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【破ァッ!!】寺生まれのTさんスレ

561寺生まれの名無しさん:2015/05/31(日) 12:30:16 ID:Y2BISLtU
とりあえず、投稿でしょ

562ターボ婆:2015/05/31(日) 12:55:47 ID:Y2BISLtU
関東地方のとある道路をスピードを出して走っているとよくないことが起きる。
その日もあるNが猛スピードで道路を走っていた。 Nが後ろを何気なく見ると真っ青になった。
後から信じられない速さで老婆が走ってきたではないか。
Nは怖くなり、更に足を早めた。 時速100キロ― だが走ってくる老婆はそのNを追い越して走っていった。
追い越しざま、おばあさんはNの方を向いてニヤリと笑った。
Nは負けじと更に速度を上げ老婆に並ぶ、息が切れ、心臓が爆発しそうになり顔からは更に血の気が引く、負けられない一心で老婆を抜かし返した。
老婆は一瞬ぎょっとしたが必死の形相でNに並びNと老婆は走り続けた。
翌日、サービスのベンチで意識を取り戻したNは、情けをかけた事を後悔させてやると思った。

563☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/02(火) 03:29:42 ID:SsrFQSbk
>>562
たしかターボ婆って車を追い越せる程の足をもってたよね
それに情けをかけられるNさん…すごいwww

陸上部入って、スポーツ推薦で進学したら良かったんじゃ…なんてつっこみはなしだよね

564覚醒(3):2015/06/02(火) 06:25:02 ID:VDzhwncQ
階段を昇った先に劇場入口はあった。三本エンドレスリピート上映の仕様であるため、いつでも入場していいにもかかわらず、扉の前の広い廊下には何人かがぽつんと佇んでいたり、ベンチに座っている者がいた。サラリーマンふうの中年から初老の男性まで、客層はバラバラだった。
上映途中だから、時間調整でもしているのかな、などと思いつつ、ぼくは気にせず中に入った。関係ない。目当てはエロで、ストーリーではなかったのだ。
扉を押し開き、スクリーンの明かりだけが頼りの薄暗い世界を、良さげな席を探して歩いた。
200人は収容できる場内の入りは三分程度といったところ。平日の昼間だというのに、暇人が多いなと、自分を棚上げして思ったのも最初だけ。すぐにここの異様さに気がついた。暗がりに目が順応してきたからだ。
朽ちていた。
ろくに清掃がなされていなかった。シネコン隆盛の現在ではあり得ないレベルだった。
座席に虫が這っていた。

565寺生まれの名無しさん:2015/06/02(火) 20:29:58 ID:RHpnHr1U
>>563
100キロ超で駆け回れる時点ですでに怪現象、チーターが短距離走に参加出来ないのと同じでNさんはスポーツ推薦を取れません。
自作ながらNさんやTさんの車と張り合えたT父の県大会はどの世界の県大会なんだろう。
Nさん並みの速さのT父でも全国に行けない、全国の壁は厚いそう思った。

566クリスマス:2015/06/08(月) 22:13:20 ID:B.RmN3oo
クリスマス、トムはサンタクロースからのプレゼントを楽しみにしていた。
朝起きるとクリスマスツリーの下にプレゼント箱が3つほどあった。
窓からサンタが中を覗いているのが見える。サンタはニタニタと笑いながらトムを見ている。
トムはニタニタ笑っているサンタを見て少し不機嫌に思いながらもプレゼントの置いてある所に行った。

トムはまず一つ目のプレゼントを手に取った。サンタは更にニタニタと笑っている。

プレゼントの箱を空けると中から長ズボンが出てきた。
トムは少しがっかりしたような表情をしながらも次の箱を手に取った。サンタは腹を抱えて笑っている。

二つ目の箱を開けると中からサッカーボールが出てきた。
トムはますます不機嫌になり、とても腹が立った。

トムは続けて一番大きな最後の箱を開けた。
すると中から自転車が出てきた。
サンタは雪の上を転がりまわって笑っているトムはとうとう耐え切れなくなって泣き出してしまった。

567クリスマス:2015/06/08(月) 22:30:08 ID:B.RmN3oo
暫くして、トムはツリーからやや離れた場所にあるもう一つの大きな箱に気付いた。
トムは箱に入っていた義足を着け長ズボンを履き、サッカーボールを蹴って義足の調子を確かめた。
義足は本物の足の様に動き、違和感もまるで無い。
次に少し不安だったが自転車に乗った。
補助輪無しの自転車にいきなり乗ってこげる筈も無くトムは転びそうになった。

転びそうになったトムをサンタが支える。
「破っ破っ破っ、プレゼントは気に入ってもらえたかな」
そうサンタはTさんだったのだ。
「逸る気持ちも分るが、今夜は遅いここまでだ」
そう言ってTさんはトムをベッドに寝かせると窓を割って去っていった。
トムは感謝するべきなのか、通報するべきなのか何とも言えない微妙な気持ちのまま寺生まれは凄いと思う事にした。

568☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/10(水) 02:41:46 ID:I6fs8NQM
>>565
それもそうですねw
わぁアホが露呈してしまったー


あとついでに
前回より画像が薄くなってしまいましたが、書いてみました。
http://i.imgur.com/9T2p8Ny.jpg

自分としては陰気さが上手く行った!!キリッ

569寺生まれの名無しさん:2015/06/10(水) 18:49:25 ID:DwwbMBns
ついカッとなってやったばかりに後に引けなくなって、人を呪わば穴二つとドツボに嵌った凡人キャラの雰囲気が強いです。
今までの話はやらかした凡人キャラのNさんをTさんやKさん、Jちゃんが救おうとしている風に見えてきました。

自分は些細なことでもこの世の全てを怨めるDMCのクラウザーさん(根岸祟一)なNさんでイメージしていました。

570☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/10(水) 20:08:23 ID:I6fs8NQM
>>569
もっとアクの強さが必要ってことですか

うん最近のNさんの話(特に双眼鏡の話)に影響されて、凡人くさくなってるかも

参考になります

571☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/12(金) 00:17:23 ID:BScDQrcE
話は変わるのですが……ここんとこ寺生まれ板が滞ったり、だいたいの怖い話は破ァしているんで考えてみたんですが

今日(6月11日)のちかとも記事で「何かめちゃくちゃ怖い夢…?見たんだけど」ってありましたよね?
あんな感じで怖かった夢の内容を提供してもらったり共有しあって、Tさんネタにするのはどーでしょう?


(もしかして皆さんちょっと食傷気味かな?)

572定番の猿夢で:2015/06/12(金) 20:44:22 ID:pgqKQuQ6
とりあえず、投稿ですね。

私は、夢をみていました。
昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢をみているんだと自覚する事がありました。この時もそうです。何故か私は薄暗い無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭いを夢だなぁと思いました。
すると急に駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。 それは
「 まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ〜」
と意味不明なものでした。 まもなく駅に電車が入ってきました。それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。

私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなりその電車に乗る事に決めました。本当に恐くて堪られなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。

私は電車の後ろから3番目の席に座りました。辺りには生温かい空気が流れていて、本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。
「 出発します〜」
とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。これから何が起こるのだろうと私は不安と期待でどきどきしていました。電車は ホームを出るとすぐにトンネルに入りました。紫色ぽっい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。

573定番の猿夢で:2015/06/12(金) 20:56:14 ID:pgqKQuQ6
私は思いました。
(このトンネルの景色は子供の頃に遊園地で乗った、スリラーカーの景色だ。この電車だってお猿さん電車だし結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけでちっとも恐くなんかないな。)

とその時、またアナウンスが流れました。
「次は活(いけ)破ァ〜活け破ァです。」
活け破ァ?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。
振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに四人のぼろきれのような物をまとったTさんがむらがっていました。よく見ると、男は刃物で体を裂かれ、魚の活けづくりの様になっていました。強烈な臭気が辺りをつつみ、耳が痛くなるほどの大声で男は悲鳴をあげつづけました。
男の体からは次々と内臓がとり出され、取り出された臓器をTさんが次々と破ァして健康な色にしてから男の人の身体に戻し、縫合すると「手術代だ」と財布から中身を抜き取っていました。
男の人はすっきりした様な、そうでない様な微妙な表情を浮かべて切り裂かれたボロボロの服で下車していきました。

私のすぐ後ろには髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、彼女はすぐ後で大騒ぎしているのに黙って前をを向いたまま気にもとめていない様子でした。私はさすがに、想像を超える展開に 驚き、本当にこれは夢なのかと思いはじめ恐くなりもう少し様子をみてから目を覚まそうと思いました。

一番後ろの男が座っていた席には赤黒い、血と肉の固まりのようなものは残っていました。うしろの女性は相変わらず、無表情に一点をみつめていました。
「 次はえぐり出し〜えぐり出しです。」
とアナウンスが流れました。
すると今度は二人のTさんが現れ、ぎざぎざスプーンの様な物でうしろの女性の目をえぐり出し始めました。
さっきまで、無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、私のすぐ後ろで鼓膜が破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。眼かから眼球が飛び出しています。Tさんは飛び出した眼球を洗い元に戻していましたが血と汗の匂いがたまりません。私は恐くなり震えながら、前を向き体をかがめていました。ここらが潮時だと思いました。
これ以上付き合いきれません。しかも、順番からいくと次は3番目に座っている私の番です。私は夢から覚めようとしましたが、自分には一体どんなアナウンスが流れるのだろうと思い、それを確認してからその場から逃げる事にしました。

574定番の猿夢で:2015/06/12(金) 20:59:17 ID:pgqKQuQ6

「次は挽肉〜挽肉です〜」
とアナウンスが流れました。最悪です。どうなるか、容易に想像が出来たので神経を集中させ、夢から覚めようとしました。
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)
いつもはこう強く念じる事で成功します。急に「ウイーン」という機会の音が聞こえてきました。今度は小人が私の膝に乗り変な機械みたいな物を近づけてきました。たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)
と目を固くつぶり一生懸命に念じました。
「 ウイーン 」という音がだんだんと大きくなってきて、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間に静かになりました。

なんとか、悪夢から抜け出す事ができました。全身汗でびしょびしょになっていて、目からは涙が流れていました。私は、寝床から台所に向、水を大量に飲んだところで、やっと落ち着いてきました。恐ろしくリアルだったけど所詮は夢だったのだからと自分に言い聞かせました。

次の日、学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。でも皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。
それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れバイトなんぞに勤しんでいました。
そしてある晩、急に始まったのです。
「 次はえぐり出し〜えぐり出しです。」
あの場面からでした。私はあっ、あの夢だとすぐに思いだしました。
すると前回と全く同じで二人のTさんがあの女性の眼球をえぐり出しています。
やばいと思い

575定番の猿夢で:2015/06/12(金) 21:07:31 ID:pgqKQuQ6
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)
とすぐに念じ始めました。。。。。。
今回はなかなか目が覚めません。
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)。。。。。。。。
「次は挽肉〜挽肉です〜」
いよいよやばくなってきました。「 ウイーン 」と近づいてきます。
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めてくれ)
ふっと静かになりました。どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時
「また逃げるのか〜中性脂肪と悪玉コレステロールが溜まっているぜ〜次、来るまでに食生活を改善するんだな〜」
とあのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。
目を開けるとやはり、もう夢からは完全に覚めており自分の部屋にいました。最後に聞いたアナウンスは絶対に夢ではありません。現実の世界で確かに聞きました。私がいったい何をしたと言うのでしょうか?

それから、現在までまだあの夢は見ていませんが次に見た時にはきっと頼んでもいない手術代が大きな出費になる事は覚悟しています。
こっちの世界で健康体になっても、あっちの世界で麻酔無しの勝手な手術で挽肉にされる苦しみの中で溜まっている中性脂肪とコレステロールを分離させられて。。。。。。

寺生まれが何を考え、そんな事をしているのかは解りませんが、不摂生は怖いそう思いました。

576魚眼レンズ1:2015/06/13(土) 00:17:11 ID:MDBeo7zs
ある夜、佐藤さんは猫の唸り声で目を覚ました。時計に目をやると、夜中の2時である。
声に心あたりはあった。アパートの向かいに、ゴミ屋敷とまでは言わないが、どうやって住んでいるんだろうかと訝しむような家がある。
散乱した生ゴミに寄ってくるらしく、カラスや猫がいつも家の周辺にたむろして騒いでいる。住民を見たことはなかった。

声はちょうどドアの向こうから聞こえている。
アパートの廊下で喧嘩しているようだ。
我慢して寝ようとしたが、どうもおかしい。
かれこれ30分以上はうなり続けている。
普通、猫の喧嘩は数分の睨み合いのあと、どちらかが相手に飛びつき、一瞬で勝負は決する。
今夜は、長い。
佐藤さんは、明日大学のテストを控えていた。
このままでは寝られないと思い、ドアの魚眼レンズから廊下を覗こうと考えた。

もし、廊下に猫がいたら、ドアを叩いて追い払おう…。
そう思い、音を立てずにドアに近づく。
唸り声は今も聞こえる。
ドアのすぐ近くのようだ。
魚眼レンズを覗くと、目の焦点が合っていない女が唸りながらこちらを睨んでいた。

ガチャガチャガチャ!
次いで、激しくノブが動いた。
佐藤さんには在宅時に鍵をかける習慣はなかった。
慌ててノブを押さえる。
それでもなおもドアの向こうではドアが引かれようとしている。
とても女の力とは思えない。
ついに佐藤さんは力尽き、ノブから手を離してしまった。

577魚眼レンズ2:2015/06/13(土) 00:17:37 ID:MDBeo7zs
カ…チャ……

ゆっくりとドアが開く。
レンズ越しに見た女の顔が覗く。
焦点のあってないまま歪んだ笑みを浮かべた女。
佐藤さんはその場で腰を抜かしてしまった。
気味の悪い唸り声を上げながら、女が踏み込んでこようとしたその時。

「うぅーぃ」
酔っぱらいの男がドアの前を通りかかる。
あれは隣人の寺生まれのTさん!

「あぁー、酔っ払った。あれ?佐藤さん、ドア開けっ放しでどうしたんですか?」
そう言いながら女の背中を見るTさん。
「あ、すいません。彼女さんが来たとこでしたか。
これはお楽しみのところ失礼しました! それでは邪魔者はとっとと消えまーす」
そういうと敬礼しながら女を通り過ぎて行くTさん。

あぁ、Tさんが言ってしまう。
助けを求めようとした佐藤さんでしたが、恐怖で声が出ません。
「あ…あ……」
Tさんの姿が視界から消えようとしたその時。

「なんてな」
Tさんが女の肩を掴む。
「お前なんか憑いてんな」

女が体を佐藤さんに向けたまま、グリンと顔をTさんに向ける。
「毎日毎日唸ってたのもお前さんだな」
「ウガァァァッァ!!」
女がTさんに襲いかかる!
その瞬間玄関が青白い光に包まれる!
「破ァッ!」
Tさんの雄叫びが聞こえたかと思うと、次の瞬間には女はその場にうずくまっていた。
「ゴミ屋敷なんかに住んでるからいろんなもん呼んじまうんだ。大体毎日あんな唸られちゃ寝れないっすよね」
そういうと最高の笑顔を佐藤さんに向けるTさん。
「あぁ~、しかし今日はよく呑んだ。
じゃ僕もう寝ますんで、あとお願いしますね」
そういうとTさんは千鳥足で隣室に入っていた。

残されたのはうずくまる女と佐藤さん。
「ど…どうすんだ、この人……」

寺生まれってすごい、佐藤さんはそう思ったそうです。

578寺生まれの名無しさん:2015/06/13(土) 14:45:33 ID:D/yPt3VI
わぉΣ( ̄□ ̄)
一気に2話もカキコされてる

どっちも良いっすね
Tさんっていうと、いつも法ギリギリ…アウトのことをやってるけど
何もしないで真面目に破ァする良いお兄さんってのも良いよね

579旅の途中のNさん:2015/06/14(日) 23:20:36 ID:ShEi0dco
私は夜中に空腹で目を覚ました。しばらく寝袋のなかで何か食べようかそれとも
空腹を堪えて寝てしまおうか逡巡していたが、ふと近所からおすそ分けしてもらった
餅がリックにしまってあることを思い出し起きて台所へ行った。

電気をつけようとしたが、もともと切れかけていたランタンはとうとうきれてしまったらしく電気はつかな い。
しかしまあランタンの明かりはなくとも、薄暗い外灯の明かりでも餅を切 って焼くくらいなら問題なかろうと判断して、リックから餅を取り出した。

包丁で餅を切り分けようとしたが、いつもならすうっと切れるはずの餅がその日に限って切れない。
貰ってから時間が経って固くなりすぎてしまったのかな、と考えた私は手にさらに力をこめて切ろうとした。
しかし餅は頑なに包丁の刃を拒んだ。

いらついた私は包丁の背に手をあててぐいぐいと押すようにしたが、餅には筋ひとつつかなかった。

1、2分格闘しただろうか、私はついに握りこぶしをつくりそれを包丁の背にどんどんと打ちつけ始めた。
しかし、それでも餅に包丁の刃がめり込むこと はなかった。

ふと、背筋に寒気のようなものを感じた私は薄暗い明かりの中で手元を良く見た。
貰った餅は食品サンプルだったのだ。

偽物を渡した氏子と、岐阜県民(岐阜県は食品サンプルの生産量日本一)に対する憎しみが燃え上がった。

二浪だと思って馬鹿にしやがって呪ってやると、こめはぜを頬張りながら思った。

「そこまでだN、公園条例違反で逮捕する」
いつもTを逮捕している警察官のPだ。
私は荷物を纏め「呪い屋でも国家権力には敵わない」と世の不条理を噛締めつつ全力で逃げ出した。

580寺生まれの名無しさん:2015/06/15(月) 01:38:20 ID:7OaHnBrs
>>579
いつもの痛いコピペかと思いきやw

そして、有名コピペ+Nさんの浪人決定の後日談+オリジナルキャラで良くできてる!うまい!

ちゃっかり豆知識もあるし

581風見鶏:2015/06/19(金) 21:10:42 ID:SkMJr45A
テスト

582風見鶏:2015/06/19(金) 21:31:30 ID:SkMJr45A
最終間近の路線バス。

少し酔っていたせいかうつらうつらとしていると
降車ボタンが押された「破ァ!!」音にはっと目を覚ます。

次は私が降りる停留所。
いかんいかん乗り過ごしたら大変な所だった。

私が一人降りると、乗客のいなくなったバスは発車する。
乗客がいないのはご苦労なこったな。






【解説】
「乗車ボタンが押された「破ァ!!」音にはっと目を覚ます」
→他の乗客はいないはずなのに誰がボタンを押したのだろうか?




「俺だ」
寺生まれのTさんだった。

「今回は偶然にも俺が乗り合わせていたから良かったな。なんなら実家の寺で『うつらうつらしながらバスのスイッチを押す』拳を今なら夏期特別サービス実施中だぜ!」

そういうとTさんは寺の住所や例の『俺がついてる』のポスターが表紙になったパンフレットをくれた。
寺生まれってスゴいと私は思った。


例のポスター

http://matome.naver.jp/m/odai/2133848519292358601

583風見鶏:2015/06/20(土) 08:57:07 ID:xkPfsF/M
千羽鶴
高校は離れたんだけど近所の友達友達っても母親同士が仲良しな位で
あんまり付き合いはない。そいつが入院したんで見舞いに行った。


何で入院したのか知らないんだけど行ったら寝てた。
枕元には千羽もない百羽位の折り鶴が吊ってあってちょっと触れてみると
『クラス一同より』って書いてあった。


強く引っ張ったのか鶴が2つ落ちたうわっ縁起悪いかも、、
と慌てて拾ったらそいつが目を開けた。


他愛ない話して帰宅した。
ポッケに折り鶴が入ってた。


何となく広げてみると、折り紙の裏に2つとも『死ね』と大きく書いてあった。





「破ァ!!」
突然部屋の窓ガラスが青い気弾により音も立てずに消し飛んだ。
気弾を発射したのは寺生まれのTさんだった。

「センター模試間近で追い詰められて正常な判断を失うことは誰にでもあるから仕方ねぇ!そこに書いてある文字をもう1回良く見てみな!」

そう言われて折り鶴を見てみるとそこには『死ね』ではなく『shine』と書いてあった。

「どんなに追い詰められて苦しくても人として大切な事は忘れちゃいけねぇぜ!」

そうだ。
アイツは大事な友達なのにいつの間にかコンプレックスからアイツの事を・・・・・・。
残り九百羽と持ってきちまった二羽を持って、改めて見舞いに行こう。







すると窓があった穴から沢山の折り紙で出来た紙飛行機が飛んできた。

「アナタに紙の御加護がありますように」

教会生まれのKさんだ。
神社生まれのJちゃんもいる。


「これでプレッシャーから追い詰められて兄様のようになってしまうことを回避出来ました」







鶴を折りながら思った。
ここ4階なんですけど?
寺生まれだけじゃなくて教会生まれと神社生まれもスゲェと思った。

584寺生まれの名無しさん:2015/06/20(土) 21:50:27 ID:naITwmCA
そいつ氏と主人公の設定が解り難いので、センター前の気分転換とか状況説明が欲しかった。

585寺生まれの名無しさん:2015/06/20(土) 22:04:43 ID:weIF.dAQ
「独りで生きて行くんやで」

おれ18さいになりました(笑)

今日施設をでるんやで(笑)施設の人…ええかこれからは自分の力で生きていくんや

おれ「うん」施設の人…あんたは親も分からず赤ちゃんの時からここにおるから

職員もな「うっ…」「うっ…」

心配なんや一生面倒みてやりたいけどそうもいかん

いつかは人は一人で生きて行くんや

おれ「うん」

施設の人…ええか…ここがあんたのあたらしい職場とお家になるんや

がんばりや!!

みんなに見送られ…おれもずっと手を振ってたよ

なんか自然に泣けるんやな(笑)

ここか?!そこは小さなうどんやで古ぼけていました

履歴書と施設の推薦状と…んっ…もう一通あるな?

施設の人が渡せ言うとった

おれ緊張してうどんやの中に入る

出てきたのはおじいさんとおばあさん(笑)ももたろうみたいやな(笑)

おれ…内心で…うん…良さそうな人たちだ♪

こう言う勘は昔から狂わないんだ♪

「おじいさん」おまえ身寄りないんか?

おれ「うん」

はいだろ!バシッといきなり叩かれました

おれびっくりしたよ悲しいよ帰りたいよ

「おじいさん」おまえはな人の二倍嫌三倍働かんとあかんのや

おれ?

「おじいさん」ニヤリとわらいました

「おれ」こわい嫌だな
れる
さぁ働け奥が厨房やドンッとけられる

「おれ」かなしいな…

続く^_^;

586千羽鶴(改):2015/06/20(土) 22:22:25 ID:naITwmCA
高校で離れ疎遠になり母親同士の交流が続いているぐらいで、付き合いが無い。
高校進学前の知り合いぐらいになった近所のFが入院したんで、受験勉強が煮詰まり気分転換に見舞いに行った。

何で入院したのか知らないんだけど模試前の入院はヤバイのではないかと思いつつも行ったら寝てた。
枕元には千羽もない百羽位の折り鶴が吊ってあってちょっと触れてみると『クラス一同より』って書いてあった。

軽く触れただけで鶴が2つ落ちたうわっ縁起悪いかも、と慌てて拾ったらFが目を開けた。

他愛ない話して帰宅した。
ポッケに折り鶴が入ってた。

何となく広げてみると、折り紙の裏に2つとも『死ね』と大きく書いてあった。

「破ァ!!」
突然部屋の窓ガラスが青い気弾により音も立てずに消し飛んだ。
気弾を発射したのは寺生まれのTさんだった。

「センター模試間近で追い詰められて正常な判断を失うことは誰にでもあるから仕方ねぇ!そこに書いてある文字をもう1回良く見てみな!」

そう言われて折り鶴を見てみるとそこには『死ね』ではなく『shine』と書いてあった。それに鶴は折り紙ではなく器用に単語帳で折られている。

「どんなに追い詰められて苦しくても人として大切な事は忘れちゃいけねぇぜ!」

そうだ。
Fは大事な友達なのにいつの間にかコンプレックスからアイツの事を・・・・・・。
残り九百羽と持ってきちまった二羽を持って、改めて見舞いに行こう。あと、予備校の先輩のNさんから教えて貰った呪術で呪うのもやめよう。

「そうか、最近の正体不明の体調不良はお前の所為だったのか」
病院を脱走したFに殴られながら、「人を呪わば穴二つ」とは良く言ったものだと思った。
殴られ薄れ行く意識の中で、半端な気持ちで呪うから詰めが甘くなると憎々しげに呟くNさんを幻視した。

587風見鶏:2015/06/20(土) 22:40:22 ID:xkPfsF/M
>>584
>>586
アドバイス&手直し有難う御座いました。
初めてだったので、どんな感じに書けば良いか勉強不足でした。
Nさんが絡んで来てワクワクしました。

今、国道21号線を時速21キロと間違えたヤツと百キロばばぁでTさん物語を考えてるので、また何かありましたら宜しくお願いします。

588寺生まれの名無しさん:2015/06/21(日) 07:27:56 ID:HMs.t3es
おはようございます

みなさん上手やわぁ♪

589寺生まれの名無しさん:2015/06/21(日) 08:26:45 ID:HMs.t3es
「独りで生きて行くんやで・完結」

^_^;おれかなしいなぁ…

おじいさんはうどんの作り方だしのとり方包丁さばきとか色々教えてくれました

「おじいさん」ところで…おじいさんは

ふと…思い出したようにお前の身元引受人はとんでもない奴だな…おじいさんはニヤリと笑いました

おれ「?」おれにはそんな人はいないがと頭をひねる

「おじいさん」まぁ…いい

  さて…飯にしようか

食事は三食おばあさんが作ってくれます、これがまた美味しいんです(*^_^*)

施設のご飯はなんて言うか機械的味ここのは心に染み渡る美味しさなんだな♪

でも、不思議におじいさんとおばあさんは食べないだな?

無表情にじっとおれを見てるんだ(>_<)よーーく考えると二人が食べてるとこ見たことないんだな

怖いよ…ある夜目が覚めて階段の下に降りて行ったら下はおじいさんとおばあさんのお部屋です

明かりが漏れてるのでそっと覗いて見たら背中に羽がはえてた?!

おれがもっと観察しようとした瞬間「ガタリ」音ぉぉぉーー出しちゃったんだな

おじいさんとおばあさんがゆっくりとこちらを振り向いた!!

鼻!!はなぁぁぁーーー長い!!

「み・ぃ・た・な・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

おれはそこで意識を失ったんだな???

朝です…いつもと変わらずおじいさんとおばあさんがいます

おいでおいでと手招きするんです…くっ…食われる!!

おまえにはもう教える事は無い人間界の時間にしてわずか一分でおまえは

魔界時間で五年…うどんの作り方だしのとり方包丁さばき

並みの人間では適わない腕前を取得したんじゃ

五年の魔界時間良く耐えたな偉いぞ

おじいさんとおばあさんはそう言いながら優しくなでてくれた

さて…わし等も歳じゃでな…おまえにこの店を譲ろうと思う…

独りでも頑張って生きて行くんじゃぞ!!その時ですバサバサと言う音と共におじいさんとおばあさんは消えていました

ちらっと見たのですがあれは…天狗です

ふと気が付くと後ろに眩いばかりの何ともいい感じのする人が立っていました

良く頑張ったな偉いぞ…こんな世の中だ生きて行くのも理不尽の道を歩む様なものだが…

修行と思い頑張るのだ

お前を拾って施設に入れたのは私だにこやかに微笑む…歯がぴかぴかだぁ…とっ…おれ

お前はね人の二倍幸せになる権利があるんだよ…
 
そう言いながらこの人の手から破ぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!

おれのからだを黄金に輝く光が入ってきました

うっとりするような心持でした

さぁ…人の二倍幸せになれる技法をほどこうしといた微笑む…後はおまえの努力だぞ

じゃあまたな…お店を出て行こうとした時振り向いて…お前ももう気づいてるだろう

お前に料理を教えてくれたのは裏の天狗さニヤリ

いつもお前を見守っているぞ…そう言いながらこの人は去って行きました

俺は一生懸命頑張って美味しいうどん屋の称号まで頂きました

おじいさん…おばあさん見てくれ俺は頑張ってるぞ!

後で知ったのです俺を引き取ってくれ施設に入れてくれたのはお寺生まれのTさんでした…

590寺生まれの名無しさん:2015/06/21(日) 08:32:59 ID:HMs.t3es
読みにくい文で板を汚し管理人様ざれごとと笑って流して貰えると幸いです

みなさんの作品はどれも秀逸です

ではまた

591寺生まれの名無しさん:2015/06/22(月) 00:37:57 ID:5rve0Czs
>>590
勢いがあっていいですね!自分が書くと冗長になってしまうので羨ましいです

あと、>>590さんの書き方はSSと相性が良さそうなので、参考にされるとさらに良くなると思いますよ!
(アニメや漫画の題材が結構多いので「>>590さんの好きな作品 SS」で検索すると良いかもしれませんね)


新作お待ちしてます!

592風見鶏:2015/06/23(火) 22:10:10 ID:tWgioPHA
百キロババァvs○○ババァ



良く晴れて満天の星が輝いて何時もよりも視界が良い。
その為、物凄いスピードで追いかけてくる着物のお婆さんがバックミラーにハッキリと映った。
噂の百キロババァだ。

「・・・・・・ニャリ」

今日こそは決着をつけてやる!
奴に出会ったその時から、私はそれを目標にしてきた。

「・・・・・・そんな物に頼らなねば決着をつけられぬとは、老いたな?ニャリ」

私がババァになる前からババァだったアンタにだけは言われたくないね!!

「老いて耳まで遠くなっちまったのかい?何か言ったらどうだい?ニャリ」

そんな口が叩けるのは今日までだ。
今日という日の為に最高のチューニングと最高の助っ人を連れてきたんだからね!

「破ァ!!」
「!?」

助っ人とは我が孫・・・・・・噂は聞いた事があるだろう?
人呼んで・・・・・・『寺生まれのTさん』だよ!!

「貴様、それは反則じゃろ!?ワシが百キロババァだけでなくジャンピングババァの異名を持ってなかったら今頃昇天しちまってるよ!?」

喧嘩に、ましてや化け物退治に反則もへったくれもあるかい!?
それにしても孫。
『寺生まれのTさん』だなんて評判集めてるクセしてあんなババァを始末出来ないなんてまだまだ修行が足りないようだね!
数打ちゃその内当たるだろうから何発でも撃ちな!!

「破ァ!!破ァ!!破ァ!!」
「こんな若僧を最高の助っ人とは・・・・・・ワシも舐められたモノじゃのぅ・・・・・・。人間がどれだけ道具を使おうと技術や努力じゃ越えられる百キロババァとしての意地と誇りを見せてくれる!!」
「破ァ!!破ァ!!破ァ!!」

・・・・・・258の標識が見えてきた!!
この時の為にこの道を選び下調べや下準備は充分だ!!
アンタが孫と遊んでる間にエンジンは充分暖まったしな!ニャリ!

「何っ!?まさか貴様、今までのことは!?」

この車の欠点は、どうセッティングしてもフルパワーを出すのに時間がかかっちまう事だ。
良く見とけ!!
これが人間の・・・・・・絶え間ぬ汗と涙と努力の結晶の成果じゃ〜!!

593風見鶏:2015/06/23(火) 22:11:07 ID:tWgioPHA
百キロババァvs○○ババァ



<翌朝>

スピード違反を取り締まっていた警察官のPさんは、やたら速度の遅いクルマを発見し、
かえって危険なため停止させた。

中には80歳くらいの女性(運転手)と寺生まれのTさんが乗っていたが、運転していた老婆以外は、目を見開き、真っ青な顔色をしていた。

運転席の老婆は、不思議そうに尋ねた。

「お巡りさん、私はいつも標識どおりの速度で走ってますよ。
今だって標識どおりの21キロで走ってたんですから」

Pさんは事情を理解し、微笑みながら言った。

「お婆さん、あの標識の“21”というのは国道21号線という意味ですよ」

その言葉を聞き、老婆は恥ずかしそうに答えた。

「あれま、そうでしたか。それは失礼しました」

Pさんは老婆に運転に気を付けるように言ってから、
一つ気になっていることを口にした。

「なぜこの寺生まれのTはさっきから一言も喋らないのですか?
何だか全員放心状態のように見えますが」

すると運転席の老婆が答えた。

「まったくだらしないよ。国道258号線に入るまではあんなに気合いを入れて『破ァ!!』なんてカッコつけてたクセして。こりゃあ帰ったら躾しなおさないとね!破ァ・・・・・・、これが我が孫だと思うと頭が痛いよ、まったく・・・・・・。それじゃお巡りさん、頑張ってね」

そういって走っていく車を見ながらPさんは思った。
ここしばらく、百キロババァと対等の勝負を繰り広げている『ターボババァ』と呼ばれているモノの正体は、Tさんの祖母だったのだと。
寺生まれで凄いのはTさんだけじゃなかった。






・・・・・・




何とか書き上がりました。

594寺生まれの名無しさん:2015/06/29(月) 12:55:24 ID:4hQ4jpxA
このスレまだ残ってたんだ!

595100数えよう:2015/06/30(火) 11:47:05 ID:yZOKrLiE
小学校低学年の時の話

その日は、父が出張、母も用事で出かけていたため、兄と二人で留守番していた。
晩御飯は近所に住む寺生まれのTさんが持ってきてくれることになっていた。
6時頃になると晩御飯が待ち遠しく、兄に「Tさん。まだ来ないかな?」
と何度も聞く私。

そしたら兄が「よし。100数えよう。そしたら寺生まれのTさんが来るよ」と言い、
嘘とわかっていたが何となく面白そうだったので数えることにした。

私「いーち、にー、」
兄「今、Tさんがお寺を出た」
私「はーち、きゅーう、」
兄「Tさんがタバコ屋の角を曲がって大通りに出ようとして戻ってきた」
私「二十五、二十六」
兄「八百屋の前で値引き交渉している」
私「三十九、四十」
兄「銀行の前で銀行強盗を取り押さえた」
私「六十一、六十二」
兄「お茶屋さんの角で一服している」
私「八十一、八十二」
兄「四つ角を曲がって家に向かってる!」
私「八十九、九十」
兄「家まであと少し」
私「九十五、九十六」
兄「今、玄関の前!」
私「九十九」
兄「引き戸に手を掛けた!」

私「ひゃーく!」

その瞬間ガラガラと引き戸が開く音がして、
こんなことってあるんだね!と兄と話しながら玄関に向かった。

ところが玄関には誰もいない。

それどころか鍵がかかっていたので引き戸が開くはずがない。
私はわんわん泣き、兄と震えていた―――その時!

「こらっ!つまらん悪戯で、幼い兄妹を怯えさせる馬鹿共め!破ァ!!」

突然聞きなれた声がしたかと思うと、玄関の景色がぐにゃあと歪んでいく。
気が付けば開け放たれた引き戸の先に寺生まれのTさんが立っていた。

Tさん「まったく、この瞬間の為だけに散々俺を足止めしやがって。あいつら、害はないんだが悪戯好きでな」

Tさんの腕の中で泣きじゃくりながら、私と兄は寺生まれって凄いと思った。
「悪戯好きなあいつら」とはいったい何だっただろう、とも。

596寺生まれの名無しさん:2015/06/30(火) 18:43:49 ID:HEUKcESw
>>595
やだ可愛い…
妹カレーの改変なみに和んだ…

子供+ご飯+Tさんって良いね

597寺生まれの名無しさん:2015/07/07(火) 11:10:42 ID:KPMCPGZA
(なんだここ、汚いにもほどがあんだろ……)
だがお金を払ってしまっている以上、いまさら出ていくのは勿体無い気がして、ぼくは虫のいなさそうな、その上でスクリーンを見やすい位置に座り、人生初のポルノ映画と対面することとなった。
トンカツ。
それはまるで、トンカツを食べるかのごときものだった。
おそらくは監督の描きたい、青臭いテーマがまず、横たわっている。そうして、単体では胸焼けを起こしそうなそいつの、箸休め的な意味合いで、濡れ場が挿入される。さながら、キャベツを合間に挟むように。つまりエロシーンがありさえすれば、何を撮ってもいいのだろう。なんと自由。こういう世界もあるのかと、脳と下腹に衝撃を受けた。
その記憶は今でも鮮明だ。理由は簡単。直後、更なる衝撃に襲われたからだ。
ふと揺れを感じた。
横を見た。
ぼくと同じように座席に腰かける男がいた。奇妙なことに、男の股間に男が顔を埋めていた。
暗いながらも、そこで行われているものが性行為だと、わからない筈がなかった。
ああ、そうか。
すべてに合点がいった。
ここはいわゆる、ハッテン場だったのだ。一度それに気づいてしまったが最後、拭い去りがたいアウェイ感に居たたまれなくなった。というか、いまにも肩に手を回されるのではないかという恐怖心も芽生えた。
どうしよう、出ようか?
三本目はまだ終わっていない。だが心穏やかにポルノを堪能する気分ではなくなっていた。
煮え切らない気持ちで視線を泳がせた。
スクリーンの、ぼくから見て左手隅に、非常口があった。走る格好の白いヒトガタと、緑色に光る背景のランプが上部に設置されたアレだ。
そこに男が立っていた。
一見して勤め人ふうだった。痩せていた。ネクタイをしていた。
直立不動だった。背筋かピンと、伸びていた。
男はジッと、ぼくを直視していた。

598寺生まれの名無しさん:2015/07/07(火) 11:15:24 ID:KPMCPGZA
失礼。上のは「覚醒」の4です。
あと
>背筋かピンと〜
背筋が、ですね。推敲甘くてすいません。

599寺生まれの名無しさん:2015/07/27(月) 01:45:01 ID:qmezxW.I
案は浮かんでるのに上手く書けないぃ…

600寺生まれの名無しさん:2015/07/28(火) 19:51:12 ID:AGnIOsMc
600突破!!


レス番666で何かが起きますように

601☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/08/18(火) 03:40:18 ID:3NQqV8Zo
言い出しっぺなので
皆さんが書き込み安いように先陣をきってみました。
未だChikatomoさんと連絡が取れない状況ですので、
とれるまでの間ちかともユーザーによって描かれたTさんをお楽しみ下さい。

また怖い話見つけたよ〜って報告や
Tさんネタへの改変依頼・作品お披露目等も大歓迎です
(ここのルールについてはページ上部をご覧ください)

そして、これはちかとも※欄で書いた通り一個人の考えのもと行っていることです。
ネット等のマナーに反するよ!って場合は教えてくださると嬉しいです。
また代案を提示してくださるとなお良いです!

6021:2015/08/22(土) 19:47:48 ID:M26bbCQ6
長年連れ添った仲の良い老夫婦がいて
「片方が先に死んだら、さみしくないように壁に埋めよう」
と言い交わしていた。
しばらくして、婆さんが先に死んだ。
爺さんは悲しみ、約束通り婆さんの死骸を壁に埋めた。
すると、ことある事に壁の中から「じいさん、じいさん…」と婆さんの呼ぶ声がする
爺さんはその声に「はいはい、爺さんはここにいるよ」と答えていたが。
ある日、どうしても用事で出なくてはいけなくなったので村の若い男に、留守番を頼んだ。
男が留守番をしていると、壁の中から婆さんの声がする

「じいさん、じいさん…」
男は答えた。
「はいはい、じいさんはここにいるよ」
最初のうちは答えていた。
けれどしかし、婆さんの声はなんどもなんども呼んでくる。
「じいさん、じいさん…」
やがて、男は耐えきれなくなって叫んだ。
「うっせえ! じいさんはいねーよ!」
すると、壁の中から鬼の形相をした老婆が現れ、「じいさんはどこだあ!」と叫んだ

すると突然、まばゆいばかりのスポットライトが飛び出したばあさんを映し出す
「JI-I-SA-Nは」「どこだ!」ステージにばあさんの声が響く
詰め掛けたオーディエンスはばあさんの久々のステージに期待で爆発しそうだ
今晩も伝説のリリックが聴ける。ストリート生まれヒップホップ育ち。本物のラップが聴けるのだ
キャップを斜めに被りオーバーサイズのTシャツをきたじいさんがターンテーブルをいじりながら目でばあさんに合図する
重たいサウンドがスピーカーから響く。ショウの始まりだ
「 ここでTOUJO! わしがONRYO! 鬼のGYOUSO! ばあさんSANJYO! 
 違法なMAISO! じいさんTOUSO! 壁からわしが呼ぶGENCHO!
 (ドゥ〜ン ドゥンドゥンドゥ〜ン キュワキャキャキャッキャキュワキャ!)
 年金減少! 医療費上昇! ボケてて大変! 食事の時間!
 冷たい世間を生き抜き! パークゴルフで息抜き!
 どこだJI-I-SA-N老人MONDAI! そんな毎日リアルなSONZAI!
 SAY HO!(HO!) SAY HO HO HO HO!」
じいさんのプレイも好調だ。オーディエンスの熱狂はこわいくらいだ。
まだ、俺らの時代は始まったばかりだ、そんなメッセージがばあさんの口から飛び出していく
本物のヒップホップが、ここにあるのだ。

6032:2015/08/22(土) 19:49:53 ID:M26bbCQ6
T もう満足か?この世の悔いや未練はもう無いか?Tさんはそう言うと
両手を広げ、優しく破ァッ!!
そう叫ぶと婆さんは青白い気に包まれ始めた・・・。

「ああ、じいさんが寂しくないように声をかけていたつもりじゃったがいつの間にか
わしが怨霊になっていたんじゃな」

T ほう、そこまで思い出したのか・・・。ならばもう婆さんの進むべき道は・・
分かるな?

「勿論じゃとも、世話をかけるねぇ。」
そういうと婆さんは穏やかに笑いながら消えていった・・・。

T さあさ今宵のライブはこれにてお終いだ。
そう言うとオーディエンス達は婆さんのライブの余韻に浸りながらそれぞれ
帰路につくのだった・・・。

その後取り残された爺さんは、Tさん・・・たまには何も壊す事無く払えるんじゃないか。
そう言うと

T いや、今回も壊しちまったぜ?爺さんと婆さんの愛と絆をな。
そう言うと破ぁ〜っはっは!と高笑いしながらその場を後にした。

見送りながら爺さんは「やっぱり寺生まれは凄い!ワシも後30年若けりゃのぅ・・・。」
そうつぶやくのだった。

604602-603:2015/08/22(土) 19:55:26 ID:M26bbCQ6
すみません、Tさんの話を見ていたら参加してしまいたくなり下手ながら
書き込ませていただきました。

605百キロババァvs:2015/08/23(日) 13:44:13 ID:3Gv4Lmqc
関東地方のある道路を走っているとよくない事が起きる。

その日、Nは猛スピードで道路を走っていた。
後ろから200kmを超える速度で老婆と明らかに改造したと解る軽が並走して、間も無くNを抜かした。
Nは立ち止まると背中の荷物から自転車のパーツを取り出し組み立てこぎ出した。
Nと前方を走っていた軽と老婆の距離がグングン近付く、間も無くNは軽と老婆を軽々と抜いた。
Nに抜かれた老婆は一瞬ギョッとした表情を浮かべる。
「脚で勝てないからと今度は自転車かい!その考えが甘い事を教育してやるよ!!」
鬼の様な形相で更に速度を上げる老婆、引き離される軽。
「くっ、これ以上は速度超過で捕まっちまう」
軽を運転していた老婆は悔しげに呟き、九州の500km/hで走れる国道であの二人と勝負するしかないと思った。

606すいません、上のレス消してください:2015/08/23(日) 13:55:09 ID:3Gv4Lmqc
その日、Nは猛スピードで中部地方の道路を走っていた。
後ろから200kmを超える速度で老婆と明らかに改造したと解る軽が並走して、間も無くNを抜かした。
Nは立ち止まると背中の荷物から自転車のパーツを取り出し組み立てこぎ出した。
Nと前方を走っていた軽と老婆の距離がグングン近付く、間も無くNは軽と老婆を軽々と抜いた。
Nに抜かれた老婆は一瞬ギョッとした表情を浮かべる。
「脚で勝てないからと今度は自転車かい!その考えが甘い事を教育してやるよ!!」
鬼の様な形相で更に速度を上げる老婆、引き離される軽。
「くっ、これ以上は速度超過で捕まっちまう」
軽を運転していた老婆は悔しげに呟き、九州の500km/hで走れる国道であの二人と勝負するしかないと思った。

607寺生まれの名無しさん:2015/09/08(火) 00:28:41 ID:X1JJwFCg
高校生の頃、学校の近くのお好み焼き屋でたむろするのが日課でした。

その日もいつものように、その店で下らない話をしていたのですが、
「キィィィィィー」という車の激しいブレーキ音が聞こえ、
「おい、事故ったんじゃねえ? いこうぜ!」と言う友人と3人で、すぐに店を飛び出しました。
その店はわりと大きい十字路から10mくらいの所にあった為、その十字路に違いないと確信してました。
事故現場はまさに十字路でした。

砂利を積んでいるような大きなトラックが見え、近くに野次馬もいました。
ちょうど前輪の辺りで、言葉にならないような叫び声をあげている中年女性の姿が。

近づいてみると、トラックの前輪に向かって叫んでいます。
その時私達が目にしたのは、馬鹿でかいトラックの前輪の下に頭がすっぽりと入ってしまっている小学生くらいの女の子の体でした。

半狂乱の母親らしき人が「○○!○○!」とその子の名前らしきものを叫び続けてました。
完全に頭を踏み潰された女の子。時折手足がビクッビクッと動いてたのを覚えてます。
うわ…見なきゃ良かった。と思った時はもう遅かったのですが、
その母親は何を思ったのか、その女の子の両手を掴み、
腰を落として引っ張りだそうとしたのです。
周りに居た人間は、その光景の凄まじさから誰も止めようとする人がいません。
まもなく「ブッ」という鈍い音をたてて、首から下の胴体だけが抜けました。
もうそこからは見ていられないと思いました。友人の一人は既に背を向けて店に戻ろうとしていました。
その時、母親らしき女性と目が合ってしまったのです。
逃げるように店に戻ったのですが、何を思ったのかその母親らしき女性は、頭の無い女の子の体を抱いたまま、私たちを追ってきたのです。
店に逃げ込む私達と、それを追いかけて入ってくる死体を抱えた女性・・・
店には何人か他のお客がいたが、全員もうパニックでした。
「○○を助けてよ!ねえ、助けてよ!」と狂乱する女性。

その時、最後まで現場に残っていた友人が店に入ってきました。いつも明るい彼からは見たことのない悲しそうな表情をしていました。
私達のように恐怖が顔に浮かんでいないのが印象的でした。

死体を抱えた母親が友人に駆け寄ります。
「あなた!あなた助けてよ!助けてよ!!」

友人は発狂する母親に臆することもなく、ゆっくりと首を振ります。
「俺でももう還してやることはできない」
「助けてよ!助けてよーーー!!」
「母親のあなたが辛いのは分かる。しかしあなたが取り乱し、亡骸を無残にも振り回すことはあの子の為にならない。このままじゃあの子は交差点に取り残されてしまうよ」
「ああああああああああああああああああ」
絶叫する母親。
見守る友人。
奇妙な構図でした。
友人が母親から胴体を引き剥がし優しく抱き上げると、片手を翳しました。

「破ァッ!」
彼の右手から青白い閃光が放たれます。
眩しくて目を開けていられないほどでしたが、暖かい光だな、と感じたのを覚えています。

視界を取り戻した時に目に入ってきた母親に姿は、既に落ち着きを取り戻していました。
「あぁ……○○ちゃんは……死んじゃったのね……」
落ち着いてはいますが悲痛な母親の呟き。
胸が締め付けられました。
「残念だ……」
友人は母親の肩を抱くながら店を後にしていきました。

友人のTくんとの不思議な話はこの大学生活で沢山経験させてもらったのですが、霊を成仏させるのではなく、悪霊化させない、地縛霊化させないことも寺生まれの仕事なのかなと思いながら、女の子に手を合わせました。

6081:2015/10/03(土) 17:13:25 ID:MWMq5YNw
都内の某有名お花見スポットにお花見に行ったときのこと。
その日は前日とは打って変わってやけに気温の低い日だった。

温かい飲み物を求めて、最寄のスタバには客殺到。

私も店外に伸びた長蛇の列に加わって並んでいた。

暫く並んで、お店の入り口ももうすぐというところまで来た時、肩を叩かれた。
振り向くと、

シロガネーゼ(古)風の巻き髪お化粧ばっちりの女性。推定35歳。

「これお願い。一緒に買ってきて」

と紙を差し出す。

紙はぐっちゃぐちゃに書かれた飲み物のオーダー。

しかも「低脂肪乳で」「ホイップ追加」など注文がうるさい。

事情が飲み込めず、

ていうか誰この人?

などと頭が混乱して固まっていると、

「だから!これを買ってこいっていってるの!」
と追い討ち。

え??

女「だからぁ!子供が小さいから!子供って体が繊細なの!風邪引いたらあなた責任取れるの?」

私「…?」

女性が指差すほうを見てみると、
同じようなテイストの女性が数人とちびっ子たち。

どうやら「ママ友」たちとお花見に来た模様。

女「あなたどうせ並んでるんだから一緒でしょって言ってるの!」

私「……?」

女「メモ早く受け取りなさいよ。…あなた日本語通じる?日本人じゃないの?」

呆気に取られて声が出なかった私だが、ここでようやく一言発することができた。
ただし大いに混乱していたため、

「どちらさまですか」
という間抜けた一言。

我ながら(ノ∀`) アチャーと思ったところ、
すぐ後ろから若い女の子が爆笑する声が聞こえた(手叩き付き)。

6092:2015/10/03(土) 17:16:00 ID:MWMq5YNw
振り向くと、
私の後ろに並んでいた派手目なギャル2人(以下仮名Aちゃん・Bちゃん)が、
腹抱えて大爆笑していた。(ちなみに二人ともモデルさんのような美人だった)

「ちょw他人に命令とかありえねぇw」
「日本語通じるとかwそれおめえだし、どんだけだよw」
「いや、マジ意味わかんねえしwてかマジどちらさまだしw」

箸が転んでも可笑しいお年頃のギャルたちは、
およそこんな感じでとにかく大ウケ。

女性の表情がみるみる般若のように変わり、
私からギャルたちにロックオン対象変更。

顔を引き攣らせながらギャルを睨みつけると、
吐き捨てるように一言、

「下っ品な…親の顔が見てみたいわ」

どの面下げて親とか言ってんだよと私もさすがに頭にきて、

「あなたねえ!」
と言いかけると

Aちゃんが私を軽く手で制した。

「下がってください!!」

次の瞬間「矢アーーーーーー!!」という声と共に青白い光の矢が

後ろのちびっ子に向かって飛ぶ。

えっ?えっ?



「ギャアアアアアアあべしひでぶたわば!」

ちびっ子たちがドス黒いサボテンの頂点に口のついた…というより毛虫様の、

生き物でないものに変化し、一頻りうねりながら断末魔の絶叫を轟かせた後

黒い靄となって消滅、女、クラっとなってその場にへたり込む。

「病弱な子供を演じて母親を操り、自分たちの結界を広げていたんですね…」

Aちゃん、いや、Jちゃんが呟く。



「ここは…?」

女が気がついたようだ。

「子供たちはあなたがたの想像上の存在に過ぎなかったのです。

考えてもみてください。非モテ女のあなたに子どもはいないはずです。

おそらく妄想のすきをついて、あのような低級霊が入り込んだのでしょう」

「そ、そんな…そうとは知らず私はなんて酷いことを…」

再びフリーズしてしまっていた私は慌てて、

「いえ、いいんです。私も今、神社生まれってすごい、って思ったところですから」

またイミフなことを言ってるぞ私、と反省していると、Jちゃんが

「お礼とかほんといいっすから!!」

とか華麗に言い放った。



「いや誰もくれるって言ってないし」

と、傍ですっかり出番のなくなったBちゃんは心の中でツッコむのだった。

610寺生まれの名無しさん:2015/10/16(金) 09:14:31 ID:uLzFCgDM
つい5分ほど前に金縛りにあった。
悪夢で目が醒める→金縛りのコンボでパニくってた上に、目を開くと天井に10才くらいのに男の子がへばりついていた。
天井をスルスルと移動し、壁を蜘蛛の様に動き回る少年。
いつもの金縛りなら指先に力を込めると解けるのだが、今回は微動だにしない。これはヤバイ。
突然、周りに気配があり、ネコのようだが体半分が頭、その頭も口が大部分を占めるような奴らがわさわさいるのに気づいた。そいつらが大口を開けて少年の動きを追っているようだ。
俺はさらに驚いて悲鳴をあげたが
「…ひゃ…ぁ…」
金縛りのせいで全く声にならない。
すると
「カァーーーーーッ!」 
明らかに自分以外の声が聞こえた。見ると男の子の手から黒光りする十字状の物体が無数に飛び出し、周りにいるネコの化け物に次々に突き刺さっていく!
粉微塵になって雲散霧消する化け物たち!
次の瞬間には金縛りも解けていたが、男の子はまだ見えた。
「危なかったでござるな。ヤツらは動くものに反応するのでござる。拙者が金縛りをかけていなかったら一斉に食べられていたでござるよ」
男の子は無理して時代がかったような口調でそう話すと、ニンニン、とか言いながら居なくなってた。
ただの幻覚だったのかも知れないけど、伊賀生まれってすごい、改めてそう思わずにはいられなかった。

611犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 12:56:36 ID:msiFAPEs

 犬鳴き峠をごぞんじですか? 作り話しようと思ってたらずっと忘れてた事を思い出しました。正直あんまり恐くないです。というか実際の出来事はそんなもので…。

 当時学生だった私はAという友達とよく放課後に残っては下らないダベリを繰り返してました。部活なんか入ってなかったので。
 まぁ、私もAも恐い話が好きなほうで、よく恐い話を仕入れてきては楽しんでいました。たまに女子も入ってきてキャーキャー言いながら放課後の夕暮れの時を過ごしたものです。
 やがて受験を控えた最後の夏休みを迎える事になりました。私とAはいつものように雑談してましたが、なんとなく夏休みと、受験の鬱さから何かイベントを起こそうという話になり、犬鳴き峠に夜行ってみる、という事になりました。
 犬鳴き峠というのは九州では非常に有名な心霊スポットで危険だから立ち寄ってはいけない…と大人なら誰もが言うくらいのヤバイところです(現在は封鎖されてます)。
 そこのトンネルをくぐると必ず何かが起きます。
 正直、私は妙な高揚感を覚えましたが、同時にビビってました。
 ですが若かったせいもあって「恐い」なんて言えません。まして親友のAにそんな姿は見せられませんでした。
 夕暮れのくっきりしたシルエットの中でAの顔は真っ黒に見えました。
 田舎学生でしたので私たちは免許なんて持ってません。ですのでローカル線に乗って現地の駅に集合でした。それからひたすら徒歩です。途中バスが出てるとの話でした。
 そして夏休みに入り、けだるい暑さの中で、その決行の日が近づくにつれ私は何をしても気持ちが落ち着かなくなりました。
 それから何度も電話でAと話をしましたが、悔しいことにAは全然平気のようでした。一度話の流れで私が行くのをやめようか? と言ったとき、Aのバカにした笑いが耳に響きました。
 それ以来当日まで電話はしませんでした。
 私は恐いとかよりも恐がる姿を見せてたまるか! という決意で固まりました。

612犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 12:58:57 ID:msiFAPEs
 そしてその日が来ました。

 先日から振り始めた雨は朝になっても止んでいませんでした。
 私は待ち合わせの夕刻までベッドでごろごろしていました。
 やがて時間がくると、Aに中止にしようと言いたくて何度も受話器を握りましたが…言えず…出かけました。

「なんでこんなバツゲームみたいなこと…」

 初めて行く場所だったので、駅員に聞いたりしながらなんとか現地の駅まで辿りつきました。
 すでに薄暗くなっています。雨は霧雨になり傘をさしているのですが体中がじっとりと濡れてきます。
 待ち合わせの駅に着いたのは約束の時間より30分以上も早い時刻でした。人気のない駅でした。駅員も古い駅舎にはいって背中を見せたままです。私は夏とはいえ雨に濡れてたので震えました。正直恐かったのだと思います。
 やがて約束の時間になりました。しかしAは来ません。
 私は次の電車だろう…と待ちました。しかしやはりAは来ません。

「あの野郎……」

 正直私は嬉しかったです。帰れる…と思いました。しかし、すっぽかされた怒りは若かったせいもあって強かったです。

「あいつ…どついたろうか」

 その時後ろから声がかかりました。
 怒り顔のAでした。

「おまえ! いつまで待たせんだよ! 現地集合だっていっただろう!」
「え? 現地の駅だったぞ?」
「お前…俺はずっと峠の麓におったとぞ?」
「すまん…」

 Aはやはり独りで待たされたせいもあってか凄くいらついていましたが早く行こうと先を歩き出しました。
 私は慌ててついていきました。
 Aはすでに一度通っただけあって私を案内してくれました。しかしさすがに恐いらしく無口でした。顔も青ざめて見えました。
 やがて私たちは峠にさしかかりました。しかしそこからは急に砂利道になっています。私は薄暗い中、Aに必死についていきましたがその先に鉄柵がはられていることに気付きました。
 私たちは(若さのせいにばかりするのはあれですが)鉄柵に掛かった鍵を砂利道でひろった大き目の石をつかって壊しました。Aは体力がないので私の役目でした。

 時間はかかりましたがなんとか鍵は壊れました。相当古い鍵だったようです。
 そこからは両側から生い茂る草の真ん中をしろっぽく浮かび上がる砂利道をひたすら上っていきました。雨のせいか日はすぐに暮れました。
 私たちは懐中電灯を灯して上りました。
 三十分くらい上ると、そこに闇をさらに黒くぬりつぶしたようなトンネルが見えました。
 中は真っ暗です。見たこともない暗さでした。
 私は背筋がゾゾゾゾゾゾ…と寒くなりました。

「こ…これかよ…」

 Aも震える声で言いました。

「さっきここで待ってた時はまだここまで暗くなかったけど…」

 私たちは身をよせあって中を覗きました。まるで地獄につながっているかのようです。昼間なら向こう側の出口の明るさも見えたでしょうが…なにせ夜になっているので本当に永遠につづくトンネルのようでした。

「こ、ここを抜けると何かが起こるのか…」

 Aは余計無口になったまま、いつのまにか私の服を握り締めています。

「お…おまえ先にいけよ…」

 Aは震える声で私に言いました。

「あの野郎…」

613犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 13:00:16 ID:msiFAPEs
「ば、ばか…押すなよ」

 雨のせいで虫の声もない山の夜です。私たちの懐中電灯のあかりだけが灯っていました、しかし、その明かりも闇に溶け込んでいます。
 私はもう駄目でした。恐いなんてもんじゃありません。正直泣きそうでした。
 私はAに言いました。

「ごめん…俺、無理。もう帰ろう」

 しかしAは手を離しません。

「ば、ばか!ここまで来て帰れるかよ」

 私はAに押され少し前に進みました。

「無理だって!俺、堪えれないよ」
「お前が来ないからずっとここで待たされた身にもなれよ」
「んなこと言ったって!俺は帰る!」
「だめだ」

 Aは私の服がやぶけるくらいひっぱってトンネルに入っていきます。私は必死でふんばりました。

「やめいって!」
「いいから来いよ!はやく!」
 Aはどんどん私をトンネルの奥にひっぱります。私はさすがに切れてAを振りまわす気持ちでひっぱり返しました。私のほうがAよりも体力があるからです。
 しかし、Aの力はいつもより強く私はふりほどけませんでした。

「大丈夫だって…そんな恐いことないよ。一緒に行こうよ」

 …その時私はあることに気付きました。

「お前…ここで待ってたんだよな?」
「…」
「ここに来る途中、、鉄柵の鍵かかってたじゃないか…」
「…」
「だいたい、俺が待ち合わせ場所に来たのは30分も早かったのに…ずっと待ってたって、いつから待ってたんだよ?」

 その時、私をトンネルの奥にひっぱっているのがAだけではない事に気付きました。
 後ろから、横から…たくさんの手が私をトンネルにひっぱっているのです。
 悲鳴が喉から出ない私にAが振りむいて言いました。

「早く死のうよ」

「 そ こ ま で だ ! 」

614犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 13:01:15 ID:msiFAPEs
 突然響く声に私が振り向くと、そこにはひとりの男性らしき影が……それは霊感が強い事で有名な、寺生まれのTさんでした。

「Aに化けてまで用意周到な奴等だぜ……だがお前たちの思い通りにはさせない! 破ァーッ!」

 Tさんがかざした右手から青白い光がほとばしり、私を掴んでいた偽Aを吹っ飛ばしました。

「グワーッ!」

 偽Aは断末魔の叫びを上げて消滅しました。しかしまだたくさんの手が私を掴んでいて、私をトンネルに引きずり込もうとしています。

「破ァーッ!」「グワーッ!」「破ァーッ!」「グワーッ!」「破ァーッ!」「グワーッ!」「破ァーッ!」「グワーッ!」

 Tさんは慌てず冷静に、かつ迅速に、左右の手から次々と光弾を発射しました。それらは緻密なコントロールで正確に悪霊たちにヒットして消滅させていきます。
 しかし悪霊は次々と現れて、私をトンネルの闇に引きずり込もうとしていました。

「きりがないな…まとめて吹き飛ばしてやる!」

 Tさんは左右の手を合わせて、そこに気を溜め始めました。青白い光があたり一帯を眩く照らします。

「破ァーッ!!」

 Tさんは雄叫びと共に、限界まで溜めたエネルギーを放射しました。それは巨大な光の龍となって、闇の中にいる悪霊たちを一網打尽に消し飛ばしてしまいました。
 ようやく解放され座り込んでしまった私に、Tさんは「立てるか?」と優しく手を差し出してくれました。

「ありがとうございましたTさん。でも、どうしてここに?」
「あいつに聞いてくれ」

 Tさんが指し示した方角から、なんとAが「お〜い!」とやってくるではありませんか。
 実はAは、当日になって急に怖くなり、しかしやめる訳にもいかずTさんにボディガードをお願いしたとの事。時間に遅れたのは、Tさんを迎えに行ってたからだそうです。

「お、雨もやんだようだな」

 何事もなかったかのように夜空を見上げるTさん。確かに雨はやみ、星が見えています。


 やっぱり寺生まれは凄い。そう思う夏の夜でした。

615寺生まれの名無しさん:2015/10/30(金) 21:46:18 ID:3NkhMbZ.
Tさん相変わらず強いなあ

616寺生まれの名無しさん:2015/11/30(月) 12:31:39 ID:oYDMAoMM
俺が高校の頃の雨降りの夕方、俺は学校から家に帰ってきた。��
そしたら母がバタバタと仕度してた。��

「あんた何やってたの?��
叔父さんが亡くなったのよ。早くしなさい」��

という。��
どこの叔父さんだと思いながら、とりあえず用意しようとしたら電話が鳴った。��
母は忙しくしてたので、仕方なく俺が電話とった。��

「もしもしっ。俺だ。落ち着いて聞けっ。いいか」��

かなり切羽詰った口ぶりで相手は前置きもなくいきなり喋りだした。��
聞き覚えのある声だった。��
誰の声なのかは、すぐには分からなかった。��

「死んだのは叔父さんじゃない。母ちゃんだ。��
いいか。絶対に振り向くな。そのままじっとしてろ」��

母ちゃん?��
母を母ちゃんと言い、そしてその声。��
兄だ。��
去年バイク事故で亡くなった兄の声だったんだ。��

死んだはずの兄から電話があったら、普通パニックだと思うが��
そのとき俺は不思議と恐怖感のようなものは感じず��
冷静に兄からの電話があった事実を受け入れられたと思う。

617寺生まれの名無しさん:2015/11/30(月) 12:32:31 ID:oYDMAoMM
それにしても、兄の電話は意味が分からない。
試しに少し体を動かしてみようとは思ったけど、硬直して体は動かなかった。
どうなってるんだ?
さっきまで母がバタバタ忙しくしてたのに、
今、背後は静まり返ってまったく音がない。

「なにやってるの・・・早く死になさい」
「そこまでだ!」

玄関のドアを蹴破って入ってきたのは、霊感が強い事で有名な寺生まれのTさんだ!

「破ぁーっ!」

Tさんの手から青白い閃光がほとばしり、俺の後ろにいる母(?)に直撃した!

「グワーッ!」

母(?)はおぞましい悲鳴を上げて消滅した!

俺は助かったのか?
でも、どうしてTさんがここに?
俺の疑問に答えるように、受話器から兄貴の安心したような声が響いた聞こえた。

「良かった、間に合ったみたいだな…」

ああ、そうか。兄貴がTさんに知らせてくれたのか…俺は兄貴に感謝した。

「お兄さんの分まで、お袋さんを大事にしなよ」

Tさんはそう言って去っていった。
あれ? でも母は…そう思う間もなく、スーツ姿の母が帰ってきた。今仕事から帰ってきたらしい。

「…で、このドアはどうしたの?」

Tさんが蹴破ったドアを見て、母は鬼の形相となっている。ああ、これは間違いなく本物の母上様ですわ。

じゃあさっきの母(偽)は何だったんだ?

訳がわからないまま母に怒られながら、俺は「寺生まれって凄い」と現実逃避気味にそう思った。

618寺生まれの名無しさん:2015/12/12(土) 03:12:36 ID:Uk/c3NT6
>>617
シンプルで読みやすくて面白かったです!
Tさんって人を助けようとする幽霊には優しいんだね。

お兄さんは、偽母が主人公に危害を加えないように、お母さんが死んだって教えたのかな?
だとしたらお兄さんは策士だな!!

619:2016/01/03(日) 07:54:40 ID:VBsOxbhM
でゐっべぃたごかだゃ

620 すゎえれりぉけぞりゎ:2016/01/08(金) 13:26:07 ID:oXoF8oZ.
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621白いワンピースの女:2016/02/22(月) 21:05:18 ID:eGYBexIg
大学生の頃の話。 
レンタルビデオ店でバイトをしていた。 
時給が上がるのが、22時からと言う事もあって いつも19時から1時までの時間でシフトに入っていた。 (田舎のビデオ屋なので、1時で閉店) 
売上の処理や、店の片付けをすると いつも終わるのは深夜2時頃だった。 
バイト先から家までは、普通の通りを使えば 自転車で10分程なのだが、 
近道を通ると5分程に短縮出来たので、普段は そっちの道を使っていた。 
しかし通りの道と違って、近道の方は 街灯もほとんどなく薄暗くて不気味な道。 
通る時は、丑三つ時と言う事もあって自転車でかっ飛ばして通る事にしていた。 

ある時、自転車がパンクしてしまった為 歩いてバイト先に行った日の事。 
帰りにどちらのルートで帰るか迷ったが 歩きだし、
多少気味が悪くても早く帰れる方が良いか、と いつも通り、
近道を通って帰る事にした。 
普段は自転車で飛ばして通るので あまり周りを見ておらず、
気がつかなかったが 半ばくらいまで行った十字路に、反射鏡が設置してあった。 
何気なくその反射鏡を見た時に 白い袖無しのワンピースを着た女性が 
反射鏡の反対側に立っているのが映った。 
肩より長い髪で、下を向いているので顔は判らない。 
深夜2時に、変な所にいるもんだ。 
酔っ払ってる人か? 
と、思い鏡から彼女の立つ場所へ視線を移したが 誰も居ない。 
見間違えたのかと思い、もう一度反射鏡を覗く。 
やはり、居る。 
サーッと血の気が引いて、急いで走って帰った。

622白いワンピースの女:2016/02/22(月) 21:08:52 ID:eGYBexIg
翌日、バイトの先輩Tさんに、その白いワンピースの女について話してみた。
Tさんは実家が寺で非常に霊感が強いらしい。
しかしTさんは「ふーん」と、素っ気ない返事。
やはり霊的なものではなく、きっと見間違えたに違いないと 
もう一度、帰り道に近道を使った。 
自転車のパンクは修理している。 何かあれば、自転車をかっ飛ばして帰ればいいと 
反射鏡の場所へ。 
見間違いなんかじゃなかった。 今度はしっかりと確認した。 
下を向いたまま微動だにしない。 白のワンピースを着た女性。 
相変わらず、下を向いているので 顔は確認出来ないが、全く動かないので 
だんだんと恐怖は無くなり、また次のバイトからは その道を使うようになった。 

それから1年以上経過し冬になった。 
バイトをしていると雪が降り始め 閉店する頃には、すっかり積もってしまった。 
自転車に乗って帰るのは、危険だったので 自転車を押して帰る事になった。 
あれから、意識して反射鏡を見ることはなかった。 
今日もまた、彼女は映るのだろうか? 
そう思いながら、十字路に立つ反射鏡を覗いた。 
雪の降る中、やはり彼女は前と同じように 微動だにせず、立っていた。 

真冬だというのに、袖の無い白いワンピース。 
久しぶりに見たのもあって、ジロジロと見ていると 
今まで全く動かなかった彼女が スッと頭を上に動かした。 
鏡越しに視線が合った。 
一歩こちらへ近づく。 
鏡から視線が動かない。 
また、一歩こちらに近づく。 
振り向けない。 
そうして、後ろまで迫ると 
「ねえ」 
と、耳元で聞こえた。 
「見えてるの?見えてるの?見えてるの?」 
ブツブツと呟くように。 
「見えてるの?」 
そして、肩に手をかけられそうになって…。 
「ねぇ」 
と耳の傍で囁かれた。
完全に腰が抜け、声も出せずその場にへたり込んだ。

623白いワンピースの女:2016/02/22(月) 21:11:29 ID:eGYBexIg
その時、鈍いエンジン音のようなものが聞こえたと思うと、まばゆい光がこちらに向けて照射された。
目をしかめながら光源の奥を見ると、
バイトの先輩のTさんが巨大な除雪車を運転して、こちらに向かってきていた。

「乗れ‼︎」

Tさんの声で我に返り、即座に立ち上がると除雪車に向かって走った。
動いてる除雪車になんとか乗り込み、Tさんの横に座ると、突然ものすごい安心感を感じ、泣きそうになった。
「あの女か!」
「そうです!あの女です!」
と、さっき自分が立っていた辺りを指差したが、そこには何も居ない。
「そこじゃない!あっちの事だ!」
と正面を指すTさん。

見ると顔の抉れた女が反射鏡の上に浮かんでおり、こちらに向かってきていた。
「ハンドル頼んだぜ・・・」
Tさんはそう呟くと除雪車の窓から上半身を外に出し、狙いを定め
「破ぁーーーーー!!」
と叫んだ。
するとTさんの両手から青白い光弾が飛び出し、女の霊を吹き飛ばした。
「これで安心だな・・・」
そう呟いて片手でタバコに火をつけるTさん。
寺生まれってスゲェ・・・
除雪車に轢かれてバキバキになった自分の自転車を想像しながら、その時初めてそう思った。

624路地の大男:2016/02/24(水) 09:02:11 ID:6Edh6D1s
中学生だったときの話。

夜の8時ぐらいに塾からの帰り道を歩いてたんだけど、なんか様子がおかしい。
見知った住宅街なんだけど、見覚えのない路地があるんだよ。
知らない家と家の隙間で、幅は1mぐらい。
昨日まではただのブロック塀で壁になってたはず。
まあ近所だし、迷うこともないだろと思った俺は、好奇心にかられてその狭い路地に入ってみたんだよ。

で、10歩ぐらい進んでから気づいたんだけど、やっぱり何かがおかしい。
夏のゴミ捨て場のような異臭が漂ってくる。
それで、前の方からは「・・・・・ァ・・・・・・ケ・・・・・・」と、人の声のようなものが微かに聞こえてきた。
明かりもなくて真っ暗だし、しだいに怖くなってきたんだけど、まだ好奇心が勝っててそのままゆっくり歩き続けた。

それからまた20歩ほど進んだあたりで、俺はあることに気づいた。
というのも、それだけ歩いたら家をはさんで向こう側の道に出るはずなんだよな。
でも左右のブロック塀は途切れることなく続いている。
前方に目を凝らしてみても、出口のようなものは見えない。

625路地の大男:2016/02/24(水) 09:04:23 ID:6Edh6D1s
さすがにこれは何かヤバイと思って、引き返そうと思って後ろに振り返った。
そしたら、5歩ぐらい離れたところに人影があったんだよ。
2mぐらいのでかい男。薄汚いコートを着てて、頭にはフードを被ってるから鼻より上が見えない。
手にはナタみたいなのを持ってる。そいつが棒立ちで俺を見てた。

俺はあまりの恐怖に動けず、唖然としたまま突っ立ってた。
さっきから漂ってた悪臭もそいつが発生源みたいで、鼻が歪みそうだった。

で、ふと見るとそいつ口動かしてんのね。ボソボソと何か喋ってる。
「・・・・・ァ・・・・・・ケ・・・・・・」
内容が聞き取れないので、耳を凝らしてみると、
「・・アァァ・マ・・クケェアエ・・・・・・」
「マ・・ァア・・アファフヘケラエェヘ・・」
意味不明の言葉を喋ってた。
それも、外国語って感じじゃなくて、ランダムに並べたカタカナを読み上げてる様な感じ。

もう余りにも怖くて、俺は泣き叫びながら全力で走って逃げた。
そしたらそいつ俺を追ってくんの。右手のナタを頭上に掲げながら走ってくる。
「アァアェ!ケヘフラフェアウェ!クヘフェアァエア!」
ボソボソ声はいつの間にか金切り声に変わってた。

626路地の大男:2016/02/24(水) 09:05:56 ID:6Edh6D1s
追いつかれたら殺される!って思いながら、涙と鼻水と涎で顔ぐちゃぐちゃにしながら無我夢中で走ったよ。
何とか追いつかれずに、100mは走ったかな。
前の方に路地の出口らしき隙間が見えた。
路地が100mも続いてるとか今思うとありえないんだけど、そんなことは気にせず、とにかく俺は出口に向かって走った。

すると、その出口に人影が現れた。
また何かヤバい奴が出てきたと思って、間に挟まれている俺は絶望した。

しかし、その絶望は瞬時に希望へと変わった。

前方の出口に立っていたのは、近所に住んでいる寺生まれのTさんだ。

Tさんは両手をこちらに向けて険しい表情をしていたが、俺と目があった瞬間、「もう大丈夫だ」という表情を見せてくれた。
そして「伏せろ‼︎」と叫んだ。

俺がヘッドスライディングのように地面に突っ伏した瞬間、

「破ぁーーーーー!!」

という声と共にTさんの両手から青白い光弾が飛び出した。
光弾は俺の頭上を通過し、後方で激しい音と共に閃光が瞬いた。
後ろを見ると、例の大男が光に包まれながら
「アァァ…ァァ…」
と、消えていく姿が見えた。

同時に、周囲は見覚えのある道に戻っていた。

「さっきの奴が霊道を強化しやがって、そこにたまたま君が入り込んじまったんだ。今後は、怪しい路地には気をつけることだな」

そう言って、Tさんはピザの宅配バイクにまたがり、颯爽と去って行った。

Tさん、ピザーラでバイトしてんのか。
初めて知って、寺生まれってスゲェ・・・
そう思った。

627寺生まれの名無しさん:2016/03/03(木) 15:33:01 ID:1dkKoC/w
Tさんスレ発見記念

628三つの願い:2016/03/05(土) 15:03:27 ID:q4rvE256
ある日、TとNとKの三人が除霊の為、離島に訪れていた。
天候が悪く、数日はヘリも飛ばせないと足止めを受けていた。
三人は閑だったので依頼主から謝礼に渡された年代物のランプを開けてみる事にした。
ランプから精霊が現れるとこう言った。
「さあ、願いを言え、どんな願いでも一つだけ叶えてやろう。今回は久しぶりだから一人に付き一つ叶えてやる」
Nは言った今日が受験日なので、試験会場に飛ばして欲しい。
Nは受験票と筆記用具付きで試験会場に飛んだ。
Kは言ったそろそろ来月分のドラマの録画の為にHDを整理したい家に帰してくれ。
Kは実家に戻った。
Tは言った用意したキャンセル待ちのチケットが無駄になるからさっきの二人を呼び戻してくれ。

あの時、雑霊の言葉に惑わされず問答無用で破ァしていればNがああなる事も無かった。助手席に座るヒッチハイクのTさんは悔し気にそう話した。
Nさんの受験が台無しになったのはTさんの願いの所為だがそれを棚に上げ、除霊に繋げる寺生まれの発想は何か違う、そう思った。

629寺生まれの名無しさん:2016/03/08(火) 14:18:55 ID:F05p8cn6
うちは黒猫を一匹買ってる。名前はタンゴ。

見た目は可愛いが、全く愛想がなくて、可愛いげのないやつだ。

俺が高校生の時、原付免許を取ってバイクも買ってもらったんで、休みの日に友達と一緒にちょっと遠くまで行ってみようということになった。

んで、「出る」という噂のある、山の中の廃墟に行ってみた。もちろん昼間だ。
中を探検したけど、薄暗いし、ゴミとかも散乱してるし、どっかが崩れ落ちてきそうでそういう意味では怖かった。実際、天井のタイルが剥がれて落っこちてるとこもあったし。

でも、何か怪しい声がするとか変な人影を見たとかは全くなくって、それでもまぁ、いい暇潰しになったなって感じで俺等は帰った。

友達と別れて家に帰りついたら、玄関でタンゴが座ってた。
出迎えるなんて珍しいこともあるもんだと思って撫でてやろうとしたら、手を猫パンチではたかれた。可愛くねえ。

で、その晩、飯食って風呂入って、さぁ寝ようかって時に、部屋の戸が開いた。
タンゴが前足使って開けて入ってきた。
コイツは俺の部屋を通り道によく使うんで、外に出たいのかなと思って、窓を開けてやった。
でもタンゴは見向きもしないで、部屋の隅っこで丸くなる。
変なやつだとは思ったけど、猫の考えることなんてわかりゃしねーし、ほっといて俺もベッドに入って寝た。
虫が入ってくると嫌だから、窓は閉めた。

で、夜中の二時過ぎくらいに、俺は不意に眼が覚めた。
何か部屋の中の空気が重い。
豆電球を点けてたはずなのに、消えてる。
でも、部屋の中に俺とタンゴ以外にもう一人いるのがわかった。

髪はボサボサで、着ている服もあちこち破れてボロボロだったけど、何となく女だってわかった。

630寺生まれの名無しさん:2016/03/08(火) 14:20:45 ID:F05p8cn6
で、そいつに気付いた途端に体が動かなくなって、声も出せなくなった。

なんだコレ!?
金縛りか!?
つーかこの女はなんだ!?
ひょっとしてあの廃墟の住人!?
俺テイクアウトしちゃった!?
俺じゃなくて友達の方に行けよ!

と、動けない状態で頭ん中はパニックになって、女はそんな俺の方にゆっくり近付いて来る。
真っ暗なはずなのに、そいつが血走った目で睨んでるのがわかった。

と思ったら、いきなり立ち止まって、方向転換。隅っこに行ってしゃがみこんだ。

あー、そういやそこにタンゴが寝てたな。
逃げろタンゴ!
お前猫なんだから、そういうのは鋭いんじゃねえのかよ!

とか心配になって、でもやっぱり体は動かなくて、俺は心のなかでタンゴに逃げろーとか起きろーとか叫ぶしか出来なかった。

俺のその念が届いたのか、タンゴは目を覚ましたらしく、ハーッとかシャーッとかいう威嚇するような声を出した。
そしたら、チッチッチッという声が聞こえてきた。たぶんあの女が出してるんだと思うけど、コイツひょっとして、幽霊のくせにタンゴを撫でたいんだろうか?

ソイツはゆっくりとタンゴの頭に手を伸ばして来た。
そしたら、

「そこまでだ!」

窓を開けて乱入してきたのは、霊感が強い事で有名な寺生まれのTさんだ!

631寺生まれの名無しさん:2016/03/08(火) 14:27:04 ID:F05p8cn6
「破ぁーっ!」

Tさんは手から青白い光弾を発射!
それをくらって女の幽霊は跡形もなく消滅した!

「危ないところだったな。もう大丈夫だ。猫ちゃんも、飼い主を守るためによく頑張ったな」

Tさんはそう言ってタンゴを抱っこしようと手を伸ばした。

そしたらタンゴがフギャーッ!とか凄い声を出して飛び上がり、Tさんの顔に猫パンチをくらわせた。凄い剣幕だったから、ひょっとしたら爪を出して引っ掻いたかも知れない。

Tさんは涙声で

「ひどい……」

と言って、とぼとぼと帰っていった。

寺生まれってすげぇ。
その寺生まれを撃退するタンゴもすげぇ。

俺はそう思った。

632寺生まれの名無しさん:2016/03/16(水) 21:44:11 ID:kveG.7Nc
デレの無いツンデレ猫のタンゴは凄い。そう思った

633寺生まれの名無しさん:2016/03/23(水) 20:37:54 ID:IfqPMWVQ
伯父さん「よし、じゃあ……さっそく 大人に して やろう」ビリビリ

たえちゃん「……やはりな」

伯父さん「はぁ?何言ってんだ?」

たえちゃん「姿を見せな!」

私が叫ぶと、伯父は口から黒い塊を吐き出し気絶した。

たえちゃん「私の伯父に取り憑いて結界を広げる小悪党め!」

私は呪文を唱え、「破ぁ!」と叫んだ。すると私の掌から青白い光弾が飛び出し、黒い塊を消し飛ばした。

伯父さん「うっ、俺は何を……」

私は伯父に事の顛末を説明した。すると伯父は物凄い勢いで土下座し、謝罪してきた。

たえちゃん「いいんだよ、伯父さんのせいじゃないから…」

私は伯父を快く許す。

伯父さん「寺生まれってすごい」

伯父は初めてそう思ったらしい。

コロちゃん「やったねTちゃん!寺生まれってすごい!」

連れていた熊のぬいぐるみも、改めてそう思ったらしい。

634姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 10:12:25 ID:RpGC75t6
小中学の頃、俺は田舎者の世間知らずだったが、バカをやっても軽い悪戯をする程度で荒んだと言うほどでは無い普通の少年だった。
そのころ、ちょうど学校で姦姦蛇羅が有名になっていて、お誂え向きの山と森も有り、何時かは俺の村にも来るのではないかと話題になっていた。
ある日、熊が出たとかで山が立ち入り禁止になった。その日、両親は町の親戚がバイクで事故ったとかで見舞いに行き自宅には俺一人だった。
前日に神社のJちゃんを見掛けていた俺は姦姦蛇羅かも知れないと思い、本当に熊だった時の為の熊用のクラッカー(パーティで使う奴)を持って村を抜け出し山に向かった。
山自体は普通の山で姦姦蛇羅にある様な立ち入り禁止区域が有るわけじゃない、急斜面や歩き難い場所が有る程度の極々普通の山。
Jちゃんを見掛けた場所から、何かを運んだ後を辿り、しばらく進むと
2メートル近い高さの柵で囲まれ、柵には太い綱と有刺鉄線、柵全体にはが連なった白い紙がからまっていて(独自の紙垂のような)、大小いろいろな鈴が無数に付いている。
変に部分的なせいで柵自体の並びも歪な如何にもな場所が現れた。

635姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 10:29:08 ID:RpGC75t6
洒落怖と違っていたのは柵を囲むように設営された客席と、柵の中に設置された五角形の変則リングが有る事ぐらい。
プロレスリングの様だったが照明は無く、明かりは月明かりぐらいで明らかにおかしい。
熊と人間を戦わせる異種族デスマッチかとも思えたが、それなら防音がしっかりして万が一にも見られない地下でやるよなと首を傾げつつ息を殺してその場に居ると、
「待たせたな。お前の連勝記録はそこまでだ」
と寺生まれで霊感の強いTさんが柵を飛び越えリングインした。
いつの間にかリングには晒を巻いた上半身裸で左右に三本、合計六本の腕を持ち下半身が蛇の女が挑発的な笑みを浮かべ、Tさんを手招きしていた。

636姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 10:46:04 ID:RpGC75t6
「食らえ!破ァーーーー」
ゴングと共にTさんが光弾を放つ、蛇女は左三本の腕で竜巻を起こすとあっさり光弾を相殺し、時差で放った右三本の腕で放った竜巻でTさんを弾き飛ばす。
「遠距じゃ分が悪いか。破ァーーー」
Tさんがタックルで蛇女に食らいつきアームロックを極める。
蛇女は慌てず極められた腕を残り二本の腕を使いTさんから外し、お返しとばかりに三本腕を纏めた剛腕ラリアットでTさんを弾き飛ばしダウンを奪う。
「ダウンじゃないスリップだ」
Tさんはふら付きながらも立ち上がるが、それを余裕の笑みで眺める彼女を見て俺は両者の格の違いを感じてしまった。
俺は、そんな痛々しいTさんを見て、もういい止めろと手に汗を握る。次の瞬間、彼女は再び竜巻を起こしTさんを巻き上げる。
Tさんを追って飛び上がった彼女は空中で六本の腕でTさんを極めリングに落下。
「ぐ・破ぁぁあぁ・・・」
力なく起き上がれない倒れ方でリングに沈むTさん。俺は思わず柵を乗り越え倒れたTさんを担いでその場を逃げ出す。
後ろで「ぽぽぽぽ・・・」と言う声と共に歓声が上がるが、振り返る余裕は俺には無かった。

637姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 11:01:33 ID:RpGC75t6
Tさんを担ぎ、村の診療所に駆け込んだ俺は村の大人たちから散々に叱られた。
村長「その蛇女は腕だけじゃなく下半身も使った落下技でTさんを仕留めたのだな」
俺「いや、使ったのは六本の腕だけだった」
村長「本当に腕だけだったのだな」
俺「本当だよ」
村長「それなら助かるかもしれん」
俺「へ?」
何でもこの辺りに現れる姦姦蛇螺は地元の強豪妖怪や霊能力者を相手に不定期でプロレスをするらしい。
巡業で別の妖怪と戦う予定だった彼女はTさんを前座にして、本戦前のウォームアップにしたようだ。
Tさんに使ったのは前座で使う見せ技で決め技とは少し違う技だったので死なずに済んだと村長から俺は聞いた。
数日後、怪我から復帰したTさんは治療費を請求される前に診療所から姿を消していた。
寺生まれを前座にする妖怪も凄いが、医療費を踏み倒すTさんはせこいそう思った。

638寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 14:19:55 ID:QKhwp8RA
春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。
それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。
生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、一人女性が見えた。まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。


でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…

その女を見てると、我ながらかなり幼稚な悪戯心が湧いてきた。
俺はその女性に手をかざして、

「破ぁーっ!」

と叫んだ。帽子でも吹っ飛ばして驚かせてやろうと思ったんだけど、予想以上にパワーが出すぎて、.青白い光がその女の人の頭にクリーンヒットしちまった。

やばい、謝らなきゃ! と思って急いで外に出たんだけど、そこには誰もいなかった。

後でじいちゃんに説明して、謝りに行きたいんだけど、背の高い女の人に心当たりないかって聞いたら、

「それは八尺様だ」

と。

この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。

人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。

この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。

で、俺はその八尺様をやっつけてしまったらしい。


「これならうちの寺は将来安泰だなってじいちゃんは大喜びしてたけど、俺はとにかく人様に怪我をさせた訳じゃないとわかった、その安堵感しかなかったよ…」

霊感が強い事で有名な寺生まれのT先輩は、そう言って苦笑いした。

やっぱり寺生まれは凄い。俺はそう思った。

639寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 14:20:15 ID:QKhwp8RA
ネタ被ってたらごめん。

640寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 16:08:40 ID:RpGC75t6
展開は被っていないからおK

641寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 23:59:12 ID:GDCplQO2
これは小さい頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事である。


年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎで兄と外に遊びに行った。
都会とは違い、空気が断然うまい。
僕は、爽やかな風を浴びながら、兄と田んぼの周りを駆け回った。そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風か止んだ。




と思ったら、気持ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。
僕は、『ただでさえ暑いのに、何でこんな暖かい風が吹いてくるんだよ!』と、さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。



すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。その方向には案山子(かかし)がある。『あの案山子がどうしたの?』と兄に聞くと、

兄は『いや、その向こうだ』と 言って、ますます目を凝らして見ている。
僕も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと見た。

すると、確かに見える。
何だ…あれは。
遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。
しかも周りには田んぼがあるだけ。近くに人がいるわけでもない。僕は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。
『あれ、新種の案山子じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かったから、農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』

兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた
風がピタリと止んだのだ。
しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。

兄は『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』
と驚いた口調で言い、気になってしょうがなかったので、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。

兄は、少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、はりきって双眼鏡を覗いた。

すると、急に兄の顔に変化が生じた。
みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、ついには持ってる双眼鏡を落とした。
僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に聞いてみた。
『何だったの?』

兄はゆっくり答えた。
『わカらナいホうガいイ……』
すでに兄の声では無かった。

兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。


僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちていた双眼鏡を取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。
少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。
しかし、兄は…。

よし、見るしかない。どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!
僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。


『そこまでだ』

僕の背後から、聞き覚えの無い男の声。
振り返ると、そこには袈裟を着た若い僧侶が立っていた。

『ありゃあ、見ちゃいけねえもんだ。双眼鏡を置きな』

そう言って、僧侶らしき若い男は呪文のような言葉を唱え出す。
僕はやや困惑したが、この男に従い双眼鏡を地面に置いた。

『破ァァーッ!』

詠唱を終えた男が両手を突き出して叫ぶ。
するとその両手から巨大な青白い光弾が放たれ、くねくねと動く白い物体を消し飛ばしてしまった!

『これで安心だ。お前の兄貴も、きっと元に戻ってるだろう』
そう言って、男は去っていった。家に戻ると、兄はすっかり元に戻っていた。
食事時に話をしてみたところ、あの男は近所の寺の跡取り息子で、名をTと言うらしい。
寺生まれって凄い。何だかよく解らないけれど、僕は感動を覚えざるを得なかった。

642姦姦蛇螺1:2016/03/28(月) 09:32:16 ID:cisMJZoQ
小中学の頃は田舎もんで世間知らずで、特に仲の良かったA、Bと三人で毎日バカやって荒れた生活してたんだわ。

オレとAは家族にもまるっきり見放されてたんだが、Bはお母さんだけは必ず構ってくれてた。あくまで厳しい態度でだけど、何だかんだ言ってBのためにいろいろと動いてくれてた。

そのB母子が中三のある時、かなりキツい喧嘩になった。内容は言わなかったが、精神的にお母さんを痛め付けたらしい。

お母さんをズタボロに傷つけてたら、親父が帰ってきた。
一目で状況を察した親父はBを無視して黙ったまんまお母さんに近づいていった。
服とか髪とかボロボロなうえに、死んだ魚みたいな目で床を茫然と見つめてるお母さんを見て、親父はBに話した。

B父「お前、ここまで人を踏み躙れるような人間になっちまったんだな。母さんがどれだけお前を想ってるか、なんでわからないんだ。」
親父はBを見ず、お母さんを抱き締めながら話してたそうだ。
B「うるせえよ。てめえは殺してやろうか?あ?」
Bは全く話を聞く気がなかった。

だが親父は何ら反応する様子もなく、淡々と話を続けたらしい。
B父「お前、自分には怖いものなんか何もないと、そう思ってるのか。」

B「ねえな。あるなら見せてもらいてえもんだぜ。」
親父は少し黙った後、話した。

B父「お前はオレの息子だ。母さんがお前をどれだけ心配してるかもよくわかってる。
だがな、お前が母さんに対してこうやって踏み躙る事しか出来ないなら、オレにも考えがある。
これは父としてでなく、一人の人間、他人として話す。先にはっきり言っておくがオレがこれを話すのは、お前が死んでも構わんと覚悟した証拠だ。それでいいなら聞け。」

その言葉に何か凄まじい気迫みたいなものを感じたらしいが、いいから話してみろ!と煽った。

B父「森の中で立入禁止になってる場所知ってるよな。あそこに入って奥へ進んでみろ。後は行けばわかる。
そこで今みたいに暴れてみろよ。出来るもんならな。」

643姦姦蛇螺2:2016/03/28(月) 09:32:44 ID:cisMJZoQ
親父が言う森ってのは、オレ達が住んでるとこに小規模の山があって、そのふもとにある場所。樹海みたいなもんかな。山自体は普通に入れるし、森全体も普通なんだが、中に入ってくと途中で立入禁止になってる区域がある。
言ってみれば四角の中に小さい円を書いてその円の中は入るな、ってのと同じできわめて部分的。

二メートル近い高さの柵で囲まれ、柵には太い綱と有刺鉄線、柵全体にはが連なった白い紙がからまってて(独自の紙垂みたいな)、大小いろんな鈴が無数についてる。変に部分的なせいで柵自体の並びも歪だし、とにかく尋常じゃないの一言に尽きる。

あと、特定の日に巫女さんが入り口に数人集まってるのを見かけるんだが、その日は付近一帯が立入禁止になるため何してんのかは謎だった。
いろんな噂が飛び交ってたが、カルト教団の洗脳施設がある…ってのが一番広まってた噂。
そもそもその地点まで行くのが面倒だから、その奥まで行ったって話はほとんどなかったな。

親父はBの返事を待たずにお母さんを連れて2階に上がってった。Bはそのまま家を出て、待ち合わせてたオレとAと合流。そこでオレ達も話を聞いた。
A「父親がそこまで言うなんて相当だな。」

オレ「噂じゃカルト教団のアジトだっけ。捕まって洗脳されちまえって事かね。怖いっちゃ怖いが…どうすんだ?行くのか?」

B「行くに決まってんだろ。どうせ親父のハッタリだ。」

面白半分でオレとAもついていき、三人でそこへ向かう事になった。あれこれ道具を用意して、時間は夜中の一時過ぎぐらいだったかな。


意気揚揚と現場に到着し、持ってきた懐中電灯で前を照らしながら森へ入っていった。
軽装でも進んで行けるような道だし、オレ達はいつも地下足袋だったんで歩きやすかったが、問題の地点へは四十分近くは歩かないといけない。

ところが、入って五分もしないうちにおかしな事になった。
オレ達が入って歩きだしたのとほぼ同じタイミングで、何か音が遠くから聞こえ始めた。
夜の静けさがやたらとその音を強調させる。最初に気付いたのはBだった。

B「おい、何か聞こえねぇか?」

Bの言葉で耳をすませてみると、確かに聞こえた。落ち葉を引きずるカサカサ…という音と、枝がパキッ…パキッ…と折れる音。それが遠くの方から微かに聞こえてきている。

644姦姦蛇螺3:2016/03/28(月) 09:33:34 ID:cisMJZoQ
遠くから微かに…というせいもあって、さほど恐怖は感じなかった。
人って考える前に動物ぐらいいるだろ、そんな思いもあり構わず進んでいった。
動物だと考えてから気にしなくなったが、そのまま二十分ぐらい進んできたところでまたBが何か気付き、オレとAの足を止めた。

B「A、お前だけちょっと歩いてみてくれ。」

A「?…何でだよ。」

B「いいから早く」

Aが不思議そうに一人で前へ歩いていき、またこっちへ戻ってくる。それを見て、Bは考え込むような表情になった。

A「おい、何なんだよ?」
オレ「説明しろ!」
オレ達がそう言うと
Bは「静かにしてよ?く聞いててみ」と、Aにさせたように一人で前へ歩いていき、またこっちに戻ってきた。
二、三度繰り返してようやくオレ達も気付いた。

遠くから微かに聞こえてきている音は、オレ達の動きに合わせていた。オレ達が歩きだせばその音も歩きだし、オレ達が立ち止まると音も止まる。まるでこっちの様子がわかっているようだった。

何かひんやりした空気を感じずにはいられなかった。
周囲にオレ達が持つ以外の光はない。月は出てるが、木々に遮られほとんど意味はなかった。
懐中電灯つけてんだから、こっちの位置がわかるのは不思議じゃない…だが一緒に歩いてるオレ達でさえ、互いの姿を確認するのに目を凝らさなきゃいけない暗さだ。

そんな暗闇で光もなしに何してる?
なぜオレ達と同じように動いてんだ?

B「ふざけんなよ。誰かオレ達を尾けてやがんのか?」
A「近づかれてる気配はないよな。向こうはさっきからずっと同じぐらいの位置だし。」

Aが言うように森に入ってからここまでの二十分ほど、オレ達とその音との距離は一向に変わってなかった。
近づいてくるわけでも遠ざかるわけでもない。終始、同じ距離を保ったままだった。

オレ「監視されてんのかな?」

645姦姦蛇螺4:2016/03/28(月) 09:34:03 ID:cisMJZoQ
A「そんな感じだよな…カルト教団とかなら何か変な装置とか持ってそうだしよ。」

音から察すると、複数ではなく一人がずっとオレ達にくっついてるような感じだった。
しばらく足を止めて考え、下手に正体を探ろうとするのは危険と判断し、一応あたりを警戒しつつそのまま先へ進む事にした。


それからずっと音に付きまとわれながら進んでたが、やっと柵が見えてくると、音なんかどうでもよくなった。
音以上にその柵の様子の方が意味不明だったからだ。

三人とも見るのは初めてだったんだが、想像以上のものだった。
同時にそれまでなかったある考えが頭に過ってしまった。
普段は霊などバカにしてるオレ達から見ても、その先にあるのが現実的なものでない事を示唆しているとしか思えない。それも半端じゃなくやばいものが。
まさか、そういう意味でいわくつきの場所なのか…?森へ入ってから初めて、今オレ達はやばい場所にいるんじゃないかと思い始めた。

A「おい、これぶち破って奥行けってのか?誰が見ても普通じゃねえだろこれ!」

B「うるせえな、こんなんでビビってんじゃねえよ!」

柵の異常な様子に怯んでいたオレとAを怒鳴り、Bは持ってきた道具あれこれで柵をぶち壊し始めた。
破壊音よりも、鳴り響く無数の鈴の音が凄かった。

しかしここまでとは想像してなかったため、持参した道具じゃ貧弱すぎた。
というか、不自然なほどに頑丈だったんだ。特殊な素材でも使ってんのかってぐらい、びくともしなかった。
結局よじのぼるしかなかったんだが、綱のおかげで上るのはわりと簡単だった。
だが柵を越えた途端、激しい違和感を覚えた。
閉塞感と言うのかな、檻に閉じ込められたような息苦しさを感じた。
AとBも同じだったみたいで踏み出すのを躊躇したんだが、柵を越えてしまったからにはもう行くしかなかった。

先へ進むべく歩きだしてすぐ、三人とも気付いた。
ずっと付きまとってた音が、柵を越えてからバッタリ聞こえなくなった事に。
正直そんなんもうどうでもいいとさえ思えるほど嫌な空気だったが、Aが放った言葉でさらに嫌な空気が増した。

646姦姦蛇螺5:2016/03/28(月) 09:34:38 ID:cisMJZoQ
A「もしかしてさぁ、そいつ…ずっとここにいたんじゃねえか?この柵、こっから見える分だけでも出入口みたいなのはないしさ、それで近付けなかったんじゃ…」

B「んなわけねえだろ。オレ達が音の動きに気付いた場所ですらこっからじゃもう見えねえんだぞ?それなのに入った時点からオレ達の様子がわかるわけねえだろ。」
普通に考えればBの言葉が正しかった。禁止区域と森の入り口はかなり離れてる。
時間にして四十分ほどと書いたが、オレ達だってちんたら歩いてたわけじゃないし、距離にしたらそれなりの数字にはなる。
だが、現実のものじゃないかも…という考えが過ってしまった事で、Aの言葉を頭では否定できなかった。
柵を見てから絶対やばいと感じ始めていたオレとAを尻目に、Bだけが俄然強気だった。
B「霊だか何だか知らねえけどよ、お前の言うとおりだとしたら、そいつはこの柵から出られねえって事だろ?そんなやつ大したことねえよ。」

そう言って奧へ進んでいった。

柵を越えてから二、三十分歩き、うっすらと反対側の柵が見え始めたところで、不思議なものを見つけた。


特定の六本の木に注連縄が張られ、その六本の木を六本の縄で括り、六角形の空間がつくられていた。柵にかかってるのとは別の、正式なものっぽい紙垂もかけられてた。
そして、その中央に賽銭箱みたいなのがポツンと置いてあった。

目にした瞬間は、三人とも言葉が出なかった。特にオレとAは、マジでやばい事になってきたと焦ってさえいた。
バカなオレ達でも、注連縄が通常どんな場で何のために用いられてるものか、何となくは知ってる。
そういう意味でも、ここを立入禁止にしているのは間違いなく目の前のこの光景のためだ。
オレ達はとうとう、来るとこまで来てしまったわけだ。

オレ「お前の親父が言ってたの、たぶんこれの事だろ。」

A「暴れるとか無理。明らかにやばいだろ。」

だが、Bは強気な姿勢を崩さなかった。

B「別に悪いもんとは限らねえだろ。とりあえずあの箱見て見ようぜ!宝でも入ってっかもな。」

Bは縄をくぐって六角形の中に入り、箱に近づいてった。オレとAは箱よりもBが何をしでかすかが不安だったが、とりあえずBに続いた。

647姦姦蛇螺6:2016/03/28(月) 09:35:21 ID:cisMJZoQ
野晒しで雨とかにやられたせいか、箱はサビだらけだった。上部は蓋になってて、網目で中が見える。だが、蓋の下にまた板が敷かれていて結局見れない。

さらに箱にはチョークか何かで凄いのが書いてあった。
たぶん家紋?的な意味合いのものだと思うんだが、前後左右それぞれの面にいくつも紋所みたいなのが書き込まれてて、しかも全部違うやつ。ダブってるのは一個もなかった。

オレとAは極力触らないようにし、構わず触るBにも乱暴にはしないよう注意させながら箱を調べてみた。
どうやら地面に底を直接固定してあるらしく、大して重さは感じないのに持ち上がらなかった。
中身をどうやって見るのかと隅々までチェックすると、後ろの面だけ外れるようになってるのに気付いた。
B「おっ、ここだけ外れるぞ!中見れるぜ!」

Bが箱の一面を取り外し、オレとAもBの後ろから中を覗き込んだ。

箱の中には四隅にペットボトルのような形の壺?が置かれてて、その中には何か液体が入ってた。
箱の中央に、先端が赤く塗られた五センチぐらいの楊枝みたいなのが、変な形で置かれてた。

/\/\>

こんな形で六本。接する四ヶ所だけ赤く塗られてる。

オレ「なんだこれ?爪楊枝か?」

A「おい、ペットボトルみてえなの中に何か入ってるぜ。気持ちわりいな。」

B「ここまで来てペットボトルと爪楊枝かよ。意味わかんねえ。」
オレとAはぺットボトルみたいな壺を少し触ってみたぐらいだったが、Bは手に取って匂いを嗅いだりした。
元に戻すと今度は/\/\>を触ろうと手を伸ばす。
ところが、汗をかいていたのか指先に一瞬くっつき、そのせいで離すときに形がずれてしまった。


その一瞬
チリンチリリン!!チリンチリン!!
オレ達が来た方とは反対、六角形地点のさらに奧にうっすらと見えている柵の方から、物凄い勢いで鈴の音が鳴った。さすがに三人ともうわっと声を上げてビビり、一斉に顔を見合わせた。

648姦姦蛇螺7:2016/03/28(月) 10:02:18 ID:cisMJZoQ
Bはその方向へ走りだした。

オレ「バカ、そっち行くな!」
A「おいB!やばいって!」

慌てて後を追おうと身構えると、Bは突然立ち止まり、前方に懐中電灯を向けたまま動かなくなった。
「何だよ、フリかよ?」とオレとAがホッとして急いで近付いてくと、Bの体が小刻みに震えだした。
「お、おい、どうした…?」言いながら無意識に照らされた先を見た。


Bの懐中電灯は、立ち並ぶ木々の中の一本、その根元のあたりを照らしていた。
その陰から、女の顔がこちらを覗いていた。
ひょこっと顔半分だけ出して、眩しがる様子もなくオレ達を眺めていた。
上下の歯をむき出しにするようにい?っと口を開け、目は据わっていた。

「うわぁぁぁぁぁ!!」
誰のものかわからない悲鳴と同時に、オレ達は一斉に振り返り走った。頭は真っ白で、体が勝手に最善の行動をとったような感じだった。互いを見合わす余裕もなく、それぞれが必死で柵へ向かった。

柵が見えると一気に飛び掛かり、急いでよじのぼる。上まで来たらまた一気に飛び降り、すぐに入り口へ戻ろうとした。
だが、混乱しているのかAが上手く柵を上れずなかなかこっちに来ない。

オレ「A!早く!!」
B「おい!早くしろ!!」

Aを待ちながらオレとBはどうすりゃいいかわからなかった。

オレ「何だよあれ!?何なんだよ!?」
B「知らねえよ黙れ!!」
完全にパニック状態だった。

「落ち着け」
聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ。
Tさんはオレ達の前に出ると「破っ!」と掛け声を発し、青白い光の壁でオレ達を取り囲んだ。“結界”というやつだ。
辛うじて、外の様子は見える。その女は左と右で三本づつ……つまり六本の腕を持ち、大蛇の下半身を持つ異形だった。

「貴様ハ……何者ダ……?」
突如現れたTさんに、女は抑揚の無い声で怪訝そうに問う。
それを聞いたTさんは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべて答えた。
「お前に引導を渡しに来た」

「若造ガ……ホザキオッテ……」
Tさんの答えを聞いた女は鼻で笑うように言い捨て、結界越しにも伝わってくる程の凄まじいエネルギーを放出しながら六本の腕を突き出す。
するとそこから黒い光の粒子が生まれ、やがてそれは一つの巨大な光弾となった。

「滅セヨッ!」
女が叫ぶと、光弾は女の手元を離れTさんへ向かってゆく、
Tさんも両手を突き出し、青白い光弾を放とうとするが……遅かった。

「ぐはッ!」
攻撃を繰り出す前に、Tさんは女の黒い光弾をまともに喰らい数m吹き飛ばされる。
「へえ、やるじゃねえか……」
Tさんは空中で受け身を取り着地、口元から血を垂らしながら笑った。

「……ホウ、我ノ攻撃ヲ受ケ、ナオ生キテイルトハナ」
女はやや感心したように言い、下半身の蛇尾を鞭の如くしならせる。
するとそこから黒い光の刃が放たれ、Tさんへと飛来する。

「破ァ!」
Tさんは後方に飛びつつ呪文を唱え、両手から青白い光弾を放つ。
光刃と光弾はぶつかり合い、対消滅した。

649姦姦蛇螺8:2016/03/28(月) 10:51:04 ID:cisMJZoQ
「俺の光弾を相殺するとは……」
Tさんは若干驚いた表情で呟く。
そして呪文じみた言葉を小声で唱えつつ、蛇女の眼前まで接近した。

「近付イテクルトハナ……貴様、正気カ?人間如キガ、コノ我ニ敵ウトデモ?」
女は蛇の下半身をうねらせ、Tさんを嘲笑する。
呪文を唱え終えたTさんは、両手をかざし攻撃を仕掛けようとした。
しかしその瞬間、女は蛇の下半身を鞭のように撓らせてTさんを打ちつける。
あまりの衝撃に耐え切れず、Tさんは盛大に吐血した。

「クク…愚カナ男ヨ」
そして蛇女はトドメとばかりに、Tさんにその下半身を巻きつかせる。
「我ガ糧トナルガイイ……コノ娘ノヨウニナ……!」
徐々にTさんを締めつけてゆく蛇尾。
女は不気味な笑みを浮かべているが、その両目からは血が涙のように流れていた。

「この時を……待ってたぜ……」
Tさんは蛇に締め上げられながらやや苦しげに、しかし力強く笑った。
「何ヲ馬鹿ナコトヲ……貴様ハ最早、逃ゲラレヌワ……」
女が嘲り笑い、更に締めつける力を強めようとした……その時。

「……破ぁぁああああッ!!」
渾身の力を振り絞り、Tさんが叫ぶ。するとTさんの全身が青白い閃光に包まれ、蛇の下半身を消し飛ばす!
「グ……グアアアアアァアアッ!!!」
六本の腕を振り回し、のた打ち回る女。その隙を見逃さず、拘束から解放されたTさんは両手を天高く掲げ、「破ァッ!」と叫ぶ。
するとTさんの両手から巨大な青白い光弾が飛び出し、それは空中で弾けて何条もの光線となり女に降り注いだ!

「オノレ……オノレエエエッ!!」
女は光の雨に打たれ、苦悶しながら消滅する。
その瞬間、気のせいか「ありがとう」という女の声が聞こえた気がした。

「いつか生まれ変わるその日まで……安らかに眠りな」
そう呟いて、静かに目を閉じ合掌するTさん。
オレとBを取り囲む結界は、いつの間にか消えていた。
寺生まれって凄い、オレ達は心からそう思った。

あとで話を聞いてみると、あれは「カンカンダラ」というらしく、大昔に人を喰らう大蛇の化物を退治しようとして返り討ちに遭い、生贄となった巫女の成れの果てらしい。
最後に聞いた「ありがとう」という声は、その巫女のものだったのかもしれない。
オレとBも、Tさんに倣って静かに目を閉じ、合掌した。

650寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 11:15:06 ID:cisMJZoQ
あ、ミスった……これ3人だったんだな。
Aが「オレ」だと思ってたわ

651寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 14:40:32 ID:I0TQMWp6
「俺の光弾を相殺するとは……」
Tさんは若干驚いた表情で呟く。
そして呪文じみた言葉を小声で唱えつつ、蛇女の眼前まで接近した。

「近付イテクルトハナ……貴様、正気カ?人間如キガ、コノ我ニ敵ウトデモ?」
女は蛇の下半身をうねらせ、Tさんを嘲笑する。
「……あんま見くびってもらっちゃあ、困るぜ」
呪文を唱え終えたTさんは、両手をかざし攻撃を仕掛けようとした。
しかしその瞬間、女は蛇の下半身を鞭のように撓らせてTさんを打ちつける。
あまりの衝撃に耐え切れず、Tさんは盛大に吐血した。

「クク…愚カナ男ヨ」
そして蛇女はトドメとばかりに、Tさんにその下半身を巻きつかせる。
「くっ……!」
「我ガ糧トナルガイイ……コノ娘ノヨウニナ……!」
徐々にTさんを締めつけてゆく蛇尾。
女は不気味な笑みを浮かべているが、その両目からは血が涙のように流れていた。

「この時を……待ってたぜ……」
Tさんは蛇に締め上げられながらやや苦しげに、しかし力強く笑った。
「何ヲ馬鹿ナコトヲ……貴様ハ最早、逃ゲラレヌワ……」
女が嘲り笑い、更に締めつける力を強めようとした……その時。

「……破ぁぁああああッ!!」
渾身の力を振り絞り、Tさんが叫ぶ。するとTさんの全身が青白い閃光に包まれ、蛇の下半身を消し飛ばす!
「グ……グアアアアアァアアッ!!!」
六本の腕を振り回し、のた打ち回る女。その隙を見逃さず、拘束から解放されたTさんは両手を天高く掲げ、「破ァッ!」と叫ぶ。
するとTさんの両手から巨大な青白い光弾が飛び出し、それは空中で弾けて何条もの光線となり女に降り注いだ!

「オノレ……オノレエエエッ!!」
女は光の雨に打たれ、苦悶しながら消滅する。
その瞬間、気のせいか「ありがとう」という女の声が聞こえた気がした。

「いつか生まれ変わるその日まで……安らかに眠りな」
そう呟いて、静かに目を閉じ合掌するTさん。
オレとBを取り囲む結界は、いつの間にか消えていた。

あとで話を聞いてみると、あれは「カンカンダラ」というらしく、大昔に人を喰らう大蛇の化物を退治しようとして返り討ちに遭い、生贄となった巫女の成れの果てらしい。
最後に聞いた「ありがとう」という声は、その巫女のものだったのかもしれない。
オレとBも、Tさんに倣って静かに目を閉じ合掌した。
遅れて柵を乗り越えてやってきたAは状況を理解できていなかったが、Tさんの説明によって納得したようだ。

「お前達はまだ若い。そして……お前達は今日、恐怖というものを知った。ここから、いくらでもやり直せるはずだ」
そう言って、Tさんは去っていった。
寺生まれって凄い。オレ達は心の底からそう思い、心を入れ替えようと決意した。

652寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:03:29 ID:uuE0O8SI
これは話の展開が前半はそのままなのと、前振りが長く諄くなっているから省略しても問題が無い気がする

653寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:26:52 ID:I0TQMWp6
やっぱ前半いらないな

654寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:51:07 ID:uuE0O8SI
姦姦蛇羅は元ネタと差分が出るTさん登場までは展開を軽く説明する程度にして流した方が良かった。

655寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:55:20 ID:I0TQMWp6
元ネタが長いからね

656寺生まれの名無しさん:2016/03/31(木) 02:07:03 ID:waFlasn.
A「えーと。いまさら説明するまでもないと思いますが、マリオの簡単なストーリーをお話します。
 えー……平和なキノコ王国がカメ一族に侵略され……」
野村「うーん。Aちゃんさあ。キノコ王国じゃ余りに平凡じゃない?」
A「はい?」
野村「サンクチュリアス・オヴ・マッシュルムスでどう?」
鳥山「ですね」
野村「それとだけど、僕の解釈だとあれはカメじゃないん…」

「そこまでだ!」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ
「コイツを食らえ!」「破ぁーーーーー!!」と、Tさんの腕から青白い光線が飛び出……

野村「うーん。Aちゃんさあ。Tさんじゃ余りに平凡じゃない?」
A「はい?」
野村「タイラント・オヴ・ホーリーマスターでどう?」
鳥山「ですね」
野村「それと寺生まれだけど、僕の解釈だとあれは寺じゃないんだよね」
A「は?」
野村「あれは『神殿』なんだよね。封印の神殿」
鳥山「『呪われし天使を封ず神殿』ね」
野村「それと僕の解釈では、あれは光線じゃないくて『ディメンション・オーラ』って呼びたいな。それとね……」

一時間後


「そこまでだ…」聞いたことのある声――――
呪われた神殿に生まれ、全ての災いを封印せんとする男――――「タイラント・オヴ・ホーリーマスター」通称『T』だった――――
「コイツを食らえ…」「ウル・ファイント・オフ・゙デリート・ザ・ダーク…」と、呪文を詠唱する―――
『Tの周囲の時空が歪み始める―――

『ディメンション・オーラ』
野村・鳥山「グワアアアアアアアアアアアアアアアア」

「これで安心だ・・・」そう呟いて片手でタバコに火をつける『T』――――
神殿生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思った――――――――

657寺生まれの名無しさん:2016/03/31(木) 19:29:27 ID:tw2CudMc
中二病(若かりし日)のTさんか。
バラされたら吐血か、直前に破ァで口封じですね。

658姦姦蛇羅7からの改編:2016/04/01(金) 18:24:05 ID:ly0Kv.wU
慌てて後を追おうと身構えると、Bは突然立ち止まり、前方に懐中電灯を向けたまま動かなくなった。
「何だよ、フリかよ?」とオレとAがホッとして急いで近付いてくと、Bの体が小刻みに震えだした。
「お、おい、どうした…?」言いながら無意識に照らされた先を見た。

Bの懐中電灯は、立ち並ぶ木々の中の一本、その根元のあたりを照らしていた。
その陰から、寺生まれで霊感が強いTさんがこちらを覗いていた。
ひょこっと顔半分だけ出して、眩しがる様子もなくオレ達を眺めていた。
上下の歯をむき出しにするようにい?っと口を開け、目は据わっていた。

「うわぁぁぁぁぁ!!」
誰のものかわからない悲鳴と同時に、オレ達は一斉に振り返り走った。頭は真っ白で、体が勝手に最善の行動をとったような感じだった。互いを見合わす余裕もなく、それぞれが必死で柵へ向かった。

柵が見えると一気に飛び掛かり、急いでよじのぼる。上まで来たらまた一気に飛び降り、すぐに入り口へ戻ろうとした。
だが、混乱しているのかAが上手く柵を上れずなかなかこっちに来ない。

オレ「A!早く!!」
B「おい!早くしろ!!」

Aを待ちながらオレとBはどうすりゃいいかわからなかった。

オレ「何だよあれ!?何なんだよ!?」
B「知らねえよ黙れ!!」
完全にパニック状態だった。

「落ち着け」
いつの間にか土の中から出て来たTさんが声を掛ける。
Tさんはオレ達の前に出ると「破っ!」と掛け声を発し、青白い光の壁でオレ達を取り囲んだ。“結界”というやつだ。
「親御さんから、お前らの腐った性根を叩き直して欲しいと頼まれてな…」
Tさんの圧力で眼を逸らせず何時もの様に生意気を言う事も出来ず、呼吸すらままならない俺ら。
「その甘ったれた性根を叩き直してやるから覚悟しろよ!餓鬼ども!!」
その晩はTさんの一喝で俺らは意識を失った。

659姦姦蛇羅7からの改編:2016/04/01(金) 18:40:18 ID:ly0Kv.wU
あの時、親父とTさんが居なければ今頃はどうなっていたか。
懐かし気に思い出を話す高校生になった俺。
プールで地縛霊に引きずり込まれる所を助けられた水泳部で後輩のSは手の付けられない悪ガキを更生させる寺生まれは凄いと壊れて水の抜けたプールでそう思った。

660寺生まれの名無しさん:2016/04/06(水) 21:27:56 ID:aLxzhShY
初カキコ…ども…

俺みたいな中3で霊感の強い寺生まれ野郎、他に、いますかっていねーか、はは
あの流行りの曲かっこいい とか あの服ほしい とか
ま、それが普通ですわな

かたや俺は心霊スポットで死霊を見て、叫ぶんすわ
破ぁーーー! 祓ってる?それ、誉め言葉ね。

好きな音楽 お経
尊敬する人間 空海(衆道行為はNO)

なんつってる間に丑三つ時っすよ(笑) あ〜あ、寺生まれの辛いとこね、これ

661寺生まれの名無しさん:2016/04/09(土) 18:56:26 ID:F4Fj9N9A
本物の闇を経験した俺からしたらおままごとにしか思えん
こういうのは俺らみたいな闇系に任せてのほほん日常書いとけばいいと思う
圧倒的に暗い経験がたりない ガソリンの「破ぁ!」

俺の闇はTさんの放った青白い光に浄化され消えた。
寺生まれってすごい、改めてそう思った

662自己責任:2016/04/10(日) 13:50:47 ID:7bflD9Ow
私たち、(T・K・N・友・私)は、皆内定が決まっていて、高校受験組を横目に暇を持て余していました。
内定取り消しを避ける為、一応真面目に学校に通ってはいましたが、進路が確定している分、ダレが有り偶に学校をさぼり、こっそり酒盛りをしたりもしていました。

ある日、友人T&Kが、近所の屋敷の話を聞いてきました。改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。
サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。

外から様子のわからないような、とても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか、少しびびりましたが、TKは「大丈夫」を連発しながらどんどん中に入って行きます。
既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。
壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。
「こっちも部屋か」
よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアはこちら側からは本棚で塞がれていました。
肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。
今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることにそのとき疑問を持つべきでした。

それでもそのときの、こっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのかじめっとしていました。
部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。湿気で壁紙はカピカピになっていました。
部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、その上に、真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。

「なんやこれ、気持ち悪い」と言って友が写真入れを手にとって、持ち上げた瞬間、額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。紙は御札でした。

「破ァ――――」
その時、Tが光弾を発しました。
「除霊も済んだし、安心だな」
しかし、Tの除霊で漏れた光を誰かが目撃した可能性もあると、その日はお開きにして早々に帰りました。
NとKはあの場所に何が居たか分かっていたみたいですが、私と友がその事を聞いても知れば何が有っても自己責任になると話してはくれません。
あの日、あの場所に何が憑いていたか謎なままです。
Tの除霊で砕けた調度品、内壁を思い出すたびに寺生まれって凄いと今でも思います。

663寺生まれの名無しさん:2016/04/10(日) 17:51:58 ID:L0IbYXdc
Nさんは内定決まってたのになんで闇に堕ちたんだよw

664寺生まれの名無しさん:2016/04/10(日) 18:20:11 ID:7bflD9Ow
受験は高校の次も有るよ

665寺生まれの名無しさん:2016/04/10(日) 23:00:55 ID:7bflD9Ow
自分はNさんは大学受験で失敗して闇落ちしたイメージ。
年齢は20代前半ぐらい。

666sage:2016/04/11(月) 09:13:34 ID:XCP.lP5U
作ろうと思ったら、もうあった。
以下コピペ。


1473.  2015/07/13(月) 16:20:24

とある若者たちのグループが、海外旅行へと出かけた。
彼らが行った国は都心部の発展がめざましく、超高層ビルもいくつか見受けられた。
そこで若者たちは、一生の思い出だからと奮発し、なんと100階以上もある高級ホテルに泊まることにした。
ここまで来たのなら、もちろん100階に泊まってみたい。
幸い100階の部屋はがら空きだったので、彼らは100階の1号室に泊まることにした。
「すげー、こんな桁数多い部屋番号見たことねえよ俺……」
そんなことで無邪気にはしゃぎながら、彼らは高速エレベーターを使って部屋に向かう。
部屋の内装はとても綺麗だったし、何より景色が最高だった。
国中を見渡せるんじゃないかと思うような絶景に、彼らは大喜びした。

しかし、旅行2日目にその恐怖はやってきた。
彼らがホテルに帰ってくると、何やら電灯が薄暗い。 フロントで話を聞くと、なんと停電とのこと。
非常電源はあるのだが、高速エレベーターは使えない。
部屋までは階段で行って欲しい、と言われて、若者たちは絶望した。
こうなることを恐れて、100階はがら空きだったのか……
「100階まで階段とか無理ですよ……1階にもうひとつ部屋取れませんか?」
「残念ですが、20部屋全て埋まっております。 50階くらいまでは一階と同じですよ」

どうせ50階までは上がるのだったら、部屋代がもったいない。
これも旅の思い出、100階登り切ってやろうじゃないか。
そう決意した若者たちは、気を紛らわすために、一階上がるごとに怖い話をして登っていくことにした。
全部で百物語というわけだ。

そして彼らは怪談を語りながら階段を上がり続け、脚がパンパンになりながらもなんとか99階まで到達することができた。
疲労困憊の若者たちに、リーダーが言う。

「みんな、これから話す最後の怪談は、本当に怖い話だ。 なんたって百物語のラストだからな」
みな、彼の尋常ではない雰囲気に、息を呑んで聞き入った。
1474.  2015/07/13(月) 16:26:14

「いいか……実はな、部屋の鍵を「破ぁ〜〜〜……!!」


その時、リーダーの話をかき消すようにして、奇妙な掛け声が階段の踊り場に響き渡った!
階段の方を見ると、ホテルの従業員が息も絶え絶えな様子で駆け上がって来ている。
よく見ると、彼はたまたまバイトに来ていた寺生まれで霊感の強いTさんじゃないか!!

「破ぁ……破ぁ……ゲホッゲホッ……お、お客様……破ぁ……わ、忘れものですよ……」

必死に声を絞り出す彼の手元には、「1001」と刻まれた部屋の鍵があった。

「なんてこった、俺達はフロントに鍵をもらうのも忘れてここまで登ってきてたのか!?」

皆の背筋に冷たいものが走る。もしもTさんが命がけでここまで追いかけてきてくれなかったら、
今頃彼らは怪談以上の恐怖を味わっていたことだろう。
若者たちは泣きながらTさんに感謝し、気付いたのがほんの少し前だったので、
慌てて全段休まず駆け上がってきたという、彼の満身創痍の体を介抱した。

「へへ……お前ら……百物語なんかしやがって。 全話終わる前に間に合って良かったぜ……」
「この状態で除霊するのは、きっと骨が折れただろうからな……!」

やっぱり寺生まれってすごい。不敵に笑うTさんを見て、若者たちは改めてそう思った。

667sage:2016/04/11(月) 09:48:22 ID:XCP.lP5U
変わりにコッチを使おうと思う。
まず元ネタ。

88 :その1:2008/06/29(日) 01:07:57 ID:IEygAJBd0
霊感が物凄いあると豪語する友人Kが有名な心霊スポットへ行ってきたそうなので詳細聞いてみた。
俺「あそこ子供の霊が出るっていうウワサだったんだけど、どうだった? 居たの?」
K「んあ? ありゃガセだよガセ。散々探し回ったけど子供の霊なんて一体もイネーしよ。ガッカリだね」

89 :その2:2008/06/29(日) 01:08:44 ID:IEygAJBd0
霊感が物凄いあると豪語する友人Kが仲間数名とまた有名な心霊スポットへ行ってきたそうなので詳細聞いてみた。
俺「今度は友達と行ったんだって? どうだった?」
K「ああ…。突入するまではスゲー盛り上がってたんだけどさ、建物入った途端、全員一斉に逃げ出しやがってよ。拍子抜けして帰ってきたよ。ツマンネー」


教会生まれのKさんが浮かんだw

668寺生まれの名無しさん:2016/04/11(月) 20:20:39 ID:epCUBS/I
>>666
前のぶん殴るTさんよりTさんらしくて良かった。

669タイトル未定:2016/04/12(火) 20:36:54 ID:rPR..qaA
テスト

670タイトル未定:2016/04/12(火) 20:49:59 ID:rPR..qaA
俺はただの心霊マニア。
巷では高校生デビューだかが流行ってるが、俺は念願のオカルトスポットデビューだ。
俺はネットで見た情報を頼りに某心霊スポットへ1人で行ってみることにした。
何大丈夫だ。
何たってその場所にはウワサの子供の霊なんて一体もいなかったっていうし、霊能者が仲間で突入したら逃げ出したって、教会生まれで霊感の強いKさんの書き込みなんだから何にも心配することは無い。
やっぱ初心者はヘタにガチでヤバイ所に行くよりも、そういった安全な所に行った方が良いだろうからな……。
そうこうしてるウチに、元有名な心霊スポットに着いていた。

671タイトル未定:2016/04/12(火) 21:01:51 ID:rPR..qaA
間違って途中送信しちゃった!?

672大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 21:09:42 ID:rPR..qaA
俺はただの心霊マニア。
巷では高校生デビューだかが流行ってるが、俺は念願のオカルトスポットデビューだ。
俺はネットで見た情報を頼りに某心霊スポットへ1人で行ってみることにした。
何大丈夫だ。
何たってその場所にはウワサの子供の霊なんて一体もいなかったっていうし、霊能者が仲間で突入したら逃げ出したって、教会生まれで霊感の強いKさんの書き込みなんだから何にも心配することは無い。
やっぱ初心者はヘタにガチでヤバイ所に行くよりも、そういった安全な所に行った方が良いだろうからな……。
そうこうしてるウチに、元有名な心霊スポットに着いていた。






俺はすぐに後悔することになってしまった。
そこには、呪い屋のNさんがいたのだ。
しかも、今までTさん達が祓ったとネットに書かれていた悪霊や式神も勢揃いしているのだ。

 ―煙の式神
  煙状の式神。他人の恨みを吸収して力を増す。
 ―大鴉の式神
  魂を吸い取る呪いの護符に宿っていた。
 ―生首
  7つ目の怪談を作るためにNさんが差し向けた妖怪。
 ―カーブの手まねき霊
  Nさんに引っ張られての集まった霊の集団。
 ―蠱毒のムカデ
  蠱毒の術を繰り返したことで生まれた。腹から子ムカデを出す他、強力な毒を持つ。
 ―雲外鏡
  カーブミラーに宿っていた黒い雨雲のような妖怪。姿を見たものを襲う。Jちゃんの攻撃を無効化し、TさんとKさんの攻撃にも耐えたが、照魔鏡の力で消滅した。  

 ―恐怖の橋の吊り男
  サラリーマン風の中年男性の姿。「あなたも吊りましょう」といって自殺へ誘い込む。
 ―本栖湖畔の女性
  おぼれた振りをして人を引きずり込もうとする。真っ暗なのに顔がはっきり見える。
 ―いつまで婆
  満面の笑みを浮かべた顔がお婆さんの小さい女の子。「いつまで生きる?」と問いかけ、姿を見た人に取り憑く。取り憑かれた人がこのときの話をすると、満面の笑顔になる。
 ―山の怪
  ジャミラに似たシルエットを持つ単足の妖怪。山に入ってきた女性に取り憑く。「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」とつぶやく。
 ―暗黒の騎士
  暗黒の騎士っぽいなにか。
 ―足長男
  半そで短パンで異様に足が長い男。車に追い付く程のスピードで走ったり、なぜか獲物に対して先回りができる。
 ―くねくね
  云わずとしれた妖怪。Tさんをして相当やばいと語らしめた。別バージョンでは祖父の振りをした悪霊とタッグを組んでいた。
 ―八尺様
  おなじみ。Tさんの前では敵ではなかった。
 ―赤いワンピースの女
  道をあるいており、それに気を取られたドライバーが事故を起こすと思われていたが、実際は顔の抉れた女が対向車の車体に飛び乗り、方向を狂わせていた。その女と組んでいたかは不明。
 ―兄に化けていた化け物
  家庭内の不和に付け込んでいつの間にか家庭に紛れこんで子供を喰らう。正体は黒い獣で、手から炎の弾を撃つ。
 ―便器の悪霊
  顔が半分抉れた女の悪霊。Tさんにそのまま流されてしまう。
 ―緋色の飴の鬼
  呪いの執行の対価として一族の命を奪おうとする鬼。詳細不明。
 ―生首の悪霊
  女性に取りついて結界を広げていた女の生首。取りついた相手が寝ている間に体を操って髪の毛を周りに埋め込んでいた。

 ―井戸にすんでいたもの
  金属音をならす姿がない何か。友人の中に潜む者との戦いで疲弊し、Tさんに破ぁされた。
 ―友人の中に潜む者
  白いんだかグレーなんだか透明なんだか、煙なんだか人影なんだか、何か良く解らない「何か」。女子大学生の中に住み着いていた。その人自身の中に住み着いているのかその人が異世界とつながっていてそこから出入りしているのかは不明。
  井戸にすんでいたものと戦い、その後Tさんにまとめて破ぁされた。別にその人を守っていたわけではなく、家の玄関を守る程度の考えだった。

673大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 21:13:27 ID:rPR..qaA
 ―ガサガサ
  全身が瘡蓋か鱗におおわれた人型の妖怪。とあるお婆さんに封印されていた。破ぁを回避するなど非常に実力のある妖怪。
 ―鎧を着た人
  鎧を着て、右手に刀、左手には赤ん坊を打ちつけた板を持つ悪霊。復讐をたくらんでいるらしく、「わぬしか!わがたまきりたるはわぬしか!」と叫んでいた。とある子供に襲いかかるが、その子の祖父の霊に妨害され、Tさんに破ぁされた。
 ―壁の中の老婆
  爺さんと、「死んだらさびしくないように壁に埋めておく」という約束をしていた老婆。「じいさん、じいさん…」といい、代役を頼まれていた男がうっかり暴言を吐いたため「爺さんはどこだあ!」と壁から飛び出してきた。
 ―鋸男
  夢に出てきて家の柱を切る悪霊。顔中に釘を打ちつけてある。言動がイカレている。
 ―暗室の亡霊
  昔ある生徒が死亡し、教師が自殺した学校の暗室にいる霊。3時35分になると、ドアを激しく叩く音がし、それに答えてしまうと中に引きずり込まれ、閉じ込められてしまうという事件の犯人。
 ―モスマン
  太平洋戦下でB29を襲っていた体は人間ににているが痩こけて体毛は確認できず、 肌は浅黒く顔はひととも獣ともつかない 。耳はとがり 背中には蝙蝠のような翼を生やし、身長5m幅20mほど。突然戦闘機に乗って現れたTさんに破れた。

 ―せぶりしゅう
  ある無人島に夜になると現れる。男女の叫び声や悲鳴とともにあらわれる。水死体であり、それが立ち上がって襲いかかる。地元の人は夜中にその島へはいかない。
 ―セプティマ・コトリパーダ
  コトリバコの魔人。人型から全身目玉の形態へ移行する。他人の四肢を操る能力をもつ。
 ―二人の母
  のっぺらぼうと鬼の形相の悪魔の2体で一人の男の子を騙していた。変化は上手いが戦闘はさして上手くない。
 ―ティシュ箱の怪物
  ティッシュの空箱に住み着いていた緑色のスライムで、目のような物がある。住み着いてるティッシュ箱を覗くと外灯に照らされた夜道が見える程度だったはずだが、Tさんを血だらけにする実力を持つらしい。

 ―真っ黒な顔をした大男
  金縛りとともに現れた悪霊。Tさんの破ぁを受け止める強敵。だが現場にあった守り刀を使っTさんに破れる。
 ―フクロウ(たたりもっけ?)
  子供に取りついて悪夢を見せていた。破ぁを躱す実力を誇る。
 ―3人組の女
  手をつないでいる3人組の女。「マーーー」と大声をあげて襲いかかってきた。
 ―化け灯篭
  本体は石灯籠の中にいて、女の幽霊の幻を映し、人の生き血を啜る。
 ―路地の赤子
  外見は普通の赤ん坊だが、迷い込んだ猫や人間を食べてしまう凶暴な性格。実は路地そのものが悪霊の集合体。
 ―ヘイシ様
  昔騙されて殺された平氏の落ち武者の怨念。最初の子の命を奪う。Tさんを退けるほど強力な悪霊だったが、Tさんの説得に応じて憎しみを解いた。

674大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 22:26:43 ID:rPR..qaA
早くこのことをTさん達に教えないと!?
だがケータイを持つ手がふるえて上手く文字が打てない。


ガシャン


うっかりケータイを落としてしまった。

「み〜た〜な〜!?」

こんなことなら大人しく高校生デビューしてれば良かったと思ってももう遅い。
せめて……、可愛い彼女を作って青春をおうかしたかった。









「そこまでです。兄様!」
「っ!?」
「破ァ!」
「アーメン!」
「矢ぁ!!」



TさんとKさんとJちゃんがお決まりの必殺技を放った途端、悪霊の内の三体は一瞬で消えた。
かつてはあんな大バトルを繰り広げたというのに!?
「……フッ、かかったな!?」
「なっ!?」

何とまるでそれが引き金だったかのように、大量の悪霊達が次々とNさんを取り込むように合体して1つのまがまがしい怪物になってしまった!?

「しょうがねぇ。こうなったら、こっちも合体だ!!」
「もうそうする以外、兄様を止める手段は無いッス!」
「それでは行きますよ!」
「まずは俺からだ!破ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「アーメンンンンッ!!」
「矢ぁぁぁぁぁぁ〜!!」

今俺は……奇跡の目撃者になっているのか!?
こんな体験、普通に高校デビューをしていたら得られなかった。

今ここに、最終決戦が繰り広げられようとしている!!

675大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 23:15:19 ID:rPR..qaA
「っていう感じのDVDありませんか?」
「帰れ!」

俺何にも悪くないのにオタク扱いされてアタッマきちゃったから、もうこうなったら自分で作ってやるんだ。
CGだなんて使わないでちゃんと正真正銘の本物でリアリティを追求するんだ!!
この世の中スマホさえあれば心霊スポットなんてすぐ見つけられるし、霊を撮ることも出来るしな!
だけど急にトイレ(大)に行きたくなり、慌てて公衆便所に入るとそこは和式だった。
和式は嫌いだが仕方無いのでしゃがんでみると、目の前に寺生まれのTさんがいて【右ヲ、ミロ!!!】と指示された。
なんで?
と思って右の壁を見ると教会生まれのKさんがいて【左ヲ、ミナサイ!!!】と言われ、随分命令口調だなぁ……などと思いながらもその通りに左を見てやると今度は神社生まれのJちゃんが【上ヲ、見タラダメッス!!!】と言ってドキッとしてしまった。
怖かったけど、ゆっくりと後ろに振り返ってみると……、

「み〜た〜N「破ぁ!!」

何時もより特大なTさんが発射した気弾によって、トイレは吹っ飛んでしまった。
いくら春とはいえまだ少し肌寒く感じるのに、風は容赦ない。
そこには合体ロボがあって、Tさん達は乗り込んだのだった。
そして

「少年よ。量産機になるな!」

と一言残し空へと飛んでいってしまった。
何てことだ!?
俺が必死になって考えていたアイディアは既に他の誰かによって作られてしまっていたのだ。
完全に出し抜かれた!?
何時だ!?
俺がレンタル店にいる時か!?
あの店員の反応からまだ作られてないものだと思っていたのに。
俺は妄想の中の大量復活怪人達のように、使い捨てには絶対ならない!!

これまでまだ誰も作ったことのない作品を作るんだ!!
それにしても、まだ世間に未発表のロボを見せてまで俺という『己』を尊重させてくれるだなんて、TさんもKさんもJちゃんもスゲェと、HALの風を芯から感じながら思っていた。



676大漁復活怪人の法則(修正版):2016/04/12(火) 23:17:37 ID:rPR..qaA
「っていう感じのDVDありませんか?」
「帰れ!」

俺何にも悪くないのにオタク扱いされてアタッマきちゃったから、もうこうなったら自分で作ってやるんだ。
CGだなんて使わないでちゃんと正真正銘の本物でリアリティを追求するんだ!!
この世の中スマホさえあれば心霊スポットなんてすぐ見つけられるし、霊を撮ることも出来るしな!
だけど急にトイレ(大)に行きたくなり、慌てて公衆便所に入るとそこは和式だった。
和式は嫌いだが仕方無いのでしゃがんでみると、目の前に寺生まれのTさんがいて【右ヲ、ミロ!!!】と指示された。
なんで?
と思って右の壁を見ると教会生まれのKさんがいて【左ヲ、ミナサイ!!!】と言われ、随分命令口調だなぁ……などと思いながらもその通りに左を見てやると今度は神社生まれのJちゃんが【後ロヲ、見タラダメッス!!!】と言ってドキッとしてしまった。
怖かったけど、ゆっくりと後ろに振り返ってみると……、

「み〜た〜N「破ぁ!!」

何時もより特大なTさんが発射した気弾によって、トイレは吹っ飛んでしまった。
いくら春とはいえまだ少し肌寒く感じるのに、風は容赦ない。
そこには合体ロボがあって、Tさん達は乗り込んだのだった。
そして

「少年よ。量産機になるな!」

と一言残し空へと飛んでいってしまった。
何てことだ!?
俺が必死になって考えていたアイディアは既に他の誰かによって作られてしまっていたのだ。
完全に出し抜かれた!?
何時だ!?
俺がレンタル店にいる時か!?
あの店員の反応からまだ作られてないものだと思っていたのに。
俺は妄想の中の大量復活怪人達のように、使い捨てには絶対ならない!!

これまでまだ誰も作ったことのない作品を作るんだ!!
それにしても、まだ世間に未発表のロボを見せてまで俺という『己』を尊重させてくれるだなんて、TさんもKさんもJちゃんもスゲェと、HALの風を芯から感じながら思っていた。



677寺生まれの名無しさん:2016/04/13(水) 02:49:12 ID:ZbpOSLyY
つまらん

678公衆便所:2016/04/13(水) 18:28:01 ID:8dW5G156
公衆便所に入った。
和式だった。
和式は嫌いだ。
でも、仕方がないのでしゃがんでみると
目の前に落書きがあって
【右ヲ、ミロ!】と指示された。
なんだコレ?
と思って右の壁をみると
【左ヲ、ミロ!】と書いてあった。
私は「ずいぶん命令口調だなあ」などと思いながらも
その通りに左を見てみると、今度は
【上ヲ、ミロ!】というので
おそるおそる天井をみると、
そこには、ものすごく大きな赤い文字で
【ウシロヲミルナ!!】と書かれていてドキッとしました。
怖かったのですが、
ゆっくりとウシロに振り返ってみると・・・
携帯を構えた寺生まれで霊感の強いTさんが立っていた。
「破ぁ〜だから、後ろを見るなと書いただろ・・・」
死ぬほどびっくりしましたが、取りあえず通報する事にしました。

679暗闇:2016/04/14(木) 20:40:28 ID:K/BHEQNI
高校でセンター模試を理系で受けると最後まで残ることになるため、帰る頃には外が真っ暗。
当然校舎内は外より一層暗いにも関わらず、気の利かない先生は廊下の電気を点けておいてくれていなかった。
だからTが破ァして出した明かりを頼りに昇降口まで辿り着く。

廊下はほんと真っ暗で、Tが破ァしてなければ段差を摺り足で確かめながら歩くレベル。
唯一明かりを点けてくれてる昇降口に着いたとき、一緒に教室出て来たはずの友人のNがいないことに気付いた。

名前を呼んでると、少し遅れて友人が現れた。
聞いてみると廊下にある姿見で髪を整えてたらしい。

正直ビビってたもんだから、ちょっと苛ついた。
全く呑気に髪なんか気にしてんじゃねーや。

後日、JちゃんからNは夜目が利いて暗闇でも問題ない事を聞き、法力で明かりを作る寺生まれも凄いが、Nも地味に凄いと思った。

680分からない方が良い:2016/05/06(金) 22:27:42 ID:lyj56Pac
これは兄が3年目の受験の頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事です。
年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた私は、 早速受験勉強が煮詰まっていた兄と外に遊びに行った。
実家のどこか張詰めた様な空気とは違い、空気は穏やかで柔らかい。
私は、爽やかな風を浴びながら、兄と田んぼの周りを駆け回った。

そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風か止んだ。
と思ったら、気持ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。
私は、『兄様!何かいます!』と、
霊力を高めつつも爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。

すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。

その方向には案山子がある。
『あの案山子がどうしたのですか?』と兄に聞くと、
兄は『いや、その向こうだ』と言って、ますます目を凝らして見ている。

私も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと見た。
すると、確かに見える。

何だ…あれは。

遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。

しかも周りには田んぼがあるだけ。
近くに人がいるわけでもない。

681分からない方が良い:2016/05/06(金) 22:35:44 ID:lyj56Pac
私は奇妙な感じがする妖力を感じられないそれが何なのか首を傾げた。
実家に置いて来た筈の人形のLがこう解釈した。

『あれ、新種の案山子ね?きっと!今まで動く案山子なんか無かった から、農家の人か誰かが考えたのよ!多分さっきから吹いてる風で動いているに違いないわ!』

兄は、Lの解釈に納得した表情でしたが、その表情は一瞬で消えた。

風がピタリと止んだのだ。

しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。

兄は『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』と驚いた口調で言い、気になって
しょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。

兄は、少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、 はりきって双眼鏡を覗いた。

すると、急に兄の顔に変化が生じた。

みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、 ついには持ってる双眼鏡を落とした。

682分からない方が良い:2016/05/06(金) 22:41:42 ID:lyj56Pac
私は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に聞いてみた。

『何だったの?』

兄はゆっくり答えた。

『わカらナいホうガいイ……』

すでに兄の声では無かった。

兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。
私とLは、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと
落ちてる双眼鏡を拾い、恐る恐る兄が見ていた方角にレンズを向け、
そして驚愕した。

田んぼの向こうでゆらめくもの、それは白いカッターシャツを着たTさんだったのだ。

寺生まれで霊感の強いTさんが、狂ったように笑いながら、くねくね、くねくねと乱舞していたのだ。

人間とは思えない程なめらかな腰使い、がむしゃらながらも確かなキレのあるステップ。
そして満開の笑顔、ほとばしる汗・・・

それは初期衝動としか言いようのない、どんなジャンルにも属さない
オンリーワンのダンススタイル。
なまめまかしく蠢く指の一本一本までもが、何かを表現しているようだ。

夕日というミラーボールに彩られ、人生というダンスホールで
いつまでも踊り続けるTさんを見ながら そろそろ就活の筈だけど、ここで踊っていても大丈夫なのでしょうか心からそう思った。

683分からない方が良い 後日:2016/05/06(金) 23:00:32 ID:lyj56Pac
その後、兄は受験勉強で煮詰まる度、あの日見たTさんのダンスを踊り気分転換をして志望校に見事合格した。
良い笑顔で人を呪っても陰に偏るだけだから碌な結果は出ない。人を呪わば穴二つ、当にその通りだったと言う兄のN。
もっと早くに気付くべきよねと呆れ顔で話すLに相槌を入れつつも破ァ無しで兄を更生させたTさんは凄いと心からそう思いました。

あと、あの日、なぜ踊っていたのか聞いてみました。
早朝、田んぼの中でくねくねと動く何かを見掛け除霊しようと近付いてからの記憶が日没まで飛んでいると言っていました。
Tさんが見掛けたそれは何なのか、Lはダイエットをする気が無いなら知らない方が良いと答えてくれません。
兄からアレの正体を聞いた兄の年下の先輩が記憶が飛ぶほど踊る羽目になり筋肉痛で酷い目に遭ったと知り、まだ知らなくても良いと思いました。

684寺生まれの名無しさん:2016/05/22(日) 09:35:32 ID:MKKFRhl.

 僕が通っていた学校は怖いですよ。行方不明者の数がハンパじゃない。20年くらい前から、男女合わせて10人以上神隠しにあった学生がいます。それは人食い教室と言われています。西側の校舎の3階にあり、外見に特に問題は無いのです。僕も何回か入ってみましたが、奇妙な感じもしませんでした。
 担任の先生いわく、夏の土曜の放課後にその教室に一人で残っている生徒がいつのまにか消えているそうです。

 僕の友達のI君はそこの教室に残っていた時、強烈な視線を感じたらしいです。そして眩暈がしてきて、そのままじっとしていたらどうにかなりそうだったので、全速力で逃げ出したのです。
 そして廊下まで来て、ふと振り返るとその教室のガラスの所になまなましい程の笑顔の顔が無数に写っていたそうです。教室のガラスは曇りガラスでほとんど見えませんが、その顔は物凄く鮮明に写っていたそうです……そこへ、

「破ぁーっ!」

 突然鋭い叫び声が響き、青白い光が窓ガラスを一枚残らず破壊したそうです。顔の群れも一つ残らず消滅しました。

「危ないところだったな」

 I君に声をかけたのは、霊感が強い事で有名な寺生まれのT先輩。胸騒ぎがしたので駆けつけたとの事でした。
 I君はお礼を言って無事に下校したそうです。

お寺の息子のくせに教室の窓ガラスを全部叩き割り三日間の謹慎をくらったという『Tさんガラス割り伝説』の真相を同窓会でI君から聞かされた僕は、やっぱり寺生まれは凄いと改めて思いました。

685寺生まれの名無しさん:2016/05/25(水) 23:14:49 ID:uZVr6oac
常習にも関わらず三日の謹慎で済んだ寺生まれは凄いと思った

686継呪の老婆>>257からの分岐:2016/05/25(水) 23:36:23 ID:uZVr6oac
私は、闇の中で眠りについていた。不意に、強烈な渇きを覚えた。
急に、暗闇から引きずり出される。私の喉は張り付いて、一滴のつばも出ない。

「矢ぁ・・・」
力無く呟き呪いを掻き消すと、私は水を一杯飲んで一息吐いた。
「酷い顔」
パサつき傷んだ髪、荒れた肌、窪んだ眼窩 と呪術ダイエットの効果、痕跡がこれでもかと言う程、鏡は映していた。
このウェストなら買った水着は着れるのだが、荒れた肌と傷んだ髪、老婆の様にやつれた体でどこに行けと言うのだ。
「兄様の言う通り、横着しないで普通のダイエットをしておくべきだったな・・・」
浪人中の腰掛程度の経験でも経験者の忠告は聞いておくべきだったと、年頃になったJちゃんはそう思った。

687名無し:2016/08/21(日) 14:26:15 ID:xcL40v92
数年前に、本栖湖畔で朝釣りのために
キャンプをしていたときのこと。
夜中のたき火中に、
「たすけてえええだれかあ」と女性の声が湖の方で聞こえてきて、
そちらに目をやると女性が溺れていた。
びっくりしたと同時に、助けなきゃと思い立ち上がったら連れが
「おまえ何する気だよ!」って引き留めるから
「助けなきゃ」と言い返したら、
「おまえ、ちょっと冷静になってよく見て見ろ!
ここから離れていて真っ暗なのに何で顔がはっきり見えているんだよ!」
「可愛いからだろ」
俺は連れを振り切り湖に飛び込んだ。
女性は俺に抱き着くとニヤリと笑い水死体の様に膨れ上がると湖底へと引きずり込もうとした。
元相撲部を舐めるな。俺は踏ん張り女性を湖岸に投げ飛ばす。
女性はぎょっとした表情で空中で骸骨に変わるとそのまま虚空に溶けるように消えて行った。

するとむこうからすごい速度のアヒルボートが!!
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
Tさんは俺をボートに引き上げると、とんだ災難だったなとバスタオルを渡した。

「このあたりは水難事故が多いらしいからな、仲間が欲しかったんだろう」
「中々好みの子だったから普通に来てくれれば、恋人に欲しかった」
「破ぁ〜、その気持ちよくわかるわ」
アヒルボートでそんな会話をする俺と寺生まれを見て、可愛ければ何でも良いと言い切れる元相撲部と寺生まれは凄いと連れはそう思った。

688名無し:2016/08/28(日) 18:35:02 ID:6abCRllw
今から7年ほど前の話になる。俺は大学を卒業したが、就職も決まっていない有様だった。
生来、追い詰められないと動かないタイプで(テストも一夜漬け対タイプだ)、
「まぁ何とかなるだろう」とお気楽に自分に言い聞かせ、バイトを続けていた。
そんなその年の真夏。悪友のT(仮名)と家でダラダラ話していると、
なぜか「ヒッチハイクで日本を横断しよう」と言う話に飛び、その計画に熱中する事になった。

その前に、この悪友の紹介を簡単に済ませたいと思う。
このTも俺と同じ大学で、入学の時期に知り合った。コイツはとんでもない女好きで、頭と下半身は別、と言う典型的なヤツだ。
だが、根は底抜けに明るく、裏表も無い男なので、女関係でトラブルは抱えても、男友達は多かった。
そんな中でも、Tは俺と1番ウマが合った。そこまで明朗快活ではない俺とはほぼ正反対の性格なのだが。


ヒッチハイクの計画の話に戻そう。計画と行ってもズサンなモノであり、
まず北海道まで空路で行き、そこからヒッチハイクで地元に戻ってくる、と言う計画だった。
Tは「通った地方の、最低でも1人の女と合体する!」と女好きならではの下世話な目的もあったようだ。
まぁ、俺も旅の楽しみだけではなく、そういう期待もしていたのだが…
Tは坊主頭で、一見僧侶風の男で(実際盆暮れ、葬式が有れば実家の手伝いとして駆り出されていた)話を聞くのが上手くコイツとナンパに行って良い思いは確かにした事があった。
そんなこんなで、バイトの長期休暇申請や(俺は丁度別のバイトを探す意思があったので辞め、Tは休暇をもらった)、
北海道までの航空券、巨大なリュックに詰めた着替え、現金などを用意し、計画から3週間後には俺達は機上にいた。
札幌に到着し、昼食を済ませて市内を散策した。慣れない飛行機に乗ったせいか、
俺は疲れのせいで夕方にはホテルに戻り、Tは夜の街に消えていった。
その日はTは帰ってこず、翌朝ホテルのロビーで再開した。
にやついて指でワッカをつくり、OKマークをしている。昨夜はどうやらナンパした女と上手く行った様だ。

689名無し:2016/08/28(日) 18:36:25 ID:6abCRllw
さぁ、いよいよヒッチハイクの始まりだ。ヒッチハイクなど2人とも人生で初めての体験で、流石にウキウキしていた。
何日までにこの距離まで行く、など綿密な計画はなく、ただ「行ってくれるとこまで」という大雑把な計画だ。
まぁしかし、そうそう止まってくれるものではなかった。1時間ほど粘ったが、一向に止まってくれない。
昼より夜の方が止まってくれやすいんだろう、等と話していると、ようやく開始から1時間半後に最初の車が止まってくれた。
同じ市内までだったが、南下するので距離を稼いだのは稼いだ。距離が短くても、嬉しいものだ。

夜の方が止まってくれやすいのでは?と言う想像は意外に当たりだった。
1番多かったのが、長距離トラックだ。距離も稼げるし、まず悪い人はいないし、かなり効率が良かった。
3日目にもなると、俺達は慣れたもので、長距離トラックのお兄さん用にはタバコ等のお土産、
普通車の一般人には飴玉等のお土産、と勝手に決め、コンビニで事前に買っていた。
特にタバコは喜ばれた。普通車に乗った時も、喋り好きなTのおかげで、常に車内は笑いに満ちていた。
女の子2〜3人組の車もあったが、正直、良い思いは何度かしたものだった。
4日目には本州に到達していた。コツがつかめてきた俺達は、
その土地の名物に舌鼓を打ったり、一期一会の出会いを楽しんだりと余裕も出てきていた。

銭湯を見つけなるべく毎日風呂には入り、宿泊も2日に1度ネカフェに泊まると決め、経費を節約していた。
ご好意で、ドライバーの家に泊めてもらう事もあり、その時は本当にありがたかった。
しかし、2人共々に生涯トラウマになるであろう恐怖の体験が、出発から約2週間後、甲信地方の山深い田舎で起こったのだった。

690名無し:2016/08/28(日) 18:38:18 ID:6abCRllw
「おっ♪ おっ♪ おま○こ おま○こ 舐めたいなっ♪ ペロペロ〜 ペロペロ〜」
男友達だけの集まりになると、いつもTは卑猥な歌を歌いだす。その夜もTは歌いだした。
その日の夜は、2時間前に寂れた国道沿いのコンビニで降ろしてもらって以来、
中々車が止まらず、それに加えてあまりの蒸し暑さに俺達はグロッキー状態だった。
暑さと疲労の為か、俺達は変なテンションになっていた。
「こんな田舎のコンビニに降ろされたんじゃ、たまったもんじゃないよな。

 これなら、さっきの人の家に無理言って泊めてもらえば良かったかなぁ?」とT。
確かに先ほどのドライバーは、このコンビニから車で10分程行った所に家があるらしい。
しかし、どこの家かも分かるはずもなく、言っても仕方が無い事だった。
時刻は深夜12時を少し過ぎた所だった。俺たちは30分交代で、車に手を上げるヤツ、
コンビニで涼むヤツ、に別れることにした。コンビニの店長にも事情を説明したら
「頑張ってね。最悪、どうしても立ち往生したら俺が市内まで送ってやるよ」と言ってくれた。こういう田舎の暖かい人の心は実に嬉しい。
それからいよいよ1時間半も過ぎたが、一向に車がつかまらない。と言うか、ほとんど通らない。

Tも店長とかなり意気投合し、いよいよ店長の行為に甘えるか、と思っていたその時、
1台のキャンピングカーがコンビニの駐車場に停車した。これが、あの忘れえぬ悪夢の始まりだった。

691名無し:2016/08/28(日) 18:39:19 ID:6abCRllw
運転席のドアが開き、コンビニに年齢はおよそ60代くらいかと思われる男性が入ってきた。
男の服装は、カウボーイがかぶるようなツバ広の防止に、スーツ姿、と言う奇妙なモノだった。
俺はその時、丁度コンビニの中におり、何ともなくその男性の様子を見ていた。
買い物籠に、やたらと大量の絆創膏などを放り込んでいる。コーラの1.5?のペットボトルを2本も投げ入れていた。
その男を、会計をしている最中、じっと立ち読みをしている俺の方を凝視していた。
何となく気持ちが悪かったので、視線を感じながらも俺は無視して本を読んでいた。

やがて男は店を出た。そろそろ交代の時間なので、カズヤの所に行こうとすると、駐車場でTが男と話をしていた。
「おい、乗せてくれるってよ!」
どうやら、そういう事らしい。俺は当初は男に何か気持ち悪さは感じていたのだが、
間近で見ると、人の良さそうな普通のおじさんに見えた。俺は疲労や眠気の為にほとんど思考が出来ず、
「はは〜ん、アウトドア派(キャンピングカー)だからああいう帽子か」などと言う良く分からない納得を自分にさせた。

キャンピングカーに乗り込んだ時、「しまった」と思った。
「おかしい」のだ。「何が」と言われても「おかしいからおかしい」としか書き様がないかも知れない。
これは感覚の問題なのだから…ドライバーには家族がいた。もちろん、
キャンピングカーと言うことで、中に同乗者が居る事は予想はしていたのだが。

父 ドライバー およそ60代
母 助手席に座る。見た目70代
双子の息子 どう見ても40過ぎ

692名無し:2016/08/28(日) 18:40:24 ID:6abCRllw
人間は、予想していなかったモノを見ると、一瞬思考が止まる。
まず車内に入って目に飛び込んで来たのは、まったく同じギンガムチェックのシャツ、
同じスラックス、同じ靴、同じ髪型(頭頂ハゲ)、同じ姿勢で座る同じ顔の双子の中年のオッサンだった。
Tも絶句していた様子だった。いや、別にこういう双子が居てもおかしくはない、
おかしくもないし悪くもないのだが…あの異様な雰囲気は、実際その場で目にしてみないと伝えられない。
「早く座って」と父に言われるがまま、俺たちはその家族の雰囲気に呑まれるかの様に、車内に腰を下ろした。

まず、俺達は家族に挨拶をし、父が運転をしながら、自分の家族の簡単な説明を始めた。
母が助手席で前を見て座っている時は良く分からなかったが、母も異様だった。
ウェディングドレスのような、真っ白なサマーワンピース。顔のメイクは「バカ殿か」と
見まがうほどの白粉ベタ塗り。極めつけは母の名前で、「聖(セント)ジョセフィーヌ」。
父はちなみに「聖(セント)ジョージ」と言うらしい。
双子にも言葉を失った。名前が「赤」と「青」と言うらしいのだ。
赤ら顔のオッサンは「赤」で、ほっぺたに青痣があるオッサンは「青」。普通、自分の子供にこんな名前をつけるだろうか?
俺達はこの時点で目配せをし、適当な所で早く降ろしてもらう決意をしていた。狂っている。
俺達には主に父と母が話しかけて来て、俺達も気もそぞれで適当な答えをしていた。
双子はまったく喋らず、まったく同じ姿勢、同じペースでコーラのペットボトルをラッパ飲みしていた。
ゲップまで同じタイミングで出された時は、背筋が凍り、もう限界だと思った。

693名無し:2016/08/28(日) 18:43:31 ID:6abCRllw
「あの、ありがとうございます。もうここらで結構ですので…」
キャンピングカーが発車して15分も経たないうちに、Tが口を開いた。
しかし、父はしきりに俺達を引きとめ、母は「熊が出るから!今日と明日は!」と意味不明な事を言っていた。
俺達は腰を浮かせ、本当にもう結構です、としきりに訴えかけたが、
父は「せめて晩餐を食べていけ」と言って、降ろしてくれる気配はない。
夜中の2時にもなろうかと言う時に、晩餐も晩飯も無いだろうと思うのだが…
双子のオッサン達は、相変わらず無口で、今度は棒つきのペロペロキャンディを舐めている。

「これ、マジでヤバイだろ」と、Tが小声で囁いてきた。
俺は相槌を打った。しきりに父と母が話しかけてくるので、中々話せないのだ。
1度、父の言葉が聞こえなかった時など「聞こえたか!!」とえらい剣幕で怒鳴られた。
その時双子のオッサンが同時にケタケタ笑い出し、俺達はいよいよ「ヤバイ」と確信した。

キャンピングカーが、国道を逸れて山道に入ろうとしたので、流石に俺達は立ち上がった。
「すみません、本当にここで。ありがとうございました」と運転席に駆け寄った。
父は延々と「晩餐の用意が出来ているから」と言って聞こうとしない。
母も、素晴らしく美味しい晩餐だから、是非に、と引き止める。
俺らは小声で話し合った。いざとなったら、逃げるぞ、と。
流石に走行中は危ないので、車が止まったら逃げよう、と。
やがて、キャンピングカーは山道を30分ほど走り、小川がある開けた場所に停車した。
「着いたぞ」と父。その時、キャンピングカーの1番後部のドア(俺達はトイレと思っていた)から
「キャッキャッ」と子供の様な笑い声が聞こえた。まだ誰かが乗っていたか!? その事に心底ゾッとした。
「マモルもお腹すいたよねー」と母。マモル…家族の中では、唯一マシな名前だ。幼い子供なのだろうか。
すると、今まで無口だった双子のオッサン達が、口をそろえて
「マモルは出したら、だぁ・あぁ・めぇ!!」とハモりながら叫んだ。
「そうね、マモルはお体が弱いからねー」と母。
「あーっはっはっはっ!!」といきなり爆笑する父。
「乗せて貰った手前、いきなり破ァは拙いよな(Tはなにやらブツブツ呟いていた)」

694名無し:2016/08/28(日) 18:46:30 ID:6abCRllw
俺達は、車の外に降りた。良く見ると、男が川の傍で焚き火をしていた。まだ仲間がいたのか…と、絶望的な気持ちになった。
異様に背が高く、ゴツい。2m近くはあるだろうか。父と同じテンガロンハットの様な帽子をかぶり、スーツと言う異様な出で立ちだ。
帽子を目深に被っており、表情が一切見えない。
焚き火に浮かび上がった、キャンピングカーのフロントに描かれた十字架も、何か不気味だった。
ミッ○ーマ○スのマーチ、の口笛を吹きながら、男は大型のナイフで何かを解体していた。
毛に覆われた足から見ると、どうやら動物の様だった。イノシシか、野犬か…どっちにしろ、そんなモノを食わさせるのは御免だった。
俺達は逃げ出す算段をしていたが、予想外の大男の出現、大型のナイフを見て、萎縮してしまった。

「さぁさ、席に着こうか!」と父。大男がナイフを置き、傍でグツグツ煮えている鍋に味付けをしている様子だった。
「あの、しょんべんしてきます」とT。「逃げよう」と言う事だろう。俺も行く事にした。
「早くね〜」と母。俺達はキャンピングカーの横を通り、森に入って逃げようとしたその時、
「そこまでさ!ハハハ」
夢の国で見かける水分子の様な頭の生き物がいた。

695名無し:2016/08/28(日) 18:50:05 ID:6abCRllw
後方で、父と母が何か叫んでいたが、気にする余裕などなかった。
「ヤバイヤバイヤバイ」とTは呟きながら森の中を走っている。お互い、何度も転んだ。
とにかく下って県道に出よう、と小さなペンライト片手にがむしゃらに森を下へ下へと走っていった。
考えが甘かった。小川のあった広場からも、町の明かりは近くに見えた気がしたのだが、
1時間ほど激走しても、一向に明かりが見えてこない。完全に道に迷ったのだ。
心臓と手足が根をあげ、俺達はその場にへたり込んだ。
「あのホラー生物、追ってくると思うか?」とT。
「俺達はあの一家とは関係無いし、そこは追ってこないだろ。映画じゃあるまいし。
 ただの少しおかしい変人一家だろう。最後に見たヤツは、ちょっとチビりそうになったけど…」
「荷物…どうするか」
「幸い、金と携帯は身につけてたしな…服は、残念だけど諦めるか」
「マジハンパねぇw」
「はははw」

俺達は精神も極限状態にあったのか、なぜかおかしさがこみ上げてきた。
ひとしきり爆笑した後、森独特のむせ返る様な濃い匂いと、周囲が一切見えない暗闇に、現実に戻された。
恐怖生物から逃げたのは良いが、ここで遭難しては話にならない。
樹海じゃあるまいし、まず遭難はしないだろうが、万が一の事も頭に思い浮かんだ。
「朝まで待った方が良くないか?さっきのババァじゃないけど、熊まではいかなくとも、野犬とかいたらな…」
俺は一刻も早く下りたかったが、真っ暗闇の中をがむしゃらに進んで、さっきの川原に戻っても恐ろしいので、
腰を下ろせそうな倒れた古木に座り、休憩する事にした。一時はお互いあーだこーだと喋っていたが、
極端なストレスと疲労の為か、お互いにうつらうつらと意識が飛ぶようになってきた。

696名無し:2016/08/28(日) 18:54:48 ID:6abCRllw
ハッ、と目が覚めた。反射的に携帯を見る。午前4時。辺りはうっすらと明るくなって来ている。
横を見ると、カズヤがいない。一瞬パニックになったら、俺の真後ろにカズヤは立っていた。
「何やってるんだ?」と聞く。
「起きたか…聞こえないか?」と、木の棒を持って何かを警戒している様子だった。
「何が…」
「シッ」
かすかに遠くの方で音が聞こえた。口笛だった。ミッ○ーマ○スのマーチの。CDにも吹き込んでも良いくらいの、良く通る美音だ。
しかし、俺達にとっては恐怖の音以外の何物でもなかった。
「あの生物の…」
「だよな」
「探してるんだよ、俺らを!!」
再び、俺たちは猛ダッシュで森の中へと駆け始めた。辺りがやや明るくなったせいか、以前よりは周囲が良く見える。

躓いて転ぶ心配が減ったせいか、かなりの猛スピードで走った。
20分くらい走っただろうか。少し開けた場所に出た。今は使われていない駐車場の様だった。
街の景色が、木々越しにうっすらと見える。大分下ってこれたのだろうか。

腹が痛い、とTが言い出した。我慢が出来ないらしい。古びた駐車場の隅に、古びたトイレがあった。
俺も多少もよおしてはいたのだが、あの生物がいつ追いついてくるかもしれないのに、個室に入る気にはなれなかった。
俺がトイレの外で目を光らせている隙に、Tが個室で用を足し始めた。
「紙はあるけどよ〜 ガピガピで、蚊とか張り付いてるよ…破ァ これでマシにはなったな」
Tは極小の光弾で紙から虫を払い乾燥させると糞も垂れ始めた。
「なぁ…誰か泣いてるよな?」と個室の中から大声でTが言い出した。
「は?」
「いや、隣の女子トイレだと思うんだが…女の子が泣いてねぇか?」

697寺生まれの名無しさん:2017/01/23(月) 21:01:07 ID:4VbAKL5s
カズヤに言われて初めて気がつき、聴こえた。確かに女子トイレの中から女の泣き声がする…
カズヤも俺も黙り込んだ。誰かが女子トイレに入っているのか?何故、泣いているのか?
「なぁ…お前確認してくれよ。段々泣き声酷くなってるだろ…」
正直、気味が悪かった。しかし、こんな山奥で女の子が寂れたトイレの個室で1人、
泣いているのであれば、何か大事があったに違いない。俺は意を決して、女子トイレに入り、泣き声のする個室に向かい声をかけた。
「すみません…どうかしましたか?」
返事はなく、まだ泣き声だけが聴こえる。
「体調でも悪いんですか、すみません、大丈夫ですか」
泣き声が激しくなるばかりで、一向にこちらの問いかけに返事が帰ってこない。
その時、駐車場の上に続く道から、車の音がした。
「出ろ!!」俺は確信とも言える嫌な予感に襲われ、女子トイレを飛び出し、カズヤの個室のドアを叩いた。
「何だよ」
「車の音がする、万が一の事もあるから早く出ろ!!」
「わ、分かった」
数秒経って、青ざめた顔でカズヤがジーンズを履きながら出てきた。と、同時に駐車場に下ってくるキャンピングカーが見えた。
「最悪だ…」
今森を下る方に飛び出たら、確実にあの変態一家の視界に入る。選択肢は、唯一死角になっている、トイレの裏側に隠れる事しかなかった。
女の子を気遣っている余裕は消え、俺達はトイレを出て、裏側で息を殺してジッとしていた。
頼む、止まるなよ、そのまま行けよ、そのまま…
「オイオイオイオイオイ、見つかったのか?」カズヤが早口で呟いた。
キャンピングカーのエンジン音が、駐車場で止まったのだ。ドアを開ける音が聞こえ、トイレに向かって来る足音が聴こえ始めた。
このトイレの裏側はすぐ5m程の崖になっており、足場は俺達が立つのがやっとだった。
よほど何かがなければ、裏側まで見に来る事はないはずだ。もし俺達に気づいて近いづいて来ているのであれば、
最悪の場合、崖を飛び降りる覚悟だった。飛び降りても怪我はしない程度の崖であり、やれない事はない。
用を足しに来ただけであってくれ、頼む…俺達は祈るしかなかった。
しかし、一向に女の子の泣き声が止まらない。あの子が変態一家にどうにかされるのではないか?それが気が気でならなかった。

698寺生まれの名無しさん:2017/01/23(月) 21:02:05 ID:4VbAKL5s
男子トイレに誰かが入ってきた。声の様子からすると、父だ。
「やぁ、気持ちが良いな。ハ〜レルヤ!!ハ〜レルヤ!!」と、どうやら小の方をしている様子だった。
その後すぐに、個室に入る音と足音が複数聞こえた。双子のオッサンだろうか。
最早、女の子の存在は完全にバレているはずだった。女子トイレに入った母の「紙が無い!」と言う声も聴こえた。
女の子はまだ泣きじゃくっている。やがて、父も双子のオッサン達(恐らく)も、トイレを出て行った様子だった。
おかしい。女の子に対しての変態一家の対応が無い。やがて、母も出て行って、変態一家の話し声が遠くになっていった。
気づかないわけがない。現に女の子はまだ泣きじゃくっているのだ。
俺とカズヤが怪訝な顔をしていると、父の声が聞こえた。
「〜を待つ、もうすぐ来るから」と言っていた。何を待つ、のかは聞き取れなかった。
どうやら双子のオッサンたちが、グズッている様子だった。
やがて平手打ちの様な男が聴こえ、恐らく、双子のオッサンの泣き声が聴こえてきた。
悪夢だった。楽しかったはずのヒッチハイクの旅が、なぜこんな事に…
今まではあまりの突飛な展開に怯えるだけだったが、急にあの変態一家に対して怒りがこみ上げて来た。
「あのキャンピングカーをブンどって、山を降りる手もあるな。あのジジィどもをブン殴ってでも。
 大男がいない今がチャンスじゃないのか?待ってるって、大男の事じゃないのか?」
カズヤが小声で言った。しかし、俺は向こうが俺達に気がついてない以上、
このまま隠れて、奴らが通り過ぎるのを待つほうが得策に思えた。
女の子の事も気になる。奴らが去ったら、ドアを開けてでも確かめるつもりだった。
その旨をカズヤに伝えると、しぶしぶ頷いた。それから15分程経った時。
「〜ちゃん来たよ〜!(聞き取れない)」母の声がした。待っていた主が駐車場に到着したらしい。
何やら談笑している声が聞こえるが、良く聞き取れない。再び、トイレに向かってくる足音が聴こえて来た。

699寺生まれの名無しさん:2017/02/22(水) 18:17:08 ID:r5et85jE
昨日の夜、個人的には武勇伝…でも端から見ればDQNっぽい事しました
私の家はお寺なのですが、この季節になるとお墓に肝試しに来るお馬鹿さんが増えます。特に中学生、高校生あたりが多いです。そして昨日の夜、騒がしいと思ったらお墓で花火していました。いつもは父やお爺さんが怒るのですが、昨日はお勤めの為に不在でした。

私は彼らの行動に苛立っていたので、母に警察を呼ぶ様に言ってから初めて注意をしに行きました。
注意をしたら向こうはやはり私(18です)をなめてケラケラ笑っていました。それでも注意を繰り返したら、事もあろうにお墓に花火を押し付けたんです。
それで私、多分キレちゃって…そのDQNが「おねーさんもやるー?」と言って差し出してきた花火を、黙って押しつけちゃいました。それでDQN達は驚くやら怒るやらで、殴りかかってきした。

700寺生まれの名無しさん:2017/02/22(水) 18:18:20 ID:r5et85jE
キレてる時って本当に痛みが気にならなくなるんですね。私は殴られながらも「貴様らに仏の慈悲など必要無い!地獄へ堕ちよ!!破ァッ!!」と叫び両手から青白い光弾を放ちました。
DQN達はその光弾を受けると、断末魔の叫びを上げながら消滅してしまいました。
この力は人間に使うものじゃない、私は自分の力が怖くなり改めてそう思いました。

701人妻:2017/04/02(日) 11:11:23 ID:mSWq0dEo
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727通りすがり:2017/12/12(火) 18:51:06 ID:kemKMioI
男達の純粋な恋心を弄ぶ出会い系業者破ァ!

728冷蔵庫のTさん:2017/12/17(日) 18:52:19 ID:fW2WzZ82
私が牛乳を飲もうと冷蔵庫を開けると、寺生まれで霊感が強いTさんが入っていました。
私はビックリして、思わず冷蔵庫のドアを閉めてしまいました。
きっと今のは何かの見間違いであろうと思い直し、
再び冷蔵庫を開けると、なんとそこには寺生まれのTさんが白目を向いていたのです。
私は思わずドアを閉めましたが、きっと疲れていて見えもしないものを見てしまったのだと思い直し、
覚悟を決めて、改めて冷蔵庫を開けました。
するとそこには、寺生まれのTさんが白目を向いて、ほのかにほくそ笑んでいるのです。
私はビックリして、冷蔵庫のドアを閉めましたが、きっと幻覚を見たに違いない、
最近あまり寝てないから、見えもしないものが見えてしまったのだと思い直し、
冷蔵庫を開けました。するとそこには、白目を向いたTさんが入っていたのです。
驚いた私は、気がつけば冷蔵庫の扉を閉めていましたが、気のせいだと思い直し、
再びドアを開けると、やっぱり白目を向いたTさんが、ほのかに笑っているのです。
思わず扉を閉めてしまいましたが、きっと幻覚に違いありません。最近寝てなかったから。
と、思い直し冷蔵庫を開けると、やっぱりTさんが入っているのです。
思わず冷蔵庫を閉めた私でしたが、これは何かの間違いに違いない。
疲れているから見えもしない物が見えたのだと思い直し、冷蔵庫を開けると、
そこにはなんと白目を向いたTさんが……、うわっと思い冷蔵庫を閉めましたが、
きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いないと自分に言い聞かせ、
再び冷蔵庫を開けると、なんと寺生まれのTさんが白目を向きながら笑っているのです。
思わず冷蔵庫の扉を閉めましたが、きっと気のせいで、
何かと見間違えをしたのだと自分に言い聞かせ、扉を開け直すと、
なんとそこには、寺生まれのTさんが白目を向いて笑っていたのです。
私は冷蔵庫を閉めて警察に通報しました。
「破っ破っ破っ、冷蔵庫の悪霊はちゃんと祓っておいたから安心してくれ」
警察のPさんに連行されるTさん。何時から冷蔵庫に入っていたかは分かりませんが、Tさんが長時間入っていた冷蔵庫は買い替えよう、そう思いました。

729寺生まれの名無しさん:2018/03/07(水) 22:20:54 ID:9pZ7pEE.
4、5才までは母親の胎内にいた頃の記憶が残っている場合があるってテレビで聞いたんだが、正直(ホンマかいな…)って感じだった。
そろそろ4才になろうかという甥っ子がいるので、家に遊びに来た時に聞いてみた。「お母さんのお腹の中にいた頃の事覚えてる?」って。
そしたら「うん」って。
マジかよ!って思ってテンション上がったわ。
「どんなだった?どんな事覚えてる?」って聞いたら

「Tさんが一緒に居たから寂しくなかったよ」って。

ホッとしたわ。

「Tさんて誰?」って聞いたら「ママのお腹から出てから一度しか会った事ない」って。
甥っ子の母も話を聞いてて
「この子、すれ違う寺生まれの顔をジッと見てる事がよくあるんだけど、もしかして、その“Tさん”を捜してるのかな…」
って気味悪がってたわ。
俺もメチャさぶイボが出まくりました。

何で寺生まれとそうじゃない生まれの見分けがつくんだ、甥っ子よ。

730寺生まれの名無しさん:2018/03/07(水) 22:21:42 ID:9pZ7pEE.
>>729のタイトルは「胎内のTさん」です

731寺生まれの名無しさん:2018/05/31(木) 22:58:22 ID:noHseZp2
甥っ子の父親はひょっとして…

732夜釣りのTさん:2018/06/28(木) 21:49:27 ID:XkPmt7Zo
俺は夜釣りに出かけた
ある日、遊びの予定がキャンセルになった俺は
秘密の釣り場で夜釣りを楽しむ事にした
街から少し離れた所にある橋で、静かでよくつれる俺の穴場で
その日も良く釣れた
だがしばらくすると、全身に寒気が走った。
何か恐いな・・・そう思いつつも入れ食い状態のその場を離れる気にもならず
夜釣りを楽しんだ
「あなたも釣りですか?」
後ろから声をかけられた
振り返るとそこにはサラリーマン風の中年男性が
「えぇ、ここよく釣れるんです」「えぇそうらしいですね」
「あなたも釣りですか?」「・・・まぁそうですね」
話していくうちに段々と俺は違和感を感じた
男性はどう見てもスーツ姿、とても釣りを楽しむ格好じゃない
こんな所でなにを・・・

733夜釣りのTさん:2018/06/28(木) 21:58:00 ID:XkPmt7Zo
「あなた、つらないんですか・・・」
男性の声・・・いやおかしい、明らかに上から聞こえてきた
「つりましょうよ、あなたも・・・」
俺は恐怖に震えながらも上を見上げた・・・
そこには、今話をしていた男性の首吊り死体が!!
男が言っていたのは「釣り」ではなく「吊り」だったのだ!!
気が付くと俺の目の前には無数の人影が
「吊ろう・・・一緒に吊ろう・・・」と俺に囁いている
「吊りませんよ・・・私は沈んだのですから・・・」
俺は膨れ上がった体でそう答えた。
「えっ?」
「えっ?」
俺の正体に気付いていなかったのか首吊りを勧めて来た中年男が固まる。
「・・・」
「・・・」
何か話してくれ、気まずいだろ。お互いに押し黙り何とも言えない空気が場を満たす。

734夜釣りのTさん:2018/06/28(木) 22:18:02 ID:XkPmt7Zo
「そこまでだ。」
さっきまで俺の隣で夜釣りをしていた寺生まれで霊感が強いTさんだ。
「仲間を増やそうとして、相手を間違えた間抜けどもめ破ァ」
Tさんの空のバケツから閃光が迸る。
閃光で強制的に成仏させられる俺と突然の展開に付いて来れず固まったままの中年男。
「ちっ、雑魚に当たりはしても魚は当たらない・・・今度は女の子でも釣りに行くかな」
釣り道具を片付け夜の街に繰り出すTさん。
その様子を見ていた巡回中のPは寺生まれだけに坊主か、そう思った。

735ふすまの目:2018/09/10(月) 22:27:22 ID:M4dmXLjo
俺が学食でカレーを食っていると、友達のA君が、突然言った。
「なあ、幽霊が出るって噂の旅館を見つけたんだけど、一緒に行ってみないか?」
怖い話が大好きな俺は、すぐに賛成したのだが、
A君は、
「そこ、ガチでヤバい所らしいから、合コンで会ったお前の先輩も誘ってくれない?ほら、不思議な力が使えるっていう」
「ああ、Tさんね。分かった」

そして、当日、俺とA君、二つ返事でOKしてくれたTさんと、Tさんの後輩だという神社生まれのJさんの4人で、問題の旅館に泊まった。
予算の都合で俺とA君は同じ部屋になった。
とても変わった部屋で、ふすまが5つ壁に取り付けられていた。中には、普通に布団が入っていた。反対側は、窓だったが、そのすぐ外は川だった。
「知ってるか?幽霊は流れる水を越えられないらしいぜ」
「そうか。じゃあ、窓からは幽霊は来ないな」
A君のオカルトうんちくに俺は適当に返事をした。
夜になるまで何も起こらず、俺達は布団を敷いて寝た。

「大丈夫か!?」
深夜、俺達はTさんの声で起こされた。
「なんなんですか?」
俺が聞くと、Jさんがおろおろしながら、
「わからないんです。T様が急に目を覚ますと、いきなりあなた達が危ないっていい出して、」
「そこか!」
いきなりTさんが入り口から2枚目のふすまを指さした。すると、
ふすまに大きな人間の目が、ギョロリと開いた。
途端に部屋が暗くなった。俺とA君は、恐怖のあまり一言も喋れなくなってしまった。
「悪霊め覚悟しろ!」
Tさんが目に向けて手を突き出した。
その時、目がTさんを睨んだ。
「う、ぐ、」
Tさんが腹を押さえてうずくまった。
Tさんの腹部の内側から、何か鋭いモノが出てきた。針か!?いや、あれは、虫の足だ!
「T様!?」
「近寄るな!それよりJ、あの目を潰せ!」
「は、はい!矢ァーーーー!」
「重イ、重イイイ」
Jさんが光線を放ったが、謎の声がすると消えてしまった。
「どうして!?なんで効かないの!?」
「う、うう。効かないのか。ならばどうしようもない。どうやら、もう駄目みたいだ」
「そんな、T様!?」
Tさんの腹からは、虫の顔が半分出かかっていた。
「J、孵化する前にこの体を破壊して欲しい」
「で、できません!」
「早くするんだ!さもなくば、新たな化け物が!うぐ、うがっ」
「破ァーーーーーーーーーーーーーーーー!」
突然窓ガラスを割って坊主頭の男が飛び込んで来た。同時に、大量の青白い光弾が部屋中を乱舞する。
「重イイイ」
声がまたして、光弾はいくつか消えたが、それでも大半が残り、その内の半分ぐらいが目に直撃した。

気付くと、部屋の中の物がほとんど木端微塵になっていた。ふすまも5枚全てが砕け散っていた。目はどこにもなかった。
Tさんの腹も元に戻っていた。
「誰ですあなたは!?」
金縛りが解けたようになったA君が聞くと、
「俺は寺生まれのTってもんだ。Jちゃん、それにそこの女子大生ちゃん、自分の実力以上の化け物と戦うのはおすすめしないぜ」
寺生まれのTさんの言葉を、俺の先輩で女子大生のTさんは、噛みしめるようにうなずいた。Jさんは、
「すみませんT様、まだまだわたしも修業が足りません。ですが、T様も部屋の中の物を全部破壊するのはやり過ぎじゃないですか?」
「ふっ、すまん。ふすまだけに」
寺生まれのTさんは、それだけ言うと、割れた窓から出て行ってしまった。川だけど大丈夫ななのだろうか。
ともかく、ここまで雰囲気を凍りつかせるなんて、やっぱり寺生まれはすごいと思った。

736八尺様:2018/09/29(土) 16:45:54 ID:LaTjpCbc
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
田舎の農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗る
ようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。


春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ……」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、一人女性が見えた。
まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。 女性は白っぽいワンピースを着ていた。
でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…。
驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。

そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。

その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ〜」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言った途端、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。

その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にあ
る電話まで行き、どこかに電話をかけだした。引き戸が閉じられる瞬間、
寺がどうとか聞こえたけど、何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。

そして、「ばあさん、後頼む。俺はTさんを迎えに行って来る」と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。


ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。Tさんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。

737八尺様2:2018/09/29(土) 16:50:24 ID:LaTjpCbc
この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、
女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、
八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な
協定を結べれば良しと思ったのだろうか。

そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうち、じいちゃんが一人の若い男を連れて戻ってきた。

「厄介なことになったな。ま、とりあえずこいつを持ってろ」
Tさんという青年はそう言って、お札をくれた。
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。

しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その上に小さな仏像が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が二つも用意されていた。これで用
を済ませろってことか…

「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。そう
だな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったらお前から出ろ。家には連絡しておく」

と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守るんだ。お札も肌身離さずな。何か起きたら大声で俺を呼べ。ただし絶対に外には出るな」とTさんにも言われた。
そして、扉が閉められた。

テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、
放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。

738八尺様3:2018/09/29(土) 17:09:49 ID:LaTjpCbc
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。

そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、
目が覚めたときには、何だか忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。
(この頃は携帯を持ってなかった)

なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえた。
小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつかなかったが、必死に風のせいだ、と思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり怖くて、テレビの音を大きくして無理やりテレビを見ていた。

そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」

じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に全身に鳥肌が立った。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。


一目散に仏像の前に座ると、お札を握り締め必死にTさんを呼びはじめた。

そのとき、

「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」

あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまで背が高くないことは分かっていたが、アレが下から手を伸ばして窓ガラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。
もうできることは、Tさんに縋ることだけだった。

「そこまでだ!」

その時だった。部屋の戸が勢いよく蹴り開けられ、Tさんが入ってきた。
Tさんは窓に向けて右手を突き出し、「破ぁ!」と叫ぶ。
するとTさんの右手から青白い光弾が放たれ、窓の方に吸い込まれると同時に部屋全体を閃光が包み、外から断末魔のような音が響く。
部屋を覆う光が収まった時、最早音は聞こえなくなっていた。

「これで安心だな……」そう呟いて去っていくTさん。その後、あの女が現れることも、声が聞こえてくることもなかった。
Tさんが何者なのか気になりじいちゃんとばあちゃんに聞いてみると、彼は近所の寺の跡取りで非常に霊感が強いため、各地を回り無償でお祓いをしているらしい。
寺生まれってすげえ……その時、初めてそう思った。

739峠のJちゃん:2018/10/07(日) 14:48:18 ID:/G3hNw52
「直線ならまけませーーーん」

私は草履を脱いで素足で踏み込む。老婆がぐんぐんと近づいてくる。
振り向いて少し驚いたようだったが、老婆もスピードを上げる。
くっ、老婆とは思えない健脚に面食らう。
私も全身のアドレナリンを集めて、更に足を速める。時空を越えそうだ。
老婆に並んだ。
一般人のババァが巫女に勝てると思ったの!!そんな殺気が私に悪魔的な発想をさせた。幅寄せである。
迫り来る老婆の表情は恐怖に歪んでいた。
すると老婆は負けじと接触した私を押し返す。枯れ枝の様な体とは思えない大木の様な力強さに逆に落とされそうになる。
負けません。私も落されまいと本気になり押し返す。

740峠のJちゃん:2018/10/07(日) 14:53:05 ID:/G3hNw52
「矢ぁーーーー」
老婆と競り合っている内に峠が終わる。
峠の出口に休憩所があったので、ふたりで長机の水を飲んだ。おばちゃんがタオルをくれた。
つぎの休憩所は5kmさきだ。もう山はぬけて、気持ちのいい海沿いを走っている。
ようし、一気に距離をあけてやります!
海から太陽が昇ってくる。すべてが黄金色に染まる。
波頭のひとつひとつがキラキラと照りかえす。なんてきれいなんだろう。
ふと気がついて後ろをふりかえると、老婆はもういなかった。

741投降ミス>>739の前でお願いします:2018/10/07(日) 14:56:01 ID:/G3hNw52
ある晩、Jさんは仕事で遅くなり仲間内では「通ってはいけない」峠を通ることにした。
呪われた峠と言われるそこは、幾人もの地元の走り屋が命を落としている。
事故を起こした連中には変なものを見たという者まで・・・。
丁度峠も中腹に差し掛かった頃。
私は振り向いて白い人影を認めた。老婆である。
白い装束を着た老婆が、髪を振り乱して猛スピードで追いついてくる。
こんな馬鹿な!?80kmは出ている筈なのに!
老婆は悠々と私の脇を追い抜いた。峠はもうすぐ終わる。

742Nさんの一日:2018/10/15(月) 23:08:57 ID:J1lcEzPc
メリーさんからの着信で起床。
【7:46】メリーさんからの着信で起床。「キャンパスライフを楽しんでいる」等とほざいてやがる。おかげで寝起きが悪い。
【8:02】朝食で使った油の容器にゴキブリが入ってた。カリカリに揚げて食す。今まで気がつかなかった事に腹が立つ。
【8:36】通学。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。うるせぇシカトだ。
【9:07】予備校まで走っていると、後ろからババアがダッシュで追いかけてくる。アクセル全開で並走する。毎朝の運動だ。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手がオレの足をつかんでいる。ふりほどき蹴りをいれる。大人しくなった。
【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、女が落ちてきて目があった。この不細工が。
【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に男が「よくわかったな」と言ってきた。黙れ池沼。
【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたしメリーさ…ブチッ…ツーツーツー」
【16:12】自習しているとマスクをした女が声をかけてきた。「わたしきれい?」右ストレートを入れる。うずくまったまま動こうとしない。勉強中に話しかけるな。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「わたしリカちゃん。お兄さん。浪人中なの?」うるせぇ黙れ。「怨」強めの呪いを掛ける。
【20:32】走行中振り向くと上半身だけの女がついてきている。急ブレーキをかけて踵落しを入れる。もう着いて来ないようだ。
【21:25】帰宅、着信記録が49件。またアイツか。
【21:42】ベッドの下に寺生まれのTがいたので警官のPに通報して追い出した。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。「わたしメリーさん、これから合コンなの」やかましい。
【23:34】着信がしつこく鳴り響く。電話線を抜いた。
【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。便所の人形が天井にへばりついて恨めしそうにこっちを見つめている。だが睡魔には勝てない。
【3:20】猿夢だ。小腹が空いていたので小人共から道具を奪い調理して残らず食う。

あの時は浪人中で荒れていた。そう頭を掻きながら恥ずかし気に話すNさん。
寺生まれに何もさせない国家権力と好き嫌いの無いNさんは凄い。そう思った。

743Pさんの一日:2018/10/17(水) 22:07:20 ID:eno7sYus
【7:46】メリーさんからの着信で起床。「〇〇のセクハラが酷い」等とほざいてやがる。なら掛けるな。
【8:02】朝食で使った油の容器にゴキブリが入ってた。買ったスーパーに後で持って行こう。
【8:36】通勤。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。今度はアンサーさんだ。
【9:07】交番まで走っていると、後ろからババアがダッシュで追いかけてくる。速度違反でしょっ引く。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手がオレの足をつかんでいる。ふりほどいて引っ張り出し、説教。大人しくなった。
【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、女が落ちてきて目があった。道路を見ても誰もいない目の錯覚か。
【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に男が「よくわかったな」と言ってきた。指名手配犯だったので逮捕。
【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたしメリーさん」ストーカー容疑として逆探知を掛ける。
【16:12】巡回をしているとマスクをした女が声をかけてきた。「わたしきれい?」「ええ、綺麗ですよ」適当に相手をする「これでもか」と裂けた口を見せたので「虫歯の無い綺麗な歯ですよ」と切り返す。女は不満げに去って行った。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「わたしリカちゃん。穢されたの」白濁塗れて触れたくなかったが仕事なので、落とし物として処理。「出来れば洗って欲しいの」泣き言が煩かったので洗う。
【20:32】帰宅中振り向くと上半身だけの女がついてきている。制限速度以内だったので気にしない。
【21:25】帰宅、着信記録が49件。T絡みだ。
【21:42】ベッドの下に見知らぬ男が居たので取り押さえ逮捕。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。「わたしメリーさん、逃亡中なの」やかましい。
【23:34】着信がしつこく鳴り響く。自宅ぐらいのんびりさせろ。
【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。髪の長い女が天井にへばりついて恨めしそうにこっちを見つめている。引き下ろして逮捕する。帰ってから二人目だ防犯を見直さないと。
【3:20】猿夢だ。乗客を襲っていた猿共を残らず捕獲する。

眠そうにそう話す警官のPさん。Tさんと関わらなくても警察は忙しい。そう思った。

744三つの願い:2018/10/22(月) 22:57:55 ID:wo/T/7R2
アイドルのKとAとMが海で遭難して無人島に漂着した。
3人は一週間ほどで島から容易には脱出出来ないことに気付き、生きていくのに必要な物を探しに各自島を探索しに行った。

3人はそれぞれ食料になりそうな植物や狩りに使えそうな道具を持ち寄った。
その際、年長者のA(17歳)は古ぼけたランプも見つけてきた。

汚いランプを拭いていると、突然ランプから煙が出てきて見る間に寺生まれのTの姿になった。
ランプから出て来た寺生まれで霊感の強いTはこう言った。
「破っ破っ破っ、お前達の願いを一人一つだけ叶えてやろう。ただし同じ願いは許さん。言ったらNGでやり直しだ。」

Kはとっさにこう言った。
「ふふーん、かわいいボクの無人島生活を記録する為のカメラとHDをください」
破ァーーーー!!!
Tさんは彼女にデジタルカメラとHDを渡した。

次にAは少し考えてこう言った。
「ガチ過ぎると視聴者が引いてしまうので発電機と照明、電動工具をください」
破ァーーー!!!
足漕ぎ発電機と電動工具、LEDライトを渡した。

最後に残されたMはこう言った。
「煮魚、焼き魚はもう、嫌ニャー!違う物が食べたいニャー!!」
破ァーーーー!!!
魚の缶詰、干し魚、魚肉ソーセージと各種栄養剤、歯磨きを渡した。
「何でニャー―――」

Mの絶叫を聞きつつ、救難信号を出して実家に帰ったTは誰一人帰りたいと言わない彼女たちの芸人根性は凄い。そう思った。

745八尺様とTさん:2018/12/24(月) 21:10:35 ID:qfDbLwgQ
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
田舎の農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗る
ようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。


春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこに雀卓を出しKとNを呼んで打とう。残り一人は誰を呼ぼうかと考えていたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ……」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、一人女性が見えた。
まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。 女性は白っぽいワンピースを着ていた。
でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…。
その時は面子が欲しかったので声を掛けようとしたら、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。

そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。

その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ〜」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言った途端、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。

その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にあ
る電話まで行き、どこかに電話をかけだした。引き戸が閉じられる瞬間、
プロ雀士がどうとか、合コンがどうとか聞こえたけど、何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。

そして、「ばあさん、後頼む。俺はSさんを迎えに行って来る」と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。

ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。Sさんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。

746八尺様とTさん:2018/12/24(月) 21:42:15 ID:qfDbLwgQ
この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、
女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに麻雀で身包みを剥がれてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前、親父と爺さんがやられその年の収穫を取られたらしい。
そんな事なら勝負をするなよと内心思ったが長身美人さんに脱衣麻雀を挑まれ鼻の下を伸ばした結果がこれだと憎々し気に話す婆さんに対し何も言えなくなってしまった。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、
八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な 協定を結べれば良しと思ったのだろうか。
家庭不和を蒔かれ、その年の収穫を奪われる事を天秤に掛けると微妙な所だ。

そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうち、じいちゃんが一人のスーツ姿の女性を連れて戻ってきた。
雀士としてスカウトできるのではないかと八尺様の噂を聞き村に逗留している年配女性のTさんだ。
爺さんは実力が定かではない女性が来る事に渋ったが、実際に試してみて自分より強かったので連れて来る事にしたらしい。
「厄介なことになったようだね。私が何とかするから安心しな」
Tさんという女性はそう言って、お札をくれた。
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「本当に身包みを剥がれただけなのか…」と思うようになってきた。

しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた年代物の雀卓があり(自動雀卓と言えるような洒落た物ではない)、雀卓を囲む様に小さな仏像が置いてあった。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が二つも用意されていた。これで用を済ませろってことか…

「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。そう
だな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったらお前から出ろ。家には連絡しておく」

と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守るんだ。お札も肌身離さずな。何か起きたら大声であたしをよびな。ただし絶対に外には出るんじゃないよ」とTさんにも言われた。
そして、扉が閉められた。

テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、
放置したまま布団に包まって期待と不安がごちゃ混ぜになった何とも言えない気持ちでゴロゴロしていた。

747八尺様とTさん:2018/12/24(月) 22:04:02 ID:qfDbLwgQ
そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、
目が覚めたときには、何だか忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。
(この頃は携帯を持ってなかった)

なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえた。
小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつかなかったが、必死に風のせいだ、と思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり落ち着かず、テレビの音を大きくして無理やりテレビを見ていた。

そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」

じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に動悸が上がった。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。
次に衣擦れの音が聞こえ…ねえ、見たいと悩ましい声が聞こえて来た。

窓を開け雀卓の前に座り、是非お願いしますと思わず答えてしまった。

そのとき、

「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…もう、遅いからすぐに始めるよ」

あの声が聞こえ、スッと長身でかわいい感じの女性が対面に座っていた。

「破ぁい!お願いします」

よく見ると着崩れた感じはない。しまった嵌められたと思っていると

「そこまでだ!」

その時だった。部屋の戸が勢いよく蹴り開けられ、Tさんが入ってきた。
Tさんは女性に対し年頃の男の子を惑わすんじゃないよと叫ぶ。
アンタは打ちに来たんだろ。打ってやるよと卓に着くTさんと、何時の間にか卓に着き前の借りを返すと息を巻いている爺さん。

空が白染む頃、ハコにされ燃え尽きた俺と爺ちゃんを置いて「これで安心だな……」そう呟いて八尺様を連れて去っていくTさん。
その後、あの女が現れることも、声が聞こえてくることもなかった。
Tさんが何者なのか気になりばあちゃんに聞いてみると、彼女は高校で麻雀部の監督で強い雀士を探し、各地を回っていて、そのついでに無償でお祓いをしているらしい。
麻雀ってすげえ……あの晩、何が有ったのか気付いている婆さんの白い視線に気づかない振りをして、そう思う事にした。

748100階ホテルのTさん:2019/01/02(水) 17:41:34 ID:uuOFP6JI
とある若者4名が超高層ホテルに泊まったときの話し。
4人の若者が海外旅行に行き、超高層ホテルに泊った。
しかも、見晴らし最高の100階だ。

その夜、若者たちは繁華街へと出かけた。
フロントにカギを預けるとき、ホテルスタッフからは
「今夜、エレベーターのメンテナンスを行うので、深夜12時までには帰って来てくださいね。朝までエレベーターが使えなくなりますから」
と注意をされていた。

彼らは夢中になって遊んだ。
急いで帰ってきたものの、ホテルについたのは深夜1時を過ぎていた。

忠告どおり、すべてのエレベーターは運転停止中。
やむなく階段で、自分たちの部屋がある100階へと昇ることにした。

100階まで普通に階段を昇るのも退屈なので
「1階ごとに、1つ怖い話しをしようじゃないか」
ということになった。

4人で順番に怖い話をしつつ、階段を昇る。
話しは盛りあがり、気がつけば99階だった。

「次の話しで最後か。……これは本当に怖いからな。心して聞いてくれよ」

100話目を話すこととなった1人が、深刻な面持ちで、語りはじめた。

「…すまん。1階のフロントで部屋のカギもらうの忘れた」

「破ぁ〜、そんな事だろうと思って俺が代わりに受け取っておいたわ」

そう言って部屋の鍵を見せるTさん、NとK、俺は寺生まれが居て本当に助かった。心の底からそう思った。

749地蔵と女とTさん:2019/02/22(金) 00:12:53 ID:0/ce6UpQ
今から五年前かな。友達と三人ぐらいで地方へドライブへ行ったのね。
それで、その帰りの道の事なんだけど。友人が車を運転していたらタヌキが飛び出して来たんだよ。友人は慌てて回避したんだけど、拍子に道路沿いにあった地蔵様を倒して壊しちゃったんだ。

幸い、車は大して被害は無かったし誰も怪我しないで済んだけど車は脱輪しちゃって動けない。
とりあえず、警察とレッカーを頼んだけど田舎と言うこともあって30分は掛かる。

その間、地蔵様に悪いことをした本当にごめんなさいと思いつつ友人達とどうやったら元に戻せるかとか誰にお詫びすれば良いのかなとか話をしてたんだけど

ふと道路の奥を見ると誰か走ってくるんだわ。警察が来るにはまだ早い。
となると事故に気づいて誰か来てくれたのかなと思ったんだけど、よく見たら女性ぽい。

凄い速さで近づいてきてさ、更に目を凝らしてみたら、やたらめったら身長が高い。

そいつが満面の笑みを浮かべちゃって、凄い目をキラキラさせて走ってるの。
ほっぺなんかピンク色に染めて何か愛しの恋人に会いに行くみたいな。
それで擦れ違い様に耳元で「ありがとう」って言われた。

友人にも言っても見えないらしく分かって貰えない。女は女で今度はスキップなんかしちゃってる。背はでかいけど、おっぱいもでかくて顔もかわいくて正直、見惚れてたかもしれん。

だけど農道の十字路で破ァ―――と神輿を担いで爆走するTさんに撥ね飛ばされて田んぼで犬神家状態になってアッ!と思ったら次の瞬間には消えてた。

750浄化:2019/09/07(土) 11:57:04 ID:RvvdcJhQ
「破アーークション!!」
突然大きなクシャミの音が停車中の電車内に響き渡り、俺は何事かとスケジュールを書き込んでいるタブレット端末から顔を上げた。
よく見ると幼なじみのTが鼻をぐずつかせ電車に乗り込んできた所だった。

俺の顔をみると「Zじゃないか、久しぶり。仕事は順調か?」などと話しかけてきた。
久しぶりに会ったこともあり、お互い話しが弾んだ。Tが体調悪そうにしているのはしばらく山ごもりの修行をしていたせいらしい。
やがて電車は次の駅に停車し、Tはそこで降りた。

別れ際、「最近、肩が重くなかったか?」と尋ねてきた。そういえば、確かに重かった気がするがTが電車の中に入ってきてからなんだか軽くなった気がする。
大丈夫だよ、と返事をするとそうか、がんばれよと別れの挨拶を残し、Tは去っていった。

そういえば、さっきから電車内にのっている何人かの顔がすこし晴れやかになっている気がする

751寺生まれの名無しさん:2020/07/20(月) 18:26:58 ID:cFXNt9P6
昔々、ある山寺に和尚さんと小坊主が住んでいました。ある時小坊主はクリ拾いに行きたくなり、和尚さんに頼みました。

「山には山姥というおそろしい化け物が出るんじゃ。もし山姥が出たらこの三枚のお札に助けてもらいなさい」
そう言って、和尚さんは三枚のお札をわたし、小坊主を送り出しました。
お寺で修行しているといっても小さな子供ですから、外に出て遊びたいものです。鳥の声をきいたり、小川で水遊びをしながらむちゅうでクリを集めます。気がつくとあたりがすっかり暗くなっていました。
しかも道を間違えたのか、どんどん山奥に入っていきます。

「困ったなぁ。これじゃ夜までにもどれない。和尚さんに怒られちゃうよ」

見ると、山小屋がぽつんと建っています。小坊主は助けを求めて、扉を叩きます。
中には一人のおばあさんが糸車を回していました。

「そうかい、こんな山奥を夜中に歩くなんてあぶないよ。今夜はゆっくり寝て、明日の朝でかけるといい」

と言って小坊主を囲炉裏端に座らせます。昼間の疲れが出たのか、小坊主はうつらうつらと眠ってしまいます。
夜中、目がさめると、しゅっしゅっと鋭い音がします。おばあさんが、炉辺で刃物を研いでいるようです。
月明かりに照らされたその横顔を見て、小坊主はビックリしました。
口は耳のあたりまで裂け、鋭いキバが突き出しています。目は人間とはかけはなれており、するどい光を放っています。
その姿が月明かりに照らされて、部屋いっぱいに恐ろしい影を落としています。
小坊主はこれが和尚さんの言っていた山姥だと思い当たります。これは大変だ、逃げようと焦るところに、

ガタッ!
足を戸だなにひっかけて音を立ててしまいました。

「なんじゃっ!?」

小坊主はうろたえますが、和尚さんがくれた三枚のお札のことを思い出しました。
小坊主はそのお札を懐から取り出し、呪文を唱え

「破ぁ!」

と叫び、山姥に投げつけます。するとその三枚は眩い閃光を放って弾け飛び、山姥の半身を吹き飛ばしました。
半身でのたうつ山姥を尻目に、小坊主は全速力で逃げ出します。
山寺に帰った小坊主がそのことを和尚さんに話すと、和尚さんは

「半身を吹き飛ばした? やれやれ、威力は父の作ったものの半分か」
と呟きました。

寺生まれって凄い、小坊主は改めてそう思ったそうです。

752寺生まれの名無しさん:2020/07/29(水) 21:58:47 ID:M5wnhnM6
これは私が体験した真の体験です。
学生時代に彼女(元モデル(爆)とふたりで歩いていました。
すると前方から、なんと形容すればいいやら、
例えるなら暗黒の騎士とでも言おう存在が突進してきました。
私は無我夢中で両手を突き出し「破ぁ!!」と
無意識の内に叫んでいたそうです(彼女・談)
すると私の両手から青白い光弾が飛び出し、暗黒の騎士を吹き飛ばしました。

5年経った今でも、はっきりと覚えています。
私は寺の生まれで霊感が強いのですが、あれは寺生まれの力だったのでしょうか?

753小坊主と山姥:2020/09/04(金) 23:00:20 ID:noiGWQ5.
昔々、ある山寺に和尚さんと小坊主が住んでいました。ある時小坊主はクリ拾いに行きたくなり、和尚さんに頼みました。

「山には山姥というおそろしい化け物が出るんじゃ。もし山姥が出たらこの三枚のお札に助けてもらいなさい」
そう言って、和尚さんは三枚のお札をわたし、小坊主を送り出しました。
お寺で修行しているといっても小さな子供ですから、外に出て遊びたいものです。鳥の声をきいたり、小川で水遊びをしながらむちゅうでクリを集めます。気がつくとあたりがすっかり暗くなっていました。
しかも道を間違えたのか、どんどん山奥に入っていきます。

「困ったなぁ。これじゃ夜までにもどれない。和尚さんに怒られちゃうよ」

見ると、山小屋がぽつんと建っています。小坊主は助けを求めて、扉を叩きます。
中には一人のおばあさんが糸車を回していました。

「そうかい、こんな山奥を夜中に歩くなんてあぶないよ。今夜はゆっくり寝て、明日の朝でかけるといい」

と言って小坊主を囲炉裏端に座らせます。昼間の疲れが出たのか、小坊主はうつらうつらと眠ってしまいます。
夜中、目がさめると、しゅっしゅっと鋭い音がします。おばあさんが、炉辺で刃物を研いでいるようです。
月明かりに照らされたその横顔を見て、小坊主はビックリしました。
口は耳のあたりまで裂け、鋭いキバが突き出しています。目は人間とはかけはなれており、するどい光を放っています。
その姿が月明かりに照らされて、部屋いっぱいに恐ろしい影を落としています。
小坊主はこれが和尚さんの言っていた山姥だと思い当たります。小坊主は慌てず騒がず
「破ァ」山姥の背後に光弾を放ちます。
「甘い!」山姥は振り向き様に研いでいた包丁を振り抜き光弾を切り裂きました。
「あんたの「破ァ」じゃ試し切りにもなりはしないよ。坊主から渡されている札が有る筈だ。それを使いな」
そう言うと再び包丁を研ぎだす山姥。
暫くすると「小僧、試すよ」
小坊主は一枚目の札を取り出し呪文を唱えます。
「破ぁ」
今度は小坊主の時とは比べ物にならない輝きと速度を持った光弾が山姥に向かいます。
「噴!」
切り裂かれた光弾は部屋の中で爆ぜ土壁諸共、小坊主と意識を吹き飛ばします。
暫くして「いつまで寝ているんだ。次行くよ」
山姥に蹴り起こされ、同じ事を繰り返させられる小坊主。寝たのだか、寝てないのか分からない状態で夜が明けました。
すり鉢状の穴の中で目が覚める小坊主。
「よく頑張ったね。これは和尚様に頼まれていた包丁だよ」
包丁と栗を受け取り老婆の案内で下山する小坊主。

あの頃は未熟だったとすっかり禿山になった頭を撫でTさんに話すTさんの祖父で寺育ちのGさん。
小僧を使いに出すならちゃんと要件を言えよ。あと山姥と和尚は顔見知りかよ生まれのT少年はそう思った。

754寺生まれの名無しさん:2021/06/18(金) 15:54:39 ID:DFR2b9CQ
感情を含む体験の根本原因は体験者自身の先入観・自分ルール・思い込み・色眼鏡・記憶・判断基準etc。価値観が変わらない限り似たような体験を繰り返す。執着が強いほど感情も強まる
情報をどう解釈し反応し対処するかは解釈者の自由選択。「世相・言葉・服装・風紀の乱れ」はそれを感じる本人の心の乱れの自己投影
不満イヤ不安ウザ不快コワ不信キモ不可解の原因は各人の固定観念にあるので他者のせいにするのは筋違い。他者に不自由を与えた者は自らも不自由を得る
故に、貴方が誰かを怒らせても貴方に相手の怒りの原因はない。逆に、誰かが貴方を怒らせても相手に貴方の怒りの原因はない
他罰的で他力本願で問題解決力が低く対外評価を気にする不寛容者ほど、情緒安定と自己防衛の為にマナー礼儀作法ルール法律を必要とする

感情自己責任論(解釈の自由と責任)〜学校では教えない合理主義哲学〜
://kanjo.g1.xrea.com/


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