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電力・発電・原子力スレ

4302とはずがたり:2017/05/16(火) 12:38:13
>>4301-4302

■日米原子力協定を更新できなければ何が起こるか

 阿部は、2018年に迫る日米原子力協定更新という事実を指摘する。1988年の発効以来、期限30年のこの協定は2018年7月17日に切れる。アメリカが期限延長のノーを通告できるデッドラインが6カ月前の1月。なぜ、これが問題かといえば、日本は非核保有国であるにもかかわらず、国内にプルトニウムを貯蔵できる世界で唯一の国なのは、日米原子力協定によって保障されているからなのだ。

 万が一、協定の更新ができなければ、何が起こるのか。

 日本の原発は「核燃料サイクル」という原発稼働によって生じるプルトニウムを再利用するという思想のもと、<核保有国にだけ許される再処理施設、濃縮施設などをフルセット>で持っている。それを可能にしたのが、この日米原子力協定なのだ。

 つまり、この協定の更新をアメリカが拒めば、日本の経済産業省が「原子力ルネッサンス」の名の下作り上げてきたこの「核燃料サイクル」が破綻してしまう。

 一方のウエスチングハウスは東芝の8000億円の債務保証がなければ、倒産は必定。しかし、それでは米国のラストベルトで働く7000〜8000人の雇用が失われる。それをトランプ政権は許さない。

周囲がその死を許さない
 こうした構造をあぶり出したうえで阿部はこう書く。

だから日本は、何が何でもウエスチングハウスを支えなければならない。だが、東芝救済に公的資金を直接投入するのは、安倍政権を揺るがす激震になるだろう。1980年代バブルの後遺症で起きた90年代後半から2000年代初めにかけての金融機関の不良債権処理で国論が二分された経験からも、それは明らかだ。まして原子力ルネッサンスの旗を振った中心メンバーが、安倍政権の中枢にしっかり組み込まれているとあっては、土台が揺らぐ。

 つまり、東芝問題は、日本の原子力政策を支えた経済産業省・政治家の鉄の絆に楔(くさび)を打ち込み、経済産業省で「原子力ルネッサンス」を押し進めた官僚が政権の要諦をしめる安倍政権の崩壊につながりかねない問題なのだ。

 だから東芝はすでに死んでいるにもかかわらず、周囲がその死を許さないゆえに続いている、と阿部はその原稿で指摘していた。

■このまま死なせてくれ! 

が、死人ではない。眠っているのかと尋ねると、全身が震えて呟く。
「そうだ――眠ってるんだ。起こさないでくれ――このまま死なせてくれ!」
耳ざわりな、きれぎれの、うつろな声だった。そのまま7カ月近く、呼吸ひとつなく彼は横たわっていた。「死」そのものが催眠術で眠らされていたのだ。とうとう覚醒させる実験を試みることになる。
眼球の虹彩が下がり、瞼の下から脳漿が流れ、絶叫がほとばしった。
「後生だ! ――早く! ――早く! ――眠らせてくれ……俺は死んでるんだぞ!」
全身がどろどろに崩れてしまった(創元推理文庫版『ポオ小説全集4』より)。
いま in articulo mortis(臨終)に直面している東芝の延命は、おそらくこの催眠術にひとしい。

 この日米原子力協定と東芝の関係以外にも、行政改革の鬼と世間から高い評価を受けた土光敏夫の栄光にわれもあやかりたいと、経団連などの財界ポストに血道を上げる歴代トップの確執と嫉妬をつぶさに描くなど、まさに調査報道誌『FACTA』の面目躍如の「大裏面史」。

 (敬称略)

武田 昇


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