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「ソルフェジオ音階」
1
:
近藤 貴夫
:2011/02/25(金) 08:05:09
最近、インターネット上の検索で、「ソルフェジオ音階」について
言及するブログや、その調律用の音叉を売る通販サイトを見つけた。
あるブログに依れば、DNAの研究者レオナルド・ホロヴィッツ博士の
著書"Healing Codes for the Biological Apocalypse"が直接の
元ネタらしく、大元の提唱者(発見者)はヨゼフ・プレオ博士という
人物らしいが、私はまだその著作を読んでいない。
けれども、決定的な疑問を幾つも持っており、ソルフェジオ音階が
グレゴリア聖歌本来の音律であったという、各ブログに書かれている
説明が原著の通りだとすると、その主張は肯ずることができない。
ここでは、その疑問の内容を述べ、余裕があればそれについて具体的に
考察する。
2
:
近藤 貴夫
:2011/02/25(金) 08:34:34
(1) 修道士らが歌うには高すぎる音域
Ut = 396Hz から、La = 852Hz に分布するとされるソルフェジオ音階の基準音。
Ut は、女声が普通に出せるソの音(g1)より若干高い音で、
La は、それよりオクターヴ以上高いソ♯(g#2)とラ(a2)の間にある音である。
この上に更に Si を設定することに言及するブログもあるが、それは 963Hz で、
ラ♯(a#2)とシ(h2)の間の高さに相当する。
このような音域を歌えるのは、ソプラノの歌い手だけであって、古代や中世の
修道院や教会にいた修道士や男性聖職者が歌えるわけがない。
グレゴリオ聖歌は、歌詞をつけて歌われるべきものであるから、いくら何でも
こんな高音域に設定されるわけがなく、おかしい。
3
:
近藤 貴夫
:2011/02/25(金) 08:45:56
(2) 不協和音程だらけの音律
ソルフェジオ音階の周波数より計算すると、Ut〜Mi間と、Fa〜La間が
それぞれ比率3:4の完全四度音程である以外は、軒並み、二桁同士、
三桁同士の振動数比であって、不協和音程だらけと言っていい。
音楽的に美観に欠けるこのような音律が、たとえ一時的であれ、歌曲に
使われたことがあるとは想像しがたい。
因みに、この音階でグレゴリオ聖歌を実際に歌った音源や動画がないか
少し探してみたが、見つけられていない。
4
:
近藤 貴夫
:2011/02/25(金) 12:22:16
(3) 古代に周波数の数値で音律を規定するだろうか
周波数(振動数)というのは、単位時間あたりの振動の回数のことである。
そしてその単位時間は、普通は1秒のことだ。
何らかの単位時間を測るには、振り子の等時性を利用するなどすればいいとして、
古代にどうやって、一秒間に何百回という振動を数えたのだろう。
私にはその手段が思いつかないし、そんな方法で規定された音律があったとは
信じがたい。
逆に、協和した音程を作るためには、耳でも、楽器の操作でも容易に確かめつつ
作業することができる。音高よりも音程のほうが手軽であり、私の知る限り、
基準音を物理的に決めたら、あとは音程で調律方法を定める音律しか古代には
知られていないはずである。
だから、聖書の中に暗号として、周波数で規定された音律が書かれていたというのは
眉唾ものだと思う。
5
:
近藤 貴夫
:2011/02/25(金) 12:35:54
(4) 「秒」は文化に依存する単位であるから、それを使った振動数の数値が、
聖なる意味を持つとは考えがたい。
1日の時間をどのように区切るかというのは、文化圏によって異なる。
例えばインドでは、伝統的には1日=30時間(ムフールタ)に分割する。
当然ながら、「秒」に相当する短い時間の単位も、文化圏や時代によって異なる。
1日を大きく日の出・日の入りで二分割する世界では、季節によって昼と夜の
時簡単位が不均等になるが、近代以前ではそれがかえって一般的である。
そのような「1秒」あたりの振動数の数値が、どうして普遍的な意味で聖なるもの、
特別な力を持つものと考えられるのか、私には不思議でならない。
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