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蟲づくし・禽づくし・獣づくし・魚づくし
326
:
チバQ
:2014/04/07(月) 22:07:09
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014040702000207.html
郊外のカラス60キロも移動 夏秋は遠出好き
2014年4月7日 夕刊
郊外に生息するカラスに、季節ごとに移動距離やねぐらを変える性質があることを、宇都宮大(宇都宮市)の杉田昭栄(しょうえい)農学部教授(61)の研究チームが解明した。野鳥を介した感染症の予防や、農作物の食害対策へ応用できそうだ。 (大野暢子(まさこ))
国立科学博物館付属自然教育園(東京都港区)が二〇〇〇〜〇三年度、都心で行ったカラスの追跡調査では、大半の個体は半径五キロ圏内で暮らしていた。一年中、決まった場所に出される生ごみを餌にしているためとみられる。
これに対し、郊外のカラスのほうが行動範囲が広いとみられることは以前から指摘されていたが、杉田教授は「郊外のカラスの、季節ごとの行動の違いを追跡調査で明らかにしたのは初めて」と話している。
杉田教授は一一年から、長野県飯田市と栃木県真岡市で調査を開始。両市で計約三百七十羽を捕獲し、衛星利用測位システム(GPS)の受信機を着けて放ち、約二百二十羽を再び捕まえて移動記録を調べた。
その結果、カラスは春、畜産農家周辺をねぐらにし、一日数キロ程度しか移動しなかった。巣作りの季節のため、遠出を避け、配合飼料など家畜の餌を食べているとみられる。
夏から秋にかけては、一日に三十〜六十キロも移動。果樹園のブドウや柿、魚やネズミなどの小動物を、広い範囲で探して食べていると分析している。餌が少なくなる冬には再び、畜産農家付近で生活。ただ、春と異なり、よりよい農家が他にあれば、長距離の移動をする例もあった。
杉田教授によると、カラスは十数羽の小集団で行動することが多い。親子の結び付きも強く、子は生後一年以上、親と過ごす場合もある。家族や仲間と情報をやりとりする中で、いい餌場や安全なねぐらに集まる可能性が高い。
杉田教授は「冬前に畜舎付近の森で枝打ちをし、カラスよけの設備を置くなどすれば、ねぐらになるのを防げる」と指摘。鳥インフルエンザや口蹄(こうてい)疫といった動物の感染症は、カラスが媒介している可能性が指摘されているが、「やみくもにカラスを害鳥として警戒するのではなく、季節に応じた対策で感染症や食害のリスクは減らせる」と語った。
今後は畜舎内に定点カメラを置き、カラスがどんな行動をしているかも詳しく調べる。
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