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最近読んで印象的だった本

17 尾崎清之輔 :2007/10/29(月) 00:11:39
『アナログという生き方』藤井尚治(著)(竹村出版)

最近読んで印象に残った本ではなく、出版から既に10年以上が経過したが、時折読み返したくなる書籍の一つである。
藤原ブッククラスターの方々やこの掲示板を訪れる方々の多くがご存知の通り、今は亡き藤井博士はストレス学の泰斗であり、二十世紀における碩学の一人であった。
『ストレス学者として、モダン・ディフィカルテーズ(Modern Difficulties=現代を特徴づける困難な問題)にたいへん興味をもって』おられた藤井博士は、

★アナログという生き方は、学歴や肩書、財産といった他人と比較して相対的に決まってくるデジタルな価値に重きを置くのではなく、「好き」とか「楽しい」とか「うれしい」といった主観を大切にする生き方である。人間はしょせん主観でしか生きられない。世に言う客観は、その主観のバランスを保つためのもの。

という内容の序文から始まり、読み手に勇気と希望そして清々しさを与えてくれるような多くの印象的な文章が散りばめられた、書き下ろしの力作である。
この一冊のみでも、嘗て「藤井先生を保存する会」が何故存在したか、その理由が良く分かる。

★他人と比較しないで済む絶対的な価値をもっている人はやはり強い。これは「こうだからこうだ」というロジック(論理)の世界には決して存在し得ない。「アナログ」とはアンチ・ロジックを意味している。論理を超越した絶対的なものに人生の価値を置くことが、アナログという生き方である。もう少しわかりやすく言えば、”大切なもの”をもっている人と言い換えてもいい。

★私たちはいつも他人のことを近似値でしか理解していない。その近似値の上に立って、他人のことを好きだとか嫌いと言っている。私たちは言語で思考しているから、実は自分のことも近似値でしか理解していない。ヨガや禅で瞑想するのは言語という「知」を離れて、本当の自分=真実に出会うためである。本当の自分の中には他人(との関係)が宿っており、自分を深く知ることができれば、その程度に応じて他人のことも深く理解できるようになるのである。

また、コンピューターが人間社会に及ぼす影響について、その情報量の増加に対して個々人の内部反応を、

★混信、誤信、不信や適応能力の挫折といった、機械的なミス・コミュニケーションは当然予想されることであるが、人体独自の抵抗のかたちの拒絶反応、つまり、自主的な”受信”の放棄が生まれたらどうなるか。萌芽はすでに現れているようである。

と冴えた目で捉えているが、これは藤井博士ご自身の過去の著書からの引用であり、その著書『医者とコンピューター』(東明社刊)は何と昭和46年に出版されている。
この時代に30年以上も後の世界をここまで完全に予測しきった書物は他には見当たらない、といっても過言ではないと思う。

★形而上で計算した「自己実現」は人間のエゴが作り出したものだから、早晩壊れてしまうだろう。ライフプランニングという言葉もおこがましい。そこには人間が自分で人生を決めていくことができるという傲慢さが見え隠れする。「人生をいかに生きるか」なんてことに、本当は人間は答えられないのである。その場その場で人生は変わってくるし、すべては神様が決めていると考えたほうがうまく行く場合も多い。

★運があるのは、捉われやこだわりから解放されている時。それもいつまで続くか、わからないのが人生なのである。ただし、運は呼び込むことができる。心身のバランスをとって勘を働かせればいい。欲望を捨てて相手のことを考えればいい。完璧にできなくとも、そう心掛けているだけで、そのうち何とかなる。

★「勘」と「運」。目に見えないものを大事にするのが、アナログという生き方だ。

そして著者も言及している通り、アナログという生き方の根幹を以下4つにまとめている。

★人生のできごとを大局観で見て、考えること。些細なことは気にせず、何が大事か、考えてみることだ。自ずとやることが観えてくる。

★一生新手である。新しいことは面白いし、面白いことでないと、一生懸命やることはできない。新手はいつも少数意見だから、発揮するのは力がいる。

★他人から信頼されること。ここではセリエの愛他的利己主義が役立つ。「自分の楽しみ」と「他人に役立とう」という2つの観点で生きることだ。

★知と情のバランスをとること。知に傾けば冷たい人間になるし、情に溺れれば面倒な事態を引き起こす。中庸という生き方ができれば、一番である。

そして最後に、この一文をもって締めくくられている。

★人生、そんなに深刻なものではないから、楽しんだ奴が勝ちに決まっている。


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