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日本中世史スレ

170名無しさん:2015/11/02(月) 23:06:42
>>169

 そう、それくらい、日本人は西欧思想の根幹を、自分たちに肌合いが分かる言語と思想として150年前から肉体化してきている。

 で、他の東アジア諸国では、下手をするとそれが丸々、全部抜け落ちて存在していない。中国や韓国だけを取り上げて貶めるようなつもりは全くありません。でも、日本人が徹底して消化している、こうした国際性は、昨日、今日作られたものでは全くないのです。

 実はこの「陽明学こそは日本の近代を支え、世界のトップランナーに日本を踊りださせた原動力」という考え方は、刑法の團藤重光先生から徹底して強調されて学んだものでした。

 山田方谷と吉田松陰のやり取りなども團藤先生から伺ったもので、本(「反骨のコツ」)にも収録されていますが、実は文献で確認したわけではありません。

■ 山田方谷の教えを受けた團藤重光先生

 ただ、維新後の明治10年まで備中岡山で存命だった山田方谷を直接知る人たちから、大正2年に岡山で生まれた團藤先生は直接教えを受けておられます。

 そして、ご自身の主要な仕事、團藤先生は敗戦後、GHQと粘り強く交渉しながら新憲法下での刑事司法を全面的に書き換える大仕事をされましたが、それを支えたのは方谷以来の陽明学そのものでした。

 西欧の学術を接木の見よう見まねでやっていてもダメで、陽明学の本質、知行合一と自ら確かめたファクトがあれば革命もまた義なり、という確信があったからこそ、近代日本はこのように優れた、強い文化を作り上げてこられたのだ、と幾度も幾度も力説してこられました。

 私が團藤先生のお供をさせていただいたのは先生が90歳を超えての10年弱でしたが、軽井沢などで現役最高裁判事の方が挨拶に来られたりする時、「陽明学」と言うと「はいはいはいはい」といった(おやおや・・・さすがの團藤先生も耄碌したかな、というような目の色が明らかな)反応を幾度も目撃しました。

 中国も韓国も、古代に書かれた文字に縛られる伝統―権威追随の「朱子学」型の学術スタイルをいまだに引きずって、西洋由来の学問を本当に消化することができずにいる。それではダメだと思うのです。

 西洋由来の学問を自分自身の血肉にするうえでは、「天は自ら助くる人を助く」という言葉の持つ2つの意味、元来のキリスト教の文脈と 、それが日本社会に完全に消化される経緯の双方をしっかり比較しながら理解できなければならない。

 そうやって西洋文化をしっかり消化して自家薬籠中のものにしない限り、フランス革命前後にヨーロッパで開花した法思想を、日本の国民感情のもとで民主的に運用して、判例を積み重ねながら法思想を成熟させていくことなどできるわけがない。核のごとき主体的な知の力が必要不可欠なのに、今回の「裁判員」はM君あたりがまた・・・。

 といった具合で特にキリスト教会に1000余年の歴史を持つ「陪審員制度」と比べて非常に不徹底と批判しておられた「裁判員」制度の具体的な細部を批判されつつ、本当に最後まで團藤先生は強調しておられました。

 團藤先生は日本の刑法を書き直されましたが、ファクトに立脚して決然と「革命」も辞さないという反骨の思想と行動は。自然科学系のノーベル賞業績のすべてに求められる、基本的な最低条件でもあるのです。

伊東 乾


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