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最近読んで印象的だった本

231 藤原肇 :2015/12/30(水) 10:30:59
同じことが「デジャ・ビュ」感覚としてあり、モンテーニュが生きた16世紀は、ルネッサンスの光に照らされていたとはいえ、宗教戦争によるが殺戮が繰り返し、ペストが蔓延して原野に死体が晒され、人口が半減していた時代である。そんな時代にめぐり合せたとはいっても、モンテーニュは帯剣貴族として、シャルル九世やアンリ三世の宮廷に仕え、ボルドー市長として非常勤では、王室の侍従武官や騎士団に属し、後にアンリ四世になるナヴァール公には、侍従の形で関係を維持していた。過酷な宗教戦争の中で両派の間に位置し、争いの圏外にいても信頼され、自分の時間は瞑想と省察で過ごして、相対的な真理の探究を楽しんだ、モンテーニュの晩年の生き方は、私にとって手本にしたい生き方だ。私も彼のように多角的に観察し、最悪の事態があるのを想定しながらも、「メールストームの渦」に対しては、常にそれを眺め下す高みに立つようにして、渦の中には巻き込まれないように、生きて来たのが過去の旅路だったが、喜寿を迎えた記念にその足跡を、読書絡みでこの欄に書き綴った。
こうやって展望台の上から振り返って,良くここまでたどり着いたと感じ、その僥倖を得難いものだとしみじみ思うが、人生双六の上がりに至るまでに、多くの分岐点と誘惑があったのである。役人や政治家にならないで済み、詐欺商売の金儲けにも溺れずに、外国の機関の手先にもならないで、自由人として生きてこれたのは、誘惑をその都度退けて自由な道を選んだから、大渦に吸い込まれなかった。そして、今回の読書体験を通じて得た教訓は、『随想録』には一行も書いてないが、モンテーニュがバスチーユ監獄に収監され、僅かのチャンスで解放された事実で、『ミッシェル城館の人』がそれに触れていた。優れた古典として『エッセー』が読まれ、全世界で何百万人もの読者がいたのに、本を読んだだけではそれは分からない。ジグゾウパズルを組み立てることにより、宗教戦争の歴史を追及した過程で、気づいた人が何百人かいたにしても、著者が片鱗も感じさせないよう配慮し、五百年近くも隠し続けた秘密に、たどり着けたのは読者として幸運である。
しかも、堀田善衛は秘密を掘り出したし、『ミッシェル城館の人』を読んだお蔭で、私もそのお裾分けにあやかリ、発見の快感を楽しむことになった。だが、この発見の喜びに共通するのは、『百人一首の暗号』について意見を述べ、魔方陣の秘密について論じ合った、在りし日に結びつくのだし、それが懐かしく蘇ったのだった。また、日本人で『ミッシェル城館の人』を読み、そこまで感じ取った読者の数は、至って限られているに違いない。しかも、それを感じるには千年の秘密を保った、百人一首についての謎解きと共に,魔方陣の神秘への知的好奇心が、決め手になっているのだろうと思う。これが読書をする醍醐味の一つで、死ぬまで読書中毒から抜けられないが、2015年はこんな読書の連鎖反応があり、大晦日がその記念すべき瞬間として、一つの峠を越したことになった。
山路を上りながら考えた夏目漱石は、「・・・智に働けば角が立つ、情に掉させば流される、意地を通せば窮屈だ、とかくこの世は住み難い」と書いた後に、「住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟ったとき、詩が生れて、絵ができる」と書いたが、漱石が言う安いところの意味は、物価や家賃が安いのではなく、心が休まる安易なところを指すと思う。だから、彼は午前中に小説を書いてから、午後には漢詩や英詩を読んだというが、俳句も存分に楽しんだに違いない。


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