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電力・発電・原子力スレ
5712
:
とはずがたり
:2020/03/26(木) 21:55:40
日本が石炭火力依存続けば2流国に落ちる根拠
https://news.livedoor.com/article/detail/18010571/
2020年3月24日 7時55分 東洋経済オンライン
私はいま、日本の状況を大変憂えています。液化天然ガスの最大の輸入国で、石炭と石油についても世界のトップ4の輸入国。そして、発電の3分の1を石炭火力に依存している――。
拙著『グローバル・グリーン・ニューディール』にも詳述しましたが、気候変動の問題が危機的状況にある現在、大胆な経済政策の転換、「グリーン・ニューディール」――スマートでデジタル化されたインフラの整備、社会の脱炭素化、グリーン経済部門における雇用創出等――を地球規模で実現することが人類の急務です。
日本ではいま、約100基の石炭火力発電所が稼働しています。そして、新たに建設中または建設予定のものが22基ある。この22基が排出する二酸化炭素の量は、全米で売られているすべての自動車が排出する量に相当します。日本は、グリーン・ニューディールどころか、その逆の方向に進んでいるのです。
「座礁資産」に気をつけろ
問題は排出する二酸化炭素の量だけではありません。新しく建設される石炭火力発電所は、すべて座礁資産になってしまいます。座礁資産というのは、市場や社会の状況が急激に変化することで価値が大きく下落する資産のことです。再生可能エネルギー技術が安価になれば、需要の下落により地下に埋蔵されたままになる化石燃料や、石炭火力発電のために開発されたパイプラインや海洋プラットフォーム、貯蔵施設、発電所など、関連するあらゆる資産が放棄されることになります。
原子力発電は問題外です。原子力発電のコストは1キロワット/時当たり112セント程度ですが、天然ガスと石炭は40〜50セントです。太陽光・風力発電の発電コストは30〜40セントなので、日本が原子力発電や石炭火力発電を続けることはさらに座礁資産を増やすことになります。
私は過去20年間にわたってEU、そして最近では中国に対してゼロ炭素社会への移行に向けてアドバイスを行ってきました。中国はすぐに行動に移し、太陽光・風力発電への投資額と設備容量で世界のトップになりました。現在はリアルタイムで国全体の送電網(グリッド)をデジタル化しています。
グリーン・ニューディールへの移行の中心となるのは、第2次産業革命のインフラを構成する以下の4部門です
1)ICT/通信
2)エネルギーと電力
3)内燃機関による移動/ロジスティクス(物流)
4)居住用、商業用、工業用および公共機関の建物群
注目すべきことに、日本はエネルギーと電力以外の部門では世界のリーダーです。エネルギー部門だけが中国やEUの後塵を拝している。その原因となっているのが、TEPCO(東京電力ホールディングス)です。
しかし、よい兆候もあります。東電は、株に比べて変動が少なく安全で、利益が予測しやすいグリーンボンド(温暖化対策や環境プロジェクトなどの資金を調達するために発行される債券)の発行を検討しています(注:発行体は再生可能エネルギー発電事業を手がける全額出資子会社、東京電力リニューアブルパワー)。
ドイツの取り組みから学ぶこと
ドイツの例からも、日本が学ぶべきことはたくさんあります。2005年頃、ドイツにおける太陽光・風力発電の割合はたった4%で、残りは石油・石炭などの化石燃料と原子力によるものでした。しかし、太陽光・風力発電のコストがかなり安くなったこともあり、2018年には、再生可能エネルギーが全エネルギー源の35.2%を占めるまでになりました。
オーストリアの偉大な経済学者シュンペーターは「創造的破壊」について説明しましたが、それは新しいビジネスが古いビジネスを駆逐するというもので、インフラの移行こそが歴史上最も大きな破壊であることは理解していませんでした。およそ100年前に電灯が発明されると、あっという間にガス灯に取って代わりましたが、それが好例です。インフラが移行する際には、ビジネスモデルを変えなければならないのです。
ドイツは新しいビジネスモデルを創りました。再生可能エネルギーの割合が大きくなったことで、ドイツを含むヨーロッパは2010〜2015年の間に1800億ドル相当の金額を失いました。日本も同様の「創造的破壊」をこの2、3年の間に経験するでしょう。
大手電力会社は、石油・石炭・天然ガスという中央集権型のエネルギー源による発電に強みを発揮します。これらは、採掘から輸送、電力への転換に多額の資本を必要とするからです。しかし、再生可能エネルギーによる発電は分散ネットワーク型です。太陽光パネルや風力タービンは、小規模な発電施設として無数に建設され、企業や地域、個人が、自分で使うエネルギーの生産者になることができます。
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