対話では興味深い話が語られ、小島さんが伝記作家になった真の理由として、次のように語られていたのである。その発言を対談記事には収録しなかったのは、発言者の品性と節度に配慮し、「ゲストの横顔」の文章の中に入れたのだが、それは次のような内容である。「・・・初期の小島さんは文学作品を書こうと手を染めて、その作品が偶然に芥川賞候補にノミネートされたが、受賞したのが『太陽の季節』だったので,日本文学のお粗末さに呆れて見限りをつけ、歴史の中に志を持つ人物を求めたという。・・・」
 その後に太陽族を発生させた、こんな愚劣で幼稚な話に飛びついて、それに文学賞を与えて恥じない連中が、日本の文壇を支配していることに、反発した小島直記を私は見直した。私に言わせれば芥川賞の最高作品は、第11回に決まっていると思うが、その著者は幻の文学の達人に属しており、それが高木卓先生だったのである。


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